説明

保管システム

【課題】不正持出或いは誤持出の防止が必須とされる物品(要保管物)を保管する保管システムの防犯性を高める。
【解決手段】要保管物には固有情報を記憶したデータキャリアを付属させる。固有情報と正規ユーザ情報とを関連付けて記憶しておく。受付部40,30が受け付けたユーザ情報が正規ユーザ情報に一致し、且つ、受入口11から入れられた物品もしくは引渡口11に排出される要保管物についての読取部50の出力が正規ユーザ情報に関連付けられている固有情報に一致すると、受付部30が受け付けた操作者の指示情報に基づいて、受入口11から入れられた要保管物を収納装置20(収納状態を目視不可能)の空き領域へ収納し、或いは、収納装置20内の要保管物を引渡口11へ排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正持出或いは誤持出の防止が必須とされる物品(要保管物)を保管する保管システムに関する。
【背景技術】
【0002】
不正持出或いは誤持出の防止が必須とされる物品(要保管物)を保管する保管システムの一例には、鍵を保管するものがあり、そのようなものとしては、非特許文献1及び2に開示された鍵保管庫がある。
鍵保管庫は、前面に扉を有する筐体と、扉を開けた筐体内正面に設けられた保持板とを有している。保持板には、複数の穴状の保持部が設けられている。保持部は、矩形板金状のキーホルダーと1:1の勘合構造をなし、キーホルダーが挿し込まれることによって該キーホルダーを固定し、所定の操作なしにはキーホルダーを抜き出せないように構成されている。このような鍵保管庫は、例えば雑居ビルの管理人室に設置され、例えば雑居ビルの各部屋の鍵がキーホルダーに取り付けられる。
【非特許文献1】パンフレット「RFID鍵管理システム」THQ−2600M 2006年3月 アイデックコントロールズ株式会社
【非特許文献2】パンフレット「鍵管理機 キーキューブ ファイブ(Key Cube 5)」 ライオン事務機
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の鍵保管庫は、扉を開けると正面に保持板が設けられているので、扉を開放した際に不在の部屋の鍵が目視可能である。したがって、不在の部屋を知らせることともなり得るという防犯上の不都合がある。更に、保持部に固定されるのはキーホルダーであるので、キーホルダーに取り付けられた鍵をキーホルダーから引きちぎることが決して不可能ではなく、鍵を不正に持ち出すことが可能なものであるという不都合がある。
また、不正持出或いは誤持出の防止が必須とされる物品(要保管物)には鍵以外のものもあるが、それら鍵以外の要保管物を保管する保管システム(例えば薬品保管庫や旅館の貴重品保管庫等)においても同様に、保管状態が容易に目視可能であれば不正持出を誘発する虞が高まる等の不都合がある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、不正持出或いは誤持出の防止が必須とされる物品を保管する保管システムの防犯性を高めることを目的とする。
より詳しくは、不正持出或いは誤持出の防止が必須とされる物品を保管するにあたり、保管中の物品の不正持出或いは誤持出を従来よりも確実に防止することを目的とする。また、保管する物品が鍵である場合に鍵の有無によって各部屋の在/不在が判断可能であることによる防犯上の不都合を無くすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では、第1の手段として、要保管物に付属し固有情報を記憶したデータキャリアと、前記データキャリアから前記固有情報を読み取る読取部と、前記固有情報と該固有情報に対応する前記要保管物の取り扱いが許可された正規ユーザのユーザ情報(正規ユーザ情報)とを関連付けて記憶する記憶部と、ユーザのユーザ情報及び前記要保管物の収納/排出に関する指示情報を受け付ける受付部と、前記要保管物を受け入れるための受入口及び前記要保管物を引き渡すための引渡口を備え、前記受入口で受け入れた前記要保管物を目視不可能に収納すると共に当該収納した要保管物を前記引渡口に排出する収納装置と、前記受付部が受け付けたユーザ情報が前記正規ユーザ情報と一致し、且つ、当該一致した正規ユーザ情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記固有情報と前記読取部が読み取った前記固有情報とが一致すると、前記指示情報に基づいて前記受入口で受け入れた前記要保管物を収納し、或いは前記指示情報に基づいて前記要保管物を前記引渡口に排出するように前記収納装置を制御する制御部と、を備えることを特徴とする保管システムを採用した。
【0006】
また、第2の手段として、上記第1の手段に係る保管システムにおいて、前記収納装置は、1つの要保管物を収納可能な収納部が複数個環状に並べて設けられた収納器と、前記収納器を、前記各収納部が各々の隣接する前記収納部の位置に順次位置するよう回転駆動させる駆動装置と、を備えるものを採用した。
【0007】
第3の手段として、上記第1の手段に係る保管システムにおいて、前記収納装置は、1つの要保管物を収納可能な収納部が複数個マトリックス状に並べて設けられた収納棚と、前記受入口及び前記引渡口と前記収納部との間を移動し前記要保管物を搬送する搬送装置と、を備えるものを採用した。
【0008】
第4の手段として、上記第1から3の何れかの手段に係る保管システムにおいて、前記受入口と前記引渡口とが共通であるものを採用した。
【0009】
第5の手段として、上記第1から4の何れかの手段に係る保管システムにおいて、前記記憶部は、各正規ユーザ情報について、1又は複数の固有情報を記憶し、前記制御部は、前記受付部が受け付けたユーザ情報に一致する前記正規ユーザ情報に関連付けられた固有情報が複数ある場合には、各固有情報について個別に収納/排出に関する指示操作を受け付けるものを採用した。
【0010】
第6の手段として、上記第1から5の何れかの手段に係る保管システムにおいて、前記データキャリアは、RFIDタグであり、前記読取部は、RFIDタグリーダであるものを採用した。
【0011】
第7の手段として、上記第1から6の何れかの手段に係る保管システムにおいて、前記受付部は、非接触ICカード、磁気カード及びバーコードの何れかに記憶された情報を読み取り該読取結果を出力するリーダであるものを採用した。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、要保管物を外部からの目視不可能に収納するため、保管物が鍵の場合に鍵の有無によって各部屋の在/不在が判断可能となる防犯上の不都合を無くすことができ、且つ、引きちぎり等による持ち出しを不可能にしたため不正持出或いは誤持出を従来よりも確実に防止することができ、よって、防犯性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態における鍵保管庫100の構成を示す概略正面図である。図2は、鍵保管庫100の機能構成を示すブロック図である。図3は、RFIDタグ(データキャリア)T付きのキーホルダーHが付属する鍵(要保管物)Kを示す模式図である。RFIDタグTは、固有情報(図4参照、後に詳述する)を記憶している。
鍵保管庫100は、筐体10、収納装置20、操作・表示部30(受付部)、カードリーダ40(受付部)、RFIDタグリーダ50(読取部)、スピーカ60、記憶部70及び制御部80を備えている。
【0014】
筐体10は、受入口及び引渡口としての開口11を前面に有し、更に、開口11を閉じる開閉自在なシャッター12を有している。このシャッター12は、制御部80により開閉制御される。
また、筐体10の前面には、操作・表示部30、カードリーダ40、RFIDタグリーダ50及びスピーカ60が取り付けられ、更に、筐体10内には、収納装置20、記憶部70及び制御部80が納められている。
【0015】
収納装置20は、収納器21とモータ22(駆動装置)とからなる。
収納器21は、1つの要保管物を収納可能な収納部21aが複数個環状に並べて設けられて構成されている。収納部21aは、正面に開口を有し、更に、開口を閉じる開閉自在なシャッター(図示せず)を有している。このシャッターは、制御部80により開閉制御される。
モータ22は、収納器21を回転駆動させるものである。モータ22により収納器21が回転駆動されると、各収納部21aは、各々の隣接する収納部21aの位置に順次移動する。
【0016】
操作・表示部30は、タッチパネル31及び操作キー32を有する。タッチパネル31は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等の表示器と、該表示器に重ねて配設されるタッチセンサと、を備えている。
操作・表示部30は、タッチパネル31への指等による接触位置の座標を検知し、この座標に基づいて操作者の操作指示内容を判断し、該内容に応じた信号を制御部80に出力する。また、操作・表示部30は、制御部80から入力される表示指示に基づいて画像信号を生成し、制御部80の指示に基づいた画像をタッチパネル31に表示させる。そして、操作・表示部30は、操作キー32が受け付けた数字、文字、記号等の入力操作を示す信号を、制御部80に出力する。
【0017】
カードリーダ40は、カードリーダ40に操作者がかざした非接触ICカード(図示せず)が記憶するカード番号(図5参照、後に詳述する)を読み取り、該読み取ったカード番号を制御部80に出力するものである。非接触ICカードは、鍵保管庫100に収納される複数の鍵Kの何れかの取り扱いを許可されている複数の正規ユーザそれぞれに配布される。各非接触ICカードのカード番号は重複しない。
【0018】
RFIDタグリーダ50は、筐体10内における筐体10の開口11近傍に配設され、開口11に一致する位置に位置する収納部21a内のRFIDタグTが記憶する固有情報を読み取り、該読み取った固有情報を制御部80に出力するものである。
スピーカ60は、制御部80の制御の下に、操作者を案内する音声を発するものである。
【0019】
記憶部70は、図4〜図6に示すテーブルを記憶している。図4はユーザ種別と鍵Kの対応付けテーブルを示す模式図であり、図5はカード番号とユーザ種別との対応付けテーブルを示す模式図であり、図6は、各収納部21aの収納状況テーブルを示す模式図である。
記憶部70は、図4に示すように、各部屋の鍵Kの鍵名と、該鍵Kに付属のキーホルダーHに付いているRFIDタグTが記憶する固有情報と、該鍵Kの取り扱いが許可されているユーザ種別とを、関連付けて記憶している。
【0020】
また、記憶部70は、図5に示すように、非接触ICカードのカード番号と、該非接触ICカードの所持者名と、該所持者が任意に定めたパスワードと、所持者のユーザ種別とを、関連付けて記憶している。
更に、記憶部70は、図6に示すように、各収納部21aの識別子と、該収納部21aに収納された鍵Kに付属のキーホルダーHについているRFIDタグTが記憶する固有情報とを、関連付けて記憶している。
【0021】
制御部80は、内部メモリ、CPU(Central Processing Unit)、及び他の各部(つまり開口11のシャッター12、収納装置20、操作・表示部30、カードリーダ40、RFIDタグリーダ50、スピーカ60及び記憶部70)とのデータ授受を行う各種入出力インタフェース回線等から構成され、鍵保管庫100の全体動作を制御するものである。
内部メモリは、制御プログラムを記憶している。CPUは、上記制御プログラムや各種制御用データ、操作・表示部30から入力される信号等に基づいて制御演算を行うことによって、上記他の各部を統括的に制御する。
【0022】
次に、本鍵保管庫100の動作について、図7〜図10をも用いて説明する。
図7は、収納・排出処理の流れを示すフローチャートである。図8は、タッチパネル31の表示例である。
【0023】
まず、操作者が非接触ICカードをカードリーダ40にかざすと、カードリーダ40が非接触ICカードが記憶するカード番号を読み取り(ステップS1のYes)、読み取ったカード番号を制御部80に出力する。制御部80は、カードリーダ40から入力されたカード番号に該当するユーザ種別を、記憶部70から読み出す(ステップS2)。
【0024】
なお、操作者が非接触ICカードを携帯し忘れた場合等には、非接触ICカードによる認証に代えて、パスワードによる認証も受け付けている。操作者が、操作キー32によりパスワードを入力すると(ステップS3のYes)、操作・表示部30はパスワードを制御部80に出力する。制御部80は、操作・表示部30から入力されたパスワードに該当するユーザ種別を、記憶部70から読み出す(ステップS4)。
【0025】
続いて制御部80は、ユーザ種別に該当する固有情報を記憶部70から読み出す(ステップS5)。ここで読み出した固有情報が複数である場合には(ステップS6のYes)、制御部80は、当該固有情報が示す各鍵Kに対する指示、つまり収納指示又は取出指示を操作者に求める(ステップS7)。
【0026】
具体的には、例えば、図8に示すように、タッチパネル31に、現操作者による取り扱いが許可されている部屋の鍵の収納状況を表示すると共に、各鍵について、収納するのか或いは取り出すのかの指定操作を受け付けるボタンB1を表示し、更に、上記指定に基づいた収納処理或いは取出処理を実行を指示する操作を受け付けるボタンB2を表示する。
操作者は、上記ボタンB1を操作することにより、各鍵Kの収納或いは取出を鍵保管庫100に対して指定する。そして操作者が実行ボタンB2を操作すると、制御部80は次のステップへ処理を進める。
【0027】
収納指定されている鍵Kがある場合(ステップS8のYes)、制御部80は、収納指定されている鍵Kの数だけ収納処理(図9に示す。後に詳述する)を行う(ステップS9)。また、取出指定されている鍵Kがある場合(ステップS10)、制御部80は、取出指定されている鍵Kの数だけ取出処理(図10に示す。後に詳述する)を行う(ステップS11)。
【0028】
ステップS6において、固有情報が複数抽出されていなかった場合には(ステップS6のNo)、制御部80は、まず固有情報に該当する単一の鍵Kが現在取り出されているか否かを判別する(ステップS12)。そして、制御部80は、固有情報に該当する単一の鍵Kが取り出されている場合には(ステップS12のYes)、収納処理(図9に示す。後に詳述する)を行い(ステップS13)、固有情報に該当する単一の鍵Kが取り出されていない場合には(ステップS12のNo)、取出処理(図10に示す。後に詳述する)を行う(ステップS14)。
【0029】
図9は、上記収納処理の流れを示すフローチャートである。
制御部80は、まず記憶部70が記憶する収納状況テーブルを参照して空の収納部21aを認識し、続いてモータ22を駆動して空の収納部21aが開口11に重なるように収納器21を回転させ、開口11のシャッター12及び該開口11に重なる位置に位置する空の収納部21aのシャッターを開放する(ステップS21)。
【0030】
操作者が、シャッター12が開放された開口11から、シャッターが開放された収納部21a内に鍵Kを差し入れると、RFIDタグリーダ50が、鍵Kに付属するキーホルダーHに付けられたRFIDタグTが記憶する固有情報を読み取る。
【0031】
制御部80は、RFIDタグリーダ50から該RFIDタグリーダ50が読み取った情報が入力されてくると(ステップS22のYes)、該情報が、現収納処理の処理対象である鍵Kの固有情報であるか否かを判断し(ステップS23)、そうであれば(ステップS23のYes)、記憶部70に、収納部21aの識別子と鍵Kの固有情報とを関連付けて記憶させる(ステップS24)。そして、制御部80は、開口11のシャッター12及び収納部21aのシャッターを閉める(ステップS25)。
【0032】
なお、制御部80は、ステップS23において、RFIDタグリーダ50から入力されてきた該RFIDタグリーダ50が読み取った情報が、現収納処理の処理対象である鍵Kの固有情報でなかった場合には(ステップS23のNo)、エラー処理を行い(ステップS26)、処理を終了する。
【0033】
図10は、上記取出処理の流れを示すフローチャートである。
制御部80は、まず記憶部70が記憶する収納状況テーブルを参照して、現取出処理の処理対象である鍵Kが収納されている収納部21aの識別子を読み出す(ステップS31)。続いて、制御部80は、読み出された識別子の収納部21aが開口11に重なるように収納器21を回転させる(ステップS32)。
【0034】
次に、制御部80は、RFIDタグリーダ50が固有情報を読み取ったか否かを判断し(ステップS33)、読み取っていれば(ステップS33のYes)、更に、読み取った固有情報が、現取出処理の処理対象である鍵Kのものであるか否かを判断し(ステップS34)、そうであれば(ステップS34のYes)、開口11のシャッター12及び該開口11に重なる位置に位置する空の収納部21aのシャッターを開放する(ステップS35)。
【0035】
そして、制御部80は、RFIDタグリーダ50が固有情報を読み取らなくなったか否かを判断し(ステップS36)、RFIDタグリーダ50が固有情報を読み取らなくなっていれば(ステップS36のYes)、開口11のシャッター12及び収納部21aのシャッターを閉める(ステップS37)。
【0036】
なお、制御部80は、ステップS33において、RFIDタグリーダ50が固有情報を読み取らなかった場合(ステップS33のNo)と、ステップS34において、RFIDタグリーダ50が読み取った固有情報が現取出処理の処理対象である鍵Kのものでなかった場合(ステップS34のNo)とには、エラー処理を行い(ステップS38)、処理を終了する。
【0037】
このように、本実施形態によれば、鍵Kを外部からの目視不可能に収納できるので、鍵Kの有無によって、その鍵Kで施開錠される部屋の在/不在が判断可能となる防犯上の不都合を無くすことができ、且つ、引きちぎり等による持ち出しを不可能にしたため不正持出或いは誤持出を従来よりも確実に防止することができるため、高い防犯性を実現できている。
【0038】
また、本実施形態によれば、鍵Kを外部からの目視不可能に収納できるので、鍵Kの保管位置は、例え操作者本人であってもわからない。このため、例えば、悪意の人物が、操作者が退室・施錠したところから鍵Kを収納する様子までを注視し、操作者が立ち去った後に鍵Kを持ち去り不正に入室しようと画策していたとしても、鍵Kの保管位置を知ることができないので、所望の鍵Kを持ち去ることができない。したがって、高い防犯性を実現できている。
【0039】
なお、本実施形態では、収納装置20は、1つの要保管物を収納可能な収納部21aが複数個環状に並べて設けられた収納器21と、該収納器21を回転駆動させるモータ22とを備えるものとしているが、実施にあたってはこれに限られるものではなく、例えば、収納装置を、1つの要保管物を収納可能な収納部が複数個マトリックス状に並べて設けられた収納棚と、受入口及び引渡口と収納部との間を移動し要保管物を搬送する搬送装置とを備えるものとしてもよい。
このようにすると、例えば薬剤瓶等の上下の向きを変えたり横倒しにしたりすることができない或いは好ましくない要保管物をも保管することができる。
【0040】
また、本実施形態では、操作者が正規ユーザか否かを判別するために、正規ユーザに配布された非接触ICカードに記憶されたカード番号を読み取るようにしているが、実施にあたってはこれに限られるものではなく、例えば、磁気カードやバーコード等に記憶された情報の読み取りによってもよく、更には、外の受付部であっても操作者が正規ユーザか否かを判別できればよい。
【0041】
更に、本実施形態では、受入口と引渡口とを共通として1つの開口11としたが、開口11は1つに限るものではなく、また、受入口と引渡口とが別のものであってもよい。更には、受入口及び引渡口がそれぞれ複数あってもよい。
【0042】
また、本実施形態では、記憶部70に各収納部21aの収納状況を記憶しているが、実施にあたっては、これを記憶しておかなくてもよい。その場合、取出処理のステップS32で該当の収納部21aを開口11に合わせるにあたっては、RFIDタグリーダ50に対して収納器21を回しながらRFIDタグリーダ50の出力と目的の鍵Kの固有情報とを比較することによって、該当の収納部21aを検知することができる。
【0043】
更に、本実施形態では、RFIDタグリーダ50を筐体に対して固定的に1箇所に設けているが、実施にあたっては、複数のRFIDタグリーダを筐体に対して固定的に複数箇所に分散して設けてもよい。例えば収納器21の中心を挟んで対称となる位置に2つのRFIDタグリーダを設けると、上記のように記憶部70に各収納部21aの収納状況を記憶しておかない場合に該当の収納部21aを検知するまでに要する時間を短縮できる。
或いは、収納部21aの個数と同数のRFIDタグリーダ50を準備し、全収納部21aに付属させて設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態における鍵保管庫の構成を示す概略正面図である。
【図2】本発明の一実施形態における鍵保管庫の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるRFIDタグ付きのキーホルダーが付属された鍵を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態におけるユーザ種別と鍵の対応付けテーブルを示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるカード番号とユーザ種別との対応付けテーブルを示す模式図である。
【図6】本発明の一実施形態における各収納部の収納状況テーブルを示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態における収納・排出処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態におけるタッチパネルの表示例である。
【図9】本発明の一実施形態における収納処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における取出処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
100…鍵保管庫、 K…鍵、 H…キーホルダー、 T…RFIDタグ、
10…筐体、 11…開口(受入口、引渡口)、 12…シャッター、 20…収納装置、 21…収納器、 21a…収納部、 22…モータ(駆動装置)、 30…操作・表示部(受付部)、 31…タッチパネル、 32…操作キー、 40…カードリーダ(受付部)、 50…RFIDタグリーダ(読取部)、 60…スピーカ、 70…記憶部、 80…制御部、
B1,B2…ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要保管物に付属し固有情報を記憶したデータキャリアと、
前記データキャリアから前記固有情報を読み取る読取部と、
前記固有情報と該固有情報に対応する前記要保管物の取り扱いが許可された正規ユーザのユーザ情報(正規ユーザ情報)とを関連付けて記憶する記憶部と、
ユーザのユーザ情報及び前記要保管物の収納/排出に関する指示情報を受け付ける受付部と、
前記要保管物を受け入れるための受入口及び前記要保管物を引き渡すための引渡口を備え、前記受入口で受け入れた前記要保管物を目視不可能に収納すると共に当該収納した要保管物を前記引渡口に排出する収納装置と、
前記受付部が受け付けたユーザ情報が前記正規ユーザ情報と一致し、且つ、当該一致した正規ユーザ情報に関連付けて前記記憶部が記憶している前記固有情報と前記読取部が読み取った前記固有情報とが一致すると、前記指示情報に基づいて前記受入口で受け入れた前記要保管物を収納し、或いは前記指示情報に基づいて前記要保管物を前記引渡口に排出するように前記収納装置を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする保管システム。
【請求項2】
前記収納装置は、
1つの要保管物を収納可能な収納部が複数個環状に並べて設けられた収納器と、
前記収納器を、前記各収納部が各々の隣接する前記収納部の位置に順次位置するよう回転駆動させる駆動装置と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
前記収納装置は、
1つの要保管物を収納可能な収納部が複数個マトリックス状に並べて設けられた収納棚と、
前記受入口及び前記引渡口と前記収納部との間を移動し前記要保管物を搬送する搬送装置と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の保管システム。
【請求項4】
前記受入口と前記引渡口とが共通である
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の保管システム。
【請求項5】
前記記憶部は、各正規ユーザ情報について、1又は複数の固有情報を記憶し、
前記制御部は、前記受付部が受け付けたユーザ情報に一致する前記正規ユーザ情報に関連付けられた固有情報が複数ある場合には、各固有情報について個別に収納/排出に関する指示操作を受け付ける
ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の保管システム。
【請求項6】
前記データキャリアは、RFIDタグであり、
前記読取部は、RFIDタグリーダである
ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の保管システム。
【請求項7】
前記受付部は、非接触ICカード、磁気カード及びバーコードの何れかに記憶された情報を読み取り該読取結果を出力するリーダである
ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の保管システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−115586(P2008−115586A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298831(P2006−298831)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(503223223)株式会社IHIエスキューブ (27)
【Fターム(参考)】