説明

低温で基板のステップカバレージを改良する方法及び装置

【課題】基板のステップカバレージを均一にし、金属層を平坦にする方法を提供し、サブハーフミクロンの適用分野において連続してボイドのない接点またはバイアを形成することを目的とする。
【解決手段】本発明の1つの態様において、耐熱性層が、高アスペクト比の接点またはバイアを有する基板上に堆積される。CVDによる金属層が、低温で耐熱性層上に堆積され、PVD金属に対して共形のウェッティング層を提供する。次に、PVD金属が、前に形成されたCVD金属層上に、その金属の溶融点より低い温度で堆積される。結果として生じるCVD/PVD金属層は、実質的にボイドのないものである。金属被覆法は、統合された処理システムで実施されるのが好ましく、そのシステムは、PVDおよびCVD処理チャンバの両方を含み、基板が真空環境に入ると、バイアおよび接点の金属被覆が、CVDによるAl層上に酸化物層を形成することなく行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置を製造する金属被覆工程に関し、特に、高アスペクト比のサブハーフミクロンの適用分野において、接点またはバイアなどを含む導電層の間にボイドのない相互接続を形成するアパーチャの金属被覆に関する。
【背景技術】
【0002】
サブハーフミクロン(<0.5μm)の多層金属被覆は、次代の超大規模集積(VLSI)を担う主要な技術の1つである。この技術の核となる多層の相互接続において、接点、バイア、ラインまたは他の特徴を含む高アスペクト比のアパーチャの平坦化が要求される。これらの相互接続を確実に形成することは、VLSIの実現、および回路密度と個々の基板およびダイの質を高めるための絶ゆまぬ努力にとって非常に重要である。
化学蒸着(CVD)法のうちの1つにより形成されたアルミニウム(Al)層が、良好な共形アルミニウム層、すなわちサブハーフミクロン(<0.5μm)のアパーチャのような特徴の側部および基部上に均一な厚さの層を、非常に小さな形状に対して低温で与える。アルミニウムのCVDは、アパーチャの充填に用いられる一般的な方法である。しかしながら、同一アパーチャの電気的テストではボイドの存在を確認しないにも関わらず、最近の透過電子顕微鏡(TEM)のデータが、CVDで形成した多くのAlアパーチャにはボイドが存在することを明らかにした。層が続いて処理されると、ボイドは、欠陥のある回路を形成することになる。
【0003】
図3は、CVD法でAlを充填した0.45μmのバイアの横断面像を示したTEM写真である。この像は、ボイドがバイア構造内に堆積された金属層に存在することを明確に示している。機械的な研磨の間に、いくらかの変形が軟質のアルミニウムに生じるために、この種のボイドを通常の横断標準電子顕微鏡(SEM)で検出するのは非常に困難であることを認識されたい。また、電気的伝導性テストは、構造的な異常を検出しない。しかしながら、全体として肯定的な電気的伝導性テストにもかかわらず、ボイドを有する接点を通る伝導性は、時間が経過すると、集積回路装置の集積度を弱めるおそれがある。
CVD法により基板上に形成される様々なAl層のTEMによる研究では、バイアが完全に充填される前にバイアの頂部がシールされるために、重要な孔あけ工程においてボイドが形成されることが示される。CVD法によるAlの薄い共形層が、代表的には低温で高アスペクト比の接点およびバイアに堆積されるが、接点またはバイアの充填を完成するためにCVD法による堆積を続けることが、代表的にボイドを形成することになる。CVD法の処理状態を変更することにより金属層のボイドを取り除くことに、多くの努力が払われてきた。しかしながら、結果として、ボイドのない構造を作ることは、まだ実現されていない。
【0004】
高アスペクト比のアパーチャを金属被覆する別の技術は、物理気相成長法(PVD)を通じたアルミニウムの熱平坦化法である。この方法の第1のステップは、PVD工程中にAlの流動を容易にするウェッティング層を形成するために、パターン化したウェハ上にチタン(Ti)のような耐熱性金属の薄層の堆積を必要とする。ウェッティング層の堆積に続いて、次のステップは、(1)熱PVD法によるAl層か、(2)ウェッティング層上の冷却PVD法によるAl層と、それに続く熱PVD法によるAl層のいずれかの堆積を必要とする。しかしながら、熱PVD法によるAl層は、ウェッティング層の質、ウェハの状態、および別の工程パラメータに非常に影響を受ける。処理状態の僅かな変化及び/又はPVDによるTiウェッティング層のカバレージが劣っていることは、接点またはバイアの充填を不完全にし、従ってボイドを形成する。バイアおよび接点を確実に充填するために、熱PVD法によるAlの処理は、およそ450℃より高い温度で行われなければならない。PVD法のTi工程が高アスペクト比のサブミクロンのバイアの側壁に良くないカバレージを形成するために、熱PVDによるAlは、接点またはバイアを確実に充填しない。高温でさえ、PVD工程は、ブリッジングの影響を与え、それによって、基板の頂面に形成された堆積層と接点またはバイアの上壁が、接点またはバイアの底部が完全に充填される前に結合するため、接点またはバイアの口が閉じられる。
【0005】
PVDによるAl層が基板上に堆積されると、基板にイオンを衝突させることによって、Alがリフローする。イオンを基板に衝突させると、基板上に形成された金属層がリフローする。この工程は、一般には、プラズマおよび金属層へのイオンの衝突により作られたエネルギの結果として、金属層を加熱する。基板上に形成された金属層に高温を発生させることは、サブハーフミクロンの構造を有する装置の集積度を損なわせる。そのために、金属層を加熱することは、これらの用途において受け入れられない。
米国特許第5,147,819号(「`819特許」)が、ステップカバレージを改良するために接点またはバイアの所定の径の5から35%の厚さにCVDによるAl層を堆積させ、それから所定の全体の層厚さを実現すべく、PVDによる十分に厚いAl層を堆積させる。高エネルギのレーザービームは、それから混合したCVDによるAlとPVDによるAlを溶融するために用いられ、それによって改良されたステップカバレージと平坦性を実現する。しかしながら、この工程は、ウェハ表面を少なくとも660℃に加熱することを必要とする。そのような高温は、ほとんどのサブハーフミクロンの技術に受け入れられない。さらに、ウェハ全体を走査するために用いられるレーザービームが、金属層の反射性および均一性に悪影響を与える可能性がある。
【0006】
`819特許は、ケイ化物層及び/又はバリヤー金属層が、CVDまたはPVD工程のいずれかでAlが堆積される前に、ウェハ上に堆積されることが可能であることを開示する。この引例が教示するところによると、これらの下層を付加することにより、電気的伝導性が高められ、接合点のスパイキングを最小にする。
米国特許第5,250,465号(「`465特許」)が、`819特許に似た混合したCVD/PVD金属構造を平坦化するために高エネルギレーザービームを用いる工程を開示する。別に、`465特許は、およそ550℃のウェハ温度で形成されたPVDによるAl層の応用について開示する。しかしながら、高温スパッタリングプロセスの間、プラズマによるイオンの衝突が、表面温度をおよそ660℃まで上昇させ、Al膜を溶融し、平坦化する。`819特許の工程のように、高温を使用することは、ほとんどのサブハーフミクロンの適用分野に対して受け入れられず、特に高アスペクト比のサブハーフミクロンの接点およびバイアの充填に使用することができない。ウェハをCVD/PVDの混合金属層を溶融するのに十分な高温に曝すことは、特に他の複数の金属および絶縁層の上に形成された金属層を平坦化するために工程が用いられる際に、基板上に形成された装置の集積度を損なわせる。
【0007】
低温で既知のリフロー又は平坦化工程に用いる高アスペクト比のサブハーフミクロンの接点およびバイアを充填する別の試みが、二酸化シリコン(SiO2)基板からCVDによるAlのディウェッティング、およびバイアの側壁上の不連続なアイランドを結果として生じた。さらに、CVDによるAlが低温でディウェッティングするのを妨げるために、CVDによるAlの厚さが、数千オングストローム(Å)にならなければならない。10,000オングストロームは1ミクロンに等しいため、サブハーフミクロンのバイアの壁の上にある数千オングストロームのCVDによるAl層は、完全にバイアをシールし、そしてボイドを形成する。
そのために、特に高アスペクト比のサブハーフミクロンの接点およびバイアであるアパーチャを充填する低温金属被覆工程に対する要求が存在している。特に、CVDによるAl薄層のみでそのような接点およびバイアが充填され、それからバイアがPVDによるAlで充填される低温工程を有することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基板上に均一なステップカバレージを与える工程を提供する。まず、耐熱性薄膜が、基板上に形成され、それからその耐熱性薄膜の上に共形のCVDによる金属薄層が形成される。それからPVD金属層が、CVD金属層の上に堆積される。
本発明は、サブハーフミクロンの適用分野における連続したボイドのない接点またはバイアを形成するための、金属層の改良されたステップカバレージおよび平坦化に関する。本発明の1つの態様において、耐熱層が、高アスペクト比の接点またはバイアを有する基板上に堆積される。それからCVDによるAl層が、低温で耐熱層上に堆積され、PVDによるAlに対して共形のウェッティング層を与える。次に、PVDによるAlが、アルミニウムの溶融点より低い温度で、前に形成されたCVDによるAl層上に堆積される。この結果として生じるCVD/PVDによるAl層は、ほとんどボイドのないものとなる。
【0009】
本発明の別の態様において、金属被覆工程が、PVDとCVD処理チャンバの両方を含んだ統合処理システムで実行される。基板が真空の環境に入れられると、バイアおよび接点が、CVDによるAl層上に酸化物層を形成することなく金属被覆される。これは、CVDとPVDにより層を堆積するために、基板が1つの処理システムから別のシステムに移送される必要がないからである。従って、基板は、真空圧下におかれ、有害の酸化物層の形成を妨げる。さらに、PVD層に堆積されたドーパントのCVD層への拡散が、統合されたシステムで同時に堆積することによって改良される。
本発明はさらに、半導体のステップカバレージおよび金属被覆を改良する装置を提供する。該装置は、ロードロックチャンバ、耐熱性金属処理チャンバ、CVD金属処理チャンバおよびPVD金属処理チャンバを含んだ多数の分離可能な連絡領域を含む。該装置は、さらに中間基板搬送領域と、ロードロックチャンバから処理チャンバまでの装置にわたって減圧する真空勾配を達成するために分離可能領域と連絡する真空手段を備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、低温で高アスペクト比のアパーチャ、特にサブミクロンのアパーチャにおける均一なステップカバレージを改良する方法を提供する。本発明の1つの態様は、接点、バイア、ライン、また別の特徴を含んだ高アスペクト比のアパーチャに、660℃より低い温度でアルミニウムを金属被覆する方法を提供する。特に、本発明は、第1のCVDアルミニウム(CVDによるAl)層と第2のPVDアルミニウム(PVDによるAl)層を利用する高アスペクト比のアパーチャを充填するためにステップカバレージを改良し、ここでは、アルミニウムの溶融点より高い溶融点を有する耐熱性金属からなる接着薄層で絶縁層を覆い、絶縁層よりもアルミニウムをウェッティングすることによって、CVDによるAl薄層が、絶縁層上でディウェッティングすることを妨げられる。この工程は、CVDおよびPVD処理チャンバの両方を含んだ統合処理システムにおいて行われるのが好ましい。
【0011】
アルミニウム(Al)および銅(Cu)のような軟質な金属が、表面張力の効果により、各々の溶融点よりも低い温度で流動することが示されている。しかしながら、これらの金属は、高温で下方の絶縁層からディウェッティングする傾向がある。そのために、本発明は、軟質な金属層と絶縁層の間に接着層を介在させ、軟質金属のウェッティングを改良する。適切な接着層は、絶縁材料よりも軟質な金属をウェッティングする。接着薄層のみが堆積されるときでも、接着層はウェッティングを改良するのが好ましい。アパーチャの壁および底面を含む絶縁材料の表面にわたって、実質的に均一な接着がなされることができる。
本発明によると、接着層が、PVDによるTiまたは別の耐熱物(Nb、アルミニウムシリケート、シリカ、高アルミナなど)、CVDによるTiN、PVDによるTiN、またはこれらの層の組合せを含むのが好ましい。接着層が堆積されると、実質的に連続なキャップが絶縁層にわたって形成される。アルミニウムとの良好なウェッティング性を有し、その溶融点がおよそ1675℃であるチタンは、接着材料として好ましく、PVDまたはCVD工程により堆積されることができる。
【0012】
CVDによるAl層は、接着層の頂上に成長され、バイアの頂部をシールせずに、バイア構造に共形のカバレージを形成する。CVDによるAlは、接着層の上に共形のウェッティング層を与え、その上にPVDによるAlを堆積させる。CVDによるAlは、様々な状況の下で堆積され、標準的な工程では、およそ180℃から265℃の間のウェハ温度と、およそ20Å/秒から130Å/秒の間の堆積速度をもつ。CVDによるAlの堆積は、およそ1トルから80トルの間のチャンバ圧で行われ、およそ25トルのチャンバ圧が好ましい。CVDによるAlの堆積反応が、以下の式に従って、水素化ジメチルアルミニウム(DMAH)と水素ガス(H2)の反応を行う。
(CH32Al−H+H2 −−→Al+CH4 +H2
基板はそれからPVDによるAlチャンバに送られ、CVDによるAlおよびPVDによるAlの溶融点温度より低い温度でPVDによるAlを堆積する。軟質な金属がアルミニウムであるとき、PVDによるAlが、およそ660℃より低いウェハ温度で、好ましくはおよそ400℃より低い温度で堆積されるのが好ましい。アルミニウム層は、およそ400℃で、PVD堆積工程中に流動し始め、チタン接着層は、固体金属層として定位置に残ったままである。チタンがアルミニウムとの良好なウェッティング性を有するために、CVDによるAlが、およそ400℃でチタンをディウェッティングすることから妨げられ、そのために、従来のCVD工程により教示されるように、アルミニウムの溶融点より高いウェハ温度(>660℃)が必要とされない。そのために、チタン薄層を利用することにより、アルミニウムの溶融点よりもはるかに低い温度でアルミニウムの平坦化が可能となる。
【0013】
PVDによるAl層が、同時に行われるPVDのAlCu工程においてアルミニウムと同時にスパッタされる銅(Cu)を含むのが好ましい。PVDによるAlCuは、CVDによるAlに続き、それらの層の間に酸化物層は存在せず、PVDによるAlCuが、粒子境界が存在しないようにCVDによるAl上に気相成長する。さらに、次のCVDによるAl/PVDによるAlCu工程が、混合層をおよそ300℃でおよそ15分間アニールし、スタック中でCuを一様に分散させる。混合CVD/PVDによるAl層の頂面が、表面の反射能を低減し且つ層のフォトリソグラフィ性能を改良するために、PVDによるTiNの非反射コーティング(ARC)を受ける。最後に、基板のアパーチャを金属被覆する本発明の方法は、基板表面を予め清浄し、コヒーレントなTi工程を通じてチタン、CVDによるAl、PVDによるAlCu、およびTiNのARCを堆積させるステップを含むことが最も好ましい。
【0014】
図1は、パターン処理された絶縁層12が形成された基板を図式的に示す。絶縁層12は、高アスペクト比を有する、すなわち径に対する深さのおよそ3となる高い比を有するバイア14を持つ。しかし、本発明は、いかなるアスペクト比を有するバイアと協同して有益である。チタン薄層16は、バイア14の壁および底面20を含んだ絶縁層12のほぼ全表面を覆う基板上に直接堆積される。チタン薄層16は、一般におよそ5Åから700Åの間の厚さを有し、特に100Åから200Åの間の範囲が好ましい厚さである。共形のCVDによるAl層22が、チタン層16上に、接点またはバイアの頂部をシールしてしまう厚さを越えない所望の厚さにまで堆積される。
図2は、PVDによるAl層が、CVDによるAl層22(図1の層22)上に堆積され、その上にPVD層23を形成する。混合CVD/PVDによるAl層は、PVDによるAlがCVDによるAl層上に堆積するときに混合することで生じる。PVDによるAlは、一定のドーパントを包含し、堆積のときに、PVDによるAlがCVDによるAlと混合して、ドーパントがPVD/CVDによるAl混合層24の全体にわたって分散される。しかしながら、PVDによるAlは、ドープされる必要がない。混合層24の頂面26はほぼ平坦化される。チタン層がAl層の優れたウェッティング性を与えるために、PVDによるAl堆積中の絶縁層すなわちウェハ温度が、アルミニウムの溶融点(660℃)を越える必要がなく、それよりもむしろ660℃よりも低い温度を示すことができ、およそ400℃より低い温度を示すのが好ましい。
【0015】
図3は、中にボイドを有する半導体基板のバイアの横断面を示した透過電子顕微鏡写真である。これらのボイドは、CVD工程に共通の主要な孔あけ機構を通じて形成され、バイア全体が充填される前に接点またはバイアの頂部すなわちスロートがシールされている。高アスペクト比のサブハーフミクロンの金属被覆の技術が、満足いく電気的伝導性を実現するとして以前に報告されてきたが、改良した透過電子顕微鏡の技術を利用することにより、バブルすなわちボイドがバイアプラグの中に存在することが示されてきた。このボイドは、主要な孔あけ機構を通じて閉じ込められる副産物である反応性ガスにより、又はバイア壁からアルミニウムをディウェッティングすることにより生じる。表面張力により、ガスは、接点またはバイア構造内で小さい表面部分を有する単一の大きな球形ボイドを形成する傾向にある。
【0016】
図4は、CVDによるAl層(およそ1500Å)で覆われたチタン薄層(およそ600Å)を有する半導体基板のバイアの横断面を示す透過電子顕微鏡写真である。
図5は、本発明に従って完全に充填した半導体基板のバイアの横断面を示した透過電子顕微鏡写真である。チタン接着層が固形を保ち、いずれのアルミニウム層の堆積中にも流動せず、すなわち薄くならないことに気付かれたい。混合CVD/PVDによるAl層は、大きな粒子形成を示し、ボイドは存在しない。
図6は、統合されたクラスタツールを図式的に示す。マイクロプロセッサコントローラが、基板における所望の膜層のシーケンスおよび形成を制御するように与えられる。クラスタツールは一般にガス抜きチャンバを備え、その中で基板がガス抜き汚染物に導かれる。基板はそれから、基板表面が清浄される前清浄チャンバに動かされる。特定の用途によると、基板はロボットにより、コヒーレントTiチャンバ、あるいはCVDによるTiNチャンバのいずれかに動かされる。基板が最初にコヒーレントTi層を堆積される場合には、それから一般にCVDによるTiチャンバに移される。CVDによるTi層の堆積に続いて、基板はCVDによるAlチャンバに動かされる。次に、基板はPVDによるAlCuチャンバにおいて処理される。最後に、基板はPVDによるTiNのARCチャンバに導かれる。
【0017】
この統合システムが、単一の処理ツールにおいて基板を連続して処理できるため、Al層の全体にわたるCuの分散を改良することが本発明により達成される。このことにより、最初に堆積されるCVDによるAl層上に酸化物層が形成される外部環境に、処理される基板が曝されなくなる。必然的に、CVDによるAl層上に酸化物層が形成すると、Al層全体にわたってPVDによるAl工程で与えられるCuの分散が妨げられる。
当業者が図6に示されるチャンバの構造および動作を認識するであろうことを理解すべきである。一般に、チャンバは、囲い、囲い内に配置される基板支持部材、および基板上に堆積されるべき堆積材料を与える手段、およびチャンバ、すなわちPVDチャンバ内に電気的バイアスを与え、Arのような不活性ガスをプラズマ状態に励起してターゲットをスパッタさせるための電力手段を備える。クラスタツールは、一般に膜層の形成に必要な処理ステップを通じて基板を移送する2つのロボットを備える。
【0018】
多段真空ウェハ処理システムが、1993年2月16日に発行されたテップマン(Tepman)等による米国特許第5,186,718号の"Staged-Vacuum Wafer Processing System and Method"に開示されており、本願明細書の一部として組み込む。
図7は、図6のシステムのCVDチャンバにガスを供給するガスボックスシステムを例示する。TiNガスボックスには、N2、Ar、He、O2およびNF3が供給される。反応生成テトラカス(tetracus)ジメチルアミノチタン(TDMAT)が、ArとN2の不活性ガスと一緒に、処理用のCVDのTiNチャンバに入れられる。同様に、CVDのAlガスボックスには、N2、ArとH2が供給される。反応生成ジメチルアルミニウム水素化物(DMAH)/H2と不活性ガスArが、アルミニウムを堆積するためにCVDのAlチャンバに入れられる。両方のチャンバが、チャンバを真空に引くためのターボポンプと、送風/乾燥ポンプを備える。
【0019】
本発明は前述の好適な実施の形態に従って説明されてきたが、本発明の別の実施の形態が、本発明の基本的な範囲を逸脱することなく得られる。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に従って金属被覆された半導体基板の、接着層とCVDによるAl層を有するバイアを図式的に示す。
【図2】本発明に従って金属被覆された半導体基板の、接着層とCVD/PVDによる混合Al層を有するバイアを図式的に示す。
【図3】ボイドが中にある半導体基板のバイアの横断面を示した透過電子顕微鏡写真である。
【図4】CVDによるアルミニウム層で覆われたチタン薄層を有する、半導体基板のバイアの横断面を示した透過電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明に従って、完全に充填された半導体基板のバイアの横断面を示した透過電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明に従った、金属被覆に対して構成される統合CVD/PVDシステムである。
【図7】図6のシステムにガスを供給するCVDガスボックス送出システムの流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の特徴部を形成する方法であって、
a)アパーチャの表面にわたって、およそ5Åから700Åの間の厚さを有するチタン層をスパッタリングし;
b)バイアの頂部を覆うことなく、チタン層の表面にわたって、およそ200Åから1μmの間の厚さを有するアルミニウムを化学蒸着し;
c)化学蒸着されたアルミニウムにわたって、アルミニウムをおよそ660℃より低い温度で物理気相成長させ、化学蒸着されたアルミニウムと物理気相成長されたアルミニウムを、ボイドを形成することなくバイアに流動させるステップを有する方法。
【請求項2】
チタン層がおよそ100Åから200Åの間の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルミニウムの物理気相成長が、およそ400℃より低い温度で行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(a)から(c)までのステップが、統合された処理チャンバ内で実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
物理気相成長されたアルミニウムが、ドーパントを含み、およそ250℃から350℃の間の温度でアニーリングするステップをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
基板に均一なステップカバレージを与える方法であって、
a)基板上に耐熱性薄層を形成し;
b)耐熱性薄層にわたって共形の化学蒸着による金属薄層を形成し;
c)化学蒸着による金属薄層にわたって物理気相成長による金属層を形成するステップを有する方法。
【請求項7】
化学蒸着による金属層が、1500Åより小さい厚さを有することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
耐熱性金属層が、600Åより小さい厚さを有することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
化学蒸着による金属層がAlであり、物理気相成長による金属層がAlであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
物理気相成長による層が400℃より低い温度で堆積されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
化学蒸着によるAlがおよそ400℃より低い温度で堆積されることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
化学蒸着によるAl層と物理気相成長によるAl層が混合して、単一の共形金属層を形成することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
半導体ウェハであって、
a)半導体ウェハ上に形成された金属層と;
b)内部に形成されたアパーチャを有し、金属層と連絡する、金属層上に形成された絶縁層と;
c)アパーチャの表面にわたり、およそ5から700Åの間の厚さを有するチタン層と;
d)アパーチャの頂部を覆わないように、チタン層にわたって形成されたおよそ200Åから1μmの間の厚さを有する化学蒸着されたアルミニウム層と;
e)化学蒸着されたアルミニウムにわたって、およそ400℃より低い温度で堆積された物理気相成長されたアルミニウムとを有し、化学蒸着されたアルミニウムと物理気相成長されたアルミニウムが、ボイドを形成することなくバイアに流動する、半導体ウェハ。
【請求項14】
半導体基板のステップカバレージおよび金属被覆を改良する装置であって、
a)ロードロックチャンバ、耐熱性金属処理チャンバ、化学蒸着金属処理チャンバ、および物理気相成長金属処理チャンバを含んだ複数の分離可能な連絡領域と;
b)中間基板搬送領域と;
c)分離可能領域に連絡し、ロードロックチャンバから処理チャンバまでの装置にわたって減圧する真空勾配を達成する真空手段とを有する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−10434(P2009−10434A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267743(P2008−267743)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【分割の表示】特願平8−295983の分割
【原出願日】平成8年11月8日(1996.11.8)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】