説明

保温又は保冷容器

【課題】ブロー成形体からなるタンクの周囲を発泡樹脂で包み、その周囲を外装材で押さえた貯湯タンクにおいて、タンクの変形を防止し、長期の使用に耐えられる貯湯タンクを提供する。
【解決手段】いずれもプラスチックのブロー成形体からなる内層タンク1と外層タンク16が、上端の第1ネック部3,19と下端の第2ネック部4,21で密着して、接合されている。硬質発泡プラスチックが内層タンク1と外層タンク16の隙間内で発泡し同隙間内に充填されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内層容器と、その周囲を隙間を置いて包囲する外層容器と、内層容器と外層容器の間に充填された断熱材からなるプラスチック製の保温又は保冷容器に関し、特に内層容器(内層タンク)、外層容器(外層タンク)及び断熱材からなるプラスチック製の貯湯タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプラスチック製の貯湯タンクは、ブロー成形体からなるタンクの周囲を2ピース以上の断熱材(発泡樹脂)で包み、さらにその周囲を外装材で押さえて使用している。比較的高い耐熱性及び耐圧性が必要なタンクの場合、例えばポリカーボネイト等の耐熱性のある樹脂が使用され、比較的低い温度及び圧力で使用されるタンクの場合、例えばポリエチレン、ポリオレフィン等の樹脂が使用される。
【0003】
ポリカーボネイト等からなる耐圧タンクは、90℃以上の高温水に使用できるが、容量が20リッター以上の大型タンクになると、タンクの周囲を断熱材と外装材で押さえても、内圧(水道水の圧力)や温水重量による圧力でタンクに不均一な歪みが蓄積し、ついには破損に至り、長期の使用に耐えられない。また、ポリエチレンやポリオレフィン等からなるタンクは、60℃以上の温度、0.1MPa以上の圧力が掛かる条件では、強度が低下し、断熱材と外装材で押さえても同じく長期の使用に耐えられない。
【0004】
一方、特許文献1には、内側ブロー成形体とその外周を隙間を置いて包囲する外側ブロー成形体からなる2重壁ブロー成形体において、前記隙間に例えば粒状の発泡断熱材を封入して、ボトル等の断熱性を高めることが記載されている。この2重壁ブロー成形体は、開いたブロー成形金型の間に予めブロー成形された内側ブロー成形体を配置し、内側ブロー成形体の外側に筒状のパリソンを降下させ、ブロー成形金型を閉じて型締めし、パリソンと内側ブロー成形体の間及び内側ブロー成形体の内側に、それぞれ別の吹き込み針から加圧エアを吹き込み、前記パリソンのみをブロー成形して外側ブロー成形体とし、続いて内側ブロー成形体と外側ブロー成形体の隙間に例えば粒状の発泡断熱材を封入することで製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−73968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された2重壁ブロー成形体は、2重壁の間に発泡断熱材を封入した場合は断熱性が高く、また、内部の熱による外側ブロー成形体の強度低下が防止できるので、貯湯タンクへの適応性があると期待される。しかし、特許文献1には、2重壁ブロー成形体を貯湯タンクへ適用するための具体的な手段が開示されていない。
【0007】
本発明は、特許文献1に記載された2重壁ブロー成形体を貯湯タンクに適用して、内側ブロー成形体の変形を防止し、長期の使用に耐えられる貯湯タンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る貯湯タンクは、内層タンクと、前記内層タンクの周囲を隙間を置いて包囲する外層タンク(外装材)と、前記内層タンクと外層タンクの間に充填された断熱材からなる貯湯タンクにおいて、前記内層タンクはプラスチックのブロー成形体からなり、本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有し、前記外層タンクはプラスチックのブロー成形体からなり、本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有し、前記外層タンクの第1ネック部は前記内層タンクの第1ネック部の外周面の全周に密着し、前記外層タンクの第2ネック部は前記内層タンクの第2ネック部の外周面の全周に密着し、前記断熱材は前記内層タンクと外層タンクの隙間内で発泡し前記隙間内に充填された硬質発泡プラスチックからなる。
【0009】
上記貯湯タンクは、開いたブロー成形金型の間の所定位置に、ブロー成形体からなり、本体部と、前記本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有する内層容器を、前記第1ネック部及び第2ネック部にそれぞれ第1支持ロッド及び第2支持ロッドを挿入した状態で配置し、前記内層容器の外側に筒状のパリソンを降下させた後、前記ブロー成形金型を閉じて型締めし、前記パリソンの一部を前記ブロー成形金型により前記内層容器の第1,第2ネック部の外周面の全周に押し付けて密着させ、続いて前記パリソンと内層容器の間、及び前記内層容器の内側に加圧エアを吹き込み、このとき前記内層容器の内側への加圧エアの吹き込みは前記第1支持ロッド又は/及び第2支持ロッドの内部に形成された通気穴を介して行い、前記パリソンと内層容器の間への加圧エアの吹き込みは別のブローピンを介して行い、前記パリソンのみをブロー成形して外層容器を成形し、続いて前記内層容器と外層容器の隙間に硬質発泡プラスチック組成物を注入して前記隙間内で発泡させ前記隙間内に硬質発泡プラスチックを充填することにより製造できる。
【0010】
本発明に係る貯湯タンクの構造等は、他の保温又は保冷容器にも適用できる。また、本発明に係る貯湯タンクの製造方法は、他の保温又は保冷容器の製造にも適用できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る貯湯タンクは、内層タンクの周囲を、内層タンクと外層タンクの隙間内で発泡し該隙間内に充填された断熱性及び剛性の高い硬質発泡プラスチックで保持し、さらにその周囲を外層タンクが保持している。このため、内層タンクに掛かる内圧や温水重量による圧力を、まず硬質発泡プラスチックが受け、さらに熱により強度低下していない外層タンクが受けるので、内層タンクが熱により強度低下しても、内層タンクに歪みが入って変形し、さらに破損に至るようなことが防止され、長期の使用に耐えられる貯湯タンクが得られる。
【0012】
本発明に係る貯湯タンクは、内層タンクの上下端に形成した第1,第2ネック部を、ブロー成形金型の間に配置した内層タンクの位置決めに用いることができる。内層タンクをブロー成形金型内で正確に位置決めができるので、内層タンクと外層タンクの隙間が製造毎に変動するようなことがなく、断熱性、耐熱性、耐圧性を備えた一定品質の貯湯タンクを製造することができる。
【0013】
内層タンクの第1,第2ネック部には、外周側から外層タンクの第1,第2ネック部が密着し、内層タンクと外層タンクの接合がこの部分で行われる。内層タンクと外層タンクの本体部同士を特許文献1のようにリブで接合した場合、内層タンクの本体部に局部的に高強度の部分が存在することになり、内層タンクに掛かる圧力で内層タンクの本体部に不均一な歪みが生じ、それが内層タンクの破損につながるおそれがある。しかし、本発明に係る貯湯タンクの場合、内層タンクと外層タンクの接合部が、内層タンクの本体部以外の箇所となることで、そのような問題が生じない。また、第1,第2ネック部の接合部は、硬質発泡プラスチックの発泡の邪魔にならない利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る貯湯タンクの製造方法を説明する斜視図(パリソン降下途中)である。
【図2】本発明に係る貯湯タンクの製造方法を説明する断面図(外側タンクのブロー成形後、硬質発泡プラスチックの注入前)である。
【図3】本発明に係る貯湯タンクの一部断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1〜図3を参照して、本発明に係る保温又は保冷容器(特に貯湯タンク)について説明する。
図1,2において、1は予めブロー成形された内層タンクであり、両端が鏡板状に閉じた略円筒状の本体部2と、本体部2の上端中央部に形成された筒状の第1ネック部3と、本体部2の下端中央部に形成された筒状の第2ネック部4からなる。第1ネック部3と第2ネック部4の貫通穴3a,4aは、本体部2の内部空間に通じている。
【0016】
図1において、内層タンク1は一対のブロー成形金型5,6の間の所定位置に配置され、第1ネック部3の貫通穴3aに通気穴7aを有する第1支持ロッド(ブローピン)7が上方から挿入され、後述する外層タンク16を成形するためのパリソン8が上方の押出ダイ9から押し出され降下しつつある。
ブロー成形金型5,6は、外層タンク16を成形するキャビティを有し、このキャビティ内に内層タンク1の本体部2、第1ネック部3及び第2ネック部4をそれぞれ所定の隙間を置いて収容する。また、ブロー成形金型5には、パリソン8と内層タンク1の間の空間に加圧エアを吹き込むブローピン11と、ブローピン11を進退させる駆動装置12が設置され、ブロー成形金型6には、内層タンク1と外層タンク16の間の隙間に硬質発泡プラスチック組成物(未発泡)を注入する注入ピン13と、注入ピン13を進退させる駆動装置14が設置されている。
【0017】
図1の状態から、下方に設置された第2支持ロッド15(中実)が上昇し、内層タンク1の第2ネック部4の貫通穴4aに挿入され、この第2支持ロッド15及び前記第1支持ロッド7により、内層タンク1はブロー成形金型5,6の間に位置決め及び支持される。第1支持ロッド7と第2支持ロッド15により、内層タンク1内の空間1Aが密閉される。
パリソン8が所定位置まで降下したタイミングでブロー成形金型5,6の型締めが行われる。この型締めにより、パリソン8の上端付近の一部が内層タンク1の第1ネック部3の外周面に押し付けられて全周で密着し、パリソン8の下端付近の一部が内層タンク1の第2ネック部4の外周面に押し付けられて全周で密着し、パリソン8と内層タンク1の間に密閉された空間8Aが形成される。なお、内層タンク1は加熱されていないが、パリソン8のプラスチックが内層タンク1のプラスチックと相溶性を有する場合、パリソン8と第1,第2ネック部3,4の間で溶着が生じ、内層タンク1と外層タンク16の間の接合がより強固となる。
【0018】
型締め後、駆動装置12を作動させてブローピン11をパリソン8に突き通し、パリソン8と内層タンク1の間の空間8Aに加圧エアを吹き込む。同時に、ブローピン7から内層タンク1の内部の空間1Aに加圧エアを吹き込む。これにより、パリソン8がブロー成形され、図2に示すように、ブロー成形金型5,6のキャビティ面に沿って外層タンク16が形成される。内層タンク1の内部の空間1Aにも加圧エアを吹き込むことで、パリソン8と内層タンク1の間の空間8Aの圧力により内層タンク1が縮んで変形することが防止できる。
【0019】
加圧エアの吹き込みを継続した状態で、駆動装置14を作動させて注入ピン13をパリソン8(すでに外層タンク16の形状を有する)に突き通し、パリソン8と内層タンク1の間の空間8Aに硬質発泡プラスチック組成物を注入し(例えば硬質発泡ポリウレタンであれば2液混合液、発泡ポリスチレンであれば未発泡粒子)、次いで加圧エアの吹き込みを中止してパリソン8と内層タンク1の間の空間8A及び内層タンク1の内部の空間1Aを大気圧に戻し、前記硬質発泡プラスチック組成物を発泡させる。外層タンク16の保有する熱により、発泡が速やかに進行し、硬質発泡プラスチック17が前記空間内に充填される。硬質発泡プラスチック17は、前記空間内で一体物(1ピース)として形成される。なお、パリソン8(外層タンク16)が硬化しないうちに加圧エアの吹き込みを中止しても、硬質発泡プラスチック17の膨張による内圧の増加により、外層タンク16はキャビティ面に沿った形状に成形される。
【0020】
図3に、以上の製造工程を終え、バリを除去した貯湯タンクを示す。この貯湯タンクは、プラスチックのブロー成形体からなる内層タンク1と外層タンク16、及び内層タンク1と外層タンク16の隙間に充填された硬質発泡プラスチック17からなる。外層タンク16は、内層タンク1と同様に、両端が鏡板状に閉じた略円筒状の本体部18と、本体部18の上端中央部に形成された筒状の第1ネック部19と、本体部18の下端中央部に形成された筒状の第2ネック部21からなる。内層タンク1の上端の第1ネック部3の周囲に外層タンク16の上端に形成された第1ネック部19が密着し、内層タンク1の下端の第2ネック部4の周囲に外層タンク16の下端に形成された第2ネック部21が密着している(図2参照)。
内層タンク1の第1ネック部3(必要があればさらに外層タンクの第1ネック部19)は、この貯湯タンクの給水口として利用することができ、内層タンク1の第2ネック部4(必要があればさらに外層タンクの第2ネック部21)は、この貯湯タンクのドレンとして利用することができる。
【0021】
以上説明した貯湯タンクのプラスチック材料として次に例示するものが好適に使用できる。なお、これらのプラスチック材料は、その他の保温又は保冷容器にも適用できる。
内層タンク1の材料としては、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンを用いることができる。これらの材料は歪みが入っても破損しにくく耐久性に優れ、大型タンクの製造に適する。特に耐ガス透過性を必要とする場合、これらの材料にナイロンフィルム又はEVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)フィルムを貼り着けた多層材料を用いることができる。
【0022】
硬質発泡プラスチック17としては、例えば発泡ポリスチレン又は硬質発泡ウレタンを用いることができる。これらの材料は、断熱性に優れ耐熱剛性が高く、内層タンク1に掛かる内圧や温水重量による圧力を受け止め、熱により内層タンク1の強度が低下しても、外側から保持し変形を防止することができる。
外層タンク16の材料としては、例えば、ポリプロピレンを用いることができる。ポリプロピレンは安価で耐熱性が高く、硬質発泡プラスチック17の外側から内層タンク1に掛かる内圧や温水重量による圧力を受け止める。
【0023】
以上説明した製造方法では、第1支持ロッド7と第2支持ロッド15による内層容器1の位置決め及び保持は、パリソン8の降下途中で行ったが、パリソン8が前記所定位置に降下するまでであれば、例えばパリソン8が降下開始する前であってもよい。
以上説明した製造方法では、外層容器16(及び内層容器1)がブロー成形金型5,6内にあるうちに硬質発泡プラスチック組成物の注入及び発泡を行ったが、外層容器16(及び内層容器1)をブロー成形金型5,6内から取り出した後、硬質発泡プラスチック組成物の注入及び発泡を行うこともできる。また、ブロー成形金型5,6内にあるうちに硬質発泡プラスチック組成物の注入及び発泡を行う場合でも、外層容器16が硬化した後に行うこともできる。この場合、パリソン8(外層容器16)の硬化前に予め注入ピン13をパリソン8(外層容器16)に差し込んでおく必要がある。
【符号の説明】
【0024】
1 内層タンク
2 内層タンクの本体部
3 内層タンクの第1ネック部
4 内層タンクの第2ネック部
5,6 ブロー成形金型
7 内層タンクの第1支持ロッド(ブローピン)
8 パリソン
11 ブローピン
13 硬質発泡プラスチック組成物の注入ピン
15 内層タンクの第2支持ロッド
16 外層タンク
17 硬質発泡プラスチック
18 外層タンクの本体部
19 外層タンクの第1ネック部
21 外層タンクの第2ネック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層容器と、前記内層容器の周囲を隙間を置いて包囲する外層容器と、前記内層容器と外層容器の間に充填された断熱材からなる保温又は保冷容器において、前記内層容器はプラスチックのブロー成形体からなり、本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有し、前記外層容器はプラスチックのブロー成形体からなり、本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有し、前記外層容器の第1ネック部は前記内層容器の第1ネック部の外周面の全周に密着し、前記外層容器の第2ネック部は前記内層容器の第2ネック部の外周面の全周に密着し、前記断熱材は前記内層容器と外層容器の隙間内で発泡し前記隙間内に充填された硬質発泡プラスチックからなることを特徴とする保温又は保冷容器。
【請求項2】
前記内層容器が、ポリエチレン又はポリプロピレン、若しくはナイロン層又はEVOH層を含む熱可塑性樹脂の多層材料からなり、前記外層容器が、ポリプロピレンからなり、前記硬質発泡プラスチックが発泡ポリスチレン又は硬質発泡ウレタンからなることを特徴とする請求項1に記載された保温又は保冷容器。
【請求項3】
内層タンクと、前記内層タンクの周囲を隙間を置いて包囲する外層タンクと、前記内層タンクと外層タンクの間に充填された断熱材からなる貯湯タンクにおいて、前記内層タンクはプラスチックのブロー成形体からなり、本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有し、前記外層タンクはプラスチックのブロー成形体からなり、本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有し、前記外層タンクの第1ネック部は前記内層タンクの第1ネック部の外周面の全周に密着し、前記外層タンクの第2ネック部は前記内層タンクの第2ネック部の外周面の全周に密着し、前記断熱材は前記内層タンクと外層タンクの隙間内で発泡し前記隙間内に充填された硬質発泡プラスチックからなることを特徴とする貯湯タンク。
【請求項4】
前記内層タンクが、ポリエチレン又はポリプロピレン、若しくはナイロン層又はEVOH層を含む熱可塑性樹脂の多層材料からなり、前記外層タンクが、ポリプロピレンからなり、前記硬質発泡プラスチックが発泡ポリスチレン又は硬質発泡ウレタンからなることを特徴とする請求項1に記載された保温又は保冷容器。
【請求項5】
開いたブロー成形金型の間の所定位置に、ブロー成形体からなり、本体部と、前記本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有する内層容器を、前記第1ネック部及び第2ネック部にそれぞれ第1支持ロッド及び第2支持ロッドを挿入した状態で配置し、前記内層容器の外側に筒状のパリソンを降下させた後、前記ブロー成形金型を閉じて型締めし、前記パリソンの一部を前記ブロー成形金型により前記内層容器の第1,第2ネック部の外周面の全周に押し付けて密着させ、続いて前記パリソンと内層容器の間、及び前記内層容器の内側に加圧エアを吹き込み、このとき前記内層容器の内側への加圧エアの吹き込みは前記第1支持ロッド又は/及び第2支持ロッドの内部に形成された通気穴を介して行い、前記パリソンと内層容器の間への加圧エアの吹き込みは別のブローピンを介して行い、前記パリソンのみをブロー成形して外層容器を成形し、続いて前記内層容器と外層容器の隙間に硬質発泡プラスチック組成物を注入して前記隙間内で発泡させ前記隙間内に硬質発泡プラスチックを充填することを特徴とする貯湯タンクの製造方法。
【請求項6】
開いたブロー成形金型の間の所定位置に、ブロー成形体からなり、本体部と、前記本体部の上端から上に突出する筒状の第1ネック部と、下端から下に突出する筒状の第2ネック部を有する内層タンクを、前記第1ネック部及び第2ネック部にそれぞれ第1支持ロッド及び第2支持ロッドを挿入した状態で配置し、前記内層タンクの外側に筒状のパリソンを降下させた後、前記ブロー成形金型を閉じて型締めし、前記パリソンの一部を前記ブロー成形金型により前記内層タンクの第1,第2ネック部の外周面の全周に押し付けて密着させ、続いて前記パリソンと内層タンクの間、及び前記内層タンクの内側に加圧エアを吹き込み、このとき前記内層タンクの内側への加圧エアの吹き込みは前記第1支持ロッド又は/及び第2支持ロッドの内部に形成された通気穴を介して行い、前記パリソンと内層タンクの間への加圧エアの吹き込みは別のブローピンを介して行い、前記パリソンのみをブロー成形して外層タンクを成形し、続いて前記内層タンクと外層タンクの隙間に硬質発泡プラスチック組成物を注入して前記隙間内で発泡させ前記隙間内に硬質発泡プラスチックを充填することを特徴とする貯湯タンクの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−39792(P2013−39792A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179524(P2011−179524)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(390040958)みのる化成株式会社 (36)
【Fターム(参考)】