説明

光学測定方法および装置

【課題】加工部片の寸法測定を容易にかつ小作業域で、できるようにする。
【解決手段】測定する部片を主軸台57と心押し台60との間に維持するため、固定された主軸台57と、固定された主軸台に対向し、主軸台57に近付くか、離れて移動するために線形軸に沿って移動可能である、移動可能な心押し台60とが取り付けられた基準支持40と、測定下の部片によって遮られるコリメート光のビームをx軸にわたって誘導するための光源110を担持し、さらに、光源110と整列し、測定下の部片によって遮られなかったコリメート光のビームの残留光を受けるように配置されている、光学検出器120を担持している、線形軸に沿って移動可能な可動往復台100とを有す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広範囲の部品、特に、非限定的に、例えば、旋盤で機械加工された加工部片、または回転軸あるいは凸状形態を持つ部片を有する小さい加工部片の寸法測定のための光学測定装置に関する。
【0002】
関連技術の説明
【0003】
当技術分野では、光のビームの投影によって得られた加工部片の影を測定することにより、寸法測定を得ることが公知である。この手法は、多くの状況で有効であるとしても、特に、回転軸を呈し、かつ、凸状形態を呈する部片の測定によく向いており;この場合、影の投影によって得られた一つ以上のプロファイルから、すべての寸法を得ることができる。
【0004】
光学プロファイル測定は、高速かつ効率的であり、物理的な接触を伴わず、工具またはプローブの大きい取り揃えを要することなく、多くの異なるプロファイルおよび形状に適応できることから、困難な環境で生産管理または測定のために加工部片を測定するための魅力的な手法である。プロファイル測定機械は、多くの場合、二つの対向する中心または心棒を担持した典型的な主軸台および心押し台を備え、したがって、特殊な治具または固定具なしに、旋盤で機械加工された部片の大半に対処することができる。
【0005】
EP0507566は、加工部片の投影された影を測定するため、二つの中心間に加工部片を維持し、光源および受光検出器を有する光学測定システムに対し、相対的に部片を並進させるための部片保持部を包含する、測定装置を開示している。
【0006】
米国特許第4854707号は、加工部片が二つの中心間に保持され、摺動する光学ステージが部片の影のプロファイルを測定する、プロファイル測定機器を記載している。
【0007】
しかし、これらの測定機器は、一連の制約を呈する。多くの場合、それらは、相対的に重い機械であり、恒久的に固定された据え付けを要し、大きい床面積を占め、小および中規模の作業場にほとんど好適ではない。これらの機械は、校正状態での使用および維持も複雑であり、そのため、手軽な使用に向かない。
【0008】
当技術分野において公知のプロファイル測定機械の多くは、清浄な研究室条件で高精度の測定をもたらすが、汚染、塵埃、エアロゾル、振動および温度変動に曝される作業環境では、その性能が急激に低下する。
【0009】
そのため、公知の機器よりもコンパクトに実現することができる、加工部片のプロファイルを光学的に測定するための機械が要望されている。また、環境の影響をより受けにくく、とりわけ、汚染、塵埃およびエアロゾルの影響をより受けにくい、プロファイル測定機械が要望されている。当技術分野において公知の機器よりも使用および維持が容易である、プロファイル測定機械も要望されている。
【0010】
これらの目標の一部またはすべてを満たすプロファイル測定機械は、有利なことには、清浄区域内に計量設備のための空間または資源を有さない、多くの小または中規模の作業場で採用することができる。本発明の目標は、そのような機械を提案することである。
【0011】
発明の簡単な概要
【0012】
本発明によると、これらの目的は、請求項1の前段部のフィーチャを包含し、光学ステージおよび心押し台が摺動可能に係合されている、基準支持上に締結されている、直線ガイドが測定機器の並進において一つのみの移動の自由を画定するのに対し、基準表面上に締結され、前記直線ガイド上に少なくとも部分が懸架し、測定下の部片の回転において第二の移動の自由を画定する、主軸台担持部上に主軸台が設置されていることを特徴とする、機器の手段により達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1a】本発明の態様によるプロファイル測定機械またはその部分をいくつかの図で示す。
【図1b】本発明の態様によるプロファイル測定機械またはその部分をいくつかの図で示す。図1bは、一部分が展開されている。
【図1c】本発明の態様によるプロファイル測定機械またはその部分をいくつかの図で示す。
【図2】本発明の方法で使用されているプロファイル測定装置内に部片を保持するため、使用されている心押し台を図示する。
【図3】光源および光学検出器の代替配置を持つ、図2の装置を概略的に示す。
【図4】装置の好ましい変形態様による発光ビームのプロファイルを概略的に示す。
【図5】本発明の態様による測定方法を概略的に図示する。
【図6】発明的な方法のステップの実行時における表示の出力を概略的に示す。
【図7】光学測定のもう一つのステップ時における表示ユニットの出力を概略的に示す。
【0014】
発明の可能な実施形態の詳細な説明
【0015】
本発明は、例として与えられ、図によって図示される実施形態の説明を用いて、より良好に理解される:
図1a〜1cに表すプロファイル測定機械は、脚部32により、好適な表面上に載置されているケーシング30を包含する。以下により明らかに見てとれるように、ケーシングは、測定機械のすべての要素、とりわけ、すべての光学要素および位置エンコーダを収容および保護する。本発明の機器は、事情により、ベンチトップまたは床ユニットとして実現することができる。
【0016】
本発明の機械は、さらに、すべての精密要素に安定した基礎を提供する、基準支持40を包含する。基準支持40は、好ましくは、細長い平板の形状を有し、理想平面に非常に近付けて修正された基準面41を呈する。基準支持は、通例、花崗岩または同様に硬質かつ安定した石材で実現されるが、異なる材料、例として、鋼材から作ることもできる。
【0017】
基準面41は、直線ガイド47、この場合、基準面41上に締結されている、直線状の平行に形成された二つの鋼材レールを担持し、プロファイル測定機械の移動要素に摺動支持を提供する。ガイドの数は、二つに制限されないが、要望により、変動することができる。ガイド47は、理想的には、測定される部片の軸にも平行である、直線の測定主軸xを画定する。
【0018】
主軸台保持部50も支持40の基準面41上に締結されている。好ましくは、主軸台保持部50は、要望されるだけ多くの場合にその再整列を許容する方式で締結されている。好ましい変形形態では、主軸台保持部は、基準支持40上にねじ留めされ、その位置は、様々な厚さのシムを介在させることにより、細かく設定されている。しかし、これが唯一の可能性ではない。
【0019】
主軸台保持部は、好ましくは、図1a〜1cのようにL字形状であるか、主軸xの方向に少なくとも部分的にガイド47に重なる形状を有する。後に解説するように、この配設は、少なくとも一つの摺動要素が主軸台52の平面を横切ることを許容する。
【0020】
主軸台52は、主軸台保持部50の張り出した端部上に取り付けられ、本発明のこの変形形態では、旋盤加工された部片の端部側に係合することを意図されている、中心点55を含む。好ましくは、中心点55は、モータ58、好ましくは、DCCモータによって駆動され、好適なエンコーダ(表さず)によって位置が調節および記録される、旋回板57上に取り付けられている。旋回板57は、加工部片を回転させ、特定の向きでプロファイルを測定することを許容する。
【0021】
図2により詳細に視認される心押し台60は、好ましくは、x軸に沿った平行移動のみを許す、平衡取り付けにより、レール47上に摺動可能に取り付けられている。これは、三つの摺動パッドによって達成することができる。好ましくは、心押し台60の整列は、パッド間で調整可能であり、心押し台の中心をx軸に精密に整列させることができる。
【0022】
心押し台は、レバー61の位置により、中央レール43(図1aに視認される)上で係止する挟持部62または支持40上の同等の要素に作用する、解放レバー61を包含する。心押し台は、好ましくは、旋盤加工された部片の端部側を係合させるため、主軸台50上にある中心点55に対向して、円錐形の中心点65を担持している。
【0023】
好ましい変形形態によると、挟持部62またはもう一つの好適な係止要素は、心押し台60に摺動可能に取り付けられ、心押し台内の弾性要素(視認されず)が挟持部を後方に付勢する。オペレータは、測定する第一の部片を設置するとき、測定下の部片の方向にハンドル64を付勢し、レバー61を閉位置に設定して、挟持部62を中央レール43上で係止させる。心押し台は、弾性的に前方に(換言すれば、主軸台50に向かって)拘束される。オペレータは、挟持部62を解放することなく、ハンドル64に作用することにより、心押し台60を後方に移動させ、測定下の部片を取り除いてもう一つと交換し、その後、ハンドル64を解放することができ、それにより、心押し台60が以前に設定された位置に弾性的に復帰する。この方式では、心押し台の位置を毎回変更する必要なしに、一連の同一の部片を測定することが可能である。
【0024】
ここでもまた図1a〜1cを参照すると、心押し台60が取り付けられている同じ直線レール47は、好ましくは、例として、三つ以上の摺動パッドを手段として、x軸に沿った平行移動のみを許す、平衡取り付け上にも配置されている、往復台100をガイドするためにも使用される。往復台100は、ガイド47上に横向きに、かつ、好ましくは、一部の汚染および塵埃が直接光学品上に落下することを回避し、測定下の部片の自重変形を最小化するため、垂直から小さく傾斜して取り付けられている。往復台は、上部側の光源110および底部側の光学検出器120を包含する。電気モータ130、好ましくは、エンコーダで調節されているDCCモータは、ベルト131を通じ、滑車132によるか、任意の他の好適な方式において、x軸に沿って往復台100を駆動する。支持40の基準表面41上に固定されたルール150を包含する、高精度エンコーダ、例として、光学エンコーダにより、光学往復台100の位置を測定する。
【0025】
光源110は、測定下の部片で遮られることになる、コリメート光のビームをx軸にわたって誘導するための部品を包含する。好ましくは、光のビームは、拡散光を減少させるため、狭い帯状にコリメートされ、色収差を抑制するために単色である。コリメートは、例として、スリット170によって得ることができる。光学検出器120は、光学源110と整列し、測定下の部片によって遮られなかった残留ビーム光を受け、例として、一つ以上のCCD線形アレイを含む、受光検出器のアレイにそれを誘導するように配置され、それにより、x軸上の往復台100の各位置で部片の横断寸法を決定することができる。
【0026】
有利なことには、発光源110の強度を様々な所定レベルに設定することができ、測定下の部片を異なる照度レベルで反復的に調査する。これは、光学品の公知の原理を適用し、回折、反射およびぼやけを包含する、様々な誤差源をモデル化および補正するために有効である。
【0027】
図3に概略的に表す本発明の変形態様では、往復台100は、ミラー、例として、45のみを支持する一方、光源110および検出器120は、固定された支持40上に固定されている。コリメート光ビームは、部片のx軸に平行に誘導され、少なくとも第一のミラーにより、測定する部片に対して横断方向に再誘導され、その後、少なくとももう一つのミラーが光ビームの残りを光検出器に再誘導する。この変形態様では、往復台が非常に軽量であり、可動性がより良好かつ高速であり、時間正確度が向上する。図3は、往復台100の向かい側に検出器120および源110を有する構造を表すが、ミラー107のいずれかを90°まで転回させることにより、往復台100の同じ側に両方を有することも可能であろう。
【0028】
好ましい実施形態では、光ビームは、部片の中央軸を中心として90°〜270°の変位軸の方向に開口している、V字形状の光ビームであり、受光検出器は、部片の中央軸の両方の側に設置され、光ビームの二つの各部分を受ける、角度を付けたCCD線形アレイの対称対から構成されている。受光検出器は、両方の側における同じ正確度および共通の中央点で測定するように配置されている。角度を付けたCCD配設は、高い解像度の縁端測定を許容する。アレイからの出力を分析し、一つのピクセルよりも良好に補間する。これを、光学軸Oに直交する平面におけるCCDアレイ64の配設および光ビーム62の横断断面を示す、図4に概略的に図示する。図4では、開き角度66は、通常の値である165°または170°である。
【0029】
変形形態では、光ビームを測定下の部片の各側縁端に一つとして、二つの光ビームに分割することができ、その後、二つの分割された各ビーム部分を共通のCCDアレイに再誘導する。この変形形態では、シャッターを使用して分割ビームを交互に遮断し、一つの共通の光検出器を使用して、部片の両方の側を測定する。この解決法では、一つの単一のCCDアレイを使用し、順次、部片の両方の側を読み取ることから、速度の減少を代償として、一つのCCD検出器を割愛することが許容される。
【0030】
本発明のプロファイル測定機械は、x軸に沿って往復台100を駆動し、光学検出器120から一連の測定を収集し、測定下の部片のプロファイルを再構築するためのプログラム可能処理ユニット200を含む。
【0031】
光学源110内で光をコリメートし、光学検出器120内で残留光を測定するために使用される光学機器の詳細は、引用例として本明細書に取り込まれる、特許EP0507566に見出すことができ、さらには詳述しない。とりわけ、本発明では、光学品を最小限に減少させ、光学収差を回避し、調整を簡略化する。
【0032】
好ましくは、本発明の機械は、心押し台60および主軸台に対する相対的な往復台100の位置を検出し、衝突を回避するための位置センサを包含し、例として、往復台が心押し台に近付くと、処理ユニットがその動きを減速させることができる。処理ユニットは、好ましくは、測定下の部片の長さに関わらず、可能な限り高速に走査を駆動するため、特定の位置信号により、多工程で往復台の駆動を停止するようにプログラムされている。
【0033】
機械は、結果を算出するためのプログラム可能処理ユニット200、記憶ユニット、結果を示すための画面、結果を印刷し、仕分け機械の作動を許すための出力を包含する。
【0034】
本発明の変形形態では、機械をより複雑な生産チェーンに統合することができ、操作をロボットで行うことができ、この場合、電磁石システムが心押し台内部のばねを圧縮し、結果として、心押し台60を主軸台50から後方に移動させ、部片を解放することにより、測定する部片の装填および解放を作動させることができる。
【0035】
本発明の一つの実施形態によると、プログラム可能処理ユニット200は、「ワンクリック」測定とも呼ばれる、自動測定機能を実現するためのソフトウェアプログラムを包含する。好ましくは、例として、機械上に存在する特別に標示された「自動測定」ボタンに対する単純な手動行為か、測定下の部片を位置付けた後に与えられる遅延機能か、スイッチか、ペダルか、先行的なプログラミングなしに、加工部片の測定準備が整ったことを機械に通知する、同様に標示されたグラフィカルユーザインタフェースの要素か、ソフトウェアで生成された始動条件かにより、ソフトウェアを作動させることができる。好ましい変形形態では、「自動測定」ボタンは、測定シーケンスの大半またはすべてを起動するために使用される多機能ボタンであり、「開始」と表記され、測定機械の筐体の目立つ位置に設置され、例として、図1bに視認されるボタン300である。自動測定機能がアクティブであるとき、機械は、中心55および65間に挿入された部片のプロファイルを自動的に端部から端部まで走査し、直径d、d、...などの横断寸法、プロファイル内で識別された断面の長手寸法x、x、...および測定の瞬間における部片の特定の向きθ、θを自動的に算出する。開始の向きは、機械への部片の設置において与えられる。場合により、プログラムは、要望されるだけ多くの回にわたって部片を回転させ、毎回、既定の各向きで測定を反復することができる。
【0036】
その後、測定された各寸法をその特定の位置およびその特定の向きに関連付け、測定下の部片の3次元表現を構築することができる。2次元表現では、投影のみが要望され、向きは使用されない。
【0037】
図5は、本発明の態様によるソフトウェアプログラムのフローチャートを示す。ソフトウェアは、特殊なワンクリックモード(枠305)と、好ましくは、測定プログラムを作成するために使用されるコンポーザモード(枠315)および/または事前に記録された測定プログラムを試験もしくは反復するために使用されるリプレーモード(枠333)など、他のモードとを包含する。
【0038】
初期化後、ソフトウェアは、ワンクリックモードにある(枠305)。「開始」ボタンが押されると(矢印308)、ソフトウェアは、存在することができる加工部片のプロファイルを取得し、例として、加工部片の縁端、角度または直線状断面など、各対象領域を測定するための最良のパラメータおよび走査速度を決定するため、中心55および65間を含む全距離に沿って往復台100を駆動する、事前走査プロセス310を開始する。
【0039】
好ましくは、プログラム可能処理ユニットは、事前走査の結果が既に公知であり、プログラムがメモリに記憶されている、加工部片のプロファイルに対応していれば、そのメモリを検索するように配置されている(試験312)。試験が合格であれば、見出されたプログラムが実行され、結果が表示ユニット上で再現される(枠320)。好ましくは、自動走査プログラムは、部片が測定機械に逆向きに挿入されたか否かを検出するための試験を包含する。この場合、処理ユニットは、オペレータに警告し、特に、すべての長さが正確であることが要望されるときに、より良好な正確度の結果のため、部片を正しい向きに転回させるようにオペレータを促すか、例として、直径のみが要望されるときに、これが容認されれば、処理ユニットは、プログラムシーケンスを逆にし、部片を逆向きに測定する。
【0040】
変形形態では、機械は、逆戻りした加工部片を事前走査において検出すると、走査方向を逆転させる能力がある。
【0041】
試験312が合格でなければ、処理ユニットは、加工部片の重要なフィーチャを推測し、例として、すべての直線状断面およびすべての横方向ステップを同定し、プロファイル内で識別された断面の直径d、d、...および直線状断面の長さL、L、...を算出および表示する。適切であれば、プログラムは、走査パラメータ(速度、光強度、取得率等)を事前走査の結果に適応させ、加工部片を再走査する。
【0042】
光学品の横方向速度変位を計算し、可能な限り精密に測定された寸法変動を生じさせる。寸法の大きい変動においては、光学検出器のサンプリング制限に達することができ、この場合、横方向速度を減少させ、小さい変位領域内でより多くの点をサンプリングする。好ましくは、走査速度を寸法変動勾配に適応的に合致させる。
【0043】
測定304の後、オペレータからの他の行為を要することなく、結果を画面上に表示するか、印刷することができる。オペレータの行為を最小化するため、プロセスは、全体的に自動化されている。測定が終了すると、オペレータは、測定下の部片を置き換え、例として、開始ボタンに作用し、次の走査を実施することができる。
【0044】
図6は、ワンクリック測定304の完了における本発明の測定方法の可能な出力を示す。表示の上部分410は、推測されたすべての直径および長さ(D01、D02、...;L01、L02、...)が参考として表されている、加工部片のプロファイルのグラフィカル表現415を包含する。表示の下部分420は、測定を表形式で呈する。しかし、他の形式が可能である。
【0045】
本発明のもう一つの変形形態では、自動測定において、要望される横方向速度を評価することができ、その後、対象領域内で光ビームの強度を変化させ、一部の特定領域のぼやけ現象および回折を減少させることができる。
【0046】
本発明のもう一つの変形形態では、自動測定は、本発明者らが加工部片のパラメータおよび対象領域を決定するための予備走査(事前走査)と、事前走査の結果により、異なる特殊な走査条件での部片の一つ以上の詳細な走査とを見出すことができる、連続的な動作の逐次プログラムであることができる。この変形態様では、最初に事前走査を作り、基準を作成する。異なる対象領域における後続の動作として、詳細な走査を行うことができる。例として、部片の断面の丸みを試験するため、往復台100を領域に対応して設置し、部片を段階的または継続的に回転させる一方、様々な角度で横断寸法を測定する。この変形形態では、部片を所定の角度で時計回りまたは反時計回りに反復的に回転させ、加工部片の異なる向きで一つよりも多くの走査を行うことができる。この変形形態では、回転において分析した領域を一部の他と比較し、例として、共通の平行性および/または円筒もしくは同心拘束を分析し、その後、3次元スキャナなどの結果を描画することができる。
【0047】
もう一つの発明的な形態によると、自動測定モードは、さらなる使用または精緻化のため、ステップ304で推測されたフィーチャに対応する測定および分析動作シーケンスをコンピュータメモリに記憶する能力があるように配置されている。好ましくは、さらなる使用および文書化のため、自動測定モードは、測定された寸法をコンピュータメモリに記録するようにも配置されている。
【0048】
もう一つの変形形態によると、自動測定モードをカスタマイズし、走査するフィーチャ、例として、角度、丸みまたは任意の他の測定可能な寸法を選択して、幾何学関数および統計分析を算出することができる。
【0049】
プログラムを使用して加工部片のサンプリングを分析し、測定されたフィーチャから、分析的な報告を作成するか、幾何学関数を算出することができる。プログラムを使用し、例として、10個の部片のサンプリングとして部片の生産を分析することができる。各測定結果を個別または同じファイルにまとめて記憶し、分析的な用途のために取り出し、分析の用途のためのさらなる動作を許すことができる。例として、既定数の部片について、このサンプリングの測定段階から報告まで、自動化された動作を一つの端部から他まで行うことができる。本発明のもう一つの効果は、走査プロセスの簡略化により、分析のタスクを走査プロセスのタスクから分離させる可能性である。事前走査プロファイルは、部片の不完全な画像であり、記憶された情報と合致するには、公知の走査プロファイルの主な寸法と合致することが求められる。サイズの変動が大きい領域の場合、事前走査と記憶されたプロファイルとの間に多量の差異が見出されるリスクが非常に重大である。この場合、プログラムは、寸法を簡略化し、大きい領域内に認められた反復可能な寸法のみを残し、加工部片の小さいマスク画像を作成する。さらに、簡略化されたマスク画像を記憶されたプロファイルと比較し、対応する格納されたプログラムシーケンスがあれば見出すことができる。
【0050】
ここで図5に戻ると、ソフトウェアは、好ましくは、具体的な加工部片のために特定のプログラムを作成および/または変更するように配置されている、コンポーザモード(枠315)を包含する。コンポーザモードは、好ましくは、パスワードで保護され(枠316)、特定の「編集」ボタンまたはアイコンに作用することにより(矢印318)、作動する。枠320は、測定する寸法、それらの公称値および許容可能誤差を画定するように配置されたソフトウェア資源に対応し、枠322を使用してプログラムを試験する。
【0051】
コンポーザモードから「開始」ボタンを押すと(矢印350)、プログラムが保存され、リプレーモードに入る(枠333)。リプレーモードは、ワンクリックモードから特定のリプレーボタンまたはアイコンに作用して作動させることもできる(矢印352)。リプレーモードでは、「開始」ボタンが押される毎に、ロードされたプログラムが実行される(矢印361および枠360)。
【0052】
保存され、ロードされたプログラムは、ワンクリックモードの可能性を超えることができる、特定の命令および測定を包含することができる。とりわけ、保存されたプログラムは、角度、偏心率、心ずれおよび丸みの瑕疵の測定を包含することができ、好ましくは、それらの事前設定された公称値および許容可能誤差に照らした測定寸法の確認を包含し、適合またはその欠如の指示を表示することができる。
【0053】
図7は、リプレーモードで実行されたプログラムの可能な出力の例である。表示の上部分410は、プログラム内で指定されたすべての測定で測定されたプロファイルをグラフィカルな形態で示す。例は、長さ測定L01〜L05、直径測定D01〜D03および角度測定A01を示す。しかし、他の測定が可能である。直径測定D03は、指定された公差間隔から外れており、好ましくは、異なる形式、例として、異なるフォント、カラーまたはサイズで表示され、直ちに認識可能にされている。
【0054】
表示の下部分420は、測定されたデータを公称値、誤差、公差間隔および適合または不合格の表記と共に表形態で示す(図では、簡潔のため、直径のみを表す)。例では、測定D03が指定公差から外れており、これは、不合格の表記およびグラフィカル表示422で指示されている。測定機械は、好ましくは、開口59を有し、光のビームが主軸台保持部を横断して、校正体80の寸法を測定することを許容する、主軸台保持部50の内部に校正体80を包含する。主軸台保持部50がガイド47上に懸架し、部分的に重なっていることから、往復台100は、校正体80と整列しつつ、主軸台55を超えて移動することができる。校正手順は、好ましくは、処理ユニット200の管理下で自動である。電源投入において校正プロセスを使用し、CCD検出器と測定範囲内の点の勾配とを整列させる。校正体は、ステップ縁端からなる。この校正プロセスは、温度変化のための誤差を回避し、「日常校正」と称される。このプロセスは、例として、温度変化を検出し、新たな校正プロセスを始動する温度センサにより、要望されるだけ多くの場合に反復することができる。
【0055】
本発明の変形態様では、各測定において校正体の測定を行うことができるが、これは、全面的な校正プロセスでの完全な測定よりも正確ではない。これを行うことは、測定間の温度変化を分析するために有効であり、標準的には、一つは、コンディショニング室を使用することにより、温度変化を制限するため、その測定を毎回行うことが要望されない。
【0056】
光学表面上に堆積することができる塵埃および他の物質から光源110および光検出器120を保護するため、これらの要素は、往復台100の動きおよびコリメート光のビームの通過を許容するため、x軸に本質的に平行な主要軸を有する、二つの細長い窓33を有する、定置ケーシング30内に収容されている。柔軟性のあるテープ102および103をローラ105の周囲に二つのループ閉ループとして接続し、往復台100で駆動する。テープ102および103は、細長い窓のうち、往復台100に対応していない部分を閉じ、ケーシング30内への塵埃および粒子の進入を制限する。
【0057】
心押し台60は、ガイド47および光学ルール150を保護する、保護舌部66も包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定された主軸台と、固定された主軸台に対向し、x軸の方向に移動可能な心押し台との間に測定する部片を取り付け可能である、基準支持と、
前記測定下の部片によって遮られる光のビームを前記x軸にわたって誘導するための光源を担持し、さらに、前記光源と整列し、前記測定下の部片によって遮られなかった前記光のビームの残留光を受けるように配置されている、光学検出器を担持している、前記測定する部片に対して線形軸(x)に沿って移動可能な光学往復台とを含み、
自動測定機能を具現化するように処理ユニットがプログラムされ、それにより、測定装置が駆動され、前記測定する部片のプロファイルを端部から端部まで自動的に走査し、すべての前記部片の横断寸法および長手寸法を自動的に算出することを特徴とする、
光学測定装置。
【請求項2】
光のビームで走査する表面を選択的に曝すため、測定下の部片を回転させるように主軸台がモータによって回転駆動され、かつ、前記モータを駆動し、前記部片の複数の角度向きについて、横断寸法および長手寸法を自動的に算出するように処理ユニットがプログラムされている、請求項1記載の光学測定装置。
【請求項3】
測定下の部片の事前走査を実施し、記憶されたプログラムのメモリを検索して、前記事前走査で得られたプロファイルが前記プログラムの一つに対応するか否かを決定するように処理ユニットが配置されている、請求項1または2記載の光学測定装置。
【請求項4】
事前走査で得られたプロファイルから、測定する部片のフィーチャを推測するように処理ユニットが配置されている、請求項3記載の光学測定装置。
【請求項5】
自動測定機能において、測定下の部片の予備走査を実施し、および/または測定下の部片が逆転した向きで挿入されているか否かを検出するように処理ユニットがプログラムされている、請求項1から4のいずれか一項記載の光学測定装置。
【請求項6】
光のビームが複数の強度レベルに設定可能な単色光のコリメート線からなる、請求項1から5のいずれか一項記載の光学測定装置。
【請求項7】
加工部片のプロファイルを走査する方法であって、:
固定された主軸台と、固定された主軸台に対向する移動可能な心押し台との間に加工部片を位置付け、前記主軸台と前記心押し台との間にx軸の方向に部片を維持する工程と、
前記加工部片の事前走査を実施し、事前走査プロファイルを得る工程と、
記憶されたプログラムのメモリを検索し、事前走査プロファイルが前記記憶されたプログラムの一つに対応するか否かを決定するか、事前走査プロファイルから、測定する部片のフィーチャを推測する工程と、
前記プログラムで指定されているか、前記推測から得られた寸法を測定し、表示する工程と
を含む、方法。
【請求項8】
さらなる使用のため、プログラムが測定結果をコンピュータメモリに記憶する能力がある、請求項7記載の方法。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図1c】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−232336(P2011−232336A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−94655(P2011−94655)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(511100914)
【氏名又は名称原語表記】TESA SA
【Fターム(参考)】