説明

光走査装置及びその筐体と構成方法ならびに画像形成装置

【課題】光走査装置の構成要素の共通化と多種類の形態実現の両立を可能とする。
【解決手段】第1筐体61と第2筐体62をネジ63等で接合し、光走査装置5のフレームを構成する。第1筐体61には、光源ユニットを含む第一の光学系(図示せず)とポリゴンスキャナ51とfθレンズ52が支持される。折り返しミラー53及びトロイダルレンズ54は第2筐体62に支持される。構成レイアウトが異なる画像形成装置に対しては、第2筐体62に代えて形状が異なり光路形態が異なる第2筐体を第1筐体61に結合して光走査装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル複写機やレーザプリンタ等の書込系に用いられる光走査装置とそれを搭載する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開平11−287966号公報
【特許文献2】特開2001−10013号公報
【特許文献3】特開2002−182145号公報
【0003】
光源からの光ビームを偏向して感光体等の被走査面を走査する光走査装置として、数多くのものが提案・実用化されている。これらのうち、レーザープリンタ等の画像形成装置に使用されるものについては、たとえ同じ製造者によるものであっても、全く異なった形態の光走査装置を使用していることが多い。これは、画像形成装置全体の構成レイアウトがそれぞれに異なっているためである。
【0004】
例えば、図16(a)に示すデジタル複写機のように、装置の下部に給紙部201を配置し、装置上部にスキャナ202を配置し、装置本体の中央部に作像エンジン部203を配置し、装置の一方側に設けられた排紙トレイ206に用紙を排出する構成においては、給紙部201から感光体ドラム204下方の転写部に用紙を搬送する必要があり、電子写真プロセスの構成・順序からは、光走査装置205は必然的に感光体ドラム204の上方に設けなければならない。また、光走査装置205が複写機全体の幅から突出しない(複写機全体の幅を大きくしない)ためには、折り返しミラーを用いて走査光を折り返す必要がある。
【0005】
また、図16(b)に示すレーザープリンタのように、装置の下部に給紙部301を配置し、その上に作像エンジン部303を配置し、装置一方側の端部付近を用紙搬送経路として装置上面に設けた排紙トレイ306に用紙を排出する構成においては、電子写真プロセスの構成・順序からは、光走査装置305は必然的に感光体ドラム304の側方(やや下側)に設けなければならない。また、光走査装置305の隣にはインターフェース装置307が配置されるため、装置サイズを大きくしないためには折り返しミラーを用いて走査光を折り返す必要がある。
【0006】
また、図16(c)に示すフルカラープリンタのように、複数(図示例では4つ)の感光体ドラム404と、各感光体ドラムに対応する複数の光走査装置405とを備え、装置の下部に給紙部401を配置し、装置一方側の端部付近を用紙搬送経路として装置上面に設けた排紙トレイ406に用紙を排出する構成においては、光走査装置405は必然的に感光体ドラム404の側方に設けなければならない。この装置では、光走査装置405に隣接する構成要素が無く、折り返しミラーを用いる必要がない。また、折り返しミラーを用いた場合には光走査装置の高さが大きくなるため、複数(4つ)の光走査装置405を上下方向に配設した場合の装置全高を大きくしないためにも、折り返しミラーを用いない構成である。
【0007】
上記のように、画像形成装置全体の構成レイアウトがそれぞれに異なるものを生産する場合、異なった形態の光走査装置を準備しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、構成(形態)が異なる光走査装置であっても、所望の走査範囲が同じ(例:A4長手方向であれば297mm)場合、走査光学系に含まれるレンズは同じものを使用できる。このため、同一の製造者による機種群では、異なった形態の光走査装置であっても多くの機種で走査レンズを共通使用している。
【0009】
また、光源、偏向器、走査レンズの相対位置(配置)は、望ましい結像性能を得るためにはその後の光線の折り返し方によらず同一である必要がある。
このように、共通化できる要因があるにもかかわらず、上述の構成レイアウトに対応するため、多くの種類の光走査装置を製造する事態になっており、装置コストを増大させる原因となっている。また、多くの種類の光走査装置を製造することは装置の再使用を阻害する要因ともなっており、リサイクル促進の観点からも好ましくない。
【0010】
本発明は、従来における上述の問題を解決し、構成要素の共通化と多種類の形態実現の両立を可能とする、光走査装置の筐体および光走査装置ならびに画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題は、本発明により、光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、一つ以上の光学素子を含み前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系を備える光走査装置において、当該光走査装置の筐体が第一の筐体と第二の筐体とからなり、前記光源と、前記偏向器と、前記第一の光学系とが前記第一の筐体に支持され、前記第二の光学系に含まれる少なくとも一つの光学素子が前記第二の筐体に支持されることにより解決される。
【0012】
また、前記の課題は、本発明により、光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、一つ以上の光学素子を含み前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系を備える光走査装置において、当該光走査装置の筐体が第一の筐体と第二の筐体とからなり、前記光源と、前記偏向器と、前記第一の光学系と、前記第二の光学系に含まれる光学素子のうち少なくとも前記偏向器に最も近い光学素子とが前記第一の筐体に支持され、前記第二の光学系に含まれる光学素子のうち、前記偏向器に最も近い光学素子以外の光学素子が前記第二の筐体に支持されることにより解決される。
【0013】
また、前記第一の筐体は、前記第二の筐体とは光路が異なる他の第二の筐体を取り付け可能に構成されていると好ましい。
また、前記第一の筐体は、前記第二の筐体とはそれぞれ光路が異なる複数の他の第二の筐体のなかの一つの第二の筐体を選択的に取り付け可能に構成されていると好ましい。
【0014】
また、前記第一の筐体が塑性加工により板状の素材から形成されたものであり、前記第二の筐体が素材の溶融を伴う加工法により成型されたものであると好ましい。
また、前記第一の筐体の加工法がプレス加工であると好ましい。
【0015】
また、前記第二の筐体の加工法が射出成型加工であると好ましい。
また、前記第二の筐体の加工法がダイカスト工法であると好ましい。
また、前記第一の光学系と第二の光学系を複数備え、それぞれ異なる被走査面を走査すると好ましい。
【0016】
また、前記第一の筐体と前記第二の筐体を覆う共通のカバーを備えると好ましい。
また、前記カバーは、前記第一の筐体及び前記第二の筐体の少なくとも一方に遊嵌締結されると好ましい。
【0017】
また、前記の課題は、本発明により、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光走査装置を備える画像形成装置により解決される。
また、前記光走査装置の前記第一の筐体または前記第二の筐体が画像形成装置フレームに固着され、他方の筐体が画像形成装置フレームに遊嵌締結されると好ましい。
【0018】
また、前記第一の筐体と前記第二の筐体を覆う共通のカバーは、前記画像形成装置フレームに固着される側の光走査装置の筐体に固着され、他方の筐体に対して遊嵌締結されると好ましい。
【0019】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、光走査装置の筐体の一部を構成する部分筐体であって、少なくとも光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系とを支持することを特徴とする光走査装置の部分筐体を提案する。
【0020】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、光走査装置の筐体の一部を構成する部分筐体であって、少なくとも光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系に含まれる一つ以上の光学素子とを支持することを特徴とする光走査装置の部分筐体を提案する。
【0021】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、光走査装置の筐体の一部を構成する部分筐体であって、光源からの光を偏向させて走査する偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系のうちの少なくとも一つの光学素子を支持することを特徴とする光走査装置の部分筐体を提案する。
【0022】
また、当該部分筐体が支持する光学素子以外の光学素子を搭載した他の部分筐体を結合可能に構成され、光路が異なる複数の他の部分筐体のなかの一つの部分筐体を選択的に取り付け可能に構成されていると好ましい。
【0023】
また、前記の課題は、本発明により、光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、一つ以上の光学素子を含み前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系を備える光走査装置を構成する光走査装置構成方法において、光走査装置の筐体の一部を構成する第一の筐体に少なくとも光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系とを支持させ、該第一の筐体が支持する以外の光走査装置に必要な光学素子を光走査装置の筐体の一部を構成する第二の筐体に支持させ、光路が異なる複数の第二の筐体のなかの一つの第二の筐体を選択的に前記第一の筐体に結合させて光走査装置を構成することにより解決される。
【0024】
また、光源として異なるビーム数の光源を選択的に使用すると好ましい。
また、偏向器として回転多面鏡の回転数の異なる偏向器を選択的に使用すると好ましい。
【0025】
また、偏向器として回転多面鏡の回転方向の異なる偏向器を選択的に使用すると好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の光走査装置および画像形成装置ならびに光走査装置構成方法によれば、光走査装置を構成する要素の共通化と多種類の形態実現の両立を可能とし、画像形成装置の構成レイアウトに適した光走査装置を低コスト且つ容易に実現することができる。また、多様な形態の光走査装置であっても所望の結像性能を同様に得ることが可能となる。
【0027】
また、光路折り返し部などの複雑な形状を(第二の筐体として)分離できるため、第一の筐体の製造コストを低減させ、光走査装置および画像形成装置のコストを低減させることができる。
【0028】
本発明の光走査装置の部分筐体によれば、配置精度の厳密な管理が要求される光学素子を部分筐体に支持させることで、光学性能への影響を極力防止しながら筐体の共通使用を可能とし、光走査装置を構成する要素の共通化と光走査装置の多様化を両立させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の一例であるデジタル複写機の概略構成を示す断面図である。この図に示すデジタル複写機10は、装置本体の下部に給紙部1を配置し、装置上部にスキャナ2を配置し、装置本体の中央部に作像エンジン部3を配置している。
【0030】
作像エンジン部3では、像担持体としての感光体ドラム4の周囲に帯電器6,現像装置7,転写ローラ8,クリーニング装置9等が配設されている。それらの上方には、光走査装置5が配置されている。感光体ドラム4の図において左方には、定着装置11が設けられている。
【0031】
光走査装置5は、ポリゴンスキャナ51,fθレンズ52,折り返しミラー53及びトロイダルレンズ54を有している。このほか、光源ユニット56及びシリンドリカルレンズ57(図3に示す)も有している。
【0032】
給紙部1には、2段の給紙トレイ13a,13bが配設されている。各給紙トレイに対応して給紙手段14a,14bが設けられ、また、用紙搬送路の適宜位置には搬送ローラ対15,15が配置されている。
【0033】
このように構成された本例のデジタル複写機10では、感光体ドラム4の表面が帯電器6によって所定の電位に均一に帯電される。光走査装置5においては、スキャナ2で読み取った原稿の画像データに基づいて光源ユニットのLD(レーザダイオード)が駆動され、走査光としてのレーザビームをポリゴンスキャナ51の回転多面鏡に照射し、fθレンズ52等を介して走査光を感光体ドラム4上に導き、感光体ドラム4上に静電潜像を形成する。この潜像に現像装置7からトナーが付与され、トナー像として可視化される。
【0034】
一方、給紙部1より給送された用紙が感光体ドラム4上のトナー像とタイミングを合わせてレジストローラ12より送り出され、転写位置に搬送される。感光体ドラム4と転写ローラ8が対向する転写位置にて感光体上のトナー像が用紙上に転写され、そのトナー像を担持する用紙は定着装置11へと送られる。そして、定着装置11において未定着トナー像が用紙上に定着され、排紙トレイ16に排出される。トナー像転写後の感光体ドラム4は、クリーニング装置9によりクリーニングされ、図示しない除電器により残留電位が除去され、次回の作像に備える。
【0035】
図2は、光走査装置5の構成を詳しく示す断面図である。
本実施例の光走査装置5は、第1筐体61及び第2筐体62からなる装置フレーム内に回転偏向器としてのポリゴンスキャナ51,fθレンズ52,折り返しミラー53及びトロイダルレンズ54等を配置している。このほか、図3に示される光源ユニット56及びシリンドリカルレンズ57も備えている。第1筐体61は、本例ではプレス加工により鋼板から作成されたものである。また、第2筐体62は、本例では射出成型により作成された樹脂製である。その第1筐体61と第2筐体62を、ネジ63等で接合し、光走査装置5の主要部を構成している。なお、第1筐体61及び第2筐体62は、ダイカストなどで作成しても良い。第1筐体61と第2筐体62を結合して構成した光走査装置の筐体上面には、防塵のための第1筐体61と第2筐体62を覆うカバー65がネジ止めされ取り付けられている。
【0036】
回転多面鏡51aを有するポリゴンスキャナ51は、第1筐体61に複数のネジ64により固定されている。また、ポリゴンスキャナ51の軸受部51bが第1筐体61に設けられた軸受穴にはめ込まれ、ポリゴンスキャナ51が第1筐体61に対して位置を規定されている。
【0037】
主に主走査対応方向の結像特性に寄与するfθレンズ52は、第1筐体61に接着固定されている。また、第1筐体61の紙面奥側には、図3に示す光源ユニット56とシリンドリカルレンズ57も固定されている。
【0038】
第2筐体62は、主に副走査対応方向の結像特性に寄与するトロイダルレンズ54,折り返しミラー53,防塵ガラス55を保持している。トロイダルレンズ54及び防塵ガラス55は接着により固定され、折り返しミラー53は板バネ66による付勢によって支持されている。
【0039】
図3は、第1筐体61にレーザーダイオードやカップリングレンズなどで構成される光源ユニット56,第一の光学系であるシリンドリカルレンズ57,ポリゴンスキャナ51及びfθレンズ52を取り付けた状態の俯瞰図であり、図2の右上から左下方向に見た状態である。光源ユニット56はネジにより、シリンドリカルレンズ57は接着により、それぞれ第1筐体61に固定される。なお、ポリゴンスキャナ51よりも上流側の光学素子を第一の光学系、下流側の光学素子を第二の光学系と称することとする。
【0040】
光源ユニット56からのレーザー光はシリンドリカルレンズ57を通ってポリゴンスキャナ51の回転多面鏡51aに反射され、fθレンズ52を経て折り返しミラー53に反射して折り返され、トロイダルレンズ54を通過して感光体ドラム4に導かれ、感光体ドラム4上を走査する。これにより印字データの書き込みが行われる。
【0041】
次に、本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の第2実施例について説明する。図4に示すレーザープリンタ20は、装置本体の下部に給紙部21を配置し、その上に作像エンジン部23を配置している。
【0042】
作像エンジン部23では、像担持体としての感光体ドラム24の周囲に帯電器26,現像装置27,転写ローラ28,クリーニング装置29等が配設されている。感光体ドラム24の側方やや下側には光走査装置25が配置されている。感光体ドラム24の上方には、定着装置31が設けられている。光走査装置25については後述する。そのほか、図中の符号32はレジストローラ、符号37は排紙ローラである。
【0043】
給紙部21には給紙トレイ33が配設されている。給紙トレイ33に対応して給紙手段34が設けられ、また、用紙搬送路には搬送ローラ対35が配置されている。
本実施例のレーザープリンタ20はスキャナを備えておらず、画像データとして外部のパソコン等より送られてくる画像データを用いる。その画像形成動作は基本的には図1の複写機10の場合と同様であるため詳しい説明を省略するが、感光体ドラム24に形成したトナー像を給紙部21より給送した用紙上に転写して定着し、装置上面に形成した排紙トレイ36上に排出するものである。
【0044】
図5は、レーザープリンタ20が備える光走査装置25の構成を詳しく示す断面図である。本例の光走査装置25は、第1実施例のデジタル複写機10の光走査装置5と一部が共通であり、同一部分には同じ符号を用い、また、同等の部分には符号の後に「B」を付して示している。
【0045】
第1筐体61と、その第1筐体61に保持されるポリゴンスキャナ51,fθレンズ52及び図3に示される第一の光学系(光源ユニット56及びシリンドリカルレンズ57)は第1実施例の光走査装置5と同一部材であり、その配置も同一であるため、全く同じ構成として光走査装置25と光走査装置5とで共通使用が可能な部分である。
【0046】
光学素子のうち折り返しミラー53(本例では2つ用いられる)及びトロイダルレンズ54は部材としては第1実施例の光走査装置5のものと同一であるが、配置が異なるため、形態の異なる第2筐体62Bを使用し、その第2筐体62Bに折り返しミラー53,53及びトロイダルレンズ54が固定支持される。
【0047】
第1筐体61と第2筐体62Bはネジ等により接合され、上面に防塵のためのカバー65Bがネジ止めされ取り付けられている。第1筐体61と第2筐体62Bを覆うカバー65Bには、走査光を射出させる開口が設けられ、該開口には防塵ガラス55Bが固定される。
【0048】
光源ユニット56からのレーザー光はシリンドリカルレンズ57を通ってポリゴンスキャナ51の回転多面鏡51aに反射しfθレンズ52を経て、本例では2つの折り返しミラー53,53に反射して折り返され、トロイダルレンズ54を通過して感光体ドラム4に導かれ、感光体ドラム4上を走査する。これにより印字データの書き込みが行われる。
【0049】
次に、本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の第3実施例について説明する。図6に示すカラープリンタ70は、装置本体の下部に給紙部71を配置し、その上に作像エンジン部73を配置している。
【0050】
本例のカラープリンタ70は、いわゆる4連タンデム方式の画像形成装置であり、作像エンジン部73に4つ(4色分)の作像ユニット72C,72M,72Y,72Bkを下から順に配置している。本例では、各作像ユニットにおいてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色トナーを用いて画像が形成される。各作像ユニットの構成は同一であり、使用するトナーの色が異なるのみであるので、作像ユニット72Cのみに各部の符号を付している。
【0051】
各作像ユニットにおいては、像担持体としての感光体ドラム74の周囲に帯電器76,現像装置77,転写ローラ78,クリーニング装置79等が配設されている。本例では各作像ユニットごとに書き込み装置を備えており、感光体ドラム74の側方に光走査装置75が配置されている。本例では、各作像ユニットにおける走査光は、画像データを色分解した各色成分の走査光となる。
【0052】
一番上の作像ユニット72Bkの感光体ドラムの上方には、定着装置81が設けられている。そのほか、図中の符号82はレジストローラ、符号86は排紙トレイ、符号87は排紙ローラである。また、給紙部71には給紙トレイ83が配設されている。給紙トレイ83に対応して給紙手段84が設けられ、また、用紙搬送路には搬送ローラ対85が配置されている。
【0053】
本例のカラープリンタ70では、各作像ユニットにおいてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色トナーを用いて画像が形成される。給紙部71から給送された用紙は、レジストローラ82によりトナー像とのタイミングを取って送出され、転写手段である転写ローラ78の作用により、各色感光体ドラム74上の各色トナー像が用紙上に順次重ね転写され、フルカラー画像が用紙上に形成される。モノクロ画像の場合は、一番上の作像ユニット72Bkのみで画像を形成し、用紙上に転写する。用紙上のトナー像は定着装置81により定着され、排紙ローラ87により用紙は排紙トレイ86に排出されてスタックされる。
【0054】
図7は、カラープリンタ70が備える光走査装置75の構成を詳しく示す断面図である。本例の光走査装置75は、第1実施例のデジタル複写機10及び第2実施例のレーザープリンタ20の光走査装置5及び25と一部が共通であり、同一部分には同じ符号を用い、また、同等の部分には符号の後に「C」を付して示している。
【0055】
第1筐体61と、その第1筐体61に保持されるポリゴンスキャナ51,fθレンズ52及び図3に示される第一の光学系(光源ユニット56及びシリンドリカルレンズ57)は第1及び第2実施例の光走査装置5及び25と同一部材であり、その配置も同一であるため、全く同じ構成として光走査装置75と光走査装置5及び25とで共通使用が可能な部分である。
【0056】
光学素子のうちトロイダルレンズ54は部材としては第1及び第2実施例の光走査装置5及び25のものと同一であるが、配置が異なるため、形態の異なる第2筐体62Cを使用し、その第2筐体62Cにトロイダルレンズ54が接着により固定支持される。本例の光走査装置75では、ポリゴンスキャナ51の回転多面鏡51a,fθレンズ52及びトロイダルレンズ54が直線的に配置されるため、折り返しミラーを用いる必要がなく、折り返しミラー53を備えていない。
【0057】
第1筐体61と第2筐体62Cはネジ等により接合され、上面に第1筐体61と第2筐体62Cを覆う防塵のためのカバー65Cがネジ止めされ取り付けられている。第2筐体62Cには、走査光を射出させる開口が設けられ、該開口には防塵ガラス55Cが固定される。本例における第2筐体62Cは単純な形状であるため、プレス加工により鋼板から作成しても良いが、この例では、射出成型により作成した樹脂製のものとした。
【0058】
光源ユニット56からのレーザー光はシリンドリカルレンズ57を通ってポリゴンスキャナ51の回転多面鏡51aに反射され、fθレンズ52を経てトロイダルレンズ54を通過して感光体ドラム4に導かれ、感光体ドラム4上を走査する。これにより印字データの書き込みが行われる。なお、本例では、各作像ユニットにおける走査光は、画像データを色分解した各色成分の走査光である。
【0059】
ここで、光走査装置における光学系の基本配置について図8を参照して説明する。
図8において、図示しない光源から発したレーザー光は、シリンドリカルレンズ等の第一の光学系(図8には示さず)を経て回転多面鏡であるポリゴンミラー101によって紙面に垂直な方向(主走査方向)に走査される。その走査光は、第1走査レンズ102及び第2走査レンズ103を経て、被走査面104に至る。
【0060】
ポリゴンミラー101の反射面から第1走査レンズ102までの距離をL1,ポリゴンミラー101の反射面から第2走査レンズ103までの距離をL2,ポリゴンミラー101の反射面から被走査面104までの距離をL3としたとき、各走査レンズの焦点距離の関係から、所望の結像性能を得るためには、上記L1,L2,L3は常に同じ長さでなければならない。つまり、例えば、ある光走査装置を異なる装置構成の画像形成装置に使用したことにより、ポリゴンミラー101の反射面から被走査面104までの距離L3が当初の値から変わってしまった場合などは、所望の結像性能を得ることができなくなってしまう。
【0061】
上記説明した第1〜第3実施例における光走査装置5,25,75においては、光走査装置の形態(全体形状)がそれぞれに異なっており、図9(a)〜(c)に簡略的に示すように、折り返しミラー53の個数あるいは有無により、ポリゴンミラー(回転多面鏡)51aから被走査面(感光体ドラム表面)4,24,74までの光路形状が異なっている。
【0062】
しかし、第1〜第3実施例の光走査装置5,25,75では、回転多面鏡51aからfθレンズ52までの距離をL1,回転多面鏡51aからトロイダルレンズ54までの距離をL2,回転多面鏡51aから被走査面(感光体ドラム表面)4,24,74までの距離をL3としたとき、L1,L2,L3は全て(光走査装置5,25,75で)同じになっている。
【0063】
さらに、図3に示すように、光源ユニット56から回転多面鏡51aまでの距離をL0とし、シリンドリカルレンズ57から回転多面鏡51aまでの距離をLとすると、このL0及びLの長さも常に同じでなければならない。ここで、第1〜第3実施例の光走査装置5,25,75では、上述の如く第1筐体61と、その第1筐体61に保持される各光学素子は全く同じ構成であるため、第1〜第3実施例の光走査装置5,25,75におけるL0及びLの長さは全て同じになっている。
【0064】
したがって、光走査装置5,25,75で使用するポリゴンスキャナ51やfθレンズ52,トロイダルレンズ54等の光学素子が同一部材であり、また、上記のようにL1,L2,L3及びL,L0が全て同じになっているため、光走査装置の形態がそれぞれに異なっていても、光走査装置としての光学的性能は同等であり、所望の結像性能を同様に得ることが可能である。
【0065】
そして、第1筐体61と、その第1筐体61に保持される各光学素子は全く同じ構成で光走査装置5,25,75において共通使用が可能であるため、光走査装置のコスト低減が可能である。また、装置あるいは部品の再使用・再利用にも有利である。
【0066】
また、第1〜第3実施例の光走査装置5,25,75では、共通の第1筐体61に対して、それぞれの第2筐体62,62B,62cは、固定位置(固定手段の位置)及び固定方法を共通としている。そのため、共通の第1筐体61に対して各第2筐体62,62B,62cを選択的に取り付けることが可能となっている。また、各第2筐体62,62B,62cに支持されるトロイダルレンズ54や折り返しミラー53等の光学素子は、第1筐体61に支持されるポリゴンスキャナ51やfθレンズ52等とともに、図9で説明したように所望の結像性能を得られるように配置されている。これにより、装置構成の異なる画像形成装置に適用可能な多様な光走査装置を容易に実現することができる。
【0067】
ところで、上記した第1〜第3実施例の光走査装置5,25,75では、第1筐体61,第2筐体62(62B,62C)及びそれら両方を覆うカバー65(65B,65C)は、互いに形状が異なっており、また、材質も互いに異なる場合がある。そのような場合、光走査装置周囲の温度の変化およびポリゴンスキャナ51の回転に伴う第1筐体61の温度変化に留意する必要がある。すなわち、締結・結合する部材の形状・材質が異なるため、温度が変化した場合にはそれぞれの部材の膨張率・収縮率が異なり、締結の仕方によってはそれぞれに歪みとなって表れる。これを回避するためには、締結部の一部を図10に示すような締結構造(遊嵌締結と称する)とするのが好ましい。
【0068】
例えば、第1筐体61に第2筐体62を固定する場合では、第1筐体61に第2筐体62を合わせ、段付きネジ30で固定する。ここで、ネジ頭下面と被固定部材(第2筐体62)との間隔Gを微小とすることで、互いの部材の膨張・収縮量の差を吸収することができる。各部材の膨張・収縮の傾向によって穴31(段付きネジ30の胴部が入り込んでいるガイド溝)の位置(方向)を適切に(ここでは図示A方向に)定めれば良い。図11は、上記締結構造を図10の矢印A方向と直交する方向から見た図である。上記A方向と直交する方向には膨張・収縮量の差を考慮する必要がないため、穴31と段付きネジ30はほとんど隙間が無い構造となっている。
【0069】
このような遊嵌締結は、第1・第2筐体間だけでなく、カバー65の固定や、画像形成装置本体フレーム(図示せず)への光走査装置全体を固定する場合も採用可能である。固定する部材間の膨張・収縮量の差や膨張・収縮の傾向に応じて、図10,11で説明したような遊嵌締結を適宜選択すれば良い。
【0070】
例えば、カバー65を、第1筐体61と第2筐体62のいずれか一方に遊嵌締結で締結させたり(他方の筐体に対しては通常の締結で固定する)、第1筐体61と第2筐体62の双方に対して遊嵌締結で締結させることもできる。
【0071】
また、例えば、第1筐体61と第2筐体62のいずれか一方を画像形成装置のフレームに固着し、他方を画像形成装置のフレームに遊嵌締結で締結させることもできる。その場合、カバー65を、画像形成装置フレームに固着する側の光走査装置筐体に固着する(他方の走査装置筐体に対しては遊嵌締結する)ように構成しても良い。
【0072】
なお、上記第1〜第3実施例の光走査装置5,25,75において、第二の光学系(回転多面鏡の下流側の光学素子)に含まれるfθレンズ52は比較的ポリゴンスキャナ51に近い位置にある(L1が短い)ため、fθレンズ52を第1筐体61に固定している。
【0073】
しかしfθレンズ52がポリゴンスキャナ51から遠い位置にある(L1とL2の差が小さい)光学系を使用する場合は、fθレンズ52を第二の筐体に固定しても良い。この場合は、第二の光学系を全て搭載する第二の筐体(画像形成装置の構成レイアウトに応じた光路形態を形成する第二の筐体)を準備しておき、適切な第二の筐体を選択的に使用する(第一の筐体に適切な第二の筐体を接合して光走査装置を構成する)ことになる。
【0074】
fθレンズ52を第二の筐体に固定した(すなわち、第二の光学系を全て第二の筐体に搭載した)光走査装置の構成例を図12に示す。第3実施例の光走査装置に類似した構成であって、fθレンズ52までの距離L1が比較的大きい場合には、図12に示すような構成となる。図13は、図12の構成に対応する光学系の配置を示す図で、ポリゴンミラー101の反射面から第1走査レンズ(fθレンズ)102までの距離をL1,ポリゴンミラー101の反射面から第2走査レンズ(トロイダルレンズ)103までの距離をL2,ポリゴンミラー101の反射面から被走査面104までの距離をL3としている。なお、第1実施例あるいは第2実施例と類似した光走査装置も構成可能である。
【0075】
逆に、L1とL2の差が小さく且つL2が小さい場合には、fθレンズ52及びトロイダルレンズ54を第一の筐体に固定しても良い。L1,L2の値によって、適宜な構成とすればよい。fθレンズ52及びトロイダルレンズ54は第一の筐体、第二の筐体のどちらに固定されても支障はなく、トロイダルレンズ54を第一の筐体に搭載した構成は特に図示しない。
【0076】
さらに、各実施例では第二の光学系に含まれる素子はfθレンズ,トロイダルレンズ及び折り返しミラーであったが、これだけに限らず、例えば、湾曲型ミラーなどの任意の光学素子すべてを使用可能である。また、平板ガラスなどを挿入あるいは除去して上記のL1,L2,L3の値を見かけ上変更した(光路が伸縮する)構成も等価とみなされるものであり、本発明において使用可能である。
【0077】
ところで、光走査装置のフレームを構成する第一の筐体(上記各実施例では第1筐体61)及び第二の筐体(上記各実施例では第2筐体62,62B,62C)は、形状・加工性・作成数量などから適宜最適な加工方法を選択すればよい。ただし、上記各実施例では第1筐体61に支持すべき部品が決まっており、なおかつそれらを固定する部分の形状が単純であるため、プレス加工に代表される組成加工によって第一の筐体を安価に製作することができる。
【0078】
一方、第二の筐体は画像形成装置の構成レイアウトに応じて光学素子の様々な配置に対応する必要があり、第1実施例の第2筐体62あるいは第2実施例の第2筐体62Bのように複雑な形状となる場合がある。そのような場合は、射出成型やダイカストなど、素材の溶融を伴う加工法を用いることで、第二の筐体の製作が容易となる。
【0079】
このように、上記各実施例においては、共通の第一の筐体(第1筐体61)に画像形成装置の構成レイアウトに応じた形態の第二の筐体(第2筐体62,62B,62C)を組み合わせることで光走査装置を構成でき、また、各筐体に搭載される光学素子として同一部材を用いて光走査装置を構成できるので、多様な構成レイアウトの画像形成装置に対して適切な構成の光走査装置を低コスト且つ容易に提供することが可能となる。また、多様な形態の光走査装置であっても所望の結像性能を同様に得ることが可能となる。
【0080】
そして、上記各実施例においては、第1筐体61上に第二の光学系の一部であるfθレンズを搭載しているが、これは、回転偏向器からの距離を厳密に管理して使用する必要がある部品のうちで、回転偏向器に近接した部品、換言すれば距離のみならず相対位置が常に一定で使用される(折り返し等の影響を受けない)部品を第一の筐体上に配置することで、光学性能への影響を極力防止することで筐体の共通使用を可能とし、光走査装置を構成する要素の共通化と光走査装置の多様化を両立させることができる。また、反射鏡(ミラー)による光路折り返し部などの複雑な形状を(第二の筐体として)分離できるため、第一の筐体として安価に作成できるプレス加工による部品を使用することができ、コストを低減させることができる。
【0081】
また、従来から行われているように、光源のビーム数、回転偏向器であるポリゴンスキャナの回転数及び回転方向等を適宜選択する(設定する)ことにより、容易に光走査装置としての仕様を変更することができ、更に多様な光走査装置を実現することができる。
【0082】
さらには、上記した構成は、本願出願人が別途出願した特許第3862950号や特開2004−354848に開示されたような、いわゆるタンデム型のカラー画像形成装置に使用する光走査装置にも適用可能である。特許第3862950号のような装置構成の場合は光走査装置を図14のように構成し、特開2004−354848のような装置構成の場合は光走査装置を図15のように構成することで、光走査装置の第1筐体とそれに固定される部品を共通使用することが可能となる。
【0083】
図14,15の光走査装置では、共通の第1筐体110上にポリゴンスキャナ121及びfθレンズ122,122が固定されている。2段のポリゴンミラーを備えるポリゴンスキャナ121により図示しない4個の光源ユニットからの光が偏向走査され、第2筐体111a,111bに固定された折り返しミラー123a,123b以降に導かれる。なお、光走査装置を構成するその他の光学部品や光路等については、特許第3862950号や特開2004−354848に開示されたものと同様であるため、図示した部分以外の説明を省略する。
【0084】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、光走査装置の光路形態は、光走査装置を搭載する画像形成装置の構成レイアウトに応じて適宜設定可能であり、各光学素子の配置や、折り返しミラーの有無あるいは個数なども適宜に設定可能である。第一の筐体及び第二の筐体の形状等も任意であり、また、各筐体に保持させる光学素子も、適宜設定可能である。また、上記したL1,L2,L3及びL,L0の値も適宜設定可能なものである。
【0085】
また、光源のビーム数や回転偏向器であるポリゴンスキャナの回転数及び回転方向等も任意であり、多様な光走査装置の実現が可能である。マルチビーム方式の光走査装置にも本発明を適用することができる。
【0086】
そして、光走査装置を搭載する画像形成装置の構成は任意であり、中間転写方式等任意な構成を採用可能である。また、画像形成装置を構成する各部、例えば現像装置や定着装置なども任意の構成のものを使用可能である。また、画像形成装置としては、複写機及びプリンタに限らず、ファクシミリあるいは複数の機能を備える複合機でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の一例であるデジタル複写機の概略構成を示す断面図である。
【図2】光走査装置の構成を詳しく示す断面図である。
【図3】光走査装置の第1筐体に光学素子を搭載した様子を示す俯瞰図である。
【図4】本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の第2実施例であるレーザープリンタの断面構成図である。
【図5】そのレーザープリンタが備える光走査装置の構成を詳しく示す断面図である。
【図6】本発明に係る光走査装置を備えた画像形成装置の第3実施例であるカラープリンタの断面構成図である。
【図7】そのレーザープリンタが備える光走査装置の構成を詳しく示す断面図である。
【図8】光走査装置における光学系の基本配置について説明する模式図である。
【図9】第1〜第3実施例における光走査装置の光路形態を簡略的に示す模式図である。
【図10】光走査装置周囲の締結に用いる遊嵌締結を示す部分断面図である。
【図11】図10の遊嵌締結を、図10の紙面に垂直な方向から見た部分断面図である。
【図12】fθレンズ52を第二の筐体に固定した光走査装置の構成例を示す断面図である。
【図13】図12の構成に対応する光学系の配置を示す模式図である。
【図14】タンデム型のカラー画像形成装置に使用する光走査装置の一例を示す部分断面図である。
【図15】タンデム型のカラー画像形成装置に使用する光走査装置の別例を示す部分断面図である。
【図16】画像形成装置の構成レイアウトと光走査装置の構成を示す断面構成図である。
【符号の説明】
【0088】
4 感光体ドラム
5,25,75 光走査装置
10 デジタル複写機
11 定着装置
51 ポリゴンスキャナ(偏向器)
51a ポリゴンミラー
52 fθレンズ(第二の光学系のうち偏向器に最も近い光学素子)
53 折り返しミラー
54 トロイダルレンズ
55 防塵ガラス
56 光源ユニット
57 シリンドリカルレンズ
61 第1筐体(第一の筐体)
62 第2筐体(第二の筐体)
65 カバー
20 レーザープリンタ
70 カラープリンタ
72 作像ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、一つ以上の光学素子を含み前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系を備える光走査装置において、
当該光走査装置の筐体が第一の筐体と第二の筐体とからなり、
前記光源と、前記偏向器と、前記第一の光学系とが前記第一の筐体に支持され、
前記第二の光学系に含まれる少なくとも一つの光学素子が前記第二の筐体に支持されることを特徴とする光走査装置。
【請求項2】
光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、一つ以上の光学素子を含み前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系を備える光走査装置において、
当該光走査装置の筐体が第一の筐体と第二の筐体とからなり、
前記光源と、前記偏向器と、前記第一の光学系と、前記第二の光学系に含まれる光学素子のうち少なくとも前記偏向器に最も近い光学素子とが前記第一の筐体に支持され、
前記第二の光学系に含まれる光学素子のうち、前記偏向器に最も近い光学素子以外の光学素子が前記第二の筐体に支持されることを特徴とする光走査装置。
【請求項3】
前記第一の筐体は、前記第二の筐体とは光路が異なる他の第二の筐体を取り付け可能に構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光走査装置。
【請求項4】
前記第一の筐体は、前記第二の筐体とはそれぞれ光路が異なる複数の他の第二の筐体のなかの一つの第二の筐体を選択的に取り付け可能に構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光走査装置。
【請求項5】
前記第一の筐体が塑性加工により板状の素材から形成されたものであり、前記第二の筐体が素材の溶融を伴う加工法により成型されたものであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項6】
前記第一の筐体の加工法がプレス加工であることを特徴とする、請求項5に記載の光走査装置。
【請求項7】
前記第二の筐体の加工法が射出成型加工であることを特徴とする、請求項5に記載の光走査装置。
【請求項8】
前記第二の筐体の加工法がダイカスト工法であることを特徴とする、請求項5に記載の光走査装置。
【請求項9】
前記第一の光学系と第二の光学系を複数備え、それぞれ異なる被走査面を走査することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項10】
前記第一の筐体と前記第二の筐体を覆う共通のカバーを備えることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光走査装置。
【請求項11】
前記カバーは、前記第一の筐体及び前記第二の筐体の少なくとも一方に遊嵌締結されることを特徴とする、請求項10に記載の光走査装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の光走査装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記光走査装置の前記第一の筐体または前記第二の筐体が画像形成装置フレームに固着され、他方の筐体が画像形成装置フレームに遊嵌締結されることを特徴とする、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記第一の筐体と前記第二の筐体を覆う共通のカバーは、前記画像形成装置フレームに固着される側の光走査装置の筐体に固着され、他方の筐体に対して遊嵌締結されることを特徴とする、請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
光走査装置の筐体の一部を構成する部分筐体であって、少なくとも光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系とを支持することを特徴とする光走査装置の部分筐体。
【請求項16】
光走査装置の筐体の一部を構成する部分筐体であって、少なくとも光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系に含まれる一つ以上の光学素子とを支持することを特徴とする光走査装置の部分筐体。
【請求項17】
光走査装置の筐体の一部を構成する部分筐体であって、光源からの光を偏向させて走査する偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系のうちの少なくとも一つの光学素子を支持することを特徴とする光走査装置の部分筐体。
【請求項18】
当該部分筐体が支持する光学素子以外の光学素子を搭載した他の部分筐体を結合可能に構成され、光路が異なる複数の他の部分筐体のなかの一つの部分筐体を選択的に取り付け可能に構成されていることを特徴とする、請求項15又は16に記載の部分筐体。
【請求項19】
光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系と、一つ以上の光学素子を含み前記偏向器によって偏向走査された光を被走査面上に導く第二の光学系を備える光走査装置を構成する光走査装置構成方法において、
光走査装置の筐体の一部を構成する第一の筐体に少なくとも光源と、光源からの光を偏向させて走査する偏向器と、前記光源からの光を前記偏向器に導く第一の光学系とを支持させ、該第一の筐体が支持する以外の光走査装置に必要な光学素子を光走査装置の筐体の一部を構成する第二の筐体に支持させ、光路が異なる複数の第二の筐体のなかの一つの第二の筐体を選択的に前記第一の筐体に結合させて光走査装置を構成することを特徴とする光走査装置構成方法。
【請求項20】
光源として異なるビーム数の光源を選択的に使用することを特徴とする、請求項19に記載の光走査装置構成方法。
【請求項21】
偏向器として回転多面鏡の回転数の異なる偏向器を選択的に使用することを特徴とする、請求項19に記載の光走査装置構成方法。
【請求項22】
偏向器として回転多面鏡の回転方向の異なる偏向器を選択的に使用することを特徴とする、請求項19に記載の光走査装置構成方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2008−3570(P2008−3570A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109171(P2007−109171)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】