説明

低消費電力装置を有するタイヤ圧検出器

タイヤ圧検出器は、集積回路に外付けされるように構成されるパワーアンプと、入力データストリームの論理状態に応じて動作するVCOを有するPLL回路とを備える低消費電力装置を用いる。入力データストリームは、タイヤ圧力情報を有し、複数の論理状態を有するようにエンコードされるように構成される。入力データストリームの各データビットのパターンに応じて、所定の期間、VCO及び/又はアンプをターンオン及びターンオフすると、マイクロコントローラがVCOを制御するために用いられる。このタイヤ圧検出器は、電力効率に関して最適化された回路配置をこのようにして具現化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くタイヤ圧検出器に関し、より適切には低消費電力装置を用いるタイヤ圧検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
車両において、タイヤ圧検出器は、タイヤの空気圧を測定するタイヤ圧モニタリングシステムと共に用いられ得る。低圧のタイヤは安全性に対する懸念を生じうる。タイヤ圧検出器は、タイヤが取り付けられる車輪又はタイヤに取り付けられ、低タイヤ圧を検知しうる。検出時において、タイヤ圧検出器は、TPMS又は類似物を経て、この情報をドライバに送信しうる。タイヤ圧情報の送信は、大抵、無線で行われる。例えば、無線周波数送信がタイヤ圧検出器の測定値を送信するために用いられ得る。
【0003】
タイヤ圧検出器では、温度センサ、及び/又は速度センサといったセンサが、圧力センサに加えて用いられ得る。バッテリもまた、タイヤ圧検出器の電源部材に一般的に用いられる。タイヤ圧検出器は、セントラルコントロールユニットに無線信号を送信し、そして可能であれば無線信号を受信するRFアンテナ、水晶発振器、位相同期ループ(PLL)回路等といった通信部材をまた有しうる。タイヤ圧信号が送信のために増幅されうるようなパワーアンプもまた含まれうる。
【0004】
従来のタイヤ圧検出器において、PLL回路及びパワーアンプは、大抵、1つの集積回路(IC)チップに組み込まれる。図1は従来のPLL回路10のブロック図である。いわゆる当業者が理解しうるように、従来のPLL回路10は、位相検出器20、電圧制御発振器(VCO)30、及びアンプ40を有する。PLL回路10は、1つの集積回路として構成されうる。図1には図示されないが、パワーアンプは一般的に、PLL回路10を定める同一のICチップに配置される。
【0005】
従来のPLL回路10は以下のように動作する。位相検出器20が2つの入力周波数”fin”と”fvco”とを比較し、2つの入力周波数の位相差に対応する出力を生成する。”fin”が”fvco”と等しくなければ、位相誤差信号が生成される。位相誤差信号は、適切なフィルタ50によりフィルタ処理され、アンプ40により増幅される。位相誤差信号に応じて、”fvco”が”fin”方向に向けてそらされる。”fin”が”fvco”と等しい場合、VCO30が”fin”に固定される。2つの入力周波数”fin”及び”fvco”の位相が一致するようになる。
【0006】
従来のPLL回路10において、入力データビットの論理状態にかかわらず、VCO30は常に電源がオンである。たとえ、入力データビットがゼロ状態であっても、VCO30はオンのままであり、電流を消費する。さらに、ICチップ上の様々な部材が分離して制御可能でなくても良い。1つのICチップ上に形成されるPLL回路10及びパワーアンプが、ノイズもまた生成しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、低消費電力装置を用いるタイヤ圧検出器を提供するシステム及び方法に関する。本発明の実施形態において、VCOを用いるタイヤ圧検出器は、入力データビットの論理状態に応じて電力が投入されても良い。例えば、本発明に応じて、タイヤ圧検出器VCOは、入力データビットがゼロ状態であるとき、電力が投入されなくても良い。さらに、タイヤ圧検出器のICチップ上の様々な部材が、独立して制御可能であっても良い。また、本発明の実施形態に応じて、タイヤ圧検出器のためのPLL回路及びパワーアンプが同じICチップ上に形成されなくても良い。他の長所に加え、これは、タイヤ圧検出器へ、及び、からの通信におけるノイズを低減しうる。
【0008】
一例として、本発明の一部の実施形態において、タイヤ圧検出器は、圧力センサ、集積回路、パワーアンプ、及び無線周波数(RF)アンテナを有する。圧力センサはタイヤの空気圧を測定する。集積回路はタイヤ圧情報を受信し、送信のためにRF信号としてタイヤ圧情報を処理する。パワーアンプは、集積回路からRF信号を受信し、RF信号を増幅する。パワーアンプは、好ましくは、集積回路の外部に設けられるように構成される。RFアンテナはパワーアンプに接続され、RF信号を送信する。
【0009】
他の実施形態において、タイヤ圧検出器は、圧力センサ、データ処理回路、PLL回路、及びRFアンテナを有する。また、圧力センサは、タイヤの圧力を測定する。データ処理回路は、圧力センサからタイヤ圧力を受信し、入力データストリームを生成する。入力データストリームは、好ましくは、第1の論理状態と第2の論理状態とを表すようにエンコードされるように構成される。データ処理回路は、無線周波数通信のため入力データストリームを変調する。PLL回路はVCOを有する。本発明に従って、VCOは、第1の論理状態に応じて電力が投入され、第2の論理状態に応じて電力が切断されるように構成される。また、RFアンテナは、変調された入力データストリームを送信する。
【0010】
さらに他の実施形態において、タイヤ圧検出器の低消費電力装置が提供される。タイヤ圧検出器は、タイヤ圧力情報を検出及び処理するように構成される。低消費電力装置は、入力データストリーム、PLL回路、及びパワーアンプを有する。入力データストリームは、タイヤ圧力情報を有し、複数の論理状態を有するようにエンコードされるように構成される。PLL回路は、入力データストリームの論理状態に応じて制御される電圧制御発振器を有する。PLL回路は、集積回路に設けられる。パワーアンプは、好ましくは、集積回路の外部に設けられるように構成される。
【0011】
前述の記載は、本発明の詳細な説明がより良く理解されうるため、本発明の特徴及び技術的な長所よりも広く要点を述べている。本発明の要部を形成する本発明のさらなる特徴及び長所は、以下に説明されるであろう。公開される概念及び特定の実施形態が、本発明と同じ目的を持ち出すため、他の構造を設計し又は修正する根拠として直ちに用いられ得ることは、いわゆる当業者によって高く評価されるべきである。添付の特許請求の範囲において説明される本発明の精神及び範囲から逸脱しないような等価の構成もまた当業者によって認識されるべきである。更なる目的及び長所を伴う、本発明の特徴であるとして信じられる、その構成及び動作の手段の双方に関する新規な特徴は、付随する図面に関連すると見なされる以下の記載からより良く理解されうる。しかしながら、各図面が説明及び解説の目的のためにのみ提供され、本発明の限界を定めるものとして意図されないことが、明確に理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
同様の参照番号が同様の部材を示す、この明細書に含まれ、そして一部を形成する付随する図面は、本発明の好ましい実施形態を表し、この明細書と共に本発明の原理を説明するために役立つ。
【0013】
【図1】従来のPLL回路のブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるタイヤ圧検出器のブロック図である。
【図3】図2のタイヤ圧検出器と共に用いられるPLL回路のブロック図である。
【図4】低消費電力構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図2は、本発明によるタイヤ圧検出器の一実施形態のブロック図である。タイヤ圧検出器100は、圧力センサ160、メインICチップ150、水晶発振器170、バッテリ180、パワーアンプ200、及びRFアンテナ250を有する。あるいは、検出器100は電源内蔵及びバッテリを有さないでもよい。水晶発振器170、パワーアンプ200、及びバッテリ180は、メインICチップ150に接続される。パワーコントロール回路110、位相同期ループ(PLL)回路120、マイクロコントローラ125、及びメモリ130は、好ましくはメインチップIC150上に形成される。本実施形態において、水晶発振器170は、メインICチップ150から外されて設けられる。他の実施形態において、水晶発振器170は、メインICチップ150上に設けられてもよい。これらの実施形態において、パワーアンプ200は、好ましくはメインICチップ150から外されて設けられる。
【0015】
タイヤ温度、速度、回転、回転方向、チルト等を有するタイヤにおける様々な物理的パラメータを検出する他のセンサ165は、メインICチップ150に設けられる。例えば、他のセンサ165は、温度センサ、速度センサ、加速度センサ、ショックセンサ等であっても良い。回路ブロック140は、タイマ、低電力検出回路、モジュレータ等といった、メインICチップ150に形成されうる様々な他の回路を示す。
【0016】
タイヤ圧検出器は、車両の各タイヤに取り付けられ得る。図示されないが、セントラルコントロールユニットは、車両の好ましい位置に設けられうる。セントラルコントロールユニットは、タイヤ圧検出器と通信しても良く、低タイヤ圧を含むタイヤの様々な物理的パラメータをドライバに通知しても良い。
【0017】
RFアンテナ250は、セントラルコントロールユニットのような他の装置とタイヤ圧検出器100との間で情報を送受信する。RFアンテナ250は、平面RFアンテナであっても良い。あるいは、RFアンテナ250はバルブステムRFアンテナであっても良い。バルブステムRFアンテナは、RFアンテナとしてタイヤバルブを用いうる。説明のみの目的のため、RFアンテナ250は、タイヤ圧検出器100と共に内部に形成されるように本図面において図示される。
【0018】
圧力センサ160は、タイヤ圧力を測定又は検知する。図示されるタイヤ圧検出器100において、圧力センサ160は独立型センサである。他の実施形態においては、圧力センサ160はメインICチップ150に統合されても良い。圧力センサ160は、処理のためにメインICチップ150に圧力情報を送信する。他のセンサ165がメインICチップ150に含まれるとき、これらのセンサによって検知される物理パラメータ情報は、圧力センサ160からの圧力情報と共に処理されうる。物理パラメータ情報は、タイヤ圧力情報又は類似物を送信するタイヤの取り付け位置を識別するために用いられ得る。そのような情報は、処理のためにメインICチップ150に送信される。ローデータ(raw data)の型式であってもよく、物理パラメータと共に又は物理パラメータを伴わなくてもよいタイヤ圧力情報は、メインICチップ150への入力データストリームとなる。入力データストリームは、内部的に操作されても良く、好ましくはメインICチップ150へ内部的に生成される。入力データストリームは、メインICチップ150によってマイクロコントローラ125に伝達されてもよい。
【0019】
好ましくは、マイクロコントローラ125は、タイヤ圧力情報がエンコードされ得るよう、タイヤ圧力情報を処理するためにICチップ150上の様々な回路要素を制御する。例えば、タイヤ圧力情報は、マンチェスタエンコード技術を用いてエンコードされても良い。マンチェスタエンコード技術は、各ビットのビット幅の半分で、ハイからローへ、あるいはローからハイへの論理変遷を必要とする。ハイからローへの論理変遷は、論理1に対応し、ローからハイへの論理変遷は、論理0に対応する。さらに、タイヤ圧力情報は、タイヤ、車両等の識別と関連してフォーマット及びパターン化されうる。さらに、タイヤ圧力情報は暗号化されてもよい。
【0020】
マイクロコントローラ125は、RF通信のためにタイヤ圧力情報と共にRFキャリア周波数を変調するため、他の回路ブロック140に内蔵されるようなモジュレータをもまた制御する。一実施形態において、タイヤ圧力情報の入力データストリームは、433.92MHzのRFキャリア周波数を変調するために用いられても良い一方で、他の実施形態においては、315MHzのRFキャリア周波数が用いられてもよい。図3に示されるように、好ましくは、RFキャリア周波数は、PLL回路120に含まれるVCO320によって生成される。入力データストリームは、メインICチップ150に対して内部的に生成される、4KHzのような、既定のデータレートを有する。
【0021】
さらに、マイクロコントローラ125は、好ましくは、メインICチップ150に形成される回路要素を制御し管理する。タイヤ圧力情報及び他のセンサ165からの他の物理パラメータ情報は、メモリ130に記録されうる。パワーコントロール回路110は、バッテリ180又は他の電力供給からメインICチップ150の回路要素に電力を供給しうる。
【0022】
図3は、本PLL回路120の一実施形態のブロック図である。PLL回路120は、位相検出器310、VCO320、分周器330、並びにフィルタ及びアンプ340を有する。PLL回路120は、水晶発振器170及びパワーアンプ200と通信する。位相検出器310は、2つの入力周波数を現在受信しており、1つは水晶発振器170から、もう1つは分周器330を介してVCO320からである。水晶発振器170からは入力参照周波数を生成する。位相検出器310は、2つの入力周波数の位相が等しくない場合、位相誤差信号を生成する。フィルタ及びアンプ340は、位相誤差信号をフィルタし、そして増幅する働きをする。VCO320の周波数は、水晶発振器170から入力周波数に向けて逸らされる原因となる。分周器330は、位相検出器310とVCO320の出力との間に設けられる。分周器は、複数の入力参照周波数が生成されるように働く。
【0023】
図3に図示するように、VCO320はマイクロコントローラ125からコントロール信号を受信する。コントロール信号は、各データビットの変遷でVCO320にターンオン及びターンオフさせうる。前述のように、タイヤ圧力情報の入力データストリームは、マンチェスタエンコードに従ってエンコードされても良い。各データビットは、ビット幅の半分で論理変遷を経験する。タイヤ圧力情報の入力データストリームは、タイヤ圧検出器100へ内部的に生成される。このデータストリームのフォーマット及びパターンは、マイクロコントローラ125にとって既知である。このように、マイクロコントローラ125は、入力データストリームの変遷に応じてターンオン及びターンオフされるようにVCO320を制御しうる。
【0024】
VCO320及びPLL回路120は、好ましくは、適切な入力データストリーム設定とともに用いるために提供される。他方、入力データエンコーディングフォーマット及びデータレートに関しては一般的であるPLL回路は、電圧制御発振器をターンオン及びオフするように動作、あるいは動作しなくても良い。VCO320のターンオン及びオフは、実質的に電流消費を低減しうる。例えば、入力データストリームにおける論理1から論理0までの各通信において、VCO320は好ましくはターンオフされる。入力データストリームにおける論理1から論理0までの各通信の前において、VCO320は好ましくはターンオンされる。従来のPLLの設計において、VCOは、入力データストリームにおける論理0の期間、一般的にオンのままである。入力データストリームにおける論理0の期間、本発明による実施形態に従って、VCO320は、好ましくはスイッチオフされる。これは、パワーオンされたとき、VCOが消費する電流を除去することにより電流消費量を削減することに繋がりうる。前述のマンチェスタエンコーディングは、ビットの半分のビット幅における論理状態変化を用いるエンコード方法である。このように、VCOの電流消費量は、VCOが従来のタイヤ圧検出器に留まるときに消費される電流と比較して、本発明による実施形態において最大50%に削減されうる。
【0025】
図2を参照すると、パワーアンプ200は、好ましくはメインICチップ150の外部に設けられる。パワーアンプ200は外付けであるため、アンプの任意の型式が用いられ得る。例えば、クラスAタイプアンプ又はクラスBタイプアンプといったアンプが用いられ得る。さらに、クラスCタイプアンプも利用可能である。クラスAタイプ又はクラスBタイプアンプは、入力信号の良好な線形性を提供しうるが、出力信号は相対的に乏しい効率を有しうる。従来のタイヤ圧検出器において、クラスA及びBタイプアンプは、他の利点にもかかわらず、相対的に乏しい電力効率のため、一般的に用いられない。
【0026】
本タイヤ圧検出器100の実施形態は、前述のように外部アンプ200と共にPLL回路のような電流消費量低減装置を用いるタイヤ圧検出器100に起因して、クラスAタイプ及びクラスBタイプアンプを使用しても良い。ICチップ150から分離されるパワーアンプ200は、メインICチップ150上の他の回路要素の起動及び動作により影響されえない。例えば、1つのICチップ上でPLL回路120と共にパワーアンプ200を規定しようとすることは、問題があり、より多くのノイズを生じ、そしてより多くの電流を消費する傾向があり得る。さらに、メインICチップ150からパワーアンプ200を取り外すことは、メインICチップ150を構成し、及び設計するためにより多くの空間を提供しうる。
【0027】
パワーアンプ200は外付けであるため、パワーアンプの選択及び交換が柔軟となり得る。相対的に高い電流を消費するパワーアンプは、定電流アンプに交換されても良い。あるいは、またさらに、相対的に低電力効率なパワーアンプは、より良い電力効率を持つアンプと交換されうる。本発明に従って、パワーアンプ200は、好ましくは、メインICチップ150とRFアンテナ250との間のより高効率な電力送信に適合するように選択される。
【0028】
図3のVCO320のように、パワーアンプ200は、入力データストリームに従ってターンオン及びオフされうる。論理1に対してパワーアンプ200はターンオンされ、論理0に対してパワーアンプ200はターンオフされる。このように、本発明の実施形態に従うパワーアンプ200の動作は、求められたときにのみパワーアンプ200が起動されるようになし得る。その結果、パワーアンプ200による電流消費量は低減されうる。
【0029】
図4は、タイヤ圧検出器100の低消費電力装置400を図示するブロック図である。装置400は、PLL回路410におけるVCOオン/オフ動作、チップ外付けパワーアンプ及びそのオン/オフ動作420、並びにチップ外付けパワーアンプとRFアンテナとの間の最適化された電力送信を有しうる。前述のように、各データビットのパターンに応じたVCO及びパワーアンプのオン/オフ動作は、電流消費量を最小化する。チップ外付けパワーアンプの使用は、タイヤ圧検出器又は類似物を設計するときに、電力効率の良いパワーアンプを選択するための長所を提供しうる。例えば、チップ外付けアンプは、RFアンテナとの効率的な電力通信を考慮して選択されうる。この柔軟性は、低消費電力にさらに寄与しうる。
【0030】
前述のように、タイヤ圧検出器は、図4の装置400のような電流消費量低減装置を採用しうる。PLLのVCOは、各データビットのパターンに応じて、所定の期間、ターンオフされるように制御されうる。さらに、チップ外付けパワーアンプは、削減された電流消費量を提供しうる。さらに、チップ外付けパワーアンプは、パワーアンプの選択における柔軟性及び交換容易性を含む利点を提供しうる。パワーアンプもまた、独立して制御されうる。パワーアンプはRFアンテナの特性及び機能に適合するように選択されうるため、パワーアンプとRFアンテナとの間のより効率的な電力送信が可能である。チップ外付けパワーアンプは、ICチップ、そしてタイヤ圧検出器全体の柔軟な構成及び実装を提供しうる。従って、タイヤ圧検出器は、電力効率及び削減された製造経費の観点において、最適化された回路配置を実現しうる。
【0031】
本発明及びその利点について詳細に説明したが、本発明はこの実施態様に限定されるものではなく、付随する特許請求の範囲により定義される本発明の精神及び範囲を逸脱せずに種々の改良、置換並びに改良が可能である。さらに、本願の範囲は、明細書に記載された処理、機械、製品、組成物、手段、方法、及びステップといった特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。いわゆる当業者は、処理、機械、製品、組成物、手段、方法、又はステップといった本発明による開示から容易に理解しうるため、既存、あるいはここに説明された対応実施形態と同様の結果を実質的に達成し、同様の機能を実質的に奏する後に開発されたものは、本発明に準じて取り扱われる。従って、付随する特許請求の範囲は、そのような処理、機械、製品、組成物、手段、方法、又はステップを、発明の範囲の中に含むことを目的とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤの圧力を測定する圧力センサと、
前記圧力センサからタイヤ圧力を受信して入力データストリームを生成し、前記入力データストリームは第1の論理状態及び第2の論理状態を表すようにエンコードされるように構成され、無線周波数送信のために前記入力データストリームを変調するデータ処理回路と、
電圧制御発振器を有し、前記電圧制御発振器は、前記第1の論理状態に従って電力をオンし、前記第2の論理状態に従って電力をオフする位相同期ループ回路と、
変調された入力データストリームを送信するRFアンテナとを備えるタイヤ圧検出器。
【請求項2】
前記位相同期ループ回路と前記RFアンテナとの間に設けられるパワーアンプをさらに備え、
前記パワーアンプは、前記第1の論理状態に応じて電力が投入され、前記第2の論理状態に応じて電力が切断される請求項1に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項3】
前記データ処理回路及び前記位相同期ループ回路は集積回路に実装され、前記パワーアンプは前記集積回路に外付けされる請求項2に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項4】
前記パワーアンプはクラスAタイプのアンプ及びクラスBタイプのアンプのいずれか1つを備える請求項2に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項5】
前記入力データストリームは、各データビットのビット幅の半分で、ハイからローへ、あるいはローからハイへの変遷を経験するためにエンコードされる請求項1に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項6】
前記電圧制御発振器は、前記入力データストリームがハイからローへ変遷したときに電力が投入され、ローからハイへ変遷したときに電力が切断される請求項1に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項7】
タイヤの圧力を測定する圧力センサと、
前記圧力センサからのタイヤ圧力情報を受信し、送信のためにRF信号としてそれを処理する集積回路と、
前記RF信号を前記集積回路から受信して前記RF信号を増幅し、前記集積回路の外部に設けられるように構成されるパワーアンプと、
前記パワーアンプに接続され、前記RF信号を送信するRFアンテナとを備えるタイヤ圧検出器。
【請求項8】
前記集積回路は、その中に形成される位相同期ループ回路を備える請求項7に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項9】
前記位相同期ループ回路は、前記集積回路の入力データストリームのパターンに応じてターンオン及びターンオフされるように動作する電圧制御発振器を備える請求項8に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項10】
前記パワーアンプは、前記集積回路の前記入力データストリームの前記パターンに応じターンオン及びターンオフされるように動作する請求項9に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項11】
前記入力データストリームは、各データビットのビット幅の半分で、ハイからローへ、あるいはローからハイへの変遷を経験するためにエンコードされる請求項9に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項12】
前記電圧制御発振器は、前記入力データストリームがハイからローへ変遷したときにターンオンされ、ローからハイへ変遷したときにターンオフされる請求項11に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項13】
前記パワーアンプはクラスAタイプのアンプ及びクラスBタイプのアンプのいずれか1つを備える請求項8に記載のタイヤ圧検出器。
【請求項14】
タイヤ圧検出器の低消費電力装置であって、前記タイヤ圧検出器はタイヤ圧力情報を検出して処理する用に構成され、前記装置は、
前記タイヤ圧力情報を有し、複数の論理状態を有するようにエンコードされるように構成される入力データストリームと、
前記入力データストリームの論理状態に応じて動作する電圧制御発振器を有し、集積回路に実装される位相同期ループ回路とを備える装置。
【請求項15】
前記電圧制御発振器は、前記入力データストリームのパターンに応じターンオン及びターンオフされるように動作する請求項14に記載の低消費電力装置。
【請求項16】
前記入力データストリームは、各データビットのビット幅の半分で、ハイからローへ、あるいはローからハイへの変遷を経験するためにエンコードされる請求項15に記載の低消費電力装置。
【請求項17】
前記電圧制御発振器は、前記入力データストリームがハイからローへ変遷したときに電力が投入され、ローからハイへ変遷したときに電力が切断される請求項14に記載の低消費電力装置。
【請求項18】
前記集積回路の外部に設けられるように構成されるパワーアンプをさらに備える請求項14に記載の低消費電力装置。
【請求項19】
少なくとも1つのタイヤ特性を示す、車両の複数のタイヤの各タイヤにおけるデータを集め、
少なくとも1つのタイヤ特性を示す前記データに応答するデータを有し、各タイヤにおいてデータ処理回路を用いて入力データストリームを生成し、
データの各ビットが複数の論理状態を含みうるような複数のビットを備えるように前記入力データストリームをエンコードし、
前記入力データストリームに含まれる前記データビット内の前記論理状態に応じて、位相同期ループ回路に含まれる電圧制御発振器に電力を供給し、
前記電圧制御発振器を用いて前記入力データストリームを示す信号をパワーアンプに提示し、
前記タイヤ圧検出器に含まれる追加回路を用いて前記パワーアンプからセントラルコントロールユニットに前記出力信号を送信する方法。
【請求項20】
前記データは前記タイヤの圧力を示すデータを備える請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記電圧制御発振器への電力供給は、前記入力データストリームのパターンに応じて前記電圧制御発振器をターンオン及びターンオフするステップを備える請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記入力データストリームのパターンに応じて前記パワーアンプをターンオン及びターンオフすることにより前記パワーアンプを動かすステップをさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記エンコードは、データの各ビットが複数の論理状態を有するように、前記複数のビットを提供するため、各データビットのビット幅の半分で、ハイからローへ、あるいはローからハイへの変遷を経験するために前記入力データストリームをエンコードするステップをさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記電圧制御発振器への電力供給は、前記入力データストリームがハイからローへ変遷したときに前記電圧制御発振器への電力が投入され、前記入力データストリームがローからハイへ変遷したときに前記電圧制御発振器への電力が切断されるステップを備える請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記入力データストリームに含まれる前記データビット内の前記論理状態に応じて前記アンプを動かすステップをさらに備える請求項19に記載の方法。
【請求項26】
前記集積回路の外部に前記パワーアンプを設けるステップをさらに備える請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−530329(P2010−530329A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510332(P2010−510332)
【出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/006788
【国際公開番号】WO2008/150417
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(508222597)シュレイダー エレクトロニクス リミテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】SCHRADER ELECTRONICS LTD
【Fターム(参考)】