説明

三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物及びその塗布液

【課題】三次元積層型半導体装置の製造プロセスへの適合し、かつ熱伝導性や耐熱性などの性能バランスに優れた層間充填材組成物、該層間絶縁充填材組成物を含有する塗布液、該層間絶縁充填材組成物の硬化物、該層間絶縁充填材組成物を用いてなる三次元積層型半導体装置の製造方法、及び、該層間絶縁充填材組成物の硬化物を含有する三次元積層型半導体装置を提供する。
【解決手段】室温で固体のエポキシ樹脂(A)および下記式(1)で表されるエポキシ樹脂(B)を含有する、三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置用の層間充填剤組成物及びその塗布液に関する。更に詳しくは、三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物、該組成物を含有する塗布液及び該組成物の硬化物並びにこれらを用いてなる三次元積層型半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの更なる高速化・高容量化などの性能向上のために、トランジスタや配線の微細化に加えて、半導体チップを2層以上積み重ねた三次元積層(3D)化による性能向上に向けた研究開発が進められている。
具体的には、半導体チップの積層後に基板間に層間充填材を流し込むアンダーフィルプロセスや、ウェハ上に層間充填材組成物の塗布薄膜を形成した後に、Bステージ化を行い、次いでダイシングにより半導体チップを切り出し、この半導体チップを用いた仮接合により積層体を得、最終的に加圧加熱条件下で本接合(はんだ接合)を行い、三次元積層型半導体装置を形成するプロセスが提案されている(非特許文献1、2参照)。
【0003】
このような三次元積層型半導体装置の実用化に向けて種々の課題が指摘されているが、その一つにトランジスタや配線等のデバイスが発する熱の放熱問題がある。この発熱は、層間充填材の熱伝導率が金属やセラミックなどに比べて非常に低いために装置内に蓄積され、この蓄熱が三次元積層型半導体装置の誤動作や破損を引き起こす事が懸念されている。
【0004】
この課題を解決する一つの手法として、層間充填材の高熱伝導化が挙げられる。特に、層間充填剤に使われることの多いエポキシ樹脂系については、これまでにも高熱伝導性複合材の発明が開示されている。しかしながら、マトリクスとなるエポキシ樹脂自体の熱伝導性よりも、高熱伝導性フィラーを含む組成物の配合最適化を指向したものが多かった。
例えば、特許文献1、2では、高熱伝導性フィラーとして熱伝導率の高い無機化合物の粉末または繊維を配合し、エポキシ樹脂については一般的なビスフェノールA型エポキシ樹脂で非常に分子量の高いものを用いており、エポキシ樹脂自体の熱伝導性には言及していない。すなわち、特許文献1,2において、熱伝導性はフィラーが担っており、エポキシ樹脂はフィルムとしての取り扱いやすさを付与しているのみである。
【0005】
また、特許文献3では、フィラーの形状を特徴付けており、特許文献4では、フィラーの配合による接着性等の低下をエポキシ樹脂と相溶性の高分子量樹脂や反応性高分子量樹脂の配合で改善しており、いずれも使用されているエポキシ樹脂はごく一般的なノボラックやビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
一方、最近では、メソゲン骨格を導入することで、エポキシ樹脂自体の熱伝導性を改良しようとする発明がいくつか開示されている。例えばメソゲンを含有するエポキシ樹脂と硬化剤により高い熱伝導性を有する樹脂組成物が報告されている(特許文献5、6)。
【0006】
しかしながら、従来提案されているメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性には優れるものの、塗布性や接合性などの三次元積層型半導体装置の製造プロセスに適用することが困難であった。例えば、はんだ接合時の層間充填剤の粘度に関しては、150℃において0.3〜80Pa・sとの粘度とすることで、層間充填材を噛み込むことなく半導体チップの微細ピッチ表面電極(バンプ)と基板のランドが接触しうるとの開示がされている(特許文献7)。しかしながら、メソゲンを含有したエポキシ樹脂は高粘度であったり、あるいは、融点が高くなったりする傾向にあり、この接合時の低粘度を実現することが難しかった。
【0007】
すなわち、これまでに、三次元積層型半導体装置の製造プロセス適合性を満たした上で、高い熱伝導性を有するエポキシ樹脂組成物は提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平04−339815号公報
【特許文献2】特開平04−339854号公報
【特許文献3】特開平05−259312号公報
【特許文献4】特開平10−183086号公報
【特許文献5】特開2010−001427号公報
【特許文献6】特許第4118691号公報
【特許文献7】特開2003−258034号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「エレクトロニクスパッケージ技術(CMCテクニカルライブラリー)」、シーエムシー出版(2003年)、p.102
【非特許文献2】第23回エレクトロニクス実装学会講演大会講演論文集、社団法人エレクトロニクス実装学会(2009年)、p.61
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、三次元積層型半導体装置の製造プロセスへの適合性、すなわち、成膜性、Bステージ膜形成性、接合時の低溶融性など、を有し、かつ熱伝導性や耐熱性などの性能バランスに優れた層間充填材組成物を提供することである。本発明の目的は、また、該層間絶縁充填材組成物を含有する塗布液、該層間絶縁充填材組成物の硬化物、該層間絶縁充填材組成物を用いてなる三次元積層型半導体装置の製造方法、及び、該層間絶縁充填材組成物の硬化物を含有する三次元積層型半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1]
室温で固体のエポキシ樹脂(A)および下記式(1)で表されるエポキシ樹脂(B)を含有する、三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
【0012】
【化1】

【0013】
[2]
エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が400g/当量以上である、[1]に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
[3]
層間充填剤組成物中の全エポキシ樹脂に対するエポキシ樹脂(B)の割合が、10重量%以上90重量%以下である、[1]または[2]に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
[4]
層間充填剤組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.05重量部以上200重量部以下の硬化剤(C)を含む、[1]から[3]のいずれか1つに記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
[5]
更に無機フィラー(D)を含む、[1]から[4]のいずれか1つに記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
[6]
[1]から[5]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする三次元積層型半導体装置用の層間充填剤硬化物。
[7]
[6]に記載の層間充填剤硬化物を層間に有する、三次元積層型半導体装置。
[8]
[1]から[5]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物と、有機溶媒(E)とを含む、三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物塗布液。
[9]
[8]に記載の層間充填剤組成物塗布液を用いることを特徴とする三次元積層型半導体装置の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、三次元積層型半導体装置の製造プロセスへの適合性に優れ、かつ熱伝導性や耐熱性などの性能バランスに優れた層間充填材組成物が提供される。また、本発明により、該層間充填材組成物を含有する塗布液、該層間充填剤組成物の硬化物、該層間充填剤組成物を用いてなる三次元積層型半導体装置の製造方法、及び、該層間充填剤組成物の硬化物を含有する三次元積層型半導体装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明は、先ず、室温で固体のエポキシ樹脂(A)、および、式(1)で表されるエポキシ樹脂(B)を少なくとも含む三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物(以下、単に「層間充填剤組成物」ということがある。)に係るものである。
【0016】
ここに、本発明の三次元集積型半導体装置とは、半導体デバイス層が形成された半導体チップを少なくとも2層以上積層した半導体チップ積層体である。各半導体チップには、貫通電極(TSV)が設けられており、半導体チップ間では、バンプを介してTSVが接続される。この積層体の層間には、層間充填剤(層間充填剤組成物)が使用される。
上述のように、三次元積層型半導体装置を形成するプロセスとして、ウェハ上に層間充填材組成物の塗布薄膜を形成した後に、Bステージ化を行い、次いでダイシングにより半導体チップを切り出し、この半導体チップを用いた仮接合により積層体を得、最終的に加圧加熱条件下で本接合(はんだ接合)を行う工程が提案されている。
【0017】
このプロセスに適合するために、層間充填剤組成物には、成膜性、Bステージ膜形成性、仮接着性、高温加熱時の低溶融粘性などが求められる。
本発明の上記エポキシ樹脂(A)、および、エポキシ樹脂(B)を含有する層間充填剤組成物は、かかる要求性能に適合するものであり、更に、硬化剤(C)や無機フィラー(D)を含有することにより、より最適な層間充填剤組成物とすることができる。
【0018】
[層間充填剤組成物]
[エポキシ樹脂(A)]
本発明の層間充填剤組成物を構成するエポキシ樹脂(A)は、室温で固体であるものである。エポキシ樹脂(A)は、エポキシ構造を有する樹脂であって、室温で固体であるものであれば、その構造などには制限されない。
【0019】
エポキシ樹脂(A)は、エポキシ樹脂成分として配合量を調節することにより材料に成膜性を付与し、室温でのタック性を抑えることが出来る。本発明においてエポキシ等量は、JIS K7236により定義され、エポキシ樹脂(A)の反応性を高めるという観点
で、400g/当量以上であることが好ましい。エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が400g/当量未満の場合には、本発明のエポキシ樹脂組成物は、室温でタック性を抑制できない可能性があり、プロセスに適用することが困難となる。また、伸び性の観点からは、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、好ましくは800g/当量以上、より好ましくは1,000g/当量以上、特に好ましくは2000g/当量以上である。一方、エポキシ当量の上限値は特に限定はないが、取り扱い性・作業性という点で、好ましくは100,000g/当量以下、より好ましくは20,000g/当量以下、特に好ましくは15,000g/当量以下である。
【0020】
エポキシ樹脂(A)の例としては、ビスフェノール系化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂、ビフェノール系化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂などがあげられる。ビスフェノール系化合物とエピハロヒドリンとから製造されるエポキシ樹脂としては、用いるビスフェノール系化合物の違いにより、ビスフェノールA型固形フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、ビスフェノールS型フェノキシ樹脂、共重合型フェノキシ樹脂、特殊骨格型フェノキシ樹脂などがあり、各社より市販されてものを用いることが出来る。
【0021】
ビスフェノールA型フェノキシ樹脂とは、ビスフェノール系化合物として、ビスフェノールAを用いたビスフェノールA骨格を有するフェノキシ樹脂である。ビスフェノールA型フェノキシ樹脂の例としては、東都化成(株)製、品番YP−50、YP50S、YP−55、YP−70、三菱化学(株)製の1256、1255、大日本インキ化学工業株式会社製のエピクロン、ユニオンカーバイト株式会社製のPKHC、PKHH、PKHJなどが挙げられる。
【0022】
ビスフェノールF型フェノキシ樹脂とは、ビスフェノール系化合物として、ビスフェノールFを用いたビスフェノールF骨格を有するフェノキシ樹脂である。ビスフェノールF型フェノキシ樹脂の例としては、東都化成(株)製、品番FX316、三菱化学(株)製、品番4256などが挙げられる。
ビスフェノールS型フェノキシ樹脂とは、ビスフェノール系化合物として、ビスフェノールSを用いたビスフェノールS骨格を有するフェノキシ樹脂である。ビスフェノールS型フェノキシ樹脂の例としては、東都化成(株)製、品番YPS007A30Aなどが挙げられる。
【0023】
共重合型フェノキシ樹脂としては、ビスフェノール系化合物として、ビスフェノールAおよびビスフェノールFを用いたビスフェノールA/F骨格を有するフェノキシ樹脂(ビスフェノールA/F混合型フェノキシ樹脂)が例示される。共重合型フェノキシ樹脂の例としては、東都化成(株)製、品番YP−70、三菱化学(株)製、品番4250、42
75などが挙げられる。
【0024】
特殊骨格型フェノキシ樹脂としては、ビスフェノール系化合物として、種々のビスフェノール化合物が含有されているフェノキシ樹脂である。特殊骨格型フェノキシ樹脂の例としては、東都化成(株)製、品番FX−293AM40、三菱化学(株)製、品番YX6954BH30、YX8100BH30などが挙げられる。
エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィにより測定され、10,000以上200,000以下であることが好ましく、より好ましくは15,000以上50,000以下である。重量平均分子量が10,000より低いものでは伸び性が低くなる傾向にあり、200,000より高いと樹脂の取り扱いが困難となる傾向にある。エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量は、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
【0025】
エポキシ樹脂(A)は耐熱性に優れることが好ましく、後掲の実施例の項で示すようなDSC法(10℃/分昇値)により測定されるガラス転移温度Tgで評価することが可能で、ガラス転移温度Tgは、通常60℃以上であって、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは85℃以上、よりさらに好ましくは90℃以上、特に好ましくは95℃以上であるが、Tgが高過ぎると、加工プロセスで使用する加熱温度で硬化反応が十分に進行せず、品質が安定しなかったり、要求される物性が発現しなかったりする、といった問題が生じうるため、その上限は通常220℃以下であり、200℃以下であることが好ましい。
【0026】
[エポキシ樹脂(B)]
本発明の層間充填剤組成物を構成するエポキシ樹脂(B)は、下記式(1)で示されるエポキシ樹脂である。
【0027】
【化2】

【0028】
ここで、式(1)中、R〜Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、Z及びZは、下記式(2)又は(3)の基を示す。
【0029】
【化3】

【0030】
式(2)および式(3)中のR〜Rは、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基
を示し、nは0〜6の数を示す。R〜Rがアルキル基である場合、炭素数は1〜6であるが、より好ましくは炭素数1〜3であり、特にはメチル基が好ましい。
式(1)中のnは0〜6の数であるが、エポキシ樹脂(B)は異なるnの混合物であっても構わず、異なるnの混合物である場合はその平均値が本発明の範囲であればよい。式(1)におけるnは、好ましくは0〜5、より好ましくは0〜3である。このようにすることにより、得られるエポキシ樹脂の溶融粘度が低下することや、硬化剤との硬化反応が良好になるという面で好ましい。得られるエポキシ樹脂は、25℃で液体又は融点が80℃以下であるため、エポキシ樹脂硬化剤と配合する時の取り扱い性に優れる。
【0031】
及びZは、前記式(2)又は(3)の基を示すが、本発明のエポキシ樹脂(B)中の式(2)と式(3)の構造の比率は、前記式(2)で示される構造単位が1〜70%の含有割合で、前記式(6)で示される構造単位が30〜99%であれば、低軟化点のエポキシ樹脂であるため本発明のエポキシ樹脂組成物に使用することができる。
エポキシ樹脂(B)の製造方法としては、具体的には例えば、前記式(1)で示される構造のシクロヘキサン環部分が芳香族環であるエポキシ樹脂を、触媒の存在下、公知の方法で選択的に芳香環を水素化する方法があげられる。なかでもより好ましい水素化反応方法は、一般式(1)で示される構造のシクロヘキサン環部分が芳香族環であるエポキシ樹脂を、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系の有機溶剤に溶解し、ロジウム又はルテニウムをグラファイトに担持した触媒の存在下、芳香環を選択的に水素化反応する方法があげられる。グラファイトは、表面積が10m/g以上、400m/g以下の範囲の担体を用いるのが好ましい。反応は、圧力、1〜30MPa、温度30〜150℃、時間0.5〜20時間の範囲内で行うのが好ましい。反応終了後、触媒を濾過により除去し、エーテル系有機溶剤を減圧で、実質的に無くなるまで留去して水素化エポキシ樹脂を得る方法があげられる。
【0032】
このような方法により、本発明のエポキシ樹脂組成物に使用されるエポキシ樹脂を製造する場合の原料となる、芳香族エポキシ樹脂を製造するために用いられるビフェノール化合物の具体例としては、ビフェノール、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’−ジtert−ブチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジオール、2,2’−ジtert−ブチル−5,5’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’−ジtert−ブチル−5,5’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラtert−ブチルビフェニル−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチルビフェニル−4,4’−ジオール、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタメチルビフェニル−4,4’−ジオール等が挙げられる。なかでも、R、R、R
及びRが水素原子又はメチル基であり、R、R、R及びRが水素原子であるビフェノール化合物が、原料入手の容易さ及び耐熱性の硬化物が得られるという点で好ましい。
【0033】
本願発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と共にエポキシ樹脂(B)を含むことにより、取り扱い性に優れた樹脂組成物を得ることが出来、また、十分な硬化物物性と熱伝導性を有する硬化物を得ることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物の熱伝導性が向上する理由は明かではないが、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)が相溶性に優れるため、硬化時に自己配向性が高まるためと推測される。
【0034】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)以外のエポキシ樹脂(以下、「他のエポキシ樹脂」)を含んでいてもよい。他のエポキシ樹脂の含有量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計に対して、通常、50重量%以下、好ましくは、30重量%以下である。
他のエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種を添加しても良いし、2種以上を添加しても良い。
【0035】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂中のエポキシ樹脂(A)の割合は、その合計を100重量%として、1〜99重量%、好ましくは5〜95重量%である。なお、「エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂」とは、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が、エポキシ樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)のみの場合には、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計を意味し、さらに他のエポキシ樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び他のエポキシ樹脂の合計を意味する。
【0036】
エポキシ樹脂(A)の割合が5重量%以上であることにより、エポキシ樹脂組成物に成膜性を付与し、また(A)の配合による熱伝導性の向上効果を十分に得ることができ、所望の高熱伝導性を得ることができる。
本願発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と共にエポキシ樹脂(B)を含むことにより室温で固体であり、かつ、高温加熱時に流動性が発現し、三次元積層型半導体装置のはんだ接合を容易に行うことが出来る。また、エポキシ樹脂組成物がエポキシ樹脂(B)を含むことにより、その硬化物に高熱伝導性が発現する。
【0037】
熱伝導はフォノンと伝導電子に支配され、金属のように自由電子を有する場合は伝導電子による寄与が大きいが、エポキシ樹脂は一般的に絶縁体であり、絶縁体においてはフォノンが熱伝導の主因子である。フォノンによる熱伝導は振動エネルギーの伝播であるので、振動が減衰しにくく、硬い材料であるほど熱伝導性に優れる。
エポキシ樹脂(B)の添加により熱伝導性が向上する理由の詳細は明確ではないが、エポキシ樹脂(B)がメソゲンである剛直なビフェニル構造を含み、構造の自由度が少なく振動エネルギーが減衰しにくいこと、またビフェニル骨格は平面性が高いため、分子間の重なりが良く、より分子運動を拘束できることによるものであると推定される。
【0038】
上述のエポキシ樹脂(A)は、それ自体は硬化条件を含めた硬化プロセス等において制限が少なく、物性のバランスに優れたエポキシ樹脂であるが、なかでもエポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が400g/当量以上であると、エポキシ樹脂の流動性と反応性が高ま
りより好ましい。
ここで、本願発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(B)を含有することにより、高流動性と高反応性を有するエポキシ樹脂成分が導入され、このエポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との混合物が加熱接合時に溶融し流動することではんだとランドの接合を阻害しない。
【0039】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)以外のエポキシ樹脂(以下、「他のエポキシ樹脂」という。)を含んでいてもよい。エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び他のエポキシ樹脂を含む全エポキシ樹脂中における他のエポキシ樹脂の割合は、その合計を100重量%として、通常、50重量%以下、好ましくは、45重量%以下である。
【0040】
その他のエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の反応性希釈剤等の、各種エポキシ樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上の混合体として使用することができる。
【0041】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂中のエポキシ樹脂(B)の割合は、その合計を100重量%として、10〜90重量%、好ましくは15〜85重量%である。なお、「エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂」とは、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が、エポキシ樹脂(A)及びエポキシ樹脂(B)のみの場合には、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)との合計を意味し、さらに他のエポキシ樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)及び他のエポキシ樹脂の合計を意味する。
【0042】
エポキシ樹脂(B)の割合が10重量%以上であることにより、エポキシ樹脂(B)を配合することにより加熱時の低溶融粘度が実現され、硬化物の熱伝導性の向上などの効果を得ることができる。エポキシ樹脂(B)の割合が90重量%未満であることにより、室温での低タック性が実現される。
<溶融粘度>
本発明のエポキシ樹脂組成物の溶融粘度とは、株式会社アントンパール・ジャパン製 粘弾性測定装置 Physica MCR301 を用いて測定したパラレルプレート動的粘度である。この溶融粘度の測定方法は、以下の通りである。まず、本発明のエポキシ樹脂組成物から溶媒を留去して固形物を得、その後、この固形物を二枚のセパレータに挟み込んで加熱プレス成型を行った後に室温まで放冷し、厚さ約1mmの板状サンプルを得る。このサンプルを
、パラレルプレートディッシュとパラレルプレート(φ25mm)の間に載置しパラレルプレート動的粘度測定を行うことで溶融粘度を測定する。測定条件は、上記サンプルに正弦波歪みを20%与え、その歪みの角周波数を10rad/secとし、1分間に3℃の割合で昇温させる過程での粘度を40℃〜200℃まで測定する。
【0043】
[硬化剤(C)]
次に、本発明で用いる硬化剤(C)とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応に寄与する物質を示す。
硬化剤(C)としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド
系硬化剤、第3級アミン、イミダゾールおよびその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
【0044】
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
【0045】
アミン系硬化剤の具体例として、脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。ポリエーテルアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が例示される。脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。芳香族アミン類としては、テトラクロロ−p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、2,4−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−アミノフェノール、m−アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α−(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
【0046】
酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、無水ヘット酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1−メチル−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が例示される。
【0047】
アミド系硬化剤としては、ジシアンジアミド、ポリアミド樹脂等が例示される。
第3級アミンとしては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
イミダゾールおよびその誘導体としては、1−シアノエチルー2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、およびエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、等が例示される。
【0048】
有機ホスフィン類としては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等が例示され、ホスホニウム塩としては、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等が例示され、テトラフェニルボロン塩としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等が例示される。
【0049】
また、これらの硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の硬化剤(C)の含有量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂100重量部当たり、0.05重量部以上200重量部以下であり、好ましくは、0.1重量部以上150重量部以下ある。
【0050】
硬化剤(C)の含有量が0.05重量部未満であると、硬化が不十分になるおそれがあり、200重量部を超えると接着性、熱伝導性などの所望の物性が得られない場合がある。
[無機フィラー(D)]
本発明のエポキシ樹脂組成物において、無機フィラー(D)は、熱伝導性の向上と線膨張係数の制御を目的に添加されるものであり、特に熱伝導性の向上が主目的である。
【0051】
そのため、本発明で用いる無機フィラー(D)は高い熱伝導性を有するものが好ましく、当該無機フィラーの熱伝導率として1W/m・K以上、好ましくは2W/m・K以上の高熱伝導性無機フィラーが好ましい。
無機フィラー(D)としては、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化ケイ素(Si)、シリカ(SiO)などが挙げられ、なかでも、Al、AlN、BN、SiOが好ましく、とりわけAl、BN、SiOが好ましい。これらの無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0052】
無機フィラー(D)は、その粒径が大き過ぎると積層を阻害することがあり、小さ過ぎると凝集しやすくなり分散性が悪くなることから、粒状や扁平状の無機フィラーであれば、平均粒径0.05〜1000μm程度のものを用いることが好ましい。
また、凝集状の無機フィラーであれば、平均結晶径が0.01μm〜5μmで、平均凝集径が1〜1000μmのものを用いることが好ましい。
【0053】
本発明のエポキシ樹脂組成物中の無機フィラー(D)の含有量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂100重量部当たり、10重量部以上400重量部以下が好ましく、20重量部以上300重量部以下がより好ましい。無機フィラー(D)の含有量が全エポキシ樹脂100重量部当たり、10重量部未満であると、無機フィラー(D)の添加効果が小さくなり、目的とする熱伝導性が得られない場合があり、400重量部を超えるとフィラーの存在が接合性を阻害することがある。
【0054】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の添加剤を含んでいてもよい。
添加剤の例としては、はんだ接合性向上のためのフラックス、基材との接着性やマトリックス樹脂と無機フィラーとの接着性向上のためのカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、分散剤、流動性改良剤、基材との密着性向上剤等が挙げられる。
【0055】
これらは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。その他の添加剤の配合量には特に制限はなく、必要な機能性が得られる程度に、通常の樹脂組成物の配合量で用いられる。
なお、その他の添加剤成分の配合量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂100重量部当たり、10重量部以下が好ましく、好ましくは5重量部以下であることがより好ましい。
【0056】
上記添加剤の中でも、フラックスを含むことが好ましい。フラックスとは、具体的には、金属端子のはんだ接合時において、はんだバンプ等の金属電気信号端子及びランドの表面酸化膜の溶解除去や、はんだバンプのランド表面における濡れ広がり性の向上、更にははんだバンプの金属端子表面の再酸化防止などの機能を有する化合物である。
本発明で用いるフラックスとしては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オレイン酸、ステアリン酸などの脂肪族カルボン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリト酸、トリメリト酸無水物、トリメシン酸、ベンゼンテトラカルボン酸などの芳香族カルボン酸、アビエチン酸、ロジンなどのテルペン系カルボン酸などの有機カルボン酸、及び有機カルボン酸をアルキルビニルエーテル類と反応して変換したヘミアセタールエステルである
有機カルボン酸エステル、グルタミン酸塩酸塩、アニリン塩酸塩、ヒドラジン塩酸塩、臭化セチルピリジン、フェニルヒドラジン塩酸塩、テトラクロルナフタレン、メチルヒドラジン塩酸塩、メチルアミン塩酸塩、エチルアミン塩酸塩、ジエチルアミン塩酸塩、ブチルアミン塩酸塩などの有機ハロゲン化合物、尿素、ジエチレントリアミンヒドラジンなどのアミン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類、塩酸、フッ酸、燐酸、ホウフッ化水素酸などの無機酸、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化アンモニウム、フッ化銅、フッ化ニッケル、フッ化亜鉛などのフッ化物、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化第一銅、塩化ニッケル、塩化アンモニウム、塩化亜鉛、塩化第一錫などの塩化物、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム、臭化錫、臭化亜鉛などの臭化物などが挙げられる。これらの化合物は、そのまま用いても、また有機ポリマーや無機化合物等による被覆剤を用いてマイクロカプセル化したものを用いても良い。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0057】
本発明において、フラックスの含有量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂100重量部当たり、0.1重量部以上10重量部以下、好ましくは0.5重量部以上5重量部以下である。含有量が、0.1重量部未満では、酸化膜除去性低下によるはんだ接続不良のおそれがあり、また10重量部を超えると組成物の粘度上昇による接続不良の恐れがでてくる。
【0058】
さらに、上記添加剤の中で、エポキシ樹脂成分と無機フィラー(D)との密着性を向上させる観点からは、カップリング剤を含むことが好ましい。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等が挙げられる。
【0059】
一方、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0060】
なお、その他の添加剤のうち、カップリング剤の添加量は、エポキシ樹脂組成物中の全固形分に対して0.1〜2.0重量%程度とするのが好ましい。カップリング剤の配合量が少ないと、カップリング剤を配合したことによるマトリックス樹脂と無機充填剤との密着性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると得られる硬化物からカップリング剤がブリードアウトする問題がある。
【0061】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、成形時の流動性改良及び基材との密着性向上
の観点より、熱可塑性のオリゴマー類を添加することができる。熱可塑性のオリゴマー類としては、C5系及びC9系の石油樹脂、スチレン樹脂、インデン樹脂、インデン・スチレン共重合樹脂、インデン・スチレン・フェノール共重合樹脂、インデン・クマロン共重合樹脂、インデン・ベンゾチオフェン共重合樹脂等が例示される。添加量としては、通常、全エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。
【0062】
<エポキシ樹脂組成物の製造>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、無機フィラー、硬化剤とその他の成分をミキサー等によって均一に混合した後、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造する。これらの成分の配合順序には特に制限はない。また、混練後にプレス機などを用いてフィルム化することも可能である。更には、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
【0063】
[層間充填剤組成物塗布液]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化剤(C)、無機フィラー(D)、及び、必要に応じて上記その他の添加剤を、更に有機溶媒(E)に分散して塗布液とすることができる。
[有機溶媒(E)]
本発明の塗布液で用いる有機溶媒(E)としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。
【0064】
このうち、樹脂の溶解性及び溶媒の沸点等を勘案すると、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等ケトン類、エステル類及びエーテル類が好ましく、特にメチルエチルケトンとシクロヘキサノンのケトン類を用いることが特に好ましい。
これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
【0065】
本発明の塗布液において、有機溶媒(E)の他の成分に対する混合割合は、特に制限はないが、好ましくは他の組成物に対して20重量%以上70重量%以下、特に好ましくは30重量%以上60重量%以下である。このような混合割合とすることにより、本発明の塗布液を使用することにより、任意の塗布法によって良好な塗布膜を形成することができる。
【0066】
有機溶媒(E)の混合割合が、20重量%未満では組成物の粘度が上昇し良好な塗布膜が得られない場合があり、または70重量%を超えると所定の膜厚が得られない等の問題が出てくる可能性がある。
本発明の塗布液には、各種の添加剤を含んでいてもよい。
このような添加剤としては、上述の添加剤の他、塗布液中での各成分の分散性を向上させる界面活性剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等が挙げられる。
【0067】
ここで、界面活性剤としては、従来公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤のいずれも使用できる。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフ
タレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、アルキルベタイン類、アミノ酸類などが挙げられる。
【0068】
界面活性剤の添加量として、エポキシ樹脂組成物中の全固形分に対して、0.001〜5重量%程度とするのが好ましい。0.001重量%未満では、所定の膜厚均一性が得られない場合があり、また5重量%を超えるとエポキシ樹脂成分との相分離等を引き起こす場合があり好ましくない。
本発明の塗布液の製造方法は、特に限定されず従来公知の方法によればよく、塗布液の構成成分を混合することで製造することができる。なお、その際、組成物の均一性の向上、脱泡等を目的として、ペイントシェーカーやビーズミル、プラネタリミキサ、撹拌型分散機、自公転攪拌混合機、三本ロールなどを用いて混合することが好ましい。
【0069】
混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、塗布液の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
<エポキシ樹脂組成物およびその塗布液の用途>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な伸び性を有し、かつ熱伝導性、耐熱性とのバランスに優れ、硬化物性にも優れるものであり、三次元積層型半導体装置の層間絶縁充填剤に好ましく使用される。また、本発明のエポキシ樹脂組成物の塗布液は、上記フィルム成形・塗布等のプロセスに好適に使用されるものである。
【0070】
[層間充填剤硬化物]
<硬化物の製造>
以下、本発明エポキシ樹脂組成物を含有する塗布液から硬化物を得る場合につき詳述する。
本発明の塗布液を三次元積層型半導体装置の製造に適用して硬化物を得る場合は以下の手順で行う。本発明のエポキシ樹脂組成物をウェハ基板上に塗布し、塗布膜から溶媒を除去してBステージ膜とした後、ウェハから半導体チップを切り出す。切り出したチップを基板上に載せ、位置合わせ後に加圧・加熱を行って仮接着したのちに、はんだの溶融温度まで半導体チップ−基板を加圧・加熱して接合を行う。その後、この接合済みの半導体チップ−基板をオーブン中などで加熱し、硬化させることができる。なお、Bステージ薄膜とは、塗布膜をその膜面が鉛直方向となるように傾けた場合にも塗布膜が流動しない状態の薄膜をさす。
【0071】
本発明の塗布液の塗布方法としては特に制限はないが、均一な薄膜を容易に形成することができることから、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、フローコート、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、インクジェット法などを採用することが好ましい。
形成された塗布膜から溶媒を除去してBステージ膜を得る際の溶媒の除去は、膜を常温あるいは加熱下において溶媒を蒸発させることにより行うことができる。この際必要に応じて減圧を行うことも出来る。この溶媒の除去は、エポキシ樹脂組成物の硬化温度未満の温度で行うことが接着性を得る上で重要である。
【0072】
なお、ここで、エポキシ樹脂組成物の硬化温度とはゲル化点の温度である。溶媒除去時の処理温度は、エポキシ樹脂組成物の硬化温度に対して10〜100℃程度低い温度とすることが好ましい。
なお、上述のようにウェハ基板上にBステージ膜を得るのではなく、まず、塗布液から溶媒を留去した固体を得た後、プレス機やロールを用いてフィルムなどに成型した後、半導体チップ−基板間に挟み込み、加圧・加熱によりはんだ接合を行った後に加熱して硬化
させることも出来る。
【0073】
本発明の層間充填剤硬化物を使用する三次元積層型半導体装置は高い熱伝導性を有し、半導体デバイスの高速化・高容量化に寄与することが期待される。
【実施例】
【0074】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
また、以下における各種物性ないし特性の測定方法は次の通りである。
エポキシ樹脂(A)
・エポキシ樹脂(A1):三菱化学(株)製 ビスA型フェノキシ樹脂 商品名「1256B40」(40重量%メチルエチルケトン溶液)エポキシ当量7240 溶媒除去後の室温での性状:固体
・エポキシ樹脂(A2):三菱化学(株)製 ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂 商品名「1001」(80重量%メチルエチルケトン溶液を調整)エポキシ当量477 室温での性状:固体
エポキシ樹脂(B)
・エポキシ樹脂(B1):三菱化学(株)製 水添ビフェニル型液状エポキシ樹脂 商品名「YL6800」
その他のエポキシ樹脂:三菱化学(株)製 トリスフェノールメタン型多官能エポキシ樹脂 商品名「1032H60」(80重量%メチルエチルケトン溶液を調整)
溶媒(E):メチルエチルケトン
<溶融粘度>
株式会社アントンパール・ジャパン製 粘弾性測定装置 Physica MCR301 を用いて、パラレルプレート動的粘度として測定した。測定方法は、下記の通りである。まず、エポキシ樹脂組成物から溶媒を留去して固形物を得、その後、この固形物を二枚のセパレータに挟み込んで加熱プレス成型を行った後に室温まで放冷し、厚さ約1mmの板状サンプルを得た。このサンプルを、パラレルプレートディッシュとパラレルプレート(φ25mm)の間に載置し、パラレルプレート動的粘度測定を行った。測定条件は、上記サンプルに正弦波歪みを20%与え、その歪みの角周波数は10rad/secとし、1分間に3℃の割合で昇温させる過程での粘度を40℃〜200℃まで測定し、150℃での溶融粘度を表1に纏めた。
【0075】
[実施例1〜4]
上記エポキシ樹脂(A1)、(A2)及び、エポキシ樹脂(B1)及びその他のエポキシ樹脂を、表1に示す配合重量比として自転公転ミキサーで混合した。それぞれのサンプルについて、溶媒を除去した後のBステージ化膜の性状、80℃での粘着性、150℃での溶融粘度を評価し、結果を表1にまとめた。すべての場合において、三次元積層プロセスへの適合性を満たしていた。
【0076】
【表1】

【0077】
実施例の材料は、すべての場合において、三次元積層型半導体装置の積層プロセスへの適合性を満たしていた。また、すべてのサンプルにおいて、硬化後にエポキシ樹脂(A)およびエポキシ樹脂(B)に含まれるメソゲン部位の配向に起因する高熱伝導性が発現する。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明により、三次元積層型半導体装置の製造プロセスへの適合性に優れ、かつ熱伝導性や耐熱性などの性能バランスに優れた層間充填材組成物が提供される。本発明の層間充填剤組成物を用いてなる三次元積層型半導体装置は、熱伝導性や耐熱性に優れるため半導体デバイスの高速化・高容量化に寄与することが期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室温で固体のエポキシ樹脂(A)および下記式(1)で表されるエポキシ樹脂(B)を含有する、三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
【化1】

【請求項2】
エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量が400g/当量以上である、請求項1に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
【請求項3】
層間充填剤組成物中の全エポキシ樹脂に対するエポキシ樹脂(B)の割合が、10重量%以上90重量%以下である、請求項1または請求項2に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
【請求項4】
層間充填剤組成物中の全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.05重量部以上200重量部以下の硬化剤(C)を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
【請求項5】
更に無機フィラー(D)を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする三次元積層型半導体装置用の層間充填剤硬化物。
【請求項7】
請求項7に記載の層間充填剤硬化物を層間に有する、三次元積層型半導体装置。
【請求項8】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物と、有機溶媒(E)とを含む、三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物塗布液。
【請求項9】
請求項6に記載の層間充填剤組成物塗布液を用いることを特徴とする三次元積層型半導体装置の製造方法。

【公開番号】特開2013−14695(P2013−14695A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148601(P2011−148601)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000005968)三菱化学株式会社 (4,356)
【Fターム(参考)】