光制御装置
【課題】光利用効率を向上させた光制御装置を提供すること。
【解決手段】基板50と、基板50の一面側に形成された第1の櫛歯電極10と、第1の櫛歯電極10に対して噛み合うように進退可能に形成された第2の櫛歯電極20と、基板50に形成され、少なくとも第2の櫛歯電極20の移動領域に開口する貫通孔55と、を有する光制御装置100とした。
【解決手段】基板50と、基板50の一面側に形成された第1の櫛歯電極10と、第1の櫛歯電極10に対して噛み合うように進退可能に形成された第2の櫛歯電極20と、基板50に形成され、少なくとも第2の櫛歯電極20の移動領域に開口する貫通孔55と、を有する光制御装置100とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
静電型アクチュエータを備えた従来の光制御装置は、互いに対向する櫛歯電極及び光制御用のシャッターを備えている。
このような光制御装置においては、櫛歯電極を通電状態と非通電状態とを切り替えることによって、シャッターと接続された櫛歯電極を、他方の電極に対して進退させることによって基板に形成された貫通孔を透過する光の制御が行われる(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−43674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の光制御装置においては、シャッターを駆動させるアクチュエータの平面領域に比して、基板に形成された貫通孔の開口領域が非常に小さいために、光を有効に利用することができなかった。
【0005】
そこで本発明は、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光制御装置は、基板と、前記基板の一面側に形成された第1の櫛歯電極と、前記第1の櫛歯電極に対して噛み合うように進退可能に形成された第2の櫛歯電極と、前記基板に形成され、少なくとも前記第2の櫛歯電極の移動領域に開口する貫通孔と、を有することを特徴とする。
これによれば、第1の櫛歯電極に対して進退する第2の櫛歯電極によって、貫通孔の開口領域からの透過光を制御することができるので、光制御装置の平面領域を効率的に使用することができる。したがって、貫通孔の開口領域を広げ、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0007】
前記第1の櫛歯電極が、前記第2の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記貫通孔が、隣り合う前記枝電極の間の領域に開口していることが好ましい。
これによれば、第1の櫛歯電極と第2の櫛歯電極とが噛み合わされた際における、第1の櫛歯電極と第2の櫛歯電極との間の対向面積を拡張されるので、通電時における第1の櫛歯電極と第2の櫛歯電極との間に働く静電引力を増大させた光制御装置を提供することができる。
【0008】
前記貫通孔が、前記第1の櫛歯電極の複数の前記枝電極と平面視で重なる領域に形成されていることが好ましい。
これによれば、隣り合う第1の櫛歯電極の枝電極の間の領域ごとに貫通孔を形成しなくてもよいので、貫通孔を容易に形成し、貫通孔の平面領域をより広げた光制御装置を提供することができる。
また、第1の櫛歯電極の隣り合う枝電極の間の平面領域に開口する場合に比して、貫通孔の開口領域を広げることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0009】
前記第1の櫛歯電極の少なくとも前記枝電極が、透明導電材料からなることが好ましい。
これによれば、第1の櫛歯電極の枝電極においても光を透過させることができるので、貫通孔が枝電極と平面視で重なる領域に形成された場合において、より光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
これによれば、平面視で第1の櫛歯電極の枝電極と重なる貫通孔の開口領域においても透過光を通過させることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0010】
前記貫通孔が、平面視で前記第1の櫛歯電極から離間した位置に形成されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極によって貫通孔からの透過光を制御することができるので、貫通孔の開口領域を拡大し、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0011】
前記第2の櫛歯電極が、前記第1の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記貫通孔が、前記第2の櫛歯電極の複数の前記枝電極の移動領域内に開口していることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極の枝電極によって貫通孔の開口領域における光制御を実施することができるので、貫通孔の開口領域を広げ、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0012】
前記第2の櫛歯電極上に遮光板が設けられていることが好ましい。
これによれば、遮光板によって第2の櫛歯電極より広い平面領域を覆うことができるので、透過光の漏れを防止し光制御を確実に実施することができる光制御装置を提供することができる。
【0013】
前記貫通孔が、後退位置の前記第2の櫛歯電極と重なる平面領域に開口おり、前記開口した領域よりも大きい平面領域を有する遮光板が前記第2の櫛歯電極上に設けられていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極によって貫通孔からの透過光を制御することができるので、貫通孔の開口領域を拡大し、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。また、貫通孔からの透過光を遮断する際には、第2の櫛歯電極が安定した位置に移動しているので、透過光の制御を確実に実施することができる光制御装置を提供することができる。
【0014】
前記第1及び第2の櫛歯電極が、各々他方の前記櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記第2の櫛歯電極の前記枝電極の幅が、前記第1の櫛歯電極の前記枝電極の幅よりも広いことが好ましい。
これによれば、第1の櫛歯電極の枝電極の平面領域よりも、隣り合う第1の櫛歯電極の枝電極の間の平面領域を広げることができるので、貫通孔の開口領域をより広げ、光利用効率を高めた光制御装置を提供することができる。
【0015】
前記第2の櫛歯電極の少なくとも一部に中空構造が形成されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極が軽量化されるので、第2の櫛歯電極が第1の櫛歯電極に対して進退動作を行う際の負荷が低減され、第2の櫛歯電極による光制御を高速で実施可能な光制御装置を提供することができる。
【0016】
前記第2の櫛歯電極の前記枝電極に前記中空構造が形成されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極が軽量化されるので、第2の櫛歯電極が第1の櫛歯電極に対して進退動作を行う際の負荷が低減され、第2の櫛歯電極による光制御を高速で実施可能な光制御装置を提供することができる。
【0017】
平面視で前記第1の櫛歯電極と反対側の前記第2の櫛歯電極の側方に第3の櫛歯電極が形成されており、前記第2の櫛歯電極が、前記第1及び第3の櫛歯電極の間を往復動可能であることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極の移動領域が第3の櫛歯電極側に広がるので、貫通孔の開口領域を広げ、光利用効率をより向上させた光制御装置を提供することができる。
【0018】
前記第2の櫛歯電極が、少なくとも一端を前記基板上に固定された弾性体に支持されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極が第1の櫛歯電極側に前進した後、弾性体からの弾性力によって第2の櫛歯電極を第1の櫛歯電極から後退させることができるので、透過光を確実に制御できる光制御装置を提供することができる。
【0019】
前記弾性体の少なくとも一部に、前記基板又は前記基板上の部材と、前記第2の櫛歯電極とを電気的に接続する配線が形成されていることが好ましい。
これによれば、弾性体と配線とが一体で構成されるので、小型化した光制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】光制御装置100の非通電時における模式平面図である。
【図2】図1におけるA−A’模式断面図である。
【図3】図1におけるB−B’模式断面図である。
【図4】通電時における光制御装置100の模式平面図である。
【図5】図4におけるC−C’模式断面図である。
【図6】光制御装置100の製造工程図である。
【図7】枝電極22を主体とした壁体構造の例を示す模式断面図である。
【図8】光制御装置100Aの非通電時における模式平面図である。
【図9】図8におけるD−D’模式断面図である。
【図10】通電時における100Aの模式平面図である。
【図11】図10におけるE−E’模式断面図である。
【図12】光制御装置100Aの製造工程図である。
【図13】光制御装置100Aの製造工程図である。
【図14】光制御装置200の非通電時における模式平面図である。
【図15】図14におけるF−F’模式断面図である。
【図16】光制御装置300の非通電時における模式平面図である。
【図17】図16におけるG−G’模式断面図である。
【図18】光制御装置600の非通電時における模式平面図である。
【図19】図18におけるH−H’模式断面図である。
【図20】光遮断時における光制御装置600の模式平面図である。
【図21】光通過時における光制御装置600の模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面を用いて、本発明の光制御装置について説明する。
なお、以下の実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光制御装置100の非通電時における模式平面図である。図2は、図1における光制御装置100のA−A’模式断面図である。図3は、図1における光制御装置100のB−B’模式断面図である。
【0023】
図1〜3に示すように、光制御装置100は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20と、弾性梁部30と、基板50とを有する。
【0024】
第1の櫛歯電極10は、基板50の機能面50a上に形成され、基板50に固定されている。第1の櫛歯電極10は、幹電極11と、複数の枝電極12とからなる。幹電極11は、図示でY軸方向に延在しており、基板50上に固定されている。
枝電極12は、第2の櫛歯電極20と対向する幹電極11の壁面10aに、Y軸方向に沿って複数個形成されている。枝電極12は、幹電極11の壁面10aから第2の櫛歯電極20側(+X軸方向)に延在して形成されている。形成された枝電極12は、基板50の機能面50aから離間している。
第2の櫛歯電極20と反対側の幹電極11の壁面10bには、配線19が接続されている。配線19は、図示でY軸方向に延在して形成されており、図示は省略の電位供給装置から入力された電位を第1の櫛歯電極10に供給する。
【0025】
第2の櫛歯電極20は、基板50の機能面50a上に形成され、第1の櫛歯電極10と対向している。第2の櫛歯電極20は、幹電極21と、複数の枝電極22とからなる。幹電極21は、図示でY軸方向に延在して基板50の上に形成されている。枝電極22は、第1の櫛歯電極10と対向する幹電極21の壁面20aにY軸に沿って複数個形成されている。枝電極22は、幹電極21の壁面20aから第1の櫛歯電極10側(−X軸方向)に延在して形成されている。第2の櫛歯電極20は、基板50から離間している。
【0026】
弾性梁部30は、第1の櫛歯電極10と反対側の、第2の櫛歯電極20の側方に形成されている。弾性梁部30は第2の櫛歯電極20と接続され、第1の櫛歯電極10に対して第2の櫛歯電極20を進退可能に支持する。
弾性梁部30は、連結部31と、懸架弾性ビーム(弾性体)32と、支持部33とを備えている。
連結部31は、第2の櫛歯電極20の幹電極21の壁面20bの中央部と接続されており、基板50上を移動可能に形成されている。
支持部33は、第2の櫛歯電極20と反対側の連結部31の側方に形成されており、基板50に固定されている。
懸架弾性ビーム32は、連結部31と支持部33とを接続して形成されている。懸架弾性ビーム32は、連結部31及び支持部33に対して図示で上側(+Y軸側)の懸架弾性ビーム32aと下側(−Y軸側)の懸架弾性ビーム32bとからなる。それぞれの懸架弾性ビーム32a,32bは、連結部31から幹電極21の幅方向に沿って延伸し、幹電極21の端部付近で折り返して支持部33と接続された構成となっている。
支持部33には、配線29が接続されている。配線29は、図示でY軸方向に延在して形成されており、図示は省略の電位供給装置から入力された電位を第2の櫛歯電極20に供給する。
【0027】
基板50は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20と、弾性梁部30とを機能面50a上で支持している。
基板50はシリコンからなる光非透過性の平板状部材であって、機能面50a上に、SiO2からなる第1の絶縁膜51と、SiNからなる第2の絶縁膜52とが積層されている。
貫通孔55は、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口して形成されている。貫通孔55は、基板50の裏面50b側から照射された光を機能面50a側に透過させる。
【0028】
次に、このような構成を備えた光制御装置100の光制御動作について説明する。
図4は、通電時における光制御装置100の模式平面図である。
【0029】
図4に示すように、貫通孔55からの透過光を遮断する場合には、第1及び第2の櫛歯電極10,20に対して正負が互いに異なる電位を供給する。例えば、第1の櫛歯電極10に正電位を供給し、第2の櫛歯電極20に負電位を供給する。
そうすると、第1の櫛歯電極10と第2の櫛歯電極20との間には互いに引き合う静電引力が働き、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10に向かって前進する。具体的には、第2の櫛歯電極20の枝電極22が、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域内に移動して、互いの櫛歯電極が噛みあった状態となる。
【0030】
これによって、貫通孔55の開口領域が枝電極22によって覆われて、基板50の裏面50bからの透過光が枝電極22によって遮断される。
また、通電中は枝電極12,22の間に静電引力が働くが、第2の櫛歯電極20には、第1の櫛歯電極10から後退する方向(+X軸方向)に懸架弾性ビーム32から弾性力が働くため、第2の櫛歯電極20は、静電引力と弾性力とがつり合った位置で保持される。
【0031】
そして、第1及び第2の櫛歯電極10,20を非通電状態にすると、第1の櫛歯電極10と第2の枝電極との間の静電引力が消滅する。その結果、第2の櫛歯電極20は懸架弾性ビーム32からの弾性力によって、第1の櫛歯電極10から後退し、貫通孔55からの透過光が通過する。
【0032】
次に、本実施形態の光制御装置100の製造方法について簡単に説明する。
図6は、光制御装置100の製造工程を示す図である。
【0033】
まず、シリコンからなる基板50の機能面50aに、SiO2の第1の絶縁膜51と、SiNの第2の絶縁膜52とを順次積層する。
そして、第2の絶縁膜52上にSiO2からなるシリコン酸化膜を成膜した後、シリコン酸化膜をパターニングすることによって犠牲層81を形成する。犠牲層81は、第1の櫛歯電極10の枝電極12、第2の櫛歯電極20、及び弾性梁部30が形成される領域に形成されている(図6(a))。
【0034】
次に、第2の絶縁膜52及び犠牲層81上に電極部材82を成膜する(図6(b))。電極部材82の材質としては、例えば、不純物をドープさせ、電気抵抗を低減させた多結晶シリコンなどを挙げることができる。
【0035】
そして、成膜された電極部材82をパターニングして、第1の櫛歯電極10、第2の櫛歯電極20、弾性梁部30を形成する(図6(c))。
したがって、本実施形態においては、第1及び第2の櫛歯電極10(20)は、幹電極11(21)と枝電極12(22)とが一体で形成されている。また、弾性梁部30においても、連結部31と支持部33と懸架弾性ビーム32とが一体で形成されている。
【0036】
次に、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域を基板50の裏面50bからエッチングを行い、基板50、第1の絶縁膜51、及び第2の絶縁膜52を貫通する貫通孔55を形成する(図6(d))。
そして、フッ酸(HF)によって犠牲層81をエッチングして除去する(図6(e))。
【0037】
このような構成を備えた光制御装置によれば、以下の効果を得ることができる。
まず、本発明の光制御装置100においては、第1の櫛歯電極10が複数の枝電極12を備え、基板50には隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口する複数の貫通孔55が形成されている。そして、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10に対して進退動作することによって、枝電極22が貫通孔55の平面領域の開閉状態を切り替えて透過光の制御を行う。
このような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20の枝電極によって透過光を制御することができるので、第2の櫛歯電極20と光制御用のシャッターとを別体で形成する必要がなくなる。したがって、光制御装置の平面領域を効率的に使用することができ、貫通孔55の開口領域を広げることができるので、光利用効率を向上させた光制御装置とすることができる。
【0038】
また、第1及び第2の櫛歯電極10,20には、複数の枝電極12,22が形成され、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10側に進入することで互いの枝電極12,22が噛み合うようにされている。
このような構成とされていることで、互いの櫛歯電極を噛み合わせた際における櫛歯電極の対向面積が拡張されるので、通電時における、第1及び第2の櫛歯電極10,20の間に働く静電引力を増大させることができる。これにより、互いの電極がより強く引き付けられるので、第2の櫛歯電極20の進退動作を確実に実行し、透過光を確実に制御することができる。
【0039】
また、第2の櫛歯電極20には、連結部31と支持部33との間に弾性体の懸架弾性ビーム32を有する弾性梁部30が接続されており、懸架弾性ビーム32から受ける弾性力によって、第2の櫛歯電極20は第1の櫛歯電極10から後退する。
このような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20には懸架弾性ビーム32による弾性力が働き、第2の櫛歯電極20が前進しても、電極間の静電引力と弾性力とがつり合った位置で安定させることができるので、透過光を確実に遮断するとともに、第1及び第2の櫛歯電極10,20同士が接触することによる電源ショートを防止することができる。また、第1及び第2の櫛歯電極10,20が非通電状態となって電極間の静電引力が消滅しても、弾性力によって第2の櫛歯電極20を確実に後退させることができるので第2の櫛歯電極20による光制御を確実に実行することができる。
【0040】
また、弾性梁部30が導電性の電極部材82をパターニングして形成されており、弾性梁部30を介して第2の櫛歯電極20に電位を供給している。
このような構成とされていることで、配線29と第2の櫛歯電極20とを接続する配線を省略することができるので、光制御装置の平面領域を効率的に使用し小型化した光制御装置とすることができる。
また、連結部31、懸架弾性ビーム32、及び支持部33が一体で形成されているので、製造工数及び製造コストを削減することができる。
【0041】
また、本実施形態における光制御装置100においては、図1に示す第2の櫛歯電極20の枝電極22の幅W2が、第1の櫛歯電極10の枝電極12の幅W1より広く形成されていることが好ましい。
このような構成とされていることで、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域を、枝電極12の平面領域よりも広げることができるので、貫通孔55の開口領域を拡大し、光利用効率をより向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態において、第2の櫛歯電極20の少なくとも一部に中空構造が形成されていることが好ましい。図7は、第2の櫛歯電極20おいて枝電極22を主体とした壁体構造の例を示す模式断面図である。図7では、図1における枝電極22のX軸方向に沿ったS−S’矢視断面図と、Y軸方向に沿ったT−T’矢視断面図とを示している。
【0043】
図7(a)に示す枝電極22は、壁部22a〜22eで形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21の壁面20aによって塞がれた中空構造である。
図7(b)に示す枝電極22は、壁部22a〜22eによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が、開口された幹電極21と接続されている。
図7(c)に示す枝電極22は、壁部22b〜22eによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21と接続されている。すなわち、上側の壁部22aが省略された壁体構造である。
図7(d)に示す枝電極22は、壁部22a,22c〜22eによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21と接続されている。すなわち、下側の壁部22bが省略された壁体構造である。
図7(e)に示す枝電極22は、壁部22b〜22dによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側面が幹電極21と接続されている。すなわち、上側の壁部22aと、第1の櫛歯電極10と対向する壁部22eとが省略された壁体構造である。
図7(f)に示す枝電極22は、壁部22a〜22dによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21と接続されている。すなわち、第1の櫛歯電極10と対向する壁部22eが省略された壁体構造である。
【0044】
第2の櫛歯電極20の枝電極22がこのような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20が軽量化されるので、弾性梁部30の連結部31に与える負荷が低減され、透過光の制御を高速で実施することができる。
【0045】
(変形例)
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。図8は、本実施形態の変形例に係る光制御装置100Aの非通電時における模式平面図である。図9は、図8におけるD−D’模式断面図である。
なお、光制御装置100Aの説明においては、図1〜図3に示した光制御装置100と重複する部材についての詳細な説明は適宜省略することとする。
【0046】
図8,9に示すように、光制御装置100Aは、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20Aと、弾性梁部30と、基板50とを有する。
【0047】
第2の櫛歯電極20Aは、幹電極21と、複数の枝電極22と、遮光板25Aとを有する。遮光板25は、枝電極22の上方で、幹電極21の両端の枝電極22の間の平面領域を覆って形成されている。遮光板25Aは、遮光板25Aと対向する枝電極22の壁面22aに形成された支柱26Aによって支持されている。
【0048】
図10は、通電時における光制御装置100Aの模式平面図である。図11は、図10におけるE−E’模式断面図である。
第1及び第2の櫛歯電極10,20が通電状態とされると、第2の櫛歯電極20Aが第1の櫛歯電極10に向かって前進し、第2の櫛歯電極20の枝電極22が、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に引き込まれ、枝電極12,22が互いに噛み合った状態となる。このとき遮光板25Aは、第1の櫛歯電極10の上方に移動し、第1の櫛歯電極10の幹電極11の両端の枝電極12の間の平面領域を覆う。
【0049】
次に、光制御装置100Aの製造方法について簡単に説明する。
図12〜13は、光制御装置100Aの製造工程を示す図である。図12(a)〜(c)に示した工程は、前述の第1及び第2の絶縁膜51,52、第1及び第2の櫛歯電極10,20、弾性梁部30、及び犠牲層81を形成する工程である。
【0050】
第1及び第2の櫛歯電極10,20、弾性梁部30を形成すると、第1及び第2の櫛歯電極10,20、及び弾性梁部30を覆って犠牲層83を形成する(図12(d))。そして、形成された犠牲層83の上面83aをCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などによって平坦化させる。犠牲層83の材質としては、犠牲層81と同質の材質であってもよいし、ほぼ同一のエッチング速度を有するその他の材質であってもよい。
【0051】
次に、第2の櫛歯電極20の枝電極22上の犠牲層83の一部をエッチングして、遮光板25Aを支持する支柱26Aを形成するためのコンタクトホール84を形成する(図12(e))。
【0052】
そして、犠牲層83及びコンタクトホール84を覆って遮蔽部材85の膜を形成し(図13(a))、遮蔽部材85をパターニングして遮光板25A及び支柱26Aを形成する(図13(b))。遮蔽部材85すなわち遮光板25Aの材質としては、例えばアルミニウムなどを挙げることができるが、これ以外にも、第2の櫛歯電極20の枝電極22との密着性及び遮光性が良好な材質であってもよい。
【0053】
そして、基板50の裏面50bからエッチングして貫通孔55を形成した後、フッ酸(HF)によって犠牲層81,83をエッチングして除去する(図13(c))。
【0054】
光制御装置100Aがこのような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10側に前進すると、遮光板25Aによって貫通孔55の開口領域より広い平面領域を覆うことができるので、透過光の漏れを防止し光制御を確実に実施することができる。
【0055】
[第2の実施形態]
次に本発明に係る第2の実施形態について説明する。図14は、本発明の第2の実施形態に係る光制御装置200の非通電時における模式平面図である。
なお、以下の説明においては、図1〜図3に示した光制御装置100、及び図10,11に示した光制御装置100Aと重複する部材についての詳細な説明は適宜省略することとする。
【0056】
図14,15に示すように、光制御装置200は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20Aと、弾性梁部30と、基板250とを有する。
【0057】
基板250は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20Aと、弾性梁部30とを支持している。
平板状の基板250の機能面250a上には、SiO2からなる第1の絶縁膜51と、SiNからなる第2の絶縁膜52とが積層されている。
貫通孔255は、第1の櫛歯電極10の両端の枝電極12に挟まれた平面領域にわたって開口して形成されている。
【0058】
第1及び第2の櫛歯電極10,20Aが通電状態とされると、第2の櫛歯電極20Aが第1の櫛歯電極10に向かって前進し、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に枝電極22が引き込まれて、枝電極12,22が互いに噛み合った状態となる。また、枝電極22上に形成された遮光板25Aが、第1の櫛歯電極10の幹電極11の両端の枝電極12の間の平面領域を覆う。
【0059】
このような構成を備えた光制御装置によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態における光制御装置200においては、第1の櫛歯電極10の幹電極11の両端の枝電極12の間の平面領域のほぼ全域にわたって貫通孔255が開口されており、第2の櫛歯電極20Aに形成された遮光板25Aが第1の櫛歯電極10に向けて進退することによって透過光を制御する。
このような構成とされていることで、隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口する場合に比して、貫通孔の開口領域を広げることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置とすることができる。また、貫通孔の開口領域を大きくすることができるので、貫通孔の形成が容易となる。
【0060】
また、第1の櫛歯電極10の枝電極12が透明導電材料からなることが好ましい。
このような構成とされていることで、平面視で枝電極12と貫通孔255とが重なる領域からも透過光を通過させることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置とすることができる。
【0061】
[第3の実施形態]
次に本発明に係る第3の実施形態について説明する。図16は、本発明の第2の実施形態にかかる光制御装置300の非通電時における模式平面図である。図17は、図16におけるG−G’模式平面図である。
【0062】
基板350は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20と、弾性梁部30とを支持している。
平板上の基板350の機能面350a上には、SiO2からなる第1の絶縁膜51と、SiNからなる第2の絶縁膜52とが積層されている。
貫通孔355は、第1の櫛歯電極10に対する第2の櫛歯電極20の後退位置において、枝電極22と重なる平面領域に開口して形成されている。
【0063】
本実施形態の光制御装置300においては、第1及び第2の櫛歯電極10,20が非通電状態とされていると、第2の櫛歯電極20が後退位置に位置する。したがって、貫通孔355の開口領域が枝電極22によって覆われ、枝電極22によって、基板350の裏面350b側からの透過光が遮断される。
一方、第1及び第2の櫛歯電極10,20が通電状態とされると、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10に向かって前進することで貫通孔355の開口領域が開放され、透過光が通過する。
【0064】
このような構成を備えた光制御装置300では、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の貫通孔355は、第2の櫛歯電極20の移動領域内の後退位置における枝電極22と平面視で重なる領域に開口して形成され、第1及び第2の櫛歯電極10,20が通電状態とされると、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10側に向けて前進して貫通孔355からの透過光が通過する。また、第1及び第2の櫛歯電極10,20が非通電状態とされると、第2の櫛歯電極20が後退位置まで移動し透過光が遮断される。
このような構成とされた場合においても、第2の櫛歯電極20によって貫通孔355からの透過光が制御されるので、貫通孔355の開口領域を拡大し、光利用効率を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態における光制御装置において、第2の櫛歯電極20の両端の枝電極22の間のほぼ全域に開口する貫通孔が形成され、貫通孔の開口領域よりも大きい平面領域を覆う遮光板が形成されていることが好ましい。
このような構成とされていることで、貫通孔の開口領域を広げるとともに開口領域からの透過光を遮光板によって確実に遮断することができるので、光利用効率をより向上させた光制御装置とすることができる。
【0066】
[第4の実施形態]
次に、本発明に係る第4の実施形態について説明する。
図18は、第4の実施形態に係る光制御装置600の非通電時における模式平面図である。図19は、図18におけるH−H’模式断面図である。
【0067】
図18,19に示すように、光制御装置600は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極520と、第3の櫛歯電極560と、弾性梁部530と、基板50とを有する。
【0068】
第1の櫛歯電極10、第2の櫛歯電極520、第3の櫛歯電極560、及び弾性梁部530は、基板50の機能面50a上に形成されている。
【0069】
第2の櫛歯電極520は、第1の櫛歯電極10の枝電極12側と対向して形成されている。第2の櫛歯電極520は、基板50の機能面50aと離間して形成され、第1の櫛歯電極10に対して進退可能にされている。
第2の櫛歯電極520は、幹電極521と、複数の枝電極522と、複数の枝電極523とを有している。幹電極521は、図示でY軸方向に延在して形成されている。枝電極522は、幹電極521から第1の櫛歯電極10側に延在して形成され、枝電極523は、幹電極521から第1の櫛歯電極10と反対側に延在して形成されている。
【0070】
第3の櫛歯電極560は、第2の櫛歯電極520に対して第1の櫛歯電極10と反対側の側方に形成され、基板50に固定されている。第3の櫛歯電極560は、幹電極561と、複数の枝電極562とを有している。幹電極561は、図示でY軸方向に延在して形成されており、枝電極562は、幹電極561と所定の間隔で接続され、幹電極561から第2の櫛歯電極520側に延在して形成されている。
【0071】
弾性梁部530は、第1及び第3の櫛歯電極10,560に形成された枝電極12,562の両方の外側に形成されている。
弾性梁部530は、図示で第1及び第3の櫛歯電極10,560の上側に形成された弾性梁部531と、図示で第1及び第3の櫛歯電極10,560の下側に形成された弾性梁部536とからなる。弾性梁部531,536は、第2の櫛歯電極520の幹電極521の両端とそれぞれ接続されている。
【0072】
弾性梁部531は、支持部532a,532b、及び懸架弾性ビーム533a,533bを有する。支持部532aは、平面視で第1の櫛歯電極10の外側に形成されている。懸架弾性ビーム533aは、支持部532aと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の図示上側の端部とを接続している。支持部532bは、平面視で第3の櫛歯電極560の外側に形成され、懸架弾性ビーム533bは、支持部532bと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の図示上側の端部とを接続している。懸架弾性ビーム533a,533bは、ジグザグ状に形成された平面ばねである。
【0073】
弾性梁部536は、支持部537a,537b、及び懸架弾性ビーム538a,538bを有する。支持部537aは、図示で第1の櫛歯電極10の外側に形成され、懸架弾性ビーム538aは、支持部537aと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の端部とを接続している。支持部537bは、図示で第3の櫛歯電極560の外側に形成され、懸架弾性ビーム538bは、支持部537bと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の端部とを接続している。懸架弾性ビーム538a,538bは、ジグザグ状に形成された平面ばねである。
【0074】
基板50には複数の貫通孔55が形成されている。貫通孔55は、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口して形成されている。
【0075】
ここで、本実施形態の光制御装置600における光制御動作について説明する。図20は、光遮断時における光制御装置600の模式平面図である。図21は、光通過時における光制御装置600の模式平面図である。
【0076】
第1及び第2の櫛歯電極10,520を通電状態にすると、第1及び第2の櫛歯電極10,520には、正と負とで互いに異なる電位が供給される。例えば、第1の櫛歯電極10に正電位が供給され、第2の櫛歯電極520に負電位が供給される。
そうすると、図20に示すように、第2の櫛歯電極520が第1の櫛歯電極10に向かって前進し、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に第2の櫛歯電極520の枝電極522が引き込まれて、枝電極522が貫通孔55の開口領域を覆い、貫通孔55からの透過光が遮断される。
【0077】
一方、第2及び第3の櫛歯電極520,560を通電状態にすると、第2及び第3の櫛歯電極520,560には、正と負とで互いに異なる電位が供給される。
このとき、第2の櫛歯電極520には、第3の櫛歯電極560との間の静電引力、及び弾性梁部530の懸架弾性ビーム533a,533b,538a,538bから受ける弾性力が働く。これによって、第2の櫛歯電極520が第3の櫛歯電極側に移動し、第2の櫛歯電極520の枝電極523が、第3の櫛歯電極560の隣り合う枝電極562の間の平面領域に引き込まれ、第2の櫛歯電極520と第3の櫛歯電極560とが噛み合う。したがって、貫通孔55の開口領域が開放され透過光が通過する。
【0078】
このような構成を備えた光制御装置600においては、以下の効果を得ることができる。
本発明の光制御装置600においては、第1及び第2の櫛歯電極10,520を通電状態にして、第2の櫛歯電極520を第1の櫛歯電極10側に前進させることによって、貫通孔55の開口領域を枝電極522で覆い透過光を遮断する。また、第2及び第3の櫛歯電極520,560を通電状態にして、第2の櫛歯電極520を第3の櫛歯電極560側に前進させる(第1の櫛歯電極10から後退させる)ことによって、貫通孔55の開口領域を開放し透過光を通過させる。
このような構成とされていることで、第2の櫛歯電極520の移動領域を広げることができるので、貫通孔55の開口領域をより広げ、光利用効率を向上させることができる。
【0079】
また、本発明の光制御装置600においては、第2の櫛歯電極520の幹電極521の両端のそれぞれに弾性梁部531(530),536(530)が接続され、第2の櫛歯電極520の両端に弾性力を与えて往復動させることができるので、第2の櫛歯電極520を安定して移動させ、透過光の制御をより確実に実行することができる。
【0080】
本実施形態においては、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に貫通孔が形成されているが、両端の枝電極10にわたって開口する貫通孔が形成されていてもよく、第2の櫛歯電極520側に広がった貫通孔が形成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0081】
10…第1の櫛歯電極、11,21,521,561…幹電極、12,22,522,523,562…枝電極、20,20A,520…第2の櫛歯電極、25A…遮光板、30,530…弾性梁部、32,32a,32b…懸架弾性ビーム(弾性体)、50…基板、55,255,355…貫通孔、81,83…犠牲層、100,100A,200,300,600…光制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、光制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
静電型アクチュエータを備えた従来の光制御装置は、互いに対向する櫛歯電極及び光制御用のシャッターを備えている。
このような光制御装置においては、櫛歯電極を通電状態と非通電状態とを切り替えることによって、シャッターと接続された櫛歯電極を、他方の電極に対して進退させることによって基板に形成された貫通孔を透過する光の制御が行われる(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−43674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の光制御装置においては、シャッターを駆動させるアクチュエータの平面領域に比して、基板に形成された貫通孔の開口領域が非常に小さいために、光を有効に利用することができなかった。
【0005】
そこで本発明は、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光制御装置は、基板と、前記基板の一面側に形成された第1の櫛歯電極と、前記第1の櫛歯電極に対して噛み合うように進退可能に形成された第2の櫛歯電極と、前記基板に形成され、少なくとも前記第2の櫛歯電極の移動領域に開口する貫通孔と、を有することを特徴とする。
これによれば、第1の櫛歯電極に対して進退する第2の櫛歯電極によって、貫通孔の開口領域からの透過光を制御することができるので、光制御装置の平面領域を効率的に使用することができる。したがって、貫通孔の開口領域を広げ、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0007】
前記第1の櫛歯電極が、前記第2の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記貫通孔が、隣り合う前記枝電極の間の領域に開口していることが好ましい。
これによれば、第1の櫛歯電極と第2の櫛歯電極とが噛み合わされた際における、第1の櫛歯電極と第2の櫛歯電極との間の対向面積を拡張されるので、通電時における第1の櫛歯電極と第2の櫛歯電極との間に働く静電引力を増大させた光制御装置を提供することができる。
【0008】
前記貫通孔が、前記第1の櫛歯電極の複数の前記枝電極と平面視で重なる領域に形成されていることが好ましい。
これによれば、隣り合う第1の櫛歯電極の枝電極の間の領域ごとに貫通孔を形成しなくてもよいので、貫通孔を容易に形成し、貫通孔の平面領域をより広げた光制御装置を提供することができる。
また、第1の櫛歯電極の隣り合う枝電極の間の平面領域に開口する場合に比して、貫通孔の開口領域を広げることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0009】
前記第1の櫛歯電極の少なくとも前記枝電極が、透明導電材料からなることが好ましい。
これによれば、第1の櫛歯電極の枝電極においても光を透過させることができるので、貫通孔が枝電極と平面視で重なる領域に形成された場合において、より光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
これによれば、平面視で第1の櫛歯電極の枝電極と重なる貫通孔の開口領域においても透過光を通過させることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0010】
前記貫通孔が、平面視で前記第1の櫛歯電極から離間した位置に形成されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極によって貫通孔からの透過光を制御することができるので、貫通孔の開口領域を拡大し、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0011】
前記第2の櫛歯電極が、前記第1の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記貫通孔が、前記第2の櫛歯電極の複数の前記枝電極の移動領域内に開口していることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極の枝電極によって貫通孔の開口領域における光制御を実施することができるので、貫通孔の開口領域を広げ、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。
【0012】
前記第2の櫛歯電極上に遮光板が設けられていることが好ましい。
これによれば、遮光板によって第2の櫛歯電極より広い平面領域を覆うことができるので、透過光の漏れを防止し光制御を確実に実施することができる光制御装置を提供することができる。
【0013】
前記貫通孔が、後退位置の前記第2の櫛歯電極と重なる平面領域に開口おり、前記開口した領域よりも大きい平面領域を有する遮光板が前記第2の櫛歯電極上に設けられていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極によって貫通孔からの透過光を制御することができるので、貫通孔の開口領域を拡大し、光利用効率を向上させた光制御装置を提供することができる。また、貫通孔からの透過光を遮断する際には、第2の櫛歯電極が安定した位置に移動しているので、透過光の制御を確実に実施することができる光制御装置を提供することができる。
【0014】
前記第1及び第2の櫛歯電極が、各々他方の前記櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記第2の櫛歯電極の前記枝電極の幅が、前記第1の櫛歯電極の前記枝電極の幅よりも広いことが好ましい。
これによれば、第1の櫛歯電極の枝電極の平面領域よりも、隣り合う第1の櫛歯電極の枝電極の間の平面領域を広げることができるので、貫通孔の開口領域をより広げ、光利用効率を高めた光制御装置を提供することができる。
【0015】
前記第2の櫛歯電極の少なくとも一部に中空構造が形成されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極が軽量化されるので、第2の櫛歯電極が第1の櫛歯電極に対して進退動作を行う際の負荷が低減され、第2の櫛歯電極による光制御を高速で実施可能な光制御装置を提供することができる。
【0016】
前記第2の櫛歯電極の前記枝電極に前記中空構造が形成されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極が軽量化されるので、第2の櫛歯電極が第1の櫛歯電極に対して進退動作を行う際の負荷が低減され、第2の櫛歯電極による光制御を高速で実施可能な光制御装置を提供することができる。
【0017】
平面視で前記第1の櫛歯電極と反対側の前記第2の櫛歯電極の側方に第3の櫛歯電極が形成されており、前記第2の櫛歯電極が、前記第1及び第3の櫛歯電極の間を往復動可能であることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極の移動領域が第3の櫛歯電極側に広がるので、貫通孔の開口領域を広げ、光利用効率をより向上させた光制御装置を提供することができる。
【0018】
前記第2の櫛歯電極が、少なくとも一端を前記基板上に固定された弾性体に支持されていることが好ましい。
これによれば、第2の櫛歯電極が第1の櫛歯電極側に前進した後、弾性体からの弾性力によって第2の櫛歯電極を第1の櫛歯電極から後退させることができるので、透過光を確実に制御できる光制御装置を提供することができる。
【0019】
前記弾性体の少なくとも一部に、前記基板又は前記基板上の部材と、前記第2の櫛歯電極とを電気的に接続する配線が形成されていることが好ましい。
これによれば、弾性体と配線とが一体で構成されるので、小型化した光制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】光制御装置100の非通電時における模式平面図である。
【図2】図1におけるA−A’模式断面図である。
【図3】図1におけるB−B’模式断面図である。
【図4】通電時における光制御装置100の模式平面図である。
【図5】図4におけるC−C’模式断面図である。
【図6】光制御装置100の製造工程図である。
【図7】枝電極22を主体とした壁体構造の例を示す模式断面図である。
【図8】光制御装置100Aの非通電時における模式平面図である。
【図9】図8におけるD−D’模式断面図である。
【図10】通電時における100Aの模式平面図である。
【図11】図10におけるE−E’模式断面図である。
【図12】光制御装置100Aの製造工程図である。
【図13】光制御装置100Aの製造工程図である。
【図14】光制御装置200の非通電時における模式平面図である。
【図15】図14におけるF−F’模式断面図である。
【図16】光制御装置300の非通電時における模式平面図である。
【図17】図16におけるG−G’模式断面図である。
【図18】光制御装置600の非通電時における模式平面図である。
【図19】図18におけるH−H’模式断面図である。
【図20】光遮断時における光制御装置600の模式平面図である。
【図21】光通過時における光制御装置600の模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面を用いて、本発明の光制御装置について説明する。
なお、以下の実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光制御装置100の非通電時における模式平面図である。図2は、図1における光制御装置100のA−A’模式断面図である。図3は、図1における光制御装置100のB−B’模式断面図である。
【0023】
図1〜3に示すように、光制御装置100は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20と、弾性梁部30と、基板50とを有する。
【0024】
第1の櫛歯電極10は、基板50の機能面50a上に形成され、基板50に固定されている。第1の櫛歯電極10は、幹電極11と、複数の枝電極12とからなる。幹電極11は、図示でY軸方向に延在しており、基板50上に固定されている。
枝電極12は、第2の櫛歯電極20と対向する幹電極11の壁面10aに、Y軸方向に沿って複数個形成されている。枝電極12は、幹電極11の壁面10aから第2の櫛歯電極20側(+X軸方向)に延在して形成されている。形成された枝電極12は、基板50の機能面50aから離間している。
第2の櫛歯電極20と反対側の幹電極11の壁面10bには、配線19が接続されている。配線19は、図示でY軸方向に延在して形成されており、図示は省略の電位供給装置から入力された電位を第1の櫛歯電極10に供給する。
【0025】
第2の櫛歯電極20は、基板50の機能面50a上に形成され、第1の櫛歯電極10と対向している。第2の櫛歯電極20は、幹電極21と、複数の枝電極22とからなる。幹電極21は、図示でY軸方向に延在して基板50の上に形成されている。枝電極22は、第1の櫛歯電極10と対向する幹電極21の壁面20aにY軸に沿って複数個形成されている。枝電極22は、幹電極21の壁面20aから第1の櫛歯電極10側(−X軸方向)に延在して形成されている。第2の櫛歯電極20は、基板50から離間している。
【0026】
弾性梁部30は、第1の櫛歯電極10と反対側の、第2の櫛歯電極20の側方に形成されている。弾性梁部30は第2の櫛歯電極20と接続され、第1の櫛歯電極10に対して第2の櫛歯電極20を進退可能に支持する。
弾性梁部30は、連結部31と、懸架弾性ビーム(弾性体)32と、支持部33とを備えている。
連結部31は、第2の櫛歯電極20の幹電極21の壁面20bの中央部と接続されており、基板50上を移動可能に形成されている。
支持部33は、第2の櫛歯電極20と反対側の連結部31の側方に形成されており、基板50に固定されている。
懸架弾性ビーム32は、連結部31と支持部33とを接続して形成されている。懸架弾性ビーム32は、連結部31及び支持部33に対して図示で上側(+Y軸側)の懸架弾性ビーム32aと下側(−Y軸側)の懸架弾性ビーム32bとからなる。それぞれの懸架弾性ビーム32a,32bは、連結部31から幹電極21の幅方向に沿って延伸し、幹電極21の端部付近で折り返して支持部33と接続された構成となっている。
支持部33には、配線29が接続されている。配線29は、図示でY軸方向に延在して形成されており、図示は省略の電位供給装置から入力された電位を第2の櫛歯電極20に供給する。
【0027】
基板50は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20と、弾性梁部30とを機能面50a上で支持している。
基板50はシリコンからなる光非透過性の平板状部材であって、機能面50a上に、SiO2からなる第1の絶縁膜51と、SiNからなる第2の絶縁膜52とが積層されている。
貫通孔55は、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口して形成されている。貫通孔55は、基板50の裏面50b側から照射された光を機能面50a側に透過させる。
【0028】
次に、このような構成を備えた光制御装置100の光制御動作について説明する。
図4は、通電時における光制御装置100の模式平面図である。
【0029】
図4に示すように、貫通孔55からの透過光を遮断する場合には、第1及び第2の櫛歯電極10,20に対して正負が互いに異なる電位を供給する。例えば、第1の櫛歯電極10に正電位を供給し、第2の櫛歯電極20に負電位を供給する。
そうすると、第1の櫛歯電極10と第2の櫛歯電極20との間には互いに引き合う静電引力が働き、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10に向かって前進する。具体的には、第2の櫛歯電極20の枝電極22が、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域内に移動して、互いの櫛歯電極が噛みあった状態となる。
【0030】
これによって、貫通孔55の開口領域が枝電極22によって覆われて、基板50の裏面50bからの透過光が枝電極22によって遮断される。
また、通電中は枝電極12,22の間に静電引力が働くが、第2の櫛歯電極20には、第1の櫛歯電極10から後退する方向(+X軸方向)に懸架弾性ビーム32から弾性力が働くため、第2の櫛歯電極20は、静電引力と弾性力とがつり合った位置で保持される。
【0031】
そして、第1及び第2の櫛歯電極10,20を非通電状態にすると、第1の櫛歯電極10と第2の枝電極との間の静電引力が消滅する。その結果、第2の櫛歯電極20は懸架弾性ビーム32からの弾性力によって、第1の櫛歯電極10から後退し、貫通孔55からの透過光が通過する。
【0032】
次に、本実施形態の光制御装置100の製造方法について簡単に説明する。
図6は、光制御装置100の製造工程を示す図である。
【0033】
まず、シリコンからなる基板50の機能面50aに、SiO2の第1の絶縁膜51と、SiNの第2の絶縁膜52とを順次積層する。
そして、第2の絶縁膜52上にSiO2からなるシリコン酸化膜を成膜した後、シリコン酸化膜をパターニングすることによって犠牲層81を形成する。犠牲層81は、第1の櫛歯電極10の枝電極12、第2の櫛歯電極20、及び弾性梁部30が形成される領域に形成されている(図6(a))。
【0034】
次に、第2の絶縁膜52及び犠牲層81上に電極部材82を成膜する(図6(b))。電極部材82の材質としては、例えば、不純物をドープさせ、電気抵抗を低減させた多結晶シリコンなどを挙げることができる。
【0035】
そして、成膜された電極部材82をパターニングして、第1の櫛歯電極10、第2の櫛歯電極20、弾性梁部30を形成する(図6(c))。
したがって、本実施形態においては、第1及び第2の櫛歯電極10(20)は、幹電極11(21)と枝電極12(22)とが一体で形成されている。また、弾性梁部30においても、連結部31と支持部33と懸架弾性ビーム32とが一体で形成されている。
【0036】
次に、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域を基板50の裏面50bからエッチングを行い、基板50、第1の絶縁膜51、及び第2の絶縁膜52を貫通する貫通孔55を形成する(図6(d))。
そして、フッ酸(HF)によって犠牲層81をエッチングして除去する(図6(e))。
【0037】
このような構成を備えた光制御装置によれば、以下の効果を得ることができる。
まず、本発明の光制御装置100においては、第1の櫛歯電極10が複数の枝電極12を備え、基板50には隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口する複数の貫通孔55が形成されている。そして、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10に対して進退動作することによって、枝電極22が貫通孔55の平面領域の開閉状態を切り替えて透過光の制御を行う。
このような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20の枝電極によって透過光を制御することができるので、第2の櫛歯電極20と光制御用のシャッターとを別体で形成する必要がなくなる。したがって、光制御装置の平面領域を効率的に使用することができ、貫通孔55の開口領域を広げることができるので、光利用効率を向上させた光制御装置とすることができる。
【0038】
また、第1及び第2の櫛歯電極10,20には、複数の枝電極12,22が形成され、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10側に進入することで互いの枝電極12,22が噛み合うようにされている。
このような構成とされていることで、互いの櫛歯電極を噛み合わせた際における櫛歯電極の対向面積が拡張されるので、通電時における、第1及び第2の櫛歯電極10,20の間に働く静電引力を増大させることができる。これにより、互いの電極がより強く引き付けられるので、第2の櫛歯電極20の進退動作を確実に実行し、透過光を確実に制御することができる。
【0039】
また、第2の櫛歯電極20には、連結部31と支持部33との間に弾性体の懸架弾性ビーム32を有する弾性梁部30が接続されており、懸架弾性ビーム32から受ける弾性力によって、第2の櫛歯電極20は第1の櫛歯電極10から後退する。
このような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20には懸架弾性ビーム32による弾性力が働き、第2の櫛歯電極20が前進しても、電極間の静電引力と弾性力とがつり合った位置で安定させることができるので、透過光を確実に遮断するとともに、第1及び第2の櫛歯電極10,20同士が接触することによる電源ショートを防止することができる。また、第1及び第2の櫛歯電極10,20が非通電状態となって電極間の静電引力が消滅しても、弾性力によって第2の櫛歯電極20を確実に後退させることができるので第2の櫛歯電極20による光制御を確実に実行することができる。
【0040】
また、弾性梁部30が導電性の電極部材82をパターニングして形成されており、弾性梁部30を介して第2の櫛歯電極20に電位を供給している。
このような構成とされていることで、配線29と第2の櫛歯電極20とを接続する配線を省略することができるので、光制御装置の平面領域を効率的に使用し小型化した光制御装置とすることができる。
また、連結部31、懸架弾性ビーム32、及び支持部33が一体で形成されているので、製造工数及び製造コストを削減することができる。
【0041】
また、本実施形態における光制御装置100においては、図1に示す第2の櫛歯電極20の枝電極22の幅W2が、第1の櫛歯電極10の枝電極12の幅W1より広く形成されていることが好ましい。
このような構成とされていることで、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域を、枝電極12の平面領域よりも広げることができるので、貫通孔55の開口領域を拡大し、光利用効率をより向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態において、第2の櫛歯電極20の少なくとも一部に中空構造が形成されていることが好ましい。図7は、第2の櫛歯電極20おいて枝電極22を主体とした壁体構造の例を示す模式断面図である。図7では、図1における枝電極22のX軸方向に沿ったS−S’矢視断面図と、Y軸方向に沿ったT−T’矢視断面図とを示している。
【0043】
図7(a)に示す枝電極22は、壁部22a〜22eで形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21の壁面20aによって塞がれた中空構造である。
図7(b)に示す枝電極22は、壁部22a〜22eによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が、開口された幹電極21と接続されている。
図7(c)に示す枝電極22は、壁部22b〜22eによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21と接続されている。すなわち、上側の壁部22aが省略された壁体構造である。
図7(d)に示す枝電極22は、壁部22a,22c〜22eによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21と接続されている。すなわち、下側の壁部22bが省略された壁体構造である。
図7(e)に示す枝電極22は、壁部22b〜22dによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側面が幹電極21と接続されている。すなわち、上側の壁部22aと、第1の櫛歯電極10と対向する壁部22eとが省略された壁体構造である。
図7(f)に示す枝電極22は、壁部22a〜22dによって形成されているとともに、第1の櫛歯電極10と反対側の面が幹電極21と接続されている。すなわち、第1の櫛歯電極10と対向する壁部22eが省略された壁体構造である。
【0044】
第2の櫛歯電極20の枝電極22がこのような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20が軽量化されるので、弾性梁部30の連結部31に与える負荷が低減され、透過光の制御を高速で実施することができる。
【0045】
(変形例)
次に、本実施形態に係る変形例について説明する。図8は、本実施形態の変形例に係る光制御装置100Aの非通電時における模式平面図である。図9は、図8におけるD−D’模式断面図である。
なお、光制御装置100Aの説明においては、図1〜図3に示した光制御装置100と重複する部材についての詳細な説明は適宜省略することとする。
【0046】
図8,9に示すように、光制御装置100Aは、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20Aと、弾性梁部30と、基板50とを有する。
【0047】
第2の櫛歯電極20Aは、幹電極21と、複数の枝電極22と、遮光板25Aとを有する。遮光板25は、枝電極22の上方で、幹電極21の両端の枝電極22の間の平面領域を覆って形成されている。遮光板25Aは、遮光板25Aと対向する枝電極22の壁面22aに形成された支柱26Aによって支持されている。
【0048】
図10は、通電時における光制御装置100Aの模式平面図である。図11は、図10におけるE−E’模式断面図である。
第1及び第2の櫛歯電極10,20が通電状態とされると、第2の櫛歯電極20Aが第1の櫛歯電極10に向かって前進し、第2の櫛歯電極20の枝電極22が、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に引き込まれ、枝電極12,22が互いに噛み合った状態となる。このとき遮光板25Aは、第1の櫛歯電極10の上方に移動し、第1の櫛歯電極10の幹電極11の両端の枝電極12の間の平面領域を覆う。
【0049】
次に、光制御装置100Aの製造方法について簡単に説明する。
図12〜13は、光制御装置100Aの製造工程を示す図である。図12(a)〜(c)に示した工程は、前述の第1及び第2の絶縁膜51,52、第1及び第2の櫛歯電極10,20、弾性梁部30、及び犠牲層81を形成する工程である。
【0050】
第1及び第2の櫛歯電極10,20、弾性梁部30を形成すると、第1及び第2の櫛歯電極10,20、及び弾性梁部30を覆って犠牲層83を形成する(図12(d))。そして、形成された犠牲層83の上面83aをCMP(Chemical Mechanical Polishing)法などによって平坦化させる。犠牲層83の材質としては、犠牲層81と同質の材質であってもよいし、ほぼ同一のエッチング速度を有するその他の材質であってもよい。
【0051】
次に、第2の櫛歯電極20の枝電極22上の犠牲層83の一部をエッチングして、遮光板25Aを支持する支柱26Aを形成するためのコンタクトホール84を形成する(図12(e))。
【0052】
そして、犠牲層83及びコンタクトホール84を覆って遮蔽部材85の膜を形成し(図13(a))、遮蔽部材85をパターニングして遮光板25A及び支柱26Aを形成する(図13(b))。遮蔽部材85すなわち遮光板25Aの材質としては、例えばアルミニウムなどを挙げることができるが、これ以外にも、第2の櫛歯電極20の枝電極22との密着性及び遮光性が良好な材質であってもよい。
【0053】
そして、基板50の裏面50bからエッチングして貫通孔55を形成した後、フッ酸(HF)によって犠牲層81,83をエッチングして除去する(図13(c))。
【0054】
光制御装置100Aがこのような構成とされていることで、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10側に前進すると、遮光板25Aによって貫通孔55の開口領域より広い平面領域を覆うことができるので、透過光の漏れを防止し光制御を確実に実施することができる。
【0055】
[第2の実施形態]
次に本発明に係る第2の実施形態について説明する。図14は、本発明の第2の実施形態に係る光制御装置200の非通電時における模式平面図である。
なお、以下の説明においては、図1〜図3に示した光制御装置100、及び図10,11に示した光制御装置100Aと重複する部材についての詳細な説明は適宜省略することとする。
【0056】
図14,15に示すように、光制御装置200は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20Aと、弾性梁部30と、基板250とを有する。
【0057】
基板250は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20Aと、弾性梁部30とを支持している。
平板状の基板250の機能面250a上には、SiO2からなる第1の絶縁膜51と、SiNからなる第2の絶縁膜52とが積層されている。
貫通孔255は、第1の櫛歯電極10の両端の枝電極12に挟まれた平面領域にわたって開口して形成されている。
【0058】
第1及び第2の櫛歯電極10,20Aが通電状態とされると、第2の櫛歯電極20Aが第1の櫛歯電極10に向かって前進し、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に枝電極22が引き込まれて、枝電極12,22が互いに噛み合った状態となる。また、枝電極22上に形成された遮光板25Aが、第1の櫛歯電極10の幹電極11の両端の枝電極12の間の平面領域を覆う。
【0059】
このような構成を備えた光制御装置によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態における光制御装置200においては、第1の櫛歯電極10の幹電極11の両端の枝電極12の間の平面領域のほぼ全域にわたって貫通孔255が開口されており、第2の櫛歯電極20Aに形成された遮光板25Aが第1の櫛歯電極10に向けて進退することによって透過光を制御する。
このような構成とされていることで、隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口する場合に比して、貫通孔の開口領域を広げることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置とすることができる。また、貫通孔の開口領域を大きくすることができるので、貫通孔の形成が容易となる。
【0060】
また、第1の櫛歯電極10の枝電極12が透明導電材料からなることが好ましい。
このような構成とされていることで、平面視で枝電極12と貫通孔255とが重なる領域からも透過光を通過させることができるので、より光利用効率を向上させた光制御装置とすることができる。
【0061】
[第3の実施形態]
次に本発明に係る第3の実施形態について説明する。図16は、本発明の第2の実施形態にかかる光制御装置300の非通電時における模式平面図である。図17は、図16におけるG−G’模式平面図である。
【0062】
基板350は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極20と、弾性梁部30とを支持している。
平板上の基板350の機能面350a上には、SiO2からなる第1の絶縁膜51と、SiNからなる第2の絶縁膜52とが積層されている。
貫通孔355は、第1の櫛歯電極10に対する第2の櫛歯電極20の後退位置において、枝電極22と重なる平面領域に開口して形成されている。
【0063】
本実施形態の光制御装置300においては、第1及び第2の櫛歯電極10,20が非通電状態とされていると、第2の櫛歯電極20が後退位置に位置する。したがって、貫通孔355の開口領域が枝電極22によって覆われ、枝電極22によって、基板350の裏面350b側からの透過光が遮断される。
一方、第1及び第2の櫛歯電極10,20が通電状態とされると、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10に向かって前進することで貫通孔355の開口領域が開放され、透過光が通過する。
【0064】
このような構成を備えた光制御装置300では、以下の効果を得ることができる。
本実施形態の貫通孔355は、第2の櫛歯電極20の移動領域内の後退位置における枝電極22と平面視で重なる領域に開口して形成され、第1及び第2の櫛歯電極10,20が通電状態とされると、第2の櫛歯電極20が第1の櫛歯電極10側に向けて前進して貫通孔355からの透過光が通過する。また、第1及び第2の櫛歯電極10,20が非通電状態とされると、第2の櫛歯電極20が後退位置まで移動し透過光が遮断される。
このような構成とされた場合においても、第2の櫛歯電極20によって貫通孔355からの透過光が制御されるので、貫通孔355の開口領域を拡大し、光利用効率を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態における光制御装置において、第2の櫛歯電極20の両端の枝電極22の間のほぼ全域に開口する貫通孔が形成され、貫通孔の開口領域よりも大きい平面領域を覆う遮光板が形成されていることが好ましい。
このような構成とされていることで、貫通孔の開口領域を広げるとともに開口領域からの透過光を遮光板によって確実に遮断することができるので、光利用効率をより向上させた光制御装置とすることができる。
【0066】
[第4の実施形態]
次に、本発明に係る第4の実施形態について説明する。
図18は、第4の実施形態に係る光制御装置600の非通電時における模式平面図である。図19は、図18におけるH−H’模式断面図である。
【0067】
図18,19に示すように、光制御装置600は、第1の櫛歯電極10と、第2の櫛歯電極520と、第3の櫛歯電極560と、弾性梁部530と、基板50とを有する。
【0068】
第1の櫛歯電極10、第2の櫛歯電極520、第3の櫛歯電極560、及び弾性梁部530は、基板50の機能面50a上に形成されている。
【0069】
第2の櫛歯電極520は、第1の櫛歯電極10の枝電極12側と対向して形成されている。第2の櫛歯電極520は、基板50の機能面50aと離間して形成され、第1の櫛歯電極10に対して進退可能にされている。
第2の櫛歯電極520は、幹電極521と、複数の枝電極522と、複数の枝電極523とを有している。幹電極521は、図示でY軸方向に延在して形成されている。枝電極522は、幹電極521から第1の櫛歯電極10側に延在して形成され、枝電極523は、幹電極521から第1の櫛歯電極10と反対側に延在して形成されている。
【0070】
第3の櫛歯電極560は、第2の櫛歯電極520に対して第1の櫛歯電極10と反対側の側方に形成され、基板50に固定されている。第3の櫛歯電極560は、幹電極561と、複数の枝電極562とを有している。幹電極561は、図示でY軸方向に延在して形成されており、枝電極562は、幹電極561と所定の間隔で接続され、幹電極561から第2の櫛歯電極520側に延在して形成されている。
【0071】
弾性梁部530は、第1及び第3の櫛歯電極10,560に形成された枝電極12,562の両方の外側に形成されている。
弾性梁部530は、図示で第1及び第3の櫛歯電極10,560の上側に形成された弾性梁部531と、図示で第1及び第3の櫛歯電極10,560の下側に形成された弾性梁部536とからなる。弾性梁部531,536は、第2の櫛歯電極520の幹電極521の両端とそれぞれ接続されている。
【0072】
弾性梁部531は、支持部532a,532b、及び懸架弾性ビーム533a,533bを有する。支持部532aは、平面視で第1の櫛歯電極10の外側に形成されている。懸架弾性ビーム533aは、支持部532aと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の図示上側の端部とを接続している。支持部532bは、平面視で第3の櫛歯電極560の外側に形成され、懸架弾性ビーム533bは、支持部532bと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の図示上側の端部とを接続している。懸架弾性ビーム533a,533bは、ジグザグ状に形成された平面ばねである。
【0073】
弾性梁部536は、支持部537a,537b、及び懸架弾性ビーム538a,538bを有する。支持部537aは、図示で第1の櫛歯電極10の外側に形成され、懸架弾性ビーム538aは、支持部537aと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の端部とを接続している。支持部537bは、図示で第3の櫛歯電極560の外側に形成され、懸架弾性ビーム538bは、支持部537bと、第2の櫛歯電極520の幹電極521の端部とを接続している。懸架弾性ビーム538a,538bは、ジグザグ状に形成された平面ばねである。
【0074】
基板50には複数の貫通孔55が形成されている。貫通孔55は、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に開口して形成されている。
【0075】
ここで、本実施形態の光制御装置600における光制御動作について説明する。図20は、光遮断時における光制御装置600の模式平面図である。図21は、光通過時における光制御装置600の模式平面図である。
【0076】
第1及び第2の櫛歯電極10,520を通電状態にすると、第1及び第2の櫛歯電極10,520には、正と負とで互いに異なる電位が供給される。例えば、第1の櫛歯電極10に正電位が供給され、第2の櫛歯電極520に負電位が供給される。
そうすると、図20に示すように、第2の櫛歯電極520が第1の櫛歯電極10に向かって前進し、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に第2の櫛歯電極520の枝電極522が引き込まれて、枝電極522が貫通孔55の開口領域を覆い、貫通孔55からの透過光が遮断される。
【0077】
一方、第2及び第3の櫛歯電極520,560を通電状態にすると、第2及び第3の櫛歯電極520,560には、正と負とで互いに異なる電位が供給される。
このとき、第2の櫛歯電極520には、第3の櫛歯電極560との間の静電引力、及び弾性梁部530の懸架弾性ビーム533a,533b,538a,538bから受ける弾性力が働く。これによって、第2の櫛歯電極520が第3の櫛歯電極側に移動し、第2の櫛歯電極520の枝電極523が、第3の櫛歯電極560の隣り合う枝電極562の間の平面領域に引き込まれ、第2の櫛歯電極520と第3の櫛歯電極560とが噛み合う。したがって、貫通孔55の開口領域が開放され透過光が通過する。
【0078】
このような構成を備えた光制御装置600においては、以下の効果を得ることができる。
本発明の光制御装置600においては、第1及び第2の櫛歯電極10,520を通電状態にして、第2の櫛歯電極520を第1の櫛歯電極10側に前進させることによって、貫通孔55の開口領域を枝電極522で覆い透過光を遮断する。また、第2及び第3の櫛歯電極520,560を通電状態にして、第2の櫛歯電極520を第3の櫛歯電極560側に前進させる(第1の櫛歯電極10から後退させる)ことによって、貫通孔55の開口領域を開放し透過光を通過させる。
このような構成とされていることで、第2の櫛歯電極520の移動領域を広げることができるので、貫通孔55の開口領域をより広げ、光利用効率を向上させることができる。
【0079】
また、本発明の光制御装置600においては、第2の櫛歯電極520の幹電極521の両端のそれぞれに弾性梁部531(530),536(530)が接続され、第2の櫛歯電極520の両端に弾性力を与えて往復動させることができるので、第2の櫛歯電極520を安定して移動させ、透過光の制御をより確実に実行することができる。
【0080】
本実施形態においては、第1の櫛歯電極10の隣り合う枝電極12の間の平面領域に貫通孔が形成されているが、両端の枝電極10にわたって開口する貫通孔が形成されていてもよく、第2の櫛歯電極520側に広がった貫通孔が形成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0081】
10…第1の櫛歯電極、11,21,521,561…幹電極、12,22,522,523,562…枝電極、20,20A,520…第2の櫛歯電極、25A…遮光板、30,530…弾性梁部、32,32a,32b…懸架弾性ビーム(弾性体)、50…基板、55,255,355…貫通孔、81,83…犠牲層、100,100A,200,300,600…光制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の一面側に形成された第1の櫛歯電極と、
前記第1の櫛歯電極に対して噛み合うように進退可能に形成された第2の櫛歯電極と、
前記基板に形成され、少なくとも前記第2の櫛歯電極の移動領域に開口する貫通孔と、
を有する光制御装置。
【請求項2】
前記第1の櫛歯電極が、前記第2の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記貫通孔が、隣り合う前記枝電極の間の領域に開口していることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
【請求項3】
前記貫通孔が、前記第1の櫛歯電極の複数の前記枝電極と平面視で重なる領域に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光制御装置。
【請求項4】
前記第1の櫛歯電極の少なくとも前記枝電極が、透明導電材料からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の光制御装置。
【請求項5】
前記貫通孔が、平面視で前記第1の櫛歯電極から離間した位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
【請求項6】
前記第2の櫛歯電極が、前記第1の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、
前記貫通孔が、前記第2の櫛歯電極の複数の前記枝電極の移動領域内に開口していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項7】
前記第2の櫛歯電極上に遮光板が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項8】
前記貫通孔が、後退位置の前記第2の櫛歯電極と重なる平面領域に開口しており、前記開口した領域よりも大きい平面領域を有する遮光板が前記第2の櫛歯電極上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の櫛歯電極が、各々他方の前記櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記第2の櫛歯電極の前記枝電極の幅が、前記第1の櫛歯電極の前記枝電極の幅よりも広いことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項10】
前記第2の櫛歯電極の少なくとも一部に中空構造が形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項11】
前記第2の櫛歯電極の前記枝電極に前記中空構造が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の光制御装置。
【請求項12】
平面視で前記第1の櫛歯電極と反対側の前記第2の櫛歯電極の側方に第3の櫛歯電極が形成されており、
前記第2の櫛歯電極が、前記第1及び第3の櫛歯電極の間を往復動可能であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項13】
前記第2の櫛歯電極が、少なくとも一端を前記基板上に固定された弾性体に支持されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項14】
前記弾性体の少なくとも一部に、前記基板又は前記基板上の部材と、前記第2の櫛歯電極とを電気的に接続する配線が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の光制御装置。
【請求項1】
基板と、
前記基板の一面側に形成された第1の櫛歯電極と、
前記第1の櫛歯電極に対して噛み合うように進退可能に形成された第2の櫛歯電極と、
前記基板に形成され、少なくとも前記第2の櫛歯電極の移動領域に開口する貫通孔と、
を有する光制御装置。
【請求項2】
前記第1の櫛歯電極が、前記第2の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記貫通孔が、隣り合う前記枝電極の間の領域に開口していることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
【請求項3】
前記貫通孔が、前記第1の櫛歯電極の複数の前記枝電極と平面視で重なる領域に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光制御装置。
【請求項4】
前記第1の櫛歯電極の少なくとも前記枝電極が、透明導電材料からなることを特徴とする請求項2又は3に記載の光制御装置。
【請求項5】
前記貫通孔が、平面視で前記第1の櫛歯電極から離間した位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
【請求項6】
前記第2の櫛歯電極が、前記第1の櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、
前記貫通孔が、前記第2の櫛歯電極の複数の前記枝電極の移動領域内に開口していることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項7】
前記第2の櫛歯電極上に遮光板が設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項8】
前記貫通孔が、後退位置の前記第2の櫛歯電極と重なる平面領域に開口しており、前記開口した領域よりも大きい平面領域を有する遮光板が前記第2の櫛歯電極上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の櫛歯電極が、各々他方の前記櫛歯電極側に延出された複数の枝電極を有しており、前記第2の櫛歯電極の前記枝電極の幅が、前記第1の櫛歯電極の前記枝電極の幅よりも広いことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項10】
前記第2の櫛歯電極の少なくとも一部に中空構造が形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項11】
前記第2の櫛歯電極の前記枝電極に前記中空構造が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の光制御装置。
【請求項12】
平面視で前記第1の櫛歯電極と反対側の前記第2の櫛歯電極の側方に第3の櫛歯電極が形成されており、
前記第2の櫛歯電極が、前記第1及び第3の櫛歯電極の間を往復動可能であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項13】
前記第2の櫛歯電極が、少なくとも一端を前記基板上に固定された弾性体に支持されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光制御装置。
【請求項14】
前記弾性体の少なくとも一部に、前記基板又は前記基板上の部材と、前記第2の櫛歯電極とを電気的に接続する配線が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の光制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2010−181495(P2010−181495A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23044(P2009−23044)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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