説明

内燃機関の排気浄化システム

【課題】NOx触媒やフィルタ等の排気浄化装置の性能再生処理において、性能再生処理が要求される所定部分を性能再生処理に適した状態にすることによって、排気浄化装置における所定部分に対して選択的に前記性能再生処理を実施するとともに、排気浄化装置に対する性能再生処理の効率を向上させる。
【解決手段】NOx触媒やフィルタ等の排気浄化装置の性能再生処理において、排気通路における排気浄化装置よりも上流側に設けられる酸化触媒の活性の度合いを順次変更させ、排気浄化装置における性能の再生が促進される部分を順次変更させる(S103、S105、S107)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関では、排気中に含まれる煤やSOF(Soluble Organic Fraction)などの微粒子物質(以下、単に「PM」ともいう。)と窒素酸化物(NOx)とを浄化するため、内燃機関の排気系に排気中のPMを捕集するフィルタ、NOxを浄化する吸蔵還元型NOx触媒(以下、「NOx触媒」ともいう。)、或いはNOx触媒とフィルタを組み合わせたものを配置する技術が知られている。
【0003】
上記技術では、NOx触媒に吸蔵されたNOxの量が増加すると浄化能力が低下するため、NOx触媒に還元剤を供給し、同触媒に吸蔵されたNOxを還元することが行われる(以下、「NOx還元処理」という。)。
【0004】
また、排気中には硫黄酸化物(SOx)も含まれており、NOx触媒に吸蔵されるSOx量が増えるとNOx触媒のNOx吸蔵能力が低下して所謂SOx被毒が生じてしまう。そこで、NOx触媒が被毒された場合には、NOx触媒を昇温するとともにNOx触媒に流入する排気の空燃比を低くしてNOx触媒からSOxを還元することが行われる場合もある(以下、「SOx被毒回復処理」という。)。
【0005】
また、上記のフィルタでは、捕集されるPMが増加するとフィルタの詰まりによって排気圧力が上昇し機関性能が低下するので、フィルタの上流側の排気温度を上昇させ捕集したPMを酸化除去することでフィルタの排気浄化性能の再生を図るようにしている(以下「PM再生処理」という。)。
【0006】
ところで、吸蔵還元型NOx触媒やフィルタ(以下、これらをまとめて単に「排気浄化装置」ともいう。)に対するNOx還元処理やSOx被毒回復処理、或いはPM再生処理(以下、これらをまとめて単に「性能再生処理」ともいう。)は、排気浄化装置における特定の部分を選択的に限定して上記性能再生処理を実施することが困難であった。また、排気浄化装置は複数のNOx触媒等を備える場合には、上記の性能再生処理を選択された特定のNOx触媒に対して実施することが困難であった。
【0007】
特に、NOx触媒のSOx被毒回復処理を実施する際、排気通路内のNOx触媒における下流側の部分に吸蔵されるSOxが還元された後に、上流側の部分に吸蔵されるSOxが還元される場合がある。或いは、複数設けられるNOx触媒のうち下流側に配置されるNOx触媒に吸蔵されるSOxが還元された後に、上流側に配置されるNOx触媒に吸蔵されているSOxが還元される場合がある。そのような場合には、NOx触媒における上流側の部分或いは上流側に配置されるNOx触媒から放出されるSOxによって、NOx触媒における下流側の部分或いは下流側に配置されるNOx触媒が再びSOxによって被毒される虞があった。
【0008】
また、NOx触媒に対するNOx還元処理やフィルタに対するPM再生処理においても、これらの性能再生処理が要求される部分に対して選択的に該性能再生処理を実施できないことによって該性能再生処理の効率が悪化する場合があった。
【0009】
ところで、内燃機関の排気通路に直列に設けられた複数の触媒を備えた排気浄化装置において、各触媒の劣化し易さを考慮して各触媒の劣化度合い或いは排気浄化装置全体の劣
化度合いを判定する技術も提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0010】
ここで、触媒の劣化度合いに応じて性能再生処理時の最適条件が変わるため、各触媒の劣化度合いに応じて性能再生処理を実行するようにすることが好ましい。しかし、上記特許文献には、このような技術については開示されておらず、このような技術が望まれている。
【特許文献1】特開2004−76681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、NOx触媒やフィルタ等の排気浄化装置の性能再生処理において、性能再生処理が要求される所定部分に対して選択的に性能再生処理を実施することの可能な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明は、排気通路における酸化触媒よりも下流側に設けられる排気浄化装置の性能を再生する性能再生処理を実施する際に、酸化触媒の活性の度合いを変更させることにより、性能再生処理が要求される所定部分の温度を上昇させ、該所定部分を性能再生処理に適した状態にさせることを最大の特徴とする。
【0013】
より詳しくは、一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に設けられるとともに酸化機能を有する酸化触媒と、
前記排気通路における前記酸化触媒よりも下流側に設けられるとともに該排気通路を通過する排気を浄化する排気浄化装置と、
前記酸化触媒および排気浄化装置に流入する排気に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記酸化触媒の活性の度合いを変更させる活性度合い変更手段と、
前記還元剤供給手段によって前記酸化触媒に流入する排気に還元剤を供給させるとともに、前記活性度合い変更手段によって前記酸化触媒の活性の度合いを変更させることによって前記酸化触媒において酸化される還元剤の量を変更することにより、前記排気浄化装置の所定部分の温度を上昇させつつ該所定部分の性能を再生する性能再生処理を実施する性能再生手段と、
を備えることを特徴とする。
【0014】
上記の内燃機関の排気浄化システムにおいては、前記排気浄化装置の性能再生処理を実施する必要が生じるときに、前記還元剤供給手段により還元剤(例えば、燃料等)が前記排気浄化装置に供給される。
【0015】
ここで、前記排気浄化装置の一例であるNOx触媒のNOx還元処理においては、NOx触媒に流入する排気の空燃比が略ストイキ或いはリッチにされ、該NOx触媒の周辺雰囲気が還元雰囲気とされることによって、該NOx触媒に吸蔵されているNOxが還元される。
【0016】
また、NOx触媒のSOx被毒回復処理においては、NOx触媒の床温が高温(例えば、600℃乃至650℃)に維持されるとともに、前記排気の空燃比が略ストイキ或いはリッチにされることによって、NOx触媒に吸蔵されているSOxが還元される。
【0017】
しかし、NOx触媒に対する通常のNOx還元処理やSOx被毒回復処理では、NOx
やSOxの還元に適した状態となった部分からNOxやSOxが還元されてしまう。換言すると、前記NOx触媒の所定部分から選択的にNOxやSOxを還元させることが困難であった。
【0018】
これに対し、本発明においては、前記活性度合い変更手段によって、前記酸化触媒に導入される前記還元剤を前記酸化触媒が酸化させる活性の度合い(以下、単に「酸化触媒活性度合い」ともいう。)が変更され、該酸化触媒において酸化される還元剤の量を変更することができる。
【0019】
そして、前記排気浄化装置の一例であるNOx触媒のNOx還元処理や、SOx被毒回復処理において、例えば前記酸化触媒の活性の度合いを高くすることにより、より多くの還元剤を該酸化触媒において酸化させても良い。その結果、前記NOx触媒に流入する排気の温度が高くなり、該NOx触媒において、より上流側に位置する部分の温度をNOxまたはSOxを還元可能な温度(以下、単に「NOx触媒活性温度」ともいう。)まで昇温させることができる。
【0020】
従って、前記NOx触媒のうち、より上流側に位置する部分におけるNOxまたはSOxを還元させる活性の度合い(以下、単に「NOx触媒活性度合い」ともいう。)を高くすることによって、該上流側に位置する部分に吸蔵されているNOxまたはSOxの還元反応を促進させることが可能となる。
【0021】
また、前記活性度合い変更手段は、前記酸化触媒の活性の度合いを低くさせることによって、酸化触媒において酸化される還元剤の量を減少させても良い。その場合には、前記NOx触媒に流入する排気の温度が低くなることによって、該NOx触媒の上流側に位置する部分のNOx触媒活性度合いが低下し、該NOx触媒の上流側に位置する部分から還元されるNOxまたはSOxの量を減少させることができる。
【0022】
一方、前記NOx触媒に導入される還元剤は、該NOx触媒の上流側に位置する部分を通過する際に酸化されるため、次第に前記NOx触媒を通過する排気の温度が上昇する。そして、NOx触媒の上流側に位置する部分で発生した熱が下流側に位置する部分に伝わり、該下流側に位置する部分の温度を前記NOx触媒活性温度まで昇温させることができる。このように、NOx触媒の下流側に位置する部分をより性能再生処理に適した状態にすることによって、該下流側に位置する部分に吸蔵されているNOxまたはSOxの還元反応を促進させることが可能となる。
【0023】
また、本発明における内燃機関の排気浄化システムは、前記排気浄化装置の一例であるNOx触媒を担持するフィルタ(以下、単に「フィルタ」という。)に対して、該フィルタに捕集されているPMを酸化除去するPM再生処理においても適用可能である。そして、前記フィルタのPM再生処理を実施するときに、前記還元剤供給手段によって該フィルタに還元剤が導入され、該フィルタを通過する排気の温度が上昇する。その結果、PMを酸化することのできる温度(以下、単に「PM酸化可能温度」ともいう。)まで前記フィルタの温度を上昇させることによって、PMが酸化除去される。
【0024】
また、本発明においては、前記活性度合い変更手段によって酸化触媒活性度合いが変更されることにより、前記フィルタに流入する排気の温度が変更される。即ち、該酸化触媒活性度合いを高くさせることによって、前記フィルタに流入する排気の温度を上昇させることもできるし、前記酸化触媒活性度合いを低くさせることにより、前記フィルタに流入する排気の温度を低下させることもできる。
【0025】
例えば、前記酸化触媒活性度合いを高くさせる場合には、前記フィルタの上流側に位置
する部分の温度を前記PM酸化温度まで昇温することにより、該上流側に位置する部分に捕集されているPMを優先的に酸化除去させても良い。
【0026】
一方、前記酸化触媒活性度合いを低くさせる場合には、前記フィルタの下流側に位置する部分の温度を前記PM酸化温度まで昇温することにより、該下流側に位置する部分に捕集されているPMを優先的に酸化除去させても良い。
【0027】
以上のように、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムでは、前記活性度合い変更手段によって酸化触媒活性度合いを変更することにより、NOx触媒やフィルタ等の排気浄化装置における前記NOxまたはSOxの還元反応や、PMの酸化反応に対する活性の度合いを変更させることができる。従って、性能再生処理が要求される所定部分を性能再生処理に適した状態にすることによって、排気浄化装置における所定部分に対して選択的に前記性能再生処理を実施することができる。これにより、前記排気浄化装置に対する性能再生処理の効率を向上させることが可能となり、以って性能再生処理に係る燃費を向上させることができる。
【0028】
尚、本発明における前記還元剤供給手段は、排気中に還元剤を噴射する還元剤添加弁や、エンジンの膨張行程や排気行程等に燃料を副噴射する燃料噴射弁を含んで構成されても良い。
【0029】
また、本発明における内燃機関の排気浄化システムは、前記排気通路内に複数のNOx触媒が直列に配置される構成であっても良いし、一または複数のNOx触媒とフィルタが直列に配置されている構成であっても良い。
【0030】
また、本発明における前記排気浄化装置において、より下流側の部分に対して前記性能再生処理を実施するときほど、前記活性度合い変更手段は前記酸化触媒の活性の度合い(酸化触媒活性度合い)を低くさせても良い。
【0031】
これにより、前記排気浄化装置における上流側の部分に対して前記性能再生処理を実施する場合には、前記酸化触媒活性度合いを高くして該上流側の部分の温度を上昇させることにより、該上流側の部分に対して前記性能再生処理を効率よく行うことができる。
【0032】
また、前記排気浄化装置における下流側の部分に対して前記性能再生処理を実施する場合には、前記酸化触媒活性度合いを低くして該下流側の部分の温度を上昇させることにより、該下流側の部分に対して前記性能再生処理を効率よく行うことができる。
【0033】
また、前記排気浄化装置の性能再生処理を実施するときには、前記排気浄化装置の上流側から下流側へと順に再生を行なうように、前記酸化触媒の活性の度合いを徐々に低下させても良い。
【0034】
上記制御に係る性能再生処理によれば、まず前記排気浄化装置において上流側に位置する部分の性能が再生される。そして、前記酸化触媒活性度合いを徐々に低くさせると、前記NOxまたはSOxの還元反応或いはPMの酸化反応における活性の度合いが高い部分を、徐々に下流側に位置する部分に変更させることができる。
【0035】
即ち、前記排気浄化装置に対する前記性能再生処理を、上流側に位置する部分から下流側に位置する部分に向かって実施することができる。
【0036】
上記の性能再生処理に係る制御は、前記NOx触媒に対するSOx被毒回復処理において適用するとより好適である。前記NOx触媒における下流側の部分が上流側の部分より
先にSOxの還元に適した状態になってしまうことが抑制され、前記NOx触媒がSOxによって再被毒することを抑制できるからである。
【0037】
また、上流側から順に性能再生処理を実施することにより、上流側で発生した熱が下流側へ伝わるので、下流側の性能再生処理を実施するときに該下流側の昇温に要する還元剤量を少なくすることができる。
【0038】
尚、前記排気浄化装置に複数のNOx触媒が設けられる場合には、下流側に配置されるNOx触媒の後に上流側に配置されるNOx触媒に吸蔵されているSOxが還元されることに起因するNOx触媒のSOxによる再被毒が生じることを抑制することができる。
【0039】
また、前記活性度合い変更手段は、前記酸化触媒に熱を与える加熱手段を含んで構成されても良い。これにより、前記酸化触媒の温度を還元剤の酸化反応による発熱のほか、前記加熱手段により与えられる熱によっても昇温させることができる。従って、より確実に前記酸化触媒の酸化触媒活性度合いを変更することができる。
【0040】
また、本発明における前記加熱手段は、通電により発熱する電熱ヒータであっても良いし、燃焼式バーナ等によるものであってもよい。更に、該電熱ヒータや燃焼式バーナ等の前記加熱手段は、前記排気通路における前記酸化触媒の上流側に設けられていても良いし、該加熱手段と該酸化触媒とが一体的に組み合わさっている構成(例えば、電気加熱式酸化触媒)であっても良い。
【0041】
また、本発明において、前記加熱手段は、前記酸化触媒に与える熱量を変更可能であって、前記活性度合い変更手段は、前記酸化触媒の活性の度合い(酸化触媒活性度合い)を低くさせるときほど前記加熱手段が前記酸化触媒に与える熱量を小さくさせても良い。
【0042】
そうすれば、前記加熱手段が前記酸化触媒に与える熱量を増大させることによって前記酸化触媒活性度合いを高くさせ、前記排気浄化装置についての前記NOxまたはSOxの還元反応或いはPMの酸化反応が促進される部分を、排気通路のより上流側に位置する部分に変更させることができる。
【0043】
一方、前記加熱手段が前記酸化触媒に与える熱量を低減させることによって前記酸化触媒活性度合いを低くさせ、前記排気浄化装置についての前記NOxまたはSOxの還元反応或いはPMの酸化反応が促進される部分を、排気通路のより下流側に位置する部分に変更させることができる。
【0044】
これにより、より効率よく前記酸化触媒の酸化触媒活性度合いを変更させ、前記排気浄化装置に対する前記性能再生処理の効率を向上させることができる。
【0045】
また、本発明において、前記加熱手段が前記酸化触媒に与える熱量は徐々に変更されても良いし、段階的に変更されても良い。また、上記の「酸化触媒に与える熱量の変更」とは、例えば、前記加熱手段が前記電熱ヒータである場合、該電熱ヒータに通電している状態(以下、単に「通電状態」ともいう。)と通電を停止している状態(以下、単に「通電停止状態」ともいう。)とを切り替えることにより該熱量を変更させる意味が含まれる。更に、上記の電熱ヒータにおける通電状態において、通電量を変更させることによって前記熱量を変更させる意味も含まれる。
【0046】
また、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムでは、前記排気浄化装置よりも上流側に酸化触媒が設けられているため、前記還元剤供給手段によって供給される還元剤は、まず前記酸化触媒において酸化される。ここで、前記還元剤供給手段によって供給される一
回当りの還元剤の供給量を変更させると、前記酸化触媒において酸化される還元剤の量を変更させることができる。
【0047】
そこで、本発明に係る前記活性度合い変更手段は、前記酸化触媒の活性の度合いを低くさせるときほど前記還元剤供給手段が供給する還元剤の1回当たりの供給量を多くさせても良い。
【0048】
例えば、一度に多量の還元剤が酸化触媒に導入される場合には、多量の燃料と反応するだけの酸素が欠乏する場合があり、前記酸化触媒において酸化されずに前記酸化触媒から流出する還元剤の量を増大させることができる。従って、還元剤の1回当たりの供給量を多くするほど、前記酸化触媒の活性の度合いを低くさせることができる。この場合、より多くの還元剤が前記酸化触媒よりも下流へ供給されるので、排気浄化装置のより下流側の温度を上昇させることができる。
【0049】
一方、少量ずつの還元剤が酸化触媒に導入される場合には、還元剤の酸化に必要な酸素が欠乏する虞がなく、より多くの還元剤を前記酸化触媒において酸化することができる。従って、還元剤の1回当たりの供給量を少なくするほど、前記酸化触媒の活性の度合いを高くさせることができる。
【0050】
以上のように、前記還元剤供給手段が供給する還元剤の1回当たりの供給量を変更させることによって前記酸化触媒の活性の度合い(酸化触媒活性度合い)を変更させることが可能となる。従って、例えば前記加熱手段を備えていない内燃機関の排気浄化システムにおいても確実に前記酸化触媒活性度合いを変更させることができる。
【0051】
また、本発明において、前記活性度合い変更手段が前記酸化触媒の活性の度合いを変更させる際に、前記還元剤供給手段が供給する還元剤の1回当たりの供給量を変更させるとともに、前記加熱手段が酸化触媒に与える熱量を変更させても良い。これにより、更に精度良く前記酸化触媒活性度合いを変更させることができる。
【0052】
尚、例えば、本発明における前記還元剤供給手段が、還元剤を排気中に還元剤を噴射する還元剤添加弁や内燃機関の膨張行程や排気行程等に燃料を副噴射する燃料噴射弁等である場合に、該還元剤添加弁等から還元剤を複数回に分けて供給する場合には、前記酸化触媒の活性の度合いを低くさせるときほど1回当たりに添加または噴射される還元剤の量を多くさせても良い。換言すると、上記の還元剤添加弁等における1回当たりの開弁時間を長くさせても良い。
【発明の効果】
【0053】
本発明にあっては、NOx触媒やフィルタ等の排気浄化装置の性能再生処理において、排気浄化装置よりも上流側に設けられる酸化触媒の活性の度合いを変更させることによって、性能再生処理が要求される所定部分の温度を上昇させることによって該所定部分を性能再生処理に適した状態にさせ、以って排気浄化装置の所定部分に対して性能再生処理を選択的に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。尚、本実施の形態に記載されている構成要素の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に特定的な記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0055】
ここでは、本発明を車両駆動用のディーゼルエンジンに適用した場合を例に挙げて説明する。図1は、本発明に係る内燃機関1と、その吸排気系の概略構成を示す図である。図1において、内燃機関1には、該内燃機関1に流入する吸気が流通する吸気管2が接続されており、該吸気管2には該吸気管2内を流通する吸気の流量を調節するスロットルバルブ3が設けられている。また、内燃機関1には、該内燃機関1からの排気が流通する排気管5が接続され、この排気管5は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管5の途中には、排気中の粒子状物質(例えば、煤)やNOxを浄化する排気浄化部10が配置されている。以下、排気管5において、排気浄化部10の上流を第1排気管5a、下流を第2排気管5bという。ここで、第1排気管5a及び、第2排気管5bは、本実施例における排気通路を構成する。
【0056】
本実施例における排気浄化部10にはそれぞれ、上流側から、通電によって発熱する電熱ヒータ100aが設けられた酸化触媒であるEHC100、吸蔵還元型NOx触媒が担持されたNOx触媒101、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタに吸蔵還元型NOx触媒が担持されたフィルタ102が直列に設けられている。なお、EHC100は、本実施例において酸化触媒に相当する。また、NOx触媒101、フィルタ102は、本実施例において排気浄化装置に相当する。電熱ヒータ100aは本実施例において活性度合い変更手段または加熱手段に相当する。
【0057】
また、図1中、第1排気管5aには、NOx触媒101やフィルタ102に対するNOx還元処理などの際に、還元剤としての燃料を排気に添加する燃料添加弁4が備えられている。従って、燃料添加弁4は、本実施例において還元剤供給手段に相当する。
【0058】
さらに、排気浄化部10におけるNOx触媒101とフィルタ102との間およびフィルタ102より下流側には排気の温度を検出する第1温度センサ11および第2温度センサ12がそれぞれ設けられている。また、排気浄化部10におけるフィルタ102より下流側には排気の空燃比を検出する空燃比センサ13が設けられている。
【0059】
以上述べたように構成された内燃機関1及びその排気系には、該内燃機関1及び吸排気系を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)30が併設されている。このECU30は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御するほか、内燃機関1のEHC100やNOx触媒101等に係る制御を行うユニットである。
【0060】
ECU30には、内燃機関1の回転数を検出するクランクポジションセンサ(図示省略)や、アクセル開度を検出するアクセルポジションセンサ(図示省略)などの内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類のほか、第1温度センサ11および第2温度センサ12、空燃比センサ13が電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU30に入力されるようになっている。一方、ECU30には、内燃機関1内の筒内燃料噴射弁(図示省略)、燃料添加弁4、電熱ヒータ100aが電気配線を介して接続されており、ECU30によって制御されるようになっている。尚、本実施例における電熱ヒータ100aはECU30の指令により通電、通電の停止を切り替えるほか、通電されるときの通電量を変更することが可能である。
【0061】
また、ECU30には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。排気浄化装置10に吸蔵されたSOxを還元させるためのSOx被毒回復処理ルーチンなども、ECU30のROMに記憶されているプログラムの一つである。
【0062】
次に、本実施例の排気浄化システムに関し、NOx触媒101とフィルタ102とに吸
蔵されたSOxを還元させる制御について説明する。図2は本実施例に係るNOx触媒101とフィルタ102とに対するSOx被毒回復処理についての概念図である。
【0063】
ここで、NOx触媒101やフィルタ102に吸蔵されたSOxを還元させるには、NOx触媒101やフィルタ102の床温を高温(例えば、600℃乃至650℃)に維持するとともに、NOx触媒101やフィルタ102に導入される排気の空燃比を略ストイキ或いはリッチにする必要がある。
【0064】
図中、Aにより示した部分はNOx触媒101の上流側部分であり、Bにより示した部分はNOx触媒101の下流側部分である。また、図中、Cにより示した部分はフィルタ102である。ここで、例えばNOx触媒101の上流側部分(A)よりNOx触媒101の下流側部分(B)に吸蔵されているSOxの方が先に還元される場合には、後から該上流側部分から還元放出されるSOxによって該下流側部分が再被毒する虞があった。同様に、フィルタ102(C)の後からNOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)に吸蔵されているSOxが還元される場合には、該フィルタ102(C)が再被毒する虞があった。
【0065】
そこで、本実施例ではNOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の順にSOx被毒回復処理を実施するために、EHC100が燃料を酸化させる活性の度合いを変更させることとした。つまり、EHC100に設けられた電熱ヒータ100aに通電される電力を変更させることによって該EHC100の活性を変更させ、SOxの還元反応が促進される部分を変更させることとした。以下、本実施例におけるSOx被毒回復処理に係る制御について、詳しく説明する。
【0066】
まず、NOx触媒101の上流側部分(A)のSOxを還元させるとき(以下、単に「NOx触媒上流部被毒回復時」ともいう。)には、電熱ヒータ100aに通電される電力が最大に設定される(以下、このときの電力を単に、「最大電力」ともいう。)。つまり、EHC100の温度を最大限に昇温させることにより、該EHC100の活性を高くすることができる。このようにすると、EHC100において、より多くの燃料が酸化され、より高温の排気をNOx触媒101に導入させることができる。
【0067】
その結果、先ずNOx触媒101の上流側部分(A)の周囲雰囲気をSOxの還元に適した状態(例えば、温度が600℃乃至650℃であって、空燃比が略ストイキ或いはリッチの状態)にすることができる。また、排気中に添加される燃料の多くはEHC100およびNOx触媒101の上流側部分(A)によって酸化されるため、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)に到達する燃料の量を少なくさせることができる。従って、優先的にNOx触媒101の上流側部分(A)のSOxを還元させることができる。
【0068】
次に、NOx触媒101の下流側部分(B)に吸蔵されているSOxを還元させるとき(以下、単に「NOx触媒下流部被毒回復時」ともいう。)には、電熱ヒータ100aに通電される電力は最大電力よりも小さな電力に設定される(以下、このときの電力を単に、「中間電力」ともいう。)。このようにすると、NOx触媒上流部被毒回復時に比べて、EHC100における燃料を酸化させる活性が低下し、NOx触媒101に導入される排気の温度が低下する。
【0069】
そうすると、NOx触媒101に導入される排気中には、NOx触媒上流部被毒回復時に比べてより多くの燃料が含まれているため、NOx触媒101の上流側部分(A)にて反応する燃料量がNOx触媒上流部被毒回復時よりも多くなる。そのため、NOx触媒101の上流部分(A)で熱が発生し、この熱は排気とともに下流側へ流れ、NOx触媒1
01の下流側部分(B)の温度を上昇させる。これにより、NOx触媒101の下流側部分(B)の周辺雰囲気をSOxの還元に適した状態にすることができるので、該下流側部分(B)に吸蔵されているSOxを優先的に還元させることができる。
【0070】
次に、フィルタ102(C)に吸蔵されているSOxを還元させるとき(以下、単に「フィルタ部被毒回復時」ともいう。)には、電熱ヒータ100aに対する通電が停止される。このようにすると、NOx触媒下流部被毒回復時に比べて、更にEHC100における燃料を酸化させる活性が低下し、NOx触媒101に導入される排気の温度が低下する。
【0071】
そうすると、NOx触媒101に導入される排気中には、NOx触媒下流部被毒回復時に比べてより多くの燃料が含まれているが、排気の温度が低いためにNOx触媒101の上流側部分(A)で反応する燃料は少ない。そのため、より多くの燃料がNOx触媒101の下流側部分(B)にて反応するようになるため、該下流側部分(B)にてより多くの熱が発生するようになる。この熱は排気とともに下流側へ流れ、フィルタ102(C)の温度を上昇させる。これにより、フィルタ102(C)の周辺雰囲気をSOxの還元に適した状態にすることによって、該フィルタ102(C)に吸蔵されているSOxを優先的に還元させることができる。
【0072】
ここで、図3は、本実施例に係るSOx被毒回復ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンはECU30内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。なお、本ルーチンを実行するECU30は本実施例において性能再生手段に相当する。
【0073】
本ルーチンが実行されると、まずS101においては、電熱ヒータ100aに最大電力が通電され、EHC100が昇温される。つまり、EHC100の温度が、NOx触媒101の上流側部分(A)がSOx被毒を回復させるための温度まで昇温される。そして、S101の処理が終わるとS102に進む。
【0074】
S102においては、燃料添加弁4が開弁され、予め実験的に定められる所定量の燃料が第1排気管5aに添加される。上述したように、該添加された燃料はEHC100において酸化され、そして、より高温の排気がNOx触媒101に導入される。そして、NOx触媒101の上流側部分(A)の周辺雰囲気がSOxの還元に適した状態となり、優先的にNOx触媒101の上流側部分(A)のSOxが還元される。そして、S102の処理が終わるとS103に進む。
【0075】
S103においては、NOx触媒101の上流側部分(A)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。つまり、本ステップでは、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理を行なうのに適した状態か否かが判定される。具体的には、第1温度センサ11の検出値からNOx触媒101の上流側部分(A)の温度(以下、単に「NOx触媒上流側温度」という。)TH1を導出し、該NOx触媒上流側温度TH1が所定の温度(例えば、600℃乃至650℃)以上に維持される時間(以下、単に「NOx触媒上流側還元雰囲気維持時間」という。)T1が計測される。そして、NOx触媒上流側還元雰囲気維持時間T1が予め実験的に定められる閾値以上であるか否かに基づいて該NOx触媒101の上流側部分(A)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。
【0076】
つまり、NOx触媒上流側還元雰囲気維持時間T1が上記の閾値未満であると判定される場合には、NOx触媒101の上流側部分(A)のSOx被毒回復処理が終了していないと判断され、S102の処理の後の状態が継続される。即ち、NOx触媒101の上流
側部分(A)に対するSOx被毒回復処理が継続される。
【0077】
一方、NOx触媒上流側還元雰囲気維持時間T1が上記の閾値以上であると判定される場合には、NOx触媒101の上流側部分(A)のSOx被毒回復処理が終了していると判断され、S104に進む。
【0078】
S104においては、電熱ヒータ100aに通電される電力が最大電力から中間電力に変更される。つまり、EHC100の温度が、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒を回復させるための温度に変更される。これにより、EHC100の活性が低下し、より多くの燃料がNOx触媒101の上流側部分(A)に到達し、該上流側部分(A)にて熱が発生する。この熱は排気とともにNOx触媒101の下流側部分(B)に流れ、NOx触媒101の下流側部分(B)の温度を上昇させる。その結果、該NOx触媒101の下流側部分(B)に吸蔵されているSOxが優先的に還元される。そして、S104の処理が終わるとS105に進む。
【0079】
S105においては、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。つまり、本ステップでは、フィルタ102(C)のSOx被毒回復処理を行なうのに適した状態か否かが判定される。具体的には、第1温度センサ11の検出値からNOx触媒101の下流側部分(B)の温度(以下、単に「NOx触媒下流側温度」という。)TH2を導出し、電熱ヒータ100aに通電される電力が中間電力に変更された後に、該NOx触媒下流側温度TH2が上述した所定の温度(例えば、600℃乃至650℃)以上に維持される時間(以下、単に「NOx触媒下流側還元雰囲気維持時間」という。)T2が計測される。そして、NOx触媒下流側還元雰囲気維持時間T2が予め実験的に定められる閾値以上であるか否かに基づいて該NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。
【0080】
つまり、NOx触媒下流側還元雰囲気維持時間T2が上記の閾値未満であると判定される場合には、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理が終了していないと判断され、S104の処理の後の状態が継続される。即ち、NOx触媒101の下流側部分(B)に対するSOx被毒回復処理が継続される。
【0081】
一方、NOx触媒下流側還元雰囲気維持時間T2が上記の閾値以上であると判定される場合には、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理が終了していると判断され、S106に進む。
【0082】
S106においては、電熱ヒータ100aに対する通電が停止される。つまり、EHC100の温度が、フィルタ102(C)のSOx被毒を回復させるための温度に変更される。そうすると、上述したようにEHC100の活性が更に低下し、NOx触媒101に導入される燃料量がさらに増加する。しかし、排気の温度が更に低下するため、燃料の酸化反応はより下流側で起こる。その結果、NOx触媒101の上流側部分(A)において酸化される燃料の量が減少し、下流側部分(B)において酸化される燃料量が増加する。これにより、NOx触媒101の下流側部分(B)で発生する熱量が増加するため、該下流側部分(B)よりも下流のフィルタ102(C)の温度が上昇し、該フィルタ102(C)に吸蔵されているSOxが優先的に還元される。そして、S106の処理が終わるとS107に進む。
【0083】
S107においては、フィルタ102(C)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。つまり、本ステップでは、本ルーチンを終了させて良いか否かが判定される。具体的には、第2温度センサ12の検出値からフィルタ102(C)の温度(以下、単に「フィルタ温度」という。)TH3を導出し、電熱ヒータ100aへの通電が停止され
た後に、該フィルタ温度TH3が上述した所定の温度(例えば、600℃乃至650℃)以上に維持される時間(以下、単に「フィルタ還元雰囲気維持時間」という。)T3が計測される。そして、フィルタ還元雰囲気維持時間T3が予め実験的に定められる閾値以上であるか否かに基づいて該フィルタ102(C)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。
【0084】
つまり、フィルタ還元雰囲気維持時間T3が上記の閾値未満であると判定される場合には、フィルタ102(C)のSOx被毒回復処理が終了していないと判断され、S106の処理の後の状態が継続される。即ち、フィルタ102(C)に対するSOx被毒回復処理が継続される。
【0085】
一方、フィルタ還元雰囲気維持時間T3が上記の閾値以上であると判定される場合には、フィルタ102(C)のSOx被毒回復処理が終了していると判断され、S108に進む。
【0086】
S108においては、燃料添加弁4が閉弁されることによって燃料の添加が停止される。そして、S108の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
【0087】
以上のように、本ルーチンによれば、NOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の各々に吸蔵されているSOxを還元させるときに、電熱ヒータ100aに通電される電力を変更させることにより、EHC100の活性の度合いを変更させ、NOx触媒101やフィルタ102における所定部分の温度を上昇させることにより、該所定部分におけるSOxの還元反応を促進させることができる。そして、EHC100の活性の度合いを徐々に低下させてゆくことで、排気浄化部10の上流側から下流側へと順にSOx被毒回復処理を実施することができる。その結果、SOx被毒回復処理を効率良く実施することが可能となり、以ってSOx被毒回復処理の実施に係る燃費を向上させることができる。
【0088】
また、NOx触媒101の下流側部分(B)やフィルタ102(C)に比べて、NOx触媒101の上流側部分(A)に吸蔵されているSOxが後から還元されることを抑制し、該NOx触媒101の下流側部分(B)やフィルタ102(C)等がSOxによって再被毒することを抑制することができる。
【0089】
また、本ルーチンにおけるS107の処理において、第2温度センサ12の検出値からフィルタ温度TH3を導出しているが、第1温度センサ11の検出値に基づいて導出するようにしても良い。
【0090】
また、本ルーチンにおけるS103、S105、S107の各処理におけるSOx被毒回復処理の終了判定については、NOx触媒101やフィルタ102の温度(TH1〜TH3)が所定の温度以上に維持される時間に基づいて行っているが、空燃比センサ13によって検出される空燃比がリッチ空燃比に維持される時間に基づいて上記判定がなされても良く、また、上記温度が所定の温度以上に維持される時間と上記空燃比がリッチ空燃比に維持される時間とに基づいて上記判定がなされても良い。
【0091】
また、本実施例に係る内燃機関の排気浄化システムは、空燃比センサ13の代わりに酸素濃度センサを設ける構成としても良い。そのような場合には、上記空燃比がリッチ空燃比に維持される時間の代わりに、酸素濃度センサによって検出される酸素濃度が所定濃度以下に維持される時間に基づいて上記SOx被毒回復処理の終了判定を行っても良い。
【0092】
また、S103、S105、S107の各処理におけるSOx被毒回復処理の終了判定
については、電熱ヒータ100aに通電される電力と、燃料添加弁4から添加される燃料の添加量と、NOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の各部分から還元されるSOx量との関係を予め実験的に求めておき、これらの関係に基づいて上記の各部分に対するSOx被毒回復処理の終了時期を予め定めておいても良い。
【0093】
また、本実施例においては、NOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の部分に対して上流側から順にSOx被毒回復処理を実施する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電熱ヒータ100aに通電される電力を更に細かく調節することにより、EHC100が燃料を酸化させる活性の度合いをより細かく変更させても良い。そうすれば、NOx触媒101やフィルタ102に対するSOx被毒回復処理において、SOxの還元反応が促進される部分をより細かく変更させることが可能となる。
【0094】
また、本実施例において、NOx触媒101、フィルタ102に対するSOx被毒回復処理を実施する場合を例として説明したが、NOx還元処理の実施においても本実施例に係る制御を適用することができる。
【0095】
NOx還元処理の実施に本実施例に係る制御を適用する場合には、例えばNOx触媒101やフィルタ102における所定部分においてNOxの還元反応が促進される部分を順次変更させても良い。これにより、NOx還元処理の実施が要求される部分から効率的にNOxを還元させることが可能となり、以ってNOx還元処理の実施に係る燃費を向上させることができる。
【0096】
また、本実施例に係る制御はフィルタ102に対するPM再生処理の実施に適用することもできる。即ち、EHC100の活性の度合いを変更させ、フィルタ102における所定の部分においてPMの酸化反応が促進される部分を順次変更させても良い。例えば、EHC100の活性の度合いを非常に高くして、フィルタ102の前端面に捕集されているPMを集中的に酸化除去させるような制御を行っても良い。
【0097】
次に、本実施例の排気浄化システムに関し、NOx触媒101とフィルタ102とに吸蔵されたSOxを還元させる制御であって、上述したSOx被毒回復ルーチンに係る制御とは異なる制御について説明する。本制御においても、NOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の順に吸蔵されたSOxを還元させる。また、本制御では、NOx触媒101の上流側部分(A)、下流側部分(B)、フィルタ102(C)のそれぞれについてSOx被毒回復処理が終了したか否かについての判定を空燃比センサ13の検出値に注目して判断するものとした。
【0098】
ここで、図4は、本実施例に係る排気浄化部における排気の空燃比とSOxの吸蔵量とについて示したタイムチャートである。図4(a)は排気浄化部における排気の空燃比(以下、単に「空燃比」ともいう。)A/Fを例示したタイムチャートである。図4(b)はNOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の各々に吸蔵されているSOxの吸蔵量を例示したタイムチャートである。また、上述したNOx触媒上流側温度T1、NOx触媒下流側温度T2、フィルタ温度T3の時間推移については図示しないが、何れの温度についても上述した所定の温度(例えば、600℃乃至650℃)以上に維持されていることを前提として説明する。
【0099】
ここで、NOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の各々に対するSOx被毒回復処理において、燃料添加弁4から燃料が添加されると、図示のように空燃比A/Fが低下する。そして、該空燃比A/Fが
リッチ空燃比に維持されると、上記各部分の周辺雰囲気がSOxの還元に適した状態になることによって、該各部分に吸蔵されているSOxが還元される。
【0100】
図5は、本実施例に係るSOx被毒回復処理終了判定ルーチンを示すフローチャートである。本ルーチンは、図3に示したSOx被毒回復ルーチンにおけるS103、S105、S107の各処理において実行されるサブルーチンである。また、本ルーチンもECU30内のROMに記憶されたプログラムである。以下に、SOx被毒回復ルーチンのS103の処理において実行されるサブルーチンとしての制御を例として説明する。なお、本ルーチンを実行するECU30は本実施例において性能再生手段に相当する。
【0101】
本ルーチンが実行されると、まずS201において、空燃比センサ13の検出値に基づいて排気浄化部10における排気の空燃比A/Fが取得される。そして、S201の処理が終わるとS202に進む。
【0102】
S202においては、取得された空燃比A/Fに基づいて、上述したリッチ空燃比維持時間T4がカウントされる。そして、S202の処理が終わるとS203に進む。
【0103】
S203においては、リッチ空燃比維持時間T4が予め実験的に求められる閾値以上であるか否かが判定される。つまり、本ステップでは、NOx触媒101の上流側部分に吸蔵されているSOxの還元が充分に行われたか否かが判定される。この閾値は、NOx触媒101の上流側部分(A)に吸蔵されているSOx量を充分に少なくすることができるリッチ空燃比維持時間T4である。具体的には、図4に示したようなリッチ空燃比維持時間T4とSOx吸蔵量との関係に基づいて予め実験的に求めておいても良い。
【0104】
そして、リッチ空燃比維持時間T4が上記の閾値未満であると判定された場合には、NOx触媒101の上流側部分(A)に吸蔵されているSOxの還元が充分になされていないと判断され、S201に戻る。即ち、空燃比A/Fが取得されリッチ空燃比維持時間T4が上記の閾値以上になるまで、NOx触媒101の上流側部分(A)に対するSOx被毒回復処理が継続される。
【0105】
一方、リッチ空燃比維持時間T4が上記の閾値以上であると判定された場合には、NOx触媒101の上流側部分(A)に吸蔵されているSOxの還元が充分に行われた判断され、本ルーチンを一旦終了する。
【0106】
以上のように、本サブルーチンによれば、排気浄化部10における排気の空燃比A/Fがリッチ空燃比に維持される時間に基づいてNOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の各々に対してSOx被毒回復処理が終了したか否かの判定を精度良く行うことが可能となる。
【0107】
また、SOx被毒回復ルーチンにおけるS103の処理において実行されるサブルーチンとして説明したが、S105、S107処理において実行される場合には、「NOx触媒101の上流側部分(A)」をそれぞれ「NOx触媒101の下流側部分(B)」、「フィルタ102(C)」に置き換えれば良い。
【実施例2】
【0108】
次に、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムの実施例2について説明する。ここで、本実施例に係る内燃機関1の構成は実施例1と同様であり、詳しい説明を省略する。尚、本実施例においては、電熱ヒータ100aに通電される電力を調節することができない場合に、NOx触媒101とフィルタ102とに吸蔵されたSOxを還元させる制御について説明する。また、本実施例においても、実施例1と同様にNOx触媒101の上流側
部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)の順にSOx被毒回復処理を実施する場合を例として説明する。
【0109】
本実施例における燃料添加弁4からの燃料添加制御について、図6に基づいて説明する。図6は、ECU30から燃料添加弁4に出される指令信号を示したタイムチャートである。図6(a)は燃料添加弁の一回の開弁時間が短い状態を示した図である。図6(b)は燃料添加弁の一回の開弁時間が長い状態を示した図である。また、図中に示す指令信号が「ON」のときは燃料添加弁4が開弁して燃料が添加され、指令信号が「OFF」のときは燃料添加弁4が閉弁して燃料の添加が停止される。
【0110】
図6(a)、(b)に示すように、燃料添加弁4からの燃料添加は間欠的に行われる。ここでは、1回の燃料添加において燃料添加弁4が開弁されている時間を添加時間と称する。図6(a)と(b)とに示すように、燃料添加弁4による燃料の添加時間が異なる。ここで、図6(a)に示した燃料添加弁4の添加時間が短い燃料の添加パターンを短時間添加パターンと称し、図6(b)に示した燃料添加弁4の添加時間が長い燃料の添加パターンを長時間添加パターンと称する。
【0111】
そして、短時間添加パターンにおける燃料添加弁4の添加時間をΔTad1、長時間添加パターンにおける燃料添加弁4の添加時間をΔTad2とすると、ΔTad2はΔTad1の2倍となっている(ΔTad2=ΔTad1×2)。一方、時点Xから時点Yまでの一定時間ΔTに燃料添加弁4から燃料が添加される回数(以下、単に「添加回数」ともいう。)は、短時間添加パターンは長時間添加パターンの2倍となっている。即ち、燃料添加弁4からの燃料添加が停止されている状態の回数(以下、単に「インターバル回数」ともいう。)も2倍となっている。
【0112】
即ち、短時間添加パターンと長時間添加パターンとでは、燃料添加弁4の添加時間と添加回数(若しくはインターバル回数)が異なっているが、一定時間ΔTにおける燃料添加量Qadは等しい。
【0113】
しかし、一定時間ΔTにおける燃料添加量Qadが等しい場合でも、短時間添加パターンのように燃料添加弁4の添加時間を短く、燃料の添加回数を多くすると、EHC100に導入された燃料と排気中の酸素とが反応し易く、より多くの燃料がEHC100において酸化されると考えられる。短時間添加パターンのようにインターバル回数を多くすることによって、常に燃料の酸化に使用される酸素が該燃料の周辺に供給されるからである。従って、短時間添加パターンにより前記燃料添加弁4から燃料を添加させることで、EHC100の活性を高くさせることができる。
【0114】
一方、長時間添加パターンのように燃料添加弁4の添加時間を長く、燃料の添加回数を少なくすると、EHC100に導入された燃料のうち、排気中の酸素と反応されずに未燃のまま下流に流される燃料の量が増大する。一回に多量の燃料が添加される場合には、該多量の燃料と反応するだけの酸素が欠乏すると考えられるからである。従って、長時間添加パターンにより前記燃料添加弁4から燃料を添加させることで、EHC100の活性を低くさせることができる。
【0115】
また、図6において、短時間添加パターンと長時間添加パターンとでは、長時間添加パターンにおける添加時間ΔTad2は短時間添加パターンにおける添加時間ΔTad1の2倍とした場合を例として説明したが、本発明においてΔTad1に対するΔTad2の比は2倍に限定されるものではない。
【0116】
同様に、短時間添加パターンと長時間添加パターンとでは、一定時間ΔTにおける燃料
添加量Qadは等しくした場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。
【0117】
ここで、図7は、本実施例に係るSOx被毒回復第2ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンもECU30内のROMに記憶されたプログラムであり内燃機関1の稼動中は所定期間毎に実行される。なお、本ルーチンを実行するECU30は本実施例において性能再生手段に相当する。
【0118】
本ルーチンが実行されると、まずS301においては、ECU30によって電熱ヒータ100aが通電されることによって、EHC100が昇温される。つまり、EHC100の温度が、NOx触媒101の上流側部分(A)がSOx被毒を回復させるための温度まで昇温される。そして、S301の処理が終わるとS302に進む。
【0119】
S302においては、燃料添加弁4が開弁され、該燃料添加弁4から予め実験的に定められる所定量Qadの燃料が第1排気管5aに添加される。本ステップにおいては、上述した短時間添加パターンによって燃料の添加が行われる。その結果、より多くの燃料がEHC100において酸化され、より高温の排気をNOx触媒101に導入させることができる。
【0120】
その結果、先ずNOx触媒101の上流側部分(A)の周囲雰囲気をSOxの還元に適した状態(例えば、温度が600℃乃至650℃であって、空燃比が略ストイキ或いはリッチの状態)にすることにより、優先的にNOx触媒101の上流側部分(A)に吸蔵されているSOxが還元される。そして、S302の処理が終わるとS303に進む。
【0121】
S303においては、NOx触媒101の上流側部分(A)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。つまり、本ステップでは、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理を行なうのに適した状態か否かが判定される。ここで、S303の処理は上述したSOx被毒回復ルーチンのS103に対応しており、詳しい説明を省略する。そして、上述したNOx触媒上流側還元雰囲気維持時間T1が上述した閾値以上であると判定される場合には、NOx触媒101の上流側部分(A)のSOx被毒回復処理が終了していると判断され、S304に進む。
【0122】
S304においては、燃料添加弁4から添加される燃料の添加パターンが上述した長時間添加パターンに変更される。つまり、EHC100の活性を低下させるために、短時間添加パターンによって燃料の添加が行われる場合に比べてより多くの燃料がNOx触媒101に導入される排気中に含まれるように、燃料の添加パターンが長時間添加パターンに変更される。
【0123】
これにより、NOx触媒101の上流側部分(A)にて反応する燃料量がより多くなるため、NOx触媒101の上流部分(A)でより多くの熱が発生し、この熱は排気とともに下流側へ流れ、NOx触媒101の下流側部分(B)の温度を上昇させる。これにより、NOx触媒101の下流側部分(B)の周辺雰囲気をSOxの還元に適した状態にすることができるので、該下流側部分(B)に吸蔵されているSOxを優先的に還元させることができる。そして、S304の処理が終わるとS305に進む。
【0124】
S305においては、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理が終了したか否かが判定される。つまり、本ステップでは、フィルタ102(C)のSOx被毒回復処理を行なうのに適した状態か否かが判定される。ここで、S305の処理は上述したSOx被毒回復ルーチンのS105に対応しており、詳しい説明を省略する。そして、NOx触媒下流側還元雰囲気維持時間T2が上述した閾値以上であると判定される場合には、NOx触媒101の下流側部分(B)のSOx被毒回復処理が終了していると判断
され、S306に進む。
【0125】
S306においては、電熱ヒータ100aに対する通電が停止される。そうすると、上述したようにEHC100の活性が更に低下し、NOx触媒101に導入される燃料量がさらに増加する。しかし、排気の温度が更に低下するため、燃料の酸化反応はより下流側で起こる。その結果、NOx触媒101の上流側部分(A)において酸化される燃料の量が減少し、下流側部分(B)において酸化される燃料量が増加する。これにより、NOx触媒101の下流側部分(B)で発生する熱量が増加するため、該下流側部分(B)よりも下流のフィルタ102(C)の温度が上昇し、該フィルタ102(C)に吸蔵されているSOxが優先的に還元される。そして、S306の処理が終わるとS307に進む。
【0126】
ここで、S307、S308の処理は上述したSOx被毒回復ルーチンのS107、S108に対応しており、詳しい説明を省略する。そして、S308において、燃料添加弁4が閉弁されることによって燃料の添加が停止され、S308の処理が終わると本ルーチンを一旦終了する。
【0127】
以上のように、本実施例に係るSOx被毒回復第2ルーチンによれば、電熱ヒータ100aに通電される電力を調節することができない場合においても、燃料添加弁4から添加される燃料の添加パターンを変更させることによってEHC100の活性を変更させることができる。
【0128】
また、本実施例におけるSOx被毒回復第2ルーチンのS303、S305、S307の各処理においては、上述したサブルーチンであるSOx被毒回復処理終了判定ルーチンが実行されても良い。そうすることにより、NOx触媒101の上流側部分(A)、NOx触媒101の下流側部分(B)、フィルタ102(C)のそれぞれに対するSOx被毒回復処理が終了したか否かの判定を、より精度良く行うことができる。
【0129】
また、本実施例におけるEHC100は、電熱ヒータ100aが設けられておらず、酸化機能を有するだけの酸化触媒であっても良い。上述のように燃料添加弁4から添加される燃料の添加パターンを変更させることによってEHC100の活性を変更させることができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0130】
【図1】本発明に係る内燃機関と、その吸排気系の概略構成を示す図である。
【図2】実施例1に係るNOx触媒とフィルタとに対するSOx被毒回復処理についての概念図である。
【図3】実施例1に係るSOx被毒回復ルーチンを示したフローチャートである。
【図4】実施例1に係る排気浄化部における排気の空燃比とSOxの吸蔵量とについて示したタイムチャートである。(a)は、空燃比を例示したタイムチャートである。(b)は、NOx触媒の上流側部分、NOx触媒の下流側部分、フィルタの各々に吸蔵されているSOxの吸蔵量を例示したタイムチャートである。
【図5】実施例1に係るSOx被毒回復処理終了判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】実施例2において、ECUから燃料添加弁に出される指令信号を示したタイムチャートである。(a)は、燃料添加弁の一回の開弁時間が短い状態を示した図である。(b)は燃料添加弁の一回の開弁時間が長い状態を示した図である。
【図7】実施例2に係るSOx被毒回復第2ルーチンを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0131】
1・・・内燃機関
2・・・吸気管
3・・・スロットルバルブ
4・・・燃料添加弁
5・・・排気管
5a・・・第1排気管
5b・・・第2排気管
10・・・排気浄化部
11・・・第1温度センサ
12・・・第2温度センサ
13・・・空燃比センサ
30・・・ECU
100・・・EHC
100a・・・電熱ヒータ
101・・・NOx触媒
102・・・フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が内燃機関に接続されて該内燃機関からの排気が通過する排気通路と、
前記排気通路に設けられるとともに酸化機能を有する酸化触媒と、
前記排気通路における前記酸化触媒よりも下流側に設けられるとともに該排気通路を通過する排気を浄化する排気浄化装置と、
前記酸化触媒および排気浄化装置に流入する排気に還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記酸化触媒の活性の度合いを変更させる活性度合い変更手段と、
前記還元剤供給手段によって前記酸化触媒に流入する排気に還元剤を供給させるとともに、前記活性度合い変更手段によって前記酸化触媒の活性の度合いを変更させることによって前記酸化触媒において酸化される還元剤の量を変更することにより、前記排気浄化装置の所定部分の温度を上昇させつつ該所定部分の性能を再生する性能再生処理を実施する性能再生手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
【請求項2】
前記排気浄化装置において、より下流側の部分に対して前記性能再生処理を実施するときほど、前記活性度合い変更手段は前記酸化触媒の活性の度合いを低くさせることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
【請求項3】
前記排気浄化装置の性能再生処理を実施するときには、前記排気浄化装置の上流側から下流側へと順に再生を行なうように、前記酸化触媒の活性の度合いを徐々に低下させることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
【請求項4】
前記活性度合い変更手段は、前記酸化触媒に熱を与える加熱手段を含んで構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の内燃機関の排気浄化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−38634(P2008−38634A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210267(P2006−210267)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】