説明

交通案内情報提供システム並びに方法

【課題】建設現場の仮囲いで、周辺住民及び通行人に対して、有益な地図情報を広告と同時に提供する。
【解決手段】仮囲いと携帯端末とを利用し、アクセスサーバと地図サーバとを具備し、仮囲いは、広告の一部として又は広告に並べて、この仮囲いの周辺地図も掲示し、この周辺地図の中又は周囲に、この仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを付加したものである交通案内情報提供システムであって、
アクセスサーバは、携帯端末から、読取装置で読み取られたアドレスを利用して送信される、読取装置で読み取られた位置情報を受信すると、この位置情報と紐付けられている仮囲いの広告情報を記憶装置から読み出して携帯端末に表示させた後に、この位置情報を地図サーバに送信し、
地図サーバは、位置情報を受信すると、この位置情報で示される場所を出発地として、目的地を携帯端末に入力させて、出発地から目的地までのルートを求めて携帯端末に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通案内情報提供の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建設物の工事現場は、交通遮断、安全、盗難防止などのために、その周辺に仮の壁を設けて、その周辺を囲う。この工事現場を囲う仮の壁のことを、仮囲いと云う。
【0003】
従来から、建設現場の仮囲いを広告に利用することは行われている(例えば特許文献1〜3参照)。
【0004】
しかしながら、あくまで広告主と施主との間で取引された広告でしかなく、周辺住民や通行人に有益な情報をサービスするものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−141101号公報
【特許文献2】特開2003−176631号公報
【特許文献3】実開平6−18558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる背景技術に鑑みてなされたもので、建設現場の仮囲いで、周辺住民及び通行人に対して、有益な地図情報を広告と同時に提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1の発明では、仮囲いと携帯端末とを利用し、アクセスサーバと地図サーバとを具備し、携帯端末とアクセスサーバと地図サーバとが通信ネットワークに接続され、仮囲いは、広告の一部として又は広告に並べて、この仮囲いの周辺地図も掲示し、この周辺地図の中又は周囲に、この仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを、光学読取情報、或いは、電磁読取情報として、付加したものであり、携帯端末は、光学読取情報、或いは、電磁読取情報を読み取る読取装置を備え、アクセスサーバは、仮囲いの位置情報と、この仮囲いに掲示されている広告情報とを紐付けて記憶する記憶装置を備え、地図サーバは、地図情報を記憶する記憶装置を備えるシステムであって、
携帯端末は、読取装置で仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを読み取ると、このアドレスを利用して、この位置情報を、アクセスサーバに送信する手段を有し、
アクセスサーバは、位置情報を受信すると、この位置情報と紐付けられている広告情報を記憶装置から読み出して携帯端末に表示させる手段と、この表示後に、この位置情報を地図サーバに送信する手段とを有し、
地図サーバは、位置情報を受信すると、この位置情報で示される場所を出発地として、目的地を携帯端末に入力させる手段と、目的地が携帯端末に入力されると、記憶装置に記憶されている地図情報を利用して、出発地から目的地までのルートを求めて携帯端末に表示させる手段とを有することを特徴とする交通案内情報提供システムとしたものである。
【0008】
また請求項2の発明では、仮囲いと携帯端末とを利用し、アクセスサーバと地図サーバとを具備し、携帯端末とアクセスサーバと地図サーバとが通信ネットワークに接続され、仮囲いは、広告の一部として又は広告に並べて、この仮囲いの周辺地図も掲示し、この周辺地図の中又は周囲に、この仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを、光学読取情報、或いは、電磁読取情報として、付加したものであり、携帯端末は、光学読取情報、或いは、電磁読取情報を読み取る読取装置を備え、アクセスサーバは、仮囲いの位置情報と、この仮囲いに掲示されている広告情報とを紐付けて記憶する記憶装置を備え、地図サーバは、地図情報を記憶する記憶装置を備えるシステムが実行する方法であって、
アクセスサーバが、携帯端末から、読取装置で読み取られたアドレスを利用して送信される、読取装置で読み取られた位置情報を受信すると、この位置情報と紐付けられている広告情報を記憶装置から読み出して携帯端末に表示させる工程と、
この表示後に、アクセスサーバが、この位置情報を地図サーバに送信する工程と、
地図サーバが、位置情報を受信すると、この位置情報で示される場所を出発地として、目的地を携帯端末に入力させる工程と、
目的地が携帯端末に入力されると、地図サーバが、記憶装置に記憶されている地図情報を利用して、出発地から目的地までのルートを求めて携帯端末に表示させる工程とを含むことを特徴とする交通案内情報提供方法としたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、建設現場の仮囲いで、周辺住民及び通行人に対して、有益な地図情報を広告と同時に提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るシステムのハードウェア構成の一例を示す図。
【図2】仮囲いの一例を示す図。
【図3】広告画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
【0012】
本発明に係るシステムは、図1に示すように、仮囲い10と、基地局と無線通信することで通信ネットワークに接続される携帯端末とを利用し、アクセスサーバと、地図サーバとを具備し、アクセスサーバ、地図サーバ、それぞれも通信ネットワークに接続されるものである。
【0013】
仮囲い10は、広告の一部として又は広告に並べて、仮囲い10の周辺地図も掲示(表示)し、その周辺地図の中又は周囲に、仮囲い10の位置情報とアクセスサーバのアドレスとを、バーコードや二次元コードのように光学的に読み取り可能な光学読取情報、或いは、RFIDタグやICタグのメモリに記憶されている情報のように電磁的に読み取り可能な電磁読取情報として、付加したものである。
【0014】
図2に仮囲いの例を示す。図2に示す仮囲い10では、広告30及び広告40に並べて、仮囲い10の周辺地図20も掲示(表示)し、その周辺地図20の周囲に、仮囲い10の位置情報とアクセスサーバのアドレスとを、二次元コードの一種であるQRコード(登録商標)50で付加している。
【0015】
携帯端末は、光学読取情報、或いは、電磁読取情報を読み取る読取装置を備える。この
ような携帯端末の例として、QRコードリーダを備える携帯電話機が挙げられる。
【0016】
アクセスサーバは、仮囲いの位置情報と、この仮囲いに掲示されている広告情報とを紐付けて記憶する記憶装置を備える。
【0017】
地図サーバは、地図情報と、地図案内ソフト(ナビゲーションソフト)とを記憶する記憶装置を備える。
【0018】
以下のSTEP1〜11に、本発明に係るシステムで行われる処理の流れの例を説明する。
【0019】
STEP1;
携帯端末は、読取装置で仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを読み取ると、このアドレスを利用して、この位置情報を、アクセスサーバに送信する。
【0020】
STEP2;
アクセスサーバは、位置情報を受信すると、この位置情報と紐付けられている広告情報を記憶装置から読み出し、この広告情報を掲載しナビゲーション選択ボタンを有する広告画面を作成して携帯端末に送信する。
【0021】
図3に広告画面の例を示す。図3に示す広告画面の例では、図2に示す仮囲い10に掲示された広告30を掲載し、ナビゲーション選択ボタン60を有する。
【0022】
STEP3;
携帯端末は、広告画面を受信すると、この広告画面を表示する。
【0023】
STEP4;
ナビゲーション選択ボタンが押されると、携帯端末は、ナビゲーション選択ボタンが押された旨を、アクセスサーバに送信する。
【0024】
STEP5;
アクセスサーバは、ナビゲーション選択ボタンが押された旨を受信すると、携帯端末から既に受信している位置情報を、地図サーバに送信する。
【0025】
STEP6;
地図サーバは、位置情報を受信すると、地図案内ソフトを立ち上げて、この地図案内ソフトにより、この位置情報で示される場所を出発地として、目的地を入力させるためのナビゲーション画面を作成して、携帯端末に送信する。
【0026】
STEP7;
携帯端末は、ナビゲーション画面を受信して、このナビゲーション画面を表示する。
【0027】
STEP8;
ナビゲーション画面に目的地が入力されると、携帯端末は、この目的地を地図サーバに送信する。
【0028】
STEP9;
地図サーバは、目的地を受信すると、地図案内ソフトにより、記憶装置に記憶されている地図情報を利用して、出発地から目的地までのルートを求める。
【0029】
ナビゲーション画面に、目的地だけでなく、出発地から目的地までのルート求める際の条件も入力させ、この条件を満たすように、出発地から目的地までのルートを求めても良い。
【0030】
STEP10;
地図サーバは、地図案内ソフトにより、記憶装置に記憶されている地図情報を利用して、出発地から目的地までのルートを表示する画面を作成して、携帯端末に送信する。
【0031】
出発地から目的地のルートは、地図上に表示しても良い。
【0032】
出発地から目的地のルートが、鉄道を利用したものであるならば、出発地から出発地の最寄り駅までの徒歩のルートを地図上に表示し、出発地の最寄り駅から目的地の最寄り駅までのルートは、路線名と、乗り換えがあれば乗換駅とで表示し、目的地の最寄り駅から目的地までのルートを地図上に表示しても良い。
【0033】
STEP11;
携帯端末は、出発地から目的地までのルートを表示する画面を受信し、この画面を表示することで、出発地から目的地までのルートを表示する。
【符号の説明】
【0034】
10…仮囲い
20…周辺地図
30…広告
40…広告
50…QRコード
60…ナビゲーション選択ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮囲いと携帯端末とを利用し、アクセスサーバと地図サーバとを具備し、携帯端末とアクセスサーバと地図サーバとが通信ネットワークに接続され、仮囲いは、広告の一部として又は広告に並べて、この仮囲いの周辺地図も掲示し、この周辺地図の中又は周囲に、この仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを、光学読取情報、或いは、電磁読取情報として、付加したものであり、携帯端末は、光学読取情報、或いは、電磁読取情報を読み取る読取装置を備え、アクセスサーバは、仮囲いの位置情報と、この仮囲いに掲示されている広告情報とを紐付けて記憶する記憶装置を備え、地図サーバは、地図情報を記憶する記憶装置を備えるシステムであって、
携帯端末は、読取装置で仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを読み取ると、このアドレスを利用して、この位置情報を、アクセスサーバに送信する手段を有し、
アクセスサーバは、位置情報を受信すると、この位置情報と紐付けられている広告情報を記憶装置から読み出して携帯端末に表示させる手段と、この表示後に、この位置情報を地図サーバに送信する手段とを有し、
地図サーバは、位置情報を受信すると、この位置情報で示される場所を出発地として、目的地を携帯端末に入力させる手段と、目的地が携帯端末に入力されると、記憶装置に記憶されている地図情報を利用して、出発地から目的地までのルートを求めて携帯端末に表示させる手段とを有することを特徴とする交通案内情報提供システム。
【請求項2】
仮囲いと携帯端末とを利用し、アクセスサーバと地図サーバとを具備し、携帯端末とアクセスサーバと地図サーバとが通信ネットワークに接続され、仮囲いは、広告の一部として又は広告に並べて、この仮囲いの周辺地図も掲示し、この周辺地図の中又は周囲に、この仮囲いの位置情報とアクセスサーバのアドレスとを、光学読取情報、或いは、電磁読取情報として、付加したものであり、携帯端末は、光学読取情報、或いは、電磁読取情報を読み取る読取装置を備え、アクセスサーバは、仮囲いの位置情報と、この仮囲いに掲示されている広告情報とを紐付けて記憶する記憶装置を備え、地図サーバは、地図情報を記憶する記憶装置を備えるシステムが実行する方法であって、
アクセスサーバが、携帯端末から、読取装置で読み取られたアドレスを利用して送信される、読取装置で読み取られた位置情報を受信すると、この位置情報と紐付けられている広告情報を記憶装置から読み出して携帯端末に表示させる工程と、
この表示後に、アクセスサーバが、この位置情報を地図サーバに送信する工程と、
地図サーバが、位置情報を受信すると、この位置情報で示される場所を出発地として、目的地を携帯端末に入力させる工程と、
目的地が携帯端末に入力されると、地図サーバが、記憶装置に記憶されている地図情報を利用して、出発地から目的地までのルートを求めて携帯端末に表示させる工程とを含むことを特徴とする交通案内情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−236860(P2010−236860A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81779(P2009−81779)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】