説明

人型歩行ロボット用脚

【課題】人型歩行ロボット用脚において、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することにある。
【解決手段】下腿8の上部に配置したモータ13aと直線駆動機構13bとをベルト式伝動機構13dで駆動結合し、下腿8下部に配置したモータ14aと下腿8の左右方向へ延在する中間軸14bとをベベルギヤ組14cで駆動結合し、下腿8に軸線P4周りに揺動可能に支持した関節部材11cに足9を軸線R3周りに揺動可能に支持し、軸線R3上に同軸型減速機14dを配置してその出力要素を足9に結合し、関節部材11cの、軸線P4上から外れた部位と直線駆動機構13bの出力要素13fとをリンク部材13hで連結し、関節部材11cの、軸線P4上の位置に回動可能に支持した中間軸14eと、中間軸14bとをベルト式伝動機構14hで駆動結合し、同軸型減速機14dの入力要素と中間軸14eとをベベルギヤ組14iで駆動結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、人型歩行ロボットに用いられる脚に関し、特には、人の脚に近いプロポーション(長さに対する太さの比率)を実現する人型歩行ロボット用脚に関するものである。なお、この明細書中、ロボットの「前」および「後」とは、ロボット自身から見て「前」および「後」を意味し、ロボットの「左」および「右」とは、ロボット自身から見て「左」および「右」を意味する。
【背景技術】
【0002】
人型歩行ロボットとしては従来、例えば特許文献1記載のものが知られており、かかる人型歩行ロボットはその歩行機能を担保するため、脚の足首関節に、足を下腿に対しピッチ軸線およびロール軸線周りにそれぞれ揺動させる二つの駆動機構を具えるとともに、下腿に、それらピッチ軸用とロール軸用との駆動機構をそれぞれ駆動する二台のモータを具えている。
【0003】
そして、一般に人型歩行ロボットの関節においては、駆動機構が例えば商品名ハーモニックドライブ等の、入出力要素が同一軸線上に位置する同軸型減速機を関節軸線上に有し、その同軸型減速機の入力要素とモータの出力要素との間の動力伝達が、ベルト式伝動機構等の、二軸を平行に配置した平行軸型伝動機構により行われており、上記特許文献1記載の人型歩行ロボットの足首関節でも、上記二つの駆動機構がそれぞれハーモニックドライブを有し、それらのハーモニックドライブと二台のモータとの間の動力伝達がベルト式伝動機構により行われている。
【0004】
また、人型歩行ロボットの足首関節においては、ロール軸線とピッチ軸線とを足首の中心付近で互いに直交するよう配置するとともに、それらの軸線上でモータから同軸型減速機に回転を入力するのが通常であり、上記特許文献1記載の人型歩行ロボットの脚の足首関節でも、ピッチ軸線上で二台のモータからの回転を入力するとともに、ロール軸用モータからの回転は足首の中心付近に位置する、二軸を交差配置した交差軸型伝動機構としてのベベルギヤ組を介してロール軸線上の回転に変換してロール軸用のハーモニックドライブに伝達している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−326218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで近年、人型歩行ロボット、特に会場や商品の案内等の、人と対面する仕事に用いられる人型歩行ロボットとして、そのプロポーション(長さに対する太さの比率)が人のプロポーション、特に女性のプロポーションに近いものが求められており、このことは、その人型歩行ロボットの脚のプロポーションに関しても例外ではない。
【0007】
しかしながら、前述のように人型歩行ロボットの脚の足首関節の二つの駆動機構がそれぞれ同軸型減速機を有し、それらの同軸型減速機と二台のモータとの間の動力伝達をベルト式伝動機構により行うようにすると、ピッチ軸線が水平に延在することから、二台のモータをそれらの軸線が水平に延在するようにそれぞれ横向きにして下腿の上部および下部に配置する必要があり、かかるモータの配置では、歩行機能を担保し得る出力のモータを用いると必然的に、下腿全体が左右に幅広くなって長さに対する太さの割合が大きい太目のプロポーションになり、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することは困難であった。
【0008】
また、前述のようにピッチ軸線上でロール軸用モータからの回転を入力し、ベベルギヤ組を介してロール軸用同軸型減速機に入力するようにすると、そのロール軸用同軸型減速機が、足首の中心付近に位置するベベルギヤ組で足首の前後方向へ追いやられるため、必然的に足首が前後に幅広くなって長さに対する太さの割合が大きい太目のプロポーションになり、この点でも人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することは困難であった。
【0009】
それゆえこの発明は、人型歩行ロボット用脚において、長さに対する太さの比率が従来のものより小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は上記課題を有利に解決するものであり、この発明の人型歩行ロボット用脚は、人型歩行ロボットの足を足首関節で下腿に対し、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させるものであって、第1の態様では、前記下腿の上部に第1のモータとねじ式直線駆動機構とをそれらの軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置して、前記第1のモータの出力要素と前記ねじ式直線駆動機構の入力要素とを第1の平行軸型伝動機構により駆動結合し、前記下腿の下部に、第2のモータをその軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置するとともに、第1の中間軸をその軸線が前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線と平行に延在するように回転可能に支持して、前記第2のモータの出力要素と前記第1の中間軸とを第1の交差軸型伝動機構により駆動結合し、前記下腿に関節部材を、前記一方の軸線周りに揺動可能に支持するとともに、その関節部材に前記足を、前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持し、前記他方の軸線上に同軸型減速機を配置してその出力要素を前記足に結合し、前記関節部材の、前記一方の軸線上から外れた部位と前記ねじ式直線駆動機構の出力要素とをリンク部材によって連結し、前記関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸を回転可能に支持するとともに、前記第1の中間軸と前記第2の中間軸とを第2の平行軸型伝動機構により駆動結合し、前記同軸型減速機の入力要素と前記第2の中間軸とを第2の交差軸型伝動機構により駆動結合したことを特徴としている。
【0011】
またこの発明の人型歩行ロボット用脚は、人型歩行ロボットの足を足首関節で下腿に対し、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させるものであって、第2の態様では、前記下腿の上部に第1のモータと第1の同軸型減速機とをそれらの軸線が互いに平行にかつ前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線と平行に延在するように配置して、前記第1のモータの出力要素と前記第1の同軸型減速機の入力要素とを第1の平行軸型伝動機構により駆動結合し、前記下腿の下部に、第2のモータをその軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置するとともに、第1の中間軸をその軸線が前記一方の軸線と平行に延在するように回転可能に支持して、前記第2のモータの出力要素と前記第1の中間軸とを第1の交差軸型伝動機構により駆動結合し、前記下腿に関節部材を、前記一方の軸線周りに揺動可能に支持するとともに、その関節部材に前記足を、前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持し、前記他方の軸線上に第2の同軸型減速機を配置してその出力要素を前記足に結合し、前記関節部材の、前記一方の軸線上から外れた部位と前記第1の同軸型減速機の出力要素に設けたアームとをリンク部材によって連結し、前記関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸を回転可能に支持するとともに、前記関節部材の、前記一方の軸線上から前記第2の同軸型減速機の側と反対の側へ外れた位置に前記第2の中間軸と平行に第3の中間軸を回転可能に支持して、それら第2の中間軸と第3の中間軸とを第2の平行軸型伝動機構により駆動結合し、前記第1の中間軸と前記第2の中間軸とを第3の平行軸型伝動機構により駆動結合するとともに、前記第2の同軸型減速機の入力要素と前記第3の中間軸とを第2の交差軸型伝動機構により駆動結合したことを特徴としている。
【0012】
そしてこの発明の人型歩行ロボット用脚は、人型歩行ロボットの足を足首関節で下腿に対し、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させるものであって、前記第1の態様の下腿の部分と前記第2の態様の足首関節の部分とを組み合わせた第3の態様では、前記下腿の上部に第1のモータとねじ式直線駆動機構とをそれらの軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置して、前記第1のモータの出力要素と前記ねじ式直線駆動機構の入力要素とを第1の平行軸型伝動機構により駆動結合し、前記下腿の下部に、第2のモータをその軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置するとともに、第1の中間軸をその軸線が前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線と平行に延在するように回転可能に支持して、前記第2のモータの出力要素と前記第1の中間軸とを第1の交差軸型伝動機構により駆動結合し、前記下腿に関節部材を、前記一方の軸線周りに揺動可能に支持するとともに、その関節部材に前記足を、前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持し、前記他方の軸線上に同軸型減速機を配置してその出力要素を前記足に結合し、前記関節部材の、前記一方の軸線上から外れた部位と前記ねじ式直線駆動機構の出力要素とをリンク部材によって連結し、前記関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸を回転可能に支持するとともに、前記関節部材の、前記一方の軸線上から前記同軸型減速機の側と反対の側へ外れた位置に前記第2の中間軸と平行に第3の中間軸を回転可能に支持して、それら第2の中間軸と第3の中間軸とを第2の平行軸型伝動機構により駆動結合し、前記第1の中間軸と前記第2の中間軸とを第3の平行軸型伝動機構により駆動結合するとともに、前記同軸型減速機の入力要素と前記第3の中間軸とを第2の交差軸型伝動機構により駆動結合したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
上述したこの発明の人型歩行ロボット用脚の第1の態様にあっては、下腿の上部に配置された第1のモータの出力要素が、同じく下腿の上部に配置されたねじ式直線駆動機構の入力要素を第1の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それによりねじ式直線駆動機構の出力要素が進退駆動されて、下腿に足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線周りに揺動可能に支持された関節部材の前記一方の軸線上から外れた部位をリンク部材を介して押し引きして、前記関節部材を前記一方の軸線周りに揺動させ、これにより、その関節部材に足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持された足を前記一方の軸線周りに揺動させる。また、下腿の下部に配置された第2のモータの出力要素が、同じく下腿の下部に回転可能に支持された第1の中間軸を第1の交差軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第1の中間軸が、関節部材の前記一方の軸線上の位置に回転可能に支持された第2の中間軸を第2の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第2の中間軸が、前記他方の軸線上に配置されて出力要素を前記足に結合された同軸型減速機の入力要素を第2の交差軸型伝動機構を介して回転駆動し、前記足を前記他方の軸線周りに揺動させる。
【0014】
さらにこの第1の態様にあっては、下腿の上部に第1のモータとねじ式直線駆動機構とが、それらの軸線が下腿の長手方向に沿って延在するように配置されており、しかもそのねじ式直線駆動機構の出力要素が、下腿の長手方向と直交する方向へ突出しないので、第1のモータを横向きに配置した場合より下腿の上部が細く構成され、また、下腿の下部に第2のモータが、その軸線が下腿の長手方向に沿って延在するように配置されていて、その第2のモータの出力要素が、これも下腿の下部に配置された第1の中間軸に第1の交差軸型伝動機構により駆動結合されているので、第2のモータを横向きに配置した場合より下腿の下部も細く構成される。
【0015】
従って、この発明の人型歩行ロボット用脚の第1の態様によれば、足を足首関節で、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させることができるとともに、下腿の上部から下部に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0016】
また、上述したこの発明の人型歩行ロボット用脚の第2の態様にあっては、下腿の上部に配置された第1のモータの出力要素が、同じく下腿の上部に配置された第1の同軸型減速機の入力要素を第1の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それにより第1の同軸型減速機の出力要素に設けられたアームが揺動されて、下腿に足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線周りに揺動可能に支持された関節部材の前記一方の軸線上から外れた部位をリンク部材を介して押し引きし、その関節部材に足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持された足を前記一方の軸線周りに揺動させる。また、下腿の下部に配置された第2のモータの出力要素が、同じく下腿の下部に回転可能に支持された第1の中間軸を第1の交差軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第1の中間軸が、関節部材の前記一方の軸線上の位置に回転可能に支持された第2の中間軸を第3の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第2の中間軸が、関節部材の前記一方の軸線上から外れた位置に第2の中間軸と平行に支持された第3の中間軸を第2の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第3の中間軸が、前記他方の軸線上に配置されて出力要素を前記足に結合された第2の同軸型減速機の入力要素を第2の交差軸型伝動機構を介して回転駆動し、前記足を前記他方の軸線周りに揺動させる。
【0017】
さらにこの第2の態様にあっては、下腿の下部に第2のモータが、その軸線が下腿の長手方向に沿って延在するように配置されていて、その第2のモータの出力要素が、これも下腿の下部に配置された第1の中間軸に第1の交差軸型伝動機構により駆動結合されているので、第2のモータを横向きに配置した場合より下腿の下部が細く構成され、また、関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸が配置されるとともに、関節部材の、前記一方の軸線上から第2の同軸型減速機の側と反対の側へ外れた位置に、第2の中間軸から第2の平行軸型伝動機構により伝動される第3の中間軸が配置され、その第3の中間軸が、前記他方の軸線上に配置された第2の同軸型減速機の入力要素に第2の交差軸型伝動機構を介して伝動するので、その第2の交差軸型伝動機構が足首関節の中心付近から第2の同軸型減速機の側と反対の側へ外れ、その分第2の同軸型減速機が足首関節の中心付近へ向けて引っ込むため、第2の交差軸型伝動機構を足首関節の中心付近に配置した場合より足首が細く構成される。
【0018】
従って、この発明の人型歩行ロボット用脚の第2の態様によれば、足を足首関節で、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させることができるとともに、下腿の下部から足首に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0019】
そして、上述したこの発明の人型歩行ロボット用脚の第3の態様にあっては、下腿の上部に配置された第1のモータの出力要素が、同じく下腿の上部に配置されたねじ式直線駆動機構の入力要素を第1の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それによりねじ式直線駆動機構の出力要素が進退駆動されて、下腿に足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線周りに揺動可能に支持された関節部材の前記一方の軸線上から外れた部位をリンク部材を介して押し引きし、その関節部材に足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持された足を前記一方の軸線周りに揺動させる。また、下腿の下部に配置された第2のモータの出力要素が、同じく下腿の下部に回転可能に支持された第1の中間軸を第1の交差軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第1の中間軸が、関節部材の前記一方の軸線上の位置に回転可能に支持された第2の中間軸を第3の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第2の中間軸が、関節部材の前記一方の軸線上から外れた位置に第2の中間軸と平行に支持された第3の中間軸を第2の平行軸型伝動機構を介して駆動し、それにより回転駆動された第3の中間軸が、前記他方の軸線上に配置されて出力要素を前記足に結合された同軸型減速機の入力要素を第2の交差軸型伝動機構を介して回転駆動し、前記足を前記他方の軸線周りに揺動させる。
【0020】
さらにこの第3の態様にあっては、下腿の上部に第1のモータとねじ式直線駆動機構とが、それらの軸線が下腿の長手方向に沿って延在するように配置されており、しかもそのねじ式直線駆動機構の出力要素が、下腿の長手方向と直交する方向へ突出しないので、第1のモータを横向きに配置した場合より下腿の上部が細く構成され、また、下腿の下部に第2のモータが、その軸線が下腿の長手方向に沿って延在するように配置されていて、その第2のモータの出力要素が、これも下腿の下部に配置された第1の中間軸に第1の交差軸型伝動機構により駆動結合されているので、第2のモータを横向きに配置した場合より下腿の下部も細く構成され、加えて、関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸が配置されるとともに、関節部材の、前記一方の軸線上から同軸型減速機の側と反対の側へ外れた位置に、第2の中間軸から第2の平行軸型伝動機構により伝動される第3の中間軸が配置され、その第3の中間軸が、前記他方の軸線上に配置された同軸型減速機の入力要素に第2の交差軸型伝動機構を介して伝動するので、その第2の交差軸型伝動機構が足首関節の中心付近から同軸型減速機の側と反対の側へ外れ、その分同軸型減速機が足首関節の中心付近へ向けて引っ込むため、第2の交差軸型伝動機構を足首関節の中心付近に配置した場合より足首が細く構成される。
【0021】
従って、この発明の人型歩行ロボット用脚の第3の態様によれば、足を足首関節で、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させることができるとともに、下腿の上部から足首に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0022】
なお、この発明の人型歩行ロボット用脚においては、前記下腿のフレームが、前記ねじ式直線駆動機構のねじ軸を回転可能に支持するとともに、そのねじ軸に螺合するナットの供回りを阻止しつつそのナットの移動を案内するものであっても良い。このようにすれば、下腿のフレームがねじ式直線駆動機構のフレームを兼ねるので、下腿の上部をよりスリムに構成することができる。
【0023】
また、この発明の人型歩行ロボット用脚においては、前記一方の軸線がピッチ軸線であり、前記他方の軸線がロール軸線であっても良い。このようにすれば、ねじ式直線駆動機構の出力要素と関節部材とを連結するリンク部材が、足首関節のピッチ軸を駆動するために下肢の前側または後ろ側に位置するので、横断面形状が前後方向に細長い人の脚、特に女性の脚に近いプロポーションを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a),(b),(c)および(d)は、この発明の人型歩行ロボット用脚の第3の態様に基づき実現した、この発明の第1実施例の脚を具える人型歩行ロボットの下半身を示す平面図、底面図、正面図および側面図である。
【図2】(a)および(b)は、上記人型歩行ロボットの下半身を示す背面図および斜視図である。
【図3】(a),(b)および(c)は、上記人型歩行ロボットの下半身が具える上記第1実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す正面図、側面図および背面図である。
【図4】(a),(b)および(c)は、上記第1実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す、図3中のA−A線、B−B線およびC−C線にそれぞれ沿う断面図である。
【図5】(a)および(b)は、上記第1実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す斜視図および透視図である。
【図6】(a),(b),(c)および(d)は、この発明の人型歩行ロボット用脚の第1の態様に基づき実現した、この発明の第2実施例の脚を具える人型歩行ロボットの下半身を示す平面図、底面図、正面図および側面図である。
【図7】(a)および(b)は、上記人型歩行ロボットの下半身を示す背面図および斜視図である。
【図8】(a),(b)および(c)は、上記人型歩行ロボットの下半身が具える上記第2実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す正面図、側面図および背面図である。
【図9】(a),(b)および(c)は、上記第2実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す、図8中のD−D線、E−E線およびF−F線にそれぞれ沿う断面図である。
【図10】(a)および(b)は、上記第2実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す斜視図および透視図である。
【図11】(a),(b),(c)および(d)は、この発明の人型歩行ロボット用脚の第2の態様に基づき実現した、この発明の第3実施例の脚を具える人型歩行ロボットの下半身を示す平面図、底面図、正面図および側面図である。
【図12】(a)および(b)は、上記人型歩行ロボットの下半身を示す背面図および斜視図である。
【図13】(a),(b)および(c)は、上記人型歩行ロボットの下半身が具える上記第3実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す正面図、側面図および背面図である。
【図14】(a),(b)および(c)は、上記第3実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す、図13中のG−G線、H−H線およびI−I線にそれぞれ沿う断面図である。
【図15】(a)および(b)は、上記第3実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す斜視図および透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づく実施例によって詳細に説明する。ここに、図1(a),(b),(c)および(d)は、この発明の人型歩行ロボット用脚の第1の態様の下腿の部分と第2の態様の足首関節の部分とを組み合わせた第3の態様に基づき実現した、この発明の第1実施例の脚を具える人型歩行ロボットの下半身を示す平面図、底面図、正面図および側面図、また図2(a)および(b)は、上記人型歩行ロボットの下半身を示す背面図および斜視図である。
【0026】
この人型歩行ロボットは、顔および体型が人の女性に似ている女性型のものであり、身長158cm、バッテリ込み体重43kgで、日本人青年女性の平均的体型に極めて近いプロポーション(長さに対する太さの比率)を有している。そしてこの人型歩行ロボットの腰から下の部分である下半身は、図示しない上半身すなわち胸と頭と左右の腕とに胸を介して繋がる腰関節1と、その腰関節1を支持する腰フレーム2と、腰フレーム2の左右側部に設けられた二つの股関節4と、それらの股関節4を介して腰フレーム2にそれぞれ連結された二本の脚5とを具えており、それらの脚5が各々上記第1実施例の脚を構成している。
【0027】
ここで、腰関節1と二つの股関節4とは、互いに同一の関節ユニット6を用いてそれぞれ構成されており、この関節ユニット6は、上部ベース6aと、その上部ベース6aの下面にそれぞれ結合された前ブラケット6bおよび後ブラケット6cと、それら前後ブラケット6b,6cをこの人型歩行ロボットの前後方向へ延在する腰ロール軸線R1または股ロール軸線R2周りに回動可能に支持する十字状の連結部材6dと、その連結部材6dをこの人型歩行ロボットの左右方向へ延在する腰ピッチ軸線P1または股ピッチ軸線P2周りに回動可能に支持する左ブラケット6eおよび右ブラケット6fと、上部ベース6aと連結部材6dとの間にこの人型歩行ロボットの前後方向へ軸線が延在する向きで配置されて前後ブラケット6b,6cで支持されたロール軸用モータ6gと、後ブラケット6cに設けられて入力要素を平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構によりロール軸用モータ6gの出力軸に駆動結合されるとともに出力要素を連結部材6dに結合された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ6hと、その連結部材6d内にこの人型歩行ロボットの左右方向へ軸線が延在する向きで配置された図示しないピッチ軸用モータと、左ブラケット6eに設けられて入力要素をそのピッチ軸用モータの出力軸に結合されるとともに出力要素を連結部材6dに結合された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ6iとを有している。
【0028】
さらに、腰関節1を構成する関節ユニット6の上部ベース6aは、図示しない上半身の胸の下端部をこの人型歩行ロボットの上下方向へ延在する腰ヨー軸線Y1周りに回動可能に支持するとともに、その胸の下部の腰ヨー軸線Y1上の位置に配置された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブの出力要素に結合され、そのハーモニックドライブの入力要素は、胸の下部に設けられた腰ヨー軸用モータの出力軸に平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構により駆動結合されており、また腰関節1を構成する関節ユニット6の左右ブラケット6e,6fは、腰フレーム2の上面に結合されている。これにより腰関節1は、腰ヨー軸用モータと関節ユニット6のロール軸用モータおよびピッチ軸用モータとの作動により、腰フレーム2に対し上半身を、腰ヨー軸線Y1周り、腰ロール軸線R1周りおよび腰ピッチ軸線P1周りに三自由度で回動させることができる。
【0029】
一方、各股関節4を構成する関節ユニット6の上部ベース6aは、腰フレーム2の下端部をこの人型歩行ロボットの上下方向へ延在する股ヨー軸線Y2周りに回動可能に支持するとともに、その腰フレーム2の下部の股ヨー軸線Y2上の位置に配置された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブの出力要素に結合され、そのハーモニックドライブの入力要素は、腰フレーム2の中央部に設けられた図示しない股ヨー軸用モータの出力軸に平行軸型伝動機構としての図示しないベルト式伝動機構により駆動結合されており、また各股関節4を構成する関節ユニット6の左右ブラケット6e,6fは、この実施例の脚5の大腿フレーム7の上端面に結合されている。これにより各股関節4は、股ヨー軸用モータと関節ユニット6のロール軸用モータおよびピッチ軸用モータとの作動により、腰フレーム2に対し各脚5を、股ヨー軸線Y2周り、股ロール軸線R2周りおよび股ピッチ軸線P2周りに三自由度で回動させることができる。
【0030】
そして二本の脚5は各々、上記大腿フレーム7に加えて、下腿フレーム8と、足9とを具えるとともに、大腿フレーム7と下腿フレーム8とを連結する膝関節10と、下腿フレーム8と足9とを連結する足首関節11と、下腿フレーム8と足首関節11との間に介挿されたギヤボックス12とを具えており、これら大腿フレーム7と下腿フレーム8と足9と膝関節10と足首関節11とギヤボックス12との構成は、大腿フレーム7が各々下方に向かって内向きに傾斜して左右対称をなしている点と、足9が各々足首関節11から内側よりも外側へより大きく広がって左右対称をなしている点とを除けば、二本の脚5で互いに同一とされている。
【0031】
ここで、大腿フレーム7と下腿フレーム8とは、スリム化および軽量化に加えて内部でのモータ等の配線の引き回しのために各々カバーと組み合わされて概略角筒状に形成されており、膝関節10は、大腿フレーム7の下端面に結合された左ブラケット10aおよび右ブラケット10bと、下腿フレーム8の上端面に結合されてそれら左右ブラケット10a,10bを図示しない中空軸を介しこの人型歩行ロボットの左右方向へ延在する膝ピッチ軸線P3周りに回動可能に支持するL字状の下ブラケット10cと、大腿フレーム7の下端面と下ブラケット10cとの間にこの人型歩行ロボットの左右方向へ軸線が延在する向きで配置されて左右ブラケット10a,10bで支持された膝ピッチ軸用モータ10dと、左ブラケット10aに設けられて入力要素を平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構により膝ピッチ軸用モータ10dの出力軸に駆動結合されるとともに出力要素を下ブラケット10cに結合された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ10eとを有している。これにより膝関節10は、膝ピッチ軸用モータ10dの作動により、大腿フレーム7に対し下腿フレーム8を膝ピッチ軸線P3周りに一自由度で回動させることができる。
【0032】
図3(a),(b)および(c)は、上記第1実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す正面図、側面図および背面図、図4(a),(b)および(c)は、上記第1実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す、図3中のA−A線、B−B線およびC−C線にそれぞれ沿う断面図、そして図5(a)および(b)は、上記第1実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す斜視図および透視図である。
【0033】
これらの図に示すように、この第1実施例の脚5の足首関節11は、下腿フレーム8の下端面にギヤボックス12を介してそれぞれ結合された左ブラケット11aおよび右ブラケット11bと、それら左右ブラケット11a,11bをこの人型歩行ロボットの左右方向へ延在する足首ピッチ軸線P4周りに回動可能に支持する、関節部材としての、概略球殻状の上半部と概略筒状の下半部とを持つ連結部材11cと、その連結部材11cをこの人型歩行ロボットの前後方向へ延在する足首ロール軸線R3周りに回動可能に支持する前ブラケット11dおよび後ブラケット11eと、足首ピッチ軸線P4と足首ロール軸線R3との交点を通ってそれらと直交する足9の支持中心軸線C1の周囲に周方向に等間隔に配置された三本の弾性ブッシュ11fと、それらの弾性ブッシュ11fを介して足9に弾性支持されるとともに力センサ11gを介して前後ブラケット11d,11eに結合された足首基台11hとを有している。
【0034】
加えてこの第1実施例の脚5の足首関節11は、足首ピッチ軸駆動系13と足首ロール軸駆動系14とを有し、足首ピッチ軸駆動系13は、下腿フレーム8の上部内に、その下腿フレーム8の長手方向に沿ってそれぞれ軸線が延在するように前後に並べて配置された第1のモータとしての足首ピッチ軸用モータ13aおよびねじ式直線駆動機構13bを有するとともに、その足首ピッチ軸用モータ13aの出力要素としての出力軸と、ねじ式直線駆動機構13bの入力要素としてのねじ軸13cとを駆動結合する第1の平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構13dを有している。また足首ロール軸駆動系14は、下腿フレーム8の下部内に、その下腿フレーム8の長手方向に沿って軸線が延在するように配置された第2のモータとしての足首ロール軸用モータ14aを有するとともに、下腿フレーム8の下端面に固定されたギヤボックス12の側部に、軸線が足首ピッチ軸線P4と平行に延在するようにそのギヤボックス12を貫通して回転可能に支持された第1の中間軸14bを有し、さらにギヤボックス12内に、足首ロール軸用モータ14aの出力要素としての出力軸と第1の中間軸14bとを駆動結合する第1の交差軸型伝動機構としてのベベルギヤ組14cを有している。
【0035】
ここで、ねじ式直線駆動機構13bは、ねじ軸13cに螺合するボール循環式ナット13eと、そのボール循環式ナット13eを基端部に固定されて下腿フレーム8の長手方向に沿って延在するとともに、その延在方向へ進退移動可能にガイドスリーブを介して下腿フレーム8に支持された出力要素としての中空の駆動ロッド13fと、ボール循環式ナット13eとともに駆動ロッド13fの基端部に固定されて、下腿フレーム8の長手方向へ延在する下腿フレーム8の内面と摺接し、ねじ軸13cに対するボール循環式ナット13eの供回りを阻止する概略矩形の摺動部材13gとを有し、そのねじ軸13cの回転により駆動ロッド13fを進退移動させる。
【0036】
さらに足首ピッチ軸駆動系13は、ギヤボックス12の後方に、連結部材11cの、足首ピッチ軸線P4上から後方へ外れた部位をねじ式直線駆動機構13bの駆動ロッド13fの先端部に連結するリンク部材としての連結ロッド13hを有し、また足首ロール駆動系14は、足首ロール軸線R3上で連結部材11cの前部に配置されるとともに出力要素を前ブラケット11dに結合された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ14dと、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上の位置とその足首ピッチ軸線P4上からハーモニックドライブ14d側と反対の側である後方へ外れた位置とにそれぞれ回転可能にかつ互いに平行に支持された第2の中間軸14eおよび第3の中間軸14fと、それら第2の中間軸14eと第3の中間軸14fとを駆動結合する第2の平行軸型伝動機構としてのスパーギヤ組14gと、上記第1の中間軸14bと第2の中間軸14eとを駆動結合する第3の平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構14hと、ハーモニックドライブ14dの入力要素と第3の中間軸14fとを駆動結合する第2の交差軸型伝動機構としてのベベルギヤ組14iとを有している。
【0037】
上述したこの第1実施例の脚5にあっては、下腿フレーム8の上部に配置された足首ピッチ軸用モータ13aの出力軸が、同じく下腿フレーム8の上部に配置されたねじ式直線駆動機構13bのねじ軸13cを、ベルト式伝動機構13dを介して駆動し、それによりねじ式直線駆動機構13bの駆動ロッド13fが進退駆動されて、下腿フレーム8に足首関節11の足首ピッチ軸線P4周りに揺動可能に支持された連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上から外れた部位を、連結ロッド13hを介して押し引きし、その連結部材11cに足首関節11の足首ロール軸線R3周りに揺動可能に支持された足9を足首ピッチ軸線P4周りに揺動させる。
【0038】
また、下腿フレーム8の下部に配置された足首ロール軸用モータ14aの出力軸が、下腿フレーム8の下端に固定されたギヤボックス12に回転可能に支持された第1の中間軸14bを、ベベルギヤ組14cを介して駆動し、それにより回転駆動された第1の中間軸14bが、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上の位置に回転可能に支持された第2の中間軸14eを、ベルト式伝動機構14hを介して駆動し、それにより回転駆動された第2の中間軸14eが、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上から外れた位置に第2の中間軸14eと平行に支持された第3の中間軸14fを、スパーギヤ組14gを介して駆動し、それにより回転駆動された第3の中間軸14fが、足首ロール軸線R3上に配置されて出力要素を足9に結合されたハーモニックドライブ14dの入力要素を、ベベルギヤ組14iを介して回転駆動し、足9を足首ロール軸線R3周りに揺動させる。
【0039】
さらにこの第1実施例の脚5にあっては、下腿フレーム8の上部に足首ピッチ軸用モータ13aとねじ式直線駆動機構13bとが、それらの軸線が下腿フレーム8の長手方向に沿って延在するように配置されており、しかもそのねじ式直線駆動機構13bの出力要素である駆動ロッド13fが、下腿フレーム8の長手方向と直交する方向へ突出しないので、足首ピッチ軸用モータ13aを横向きに配置した場合より下腿の上部が細く構成され、また、下腿フレーム8の下部に足首ロール軸用モータ14aが、その軸線が下腿フレーム8の長手方向に沿って延在するように配置されていて、その足首ロール軸用モータ14aの出力軸が、下腿フレーム8の下端に固定されたギヤボックス12に配置された第1の中間軸14bにベベルギヤ組14cにより駆動結合されているので、足首ロール軸用モータ14aを横向きに配置した場合より下腿の下部も細く構成される。
【0040】
加えてこの第1実施例の脚5にあっては、連結部材11cの、足首ピッチ軸線P4上の位置に第2の中間軸14cが配置されるとともに、連結部材11cの、足首ピッチ軸線P4上から後方へ外れた位置に、第2の中間軸14cからスパーギヤ組14gにより伝動される第3の中間軸14fが配置され、その第3の中間軸14fが、足首ロール軸線R3上に配置されたハーモニックドライブ14dの入力要素にベベルギヤ組14iを介して伝動するので、そのベベルギヤ組14iが足首関節11の中心付近から後方へ外れ、その分ハーモニックドライブ14dが足首関節11の中心付近へ向けて引っ込むため、ベベルギヤ組14iを足首関節11の中心付近に配置した場合より足首が細く構成される。
【0041】
従って、この第1実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、腰関節1で腰フレーム2に対し図示しない上半身を、腰ヨー軸線Y1周り、腰ロール軸線R1周りおよび腰ピッチ軸線P1周りに三自由度で回動させることができ、また股関節4で腰フレーム2に対し二本の脚5をそれぞれ、股ヨー軸線Y2周り、股ロール軸線R2周りおよび股ピッチ軸線P2周りに三自由度で回動させることができ、さらに膝関節10で大腿フレーム7に対し下腿フレーム8を、膝ピッチ軸線P3周りに一自由度で回動させることができ、そして足首関節11で下腿フレーム8に対し足9を、足首ピッチ軸線P4および足首ロール軸線R3周りに二自由度で揺動させることができるので、人型歩行ロボットの自然な歩行動作を実現することができ、しかも脚5の大腿から足首に亘り、特に上述した下腿の上下部および足首の細い構成により下腿の上部から足首に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0042】
さらに、この第1実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、下腿フレーム8が、ねじ式直線駆動機構13bのねじ軸13cを回転可能に支持するとともに、そのねじ軸13cに螺合するボール循環式ナット13eの供回りを阻止しつつボール循環式ナット13eの移動をガイドスリーブを介して案内することから、下腿フレーム8がねじ式直線駆動機構13bのフレームを兼ねるので、下腿の上部をよりスリムに構成することができる。
【0043】
加えて、この第1実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、下腿フレーム8を連結部材11cで足首ピッチ軸線P4周りに揺動可能に支持するとともに、その連結部材11cを足9で足首ロール軸線R3周りに揺動可能に支持することから、ねじ式直線駆動機構13bの駆動ロッド13fおよび、その駆動ロッド13fと連結部材11cとを連結する連結ロッド13hが、足首関節11のピッチ軸を駆動するために下腿の後側に位置するので、横断面形状が前後方向に細長い人の脚、特に女性の脚に近いプロポーションを実現することができる。
【0044】
図6(a),(b),(c)および(d)は、この発明の人型歩行ロボット用脚の第1の態様に基づき実現した、この発明の第2実施例の脚を具える人型歩行ロボットの下半身を示す平面図、底面図、正面図および側面図、また図7(a)および(b)は、上記人型歩行ロボットの下半身を示す背面図および斜視図であり、図中、先の実施例におけると同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0045】
この人型歩行ロボットも、先の第1実施例の脚5を具えるものと同様に、女性型のものであり、身長158cm、バッテリ込み体重43kgで、日本人青年女性の平均的体型に極めて近いプロポーション(長さに対する太さの比率)を有している。そしてこの人型歩行ロボットの腰から下の部分である下半身は、図示しない上半身すなわち胸と頭と左右の腕とに胸を介して繋がる腰関節1と、その腰関節1を支持する腰フレーム2と、腰フレーム2の左右側部に設けられた二つの股関節4と、それらの股関節4を介して腰フレーム2にそれぞれ連結された二本の脚5とを具えており、それらの脚5が各々上記第2実施例の脚を構成している。
【0046】
ここで、腰関節1と二つの股関節4とは、互いに同一の関節ユニット6を用いてそれぞれ構成されており、この関節ユニット6は先の第1実施例におけると同様の構成を有しているので、ここでは詳細な説明を省略する。これにより腰関節1は、腰ヨー軸用モータと関節ユニット6のロール軸用モータおよびピッチ軸用モータとの作動により、腰フレーム2に対し上半身を、腰ヨー軸線Y1周り、腰ロール軸線R1周りおよび腰ピッチ軸線P1周りに三自由度で回動させることができ、また各股関節4は、股ヨー軸用モータと関節ユニット6のロール軸用モータおよびピッチ軸用モータとの作動により、腰フレーム2に対し各脚5を、股ヨー軸線Y2周り、股ロール軸線R2周りおよび股ピッチ軸線P2周りに三自由度で回動させることができる。
【0047】
そして二本の脚5も各々、先の第1実施例におけると同様、大腿フレーム7と、下腿フレーム8と、足9とを具えるとともに、大腿フレーム7と下腿フレーム8とを連結する膝関節10と、下腿フレーム8と足9とを連結する足首関節11と、下腿フレーム8と足首関節11との間に介挿されたギヤボックス12とを具えており、これら大腿フレーム7と下腿フレーム8と足9と膝関節10と足首関節11とギヤボックス12との構成は、大腿フレーム7が各々下方に向かって内向きに傾斜して左右対称をなしている点と、足9が各々足首関節11から内側よりも外側へより大きく広がって左右対称をなしている点とを除けば、二本の脚5で互いに同一とされている。
【0048】
ここで、大腿フレーム7と下腿フレーム8とは、スリム化および軽量化に加えて内部でのモータ等の配線の引き回しのために各々カバーと組み合わされて概略角筒状に形成されており、膝関節10は、大腿フレーム7の下端面に結合された左ブラケット10aおよび右ブラケット10bと、下腿フレーム8の上端面に結合されてそれら左右ブラケット10a,10bを図示しない中空軸を介しこの人型歩行ロボットの左右方向へ延在する膝ピッチ軸線P3周りに回動可能に支持するL字状の下ブラケット10cと、大腿フレーム7の下端面と下ブラケット10cとの間にこの人型歩行ロボットの左右方向へ軸線が延在する向きで配置されて左右ブラケット10a,10bで支持された膝ピッチ軸用モータ10dと、左ブラケット10aに設けられて入力要素を平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構により膝ピッチ軸用モータ10dの出力軸に駆動結合されるとともに出力要素を下ブラケット10cに結合された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ10eとを有している。これにより膝関節10は、膝ピッチ軸用モータ10dの作動により、大腿フレーム7に対し下腿フレーム8を膝ピッチ軸線P3周りに一自由度で回動させることができる。
【0049】
図8(a),(b)および(c)は、上記第2実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す正面図、側面図および背面図、図9(a),(b)および(c)は、上記第2実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す、図8中のD−D線、E−E線およびF−F線にそれぞれ沿う断面図、そして図10(a)および(b)は、上記第2実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す斜視図および透視図である。
【0050】
これらの図に示すように、この第2実施例の脚5の足首関節11も、下腿フレーム8の下端面にギヤボックス12を介してそれぞれ結合された左ブラケット11aおよび右ブラケット11bと、それら左右ブラケット11a,11bをこの人型歩行ロボットの左右方向へ延在する足首ピッチ軸線P4周りに回動可能に支持する、関節部材としての、概略球殻状の上半部と概略筒状の下半部とを持つ連結部材11cと、その連結部材11cをこの人型歩行ロボットの前後方向へ延在する足首ロール軸線R3周りに回動可能に支持する前ブラケット11dおよび後ブラケット11eと、足首ピッチ軸線P4と足首ロール軸線R3との交点を通ってそれらと直交する足9の支持中心軸線C1の周囲に周方向に等間隔に配置された三本の弾性ブッシュ11fと、それらの弾性ブッシュ11fを介して足9に弾性支持されるとともに力センサ11gを介して前後ブラケット11d,11eに結合された足首基台11hとを有している。
【0051】
加えてこの第2実施例の脚5の足首関節11は、第1実施例におけると同様の足首ピッチ軸駆動系13と、第1実施例におけると異なる足首ロール軸駆動系14とを有している。すなわち、足首ピッチ軸駆動系13は、下腿フレーム8の上部内に、その下腿フレーム8の長手方向に沿ってそれぞれ軸線が延在するように前後に並べて配置された第1のモータとしての足首ピッチ軸用モータ13aおよびねじ式直線駆動機構13bを有するとともに、その足首ピッチ軸用モータ13aの出力要素としての出力軸と、ねじ式直線駆動機構13bの入力要素としてのねじ軸13cとを駆動結合する第1の平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構13dを有している。また足首ロール軸駆動系14は、下腿フレーム8の下部内に、その下腿フレーム8の長手方向に沿って軸線が延在するように配置された第2のモータとしての足首ロール軸用モータ14aを有するとともに、下腿フレーム8の下端面に固定されたギヤボックス12の側部に、軸線が足首ピッチ軸線P4と平行に延在するようにそのギヤボックス12を貫通して回転可能に支持された第1の中間軸14bを有し、さらにギヤボックス12内に、足首ロール軸用モータ14aの出力要素としての出力軸と第1の中間軸14bとを駆動結合する第1の交差軸型伝動機構としてのベベルギヤ組14cを有している。
【0052】
ここで、ねじ式直線駆動機構13bは、ねじ軸13cに螺合するボール循環式ナット13eと、そのボール循環式ナット13eを基端部に固定されて下腿フレーム8の長手方向に沿って延在するとともに、その延在方向へ進退移動可能にガイドスリーブを介して下腿フレーム8に支持された出力要素としての中空の駆動ロッド13fと、ボール循環式ナット13eとともに駆動ロッド13fの基端部に固定されて、下腿フレーム8の長手方向へ延在する下腿フレーム8の内面と摺接し、ねじ軸13cに対するボール循環式ナット13eの供回りを阻止する概略矩形の摺動部材13gとを有し、そのねじ軸13cの回転により駆動ロッド13fを進退移動させる。
【0053】
さらに足首ピッチ軸駆動系13は、ギヤボックス12の後方に、連結部材11cの、足首ピッチ軸線P4上から後方へ外れた部位をねじ式直線駆動機構13bの駆動ロッド13fの先端部に連結するリンク部材としての連結ロッド13hを有し、その一方足首ロール駆動系14は、足首ロール軸線R3上で連結部材11cの前部に第1実施例におけるよりも足首中心から前方へ離間して配置されるとともに出力要素を前ブラケット11dに結合された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ14dと、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上の位置に回転可能に支持された第2の中間軸14eと、上記第1の中間軸14bと第2の中間軸14eとを駆動結合する第2の平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構14hと、ハーモニックドライブ14dの入力要素と第2の中間軸14eとを駆動結合する第2の交差軸型伝動機構としてのベベルギヤ組14iとを有している。
【0054】
上述したこの第2実施例の脚5にあっては、下腿フレーム8の上部に配置された足首ピッチ軸用モータ13aの出力軸が、同じく下腿フレーム8の上部に配置されたねじ式直線駆動機構13bのねじ軸13cを、ベルト式伝動機構13dを介して駆動し、それによりねじ式直線駆動機構13bの駆動ロッド13fが進退駆動されて、下腿フレーム8に足首関節11の足首ピッチ軸線P4周りに揺動可能に支持された連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上から外れた部位を、連結ロッド13hを介して押し引きし、その連結部材11cに足首関節11の足首ロール軸線R3周りに揺動可能に支持された足9を足首ピッチ軸線P4周りに揺動させる。
【0055】
また、下腿フレーム8の下部に配置された足首ロール軸用モータ14aの出力軸が、下腿フレーム8の下端に固定されたギヤボックス12に回転可能に支持された第1の中間軸14bを、ベベルギヤ組14cを介して駆動し、それにより回転駆動された第1の中間軸14bが、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上の位置に回転可能に支持された第2の中間軸14eを、ベルト式伝動機構14hを介して駆動し、それにより回転駆動された第2の中間軸14eが、足首ロール軸線R3上に配置されて出力要素を足9に結合されたハーモニックドライブ14dの入力要素を、ベベルギヤ組14iを介して回転駆動し、足9を足首ロール軸線R3周りに揺動させる。
【0056】
さらにこの第2実施例の脚5にあっては、下腿フレーム8の上部に足首ピッチ軸用モータ13aとねじ式直線駆動機構13bとが、それらの軸線が下腿フレーム8の長手方向に沿って延在するように配置されており、しかもそのねじ式直線駆動機構13bの出力要素である駆動ロッド13fが、下腿フレーム8の長手方向と直交する方向へ突出しないので、足首ピッチ軸用モータ13aを横向きに配置した場合より下腿の上部が細く構成され、また、下腿フレーム8の下部に足首ロール軸用モータ14aが、その軸線が下腿フレーム8の長手方向に沿って延在するように配置されていて、その足首ロール軸用モータ14aの出力軸が、下腿フレーム8の下端に固定されたギヤボックス12に配置された第1の中間軸14bにベベルギヤ組14cにより駆動結合されているので、足首ロール軸用モータ14aを横向きに配置した場合より下腿の下部も細く構成される。
【0057】
従って、この第2実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、腰関節1で腰フレーム2に対し図示しない上半身を、腰ヨー軸線Y1周り、腰ロール軸線R1周りおよび腰ピッチ軸線P1周りに三自由度で回動させることができ、また股関節4で腰フレーム2に対し二本の脚5をそれぞれ、股ヨー軸線Y2周り、股ロール軸線R2周りおよび股ピッチ軸線P2周りに三自由度で回動させることができ、さらに膝関節10で大腿フレーム7に対し下腿フレーム8を、膝ピッチ軸線P3周りに一自由度で回動させることができ、そして足首関節11で下腿フレーム8に対し足9を、足首ピッチ軸線P4および足首ロール軸線R3周りに二自由度で揺動させることができるので、人型歩行ロボットの自然な歩行動作を実現することができ、しかも脚5の大腿から下腿に亘り、特に上述した下腿の上下部の細い構成により下腿の上部から下部に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0058】
さらに、この第2実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、下腿フレーム8が、ねじ式直線駆動機構13bのねじ軸13cを回転可能に支持するとともに、そのねじ軸13cに螺合するボール循環式ナット13eの供回りを阻止しつつボール循環式ナット13eの移動をガイドスリーブを介して案内することから、下腿フレーム8がねじ式直線駆動機構13bのフレームを兼ねるので、下腿の上部をよりスリムに構成することができる。
【0059】
加えて、この第2実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、下腿フレーム8を連結部材11cで足首ピッチ軸線P4周りに揺動可能に支持するとともに、その連結部材11cを足9で足首ロール軸線R3周りに揺動可能に支持することから、ねじ式直線駆動機構13bの駆動ロッド13fおよび、その駆動ロッド13fと連結部材11cとを連結する連結ロッド13hが、足首関節11のピッチ軸を駆動するために下腿の後側に位置するので、横断面形状が前後方向に細長い人の脚、特に女性の脚に近いプロポーションを実現することができる。
【0060】
図11(a),(b),(c)および(d)は、この発明の人型歩行ロボット用脚の第2の態様に基づき実現した、この発明の第3実施例の脚を具える人型歩行ロボットの下半身を示す平面図、底面図、正面図および側面図、また図12(a)および(b)は、上記人型歩行ロボットの下半身を示す背面図および斜視図であり、図中、先の実施例におけると同様の部分はそれと同一の符号にて示す。
【0061】
この人型歩行ロボットも、先の第1実施例の脚5を具えるものと同様に、女性型のものであり、身長158cm、バッテリ込み体重43kgで、日本人青年女性の平均的体型に極めて近いプロポーション(長さに対する太さの比率)を有している。そしてこの人型歩行ロボットの腰から下の部分である下半身は、図示しない上半身すなわち胸と頭と左右の腕とに胸を介して繋がる腰関節1と、その腰関節1を支持する腰フレーム2と、腰フレーム2の左右側部に設けられた二つの股関節4と、それらの股関節4を介して腰フレーム2にそれぞれ連結された二本の脚5とを具えており、それらの脚5が各々上記第3実施例の脚を構成している。
【0062】
ここで、腰関節1と二つの股関節4とは、互いに同一の関節ユニット6を用いてそれぞれ構成されており、この関節ユニット6は先の第1実施例におけると同様の構成を有しているので、ここでは詳細な説明を省略する。これにより腰関節1は、腰ヨー軸用モータと関節ユニット6のロール軸用モータおよびピッチ軸用モータとの作動により、腰フレーム2に対し上半身を、腰ヨー軸線Y1周り、腰ロール軸線R1周りおよび腰ピッチ軸線P1周りに三自由度で回動させることができ、また各股関節4は、股ヨー軸用モータと関節ユニット6のロール軸用モータおよびピッチ軸用モータとの作動により、腰フレーム2に対し各脚5を、股ヨー軸線Y2周り、股ロール軸線R2周りおよび股ピッチ軸線P2周りに三自由度で回動させることができる。
【0063】
そして二本の脚5も各々、先の第1実施例におけると同様、大腿フレーム7と、下腿フレーム8と、足9とを具えるとともに、大腿フレーム7と下腿フレーム8とを連結する膝関節10と、下腿フレーム8と足9とを連結する足首関節11と、下腿フレーム8と足首関節11との間に介挿されたギヤボックス12とを具え、さらに先の第1,第2実施例と異なり下腿フレーム8と膝関節10との間に介挿された連結フレーム15を具えており、これら大腿フレーム7と下腿フレーム8と足9と膝関節10と足首関節11とギヤボックス12と連結フレーム15との構成は、大腿フレーム7が各々下方に向かって内向きに傾斜して左右対称をなしている点と、足9が各々足首関節11から内側よりも外側へより大きく広がって左右対称をなしている点とを除けば、二本の脚5で互いに同一とされている。
【0064】
ここで、スリム化および軽量化に加えて内部でのモータ等の配線の引き回しのために、大腿フレーム7はカバーと組み合わされて、また下腿フレーム8はそれ自体で、各々概略角筒状に形成され、そして連結フレーム15は、互いに平行に延在する左側壁部材15aおよび右側壁部材15bによって構成されており、膝関節10は、大腿フレーム7の下端面に結合された左ブラケット10aおよび右ブラケット10bと、連結フレーム15の上端面に結合されてそれら左右ブラケット10a,10bを図示しない中空軸を介しこの人型歩行ロボットの左右方向へ延在する膝ピッチ軸線P3周りに回動可能に支持するL字状の下ブラケット10cと、大腿フレーム7の下端面と下ブラケット10cとの間にこの人型歩行ロボットの左右方向へ軸線が延在する向きで配置されて左右ブラケット10a,10bで支持された膝ピッチ軸用モータ10dと、左ブラケット10aに設けられて入力要素を平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構により膝ピッチ軸用モータ10dの出力軸に駆動結合されるとともに出力要素を下ブラケット10cに結合された同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ10eとを有している。これにより膝関節10は、膝ピッチ軸用モータ10dの作動により、大腿フレーム7に対し連結フレーム15ひいては下腿フレーム8を膝ピッチ軸線P3周りに一自由度で回動させることができる。
【0065】
図13(a),(b)および(c)は、上記第3実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す正面図、側面図および背面図、図14(a),(b)および(c)は、上記第3実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す、図13中のG−G線、H−H線およびI−I線にそれぞれ沿う断面図、そして図15(a)および(b)は、上記第3実施例の人型歩行ロボット用脚の下腿から足までを示す斜視図および透視図である。
【0066】
これらの図に示すように、この第3実施例の脚5の足首関節11も、下腿フレーム8の下端面にギヤボックス12を介してそれぞれ結合された左ブラケット11aおよび右ブラケット11bと、それら左右ブラケット11a,11bをこの人型歩行ロボットの左右方向へ延在する足首ピッチ軸線P4周りに回動可能に支持する、関節部材としての、概略球殻状の上半部と概略筒状の下半部とを持つ連結部材11cと、その連結部材11cをこの人型歩行ロボットの前後方向へ延在する足首ロール軸線R3周りに回動可能に支持する前ブラケット11dおよび後ブラケット11eと、足首ピッチ軸線P4と足首ロール軸線R3との交点を通ってそれらと直交する足9の支持中心軸線C1の周囲に周方向に等間隔に配置された三本の弾性ブッシュ11fと、それらの弾性ブッシュ11fを介して足9に弾性支持されるとともに力センサ11gを介して前後ブラケット11d,11eに結合された足首基台11hとを有している。
【0067】
加えてこの第3実施例の脚5の足首関節11は、第1実施例におけると異なる足首ピッチ軸駆動系13と、第1実施例におけると同様の足首ロール軸駆動系14とを有している。すなわち、足首ピッチ軸駆動系13は、連結フレーム15にその左右方向に沿ってそれぞれ軸線が延在するように上下に並べて配置された第1の同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ13iおよび第1のモータとしての足首ピッチ軸用モータ13aを有するとともに、その足首ピッチ軸用モータ13aの出力要素としての出力軸とハーモニックドライブ13iの入力要素とを駆動結合する第1の平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構13dを有しており、ハーモニックドライブ13iは、連結フレーム15の右側壁部材15bを貫通してその右側壁部材15bで支持され、また足首ピッチ軸用モータ13aは、連結フレーム15の左右側壁部材15a,15bを貫通してその右側壁部材15bで支持されている。さらに足首ピッチ軸駆動系13は、左右側壁部材15a,15bの間に配置されてハーモニックドライブ13iの出力要素に基部を結合されるとともに先端部を左右側壁部材15a,15bの後方へ突出させた駆動アーム13jを有している。
【0068】
また足首ロール軸駆動系14は、下腿フレーム8内に、その下腿フレーム8の長手方向に沿って軸線が延在するように配置された第2のモータとしての足首ロール軸用モータ14aを有するとともに、下腿フレーム8の下端面に固定されたギヤボックス12の側部に、軸線が足首ピッチ軸線P4と平行に延在するようにそのギヤボックス12を貫通して回転可能に支持された第1の中間軸14bを有し、さらにギヤボックス12内に、足首ロール軸用モータ14aの出力要素としての出力軸と第1の中間軸14bとを駆動結合する第1の交差軸型伝動機構としてのベベルギヤ組14cを有している。
【0069】
さらに足首ピッチ軸駆動系13は、ギヤボックス12の後方に、連結部材11cの、足首ピッチ軸線P4上から後方へ外れた部位を駆動アーム13jの先端部に連結するリンク部材としての連結ロッド13hを有し、また足首ロール駆動系14は、足首ロール軸線R3上で連結部材11cの前部に配置されるとともに出力要素を前ブラケット11dに結合された第2の同軸型減速機としての商品名ハーモニックドライブ14dと、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上の位置とその足首ピッチ軸線P4上からハーモニックドライブ14d側と反対の側である後方へ外れた位置とにそれぞれ回転可能にかつ互いに平行に支持された第2の中間軸14eおよび第3の中間軸14fと、それら第2の中間軸14eと第3の中間軸14fとを駆動結合する第2の平行軸型伝動機構としてのスパーギヤ組14gと、上記第1の中間軸14bと第2の中間軸14eとを駆動結合する第3の平行軸型伝動機構としてのベルト式伝動機構14hと、ハーモニックドライブ14dの入力要素と第3の中間軸14fとを駆動結合する第2の交差軸型伝動機構としてのベベルギヤ組14iとを有している。
【0070】
上述したこの第3実施例の脚5にあっては、連結フレーム15に配置された足首ピッチ軸用モータ13aの出力軸が、同じく連結フレーム15に配置されたハーモニックドライブ13iの入力要素を、ベルト式伝動機構13dを介して駆動し、それによりハーモニックドライブ13iの出力要素に結合された駆動アーム13jが揺動駆動されて、下腿フレーム8に足首関節11の足首ピッチ軸線P4周りに揺動可能に支持された連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上から外れた部位を、連結ロッド13hを介して押し引きし、その連結部材11cに足首関節11の足首ロール軸線R3周りに揺動可能に支持された足9を足首ピッチ軸線P4周りに揺動させる。
【0071】
また、下腿フレーム8に配置された足首ロール軸用モータ14aの出力軸が、下腿フレーム8の下端に固定されたギヤボックス12に回転可能に支持された第1の中間軸14bを、ベベルギヤ組14cを介して駆動し、それにより回転駆動された第1の中間軸14bが、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上の位置に回転可能に支持された第2の中間軸14eを、ベルト式伝動機構14hを介して駆動し、それにより回転駆動された第2の中間軸14eが、連結部材11cの足首ピッチ軸線P4上から外れた位置に第2の中間軸14eと平行に支持された第3の中間軸14fを、スパーギヤ組14gを介して駆動し、それにより回転駆動された第3の中間軸14fが、足首ロール軸線R3上に配置されて出力要素を足9に結合されたハーモニックドライブ14dの入力要素を、ベベルギヤ組14iを介して回転駆動し、足9を足首ロール軸線R3周りに揺動させる。
【0072】
さらにこの第3実施例の脚5にあっては、下腿フレーム8に足首ロール軸用モータ14aが、その軸線が下腿フレーム8の長手方向に沿って延在するように配置されていて、その足首ロール軸用モータ14aの出力軸が、下腿フレーム8の下端に固定されたギヤボックス12に配置された第1の中間軸14bにベベルギヤ組14cにより駆動結合されているので、足首ロール軸用モータ14aを横向きに配置した場合より下腿の下部が細く構成される。
【0073】
加えてこの第3実施例の脚5にあっては、連結部材11cの、足首ピッチ軸線P4上の位置に第2の中間軸14cが配置されるとともに、連結部材11cの、足首ピッチ軸線P4上から後方へ外れた位置に、第2の中間軸14cからスパーギヤ組14gにより伝動される第3の中間軸14fが配置され、その第3の中間軸14fが、足首ロール軸線R3上に配置されたハーモニックドライブ14dの入力要素にベベルギヤ組14iを介して伝動するので、そのベベルギヤ組14iが足首関節11の中心付近から後方へ外れ、その分ハーモニックドライブ14dが足首関節11の中心付近へ向けて引っ込むため、ベベルギヤ組14iを足首関節11の中心付近に配置した場合より足首が細く構成される。
【0074】
従って、この第3実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、腰関節1で腰フレーム2に対し図示しない上半身を、腰ヨー軸線Y1周り、腰ロール軸線R1周りおよび腰ピッチ軸線P1周りに三自由度で回動させることができ、また股関節4で腰フレーム2に対し二本の脚5をそれぞれ、股ヨー軸線Y2周り、股ロール軸線R2周りおよび股ピッチ軸線P2周りに三自由度で回動させることができ、さらに膝関節10で大腿フレーム7に対し下腿フレーム8を、膝ピッチ軸線P3周りに一自由度で回動させることができ、そして足首関節11で下腿フレーム8に対し足9を、足首ピッチ軸線P4および足首ロール軸線R3周りに二自由度で揺動させることができるので、人型歩行ロボットの自然な歩行動作を実現することができ、しかも脚5の大腿から足首に亘り、特に上述した下腿の下部および足首の細い構成により下腿の下部から足首に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0075】
さらに、この第3実施例の脚5を具える人型歩行ロボットの下半身によれば、下腿フレーム8を連結部材11cで足首ピッチ軸線P4周りに揺動可能に支持するとともに、その連結部材11cを足9で足首ロール軸線R3周りに揺動可能に支持することから、ハーモニックドライブ13iの出力要素に結合された駆動アーム13jおよび、その駆動アーム13jと連結部材11cとを連結する連結ロッド13hが、足首関節11のピッチ軸を駆動するために下腿の後側に位置するので、横断面形状が前後方向に細長い人の脚、特に女性の脚に近いプロポーションを実現することができる。
【0076】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述した実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができるものであり、例えば、上記実施例の脚を具える人型歩行ロボットは、女性型でなく顔および体型が人の男性に似ている男性型のものでも良く、また上記人型歩行ロボットの各関節の自由度は、歩行動作に支障のない範囲で適宜増減させても良い。なお、この発明の構成は、その足を手に、足首関節を手首関節に、下腿を前腕(または下腕)にそれぞれ変更することで、人型ロボットの腕、特に前腕(または下腕)および手首にも容易に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
かくしてこの発明の人型歩行ロボット用脚の第1の態様によれば、足を足首関節で、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させることができるとともに、下腿の上部から下部に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0078】
またこの発明の人型歩行ロボット用脚の第2の態様によれば、足を足首関節で、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させることができるとともに、下腿の下部から足首に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【0079】
そしてこの発明の人型歩行ロボット用脚の第3の態様によれば、足を足首関節で、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させることができるとともに、下腿の上部から足首に亘って、長さに対する太さの比率が小さい、人の脚、特に女性の脚に近いスリムなプロポーションを実現することができる。
【符号の説明】
【0080】
1 腰関節
2 腰フレーム
4 股関節
5 脚
6 関節ユニット
6a 上部ベース
6b 前ブラケット
6c 後ブラケット
6d 連結部材
6e 左ブラケット
6f 右ブラケット
6g ロール軸用モータ
6h,6i ハーモニックドライブ
7 大腿フレーム
8 下腿フレーム
9 足
10 膝関節
10a 左ブラケット
10b 右ブラケット
10c 下ブラケット
10d 膝ピッチ軸用モータ
10e ハーモニックドライブ
11 足首関節
11a 左ブラケット
11b 右ブラケット
11c 連結部材
11d 前ブラケット
11e 後ブラケット
11f 弾性ブッシュ
11g 力センサ
11h 足首基台
12 ギヤボックス
13 足首ピッチ軸駆動系
13a 足首ピッチ軸用モータ
13b ねじ式直線駆動機構
13c ねじ軸
13d ベルト式伝動機構
13e ボール循環式ナット
13f 駆動ロッド
13g 摺動部材
13h 連結ロッド
13i ハーモニックドライブ
13j 駆動アーム
14 足首ロール軸駆動系
14a 足首ロール軸用モータ
14b 第1の中間軸
14c ベベルギヤ組
14d ハーモニックドライブ
14e 第2の中間軸
14f 第3の中間軸
14g スパーギヤ組
14h ベルト式伝動機構
14i ベベルギヤ組
15 連結フレーム
15a 左側壁部材
15b 右側壁部材
P1 腰ピッチ軸線
R1 腰ロール軸線
Y1 腰ヨー軸線
P2 股ピッチ軸線
R2 股ロール軸線
Y2 股ヨー軸線
P3 膝ピッチ軸線
P4 足首ピッチ軸線
R3 足首ロール軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人型歩行ロボットの足を足首関節で下腿に対し、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させる人型歩行ロボット用脚において、
前記下腿の上部に第1のモータとねじ式直線駆動機構とをそれらの軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置して、前記第1のモータの出力要素と前記ねじ式直線駆動機構の入力要素とを第1の平行軸型伝動機構により駆動結合し、
前記下腿の下部に、第2のモータをその軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置するとともに、第1の中間軸をその軸線が前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線と平行に延在するように回転可能に支持して、前記第2のモータの出力要素と前記第1の中間軸とを第1の交差軸型伝動機構により駆動結合し、
前記下腿に関節部材を、前記一方の軸線周りに揺動可能に支持するとともに、その関節部材に前記足を、前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持し、
前記他方の軸線上に同軸型減速機を配置してその出力要素を前記足に結合し、
前記関節部材の、前記一方の軸線上から外れた部位と前記ねじ式直線駆動機構の出力要素とをリンク部材によって連結し、
前記関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸を回転可能に支持するとともに、前記第1の中間軸と前記第2の中間軸とを第2の平行軸型伝動機構により駆動結合し、
前記同軸型減速機の入力要素と前記第2の中間軸とを第2の交差軸型伝動機構により駆動結合したことを特徴とする、人型歩行ロボット用脚。
【請求項2】
人型歩行ロボットの足を足首関節で下腿に対し、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させる人型歩行ロボット用脚において、
前記下腿の上部に第1のモータと第1の同軸型減速機とをそれらの軸線が互いに平行にかつ前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線と平行に延在するように配置して、前記第1のモータの出力要素と前記第1の同軸型減速機の入力要素とを第1の平行軸型伝動機構により駆動結合し、
前記下腿の下部に、第2のモータをその軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置するとともに、第1の中間軸をその軸線が前記一方の軸線と平行に延在するように回転可能に支持して、前記第2のモータの出力要素と前記第1の中間軸とを第1の交差軸型伝動機構により駆動結合し、
前記下腿に関節部材を、前記一方の軸線周りに揺動可能に支持するとともに、その関節部材に前記足を、前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持し、
前記他方の軸線上に第2の同軸型減速機を配置してその出力要素を前記足に結合し、
前記関節部材の、前記一方の軸線上から外れた部位と前記第1の同軸型減速機の出力要素に設けたアームとをリンク部材によって連結し、
前記関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸を回転可能に支持するとともに、前記関節部材の、前記一方の軸線上から前記第2の同軸型減速機の側と反対の側へ外れた位置に前記第2の中間軸と平行に第3の中間軸を回転可能に支持して、それら第2の中間軸と第3の中間軸とを第2の平行軸型伝動機構により駆動結合し、
前記第1の中間軸と前記第2の中間軸とを第3の平行軸型伝動機構により駆動結合するとともに、前記第2の同軸型減速機の入力要素と前記第3の中間軸とを第2の交差軸型伝動機構により駆動結合したことを特徴とする、人型歩行ロボット用脚。
【請求項3】
人型歩行ロボットの足を足首関節で下腿に対し、互いに直交するピッチ軸線およびロール軸線周りに揺動させる人型歩行ロボット用脚において、
前記下腿の上部に第1のモータとねじ式直線駆動機構とをそれらの軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置して、前記第1のモータの出力要素と前記ねじ式直線駆動機構の入力要素とを第1の平行軸型伝動機構により駆動結合し、
前記下腿の下部に、第2のモータをその軸線が前記下腿の長手方向に沿って延在するように配置するとともに、第1の中間軸をその軸線が前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち一方の軸線と平行に延在するように回転可能に支持して、前記第2のモータの出力要素と前記第1の中間軸とを第1の交差軸型伝動機構により駆動結合し、
前記下腿に関節部材を、前記一方の軸線周りに揺動可能に支持するとともに、その関節部材に前記足を、前記足首関節のピッチ軸線およびロール軸線のうち他方の軸線周りに揺動可能に支持し、
前記他方の軸線上に同軸型減速機を配置してその出力要素を前記足に結合し、
前記関節部材の、前記一方の軸線上から外れた部位と前記ねじ式直線駆動機構の出力要素とをリンク部材によって連結し、
前記関節部材の、前記一方の軸線上の位置に第2の中間軸を回転可能に支持するとともに、前記関節部材の、前記一方の軸線上から前記同軸型減速機の側と反対の側へ外れた位置に前記第2の中間軸と平行に第3の中間軸を回転可能に支持して、それら第2の中間軸と第3の中間軸とを第2の平行軸型伝動機構により駆動結合し、
前記第1の中間軸と前記第2の中間軸とを第3の平行軸型伝動機構により駆動結合するとともに、前記同軸型減速機の入力要素と前記第3の中間軸とを第2の交差軸型伝動機構により駆動結合したことを特徴とする、人型歩行ロボット用脚。
【請求項4】
前記下腿のフレームが、前記ねじ式直線駆動機構のねじを回転可能に支持するとともに、そのねじに螺合するナットの供回りを阻止しつつそのナットの移動を案内することを特徴とする、請求項1または3記載の人型歩行ロボット用脚。
【請求項5】
前記一方の軸線はピッチ軸線であり、前記他方の軸線はロール軸線であることを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項記載の人型歩行ロボット用脚。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−98425(P2011−98425A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−255977(P2009−255977)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ハーモニックドライブ
【出願人】(591210600)川田工業株式会社 (57)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】