説明

作業機械の制御装置

【課題】テレスコピックハンドラにより効率よく種々の作業を行う。
【解決手段】可変容量型の作業用油圧ポンプ22と、フォーク作業およびバケット作業を検出する検出手段33と、油圧ポンプ21のポンプ容量を変更する容量変更手段22a,27と、検出手段33によりバケット作業が検出されると、フォーク作業が検出されたときよりも、ポンプ容量が小さくなるように容量変更手段22a,27を制御する制御手段30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレスコピックハンドラ等の作業機械の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレスコピックハンドラ等のホイール式の作業機械には、伸縮ブームの先端部に種々の作業用アタッチメントが取付可能であり、作業用アタッチメントの種類に応じて種々の作業を行うことができる。例えば伸縮ブームの先端部にフォークを取り付けた場合には、パレット上に載置した荷の積み降ろし作業を行うことができ、バケットを取り付けた場合には、掘削作業を行うことができる。この種のテレスコピックハンドラに関する先行技術文献として、以下の特許文献1記載のものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2005−54414号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、荷の積み降ろし作業を効率よく行うためには、コントロールバルブを介して作業用油圧ポンプからブーム伸縮用シリンダへ供給される圧油量を増加させ、ブームの伸縮動作を素早く行うことが好ましい。この場合、荷の積み降ろし作業に合わせてポンプ吐出量が多くなるように油圧ポンプの吐出容量を設定すると、掘削作業時にはブーム伸縮用シリンダへの圧油供給が必要ないため、コントロールバルブにおける中立圧損が大きくなり、効率の点で問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による作業機械の制御装置は、可変容量型の作業用油圧ポンプと、停車状態で行う停車作業モード時および走行状態で行う走行作業モード時に、それぞれ油圧ポンプからの圧油により駆動される第1の油圧アクチュエータと、停車作業モード時にのみ油圧ポンプからの圧油により駆動される第2の油圧アクチュエータと、作業モードを検出する検出手段と、油圧ポンプのポンプ容量を変更する容量変更手段と、検出手段により走行作業モードが検出されると、停車作業モードが検出されたときよりも、ポンプ容量が小さくなるように容量変更手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
微速操作を指令する微速指令手段を備え、停車作業モード時に微速指令手段により微速操作が指令されると、微速操作が指令されないときよりも、ポンプ容量が小さくなるように容量変更手段を制御することもできる。
作業機械の前進、後進、および走行中立を指令する走行指令手段を有し、検出手段を、走行指令手段により前進または後進が指令されると走行作業モードを検出し、走行中立が指令されると停車作業モードを検出するように構成することもできる。
伸縮可能なブームを有し、第2の油圧アクチュエータをブーム伸縮用シリンダとすることもできる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、走行作業モード時の作業用油圧ポンプのポンプ容量を、停車作業モード時のものより小さくするようにしたので、停車作業モードでの作業効率を高めるとともに、走行作業モード時の中立圧損を低減することができ、効率的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図1〜図7を参照して本発明による作業機械の制御装置の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る作業機械としてのテレスコピックハンドラの側面図である。テレスコピックハンドラは、車体1と、前後の車輪2と、車体1から起伏可能に支持された伸縮可能なテレスコブーム3とを有する。なお、図1で1Aはテレスコブーム3が倒回し、かつ縮退した状態を、1Bはテレスコブーム3が起立し、かつ伸張した状態を示している。
【0008】
テレスコブーム3は、車体後端部の回動軸4を支点に上下方向に回動可能に設けられ、ブームシリンダ11の駆動により起伏する。テレスコブーム3は外筒3Aと内筒3Bとを有する伸縮可能な多段式ブームである。テレスコブーム3の内部には、一端部が外筒3Aに固定され、他端部が内筒3Bに固定されたテレスコシリンダ12がブーム3の伸縮方向に沿って配設され、テレスコブーム3はテレスコシリンダ12の駆動により伸縮する。テレスコシリンダ12はテレスコブーム3の最大伸張量に相当する分だけ伸張する必要があり、テレスコシリンダ12の油室の容量は比較的大きい。なお、外筒3Aと内筒3Bの間に単一もしくは複数の中間筒を設け、テレスコブーム3を3段以上とすることもできる。
【0009】
テレスコブーム3の先端部には、ブラケット5を介して回動軸6を支点に上下方向に回動可能に作業用アタッチメント7が取り付けられている。作業用アタッチメント7は揺動シリンダ13の駆動により揺動する。作業用アタッチメント7はブーム先端部から着脱可能であり、図1ではブーム先端部にフォーク71を取り付けているが、図7に示すようにバケット72を取り付けることもできる。フォーク71を取り付けた場合には後述するように荷の積み降ろし作業(フォーク作業)を行い、バケット72を取り付けた場合には掘削作業(バケット作業)を行う。フォーク作業は、通常、停車状態で行い、バケット作業は走行しながら行う。
【0010】
図2は、本発明の実施の形態に係る制御装置の概略構成を示す図である。エンジン20の出力軸には、可変容量型の走行用ポンプ(HSTポンプ21)と可変容量型の作業用ポンプ22とが連結されている。これらポンプ21,22はエンジン20により駆動され、エンジン回転数の増加に伴いポンプ21,22の回転数も増加する。HSTポンプ21からの圧油は走行モータ23に供給され、走行モータ23が駆動する。走行モータ23の駆動力はトランスミッション24および前後のアクスル25,26を介して車輪2に伝達され、車両が走行する。
【0011】
HSTポンプ21のポンプ容量(例えばポンプ傾転量)は容量制御装置21aにより制御される。容量制御装置21aは傾転調整シリンダと、前後進切換レバーの操作に連動して切り換わる前後進切換弁とを有する。図3に示すように前後進切換レバー31はステアリングハンドル35の下方かつステアリングコラムの左側に設けられ、中立位置から図示矢印に示すように前方(前進位置)および後方(後進位置)に回動操作可能である。前後進切換レバー31が中立位置に操作されると前後進切換弁は中立位置に切り換わり、HSTポンプ21をゼロ傾転とするように傾転調整シリンダを制御し、ポンプ吐出量を0とする。
【0012】
前後進切換レバー31が前進位置または後進位置に操作されると、前後進切換弁は前進位置または後進位置に切り換わり、傾転調整シリンダの動作方向を制御し、HSTポンプ21の傾転方向を制御する。このとき傾転調整シリンダには前後進切換弁を介して制御圧力が供給され、制御圧力に応じてポンプ傾転量が制御される。制御圧力はエンジン回転数の増加により上昇し、制御圧力が上昇するとポンプ傾転量が増加する。その結果、エンジン回転数が増加すると、HSTポンプ21の回転数とポンプ傾転量の両方が増加してポンプ吐出量が増加し、滑らかな加速走行が可能となる。エンジン回転数は図示しないアクセルペダルの操作により調整される。
【0013】
作業用油圧ポンプ22からの圧油はコントロールバルブ11a〜13aを介してそれぞれブームシリンダ11、テレスコシリンダ12、揺動シリンダ13に供給される。各コントロールバルブ11a〜13aはそれぞれ操作レバー11b〜13bの操作により切り換えられ、操作レバー11a〜13bの操作に応じてシリンダ11〜13への圧油の供給が制御される。操作レバー11b〜13bの非操作時にはコントロールバルブ11a〜13aは中立位置に切り換えられ、シリンダ11〜13への圧油の供給が阻止される。
【0014】
油圧ポンプ22のポンプ容量(例えばポンプ傾転量)はレギュレータ22aにより制御される。レギュレータ22aにはポンプ22の自己圧が作用し、馬力制御が行われる。馬力制御とは図4の実線に示すようなPQ制御であり、ポンプ吐出圧Pとポンプ吐出量Qとで決定される負荷がエンジン出力を上回らないように、レギュレータ21aによってポンプ傾転量qが制御される。
【0015】
レギュレータ22aは最大容量制限部を有し、電磁弁27の切換により最大容量制限部へポンプ圧が作用し、ポンプ22の最大傾転を大(q0)または小(q1)の2段階に制御する。すなわち電磁弁27がオフのときは、ポンプ最大傾転はq0となり、所定のエンジン回転数の下でのポンプ吐出量は図4のQ0となる。電磁弁27がオンのときは、ポンプ最大傾転はq1となり、ポンプ吐出量は図4のQ1(<Q0)となる。なお、q0はポンプ自体の仕様により定まる最大傾転である。
【0016】
電磁弁27は制御装置30からの信号により切り換わる。制御装置30には、前後進切換レバー31の操作を検出する検出器33と、微速操作を指令する切換スイッチ32からの信号が入力される。切換スイッチ32は、図3に示すようにステアリングホイール35の右側の操作盤に設けられ、スイッチ操作に応じてオン信号またはオフ信号を出力する。操作レバー11b〜13bの把持部に切換スイッチ32を設けてもよく、これにより操作レバー11b〜13bから手を離さずに微速操作を指令することができる。
【0017】
図5は制御装置30で実行される処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは例えばエンジンキースイッチのオンによりスタートする。ステップS1では、検出器33からの信号により前後進切換レバー31の操作を判定する。この判定は、作業モードの判定である。すなわち前後進切換レバー31が中立位置にあるときは停車状態で行う停車作業モードと判定し、前進位置または後進位置にあるときは走行状態で行う走行作業モードと判定する。ステップS1で、前後進切換レバー31が前進位置または後進位置と判定されると、すなわち走行作業モードと判定されるとステップS2に進み、電磁弁27をオンする。これにより油圧ポンプ22の最大傾転が小、つまりq1となる。
【0018】
一方、ステップS1で、前後進切換レバー31が中立位置、すなわち停車作業モードと判定されるとステップS3に進み、切換スイッチ32からの信号を判定する。切換スイッチ32からオン信号が出力、すなわち微速操作指令ありと判定されるとステップS2に進み、オフ信号が出力と判定されるとステップS4に進む。ステップS4では、電磁弁27をオフする。これにより油圧ポンプ22の最大傾転が大、つまりq0となる。
【0019】
本実施の形態に係る制御装置の動作をより具体的に説明する。
(1)フォーク作業
初めに、図6に示すようにテレスコブーム3の先端部にフォーク71を取り付けて荷の積み降ろし作業を行う場合を場合について説明する。すなわち停車作業モードの一例であるフォーク作業について説明する。フォーク作業は、パレット上に載置された荷の手前まで車両を走行移動し、パレットの底部にフォーク71の先端部を挿入した後、前後進切換レバー31を中立位置に操作し、車両を停止した状態で行う。このため、フォーク作業時には電磁弁27はオフされ、ポンプ22の最大傾転はq0に制御される(ステップS4)。
【0020】
上述した状態でパレット上の荷を台8の上に積み上げる場合は、まずブーム3の起立またはフォーク71の揺動操作により、矢印6aに示すように荷を抱え込むようにしてフォーク71を手前側に倒し、荷を地面から浮かせる。なお、荷が台8から離れた場所に設置されている場合は、上述したようにして荷を地面から浮かせた後、車両を台8の手前まで走行移動し、その後、前後進切換レバー31を中立位置に操作して、停車作業モードとすればよい。
【0021】
次に、ブーム3の起立および伸張操作により、矢印6bに示すように荷を垂直に上昇させる。次に、ブーム3の倒回および伸張操作により、矢印6cに示すように荷を水平方向奥方に移動する。その後、ブーム3の倒回およびフォーク71の揺動操作により、矢印6dに示すようにパレットを台8の上に載置する。次に、ブーム3の起立および縮退操作により、矢印6eに示すようにパレットの下方からフォーク71を手前側に引き抜く。次に、ブーム3の倒回および縮退操作により、矢印6fに示すようにフォーク71を垂直に下降する。以上で、荷の吊り上げ操作が終了する。その後、別の荷を吊り上げる場合は、同様な操作を繰り返す。
【0022】
台8の上に載置された荷を降ろす場合は、上述したのと逆の手順でブーム3およびフォーク71を操作すればよい。すなわちブーム3を起立および伸張操作してフォーク71を上昇させた後、ブーム3を倒回および伸張操作してパレットの下方にフォーク71を差し込む。次に、ブーム3を起立およびフォーク71を揺動操作してパレットを持ち上げ、ブーム3を起立および縮退操作して荷を手前側に水平移動する。次に、ブーム3を倒回および縮退操作して荷を下方に垂直に移動し、フォーク71の揺動操作により荷を床面に降ろせばよい。
【0023】
以上のフォーク作業時における各シリンダ11〜13の操作は、単独で行ってもよいし、複合操作により同時に行ってもよい。この場合、フォーク作業時には油圧ポンプ22の最大傾転がq0であり、所定のエンジン回転数の下でのポンプ吐出量はQ0となる。このため、荷の積み降ろしの際のフォーク71の移動速度を速めることができ、作業効率が向上する。とくにテレスコピックハンドラはテレスコシリンダ12の伸縮量が大きいため、ポンプ吐出量の増加による作業効率の改善の効果は大きい。
【0024】
上述の動作のうち、とくにパレットの下方からフォーク71を引き抜く動作やフォーク71を差し込む動作はゆっくりと行う必要がある。この動作を行う際は、作業員は切換スイッチ32を操作する。これにより油圧ポンプ22の最大傾転がq1となり、ポンプ吐出量がQ0からQ1に減少する(ステップS2)。このため、各シリンダ11〜13の駆動速度が低速となり、微速操作が容易になる。
【0025】
(2)バケット作業
次に、図7に示すようにテレスコブーム3の先端部にバケット72を取り付けて、掘削作業を行う場合について説明する。すなわち走行作業モードの一例であるバケット作業について説明する。バケット作業は、前後進切換レバー31を前進位置または後進位置に切り換え、車両を前後進させながら行う。このため、バケット作業時には電磁弁27はオンされ、ポンプ22の最大傾転はq1に制御される(ステップS2)。
【0026】
バケット作業を行う場合には、まず、図の7aに示すように土砂に向けてバケット72を水平状態にセットする。そして、前後進切換レバー31を前進位置に操作した状態で、アクセルペダルの踏み込み操作により、図の7bに示すように車両を土砂に向かって前進走行させる。次に、車両を前進走行させながらブーム3を起立およびバケット72を手前側へ揺動操作(クラウド)する。これにより図の7cに示すようにブーム3を起立し、バケット内に土砂を取り込む。次に、前後進切換レバー31を後進位置に操作した上で、アクセルペダルの操作により車両を後進走行する。また、ブーム3の倒回操作により、図の7dに示すようにバケット72を下方に移動する。
【0027】
その後、前後進切換レバー31を前進位置に操作した上で、ステアリングハンドル35とアクセルペダルを操作して車両を所定の放土位置に向けて前進走行させるとともに、ブーム3の起立操作によりブーム3を起立させる。次に、バケット72の揺動操作(ダンプ)により、図の7eに示すようにバケット内の土砂を放土した後、バケット72の揺動操作(クラウド)により、バケット72を水平位置にセットする。次に、前後進切換レバー31を後進位置に操作し、アクセルペダルの操作により車両を後進走行するととともに、ブーム3の倒回操作によりバケット72を図の7aの状態に戻す。以降、同様な動作を繰り返す。
【0028】
以上のバケット作業時には、ブームシリンダ11と揺動シリンダ13のみが操作される。各シリンダ11,13の操作は、単独で行ってもよいし複合操作により同時に行ってもよい。バケット作業時には油圧ポンプ22の最大傾転がq0からq1に減少するため、油圧ポンプ22の吐出量が強制的に減少し、中立状態のコントロールバルブ12aにおける圧油の圧力損失、すなわち中立圧損を低減することができる。この場合、バケット作業時には、シリンダ容量の大きいテレスコシリンダ12を駆動する必要がないので、ポンプ吐出量が減少しても掘削作業を問題なく行うことができる。また、エンジン回転数を低下させずにポンプ容量を減少させるので、走行動作に悪影響を与えることもない。
【0029】
本実施の形態によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)前後進切換レバー31が前進位置または後進位置のときは、中立位置のときよりも作業用ポンプ22の最大傾転が小さくなるようにした。これによりバケット作業時のポンプ吐出量が減少し、コントロールバルブ12aの中立圧損が小さくなり、効率的である。また、フォーク作業時にはブーム3を素早く伸縮することができ、作業効率が向上する。この場合、バケット作業時にはブーム3を伸縮する必要がないため、問題となるような作業効率の悪化はない。
(2)フォーク作業時に、切換スイッチ32の操作によりポンプ最大傾転をq0からq1に減少させるようにした。これによりパレット底部へのフォーク71の差し込みや引き抜き等を微速操作によって容易に行うことができる。
(3)前後進切換レバー31の操作位置に応じてポンプ最大傾転を制御するので、ポンプ最大傾転を指令するための操作を別にする必要がなく、煩雑な操作が不要である。
【0030】
なお、上記実施の形態では、前後進切換レバー31の操作位置を検出器33により検出することで作業モード(停車作業モード、走行作業モード)を検出するようにしたが、例えば作業モードの設定器を別に設け、この設定操作を検出することで作業モードを検出するようにしてもよく、検出手段の構成は上述したものに限らない。電磁弁27の切換により油圧ポンプ22の最大傾転を制御するようにしたが、ポンプ容量を変更するのであれば、容量変更手段はいかなるものでもよい。最大傾転ではなく、ポンプ傾転そのものを制御するようにしてもよい。走行作業モード時に停車作業モード時よりもポンプ容量を小さくするのであれば、制御手段としての制御装置30における処理も上述したものに限らない。
【0031】
切換スイッチ32の操作により微速操作を指令するようにしたが、スイッチ操作以外(例えば音声等)により微速操作を指令してもよく、微速指令手段の構成はこれに限らない。前後進切換レバー31により車両の前後進および中立を指令するようにしたが、他の走行指令手段によりこれを行ってもよい。以上では、ブーム先端部にフォーク71とバケット72を取り付ける場合について説明したが、他の作業用アタッチメントを取り付けることもできる。また、テレスコピックハンドラ以外の作業機械にも本発明を同様に適用することができる。したがって、ブームシリンダ11と揺動シリンダ13を停車作業モード時と走行作業モード時に駆動し、伸張シリンダ12を停車作業モード時にのみ駆動するようにしたが、第1の油圧アクチュエータや第2の油圧アクチュエータはこれに限定されない。
【0032】
上記実施の形態では、HSTポンプ21により走行モータ23を駆動し、車両を走行するようにしたが、トルコンを介してエンジン出力をトランスミッション24に伝達し、車両を走行するようにしてもよい。アクセルペダルの操作ではなく、手動ダイヤル等の操作によりジン回転数を設定し、エンジン回転数一定、つまり油圧ポンプ22の回転数が一定の下で作業を行うようにしてもよい。すなわち本発明の特徴、機能を実現できる限り、本発明は実施の形態の作業機械の制御装置に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態に係る作業機械の一例であるテレスコピックハンドラの側面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る制御装置の概略構成を示す図。
【図3】運転室内の操作部材の配置を示す図。
【図4】図2の作業用油圧ポンプのPQ特性を示す図。
【図5】図2の制御装置で実行される処理の一例を示すフローチャート。
【図6】フォーク作業の動作の一例を示す図。
【図7】バケット作業の動作の一例を示す図。
【符号の説明】
【0034】
11 ブームシリンダ
12 テレスコシリンダ
13 揺動シリンダ
22 作業用油圧ポンプ
22a レギュレータ
27 電磁弁
30 制御装置
31 前後進切換レバー
32 切換スイッチ
33 検出器
71 フォーク
72 バケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変容量型の作業用油圧ポンプと、
停車状態で作業を行う停車作業モード時および走行状態で作業を行う走行作業モード時に、それぞれ前記油圧ポンプからの圧油により駆動される第1の油圧アクチュエータと、
前記停車作業モード時にのみ前記油圧ポンプからの圧油により駆動される第2の油圧アクチュエータと、
作業モードを検出する検出手段と、
前記油圧ポンプのポンプ容量を変更する容量変更手段と、
前記検出手段により前記走行作業モードが検出されると、前記停車作業モードが検出されたときよりも、ポンプ容量が小さくなるように前記容量変更手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする作業機械の制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械の制御装置において、
微速操作を指令する微速指令手段を備え、
前記容量制御手段は、前記停車作業モード時に前記微速指令手段により微速操作が指令されると、微速操作が指令されないときよりも、ポンプ容量が小さくなるように前記容量変更手段を制御することを特徴とする作業機械の制御装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業機械の制御装置において、
前記作業機械の前進、後進、および走行中立を指令する走行指令手段を有し、
前記検出手段は、前記走行指令手段により前進または後進が指令されると前記走行作業モードを検出し、走行中立が指令されると前記停車作業モードを検出することを特徴とする作業機械の制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機械の制御装置において、
前記作業機械は、伸縮可能なブームを有し、
前記第2の油圧アクチュエータは、ブーム伸縮用シリンダであることを特徴とする作業機械の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−115923(P2008−115923A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298591(P2006−298591)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】