説明

乾燥工程及び装置

本発明は、フルーツジュース、薬品、栄養補給食品、お茶及びコーヒーなどの液体物質の噴霧凍結乾燥に使用するための工程及び/又は方法及び関連装置に関するものである。液体物質は噴射(噴霧)され、その共融温度より低い温度に下げられ、それによって液体物資における液体の相変化を誘発する。噴霧された液体物質(ALS)は、真空乾燥室に入れられ、そこで、乾燥室の中を通って運ばれるときALSの液体の昇華を助けるためにエネルギー源に曝される。エネルギー源はALSが通過して曝される温度勾配を与えることができ、これによって乾燥(含水量の減少)対象の物質の劣化の可能性を最小限に抑える又はこの可能性を減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥機及び乾燥工程に関するものである。限定するものではないが、特に、本発明は、固形粒子が懸濁している又はある物質が中に溶解している液体物質の凍結、濃縮又は乾燥に使用するための乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品保存加工はこれまで常に関心の的であり、1940年代後期以降食品産業は特に凍結乾燥に重点を置いている。凍結乾燥装置及び加工の開発形成期においては、有益な(保存)最終製品を得ることに力が注がれた。液体材料を凍結しその後凍結材料を真空の下で加熱して水分を除去すると言う基本ステップは、多くの場合熱風対流法による脱水を伴う初期の食品保存の試みには望ましいものである。
【0003】
乾燥製品の品質は、栄養価及び外観の観点から消費者にとって最も重要である。加工中及び水分除去中製品を傷つけることは望ましくない。熱風対流乾燥は、多くの場合製品の収縮を及びその他の不利な効果を生じる。
【0004】
凍結乾燥産業においてはバッチ単位作業が用いられていたが、バッチ加工は、製品加工時間が長い、各加工段階における滞留時間が長い(多くの場合、部分的に加工された物質を1つの段階から次の段階に移すために手作業が必要なため)、加工設備が最適化されておらず、多くの場合容量が過剰であり、セットアップ時間が長く、人的エラーの可能性が増すため(オートメーション化の欠如のため)工程制御性が低く、スループットが少ない、など多数の不利点を有する。バッチシステムは、一般に、小さい生産工程又は工程の柔軟性が必要とされる場合に使用される。
【0005】
従来の(バッチ凍結)乾燥加工においては、少なくとも1つの液体供給物が浅いトレイ(製品の厚みは一般に10mmから20mmまでの間を変化する)に流し込まれ、トレイは凍結乾燥機の棚に置かれる。バッチ凍結機へ通じるドアが閉じられて、製品が凍結する。製品が凍結した後、トレイは加熱され、氷がゆっくりと昇華される。昇華した蒸気は冷却コイルで凝縮される。製品が乾燥したと判断されたら、製品は手で取り出される。製品は壊れやすいケーキ状で従来の凍結乾燥機から出され、通常、さらなる加工を受ける前に別個の顆粒化段階を必要とする。
【0006】
乾燥製品を製造するために水分を多く含む物質を凍結した後できる限り多くの過剰水分を昇華させることによってこれを乾燥させるこのような方法は、主に、物質を乾燥させる必要があるが物質が中程度の温度にも耐えられないような産業において使用される。例えば、一部の食品又は薬剤は熱によって損傷したり、悪影響を受けたりする場合がある。
【0007】
このような凍結と乾燥を組み合わせる工程が48時間以上掛かることは稀ではない。これは、熱に敏感な材料が乾燥される場合には望ましくない。また、従来のバッチ凍結乾燥機において真空が失われると、融解及びガラス形成が生じて、装填された製品の全体が失われる可能性がある。すなわち、製品は使用可能な品質の製品ではなかったり、販売することができなかったりする可能性がある。さらに、積み込み及び積み出しの工程は、露出による製品汚染及び浅いトレイからのこぼれによる損失を生じやすい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、水分を多く含む物質の急速な凍結乾燥を可能にし、かつ粉末などのような適切に形成された最終製品を製造するシステムが望ましい。これまで真に連続的又は半連続的な凍結乾燥工程は、乾燥産業によって事実上開発されていない。
【0009】
潜在的汚染を最小限に抑え、液体供給物のこぼれを減少し、液体のスループットを増大することができる装置は、乾燥産業にとって有利であろう。液体供給物を凍結乾燥でき、しかも予備処理液体供給物の冷却段階又は後に続く乾燥製品の顆粒化段階を必要としなければ、従来のバッチ凍結乾燥に伴う大きな問題を克服することができる。
【0010】
最近、凍結及び乾燥の段階はさらに開発されて、処理対象の物質の物理的サイズの減少及び凍結及び乾燥段階における段階的温度制御など様々なステップを含むようになっている。しかし、実用面では、乾燥対象の物質は多くの場合固定トレイ式に配列されるので、一部の物質が物質の他の部分より影響を受けたり加熱されたりする可能性があり、その結果乾燥しすぎ又は加熱しすぎとなり、損傷製品ができるので、高度に制御された乾燥を効果的に実現するのはこれまで困難であることが多かった。従って、物質へ改良された熱伝達条件を与える乾燥段階を利用し、この段階を凍結乾燥処理に結合すると有利であろう。
【0011】
従って、少なくともある程度上述の問題に対処する助けとなる乾燥機及び/又は乾燥工程又は方法を提供すること、又は少なくとも業界に有益な選択肢を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
本明細書において言及される特許又は特許出願を含めて全ての参照は、参照をもって本明細書に組み込まれる。参照が先行技術を構成することは認められない。参照に関する論証は、その著者が何を主張するかを示すものであり、出願者は、言及される書類の正確さ及び妥当さに異議を申し立てる権利を保有する。本明細書において多数の先行技術文献について言及されるが、この言及はこれらの文献が技術上ニュージーランドにおいて又はその他の国において一般的知識の一部を構成することを認めることにはならないものと明確に理解されるものとする。
【0013】
「含む(comprise)」と言う用語は、管轄区域の変化に応じて排他的あるいは包括的意味を持つ。本明細書においては、特に記さない限り、「含む」と言う用語は、包括的意味を持つものとする。すなわち、それが直接的に言及する記載コンポーネントだけでなく、他の記載されないコンポーネント又はエレメントを含めて意味するものとする。この解釈は、方法又は工程における1つ以上のステップに関連して「含まれる(comprised)」又は「含む・・・(comprising)」と言う用語が使用される場合にも適用される。
【0014】
本発明のその他の態様及び利点は、単に例として示される以下の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、第一の態様において、本発明は、概括すると固形粒子が懸濁している又はある物質が中に溶解している液体物質を乾燥又は濃縮するための方法から成り、この方法は、
チャンバを液体物質の三重点より低い温度及び圧力に維持するステップ、
凍結液体物質部分(FLS部分)及び第一の蒸発液体物質部分(FEL部分)を生成するために液体物質をチャンバへ注入及び/又は噴霧するステップ、
表面上の層としてFLS部分を集めるステップ、及び
表面上に集められたFLS部分を運ぶステップ、を含み、
前記FLS部分を運ぶステップにおいて、表面は、表面上に集められたFLSの層の厚みを制御する速度で集められたFLS部分を運ぶ。
【0016】
「液体物質」は、本出願において使用される場合、液体流動様の特性を有するが第一状態において一定の重量/質量を有する物質を指す。液体物質の重量/質量は、例えば物質から液体を蒸発させてより濃度の高い液体物質にするなど液体物質から成分を取り除くことによって変わりうる。この種の液体物質は、粒子又は固体が懸濁している又は溶解している液体、並びに水又は油など又はこれと同様に液体状態で存在することができる化合物を含むことができる。
【0017】
運搬速度は、前記表面上に実質的に単層厚みのFLS部分を蓄積させられるものであることが望ましい。
【0018】
FELは凝縮装置によって凝縮されることが望ましい。
【0019】
FELは前記チャンバから取り除かれることが望ましい。
【0020】
液体物質の注入及び/又は噴霧は、予め決められた粒径のFLSをもたらすための噴射を含むことが望ましい。
【0021】
液体物質の注入及び/又は噴霧は、1つ以上のノズルで行われることが望ましい。
【0022】
前記表面上のFLSの運搬速度は、前記表面上に実質的に単層厚みのFLSをもたらすものであることが望ましい。
【0023】
単層は、FLS部分の予め決められた粒径の単一の層の厚みであることが望ましい。
【0024】
予め決められた粒径はほぼ500μm以上であることが望ましい。
【0025】
予め決められた粒径は、ほぼ500μm未満であることが望ましい。
【0026】
予め決められた粒径はほぼ200μm未満であることが望ましい。
【0027】
表面はFLS部分を1つ以上のノズルから離すように運ぶことが望ましい。
【0028】
この方法は、集められたFLS部分の層が加熱手段に曝されるようにし、それによって実質的に第二の蒸発液体物質部分(SEL部分)及び製品の昇華及び生成を誘発するステップを含むことが望ましい。
【0029】
SEL部分は凝縮装置によって凝縮されることが望ましい。
【0030】
SEL部分はチャンバから取り除かれることが望ましい。
【0031】
製品は製品除去装置によって運搬表面から取り除かれることが望ましい。
【0032】
製品は出口を通じてチャンバから取り除かれることが望ましい。
【0033】
この方法は、流動化物質、又は固形粒子が懸濁している液体物質、又は物質が中に溶解している液体物質を加工するために使用されることが望ましい。
【0034】
物質は、コーヒーの懸濁液、液体ミルク、フルーツ及び/又はベジタブルジュースのうちの1つ以上から選択されることが望ましい。
【0035】
第二の態様において、本発明は、大まかに言えば液体物質を乾燥又は濃縮するための装置から成り、この装置は、
チャンバ及びチャンバ減圧装置、
液体物質をチャンバに注入するための1つ以上の注入口、及び
液体物質の凍結液体物質部分を集める収集表面、を含み、
減圧装置はチャンバを少なくとも液体物質の三重点圧力より低い圧力に維持して、注入された液体物質を凍結液体物質部分(FLS部分)及び第一の蒸発液体物質部分(FEL部分)に分離させて、
その結果使用中、FLS部分は、収集表面上の層として蓄積され、FLS部の層の厚みの制御を可能にする速度で1つ以上の注入ポートから離れるように運ばれる。
【0036】
運搬速度は、前記表面上に実質的に単層厚みのFLS部分を蓄積させられるものであることが望ましい。
【0037】
FELは凝縮装置によって凝縮されることが望ましい。
【0038】
前記FELは前記チャンバから取り除かれることが望ましい。
【0039】
1つ以上の注入口は少なくとも1つの噴射又は噴霧ノズルを含むことが望ましい。
【0040】
1つ以上のノズルは、実質的に、予め決められた粒径を得るために生成されるFLS部分のサイズを決定することが望ましい。
【0041】
減圧装置は、排気ポンプであることが望ましい。
【0042】
凝縮装置は1つ以上の冷却コイルであることが望ましい。
【0043】
凝縮装置は冷媒で冷却されることが望ましい。
【0044】
収集表面は、以下のコンベア、即ち、移動エンドレスベルト構造、凍結液体物質部分が1つ以上の注入ポートから離れるようにスライドすることを促進するように傾斜するトレイ、振動トレイのうちの1つ又はその組合せを含むことが望ましい。
【0045】
傾斜トレイ及び/又は振動トレイは、低摩擦表面を含むことが望ましい。
【0046】
低摩擦表面はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むことが望ましい。
【0047】
前記収集表面上のFLS部分の層は、1つ以上の注入口から離れるように運ばれるとき加熱手段に曝されることが望ましい。
【0048】
加熱手段は、前記表面上のFLS部分の層の昇華を実質的に誘発して、第二の蒸発液体物質(SEL)部分及び製品を形成することが望ましい。
【0049】
加熱手段は以下のエネルギー源、即ち、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、白熱灯、マイクロ波又は前記表面のオーム加熱のうちの1つ又はその組合せであることが望ましい。
【0050】
収集表面から製品を取り除くために製品除去装置が使用されることが望ましい。
【0051】
製品除去装置は、こすり落とし手段及び/又はブラッシング手段であることが望ましい。
【0052】
こすり落とし手段は、製品が載っている表面にほぼ接触して、製品を表面から離して出口へ動かすことが望ましい。
【0053】
ブラッシング手段は、製品が載っている表面にほぼ接触して、製品を表面から離して出口へ導く回転ブラシ又は固定ブラシであることが望ましい。
【0054】
製品はチャンバ出口を通じて取り除かれることが望ましい。
【0055】
チャンバはほぼ611.3Pa以下の圧力に保持されることが望ましい。
【0056】
第三の態様において、本発明は、大まかに言って、液体物質のための乾燥工程から成り、この工程は、
液体物質を噴霧するステップ、
相変化を開始させるために噴霧された液体物質(ALS)を冷却するステップ、
ALSを真空の乾燥室の中へ運ぶステップ、
実質的に昇華を生じさせるようにALSを加熱した後実質的に乾燥したALSを乾燥室から集めるステップ、を含む。
【0057】
液体物質は、噴霧前に初期温度から冷却されることが望ましい。
【0058】
乾燥室の中へ運ばれたALSは、乾燥室の中を通ってさらに運ばれることが望ましい。
【0059】
ALSは、温度勾配が実質的に昇華を生じさせるようにALSが乾燥室を通り抜けるとき温度勾配により加熱されることが望ましい。
【0060】
液体物質を冷却するステップは、液体物質を初期温度からもっと低い温度に下げるために冷却機で行われることが望ましい。
【0061】
液体物質の噴霧により予め決められた粒径が得られることが望ましい。
【0062】
予め決められた粒径はほぼ500μm以上であることが望ましい。
【0063】
予め決められた粒径はほぼ500μm未満であることが望ましい。
【0064】
予め決められた粒径はほぼ200μm未満であることが望ましい。
【0065】
噴霧凍結機は、噴霧液体物質(ALS)において液体の相変化を生じさせるために冷ガスを利用することが望ましい。
【0066】
冷却は、低温流体と直接又は間接的に接して行われることが望ましい。
【0067】
前記低温流体は空気であることが望ましい。
【0068】
前記低温流体はほぼ0℃以下であることが望ましい。
【0069】
前記低温流体はほぼ−20℃未満であることが望ましい。
【0070】
前記噴霧凍結機は向流構成で動作することが望ましい。
【0071】
前記噴霧凍結機は並流構成で動作することが望ましい。
【0072】
ALSはその共融温度より低い温度に下げられることが望ましい。
【0073】
ALSは分離機へ運ばれることが望ましい。
【0074】
前記ALSは空気圧で分離機へ運ばれることが望ましい。
【0075】
前記分離機は気体-固体分離装置であることが望ましい。
【0076】
前記気体-固体分離装置はサイクロンであることが望ましい。
【0077】
気体-固体分離装置において分離された気体は、冷却ステップで使用するために戻され及び/又は冷却されることが望ましい。
【0078】
1つ以上の真空ロック及び/又はエアロックがAFSサイクロン出口と乾燥室入口との間にあることが望ましい。
【0079】
前記気体−固体分離装置から分離された固体は真空乾燥室に入ることが望ましい。
【0080】
前記真空乾燥室の真空は減圧装置によって作られることが望ましい。
【0081】
減圧装置によって作られた真空は、ほぼ600μmHg絶対圧力以下であることが望ましい。
【0082】
減圧装置によって作られた真空は、ほぼ200〜400マイクロメータHg絶対圧力の範囲であることが望ましい。
【0083】
前記ALSは表面を通って運ばれることが望ましい。
【0084】
前記ALSは振動表面を通って運ばれることが望ましい。
【0085】
前記振動表面は振動トレイであることが望ましい。
【0086】
前記振動トレイは、空気圧で及び/又は機械的に及び/又は電気的に及び/又は磁気的に駆動されることが望ましい。
【0087】
前記振動トレイは、実質的に昇華を生じさせるために温度勾配を通り抜けてALSを運ぶことが望ましい。
【0088】
昇華によって生成される蒸気は乾燥室から取り除かれることが望ましい。
【0089】
昇華によって生成される蒸気は、1つ以上の凝縮器によって乾燥室から取り除かれることが望ましい。
【0090】
ALSは、温度勾配が実質的に昇華を生じさせるようにALSが乾燥室を通り抜けるとき温度勾配により加熱されることが望ましい。
【0091】
前記温度勾配はエネルギー源によって与えられることが望ましい。
【0092】
前記エネルギー源は、赤外発光装置及び/又はマイクロ波発光装置及び/又はオーム加熱器であることが望ましい。
【0093】
液体物質の噴霧により予め決められた粒径が得られることが望ましい。
【0094】
予め決められた粒径はほぼ500μm以上であることが望ましい。
【0095】
予め決められた粒径はほぼ500μm未満であることが望ましい。
【0096】
予め決められた粒径はほぼ200μm未満であることが望ましい。
【0097】
気体-固体分離装置から真空感想質への輸送中ALSをその共融温度より低い温度に維持するために冷却システムが使用されることが望ましい。
【0098】
生産される製品は、液体物質に比べて実質的に液体含有が減少する又は液体を含まないことが望ましい。
【0099】
第四の態様において、本発明は、大まかに言って、液体物質の乾燥工程用の装置から成り、この装置は、
液体物質を噴霧することができる噴霧器、
相変化を開始させるために噴霧された液体物質(ALS)を冷却することができるクーラー、
ALSを真空に保持される乾燥室の中へ運ぶことができるコンベア、
昇華及び凍結乾燥を生じさせるようにALSを加熱することができるエネルギー源、及び
乾燥ALSを集めることができるコレクタ、を含む。
【0100】
初期温度からもっと低い温度へ液体物質を冷却することができる冷却機が液体物質噴霧器の前に配備されることが望ましい。
【0101】
装置は乾燥室の中を通ってALSを運ぶことができるコンベアを含むことが望ましい。
【0102】
装置は、温度勾配が昇華を生じさせるようにALSが乾燥室を通り抜けるとき温度勾配によりALSを加熱することができるエネルギー源を含むことが望ましい。
【0103】
温度勾配は、ALSが乾燥室を通過するとき生じる熱損傷を実質的に防止する又は実質的に最小限に抑えることが望ましい。
【0104】
液体物質の噴霧により予め決められた粒径が得られることが望ましい。
【0105】
予め決められた粒径はほぼ500μm以上であることが望ましい。
【0106】
予め決められた粒径はほぼ500μm未満であることが望ましい。
【0107】
予め決められた粒径はほぼ200μm未満であることが望ましい。
【0108】
噴射凍結機は、噴霧された液体物質(ALS)において液体の相変化を生じさせるために冷ガスを使用することが望ましい。
【0109】
前記冷ガスは空気であることが望ましい。
【0110】
前記冷ガスはほぼ0℃以下であることが望ましい。
【0111】
前記冷ガスは−20℃未満であることが望ましい。
【0112】
前記真空乾燥室の真空は減圧装置によって作られることが望ましい。
【0113】
減圧装置によって作られる真空は、ほぼ600μmHg絶対圧力以下であることが望ましい。
【0114】
減圧装置によって作られる真空は、ほぼ200〜400μmHg絶対圧力の範囲であることが望ましい。
【0115】
前記ALSは振動表面を通って運ばれることが望ましい。
【0116】
前記振動表面は振動トレイであることが望ましい。
【0117】
前記振動トレイは、空気圧で及び/又は機械的に及び/又は電気的に及び/又は磁気的に駆動されることが望ましい。
【0118】
ALSは、実質的に昇華を生じさせるために温度勾配を通り抜けて運ばれることが望ましい。
【0119】
昇華によって生成される蒸気は1つ以上の凝縮器によって乾燥室から取り除かれることが望ましい。
【0120】
前記温度勾配はエネルギー源によって与えられることが望ましい。
【0121】
前記エネルギー源は赤外発光装置及び/又はマイクロ波発光装置及び/又はオーム加熱器であることが望ましい。
【0122】
第五の態様において、本発明は、大まかに言って乾燥室から成る。乾燥室は、
トレイを振動させることができる装置、
前記乾燥室の圧力を下げるのに適した装置、
前記乾燥室からの材料出口、及び
前記トレイに作用するように構成された熱源、を含む。
【0123】
本発明は、液体物質のより乾燥した又は少なくとも濃度の濃い形体(「製品」の形で)を形成するために液体物質を処理するための改良された方法/工程を提供して有利である。
【0124】
望ましい実施態様において、本発明は、半連続的に運転することができ、少なくとも先行技術の乾燥システムに比べてより大きな液体物質処理量を可能にする。噴霧液体物質(ALS)の運搬速度は、乾燥/濃縮の効率を上げるのに充分であり、及び/又は製品への損傷を減少するのに役立つ。
【0125】
本発明のさらなる態様は、添付図面を参照しながら単なる例として示される以下の説明から明白になるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0126】
本発明について、図1から図5まで及び下の添付説明を参照することにより説明することができる。
【0127】
本発明は、液体物質を凍結乾燥又は脱水/濃縮するための工程に関するものである。この工程は、固形物質が懸濁している液体(例えば、ミルク)又はある物質が溶解している溶液に応用することができる。この噴霧凍結乾燥機を用いて、お茶、コーヒー、フルーツジュース、薬剤及び栄養補給食品も加工することができる。
【0128】
凍結乾燥は、有益な保存技術であり、例えば下記のものがこの方法で乾燥できる:インスタントコーヒー、スープ用の乾燥ミックスベジタブル、マッシュルーム、ハーブ、スパイス、チーズスタータカルチャー、小エビ、インスタント朝食シリアル用のフルーツ、栄養補給食品、薬剤及び薬品食物。
【0129】
凍結乾燥製品の特定の最終利用者には、軍用食及び/又は宇宙食並びに野菜、肉、魚及びフルーツを含有する軽量キャンピングフードの生産者が含まれる。凍結乾燥加工は、一般に下記の利点、つまり、小さい熱損傷、揮発性の風味の優れた保持力、高いビタミン保持力、速い水の戻し、小さい製品収縮、長い製品の貯蔵寿命(適切に包装されれば)、生物活性の保持を有する。凍結乾燥に伴う不利点もいくつかあるが、最も顕著なのは、高い乾燥コスト、初期凍結による一部の製品の損傷、低水分で包装され維持されない場合速い劣化、破砕性(すなわち砕けやすい)、色あせを避けるために時に必要な予備処理(例えば、ニンジン)。
【0130】
第三の態様において全体が1で示される工程及び上述の第四の態様によって広く定義される装置は、乾燥室2を液体物質3の三重点より低い温度及び圧力に保持するステップ、液体物質3を乾燥室2へ注入し、それによって凍結液体物質部分4及び第一の蒸発液体物質部分5Aを生成するステップを含む。
【0131】
収集表面8上の層7として凍結液体物質部分4を収集するのと同時に、第一の蒸発液体物質部分5Aを凝縮手段6によって凝縮することができる。
【0132】
層7として収集された凍結液体物質部分4は収集表面8に沿って運ばれる。表面8は、収集された凍結液体物質部分の層の厚みを制御する速度で、凍結液体物質部分層7を運ぶ。
【0133】
凝縮された第一の蒸発液体物質部分は乾燥室2から取り除くことができる。乾燥室内の気体相から水又は蒸発液体物質部分を取り除くために、コイルで凝縮することができる。蒸発部分を凝縮コイルから取り除くために、氷が解けるようにコイルを三重点より上の圧力に戻すことができる。従って、実質的に連続的な又は準連続的な運転のために2組以上の凝縮コイルを使用することができる。すなわち、1組が凍っている間、他方の又は残りのコイルを何らかの圧力シールを閉じることによって乾燥室から隔離して、周囲圧力に戻して、除霜することができる。
【0134】
凍結液体物質部分粒子の予め決められた粒径を得るために保持タンクT内の液体物質3を乾燥室2の中に噴霧することができる。これは1つ以上のノズル10によって行うことができる。
【0135】
収集表面において収集される凍結液体物質部分(粒子)の厚みは、エンドレスコンベア(図には示されていない)の形を取る収集表面8の運搬速度(メートル/秒)によって決められる。この単層の粒子の厚みは、乾燥室への液体物質の注入及び/又はノズル10による液体物質の注入によって生じる粒径によっても決められる。
【0136】
表面は、収集表面8上の凍結液体物質部分がほぼ単層の厚みを実質的に達成する速度で、液体物質注入点の位置から又は1つ以上のノズルの位置から離れるように凍結液体物質部分を運ぶことが望ましい。
【0137】
集められた凍結液体物質部分は、少なくともある程度昇華を従って第二の蒸発液体物質部分5B及び製品12の生成を誘発することができる加熱手段11に曝される。
【0138】
第二の蒸発液体物質部分5Bも、凝縮手段6によって凝縮させて、乾燥室2から取り除くことができる。
【0139】
(保持タンクTでの状態より液体含有量が有利に少ない状態にある)製品12は、製品除去手段13によって収集表面8から取り除くことが出来、その後、出口14を通じて乾燥室2から排出される。
【0140】
ほぼ上述された工程の別の実施態様においては、保持タンクTにおける液体物質3より乾燥した又は濃縮された製品12を生成するように装置を構成することができる。
【0141】
乾燥室2は、排気ポンプ15など減圧手段によって少なくとも液体物質の三重点圧力より低い圧力に保持される。
【0142】
ノズル10などの1つ以上の注入口を用いて、液体物質3を噴霧することができる。液体物質3を乾燥室2に注入(又は噴霧)すると、凍結液体物質部分4及び第一の蒸発液体物質部分5Aが生成される。
【0143】
収集表面8は、液体物質3から生成された凍結液体物質部分4を収集するために配備される。
【0144】
第一の蒸発液体物質部分5Aを凝縮するために凝縮手段6を採用することができ、その後凝縮液を排出して、乾燥室2から取り除くことができる。
【0145】
製品12の形態の、より乾燥した又はより濃縮された形態の液体物質3を排出するために乾燥室からの出口14を使用することができる。
【0146】
凍結液体物質部分4を、層7として収集表面上に蓄積して、実質的に単層の厚み以下の凍結液体物質部分の蓄積を可能にする速度で1つ以上の注入口から離すように出口に向かって運ぶことができる。
【0147】
第一の蒸発液体物質部分5Aは、凝縮手段6によって凝縮して、乾燥室から取り除くことができる。凝縮手段6は、冷却凝縮コイル(1つ又は複数)である。凝縮手段は、冷却ユニット16から供給される冷媒で冷却される。
【0148】
1つ以上の注入口は、噴射又は噴霧ノズル(1つ又は複数)を含む。ノズルは、生成される凍結液体物質部分のサイズをほぼ決定する。
【0149】
収集表面は以下のコンベア、すなわち、移動エンドレスベルト構成、凍結液体物質部分が1つ以上の注入口から離れるようにスライドすることを促進するように傾斜するトレイ、振動トレイのうちの1つ又はその組合せを含む。傾斜トレイ及び/又は振動トレイは、ポリテトラフルオロエチレンを含む低摩擦表面を含む。
【0150】
前記収集表面上の凍結液体物質部分の層は、1つ以上の注入口から離すように運ばれるとき表面8上の凍結液体物質部分層7の昇華を誘発して第二の蒸発液体物質部分5B及び製品12を形成することができる加熱手段に曝される。
【0151】
加熱手段は以下のエネルギー源、すなわち、凍結液体物質部分4に直接作用する、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、白熱灯、マイクロ波、又は表面8自体のオーム加熱のうちの1つ又はその組み合わせである。加熱手段は、また、収集表面8を通る熱伝達など周りの乾燥室内設備からの熱伝達により又は周りの室壁からのエネルギーの放射又は反射により間接的に凍結粒子に作用することもできる。
【0152】
収集表面に貼り付いた又は付着した製品を収集表面から取り除くために製品除去装置を採用することができる。この種の製品除去装置は、こすり落とし手段及び/又はブラッシング手段とすることができる。
【0153】
こすり落とし手段は、製品12が載っている表面8にほぼ接して、製品を表面から離して出口14に向かって動かすことができるのに対して、ブラッシング手段は、同様に製品が載っている表面にほぼ接触して、製品を出口に向かって動かす回転ブラシ又は固定ブラシの形を取ることができる。製品が乾燥室から取り除かれたら、これを包装するか又はさらに加工(顆粒化段階又は製品の品質を維持するための真空包装)することができる。
【0154】
液体物質3は、ポンプ17によって圧力を加えて注入点10へ供給することができ、液体物質は一連のバルブ18Aを通って乾燥室2の減圧環境へ流入する。
【0155】
噴射又は噴霧された注入液体物質3の凍結部分5Aは、表面8に着地してここで集められるように表面8に向かうと有利であり、表面8は、凍結部分4を注入ノズル10から離すように運ぶ。
【0156】
表面8は、コンベア表面オプションのいずれかの使用又は組み合わせによって凍結部分4の注入ノズルから離れる移動を促進することができる。表面に集められた凍結部分4が凍結部分4のほぼ単層厚みより厚く蓄積しないようにする表面オプションが与えられる。表面8上の凍結部分4の層7の厚みは、加熱手段11に曝されるときの昇華(乾燥)速度を直接的に決定する。
【0157】
その代わりに、例えば光反射法を用いて表面上の層の厚みを能動的に測定することによって、凍結部分の急速昇華(乾燥)のための最適厚みを決定することができる。表面に噴霧される層の厚みが決定されたら、液体物質入口噴霧速度に合わせて又は液体物資のスループット(及び製品生産)を最適化するように、注入口から離れるように粒子を取り除くコンベアの速度を変えることができる。表面に沿って粒子を運ぶ速度に同調するように液体物質の噴霧速度又はスループットを変えることもできる。
【0158】
凍結部分4が加熱手段11に曝されると、昇華が誘発され、それによって、すでに凍結している液体物質からさらに液体が除去される。その後、実質的に含水量が減少した物質、これを「製品」12と呼ぶことができる、を運搬表面から取り除くことができる。製品は、集められて、出口14を通じて乾燥室2から取り除くことができる。出口は、乾燥室の真空損失を防止するために1つ以上のバルブ18B(又はエアロック)を含む。
【0159】
乾燥室2は真空に保持されるので、乾燥室を希望の圧力、例えば水の三重点である611.3Pa(又は4.585mmHg又は0.0887psi)にするために真空ポンプ15が必要とされる。乾燥室の圧力は、水の三重点圧力を上回ってはならないが、製品によっては、製品が乾燥するときに生じる凍結濃縮効果に伴うガラス形成及び凍結点下降を避けるために一定の温度制約を満たさなければならない。一部の製品は、その共融温度より低い温度に維持しなければならず、他の製品の場合には、ガラス転移温度が決定的に重要である。容器の中の圧力は、昇華温度を従って製品温度を決定するので、多くの場合工程は611.3Paよりかなり低い圧力で動作しなければならない。例えば、コーヒーの場合、−21℃で94Pa、フルーツジュースの場合−30℃で38Paである。当然、この技術は、懸濁粒子を含有する又は中に溶解している物質を含有するほとんどの液体物質に応用できることが判る。熱力学に熟達した者は、圧力と温度との関係、及び乾燥室の条件がフラッシュ蒸発(第一の蒸発液体物質部分の生成)の量及びその結果形成される凍結液体物質部分の温度をどのように決定するかが判るだろう。
【0160】
乾燥室の条件は、スループットのレベル及び/又は乾燥室において生じる凍結のレベルを最適化するために変動させることができる。
【0161】
液体はノズルから直接真空室へ供給することができるので、安定した噴霧ジェットが維持されるようにノズル及びフィード圧が選択される。三重点より下の環境において、物質は液体状態で存在できない。すなわち、液体の一部はほぼ瞬時に蒸発させられて、残りの液体は凍結する。融解デューティエンタルピーは外部エネルギー源によって供給される必要はないので、それは効果的に「自由」である。さらに、同じ工程の結果として、昇華デューティーの約7分の1が自由である。すなわち、所与の製品負荷の場合、噴霧凍結乾燥機が必要とするエネルギーが従来のバッチ凍結乾燥機より少なくとも10%少ない。
【0162】
製品は非常に細かい粒子に凍結され、その最大サイズは表面張力及び蒸気圧(一般的に100μm以下)によって制限される。凍結粒子は、加熱トレイ又はベルトに着地して、ここで、乾燥機の長さに沿って運ばれるとき、水分が昇華して凝縮コイルによって凝縮されるので、粒子は乾燥する。凍結乾燥時間は、以下の式から推定することができる(Fellows,1997による):
【数1】

ここで、td=乾燥時間(s)、x=製品層厚み(m)、kd=乾燥製品の熱伝導率(W/mK)、ρ=製品のかさ密度(kg/m3)、ΔM=含水量の変化(乾燥基準)、ΔT=温度駆動力(℃)、及びλs=昇華エンタルピー(J/Kg)である。この式は、乾燥時間が乾燥表面における製品層厚みの二乗に比例することを示している。
【0163】
本発明の第二の態様は、準連続工程における噴霧凍結乾燥工程と呼ぶことができ、連続生産ラインに組み込むことができ、ラインの運転に関係する必要労働力を減少させることができ、製品の露出又は汚染の危険性を排除することもできるだろう。さらに、乾燥製品は乾燥機から粉末状で出て行くので、その後の顆粒化段階の必要性を取り除く。
【0164】
例えばベルトコンベアシステムのようなポリテトラフルオロエチレン(PTFE)被覆表面を可変速度駆動装置に取り付けて、希望の水分量を昇華させるために必要な加熱手段への露出に応じてベルト上の製品の滞留時間を約1分から12分までの間で変化させることができる。ベルトの長さは約2mであり、ベルトの速度は、約0.17m/分から2m/分までの間で変化させることができる。ベルトの幅(例えば、約0.5m)全体に均等に製品を配分するために複数のノズル例えば並列の4つのノズルから製品を噴霧することができる。
【0165】
粒径のほとんどが10から100μmまでの範囲にあることが予想されるので、たとえPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)でコーティングされていても表面(又はベルト)に製品が付着しやすいので、ナイフの刃又はブラシ又はこすり落とし手段などの除去手段をコンベアの終点(又は表面に沿った任意の場所)に採用することができる。スクレーパ又はナイフの刃が充分に効果を発しない場合には、粒子をこすり落とすためにPTFE又はその他のタイプの材料のブラシを使用することもできる。ブラシ配列は、粒子の凝集を生じる場合があるが、これは、特定の製品に予定される下流処理に応じて、有利にも不利にもなる。
【0166】
フィードノズル10は、直接真空室2の中に突き出すことができる。真空室2内の圧力は、液体3の三重点圧力より低く維持されるので、液体物質3がノズル10から出るとき、圧力が液体の三重点圧力より下に下がる結果として、水分の一部は瞬時に(フラッシュ)蒸発する(5A)。蒸発過程は、液滴からかなりの量の熱を奪い、その結果製品の中の残りの水分が凍結する。蒸発潜熱(約2250kJ/kg)及び融解潜熱(約333KJ/kg)の相対的大きさに基づいて、蒸発水分1グラムは残りの水分4約6.5グラムを凍結する。凍結液体物質部分4の中の残りの水分は、加熱手段、又は赤外線、ハロゲンランプ、若しくは真空室内のその他のエネルギー源11のようなエネルギー源のエネルギーを加えることによって任意選択的に取り除くことができる。
【0167】
このタイプの装置の潜在的利点には、製品を凍結するためにほとんど電気を必要としないので外部エネルギー(電気)の必要量が大幅に減少すること、並びにトレイ加熱の電気必要量が減少することが含まれる。また、凍結製品の運搬に伴う困難(ケーキング、圧縮、凝集、解凍/再凍結)を大幅に取り除くことができる。
【0168】
噴霧凍結乾燥機は、機械的に単純な設計のために関わる設備が少なく(従って、資本コストが小さく)、乾燥トレイへの製品の横方向の分布の制御をもっとずっと大きくする可能性がある(噴霧パターンを制御できるのに対して、以前の凍結製品は単にトレイに落ちるだけだったので)。
【0169】
従来のバッチ凍結乾燥に比べた場合の噴霧凍結乾燥の大きな利点の一部は、乾燥時間を大幅に減少すること(時間単位から秒単位へ)、感熱性材料への損傷の可能性を最小限に抑えること、事実上コストの掛からない新規の凍結工程によりエネルギーコストが約10%減少すること、多くの場合コスト高で製品損失を生じる可能性のある後続の顆粒化段階の必要性が実質的に取り除かれること、である。
【0170】
この準連続工程を利用することによって、汚染の危険が避けられ、噴霧凍結乾燥機を連続生産ラインに組み込むことができ、従来の凍結乾燥機よりずっと労働集約度が低くなる。
【0171】
第一、第二及び第五の態様によって広く定義される本発明のさらなる態様において、図2、3、4及び5に示される改良された連続噴霧凍結乾燥工程の流れ図によって示される乾燥工程及び装置が提供される。コーヒー(図には示されていない)など液体物質は、冷却機21においてその初期温度からもっと低い温度へ冷却される。このステップは任意選択的である。液体供給は、ポンプ(図には示されていない)によって圧力を加えられて、高圧ノズル(図には示されていない)を通じて凍結室22の中へ噴霧される。噴霧された液体物質の粒径はほぼ200〜300ミクロン(μm)未満であることが理想である。供給される液体は冷気(−20℃以下)の並流と一緒に凍結室22内へ導かれ、噴霧され凍結されて、噴霧凍結物質(ALS)を生成する。融解を防止するために、ALSはその共融温度より下に急激に凍結される。凍結したALSは、噴霧凍結機への冷気の流れによって空気圧で分離サイクロン23へ運ばれ、ここで、凍結ALSはサイクロン23の底から出て、排気の流れはサイクロン23の上部から出る。噴霧凍結機からの排気の流れは、凍結ALSの共融温度より低くなければならない。ファン又は送風機24がサイクロンから冷却システム、この場合には蒸発器25、へ排気の流れを送る。蒸発器において、空気は、噴霧凍結室22へ戻る前にその初期温度まで冷却される。
【0172】
凍結製品は、サイクロンの底に取り付けられた終結室の中へ重力によって落ちる。真空ロック又はエアロック27は、乾燥室内部の真空を妨害することなく製品がサイクロンの底から乾燥室28の中へ通れるようにする。終結室及びエアロックは冷却システム、この場合にはクーラー26からの冷気によって冷却され、凍結ALSが融解するのを防ぐ。乾燥室は、真空ポンプ212によってほぼ200〜400μmHg絶対圧力に維持される。凍結ALSは傾斜した空気圧振動トレイ29の上に落ち、トレイは、乾燥製品を乾燥機の排出端に向かって運ぶ。昇華及び凍結乾燥を生じさせるために、トレイは、トレイ29の下に配置される放射熱源及び/又は伝導熱源210によって加熱される。トレイの表面温度は、製品(図には示されていない)を損傷することなく乾燥を完了できるようにするために、その長さに沿って制御される。乾燥ALS(製品)は排出真空ロック213を通って外に出る。システムを連続的に運転するためには2台の凝縮器211が必要とされる。1台の凝縮器は、乾燥中普通に動作するのに対して、他方の凝縮器は乾燥室から隔離されて、除霜される。
【0173】
第一の態様に従った液体物質のための改良された乾燥工程は、液体物質を初期温度から冷却するステップ、予め決められた粒径が得られるように液体物質を噴霧するステップ、噴霧された液体物質(ALS)をその共融温度より低い温度に凍結するステップ、凍結されたALSを真空に保持される乾燥室の中へ運ぶステップ、昇華及び凍結乾燥を生じさせるように凍結ALSを加熱するステップ、乾燥したALSを乾燥室から集めるステップのうちの1つ以上を含む。
【0174】
液体物質は、液体を含有する任意の物質であると定義できる。例えば、液体物質は、ミルク、コーヒー、アルコール飲料、薬剤、栄養補給食品、機能食、薬品食物、又は水分を含有するその他の物質を含むことができる。長期間にわたる物質の劣化を可能にするには物質中の液体の量は僅かしか必要とされないので、「遊離」したどんな液体も全て除去することが望ましい。
【0175】
乾燥室へのALSの運搬は、適切な運搬方法/装置によって行うことができる。例えば、この方法には、空気圧法、機械的方法、電気又は重力支援の運搬方法が含まれる。
【0176】
第一及び/又は第二の態様の別の実施態様においては、液体物質を初期温度から冷却するステップ、予め決められた粒径が得られるように液体物質を噴霧するステップ、噴霧された液体物質(ALS)をその共融温度より低い温度に凍結するステップ、凍結したALSを真空に維持される乾燥室の中へ運ぶステップ、ALSを乾燥室の中を通って運ぶステップ、及び凍結ALSが乾燥室を通って乾燥ALSの収集ポイントまで向かう間にALSに生じる熱損傷を防止しながら又はこれを最小限に抑えながら温度勾配が昇華及び乾燥を生じさせるように、凍結ALSが乾燥室を通り抜けるとき温度勾配によって凍結ALSを加熱するステップのうちの1つ以上を含む、液体物質のための改良された乾燥工程が提供される。
【0177】
液体物質を初期温度からもっと低い温度に下げるために冷却機において液体物質を冷却するステップを行うことができる。例えば、これは、液体物質が周囲条件及び/又は貯蔵施設温度からもっと低い温度に冷却されることを意味する。この冷却ステップは任意選択的であるが、噴霧凍結機が必要とする冷却負荷を軽減するのに役立つだろう。
【0178】
冷却は、物質の温度を初期温度からもっと低い温度に下げることができる適切な任意の方法又は装置によって得ることができる。冷却は、適切な任意の熱伝達ユニットによって得られることが望ましく、熱伝達ユニットとしては、例えば冷却器、プレート熱交換器、シェル及びチューブ熱交換器、ヒートポンプ、冷気対流装置、気体・液体冷却塔及びその他の適切な冷却装置がある。
【0179】
噴霧凍結機は、物質の共融温度より低い温度まで急速に温度を下げることが望ましい連続加工構成並びに液体物質の噴霧の特に重要な態様である。液体物質の噴霧は、単一液体ノズル(圧力式)、二液ノズル(空気圧式)、遠心(回転ディスク)、超音波ノズル及びその他の様々な回転噴霧器など多様なフィード装置によって引き起こすことができ、また空気噴霧技術を採用することができる。
【0180】
ALSの冷却は、ALSを凍結することができるクーラーを使用することによって得られる。液体物質の噴霧及び冷却の両方が噴霧凍結機において行われることが望ましい。
【0181】
特に形成される微粒子を特定の又は予め決められたサイズで生成することができ、微粒子の仕様又は品質は噴霧凍結機の動作全体を通じてほぼ一定に保たれるので、噴霧凍結には多くの利点がある。噴霧凍結機の動作は理想的に連続でありかつ応答時間が短い完全自動制御に適合する。噴霧凍結は感熱及び耐熱物質の両方にとって有益に適用される。ただし、半連続加工も要求される場合があると思われる。
【0182】
ALSの温度が下がると、すなわち、液体が凍結するか又はその共融温度より低い温度へ下がると、ALSにおいて相変化が生じる(すなわち、固体)。
【0183】
液体は、温度勾配及びエネルギー源に曝されると、この工程においてその後の段階で凍結ALSから昇華することができる。
【0184】
サイクロンは、気体-固体相を分離するために使用される主要な方法の1つであり、効率のよい分離を行うことができる。凍結ALSと気体は分離され、気体は液体物質を冷却するために再利用され、凍結(固形)ALSは乾燥室の中を通って運ばれる。
【0185】
昇華は、ALSからの液体の蒸発による凍結液体(固形)から気体(蒸気)への相変化である。凍結ALSの昇華及び/又は乾燥は、表面で行われることが理想である。表面が振動表面であればさらに望ましい。
【0186】
振動表面が、空気圧及び/又は機械的及び/又は電気的手段によって振動が生じる振動トレイであることが、さらに望ましい。噴霧粒子への熱伝達を強化し促進するために乾燥対象の凍結ALSの振動運動を誘発しかつ/又はこれを与えることが有利である。
【0187】
昇華(すなわち、ALSの乾燥及び「遊離」液体の除去)は、赤外線装置などのエネルギー源から発せられるエネルギーによって開始させられてもたらされる。振動乾燥トレイは、ALSへの熱伝達特性を好ましく強化し、より均等で制御された乾燥段階を可能にする。ALSを加熱することができるエネルギー源は、ALSの凍結液体の昇華を誘発するための適切な任意のエネルギー源である。例えば、この種の適切なエネルギー源には、赤外発光装置、マイクロ波、放射加熱器、対流加熱器及びALSの凍結「遊離」液体の昇華を誘発するのに充分なエネルギーをALSに与える任意の装置が含まれる。
【0188】
気流速度、温度及び圧力を制御することによって乾燥製品を形成するために物質から液体を除去して物質の含水量を減少することは、腐敗及び損傷を引き起こす可能性のある細菌の成長を抑止するのに役立つ。水分の除去は、また、荷積み及び輸送にとって大きな関心事である重量も減少する。
【0189】
一部の物質の化学的予備処理は、さらに、製品の賞味期限を長引かせるのに役立つ。この種の予備処理には、保存を強化するための物質が含まれる。
【0190】
工業規模の脱水は、多くの場合、加工特性を強化できるように供給製品のサイズを小さくすること及び/又は微粒子化することを必要とする。凍結乾燥は、凍結状態の材料の乾燥であり、乾燥段階は、氷が直ちに固体から気体へ直接相変化できるようにする絶対圧力で行われることが望ましい。本発明においては、凍結乾燥製品は、乾燥室段階から実質的に損傷を受けないので望ましい。
【0191】
第一及び第二の態様の改良された乾燥工程においては、液体物質を噴霧凍結機において噴霧して、ほぼ500ミクロン以上の粒径を得ることができる。
【0192】
代わりに、得られる粒径をほぼ500ミクロン未満あるいはさらにほぼ200ミクロン未満とすることができる。液体物質の霧化は、噴霧された液体物質が温度を急速にその共融温度より下に下げられるようにすることが望ましい。さらに、液体物質の霧化及びその後の凍結は、微粒子製品を加工できるようにし、乾燥制御及び熱伝達特性を強化することができる。
【0193】
装置すなわち噴霧凍結機は向流形態のものでもよいが、噴霧凍結機がALSにおいて液体の相変化を生じさせるために冷ガスを使用することができる並流形態のものでもよい。冷ガスは、噴霧液体物質内の液体の凍結をもたらす相変化を生じさせることができる(すなわち、ALSはその共融温度より低い温度になる)。相変化を生じさせるために噴霧凍結機が使用する冷ガスは、冷気でよいが、ALS内に含有される液体に相変化を生じさせる適切な任意の気体を使用できる。
【0194】
使用される冷ガスはほぼ0℃以下であり、ほぼ−20℃未満がさらに望ましい。
【0195】
凍結した/その共融温度より低い温度になったALSは、次に分離機へ運ぶことができ、運搬は空気圧で行うことができる。分離機としては気体-固体分離装置、例えばサイクロンが可能である。
【0196】
サイクロンから分離された気体を噴霧凍結機で使用するために戻すこと及び/又は冷却することができる。蒸発器における冷却負荷を減少するためにそれを噴霧凍結機で再利用することも可能である。蒸発器はALSにおける液体の相変化を誘発するために使用される気体を冷却するために使用される。しかし、適切な任意のガス冷却装置を使用することができ、蒸発器はこの場合例として示されている。適切な冷却装置には、冷却器、プレート熱交換器、シェル及びチューブ熱交換器、及びALSの中の液体を固体(凍結)状態へ相変化させるために噴霧凍結機に供給することができる温度へガスを冷却することができるその他の熱伝達ユニットが含まれる。
【0197】
1つ以上の真空ロック及び/又はエアロック又はその他のタイプの圧力シール装置が、凍結ALSサイクロン出口と乾燥室入口との間に配置されることが望ましい。乾燥室内の真空を維持するために1台以上の圧力ロック装置を配備すると有利である。これらの圧力ロック装置を使用することなく、乾燥室内に適切な真空を得ることはできない。真空乾燥室を密閉して乾燥室がその真空を維持できるようにするために適切な任意の装置を利用することができるが、バルブなど圧力ロックが特に適している。
【0198】
さらなる実施態様において、サイクロンから真空乾燥室への輸送中において凍結ALSをその共融温度より低い温度に維持するために冷却システムを採用することができる。凍結ALSは、ALSの温度がその共融温度程度に上がる場合に生じる可能性のある製品劣化又は悪化を最小限に抑えるためにその共融温度より低い温度を維持すると有利である。
【0199】
真空乾燥室の真空は適切な減圧装置によって作られる。
【0200】
適切な減圧装置によって作られる真空は、ほぼ600μmHg絶対圧力以下とすることができる。真空はほぼ200〜400μmHg絶対圧力の範囲にあることがさらに望ましい。
【0201】
真空室の中を通る凍結ALSの輸送又は運搬は、振動表面で行うことができ、この場合、振動表面は振動トレイである。振動トレイは、トレイに振動を与えるために空気圧、電気的手段及び/又は機械的手段で駆動することができる。
【0202】
振動トレイは、昇華を生じさせるために温度勾配を通り抜けて凍結ALSを運び、昇華によって生じた蒸気は1台以上の凝縮器などによって乾燥室から取り除かれる。
【0203】
乾燥トレイを横切る温度勾配は、赤外発光装置などのエネルギー源によって与えられる。ただし、他のエネルギー源例えばオーム加熱器及びマイクロ波装置などの使用も想定される。
【0204】
改良された乾燥工程及び装置によって生産される製品は、実質的に液体を含まず、そうでなければ実質的に乾燥し、又は少なくとも実質的に液体含有量が減少している。
【0205】
初期温度からもっと低い温度へ液体物質を冷却するステップ、予め決められた粒径が得られるように液体物質を噴霧するステップ、噴霧された液体物質(ALS)をその共融温度より低い温度へ冷却するステップ、真空に保持される乾燥室の中へ凍結ALSを運ぶステップ、昇華及び凍結乾燥を生じさせるように凍結ALSを加熱するステップ、及び乾燥室から乾燥ALSを集めるステップのうちの1つ以上のステップを容易にする改良された乾燥用の装置が、望まれる。代替実施態様において、装置は、初期温度から液体物質を冷却するステップ、予め決められた粒径を得るように液体物質を噴霧するステップ、噴霧された液体物質(ALS)をその共融温度より低い温度へ冷却するステップ、真空に保持される乾燥室の中へ凍結ALSを運ぶステップ、乾燥室の中を通ってALSを運ぶステップ、ALSが乾燥ALSの収集ポイントまで乾燥室の中を進むときALSに生じる熱損傷を防止しながら又はこれを最小限に抑えながら温度勾配が昇華及び乾燥を生じさせるように乾燥室の中を凍結ALSが通り抜けるとき温度勾配によって凍結ALSを加熱するステップ、のうちの1つ以上のステップを容易にすることができる改良された乾燥工程のための装置として定義される。
【0206】
連続工程を構成するために工程のステップ及び方法論を連結できることは望ましいが、必ずしも不可欠ではない。連続工程は多くの利点を持ちうる。
【0207】
さらに、連続システムは生産性をより簡単に最適化でき、スループットがより多く、生産単位あたりの加工時間が短くなり、制御が最適化される結果として品質が向上し、一般的に工程がより効率的になり、設備及び/又は物質を汚染する可能性がある人の手による物質の処理及び/又は接触が減少する傾向があるので、連続的に運転されるように構成される工程が望ましく、また人の手作業が減ることは、負傷の可能性も減少して望ましい。さらに、連続加工は、凍結乾燥製品の連続加工及び生産のために最適化された解決手段のために構築される設備を可能にする。
【0208】
真空乾燥室は、200〜400μmHgの範囲の絶対圧力で動作するように設計される。乾燥室の真空状態は、凍結液体の気体/蒸気相の優先的相変化(昇華)を可能にする。昇華物質(蒸気)は凝縮器を用いて取り除くことができる。望ましい実施態様においては、乾燥室は連続的に運転され、バッチ、半連続又は連続的に運転される付加的な噴霧凍結器、分離装置(サイクロン)、包装システムと連結することができる。
【0209】
本発明の望ましい実施態様において、凍結ALSは、昇華を生じさせるために温度勾配を通り抜けてALSを運んで乾燥製品を乾燥機の終点で排出するための傾斜した空気圧振動トレイの上に落ちる(他の振動トレイシステムを採用することができるが)。乾燥製品は排出真空ロック(真空を維持するようにする)を通ってさらなる加工段階に向かう。例えば、さらなる加工段階には別個の包装システムが含まれる。
【0210】
トレイの表面温度は、製品を損傷することなく乾燥を完了できるようにするためにその長さに沿って制御されることが望ましい。
【0211】
乾燥は、物質の中に通常存在する水分のほとんどを蒸発によって取り除くために制御された条件の下でエネルギーを加えることとして定義することができる。脱水の主要な目的は、含水量を減少することによって物質の賞味期限を延ばすことである。
【0212】
乾燥は、食品の食味及び栄養価を低下させる場合がある。水は、化学、微生物及び酵素反応のための溶媒として作用するので、生鮮、冷凍及び乾燥食品の安定性において重要な役割を果たす。
【0213】
乾燥機は、振動トレイ、減圧手段、材料入口、材料出口及び熱源を含むことができる。振動トレイは、凍結ALSを材料入口から材料出口まで運ぶ振動表面となる(この上で昇華が生じる)。材料入口は、乾燥機への凍結ALSの入口点であり、材料出口は乾燥ALS(昇華後)の出口点である。
【0214】
熱源は、振動トレイの長さに沿って凍結ALSからの凍結液体の昇華を誘発するために使用される。
【0215】
従って、液体物質を加工して実質的にこれを乾燥させる又はその含水量を減少させる一連の処理段階を提供すると有利である。上述の、任意選択的に液体物質を冷却するステップ、液体物質を噴霧するステップ、ALS内部の液体の相変化を開始させるためにALSを冷却するステップ、相変化したALSを冷却ガスから任意選択的に分離するステップ、相変化したALSを乾燥室へ運ぶステップ、及び昇華によってALSから液体を取り除くステップは、実質的に液体/含水量を減じた物質をもたらすための一連の処理段階と呼ぶことができる。
【0216】
ただし、予備処理段階をなしで済ませて、液体物質を真空室(加工対象の液体物質の三重点圧力より低い真空圧力に保持される)へ直接入れることも考えられる。この直接注入は、液体の一部のフラッシュ蒸発を引き起こすことができ、液体物質の残り部分はその結果として温度を下げて、凍結液体物質粒子が生じる。次いで、より乾燥した液体物質を得るために、残りの液体の昇華を誘発するべくこの凍結粒子を乾燥室内部で処理することができる。
【0217】
真空圧力乾燥室への液体物質の直接注入が1つの選択肢である場合予備処理段階をなしで済ませることができるが、予備処理段階は工程全体を強化すると考えることができる。
【0218】
当業者は、本発明を実施するために必要とされるポンプ、加熱器、モーター、噴射又は噴霧ノズルのサイズ決定を理解し、これを計算することができるだろう。また、この種のコンポーネントのサイズを決定し及び/又はこれに影響を及ぼす多数の変数があることが判るだろう。また、真空室の設計は、当業者の領域内にあることが判るはずである。しかし、本発明を適切なものにするのは上記のとおり与えられる組合せ及び利点である。
【0219】
本発明の態様は単なる例として示されており、特許請求の範囲において定義される本発明の範囲から逸脱することなく修正及び追加を加えることができることが判るはずである。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】第三及び第四の態様における本発明に従った可能な乾燥機構成の1つの実施態様を示している。
【図2】第一及び第二の態様に従った本発明の1つの可能な実施態様の工程流れ図である。
【図3】図2に示される乾燥室構成の上面図である。
【図4】図2及び3に示される乾燥室構成の側面図である。
【図5】図2から4までに示される乾燥室構成の端面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形粒子が懸濁している又はある物質が中に溶解している液体物質を乾燥又は濃縮するための方法であって、
前記液体物質の三重点より低い温度及び圧力にチャンバを保持するステップと、
凍結液体物質部分(FLS部分)及び第一の蒸発液体物質部分(FEL部分)を生成するために前記液体物質を前記チャンバの中へ注入及び/又は噴霧するステップと、
前記FLS部分を表面上の層として集めるステップと、
前記表面上の前記集められたFLS部分を運ぶステップと、を含み、
前記FLS部分を運ぶステップにおいて、前記表面は、前記表面上に集められたFLSの層の厚みを制御する速度で前記集められたFLS部分を運ぶ、液体物質を乾燥又は濃縮するための方法。
【請求項2】
運搬速度が実質的に単層の厚みのFLS部分を前記表面上に蓄積させるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記FELが凝縮装置によって凝縮される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記FELが前記チャンバから取り除かれる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記液体物質を注入及び/又は噴霧するステップが、予め決められた粒径のFLSを得るために噴射するステップを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記液体物質を注入及び/又は噴霧するステップが、1つ以上のノズルによって行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記表面上におけるFLSの前記運搬速度が前記表面上の前記FLSを実質的に単層厚みにする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記単層が前記FLS部分の前記予め決められた粒径の単一層の厚みである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm未満である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記予め決められた粒径がほぼ200μm未満である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記表面が前記1つ以上のノズルから離れるように前記FLS部分を運ぶ、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
該方法が、前記集められたFLS部分の層を加熱手段に曝すことによって昇華及び第二の蒸発液体物質部分(SEL部分)及び製品の生成を実質的に誘発するステップを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記SEL部分が凝縮装置によって凝縮される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記SEL部分が前記チャンバから取り除かれる、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記製品が製品除去装置によって前記運搬表面から取り除かれる、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記製品が出口を通じて前記チャンバから取り除かれる、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
該方法が、流動化物質、又は固形粒子が懸濁している液体物質、又は物質が中に溶解している液体物質を加工するために使用される、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記物質がコーヒーの懸濁液、液体ミルク、フルーツ及び/又はベジタブルジュースのうちの1つ以上から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
液体物質を乾燥又は濃縮するための装置であって、
チャンバ及びチャンバ減圧装置と、
前記液体物質を前記チャンバへ注入するための1つ以上の注入口と、
前記液体物質の凍結液体物質部分を集める収集表面と、を含み、
前記注入された液体物質を凍結液体物質部分(FLS部分)と第一の蒸発液体物質部分(FEL部分)とに分離するために前記減圧装置が前記液体物質の少なくとも三重点圧力より低い圧力に前記チャンバを維持し、
その結果、使用中、前記FLS部分が、前記収集表面上に層として蓄積して、前記FLS部分の前記層の厚みを制御できる速度で前記1つ以上の注入口から離れるように運ばれる、液体物質を乾燥又は濃縮するための装置。
【請求項21】
前記運搬速度が実質的に単層の厚みのFLS部分を前記表面上に蓄積させるものである、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記FELが凝縮装置によって凝縮される、請求項20又は21に記載の装置。
【請求項23】
前記FELが前記チャンバから取り除かれる、請求項20から22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記1つ以上の注入口が少なくとも1つの噴射又は噴霧ノズルを含む、請求項20から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
1つ以上の前記ノズルが、予め決められた粒径を得るために、生成される前記FLS部分のサイズを実質的に決定する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記減圧装置が排気ポンプである、請求項20から25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記凝縮装置が1つ以上の冷却コイルである、請求項20から26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記凝縮装置が冷媒によって冷却される、請求項20から27ののいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記収集表面が、以下のコンベア、即ち、移動エンドレスベルト構成、前記凍結液体物質部分が前記1つ以上の注入口から離れるようにスライドすることを促進するように傾斜するトレイ、振動トレイ、のうちの1つ又はその組合せを含む、請求項20から27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
前記傾斜トレイ及び/又は振動トレイが低摩擦表面を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記低摩擦表面がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記収集表面上の前記FLS部分の前記層が前記1つ以上の注入口から離れるように運ばれるとき加熱手段に曝される、請求項20から31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
前記加熱手段が、前記表面上の前記FLS部分の層の昇華を実質的に誘発して、第二の蒸発液体(SEL)物質部分及び製品を形成する、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記加熱装置が以下のエネルギー源、即ち、赤外線ランプ、ハロゲンランプ、白熱灯、マイクロ波又は前記表面のオーム加熱のうちの1つ又はその組合わせである、請求項32又は33に記載の装置。
【請求項35】
前記収集表面から前記製品を取り除くために製品除去装置が採用される、請求項33又は34に記載の装置。
【請求項36】
前記製品除去装置がこすり落とし手段及び/又はブラッシング手段である、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記こすり落とし手段が、前記製品が載っている前記表面にほぼ接触し、前記製品を前記表面から離して前記出口へ移動させる、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記ブラッシング手段が、前記製品が載っている前記表面とほぼ接触し前記製品を前記表面から離して前記出口へ導く回転ブラシ又は固定ブラシである、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記製品がチャンバ出口を通じて取り除かれる、請求項33から37のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記チャンバがほぼ611.3Pa以下に保持される、請求項20から39のいずれか一項に記載の装置。
【請求項41】
液体物質用の乾燥工程であって、
前記液体物質を噴霧するステップと、
相変化を開始させるために前記噴霧された液体物質(ALS)を冷却するステップと、
前記ALSを真空の乾燥室の中へ運ぶステップと、
実質的に昇華を生じさせるように前記ALSを加熱した後、実質的に乾燥したALSを前記乾燥室から集めるステップと、を含む液体物質用の乾燥工程。
【請求項42】
前記液体物質が噴霧前に初期温度から冷却される、請求項41に記載の乾燥工程。
【請求項43】
前記乾燥室の中へ運ばれた前記ALSが前記乾燥室の中を通って運ばれる、請求項41又は42に記載の乾燥工程。
【請求項44】
温度勾配が実質的に昇華を生じさせるように前記ALSが前記乾燥室を通り抜けるとき前記温度勾配によって加熱される、請求項41から43のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項45】
液体物質を冷却する前記ステップが、前記液体物質を初期温度からもっと低い温度へ下げるために冷却機において行われる、請求項42から44のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項46】
前記液体物質の噴霧によって予め決められた粒径が得られる、請求項41から45のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項47】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm以上である、請求項46に記載の乾燥工程。
【請求項48】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm未満である、請求項46に記載の乾燥工程。
【請求項49】
前記予め決められた粒径が200μm未満である、請求項46に記載の乾燥工程。
【請求項50】
前記噴霧された液体物質(ALS)において液体の相変化を生じさせるために噴霧凍結機が冷ガスを利用する、請求項41から49のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項51】
冷却が低温流体との直接又は間接的接触により生じる、請求項42から50のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項52】
該乾燥工程において前記低温流体が空気である、請求項51に記載の乾燥工程。
【請求項53】
前記低温流体がほぼ0℃以下である、請求項51又は52に記載の乾燥工程。
【請求項54】
前記低温流体がほぼ−20℃未満である、請求項51又は52に記載の乾燥工程。
【請求項55】
前記噴霧凍結機が向流構成で動作する、請求項50から54のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項56】
前記噴霧凍結機が並流構成で動作する、請求項50から54のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項57】
前記ALSがその共融温度より低い温度に下げられる、請求項41から56のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項58】
前記ALSが分離機へ運ばれる、請求項41から57のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項59】
前記ALSが空気圧で分離機へ運ばれる、請求項41から57のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項60】
前記分離機が気体-固体分離装置である、請求項58又は59に記載の乾燥工程。
【請求項61】
前記気体-固体分離装置がサイクロンである、請求項60に記載の乾燥工程。
【請求項62】
前記気体-固体分離装置において分離された気体が、前記冷却ステップにおいて使用されるために戻され及び/又は冷却される、請求項60又は61に記載の乾燥工程。
【請求項63】
AFSサイクロン出口と乾燥室入口との間に1つ以上の真空ロック及び/又はエアロックが存在する、請求項61又は62に記載の乾燥工程。
【請求項64】
前記気体-固体分離装置から分離された固体が真空乾燥室へ入る、請求項60から63のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項65】
前記真空乾燥室の真空が減圧装置によって作られる、請求項41から64のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項66】
前記減圧装置によって作られる前記真空がほぼ600μmHg絶対圧力以下である、請求項65に記載の乾燥工程。
【請求項67】
前記減圧装置によって作られる前記真空がほぼ200-400μmHg絶対圧力の範囲である、請求項65に記載の乾燥工程。
【請求項68】
前記ALSが表面によって運ばれる、請求項41から67のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項69】
前記ALSが振動表面によって運ばれる、請求項41から68のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項70】
前記振動表面が振動トレイである、請求項69に記載の乾燥工程。
【請求項71】
前記振動トレイが空気圧で及び/又は機械的に及び/又は電気的に及び/又は磁気的に駆動される、請求項69又は70に記載の乾燥工程。
【請求項72】
前記振動トレイが実質的に昇華を生じさせるために温度勾配を通り抜けてALSを運ぶ、請求項70又は71に記載の乾燥工程。
【請求項73】
昇華によって生成された蒸気が前記乾燥室から取り除かれる、請求項41から72のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項74】
昇華によって生成された蒸気が1台以上の凝縮器によって前記乾燥室から取り除かれる、請求項73に記載の乾燥工程。
【請求項75】
温度勾配が実質的に昇華を生じさせるように、前記ALSが前記乾燥室を通り抜けるとき前記温度勾配によって加熱される、請求項41から74のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項76】
前記温度勾配がエネルギー源によって与えられる、請求項41から75のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項77】
前記エネルギー源が赤外発光装置及び/又はマイクロ波発光装置及び/又はオーム加熱器である、請求項76に記載の乾燥工程。
【請求項78】
前記液体物質の噴霧により予め決められた粒径が得られる、請求項41から77のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項79】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm以上である、請求項78に記載の乾燥工程。
【請求項80】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm未満である、請求項78に記載の乾燥工程。
【請求項81】
前記予め決められた粒径がほぼ200μm未満である、請求項78に記載の乾燥工程。
【請求項82】
前記気体-固体分離装置から前記真空乾燥室への輸送中ALSをその共融温度より低い温度に維持するために冷却システムが採用される、請求項60から81のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項83】
生産される製品が前記液体物質に比べて液体が実質的に減少するか又は液体を含まない、請求項41から82のいずれか一項に記載の乾燥工程。
【請求項84】
液体物質のための乾燥工程用の装置であって、
液体物質を噴霧することができる噴霧器と、
相変化を開始させるために前記噴霧された液体物質(ALS)を冷却することができるクーラーと、
真空に保持される乾燥室の中へ前記ALSを運ぶことができるコンベアと、
昇華及び凍結乾燥を生じさせるように前記ALSを加熱することができるエネルギー源と、
前記乾燥ALSを集めることができるコレクタと、を含む、液体物質のための乾燥工程用の装置。
【請求項85】
前記液体物質噴霧器の前に、液体物質を初期温度からもっと低い温度へ冷却することができる冷却機が配備される、請求項84に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項86】
該装置が前記乾燥室の中を通って前記ALSを運ぶことができるコンベアを含む、請求項84又は85に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項87】
該装置が、温度勾配が昇華を生じさせることができるように前記ALSが前記乾燥室を通り抜けるとき温度勾配により前記ALSを加熱することができるエネルギー源を含む、請求項84から86のいずれか一項に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項88】
前記温度勾配が、前記ALSが前記乾燥室を通り抜けるとき前記ALSに生じる熱損傷を実質的に防止する又は実質的にこれを最小限に抑える、請求項87に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項89】
前記液体物質の噴霧により予め決められた粒径を得ることができる、請求項84から88のいずれか一項に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項90】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm以上である、請求項89に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項91】
前記予め決められた粒径がほぼ500μm未満である、請求項89に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項92】
前記予め決められた粒径がほぼ200μm未満である、請求項89に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項93】
前記噴霧された液体物質(ALS)において液体の相変化を生じさせるために噴霧凍結機が冷ガスを使用する、請求項84から92のいずれか一項に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項94】
前記冷ガスが空気である、請求項93に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項95】
前記冷ガスがほぼ0℃以下である、請求項93又は94に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項96】
前記冷ガスがほぼ−20℃未満である、請求項93又は94に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項97】
前記真空乾燥室の真空が減圧装置によって作られる、請求項84から96のいずれか一項に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項98】
前記減圧装置によって作られる前記真空がほぼ600μmHg絶対圧力以下である、請求項97に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項99】
前記減圧装置によって作られる前記真空がほぼ200〜400μmHg絶対圧力の範囲である、請求項97に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項100】
前記ALSが振動表面により運ばれる、請求項84から99のいずれか一項に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項101】
前記振動表面が振動トレイである、請求項100に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項102】
前記振動トレイが空気圧で及び/又は機械的に及び/又は電気的に及び/又は磁気的に駆動される、請求項101に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項103】
実質的に昇華を生じさせるためにALSが温度勾配を通り抜けて運ばれる、請求項84又は102に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項104】
昇華によって生成される蒸気が1台以上の凝縮器によって前記乾燥室から取り除かれる、請求項84又は103に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項105】
前記温度勾配がエネルギー源によって与えられる、請求項103に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項106】
前記エネルギー源が赤外発光装置及び/又はマイクロ波発光装置及び/又はオーム加熱器である、請求項105に記載の乾燥工程用の装置。
【請求項107】
乾燥室であって、
トレイを振動させることができる装置と、
該乾燥室の圧力を下げるのに適した装置と、
該乾燥室からの材料出口と、
前記トレイに作用するように構成された熱源と、を含む、乾燥室。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−535652(P2007−535652A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510646(P2007−510646)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【国際出願番号】PCT/NZ2005/000089
【国際公開番号】WO2005/105253
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506366161)アグリサーチ リミティド (1)
【Fターム(参考)】