説明

充電装置

【課題】受電コネクタ側に光源を設けることによって、暗所においても受電コネクタの正確な位置をユーザに認識させることができる充電装置を提供する。
【解決手段】外部電源に接続された給電プラグをバッテリと接続されたインレット31に接続することにより、外部電源の電力をバッテリに充電する充電装置において、インレット31の給電プラグとの接続部32に光を照射するライト43をロック機構41に設けたことを特徴とする充電装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受電コネクタに接続されてバッテリに充電を行う充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両からの排出ガスを少なく抑えることを目的として、各車両メーカでは、モータを駆動源とする電気自動車(ハイブリッド車も含む)の開発気運が非常に高くなってきている。このような電気自動車では、車両の動力源を駆動するためのバッテリの電力残量が少なくなる度に、例えば家庭や電気スタンド等においてバッテリに充電を行う必要がある。このことから、電気自動車にはユーザにも簡単に扱える様々な充電システムが設けられることになる。このようなシステムとしては、例えば特許文献1に示すものが知られている。このシステムでは、例えば家庭の商用電源に繋がる給電プラグを接続可能とした受電コネクタを車両に設け、帰宅したときなどに駐車車両の受電コネクタに給電プラグを接続し、商用電源を車両に送り込むことによって車両のバッテリに充電を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−161898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電気自動車のバッテリ充電には、急速充電の技術が開発されているといっても、ガソリン車のガソリン補給に比べて比較的長い時間を要する。特に、一般家庭に高速充電用の器具が備え付けられることはまれであるので、ユーザが自宅でバッテリ充電を行う場合には、車両を使用しない時間帯、すなわち夜間における充電が想定される。
【0005】
この場合、ユーザは、暗所での作業を強いられる可能性がある。暗所では、ユーザが受電コネクタの正確な位置を把握するのが妨げられて、当該受電コネクタと給電プラグとの接続作業が難航するおそれがある。そこで、ユーザは、受電コネクタの正確な位置を把握するために、懐中電灯等の光源により受電コネクタを照らすことが考えられる。しかしながら、光源で受電コネクタを照らしながらの作業は、ユーザにとって煩わしい。
【0006】
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、受電コネクタ側に光源を設けることによって、暗所においても受電コネクタの正確な位置をユーザに認識させることができる充電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、外部電源に接続された給電プラグをバッテリと接続された受電コネクタに接続することにより、前記外部電源の電力を前記バッテリに充電する充電装置において、前記受電コネクタの前記給電プラグとの接続部に光を照射する照明手段を前記受電コネクタ側に設けたことを要旨とする。
【0008】
同構成によれば、ユーザは、例えば、夜間など外部環境が暗い状況下において、受電コネクタの位置を容易に視認することができる。従って、給電プラグと受電コネクタとを接続させることが容易となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の充電装置において、前記給電プラグには、前記受電コネクタに設けられた被係止部と係合して前記給電プラグと前記受電コネクタとの接続状態を維持する係止爪が形成され、前記係止爪の前記被係止部に対する係合が解除される方向への動きを規制及び許容するロック機構には、前記照明手段を備えることを要旨とする。
【0010】
ロック機構は、通常、受電コネクタの近傍に設けられる。このため、同構成によれば、ロック機構に設けられる照明手段も、受電コネクタの近傍に設けられる。従って、受電コネクタの給電プラグとの接続部を好適に照射することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の充電装置において、前記照明手段は、前記ロック機構に設けられて光を照射するライトと、前記受電コネクタの前記接続部の周囲を囲う態様で設けられるとともに、前記ライトからの照射光を取り入れることにより、前記接続部を囲う態様で光を照射するライトガイドとを備えることを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、受電コネクタの接続部の周囲が発光することにより、ユーザは、当該接続部の形状を容易に視認することができる。従って、給電プラグを受電コネクタに接続する際に、ユーザは、受電コネクタの接続部の形状の向きに合わせて給電プラグの向きを容易に合わせることができる。従って、両者の接続をスムーズに行うことができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置において、前記受電コネクタは、これを覆う閉位置と、同じく解放する開位置との間を変位する給電リッドによって蓋をされることにより外部環境から保護され、前記照明手段の点灯及び消灯は、前記給電リッドの開閉に連動して行われることを要旨とする。
【0014】
同構成によれば、例えば、給電リッドの開状態、すなわち、受電コネクタが外部から視認できる状態であるときは、照明手段を点灯させ、給電リッドの閉状態、すなわち、受電コネクタが外部から視認できない状態であるときは、照明手段を消灯させることができる。これにより、照明手段は、ユーザに視認させる必要があるときだけ、電力を消費することになるので、省電力効果が期待できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の充電装置において、前記給電リッドの開閉を検出する開閉スイッチを前記受電コネクタの外部に設け、前記開閉スイッチと前記給電リッドとの間には、前記給電リッドの開閉に伴いスライドして同開閉運動を前記開閉スイッチに伝達するスライドピースを設け、前記スライドピースは、その前記開閉スイッチ側の先端部に形成されて、先端に向かうにつれて先鋭となる傾斜面と、同傾斜面から連続して前記スライドピースのスライド方向と平行に形成された平行面とを備え、前記スライドピースは、前記給電リッドが閉じ操作された際に、前記開閉スイッチ側へスライドして、前記開閉スイッチはその操作部が前記傾斜面にて押下されてオンするとともに、そのまま連続して前記平行面と係合し、前記給電リッドが閉状態となった際には、前記平行面との係合が維持されることを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、開閉スイッチの操作部は、給電リッドが閉方向に変位することによるスライドピースの変位により傾斜面によって押下されるとともに、そのまま連続して前記平行面と係合し、給電リッドが閉状態のときには、この係合状態が維持される。この閉状態から、給電リッドが更に閉方向に変位した場合、開閉スイッチは、スライドピースのスライド方向と平行に形成された平行面を滑る態様でこれと係合し続けることになる。すなわち、この状態における開閉スイッチは、給電リッドが閉状態の場合と同じ状態に維持される。つまり、開閉スイッチは、作動に必要な力以上に強く押下されることはない。これにより、給電リッドの開閉に伴う開閉スイッチへの負荷の低減が期待できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、受電コネクタ側に光源を設けることによって、暗所においても受電コネクタの正確な位置をユーザに認識させることができる充電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態を示す充電システム及び電子キーシステムの概略構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態におけるインレットの分解斜視図。
【図3】同実施形態におけるインレットの正面図。
【図4】同実施形態における開閉スイッチの分解斜視図。
【図5】(a)は、フェンダーリッドが開状態の図3のA−A線における断面図、(b)は、(a)の円B部分の拡大図。
【図6】(a)は、フェンダーリッドが閉状態の図3のA−A線における断面図、(b)は、(a)の円B部分の拡大図。
【図7】(a)は、フェンダーリッドが押し込まれた状態の図3のA−A線における断面図、(b)は、(a)の円B部分の拡大図。
【図8】同実施形態におけるライトが点灯したときのインレットの正面図。
【図9】同実施形態におけるライトと円筒部との位置関係を示すインレットの側面図。
【図10】同実施形態の給電プラグを模式的に示す断面図。
【図11】本実施形態の変形例を示すインレットの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の充電装置をプラグインハイブリッド車に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。まず、図1を用いて、本例の車両の概要を示す。
図1に示すように、車両1には、駆動輪2の駆動源としてエンジンとモータとを組み合わせて使用するハイブリッドシステム3が備えられている。ハイブリッドシステム3は、エンジンの動力のみを機械的に駆動輪2に伝えて走行するモードと、エンジンの動力で発電を行ってモータにより走行するモードと、エンジン及びモータの双方で駆動輪2を直接駆動するモードと、エンジンを使用せずにモータのみで走行するモードとの各種モードを有している。
【0020】
ハイブリッドシステム3には、モータに電力を供給するバッテリ4が接続されている。バッテリ4は、エンジンの動力によって発電された電力が充電されるだけでなく、車両1の外部電源91からの電力が充電可能とされている。
【0021】
車両1には、例えば運転者が実際に車両キーを操作しなくてもドアの施解錠を可能とする電子キーシステム70が搭載されている。電子キーシステム70は、車両1との間で相互に無線通信を行う電子キー80を備える。
【0022】
車両1には、電子キー80及び車両1のIDコードの照合を行う照合ECU(Electronic Control Unit)71が設けられている。照合ECU71は、車両1に固有のキーコードとしてIDコードが記憶されたメモリ71aを備えている。照合ECU71には、車外LF(Low Frequency)発信機72と、車内LF発信機73と、UHF(Ultra High Frequency)受信機74とが接続されている。車外LF発信機72は、車両1の各ドアに埋設されて車外にLF帯の信号を発信する。車内LF発信機73は、車内床下等に埋設されて車内にLF帯の無線信号を発信する。UHF受信機74は、車内に埋設されてUHF帯の無線信号を受信する。
【0023】
一方、電子キー80には、通信制御部81が設けられている。通信制御部81は、電子キー80に固有のIDコードが記憶されたメモリ81aを備えている。通信制御部81には、LF帯の無線信号を受信するLF受信部82と、通信制御部81の指令に従いUHF帯の無線信号を発信するUHF発信部83とが接続されている。
【0024】
照合ECU71は、車外LF発信機72からLF帯のリクエスト信号Srqを間欠的に発信させることにより、車両1の周辺に車外通信エリアを形成する。電子キー80は、車外通信エリアに進入すると、LF受信部82を介してリクエスト信号Srqを受信する。通信制御部81は、LF受信部82を介して受信したリクエスト信号Srqを認識すると、自身のメモリ81aに登録されたIDコードを含ませたUHF帯のIDコード信号Sidを、UHF発信部83を介して発信する。照合ECU71は、UHF受信機74を介してIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードとIDコード信号Sidに含まれるIDコードとのID照合(車外照合)を行う。照合ECU71は、車外照合が成立すると、図示しないドアロック装置による車両ドアの施解錠を許可又は実行する。
【0025】
照合ECU71は、車外照合が成立して車両ドアが解錠された後、ドアが開けられて運転者が乗車したことを認識すると、今度は車内LF発信機73からリクエスト信号Srqを発信して車内全域に車内通信エリアを形成する。上記同様に電子キー80は、車内通信エリアに進入すると、IDコード信号Sidを送信する。照合ECU71は、UHF受信機74を介してIDコード信号Sidを受信すると、自身のメモリ71aに登録されたIDコードとIDコード信号Sidに含まれるIDコードとのID照合(車内照合)を行う。照合ECU71は、車内照合が成立すると、ハイブリッドシステム3の始動を許可する。
【0026】
図1に示すように、車両1に搭載される走行用のバッテリ4は、プラグイン式の充電システム90によって充電される。充電システム90は、住宅や電気スタンド等の外部電源91に接続ケーブル12を介して接続される給電プラグ10を備えている。給電プラグ10は、車両1に接続可能とされている。外部電源91からは交流電力が給電プラグ10を介して車両1に供給される。接続ケーブル12には、充電を開始する際に操作される充電スイッチ92が設けられている。給電プラグ10が車両1に接続された状態において、充電スイッチ92がオン操作又はオフ操作されると、その旨の信号が給電プラグ10を介して車両1に出力される。
【0027】
車両1には、給電プラグ10の接続先としてインレット31が取り付けられている。インレット31は、車両1に対して開閉可能に設けられたフェンダーリッド21により外部環境から保護されている。インレット31は、給電プラグ10を挿し込むコネクタ部品であって、例えば、車両1の前部左側面に設けられている。インレット31に給電プラグ10が挿し込まれることにより、これらは電気的に接続される。インレット31から送り込まれた交流電力は、コンバータ6によって直流電力に変換され、この直流電力がバッテリ4に供給される。
【0028】
また、図1に示すように、給電プラグ10には、接続ケーブル12の信号線の抵抗値を切り替える充電スイッチ92が設けられている。充電スイッチ92がオフの場合、信号線の抵抗値は増大して、給電プラグ10からインレット31への電力の供給は行われない。充電スイッチ92がオンの場合、信号線の抵抗値は減少して、給電プラグ10からインレット31への電力の供給が行われる。
【0029】
車両1には、充電に関わる制御を行う充電ECU75が設けられている。充電ECU75は、図示しない車内LAN(Local Area Network)を介して照合ECU71との間で通信可能とされている。充電ECU75は、当該通信を通じて照合ECU71におけるID照合の成立結果を確認可能である。また、充電ECU75は、信号線の接続状態等に基づき給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたことを認識可能である。
【0030】
インレット31には、ロック機構41及びモジュール51が設けられている。図1に示すように、これらロック機構41及びモジュール51は、充電ECU75に電気的に接続されている。
【0031】
ロック機構41には、給電プラグ10とインレット31とが接続した際に、この状態を維持するロック状態と、両者の接続を解除できるアンロック状態とを切換えるモータ42が設けられている。充電ECU75は、モータ42の状態を通じて、給電プラグ10がインレット31との接続状態が維持できるロック状態にあるか否かを認識可能である。なお、前述したように、ロック機構41には、照明手段としてのライト43が設けられている。
【0032】
充電ECU75は、給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたこと、給電プラグ10がロック状態にあること、及び車外ID照合が成立したことの3つの条件が成立したか否かを認識できる。充電ECU75は、上記3つの条件が成立した状態において、充電スイッチ92がオン操作された旨の信号を給電プラグ10及びインレット31を介して受けるとコンバータ6の制御を通じてバッテリ4への給電を開始する。
【0033】
モジュール51には、フェンダーリッド21の開閉状態を検出するプッシュ式のスイッチ52が設けられている。スイッチ52は、フェンダーリッド21が閉状態のときにオンとなり、フェンダーリッド21が開状態のときにオフとなる。このスイッチ52は、充電ECU75に接続されている。充電ECU75は、フェンダーリッド21が閉状態、すなわちスイッチ52がオンの場合は、ライト43を消灯させ、フェンダーリッド21が開状態、すなわちスイッチ52がオフの場合は、ライト43を点灯させる。
【0034】
また、モジュール51には、アンロックスイッチ53が設けられている。アンロックスイッチ53が操作されると、その旨の信号が充電ECU75に出力される。充電ECU75は、車外ID照合が成立したこと、並びにアンロックスイッチ53が操作されたことを認識すると、モータ42に通電して、給電プラグ10とインレット31との接続状態をアンロック状態に切り替える。このとき、充電ECU75は、コンバータ6の制御を通じて、バッテリ4への充電を停止する。
【0035】
次に、本例のインレット31の構造について詳細に説明する。なお、以下の説明における各方向は、インレット31を正面から見た場合として記載してある。
図2に示すように、インレット31には、給電プラグ10と接続される円筒状の接続部32が形成されている。内外方向に延びる接続部32の内部には、複数の接続端子が設けられている。接続端子は、電力の伝送経路となるパワー端子や、各種制御指令の通信経路となる制御端子等を備える。接続部32の左側部には、接続部32に蓋をして接続端子を外部環境から保護するインレットリッド33が回転可能に軸支されている。インレットリッド33は、図示しないばねによって常時開方向に付勢されている。接続部32の右側部には、インレットリッド33の右縁部と係合する樹脂製の係合爪34が設けられている。インレットリッド33は、接続部32に蓋をする閉状態をとるとき、その右縁部が係合爪34と係合することにより、開方向への変位が規制されている。インレットリッド33を開状態としたい場合、ユーザは、係合爪34を右側へ弾性変位させることにより、当該係合爪34とインレットリッド33との係合を解除させる。こうすることにより、インレットリッド33は、図示しないばねの付勢力を受けて開状態に移行する。なお、インレットリッド33が開状態から閉状態に移行する場合、ユーザが図示しないばねの付勢力に抗してインレットリッド33を閉じ方向へ変位させる。このとき、係合爪34は、インレットリッド33と当接するとともに、ユーザのインレットリッド33の更なる閉じ方向への押圧によって右側に弾性変位する。インレットリッド33が接続部32に蓋をする閉状態となると、係合爪34は、自身の弾性力によって弾性復帰し、インレットリッド33の開方向への変位を規制する。
【0036】
接続部32の外周面上部には、給電プラグ10に設けられる後述の係止爪154と係合する被係止部35が形成されている。給電プラグ10は、インレット31と接続された際に、自身に設けられた係止爪154が被係止部35と係合する。これにより、給電プラグ10のインレット31に対する引き抜き方向への変位が規制される。
【0037】
接続部32の基端には、これと連続して方形のフランジ状に形成された取付部36が形成されている。取付部36の四隅には、それぞれ内外方向への貫通孔37が形成されている。
【0038】
ここで、図10を参照して、給電プラグ10の構造について説明する。
図10に示すように、給電プラグ10のプラグ本体151内には、ロックアーム152が揺動可能に取り付けられている。ロックアーム152は、給電プラグ10の挿込方向に対して直交する方向を軸153として、この軸153回りに揺動する。ロックアーム152の先端には、インレット31に接続したとき、被係止部35と係合する係止爪154が設けられている。また、ロックアーム152の先端と反対側には、操作部155が設けられている。係止爪154と操作部155とは、プラグ本体151の外部に露出されている。ロックアーム152において操作部155寄りの位置には、ロックアーム152(係止爪154)を閉じ側(図10中の下側)に常時付勢する付勢部材156が取り付けられている。このように構成された給電プラグ10では、図中2点鎖線で示すように、操作部155を付勢部材156の付勢力に抗して押し操作することで、ロックアーム152が揺動し、係止爪154が上方へ変位する。操作部155への押し操作を解除すると、付勢部材156の付勢力により図中実線で示す原位置へ復帰する。
【0039】
次に、ロック機構41の構造について説明する。
図2に示すように、ロック機構41は、モータ42(図5参照)を内蔵するケース44を備える。また、ケース44には、上下方向への変位が可能なロックバー45が外部に露出する態様で設けられている。ロックバー45は、モータ42の回転によって、上方への変位が規制されたり当該規制が解除されたりする。なお、ロックバー45の上方への変位の規制は、ケース44の内部によって行われる。すなわち、ロックバー45は、上方への変位が規制されても規制されなくても、外部に露出した状態が維持される。従って、ロックバー45が規制されているか否かは、当該ロックバー45を視認しただけでは、確認できない。これを確認するために、後述するモジュール51には、アンサーバックライト56が設けられる。
【0040】
ケース44の外周面外側には、下方に向かって光を照射可能に設けられたライト43が設けられている。図9に示すように、このライト43は、ロック機構41がインレット31とともに収容部8に取り付けられた状態で、下方に位置する接続部32を照射することが可能とされている。図2に示すように、ケース44の下部には、下方に拡開する態様で逆V字状に設けられた板状の取付部46が形成されている。取付部46の2つの先端部には、それぞれ貫通孔47が形成されている。なお、この2つの貫通孔47が形成される位置は、取付部36の上側に形成される2つの貫通孔37の位置と対応している。
【0041】
次に、モジュール51の構造について説明する。
モジュール51は、その中央部に十字状の貫通部54を備えるケース55を備えてなる。ケース55において、貫通部54の左側の部分には、プッシュ式のスイッチ52が外側に突出する態様で設けられている。また、ケース55において、貫通部54の右上には、充電ECU75と電気的に接続されたアンロックスイッチ53、アンサーバックライト56、及びインジケータ57が設けられている。
【0042】
充電ECU75は、給電プラグ10とインレット31とが接続された状態でアンロックスイッチ53が操作された場合に、ロック機構41に設けられたモータ42を回転させて、給電プラグ10をインレット31から取り外せる状態(アンロック状態)となったことをアンサーバックライト56を通じて報知する。また、充電ECU75は、給電プラグ10がインレット31に挿入された際に、モータ42を回転させることにより、給電プラグ10をインレット31から取り外せない状態(ロック状態)となったことをアンサーバックライト56を通じて報知する。充電ECU75は、アンサーバックライト56を、ロック状態からアンロック状態となった場合には2回点滅させ、アンロック状態からロック状態となった場合には1回点滅させる。
【0043】
インジケータ57は、上下方向に並んだ3つの点灯部57a,57b,57cから構成される。充電ECU75は、給電プラグ10がインレット31に挿入されていない場合には、インジケータ57を通じてバッテリ4に蓄えられた電力量を3段階で示す。給電プラグ10がインレット31に挿入されて、バッテリ4への充電の最中においては、充電ECU75は、下側の点灯部57a、中央の点灯部57b、上側の点灯部57cの順番で点灯させて、バッテリ4への充電中であることを報知する。なお、バッテリ4への充電が完了した場合、インジケータ57は、満充電を示すために、全ての点灯部57a,57b,57cを点灯させる。
【0044】
また、ケース55の内面の上部には、ライト43から発せられる光が遮られるのを防ぐために半筒状の凹部58が形成されている。この凹部58は、ロック機構41及びモジュール51が収容部8に取り付けられた状態で、ロック機構41に設けられるライト43の位置(照射領域)と対応する。更に、ケース55の貫通部54の縁部には、インレット31に形成された4つの貫通孔37に対応する4つの貫通孔59が形成されている。なお、ケース55の貫通部54の右側には、内外方向に貫通するスイッチ孔60が形成されている。
【0045】
図2に示すように、このように構成されたインレット31、ロック機構41、及びモジュール51は、それぞれに形成された貫通孔37,47,59を貫通する4本の締結具9(例えば、ボルトなど)によって、車両1の前部左側部に凹設された収容部8に一体的に締結される。この状態で、インレット31の接続部32は、モジュール51の貫通部54を内側から貫通して、外部に露出する。なお、収容部8の右部には、外側に向かって突出するプッシュリフタスイッチ7が設けられている。プッシュリフタスイッチ7は、押し操作のみで、図7(a)及び図7(b)に示す押し込まれたプッシュ状態と、図6(a)及び図6(b)に示すプッシュ状態から若干外側に変位した中位状態、図5(a)及び図5(b)に示す中位状態から外側に押し出されたリフト状態との3つの状態をとることができる。リフト状態のプッシュリフタスイッチ7は、押し操作されると、プッシュ状態となった後、中位状態に維持される。中位状態のプッシュリフタスイッチ7は、押し操作されると、プッシュ状態となった後、リフト状態に維持される。
【0046】
モジュール51が収容部8に取り付けられると、プッシュリフタスイッチ7は、スイッチ孔60を内側から貫通して外側に露出する。プッシュリフタスイッチ7の先端部には、図示しない磁石が内蔵されており、鋼板により形成されたフェンダーリッド21は、磁石の磁力によりプッシュリフタスイッチ7にくっついた状態、すなわち閉じた状態に維持される。
【0047】
なお、図5(a)及び図5(b)に示すように、インレット31、ロック機構41、及びモジュール51を収容部8に取り付けた状態においては、その最外側に位置するモジュール51と収容部8の外側の縁部との間には、空間が設けられている。プッシュリフタスイッチ7は、その空間に突出しており、この空間内において、図7(a)及び図7(b)に示すプッシュ状態と図6(a)及び図6(b)に示す中位状態とをとることができる。このため、フェンダーリッド21は、この空間内にプッシュリフタスイッチ7がプッシュ状態になるまで押し込まれることが可能となっている。
【0048】
図2に示すように、車両1に締結されたモジュール51には、その中央部に十字状の貫通部62を備えるカバー61が取り付けられる。そのカバー61には、その中央部に十字状の貫通部67を備えるライトガイド66が取り付けられる。このライトガイド66の外形形状は、透明樹脂材料により、貫通部62の内形形状に対応するように形成されている。また、ライトガイド66の上部には、光を取り入れるための導入部68が設けられている。カバー61の内面の上部には、半筒状の凹部63が形成されている。この凹部63は、カバー61が収容部8に取り付けられたモジュール51に取り付けられた状態で、ロック機構41に設けられるライト43の位置(照射領域)と対応する。
【0049】
ライトガイド66は、図示しない係合関係によってカバー61の貫通部62の内周に沿って取り付けられる。このとき、導入部68は、凹部63に収容される。ライトガイド66と一体となったカバー61は、モジュール51に外側から4本の締結具9が外部から隠れる態様で取り付けられる。カバー61は、図示しないスナップフィットによって、ねじ等を使用せず、嵌め込みでよりモジュール51に固定される。このとき、図3に示すように、接続部32は、カバー61の貫通部62を内外から貫通して外部に露出する。なお、カバー61がモジュール51に装着されたとき、ライトガイド66に設けられる導入部68は、ライト43の下方に位置する。また、カバー61は、モジュール51に一旦取り付けられると、これを破壊しない限り外せない構造となっている。
【0050】
次に、プッシュ式のスイッチ52の構造について詳しく説明する。
図4に示すように、スイッチ52は、モジュール51を構成するケース55の内面に取り付けられるマイクロスイッチ111及びプレート121、並びに同プレート121との間にコイルばね131を介在させた状態で取り付けられる円柱状のスライドピース141とから構成される。なお、ケース55の左部には、内外方向に貫通するピース孔55aが設けられている。
【0051】
マイクロスイッチ111の本体を構成するケース112は、締結具110(例えば、ボルト等)によって、ケース55の車両1側の左部に取り付けられる。ケース112の上部には、3本の端子113が上方に突出する態様で設けられている。各端子113は、充電ECU75と電気的に接続されている。ケース112の下部には、プッシュスイッチ114が下方に突出する態様で設けられている。プッシュスイッチ114は、ケース112内に内蔵される図示しないばねによって常時下方に付勢されている。プッシュスイッチ114の下方への変位は、同じくケース112内に設けられる図示しない係合関係によって規制されている。プッシュスイッチ114は、下方から上方に押圧されると、その一部がケース112内に収容される。マイクロスイッチ111は、プッシュスイッチ114が押下された旨示す信号を端子113を通じて充電ECU75に出力する。ケース112の下部には、腕部115が設けられている。腕部115は、ステンレスなどの金属により形成され、弾性変形が可能となっている。腕部115は、ケース112の下部におけるプッシュスイッチ114と反対側に取り付けられる取付部115cと、この取付部115cからプッシュスイッチ114に向かって斜め下に延びてプッシュスイッチ114の下方に位置する延出部115aとからなる。延出部115aの先端部には、下側に湾曲する半円部115bが形成されている。
【0052】
プレート121は、マイクロスイッチ111をモジュール51との間に挟む態様で設けられる。プレート121のケース112と反対側の側面には、車両1の外側に向かって突出する円柱状の突起部122が設けられている。プレート121は、突起部122の軸線方向と、ピース孔55aの軸線方向とが一致するように、図示しない締結具によって、ケース55に固定される。
【0053】
スライドピース141は、プレート121との間にコイルばね131を介在させた状態でピース孔55aに内側から挿入される。このとき、コイルばね131には、プレート121の突起部122が挿入される。スライドピース141の左側部には、プッシュスイッチ114に向かって突出する押圧片142が形成されている。押圧片142の先端部には、先端に向かうにつれて徐々に肉薄となる傾斜面142aが形成されている。また、押圧片142の上面は、スライドピース141の軸方向と平行に形成された平行面142bとなっている。スライドピース141のプレート121側の上部及び下部には、角柱状の突起部143,144がスライドピース141の中心を挟んで互いに反対側に位置するように設けられている。これら突起部143,144が形成するスライドピース141の外径は、ピース孔55aの内径よりも長く設定されている。
【0054】
図5(a)及び図5(b)に示すように、また、前述したように、スライドピース141は、ピース孔55aに収容される態様でモジュール51に組み付けられる。このとき、コイルばね131は、スライドピース141とプレート121との間で圧縮される。すなわち、コイルばね131は、圧縮に伴う反発力によりスライドピース141を常時外側へ付勢する。スライドピース141は、突起部143,144及び押圧片142の車両1と反対側の縁部がケース55のピース孔55aの内側の縁部と当接することにより、車両1と反対側(外側)への変位が規制される。
【0055】
また、図5(a)及び図5(b)に示すように、フェンダーリッド21が開いた状態において、スライドピース141は、押圧片142が、延出部115aの下方に位置するとともに、傾斜面142aが、半円部115bと対向する態様でピース孔55aに挿入されている。このとき、プッシュスイッチ114は原位置にあり、マイクロスイッチ111は、オフの状態に維持されている。なお、図が複雑になり、理解を妨げるのを防ぐために図5(a)及び図5(b)では、コイルばね131の図示を省略する。また、これと同様の理由により、図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)においても、コイルばね131の図示は省略する。
【0056】
次に、このように構成された充電装置において、フェンダーリッド21の開閉に伴う各部の動作について説明する。まず、図6(a)及び図6(b)に示すように、フェンダーリッド21が閉状態の場合から説明する。
【0057】
この状態では、フェンダーリッド21の内側の面がスライドピース141を押圧している。このため、スライドピース141は、5(a)及び図5(b)に示すフェンダーリッド21が開状態の場合に比べて内側に変位した状態に維持されている。このとき、腕部115は、その取付部115cを支点としてケース112側へ弾性変形して、半円部115bが押圧片142の平行面142bと当接した状態並びに延出部115aがプッシュスイッチ114を上方に変位させた状態に維持されている。なお、プッシュスイッチ114が上方に変位した状態、すなわちマイクロスイッチ111がオンの状態である旨示す電気信号は、端子113を通じて充電ECU75に送信されている。従って、充電ECU75は、フェンダーリッド21が閉状態であることを認識している。このとき、充電ECU75は、ライト43を消灯状態に維持する。
【0058】
本例のフェンダーリッド21は、プッシュリフタスイッチ7に内蔵された図示しない磁石によって、収容部8の閉状態を維持されている。このフェンダーリッド21を閉状態から開状態にする場合、一旦フェンダーリッド21を内側へ押し込むことによって、プッシュリフタスイッチ7を外側にリフトさせて、フェンダーリッド21を外側に変位させる必要がある。
【0059】
図7(a)及び図7(b)にフェンダーリッド21を内側へ押し込んだ状態を示す。このとき、フェンダーリッド21が内側に変位した分、スライドピース141も内側に変位している。半円部115bは、平行面142bをスライドするのみで、その上下方向位置は維持される。従って、延出部115aの上下方向位置も維持されるので、プッシュスイッチ114の上下方向位置も維持される。すなわち、フェンダーリッド21が内側へ押し込まれた状態でも、マイクロスイッチ111のオン状態は維持される。
【0060】
これにより、プッシュリフタスイッチ7は、外側にリフトする状態となる。従って、ユーザが、フェンダーリッド21の内側への押し込みを解除すると、フェンダーリッド21は収容部8から外側に突出した状態となる。このとき、ユーザが、プッシュリフタスイッチ7に内蔵された磁石の磁力に抗してフェンダーリッド21を開方向へ変位させることにより、フェンダーリッド21は、図3に示す開状態をとる。
【0061】
このとき、図5(a)及び図5(b)に示すように、スライドピース141は、コイルばね131の付勢力により外側に変位して、突起部143,144及び押圧片142の外側の縁部がケース55の内面に当接した状態をとる。腕部115は、半円部115bと平行面142bとの当接状態が解除されるので、元の状態に弾性復帰する。従って、延出部115aとプッシュスイッチ114との係合も解除されるので、プッシュスイッチ114は、図示しないばねの付勢力を受けて下方へ変位する。すなわちマイクロスイッチ111は、オフ状態となってその旨の信号を端子113を通じて充電ECU75に送信する。充電ECU75は、マイクロスイッチ111がオフ状態、すなわちフェンダーリッド21が開状態であることを認識して、ライト43を点灯させる。
【0062】
ライト43が点灯することによって、その光は、導入部68からライトガイド66の内部に取り込まれる。図8に示すように、ライトガイド66に取り込まれた光は、その内部を反射しながら伝播し、その一部はライトガイド66の外部に出射する。この出射光よって接続部32の周囲が照明される。これにより、ユーザは、外部環境が暗い状況下(例えば、夜間など)においても、接続部32の周囲が光ることにより、インレット31の位置を正確に認識することができる。従って、このような状況下でも、給電プラグ10をインレット31に容易に挿入することができる。
【0063】
電子キー80を把持したユーザによって、給電プラグ10がインレット31に挿入されると、充電ECU75は、信号線の接続状態等に基づき給電プラグ10がインレット31に挿し込まれたことを認識する。充電ECU75は、電子キーシステム70における車外ID照合の成立を確認すると、ロック機構41のモータ42を駆動させてロックバー45をロック状態とする。これにより、給電プラグ10に設けられる係止爪154の動きが規制され、給電プラグ10のインレット31からの引き抜きを防止する。この状態となると、充電ECU75は、ライト43を消灯させるとともに、アンサーバックライト56を1回点滅させて、ユーザに給電プラグ10とインレット31との接続が解除できないロック状態である旨報知する。そして、充電ECU75は、外部電源91からのバッテリ4への充電を許可する。この状態で、充電スイッチ92が操作されてオンされると、外部電源91からバッテリ4への充電が開始される。なお、充電ECU75は、インジケータ57を通じて、充電状態である旨報知する。
【0064】
充電が完了した後、又は充電中に電子キー80を把持したユーザが、アンロックスイッチ53を操作すると、充電ECU75は、照合ECU71と電子キー80との間で車外ID照合が成立したか否かを確認する。車外ID照合が成立すると、モータ42を駆動させてロックバー45の動きの規制を解除する。これにより、給電プラグ10とインレット31との接続が解除できる状態となる。なお、アンロックスイッチ53の操作が充電中における操作である場合は、外部電源91からのバッテリ4への充電もロックバー45の動きの規制の解除とともに停止させる。
【0065】
充電ECU75は、アンサーバックライト56を2回点滅させて、給電プラグ10とインレット31との接続が解除できる状態となった旨報知するとともに、ライト43を点灯させる。従って、ライトガイド66は、導入部68から取り込まれた光によって接続部32の周囲を光らせる。これにより、ユーザは、外部環境が暗い状況下(例えば、夜間など)における給電プラグ10をインレット31から引き抜く際においても、インレット31(給電プラグ10)の位置を正確に認識して、これを容易に行うことができる。
【0066】
インレット31から給電プラグ10の引き抜きから、フェンダーリッド21を閉状態に移行させるまでの動作は、上記、接続の場合と逆の態様となる。すなわち、フェンダーリッド21を閉方向に変位させると、同フェンダーリッド21の裏面の右部が、磁石を内蔵したプッシュリフタスイッチ7と当接し、磁力による接続状態が維持される。そしてフェンダーリッド21を内側へ押し込むことによって、スライドピース141はコイルばね131の付勢力に抗して内側へ変位する。スライドピース141の変位に伴って押圧片142も内側へ変位する。このとき、傾斜面142aが半円部115bと当接する。傾斜面142aは、その傾斜面によってフェンダーリッド21から受ける内側への押圧力を半円部115bを上方に押し上げる力に変換する。これにより、延出部115aは、スライドピース141によって押し上げられて、その上面でプッシュスイッチ114を押下するとともに、半円部115bが、平行面142bと係合するように弾性変形する。このとき、図7(a)及び図7(b)に示すように、延出部115aの上面は、プッシュスイッチ114の先端部を上方に向かって押圧する。こうして、プッシュスイッチ114は、オン状態となってその旨の信号を端子113を通じて充電ECU75に送信する。充電ECU75は、プッシュスイッチ114がオン状態、すなわちフェンダーリッド21が閉じた状態であることを認識して、ライト43を消灯する。なお、フェンダーリッド21の押し込みによって押し込まれたプッシュリフタスイッチ7は、プッシュ状態を経て図6(a)及び図6(b)に示す中位状態に維持される。従って、フェンダーリッド21の外面が車両1の外面と面一となる。すなわち、フェンダーリッド21は、収容部8に蓋をした閉状態に維持される。なお、この状態でも、プッシュスイッチ114の上下方向位置は、図7(a)及び図7(b)に示すプッシュリフタスイッチ7のプッシュ状態と同じ位置に維持される。
【0067】
このように、マイクロスイッチ111のプッシュスイッチ114とフェンダーリッド21との間には、スライドピース141(押圧片142)及び腕部115が介在されている。これにより、プッシュスイッチ114は、フェンダーリッド21が押し込まれた状態であっても閉状態と同じ上下方向位置を維持できる。このため、マイクロスイッチ111には、フェンダーリッド21の押し込みによる負荷がかかりにくい構造となっている。
【0068】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)ロック機構41の前部には、下方に位置するインレット31の接続部32に光を照射するライト43が設けられている。このライト43が点灯して、接続部32に光が照射されることにより、ユーザは、夜間など外部環境が暗い状況下においても、インレット31(接続部32)の位置を容易に確認することができる。従って、給電プラグ10とインレット31とを接続させることが容易となる。
【0069】
(2)ライト43が点灯した際、その光の一部は、接続部32を囲う態様で設けられるライトガイド66の内部を反射しながら伝播する。これにより、接続部32の外郭の形状を視認させやすくする。これにより、ユーザは、給電プラグ10をインレット31に接続する際に、係止爪154を被係止部35に対応させやすくなる。すなわち、給電プラグ10とインレット31との接続が容易となる。
【0070】
(3)フェンダーリッド21の開閉は、スイッチ52によって検出される。スイッチ52がフェンダーリッド21の開状態、すなわち、インレット31が外部から視認できる状態であるときは、ライト43を点灯させて、インレット31を視認させやすくすることができる。スイッチ52がフェンダーリッド21の閉状態、すなわち、インレット31が外部から視認できない状態であるときは、ライト43を消灯させる。これにより、ライト43は、ユーザにインレット31を視認させる必要があるときだけ、電力を消費することになるので、省電力効果を得ることができる。
【0071】
(4)フェンダーリッド21の開閉に伴い、スライドピース141が変位することによって、スイッチ52(プッシュスイッチ114)は押下とその解除がなされて、フェンダーリッド21の開閉状態を検知する。プッシュスイッチ114は、下方に突出する態様で設けられており、上方に押下されることで、フェンダーリッド21の閉状態を検知する。スライドピース141の押圧片142の先端部には、先端に向かうにつれて徐々に肉薄となる傾斜面142aが形成されている。また、押圧片142の上面は、スライドピース141のスライド方向に対して平行に形成される平行面142bとなっている。
【0072】
傾斜面142aは、フェンダーリッド21の内側への変位に伴うスライドピース141の内側への押圧力を、プッシュスイッチ114を上方へ押し上げる力に変換する。これにより、プッシュスイッチ114は、傾斜面142aを駆け上がる態様で上方へ変位して、平行面142bに位置する。この状態で、更にフェンダーリッド21が内側へ押し込まれた場合、スライドピース141は内側へ変位するものの、すでに平行面142bに位置するプッシュスイッチ114(半円部115b)は、平行面142bを滑るのみとなるため、その上下方向位置は保持される。すなわち、この場合であっても、プッシュスイッチ114は、強く押下されることはない。これにより、フェンダーリッド21の開閉に伴うスイッチ52(プッシュスイッチ114)への負荷が軽減される。
【0073】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、ライトガイド66は、必ずしも設ける必要はない。上記実施形態からライトガイド66を省略したものを図11に示す。このように構成しても、ライト43が点灯すれば、接続部32は、その光によって照射されることとなる。図9に示すように、本例のように下方に光を照射するライト43は、接続部32よりも上方且つ前方に設けられるため、好適に接続部32に光を照射することができる。
【0074】
・上記実施形態において、ライト43は、必ずしもロック機構41に設ける必要はない。例えば、インレット31やモジュール51、車両1(収容部8)等に設けてもよい。このように構成しても、接続部32を照射することが可能である。
【0075】
・上記実施形態において、スイッチ52のプッシュスイッチ114が押下される方向は、スライドピース141のスライド方向と一致させてもよい。このように構成した場合であっても、プッシュスイッチ114は、フェンダーリッド21に開閉を検出することができる。
【0076】
・上記実施形態において、フェンダーリッド21の開閉を検出するスイッチ52は、必ずしも設ける必要はない。この場合、充電ECU75は、例えば、車両1の車両ドアのロックと連動させて、ライト43を点灯させることが考えられる。例えば、車両1のドアがロックされた場合は、一定時間だけライト43を点灯させる等が想定される。この場合であっても、ライト43が点灯することによって、接続部32は、好適に照射される。
【0077】
・上記実施形態において、腕部115は必ずしも設けなくてもよい。この場合であっても、プッシュスイッチ114が、スライドピース141がスライドすることによって押下されたり当該押下が解除されたりするように、マイクロスイッチ111を配設する。
【0078】
・上記実施形態において、押圧片142の上面は、平行面142bでなくともよい。例えば、押圧片142の上面は、外側に向かうにつれて上昇するように形成してもよい。このように構成しても、フェンダーリッド21の開閉に伴い変位するスライドピース141(押圧片142)によって、プッシュスイッチ114を押圧したり当該押圧を解除したりする。
【0079】
・上記実施形態において、外部電源91からバッテリ4へ充電する際の制御は、充電ECU75にて行ったが、照合ECU71が行ってもよい。この場合、充電ECU75は、不要となる。
【0080】
・上記実施形態において、インレット31は車両1の前方左側面に設けるようにしたが、これに限らず、後方側面や車両前面等に設けてもよい。
・上記実施形態において、被係止部35は、接続部32の上部に設けるようにしたが、上部だけでなく接続部32を挟んで上下等の複数箇所に設けるようにしてもよい。このようにすれば、給電プラグ10をインレット31に挿入したい場合、両者の接続をより好適に維持することができる。
【0081】
・上記実施形態では、ロックバー45がロック状態のときアンサーバックライト56は1回点滅、ロックバー45がアンック状態のときアンサーバックライト56は2回点滅としたが、アンサーバックライト56の点灯態様は、これに限るものではない。例えば、ロックバー45のロック状態時とアンロック状態時との点灯する回数を変えたり、点灯する色をかえたりする等して、ユーザにロックバー45がロック状態又はアンロック状態である旨報知できればよい。
【0082】
・上記実施形態において、インレットリッド33は必ずしも設けなくてもよい。
・上記実施形態において、ロックバー45の動きを規制したりこれを許容したりする駆動手段としてモータ42を用いたが、ソレノイド等の他の駆動手段を用いてもよい。
【0083】
・上記実施形態において、キーの認証を電子キー80によるID照合により行ったが、メカニカルキーによる機械的な照合で行ってもよい。例えば、収容部8に、メカニカルキーが挿入できる鍵穴を設け、この鍵穴にその車両固有のメカニカルキーが挿入されたことを充電ECU75が検出できるように構成する。このように構成すれば、電子キー80によるID照合に代えて、メカニカルキーによる機械的な照合を、充電開始の条件とすることができる。
【0084】
・上記実施形態において、電子キーシステム70は、例えばIDコードの発信元としてトランスポンダを使用するイモビライザーシステムを採用してもよい。トランスポンダは、車両1からの駆動電波を受けて自動駆動し、固有のIDコードを送信する。
【0085】
・上記実施形態において、電子キーシステム70で使用する電波の周波数は、必ずしもLFやUHFに限定されず、これら以外の周波数が使用可能である。また、車両1から電子キー80に電波発信するときの周波数と、電子キー80から車両1に電波を返すときの周波数とは、必ずしも異なるものに限定されず、これらを同じ周波数としてもよい。
【0086】
・上記実施形態において、ユーザ認証は、必ずしも電子キー80を使用したキー認証に限定されず、例えば生体認証等の他の認証を応用してもよい。
・上記実施形態において、プラグインハイブリッド式の車両1のインレット31に適用したが、プラグインハイブリッド式の車両に限らず、電気自動車のインレット等に適用してもよい。
【0087】
・上記実施形態において、本例の充電システム90は、必ずしも車両1のみに適用されることに限らず、充電式バッテリを持つ装置や機器であれば、その採用先は特に限定されない。
【符号の説明】
【0088】
LAN…車内、Sid…IDコード信号、Srq…リクエスト信号、1…車両、2…駆動輪、3…ハイブリッドシステム、4…バッテリ、6…コンバータ、7…プッシュリフタスイッチ、8…収容部、9,110…締結具、10…給電プラグ、12…接続ケーブル、21…フェンダーリッド、31…インレット、32…接続部、33…インレットリッド、34…係合爪、35…被係止部、36,46,115c…取付部、37,47,59…貫通孔、41…ロック機構、42…モータ、43…ライト、44,55,112…ケース、45…ロックバー、51…モジュール、52…スイッチ、53…アンロックスイッチ、54,62,67…貫通部、55a…ピース孔、56…アンサーバックライト、57…インジケータ、57a,57b,57c…点灯部、58,63…凹部、60…スイッチ孔、61…カバー、66…ライトガイド、68…導入部、70…電子キーシステム、71…照合ECU、71a,81a…メモリ、72…車外LF発信機、73…車内LF発信機、74…UHF受信機、75…充電ECU、80…電子キー、81…通信制御部、82…LF受信部、83…UHF発信部、90…充電システム、91…外部電源、92…充電スイッチ、111…マイクロスイッチ、113…端子、114…プッシュスイッチ、115…腕部、115a…延出部、115b…半円部、121…プレート、122、143,144…突起部、131…コイルばね、141…スライドピース、142…押圧片、142a…傾斜面、142b…平行面、151…プラグ本体、152…ロックアーム、153…軸、154…係止爪、155…操作部、156…付勢部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源に接続された給電プラグをバッテリと接続された受電コネクタに接続することにより、前記外部電源の電力を前記バッテリに充電する充電装置において、
前記受電コネクタの前記給電プラグとの接続部に光を照射する照明手段を前記受電コネクタ側に設けたことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電装置において、
前記給電プラグには、前記受電コネクタに設けられた被係止部と係合して前記給電プラグと前記受電コネクタとの接続状態を維持する係止爪が形成され、
前記係止爪の前記被係止部に対する係合が解除される方向への動きを規制及び許容するロック機構には、前記照明手段を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の充電装置において、
前記照明手段は、前記ロック機構に設けられて光を照射するライトと、
前記受電コネクタの前記接続部の周囲を囲う態様で設けられるとともに、前記ライトからの照射光を取り入れることにより、前記接続部を囲う態様で光を照射するライトガイドとを備えることを特徴とする充電装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の充電装置において、
前記受電コネクタは、これを覆う閉位置と、同じく解放する開位置との間を変位する給電リッドによって蓋をされることにより外部環境から保護され、
前記照明手段の点灯及び消灯は、前記給電リッドの開閉に連動して行われる充電装置。
【請求項5】
請求項4に記載の充電装置において、
前記給電リッドの開閉を検出する開閉スイッチを前記受電コネクタの外部に設け、
前記開閉スイッチと前記給電リッドとの間には、前記給電リッドの開閉に伴いスライドして同開閉運動を前記開閉スイッチに伝達するスライドピースを設け、
前記スライドピースは、その前記開閉スイッチ側の先端部に形成されて、先端に向かうにつれて先鋭となる傾斜面と、同傾斜面から連続して前記スライドピースのスライド方向と平行に形成された平行面とを備え、
前記スライドピースは、前記給電リッドが閉じ操作された際に、前記開閉スイッチ側へスライドして、前記開閉スイッチはその操作部が前記傾斜面にて押下されてオンするとともに、そのまま連続して前記平行面と係合し、前記給電リッドが閉状態となった際には、前記平行面との係合が維持される充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−64504(P2012−64504A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209335(P2010−209335)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】