光増幅装置、光増幅装置の制御方法、光受信局及び光伝送システム
【課題】光増幅装置における光サージの発生を抑制する。
【解決手段】第1の光伝送路4−1から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路4−2から第2の入出力部に現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を第1の入出力部から出力する光増幅器46と、光増幅器46に励起光を供給する励起光供給部43と、励起光を制御する制御部49とをそなえる光増幅デバイス31において、増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とに基づいて、励起光を制御する。
【解決手段】第1の光伝送路4−1から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路4−2から第2の入出力部に現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を第1の入出力部から出力する光増幅器46と、光増幅器46に励起光を供給する励起光供給部43と、励起光を制御する制御部49とをそなえる光増幅デバイス31において、増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とに基づいて、励起光を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅装置、光増幅装置の制御方法、光受信局及び光伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及などによる通信需要の増加に伴い、光増幅器の広帯域性を活かした波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)システムが開発されている。
さらに、近年では、WDMシステムと波長ルーチング技術とを組み合わせて用いるROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)システムがメトロリングネットワークに導入されている。
【0003】
また、FTTH(Fiber To The Home)などの普及により、音声データや、より大容量の映像データの通信需要が増加しており、WDMシステムにおける1波長当たりの伝送レートは、10Gbpsから40Gbps、さらには100Gbpsへシフトしつつある。
このような大容量データを配信する光伝送システムでは、障害時の信頼性向上を図るべく、現用回線や予備回線などの複数の伝送路を用いて光信号を伝送し、障害の状況に応じて、回線を切り替えて受信する冗長構成を採用することがある。
【0004】
例えば単一のリング網を有する光伝送システムでは、OUPSR(Optical Unidirectional Path Switching Path Ring)や、OSPPR(Optical Shared Path Protection Ring)などといった光プロテクション方式が採用されている。
ここで、図1に光伝送システムの一例を示す。
図1に例示する光伝送システム100では、光送信局200は、光送信機201で生成した光信号を光カプラ202で分岐し、分岐した光信号を現用回線401と予備回線402とにそれぞれ出力する。
【0005】
一方、光受信局300は、回線の障害状況に応じて、現用回線401への方路または予備回線402への方路に接続先を光スイッチ(光SW)301で切り替えて光信号を受信する。そして、光受信局300は、受信した光信号を光増幅器302で増幅した後、光受信機303で光信号からデータを抽出する。例えば、図1に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、光受信局300は、光SW301を予備回線402の方路に接続先を切り替えて、予備回線402からの光信号を受信する。
【0006】
また、図2に光伝送システムの他の一例を示す。
図2に例示する光伝送システム101は、現用回線401と予備回線402とにそれぞれ光中継器501,502を有する点で図1の光伝送システム100と相違するが、符号200,201,202,300,301,302,303でそれぞれ示す他の各構成は図1の光伝送システム100と同様である。
【0007】
このような光伝送システム101においても、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、光受信局300は、光SW301を予備回線402の方路に接続先を切り替えて、予備回線402からの光信号を受信する。
さらに、図3にWDMシステムの一例を示す。
図3に例示するWDMシステム102では、光送信局200´は、光送信機201´−1〜201´−n(nは2以上の整数)で生成した各光信号を光カプラ202´−1〜202´−nで分岐する。そして、光送信局200´は、分岐した各光信号をWDMカプラ203−1とWDMカプラ203−2とにそれぞれ入力して複数の波長多重光信号を生成し、現用回線401と予備回線402とにそれぞれ出力する。
【0008】
現用回線401を介して伝送される波長多重光信号は、WDM光中継器501´によって増幅されるとともに光受信局300´へ中継される。また、予備回線402を介して伝送される波長多重光信号は、WDM光中継器502´によって増幅されるとともに光受信局300´へ中継される。
一方、光受信局300´は、WDMカプラ304−1,304−2によって、各波長多重光信号に含まれる複数波長の光信号を波長単位で分割する。
【0009】
次に、光受信局300´は、回線の障害状況に応じて、現用回線401への方路または予備回線402への方路に接続先を光SW301´−1〜301´−nで切り替えて、分割した各光信号を受信する。例えば、図3に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、光受信局300´は、光SW301´−1〜301´−nを予備回線402の方路に切り替えて、予備回線402からの光信号を受信する。
【0010】
そして、光受信局300´は、受信した各光信号を光増幅器302´−1〜302´−nで増幅した後、光受信機303´−1〜303´−nで各光信号からデータをそれぞれ抽出する。
また、図4にOADM(Optical Add/Drop Multiplexer)システムの一例を示す。
図4に例示するOADMシステム103では、OADMノード600−1は、光送信機(Tx)601−1〜601−nで生成した各光信号をビームスプリッタ(BS)602−1〜602−nで分岐する。
【0011】
そして、OADMノード600−1は、分岐した各光信号をWDMカプラ603−1,603−2にそれぞれ入力して複数の波長多重光信号を生成する。
WDMカプラ603−1で生成された波長多重光信号は、波長選択スイッチ(WSS)611で所望の波長が選択された後、光増幅器612で増幅されて、現用回線401−1へ挿入(アド)される。一方、WDMカプラ603−2で生成された波長多重光信号は、WSS617で所望の波長が選択された後、光増幅器618で増幅されて、予備回線402−1へ挿入(アド)される。
【0012】
また、各OADMノード600−2,600−3,600−4についても、OADMノード600−1と同様、送信のための構成及び機能を有する。例えば、OADMノード600−2,600−3,600−4は、それぞれ、所望の波長の光信号を、現用回線401−2,401−3,401−4と予備回線402−4,402−3,402−2とへアドすることができる。なお、OADMノード600−3のTx619−1〜619−n,BS620−1〜620−n,WDMカプラ621−1,621−2,WSS629,635及び光増幅器630,636は、OADMノード600−1のTx601−1〜601−n,BS602−1〜602−n,WDMカプラ603−1,603−2,WSS611,617及び光増幅器612,618とそれぞれ同様の機能を有する。
【0013】
一方、OADMノード600−1は、現用回線401−4を介して受信した光信号について、光増幅器607,609及び分散補償器608で光増幅や波長分散補償を施した後、BS610で分岐して、WSS611とWDMカプラ606−1とに出力する。また、OADMノード600−1は、予備回線402−4を介して受信した光信号について、光増幅器613,615及び分散補償器614で光増幅や波長分散補償を施した後、BS616で分岐(ドロップ)して、WSS617とWDMカプラ606−2とに出力する。
【0014】
次に、OADMノード600−1は、WDMカプラ606−1,606−2によって、各波長多重光信号に含まれる光信号を波長単位でそれぞれ分割して光SW605−1〜605−nへ出力する。
そして、OADMノード600−1は、回線の障害状況に応じて、現用回線401−4への方路または予備回線402−4への方路に接続先を光SW605−1〜605−nで切り替えて各光信号を受信し、光受信機(Rx)604−1〜604−nで各光信号からデータをそれぞれ抽出する。例えば、図4に例示するように、現用回線401−4に光ファイバ断などの障害が発生した場合、OADMノード600−1は、光SW605−1〜605−nを予備回線402−4の方路に切り替えて、予備回線402−4からの光信号を受信する。
【0015】
また、各OADMノード600−2,600−3,600−4についても、OADMノード600−1と同様、受信のための構成及び機能を有する。例えば、OADMノード600−2,600−3,600−4は、それぞれ、現用回線401−1,401−2,401−3と予備回線402−3,402−2,402−1とを介して受信した光信号をドロップすることができる。なお、OADMノード600−3のRx622−1〜622−n,光SW623−1〜623−n,WDMカプラ624−1,624−2,BS628,634,光増幅器625,627,631,633及び分散補償器626,632は、OADMノード600−1のRx604−1〜604−n,光SW605−1〜605−n,WDMカプラ606−1,606−2,BS610,616,光増幅器607,609,613,618及び分散補償器608,614とそれぞれ同様の機能を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
光伝送システムの光受信局では、光カプラや、アレイ導波路(AWG:Arrayed Waveguide Grating)を用いたWDMカプラなど、光損失が比較的大きな光部品が受信ポート側に用いられる。また、光伝送システムの高伝送レート化に伴って、光受信機には、より高い光入力レベルが要求される。このため、光受信局には受信した信号光を増幅する光増幅器が備えられることがある。
【0017】
図5にWDMシステムに用いられる光受信局の構成の一例を示す。
この図5に例示するように、光受信局300´´は、WDMカプラ304−1,304−2により、現用回線401及び予備回線402を介して伝送される各波長多重光信号に含まれる光信号を波長単位で分割する。各波長多重光信号には、複数の波長の光信号が含まれており、各光信号には、光送信局において、データが重畳されている。WDMカプラ304−1,304−2によって分割された光信号のうち、例えば波長λ1の光信号が、BS305,306に入力される。なお、他の波長の光信号については、説明を簡単にするため、図示を省略する。
【0018】
BS305は、WDMカプラ304−1から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号を光検出器(PD:Photo Detector)307と光SW301´´とに出力する。一方、BS306は、WDMカプラ304−2から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号をPD308と光SW301´´とに出力する。
各PD307,308では、入力された光信号のレベルが所定の閾値以上であるかどうかを判定し、当該判定結果を光SW301´´へ通知する。光SW301´´は、各PD307,308での判定結果に基づいて、現用回線401及び予備回線402の障害状況を検知し、検知した障害状況に応じて、信号光の受信元を切り替えて光増幅器302´´に接続する。
【0019】
例えば、図5に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、PD307では、入力された光信号のレベルが所定の閾値よりも小さいと判定し、光SW301´´は、当該判定結果から現用回線401での障害発生を検知する。そして、光SW301´´は、光増幅器302´´と接続する方路を、現用回線401の方路から予備回線402の方路へ切り替えることにより、予備回線402からの光信号を受信する。なお、障害の発生から光SW301´´の切り替え完了までに要する時間は、例えば、約50msec程度であることが多い。
【0020】
光増幅器302´´は、光SW301´´からの信号光を増幅して光受信機303´´に入力し、光受信機303´´は、光増幅器302´´で増幅された光信号からデータを抽出する。
ここで、光増幅器302´´は、増幅後の光信号の出力レベルが一定となるように、レベル一定制御(ALC:Automatic Level Control)を受けることがある。なお、ALCの制御周期は、例えば、約1kHz(約1msec)程度であることが多い。
【0021】
このような場合、現用回線401に断線障害が発生すると、光SW301´´によって予備回線402の方路へ接続が切り替えられるが、断線障害の発生から方路切り替えの完了までの間、光増幅器302´´には光信号が入力されない状態(無入力状態)となる。
光増幅器302´´がレベル一定制御下で無入力状態となると、ゼロ近傍の入力レベルを所定の出力レベルまで増幅するように増幅利得が制御されるため、増幅利得が跳ね上がる。その結果、光SW301´´による方路切り替えの完了によって予備回線402からの光信号が復帰した場合に、光増幅器302´´において光サージが発生する。
【0022】
光増幅器302´´において発生した光サージは、光受信機303´´にダメージを与える可能性がある。さらに、この光サージの発生によって、光受信局300´´は光信号を正常に再生することができない可能性がある。
そこで、本発明は、光増幅装置における光サージの発生を抑制することを目的の1つとする。
【0023】
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
(1)第1の案として、第1の光伝送路を介して伝送される現用の光信号が入力される第1の入力ポートと、第2の光伝送路を介して伝送される予備の光信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1の入力ポートから第1の入出力部に入力される前記現用の光信号と前記第2の入力ポートから第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される前記予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートと、前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートと、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器の増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御する制御部とをそなえる、光増幅装置を用いることができる。
【0025】
(2)また、第2の案として、第1の光伝送路から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器での増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記励起光を制御する制御部とをそなえる光増幅装置の制御方法において、前記制御部が、前記増幅後の現用の光信号のレベルと前記増幅後の予備の光信号のレベルとに基づいて、前記励起光を制御し、前記励起光供給部が、前記制御部で制御された励起光を前記光増幅器に供給する、光増幅装置の制御方法を用いることができる。
【0026】
(3)さらに、第3の案として、上記の光増幅装置と、該光増幅装置の前記第1の出力ポート及び前記第2の出力ポートからそれぞれ出力される前記増幅後の現用の光信号及び前記増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する選択部と、該選択部で選択した光信号を受信処理する受信処理部とをそなえる、光受信局を用いることができる。
(4)また、第4の案として、第1の光伝送路を介して現用の光信号を送信するとともに、第2の光伝送路を介して予備の光信号を送信する光送信局と、上記の光受信局とをそなえる、光伝送システムを用いることができる。
【発明の効果】
【0027】
光増幅装置における光サージの発生を抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】光伝送システムの一例を示す図である。
【図2】光伝送システムの他の一例を示す図である。
【図3】WDMシステムの一例を示す図である。
【図4】OADMシステムの一例を示す図である。
【図5】光受信局の構成の一例を示す図である。
【図6】光受信局の構成の一例を示す図である。
【図7】一実施形態に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図8】一実施形態に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図9】図8に示す光増幅デバイスの動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図11】図10に示す光増幅デバイスの動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図13】第3変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図14】第4変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図15】図14に示す光増幅デバイスの動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】光増幅デバイスの構成の他の一例を示す図である。
【図17】一実施形態に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図18】第1変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図19】第2変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図20】第2変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図21】第3変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図22】第4変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも例示に過ぎず、以下に示す各実施形態及び変形例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、各実施形態及び変形例を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔1〕本発明の創作過程で得られた光受信局の構成例
図6に光受信局の構成の一例を示す。
【0030】
図6に示す光受信局300´´´は、WDMカプラ304−1,304−2により、現用回線401及び予備回線402を介して伝送される各波長多重光信号に含まれる光信号を波長単位で分割する。各波長多重光信号には、複数の波長の光信号が含まれており、各光信号には、光送信局において、データが重畳されている。WDMカプラ304−1,304−2によって分割された光信号のうち、例えば波長λ1の光信号が、BS309,310に入力される。なお、他の波長の光信号については、説明を簡単にするため、図示を省略する。
【0031】
BS309は、WDMカプラ304−1から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号をPD311と光増幅器313とに出力する。また、BS310は、WDMカプラ304−2から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号をPD312と光増幅器314とに出力する。
光増幅器313,314は、BS309,310で分岐された光信号を増幅する。なお、光増幅器313,314は、増幅後の光信号の出力レベルが一定となるように、ALCを受けていてもよい。
【0032】
PD311は、入力された光信号のレベルが第1の閾値以上であるかどうかを判定し、当該判定結果を光SW301´´´へ通知する。また、PD312は、入力された光信号のレベルが第2の閾値以上であるかどうかを判定し、当該判定結果を光SW301´´´へ通知する。なお、第1の閾値と第2の閾値とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0033】
光SW301´´´は、各PD309,310での判定結果に基づいて、現用回線401及び予備回線402の障害状況を検知し、検知した障害状況に応じて、信号光の受信元を切り替えて光受信機303´´´に接続する。
例えば、図6に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、PD311は、入力された光信号のレベルが第1の閾値よりも小さいと判定し、光SW301´´´は、当該判定結果から現用回線401での障害発生を検知する。そして、光SW301´´´は、光受信機303´´´と接続する方路を、現用回線401の方路から予備回線402の方路へ切り替えることにより、予備回線402からの光信号を受信する。
【0034】
光SW301´´´で選択的に出力された光信号は光受信器303´´´に入力され、光受信器303´´´は、入力された光信号からデータを抽出する。
このように、図6に例示する光受信局300´´´は、光SW301´´´の前段に、現用回線401を介して受信する光信号を増幅する光増幅器313と、予備回線402を介して受信する光信号を増幅する光増幅器314とを備える。
【0035】
従って、回線に断線障害が発生した場合であって、且つ、光増幅器313,314がレベル一定制御下であっても、光サージの影響を抑制することが可能となる。
しかしながら、図6に示すような構成の光受信局300´´´では、光増幅器の数が多くなるので、装置サイズや製造コストが増大する。
〔2〕一実施形態
(1.1)光伝送システムの構成例
図7は一実施形態に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【0036】
この図7に示す光伝送システム1は、例示的に、光送信局2と、光受信局3とをそなえる。
光送信局2は、第1の光伝送路(以下、現用回線ともいう)4−1を介して第1の光信号(以下、現用の光信号ともいう)を送信するとともに、第2の光伝送路(以下、予備回線ともいう)4−2を介して第2の光信号(以下、予備の光信号ともいう)を送信する。このため、光送信局2は、光送信機21と、光カプラ22とをそなえる。なお、送信局2において現用の光信号に重畳されるデータと予備の光信号に重畳されるデータとは同一のデータであり、光伝送システム1は、現用回線4−1と予備回線4−2とにより冗長化されている。また、現用回線4−1及び予備回線4−2の数は、図7に例示する数に限定されず、それぞれ、複数の光伝送路で構成されていてもよい。
【0037】
光送信機21は、搬送波である光の振幅や位相を送信データで変調することにより光信号を生成する。光送信機21が生成した光信号は、光カプラ22に出力される。
光カプラ22は、光送信機21からの光信号を現用の光信号と予備の光信号とに分岐し、現用の光信号を現用回線4−1に出力するとともに、予備の光信号を現用回線4−1の障害時に使用可能な予備回線4−2に出力する。
【0038】
光送信局2から送信された現用の光信号及び予備の光信号は、現用回線4−1及び予備回線4−2を介してそれぞれ伝搬し、光受信局3へ到達する。
一方、光受信局3は、光送信局2から送信された現用の光信号と予備の光信号とを受信することができる。このため、光受信局3は、光増幅装置としての光増幅デバイス31と、光スイッチ(光SW)32と、光受信機33とをそなえる。
【0039】
光増幅デバイス31は、現用回線4−1から光増幅デバイス31の一の入力ポート(第1の入力ポート)に入力される現用の光信号と、予備回線4−2から光増幅デバイス31の他の入力ポート(第2の入力ポート)に入力される予備の光信号とを増幅する。また、各光信号の光増幅に際して、光増幅デバイス31は、増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号に基づいて、レベル一定制御を行なう。なお、光増幅デバイス31の具体的な構成例については後述する。
【0040】
光増幅デバイス31で増幅された現用の光信号及び予備の信号光は、光増幅デバイス31の一の出力ポート(第1の出力ポート)及び他の出力ポート(第2の出力ポート)をそれぞれ介して光SW32に入力される。
光SW(選択部)32は、光増幅デバイス31の第1の出力ポート及び第2の出力ポートからそれぞれ出力される増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する。光SW32は、現用回線4−1及び予備回線4−2の各障害発生状況に応じて、光増幅デバイス31の各出力ポートとの接続を切り替えることにより、光信号を光受信機33へ選択的に出力する。
【0041】
例えば、光SW32は、現用回線4−1で障害が発生している場合、予備回線4−2からの予備の光信号を光受信機33へ出力するように、光増幅デバイス31の各出力ポートとの接続を切り替える。また、光SW32は、現用回線4−1での障害が復旧した場合、現用回線4−1からの現用の光信号を光受信機33へ出力するように、光増幅デバイス31の各出力ポートとの接続を切り替えることができる。
【0042】
なお、現用回線4−1や予備回線4−2で障害が発生しているかどうかは、後述する光増幅デバイス31に設けられたPD35,37(図8参照)での検出結果に基づいて検知することができる。この場合、光SW32は、例えば、PD35での検出結果が第1の閾値よりも小さく、且つ、PD37での検出結果が第2の閾値以上であれば、光増幅デバイス31で増幅した予備の光信号を選択する一方、PD35での検出結果が前記第1の閾値以上であれば、光増幅デバイス31で増幅した現用の光信号を選択する。
【0043】
また、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、光SW32が現用の光信号及び予備の光信号のレベルと前述の各閾値とをそれぞれ比較判定することにより検知してもよい。
さらに、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、後述する光増幅デバイス31で増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号の各レベルなどに基づいて、光増幅デバイス31または光SW32が検知してもよい。
【0044】
光受信機(受信処理部)33は、光SW32によって選択された現用の光信号または予備の光信号について所定の復調、復号処理を施して、光信号に重畳されているデータを再生する。
以上のような構成により、光増幅器の設置数を抑制しつつ、光増幅デバイス31における光サージの発生を防止することができる。
【0045】
次に、光増幅デバイス31の構成の一例について説明する。
(1.2)光増幅デバイス31の構成例
図8は光増幅デバイス31の構成の一例を示す図である。
この図8に示す光増幅デバイス31は、例示的に、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ45と、光増幅器46とをそなえる。また、光増幅デバイス31は、例示的に、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49と、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。
【0046】
入力ポート(第1の入力ポート)61−1は、現用回線4−1を介して伝送される現用の光信号を受信し、受信した現用の光信号をBS34へ出力する。また、入力ポート(第2の入力ポート)61−2は、予備回線4−2を介して伝送される予備の光信号を受信し、受信した予備の光信号をBS36へ出力する。
BS34は、入力ポート61−1から入力される現用の光信号を分岐して、分岐した現用の光信号をPD35と光アイソレータ38とにそれぞれ出力する。また、BS36は、入力ポート61−2から入力される予備の光信号を分岐して、分岐した予備の光信号をPD37と光アイソレータ39とにそれぞれ出力する。
【0047】
PD35は、BS34で分岐された現用の光信号のレベルを検出する。また、PD37は、BS36で分岐された予備の光信号のレベルを検出する。PD35,37は、例えば、受光した各光信号の光パワーに応じた電気信号を生成し、生成した電気信号の振幅値などを検出することにより、各光信号のレベルを検出することができる。
即ち、BS34及びPD35は、第1の光伝送路4−1から入力される現用の光信号を分岐し、分岐した現用の光信号のレベルを検出する第3の検出部の一例として機能する。また、BS36及びPD37は、第2の光伝送路4−2から入力される予備の光信号を分岐し、分岐した予備の光信号のレベルを検出する第4の検出部の一例として機能する。
【0048】
光アイソレータ38は、BS34で分岐された現用の光信号をBS40の方路へ通過させる一方、BS40からの反射光などを遮断する。また、光アイソレータ39は、BS36で分岐された予備の光信号をBS41の方路へ通過させる一方、BS41からの反射光などを遮断する。
BS40は、光アイソレータ38を通過した現用の光信号を光増幅器46の第1の入出力部へ入力するとともに、前記第1の入出力部から出力される、光増幅器46で増幅後の予備の光信号を光アイソレータ42の方路へ出力する。なお、BS40は、例えば、透過率が10%〜99%、反射率が90%〜1%の間でそれぞれ可変であってもよい。
【0049】
また、BS41は、光アイソレータ39を通過した予備の光信号を光増幅器46の第2の入出力部へ前記現用の光信号と異なる方向から入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される、光増幅器46で増幅後の現用の光信号を光アイソレータ44の方路へ出力する。なお、BS41は、例えば、透過率が10%〜99%、反射率が90%〜1%でいずれも可変であってもよい。
【0050】
励起光源43は、後述する制御回路49によって制御される励起光を、WDMカプラ45を介して光増幅器46へ供給する。励起光源43から供給される励起光は、光増幅器46での増幅のために用いられる。
なお、図8に示す例では、励起光源43から供給される励起光は、光増幅器46の第1の入出力部から入射されているが、この励起光供給方法はあくまで一例に過ぎない。例えば、WDMカプラ45を光増幅器46の第1の入出力部側でなく第2の入出力部側に設け、励起光を当該第2の入出力部側から入射してもよいし、複数のWDMカプラ45を第1の入出力部側及び第2の入出力部側に設け、励起光を双方から入射してもよい。
【0051】
即ち、励起光源43は、光増幅器46の第1の入出力部及び第2の入出力部の少なくとも一方から光増幅器46に、光増幅器46の増幅のための励起光を供給する励起光供給部の一例として機能する。
WDMカプラ45は、BS40から入力される現用の光信号と、励起光源43から供給される励起光とを合波して、光増幅器46の第1の入出力部へ入力する。また、WDMカプラ45は、光増幅器46から入力される、増幅後の予備の光信号を波長選択して、BS40へ出力する。
【0052】
光増幅器46は、WDMカプラ45から第1の入出力部に入力される現用の光信号と、BS41から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅する。このため、光増幅器46は、互いに異なる方向から入力される各光信号をそれぞれ光増幅し得る構成を有する。
具体的には、例えば、光増幅器46は、希土類添加光ファイバによって構成され、励起光源43から供給される励起光を用いて各光信号を光増幅することができる。また、光増幅器46は、ラマン増幅器によって構成されてもよく、この場合、各光信号は、励起光源43から供給される励起光によってラマン増幅される。さらに、光増幅器46に代えて、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)を用いることにより、各光信号を光増幅してもよい。
【0053】
そして、光増幅器46は、増幅後の現用の光信号を第2の入出力部からBS41へ出力するとともに、増幅後の予備の光信号を第1の入出力部からBS40へ出力する。
即ち、光増幅器46は、第1の入力ポート61−1から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の入力ポート61−2から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を第1の入出力部から出力する光増幅器の一例として機能する。
【0054】
光アイソレータ42は、BS40から出力される増幅後の予備の光信号をBS47の方路へ通過させる一方、BS47からの反射光などを遮断する。また、光アイソレータ44は、BS41から出力される増幅後の現用の光信号をBS51の方路へ通過させる一方、BS51からの反射光などを遮断する。
BS47は、光アイソレータ42から入力される増幅後の予備の光信号を分岐して、分岐した増幅後の予備の光信号をPD48と出力ポート62−2とにそれぞれ出力する。また、BS51は、光アイソレータ44から入力される増幅後の現用の光信号を分岐して、分岐した増幅後の現用の光信号をPD50と出力ポート62−1とにそれぞれ出力する。
【0055】
出力ポート62−1は、BS51から出力される増幅後の現用の光信号を受信し、受信した増幅後の現用の光信号を光SW32へ出力する。また、出力ポート62−2は、BS47から出力される増幅後の予備の光信号を受信し、受信した増幅後の予備の光信号を光SW32へ出力する。
即ち、出力ポート62−1は、光増幅器46の第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートの一例として機能する。また、出力ポート62−2は、光増幅器46の第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートの一例として機能する。
【0056】
PD48は、BS47で分岐された増幅後の予備の光信号のレベルを検出する。また、PD50は、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号のレベルを検出する。PD48,50は、例えば、受光した各光信号の光パワーに応じた電気信号を生成し、生成した電気信号の振幅値などを検出することにより、各光信号のレベルを検出することができる。
即ち、BS51及びPD50は、光増幅器46の第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を分岐し、分岐した増幅後の現用の光信号のレベルを検出する第1の検出部の一例として機能する。また、BS47及びPD48は、光増幅器46の第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を分岐し、分岐した増幅後の予備の光信号のレベルを検出する第2の検出部の一例として機能する。
【0057】
ここで、制御回路(制御部)49は、増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とに基づいて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光を制御する。制御回路49は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)により実現されてもよい。あるいは、制御回路49は、例えば、汎用のプロセッサで実現されてもよいし、DSPと同等の機能を提供するFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路で実現されてもよい。
【0058】
具体的には例えば、制御回路49は、少なくともPD48での検出結果とPD50での検出結果とに基づいて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光の光パワーを制御する。また、制御回路49は、PD35での検出結果とPD37での検出結果を用いて励起光の光パワーを制御してもよい。
制御回路49は、例えば、PD35での検出結果が第1の閾値以上であれば、現用回線4−1では障害が発生していないと判断する。一方、制御回路49は、PD35での検出結果が第1の閾値よりも小さければ、現用回線4−1ではファイバ断線などの障害が発生していると判断する。同様に、制御回路49は、PD37での検出結果が第2の閾値以上であれば、予備回線4−2では障害が発生していないと判断し、PD37での検出結果が第2の閾値よりも小さければ、予備回線4−2で障害が発生していると判断する。なお、第1の閾値と第2の閾値とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0059】
現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、PD50での検出結果及びPD48での検出結果に基づいて、判断されてもよい。この場合、光増幅デバイス31からは、図17に例示するように、BS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
そして、制御回路49は、光増幅器46に対してレベル一定制御(ALC)を行なう際、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況に応じて、励起光源43から供給される励起光の光パワー制御に用いるパラメータを変える。
【0060】
ここで、図9に制御回路49の動作の一例を示す。
この図9に例示するように、制御回路49は、まず、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとを取得する(ステップS10)。
そして、制御回路49は、PD35及びPD37での各検出結果に基づいて、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況を判断する(ステップS11)。
【0061】
現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれにおいても障害が発生しておらず正常であると判断した場合(ステップS11の「正常(障害なし)」ルート)、制御回路49は、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルと、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルとを取得する(ステップS12)。
そして、制御回路49は、PD48での検出結果とPD50での検出結果との平均値を算出し、算出した平均値が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS13)。その後、制御回路49は、処理をステップS10へ移行する(ステップS18)。
【0062】
即ち、この場合、制御回路49は、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図9に示す例では、制御回路49が、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値に基づいて、ALCを行なっているが、例えば、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとのいずれかに重み付けを付した加重平均に基づいてALCを行なってもよい。この場合、光SW32での切り替え動作に起因して光増幅器46で発生し得る光サージに鑑みれば、増幅後の現用の光信号のレベルに付する重み付け係数よりも、増幅後の予備の光信号のレベルに付する重み付け係数を大きくするのが望ましい。
【0063】
一方、現用回線4−1において障害が発生していると判断した場合(ステップS11の「現用回線4−1で障害あり」ルート)、制御回路49は、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルを取得する(ステップS14)。
そして、制御回路49は、PD48での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS15)。その後、制御回路49は、処理をステップS10へ移行する(ステップS18)。
【0064】
即ち、この場合、制御回路49は、増幅後の予備の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
また、予備回線4−2において障害が発生していると判断した場合(ステップS11の「予備回線4−2で障害あり」ルート)、制御回路49は、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルを取得する(ステップS16)。
【0065】
そして、制御回路49は、PD50での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS17)。その後、制御回路49は、処理をステップS10へ移行する(ステップS18)。
即ち、この場合、制御回路49は、増幅後の現用の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図9では記載を省略したが、現用回線4−1及び予備回線4−2の双方で障害が発生した場合、制御回路49は、励起光の光パワーを予め定めたレベルに制御し、現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれかの復帰を待つようにしてもよい。
【0066】
以上のように、本例では、現用回線4−1及び予備回線4−2の正常時に、光増幅器46が、増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号に基づいて、レベル一定制御される。これにより、障害発生によって、回線の切り替え動作が行なわれた場合であっても、増幅利得が瞬間的に増大することを抑制することができる。例えば、光増幅器46が希土類添加光ファイバで構成される場合、希土類イオンの反転分布が大きくなるのを防ぐことができるのである。その結果、光増幅デバイス31における光サージの発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0067】
また、〔1〕において図6に例示した構成に比して、光増幅デバイス31のサイズ及び製造コストの増大を抑制することも可能となる。
〔3〕第1変形例
上記一実施形態では、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとを個別に検出したが、例えば、本例のように、増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とを合波した合波信号のレベルを検出し、当該検出結果に基づいた制御を行なうようにしてもよい。
【0068】
このため、本例の光増幅デバイス31Aは、図10に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ45と、光増幅器46とをそなえる。また、光増幅デバイス31Aは、例示的に、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、BS52と、PD53と、制御回路49Aと、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図10中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0069】
ここで、BS52は、BS47で分岐された増幅後の予備の光信号と、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号とを合波して、合波後の光信号(合波信号)をPD53へ出力する。
また、PD53は、BS52からの合波信号のレベルを検出する。なお、PD53も、他のPD35,37と同様に、例えば、受光した合波信号の光パワーに応じた電気信号を生成し、生成した電気信号の振幅値などを検出することにより、合波信号のレベルを検出することができる。
【0070】
即ち、BS47,51,52及びPD53は、光増幅器46の第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を分岐するとともに、光増幅器46の第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を分岐し、それぞれ分岐した増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とを合波して、合波後の光信号のレベルを検出する合波信号検出部の一例として機能する。
【0071】
ここで、制御回路(制御部)49Aは、PD53での検出結果に基づいて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光を制御する。また、制御回路49Aは、PD35での検出結果とPD37での検出結果を用いて励起光を制御してもよい。
具体的には例えば、制御回路49Aは、PD35での検出結果が第1の閾値以上であれば、現用回線4−1では障害が発生していないと判断する。一方、制御回路49Aは、PD35での検出結果が第1の閾値よりも小さければ、現用回線4−1ではファイバ断線などの障害が発生していると判断する。同様に、制御回路49Aは、PD37での検出結果が第2の閾値以上であれば、予備回線4−2では障害が発生していないと判断し、PD37での検出結果が第2の閾値よりも小さければ、予備回線4−2で障害が発生していると判断する。
【0072】
なお、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号のレベル及びBS47で分岐された増幅後の予備の光信号のレベルに基づいて、判断されてもよい。この場合、図18に例示するように、光増幅デバイス31Aには、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号のレベル及びBS47で分岐された増幅後の予備の光信号のレベルをそれぞれ検出するための構成としてPD50,PD48が追加されるが、光増幅デバイス31AからBS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
【0073】
そして、制御回路49Aは、光増幅器46に対してレベル一定制御(ALC)を行なう際に、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況に応じて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光の制御方法を変える。
ここで、図11に制御回路49Aの動作の一例を示す。
この図11に例示するように、制御回路49Aは、まず、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとを取得する(ステップS20)。
【0074】
そして、制御回路49Aは、PD35及びPD37での各検出結果に基づいて、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況を判断する(ステップS21)。
現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれにおいても障害が発生しておらず正常であると判断した場合(ステップS21の「正常(障害なし)」ルート)、制御回路49Aは、PD53によって検出される合波信号のレベルを取得する(ステップS22)。
【0075】
そして、制御回路49Aは、PD53での検出結果の1/2の値を算出し、算出した値が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS23)。その後、制御回路49Aは、処理をステップS20へ移行する(ステップS28)。
即ち、この場合、制御回路49Aは、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
【0076】
一方、現用回線4−1において障害が発生していると判断した場合(ステップS21の「現用回線4−1で障害あり」ルート)、制御回路49Aは、PD53によって検出される合波信号のレベルを取得する(ステップS24)。この場合、現用回線4−1において障害が発生しているので、合波信号には、主に、増幅後の予備の光信号が含まれることになる。
【0077】
そして、制御回路49Aは、PD53での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS25)。その後、制御回路49Aは、処理をステップS20へ移行する(ステップS28)。
即ち、この場合、制御回路49Aは、増幅後の予備の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
【0078】
また、予備回線4−2において障害が発生していると判断した場合(ステップS21の「予備回線4−2で障害あり」ルート)、制御回路49Aは、PD53によって検出される合波信号のレベルを取得する(ステップS26)。この場合、予備回線4−2において障害が発生しているので、合波信号には、主に、増幅後の現用の光信号が含まれることになる。
【0079】
そして、制御回路49Aは、PD53での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS27)。その後、制御回路49は、処理をステップS20へ移行する(ステップS28)。
即ち、この場合、制御回路49Aは、増幅後の現用の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図11では記載を省略したが、現用回線4−1及び予備回線4−2の双方で障害が発生した場合、制御回路49Aは、励起光の光パワーを予め定めたレベルに制御し、現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれかの復帰を待つようにしてもよい。
【0080】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、光増幅デバイス31Aのサイズ及び製造コストを更に縮小化することが可能となる。
〔4〕第2変形例
また、上述した光増幅デバイス31,31Aにおいて、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えてもよい。
【0081】
このため、本例の光増幅デバイス31Bは、図12に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、光サーキュレータ54,55と、WDMカプラ45とをそなえる。また、光増幅デバイス31Bは、例示的に、光増幅器46と、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49と、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図12中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図12は、図8記載の光増幅デバイス31において、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えた例を示すものであるが、図19に例示するように、図17記載の光増幅デバイス31において、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えて構成してもよいし、図10記載の光増幅デバイス31Aにおいて、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えて構成してもよいし、図20に例示するように、図18記載の光増幅デバイス31Aにおいて、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えて構成してもよい。
【0082】
ここで、光サーキュレータ54は、光アイソレータ38を通過した現用の光信号を光増幅器46の第1の入出力部の方路へ入力するとともに、前記第1の入出力部の方路から出力される、光増幅器46で増幅後の予備の光信号を光アイソレータ42の方路へ出力する。
即ち、光サーキュレータ54は、第1の光伝送路4−1から入力される現用の光信号を光増幅器46の第1の入出力部へ入力するとともに、前記第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を第2の出力ポート62−2へ出力する第1の光サーキュレータの一例として機能する。
【0083】
また、光サーキュレータ55は、光アイソレータ39を通過した予備の光信号を光増幅器46の第2の入出力部の方路へ入力するとともに、前記第2の入出力部の方路から出力される、光増幅器46で増幅後の現用の光信号を光アイソレータ44の方路へ出力する。
即ち、光サーキュレータ55は、第2の光伝送路4−2から入力される予備の光信号を光増幅器46の第2の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を第1の出力ポートへ出力する第2の光サーキュレータの一例として機能する。
【0084】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、光アイソレータ38,39に入射される反射光を減少させることができるので、光増幅デバイス31Bの動作をより安定化させることができる。
〔5〕第3変形例
また、上述した光増幅デバイス31,31A,31Bにおいて、WDMカプラ45及び光増幅器46を、WDMカプラ57−1,57−2,光ファイバ増幅器58−1,58−2,利得等化フィルタ(GFF:Gain Flatting Filter)59及びBS56で構成してもよい。
【0085】
このため、本例の光増幅デバイス31Cは、図13に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ57−1,57−2と、BS56とをそなえる。また、光増幅デバイス31Cは、例示的に、光ファイバ増幅器58−1,58−2と、GFF59と、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49と、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図13中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図13は、図8記載の光増幅デバイス31において、WDMカプラ45及び光増幅器46を、WDMカプラ57−1,57−2,光ファイバ増幅器58−1,58−2,利得等化フィルタGFF59及びBS56に置き換えた例を示すものであるが、図17,図19記載の光増幅デバイス31や、図10,図18,図20記載の光増幅デバイス31Aや、図12記載の光増幅デバイス31Bにおいても同様に置き換えて構成してもよい。さらに、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、PD50での検出結果及びPD48での検出結果に基づいて、判断されてもよい。この場合、光増幅デバイス31Cからは、図21に例示するように、BS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
【0086】
ここで、BS56は、励起光源43から供給される励起光を分岐し、分岐した各励起光をWDMカプラ57−1とWDMカプラ57−2とにそれぞれ入力する。これにより、励起光源43から供給される励起光が、光増幅器46の第1の入出力部としての光ファイバ増幅器58−1のファイバ一端と、光増幅器46の第2の入出力部としての光ファイバ増幅器58−2のファイバ他端の双方から入射される。
【0087】
WDMカプラ57−1は、BS40から入力される現用の光信号と、BS56から入力される励起光とを合波して、光ファイバ増幅器58−1のファイバ一端へ入力する。また、WDMカプラ57−1は、光ファイバ増幅器58−1から入力される、増幅後の予備の光信号を波長選択して、BS40へ出力する。
また、WDMカプラ57−2は、BS41から入力される予備の光信号と、BS56から入力される励起光とを合波して、光ファイバ増幅器58−2のファイバ他端へ入力する。また、WDMカプラ57−2は、光ファイバ増幅器58−2から入力される、増幅後の現用の光信号を波長選択して、BS41へ出力する。
【0088】
光ファイバ増幅器(第1の希土類添加光ファイバ)58−1は、光増幅器46の第1の入出力部に接続され、WDMカプラ57−1からファイバの一端に入力される現用の光信号を増幅して、WDMカプラ57−2の方路へ出力する。また、光ファイバ増幅器58−1は、WDMカプラ57−2の方路からファイバの他端に入力される、光ファイバ増幅器58−2で増幅後の予備の光信号を増幅して、WDMカプラ57−1の方路へ出力する。
【0089】
光ファイバ増幅器(第2の希土類添加光ファイバ)58−2は、光ファイバ増幅器58−1と縦続接続されて光増幅器46の第2の入出力部に接続され、WDMカプラ57−2からファイバの他端に入力される予備の光信号を増幅し、WDMカプラ57−1の方路へ出力する。また、光ファイバ増幅器58−2は、WDMカプラ57−1の方路からファイバの一端に入力される、光ファイバ増幅器58−1で増幅後の現用の光信号を増幅して、WDMカプラ57−2の方路へ出力する。
【0090】
なお、各光ファイバ増幅器58−1,58−2は、ラマン増幅器によって構成されてもよく、この場合、各光信号は、励起光源43から供給される励起光によってラマン増幅される。さらに、各光ファイバ増幅器58−1,58−2に代えて、複数の半導体光増幅器(SOA)を用いることもできる。
GFF59は、光ファイバ増幅器58−1と光ファイバ増幅器58−2との間に介在し、各光ファイバ増幅器58−1,58−2の増幅利得における波長依存特性を平坦化するフィルタである。なお、GFF59は、例えば、励起光源43から供給される励起光の波長帯(例えば、980nm帯や1480nm帯など)を遮断するフィルタ特性を有しているのが望ましい。各光ファイバ増幅器58−1,58−2から出力される残留励起光が再び励起光源43へ入射するのを防ぐためである。
【0091】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、光増幅デバイス31Cでの増幅利得を平坦化することができるので、より高品質の光信号を得ることが可能となる。
〔6〕第4変形例
また、上述した光増幅デバイス31,31A,31B,31Cにおいて、入力ポート61−1とBS34との間にVOA(Variable Optical Attenuator)60−1を配置するとともに、入力ポート61−2とBS34との間に第2のVOA60−2を配置してもよい。
【0092】
このため、本例の光増幅デバイス31Dは、図14に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、VOA60−1,60−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ45とをそなえる。また、光増幅デバイス31Dは、例示的に、光増幅器46と、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49Dと、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図14中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図14は、図8記載の光増幅デバイス31において、入力ポート61−1とBS34との間に第1のVOA60−1を配置するとともに、入力ポート61−2とBS34との間に第2のVOA60−2を配置した例を示すものであるが、図17,図19記載の光増幅デバイス31や、図10,図18,図20記載の光増幅デバイス31Aや、図12記載の光増幅デバイス31Bや、図13記載の光増幅デバイス31Cにおいても同様に置き換えて構成してもよい。さらに、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、PD50での検出結果及びPD48での検出結果に基づいて、判断されてもよい。この場合、光増幅デバイス31Dからは、図22に例示するように、BS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
【0093】
ここで、VOA(第1の可変光減衰器)60−1は、現用回線4−1から入力される現用の光信号に対して、制御回路49Dによって制御される減衰量を与える。また、VOA(第2の可変光減衰器)60−2は、予備回線4−2から入力される予備の光信号に対して、制御回路49Dによって制御される減衰量を与える。
制御回路49Dは、制御回路49と同様の機能を有するほか、PD35,37での各検出結果に基づいて、VOA60−1,60−2での各減衰量を制御する機能を有する。
【0094】
ここで、図15に制御回路49Dの動作の一例を示す。
この図15に例示するように、制御回路49Dは、まず、VOA60−1での減衰量と、VOA60−2での減衰量とを「0」に設定する(ステップS30)。
次に、制御回路49Dは、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとを取得する(ステップS31)。
【0095】
そして、制御回路49Dは、PD35及びPD37での各検出結果に基づいて、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況を判断する(ステップS32)。
現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれにおいても障害が発生しておらず正常であると判断した場合(ステップS32の「正常(障害なし)」ルート)、制御回路49Dは、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとが、それぞれ既定のレベルとなるように、VOA60−1及びVOA60−2で各光信号に与える減衰量を制御する(ステップS33)。
【0096】
次に、制御回路49Dは、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルと、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルとを取得する(ステップS34)。
そして、制御回路49Dは、PD48での検出結果とPD50での検出結果との平均値を算出し、算出した平均値が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS35)。その後、制御回路49Dは、処理をステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0097】
即ち、この場合、制御回路49Dは、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図15に示す例では、制御回路49Dが、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値に基づいて、ALCを行なっているが、例えば、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとのいずれかに重み付けを付した加重平均に基づいてALCを行なってもよい。この場合、光SW32での切り替え動作に起因して光増幅器46で発生し得る光サージに鑑みれば、増幅後の現用の光信号のレベルに付する重み付け係数よりも、増幅後の予備の光信号のレベルに付する重み付け係数を大きくするのが望ましい。
【0098】
一方、現用回線4−1において障害が発生していると判断した場合(ステップS32の「現用回線4−1で障害あり」ルート)、制御回路49Dは、PD37によって検出される予備の光信号のレベルが既定のレベルとなるように、VOA60−2で予備の光信号に与える減衰量を制御する(ステップS36)。なお、このとき、制御回路49Dは、VOA60−1の動作を停止するように制御してもよい。
【0099】
次に、制御回路49Dは、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルを取得する(ステップS37)。
そして、制御回路49Dは、PD48での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS38)。その後、制御回路49Dは、処理をステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0100】
即ち、この場合、制御回路49Dは、増幅後の予備の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
また、予備回線4−2において障害が発生していると判断した場合(ステップS32の「予備回線4−2で障害あり」ルート)、制御回路49Dは、PD35によって検出される現用の光信号のレベルが既定のレベルとなるように、VOA60−1で現用の光信号に与える減衰量を制御する(ステップS39)。なお、このとき、制御回路49Dは、VOA60−2の動作を停止するように制御してもよい。
【0101】
次に、制御回路49Dは、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルを取得する(ステップS40)。
そして、制御回路49Dは、PD50での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS41)。その後、制御回路49Dは、処理をステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0102】
即ち、この場合、制御回路49Dは、増幅後の現用の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図15では記載を省略したが、現用回線4−1及び予備回線4−2の双方で障害が発生した場合、制御回路49Dは、励起光の光パワーを予め定めたレベルに制御し、現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれかの復帰を待つようにしてもよい。
【0103】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、現用回線4−1及び予備回線4−2が正常時に、現用回線4−1から入力される現用の光信号のレベルと、予備回線4−2から入力される予備の光信号のレベルとを既定のレベルにそろえることができるので、ALC動作をより安定化させることが可能となる。
〔7〕その他
上述した光送信局2,光受信局3,各光増幅デバイス31,31A,31B,31C,31Dの各構成及び各機能は、必要に応じて取捨選択されてもよいし、適宜組み合わせて用いられてもよい。即ち、上述した本発明の機能を発揮できるように、上記の各構成及び各機能は取捨選択されたり、適宜組み合わせて用いられたりしてもよい。
【0104】
また、上述した実施形態及び各変形例は、WDM伝送システムに用いられる光受信局3を例にして説明されているが、単一波長の光信号を送受信する光伝送システムや、光送信局2と光受信局3との間に光中継局を有する光伝送システムや、OADMシステムなどに対しても、適宜変形して適用してもよい。
さらに、上述した実施形態及び各変形例においては、光SW32が、回線の障害発生状況に応じて、各光増幅デバイス31,31A,31B,31C,31Dとの接続先を切り替えたが、制御回路49,49A,49Dによって切り替え動作を制御されてもよい。
【0105】
また、制御回路49,49A,49Dは、現用回線4−1及び予備回線4−2の少なくとも一方において障害発生を検出した場合、障害発生を通知するためのアラーム信号を生成して、光送信局2へ送出するようにしてもよい。
さらに、図16に例示するように、光増幅デバイス31Eは、現用回線4−1及び予備回線4−2の障害発生状況に応じて、増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する光SW63をそなえて構成されてもよい。なお、図16中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図16は、図8記載の光増幅デバイス31において、BS47,51の後段に光SW63を配置した例を示すものであるが、図17,図19記載の光増幅デバイス31や、図10,図18,図20記載の光増幅デバイス31Aや、図12記載の光増幅デバイス31Bや、図13記載の光増幅デバイス31Cや、図14記載の光増幅デバイス31Dにおいても同様に構成してもよい。
【0106】
この場合、制御回路49が、現用の光信号及び予備の光信号の各検出結果に基づいて、光SW63の切り替え動作を制御することができ、また、光増幅デバイス31Eを有する光受信局3からは光SW32が省略されてもよい。
このようにすれば、障害時の切り替え動作を光増幅デバイス31E内で行なうことができるので、光受信局3の構成をより単純化し、光受信局3のサイズ及び製造コストを更に縮小することが可能となる。
【0107】
また、以上の実施形態及び各変形例で説明した各光増幅デバイス31,31A,31B,31C,31D,31Eは、光受信局3に実装されるカード、基板などにより構成されてもよい。
以上の実施形態及び各変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
〔8〕付記
(付記1)
第1の光伝送路を介して伝送される現用の光信号が入力される第1の入力ポートと、
第2の光伝送路を介して伝送される予備の光信号が入力される第2の入力ポートと、
前記第1の入力ポートから第1の入出力部に入力される前記現用の光信号と前記第2の入力ポートから第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される前記予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートと、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートと、
前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器の増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御する制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、光増幅装置。
【0108】
(付記2)
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の現用の光信号のレベルを検出する第1の検出部と、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の予備の光信号のレベルを検出する第2の検出部とをそなえ、
前記制御部が、
前記第1の検出部での検出結果と前記第2の検出部での検出結果とに基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記1記載の光増幅装置。
【0109】
(付記3)
前記制御部は、
前記第1の検出部が前記現用の光信号の障害を検出した場合に、前記第2の検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記2記載の光増幅装置。
【0110】
(付記4)
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐するとともに、前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、それぞれ分岐した前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とを合波して、合波後の光信号のレベルを検出する合波信号検出部をそなえ、
前記制御部が、
前記合波信号検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記1記載の光増幅装置。
【0111】
(付記5)
前記第1の入力ポートから入力される前記現用の光信号を分岐し、分岐した前記現用の光信号のレベルを検出する第3の検出部と、
前記第2の入力ポートから入力される前記予備の光信号を分岐し、分岐した前記予備の光信号のレベルを検出する第4の検出部とをそなえ、
前記制御部が、
前記第3の検出部での検出結果と前記第4の検出部での検出結果とを、前記励起光の制御に用いる、
ことを特徴とする、付記2〜3のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0112】
(付記6)
前記光増幅器が、
前記第1の入出力部に接続される第1の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと縦続接続されて前記第2の入出力部に接続される第2の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと前記第2の希土類添加光ファイバとの間に介在して、前記光増幅器の増幅利得の波長依存特性を平坦化する利得等化フィルタとをそなえ、
前記励起光供給部が、
前記第1の入出力部と前記第2の入出力部との双方から励起光を供給する、
ことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0113】
(付記7)
前記利得等化フィルタが、
前記励起光供給部から供給される励起光の波長帯を遮断するフィルタ特性を有する、
ことを特徴とする、付記6記載の光増幅装置。
(付記8)
前記第1の光伝送路から入力される前記現用の光信号を前記第1の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を前記第2の出力ポートへ出力する第1の光サーキュレータと、
前記第2の光伝送路から入力される前記予備の光信号を前記第2の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を前記第1の出力ポートへ出力する第2の光サーキュレータとをそなえる、
ことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0114】
(付記9)
前記第1の光伝送路から入力される前記現用の光信号を減衰する第1の可変光減衰器と、
前記第2の光伝送路から入力される前記予備の光信号を減衰する第2の可変光減衰器とをそなえ、
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルと前記予備の光信号のレベルとに基づいて、前記第1の可変光減衰器及び前記第2の可変光減衰器での各減衰量を制御する、
ことを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0115】
(付記10)
第1の光伝送路から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器での増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記励起光を制御する制御部とをそなえる光増幅装置の制御方法において、
前記制御部が、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御し、
前記励起光供給部が、
前記制御部で制御された励起光を前記光増幅器に供給する、
ことを特徴とする、光増幅装置の制御方法。
【0116】
(付記11)
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号のレベルと前記増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記増幅後の予備の光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記10記載の光増幅装置の制御方法。
【0117】
(付記12)
前記制御部が、
前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値よりも小さく、且つ、前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値以上である場合、前記増幅後の予備の光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記11記載の光増幅装置の制御方法。
【0118】
(付記13)
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とが合波された光信号のレベルの1/2が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記合波された光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記10記載の光増幅装置の制御方法。
【0119】
(付記14)
前記制御部が、
前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値よりも小さく、且つ、前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値以上である場合、前記合波された光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記13記載の光増幅装置の制御方法。
【0120】
(付記15)
付記1〜9のいずれか1項に記載の光増幅装置と、
該光増幅装置の前記第1の出力ポート及び前記第2の出力ポートからそれぞれ出力される前記増幅後の現用の光信号及び前記増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する選択部と、
該選択部で選択した光信号を受信処理する受信処理部とをそなえる、
ことを特徴とする、光受信局。
【0121】
(付記16)
第1の光伝送路を介して現用の光信号を送信するとともに、第2の光伝送路を介して予備の光信号を送信する光送信局と、
付記15記載の光受信局とをそなえる、
ことを特徴とする、光伝送システム。
【符号の説明】
【0122】
1 光伝送システム
2 光送信局
3 光受信局
4−1 第1の光伝送路
4−2 第2の光伝送路
21 光送信機
22 光カプラ
31,31A,31B,31C,31D,31E 光増幅デバイス
32 光SW
33 光受信機
34,36,40,41,47,51,52,56 BS
35,37,48,50,53 PD
38,39,42,44 光アイソレータ
43 励起光源
45 WDMカプラ
46 光増幅器
49,49A,49D 制御回路
54,55 光サーキュレータ
57−1,57−2 WDMカプラ
58−1,58−2 光ファイバ増幅器
59 GFF
60−1,60−2 VOA
61−1,61−2 入力ポート
62−1,62−2 出力ポート
63 光SW
100,101 光伝送システム
102 WDMシステム
103 OADMシステム
200,200´ 光送信局
201,201´−1,201´−2,・・・,201´−n 光送信機
202,202´−1,202´−2,・・・,202´−n 光カプラ
203−1,203−2 WDMカプラ
300,300´,300´´,300´´´ 光受信局
301,301´−1,301´−2,・・・,301´−n,301´´ 光SW
302,302´−1,302´−2,・・・,302´−n,302´´,302´´´ 光増幅器
303,303´−1,303´−2,・・・,303´−n,303´´,303´´´ 光受信機
304−1,304−2 WDMカプラ
305,306,309,310 BS
307,308,311,312 PD
313,314 光増幅器
401 現用回線
402 予備回線
501,502 光中継器
501´,502´ WDM光中継器
601−1,601−2,・・・,601−n Tx
602−1,602−2,・・・,602−n,610,616 BS
603−1,603−2 WDMカプラ
604−1,604−2,・・・,604−n Rx
605−1,605−2,・・・,605−n 光SW
606−1,606−2 WDMカプラ
607,609,612,613,615,618 光増幅器
608,614 分散補償器
611,617 WSS
619−1,619−2,・・・,619−n Tx
620−1,620−2,・・・,620−n,628,634 BS
621−1,621−2 WDMカプラ
622−1,622−2,・・・,622−n Rx
623−1,623−2,・・・,623−n 光SW
624−1,624−2 WDMカプラ
625,627,630,631,633,636 光増幅器
626,632 分散補償器
629,635 WSS
【技術分野】
【0001】
本発明は、光増幅装置、光増幅装置の制御方法、光受信局及び光伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及などによる通信需要の増加に伴い、光増幅器の広帯域性を活かした波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)システムが開発されている。
さらに、近年では、WDMシステムと波長ルーチング技術とを組み合わせて用いるROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)システムがメトロリングネットワークに導入されている。
【0003】
また、FTTH(Fiber To The Home)などの普及により、音声データや、より大容量の映像データの通信需要が増加しており、WDMシステムにおける1波長当たりの伝送レートは、10Gbpsから40Gbps、さらには100Gbpsへシフトしつつある。
このような大容量データを配信する光伝送システムでは、障害時の信頼性向上を図るべく、現用回線や予備回線などの複数の伝送路を用いて光信号を伝送し、障害の状況に応じて、回線を切り替えて受信する冗長構成を採用することがある。
【0004】
例えば単一のリング網を有する光伝送システムでは、OUPSR(Optical Unidirectional Path Switching Path Ring)や、OSPPR(Optical Shared Path Protection Ring)などといった光プロテクション方式が採用されている。
ここで、図1に光伝送システムの一例を示す。
図1に例示する光伝送システム100では、光送信局200は、光送信機201で生成した光信号を光カプラ202で分岐し、分岐した光信号を現用回線401と予備回線402とにそれぞれ出力する。
【0005】
一方、光受信局300は、回線の障害状況に応じて、現用回線401への方路または予備回線402への方路に接続先を光スイッチ(光SW)301で切り替えて光信号を受信する。そして、光受信局300は、受信した光信号を光増幅器302で増幅した後、光受信機303で光信号からデータを抽出する。例えば、図1に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、光受信局300は、光SW301を予備回線402の方路に接続先を切り替えて、予備回線402からの光信号を受信する。
【0006】
また、図2に光伝送システムの他の一例を示す。
図2に例示する光伝送システム101は、現用回線401と予備回線402とにそれぞれ光中継器501,502を有する点で図1の光伝送システム100と相違するが、符号200,201,202,300,301,302,303でそれぞれ示す他の各構成は図1の光伝送システム100と同様である。
【0007】
このような光伝送システム101においても、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、光受信局300は、光SW301を予備回線402の方路に接続先を切り替えて、予備回線402からの光信号を受信する。
さらに、図3にWDMシステムの一例を示す。
図3に例示するWDMシステム102では、光送信局200´は、光送信機201´−1〜201´−n(nは2以上の整数)で生成した各光信号を光カプラ202´−1〜202´−nで分岐する。そして、光送信局200´は、分岐した各光信号をWDMカプラ203−1とWDMカプラ203−2とにそれぞれ入力して複数の波長多重光信号を生成し、現用回線401と予備回線402とにそれぞれ出力する。
【0008】
現用回線401を介して伝送される波長多重光信号は、WDM光中継器501´によって増幅されるとともに光受信局300´へ中継される。また、予備回線402を介して伝送される波長多重光信号は、WDM光中継器502´によって増幅されるとともに光受信局300´へ中継される。
一方、光受信局300´は、WDMカプラ304−1,304−2によって、各波長多重光信号に含まれる複数波長の光信号を波長単位で分割する。
【0009】
次に、光受信局300´は、回線の障害状況に応じて、現用回線401への方路または予備回線402への方路に接続先を光SW301´−1〜301´−nで切り替えて、分割した各光信号を受信する。例えば、図3に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、光受信局300´は、光SW301´−1〜301´−nを予備回線402の方路に切り替えて、予備回線402からの光信号を受信する。
【0010】
そして、光受信局300´は、受信した各光信号を光増幅器302´−1〜302´−nで増幅した後、光受信機303´−1〜303´−nで各光信号からデータをそれぞれ抽出する。
また、図4にOADM(Optical Add/Drop Multiplexer)システムの一例を示す。
図4に例示するOADMシステム103では、OADMノード600−1は、光送信機(Tx)601−1〜601−nで生成した各光信号をビームスプリッタ(BS)602−1〜602−nで分岐する。
【0011】
そして、OADMノード600−1は、分岐した各光信号をWDMカプラ603−1,603−2にそれぞれ入力して複数の波長多重光信号を生成する。
WDMカプラ603−1で生成された波長多重光信号は、波長選択スイッチ(WSS)611で所望の波長が選択された後、光増幅器612で増幅されて、現用回線401−1へ挿入(アド)される。一方、WDMカプラ603−2で生成された波長多重光信号は、WSS617で所望の波長が選択された後、光増幅器618で増幅されて、予備回線402−1へ挿入(アド)される。
【0012】
また、各OADMノード600−2,600−3,600−4についても、OADMノード600−1と同様、送信のための構成及び機能を有する。例えば、OADMノード600−2,600−3,600−4は、それぞれ、所望の波長の光信号を、現用回線401−2,401−3,401−4と予備回線402−4,402−3,402−2とへアドすることができる。なお、OADMノード600−3のTx619−1〜619−n,BS620−1〜620−n,WDMカプラ621−1,621−2,WSS629,635及び光増幅器630,636は、OADMノード600−1のTx601−1〜601−n,BS602−1〜602−n,WDMカプラ603−1,603−2,WSS611,617及び光増幅器612,618とそれぞれ同様の機能を有する。
【0013】
一方、OADMノード600−1は、現用回線401−4を介して受信した光信号について、光増幅器607,609及び分散補償器608で光増幅や波長分散補償を施した後、BS610で分岐して、WSS611とWDMカプラ606−1とに出力する。また、OADMノード600−1は、予備回線402−4を介して受信した光信号について、光増幅器613,615及び分散補償器614で光増幅や波長分散補償を施した後、BS616で分岐(ドロップ)して、WSS617とWDMカプラ606−2とに出力する。
【0014】
次に、OADMノード600−1は、WDMカプラ606−1,606−2によって、各波長多重光信号に含まれる光信号を波長単位でそれぞれ分割して光SW605−1〜605−nへ出力する。
そして、OADMノード600−1は、回線の障害状況に応じて、現用回線401−4への方路または予備回線402−4への方路に接続先を光SW605−1〜605−nで切り替えて各光信号を受信し、光受信機(Rx)604−1〜604−nで各光信号からデータをそれぞれ抽出する。例えば、図4に例示するように、現用回線401−4に光ファイバ断などの障害が発生した場合、OADMノード600−1は、光SW605−1〜605−nを予備回線402−4の方路に切り替えて、予備回線402−4からの光信号を受信する。
【0015】
また、各OADMノード600−2,600−3,600−4についても、OADMノード600−1と同様、受信のための構成及び機能を有する。例えば、OADMノード600−2,600−3,600−4は、それぞれ、現用回線401−1,401−2,401−3と予備回線402−3,402−2,402−1とを介して受信した光信号をドロップすることができる。なお、OADMノード600−3のRx622−1〜622−n,光SW623−1〜623−n,WDMカプラ624−1,624−2,BS628,634,光増幅器625,627,631,633及び分散補償器626,632は、OADMノード600−1のRx604−1〜604−n,光SW605−1〜605−n,WDMカプラ606−1,606−2,BS610,616,光増幅器607,609,613,618及び分散補償器608,614とそれぞれ同様の機能を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
光伝送システムの光受信局では、光カプラや、アレイ導波路(AWG:Arrayed Waveguide Grating)を用いたWDMカプラなど、光損失が比較的大きな光部品が受信ポート側に用いられる。また、光伝送システムの高伝送レート化に伴って、光受信機には、より高い光入力レベルが要求される。このため、光受信局には受信した信号光を増幅する光増幅器が備えられることがある。
【0017】
図5にWDMシステムに用いられる光受信局の構成の一例を示す。
この図5に例示するように、光受信局300´´は、WDMカプラ304−1,304−2により、現用回線401及び予備回線402を介して伝送される各波長多重光信号に含まれる光信号を波長単位で分割する。各波長多重光信号には、複数の波長の光信号が含まれており、各光信号には、光送信局において、データが重畳されている。WDMカプラ304−1,304−2によって分割された光信号のうち、例えば波長λ1の光信号が、BS305,306に入力される。なお、他の波長の光信号については、説明を簡単にするため、図示を省略する。
【0018】
BS305は、WDMカプラ304−1から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号を光検出器(PD:Photo Detector)307と光SW301´´とに出力する。一方、BS306は、WDMカプラ304−2から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号をPD308と光SW301´´とに出力する。
各PD307,308では、入力された光信号のレベルが所定の閾値以上であるかどうかを判定し、当該判定結果を光SW301´´へ通知する。光SW301´´は、各PD307,308での判定結果に基づいて、現用回線401及び予備回線402の障害状況を検知し、検知した障害状況に応じて、信号光の受信元を切り替えて光増幅器302´´に接続する。
【0019】
例えば、図5に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、PD307では、入力された光信号のレベルが所定の閾値よりも小さいと判定し、光SW301´´は、当該判定結果から現用回線401での障害発生を検知する。そして、光SW301´´は、光増幅器302´´と接続する方路を、現用回線401の方路から予備回線402の方路へ切り替えることにより、予備回線402からの光信号を受信する。なお、障害の発生から光SW301´´の切り替え完了までに要する時間は、例えば、約50msec程度であることが多い。
【0020】
光増幅器302´´は、光SW301´´からの信号光を増幅して光受信機303´´に入力し、光受信機303´´は、光増幅器302´´で増幅された光信号からデータを抽出する。
ここで、光増幅器302´´は、増幅後の光信号の出力レベルが一定となるように、レベル一定制御(ALC:Automatic Level Control)を受けることがある。なお、ALCの制御周期は、例えば、約1kHz(約1msec)程度であることが多い。
【0021】
このような場合、現用回線401に断線障害が発生すると、光SW301´´によって予備回線402の方路へ接続が切り替えられるが、断線障害の発生から方路切り替えの完了までの間、光増幅器302´´には光信号が入力されない状態(無入力状態)となる。
光増幅器302´´がレベル一定制御下で無入力状態となると、ゼロ近傍の入力レベルを所定の出力レベルまで増幅するように増幅利得が制御されるため、増幅利得が跳ね上がる。その結果、光SW301´´による方路切り替えの完了によって予備回線402からの光信号が復帰した場合に、光増幅器302´´において光サージが発生する。
【0022】
光増幅器302´´において発生した光サージは、光受信機303´´にダメージを与える可能性がある。さらに、この光サージの発生によって、光受信局300´´は光信号を正常に再生することができない可能性がある。
そこで、本発明は、光増幅装置における光サージの発生を抑制することを目的の1つとする。
【0023】
なお、前記目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本発明の他の目的の一つとして位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0024】
(1)第1の案として、第1の光伝送路を介して伝送される現用の光信号が入力される第1の入力ポートと、第2の光伝送路を介して伝送される予備の光信号が入力される第2の入力ポートと、前記第1の入力ポートから第1の入出力部に入力される前記現用の光信号と前記第2の入力ポートから第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される前記予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートと、前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートと、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器の増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御する制御部とをそなえる、光増幅装置を用いることができる。
【0025】
(2)また、第2の案として、第1の光伝送路から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器での増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記励起光を制御する制御部とをそなえる光増幅装置の制御方法において、前記制御部が、前記増幅後の現用の光信号のレベルと前記増幅後の予備の光信号のレベルとに基づいて、前記励起光を制御し、前記励起光供給部が、前記制御部で制御された励起光を前記光増幅器に供給する、光増幅装置の制御方法を用いることができる。
【0026】
(3)さらに、第3の案として、上記の光増幅装置と、該光増幅装置の前記第1の出力ポート及び前記第2の出力ポートからそれぞれ出力される前記増幅後の現用の光信号及び前記増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する選択部と、該選択部で選択した光信号を受信処理する受信処理部とをそなえる、光受信局を用いることができる。
(4)また、第4の案として、第1の光伝送路を介して現用の光信号を送信するとともに、第2の光伝送路を介して予備の光信号を送信する光送信局と、上記の光受信局とをそなえる、光伝送システムを用いることができる。
【発明の効果】
【0027】
光増幅装置における光サージの発生を抑制できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】光伝送システムの一例を示す図である。
【図2】光伝送システムの他の一例を示す図である。
【図3】WDMシステムの一例を示す図である。
【図4】OADMシステムの一例を示す図である。
【図5】光受信局の構成の一例を示す図である。
【図6】光受信局の構成の一例を示す図である。
【図7】一実施形態に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図8】一実施形態に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図9】図8に示す光増幅デバイスの動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】第1変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図11】図10に示す光増幅デバイスの動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第2変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図13】第3変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図14】第4変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図15】図14に示す光増幅デバイスの動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】光増幅デバイスの構成の他の一例を示す図である。
【図17】一実施形態に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図18】第1変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図19】第2変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図20】第2変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図21】第3変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【図22】第4変形例に係る光増幅デバイスの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも例示に過ぎず、以下に示す各実施形態及び変形例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、各実施形態及び変形例を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることはいうまでもない。
〔1〕本発明の創作過程で得られた光受信局の構成例
図6に光受信局の構成の一例を示す。
【0030】
図6に示す光受信局300´´´は、WDMカプラ304−1,304−2により、現用回線401及び予備回線402を介して伝送される各波長多重光信号に含まれる光信号を波長単位で分割する。各波長多重光信号には、複数の波長の光信号が含まれており、各光信号には、光送信局において、データが重畳されている。WDMカプラ304−1,304−2によって分割された光信号のうち、例えば波長λ1の光信号が、BS309,310に入力される。なお、他の波長の光信号については、説明を簡単にするため、図示を省略する。
【0031】
BS309は、WDMカプラ304−1から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号をPD311と光増幅器313とに出力する。また、BS310は、WDMカプラ304−2から入力された光信号を分岐し、分岐した光信号をPD312と光増幅器314とに出力する。
光増幅器313,314は、BS309,310で分岐された光信号を増幅する。なお、光増幅器313,314は、増幅後の光信号の出力レベルが一定となるように、ALCを受けていてもよい。
【0032】
PD311は、入力された光信号のレベルが第1の閾値以上であるかどうかを判定し、当該判定結果を光SW301´´´へ通知する。また、PD312は、入力された光信号のレベルが第2の閾値以上であるかどうかを判定し、当該判定結果を光SW301´´´へ通知する。なお、第1の閾値と第2の閾値とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0033】
光SW301´´´は、各PD309,310での判定結果に基づいて、現用回線401及び予備回線402の障害状況を検知し、検知した障害状況に応じて、信号光の受信元を切り替えて光受信機303´´´に接続する。
例えば、図6に例示するように、現用回線401に光ファイバ断などの障害が発生した場合、PD311は、入力された光信号のレベルが第1の閾値よりも小さいと判定し、光SW301´´´は、当該判定結果から現用回線401での障害発生を検知する。そして、光SW301´´´は、光受信機303´´´と接続する方路を、現用回線401の方路から予備回線402の方路へ切り替えることにより、予備回線402からの光信号を受信する。
【0034】
光SW301´´´で選択的に出力された光信号は光受信器303´´´に入力され、光受信器303´´´は、入力された光信号からデータを抽出する。
このように、図6に例示する光受信局300´´´は、光SW301´´´の前段に、現用回線401を介して受信する光信号を増幅する光増幅器313と、予備回線402を介して受信する光信号を増幅する光増幅器314とを備える。
【0035】
従って、回線に断線障害が発生した場合であって、且つ、光増幅器313,314がレベル一定制御下であっても、光サージの影響を抑制することが可能となる。
しかしながら、図6に示すような構成の光受信局300´´´では、光増幅器の数が多くなるので、装置サイズや製造コストが増大する。
〔2〕一実施形態
(1.1)光伝送システムの構成例
図7は一実施形態に係る光伝送システムの構成の一例を示す図である。
【0036】
この図7に示す光伝送システム1は、例示的に、光送信局2と、光受信局3とをそなえる。
光送信局2は、第1の光伝送路(以下、現用回線ともいう)4−1を介して第1の光信号(以下、現用の光信号ともいう)を送信するとともに、第2の光伝送路(以下、予備回線ともいう)4−2を介して第2の光信号(以下、予備の光信号ともいう)を送信する。このため、光送信局2は、光送信機21と、光カプラ22とをそなえる。なお、送信局2において現用の光信号に重畳されるデータと予備の光信号に重畳されるデータとは同一のデータであり、光伝送システム1は、現用回線4−1と予備回線4−2とにより冗長化されている。また、現用回線4−1及び予備回線4−2の数は、図7に例示する数に限定されず、それぞれ、複数の光伝送路で構成されていてもよい。
【0037】
光送信機21は、搬送波である光の振幅や位相を送信データで変調することにより光信号を生成する。光送信機21が生成した光信号は、光カプラ22に出力される。
光カプラ22は、光送信機21からの光信号を現用の光信号と予備の光信号とに分岐し、現用の光信号を現用回線4−1に出力するとともに、予備の光信号を現用回線4−1の障害時に使用可能な予備回線4−2に出力する。
【0038】
光送信局2から送信された現用の光信号及び予備の光信号は、現用回線4−1及び予備回線4−2を介してそれぞれ伝搬し、光受信局3へ到達する。
一方、光受信局3は、光送信局2から送信された現用の光信号と予備の光信号とを受信することができる。このため、光受信局3は、光増幅装置としての光増幅デバイス31と、光スイッチ(光SW)32と、光受信機33とをそなえる。
【0039】
光増幅デバイス31は、現用回線4−1から光増幅デバイス31の一の入力ポート(第1の入力ポート)に入力される現用の光信号と、予備回線4−2から光増幅デバイス31の他の入力ポート(第2の入力ポート)に入力される予備の光信号とを増幅する。また、各光信号の光増幅に際して、光増幅デバイス31は、増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号に基づいて、レベル一定制御を行なう。なお、光増幅デバイス31の具体的な構成例については後述する。
【0040】
光増幅デバイス31で増幅された現用の光信号及び予備の信号光は、光増幅デバイス31の一の出力ポート(第1の出力ポート)及び他の出力ポート(第2の出力ポート)をそれぞれ介して光SW32に入力される。
光SW(選択部)32は、光増幅デバイス31の第1の出力ポート及び第2の出力ポートからそれぞれ出力される増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する。光SW32は、現用回線4−1及び予備回線4−2の各障害発生状況に応じて、光増幅デバイス31の各出力ポートとの接続を切り替えることにより、光信号を光受信機33へ選択的に出力する。
【0041】
例えば、光SW32は、現用回線4−1で障害が発生している場合、予備回線4−2からの予備の光信号を光受信機33へ出力するように、光増幅デバイス31の各出力ポートとの接続を切り替える。また、光SW32は、現用回線4−1での障害が復旧した場合、現用回線4−1からの現用の光信号を光受信機33へ出力するように、光増幅デバイス31の各出力ポートとの接続を切り替えることができる。
【0042】
なお、現用回線4−1や予備回線4−2で障害が発生しているかどうかは、後述する光増幅デバイス31に設けられたPD35,37(図8参照)での検出結果に基づいて検知することができる。この場合、光SW32は、例えば、PD35での検出結果が第1の閾値よりも小さく、且つ、PD37での検出結果が第2の閾値以上であれば、光増幅デバイス31で増幅した予備の光信号を選択する一方、PD35での検出結果が前記第1の閾値以上であれば、光増幅デバイス31で増幅した現用の光信号を選択する。
【0043】
また、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、光SW32が現用の光信号及び予備の光信号のレベルと前述の各閾値とをそれぞれ比較判定することにより検知してもよい。
さらに、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、後述する光増幅デバイス31で増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号の各レベルなどに基づいて、光増幅デバイス31または光SW32が検知してもよい。
【0044】
光受信機(受信処理部)33は、光SW32によって選択された現用の光信号または予備の光信号について所定の復調、復号処理を施して、光信号に重畳されているデータを再生する。
以上のような構成により、光増幅器の設置数を抑制しつつ、光増幅デバイス31における光サージの発生を防止することができる。
【0045】
次に、光増幅デバイス31の構成の一例について説明する。
(1.2)光増幅デバイス31の構成例
図8は光増幅デバイス31の構成の一例を示す図である。
この図8に示す光増幅デバイス31は、例示的に、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ45と、光増幅器46とをそなえる。また、光増幅デバイス31は、例示的に、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49と、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。
【0046】
入力ポート(第1の入力ポート)61−1は、現用回線4−1を介して伝送される現用の光信号を受信し、受信した現用の光信号をBS34へ出力する。また、入力ポート(第2の入力ポート)61−2は、予備回線4−2を介して伝送される予備の光信号を受信し、受信した予備の光信号をBS36へ出力する。
BS34は、入力ポート61−1から入力される現用の光信号を分岐して、分岐した現用の光信号をPD35と光アイソレータ38とにそれぞれ出力する。また、BS36は、入力ポート61−2から入力される予備の光信号を分岐して、分岐した予備の光信号をPD37と光アイソレータ39とにそれぞれ出力する。
【0047】
PD35は、BS34で分岐された現用の光信号のレベルを検出する。また、PD37は、BS36で分岐された予備の光信号のレベルを検出する。PD35,37は、例えば、受光した各光信号の光パワーに応じた電気信号を生成し、生成した電気信号の振幅値などを検出することにより、各光信号のレベルを検出することができる。
即ち、BS34及びPD35は、第1の光伝送路4−1から入力される現用の光信号を分岐し、分岐した現用の光信号のレベルを検出する第3の検出部の一例として機能する。また、BS36及びPD37は、第2の光伝送路4−2から入力される予備の光信号を分岐し、分岐した予備の光信号のレベルを検出する第4の検出部の一例として機能する。
【0048】
光アイソレータ38は、BS34で分岐された現用の光信号をBS40の方路へ通過させる一方、BS40からの反射光などを遮断する。また、光アイソレータ39は、BS36で分岐された予備の光信号をBS41の方路へ通過させる一方、BS41からの反射光などを遮断する。
BS40は、光アイソレータ38を通過した現用の光信号を光増幅器46の第1の入出力部へ入力するとともに、前記第1の入出力部から出力される、光増幅器46で増幅後の予備の光信号を光アイソレータ42の方路へ出力する。なお、BS40は、例えば、透過率が10%〜99%、反射率が90%〜1%の間でそれぞれ可変であってもよい。
【0049】
また、BS41は、光アイソレータ39を通過した予備の光信号を光増幅器46の第2の入出力部へ前記現用の光信号と異なる方向から入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される、光増幅器46で増幅後の現用の光信号を光アイソレータ44の方路へ出力する。なお、BS41は、例えば、透過率が10%〜99%、反射率が90%〜1%でいずれも可変であってもよい。
【0050】
励起光源43は、後述する制御回路49によって制御される励起光を、WDMカプラ45を介して光増幅器46へ供給する。励起光源43から供給される励起光は、光増幅器46での増幅のために用いられる。
なお、図8に示す例では、励起光源43から供給される励起光は、光増幅器46の第1の入出力部から入射されているが、この励起光供給方法はあくまで一例に過ぎない。例えば、WDMカプラ45を光増幅器46の第1の入出力部側でなく第2の入出力部側に設け、励起光を当該第2の入出力部側から入射してもよいし、複数のWDMカプラ45を第1の入出力部側及び第2の入出力部側に設け、励起光を双方から入射してもよい。
【0051】
即ち、励起光源43は、光増幅器46の第1の入出力部及び第2の入出力部の少なくとも一方から光増幅器46に、光増幅器46の増幅のための励起光を供給する励起光供給部の一例として機能する。
WDMカプラ45は、BS40から入力される現用の光信号と、励起光源43から供給される励起光とを合波して、光増幅器46の第1の入出力部へ入力する。また、WDMカプラ45は、光増幅器46から入力される、増幅後の予備の光信号を波長選択して、BS40へ出力する。
【0052】
光増幅器46は、WDMカプラ45から第1の入出力部に入力される現用の光信号と、BS41から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅する。このため、光増幅器46は、互いに異なる方向から入力される各光信号をそれぞれ光増幅し得る構成を有する。
具体的には、例えば、光増幅器46は、希土類添加光ファイバによって構成され、励起光源43から供給される励起光を用いて各光信号を光増幅することができる。また、光増幅器46は、ラマン増幅器によって構成されてもよく、この場合、各光信号は、励起光源43から供給される励起光によってラマン増幅される。さらに、光増幅器46に代えて、半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)を用いることにより、各光信号を光増幅してもよい。
【0053】
そして、光増幅器46は、増幅後の現用の光信号を第2の入出力部からBS41へ出力するとともに、増幅後の予備の光信号を第1の入出力部からBS40へ出力する。
即ち、光増幅器46は、第1の入力ポート61−1から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の入力ポート61−2から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を第1の入出力部から出力する光増幅器の一例として機能する。
【0054】
光アイソレータ42は、BS40から出力される増幅後の予備の光信号をBS47の方路へ通過させる一方、BS47からの反射光などを遮断する。また、光アイソレータ44は、BS41から出力される増幅後の現用の光信号をBS51の方路へ通過させる一方、BS51からの反射光などを遮断する。
BS47は、光アイソレータ42から入力される増幅後の予備の光信号を分岐して、分岐した増幅後の予備の光信号をPD48と出力ポート62−2とにそれぞれ出力する。また、BS51は、光アイソレータ44から入力される増幅後の現用の光信号を分岐して、分岐した増幅後の現用の光信号をPD50と出力ポート62−1とにそれぞれ出力する。
【0055】
出力ポート62−1は、BS51から出力される増幅後の現用の光信号を受信し、受信した増幅後の現用の光信号を光SW32へ出力する。また、出力ポート62−2は、BS47から出力される増幅後の予備の光信号を受信し、受信した増幅後の予備の光信号を光SW32へ出力する。
即ち、出力ポート62−1は、光増幅器46の第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートの一例として機能する。また、出力ポート62−2は、光増幅器46の第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートの一例として機能する。
【0056】
PD48は、BS47で分岐された増幅後の予備の光信号のレベルを検出する。また、PD50は、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号のレベルを検出する。PD48,50は、例えば、受光した各光信号の光パワーに応じた電気信号を生成し、生成した電気信号の振幅値などを検出することにより、各光信号のレベルを検出することができる。
即ち、BS51及びPD50は、光増幅器46の第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を分岐し、分岐した増幅後の現用の光信号のレベルを検出する第1の検出部の一例として機能する。また、BS47及びPD48は、光増幅器46の第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を分岐し、分岐した増幅後の予備の光信号のレベルを検出する第2の検出部の一例として機能する。
【0057】
ここで、制御回路(制御部)49は、増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とに基づいて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光を制御する。制御回路49は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)により実現されてもよい。あるいは、制御回路49は、例えば、汎用のプロセッサで実現されてもよいし、DSPと同等の機能を提供するFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路で実現されてもよい。
【0058】
具体的には例えば、制御回路49は、少なくともPD48での検出結果とPD50での検出結果とに基づいて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光の光パワーを制御する。また、制御回路49は、PD35での検出結果とPD37での検出結果を用いて励起光の光パワーを制御してもよい。
制御回路49は、例えば、PD35での検出結果が第1の閾値以上であれば、現用回線4−1では障害が発生していないと判断する。一方、制御回路49は、PD35での検出結果が第1の閾値よりも小さければ、現用回線4−1ではファイバ断線などの障害が発生していると判断する。同様に、制御回路49は、PD37での検出結果が第2の閾値以上であれば、予備回線4−2では障害が発生していないと判断し、PD37での検出結果が第2の閾値よりも小さければ、予備回線4−2で障害が発生していると判断する。なお、第1の閾値と第2の閾値とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
【0059】
現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、PD50での検出結果及びPD48での検出結果に基づいて、判断されてもよい。この場合、光増幅デバイス31からは、図17に例示するように、BS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
そして、制御回路49は、光増幅器46に対してレベル一定制御(ALC)を行なう際、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況に応じて、励起光源43から供給される励起光の光パワー制御に用いるパラメータを変える。
【0060】
ここで、図9に制御回路49の動作の一例を示す。
この図9に例示するように、制御回路49は、まず、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとを取得する(ステップS10)。
そして、制御回路49は、PD35及びPD37での各検出結果に基づいて、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況を判断する(ステップS11)。
【0061】
現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれにおいても障害が発生しておらず正常であると判断した場合(ステップS11の「正常(障害なし)」ルート)、制御回路49は、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルと、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルとを取得する(ステップS12)。
そして、制御回路49は、PD48での検出結果とPD50での検出結果との平均値を算出し、算出した平均値が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS13)。その後、制御回路49は、処理をステップS10へ移行する(ステップS18)。
【0062】
即ち、この場合、制御回路49は、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図9に示す例では、制御回路49が、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値に基づいて、ALCを行なっているが、例えば、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとのいずれかに重み付けを付した加重平均に基づいてALCを行なってもよい。この場合、光SW32での切り替え動作に起因して光増幅器46で発生し得る光サージに鑑みれば、増幅後の現用の光信号のレベルに付する重み付け係数よりも、増幅後の予備の光信号のレベルに付する重み付け係数を大きくするのが望ましい。
【0063】
一方、現用回線4−1において障害が発生していると判断した場合(ステップS11の「現用回線4−1で障害あり」ルート)、制御回路49は、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルを取得する(ステップS14)。
そして、制御回路49は、PD48での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS15)。その後、制御回路49は、処理をステップS10へ移行する(ステップS18)。
【0064】
即ち、この場合、制御回路49は、増幅後の予備の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
また、予備回線4−2において障害が発生していると判断した場合(ステップS11の「予備回線4−2で障害あり」ルート)、制御回路49は、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルを取得する(ステップS16)。
【0065】
そして、制御回路49は、PD50での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS17)。その後、制御回路49は、処理をステップS10へ移行する(ステップS18)。
即ち、この場合、制御回路49は、増幅後の現用の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図9では記載を省略したが、現用回線4−1及び予備回線4−2の双方で障害が発生した場合、制御回路49は、励起光の光パワーを予め定めたレベルに制御し、現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれかの復帰を待つようにしてもよい。
【0066】
以上のように、本例では、現用回線4−1及び予備回線4−2の正常時に、光増幅器46が、増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号に基づいて、レベル一定制御される。これにより、障害発生によって、回線の切り替え動作が行なわれた場合であっても、増幅利得が瞬間的に増大することを抑制することができる。例えば、光増幅器46が希土類添加光ファイバで構成される場合、希土類イオンの反転分布が大きくなるのを防ぐことができるのである。その結果、光増幅デバイス31における光サージの発生を効果的に抑制することが可能となる。
【0067】
また、〔1〕において図6に例示した構成に比して、光増幅デバイス31のサイズ及び製造コストの増大を抑制することも可能となる。
〔3〕第1変形例
上記一実施形態では、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとを個別に検出したが、例えば、本例のように、増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とを合波した合波信号のレベルを検出し、当該検出結果に基づいた制御を行なうようにしてもよい。
【0068】
このため、本例の光増幅デバイス31Aは、図10に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ45と、光増幅器46とをそなえる。また、光増幅デバイス31Aは、例示的に、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、BS52と、PD53と、制御回路49Aと、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図10中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。
【0069】
ここで、BS52は、BS47で分岐された増幅後の予備の光信号と、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号とを合波して、合波後の光信号(合波信号)をPD53へ出力する。
また、PD53は、BS52からの合波信号のレベルを検出する。なお、PD53も、他のPD35,37と同様に、例えば、受光した合波信号の光パワーに応じた電気信号を生成し、生成した電気信号の振幅値などを検出することにより、合波信号のレベルを検出することができる。
【0070】
即ち、BS47,51,52及びPD53は、光増幅器46の第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を分岐するとともに、光増幅器46の第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を分岐し、それぞれ分岐した増幅後の現用の光信号と増幅後の予備の光信号とを合波して、合波後の光信号のレベルを検出する合波信号検出部の一例として機能する。
【0071】
ここで、制御回路(制御部)49Aは、PD53での検出結果に基づいて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光を制御する。また、制御回路49Aは、PD35での検出結果とPD37での検出結果を用いて励起光を制御してもよい。
具体的には例えば、制御回路49Aは、PD35での検出結果が第1の閾値以上であれば、現用回線4−1では障害が発生していないと判断する。一方、制御回路49Aは、PD35での検出結果が第1の閾値よりも小さければ、現用回線4−1ではファイバ断線などの障害が発生していると判断する。同様に、制御回路49Aは、PD37での検出結果が第2の閾値以上であれば、予備回線4−2では障害が発生していないと判断し、PD37での検出結果が第2の閾値よりも小さければ、予備回線4−2で障害が発生していると判断する。
【0072】
なお、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号のレベル及びBS47で分岐された増幅後の予備の光信号のレベルに基づいて、判断されてもよい。この場合、図18に例示するように、光増幅デバイス31Aには、BS51で分岐された増幅後の現用の光信号のレベル及びBS47で分岐された増幅後の予備の光信号のレベルをそれぞれ検出するための構成としてPD50,PD48が追加されるが、光増幅デバイス31AからBS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
【0073】
そして、制御回路49Aは、光増幅器46に対してレベル一定制御(ALC)を行なう際に、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況に応じて、励起光源43から光増幅器46に供給される励起光の制御方法を変える。
ここで、図11に制御回路49Aの動作の一例を示す。
この図11に例示するように、制御回路49Aは、まず、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとを取得する(ステップS20)。
【0074】
そして、制御回路49Aは、PD35及びPD37での各検出結果に基づいて、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況を判断する(ステップS21)。
現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれにおいても障害が発生しておらず正常であると判断した場合(ステップS21の「正常(障害なし)」ルート)、制御回路49Aは、PD53によって検出される合波信号のレベルを取得する(ステップS22)。
【0075】
そして、制御回路49Aは、PD53での検出結果の1/2の値を算出し、算出した値が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS23)。その後、制御回路49Aは、処理をステップS20へ移行する(ステップS28)。
即ち、この場合、制御回路49Aは、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
【0076】
一方、現用回線4−1において障害が発生していると判断した場合(ステップS21の「現用回線4−1で障害あり」ルート)、制御回路49Aは、PD53によって検出される合波信号のレベルを取得する(ステップS24)。この場合、現用回線4−1において障害が発生しているので、合波信号には、主に、増幅後の予備の光信号が含まれることになる。
【0077】
そして、制御回路49Aは、PD53での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS25)。その後、制御回路49Aは、処理をステップS20へ移行する(ステップS28)。
即ち、この場合、制御回路49Aは、増幅後の予備の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
【0078】
また、予備回線4−2において障害が発生していると判断した場合(ステップS21の「予備回線4−2で障害あり」ルート)、制御回路49Aは、PD53によって検出される合波信号のレベルを取得する(ステップS26)。この場合、予備回線4−2において障害が発生しているので、合波信号には、主に、増幅後の現用の光信号が含まれることになる。
【0079】
そして、制御回路49Aは、PD53での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS27)。その後、制御回路49は、処理をステップS20へ移行する(ステップS28)。
即ち、この場合、制御回路49Aは、増幅後の現用の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図11では記載を省略したが、現用回線4−1及び予備回線4−2の双方で障害が発生した場合、制御回路49Aは、励起光の光パワーを予め定めたレベルに制御し、現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれかの復帰を待つようにしてもよい。
【0080】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、光増幅デバイス31Aのサイズ及び製造コストを更に縮小化することが可能となる。
〔4〕第2変形例
また、上述した光増幅デバイス31,31Aにおいて、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えてもよい。
【0081】
このため、本例の光増幅デバイス31Bは、図12に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、光サーキュレータ54,55と、WDMカプラ45とをそなえる。また、光増幅デバイス31Bは、例示的に、光増幅器46と、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49と、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図12中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図12は、図8記載の光増幅デバイス31において、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えた例を示すものであるが、図19に例示するように、図17記載の光増幅デバイス31において、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えて構成してもよいし、図10記載の光増幅デバイス31Aにおいて、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えて構成してもよいし、図20に例示するように、図18記載の光増幅デバイス31Aにおいて、BS40,41を光サーキュレータ54,55にそれぞれ置き換えて構成してもよい。
【0082】
ここで、光サーキュレータ54は、光アイソレータ38を通過した現用の光信号を光増幅器46の第1の入出力部の方路へ入力するとともに、前記第1の入出力部の方路から出力される、光増幅器46で増幅後の予備の光信号を光アイソレータ42の方路へ出力する。
即ち、光サーキュレータ54は、第1の光伝送路4−1から入力される現用の光信号を光増幅器46の第1の入出力部へ入力するとともに、前記第1の入出力部から出力される増幅後の予備の光信号を第2の出力ポート62−2へ出力する第1の光サーキュレータの一例として機能する。
【0083】
また、光サーキュレータ55は、光アイソレータ39を通過した予備の光信号を光増幅器46の第2の入出力部の方路へ入力するとともに、前記第2の入出力部の方路から出力される、光増幅器46で増幅後の現用の光信号を光アイソレータ44の方路へ出力する。
即ち、光サーキュレータ55は、第2の光伝送路4−2から入力される予備の光信号を光増幅器46の第2の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される増幅後の現用の光信号を第1の出力ポートへ出力する第2の光サーキュレータの一例として機能する。
【0084】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、光アイソレータ38,39に入射される反射光を減少させることができるので、光増幅デバイス31Bの動作をより安定化させることができる。
〔5〕第3変形例
また、上述した光増幅デバイス31,31A,31Bにおいて、WDMカプラ45及び光増幅器46を、WDMカプラ57−1,57−2,光ファイバ増幅器58−1,58−2,利得等化フィルタ(GFF:Gain Flatting Filter)59及びBS56で構成してもよい。
【0085】
このため、本例の光増幅デバイス31Cは、図13に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ57−1,57−2と、BS56とをそなえる。また、光増幅デバイス31Cは、例示的に、光ファイバ増幅器58−1,58−2と、GFF59と、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49と、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図13中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図13は、図8記載の光増幅デバイス31において、WDMカプラ45及び光増幅器46を、WDMカプラ57−1,57−2,光ファイバ増幅器58−1,58−2,利得等化フィルタGFF59及びBS56に置き換えた例を示すものであるが、図17,図19記載の光増幅デバイス31や、図10,図18,図20記載の光増幅デバイス31Aや、図12記載の光増幅デバイス31Bにおいても同様に置き換えて構成してもよい。さらに、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、PD50での検出結果及びPD48での検出結果に基づいて、判断されてもよい。この場合、光増幅デバイス31Cからは、図21に例示するように、BS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
【0086】
ここで、BS56は、励起光源43から供給される励起光を分岐し、分岐した各励起光をWDMカプラ57−1とWDMカプラ57−2とにそれぞれ入力する。これにより、励起光源43から供給される励起光が、光増幅器46の第1の入出力部としての光ファイバ増幅器58−1のファイバ一端と、光増幅器46の第2の入出力部としての光ファイバ増幅器58−2のファイバ他端の双方から入射される。
【0087】
WDMカプラ57−1は、BS40から入力される現用の光信号と、BS56から入力される励起光とを合波して、光ファイバ増幅器58−1のファイバ一端へ入力する。また、WDMカプラ57−1は、光ファイバ増幅器58−1から入力される、増幅後の予備の光信号を波長選択して、BS40へ出力する。
また、WDMカプラ57−2は、BS41から入力される予備の光信号と、BS56から入力される励起光とを合波して、光ファイバ増幅器58−2のファイバ他端へ入力する。また、WDMカプラ57−2は、光ファイバ増幅器58−2から入力される、増幅後の現用の光信号を波長選択して、BS41へ出力する。
【0088】
光ファイバ増幅器(第1の希土類添加光ファイバ)58−1は、光増幅器46の第1の入出力部に接続され、WDMカプラ57−1からファイバの一端に入力される現用の光信号を増幅して、WDMカプラ57−2の方路へ出力する。また、光ファイバ増幅器58−1は、WDMカプラ57−2の方路からファイバの他端に入力される、光ファイバ増幅器58−2で増幅後の予備の光信号を増幅して、WDMカプラ57−1の方路へ出力する。
【0089】
光ファイバ増幅器(第2の希土類添加光ファイバ)58−2は、光ファイバ増幅器58−1と縦続接続されて光増幅器46の第2の入出力部に接続され、WDMカプラ57−2からファイバの他端に入力される予備の光信号を増幅し、WDMカプラ57−1の方路へ出力する。また、光ファイバ増幅器58−2は、WDMカプラ57−1の方路からファイバの一端に入力される、光ファイバ増幅器58−1で増幅後の現用の光信号を増幅して、WDMカプラ57−2の方路へ出力する。
【0090】
なお、各光ファイバ増幅器58−1,58−2は、ラマン増幅器によって構成されてもよく、この場合、各光信号は、励起光源43から供給される励起光によってラマン増幅される。さらに、各光ファイバ増幅器58−1,58−2に代えて、複数の半導体光増幅器(SOA)を用いることもできる。
GFF59は、光ファイバ増幅器58−1と光ファイバ増幅器58−2との間に介在し、各光ファイバ増幅器58−1,58−2の増幅利得における波長依存特性を平坦化するフィルタである。なお、GFF59は、例えば、励起光源43から供給される励起光の波長帯(例えば、980nm帯や1480nm帯など)を遮断するフィルタ特性を有しているのが望ましい。各光ファイバ増幅器58−1,58−2から出力される残留励起光が再び励起光源43へ入射するのを防ぐためである。
【0091】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、光増幅デバイス31Cでの増幅利得を平坦化することができるので、より高品質の光信号を得ることが可能となる。
〔6〕第4変形例
また、上述した光増幅デバイス31,31A,31B,31Cにおいて、入力ポート61−1とBS34との間にVOA(Variable Optical Attenuator)60−1を配置するとともに、入力ポート61−2とBS34との間に第2のVOA60−2を配置してもよい。
【0092】
このため、本例の光増幅デバイス31Dは、図14に例示するように、入力ポート61−1,61−2と、VOA60−1,60−2と、BS34,36と、PD35,37と、光アイソレータ38,39と、BS40,41と、WDMカプラ45とをそなえる。また、光増幅デバイス31Dは、例示的に、光増幅器46と、光アイソレータ42,44と、BS47,51と、PD48,50と、制御回路49Dと、励起光源43と、出力ポート62−1,62−2とをそなえる。なお、図14中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図14は、図8記載の光増幅デバイス31において、入力ポート61−1とBS34との間に第1のVOA60−1を配置するとともに、入力ポート61−2とBS34との間に第2のVOA60−2を配置した例を示すものであるが、図17,図19記載の光増幅デバイス31や、図10,図18,図20記載の光増幅デバイス31Aや、図12記載の光増幅デバイス31Bや、図13記載の光増幅デバイス31Cにおいても同様に置き換えて構成してもよい。さらに、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況については、PD50での検出結果及びPD48での検出結果に基づいて、判断されてもよい。この場合、光増幅デバイス31Dからは、図22に例示するように、BS34,PD35,BS36及びPD37を省略してもよい。
【0093】
ここで、VOA(第1の可変光減衰器)60−1は、現用回線4−1から入力される現用の光信号に対して、制御回路49Dによって制御される減衰量を与える。また、VOA(第2の可変光減衰器)60−2は、予備回線4−2から入力される予備の光信号に対して、制御回路49Dによって制御される減衰量を与える。
制御回路49Dは、制御回路49と同様の機能を有するほか、PD35,37での各検出結果に基づいて、VOA60−1,60−2での各減衰量を制御する機能を有する。
【0094】
ここで、図15に制御回路49Dの動作の一例を示す。
この図15に例示するように、制御回路49Dは、まず、VOA60−1での減衰量と、VOA60−2での減衰量とを「0」に設定する(ステップS30)。
次に、制御回路49Dは、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとを取得する(ステップS31)。
【0095】
そして、制御回路49Dは、PD35及びPD37での各検出結果に基づいて、現用回線4−1及び予備回線4−2での障害発生状況を判断する(ステップS32)。
現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれにおいても障害が発生しておらず正常であると判断した場合(ステップS32の「正常(障害なし)」ルート)、制御回路49Dは、PD35によって検出される現用の光信号のレベルと、PD37によって検出される予備の光信号のレベルとが、それぞれ既定のレベルとなるように、VOA60−1及びVOA60−2で各光信号に与える減衰量を制御する(ステップS33)。
【0096】
次に、制御回路49Dは、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルと、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルとを取得する(ステップS34)。
そして、制御回路49Dは、PD48での検出結果とPD50での検出結果との平均値を算出し、算出した平均値が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS35)。その後、制御回路49Dは、処理をステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0097】
即ち、この場合、制御回路49Dは、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図15に示す例では、制御回路49Dが、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値に基づいて、ALCを行なっているが、例えば、増幅後の現用の光信号のレベルと増幅後の予備の光信号のレベルとのいずれかに重み付けを付した加重平均に基づいてALCを行なってもよい。この場合、光SW32での切り替え動作に起因して光増幅器46で発生し得る光サージに鑑みれば、増幅後の現用の光信号のレベルに付する重み付け係数よりも、増幅後の予備の光信号のレベルに付する重み付け係数を大きくするのが望ましい。
【0098】
一方、現用回線4−1において障害が発生していると判断した場合(ステップS32の「現用回線4−1で障害あり」ルート)、制御回路49Dは、PD37によって検出される予備の光信号のレベルが既定のレベルとなるように、VOA60−2で予備の光信号に与える減衰量を制御する(ステップS36)。なお、このとき、制御回路49Dは、VOA60−1の動作を停止するように制御してもよい。
【0099】
次に、制御回路49Dは、PD48によって検出される増幅後の予備の光信号のレベルを取得する(ステップS37)。
そして、制御回路49Dは、PD48での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS38)。その後、制御回路49Dは、処理をステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0100】
即ち、この場合、制御回路49Dは、増幅後の予備の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。
また、予備回線4−2において障害が発生していると判断した場合(ステップS32の「予備回線4−2で障害あり」ルート)、制御回路49Dは、PD35によって検出される現用の光信号のレベルが既定のレベルとなるように、VOA60−1で現用の光信号に与える減衰量を制御する(ステップS39)。なお、このとき、制御回路49Dは、VOA60−2の動作を停止するように制御してもよい。
【0101】
次に、制御回路49Dは、PD50によって検出される増幅後の現用の光信号のレベルを取得する(ステップS40)。
そして、制御回路49Dは、PD50での検出結果が所定値となるように、励起光源43から出力される励起光の光パワーを制御する(ステップS41)。その後、制御回路49Dは、処理をステップS31へ移行する(ステップS42)。
【0102】
即ち、この場合、制御回路49Dは、増幅後の現用の光信号のレベルが所定値となるように、光増幅器46についてALCを行なうのである。なお、図15では記載を省略したが、現用回線4−1及び予備回線4−2の双方で障害が発生した場合、制御回路49Dは、励起光の光パワーを予め定めたレベルに制御し、現用回線4−1及び予備回線4−2のいずれかの復帰を待つようにしてもよい。
【0103】
本例によれば、上記一実施形態と同様の効果が得られるほか、現用回線4−1及び予備回線4−2が正常時に、現用回線4−1から入力される現用の光信号のレベルと、予備回線4−2から入力される予備の光信号のレベルとを既定のレベルにそろえることができるので、ALC動作をより安定化させることが可能となる。
〔7〕その他
上述した光送信局2,光受信局3,各光増幅デバイス31,31A,31B,31C,31Dの各構成及び各機能は、必要に応じて取捨選択されてもよいし、適宜組み合わせて用いられてもよい。即ち、上述した本発明の機能を発揮できるように、上記の各構成及び各機能は取捨選択されたり、適宜組み合わせて用いられたりしてもよい。
【0104】
また、上述した実施形態及び各変形例は、WDM伝送システムに用いられる光受信局3を例にして説明されているが、単一波長の光信号を送受信する光伝送システムや、光送信局2と光受信局3との間に光中継局を有する光伝送システムや、OADMシステムなどに対しても、適宜変形して適用してもよい。
さらに、上述した実施形態及び各変形例においては、光SW32が、回線の障害発生状況に応じて、各光増幅デバイス31,31A,31B,31C,31Dとの接続先を切り替えたが、制御回路49,49A,49Dによって切り替え動作を制御されてもよい。
【0105】
また、制御回路49,49A,49Dは、現用回線4−1及び予備回線4−2の少なくとも一方において障害発生を検出した場合、障害発生を通知するためのアラーム信号を生成して、光送信局2へ送出するようにしてもよい。
さらに、図16に例示するように、光増幅デバイス31Eは、現用回線4−1及び予備回線4−2の障害発生状況に応じて、増幅後の現用の光信号及び増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する光SW63をそなえて構成されてもよい。なお、図16中、図8記載の各構成と同じ符号を有する構成については、図8記載の各構成と同様の機能を具備するものであるため、その説明を省略する。また、図16は、図8記載の光増幅デバイス31において、BS47,51の後段に光SW63を配置した例を示すものであるが、図17,図19記載の光増幅デバイス31や、図10,図18,図20記載の光増幅デバイス31Aや、図12記載の光増幅デバイス31Bや、図13記載の光増幅デバイス31Cや、図14記載の光増幅デバイス31Dにおいても同様に構成してもよい。
【0106】
この場合、制御回路49が、現用の光信号及び予備の光信号の各検出結果に基づいて、光SW63の切り替え動作を制御することができ、また、光増幅デバイス31Eを有する光受信局3からは光SW32が省略されてもよい。
このようにすれば、障害時の切り替え動作を光増幅デバイス31E内で行なうことができるので、光受信局3の構成をより単純化し、光受信局3のサイズ及び製造コストを更に縮小することが可能となる。
【0107】
また、以上の実施形態及び各変形例で説明した各光増幅デバイス31,31A,31B,31C,31D,31Eは、光受信局3に実装されるカード、基板などにより構成されてもよい。
以上の実施形態及び各変形例に関し、さらに以下の付記を開示する。
〔8〕付記
(付記1)
第1の光伝送路を介して伝送される現用の光信号が入力される第1の入力ポートと、
第2の光伝送路を介して伝送される予備の光信号が入力される第2の入力ポートと、
前記第1の入力ポートから第1の入出力部に入力される前記現用の光信号と前記第2の入力ポートから第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される前記予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートと、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートと、
前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器の増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御する制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、光増幅装置。
【0108】
(付記2)
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の現用の光信号のレベルを検出する第1の検出部と、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の予備の光信号のレベルを検出する第2の検出部とをそなえ、
前記制御部が、
前記第1の検出部での検出結果と前記第2の検出部での検出結果とに基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記1記載の光増幅装置。
【0109】
(付記3)
前記制御部は、
前記第1の検出部が前記現用の光信号の障害を検出した場合に、前記第2の検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記2記載の光増幅装置。
【0110】
(付記4)
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐するとともに、前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、それぞれ分岐した前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とを合波して、合波後の光信号のレベルを検出する合波信号検出部をそなえ、
前記制御部が、
前記合波信号検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記1記載の光増幅装置。
【0111】
(付記5)
前記第1の入力ポートから入力される前記現用の光信号を分岐し、分岐した前記現用の光信号のレベルを検出する第3の検出部と、
前記第2の入力ポートから入力される前記予備の光信号を分岐し、分岐した前記予備の光信号のレベルを検出する第4の検出部とをそなえ、
前記制御部が、
前記第3の検出部での検出結果と前記第4の検出部での検出結果とを、前記励起光の制御に用いる、
ことを特徴とする、付記2〜3のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0112】
(付記6)
前記光増幅器が、
前記第1の入出力部に接続される第1の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと縦続接続されて前記第2の入出力部に接続される第2の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと前記第2の希土類添加光ファイバとの間に介在して、前記光増幅器の増幅利得の波長依存特性を平坦化する利得等化フィルタとをそなえ、
前記励起光供給部が、
前記第1の入出力部と前記第2の入出力部との双方から励起光を供給する、
ことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0113】
(付記7)
前記利得等化フィルタが、
前記励起光供給部から供給される励起光の波長帯を遮断するフィルタ特性を有する、
ことを特徴とする、付記6記載の光増幅装置。
(付記8)
前記第1の光伝送路から入力される前記現用の光信号を前記第1の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を前記第2の出力ポートへ出力する第1の光サーキュレータと、
前記第2の光伝送路から入力される前記予備の光信号を前記第2の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を前記第1の出力ポートへ出力する第2の光サーキュレータとをそなえる、
ことを特徴とする、付記1〜7のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0114】
(付記9)
前記第1の光伝送路から入力される前記現用の光信号を減衰する第1の可変光減衰器と、
前記第2の光伝送路から入力される前記予備の光信号を減衰する第2の可変光減衰器とをそなえ、
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルと前記予備の光信号のレベルとに基づいて、前記第1の可変光減衰器及び前記第2の可変光減衰器での各減衰量を制御する、
ことを特徴とする、付記1〜8のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【0115】
(付記10)
第1の光伝送路から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器での増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記励起光を制御する制御部とをそなえる光増幅装置の制御方法において、
前記制御部が、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御し、
前記励起光供給部が、
前記制御部で制御された励起光を前記光増幅器に供給する、
ことを特徴とする、光増幅装置の制御方法。
【0116】
(付記11)
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号のレベルと前記増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記増幅後の予備の光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記10記載の光増幅装置の制御方法。
【0117】
(付記12)
前記制御部が、
前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値よりも小さく、且つ、前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値以上である場合、前記増幅後の予備の光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記11記載の光増幅装置の制御方法。
【0118】
(付記13)
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とが合波された光信号のレベルの1/2が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記合波された光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記10記載の光増幅装置の制御方法。
【0119】
(付記14)
前記制御部が、
前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値よりも小さく、且つ、前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値以上である場合、前記合波された光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、付記13記載の光増幅装置の制御方法。
【0120】
(付記15)
付記1〜9のいずれか1項に記載の光増幅装置と、
該光増幅装置の前記第1の出力ポート及び前記第2の出力ポートからそれぞれ出力される前記増幅後の現用の光信号及び前記増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する選択部と、
該選択部で選択した光信号を受信処理する受信処理部とをそなえる、
ことを特徴とする、光受信局。
【0121】
(付記16)
第1の光伝送路を介して現用の光信号を送信するとともに、第2の光伝送路を介して予備の光信号を送信する光送信局と、
付記15記載の光受信局とをそなえる、
ことを特徴とする、光伝送システム。
【符号の説明】
【0122】
1 光伝送システム
2 光送信局
3 光受信局
4−1 第1の光伝送路
4−2 第2の光伝送路
21 光送信機
22 光カプラ
31,31A,31B,31C,31D,31E 光増幅デバイス
32 光SW
33 光受信機
34,36,40,41,47,51,52,56 BS
35,37,48,50,53 PD
38,39,42,44 光アイソレータ
43 励起光源
45 WDMカプラ
46 光増幅器
49,49A,49D 制御回路
54,55 光サーキュレータ
57−1,57−2 WDMカプラ
58−1,58−2 光ファイバ増幅器
59 GFF
60−1,60−2 VOA
61−1,61−2 入力ポート
62−1,62−2 出力ポート
63 光SW
100,101 光伝送システム
102 WDMシステム
103 OADMシステム
200,200´ 光送信局
201,201´−1,201´−2,・・・,201´−n 光送信機
202,202´−1,202´−2,・・・,202´−n 光カプラ
203−1,203−2 WDMカプラ
300,300´,300´´,300´´´ 光受信局
301,301´−1,301´−2,・・・,301´−n,301´´ 光SW
302,302´−1,302´−2,・・・,302´−n,302´´,302´´´ 光増幅器
303,303´−1,303´−2,・・・,303´−n,303´´,303´´´ 光受信機
304−1,304−2 WDMカプラ
305,306,309,310 BS
307,308,311,312 PD
313,314 光増幅器
401 現用回線
402 予備回線
501,502 光中継器
501´,502´ WDM光中継器
601−1,601−2,・・・,601−n Tx
602−1,602−2,・・・,602−n,610,616 BS
603−1,603−2 WDMカプラ
604−1,604−2,・・・,604−n Rx
605−1,605−2,・・・,605−n 光SW
606−1,606−2 WDMカプラ
607,609,612,613,615,618 光増幅器
608,614 分散補償器
611,617 WSS
619−1,619−2,・・・,619−n Tx
620−1,620−2,・・・,620−n,628,634 BS
621−1,621−2 WDMカプラ
622−1,622−2,・・・,622−n Rx
623−1,623−2,・・・,623−n 光SW
624−1,624−2 WDMカプラ
625,627,630,631,633,636 光増幅器
626,632 分散補償器
629,635 WSS
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光伝送路を介して伝送される現用の光信号が入力される第1の入力ポートと、
第2の光伝送路を介して伝送される予備の光信号が入力される第2の入力ポートと、
前記第1の入力ポートから第1の入出力部に入力される前記現用の光信号と前記第2の入力ポートから第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される前記予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートと、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートと、
前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器の増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御する制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、光増幅装置。
【請求項2】
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の現用の光信号のレベルを検出する第1の検出部と、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の予備の光信号のレベルを検出する第2の検出部とをそなえ、
前記制御部が、
前記第1の検出部での検出結果と前記第2の検出部での検出結果とに基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項1記載の光増幅装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の検出部が前記現用の光信号の障害を検出した場合に、前記第2の検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項2記載の光増幅装置。
【請求項4】
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐するとともに、前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、それぞれ分岐した前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とを合波して、合波後の光信号のレベルを検出する合波信号検出部をそなえ、
前記制御部が、
前記合波信号検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項1記載の光増幅装置。
【請求項5】
前記光増幅器が、
前記第1の入出力部に接続される第1の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと縦続接続されて前記第2の入出力部に接続される第2の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと前記第2の希土類添加光ファイバとの間に介在して、前記光増幅器の増幅利得の波長依存特性を平坦化する利得等化フィルタとをそなえ、
前記励起光供給部が、
前記第1の入出力部と前記第2の入出力部との双方から励起光を供給する、
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【請求項6】
前記第1の光伝送路から入力される前記現用の光信号を前記第1の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を前記第2の出力ポートへ出力する第1の光サーキュレータと、
前記第2の光伝送路から入力される前記予備の光信号を前記第2の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を前記第1の出力ポートへ出力する第2の光サーキュレータとをそなえる、
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【請求項7】
第1の光伝送路から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器での増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記励起光を制御する制御部とをそなえる光増幅装置の制御方法において、
前記制御部が、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御し、
前記励起光供給部が、
前記制御部で制御された励起光を前記光増幅器に供給する、
ことを特徴とする、光増幅装置の制御方法。
【請求項8】
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号のレベルと前記増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記増幅後の予備の光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項7記載の光増幅装置の制御方法。
【請求項9】
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とが合波された光信号のレベルの1/2が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記合波された光信号の光パワーが前記所定値となるように、前記励起光の光パワーを制御する、
ことを特徴とする、請求項7記載の光増幅装置の制御方法。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光増幅装置と、
該光増幅装置の前記第1の出力ポート及び前記第2の出力ポートからそれぞれ出力される前記増幅後の現用の光信号及び前記増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する選択部と、
該選択部で選択した光信号を受信処理する受信処理部とをそなえる、
ことを特徴とする、光受信局。
【請求項11】
第1の光伝送路を介して現用の光信号を送信するとともに、第2の光伝送路を介して予備の光信号を送信する光送信局と、
請求項10記載の光受信局とをそなえる、
ことを特徴とする、光伝送システム。
【請求項1】
第1の光伝送路を介して伝送される現用の光信号が入力される第1の入力ポートと、
第2の光伝送路を介して伝送される予備の光信号が入力される第2の入力ポートと、
前記第1の入力ポートから第1の入出力部に入力される前記現用の光信号と前記第2の入力ポートから第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される前記予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を出力する第1の出力ポートと、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を出力する第2の出力ポートと、
前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器の増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御する制御部とをそなえる、
ことを特徴とする、光増幅装置。
【請求項2】
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の現用の光信号のレベルを検出する第1の検出部と、
前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、分岐した前記増幅後の予備の光信号のレベルを検出する第2の検出部とをそなえ、
前記制御部が、
前記第1の検出部での検出結果と前記第2の検出部での検出結果とに基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項1記載の光増幅装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の検出部が前記現用の光信号の障害を検出した場合に、前記第2の検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項2記載の光増幅装置。
【請求項4】
前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を分岐するとともに、前記第1の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を分岐し、それぞれ分岐した前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とを合波して、合波後の光信号のレベルを検出する合波信号検出部をそなえ、
前記制御部が、
前記合波信号検出部での検出結果に基づいて、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項1記載の光増幅装置。
【請求項5】
前記光増幅器が、
前記第1の入出力部に接続される第1の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと縦続接続されて前記第2の入出力部に接続される第2の希土類添加光ファイバと、
前記第1の希土類添加光ファイバと前記第2の希土類添加光ファイバとの間に介在して、前記光増幅器の増幅利得の波長依存特性を平坦化する利得等化フィルタとをそなえ、
前記励起光供給部が、
前記第1の入出力部と前記第2の入出力部との双方から励起光を供給する、
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【請求項6】
前記第1の光伝送路から入力される前記現用の光信号を前記第1の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の予備の光信号を前記第2の出力ポートへ出力する第1の光サーキュレータと、
前記第2の光伝送路から入力される前記予備の光信号を前記第2の入出力部へ入力するとともに、前記第2の入出力部から出力される前記増幅後の現用の光信号を前記第1の出力ポートへ出力する第2の光サーキュレータとをそなえる、
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光増幅装置。
【請求項7】
第1の光伝送路から第1の入出力部に入力される現用の光信号と第2の光伝送路から第2の入出力部に前記現用の光信号と異なる方向から入力される予備の光信号とを増幅し、増幅後の現用の光信号を前記第2の入出力部から出力するとともに、増幅後の予備の光信号を前記第1の入出力部から出力する光増幅器と、前記第1の入出力部及び前記第2の入出力部の少なくとも一方から前記光増幅器に、前記光増幅器での増幅のための励起光を供給する励起光供給部と、前記励起光を制御する制御部とをそなえる光増幅装置の制御方法において、
前記制御部が、
前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とに基づいて、前記励起光を制御し、
前記励起光供給部が、
前記制御部で制御された励起光を前記光増幅器に供給する、
ことを特徴とする、光増幅装置の制御方法。
【請求項8】
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号のレベルと前記増幅後の予備の光信号のレベルとの平均値が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記増幅後の予備の光信号のレベルが前記所定値となるように、前記励起光を制御する、
ことを特徴とする、請求項7記載の光増幅装置の制御方法。
【請求項9】
前記制御部が、
前記現用の光信号のレベルが第1の閾値以上であり、且つ、前記予備の光信号のレベルが第2の閾値以上である場合、前記増幅後の現用の光信号と前記増幅後の予備の光信号とが合波された光信号のレベルの1/2が所定値となるように、前記励起光を制御する一方、
前記現用の光信号のレベルが前記第1の閾値よりも小さく、且つ、前記予備の光信号のレベルが前記第2の閾値以上である場合、前記合波された光信号の光パワーが前記所定値となるように、前記励起光の光パワーを制御する、
ことを特徴とする、請求項7記載の光増幅装置の制御方法。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光増幅装置と、
該光増幅装置の前記第1の出力ポート及び前記第2の出力ポートからそれぞれ出力される前記増幅後の現用の光信号及び前記増幅後の予備の光信号のいずれかを選択する選択部と、
該選択部で選択した光信号を受信処理する受信処理部とをそなえる、
ことを特徴とする、光受信局。
【請求項11】
第1の光伝送路を介して現用の光信号を送信するとともに、第2の光伝送路を介して予備の光信号を送信する光送信局と、
請求項10記載の光受信局とをそなえる、
ことを特徴とする、光伝送システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−221970(P2012−221970A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82515(P2011−82515)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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