説明

位置検出装置、回転式アクチュエータ、および、それを用いたシフトバイワイヤシステム

【課題】パルス信号の出力に関する異常が生じても可動部材の位置の検出を継続可能な位置検出装置を提供する。
【解決手段】エンコーダ40は、モータ軸21が回転するのに応じ、所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力する。ECU3は、カウント値を保持し、エンコーダ40が出力する3相のパルス信号のすべてが正常のとき出現する各パルス信号の組み合わせパターンである正常時パターン、および、3相のパルス信号のうち1相のパルス信号が異常のときのみ出現する各パルス信号の組み合わせパターンである異常時パターンに基づき、前記カウント値に対し第1所定値「1」、または、第2所定値「2」を加算または減算する。ECU3は、前記カウント値に基づき、モータ軸21の回転位置を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動部材の位置を検出する位置検出装置、回転式アクチュエータ、および、それを用いたシフトバイワイヤシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可動部材の回転または直線移動に応じてエンコーダから出力される複数相のパルス信号に基づき、可動部材の位置を検出する位置検出装置が知られている。例えば特許文献1に記載された位置検出装置のエンコーダは、パルス出力部から、可動部材の回転または直線移動に応じ3相のパルス信号を出力する。当該3相のパルス信号は、位相差が120°となるよう出力される。そのため、特許文献1のエンコーダでは、パルス出力部に異常が生じると、パルス出力部から出力される3相のパルス信号の組み合わせパターンとして、高レベルまたは低レベルのいずれかのレベルが3相共一致するパターン(異常時パターン)が出現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1−223311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のエンコーダは、3相のパルス信号の高レベルまたは低レベルのいずれかのレベルが3相共一致するパターン(異常時パターン)を検出することにより、パルス出力部の異常を検出することは可能である。しかしながら、特許文献1の位置検出装置では、エンコーダのパルス出力部に異常が生じると、それ以降、可動部材の位置を正確に検出することができなくなる。
【0005】
また、特許文献1には、上述のエンコーダを適用したサーボモータ、および、それを用いたサーボ機構が開示されている。エンコーダは、サーボモータにより回転駆動される送りねじの回転に応じて3相のパルス信号を出力する。位置検出装置は、当該3相のパルス信号に基づき、送りねじ(機械送り台)の回転位置を検出する。サーボモータの回転は、位置検出装置により検出された前記回転位置に基づき、フィードバック制御される。ここで、エンコーダのパルス出力部に異常が生じた場合、位置検出装置は前記回転位置を正確に検出できず、サーボモータの回転を継続できなくなるおそれがある。サーボモータの回転を継続できなくなると、サーボ機構の機械送り台を駆動することができなくなる。
【0006】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、パルス信号の出力に関する異常が生じても可動部材の位置の検出を継続可能な位置検出装置、回転式アクチュエータおよびシフトバイワイヤシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、回転または直線移動する可動部材の位置を検出する位置検出装置であって、パルス信号出力手段とカウント手段と位置検出手段とを備えている。パルス信号出力手段は、可動部材が回転または直線移動するのに応じ、所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力する。カウント手段は、カウント値を保持し、パルス信号出力手段が出力する3相のパルス信号のすべてが正常のとき出現する各パルス信号の組み合わせパターンである正常時パターン、および、3相のパルス信号のうち1相のパルス信号が異常のときのみ出現する各パルス信号の組み合わせパターンである異常時パターンに基づき、前記カウント値に対し第1所定値、または、当該第1所定値とは異なる第2所定値を加算または減算する。ここで、パルス信号が異常となるのは、例えばパルス信号出力手段の回路の一部が断線(オフ故障)することでパルス信号が低レベルの状態のまま(L固着)となること、あるいは、パルス信号出力手段の回路の一部がショート(オン故障)することでパルス信号が高レベルの状態のまま(H固着)となること等が想定される。また、例えば、第1所定値としては「1」、第2所定値としては「2」を設定することが考えられる。位置検出手段は、カウント手段により加算または減算されるカウント値に基づき、可動部材の位置を検出する。
【0008】
本発明では、パルス信号出力手段が出力する3相のパルス信号のうち1相のパルス信号が異常であっても、カウント値に対し第1所定値または第2所定値を加算または減算することで、当該カウント値に基づき可動部材の位置を検出可能である。よって、本発明では、パルス信号出力手段の一部が故障しても、可動部材の位置の検出を継続することができる。なお、位置検出手段により検出した可動部材の位置の時間経過に伴う変化を検出することにより、可動部材の回転状態(回転方向および回転数等)または移動状態(移動方向および移動速度等)を検出することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の位置検出装置のカウント手段に関し、一作動例を具体的に例示するものである。請求項2に記載の発明では、カウント手段は、可動部材が回転または直線移動するとき、所定の正常時パターンから別の正常時パターンに変化した場合、カウント値に対し第1所定値を加算または減算する。また、カウント手段は、可動部材が回転または直線移動するとき、正常時パターンから異常時パターンに変化した場合、または、異常時パターンから正常時パターンに変化した場合、カウント値に対し第2所定値を加算または減算する。すなわち、本発明では、異常時パターンを含むパターンの変化があった場合、カウント値に対し第1所定値の代わりに第2所定値を加算または減算する。これにより、パルス信号出力手段の一部が故障しても、可動部材の位置の検出を継続することができる。
請求項3に記載の発明は、前記異常時パターンを検出することにより、パルス信号出力手段の異常を検出する異常検出手段をさらに備えている。これにより、位置検出装置(パルス信号出力手段)の一部が故障していることを知ることができる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、前記可動部材とハウジングとロータとステータと巻線と請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置検出装置と回転制御手段とを備えた回転式アクチュエータの発明である。ハウジングは、可動部材を回転可能に支持している。ロータは、可動部材に一体に設けられ、ハウジングに対し相対回転可能である。ステータは、ロータの径外側に位置するようハウジングに固定されている。巻線は、ステータに巻回されている。回転制御手段は、位置検出装置が検出した可動部材の回転位置に基づき巻線に供給する電力を調節することで、ロータの回転を制御する。
【0011】
本発明では、可動部材、ロータ、ステータおよび巻線によりモータを構成している。ここで、可動部材は、モータのモータ軸を構成している。巻線に電力を供給すると、ロータ、ステータおよび巻線に磁気回路が形成され、モータ軸と一体のロータが回転する。これにより、モータ軸としての可動部材が回転し、可動部材からトルクが出力される。本発明では、位置検出装置により、可動部材の回転位置を検出することができる。回転制御手段は、可動部材の回転位置からロータの回転位置を検出し、検出したロータの回転位置に基づき巻線に供給する電力を調節する。つまり、回転制御手段は、フィードバック制御によりロータ(回転式アクチュエータ)の回転を継続する。
上述のように、本発明の位置検出装置は、パルス信号出力手段の一部が故障しても、可動部材の位置の検出を継続することができる。よって、位置検出装置(パルス信号出力手段)の一部が故障しても、ロータ(回転式アクチュエータ)の回転を継続することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の回転式アクチュエータとシフトレンジ切替装置とを備えたシフトバイワイヤシステムの発明である。シフトレンジ切替装置は、回転式アクチュエータの可動部材(モータ軸)に接続され、可動部材の回転により自動変速機のシフトレンジを切り替え可能である。
上述のように、本発明の回転式アクチュエータは、位置検出装置(パルス信号出力手段)の一部が故障しても、回転を継続することができる。よって、位置検出装置(パルス信号出力手段)の一部が故障しても、自動変速機のシフトレンジを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による位置検出装置、回転式アクチュエータおよびシフトバイワイヤシステムを示す模式図。
【図2】本発明の一実施形態によるシフトバイワイヤシステムのシフトレンジ切替装置を示す概略図。
【図3】(A)は本発明の一実施形態による回転式アクチュエータを示す断面図、(B)は本発明の一実施形態による位置検出装置の一部を示す図であって(A)の矢印B方向から見た図。
【図4】(A)は本発明の一実施形態による位置検出装置のパルス信号出力手段から出力される3相パルス信号を示す図、(B)は3相パルス信号の組み合わせパターンを示す表。
【図5】本発明の一実施形態による位置検出装置のパルス信号出力手段から出力される3相パルス信号を示す図であって、(A)はC相がL固着した場合の図、(B)はB相がL固着した場合の図、(C)はA相がL固着した場合の図。
【図6】本発明の一実施形態による位置検出装置のパルス信号出力手段から出力される3相パルス信号を示す図であって、(A)はC相がH固着した場合の図、(B)はB相がH固着した場合の図、(C)はA相がH固着した場合の図。
【図7】本発明の一実施形態による位置検出装置のカウント手段による処理を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による位置検出装置、回転式アクチュエータ、および、それを用いたシフトバイワイヤシステムを図1に示す。
【0015】
シフトバイワイヤシステム1は、電子制御ユニット(以下、「ECU」という。)3、回転式アクチュエータ10、シフトレンジ切替装置100等を備えている。シフトバイワイヤシステム1は、例えば自動変速機とともに車両に搭載され、車両の運転者の指令に基づき回転式アクチュエータ10およびシフトレンジ切替装置100を駆動させることにより、バイワイヤ制御で自動変速機のシフトレンジを切り替える。
【0016】
ECU3は、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのRAMおよびROM、ならびに、入出力手段等を有する小型のコンピュータである。ECU3は、車両に搭載された各種センサからの信号、ならびに、ROMおよびRAMに格納されたデータ等に基づき、ROMに格納された各種プログラムに従って、各種装置および機器類を制御するよう作動する。ECU3は、車両の電源であるバッテリ11に、リレー12を経由して電気的に接続されており、このバッテリ11から供給される電力によって作動する。
【0017】
図3(A)に示すように、回転式アクチュエータ10は、可動部材としてのモータ軸21、ハウジング22、ロータ23、ステータ24、巻線25、減速機30、および、パルス信号出力手段としてのエンコーダ40等を備えている。
モータ軸21は、例えば金属により略円柱状に形成されている。ハウジング22は、例えば樹脂により中空円筒状に形成され、端部が塞がれている。ハウジング22の軸方向の長さは短く形成されている。よって、ハウジング22は、外形が略円盤状に形成されている。ハウジング22は、内側に、モータ軸21を同軸に、かつ、回転可能に収容している。すなわち、ハウジング22は、モータ軸21を回転可能に支持している。
【0018】
ロータ23は、例えば積層鉄板により略円筒状に形成され、内壁にモータ軸21が嵌合するよう、モータ軸21と一体に設けられている。これにより、ロータ23は、モータ軸21と一体に、ハウジング22に対し相対回転可能である。
ステータ24は、例えば積層鉄板により略円環状に形成され、ロータ23の径外側に位置するようハウジング22の内壁に固定されている。これにより、ロータ23は、モータ軸21と一体に、ステータ24に対し相対回転可能である。
【0019】
本実施形態では、巻線25は、ステータ24の径内側へ突出する複数の突極のそれぞれに巻回されるようにして複数設けられている。モータ軸21、ロータ23、ステータ24および巻線25は、モータ部20を構成している。当該モータ部20は、本実施形態では、スイッチトリラクタンス(SR)モータであり、永久磁石を用いることなく駆動力を発生するブラシレスモータである。ここで、巻線25は、それぞれモータ部20の複数の相に対応している。
【0020】
巻線25は、リレー13を経由してバッテリ11に電気的に接続される。また、回転式アクチュエータ10には、ECU3が接続される(図1参照)。ECU3は、バッテリ11から巻線25に供給する電力を調節する。ECU3は、複数の相に対応する巻線25に所定のタイミングで順次通電する。これにより、ステータ24に回転磁界が生じ、ロータ23がモータ軸21とともに回転する。
減速機30は、モータ軸21に接続するよう、ハウジング22に収容されている。減速機30は、図示しない遊星歯車を有し、モータ軸21の回転を減速して出力軸31から出力する。
【0021】
エンコーダ40は、ロータ23の減速機30とは反対側に位置するようハウジング22に収容されている。エンコーダ40は、インクリメンタル型のロータリエンコーダであり、モータ軸21(ロータ23)の回転、すなわち回転角の変化分に応じてパルス信号を出力する。ECU3は、エンコーダ40から出力されたパルス信号に基づき、モータ軸21(ロータ23)の回転に関する位置(回転位置)を検出する。これにより、ECU3は、モータ軸21(ロータ23)の回転状態(回転方向および回転数等)を検出可能である。ECU3は、検出したロータ23の回転状態をフィードバックすることにより、回転式アクチュエータ10に供給する電力を調節し、ロータ23を脱調させることなく高速回転させることができる。ここで、ECU3は、特許請求の範囲における「回転制御手段」として機能する。エンコーダ40については、後に詳述する。
なお、車両電源のオン毎(シフトバイワイヤシステム1の起動毎)に、モータ部20の励磁通電相学習(エンコーダ40から出力されたパルス信号と通電相の同期)のための初期駆動制御が行われる。この初期駆動制御により、回転式アクチュエータ10の回転を適切に制御できるようになる。
【0022】
図2に示すように、シフトレンジ切替装置100は、シフトレンジ切替機構110およびパーキング切替機構120を備えている。
シフトレンジ切替機構110は、マニュアルシャフト101、ディテントプレート102および油圧バルブボディ104等から構成されている。マニュアルシャフト101は、一方の端部が回転式アクチュエータ10の出力軸31にスプライン結合される。ディテントプレート102は、マニュアルシャフト101から径外方向に延びる扇形状に形成され、マニュアルシャフト101と一体に回転する。ディテントプレート102には、マニュアルシャフト101に対し平行に突出するピン103が設けられている。ピン103は、油圧バルブボディ104に設けられるマニュアルスプール弁105の端部に係止されている。このため、マニュアルスプール弁105は、マニュアルシャフト101と一体で回転するディテントプレート102によって、軸方向へ往復移動する。マニュアルスプール弁105は、軸方向に往復移動することで、図示しない自動変速機の油圧クラッチへの油圧供給路を切り替える。この結果、油圧クラッチの係合状態が切り替わり、自動変速機のシフトレンジが変更される。
【0023】
ディテントプレート102は、径方向の端部に凹部151、凹部152、凹部153および凹部154を有している。凹部151〜154は、例えば、それぞれ図示しない自動変速機のシフトレンジであるPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、およびDレンジに対応している。ディテントスプリング106の先端に支持されているディテントローラ107が、ディテントプレート102の凹部151〜154のいずれかと噛み合うことにより、マニュアルスプール弁105の軸方向の位置が決定する。
【0024】
回転式アクチュエータ10からマニュアルシャフト101を経由してディテントプレート102に回転力が加わると、ディテントローラ107は隣接する他の凹部(凹部151〜154のいずれか)へ移動する。これにより、マニュアルスプール弁105の軸方向の位置が変化する。
例えば、マニュアルシャフト101を図2の矢印Y方向から見て時計回り方向に回転させると、ディテントプレート102を介してピン103がマニュアルスプール弁105を油圧バルブボディ104の内部に押し込み、油圧バルブボディ104内の油路がD、N、R、Pの順に切り替えられる。これにより、自動変速機のシフトレンジがD、N、R、Pの順に切り替えられる。
【0025】
一方、マニュアルシャフト101を反時計回り方向に回転させると、ピン103がマニュアルスプール弁105を油圧バルブボディ104から引き出し、油圧バルブボディ104内の油路がP、R、N、Dの順に切り替えられる。これにより、自動変速機のシフトレンジがP、R、N、Dの順に切り替えられる。
このように、回転式アクチュエータ10により回転駆動されるマニュアルシャフト101の回転角度は、自動変速機の各シフトレンジに対応している。なお、以下、回転式アクチュエータ10がマニュアルシャフト101を時計回り方向に回転させるときのロータ23の回転方向を正回転方向とする。一方、回転式アクチュエータ10がマニュアルシャフト101を反時計回り方向に回転させるときのロータ23の回転方向を逆回転方向とする。
【0026】
パーキング切替機構120は、ロッド121、パーキングロックポール123およびパーキングギア126等から構成されている。ロッド121は、略L字型に形成され、一方の端部にディテントプレート102が接続されている。ロッド121の他方の端部には、円錐部122が設けられている。ディテントプレート102の回転運動をロッド121が直線運動に変換することで、円錐部122は、軸方向へ往復移動する。円錐部122の側面には、パーキングロックポール123が当接している。そのため、ロッド121が往復移動すると、パーキングロックポール123は軸部124を中心に回転駆動する。パーキングロックポール123の回転方向には突部125が設けられており、この突部125がパーキングギア126の歯車に噛み合うと、パーキングギア126の回転が規制される。これにより、図示しないドライブシャフトまたはディファレンシャルギア等を経由して駆動輪がロックする。一方、パーキングロックポール123の突部125がパーキングギア126の歯車から外れると、パーキングギア126は回転可能となり、駆動輪のロックは解除する。
【0027】
次に、エンコーダ40について詳細に説明する。
図3(A)に示すように、エンコーダ40は、磁界発生手段としてのマグネットプレート41、基板42、磁気検出手段としてのホールIC51〜53等を有している。
図3に示すように、マグネットプレート41は、円環の板状に形成され、ロータ23の減速機30とは反対側の端面に、ロータ23と同軸に固定されている。これにより、マグネットプレート41は、ロータ23とともに回転する。
【0028】
図3(B)に示すように、マグネットプレート41には、N極およびS極が周方向に交互に等間隔で着磁されている。本実施形態では、N極およびS極の各着磁数は24である。
基板42は、例えば樹脂により円環の板状に形成され、マグネットプレート41に対向するようにしてハウジング22の内壁に固定されている。これにより、マグネットプレート41は、ロータ23が回転すると、基板42に対し相対回転する。
【0029】
ホールIC51〜53は、それぞれ、基板42のマグネットプレート41側の面の所定の位置に、周方向に互いに所定の間隔をあけて設けられている。そのため、ホールIC51〜53は、マグネットプレート41に対向している。マグネットプレート41とホールIC51〜53との位置関係は、図3(B)に示すとおりである。
【0030】
エンコーダ40は、ホールIC51〜53とECU3とを電気的に接続する電力線43を有している(図1参照)。これにより、ホールIC51〜53には、ECU3および電力線43を経由してバッテリ11からの電力が供給される。
ホールIC51〜53は、それぞれ、周囲の磁界の向きおよび大きさに応じた電圧を出力するホール素子を有している。本実施形態では、ホールIC51〜53は、それぞれ、ホール素子から出力される電圧の大きさが所定値以下の場合、低レベル(Lレベル)の信号を出力し、ホール素子から出力される電圧の大きさが所定値より大きい場合、高レベル(Hレベル)の信号をECU3に出力する。
【0031】
マグネットプレート41がロータ23とともに回転すると、ホールIC51〜53の周囲の磁界の向きおよび大きさが変化する。これにより、ホールIC51〜53は、それぞれ、低レベルおよび高レベルを交互に繰り返すパルス状の信号を出力する。本実施形態では、マグネットプレート41(ロータ23)が1回転する毎に、ホールIC51〜53から24のパルス信号(LレベルとHレベルとの組)が出力される。すなわち、パルス信号の1周期は、マグネットプレート41の回転変位に関し、機械角で15°分に対応する。ここで、機械角とは、機械的な角度、すなわちマグネットプレート41(ロータ23)の1回転を360°とした場合の角度(回転角)である。
【0032】
エンコーダ40は、ホールIC51〜53とECU3とを電気的に接続する信号線44を有している(図1参照)。これにより、マグネットプレート41(ロータ23)が回転するときにエンコーダ40(ホールIC51〜53)から出力されるパルス信号は、信号線44を経由してECU3に伝達される(図1参照)。すなわち、エンコーダ40は、可動部材としてのモータ軸21(ロータ23)が回転移動するのに応じ、所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力する。
【0033】
本実施形態では、ホールIC51〜53それぞれを基板42の所定の位置に配置することにより、図4(A)に示すように、エンコーダ40(ホールIC51〜53)から所定の位相差を有するパルス信号が出力される。以下、ホールIC51から出力されるパルス信号をA相、ホールIC52から出力されるパルス信号をB相、ホールIC53から出力されるパルス信号をC相とする。また、図4(A)に示すように、各相の位相差は電気角で60°(機械角で2.5°)である。そのため、マグネットプレート41が2.5°回転する毎に、各相のLレベルとHレベルとの組み合わせに関し、異なるパターンが出現する。ここで、電気角とは、各相のパルス信号の発生周期を1周期(360°)とした場合の角度である。
【0034】
図4(B)に示すように、各相のLレベルとHレベルとの組み合わせに関し、例えばパターン1〜8を定義する。本実施形態では、ホールIC51〜53自体、ホールIC51〜53とECU3との間の電力供給経路、および、ホールIC51〜53とECU3との間の信号伝達経路のいずれもが正常な場合、図4(A)に示すように、各相のLレベルとHレベルとの組み合わせに関し、出現するパターンはパターン1〜6である。図4(A)に示すt0〜8のそれぞれは、各相のパルス信号のパルス(Hレベル)の立ち上がり、および、立ち下がりに対応する時刻である。本実施形態では、ロータ23が正回転するとき、t1〜7において、パターン1〜6が順に出現する。
【0035】
ECU3は、RAMにカウント値を保持(記憶)している。当該カウント値は、シフトバイワイヤシステム1の起動時、すなわちECU3への通電時、初期値「0」にリセットされる。ECU3は、t0〜8において、ホールIC51〜53が出力するパルス信号に基づき、その時点(t0〜8)毎に、パターン(番号)が何であるかを検出する。そして、前回検出時と比べ、パターン番号が「1」増大した場合、または、パターン番号が「6」から「1」に変化した場合、カウント値に対し、第1所定値としての「1」を加算する。また、前回検出時と比べ、パターン番号が「1」減少した場合、または、パターン番号が「1」から「6」に変化した場合、カウント値から、第1所定値としての「1」を減算する。ここで、ECU3は、特許請求の範囲における「カウント手段」として機能する。
【0036】
上記構成により、例えばロータ23が正回転するとき、各相のパルス信号のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりのタイミングで、カウント値が「1」増大する。一方、ロータ23が逆回転するとき、各相のパルス信号のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりのタイミングで、カウント値が「1」減少する。これにより、ECU3は、カウント値に基づき、ロータ23(モータ軸21)の回転に関する位置(回転位置)を検出することができる。
【0037】
つまり、ECU3は、カウント値が所定値増大した場合、ロータ23(モータ軸21)が、正回転方向に所定値に対応した量分回転したことがわかる。一方、カウント値が所定値減少した場合、ロータ23(モータ軸21)が、逆回転方向に所定値に対応した量分回転したことがわかる。ここで、ECU3は、特許請求の範囲における「位置検出手段」として機能する。また、位置検出装置2は、エンコーダ40とECU3とにより構成されている。
【0038】
ところで、ホールIC51〜53自体、ホールIC51〜53とECU3との間の電力供給経路、および、ホールIC51〜53とECU3との間の信号伝達経路のいずれかに何らかの異常が生じていると、各相のLレベルとHレベルとの組み合わせに関し、パターン1〜6以外に、パターン7または8が出現する(図4(B)参照)。
例えばホールIC53(C相)とECU3との間の経路(導線等)に断線等の異常(オフ故障)が生じている場合、図4(A)に波線で示すように、ホールIC53(C相)からは低レベル(Lレベル)の信号のみが出力されること(L固着)となる。そのため、t4とt5との間でパターン7(A相:Lレベル、B相:Hレベル、C相:Lレベル)が出現する。
【0039】
また、例えばホールIC52(B相)とECU3との間の経路(導線等)に断線等の異常(オフ故障)が生じている場合、図5(B)に示すように、t3とt4との間でパターン8(A相:Hレベル、B相:Lレベル、C相:Hレベル)が出現する。また、例えばホールIC51(A相)とECU3との間の経路(導線等)に断線等の異常(オフ故障)が生じている場合、図5(C)に示すように、t3とt4との間でパターン7(A相:Lレベル、B相:Hレベル、C相:Lレベル)が出現する。
【0040】
また、例えばホールIC53(C相)とECU3との間の経路(導線等)にショート等の異常(オン故障)が生じている場合、図6(A)に波線で示すように、ホールIC53(C相)からは高レベル(Hレベル)の信号のみが出力されること(H固着)となる。そのため、t1とt2との間、および、t7とt8との間でパターン8(A相:Hレベル、B相:Lレベル、C相:Hレベル)が出現する。
【0041】
また、例えばホールIC52(B相)とECU3との間の経路(導線等)にショート等の異常(オン故障)が生じている場合、図6(B)に示すように、t0とt1との間、および、t6とt7との間でパターン7(A相:Lレベル、B相:Hレベル、C相:Lレベル)が出現する。また、例えばホールIC51(A相)とECU3との間の経路(導線)にショート等の異常(オン故障)が生じている場合、図6(C)に示すように、t5とt6との間でパターン8(A相:Hレベル、B相:Lレベル、C相:Hレベル)が出現する。
【0042】
ここで、エンコーダ40が正常なときに出現するパターン(パターン1〜6)を「正常時パターン」と定義し、エンコーダ40の一部に異常が生じているときのみ出現するパターン(パターン7、8)を「異常時パターン」と定義する。
ECU3は、異常時パターン(パターン7、8)を検出することで、エンコーダ40の異常を検出することができる。また、ホールIC51〜53から出力される信号と出現するパターンとから、エンコーダ40のどの箇所(A〜C相)に異常が生じているかを検出することができる。ここで、ECU3は、特許請求の範囲における「異常検出手段」として機能する。
【0043】
図5(A)〜(C)および図6(A)〜(C)を参照すると、エンコーダ40の一部が異常なとき、異常時パターン(パターン7、8)の両隣には、必ず同じ正常時パターンが2回連続して出現することがわかる。そのため、本実施形態では、ECU3は、カウント手段として機能し、パルスの立ち上がり、または、立ち下がりのタイミングで検出するパターンが正常時パターンから異常時パターンに変化したとき、あるいは、異常時パターンから正常時パターンに変化したとき、カウント値に対し、第2所定値としての「2」を加算または減算する。
【0044】
より具体的には、図4(A)に示すように、例えばロータ23が正回転している状態で、t4でパターン2(正常時パターン)からパターン7(異常時パターン)に変化したとき、ECU3は、カウント値に対し、第2所定値としての「2」を加算する。また、t5でパターン7(異常時パターン)からパターン6(正常時パターン)に変化したとき、ECU3は、カウント値に対し、第2所定値としての「2」を加算する。一方、例えばロータ23が逆回転している状態で、t5でパターン6(正常時パターン)からパターン7(異常時パターン)に変化したとき、ECU3は、カウント値から第2所定値としての「2」を減算する。また、t4でパターン7(異常時パターン)からパターン2(正常時パターン)に変化したとき、ECU3は、カウント値から第2所定値としての「2」を減算する。
【0045】
上述の方法により、本実施形態では、エンコーダ40の一部に異常が生じていても、ECU3は、位置検出手段として機能し、ロータ23(モータ軸21)の位置(回転位置)の検出を継続することができる。また、ECU3は、エンコーダ40が正常なときは勿論、エンコーダ40の一部に異常が生じていても、正常時パターンおよび異常時パターンの出現順序に基づき、ロータ23(モータ軸21)の回転方向が正回転方向であるか逆回転方向であるかを判定することができる。
【0046】
次に、本実施形態のECU3が上述のようにカウント手段として機能するときの処理フローを図7に示す。
図7に示す一連の処理は、エンコーダ40からECU3に伝達される3相のパルス信号のパルスの立ち上がり、および、立ち下がりのタイミング(例えば図4(A)に示すt0〜8それぞれ)で、繰り返し実行される処理である。
【0047】
S201では、ECU3は、前回検出したパターンが正常時パターンであったか否かを判定する。前回検出したパターンが正常時パターンであった場合(S201:YES)、処理はS202へ移行する。一方、前回検出したパターンが正常時パターンでなかった(異常時パターンであった)場合(S201:NO)、処理はS205へ移行する。
【0048】
S202では、ECU3は、今回検出したパターンが正常時パターンであるか否かを判定する。今回検出したパターンが正常時パターンである場合(S202:YES)、処理はS203へ移行する。一方、今回検出したパターンが正常時パターンでない(異常時パターンである)場合(S202:NO)、処理はS204へ移行する。
【0049】
S203では、ECU3は、カウント値に対し「1」を加算または減算する。より具体的には、前回検出時と比べパターン番号が「1」増大した場合、または、パターン番号が「6」から「1」に変化した場合、カウント値に対し「1」を加算する。また、前回検出時と比べ、パターン番号が「1」減少した場合、または、パターン番号が「1」から「6」に変化した場合、カウント値から「1」を減算する。
【0050】
S204では、ECU3は、カウント値に対し「2」を加算または減算する。より具体的には、ECU3は、直前のパターンの出現順序に基づきロータ23の回転方向が正回転方向であると判定した場合、カウント値に対し「2」を加算する。一方、ロータ23の回転方向が逆回転方向であると判定した場合、カウント値から「2」を減算する。
【0051】
S205では、ECU3は、カウント値に対し「2」を加算または減算する。より具体的には、ECU3は、直前のパターンの出現順序に基づきロータ23の回転方向が正回転方向であると判定した場合、カウント値に対し「2」を加算する。一方、ロータ23の回転方向が逆回転方向であると判定した場合、カウント値から「2」を減算する。
このように、図7に示す一連の処理(S201〜205)により、エンコーダ40の一部に異常が生じていても、カウント値を適宜更新でき、ロータ23(モータ軸21)の位置(回転位置)の検出を継続することができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態では、ECU3は、エンコーダ40が出力する3相のパルス信号のうち1相のパルス信号が異常であっても、カウント値に対し第1所定値「1」または第2所定値「2」を加算または減算することで、当該カウント値の変化に基づきモータ軸21の位置(回転位置)を検出可能である。よって、本実施形態では、エンコーダ40の一部が故障しても、モータ軸21の回転位置の検出を継続することができる。なお、検出したモータ軸21の回転位置の時間経過に伴う変化を検出することにより、モータ軸21の回転状態(回転方向および回転数等)を検出することができる。
【0053】
本実施形態では、ECU3は、モータ軸21が回転移動するのに応じ、所定の正常時パターンから別の正常時パターンに変化した場合、カウント値に対し第1所定値「1」を加算または減算する。また、ECU3は、正常時パターンから異常時パターンに変化した場合、または、異常時パターンから正常時パターンに変化した場合、カウント値に対し第2所定値「2」を加算または減算する。すなわち、本実施形態では、異常時パターンを含むパターンの変化があった場合、カウント値に対し第1所定値「1」の代わりに第2所定値「2」を加算または減算する。これにより、エンコーダ40の一部が故障しても、モータ軸21の回転位置の検出を継続することができる。
【0054】
また、本実施形態は、前記異常時パターンを検出することにより、エンコーダ40の異常を検出する異常検出手段をさらに備えている。これにより、位置検出装置2の一部(エンコーダ40)が故障していることを知ることができる。
【0055】
また、本実施形態の回転式アクチュエータ10は、上述の位置検出装置2(エンコーダ40およびECU3)を備えている。上述のように、当該位置検出装置2は、エンコーダ40の一部が故障しても、モータ軸21の回転位置の検出を継続することができる。よって、位置検出装置2(エンコーダ40)の一部が故障しても、ロータ23(回転式アクチュエータ10)の回転を継続することができる。
【0056】
また、本実施形態のシフトバイワイヤシステム1は、上述の回転式アクチュエータ10を備えている。上述のように、当該回転式アクチュエータ10は、位置検出装置2(エンコーダ40)の一部が故障しても、回転を継続することができる。よって、位置検出装置2(エンコーダ40)の一部が故障しても、自動変速機のシフトレンジを切り替えることができる。
【0057】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、回転する可動部材(モータ軸)側に設けた磁界発生手段(マグネットプレート)と、当該磁界発生手段に対し相対回転可能に設けた磁気検出手段(ホールIC)とを有し、可動部材の回転に応じ所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力するパルス信号発生手段(磁気式ロータリエンコーダ)を例示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、直線移動する可動部材側に設けた磁界発生手段と、当該磁界発生手段に対し相対移動可能に設けた磁気検出手段とによりパルス信号発生手段(磁気式リニアエンコーダ)を構成し、可動部材の直線移動に応じ所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力することとしてもよい。また、磁界発生手段と磁気検出手段とが相対回転または相対移動可能であれば、磁気検出手段は、可動部材側に設けてもよい。
【0058】
また、本発明の他の実施形態では、例えば周方向に複数のスリットを有する円板を可動部材(モータ軸)に設け、光を発生する発光手段を前記円板の一方の面側に設け、発光手段から発生した光を受光する受光手段を前記円板の他方の面側に設けることでパルス信号発生手段(光学式ロータリエンコーダ)を構成し、可動部材の回転に応じ所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力することとしてもよい。また、例えば可動部材の移動方向に複数のスリットを有する板部材を可動部材に設け、光を発生する発光手段を前記板部材の一方の面側に設け、発光手段から発生した光を受光する受光手段を前記板部材の他方の面側に設けることでパルス信号発生手段(光学式リニアエンコーダ)を構成し、可動部材の直線移動に応じ所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力することとしてもよい。
【0059】
また、上述の実施形態では、第1所定値を「1」、第2所定値を「2」に設定する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、第1所定値と第2所定値とは、異なる値であれば、どのような値に設定してもよい。ただし、第2所定値は、第1所定値の2倍であることが好ましい。
また、本発明の他の実施形態では、マグネットプレートのN極およびS極の着磁数は24でなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、ホールICに代えて例えば磁気抵抗素子を用いた磁気センサ等を用いてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、回転式アクチュエータのモータ部は、SRモータ以外のモータでもよい。
【0060】
また、本発明の他の実施形態では、位置検出装置を例えば車両の他のバルブ装置等の可動部材の位置を検出するのに用いてもよいし、例えば産業ロボットや工作機械等の他の装置の可動部材の位置を検出するのに用いてもよい。
【0061】
また、本発明の他の実施形態では、回転式アクチュエータを、シフトバイワイヤシステムの駆動手段に限らず、例えば車両の他のバルブ装置等の駆動手段として用いてもよいし、例えば産業ロボットや工作機械等の他の装置の駆動手段として用いてもよい。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0062】
2 ・・・・位置検出装置
3 ・・・・ECU(電子制御ユニット、カウント手段、位置検出手段)
21 ・・・モータ軸(可動部材)
40 ・・・エンコーダ(パルス信号出力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転または直線移動する可動部材の位置を検出する位置検出装置であって、
前記可動部材が回転または直線移動するのに応じ、所定の位相差を有する3相のパルス信号を出力するパルス信号出力手段と、
カウント値を保持し、前記3相のパルス信号のすべてが正常のとき出現する各パルス信号の組み合わせパターンである正常時パターン、および、前記3相のパルス信号のうち1相のパルス信号が異常のときのみ出現する各パルス信号の組み合わせパターンである異常時パターンに基づき、前記カウント値に対し第1所定値、または、当該第1所定値とは異なる第2所定値を加算または減算するカウント手段と、
前記カウント値に基づき、前記可動部材の位置を検出する位置検出手段と、
を備えることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記カウント手段は、前記可動部材が回転または直線移動するとき、
所定の前記正常時パターンから別の前記正常時パターンに変化した場合、前記カウント値に対し前記第1所定値を加算または減算し、
前記正常時パターンから前記異常時パターンに変化した場合、または、前記異常時パターンから前記正常時パターンに変化した場合、前記カウント値に対し前記第2所定値を加算または減算することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記異常時パターンを検出することにより、前記パルス信号出力手段の異常を検出する異常検出手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記可動部材と、
前記可動部材を回転可能に支持するハウジングと、
前記可動部材に一体に設けられ、前記ハウジングに対し相対回転可能なロータと、
前記ロータの径外側に位置するよう前記ハウジングに固定されるステータと、
前記ステータに巻回される巻線と、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置検出装置と、
前記位置検出装置が検出した前記可動部材の回転位置に基づき前記巻線に供給する電力を調節することで、前記ロータの回転を制御する回転制御手段と、
を備える回転式アクチュエータ。
【請求項5】
請求項4に記載の回転式アクチュエータと、
前記可動部材に接続され、前記可動部材の回転により自動変速機のシフトレンジを切り替え可能なシフトレンジ切替装置と、
を備えるシフトバイワイヤシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−72773(P2013−72773A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212527(P2011−212527)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】