光学式位置検出装置および位置検出機能付き機器
【課題】湾曲したフレキシブル基板に実装された複数の発光素子から出射された検出光を利用して対象物体の位置を検出する方式を採用するにあたって、発光素子を所定の位置に設けることのできる光学式位置検出装置、および位置検出機能付き機器を提供すること。
【解決手段】光学式位置検出装置の光源部20では、帯状のフレキシブル基板40に複数の発光素子30が実装されており、複数の発光素子30は各々、検出光L2を出射する。フレキシブル基板40は、基板支持部材50の凸曲面55に重ねて配置されているため、フレキシブル基板40が長すぎた場合、フレキシブル基板40の端部を切り欠き511b、521bに差し込むことができる。このため、フレキシブル基板40が浮き上がることがない。
【解決手段】光学式位置検出装置の光源部20では、帯状のフレキシブル基板40に複数の発光素子30が実装されており、複数の発光素子30は各々、検出光L2を出射する。フレキシブル基板40は、基板支持部材50の凸曲面55に重ねて配置されているため、フレキシブル基板40が長すぎた場合、フレキシブル基板40の端部を切り欠き511b、521bに差し込むことができる。このため、フレキシブル基板40が浮き上がることがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、および該光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、複数の検出用光源の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている。このような構成の光学式位置検出装置では、受光部での検出光の検出結果に基づいて対象物体の位置を検出する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、光学式位置検出装置に導光板を設け、複数の検出用光源の各々から出射された検出光を、導光板を介して対象物体に向けて出射し、対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式も提案されている(特許文献2、3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いため、投射型表示装置のスクリーン面、電子黒板のスクリーン面、デジタルサイネージ等、広い領域での対象物体の位置を検出するには解決すべき課題が多い。
【0006】
ここに、本発明者は、複数の発光素子が実装された帯状のフレキシブル基板を湾曲させて発光素子を互いに異なる角度方向に向かせ、かかる発光素子から出射された検出光を用いて対象物体の位置を検出する方式を提案するものである。かかる構成によれば、フレキシブル基板が配置されている位置から広い角度範囲にわたって検出光を出射することができるので、広い領域での対象物体の位置検出が可能である。
【0007】
しかしながら、この方式の場合、発光素子が所定の方向に向くように帯状のフレキシブル基板を正確に湾曲させるには多大な手間がかかるとともに、この状態のまま固定するのが困難である。そこで、凸曲面を備えた基板支持部材を準備し、基板支持部材の凸曲面にフレキシブル基板を重ねて配置する構成を検討しているが、フレキシブル基板の寸法にばらつきがあってフレキシブル基板の位置がばらつくと、発光素子の位置がばらつき、対象物体の位置を精度よく検出できなくなるという問題点がある。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、湾曲したフレキシブル基板に実装された複数の発光素子から出射された検出光を利用して対象物体の位置を検出する方式を採用するにあたって、発光素子を所定の位置に設けることのできる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、検出光を出射する光源部と、前記検出光の出射空間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する受光部と、前記受光部での受光結果に基づいて前記出射空間における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記光源部は、複数の発光素子と、該複数の発光素子が実装された帯状のフレキシブル基板と、長さ方向で湾曲した凸曲面を有し、当該凸曲面に前記フレキシブル基板が重ねて配置された基板支持部材と、を備え、当該基板支持部材には、前記フレキシブル基板の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の端部が差し込まれた切り欠きが設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、帯状のフレキシブル基板に複数の発光素子が実装されており、複数の発光素子は各々、検出光を出射する。従って、検出光の出射空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光部で受光した結果に基づいて出射空間における対象物体の位置を検出することができる。ここで、フレキシブル基板は、基板支持部材の凸曲面に重ねて配置されているため、フレキシブル基板は、凸曲面に沿って所定形状に湾曲している。従って、フレキシブル基板が配置されている位置から広い角度範囲にわたって検出光を出射することができるので、広い領域での対象物体の位置検出が可能である。また、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に沿って湾曲させればよいので、フレキシブル基板を正確に湾曲させるのに多大な手間を必要とせず、かつ、フレキシブル基板を湾曲した形状に保持するのも容易である。さらに、基板支持部材には、フレキシブル基板の端部と重なる位置に切り欠きが形成されているため、フレキシブル基板の一方の端部を位置合わせした際、他方の端部を切り欠きに差し込むことができる。このため、フレキシブル基板の寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板が浮き上がることがない。従って、複数の発光素子を各々、所定の方向に正確に向かせることができる。それ故、複数の発光素子は各々、検出光を所定の方向に出射することができるので、対象物体の位置を精度よく検出することができる。
【0011】
本発明において、前記光源部から前記検出光が出射される際、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が単調変化している構成を採用することができる。かかる構成によれば、検出光の出射空間に光強度分布を形成することができるので、かかる強度分布を利用して、対象物体の位置を検出することができる。かかる方式の場合でも、本発明では、複数の発光素子が各々、所定の方向に正確に向いているので、検出光の出射空間に所定の光強度分布を形成することができる。それ故、対象物体の位置を精度よく検出することができる。
【0012】
本発明において、前記フレキシブル基板として、帯状の第1フレキシブル基板と、該第1フレキシブル基板の幅方向で前記第1フレキシブル基板に並列する帯状の第2フレキシブル基板と、を有し、前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子と、前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子とは、互いに異なるタイミングで点灯し、前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が増大し、前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が減少している構成を採用することができる。かかる構成によれば、第1フレキシブル基板に実装されている複数の発光素子が形成する第1光強度分布と、第2フレキシブル基板に実装されている複数の発光素子が形成する第2光強度分布とでは、検出光の強度が逆方向に変化する。従って、第1光強度分布を形成した際の受光部での受光結果、および第2光強度分布を形成した際の受光部での受光結果に基づいて、対象物体の位置を検出することができる。かかる方式の場合でも、本発明では、複数の発光素子が各々、所定の方向に正確に向いているので、検出光の出射空間に所定の光強度分布を形成することができる。それ故、対象物体の位置を精度よく検出することができる。
【0013】
本発明において、前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の長さ方向の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該実装基板の長さ方向の端部が差し込まれていることが好ましい。かかる構成によれば、フレキシブル基板の長さ寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板が浮き上がることがない。
【0014】
この場合、前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の端部に設けられている構成を採用することができる。
【0015】
また、前記フレキシブル基板は、複数枚が前記凸曲面の長さ方向で直列に配置されている構成の場合、前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の途中位置に設けられている構成を採用してもよい。
【0016】
本発明において、前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の幅方向の一方側端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の前記一方側端部が差し込まれている構成を採用してもよい。かかる構成によれば、フレキシブル基板の幅寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板が浮き上がることがない。
【0017】
この場合、前記基板支持部材には、前記凸曲面から突出して前記フレキシブル基板の幅方向の他方側端部が当接する鍔部が設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、フレキシブル基板の幅方向の他方側端部と鍔部との当接によってフレキシブル基板を幅方向の所定位置に配置することができる。
【0018】
本発明を適用した光学式位置検出装置は、投射型表示装置のスクリーン面、電子黒板のスクリーン面、デジタルサイネージ、ショーウインドウ、アミューズメント機器等、各種の位置検出機能付き機器に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の光源部をさらに細かく分解した分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の光源部を上下に分解した様子を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置における位置検出原理を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体の位置を特定する方法を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の光源部をさらに細かく分解した分解斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において第2基板支持部材にフレキシブル基板を取り付けた様子を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の光源部の詳細構成を示す説明図である。
【図12】本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【図13】本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する軸をX軸、Y軸とし、X軸およびY軸に交差する軸をZ軸として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示し、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として示してある。
【0021】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。
【0022】
図1において、本形態の光学式位置検出装置10は、検出対象空間10Rに位置する対象物体ObのX方向の位置(X座標)およびY方向の位置(Y座標)を検出する装置であり、検出光L2を出射する光源部20と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L3を受光する受光部60とを有している。また、光学式位置検出装置10は、光源部20を駆動するための光源駆動部75と、受光部60での受光結果に基づいて検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置(X座標およびY座標)を検出する位置検出部70とを有している。
【0023】
本形態において、光源部20は、X軸方向の一方側X1に位置する第1光源部20Aと、X軸方向の他方側X2に位置する第2光源部20Bとからなり、第1光源部20Aと第2光源部20Bとは、Y軸方向およびZ軸方向で同一の位置にある。
【0024】
(光源部の詳細構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の光源部20の説明図であり、図2(a)、(b)は、光源部20の斜視図および分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の光源部20をさらに細かく分解した分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の光源部20を上下に分解した様子を示す説明図であり、図4(a)、(b)は、光源部20の上半部の平面構成を示す説明図、および光源部20の下半部の平面構成を示す説明図である。なお、図4(a)では、鍔部で全体が覆われているが、鍔部について一点鎖線で示し、鍔部で覆われている部分も実線で示してある。
【0025】
図1に示す2つの光源部20(第1光源部20Aおよび第2光源部20B)は基本的な構成が同一であり、2つの光源部20(第1光源部20Aおよび第2光源部20B)はいずれも、複数の発光素子30と、複数の発光素子30が実装された帯状のフレキシブル基板40と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面55を備えた基板支持部材50とを備えている。本形態において、凸曲面55は、その長さ方向(円周方向)で半円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0026】
図1、図2、図3および図4に示すように、本形態においては、フレキシブル基板40として、帯状の第1フレキシブル基板41と、第1フレキシブル基板41に対して幅方向で並列する帯状の第2フレキシブル基板42とが用いられている。この状態で、第1フレキシブル基板41と第2フレキシブル基板42とは、幅方向の一方側端部41g、42gが互いに隣り合い、他方側端部41h、42hは互いに逆側に位置する。
【0027】
第1フレキシブル基板41には、その長さ方向に、複数の発光素子30としての第1発光素子31が複数、実装されており、第2フレキシブル基板42には、その長さ方向に、複数の発光素子30としての第2発光素子32が複数、実装されている。発光素子30(第1発光素子31および第2発光素子32)はいずれも、LED(発光ダイオード)等により構成され、本形態において、発光素子30はいずれも、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を発散光として放出する。本形態では、対象物体Obが指先等であることが多いことから、検出光L2として、対象物体Ob(人体)での反射率が高い波長域の赤外光(840〜920nm程度の近赤外光)が用いられている。
【0028】
基板支持部材50は、第1基板支持部材51と第2基板支持部材52とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1基板支持部材51と第2基板支持部材52とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1基板支持部材51は、凸曲面55の上半部を構成する半円弧状の凸曲面515と、凸曲面515において第2基板支持部材52が位置する側とは反対側の端部で凸曲面515から突出する半円状の鍔部516とを備えており、凸曲面515に第1フレキシブル基板41が重ねて配置されている。本形態では、第1フレキシブル基板41の他方側端部41hが鍔部516に当接し、第1フレキシブル基板41の幅方向の位置が規定されている。第2基板支持部材52は、凸曲面55の下半部を構成する半円弧状の凸曲面525と、凸曲面525において第1基板支持部材51が位置する側とは反対側の端部で凸曲面525から突出する半円状の鍔部526とを備えており、凸曲面525に第2フレキシブル基板42が重ねて配置されている。本形態では、第2フレキシブル基板42の他方側端部42hが鍔部526に当接し、第2フレキシブル基板42の幅方向の位置が規定されている。なお、鍔部516、526には、角度方向を示す指標59が等角度間隔に形成されている。
【0029】
図4に示すように、第1基板支持部材51では、凸曲面515の周方向の両端部に切り欠き511a、511bが形成されており、その結果、凸曲面515が形成されている角度範囲は、鍔部516が形成されている角度範囲よりも狭くなっている。第2基板支持部材52でも、第1基板支持部材51と同様、凸曲面525の周方向の両端部には切り欠き521a、521bが形成されており、その結果、凸曲面525が形成されている角度範囲は、鍔部526が形成されている角度範囲よりも狭くなっている。かかる切り欠き511a、511b、521a、521bについては後述する。
【0030】
図1に示す受光部60は、検出対象空間10Rに受光面を向けたフォトダイオードやフォトトランジスター等からなり、本形態において、受光部60は赤外域の感度ピークを備えたフォトダイオードである。本形態において、受光部60は、X軸方向において第1光源部20Aと第2光源部20Bとの略中央位置に配置され、Y軸方向およびZ軸方向において第1光源部20Aおよび第2光源部20Bと略同一位置に配置されている。
【0031】
なお、光学式位置検出装置10は、受光部60に発光部を向けた参照用光源12Rを備えていることもある。かかる参照用光源12Rは、発光素子30と同様、LED(発光ダイオード)等の発光素子から構成され、参照用光源12Rは、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる参照光Lrを発散光として放出する。但し、参照用光源12Rから出射される参照光Lrは、参照用光源12Rの向きや、参照用光源12Rに設けられる遮光カバー(図示せず)等によって、検出対象空間10Rに入射せずに受光部60に入射するようになっている。
【0032】
(位置検出方法)
図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10における位置検出原理を示す説明図であり、図5(a)、(b)は、光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体Obの位置を特定する方法を示す説明図である。
【0033】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、光源部20から検出光L2が出射される。その際、図1に示す光源駆動部75は、フレキシブル基板40の一方端から他方端側に向かって出射強度が単調変化するように発光素子30を駆動する。また、第1フレキシブル基板41に実装されている複数の第1発光素子31と、第2フレキシブル基板42に実装されている複数の第2発光素子32とは異なるタイミングで点灯させ、かつ、第1フレキシブル基板41に実装されている複数の第1発光素子31と、第2フレキシブル基板42に実装されている複数の第2発光素子32とは、互いに逆方向に強度が単調変化する強度で検出光L2を出射する。
【0034】
より具体的には、複数の第1発光素子31が全て点灯し、第2発光素子32が全て消灯する第1期間では、図4(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板41の長さ方向の一方側端部41eから他方側端部41fに向かって第1発光素子31の出射強度を増大させる。従って、第1期間において、光源部20から検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布L2Xaでは、第1フレキシブル基板41の長さ方向の一方側端部41eが位置する角度方向では光強度が低く、そこから、他方側端部41fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に高くなる。
【0035】
これに対して、複数の第2発光素子32が全て点灯し、第1発光素子31が全て消灯する第2期間では、図4(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板42の長さ方向の一方側端部42e(第1フレキシブル基板41の一方側端部41eが位置する側)から他方側端部42f(第1フレキシブル基板41の他方側端部41fが位置する側)に向かって第2発光素子32の出射強度が減少する。従って、第2期間において、光源部20から検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布L2Xbでは、第2フレキシブル基板42の長さ方向の一方側端部42eが位置する角度方向では光強度が低く、そこから、他方側端部42fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0036】
かかる駆動を行うにあたっては、光源駆動部75が複数の発光素子30の各々に所定の駆動電流を供給する構成の他、フレキシブル基板40において発光素子30を並列に電気的接続しておき、複数の発光素子30の各々に供給される電流値を抵抗によって制限する構成を採用してもよい。
【0037】
本形態では、以下に説明するように、第1光強度分布L2Xaおよび第2光強度分布L2Xbを利用して、対象物体Obの位置を検出する。
【0038】
まず、第1光源部20Aによって、第1光強度分布L2Xaを形成した際、検出光L2の照射方向(角度方向)と、検出光L2の強度とは、図5(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部20Aによって、第2光強度分布L2Xbを形成した際、検出光L2の照射方向(角度方向)と、検出光L2の強度とは、図5(a)に線E2で示す直線関係にある。
【0039】
ここで、図5(b)および図6に示すように、第1光源部20Aの中心PEからみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。このような場合、第1光強度分布L2Xaを形成した第1期間では、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布L2Xbを形成した第2期間では、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布L2Xaを形成した際の受光部60での検出強度と、第2光強度分布L2Xbを形成した際の受光部60での検出強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、第1光源部20Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0040】
かかる動作を第2光源部20Bにおいても行い、対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2)を求めれば、第1光源部20Aおよび第2光源部20Bの中心PEを基準に対象物体Obの位置を特定することができる。また、第1光源部20Aの中心PEと第2光源部20Bの中心PEとの距離DSが固定であるので、図1に示す位置検出部70は、対象物体ObのX座標およびY座標を算出することができる。このようにして、受光部60での検出結果に基づいて対象物体Obの検出対象空間10R内の位置情報を取得するにあたって、例えば、位置検出部70としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、位置検出部70については論理回路等のハードウェアを用いた構成を採用することもできる。
【0041】
なお、光源部20(第1光源部20Aおよび第2光源部20B)において、第1発光素子31によって第1光強度分布L2Xaを形成した際の受光部60での検出強度と、第2発光素子32によって第2光強度分布L2Xbを形成した際の受光部60での検出強度とが等しくなるように、第1発光素子31および第2発光素子32を駆動した際の駆動電流や、駆動電流を調整した際の駆動電流の比や差等から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1、θ2)を求めてもよい。また、図1に示す参照用光源12Rを設けた場合、第1光強度分布L2Xaを形成した際の受光部60での検出強度と、参照用光源12Rから出射された参照光Lrの受光部60での検出強度との比較結果や、第2光強度分布L2Xbを形成した際の受光部60での検出強度と、参照用光源12Rから出射された参照光Lrの受光部60での検出強度との比較結果を用いて、対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1、θ2)を求めてもよい。
【0042】
(フレキシブル基板40の位置決め)
本形態の光学式位置検出装置10では、上記の方式で対象物体Obの位置を検出するため、発光素子30の位置や向きに高い精度が求められる。そこで、本形態では、第1基板支持部材51において、凸曲面515の周方向の両端部に形成された切り欠き511a、511bを利用して第1フレキシブル基板41を配置し、第2基板支持部材52において、凸曲面525の周方向の両端部に形成された切り欠き521a、521bを利用して第2フレキシブル基板42を配置する。
【0043】
より具体的には、第1基板支持部材51の凸曲面515に第1フレキシブル基板41を配置する際、図4(a)に示すように、第1基板支持部材51の凸曲面515の端部と切り欠き511aとの境界部分に第1フレキシブル基板41の一方側端部41eを位置合わせした後、第1フレキシブル基板41を凸曲面515に重ね、第1フレキシブル基板41と凸曲面515とを接着剤等で固定する。この状態で、第1フレキシブル基板41の他方側端部41hは鍔部516に当接しており、第1フレキシブル基板41は、幅方向において精度よく位置決めされている。ここで、第1フレキシブル基板41の長さ寸法が、凸曲面515の長さ寸法に比して大きすぎる場合、第1フレキシブル基板41の他方側端部41fを折り曲げて切り欠き511bに差し込む。このため、第1フレキシブル基板41の一方側端部41eおよび他方側端部41fを凸曲面515に位置合わせする場合と違って、第1フレキシブル基板41が部分的に凸曲面515から浮く等の不具合が発生しない。
【0044】
また、図4(b)に示すように、第2基板支持部材52の凸曲面525の端部と切り欠き521aとの境界部分に第2フレキシブル基板42の一方側端部42eを位置合わせした後、第2フレキシブル基板42を凸曲面525に重ね、第2フレキシブル基板42と凸曲面525とを接着剤等で固定する。この状態で、第2フレキシブル基板42の他方側端部42hは鍔部526に当接しており、第2フレキシブル基板42は、幅方向において精度よく位置決めされている。ここで、第2フレキシブル基板42の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、第2フレキシブル基板42の他方側端部42fを折り曲げて切り欠き521bに差し込む。このため、第2フレキシブル基板42の一方側端部42eおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、第2フレキシブル基板42が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。
【0045】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、帯状のフレキシブル基板40に複数の発光素子30が実装されており、複数の発光素子30は各々、検出光L2を出射する。従って、検出光L2の出射空間に位置する対象物体Obで反射した検出光L2を受光部60で受光した結果に基づいて出射空間における対象物体Obの位置を検出することができる。ここで、フレキシブル基板40は、基板支持部材50の凸曲面55に重ねて配置されているため、フレキシブル基板40は、凸曲面55に沿って所定形状に湾曲している。従って、フレキシブル基板40が配置されている位置から広い角度範囲にわたって検出光L2を出射することができるので、広い領域での対象物体Obの位置検出が可能である。また、フレキシブル基板40を基板支持部材50の凸曲面55に沿って湾曲させればよいので、フレキシブル基板40を正確に湾曲させるのに多大な手間を必要とせず、かつ、フレキシブル基板40を湾曲した形状に保持するのも容易である。
【0046】
さらに、基板支持部材50には、フレキシブル基板40の端部(第1フレキシブル基板41の他方側端部41fおよび第2フレキシブル基板42の他方側端部42f)と重なる位置に切り欠き(第1基板支持部材51の切り欠き511bおよび第2基板支持部材52の切り欠き521b)が形成されている。このため、フレキシブル基板40の一方の端部(第1フレキシブル基板41の一方側端部41eおよび第2フレキシブル基板42の一方側端部42e)を位置合わせした際、他方の端部(第1フレキシブル基板41の他方側端部41fおよび第2フレキシブル基板42の他方側端部42f)を切り欠き511b、521bに差し込むことができる。このため、フレキシブル基板40の寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板40を基板支持部材50の凸曲面55に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板40が浮き上がることがない。従って、複数の発光素子30を各々、所定の方向で所定の方向に正確に向かせることができる。それ故、複数の発光素子30は各々、検出光L2を所定の方向に出射することができるので、対象物体Obの位置を精度よく検出することができる。
【0047】
特に本形態のように、複数の発光素子30の発光強度を相違させて出射強度を形成する方式の場合、複数の発光素子30の位置や向きに高い精度が必要となるが、本形態によれば、切り欠き511b、521bを利用してフレキシブル基板40の寸法ばらつきを吸収することができるので、フレキシブル基板40を適正に配置することができる。それ故、複数の発光素子30の位置や向きに高い精度を得ることができるので、対象物体Obの位置を精度よく検出することができる。
【0048】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の光源部20の説明図であり、図7(a)、(b)は、光源部20の斜視図および分解斜視図である。図8は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の光源部20をさらに細かく分解した分解斜視図である。図9は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において第2基板支持部材52に第2フレキシブル基板42を取り付けた様子を示す説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は、第2フレキシブル基板42を様々な状態に位置決めした様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0049】
図7および図8に示すように、本形態の光学式位置検出装置10に用いた光源部20も、実施の形態1と同様、光源部20は、複数の発光素子30と、複数の発光素子30が実装された帯状のフレキシブル基板40と、長さ方向で湾曲した形状をもって延在する凸曲面55を備えた基板支持部材50とを備えている。
【0050】
本形態において、フレキシブル基板40としては、帯状の第1フレキシブル基板41と、第1フレキシブル基板41に対して幅方向で並列する帯状の第2フレキシブル基板42とが用いられている。ここで、第1フレキシブル基板41は、長さ方向においてフレキシブル基板411とフレキシブル基板412とに2分割されており、フレキシブル基板411、412は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。かかるフレキシブル基板411、412には長さ方向に複数の第1発光素子31が実装されている。第2フレキシブル基板42も、第1フレキシブル基板41と同様に、長さ方向においてフレキシブル基板421とフレキシブル基板422とに2分割されており、フレキシブル基板421、422は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。かかるフレキシブル基板421、422には長さ方向に複数の第2発光素子32が実装されている。
【0051】
このようなフレキシブル基板40の構成に対応して、第1基板支持部材51では、凸曲面515の周方向の両端部に切り欠き511a、511bが形成されているとともに、凸曲面515の長さ方向の中央にも切り欠き511cが形成されている。また、第2基板支持部材52でも、第1基板支持部材51と同様に、凸曲面525の周方向の両端部に切り欠き521a、521bが形成されているとともに、凸曲面525の長さ方向の中央にも切り欠き521cが形成されている。従って、本形態では、図9を参照して以下に説明するように、切り欠き511a、511b、511cおよび切り欠き521a、521b、521cを利用して、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)および第2フレキシブル基板42(フレキシブル基板421、422)を長さ方向において適正に配置することができる。
【0052】
まず、図9(a)に示す形態では、第2基板支持部材52の凸曲面525に第2フレキシブル基板42を配置する際、フレキシブル基板421の一方側端部42eを凸曲面525の端部と切り欠き521aとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板421を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板421と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板421の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法(端部から切り欠き511cまでの寸法)に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421の他方側端部42aを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板421の一方側端部42eおよび他方側端部42aを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板421が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。また、フレキシブル基板422については、他方側端部42fを凸曲面525の端部と切り欠き521bとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板422を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板422と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板422の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法(端部から切り欠き511cまでの寸法)に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板422の一方側端部42bを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板422の一方側端部42bおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。従って、第2発光素子32を各々、所定の方向で所定の方向に正確に向かせることができる。なお、図示を省略するが、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)を凸曲面515に設ける場合も同様である。
【0053】
次に、図9(b)に示す形態では、第2基板支持部材52の凸曲面525に第2フレキシブル基板42を配置する際、フレキシブル基板421の一方側端部42eを凸曲面525の端部と切り欠き521aとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板421を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板421と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板421の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421の他方側端部42aを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板421の一方側端部42eおよび他方側端部42aを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板421が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。また、フレキシブル基板422については、一方側端部42bを凸曲面525の端部と切り欠き521cとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板422を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板422と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板422の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板422の他方側端部42fを折り曲げて切り欠き521bに差し込む。このため、フレキシブル基板422の一方側端部42bおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。なお、図示を省略するが、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)を凸曲面515に設ける場合も同様である。
【0054】
次に、図9(c)に示す形態では、第2基板支持部材52の凸曲面525に第2フレキシブル基板42を配置する際、フレキシブル基板421に実装されている発光素子30の位置を基準にフレキシブル基板421を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板421と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板421の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421の一方側端部42eを折り曲げて切り欠き521aに差し込むとともに、フレキシブル基板421の他方側端部42aを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板421の一方側端部42eおよび他方側端部42aを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板421が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。また、フレキシブル基板422については、フレキシブル基板422に実装されている発光素子30の位置を基準にフレキシブル基板422を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板422と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板422の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板422の一方側端部42bを折り曲げて切り欠き521cに差し込むとともに、フレキシブル基板422の他方側端部42fを折り曲げて切り欠き521bに差し込む。このため、フレキシブル基板422の一方側端部42bおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。なお、図示を省略するが、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)を凸曲面515に設ける場合も同様である。
【0055】
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の光源部20の説明図であり、図10(a)、(b)は、光源部20の斜視図および分解斜視図である。図11は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の光源部20の詳細構成を示す説明図であり、図11(a)、(b)は、光源部20をさらに細かく分解した分解斜視図、および要部の断面図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0056】
図10および図11に示すように、本形態の光学式位置検出装置10に用いた光源部20も、実施の形態1、2と同様、光源部20は、複数の発光素子30と、複数の発光素子30が実装された帯状のフレキシブル基板40と、長さ方向で湾曲した形状をもって延在する凸曲面55を備えた基板支持部材50とを備えている。本形態において、フレキシブル基板40としては、帯状の第1フレキシブル基板41と、第1フレキシブル基板41に対して幅方向で並列する帯状の第2フレキシブル基板42とが用いられている。ここで、第1フレキシブル基板41は、長さ方向においてフレキシブル基板411とフレキシブル基板412とに2分割されており、フレキシブル基板411、412は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。また、フレキシブル基板411、412には長さ方向に複数の第1発光素子31が実装されている。第2フレキシブル基板42も、第1フレキシブル基板41と同様に、長さ方向においてフレキシブル基板421とフレキシブル基板422とに2分割されており、フレキシブル基板421、422は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。また、フレキシブル基板421、422には長さ方向に複数の第2発光素子32が実装されている。
【0057】
かかる構成に対応して、第1基板支持部材51では、凸曲面515の周方向の両端部に切り欠き511a、511bが形成されているとともに、凸曲面515の長さ方向の中央にも切り欠き511cが形成されている。また、第2基板支持部材52でも、第1基板支持部材51と同様に、凸曲面525の周方向の両端部に切り欠き521a、521bが形成されているとともに、凸曲面525の長さ方向の中央にも切り欠き521cが形成されている。従って、本形態では、実施の形態2において図9を参照して説明したように、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)および第2フレキシブル基板42(フレキシブル基板421、422)の長さ方向の寸法ばらつきを吸収することができる。
【0058】
また、本形態では、第1基板支持部材51において、第1フレキシブル基板41の幅方向の一方側端部41gと重なる位置に切り欠き511dが形成されており、第2基板支持部材52において、第2フレキシブル基板42の幅方向の一方側端部42gと重なる位置に切り欠き521dが形成されている。このため、第1基板支持部材51と第2基板支持部材52とを重ねると、凸曲面515と凸曲面525との間には、切り欠き521d、521dによってスリット状の凹部が形成される。
【0059】
従って、本形態では、実施の形態2において図9を参照して説明したように、切り欠き511a、511b、511c、切り欠き521a、521b、521cを利用して、第1フレキシブル基板41および第2フレキシブル基板42を長さ方向において適正に配置することができるとともに、以下に説明するように、切り欠き511d、521dを利用して、第1フレキシブル基板41および第2フレキシブル基板42を幅方向において適正に配置することができる。すなわち、第1フレキシブル基板41において、フレキシブル基板421、421の幅方向の他方側端部42hを鍔部526に当接させてフレキシブル基板421、422の幅方向で位置決めした際、フレキシブル基板421、422の幅寸法が、凸曲面525の幅寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421、422の一方側端部42gを折り曲げて切り欠き521dに差し込む。従って、本形態では、第2フレキシブル基板42に幅方向の寸法ばらつきがあっても、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。それ故、第2発光素子32を各々、所定の方向で所定の方向に正確に向かせることができる。説明を省略するが、第2フレキシブル基板42でも同様である。
【0060】
なお、本形態では、実施の形態2で説明した構成に切り欠き511d、521dを追加したが、実施の形態1で説明した構成に切り欠き511d、521dを追加してもよい。
【0061】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、フレキシブル基板40が2枚、並列に配置された構成であったが、1枚のフレキシブル基板40に発光素子30が2列に配置された場合に本発明を適用してもよい。また、上記実施の形態では、第1期間において第1発光素子31が点灯し、第2期間において第2発光素子32が点灯する構成であったが、第1期間および第2期間においても共通の発光素子30が点灯する構成であってもよく、この場合、第1期間および第2期間において発光素子30に供給する駆動電流を変化させれば、第1光強度分布L2Xaおよび第2光強度分布L2Xbを形成することは可能である。
【0062】
[位置検出機能付き機器の構成]
図1〜図11を参照して説明した光学式位置検出装置10は、位置検出機能付き機器等を構成するのに用いることができ、視認面構成部材の視認面に沿って検出光L2を出射すれば、視認面側に位置する対象物体Obの位置を検出することができる。かかる位置検出機能付き機器としては、図12を参照して説明する位置検出機能付きスクリーン装置、図13を参照して説明する位置検出機能付き投射型表示装置、さらには、位置検出機能付きデジタルサイネージ、位置検出機能付きアミューズメント機器等を挙げることができる。
【0063】
(位置検出機能付き機器の構成例1)
図12を参照して、位置検出機能付き機器として位置検出機能付きスクリーン装置を構成した例を説明する。図12は、本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図12(a)、(b)は、位置検出機能付きスクリーン装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付きスクリーン装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図11を参照して説明した構成と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0064】
図12(a)、(b)に示す位置検出機能付きスクリーン装置8(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)から画像が投射されるスクリーン80(視認面構成部材)と、図1〜図11を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えている。画像投射装置250は、筐体240の前面部241に設けられた投射レンズ系210からスクリーン装置8に向けて画像表示光Piを拡大投射する。従って、位置検出機能付きスクリーン装置8では、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面が構成されている。ここで、光学式位置検出装置10は、スクリーン80(視認面構成部材)のスクリーン面8a(視認面)の側方に配置されており、スクリーン面8aに沿って検出光L2を出射する。
【0065】
このように構成した位置検出機能付きスクリーン装置8において、検出対象空間10Rは、スクリーン80に対する法線方向からみたとき、画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域200R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置200では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0066】
なお、本形態では、位置検出機能付きスクリーン装置8として、画像投射装置250から画像が投射される投射型表示装置用のスクリーン装置を説明したが、電子黒板用のスクリーンに光学式位置検出装置10を設けて電子黒板用の位置検出機能付きスクリーン装置を構成してもよい。
【0067】
(位置検出機能付き機器の構成例2)
図13を参照して、位置検出機能付き機器として位置検出機能付き投射型表示装置を構成した例を説明する。図13は、本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図13(a)、(b)は、位置検出機能付き投射型表示装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図11を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0068】
図13(a)、(b)に示す位置検出機能付き投射型表示装置200(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)と、図1〜図11を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えている。画像投射装置250は、筐体240の前面部201に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。かかる位置検出機能付き投射型表示装置200では、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面が構成されている。
【0069】
かかる位置検出機能付き投射型表示装置200において、光学式位置検出装置10は、スクリーン80のスクリーン面8a(視認面)側に配置された画像投射装置250に搭載されている。このため、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250からスクリーン80(視認面構成部材)のスクリーン面8a(視認面)に沿って検出光L2を出射する。また、光学式位置検出装置10は、対象物体Obで反射してきた検出光L3を画像投射装置250において検出する。
【0070】
このように構成した位置検出機能付きスクリーン装置8において、検出対象空間10Rは、スクリーン80に対する法線方向からみたとき、画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域200R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置200では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・位置検出機能付き機器、8・・スクリーン装置(位置検出機能付き機器)、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間(検出光出射空間)、20・・光源部、20A・・第1光源部、20B・・第2光源部、30・・発光素子、31・・第1発光素子、32・・第2発光素子、40・・フレキシブル基板、41・・第1フレキシブル基板、42・・第2フレキシブル基板、50・・基板支持部材、51・・第1基板支持部材、52・・第2基板支持部材、55、515、525・・凸曲面、60・・受光部、70・・位置検出部、200・・位置検出機能付き投射型表示装置、511a、511b、511c、511d、521a、521b、521c、521d・・切り欠き、516、526・・鍔部、Ob・・対象物体
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置、および該光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
対象物体を光学的に検出する光学式位置検出装置としては、例えば、複数の検出用光源の各々から透光部材を介して対象物体に向けて検出光を出射し、対象物体で反射した検出光が透光部材を透過して受光部で検出されるものが提案されている。このような構成の光学式位置検出装置では、受光部での検出光の検出結果に基づいて対象物体の位置を検出する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、光学式位置検出装置に導光板を設け、複数の検出用光源の各々から出射された検出光を、導光板を介して対象物体に向けて出射し、対象物体で反射した検出光を受光部で検出する方式も提案されている(特許文献2、3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−534554号公報
【特許文献2】特開2010−127671号公報
【特許文献3】特開2009−295318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜3に記載の光学式位置検出装置では、対象物体の位置を検出可能な範囲が狭いため、投射型表示装置のスクリーン面、電子黒板のスクリーン面、デジタルサイネージ等、広い領域での対象物体の位置を検出するには解決すべき課題が多い。
【0006】
ここに、本発明者は、複数の発光素子が実装された帯状のフレキシブル基板を湾曲させて発光素子を互いに異なる角度方向に向かせ、かかる発光素子から出射された検出光を用いて対象物体の位置を検出する方式を提案するものである。かかる構成によれば、フレキシブル基板が配置されている位置から広い角度範囲にわたって検出光を出射することができるので、広い領域での対象物体の位置検出が可能である。
【0007】
しかしながら、この方式の場合、発光素子が所定の方向に向くように帯状のフレキシブル基板を正確に湾曲させるには多大な手間がかかるとともに、この状態のまま固定するのが困難である。そこで、凸曲面を備えた基板支持部材を準備し、基板支持部材の凸曲面にフレキシブル基板を重ねて配置する構成を検討しているが、フレキシブル基板の寸法にばらつきがあってフレキシブル基板の位置がばらつくと、発光素子の位置がばらつき、対象物体の位置を精度よく検出できなくなるという問題点がある。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、湾曲したフレキシブル基板に実装された複数の発光素子から出射された検出光を利用して対象物体の位置を検出する方式を採用するにあたって、発光素子を所定の位置に設けることのできる光学式位置検出装置、およびかかる光学式位置検出装置を備えた位置検出機能付き機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、検出光を出射する光源部と、前記検出光の出射空間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する受光部と、前記受光部での受光結果に基づいて前記出射空間における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、を有し、前記光源部は、複数の発光素子と、該複数の発光素子が実装された帯状のフレキシブル基板と、長さ方向で湾曲した凸曲面を有し、当該凸曲面に前記フレキシブル基板が重ねて配置された基板支持部材と、を備え、当該基板支持部材には、前記フレキシブル基板の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の端部が差し込まれた切り欠きが設けられていることを特徴とする。
【0010】
本発明では、帯状のフレキシブル基板に複数の発光素子が実装されており、複数の発光素子は各々、検出光を出射する。従って、検出光の出射空間に位置する対象物体で反射した検出光を受光部で受光した結果に基づいて出射空間における対象物体の位置を検出することができる。ここで、フレキシブル基板は、基板支持部材の凸曲面に重ねて配置されているため、フレキシブル基板は、凸曲面に沿って所定形状に湾曲している。従って、フレキシブル基板が配置されている位置から広い角度範囲にわたって検出光を出射することができるので、広い領域での対象物体の位置検出が可能である。また、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に沿って湾曲させればよいので、フレキシブル基板を正確に湾曲させるのに多大な手間を必要とせず、かつ、フレキシブル基板を湾曲した形状に保持するのも容易である。さらに、基板支持部材には、フレキシブル基板の端部と重なる位置に切り欠きが形成されているため、フレキシブル基板の一方の端部を位置合わせした際、他方の端部を切り欠きに差し込むことができる。このため、フレキシブル基板の寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板が浮き上がることがない。従って、複数の発光素子を各々、所定の方向に正確に向かせることができる。それ故、複数の発光素子は各々、検出光を所定の方向に出射することができるので、対象物体の位置を精度よく検出することができる。
【0011】
本発明において、前記光源部から前記検出光が出射される際、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が単調変化している構成を採用することができる。かかる構成によれば、検出光の出射空間に光強度分布を形成することができるので、かかる強度分布を利用して、対象物体の位置を検出することができる。かかる方式の場合でも、本発明では、複数の発光素子が各々、所定の方向に正確に向いているので、検出光の出射空間に所定の光強度分布を形成することができる。それ故、対象物体の位置を精度よく検出することができる。
【0012】
本発明において、前記フレキシブル基板として、帯状の第1フレキシブル基板と、該第1フレキシブル基板の幅方向で前記第1フレキシブル基板に並列する帯状の第2フレキシブル基板と、を有し、前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子と、前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子とは、互いに異なるタイミングで点灯し、前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が増大し、前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が減少している構成を採用することができる。かかる構成によれば、第1フレキシブル基板に実装されている複数の発光素子が形成する第1光強度分布と、第2フレキシブル基板に実装されている複数の発光素子が形成する第2光強度分布とでは、検出光の強度が逆方向に変化する。従って、第1光強度分布を形成した際の受光部での受光結果、および第2光強度分布を形成した際の受光部での受光結果に基づいて、対象物体の位置を検出することができる。かかる方式の場合でも、本発明では、複数の発光素子が各々、所定の方向に正確に向いているので、検出光の出射空間に所定の光強度分布を形成することができる。それ故、対象物体の位置を精度よく検出することができる。
【0013】
本発明において、前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の長さ方向の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該実装基板の長さ方向の端部が差し込まれていることが好ましい。かかる構成によれば、フレキシブル基板の長さ寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板が浮き上がることがない。
【0014】
この場合、前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の端部に設けられている構成を採用することができる。
【0015】
また、前記フレキシブル基板は、複数枚が前記凸曲面の長さ方向で直列に配置されている構成の場合、前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の途中位置に設けられている構成を採用してもよい。
【0016】
本発明において、前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の幅方向の一方側端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の前記一方側端部が差し込まれている構成を採用してもよい。かかる構成によれば、フレキシブル基板の幅寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板を基板支持部材の凸曲面に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板が浮き上がることがない。
【0017】
この場合、前記基板支持部材には、前記凸曲面から突出して前記フレキシブル基板の幅方向の他方側端部が当接する鍔部が設けられていることが好ましい。かかる構成によれば、フレキシブル基板の幅方向の他方側端部と鍔部との当接によってフレキシブル基板を幅方向の所定位置に配置することができる。
【0018】
本発明を適用した光学式位置検出装置は、投射型表示装置のスクリーン面、電子黒板のスクリーン面、デジタルサイネージ、ショーウインドウ、アミューズメント機器等、各種の位置検出機能付き機器に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の光源部をさらに細かく分解した分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の光源部を上下に分解した様子を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置における位置検出原理を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置において対象物体の位置を特定する方法を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置の光源部をさらに細かく分解した分解斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置において第2基板支持部材にフレキシブル基板を取り付けた様子を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の光源部の説明図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置の光源部の詳細構成を示す説明図である。
【図12】本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【図13】本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、互いに交差する軸をX軸、Y軸とし、X軸およびY軸に交差する軸をZ軸として説明する。また、以下に参照する図面では、X軸方向の一方側をX1側とし、他方側をX2側とし、Y軸方向の一方側をY1側とし、他方側をY2側として示し、Z軸方向の一方側をZ1側とし、他方側をZ2側として示してある。
【0021】
[実施の形態1]
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置の全体構成を模式的に示す説明図である。
【0022】
図1において、本形態の光学式位置検出装置10は、検出対象空間10Rに位置する対象物体ObのX方向の位置(X座標)およびY方向の位置(Y座標)を検出する装置であり、検出光L2を出射する光源部20と、検出光L2の出射空間(検出対象空間10R)に位置する対象物体Obで反射した検出光L3を受光する受光部60とを有している。また、光学式位置検出装置10は、光源部20を駆動するための光源駆動部75と、受光部60での受光結果に基づいて検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置(X座標およびY座標)を検出する位置検出部70とを有している。
【0023】
本形態において、光源部20は、X軸方向の一方側X1に位置する第1光源部20Aと、X軸方向の他方側X2に位置する第2光源部20Bとからなり、第1光源部20Aと第2光源部20Bとは、Y軸方向およびZ軸方向で同一の位置にある。
【0024】
(光源部の詳細構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の光源部20の説明図であり、図2(a)、(b)は、光源部20の斜視図および分解斜視図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の光源部20をさらに細かく分解した分解斜視図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10の光源部20を上下に分解した様子を示す説明図であり、図4(a)、(b)は、光源部20の上半部の平面構成を示す説明図、および光源部20の下半部の平面構成を示す説明図である。なお、図4(a)では、鍔部で全体が覆われているが、鍔部について一点鎖線で示し、鍔部で覆われている部分も実線で示してある。
【0025】
図1に示す2つの光源部20(第1光源部20Aおよび第2光源部20B)は基本的な構成が同一であり、2つの光源部20(第1光源部20Aおよび第2光源部20B)はいずれも、複数の発光素子30と、複数の発光素子30が実装された帯状のフレキシブル基板40と、長さ方向(円周方向)で湾曲した形状をもって延在する凸曲面55を備えた基板支持部材50とを備えている。本形態において、凸曲面55は、その長さ方向(円周方向)で半円弧形状に湾曲した形状を有している。
【0026】
図1、図2、図3および図4に示すように、本形態においては、フレキシブル基板40として、帯状の第1フレキシブル基板41と、第1フレキシブル基板41に対して幅方向で並列する帯状の第2フレキシブル基板42とが用いられている。この状態で、第1フレキシブル基板41と第2フレキシブル基板42とは、幅方向の一方側端部41g、42gが互いに隣り合い、他方側端部41h、42hは互いに逆側に位置する。
【0027】
第1フレキシブル基板41には、その長さ方向に、複数の発光素子30としての第1発光素子31が複数、実装されており、第2フレキシブル基板42には、その長さ方向に、複数の発光素子30としての第2発光素子32が複数、実装されている。発光素子30(第1発光素子31および第2発光素子32)はいずれも、LED(発光ダイオード)等により構成され、本形態において、発光素子30はいずれも、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる検出光L2(検出光L2a、L2b)を発散光として放出する。本形態では、対象物体Obが指先等であることが多いことから、検出光L2として、対象物体Ob(人体)での反射率が高い波長域の赤外光(840〜920nm程度の近赤外光)が用いられている。
【0028】
基板支持部材50は、第1基板支持部材51と第2基板支持部材52とがZ軸方向で重ねられた構造になっており、第1基板支持部材51と第2基板支持部材52とはZ軸方向で互いに対称な構成を有している。第1基板支持部材51は、凸曲面55の上半部を構成する半円弧状の凸曲面515と、凸曲面515において第2基板支持部材52が位置する側とは反対側の端部で凸曲面515から突出する半円状の鍔部516とを備えており、凸曲面515に第1フレキシブル基板41が重ねて配置されている。本形態では、第1フレキシブル基板41の他方側端部41hが鍔部516に当接し、第1フレキシブル基板41の幅方向の位置が規定されている。第2基板支持部材52は、凸曲面55の下半部を構成する半円弧状の凸曲面525と、凸曲面525において第1基板支持部材51が位置する側とは反対側の端部で凸曲面525から突出する半円状の鍔部526とを備えており、凸曲面525に第2フレキシブル基板42が重ねて配置されている。本形態では、第2フレキシブル基板42の他方側端部42hが鍔部526に当接し、第2フレキシブル基板42の幅方向の位置が規定されている。なお、鍔部516、526には、角度方向を示す指標59が等角度間隔に形成されている。
【0029】
図4に示すように、第1基板支持部材51では、凸曲面515の周方向の両端部に切り欠き511a、511bが形成されており、その結果、凸曲面515が形成されている角度範囲は、鍔部516が形成されている角度範囲よりも狭くなっている。第2基板支持部材52でも、第1基板支持部材51と同様、凸曲面525の周方向の両端部には切り欠き521a、521bが形成されており、その結果、凸曲面525が形成されている角度範囲は、鍔部526が形成されている角度範囲よりも狭くなっている。かかる切り欠き511a、511b、521a、521bについては後述する。
【0030】
図1に示す受光部60は、検出対象空間10Rに受光面を向けたフォトダイオードやフォトトランジスター等からなり、本形態において、受光部60は赤外域の感度ピークを備えたフォトダイオードである。本形態において、受光部60は、X軸方向において第1光源部20Aと第2光源部20Bとの略中央位置に配置され、Y軸方向およびZ軸方向において第1光源部20Aおよび第2光源部20Bと略同一位置に配置されている。
【0031】
なお、光学式位置検出装置10は、受光部60に発光部を向けた参照用光源12Rを備えていることもある。かかる参照用光源12Rは、発光素子30と同様、LED(発光ダイオード)等の発光素子から構成され、参照用光源12Rは、ピーク波長が840〜1000nmに位置する赤外光からなる参照光Lrを発散光として放出する。但し、参照用光源12Rから出射される参照光Lrは、参照用光源12Rの向きや、参照用光源12Rに設けられる遮光カバー(図示せず)等によって、検出対象空間10Rに入射せずに受光部60に入射するようになっている。
【0032】
(位置検出方法)
図5は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10における位置検出原理を示す説明図であり、図5(a)、(b)は、光強度分布の説明図、および対象物体が存在する位置情報(方位情報)を取得する方法の説明図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る光学式位置検出装置10において対象物体Obの位置を特定する方法を示す説明図である。
【0033】
本形態の光学式位置検出装置10において、検出対象空間10Rにおける対象物体Obの位置を検出するには、光源部20から検出光L2が出射される。その際、図1に示す光源駆動部75は、フレキシブル基板40の一方端から他方端側に向かって出射強度が単調変化するように発光素子30を駆動する。また、第1フレキシブル基板41に実装されている複数の第1発光素子31と、第2フレキシブル基板42に実装されている複数の第2発光素子32とは異なるタイミングで点灯させ、かつ、第1フレキシブル基板41に実装されている複数の第1発光素子31と、第2フレキシブル基板42に実装されている複数の第2発光素子32とは、互いに逆方向に強度が単調変化する強度で検出光L2を出射する。
【0034】
より具体的には、複数の第1発光素子31が全て点灯し、第2発光素子32が全て消灯する第1期間では、図4(a)に出射強度の高低を矢印Paで示すように、第1フレキシブル基板41の長さ方向の一方側端部41eから他方側端部41fに向かって第1発光素子31の出射強度を増大させる。従って、第1期間において、光源部20から検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第1光強度分布L2Xaでは、第1フレキシブル基板41の長さ方向の一方側端部41eが位置する角度方向では光強度が低く、そこから、他方側端部41fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に高くなる。
【0035】
これに対して、複数の第2発光素子32が全て点灯し、第1発光素子31が全て消灯する第2期間では、図4(b)に出射強度の高低を矢印Pbで示すように、第2フレキシブル基板42の長さ方向の一方側端部42e(第1フレキシブル基板41の一方側端部41eが位置する側)から他方側端部42f(第1フレキシブル基板41の他方側端部41fが位置する側)に向かって第2発光素子32の出射強度が減少する。従って、第2期間において、光源部20から検出対象空間10Rに出射される検出光L2の第2光強度分布L2Xbでは、第2フレキシブル基板42の長さ方向の一方側端部42eが位置する角度方向では光強度が低く、そこから、他方側端部42fが位置する角度方向に向かって光強度が連続的に低くなる。
【0036】
かかる駆動を行うにあたっては、光源駆動部75が複数の発光素子30の各々に所定の駆動電流を供給する構成の他、フレキシブル基板40において発光素子30を並列に電気的接続しておき、複数の発光素子30の各々に供給される電流値を抵抗によって制限する構成を採用してもよい。
【0037】
本形態では、以下に説明するように、第1光強度分布L2Xaおよび第2光強度分布L2Xbを利用して、対象物体Obの位置を検出する。
【0038】
まず、第1光源部20Aによって、第1光強度分布L2Xaを形成した際、検出光L2の照射方向(角度方向)と、検出光L2の強度とは、図5(a)に線E1で示す直線関係にある。また、第1光源部20Aによって、第2光強度分布L2Xbを形成した際、検出光L2の照射方向(角度方向)と、検出光L2の強度とは、図5(a)に線E2で示す直線関係にある。
【0039】
ここで、図5(b)および図6に示すように、第1光源部20Aの中心PEからみて角度θの方向に対象物体Obが存在するとする。このような場合、第1光強度分布L2Xaを形成した第1期間では、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTaとなる。これに対して、第2光強度分布L2Xbを形成した第2期間では、対象物体Obが存在する位置での検出光L2の強度はINTbとなる。従って、第1光強度分布L2Xaを形成した際の受光部60での検出強度と、第2光強度分布L2Xbを形成した際の受光部60での検出強度とを比較して、強度INTa、INTbの関係を求めれば、第1光源部20Aの中心PEを基準に対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1)を求めることができる。
【0040】
かかる動作を第2光源部20Bにおいても行い、対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ2)を求めれば、第1光源部20Aおよび第2光源部20Bの中心PEを基準に対象物体Obの位置を特定することができる。また、第1光源部20Aの中心PEと第2光源部20Bの中心PEとの距離DSが固定であるので、図1に示す位置検出部70は、対象物体ObのX座標およびY座標を算出することができる。このようにして、受光部60での検出結果に基づいて対象物体Obの検出対象空間10R内の位置情報を取得するにあたって、例えば、位置検出部70としてマイクロプロセッサーユニット(MPU)を用い、これにより所定のソフトウェア(動作プログラム)を実行することに従って処理を行う構成を採用することができる。また、位置検出部70については論理回路等のハードウェアを用いた構成を採用することもできる。
【0041】
なお、光源部20(第1光源部20Aおよび第2光源部20B)において、第1発光素子31によって第1光強度分布L2Xaを形成した際の受光部60での検出強度と、第2発光素子32によって第2光強度分布L2Xbを形成した際の受光部60での検出強度とが等しくなるように、第1発光素子31および第2発光素子32を駆動した際の駆動電流や、駆動電流を調整した際の駆動電流の比や差等から対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1、θ2)を求めてもよい。また、図1に示す参照用光源12Rを設けた場合、第1光強度分布L2Xaを形成した際の受光部60での検出強度と、参照用光源12Rから出射された参照光Lrの受光部60での検出強度との比較結果や、第2光強度分布L2Xbを形成した際の受光部60での検出強度と、参照用光源12Rから出射された参照光Lrの受光部60での検出強度との比較結果を用いて、対象物体Obが位置する方向の角度θ(角度θ1、θ2)を求めてもよい。
【0042】
(フレキシブル基板40の位置決め)
本形態の光学式位置検出装置10では、上記の方式で対象物体Obの位置を検出するため、発光素子30の位置や向きに高い精度が求められる。そこで、本形態では、第1基板支持部材51において、凸曲面515の周方向の両端部に形成された切り欠き511a、511bを利用して第1フレキシブル基板41を配置し、第2基板支持部材52において、凸曲面525の周方向の両端部に形成された切り欠き521a、521bを利用して第2フレキシブル基板42を配置する。
【0043】
より具体的には、第1基板支持部材51の凸曲面515に第1フレキシブル基板41を配置する際、図4(a)に示すように、第1基板支持部材51の凸曲面515の端部と切り欠き511aとの境界部分に第1フレキシブル基板41の一方側端部41eを位置合わせした後、第1フレキシブル基板41を凸曲面515に重ね、第1フレキシブル基板41と凸曲面515とを接着剤等で固定する。この状態で、第1フレキシブル基板41の他方側端部41hは鍔部516に当接しており、第1フレキシブル基板41は、幅方向において精度よく位置決めされている。ここで、第1フレキシブル基板41の長さ寸法が、凸曲面515の長さ寸法に比して大きすぎる場合、第1フレキシブル基板41の他方側端部41fを折り曲げて切り欠き511bに差し込む。このため、第1フレキシブル基板41の一方側端部41eおよび他方側端部41fを凸曲面515に位置合わせする場合と違って、第1フレキシブル基板41が部分的に凸曲面515から浮く等の不具合が発生しない。
【0044】
また、図4(b)に示すように、第2基板支持部材52の凸曲面525の端部と切り欠き521aとの境界部分に第2フレキシブル基板42の一方側端部42eを位置合わせした後、第2フレキシブル基板42を凸曲面525に重ね、第2フレキシブル基板42と凸曲面525とを接着剤等で固定する。この状態で、第2フレキシブル基板42の他方側端部42hは鍔部526に当接しており、第2フレキシブル基板42は、幅方向において精度よく位置決めされている。ここで、第2フレキシブル基板42の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、第2フレキシブル基板42の他方側端部42fを折り曲げて切り欠き521bに差し込む。このため、第2フレキシブル基板42の一方側端部42eおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、第2フレキシブル基板42が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。
【0045】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の光学式位置検出装置10では、帯状のフレキシブル基板40に複数の発光素子30が実装されており、複数の発光素子30は各々、検出光L2を出射する。従って、検出光L2の出射空間に位置する対象物体Obで反射した検出光L2を受光部60で受光した結果に基づいて出射空間における対象物体Obの位置を検出することができる。ここで、フレキシブル基板40は、基板支持部材50の凸曲面55に重ねて配置されているため、フレキシブル基板40は、凸曲面55に沿って所定形状に湾曲している。従って、フレキシブル基板40が配置されている位置から広い角度範囲にわたって検出光L2を出射することができるので、広い領域での対象物体Obの位置検出が可能である。また、フレキシブル基板40を基板支持部材50の凸曲面55に沿って湾曲させればよいので、フレキシブル基板40を正確に湾曲させるのに多大な手間を必要とせず、かつ、フレキシブル基板40を湾曲した形状に保持するのも容易である。
【0046】
さらに、基板支持部材50には、フレキシブル基板40の端部(第1フレキシブル基板41の他方側端部41fおよび第2フレキシブル基板42の他方側端部42f)と重なる位置に切り欠き(第1基板支持部材51の切り欠き511bおよび第2基板支持部材52の切り欠き521b)が形成されている。このため、フレキシブル基板40の一方の端部(第1フレキシブル基板41の一方側端部41eおよび第2フレキシブル基板42の一方側端部42e)を位置合わせした際、他方の端部(第1フレキシブル基板41の他方側端部41fおよび第2フレキシブル基板42の他方側端部42f)を切り欠き511b、521bに差し込むことができる。このため、フレキシブル基板40の寸法が大きすぎた場合でも、フレキシブル基板40を基板支持部材50の凸曲面55に重ねた状態とすることができ、フレキシブル基板40が浮き上がることがない。従って、複数の発光素子30を各々、所定の方向で所定の方向に正確に向かせることができる。それ故、複数の発光素子30は各々、検出光L2を所定の方向に出射することができるので、対象物体Obの位置を精度よく検出することができる。
【0047】
特に本形態のように、複数の発光素子30の発光強度を相違させて出射強度を形成する方式の場合、複数の発光素子30の位置や向きに高い精度が必要となるが、本形態によれば、切り欠き511b、521bを利用してフレキシブル基板40の寸法ばらつきを吸収することができるので、フレキシブル基板40を適正に配置することができる。それ故、複数の発光素子30の位置や向きに高い精度を得ることができるので、対象物体Obの位置を精度よく検出することができる。
【0048】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の光源部20の説明図であり、図7(a)、(b)は、光源部20の斜視図および分解斜視図である。図8は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10の光源部20をさらに細かく分解した分解斜視図である。図9は、本発明の実施の形態2に係る光学式位置検出装置10において第2基板支持部材52に第2フレキシブル基板42を取り付けた様子を示す説明図であり、図9(a)、(b)、(c)は、第2フレキシブル基板42を様々な状態に位置決めした様子を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0049】
図7および図8に示すように、本形態の光学式位置検出装置10に用いた光源部20も、実施の形態1と同様、光源部20は、複数の発光素子30と、複数の発光素子30が実装された帯状のフレキシブル基板40と、長さ方向で湾曲した形状をもって延在する凸曲面55を備えた基板支持部材50とを備えている。
【0050】
本形態において、フレキシブル基板40としては、帯状の第1フレキシブル基板41と、第1フレキシブル基板41に対して幅方向で並列する帯状の第2フレキシブル基板42とが用いられている。ここで、第1フレキシブル基板41は、長さ方向においてフレキシブル基板411とフレキシブル基板412とに2分割されており、フレキシブル基板411、412は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。かかるフレキシブル基板411、412には長さ方向に複数の第1発光素子31が実装されている。第2フレキシブル基板42も、第1フレキシブル基板41と同様に、長さ方向においてフレキシブル基板421とフレキシブル基板422とに2分割されており、フレキシブル基板421、422は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。かかるフレキシブル基板421、422には長さ方向に複数の第2発光素子32が実装されている。
【0051】
このようなフレキシブル基板40の構成に対応して、第1基板支持部材51では、凸曲面515の周方向の両端部に切り欠き511a、511bが形成されているとともに、凸曲面515の長さ方向の中央にも切り欠き511cが形成されている。また、第2基板支持部材52でも、第1基板支持部材51と同様に、凸曲面525の周方向の両端部に切り欠き521a、521bが形成されているとともに、凸曲面525の長さ方向の中央にも切り欠き521cが形成されている。従って、本形態では、図9を参照して以下に説明するように、切り欠き511a、511b、511cおよび切り欠き521a、521b、521cを利用して、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)および第2フレキシブル基板42(フレキシブル基板421、422)を長さ方向において適正に配置することができる。
【0052】
まず、図9(a)に示す形態では、第2基板支持部材52の凸曲面525に第2フレキシブル基板42を配置する際、フレキシブル基板421の一方側端部42eを凸曲面525の端部と切り欠き521aとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板421を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板421と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板421の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法(端部から切り欠き511cまでの寸法)に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421の他方側端部42aを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板421の一方側端部42eおよび他方側端部42aを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板421が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。また、フレキシブル基板422については、他方側端部42fを凸曲面525の端部と切り欠き521bとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板422を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板422と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板422の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法(端部から切り欠き511cまでの寸法)に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板422の一方側端部42bを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板422の一方側端部42bおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。従って、第2発光素子32を各々、所定の方向で所定の方向に正確に向かせることができる。なお、図示を省略するが、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)を凸曲面515に設ける場合も同様である。
【0053】
次に、図9(b)に示す形態では、第2基板支持部材52の凸曲面525に第2フレキシブル基板42を配置する際、フレキシブル基板421の一方側端部42eを凸曲面525の端部と切り欠き521aとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板421を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板421と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板421の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421の他方側端部42aを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板421の一方側端部42eおよび他方側端部42aを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板421が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。また、フレキシブル基板422については、一方側端部42bを凸曲面525の端部と切り欠き521cとの境界部分に位置合わせした後、フレキシブル基板422を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板422と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板422の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板422の他方側端部42fを折り曲げて切り欠き521bに差し込む。このため、フレキシブル基板422の一方側端部42bおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。なお、図示を省略するが、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)を凸曲面515に設ける場合も同様である。
【0054】
次に、図9(c)に示す形態では、第2基板支持部材52の凸曲面525に第2フレキシブル基板42を配置する際、フレキシブル基板421に実装されている発光素子30の位置を基準にフレキシブル基板421を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板421と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板421の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421の一方側端部42eを折り曲げて切り欠き521aに差し込むとともに、フレキシブル基板421の他方側端部42aを折り曲げて切り欠き521cに差し込む。このため、フレキシブル基板421の一方側端部42eおよび他方側端部42aを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板421が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。また、フレキシブル基板422については、フレキシブル基板422に実装されている発光素子30の位置を基準にフレキシブル基板422を凸曲面525に重ね、フレキシブル基板422と凸曲面525とを接着剤等で固定する。その際、フレキシブル基板422の長さ寸法が、凸曲面525の長さ寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板422の一方側端部42bを折り曲げて切り欠き521cに差し込むとともに、フレキシブル基板422の他方側端部42fを折り曲げて切り欠き521bに差し込む。このため、フレキシブル基板422の一方側端部42bおよび他方側端部42fを凸曲面525に位置合わせする場合と違って、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。なお、図示を省略するが、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)を凸曲面515に設ける場合も同様である。
【0055】
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の光源部20の説明図であり、図10(a)、(b)は、光源部20の斜視図および分解斜視図である。図11は、本発明の実施の形態3に係る光学式位置検出装置10の光源部20の詳細構成を示す説明図であり、図11(a)、(b)は、光源部20をさらに細かく分解した分解斜視図、および要部の断面図である。なお、本形態の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0056】
図10および図11に示すように、本形態の光学式位置検出装置10に用いた光源部20も、実施の形態1、2と同様、光源部20は、複数の発光素子30と、複数の発光素子30が実装された帯状のフレキシブル基板40と、長さ方向で湾曲した形状をもって延在する凸曲面55を備えた基板支持部材50とを備えている。本形態において、フレキシブル基板40としては、帯状の第1フレキシブル基板41と、第1フレキシブル基板41に対して幅方向で並列する帯状の第2フレキシブル基板42とが用いられている。ここで、第1フレキシブル基板41は、長さ方向においてフレキシブル基板411とフレキシブル基板412とに2分割されており、フレキシブル基板411、412は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。また、フレキシブル基板411、412には長さ方向に複数の第1発光素子31が実装されている。第2フレキシブル基板42も、第1フレキシブル基板41と同様に、長さ方向においてフレキシブル基板421とフレキシブル基板422とに2分割されており、フレキシブル基板421、422は長さ方向に直列(縦列)に配置されている。また、フレキシブル基板421、422には長さ方向に複数の第2発光素子32が実装されている。
【0057】
かかる構成に対応して、第1基板支持部材51では、凸曲面515の周方向の両端部に切り欠き511a、511bが形成されているとともに、凸曲面515の長さ方向の中央にも切り欠き511cが形成されている。また、第2基板支持部材52でも、第1基板支持部材51と同様に、凸曲面525の周方向の両端部に切り欠き521a、521bが形成されているとともに、凸曲面525の長さ方向の中央にも切り欠き521cが形成されている。従って、本形態では、実施の形態2において図9を参照して説明したように、第1フレキシブル基板41(フレキシブル基板411、412)および第2フレキシブル基板42(フレキシブル基板421、422)の長さ方向の寸法ばらつきを吸収することができる。
【0058】
また、本形態では、第1基板支持部材51において、第1フレキシブル基板41の幅方向の一方側端部41gと重なる位置に切り欠き511dが形成されており、第2基板支持部材52において、第2フレキシブル基板42の幅方向の一方側端部42gと重なる位置に切り欠き521dが形成されている。このため、第1基板支持部材51と第2基板支持部材52とを重ねると、凸曲面515と凸曲面525との間には、切り欠き521d、521dによってスリット状の凹部が形成される。
【0059】
従って、本形態では、実施の形態2において図9を参照して説明したように、切り欠き511a、511b、511c、切り欠き521a、521b、521cを利用して、第1フレキシブル基板41および第2フレキシブル基板42を長さ方向において適正に配置することができるとともに、以下に説明するように、切り欠き511d、521dを利用して、第1フレキシブル基板41および第2フレキシブル基板42を幅方向において適正に配置することができる。すなわち、第1フレキシブル基板41において、フレキシブル基板421、421の幅方向の他方側端部42hを鍔部526に当接させてフレキシブル基板421、422の幅方向で位置決めした際、フレキシブル基板421、422の幅寸法が、凸曲面525の幅寸法に比して大きすぎる場合、フレキシブル基板421、422の一方側端部42gを折り曲げて切り欠き521dに差し込む。従って、本形態では、第2フレキシブル基板42に幅方向の寸法ばらつきがあっても、フレキシブル基板422が部分的に凸曲面525から浮く等の不具合が発生しない。それ故、第2発光素子32を各々、所定の方向で所定の方向に正確に向かせることができる。説明を省略するが、第2フレキシブル基板42でも同様である。
【0060】
なお、本形態では、実施の形態2で説明した構成に切り欠き511d、521dを追加したが、実施の形態1で説明した構成に切り欠き511d、521dを追加してもよい。
【0061】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、フレキシブル基板40が2枚、並列に配置された構成であったが、1枚のフレキシブル基板40に発光素子30が2列に配置された場合に本発明を適用してもよい。また、上記実施の形態では、第1期間において第1発光素子31が点灯し、第2期間において第2発光素子32が点灯する構成であったが、第1期間および第2期間においても共通の発光素子30が点灯する構成であってもよく、この場合、第1期間および第2期間において発光素子30に供給する駆動電流を変化させれば、第1光強度分布L2Xaおよび第2光強度分布L2Xbを形成することは可能である。
【0062】
[位置検出機能付き機器の構成]
図1〜図11を参照して説明した光学式位置検出装置10は、位置検出機能付き機器等を構成するのに用いることができ、視認面構成部材の視認面に沿って検出光L2を出射すれば、視認面側に位置する対象物体Obの位置を検出することができる。かかる位置検出機能付き機器としては、図12を参照して説明する位置検出機能付きスクリーン装置、図13を参照して説明する位置検出機能付き投射型表示装置、さらには、位置検出機能付きデジタルサイネージ、位置検出機能付きアミューズメント機器等を挙げることができる。
【0063】
(位置検出機能付き機器の構成例1)
図12を参照して、位置検出機能付き機器として位置検出機能付きスクリーン装置を構成した例を説明する。図12は、本発明を適用した位置検出機能付きスクリーン装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図12(a)、(b)は、位置検出機能付きスクリーン装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付きスクリーン装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図11を参照して説明した構成と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0064】
図12(a)、(b)に示す位置検出機能付きスクリーン装置8(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)から画像が投射されるスクリーン80(視認面構成部材)と、図1〜図11を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えている。画像投射装置250は、筐体240の前面部241に設けられた投射レンズ系210からスクリーン装置8に向けて画像表示光Piを拡大投射する。従って、位置検出機能付きスクリーン装置8では、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面が構成されている。ここで、光学式位置検出装置10は、スクリーン80(視認面構成部材)のスクリーン面8a(視認面)の側方に配置されており、スクリーン面8aに沿って検出光L2を出射する。
【0065】
このように構成した位置検出機能付きスクリーン装置8において、検出対象空間10Rは、スクリーン80に対する法線方向からみたとき、画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域200R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置200では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【0066】
なお、本形態では、位置検出機能付きスクリーン装置8として、画像投射装置250から画像が投射される投射型表示装置用のスクリーン装置を説明したが、電子黒板用のスクリーンに光学式位置検出装置10を設けて電子黒板用の位置検出機能付きスクリーン装置を構成してもよい。
【0067】
(位置検出機能付き機器の構成例2)
図13を参照して、位置検出機能付き機器として位置検出機能付き投射型表示装置を構成した例を説明する。図13は、本発明を適用した位置検出機能付き投射型表示装置(位置検出機能付き機器)の説明図であり、図13(a)、(b)は、位置検出機能付き投射型表示装置を斜め上からみた様子を模式的に示す説明図、および横方向からみた様子を模式的に示す説明図である。なお、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置において、光学式位置検出装置10の構成は、図1〜図11を参照して説明した構成と同様であるため、共通する部分については同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0068】
図13(a)、(b)に示す位置検出機能付き投射型表示装置200(位置検出機能付き機器1)は、液晶プロジェクターあるいはデジタル・マイクロミラー・デバイスと称せられる画像投射装置250(画像生成装置)と、図1〜図11を参照して説明した光学式位置検出装置10とを備えている。画像投射装置250は、筐体240の前面部201に設けられた投射レンズ系210からスクリーン80に向けて画像表示光Piを拡大投射する。かかる位置検出機能付き投射型表示装置200では、スクリーン80において画像が投射されるスクリーン面8aによって、情報が視認される視認面が構成されている。
【0069】
かかる位置検出機能付き投射型表示装置200において、光学式位置検出装置10は、スクリーン80のスクリーン面8a(視認面)側に配置された画像投射装置250に搭載されている。このため、光学式位置検出装置10は、画像投射装置250からスクリーン80(視認面構成部材)のスクリーン面8a(視認面)に沿って検出光L2を出射する。また、光学式位置検出装置10は、対象物体Obで反射してきた検出光L3を画像投射装置250において検出する。
【0070】
このように構成した位置検出機能付きスクリーン装置8において、検出対象空間10Rは、スクリーン80に対する法線方向からみたとき、画像投射装置250によって画像が投射される領域(画像表示領域200R)と重なっている。このため、本形態の位置検出機能付き投射型表示装置200では、例えば、スクリーン80に投射された画像の一部に指先等の対象物体Obを接近させれば、かかる対象物体Obの位置を画像の切り換え指示等といった入力情報として利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・位置検出機能付き機器、8・・スクリーン装置(位置検出機能付き機器)、10・・光学式位置検出装置、10R・・検出対象空間(検出光出射空間)、20・・光源部、20A・・第1光源部、20B・・第2光源部、30・・発光素子、31・・第1発光素子、32・・第2発光素子、40・・フレキシブル基板、41・・第1フレキシブル基板、42・・第2フレキシブル基板、50・・基板支持部材、51・・第1基板支持部材、52・・第2基板支持部材、55、515、525・・凸曲面、60・・受光部、70・・位置検出部、200・・位置検出機能付き投射型表示装置、511a、511b、511c、511d、521a、521b、521c、521d・・切り欠き、516、526・・鍔部、Ob・・対象物体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、
検出光を出射する光源部と、
前記検出光の出射空間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する受光部と、
前記受光部での受光結果に基づいて前記出射空間における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記光源部は、複数の発光素子と、該複数の発光素子が実装された帯状のフレキシブル基板と、長さ方向で湾曲した凸曲面を有し、当該凸曲面に前記フレキシブル基板が重ねて配置された基板支持部材と、を備え、
当該基板支持部材には、前記フレキシブル基板の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の端部が差し込まれた切り欠きが設けられていることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記光源部から前記検出光が出射される際、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が単調変化していることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記フレキシブル基板として、帯状の第1フレキシブル基板と、該第1フレキシブル基板の幅方向で前記第1フレキシブル基板に並列する帯状の第2フレキシブル基板と、を有し、
前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子と、前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子とは、互いに異なるタイミングで点灯し、
前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が増大し、
前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が減少していることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の長さ方向の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該実装基板の長さ方向の端部が差し込まれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の端部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記フレキシブル基板は、複数枚が前記凸曲面の長さ方向で直列に配置されており、
前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の途中位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の幅方向の一方側端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の前記一方側端部が差し込まれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記基板支持部材には、前記凸曲面から突出して前記フレキシブル基板の幅方向の他方側端部が当接する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えていることを特徴とする位置検出機能付き機器。
【請求項1】
対象物体の位置を光学的に検出する光学式位置検出装置であって、
検出光を出射する光源部と、
前記検出光の出射空間に位置する前記対象物体で反射した前記検出光を受光する受光部と、
前記受光部での受光結果に基づいて前記出射空間における前記対象物体の位置を検出する位置検出部と、
を有し、
前記光源部は、複数の発光素子と、該複数の発光素子が実装された帯状のフレキシブル基板と、長さ方向で湾曲した凸曲面を有し、当該凸曲面に前記フレキシブル基板が重ねて配置された基板支持部材と、を備え、
当該基板支持部材には、前記フレキシブル基板の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の端部が差し込まれた切り欠きが設けられていることを特徴とする光学式位置検出装置。
【請求項2】
前記光源部から前記検出光が出射される際、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が単調変化していることを特徴とする請求項1に記載の光学式位置検出装置。
【請求項3】
前記フレキシブル基板として、帯状の第1フレキシブル基板と、該第1フレキシブル基板の幅方向で前記第1フレキシブル基板に並列する帯状の第2フレキシブル基板と、を有し、
前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子と、前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子とは、互いに異なるタイミングで点灯し、
前記第1フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が増大し、
前記第2フレキシブル基板に実装されている前記複数の発光素子では、前記凸曲面の長さ方向の一方端から他方端側に向かって出射強度が減少していることを特徴とする請求項2に記載の光学式位置検出装置。
【請求項4】
前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の長さ方向の端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該実装基板の長さ方向の端部が差し込まれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項5】
前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の端部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光学式位置検出装置。
【請求項6】
前記フレキシブル基板は、複数枚が前記凸曲面の長さ方向で直列に配置されており、
前記切り欠きは、前記凸曲面の長さ方向の途中位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学式位置検出装置。
【請求項7】
前記切り欠きは、前記フレキシブル基板の幅方向の一方側端部と重なる位置で前記凸曲面から凹んで当該フレキシブル基板の前記一方側端部が差し込まれていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項8】
前記基板支持部材には、前記凸曲面から突出して前記フレキシブル基板の幅方向の他方側端部が当接する鍔部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学式位置検出装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学式位置検出装置を備えていることを特徴とする位置検出機能付き機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−108020(P2012−108020A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257565(P2010−257565)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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