説明

停止時間通知装置

【課題】感応式信号機であっても信号状態が変化するまでの時間を運転者に対し適切に通知する。
【解決手段】停止時間通知装置(10)は、赤信号の期間の残時間が運転者に通知された後に、信号サイクル情報が更新されたことを条件に、更新された信号サイクル情報に基づいて残時間の変化分を算出する残時間算出手段(109)と、算出された変化分が所定閾値より大きいか否かを判定する判定手段(109)と、算出された変化分が所定閾値より大きいと判定された場合、運転者に対し残時間を算出された変化分だけ増加して通知するように通知手段(106、114)を制御し、算出された変化分が所定閾値より小さいと判定された場合、信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも、第1所定時間に算出された変化分を加えた時間前に、残時間の通知を終了するように通知手段を制御する制御手段(109)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車等の車両の運転者に対し、信号の灯色が赤から青に変わるまでの時間を通知する停止時間通知装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置として、例えば、車両周辺の映像を撮像し、該撮像された映像から信号機の信号状態又はその変化を検知して、次の変化までの継続予想時間を計測又は計算すると共に、所定の測位システムを用いて自車の現在位置を現在位置情報として検出し、検知された信号状態での状態時間と現在位置の各情報を表示画像として重畳して表示する装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−085777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の背景技術によれば、感応式信号機に対応していない。すると、感応式信号機の信号サイクルが変化した場合、車両の運転者に対し、信号状態が変化するまでの時間を誤通知する可能性があるという技術的問題点がある。
【0005】
本発明は、例えば上記問題点に鑑みてなされたものであり、感応式信号機であっても信号状態が変化するまでの時間を、車両の運転者に対し、適切に通知することができる停止時間通知装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の停止時間通知装置は、上記課題を解決するために、車両に搭載され、インフラストラクチャーより信号機に係る信号サイクルを示す信号サイクル情報を取得する取得手段と、前記車両の運転者に対し、前記信号機の灯色が赤から青に変わるまでの残時間を通知可能な通知手段と、前記車両が前記信号機の灯色が赤であることに起因して停止したことを条件に、前記取得された信号サイクル情報に基づいて前記残時間を算出する残時間算出手段と、前記算出された残時間を、所定の時間間隔で、前記運転者に通知するように前記通知手段を制御し、前記信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも第1所定時間前に、前記残時間の通知を終了するように前記通知手段を制御する制御手段とを備える停止時間通知装置であって、前記算出された残時間が前記運転者に通知された後に、前記信号サイクル情報が更新されたことを条件に、前記残時間算出手段は、前記更新された信号サイクル情報に基づいて前記残時間の変化分を算出し、当該停止時間通知装置は、前記算出された変化分が所定閾値より大きいか否かを判定する判定手段を更に備え、前記算出された変化分が前記所定閾値より大きいと判定された場合、前記制御手段は、前記運転者に対し、前記残時間を前記算出された変化分だけ増加して通知するように前記通知手段を制御し、前記算出された変化分が前記所定閾値より小さいと判定された場合、前記制御手段は、前記第1所定時間を、前記第1所定時間に前記算出された変化分を加えた時間である第2所定時間に変更し、前記信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも前記第2所定時間前に、前記残時間の通知を終了するように前記通知手段を制御する。
【0007】
本発明の停止時間目安装置によれば、当該停止時間目安装置は、例えば自動車等の車両に搭載されている。例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる取得手段は、インフラストラクチャー(以下、適宜“インフラ”と称する)から、例えば光ビーコン等を介して、信号機に係る信号サイクルを示す信号サイクル情報を取得する。
【0008】
例えば表示装置、スピーカ等である通知手段は、車両の運転者に対し、信号機の灯色が赤から青に変わるまでの残時間を通知可能である。例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる残時間算出手段は、車両が信号機の灯色が赤(以下、適宜“赤信号”と称する)であることに起因して停止したことを条件に、取得された信号サイクル情報に基づいて残時間を算出する。
【0009】
例えばメモリ、プロセッサ等を備えてなる制御手段は、算出された残時間を、所定の時間間隔で、運転者に通知するように通知手段を制御し、信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも第1所定時間前に、残時間の通知を終了するように通知手段を制御する。
【0010】
ここで、「所定の時間間隔」は、残時間を運転者に通知するように通知手段を制御するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。このような所定の時間間隔は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば通知に起因する安全な運転の妨害(所謂、ドライバーディストラクション)を抑制することが可能な時間間隔を求めて、該求められた時間間隔として設定すればよい。
【0011】
また、「第1所定時間」は、残時間の通知を終了するように通知手段を制御するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。このような第1所定時間は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば運転者の注意が残時間の通知に向くこと起因する発進遅れを防止することが可能な時間を求めて、該求められた時間として設定すればよい。
【0012】
算出された残時間が運転者に通知された後に、例えば信号機が感応式信号機であること等に起因して、信号サイクル情報が更新されたことを条件に、残時間算出手段は、更新された信号サイクル情報に基づいて残時間の変化分を算出する。
【0013】
例えばメモリ、プロセッサ、コンパレータ等を備えてなる判定手段は、算出された変化分が所定閾値より大きいか否かを判定する。算出された変化分が所定閾値より大きいと判定された場合、制御手段は、運転者に対し、残時間を算出された変化分だけ増加して通知するように通知手段を制御する。
【0014】
他方、算出された変化分が所定閾値より小さいと判定された場合、制御手段は、第1所定時間を、該第1所定時間に算出された変化分を加えた時間である第2所定時間に変更し、信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも第2所定時間前に、残時間の通知を終了するように通知手段を制御する。尚、算出された変化分が所定閾値と「等しい」場合は、どちらかに含めて扱えばよい。
【0015】
ここで、「所定閾値」とは、残時間を算出された変化分だけ増加して通知するように通知手段を制御するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。このような所定閾値は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば残時間の変化が運転者に違和感を与えない時間の範囲を求めて、該求められた時間の範囲の上限値として設定すればよい。
【0016】
本願発明者の研究によれば以下の事項が判明している。即ち、感応式信号機は、交通流等に起因して灯色が赤である期間(以下、適宜“赤信号の期間”と称する)が延長される可能性がある。すると、例えば、運転者に前方確認を促すことを意図して、赤信号の期間が終わるまでの残時間が一定値未満であることを条件に、残時間の通知を終了する装置の場合、赤信号の期間が延長されたにもかかわらず、運転者に対し残時間を通知できない可能性がある。他方で、赤信号の期間が延長される度に、運転者に対し残時間を通知すると、ドライバーディストラクションが高くなる可能性がある。
【0017】
しかるに本発明では、判定手段により、算出された変化分が所定閾値より大きいか否かが判定される。そして、算出された変化分が所定閾値より大きいと判定された場合、制御手段により、運転者に対し、残時間を算出された変化分だけ増加して通知するように通知手段が制御される。他方、算出された変化分が所定閾値より小さいと判定された場合、制御手段により、第1所定時間が、該第1所定時間に算出された変化分を加えた時間である第2所定時間に変更され、信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも第2所定時間前に、残時間の通知を終了するように通知手段が制御される。
【0018】
これにより、赤信号の期間が変動しても、運転者に対し、残時間を適切に通知することができると共に、頻繁に通知が行われることを抑制することができるので、ドライバーディストラクションを軽減することができる。
【0019】
本発明の停止時間通知装置の一態様では、前記制御手段は、前記算出された変化分が前記所定閾値より大きいと判定された場合、前回、前記運転者に通知してから第3所定時間後に、前記運転者に対し、前記残時間を前記算出された変化分だけ増加して通知するように前記通知手段を制御する。
【0020】
この態様によれば、頻繁に通知が行われることに起因するドライバーディストラクションを軽減することができる。
【0021】
本願発明者の研究によれば、例えば、5秒間隔で残時間を通知している場合に、残時間を通知するタイミングで、赤信号の期間が5秒延長されると、次回の残時間の通知は、前回の残時間の通知から10秒後となり、運転者を混乱させてしまう可能性があることが判明している。しかるに本発明では、制御手段により、算出された変化分が所定閾値より大きいと判定された場合、前回、運転者に通知してから第3所定時間後に、運転者に対し、残時間を算出された変化分だけ増加して通知するように通知手段が制御される。このため、赤信号の期間が変動することに起因して運転者が混乱する可能性を抑制することができる。
【0022】
ここで、「第3所定時間」とは、算出された変化分が所定閾値より大きいと判定された場合に、残時間を算出された変化分だけ増加して通知するように通知手段を制御するか否かを決定する値であり、予め固定値として、或いは、何らかの物理量又はパラメータに応じた可変値として設定されている。このような第3所定時間は、実験的若しくは経験的に、又はシミュレーションによって、例えば運転者が違和感を覚えることなく、且つ、運転者が赤信号の期間が変動したことを知覚できるような時間を求め、該求められた時間として設定すればよい。
【0023】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るECUが実行する停止時間通知処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態の変形例に係るECUが実行する車両制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る停止時間通知装置の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0026】
先ず、本実施形態に係る停止時間通知装置が搭載される車両の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。尚、図1では、説明の便宜上、本実施形態に直接関係のある部材のみ図示しており、他の部材については図示を省略している。
【0027】
図1において、車両1は、GPS(Global Positioning System)101、前方カメラ102、ミリ波レーダ103、インフラ通信装置104、車速センサ105、ディスプレイ106、ACC(Adaptive Cruise Control)スイッチ107、PCS(Pre−Crash Safety)スイッチ108、ECU(Electronic Control Unit)109、地図情報データベース(DB)110、カーナビゲーション111、ブレーキアクチュエータ112、アクセルアクチュエータ113及びスピーカ114を備えて構成されている。
【0028】
GPS101は、GPS衛星からの信号を受信して、当該車両1の現在位置を特定する。ミリ波レーダ103は、ミリ波を出射すると共に、対象物(例えば、前方車両等)により反射された電波を受信し、伝播時間やドップラー効果に起因して生じる周波数差等を基に、対象物の位置や当該車両1との相対速度を測定する。ACCスイッチ107及びPCSスイッチ108は、当該車両1の運転者により夫々ON状態にされることによって、ACC機能及びPCS機能を有効にする。
【0029】
本実施形態に係る停止時間通知装置10は、GPS101、インフラ通信装置104、車速センサ105、ディスプレイ106、ECU109、カーナビゲーション111及びスピーカ114を備えて構成されている。
【0030】
インフラ通信装置104は、インフラより信号機に係る信号サイクルを示す信号サイクル情報を取得する。ディスプレイ106及びスピーカ114は、車両1の運転者に対し、信号機の灯色が赤から青に変わるまでの残時間を通知可能である。
【0031】
ECU109は、例えばGPS101、車速センサ105及びカーナビゲーション111等からの信号に基づいて、車両1が信号機の灯色が赤であることに起因して停止したと判定した場合に、取得された信号サイクル情報に基づいて残時間を算出する。
【0032】
ECU109は、算出された残時間を、K秒間隔で、運転者に通知するようにディスプレイ106及びスピーカ114の少なくとも一方を制御する。また、ECU109は、信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりもN秒前に、残時間の通知を終了するようにディスプレイ106及びスピーカ114を制御する。
【0033】
ECU109は、算出された残時間が運転者に通知された後に、信号サイクル情報が更新されたことを条件に、更新された信号サイクル情報に基づいて残時間の変化分(ここでは、X秒とする)を算出し、該算出された変化分が一定値より大きいか否かを判定する。
【0034】
算出された変化分が一定値より大きいと判定された場合、ECU109は、運転者に対し、残時間を算出された変化分だけ増加するようにディスプレイ106及びスピーカ114の少なくとも一方を制御する。
【0035】
他方、算出された変化分が一定値より小さいと判定された場合、ECU109は、N秒に算出された変化分であるX秒を加え、信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも(N+X)秒前に、残時間の通知を終了するようにディスプレイ106及びスピーカ114を制御する。
【0036】
本実施形態に係る「インフラ通信装置104」、「K秒間隔」、「N秒」、「一定値」及び「N+X秒」は、本発明に係る「取得手段」、「所定の時間間隔」、「第1所定時間」、「所定閾値」及び「第2所定時間」の一例である。また、本実施形態に係る「ディスプレイ106」及び「スピーカ114」は、本発明に係る「通知手段」の一例である。
【0037】
本実施形態に係る「ECU109」は、「残時間算出手段」、「制御手段」及び「判定手段」の一例である。本実施形態では、各種電子制御用のECU109の一部を、停止時間通知装置10の一部として用いている。
【0038】
次に、以上のように構成された車両1が、主に信号機の灯色が赤であることに起因して停止している際に、停止時間通知装置10の一部としてのECU109が実行する停止時間通知処理を、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
図2において、先ず、ECU109は、例えば路上に設置された光ビーコン等、及びインフラ通信装置104を介して、信号機に係る信号サイクルを示す信号サイクル情報を含むインフラ情報を取得する(ステップS101)。尚、インフラ情報には、信号サイクル情報の他、例えば信号機の位置情報、現在の状態、方向、信号機種別等が含まれている。
【0040】
次に、ECU109は、例えばGPS101、車速センサ105及びカーナビゲーション111等からの信号に基づいて、車両1が赤信号であることに起因して停止したか否かを判定する(ステップS102)。車両1が赤信号であることに起因して停止していないと判定された場合(ステップS102:No)、ECU109は処理を終了する。
【0041】
他方、車両1が赤信号であることに起因して停止したと判定された場合(ステップS102:Yes)、ECU109は、取得されたインフラ情報に基づいて、赤信号の期間の残時間を算出する。続いて、ECU109は、算出された残時間がN秒以上であるか否かを判定する(ステップS103)。算出された残時間がN秒より小さいと判定された場合(ステップS103:No)、ECU109は、後述するステップS113の処理を実行する。
【0042】
他方、算出された残時間がN秒以上であると判定された場合(ステップS103:Yes)、ECU109は、車両1の運転者に対し、算出された残時間を通知するようにディスプレイ106を制御する(ステップS104)。
【0043】
次に、ECU109は、例えば交通流等に起因して信号機の信号サイクルが変更され、赤信号の期間の残時間が変化したか否かを判定する(ステップS105)。赤信号の期間の残時間が変化していないと判定された場合(ステップS105:No)、ECU109は、後述するステップS109の処理を実行する。
【0044】
他方、赤信号の期間の残時間が変化したと判定された場合(ステップS105:Yes)、ECU109は、変更された信号サイクル情報を含むインフラ情報に基づいて、残時間の変化分(ここでは、X秒とする)を算出する(ステップS106)。
【0045】
次に、ECU109は、算出された変化分であるX秒が一定値以上であるか否かを判定する(ステップS107)。X秒が一定値以上であると判定された場合(ステップS107:Yes)、ECU109は、残時間をX秒だけ増加する。続いて、ECU109は、残時間が更新された旨を示す音又は音声を出力するようにスピーカ114を制御しつつ、表示されている残時間を更新するようにディスプレイ106を制御する(ステップS108)。
【0046】
次に、ECU109は、K秒間隔で、表示されている残時間を更新するようにディスプレイ106を制御する(ステップS109)。次に、ECU109は、赤信号の期間の残時間がN秒以下であるか否かを判定する(ステップS110)。
【0047】
残時間がN秒より大きいと判定された場合(ステップS110:No)、ECU109は、ステップS104の処理を実行する。他方、残時間がN秒以下であると判定された場合(ステップS110:Yes)、ECU109は、運転者に前方確認を促すような画面又はメッセージを表示するようにディスプレイ106を制御する(ステップS113)。
【0048】
次に、ECU109は、サービス終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS114)。サービス終了条件が成立したと判定された場合(ステップS114:Yes)、ECU109は処理を終了する。他方、サービス終了条件が成立していないと判定された場合(ステップS114:No)、ECU109は、ステップS113の処理を実行する。
【0049】
尚、サービス終了条件とは、例えば、車速センサ105からの信号により示される車両1の車速が一定値以上になった、前方確認を促すような画面又はメッセージを表示するようにディスプレイ106を制御してから一定時間経過した、車両1が交差点を通過した、信号機の灯色が青になった等である。
【0050】
ステップS107の処理において、算出された変化分であるX秒が一定値より小さいと判定された場合(ステップS107:No)、ECU109は、赤信号の期間の残時間がN+X秒以下であるか否かを判定する(ステップS111)。赤信号の期間の残時間がN+X秒以下であると判定された場合(ステップS111:Yes)、ECU109は、ステップS113の処理を実行する。
【0051】
他方、赤信号の期間の残時間がN+X秒より大きいと判定された場合(ステップS111:No)、ECU109は、K秒間隔で、表示されている残時間を更新するようにディスプレイ106を制御して(ステップS112)、ステップS111の処理を実行する。
【0052】
本実施形態では特に、赤信号の期間の残時間の変化分が一定値以上である場合のみ、ディスプレイ106上に表示される画面を更新するようにディスプレイ106が制御されることに加えて、音又は音声を出力するようにスピーカ114が制御される。このため、車両1の運転者が、赤信号の期間の残時間が増加したことを比較的容易に認識することができる。
【0053】
尚、ステップS108の処理では、音又は音声を出力するようにスピーカ114が制御されることに代えて、ディスプレイ106上に表示される画面が点滅するようにディスプレイ106が制御されてもよい。
【0054】
<変形例>
つぎに、本実施形態に係る停止時間通知装置の変形例について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0055】
図3において、ECU109は、上述したステップS107の処理において、算出された変化分であるX秒が一定値以上であると判定された場合(ステップS107:Yes)、残時間をX秒だけ増加する(ステップS201)。
【0056】
次に、ECU109は、前回、車両1の運転者に対し、赤信号の期間の残時間を通知するようにディスプレイ106を制御してから、本発明に係る「第3所定時間」の一例としてのL秒経過したか否かを判定する(ステップS202)。
【0057】
L秒経過したと判定された場合(ステップS202:Yes)、ECU109は、残時間が更新された旨を示す音又は音声を出力するようにスピーカ114を制御しつつ、表示されている残時間を更新するようにディスプレイ106を制御して(ステップS203)、上述したステップS109の処理を実行する。他方、L秒経過していないと判定された場合(ステップS202:No)、ECU109は、ステップS202の処理を実行する。
【0058】
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨、或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う停止時間通知装置もまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0059】
1…車両、10…制御装置、101…GPS、104…インフラ通信装置、106…ディスプレイ、109…ECU、111…カーナビゲーション、114…スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、
インフラストラクチャーより信号機に係る信号サイクルを示す信号サイクル情報を取得する取得手段と、
前記車両の運転者に対し、前記信号機の灯色が赤から青に変わるまでの残時間を通知可能な通知手段と、
前記車両が前記信号機の灯色が赤であることに起因して停止したことを条件に、前記取得された信号サイクル情報に基づいて前記残時間を算出する残時間算出手段と、
前記算出された残時間を、所定の時間間隔で、前記運転者に通知するように前記通知手段を制御し、前記信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも第1所定時間前に、前記残時間の通知を終了するように前記通知手段を制御する制御手段と
を備える停止時間通知装置であって、
前記算出された残時間が前記運転者に通知された後に、前記信号サイクル情報が更新されたことを条件に、前記残時間算出手段は、前記更新された信号サイクル情報に基づいて前記残時間の変化分を算出し、
当該停止時間通知装置は、前記算出された変化分が所定閾値より大きいか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記算出された変化分が前記所定閾値より大きいと判定された場合、前記制御手段は、前記運転者に対し、前記残時間を前記算出された変化分だけ増加して通知するように前記通知手段を制御し、
前記算出された変化分が前記所定閾値より小さいと判定された場合、前記制御手段は、前記第1所定時間を、前記第1所定時間に前記算出された変化分を加えた時間である第2所定時間に変更し、前記信号機の灯色が赤から青に変わる時点よりも前記第2所定時間前に、前記残時間の通知を終了するように前記通知手段を制御する
ことを特徴とする停止時間通知装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記算出された変化分が前記所定閾値より大きいと判定された場合、前回、前記運転者に通知してから第3所定時間後に、前記運転者に対し、前記残時間を前記算出された変化分だけ増加して通知するように前記通知手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の停止時間通知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−102757(P2011−102757A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−257904(P2009−257904)
【出願日】平成21年11月11日(2009.11.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】