説明

低い肺毒性を有するアルキレンオキシドコポリマー含有機能液

本発明は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができる有効量のコポリマーを機能液中に配合することにより、機能液の吸入毒性を減少させる方法に関し、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低い不飽和度を有するアルキレンオキシドコポリマーを含有する、低い肺毒性を有する機能液配合物、アルキレンオキシドコポリマーの使用および機能液の吸入毒性を減少させる方法に関する。
【0002】
出発モノマーとしてのエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを有するコポリマーは、高性能の潤滑剤を製造するための基油として数年間、使用されている。
【0003】
この製品の合成に使用される方法は、通常、一価または二価のアルコラートから出発して、エチレンオキシドをプロピレンオキシドと一緒にアニオン重合することである。
【0004】
機能液は、所定の用途の要件に適合させるために多重の機能を提供する液体として定義されてよい。1つの用途は、1つの機能、例えば潤滑または熱伝達に適合させることに重点を置くことが必要とされている一方で、機能液は、次のことを含めた他の適用要件を成し遂げることが期待されている:送電、腐食防止、電気絶縁、低い流動点、高い粘度指数、分解時の最少の残留炭質物、非汚染、色形成、酸化物安定性および熱安定性、加水分解安定性、低い水毒性および生物分解性。
【0005】
ポリグリコールとしても知られているポリアルキレングリコールは、高い酸素含量により特有の性質を有する。このポリアルキレングリコールは、金属表面上に吸着される優れた潤滑剤である。モノマーの型および割合を変えることにより、モノマーの構造は、水溶性であることができるかまたは水不溶性であることができる。前記モノマーは、水溶性であることができる唯一の潤滑剤である。
【0006】
ポリグリコールは、第二次世界大戦の末期に開発され、液圧管路が銃弾またはりゅう散弾によって貫通された場合であっても点火されない水性作動液に使用されることが直ちに見い出された。
【0007】
数多くの他の用途は、ブレーキ液、エンジン潤滑剤、ゴムおよび離型用滑剤を含むことが直ちに鑑定された。エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダムコポリマー、最も好ましくはモノアルキルエーテルポリマーは、殊に良好な潤滑剤基礎原料であることが見い出された。
【0008】
潤滑剤としての前記ポリグリコールコポリマーの主要な利点は、高い粘度指数(即ち、粘度の低温依存性)、低温での低い粘度、摩擦/耐摩耗性添加剤の添加なしでも低い摩擦係数、エチレンオキシド/プロピレンオキシド比の選択によって制御されるコポリマーの水溶性度の確立(高い混濁点によって特徴付けられる)、耐蝕性および静電気防止性および極めて低い流動点である。更に、前記ポリグリコールコポリマーの熱分解は、残留物を生じない。40:60〜60:40の範囲内のエチレンオキシドモノマーとプロピレンオキシドモノマーとの質量比を有する線状コポリマーは、特に有利であることが証明された。一面で、前記コポリマーは、−30℃未満の極めて低い流動点、良好な水溶性(50℃を上廻る混濁点)および極めて高い粘度指数(250より大きい)を有する。
【0009】
幾つかのポリアルキレングリコールは、高い急性肺毒性を示すことが刊行物(ECETOC, European Centre for Ecotoxicology and Toxicology of Chemicals, Technical Report No. 55, Pulmonary Toxicity of Polyalkylene Glycols, Brusselss, December 1997, ISSN-0773-8072-55)から公知である。前記製品の中で、殊に好ましいのが、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを約50:50の質量比で含有する、ブタノール開始剤によるポリアルキレングリコールである。この毒性は、質量が増加するにつれて増大する。従って、例えばエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを50:50の質量比で含有するモノブトキシエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーは、約4000g/molの分子量で106mg/m3だけの低いLC50値によって特徴付けられる高いエアロゾル毒性を示した。また、4000g/molの分子量を有する、ジオール開始剤による50:50EP/POランダムポリマーは、350mg/m3のむしろ低いLC50値を示した。エアロゾルの前記の高い毒性は、前記の線状コポリマーの加工業者および使用者にとってエアロゾルからヒトを保護するために、複雑化された技術的算定基準、例えばプラントを簡約化することが必要とされた。
【0010】
前記製品を交換するための複雑な方法は、全く異なる化学薬品に変えることである。米国特許第2001/0031855号明細書には、少なくとも4個のOH基を有するアルコールから出発して、中心枝分れおよび40:60〜60:40のエチレンオキシド/プロピレンオキシド質量比を有する、ポリオール開始剤によるエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーが流動点、水溶性および粘度指数に関連して顕著な性質を有し、同時にエアロゾルへの暴露時に非毒性であることが教示されている。この教示は、加工業者にとってプラントの簡約化およびエアロゾルからのヒトの保護についての複雑化された技術的算定基準を回避させる。しかしながら、米国特許第2001/0031855号明細書に記載の製品の欠点は、この製品が新規の配合を必要とし、常にブタノール開始剤による製品が使用される場合に用途の満足な結果を必ずしも示さないことである。
【0011】
従って、本発明の目的は、モノオール開始剤またはジオール開始剤で開始されるにも拘わらず、エアロゾル形成時に毒物学的潜在性を有しない、潤滑剤のための基油として適しているアルキレンオキシドコポリマーを提供することである。
【0012】
この目的は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるアルキレンオキシドコポリマーによって達成され、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有することが見い出された。このコポリマーは、一般にOECDガイドライン法(Guideline method)403により測定された、1000mg/m3(4時間)を上廻るLC50値を示す。このコポリマーは、好ましくは、DMC触媒の存在下で得られる。
【0013】
それ故に、一面で、本発明は、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができる有効量のコポリマーを機能液中に配合することにより、機能液の吸入毒性を減少させる方法に関し、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有する。
【0014】
本発明によるコポリマーの不飽和度は、好ましくは、0.008meq/g未満、よりいっそう好ましくは0.005meq/g未満である。不飽和度は、ヨウ素価を測定することにより定められる(Kaufmann, DGF-C-V 116による)。この方法は、I2 g/ポリエーテル100gでヨウ素価を生じる。I2 1g/100gの値は、I2 0.0394mmol/g=0.0394meq/gに相当する。
【0015】
好ましい機能液は、工業用潤滑剤、自動車用潤滑剤、船舶用潤滑剤および航空機用潤滑剤である。
【0016】
意外なことに、約0.01meq/g未満の不飽和度を有する本発明によるコポリマーは、特に低い肺毒性を示すことが見い出された。本発明によるコポリマーのLC50は、好ましくは1500mg/m3より大きく、よりいっそう好ましくは2000mg/m3より大きい。本発明によるコポリマーのLC50は、5000mg/m3と同じ高さであってもよいし、よりいっそう高くともよい。
【0017】
LC50は、次の全く同様の試験方法の中の1つによって測定される:OECD ガイドライン法 403;U.S. EPA ガイドライン(Guideline) OPPTS 870.1300;EU ガイドライン92/69/EECおよび93/21/EEC:"ウィンスター・ラッツにおける急性吸入毒性研究(Acute Inhalation Toxicity Study in Winstar Rats)"(4時間の液体エアロゾル暴露で)。
【0018】
本発明によるアルキレンオキシドコポリマーは、一般に無水機能液の全質量に対して75〜99質量%の量で機能液中に配合される。
【0019】
本発明によるアルキレンオキシドコポリマーは、開始剤としてのモノオールまたはジオールを用いて開始される。モノオール開始剤は、好ましくは、C1〜C18モノアルコールであるかまたは1〜20個のオキシアルキレン単位を含有するC1〜C18モノアルコールのポリオキシアルキレンモノエーテルである。好ましいオキシアルキレン単位は、オキシエチレン単位および/またはオキシプロピレン単位である。開始剤モノオールとして使用されるポリオキシアルキレンモノエーテルは、共重合工程よりも先に別々の工程でC1〜C18モノアルコールをアルカリ金属触媒、例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、酸性触媒、例えば鉱酸、ルイス酸触媒、例えば三フッ化ホウ素または下記に記載されたようなDMC触媒の存在でアルコキシル化することによって得ることができる。
ジオールは、開始剤として使用されてもよい。好ましい例は、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールである。
【0020】
よりいっそう好ましくは、モノオール開始剤は、n−ブタノール、イソブタノール、2−エチルヘキサノール、2−プロピルヘプタノール、ブチルグリコール、ブチルジエチレングリコール、ブチルトリエチレングリコール、ブチルプロピレングリコール、ブチルジプロピレングリコール、ブチルトリプロピレングリコール、メチルジグリコール、メチルトリグリコール、メチルジプロピレングリコール、メチルトリプロピレングリコール、メタノール、エタノール、ヘキサノール、イソノナノール、デカノール、2−ブチルオクタノール、オレイルアルコール、オクタデカノール(例えば、ステアリルアルコール)、イソノナデカノールおよびC4〜C8−アルコール(枝分れ度DOB0.1未満)、C6〜C10−アルコール(DOB0.1未満)、C10〜C18−アルコール(DOB0.1未満)、C12〜C16−アルコール(DOB0.1未満)、C12〜C14−アルコール(DOB0.1)、C16〜C18−アルコール(DOB0.1)、C9〜C11−アルコール(DOB0.2)、C12〜C15−アルコール(DOB0.2)、C12〜C13−アルコール(DOB0.3〜0.5)、C1〜C15−アルコール(DOB0.3〜0.5)、C13〜C15−アルコール(DOB0.4〜0.6)、イソトリデカノール(DOB1.3〜1.7)、C16+−アルコール(DOB1.5〜2.0)、イソデカノール(DOB2.0〜2.5)、イソトリデカノール(DOB2.0〜2.5)およびイソトリデカノール(DOB3.2〜3.8)の通常使用される混合物から構成されている群から選択される。枝分れ度(DOB)は、1分子当たりのメチル基の数から1を引いた数として定義されている。厳格にエタノールのような線状アルコールは、1分子当たり1個のメチル基を有し、したがって0の枝分れ度を有する。枝分れ度は、NMR分析によって測定されることができる。
【0021】
特に好ましい開始剤は、n−ブタノールである。
【0022】
本発明によるアルキレンオキシドコポリマーは、ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーであることができる。好ましいのは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーであり、特に好ましいのは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドランダムコポリマーである。オキシエチレン/オキシプロピレン質量比は、一般に10:90〜90:10、好ましくは25:75〜75:25、よりいっそう好ましくは40:60〜60:40である。
【0023】
エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドの共重合は、好ましくはDMC触媒の存在で実施される。
【0024】
調製された適当なDMC触媒は、式(I)、
M1a[M2(CN)b(A)c]d fM1gn h(H2O) eL (I)
〔式中、
1は、Zn2+、Fe2+、Co3+、Ni2+、Mn2+、Co2+、Sn2+、Pb2+、Mo4+、Mo6+、Al3+、V4+、V5+、Sr2+、W4+、W6+、Cr2+、Cr3+、Cd2+、Hg2+、Pd2+、Pt2+、V2+、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Cu2+から構成されている群から選択された金属イオンであり、
2は、Fe2+、Fe3+、Co2+、Co3+、Mn2+、Mn3+、V4+、V5+、Cr2+、Cr3+、Rh3+、Ru2+、Ir3+から構成されている群から選択された金属イオンであり、M1およびM2は、同一かまたは異なり、
Aは、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、シアン化物、チオシアン酸塩、イソシアン酸塩、シアネート、カルボキシレート、オキサレートまたはニトレートから構成されている群から選択されたアニオンであり、
Xは、ハロゲン化物、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、シアン化物、チオシアン酸塩、イソシアン酸塩、シアネート、カルボキシレート、オキサレートおよびニトレートから構成されている群から選択されたアニオンであり、
Lは、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、ポリエーテル、エステル、ポリエステル、ポリカーボネート、尿素、アミド、ニトリルおよび硫化物から構成されている群から選択された水混和性配位子であり、
および
a、b、c、d、gおよびnは、前記化合物が電気的に中性であるように選択され、
eは、配位子の配位数であり、0.35より大きいかまたは0.35に等しい分数または整数であり、
fは、0より大きいかまたは0に等しい分数であるかまたは整数であり、
hは、0より大きいかまたは0に等しい分数または整数である〕を有し、この場合式(I)の多重金属シアン化物化合物は、好ましくは結晶性である。
【0025】
この場合、好ましくは、M1がZn(II)であり、かつM2がCo(III)であるような結晶性多重金属シアン化物化合物が記載される。前記の好ましい種類の多重金属シアン化物化合物は、以下、亜鉛ヘキサシアノコバルテートと呼称される。
【0026】
更に、亜鉛ヘキサシアノコバルテートの種類の中には、特に好ましい式(I)の実施態様が存在する。
【0027】
特に好ましくは、アニオンXがホルミエート、アセテートまたはプロピオネートであり、fが0より大きく、ドイツ連邦共和国特許第19742978号明細書中に記載されているようなX線回折パターンを有する結晶性多重金属シアン化物化合物が記載される。更に、この化合物の中で好ましくは、アニオンXがアセテートであるような化合物、殊に単斜結晶系で結晶化するような化合物である。
【0028】
更に、M1がZn(II)であり、M2がCo(III)であり、Xがアセテートであり、単斜結晶系を有するような前記多重金属シアン化物化合物の中で、一次結晶の形態に関連して好ましい実施態様が存在する。好ましくは、小板の形の多重金属シアン化物化合物、即ち一次微結晶の長さおよび幅が一次微結晶の厚さの少なくとも3倍の大きさであるような多重金属シアン化物化合物が記載される。
【0029】
DMC触媒を製造するための好ましい製造法は、少なくとも次の2つの工程を有する:
(a)金属塩とシアノメタレート化合物との反応による多重金属シアン化物相、以下、前駆体相と呼称する、の沈殿(沈殿工程)、および
(b)多重金属シアン化物前駆体を再結晶化し、この前駆体を望ましい触媒活性多重金属シアン化物相、以下、触媒相と呼称される、に変換すること(再結晶化工程)。
【0030】
多重金属シアン化物相は、特殊な結晶構造を有する多重金属シアン化物化合物である。
【0031】
多重金属シアン化物前駆体相の沈殿は、刊行物の記載と同様に、金属塩M1、但し、この場合M1、X、gおよびnは、式Iの定義と同様である、の水溶液を、式Bx[M2(CN)b(A)c2、但し、この場合Bは、アルカリ金属、アルカリ土類金属および/または水素であり、M2、A、bおよびcは、式Iの定義と同様であり、xおよびzは、零より大きい数である、の少なくとも1つのシアノメタレート化合物を有するシアノメタレート水溶液と化合させることによって実施される。Bは、欧州特許第862947号明細書の記載と同様に好ましくは水素である。
【0032】
上記の好ましい多重金属シアン化物触媒相に相応して、好ましい金属塩は、カルボン酸亜鉛、殊に蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛およびプロピオン酸亜鉛である。
【0033】
更に、水溶液の1つまたは2つは、望ましい場合には、さらに上記種類の物質またはWO 98/16310、第6頁、第13〜26行の記載と同様の物質および/または少なくとも1つの界面活性剤から選択された少なくとも1つの有機配位子Lを有することができる。使用される界面活性剤は、殊にアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤および/または高分子量界面活性剤であることができる。
【0034】
殊に、非イオン界面活性剤および/または高分子量界面活性剤が使用される。前記群の中で、特に好ましくは、脂肪アルコールアルコキシレート、異なる親水性を有する種々のエポキシドのブロックコポリマー、ヒマシ油アルコキシレートまたはエポキシドと他のモノマー、例えばアクリル酸またはメタクリル酸とのブロックコポリマーが記載される。使用される物質は、水中で中程度ないし良好な可溶性を有するべきである。
【0035】
脂肪アルコールアルコキシレートは、脂肪アルコール、好ましくは8〜36個の炭素原子、殊に10〜18個の炭素原子を有する脂肪アルコールをエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドと反応させることによって製造されることができる。脂肪アルコールアルコキシレートのポリエーテル部分は、純粋なエチレンオキシドポリエーテル、プロピレンオキシドポリエーテルまたはブチレンオキシドポリエーテルから構成されていてよい。2つまたは3つの異なるアルキレンオキシドのコポリマーまたは2つまたは3つの異なるアルキレンオキシドのブロックコポリマーも可能である。純粋なポリエーテル鎖を有する脂肪アルコールアルコキシレートは、例えばBASF AG社からのLutensol(登録商標)AOおよびLutensol(登録商標)TOである。ポリエーテル部分としてのブロックコポリマーを有する脂肪アルコールアルコキシレートは、BASF AG社からのPlurafac(登録商標)LF製品である。ポリエーテル鎖は、特に有利に2〜50個、殊に3〜15個のアルキレンオキシド単位から構成されている。
【0036】
界面活性剤としてのブロックコポリマーは、異なる親水性を有する2つの異なるポリエーテルブロックを有する。可能であるブロックコポリマーは、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを有することができる(Plironic(登録商標)製品、BASF AG社)。水中での可溶性は、種々のブロックの長さにより制御される。前記化合物の分子量は、通常、500Da〜20000Da、有利に1000Da〜6000Da、殊に1500〜4000Daの範囲内にある。エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーの場合には、エチレンオキシド含量は、5〜50質量%であり、プロピレンオキシド含量は、50〜95質量%である。
【0037】
他のモノマーを有するアルキレンオキシドコポリマーは、有利にエチレンオキシドブロックを有する。他のモノマーは、例えばブチルメタクリレート(PBMA/PEO BE1010/BE1030, Th. Goldschmidt)、メチルメタクリレート(PMMA/PEO ME1010/ME1030, Th. Goldschmidt)またはメタクリル酸(EA-3007, Th. Goldschmidt)であることができる。
【0038】
界面活性化合物は、一般に、多重金属シアン化物化合物の構造中に配合されてもいないし、錯体の形で結合されてもおらず、多重金属シアン化物化合物が調製された後に洗浄除去されることができる。
【0039】
シアノメタレート水溶液は、有利に0.1g/l〜100g/l、有利に1g/l〜20g/l、特に有利に5g/l〜15g/lの含量を有する。
【0040】
金属塩溶液のM1含量は、金属塩溶液の質量に対して0.1質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜5質量%である。
【0041】
製造方法の1つの好ましい実施態様において、沈殿工程は、最初にシアノメタレート溶液を装入し、金属塩溶液を添加することによって実施される。金属塩溶液の量は、多重金属シアン化物前駆体相が製造され得る程度に選択される。
【0042】
沈殿工程における温度は、好ましくは20〜95℃、殊に35〜80℃の範囲内にある。金属塩溶液は、好ましくは5分間ないし5時間、殊に30分間ないし3時間に亘って計量供給される。
【0043】
沈殿工程でのM1:M2の比は、望ましい前駆体化合物に応じて1:1〜3:1である。M1がZn(II)であり、M2がCo(III)であり、かつXが蟻酸塩、酢酸塩またはプロピオン酸塩、有利にXが酢酸塩であり、単斜晶系を有するようなものであるような多重金属シアン化物化合物の製造において、立方晶系結晶系中で結晶化する亜鉛ヘキサシアノコバルテート相は、本発明によれば、沈殿工程で沈殿される。この場合、M1:M2比は、好ましくは1.5:1である。
【0044】
更に、実際に望ましい多重金属シアン化物触媒相は、上記の記載と同様に第2の処理工程で製造され、これは、再結晶化工程とも呼称される。この再結晶化工程は、第1の処理工程、即ち沈殿工程に直ちに継続することができる。しかし、沈殿工程および再結晶化工程は、互いに空間的および/または時間的に分離されていてもよい。
【0045】
再結晶化工程において、沈殿工程で製造された多重金属シアン化物前駆体相は、再結晶化され、適当な条件によって望ましい結晶構造を有する多重金属シアン化物化合物を形成する。
【0046】
勿論、第1工程後または第2工程後に存在する多重金属シアン化物化合物相は、少なくとも1つの測定可能な性質、例えば組成、X線回折パターン、形態、粒径または凝集の点で区別されなければならない。
【0047】
再結晶化に適した条件を設定するために、例えば沈殿懸濁液の温度および/またはpHおよび/またはM1:M2比は、変性される(金属塩溶液および/またはシアノメタレート溶液の添加によって)。M1:M2比の変化は、M1およびM2の絶対濃度の変化をも導き得る。M1:M2比を変化させるために添加される溶液は、水混和性物質、例えば配位子Lおよび/または界面活性剤を含有していてもよい。更に、付加的な水混和性物質、例えば配位子Lおよび/または界面活性剤は、沈殿工程と再結晶化工程との間で添加されることができる。
もう1つの実施態様において、多重金属シアン化物前駆体相を沈殿懸濁液から分離し、生じた固体を再結晶のために再懸濁させることが可能である。
【0048】
更に、沈殿および再結晶化で使用される金属塩溶液は、同一のものであってはならない。前記の金属塩溶液は、金属塩で区別されてもよいし、配位子Lおよび/または界面活性剤の濃度または可能な添加量で区別されてもよい。これは、同様にシアノメタレート溶液に適用される。本発明による方法の前記実施態様において、多重金属シアン化物化合物中の金属は、部分的に交換されていてよい。
【0049】
再結晶化において、沈殿工程からの化合物は、水中に再懸濁され、最初に装入され、M1:M2比の変化が再結晶化に必要な場合には、適当な量の金属塩溶液またはシアノメタレート溶液が添加されるかまたは金属塩溶液またはシアノメタレート溶液は、最初に装入され、液体中に分散された多重金属シアン化物前駆体が添加される。この添加は、2分間ないし5時間、好ましくは15分間ないし2時間を必要としうる。
【0050】
再結晶化において使用される温度は、20℃〜95℃、好ましくは40℃〜90℃の範囲内にある。再結晶化における温度は、一般に沈殿における温度とは区別される。しかしながら、沈殿も再結晶化も双方とも同じ温度で実施されるべきであり、これは、プロセス工学的理由から好ましい。
【0051】
再結晶化におけるM1:M2比は、1:10〜10:1であることができるが、しかし、好ましいのは、1.5:1〜3:1である。
【0052】
1がZn(II)であり、M2がCo(III)であり、Xが酢酸塩であり、単斜晶系結晶構造を有し、立方晶系前駆体相の再結晶化によって製造される、好ましい多重金属シアン化物触媒相を製造する場合には、再結晶化におけるM1:M2比は、1.9:1より大きく、好ましくは2:1〜3:1の範囲内にある。この場合、酢酸亜鉛は、金属塩として使用される。
【0053】
この好ましい多重金属シアン化物触媒相の一次微結晶を小板の形で得るために、脂肪アルコールアルコキシレート、好ましくは脂肪アルコールエトキシレート、またはエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーは、好ましくは界面活性剤として添加される。界面活性剤は、沈殿工程で添加されてもよいし、再結晶化工程で添加されてもよい。界面活性剤は、好ましくは沈殿工程後および再結晶化工程前に添加される。
【0054】
再結晶化の経過は、パラメーターの変化が巨視的に測定可能である場合には、測定を継続させることができる。このようなパラメーターは、pHまたは固体の表面積であることができる。固体の表面積の変化には、光散乱を継続させることができる。
【0055】
本発明により製造された多重金属シアン化物触媒は、極めて低い程度の凝集を有する。粒子の90%は、0.1μm〜100μmの範囲内、好ましくは0.1μm〜30μmの範囲内、特に好ましくは0.1μm〜20μmの範囲内の粒径(これは、レーザー光散乱によって測定されうる)を有する。本発明による触媒は、20μm未満、好ましくは15μm未満、殊に10μm未満の測定された粒径分布のX50値を有する。
【0056】
本発明によるアルキレンオキシドランダムコポリマーは、最初に攪拌された反応体をモノオール開始剤およびDMC触媒と一緒に装入し、触媒を開始剤中に分散させることによって製造されることができる。反応器含量は、好ましくは高められた温度でデシケーターで乾燥され、この反応器は、その後に不活性ガスでパージされる。次に、アルキレンオキシド、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドは、同時に好ましくは110〜150℃の温度で添加される。アルキレンオキシドの添加が終結した後、反応は、有利に一定の圧力に到達するまで継続される。反応混合物は、冷却され、反応器は、窒素でパージされ、最終的に排気される。触媒は、濾過によって生成物から除去されてよいし、触媒は、生成物中に残留していてよい。触媒の除去のために、生成物は、溶剤、例えばトルエン、アセトンまたは酢酸エチルで希釈されてよく、溶剤は、触媒が濾別された後に蒸発されてよい。
【0057】
反応器への最初の装入量は、溶剤中、例えばトルエン中の触媒懸濁液または溶剤中の触媒およびモノオール開始剤またはジオール開始剤の懸濁液であってもよい。アルキレンオキシドの添加中に、モノオール開始剤またはジオール開始剤の或る程度の量、典型的には40〜95%は、同時に添加されてよい。
【0058】
本発明による好ましいコポリマーは、DIN 51562により測定された、20mm/秒より高い、好ましくは80mm/秒より高い、よりいっそう好ましくは80〜2500mm/秒より高い、50℃での粘度を有する。ASTM D2270−74により測定された200より大きい粘度指数は、同様に好ましい。更に、好ましい実施態様において、前記コポリマーは、DIN 51597により測定された、−30℃未満の流動点を有する。好ましいコポリマーは、800g/molより大きい、よりいっそう好ましくは2300g/molより大きい、特に好ましくは2300〜20000g/molの平均分子量Mwを有する。
【0059】
更に、本発明は、機能液配合物中への本発明によるアルキレンオキシドコポリマーの使用に関する。本発明によるアルキレンオキシドコポリマーは、殊に機能液配合物中に使用され、機能液配合物の吸入毒性を減少させる。
【0060】
本発明によるコポリマーが使用されている好ましい機能液は、工業用潤滑剤、自動車用潤滑剤、船舶用潤滑剤および航空機用潤滑剤である。本発明によるコポリマーが使用されている機能液は、殊に繊維生産のための潤滑剤、水圧液、ギヤー油、コンプレッサー液、タービン油、金属加工液、グリース、軸受け潤滑剤、ワイヤー潤滑剤およびエンジンオイルである。本発明によるコポリマーが使用されている特殊な機能液は、冷却剤液および繊維生産のための潤滑剤、無水液圧液、水性グリコール水圧液、金属加工液、歯車用潤滑剤、圧縮機用潤滑剤、冷凍機用潤滑剤、ミル用潤滑剤およびカレンダー用潤滑剤、ブレーキ液、4ストロークエンジンオイル、2サイクルエンジン用潤滑剤、マンドレル用潤滑剤またはゴムをベースとするエラストマーを処理するための離型潤滑剤、グリース潤滑剤および汎用トランスミッション潤滑剤である。
【0061】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、繊維生産のための低い吸入毒性の潤滑剤に関する。
【0062】
アルキレンオキシドコポリマーは、繊維生産のための紡糸仕上げ加工において重要な役割を演じる。前記のアルキレンオキシドコポリマーは、主にフィラメント糸の製造に使用される。2つの目的は、紡糸仕上げ加工用配合物にとって最も重要である:このアルキレンオキシドコポリマーは、繊維の粘着を生じ、良好な繊維−金属の潤滑を提供する。更に、良好な紡糸仕上げ加工用配合物は、静電防止性および耐蝕性によって繊維生産における問題を回避させる。更に、殺菌剤および酸化防止剤のような添加剤は、通常、安定化のために添加されるかまたは繊維上での紡糸仕上げ加工用配合物の湿潤を改善するために添加される。
【0063】
ポリアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、紡糸仕上げ加工用配合物中で主要な成分として選択される。それというのも、このポルアルキレングリコールは、良好な潤滑性を示し、静電防止性および耐蝕性であるからである。前記のポルアルキレングリコールは、非揮発性であり、熱分解時に残留物を残留させず、繊維の編織をまねくことがない。繊維生産の後、ポルアルキレングリコールは、簡単に除去されることができる。それというのも、このポルアルキレングリコールは、良好な水溶性であるからである。通常、乳化剤が添加され、水中での溶解処理を補助する。
【0064】
繊維の生産の主要な問題は、通常の配合物に使用される、好ましい公知技術水準のポルアルキレングリコール、殊にブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーの高度な吸入毒性と結び付いた、高速な生産によって引き起こされたエアロゾルの形成であった。本発明による潤滑剤は、吸入毒性の前記問題を回避させる。それというのも、この潤滑剤は、低い吸入毒性を有するコポリマーをベースとしているからである。
繊維生産に好ましい低い吸入毒性の潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー65〜95質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)乳化剤、例えば脂肪アルコールアルコキシレート、ヒマシ油エトキシレートまたは脂肪アミンエトキシレート3〜20質量%;
c)静電防止剤、例えば硫酸塩、スルホン酸塩またはベタイン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えばホスホン酸塩またはオレイルサルコシネート0〜5質量%;
e)さらに添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、殺菌剤または湿潤剤0〜5質量%を含有する。
【0065】
好ましくは、繊維生産のための低い吸入毒性を有する潤滑剤は、成分c)〜e)をそれぞれ少なくとも0.01質量%の量で含有する。
配合物は、水で希釈され、したがって最終的な水性配合物は、水10%〜90%を含有する。
【0066】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する水圧液に関する。
【0067】
水圧系は、しばしば毎日の生活の全ての面で使用されている。ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、液圧液中での基礎原料および成分として使用され、それというのも、このランダムコポリマーは、優れた潤滑性を有するからである。このランダムコポリマーは、ポリマーの種類として鉱油液よりも耐火性であり、したがって工業上、殊に耐火性液圧液配合物中に使用され、この場合には、一定の添加源、例えば鉄鋼生産およびアルミニウムダイカストが存在する。
【0068】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する無水の液圧液は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、好ましくは90〜97質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、ジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸およびそのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%、好ましくは0.3〜2質量%;
f)他の添加剤、例えば分散剤、封止膨潤向上剤、消泡剤、安定剤および染料0〜5質量%、好ましくは0.2〜2質量%を含有する。
【0069】
好ましい低い吸入毒性を有する水性グリコール液圧液は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー30〜60質量%、好ましくは35〜50質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)グリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコール0〜40質量%、好ましくは0〜20質量%;
c)水20〜45質量%、好ましくは25〜40質量%;
d)ポリアルキレン増粘剤、例えばトリメチロールプロパン開始剤によるエチレンオキシド−プロピレンオキシドヘテロポリマー0〜15質量%、好ましくは2〜10質量%;
e)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
f)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
g)耐蝕剤、例えば有機酸およびそのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸およびアルキルアミン0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%;
h)境界潤滑剤、例えばカルボン酸および脂肪アミン0〜5質量%、好ましくは0.8〜3質量%;
i)他の添加剤、例えば消泡剤および染料0〜5%、好ましくは0.2〜1質量%を含有する。
【0070】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する金属加工液に関する。
【0071】
ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、水溶性金属切削液および研削液に成果を収めて使用された基礎液であった。前記のランダムコポリマーは、成形作業、例えば型押し、圧延および引抜における潤滑剤としても使用された。金属加工作業は、逆溶解性であるポルアルキレングリコールの独特の性質の利点を取る。これは、溶液の温度が増加した場合にポリマーがよりいっそう少ない溶解性になることを意味します。ポルアルキレングリコールポリマーが熱い金属と接触した場合には、このポルアルキレングリコールポリマーは、溶液から離れ、優れた潤滑性を備えた濃縮フィルムで金属部分を被覆する。
【0072】
本発明による好ましい金属加工液は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー25〜55質量%、好ましくは30〜45質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)水35〜65質量%、好ましくは45〜60質量%;
c)金属不動態化剤および耐蝕剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール5〜26質量%、好ましくは10〜20質量%;
d)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、アルキルホスフェート、アリールホスフェートおよびカルボン酸0〜5質量%、好ましくは0.3〜2質量%;
f)他の添加剤、例えば分散剤、消泡剤および安定剤0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%を含有する。
【0073】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する歯車用潤滑剤に関する。
【0074】
固有の歯車用潤滑剤は、トランスミッションの固有のメインテナンスのために不可欠である。ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、必要とされる添加剤と配合した場合に、極めて良好な潤滑性、安定性およびトランスミッション耐用寿命を提供する。ブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーをベースとする配合物は、幅広の粘度範囲のために、らせん形歯車、ヘリングボーン歯車、かさ歯車、曲がり歯かさ歯車、平歯車およびウォーム歯車への用途に成果を収めて使用された。
【0075】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する歯車用潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、好ましくは90〜97質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%、好ましくは0.2〜2質量%;
f)分散剤、消泡剤および安定剤を含む他の添加剤0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%を含有する。
【0076】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する圧縮機用潤滑剤に関する。
【0077】
ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、配合された圧縮機用潤滑剤のための基礎液として使用されている。この配合物は、高い温度安定性、潤滑性および耐スラッジ性のために、ヘリウム、水素、窒素、二酸化炭素、天然ガスおよびエチレンを含む用途のために遠心圧縮機、往復圧縮機、滑り羽根型圧縮機および回転スクリュー型圧縮機に使用される。
【0078】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する圧縮機用潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、好ましくは90〜97質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
f)他の添加剤、例えば分散剤、ポリジメチルシロキサンおよびポルアルキレングリコールを含めた消泡剤添加剤および安定剤0〜5質量%を含有する。
【0079】
好ましくは、本発明による低い吸入毒性を有する圧縮機用潤滑剤は、成分d)〜f)をそれぞれ少なくとも0.01質量%の量で含有する。
【0080】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する冷凍機用潤滑剤に関する。
【0081】
1987年のモントリオール議定書の記載は、地球のオゾン層に対する不利な効果にもとづくクロロフルオロカーボンの使用を段階的に廃止することを開始した。自動車の空調において、冷媒R−134aは、非オゾン枯渇代替品として選択された。自動車の空調ユニットにおいて、潤滑剤は、冷媒を有する系を通じて移動する。ブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、R−134a中で可溶性であり、この可溶性および優れた潤滑性の故に、自動車の空調用潤滑剤のための基礎原料として広範囲に使用されている。
【0082】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する冷凍機用潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、好ましくは90〜97質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、ジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエンおよびフェノチアジンを含めた有機アミンおよびヒンダードフェノール0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート、例えばトリクレアシルホスフェート0〜5質量%、好ましくは0.2〜2質量%;
f)消泡添加剤、例えばポリジメチルシロキサンおよびポリアルキレングリコール0〜2質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%;
g)安定剤、例えばネオプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルおよび脂環式エポキシ化合物0〜5質量%、好ましくは1〜3質量%;
h)他の添加剤、例えば粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄剤および分散剤0〜5質量%、好ましくは2〜4質量%を含有する。
【0083】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有するミル用潤滑剤およびカレンダー用潤滑剤に関する。
【0084】
繊維工業、ゴム工業、製紙工業およびプラスチック工業において、大型のミルおよびカレンダーが使用されており、ジャーナルおよび減摩軸受の潤滑が必要とされる。前記の潤滑剤は、150℃を上廻る温度で作業しなければならない。ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、熱分解の際に揮発性化合物を形成し、炭素質残留物を、固有の潤滑性能を阻止しうる鉱油として形成しない。
【0085】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有するミル用潤滑剤およびカレンダー用潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、好ましくは90〜97質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%、好ましくは0.2〜2質量%;
f)分散剤、消泡剤、安定剤、粘度指数向上剤および清浄剤を含む他の添加剤0〜5質量%、好ましくは1〜4質量%を含有する。
【0086】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有するDOT3ブレーキ液に関する。
【0087】
ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、潤滑性、熱安定性および酸化物安定性の故に、DOT3ブレーキ液配合物に適した基礎液である。
【0088】
好ましい低い吸入毒性を有するDOT3ブレーキ液は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー50〜99質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)グリコールエーテル、例えばメチルトリエチレングリコールエーテルおよびブチルトリエチレングリコールエーテル0〜30質量%;
c)グリコール、例えばトリエチレングリコール0〜20質量%;
d)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
e)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
f)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
g)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
h)他の添加剤、例えば消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄剤および分散剤0〜5質量%を含有する。
【0089】
好ましくは、本発明による低い吸入毒性を有するDOT3ブレーキ液は、成分b)〜h)をそれぞれ少なくとも0.01質量%の量で含有する。
【0090】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する4ストロークエンジンオイルに関する。
【0091】
ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、鉱油液が高い作業温度で作業する場合に、優れた潤滑性、熱的安定性および酸化物安定性、および耐スラッジ形成性および耐炭素質残留物形成性を完成潤滑剤に提供する、4ストロークエンジンのための潤滑剤配合物中での基礎液として使用されてよい。また、前記ポリマーをベースとする配合物は、ポリα−オレフィンをベースとする合成エンジンオイルよりも良好な潤滑性を示す。
【0092】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する4ストロークエンジンオイルは、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー85〜98質量%、好ましくは90〜97質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%;
e)清浄剤、例えばスルホン酸カルシウムおよびスルホン酸マグネシウム、サリチレート0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
f)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%、好ましくは0.3〜2質量%;
g)他の添加剤、例えば分散剤、消泡添加剤、摩擦改質剤および曇り防止剤0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%を含有する。
【0093】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する2サイクルエンジン用潤滑剤に関する。
【0094】
ポルアルキレングリコールをベースとする配合物、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーは、空冷二ストロークサイクルエンジンの潤滑に十分に適している。前記のポルアルキレングリコールポリマーの固有のクリーンバーンオフ(characteristic clean burn off)は、燃焼室の沈殿物およびスパークプラグの汚れに関連した問題を減少させる。ポルアルキレングリコール、好ましくはブタノール開始剤によるEO/POランダムコポリマーポリマーは、メタノールおよびメタノール/ニトロメタン混合物と完全に混和可能である。
【0095】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する2サイクルエンジン用潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー85〜98質量%、好ましくは90〜97質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%、好ましくは0.2〜1質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%、好ましくは0.5〜2質量%;
e)清浄剤、例えばスルホン酸カルシウムおよびスルホン酸マグネシウム、サリチレート0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%;
f)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%、好ましくは0.3〜2質量%;
g)他の添加剤、例えば分散剤、消泡添加剤、摩擦改質剤および曇り防止剤0〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%を含有する。
【0096】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有するマンドレル用潤滑剤または離型潤滑剤に関する。
【0097】
ポリグリコールは、大部分の天然ゴムおよび合成ゴムに対しして最小の膨潤効果を有する。ポリグリコールは、前記理由およびポリグリコールの優れた潤滑性のために、マンドレル用潤滑剤およびゴム用潤滑剤、その上、離型潤滑剤のための理想的な基礎原料である。多くの場合、潤滑剤は、水または幾つかの他の水溶性溶剤で希釈される。前記ポリグリコールの逆可溶性は、再使用のためのポリマーを回収するために水性系中で使用されてよい。
【0098】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有するマンドレル用潤滑剤または離型潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー90〜99質量%、好ましくは94〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばN−n−ブチル−パラ−アミノフェノール、N,N′−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%、好ましくは1〜3質量%;
c)他の添加剤、例えば消泡剤、清浄剤および安定剤0〜5質量%、好ましくは1〜3質量%を含有する。
【0099】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する冷却剤液に関する。
【0100】
冷却剤は、金属部分、特に鋼に特殊な性質を付与するために使用される。しかしながら、最も通常の2つの冷却剤は、水および鉱油であり、多数の用途のために、これら水および鉱油は、それぞれ金属を著しく急速に冷却するかまたは著しく遅速に冷却する。鉱油は、冷却速度の制限された変動可能性、煤煙放出、易燃性および廃棄問題といった付加的な欠点を有する。合成ポリマー冷却剤は、配合されて水と鉱油との間にある広範囲の冷却速度を生じうる。ポルアルキレングリコールをベースとする冷却剤配合物は、最も幅広く使用されている高分子量冷却剤であり、それというのも、この高分子量冷却剤の冷却性能は、減少された亀裂応力および残留応力を提供し、付加的に耐火性である。
【0101】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する冷却剤液は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー1〜35質量%、好ましくは5〜15質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)水65〜95質量%、好ましくは82〜94.5質量%;
c)耐蝕剤、例えば有機酸、アルキルアミン、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、およびコハク酸誘導体0〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%;
d)他の添加剤、例えば分散剤、消泡剤および安定剤0〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%を含有する。
【0102】
更に、本発明は、低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有するグリース潤滑剤に関する。
【0103】
グリースは、潤滑剤が必要とされる領域内に保持されなければならない用途に使用され、液体潤滑剤にとって不可能であるかまたは実施することができない特殊な用途に、このグリースは使用される。グリースの他の利点は、次のことを含む:飛散なし、殆んど常習的に使用されないこと、高価な封止を適用できること、取り扱いがよりいっそう簡易であること、表面に対してよりいっそう良好に付着すること、および騒音および振動を減少させることができること。ポリグリコールは、常用の優れたグリースを製造するために使用されうるが、しかし、水溶性グリースまたは耐鉱油性であるグリースを含めたポリグリコールの独特の性質の利点を取る特殊グリースを製造するために使用されうる。
【0104】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有するグリース潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー40〜85質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)ブタノール開始剤によるプロピレングリコール0〜45質量%;
c)増粘剤、例えばリチウム石鹸、カルシウム石鹸およびナトリウム石鹸、複合石鹸および処理されたベントナイト型アルミノ珪酸塩クレーおよび高度に分散された珪酸;
d)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
e)有機アミンおよびヒンダードフェノールを含めた酸化防止剤0〜5質量%;
f)耐蝕剤、例えばセバシン酸2ナトリウム、アルケニルコハク酸エステル、イミダゾリンおよびサルコシン誘導体、スルホン酸ナトリウムおよびスルホン酸カルシウム;
g)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、ジチオカルバメートおよびチアジアゾール0〜5質量%;
h)他の添加剤、例えば固体潤滑剤および粘着剤0〜5質量%を含有する。
【0105】
好ましくは、本発明による低い吸入毒性を有するグリース潤滑剤は、成分b)およびd)〜h)をそれぞれ少なくとも0.01質量%の量で含有する。
【0106】
更に、本発明は、規定された低い不飽和度を有する本発明によるコポリマーを含有する、低い吸入毒性を有する汎用トランスミッション潤滑剤に関する。
【0107】
農業用機械および作業用機械に使用される特殊な多目的潤滑剤は、この特殊な多目的潤滑剤が単独の溜めからブレーキ液およびトランスミッション液として機能する場合に汎用トラクタートランスミッションオイル(UTTOs)と呼称されている。ポリグリコールは、その低い流動点および高い粘度指数の故に、かかる液体のための優れた基礎原料である。また、水溶性ポリグリコール基礎原料の使用は、低い水毒性を有し、生分解性である。
【0108】
本発明による好ましい低い吸入毒性を有する汎用トランスミッション潤滑剤は、
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー85〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し;
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)ジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエンを含めた酸化防止剤0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール、およびアルキルアミン0〜5質量%;
e)清浄剤、例えばスルホン酸カルシウムおよびスルホン酸マグネシウム、サリチレート0〜5質量%;
f)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
g)他の添加剤、例えば分散剤、消泡添加剤、摩擦改質剤および曇り防止剤0〜5質量%を含有する。
【0109】
好ましくは、本発明による低い吸入毒性を有する汎用トランスミッション潤滑剤は、成分b)〜g)をそれぞれ少なくとも0.01質量%の量で含有する。
【0110】
更に、本発明の他の視点において、本発明によるアルキレンオキシドコポリマーは、ポリエーテルシロキサンの製造に使用される。この目的のために、アルキレンオキシドコポリマー(A)
R−O−(AO)n−H (A)
〔上記式中、Rは、モノアルコール開始剤の飽和された残分を表わし、この残分からヒドロキシル基は、除去され、(AO)nは、上記したようなアルキレンオキシドの共重合によって形成されたポリオキシアルキレン基を表わし、nは、1〜200の数を表わす〕は、ポリシロキサン(B)
R′1−O−(MeSiH)m−O−(Me2Si)o−O−R′2 (B)
〔上記式中、R′1およびR′2は、それぞれMe3Si、Me2SiH、MeSiH2またはSiCl基の任意の1つを表わし、mおよびnは、それぞれ互いに0〜200の数であり、この場合、少なくとも1つの他のSiH結合がポリシロキサン中に存在する場合にのみmは、0であることができる〕
またはポリシロキサン(C)
R′′1−O−(MeSiCl)m−O−(Me2Si)o−O−R′′2 (C)
〔上記式中、R′′1およびR′′2は、それぞれMe3Si、Me2SiCl、MeSiCl2またはSiCl3基の任意の1つを表わし、mおよびnは、それぞれ互いに0〜200の数であり、この場合、少なくとも1つの他のSiCl結合がポリシロキサン中に存在する場合にのみmは、0であることができる〕と反応され、ポリエーテルシロキサン(D)
R′′′1−O−(MeSi[(AO)n-O-R])m−O−(Me2Si)o−O−R′′′2 (D)
〔上記式中、R′′′1およびR′′′2は、それぞれMe3Si、Me2Si−[(AO)n−O−R]、MeSi−[(AO)n−O−R]2またはSi−[(AO)n−O−R]3基の任意の1つを表わし、mおよびnは、それぞれ互いに0〜200の数であり、この場合、少なくとも1つの他のSi−[(AO)n−O−R]基がポリシロキサン中に存在する場合にのみmは、0であることができる〕を生じる。
【0111】
生じるポリエーテルシロキサンDは、ドイツ連邦共和国特許第19816921号明細書;J. Henning, F. Muller, J. Reggau, "Silicontenside-Multitalent mit Ruckgrat", SOFW-Journal, 127.巻 1/2-2001, p.38以降; Bryant, Stewart, J. Cell. Plast, 1973, 9, p.99-102;および米国特許第2846458号明細書の記載と同様に、塗膜中のレベリング剤またはPUフォーム中での気泡安定剤として使用されてよい。
【0112】
本発明を次の実施例によって説明する:
実施例
例1
DMC触媒(WO 01/64772の記載による)の製造
ヘキサシアノコバルト酸水溶液1724g(9g/l、Pluronic(登録商標)PE6200:1.2質量%)を、ヘッシュ(Hoesch)型攪拌機、pHプローブおよび光散乱プローブを備えた3 lの攪拌型容器中に入れ、攪拌しながら60℃に加熱した。その後に、1 W/lの攪拌出力で攪拌しながら、同様に60℃に加熱した酢酸亜鉛二水和物水溶液1464g(亜鉛含量:2.6質量%、Pluronic(登録商標)PE 6200(BASF AG):酢酸亜鉛水溶液に対して1.2質量%)を20分間に亘り供給した。計量供給添加の終結時に採取した試料のX線回折分析は、得られた多重金属シアン化物化合物が立方晶構造を有することを示した。
【0113】
次に、こうして得られた沈殿懸濁液をさらに60分間60℃で攪拌した。この時間の間に、pHは、4.0から3.4に降下した。その後に、固体を濾別し、フィルター上でケーキ体積の12倍の水で洗浄した。
【0114】
レーザー光散乱により沈殿懸濁液中で測定された粒径のX50値は、7μmであった。
【0115】
湿ったフィルターケーキは、20.8質量%の多重金属シアン化物含量を有していた。こうして得られた固体のX線回折パターンは、単斜晶結晶系により索引を付けることができた。粒子の晶癖は、小板状であり、一次粒子は、弱く凝集されていた。
【0116】
例2
1−ブタノール250gおよびKOtBu4.1kgをオートクレーブ中に装入し、注意深く窒素で5回パージした。この反応混合物を130℃に加熱し、エチレンオキシド550gとプロピレンオキシド550gとの混合物をこの温度で16時間で添加した。揮発性の成分を蒸発させ、生成物をAmeberlite IR-120(Fluka)を用いての処理およびイオン交換体の濾過によって完成させた。KOH 141mg/gのOH価を有する僅かに黄色みを帯びた油1.2kgが得られた。
【0117】
例3
例2のブチルオリゴアルキレングリコール310gおよび例1からのDMC触媒680gをオートクレーブ中で2時間20ミリバールの圧力で100℃に加熱した。この反応混合物を窒素で3回パージし、次に130℃に加熱した。15時間以内に130℃に到達した後、プロピレンオキシド1205gおよびエチレンオキシド1205gを攪拌しながら同時に添加した。酸化物の添加が完了した後、この反応混合物を130℃で1時間攪拌し、窒素でパージし、最後に排気して20ミリバールにし、生成物約2.8kgを取得した。生成物を酢酸エチル中で希釈し、触媒を濾過によって除去し、溶剤を蒸発させた。
【0118】
分析データ:
DIN53240により測定されたOH価:KOH15mg/g、
38℃での動粘度:455mm2/秒、
不飽和度:I2 0.1g未満/100g(Kaufmannによる、DGF-C-V116);0.004meq/g未満。
【0119】
例4
ブチルジプロピレングリコール570gおよび例1からのDMC触媒518gをオートクレーブ中で2時間20ミリバールの圧力で100℃に加熱した。この反応混合物を窒素で3回パージし、次に130℃に加熱した。130℃に到達した後、プロピレンオキシド702gとエチレンオキシド798gとの混合物を22時間以内に攪拌しながら添加した。酸化物の添加が完了した後、この反応混合物を130℃で1時間攪拌し、窒素でパージし、最後に排気して20ミリバールにし、生成物約2.0kgを取得し、この生成物を例5で後処理なしに使用した。
【0120】
例5
例1からの生成物393gおよび例1からのDMC触媒727gをオートクレーブ中で2時間20ミリバールの圧力で100℃に加熱した。この反応混合物を窒素で3回パージし、次に130℃に加熱した。130℃に到達した後、エチレンオキシド1308gとプロピレンオキシド1599gとの混合物を5時間以内に攪拌しながら添加した。酸化物の添加が完了した後、この反応混合物を130℃で1時間攪拌し、窒素でパージし、最後に排気して20ミリバールにし、生成物約3.2kgを取得した。
【0121】
分析データ:
DIN53240により測定されたOH価:KOH9.3mg/g、
DIN51777により測定された含水量:0.02%、
DIN ISO 6271により測定された色:48APHA、
DIN ISO 7888により測定された導電率:17μS/cm、
水中の10質量%溶液のpH:6.5、
GPCにより測定された分子量:約6000g/mol、
23℃での動粘度:2484mPas、
DIN51562により測定された23℃での動粘度:2393mm2/秒、
DIN51562により測定された37.8℃での動粘度:942mm2/秒、
不飽和度:I2 0.1g未満/100g(Kaufmannによる、DGF-C-V116);0.004meq/g未満。
【0122】
OECDガイドライン法(Guideline method)403により測定されたLC50値:2.31mg/lを上廻る。
【0123】
例6
2−エチルヘキサノール65gおよび例1からのDMC触媒218gをオートクレーブ中で2時間20ミリバールの圧力で100℃に加熱した。この反応混合物を窒素で3回パージし、次に130℃に加熱した。130℃に到達した後、エチレンオキシド750gとプロピレンオキシド735gとの混合物を3.5時間以内に攪拌しながら添加した。酸化物の添加が完了した後、この反応混合物を130℃で1時間攪拌し、窒素でパージし、最後に排気して20ミリバールにし、生成物約1.5kgを取得した。
【0124】
分析データ:
DIN53240により測定されたOH価:KOH17mg/g、
38℃での動粘度:377mm2/秒、
不飽和度:I2 0.03g/100g(Kaufmannによる、DGF-C-V116);0.001meq/g。
【0125】
例7
ブチルジグリコール81gおよび例1からのDMC触媒90mgをオートクレーブ中で2時間20ミリバールの圧力で100℃に加熱した。この反応混合物を窒素で3回パージし、次に130℃に加熱した。130℃に到達した後、エチレンオキシド410gとプロピレンオキシド410gとの混合物を22時間以内に攪拌しながら添加した。酸化物の添加が完了した後、この反応混合物を130℃で1時間攪拌し、次に80℃に冷却し、窒素でパージし、最後に排気して20ミリバールにし、生成物約0.9kgを取得した。
分析データ:
DIN53240により測定されたOH価:KOH33mg/g、
38℃での動粘度:146mm2/秒、
不飽和度:I2 0.01g/100g(Kaufmannによる、DGF-C-V116);0.0004meq/g未満。
【0126】
例8
アルカリ触媒作用によって製造された、分子量900のポリプロピレングリコールであるPluriol(登録商標)P 900を本合成のために開始剤として使用した。
【0127】
Pluriol(登録商標)P 900 900gおよび例1からのDMC触媒836mgをオートクレーブ中で2時間20ミリバールの圧力で100℃に加熱した。この反応混合物を窒素で3回パージし、次に140℃に加熱した。140℃に到達した後、プロピレンオキシド1167gとエチレンオキシド1277gとの混合物を15時間以内に攪拌しながら添加した。酸化物の添加が完了した後、この反応混合物を130℃で1時間攪拌し、窒素でパージし、最後に排気して20ミリバールにし、生成物約3.3kgを取得し、この生成物を例9で後処理なしに使用した。
【0128】
例9
例8からの生成物1672gおよび例1からのDMC触媒306gをオートクレーブ中で2時間20ミリバールの圧力で100℃に加熱した。この反応混合物を窒素で3回パージし、次に140℃に加熱した。140℃に到達した後、エチレンオキシド638gとプロピレンオキシド584gとの混合物を3時間以内に攪拌しながら添加した。酸化物の添加が完了した後、この反応混合物を140℃で1時間攪拌し、次に100℃に冷却し、窒素でパージし、最後に排気して20ミリバールにし、生成物約2.9kgを取得した。この生成物を70〜80℃で濾過し、触媒を除去した。
分析データ:
生成物の外観:澄明な無色の液体、
水中での可溶性:明らか、
DIN53240により測定されたOH価:KOH18.8mg/g、
DIN51777により測定された含水量:0.1%、
水中の10質量%溶液のpH:6.2、
GPCにより測定された分子量:約6000g/mol、
DIN51562により測定された25℃での動粘度:2560mm2/秒、
20℃での動粘度:3100mPas、
100℃での動粘度:170mPas、
不飽和度:I2 0.1g未満/100g(Kaufmannによる、DGF-C-V116);0.004meq/g未満。
【0129】
例10
紡糸仕上げ加工用配合物を次のものを混合することによって製造する:触媒が濾過によって除去された後の例5からのエチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー93質量%;
Lutensol(登録商標)A 7 N 5質量%(=7EO単位でエトキシル化されたC12〜C14脂肪アルコール)
ブチルヒドロキシアニソール0.5質量%;
ラウリルジメチルアミンオキシド1.5質量%。
【0130】
例11
ライヘルト(Reichert)摩耗試験
よく知られたライヘルト(Reichert)摩耗試験機は、ステンレス鋼(V2A)から形成された2個のシリンダーから構成されている。一方は、固定摩耗部材として使用され、第2のシリンダーは、固定摩耗部材に対して90°で作業する回転摩耗部材として使用される。
【0131】
金属シリンダーは、使用前にエタノールで洗浄されており、液体用溜めは、水中の試験物質の1%溶液で充填されている。エンジンのシャフト上の第2の金属シリンダーは、質量が第1のシリンダー上にかかる前に少なくとも1回回転される。第2のシリンダーの回転を開始させた後に、騒音(金属/金属摩擦によって引き起こされた)が測定される。シリンダーの回転数は、走行するメーター数で測定される。潤滑が開始される(潤滑点)と、騒音レベルは、著しく低下し、走行するメーター数が記録される。100m後、回転は停止され、金属シリンダーは、エタノールで洗浄され、固定摩耗部材の摩耗の傷跡が測定される(mm2で測定された)。良好な潤滑を示す典型的な生成物は、20m以下の潤滑点を有し、100m後の摩耗は、20mm2未満である。
【0132】
参考例として、純水をライヘルト(Reichert)摩耗試験機で試験した。100mの潤滑点および摩耗43mm2が得られた。
【0133】
水中の1質量%溶液として使用した、例5のポリアルキレングリコールは、14mの潤滑点および摩耗14mm2を示した。
例12
回転摩擦計試験
回転摩擦計中で、ボールベアリングの鋼球(AISI 52100、直径12.7mm、粗さ4.09μm)を固定して維持し、鋼板(152mm×102mm×0.8mm)を回転させ(速度=0.05m/秒)、一方で、この鋼球をF=3Nで前記板に押圧する。この試験装置は、摩擦的用途および潤滑剤配合物のための材料を開発する間、最も普通に使用されるものである。前記球の固定を維持するのに必要とされる力は、静的摩擦係数(μh)ならびに滑動摩擦係数(μG)を生じる。測定の開始前に試験物質を板上に注入し、薄膜を形成させる。
【0134】
次のデータが得られた:
例5の記載と同様にして製造されたポリアルキレングリコール:μH:13、μG:12。
【0135】
鉱油(IP 26/30H, H&R WASAG AG, Salzbergen, Germany):μH:16、 μG:14。
【0136】
結果は、記載されたポリアルキレングリコールが鉱油よりも卓越し、よりいっそう低い摩擦係数を有することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができる有効量のコポリマーを機能液中に配合することにより、機能液の吸入毒性を減少させる方法であって、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有する、機能液の吸入毒性を減少させる方法。
【請求項2】
機能液は、工業用潤滑剤、自動車用潤滑剤、船舶用潤滑剤および航空機用潤滑剤から構成される群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
機能液は、冷却剤および繊維生産のための潤滑剤、作動液、歯車油、圧縮液、タービン油、金属加工液、グリース、軸受け潤滑剤、ワイヤー潤滑剤、エンジンオイル、ミル用潤滑剤およびカレンダー用潤滑剤、ゴム用潤滑剤およびマンドレル用潤滑剤、離型潤滑剤および汎用牽引車流体から構成される群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項4】
コポリマーは、OECDガイドライン法403により測定された、1000mg/m3を上廻るLC50値を有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
コポリマーのLC50値は、OECDガイドライン法403により測定された、2000mg/m3を上廻る、請求項4記載の方法。
【請求項6】
コポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
エチレンオキシド/プロピレンオキシド質量比は、25:75〜75:25である、請求項6記載の方法。
【請求項8】
開始剤は、C1〜C18モノアルコールまたは1〜20個のオキシアルキレン単位を含有するC1〜C18モノアルコールのポリオキシアルキレンモノエーテルから構成される群から選択されたモノオール開始剤である、請求項1記載の方法。
【請求項9】
モノオール開始剤はn−ブタノールである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
コポリマーは800〜20000g/molの平均分子量Mwを有する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
コポリマーは、DMC触媒の存在で得られる、請求項1記載の方法。
【請求項12】
DMC触媒は、亜鉛ヘキサシアノコバルテートである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
コポリマーは、無水機能液の全質量に対して75〜99質量%の量で配合される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー65〜95質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)乳化剤、例えば脂肪アルコールアルコキシレート、ヒマシ油エトキシレートまたは脂肪アミンエトキシレート3〜20質量%;
c)静電防止剤、例えば硫酸塩、スルホン酸塩またはベタイン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えばホスホン酸塩またはオレイルサルコシネート0〜5質量%;
e)さらに添加剤、例えば安定剤、酸化防止剤、殺菌剤または湿潤剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、繊維生産のための低い吸入毒性を有する潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項15】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸およびそのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
f)他の添加剤、例えば分散剤、封止膨潤向上剤、消泡剤、安定剤および染料0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する作動液である、上記の機能液。
【請求項16】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー30〜60質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)グリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコール0〜40質量%;
c)水20〜45質量%;
d)ポリアルキレン増粘剤、例えばトリメチロールプロパン開始剤によるエチレンオキシド−プロピレンオキシドヘテロポリマー0〜15質量%;
e)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
f)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
g)耐蝕剤、例えば有機酸およびそのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、アルキルアルキルアミン0〜5質量%;
h)境界潤滑剤、例えばカルボン酸および脂肪アミン0〜5質量%;
i)他の添加剤、例えば消泡剤および染料0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する水性グリコール作動液である、上記の機能液。
【請求項17】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー25〜55質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)水35〜65質量%;
c)金属不動態化剤および耐蝕剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾトリアゾール、有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール5〜26質量%;
d)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート、およびカルボン酸0〜5質量%;
f)他の添加剤、例えば分散剤、消泡剤および安定剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する水溶性金属加工液である、上記の機能液。
【請求項18】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
f)分散剤、消泡剤および安定剤を含めた他の添加剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する歯車用潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項19】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
f)他の添加剤、例えば分散剤、ポリジメチルシロキサンおよびポルアルキレングリコールを含めた消泡剤添加剤および安定剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する圧縮機用潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項20】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)酸化防止剤、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン、およびフェノチアジンを含めたジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート、例えばトリクレアシルホスフェート0〜5質量%;
f)消泡添加剤、例えばポリジメチルシロキサンおよびポリアルキレングリコール0〜5質量%;
g)安定剤、例えばネオプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルおよび脂環式エポキシ化合物0〜5質量%;
h)他の添加剤、例えば粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄剤および分散剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する冷凍機用潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項21】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー75〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
e)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
f)分散剤、消泡剤、安定剤、粘度指数向上剤および清浄剤を含む他の添加剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有するミル用潤滑剤およびカレンダー用潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項22】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー50〜99質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)グリコールエーテル、例えばメチルトリエチレングリコールエーテルおよびブチルトリエチレングリコールエーテル0〜30質量%;
c)グリコール、例えばトリエチレングリコール0〜20質量%;
d)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
e)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
f)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール0〜5質量%;
g)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
h)他の添加剤、例えば消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄剤および分散剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有するDOT3ブレーキ液である、上記の機能液。
【請求項23】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー85〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール、およびアルキルアミン0〜5質量%;
e)清浄剤、例えばスルホン酸カルシウムおよびスルホン酸マグネシウム、サリチレート0〜5質量%;
f)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
g)他の添加剤、例えば分散剤、消泡添加剤、摩擦改質剤および曇り防止剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する4ストロークエンジン潤滑油である、上記の機能液。
【請求項24】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー85〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール、およびアルキルアミン0〜5質量%;
e)清浄剤、例えばスルホン酸カルシウムおよびスルホン酸マグネシウム、サリチレート0〜5質量%;
f)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
g)他の添加剤、例えば分散剤、消泡添加剤、摩擦改質剤および曇り防止剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する2サイクルエンジン用潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項25】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー90〜99質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)酸化防止剤、例えばジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばN−n−ブチル−パラ−アミノフェノール、N,N′−ジメチル−パラ−フェニレンジアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエン0〜5質量%;
c)他の添加剤、例えば消泡剤、清浄剤および安定剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する、マンドレル用潤滑剤またはゴムをベースとするエラストマーを処理するための離型潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項26】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー5〜35質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)水65〜95質量%;
c)耐蝕剤、例えば有機酸、アルキルアミン、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、およびコハク酸誘導体0〜5質量%;
d)他の添加剤、例えば分散剤、消泡剤および安定剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する冷却剤である、上記の機能液。
【請求項27】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー40〜85質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)ブタノール開始剤によるポリプロピレングリコール0〜45質量%;
c)増粘剤、例えばリチウム石鹸、カルシウム石鹸およびナトリウム石鹸、複合石鹸および処理されたベントナイト型アルミノ珪酸塩クレーおよび高度に分散された珪酸5〜15質量%;
d)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
e)有機アミンおよびヒンダードフェノールを含めた酸化防止剤0〜5質量%;
f)耐蝕剤、例えばセバシン酸2ナトリウム、アルケニルコハク酸エステル、イミダゾリンおよびサルコシン誘導体、スルホン酸ナトリウムおよびスルホン酸カルシウム0〜5質量%;
g)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、ジチオカルバメートおよびチアジアゾール誘導体0〜5質量%;
h)他の添加剤、例えば固体潤滑剤および粘着剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有するグリース潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項28】
a)エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを開始剤のモノオールまたはジオールと共重合させることによって得ることができるコポリマー85〜98質量%、この場合このコポリマーは、約0.01meq/g未満の不飽和度を有し、
b)金属不動態化剤、例えばトリルトリアゾール、ベンゾチアゾールおよびベンゾトリアゾール0〜5質量%;
c)ジアルキルチオプロピオネート、有機アミンおよびヒンダードフェノール、例えばジラウリルチオプロピオネート、ジオクチルジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、フェノチアジンおよびブチル化ヒドロキシトルエンを含めた酸化防止剤0〜5質量%;
d)耐蝕剤、例えば有機酸、そのエステル、窒素含有化合物、燐酸含有化合物および硫黄含有化合物、コハク酸誘導体、4−ノニルフェノキシ酢酸、亜燐酸アルキルおよび亜燐酸アリール、およびアルキルアミン0〜5質量%;
e)清浄剤、例えばスルホン酸カルシウムおよびスルホン酸マグネシウム、サリチレート0〜5質量%;
f)耐摩耗性添加剤および極圧添加剤、例えばジチオホスフェート、アミンホスフェート、ホスホロチオネート、カルバメート、アルキルホスフェートおよびアリールホスフェート0〜5質量%;
g)他の添加剤、例えば分散剤、消泡添加剤、摩擦改質剤および曇り防止剤0〜5質量%を有する機能液であって、この機能液は、低い吸入毒性を有する汎用トランスミッション潤滑剤である、上記の機能液。
【請求項29】
コポリマーのLC50値は、OECDガイドライン法403により測定された、1000mg/m3を上廻る、請求項14から28までのいずれか1項に記載の機能液。
【請求項30】
コポリマーは、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマーである、請求項14から28までのいずれか1項に記載の機能液。
【請求項31】
開始剤は、C1〜C18モノアルコールまたは1〜20個のオキシアルキレン単位を含有するC1〜C18モノアルコールのポリオキシアルキレンモノエーテルから構成される群から選択されたモノオール開始剤である、請求項14から28までのいずれか1項に記載の機能液。
【請求項32】
モノオール開始剤がn−ブタノールである、請求項14から28までのいずれか1項に記載の機能液。
【請求項33】
コポリマーが800〜20000g/molの平均分子量Mwを有する、請求項14から28までのいずれか1項に記載の機能液。
【請求項34】
コポリマーがDMC触媒の存在で得られたものである、請求項14から28までのいずれか1項に記載の機能液。

【公表番号】特表2007−537315(P2007−537315A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512105(P2007−512105)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005177
【国際公開番号】WO2005/113640
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】