説明

光源装置及びそれを用いた光源システム

【課題】目的に応じた様々な光を放射可能な一つの光源システムを提供すること。
【解決手段】複数の光変換ユニットが共通の光変換ユニット保持部材に取り付けられて形成した複数の集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3は全て、光源ユニット100−1の半導体レーザ10−1と光変換ユニットを光学的に接続する光ファイバ20,22上に設けた、半導体レーザと複数の光変換ユニットとを着脱可能な接続部のうち、光源ユニット側に取り付けられた接続部の一方を一つにまとめて構成した多芯コネクタ520と、光変換ユニット側に取り付けられた他方を一つの接続部保持部材に取り付けて構成した多芯コネクタ540と、で構成される集積型接続部500において、光源ユニットと着脱可能とされるので、一つの光源ユニットに対し、複数の集積型光変換ユニットを交換することで、目的に応じた様々な光を放射可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置及びそれを用いた光源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、青色レーザ光源から射出されたレーザ光をライトガイドで先端まで導光し、先端に設けられた波長変換部材で波長変換する第1ユニットと、青色よりも短い波長のレーザ光源とライトガイドと波長変換部材とを用いた第2ユニットと、を組み合わせた発光装置が提案されている。特許文献1は、このような第1ユニットと第2ユニットの組み合わせにより、第1ユニット単体の場合と比較して演色性が向上すると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−173324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、内視鏡等の観察用の光源装置では、観察の目的に応じて、明るさやピーク波長、発光色すなわちスペクトル形状、放射角などを適切に選択することで、観察しようとするものの視認性を向上するなどの取組みが進められている。
【0005】
このような取組みに対し、上記特許文献1による光源装置では、目的に応じた光を得るためには、レーザ光源とライトガイドと波長変換部材とを用いたユニットを、その目的の光の数だけ用意する必要がある。しかし、多数のユニットを用意するのは、コストや保管場所などの観点から、実務上困難である。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、目的に応じた様々な光を放射可能な一つの光源システム、及びそれに用いられる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の光源装置及の一態様は、
1次光を射出する1次光源を有する光源ユニットと、
前記1次光の光学的性質を変換して2次光を生成する光変換素子を有する光変換ユニットと、
を具備する光源装置において、
前記光変換ユニットを複数有し、
前記1次光源と前記複数の光変換ユニットとはそれぞれ導光路によって光学的に接続されており、
前記それぞれの導光路上に、前記1次光源と前記複数の光変換ユニットとを着脱可能な接続部を有していることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の光源システムの一態様は、
1次光を射出する1次光源を有する光源ユニットと、前記1次光の光学的性質を変換して2次光を生成する光変換素子を有する光変換ユニットと、を具備する光源装置であって、
前記光変換ユニットを複数有し、
前記1次光源と前記複数の光変換ユニットとはそれぞれ導光路によって光学的に接続されており、
前記それぞれの導光路上に、前記1次光源と前記複数の光変換ユニットとを着脱可能な接続部を有し、
前記複数の光変換ユニットは、共通の光変換ユニット保持部材に取り付けられて集積型光変換ユニットを形成し、
前記接続部のうち、光源ユニット側に取り付けられた前記接続部の一方を第1の接続部とし、光変換ユニット側に取り付けられた前記接続部の他方を第2の接続部としたときに、
前記第1の接続部は、一つにまとめられて第1の集積型接続部を構成しており、
前記第2の接続部は、一つの接続部保持部材に取り付けられて第2の集積型接続部を構成しており、
前記第1の集積型接続部と前記第2の集積型接続部は、着脱可能な集積型接続部を構成している光源装置を具備し、
前記集積型光変換ユニットは、複数の集積型光変換ユニットにより集積型光変換ユニット群を構成しており、
前記集積型光変換ユニット群のメンバーである集積型光変換ユニットは全て、前記集積型接続部において前記光源ユニットと着脱可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一つの光源ユニットに対し集積型光変換ユニットが交換可能であるので、集積型光変換ユニットを目的に応じて交換することで、目的に応じた様々な光を放射可能な一つの光源システム、及びそれに用いられる光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る光源システムの構成を示す図である。
【図2】図2(A)乃至(C)はそれぞれ図1の光源システムにおける光変換ユニットの構成を示す断面図である。
【図3】図3は、図1の光源システムにおける集積型接続部の構成を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態に係る光源システムの構成を示す図である。
【図5】図5は、図4の光源システムにおける集積型光変換ユニットの構成を示す図である。
【図6】図6は、図4中の光源ユニット100−1と集積型光変換ユニット200−4を組み合わせた光源装置の動作を説明するための図である。
【図7】図7は、第2実施形態に係る光源システムにおける別の光源ユニットの構成を示す図である。
【図8】図8は、第2実施形態の変形例に係る光源システムにおける光源ユニットの構成を示す図である。
【図9】図9は、第2実施形態の変形例に係る光源システムにおける別の光源ユニットの構成を示す図である。
【図10】図10は、本発明の全ての実施形態に関する変形例におけるフィルム導光路を説明するための図である。
【図11】図11は、本発明の全ての実施形態に関する変形例における光カプラを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る光源システムの構成を説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る光源システムは、光源ユニット100−1と、複数の集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3でなる集積型光変換ユニット群のうちの一つと、を組み合わせて構成される光源装置である。
【0013】
ここで、光源ユニット100−1は、1次光源である二つの半導体レーザ10−1と、第1の導光路としての光ファイバ20と、集積型接続部500のうち、光源ユニット側のコネクタである、第1の集積型接続部としての多芯コネクタ520と、を有している。多芯コネクタ520は、集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3側の第2の集積型接続部としてのもう一方の多芯コネクタ540と着脱可能である。
【0014】
半導体レーザ10−1は、波長約450nmの青色光を射出する青色半導体レーザである。青色半導体レーザ10−1と光ファイバ20とは、図示しないレンズ等により光学的に接続されており、半導体レーザ10−1から射出された1次光である青色レーザ光は、光ファイバ20のコアに効率的に入射するように構成されている。光ファイバ20に入射した青色レーザ光は、集積型接続部500を経由して、接続された集積型光変換ユニット200−1,200−2または200−3の光変換ユニットまで導光される。
【0015】
本実施形態における集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3は、光変換ユニットをそれぞれ二つずつ有しており、光変換ユニットは、フェルール42と、保持部材40−1,40−2及び40−3のうちの同じ又は異なる二つと、それら保持部材40−1,40−2,40−3の内部に搭載された光変換素子と、により構成される。二つの光変換ユニットは、一つの光変換ユニット保持部材60−1,60−2,60−3に固定されて、集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3を構成している。また、光変換ユニットに接続された導光路としての第2の光ファイバ22の他端に設けられた接続部も、後述するように複数が一つにまとめられて第2の集積型接続部(多芯コネクタ540)となっている。図1に示した集積型光変換ユニット200−1,200−2及び200−3の断面図を、図2(A),図2(B)及び図2(C)に示す。
【0016】
第1の集積型光変換ユニット200−1は、図2(A)に示すように、二つの光変換ユニットを、光変換ユニット保持部材60−1に搭載して構成されている。二つの光変換ユニットのそれぞれは、保持部材40−1、蛍光体30−1及びフェルール42をそれぞれ有している。保持部材40−1は、底のある円筒形状を有しており、その円筒の内部には、1次光を吸収し、1次光のピーク波長をそれより長波長に、スペクトル形状を広くブロードに、放射角を広げるように光変換する波長変換部材である蛍光体30−1が挿入されている。この蛍光体30−1は、粉末状の蛍光物質を、1次光を透過する性質を有する樹脂、ガラス等と混合し、固めて構成されている。また、保持部材40−1の円筒の底面には、1次光を透過する開口が設けられており、フェルール42と該フェルール42内に配置された第2の導光路としての光ファイバ22とが挿入されている。本実施形態では、蛍光体30−1内の蛍光物質は、CeドープのYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)を、透明なシリコーン樹脂に混合して構成されている。蛍光体30−1は、円板形状であり、その厚さと濃度は、射出される2次光の光特性が観察対象物を照明する照明光として最適となるように調整されている。
【0017】
また、第2の集積型光変換ユニット200−2は、図2(B)に示すように、基本的には上記第1の集積型光変換ユニット200−1と同様に構成されており、二つの光変換ユニットの有する保持部材40−2とその内部に挿入された光変換素子とが異なっている。集積型光変換ユニット200−2の有する光変換素子は、放射角変換素子として、1次光を拡散する拡散部材32−1が保持部材40−2の内部に挿入されている。拡散部材32−1は、1次光のピーク波長、スペクトル形状は変換せず、放射角を広げる機能を有している。拡散部材32−1は、1次光を透過する性質を有する部材の内部に、それとは屈折率の異なる部材を混合して固められている。例えば、屈折率1.4の樹脂と屈折率1.5のガラスフィラーとを混合して構成されている。拡散部材32−1の厚さと濃度は、射出される2次光の放射角が観察対象物を照明する照明光として最適となるように調整されている。
【0018】
そして、第3の集積型光変換ユニット200−3は、図2(C)に示すように、上記第1の集積型光変換ユニット200−1に搭載された蛍光体30−1を有する光変換ユニットと、上記第2の集積型光変換ユニット200−2に搭載された拡散部材32−1を有する光変換ユニットと、をそれぞれ一つずつ有している。
【0019】
また、光ファイバ20及び22はいずれも、コアの屈折率がクラッドの屈折率より高く構成された、一般的な単線の光ファイバである。光ファイバの種類は、組み合わせて用いる1次光源の特性に合わせて選択される。本実施形態では、1次光源にマルチモードの半導体レーザ10−1を用いているため、マルチモードファイバが適している。また、光ファイバ20,22は、同じ光学特性を有する光ファイバが適している。これにより、接続部のロスを軽減することができる。例えば、コア径50μm、開口数NAが0.22程度のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。
【0020】
集積型接続部500は、図3に示すように、第1の集積型接続部としての多芯コネクタ520と、第2の集積型接続部としての多芯コネクタ540と、により構成されている。光源ユニット100−1側に搭載される多芯コネクタ520は、それぞれ青色半導体レーザ10−1に接続された光ファイバ20と、各光ファイバ20の先端に取り付けられた第1の接続部52と、を有している。そして、二つの第1の接続部52は、共通の接続部保持部材56に取り付けられて、第1の集積型接続部としての多芯コネクタ520を構成している。
【0021】
同様に、集積型光変換ユニット側の多芯コネクタ540は、光ファイバ22と、各光ファイバ22の先端に取り付けられた第2の接続部54と、を有している。そして、二つの第2の接続部54は、共通の接続部保持部材58に取り付けられて、第2の集積型接続部としての多芯コネクタ540を構成している。
【0022】
これら多芯コネクタ520と540とは、図示しない勘合部により、光ファイバ20と22とがそれぞれ高効率に光接続される位置で固定されるように構成されている。この勘合部は、一般的に利用される光コネクタ技術を用いることができる。また、複数の接続部を一体化したような、多芯のフェルール等を用いることができる。
【0023】
次に、本実施形態に係る光源システムの動作について説明する。
前述の通り、本光源システムでは、光源ユニット100−1に対し、複数の集積型光変換ユニット200−1,200−2または200−3を交換可能に構成されている。
【0024】
はじめに、光源ユニット100−1と第1の集積型光変換ユニット200−1との組み合わせによる光源装置の動作について説明する。
【0025】
光源ユニット100−1と第1の集積型光変換ユニット200−1とを、集積型接続部500により接続し、光源ユニット100−1に搭載された半導体レーザ10−1を発光させると、半導体レーザ10−1から射出された青色レーザ光は、第1の光ファイバ20、集積型接続部500、第2の光ファイバ22を通って、光変換ユニットの有する蛍光体30−1に照射される。蛍光体30−1は、青色レーザ光の一部を吸収して黄色光に変換し、また残りの一部を透過し、これら変換した黄色光と透過した青色光とにより白色光を構成するように、厚さ、蛍光物質の含有量が調整されている。従って、半導体レーザ10−1から射出された青色レーザ光が蛍光体30−1に照射されると、照明光としての白色光が射出される。
【0026】
本実施形態では、光源ユニット100−1が有する二つの半導体レーザ10−1と、第1の集積型光変換ユニット200−1が有する二つの光変換ユニットは、それぞれ同じ特性を有するように構成されている。このため、二つの半導体レーザ10−1を点灯させた場合でも、どちらか一方を点灯させた場合でも、射出される白色光の性質は等しくなる。しかし、二つの半導体レーザ10−1の点灯のさせ方により、照射される白色光の照射パターンや強度分布を調整することができる。また、光変換ユニット保持部材60−1上の、光変換ユニットを搭載するための搭載部を調整することで、照明対象物に応じて適した照射パターンや強度分布となるように設計することができる。また、それぞれを限界となる明るさまで明るく光らせた場合、一つの場合と比較して、2倍の明るさまで実現することができる。
【0027】
次に、光源ユニット100−1と第2の集積型光変換ユニット200−2との組み合わせによる光源装置の動作について説明する。基本的な動作については、上述の第1の集積型光変換ユニット200−1を用いた光源装置の場合と同様である。
【0028】
第2の集積型光変換ユニット200−2に搭載された光変換ユニットの有する光変換素子は、拡散部材32−1である。拡散部材32−1は、半導体レーザ10−1から射出された青色レーザ光の放射角を広げる特性を有している。また、レーザ光は、拡散部材32−1を通過することで可干渉距離が短くなり、照明対象物上にスペックル等が形成されにくくなる。従って、この組み合わせでは、半導体レーザ10−1が点灯させると、対象物を照明するのに適した広がり角であり、また、スペックル等が形成されにくい青色の照明光を射出することができる。
【0029】
次に、光源ユニット100−1と第3の集積型光変換ユニット200−3との組み合わせによる光源装置の動作について説明する。基本的な動作については、上述の第1、第2の集積型光変換ユニット200−1,200−2を用いた光源装置の場合と同様である。
【0030】
第3の集積型光変換ユニット200−3に搭載された光変換ユニットの有する光変換素子は、蛍光体30−1が一つと拡散部材32−1が一つである。蛍光体30−1と光学的に接続された半導体レーザ10−1を点灯させると、白色光が射出される。また、拡散部材32−1と光学的に接続された半導体レーザ10−1を点灯させると、拡散された青色の照明光が射出される。
【0031】
以上のように、本第1実施形態に係る光源システムにおいては、光源ユニット100−1に対し、集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3のみを交換することで、目的とする様々な照明対象物の照明に適した照明光を得ることが可能になる。また、光変換ユニットを複数束ねて集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3とすることで、照射パターンを設計したり、より明るい光源装置を実現することが可能となる。また、二つの異なる光変換ユニットを有する集積型光変換ユニット200−3を用いることで、半導体レーザのオンオフの切替により照明光を瞬時に切り変えることが可能となる。このとき、接続部を複数束ねて集積型接続部500とすることで、複数の接続部を一度に着脱することが可能となる。
【0032】
すなわち、本第1実施形態に係る光源システムでは、一つの光源ユニット100−1に対し、複数の集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3を交換可能となるため、少ない部材からより多くの照明光を作り出すことが可能となる。
【0033】
また、複数の光変換ユニットを束ね、集積型光変換ユニット200−1,200−2,200−3を構成することで、照明対象物に応じた照射パターンを設計したり、より明るい光源装置を実現したり、異なる色の照明光を、光源のオンオフの切替により瞬時に切替可能な光源装置を実現できる。このとき、複数の接続部を束ねて集積型接続部500とすることで、誤接続なく、容易に、複数の接続部を一度に着脱することが可能となる。
【0034】
なお、本第1実施形態では、簡単のため、光源ユニットが1種、集積型光変換ユニットが3種のシステムについて説明したが、実際の利用に際しては、要求される照明光の機能に応じて、もっと多くの光源ユニット、集積型光変換ユニットを適切に用意することができる。光源ユニットに搭載する1次光源も、半導体レーザ10−1に限らず、様々なレーザ光源やLED、ランプなど、様々な光源を利用できる。光ファイバと高効率に接続可能な光源であれば、より望ましい。
【0035】
また、光変換ユニットに搭載した光変換素子についても同様であり、上述した蛍光体、拡散部材に限らず、様々な光変換素子が利用可能である。例えば、種々の粉末蛍光体やセラミック蛍光体、単結晶蛍光体などはもちろん、量子ドットや半導体発光素子、有機発光素子などを用いることができる。また、蛍光体の射出面に、蛍光の一部の波長をカットするフィルタを配置することで、所望の波長域の蛍光のみを取り出すことが可能となる。あるいは、1次光をカットするフィルタを搭載することで、蛍光のみを取り出すように構成することが可能となる。また、拡散部材も、透明な部材の表面に凹凸加工を施したタイプなども用いることができる。さらに、放射角を調整するためのレンズ群、回折格子や偏光素子、フォトニック結晶など、さまざまな光変換素子を用いることで、射出される2次光の放射角や強度分布を最適化したり、指向性を持たせることも可能である。また、様々な波長フィルタを用いることで、所望の波長域の光のみを取り出したり、カットしたりするように構成することも可能である。
【0036】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
基本的な構成については第1実施形態と共通であるため、ここでは第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0037】
本実施形態に係る光源システムは、図4に示すように構成されており、基本的には、図1に示した第1実施形態と共通に構成されている。上記第1実施形態と比べ、光源ユニットが有する1次光源の数と、集積型光変換ユニットの有する光変換ユニットの数、及び集積型接続部の有する接続部の数が互いに異なっている。
【0038】
すなわち、本実施形態においては、光源ユニットの有する第1の集積型接続部の有する接続部のうち、1次光源と光学的に接続されている接続部を有効な光源ユニット側接続部とし、集積型光変換ユニットの有する第2の集積型接続部の有する接続部のうち、光変換ユニットと光学的に接続されている接続部を有効な光変換ユニット側接続部としたとき、有効な光源側接続部と有効な光変換ユニット側接続部の数が互いに異なっている集積型光変換ユニットを有する集積型光変換ユニット群の例を示している。本実施形態では、有効な光源側接続部の数と比べ、有効な光変換ユニット側接続部の数が少ない集積型光変換ユニットを有する集積型光変換ユニット群の例を説明する。
【0039】
本実施形態における光源ユニットは、図4に示すように、2種類の半導体レーザ10−1,10−2をそれぞれ二つずつ有する光源ユニット100−2である。この光源ユニット100−2は、上記第1実施形態と同じ450nmの青色レーザ光を射出する半導体レーザ10−1と、それとは異なる405nmの青紫色レーザ光を射出する半導体レーザ10−2と、を有している。計4つの半導体レーザ10−1,10−2にはそれぞれ第1の光ファイバ20が接続され、第1の集積型接続部としての多芯コネクタ522に接続されている。すなわち、多芯コネクタ522は、4つの接続部を有している。言い換えると、光源ユニット100−2の有する接続部保持部材56は、4箇所の接続部取付位置を有しており、その全てに接続部が取り付けられている。
それ以外の構成については、上記第1実施形態と同様に構成されている。
【0040】
一方、本実施形態における集積型光変換ユニットは、3つの集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6をメンバーとして有している。ここで、第4の集積型光変換ユニット200−4は、上記第1実施形態と同じ蛍光体30−1が挿入された保持部材40−1を二つと、405nmの青紫光を赤色光に光変換する蛍光体30−2が搭載された保持部材40−3を二つと、の計4つの光変換ユニットを有している。また、該第4の集積型光変換ユニット200−4は、4つの接続部を有する第2の集積型接続部としての多芯コネクタ542を有しており、4つの接続部から延びた4本の光ファイバ22はそれぞれ4つの保持部材40−1,40−2に接続されている。
【0041】
また、第5の集積型光変換ユニット200−5は、上記第4の集積型光変換ユニット200−4に搭載された光変換ユニット4つのうち、蛍光体30−1を有する光変換ユニット二つのみを有している。また、該第5の集積型光変換ユニット200−5は、4つの接続部を有する第2の集積型接続部としての多芯コネクタ542を有している。この多芯コネクタ542の有する4つの接続部のうち、光源ユニット100−2の有する半導体レーザ10−1に接続される二つの接続部と光学的に接続されるポートに、第2の光ファイバ22が接続され、蛍光体30−1を搭載した光変換ユニットまで延びている。また、残りの二つのポートには、レーザ光が外部に漏れ出すのを防ぐ遮光手段としてのシャッタ599が設けられている。すなわち、有効な接続部の数は二つとなっている。ここで、有効な接続部の数とは、接続部の先が光変換ユニットに接続されているものを言い、見かけ上接続部は有ってもどこにも接続されていないものは有効な接続部ではない。言い換えると、接続部保持部材58は、4つの接続部搭載可能位置を有しており、このうち、二つに接続部が、残り二つにシャッタ599が取り付けられている。
【0042】
また、第6の集積型光変換ユニット200−6は、第4の集積型光変換ユニット200−4に搭載された光変換ユニット4つのうち、蛍光体30−1を有する光変換ユニット一つと、蛍光体30−2を有する光変換ユニット一つの、計二つの光変換ユニットを有している。また、該第6の集積型光変換ユニット200−6は、4つの接続部を有する第2の集積型接続部としての多芯コネクタ542を有している。この多芯コネクタ542の有する4つの接続部のうち、光源ユニット100−2の有する半導体レーザ10−1に接続される二つの接続部のうちの一つと、半導体レーザ10−2に接続される二つの接続部のうちの一つの、計二つの接続ポートに、第2の光ファイバ22が接続され、蛍光体30−1,30−2を有する光変換ユニット一つずつまで延びている。また、残りの二つのポートには、レーザ光が外部に漏れ出すのを防ぐ遮光手段としてのシャッタ599が設けられている。すなわち、有効な接続部の数は二つである。言い換えると、接続部保持部材58は、4つの接続部搭載可能位置を有しており、このうち、二つに接続部が、残り二つにシャッタ599が、それぞれ取り付けられている。
【0043】
なお、集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6における、光変換ユニット保持部材60−4,60−5,60−6上の個々の光変換ユニットの配置は、目的に応じて適宜設計できる。例えば、円筒状の光変換ユニット保持部材60−4−Aを用いた場合の構成例を図5(A)に、板状の光変換ユニット保持部材60−4−Bを用いた場合の構成例を図5(B)に、それぞれ示す。図5(A)に示す第4の集積型光変換ユニット200−4−Aの例では、細い孔などの内部を照明する構成に適しており、図5(B)に示す第4の集積型光変換ユニット200−4−Bの例では、薄いクラック状の隙間の内部などを照明する場合に適している。このように、同じ光変換ユニットを搭載した集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6であっても、光変換ユニット保持部材60−4,60−5,60−6上の取り付け位置を変更することで、先端ユニットのサイズや形状を目的に適した形にすることができる。また、照明対象に照射される照射パターン形状を目的に適した形にすることができる。
【0044】
次に、本第2実施形態に係る光源システムの動作について説明する。動作についても、基本的には、上記第1実施形態に係る光源システムの動作と変わらない。ここでは、上記第1実施形態との違いのみについて説明する。
【0045】
はじめに、光源ユニット100−2と第4の集積型光変換ユニット200−4を組み合わせた光源装置の動作について説明する。
【0046】
半導体レーザ10−1から射出される青色レーザ光は、光ファイバ20,22により蛍光体30−1に導光され、青色レーザ光の一部を黄色の蛍光に変換し、残りの一部を透過することで、白色光を射出する。このとき射出される白色光のスペクトルを図6に示す。図6のうち、青色半導体レーザ10−1を点灯させたときのスペクトルが、青色レーザ光81と黄色蛍光91である。このときの照明光は、見た目では白色光であるが、波長600nm以上となる赤色成分の光が弱い。
【0047】
次に、半導体レーザ10−2から射出される青紫色レーザ光は、光ファイバ20,22により蛍光体30−2に導光され、青紫色レーザ光の一部を赤色の蛍光に変換する。図6のうち、青紫色半導体レーザ10−2を点灯させたときのスペクトルが、青紫色レーザ光82と赤色蛍光92である。なお、本実施形態では、蛍光体30−2は青紫色レーザ光82の一部を吸収して赤色蛍光92に変換する一方、別の一部を透過する例を示したが、青紫色レーザ光82の全てを赤色蛍光92に変換するように構成してもかまわない。
【0048】
すなわち、半導体レーザ10−1,10−2の両方を点灯させた場合、第4の集積型光変換ユニット200−4から射出される照明光のスペクトルは、図6に示すような、青紫色レーザ光82、青色レーザ光81、黄色蛍光91と赤色蛍光92を重ね合わせた蛍光99となる。
【0049】
次に、光源ユニット100−2と第5の集積型光変換ユニット200−5を組み合わせた光源装置の動作について説明する。
半導体レーザ10−1を点灯させたときの動作については、上記第1実施形態における光源ユニット100−1と第1の集積型光変換ユニット200−1とを組み合わせた場合と同様である。
【0050】
一方、半導体レーザ10−2を点灯させると、光源ユニット100−2の有する多芯コネクタ522の、半導体レーザ10−2と接続されている接続部から、第5の集積型光変換ユニット200−5の有する多芯コネクタ542の、どこにも接続されていない接続部に青紫色レーザ光が照射される。しかし、このどこにも接続されていない接続部には、レーザ光が外部に漏れ出すのを防ぐ遮光手段としてのシャッタ599が設けられているため、レーザ光はシャッタ599に遮光され、外部に漏れ出すことはない。
【0051】
次に、光源ユニット100−2と第6の集積型光変換ユニット200−6を組み合わせた光源装置の動作について説明する。
光源ユニット100−2のうち、多芯コネクタ522,542を経由して蛍光体30−1,30−2と光学的に接続されている半導体レーザ10−1,10−2を点灯させたときの動作は、基本的に上述した、光源ユニット100−2と第4の集積型光変換ユニット200−4を接続したときの動作と同様である。上述した例では、半導体レーザ10−1,10−2と、蛍光体30−1,30−2を有する光変換ユニットがそれぞれ二つずつ組み合わされていたが、型第6の集積型光変換ユニット200−6を組み合わせた場合は、それぞれ一つずつである点を除いて、同様に動作する。
【0052】
また、光源ユニット100−2の有する多芯コネクタ522の、どこにも接続されていない接続部の動作についても、上述した第5の集積型光変換ユニット200−5の場合の動作と同様である。シャッタ599に照射されたレーザ光は、これに吸収されて、外部に漏れ出すことはない。
【0053】
以上のように、本第2実施形態に係る光源システムでは、一つの光源ユニット100−2に異なる1次光源を搭載し、集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6にも、異なる機能、数の光変換ユニットを搭載し、これらを適切に組み合わせることで、必要とされる様々な照明光を実現することが可能となる。
【0054】
つまり、本実施形態によれば、必要とする照明光の特性に応じて集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6を選択することができる。すなわち、上記第1実施形態の構成では、赤色成分の光が他の色に比べてやや弱く、この赤色成分の光が弱いことは、照明しようとする対象物によっては問題となる場合がある。例えば、赤色の物体を照明する場合、赤色成分が少ない照明光では暗く見えてしまう。本実施形態の構成によると、明るく且つ赤色成分が必要な用途では、光源ユニット100−2と第4の集積型光変換ユニット200−4を組み合わせれば良く、赤色成分が重要でない用途では、第5の集積型光変換ユニット200−5を用いれば良い。第5の集積型光変換ユニット200−5は、搭載されている光変換ユニット数が二つと少ないため、集積型光変換ユニットを小型で安価にすることができる。また、明るさは必要ないが、赤色成分が必要な場合には、第6の集積型光変換ユニット200−6を用いることで、必要な光を得ることができる。この第6の集積型光変換ユニット200−6も、小型で低コストの集積型光変換ユニットである。
【0055】
このように、用途に応じた照明装置を、共通の光源ユニット100−2により実現することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、光源ユニットは、2種類の光を射出する1次光源が二つずつ搭載された例を示したが、これに限らない。用途に応じて3種類以上の1次光源を搭載しても良いし、また、同じ光源を3個以上搭載してもかまわない。このように構成することで、より明るい光源装置を実現したり、より多くの色やスペクトルの異なる照明光を実現することができる。
【0057】
また、本実施形態では、接続部は、4芯の多芯コネクタを用いる例を示したが、これに限らない。2芯以上であれば、接続により異なる照明光を実現することが可能になる。また、5芯以上であれば、さらに多くの異なる照明光を実現することが可能となる。
【0058】
さらに、本実施形態では、黄色蛍光に赤色蛍光を加えて赤色の演色性を向上する例を示したが、これに限らない。例えば、405nmの青紫色レーザ光を青色に変換する蛍光体を用いることで、青色成分の強度を向上することができる。これにより、青色の物体を明るく照明するようにすることができる。
【0059】
なお、このような光源システムにおいて、特に明るさは必要なく、白色光と、赤色成分を付加した白色光とを利用したいユーザに対しては、1次光源の数を減らした光源ユニットを提供することで、小型で安価な照明装置を実現することができる。
【0060】
図7に示す光源ユニット100−3は、青色光を射出する半導体レーザ10−1と青紫色光を射出する半導体レーザ10−2を一つずつ有している。第1の集積型接続部としての多芯コネクタ522は、本第2実施形態に示した全ての集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6と接続可能であるが、第6の集積型光変換ユニット200−6との組み合わせにおいて、半導体レーザ10−1のみを点灯させれば白色光を得ることが可能であり、これに加えて半導体レーザ10−2も点灯させれば赤色成分を付加することが可能となる。なお、この場合の有効な接続部の数は2である。また、有効でない二つの接続部には蓋としてのシャッタ599が設けられている。言い換えると、接続部保持部材56は、4つの接続部搭載可能位置を有しており、このうち、二つに接続部が、残り二つにシャッタ599が、それぞれ取り付けられている。
【0061】
また、将来的に明るい照明光が必要になった場合には、光源ユニット100−2と第4の集積型光変換ユニット200−4を購入することで、明るい光源にステップアップできる。このときも、すでに所有している第6の集積型光変換ユニット200−6も継続して利用することができる。
【0062】
さらに、すでに光源ユニット100−2と、複数の集積型光変換ユニットを所有しているユーザに対しては、小型でこのような光源ユニット100−3は、予備やハンディ光源ユニットとして利用することができる。
【0063】
すなわち、本実施形態の光源システムにおいて、光源ユニット100−2と光源ユニット100−3は、光源ユニット群を構成しており、ユーザは、この光源ユニット群から、その目的に応じた光源ユニットを調達したり、所有している光源システムに追加したりすることが可能である。
【0064】
[第2実施形態の変形例]
次に、本発明の第2実施形態に係る光源システムの変形例について説明する。
【0065】
本変形例では、上記第2実施形態に説明した集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6と組み合わせて用いることができる、別の構成による光源ユニットの構成を説明する。
【0066】
上記第2実施形態で説明した光源ユニット100−2では、青色光を射出する半導体レーザ10−1二つと、青紫色光を射出する半導体レーザ10−2二つの4つの半導体レーザを用いていた。本変形例における光源ユニット100−4では、図8に示すように、半導体レーザ10−1と10−2をそれぞれ一つずつとし、これと、入射端1、射出端2の1×2の光カプラ27を組み合わせることで、青色光、青紫色光を、第1の集積型接続部としての多芯コネクタ522の接続ポートから射出するように構成されている。すなわち、導光路の一部を光ファイバ20から光カプラ27に置き換えて構成されている。光カプラは、光ファイバのコア部分を光学的に結合させる手法で作成する、一般的な光ファイバ技術によるものを利用することができる。
【0067】
このような構成においては、半導体レーザ10−1,10−2から射出されたレーザ光は、光カプラ27の入射端に入射し、これによりそれぞれが二つの光路に分岐され、多芯コネクタ522の4つの接続部のうち、それぞれが二つから射出される。その後の動作については、上記第2実施形態と同様である。
【0068】
このように構成することで、より少ない数の半導体レーザにより、集積型光変換ユニット200−4,200−5,200−6の有する、より多くの光変換ユニットから照明光を射出することが可能となる。
【0069】
これにより、集積型光変換ユニットの発光点を半導体レーザの数より多くすることができる。その結果、近接した照明対象を照明する場合などに、影ができにくいように照明光の射出部を配置することが可能となる。また、半導体レーザの数を減らすことで、光源ユニットをコンパクトで安価に提供することが可能となる。
【0070】
なお、本変形例では、光カプラに、1×2の光カプラ27を用いる例を示したが、これに限らない。例えば、1×3以上の多分岐タイプを用いることで、光変換ユニット数をより多くすることが可能となり、影ができにくいなど、より自由に照明パターンを設計することが可能となる。
【0071】
また、入射側が複数の光カプラを用い、一方に戻り光のモニタを設けることもできる。これにより、光変換ユニットから戻ってきたレーザ光や、光変換された光変換光の状況をモニタすることが可能となる。
【0072】
例えば、図9に示すように、光源ユニット100−5は、入射端2、射出端2の2×2の光カプラ28を用いた例を示している。二つの光カプラ28それぞれの有する二つの入射端のうち、半導体レーザ10−1,10−2と接続されていないほうの入射端に、光検出器12が配置されている。これにより、半導体レーザ10から射出されたレーザ光が、光学的に接続された光変換ユニットに照射された後、手元側に戻ってきた戻り光や、光変換された光変換光を、光検出器12で検出することが可能となる。
【0073】
さらに、上記第2実施形態の変形例では、光カプラは、光源ユニット100−4,100−5側に設けられる例を示したが、これを集積型光変換ユニット側に用いることも可能である。これにより、接続部の数を増やすことなく、集積型光変換ユニットの有する光変換ユニットの数を増やすことができる。
【0074】
なお、集積型光変換ユニットに搭載される光変換ユニットの種類は、上述した実施形態で示した例の他、様々な変形が可能である。例えば、耐熱性を向上し、より強い1次光を変換可能としたものや、波長変換フィルタ、複数の蛍光体を混合または積層したもの、及び、それらの複数を組み合わせたもの、などが可能である。
【0075】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0076】
例えば、上記全ての実施形態において、導光路として光ファイバ20,22を用いる例のみを示したが、これに限らない。一般に使用される様々な導光路を使用することができる。例えば、フィルム基板上に屈折率の異なる領域を互いに接するように構成されるフィルム導光路や、半導体基板上に屈折率の異なる領域を互いに接することで構成される半導体導光路や、樹脂等により構成されるスラブ型導光路など、様々な導光路を利用することが可能である。この場合、複数の導光路を一つの基板上に形成したものを利用することも可能である。
【0077】
また、同様に、導光路としての光カプラ27,28も光ファイバを光学的に結合させたものに限らず、一般意使用される様々な導光路による光カプラを使用することができる。例えば、上述のフィルム導光路や、半導体基板導光路、樹脂によるスラブ型導光路など様々な導光路を用いることができる。
【0078】
図10は、フィルム導光路90の一例を示している。同図に示すように、透明なフィルム基板900上に、該フィルム基板900より屈折率の高い透明な部材により導光部910が形成され、さらにその上に、フィルム基板900と略等しい屈折率を有する透明なカバー部材920が配置されて、フィルム導光路90が構成されている。このように構成することで、導光部910に入射した光は、フィルム基板900やカバー部材920に伝播しにくくなり、効率良く光を導光することが可能に構成されている。
【0079】
図11は、フィルム導光路技術による光カプラの一例を、上面から見た透視図として示している。入射端931から入射した1次光は、光カプラ部950で二つの経路に分岐し、射出端933から射出される。
【0080】
なお、集積型接続部500は、フィルム導光路を着脱可能とするコネクタ等、通常の技術を用いることができる。
【0081】
さらに、フィルム導光路以外の半導体導光路やスラブ型導光路などを用いる場合、接続部は適宜、適切な技術を選択すれば良い。
【0082】
その他、発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な修整が可能である。
【符号の説明】
【0083】
10−1,10−2…半導体レーザ、 12…光検出器、 20…光ファイバ、 20,22…光ファイバ、 27,28…光カプラ、 30−1,30−2…蛍光体、 32−1…拡散部材、 40−1〜40−3…保持部材、 42…フェルール、 52…第1の接続部、 54…第2の接続部、 56,58…接続部保持部材、 60−1〜60−6,60−4−A,60−4−B…光変換ユニット保持部材、 81…青色レーザ光、 82…青紫色レーザ光、 90…フィルム導光路、 91…黄色蛍光、 92…赤色蛍光、 99…蛍光、 100−1〜100−5…光源ユニット、 200−1〜200−6,200−4−A,200−4−B…集積型光変換ユニット、 500…集積型接続部、 520,522,540,542…多芯コネクタ、 599…シャッタ、 900…フィルム基板、 910…導光部、 920…カバー部材、 931…入射端、 933…射出端、 950…光カプラ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次光を射出する1次光源を有する光源ユニットと、
前記1次光の光学的性質を変換して2次光を生成する光変換素子を有する光変換ユニットと、
を具備する光源装置において、
前記光変換ユニットを複数有し、
前記1次光源と前記複数の光変換ユニットとはそれぞれ導光路によって光学的に接続されており、
前記それぞれの導光路上に、前記1次光源と前記複数の光変換ユニットとを着脱可能な接続部を有していることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記複数の光変換ユニットは、共通の光変換ユニット保持部材に取り付けられて集積型光変換ユニットを形成していることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記接続部のうち、光源ユニット側に取り付けられた前記接続部の一方を第1の接続部とし、光変換ユニット側に取り付けられた前記接続部の他方を第2の接続部としたときに、
前記第1の接続部は、一つにまとめられて第1の集積型接続部を構成しており、
前記第2の接続部は、一つの接続部保持部材に取り付けられて第2の集積型接続部を構成しており、
前記第1の集積型接続部と前記第2の集積型接続部は、着脱可能な集積型接続部を構成していることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1の集積型接続部において前記1次光源と光学的に接続されている前記第1の接続部の数を前記第1の集積型接続部の有効な接続部の数とし、前記第2の集積型接続部の有する接続部保持部材に取り付けられている前記第2の接続部の数を前記第2の集積型接続部の有効な接続部の数としたときに、
前記第1の集積型接続部の有効な接続部の数は、前記第2の集積型接続部の有効な接続部の数と等しいか、またはそれより多いことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記接続部保持部材の、前記第2の接続部を取り付け可能な接続部取付位置において、前記第2の接続部が取り付けられていない接続部取付位置に、前記1次光が外部に漏れ出すのを防止する遮光手段が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記光源ユニットの有する1次光源の数は、前記第1の接続部の数と等しいか、それより少ないことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項7】
前記光変換ユニットはそれぞれ、前記1次光の光学的性質のうち、ピーク波長、スペクトル形状、放射角の少なくとも一つに対する光変換機能を有しており、
前記集積型光変換ユニットは、前記波長変換機能が互いに異なる光変換ユニットを含むことを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項8】
請求項3に記載の光源装置を具備し、
前記集積型光変換ユニットは、複数の集積型光変換ユニットにより集積型光変換ユニット群を構成しており、
前記集積型光変換ユニット群のメンバーである集積型光変換ユニットは全て、前記集積型接続部において前記光源ユニットと着脱可能であることを特徴とする光源システム。
【請求項9】
前記集積型光変換ユニット群は、前記光変換ユニット保持部材上の前記光変換ユニットの取り付け位置が互いに異なる集積型光変換ユニットを含むことを特徴とする請求項8に記載の光源システム。
【請求項10】
前記集積型光変換ユニット群は、前記1次光の光学的性質のうち、ピーク波長、スペクトル形状、放射角の少なくとも一つに対する光変換機能が互いに異なる光変換ユニットを、少なくとも一つ含む集積型光変換ユニットを有することを特徴とする請求項8に記載の光源システム。
【請求項11】
前記集積型光変換ユニット群は、それぞれの集積型光変換ユニットの有する光変換ユニットの数が互いに異なる集積型光変換ユニットを少なくとも一つ含むことを特徴とする請求項8に記載の光源システム。
【請求項12】
前記光源ユニットは、複数の光源ユニットにより光源ユニット群を構成しており、
前記光源ユニット群のメンバーは全て、前記集積型接続部において前記集積型光変換ユニット群のメンバーと着脱可能であることを特徴とする請求項3に記載の光源装置を用いた光源システム
【請求項13】
前記光源ユニット群は、前記光源ユニットが射出する前記1次光の光学的性質のうち、ピーク波長、スペクトル形状、最大出力の少なくとも一つが互いに異なる1次光を放射可能であるメンバーを有することを特徴とする請求項12に記載の光源システム。
【請求項14】
前記光源ユニット群は、光源ユニットの有する1次光源の数が互いに異なるメンバーを有することを特徴とする請求項12に記載の光源システム
【請求項15】
前記光源ユニット群は、前記第1の集積型接続部の有効な接続部の数が互いに異なるメンバーを有することを特徴とする請求項12に記載の光源システム。
【請求項16】
前記導光路は、光ファイバまたはフィルム導光路であることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−208445(P2012−208445A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76078(P2011−76078)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】