説明

医用画像表示装置

【課題】1回の検査で取得された医用画像のシリーズ群をリスト表示する際に、各々のシリーズの画像群から画像種別に応じた動画サムネイルを生成して、動画サムネイルのリストとして表示することで、ユーザが各々のシリーズに含まれる画像群を容易に判別することができる医用画像表示装置を提供する。
【解決手段】医用画像診断装置により取得された医用画像の画像群をシリーズ毎に取得する取得手段12と、取得された各々のシリーズの画像種別を判別する判別手段16と、判別された画像種別に基づいて、各々のシリーズ毎に医用画像情報の画像群から動画サムネイルを生成する生成手段17aと、生成された各々のシリーズの動画サムネイルをリストとして動画で表示させる表示手段18とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像情報をシリーズ毎にリストにして表示する際、各々のシリーズ毎に画像種別に応じた動画サムネイルを生成して動画サムネイルのリストとして表示することができる医用画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医用画像診断システムにおいて、データベースに記憶されている医用画像情報を表示する際、検査情報やシリーズ情報については文字情報によるリスト表示を行い、画像情報については文字情報によりリスト表示するか静止画のサムネイル画像を用いてリスト表示するかしていた。
【0003】
また、医用画像診断システム上で臨床アプリケーションプログラムを用いた診断等が行われる際、使用される臨床アプリケーションプログラムに対応可能な元画像の選定が必要になるため、画像選択アプリケーションプログラムを用いて検査に含まれる全ての医用画像をサムネイル表示した上で、ユーザが診断に使用する医用画像を選定していた。これは、ユーザにとって直感的な判別が難しく面倒な作業だった。
【0004】
そこで、例えば、医用画像の監察時に、表示中の医用画像に対して関連する処理を実施するとともに、表示画面上のソフトキーに起因する不都合を解消できる医用画像表示装置が提案されている(特許文献1参照)。この医用画像表示装置は、画像表示領域が定義された医用画像表示画面を表示する表示部と、医用画像の画像データを記憶する画像データ記憶部と、画像表示領域の組み合わせと医用画像の画像データに対する処理内容とを関連付ける処理内容関連情報を記憶する情報記憶部と、操作部と、画像表示領域に表示された2つの医用画像が、操作部を用いてそれぞれ指定されたときに、当該2つの医用画像の少なくとも一方の画像データに対し、処理内容関連情報により関連付けられた処理内容を実行させる制御部とを備えたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−282656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医用画像診断システムにおいて医用画像をシリーズ毎に表示する際に、従来は状況に応じてサムネイル表示を用いた表示方法が利用されてきた。しかし、近年の医用画像診断システムにおいて、昨今の医用画像収集装置の進化に伴い1回の検査で収集される画像枚数が以前に比べて格段に増幅しているとともに画像種別(収集方法)が以前に比べて格段に多様化していること、加えて、臨床アプリケーションプログラムの進化によって、多様な2次画像や診断用画像が生成されること、さらに、単一モダリティで収集された医用画像だけで診断するのではなく、超音波−CTやPET−CTなどに代表されるようにモダリティ毎の特長を活かした医用画像を収集して組み合わせて診断することが多くなってきたことによって、マルチモダリティの医用画像情報を扱うことが一般的になってきた。それらにより、医用画像診断システムで扱う1回の検査当りのシリーズ数及び1つのシリーズ当りの画像数は、増加の一途を辿っている。
【0007】
この様な状況下で、各々のシリーズのリストを文字情報で表示した場合、1回の検査により取得された多数のシリーズからユーザが所望のシリーズを探し出すことが困難となり、さらにマルチモダリティを扱う環境では、収集されたモダリティ(CT,MR,XR,UL,PETなど)毎に重要なシリーズ情報が異なるため、リスト表示したい情報量は必然的に多くなってしまう。よってモダリティ毎に特化していて固有のモダリティでしか存在しない情報などは、他のモダリティにおけるリストが空欄状態になってしまうことも少なくない。よって、X線の情報などの多様な医用画像情報を1行の文字情報で表示することは困難であり、必要な情報をタイムリーに提供することが難しくなってきている。同様に、画像選択時のサムネイル一覧表示でも、より多くの画像情報を一度に表示しなければならないためにサムネイル1枚辺りのサイズが小さくなってしまうことで、ユーザが画像の判別をし難くなってしまい、少なからずユーザに負担が掛かっている。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、1回の検査で取得された医用画像のシリーズ群をリスト表示する際に、各々のシリーズの画像群から画像種別に応じた動画サムネイルを生成して、動画サムネイルのリストとして表示することで、ユーザが各々のシリーズに含まれる画像群を容易に判別することができる医用画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る医用画像処理装置は、医用画像診断装置により取得された医用画像の画像群をシリーズ毎に取得する取得手段と、前記取得手段により取得された各々のシリーズの画像種別を判別する判別手段と、判別手段により判別された画像種別に基づいて、各々のシリーズ毎に医用画像情報の画像群から動画サムネイルを生成する生成手段と、前記生成手段により生成された各々のシリーズの動画サムネイルをリストとして動画で表示させる表示手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る医用画像処理装置によると、1回の検査で取得された医用画像のシリーズ群をリスト表示する際に、各々のシリーズの画像群から画像種別に応じた動画サムネイルを生成して、動画サムネイルのリストとして表示することで、ユーザが各々のシリーズに含まれる画像群を容易に判別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る医用画像診断装置の機能を示すブロック図。
【図2】本発明に係る医用画像診断装置が動画サムネイル表示処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図3】画像種別判別テーブルの一例を示す図。
【図4】動画サムネイルリスト画面を示す画面図。
【図5】本発明に係る医用画像診断装置がユーザ操作制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図6】処理項目を選択するためのメニュー画面を示す画面図。
【図7】本発明に係る医用画像診断装置がオーバーレイ処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図8】(A)は、オーバーレイ処理を行う前の医用画像を示す画面図、(B)は、オーバーレイ処理を行った後の医用画像を示す画面図。
【図9】動画サムネイルリスト画面を示す画面図。
【図10】本発明に係る医用画像診断装置がファイル操作制御処理及び臨床アプリケーション起動処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図11】本発明に係る医用画像診断装置がユーザ操作制御処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図12】(A)は、移動処理を行う前の動画サムネイルリスト表示画面を示す画面図、(B)は、移動処理を行った後の動画サムネイルリスト表示画面を示す画面図。
【図13】処理項目を選択するためのメニュー画面を示す画面図。
【図14】本発明に係る医用画像診断装置が同期再生処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図15】動画サムネイルリスト画面を示す画面図。
【図16】同期再生条件を選択するためのメニュー画面を示す画面図。
【図17】本発明に係る医用画像診断装置がフュージョン処理を行う際の手順を示すフローチャート。
【図18】動画サムネイルリスト画面を示す画面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る医用画像表示装置の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る医用画像表示装置1の機能を示すブロック図である。医用画像表示装置1は、例えば医用画像診断装置などにより撮影された医用画像のシリーズ画像群を表示する装置である。シリーズ画像群は、連続的に撮影された複数の静止画から構成されている。
【0013】
医用画像表示装置1は、図1に示すように、表示対象の医用画像情報を検査毎に管理する医用画像情報リスト管理部11、医用画像情報を総括的に管理する医用画像情報管理部12、医療画像情報を取得して保持する医用画像情報保持部13、医用画像情報を多数記憶している医用画像情報データベース3a、検査リストを提示してユーザに検査の選択を促す医用画像情報リスト表示部14、サムネイルリストの表示を総括的に管理するサムネイル表示管理部15、シリーズ画像群の画像種別を判別する画像種別判断部16、シリーズ画像群から動画サムネイルを生成する動画サムネイル処理部17a、17b、…、サムネイルリストを表示するサムネイル表示部18、動画サムネイルに文字情報を重ねて表示するオーバーレイ情報処理部19、複数の動画サムネイルを融合するフュージョン画像処理部20、複数の動画サムネイルを同期再生する同期再生処理部21、及び、ユーザによるサムネイル操作を総括的に管理するサムネイル操作管理部22を備えている。
【0014】
また、医用画像表示装置1は、外部に設けられた医用画像情報データベースDに接続されている。この医用画像情報データベースDは、医用画像の画像データを多数記憶しているデータベースである。医用画像情報保持部13は、医用画像情報を取得する際、医用画像情報データベース13aから取得しても良く、医用画像情報データベースDからを取得しても良い。
【0015】
医用画像表示装置1は、例えば1回の検査で取得された医用画像情報のシリーズ群をリスト表示する際に、シリーズ毎に画像種別に基づいて画像群から動画サムネイルを生成して、動画サムネイルでリスト表示する機能を備えている。この機能により、ユーザは各シリーズに含まれる画像群を容易に判別することができる。
【0016】
また医用画像表示装置1は、各々の動画サムネイル上にシリーズ情報などの文字情報を重ねて表示する(オーバーレイ表示する)機能を備えている。この機能により、ユーザが医用画像情報に文字情報を付加して表示させたい場合や、マルチモダリティ環境にて複数の画像種別の画像群が混在している場合などに、ユーザによるデータの判別/選択が容易になり、ユーザの負担を軽減することができる。
【0017】
さらに医用画像表示装置1は、ユーザの入力操作に基づいて、動画サムネイルリスト上で各々の動画サムネイルに対して以下の(1)乃至(4)の処理を行う機能を備えている。
【0018】
(1)表示位置移動:動画サムネイルリストにおいて、各々のシリーズの動画サムネイルを容易に並べ替えて表示させる処理
(2)関心画像選択:動画サムネイルリストから任意のシリーズの動画サムネイル(画像、画像群)を選択させる処理
(3)フュージョン:ユーザにより選択された2つのシリーズの動画サムネイルを同一の動画サムネイル上で融合させて表示させる処理
(4)同期再生:ユーザにより選択された複数のシリーズの動画サムネイルを各々の動画サムネイルにおいてそれぞれ同期再生させる処理
始めに、医用画像表示装置1が各々のシリーズの画像群を用いて動画サムネイルを生成して、生成された動画サムネイルのリストを表示させる動画サムネイル表示処理を行う際の手順を、図2に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。以下、例えば「ステップS101」を「S101」のように、「ステップ」の語句を省略して説明する。
【0019】
まず、医用画像表示装置1において、医用画像情報リスト管理部11は、ユーザからの医用画像情報の検査リスト表示要求を受けると、医用画像情報管理部12へ検査情報取得を要求する(S101)。要求を受けた医用画像情報管理部12は、医用画像情報保持手段13に検査情報を要求する(S103)。医用画像情報保持手段13は、要求に応じて検査情報を医用画像情報保持手段13に送信して、医用画像情報保持手段13はこの検査情報を取得する(S105)。そして医用画像情報保持手段13は、医用画像情報リスト管理部11に検査情報を送信する(S107)。検査情報を受取った医用画像情報リスト管理部11は、検査リストを作成し、医用画像情報リスト表示部14に検査リストを表示させる(S109)。
【0020】
ユーザは、医用画像情報リスト表示部14に表示された検査リストから診断を行う目的の検査を選択し、シリーズ情報の表示を要求する(S111)。ユーザにより検査が選択されると、医用画像情報リスト表示部14はその検査のシリーズ情報の表示要求を受けたものと判断して、サムネイル表示管理部15に選択された検査に属するシリーズ情報表示を要求する(S113)。要求を受けた医用画像情報リスト管理部11は、指定された検査情報を元に医用画像情報保持手段13にその検査に属するシリーズ情報の取得を要求する(S115)。医用画像情報管理部12は、サムネイル表示管理部15からそのシリーズ情報を取得する(S117)。医用画像情報保持手段13は、サムネイル表示管理部15にシリーズ情報を送信する(S119)。
【0021】
サムネイル表示管理部15は、取得したシリーズ情報を元にサムネイルの作成要求に必要な画像種別を取得するために、画像種別判断部16に各々のシリーズの画像種別の問い合わせを行う(S121)。画像種別判断部16は問い合わせを受けたシリーズの画像種別を判別し、サムネイル表示管理部15に画像種別を送信する(S123)。
【0022】
サムネイル表示管理部15は、画像種別判断部16から画像種別を取得すると、この画像種別に応じたサムネイルを作成するために、複数の動画サムネイル処理部17a、17b、…のうちの、その画像種別に対応する動画サムネイル処理部17a、17b、…(たとえば第1の動画サムネイル処理部17a)に動画サムネイルの作成を要求する(S125)。
【0023】
図3は、動画種別判別テーブル30の一例を示す図である。動画種別判別テーブル30は、図3に示すように、画像種別情報31に対して、その画像の表示方法を示す表示方法情報32、その画像のサムネイルを作成するためのアプリケーションプログラムを示すサムネイル作成アプリ情報33がそれぞれ対応付けられたテーブルである。画像種別は、「CT−Axial,MPR」、「CT−3D」、「CT−4D」、「PET−Spect」、「MR−Axial,MPR」、「MR−3D」、「US動画」などがある。表示方法は、静止画を連続表示させる「Cine表示」、ボクセル画像を回転表示させる「回転表示」、3D画像を時間経過に合わせて表示させる「Dynamic表示」、動画を再生表示する「動画表示」などがある。例えば図3によると、「CT−Axial,MPR」の画像種別情報31に対して、「Cine表示」の表示方法情報32、「CT−Cine」のサムネイル生成アプリ情報33がそれぞれ対応付けられている。これは、画像種別が「CT−AXial,MPR」であった場合には、そのシリーズはCT−Cineのアプリケーションプログラムを用いて動画サムネイルが生成されてCine表示の表示方法で表示されることを意味する。
【0024】
サムネイル表示管理部15は、ステップS125にて、動画種別判別テーブル30においてそのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法を選択し、その選択された処理方法によってそのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成することができる動画サムネイル処理部17a、17b、…に対して動画サムネイルの作成を要求する。
【0025】
第1の動画サムネイル処理部17aは、指定されたシリーズ情報を元にシリーズに属する画像群を医用画像情報保持手段13に要求する(S127)。医用画像情報保持手段13は、そのシリーズに属する画像群を抽出して第1の動画サムネイル処理部17aに送信する(S129)。第1の動画サムネイル処理部17aは、取得した画像群を用いて画像種別に応じた動画サムネイルを生成する(S131)。この際、第1の動画サムネイル処理部17aは、動画種別判別テーブル30において、そのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法によってそのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成する。
【0026】
そして第1の動画サムネイル処理部17aは、サムネイル表示管理部15に生成した動画サムネイルを送信する(S133)。サムネイル表示管理部15は、第1の動画サムネイル処理部17aから取得したサムネイルをサムネイル表示部18に表示させる(S135)。
【0027】
次に、サムネイル表示管理部15は、画像種別判断部16に次のシリーズに対して画像種別の問い合わせを行う(S121)。画像種別判断部16はそのシリーズに画像種別を判別し、サムネイル表示管理部15に画像種別を送信する(S123)。
【0028】
サムネイル表示管理部15は、次のシリーズに対して、画像種別に応じた動画サムネイルを作成するために、動画種別判別テーブル30においてそのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法を選択し、その選択された処理方法によってそのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成することができる動画サムネイル処理部(たとえば第2の動画サムネイル処理部17b)に動画サムネイルの作成を要求する(S125)。
【0029】
第2の動画サムネイル処理部17bは、指定されたシリーズ情報を元にシリーズに属する画像群を医用画像情報保持手段13に要求する(S127)。医用画像情報保持手段13は、そのシリーズに属する画像群を抽出して第2の動画サムネイル処理部17bに送信する(S129)。第2の動画サムネイル処理部17bは、取得した画像群を用いて画像種別に応じた動画サムネイルを生成する(S131)。この際、第2の動画サムネイル処理部17bは、第1の動画サムネイル処理部17aと同様に、動画種別判別テーブル30において、そのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法によってそのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成する。
【0030】
そして第2の動画サムネイル処理部17bは、サムネイル表示管理部15に生成した動画サムネイルを送信する(S133)。サムネイル表示管理部15は、第2の動画サムネイル処理部17bから取得したサムネイルをサムネイル表示部18に表示させる(S135)。
【0031】
図4は、各々のシリーズに属する画像群を、ステップS131にて生成された動画サムネイルで表示した動画サムネイルリスト画面40を示す画面図である。図4に示すように、動画サムネイルリスト画面40には、各々の画像群から生成された動画サムネイル41が、それぞれ「Cine表示」、「回転表示」、「ダイナミック表示」など最適な表示方法で表示される。
【0032】
このように医用画像表示装置1において、各々のシリーズの画像群に対してステップS121乃至S135の処理が行われ、各々のシリーズの動画サムネイルが画像種別が考慮されて順次生成されて表示されていく。これにより、指定された検査に属するシリーズ画像群の動画サムネイルリストが表示される。
【0033】
医用画像表示装置1は、医用画像情報のリストを表示する際に従来の医用画像表示装置と異なりシリーズ画像群のサムネイル表示を行うことで、検査下に大量かつ多様なシリーズ群が含まれている場合でも、ユーザがサムネイル画像を見るだけで直感的に個々のシリーズの種別を判別することができる。また医用画像表示装置1は、動画サムネイルを用いてシリーズに含まれる画像群を表示する際に画像種別に応じた表示方法で表示するため、複数の画像群の画像種別が類似している場合であっても、ユーザがそれぞれの違いを容易に判別することができる。
【0034】
ステップS101乃至S135に処理によりサムネイル表示部18に動画サムネイルリストが表示された状態で、いずれかの動画サムネイルが選択されてユーザの操作がされると、医用画像表示装置1は、その動画サムネイルのシリーズに対してその操作に応じた処理を行う。医用画像表示装置1がこのユーザ操作制御処理を行う際の手順を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
ユーザは、いずれかのシリーズに対して何らかの処理を行いたい場合に、マウスやキーボードなどの入力装置を用いて、その所望の動画サムネイルを選択する(S201)。医用画像表示装置1のサムネイル操作管理部22は、いずれかの動画サムネイルが選択されると、その動画サムネイルに対して施すことができる処理を抽出して、リストとしてサムネイル表示部18に表示させるメニュー表示を行う(S203)。図6は、サムネイル表示部18に表示される表示メニュー42を示す図である。図6に示すように、表示メニュー42において、「ファイル操作」、「臨床アプリケーション」、「オーバーレイ表示」、「同期表示」、「フュージョン」などの複数の処理項目43が選択可能に表示される。また「ファイル操作」は、「コピー」、「削除」、「保護」などに細分化されている。また、例えば「臨床アプリケーション」の処理項目43が選択された場合には、「MPR」、「MIP」などの臨床アプリケーション項目45を含んだメニュー画面44が表示される。ユーザは、マウスやキーボードなどの入力装置を用いて、この表示メニュー42から所望の処理項目43を選択する。
【0036】
サムネイル操作管理部22は、ステップS203にて表示させた表示メニューからいずれの処理項目が選択されたか判断する(S205)。ステップS205にて「オーバーレイ表示」が選択された場合は、オーバーレイ情報処理部19が後述するオーバーレイ表示処理を行う(S207)。また、ステップS205にて「臨床アプリケーション起動」が選択された場合は、サムネイル操作管理部22が後述する臨床アプリケーション起動処理を行う(S209)。また、ステップS205にて「ファイル操作」が選択された場合は、サムネイル操作管理部22は、どのファイル操作が指示されたか判断する(S211)。ファイル操作は、例えば選択されたシリーズに属する画像群の「コピー」、「削除」、「保護」である。
【0037】
そして、ステップS211にて「コピー」が選択された場合は、サムネイル操作管理部22は後述する「コピー」のファイル操作制御処理を行う(S213)。ステップS211にて「削除」が選択された場合は、サムネイル操作管理部22は後述する「削除」のファイル操作制御処理を行う(S215)。ステップS211にて「保護」が選択された場合は、サムネイル操作管理部22は後述する「保護」のファイル操作制御処理を行う(S217)。
【0038】
ここで、医用画像表示装置1がステップS207のオーバーレイ表示処理を行う際の手順を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0039】
まず、医用画像表示装置1において、サムネイル表示部18に表示されている表示メニュー42から「オーバーレイ表示」の処理項目が選択されると、サムネイル表示部18は、選択された画像群及び選択された処理項目を含んだ選択情報をサムネイル表示管理部15に対して送信する(S301)。サムネイル表示管理部15は、「オーバーレイ表示」の選択情報を取得すると、選択された画像群を示す情報を含んだオーバーレイ作成要求をオーバーレイ情報処理部19に対して送信する(S303)。
【0040】
要求を受けたオーバーレイ情報処理部19は、選択された画像群を示す情報を含んだシリーズ情報取得要求を医用画像情報管理部12に送信してシリーズ情報を要求する(S305)。医用画像情報管理部12は、選択された画像群に基づいてシリーズ情報を医用画像情報保持手段13からシリーズ情報を取得して、このシリーズ情報をオーバーレイ情報処理部19に送信する(S307)。そしてオーバーレイ情報処理部19は、オーバーレイ情報を生成する(S309)。
【0041】
オーバーレイ情報処理部19は、オーバーレイ情報を生成すると、動画種別判別テーブル30においてそのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法を選択し、その選択された処理方法によってそのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成することができる動画サムネイル処理部(例えば第1の動画サムネイル処理部17a)にオーバーレイ情報を送信してサムネイル作成を要求する。(S311)。
【0042】
第1の動画サムネイル処理部17aは、取得したオーバーレイ情報に基づいて、医用画像情報管理部12に対して医用画像情報取得要求を送信して医用画像情報を要求する(S313)。医用画像情報管理部12は、オーバーレイ情報に基づいて医用画像情報を抽出する(S315)。そして医用画像情報管理部12は、第1の動画サムネイル処理部17aに対して抽出した医用画像情報を送信する(S317)。
【0043】
第1の動画サムネイル処理部17aは、取得した医用画像情報を用いて動画サムネイルを生成する(S319)。この際、第1の動画サムネイル処理部17aは、動画種別判別テーブル30において、そのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法によってそのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成する。
【0044】
そして第1の動画サムネイル処理部17aは、生成した動画サムネイルをオーバーレイ情報処理部19に送信する(S321)。オーバーレイ情報処理部19は、動画サムネイルを取得すると、その動画サムネイルをサムネイル表示管理部15に送信する(S323)。サムネイル表示管理部15は、動画サムネイルを取得すると、サムネイル表示部18に動画サムネイルを表示させる(S325)。
【0045】
図8(A)は、オーバーレイ表示処理を行う前の動画サムネイルを示す図であり、図8(B)は、オーバーレイ表示処理を行った後の動画サムネイルを示す図である。図8(A)及び図8(B)に示すように、オーバーレイ表示処理を行うことによって、動画サムネイル画面46に詳細なシリーズ情報47が表示される。
【0046】
なお、図9は、サムネイル表示部18に表示された動画サムネイルリスト画面40において、複数の動画サムネイル46が選択された状態のサムネイル表示を示す図である。図9に示すように、ユーザにより選択された動画サムネイル46は太枠48で囲まれるようにして表示されると良い。なお、選択される動画サムネイル46は単数であっても複数であっても良い。
【0047】
このようにして医用画像表示装置1は、ユーザにより動画サムネイル上に文字情報を表示させるように指示されたときに、画像種別に基づいてシリーズ情報などの文字情報を動画サムネイル上にオーバーレイとして表示をすることで、モダリティや画像種毎に最適な情報を提供することが可能となる。
【0048】
また、医用画像表示装置1がステップS209の臨床アプリケーション起動処理を行う際の手順、及びステップS213、S215、S217に示すファイル操作制御処理を行う際の手順を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0049】
まず、医用画像表示装置1において、サムネイル表示部18に動画サムネイルリスト及び表示メニュー42が表示されている状態で、表示メニュー42から「ファイル操作」(「コピー」、「削除」、「保護」など)の処理項目が選択されると、サムネイル表示管理部15はファイル操作制御処理を行う。まずサムネイル表示部18は、選択されているシリーズの画像群及び選択された処理項目(すなわち「コピー」など)を含んだ選択情報をサムネイル表示管理部15に対して送信する(S401)。サムネイル表示管理部15は、「ファイル操作」の選択情報を取得すると、選択された画像群を示す情報及び選択された処理項目を示す情報を含んだサムネイル操作要求をサムネイル操作管理部22に対して送信する(S403)。
【0050】
要求を受けたサムネイル操作管理部22は、ファイル操作を指示する旨の情報を医用画像情報管理部12に送信する(S405)。医用画像情報管理部12は、指示されたファイル操作を行い、ファイル操作を行った旨の応答を返信する(S407)。なお、「コピー」のファイル操作は、選択された動画サムネイルのシリーズの画像群を医用画像情報データベース3aあるいは医用画像情報データベースDにおいて複製する処理であり、「削除」のファイル操作は、選択された動画サムネイルのシリーズの画像群を医用画像情報データベース3aあるいは医用画像情報データベースDから削除する処理であり、「保護」のファイル操作は、選択された動画サムネイルのシリーズの画像群を医用画像情報データベース3aあるいは医用画像情報データベースDから削除できないようにする処理である。そして応答を取得したサムネイル操作管理部22は、この応答をサムネイル表示管理部15に対して送信する(S409)。
【0051】
また、サムネイル表示管理部15は、ファイル操作によってサムネイル表示を更新する必要があるか否かを判断する(S410)。例えば、ファイル操作によってシリーズの数が増減した場合に、サムネイル表示の更新が必要となる。サムネイル表示の更新が必要であった場合は(S410のYes)、サムネイル表示管理部15は、サムネイル表示部18におけるサムネイル表示を更新する(S411)。
【0052】
サムネイル表示部18に表示されている表示メニュー42から「臨床アプリケーション起動」の処理項目が選択されると、サムネイル表示管理部15は臨床アプリケーション起動処理を行う。まずサムネイル表示部18は、選択された画像群及び選択された処理項目(すなわち臨床アプリケーション起動)を含んだ選択情報をサムネイル表示管理部15に対して送信する(S413)。サムネイル表示管理部15は、「臨床アプリケーション起動」の選択情報を取得すると、選択された画像群を示す情報を含んだサムネイル操作要求をサムネイル操作管理部22に対して送信する(S415)。
【0053】
要求を受けたサムネイル操作管理部22は、臨床アプリケーションプログラム23を起動させる(S417)。臨床アプリケーションプログラム23が起動されると、このプログラムは、医用画像情報取得要求を医用画像情報管理部12に対して送信して医用画像情報を要求する(S419)。医用画像情報管理部12は、要求された医用画像情報を医用画像情報保持手段13から取得して(S421)、臨床アプリケーションプログラム23に送信する(S423)。そして臨床アプリケーションプログラム23は、内部処理を行う(S425)。
【0054】
臨床アプリケーションプログラム23は、起動が完了すると、起動完了情報をサムネイル操作管理部22に対して送信する(S427)。起動完了情報を取得したサムネイル操作管理部22は、この起動完了情報をサムネイル管理部15に送信する(S429)。
【0055】
このようにして医用画像表示装置1は、医用画像情報をリスト表示した際に、動画サムネイルで表示しつつも、従来と同様に、ユーザにより選択された動画サムネイル(シリーズ)に基づいて対応する臨床アプリケーションプログラムを起動したり、ユーザによる入力操作に基づいてファイル操作(コピー、削除、保護)をしたりすることができる。
【0056】
次に、複数の動画サムネイルが表示された状態で、ユーザ操作により、いずれかの動画サムネイルがドラック&ドロップされると、医用画像表示装置1は、それらの操作に応じた処理を行う。医用画像表示装置1がこのユーザ操作制御処理を行う際の手順を、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、ドラッグ&ドロップとは、画面上でマウスポインタが静止画サムネイルや動画サムネイルなどのアイコンに重なった状態でマウスのボタンが押され、そのままの状態でマウスが移動されるマウス操作である。
【0057】
ユーザは、例えば動画サムネイルの表示位置を移動させたいときや、複数の動画サムネイルの同期表示、フュージョンを行いたいときに、マウスやキーボードなどの入力装置を用いて、いずれかの動画サムネイルをドラッグまたはドリップする(S501)。医用画像表示装置1のサムネイル操作管理部22は、ドラッグ&ドロップの終着点が動画サムネイル上であるか、複数の動画サムネイルの間のエリアであるか、あるいは動画サムネイル表示エリア外であるかを判断する(S503)。
【0058】
ステップS503にてドラッグ&ドロップの終着点が動画サムネイル表示エリア外であった場合は、サムネイル操作管理部22は、処理を行わずにユーザ操作制御処理を終了する。ステップS503にてドラッグ&ドロップの終着点が複数の動画サムネイルの間のエリアであった場合は、サムネイル操作管理部22は、ドロップされた動画サムネイルの表示位置をドラッグ&ドロップの終着点に変更する(S505)。
【0059】
図12(A)は、サムネイル表示18に動画サムネイルリスト画面40が表示された状態で、動画サムネイル46が移動される前の動画サムネイルリスト画面40を示す図であり、図12(B)は、動画サムネイルリスト画面40が表示された状態で、動画サムネイル46が移動された後の動画サムネイルリスト画面40を示す図である。図12(A)に示すように、動画サムネイルリスト画面40の右下に表示されている第3の動画サムネイル46Cが、マウス操作により第1の動画サムネイル46A、第2の動画サムネイル46Bの間にドラッグ&ドロップされた場合には、図12(B)に示すように、第3の動画サムネイル46Cが第1の動画サムネイル46Aと第2の動画サムネイル46Bとの間の位置に挿入され、第1の動画サムネイル46A、第3の動画サムネイル46C、第2の動画サムネイル46Bの順番に並べられて表示される。
【0060】
このように医用画像表示装置1において、表示されている動画サムネイルの位置をユーザによる入力操作に基づいて変更することにより、ユーザは、関心のあるシリーズ群を見易い位置に移動させたり、関連するシリーズ群を隣接するように並べたりして観察することができる。
【0061】
ステップS503にてドラッグ&ドロップの終着点が動画サムネイル上であった場合は、サムネイル操作管理部22は、ドラッグ&ドロップされた動画サムネイルとドラッグ&ドロップの終着点にある動画サムネイルとの同期表示が可能であるか否かを判断する(S507)。
【0062】
ステップS507にて同期表示が可能であった場合は、サムネイル操作管理部22は、ドラッグ&ドロップされた動画サムネイルとドラッグ&ドロップの終着点にある動画サムネイルとのフュージョンが可能であるか否かを判断する(S509)。
【0063】
ステップS509にてフュージョンが可能であった場合は、サムネイル操作管理部22は、処理選択のメニュー画面を表示する(S511)。図13は、処理選択のメニュー画面49を示す図である。図13に示すように、サムネイル表示部18に、「同期表示」、「フュージョン」などの処理項目50が羅列されたメニュー画面49が表示される。ユーザは、キーボードやマウスなどの入力装置を用いていずれかの処理項目50を選択する。
【0064】
サムネイル操作管理部22は、ステップS511にて表示されたメニュー画面49から処理項目50が選択されたか否かを判断する(S513)。ステップS513にて「同期表示」が選択された場合は、サムネイル操作管理部22は、後述する同期表示処理を行う(S515)。
【0065】
ステップS507にて同期表示が可能でなかった場合は、サムネイル操作管理部22は、ステップS509と同様に、ドラッグ&ドロップされた動画サムネイルとドラッグ&ドロップの終着点にある動画サムネイルとのフュージョンが可能であるか否かを判断する(S517)。ステップS517にてフュージョンが可能でなかった場合は、サムネイル操作管理部22は、処理を行わずにユーザ操作制御処理を終了する。
【0066】
ステップS517にてフュージョンが可能であった場合、またはステップS513にて「フュージョン」が選択された場合は、サムネイル操作管理部22は、後述するフュージョン処理を行う(S519)。
【0067】
ここで、医用画像表示装置1がステップS515の同期再生処理を行う際の手順を、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0068】
図15は、サムネイル表示部18に表示された動画サムネイルリスト画面40から、ユーザが2つのシリーズを選択して同期再生を指示する様子を示す図である。図15に示すように、医用画像表示装置1においてサムネイル表示部18に動画サムネイルリスト画面40が表示されている状態で、ユーザは、いずれかの動画サムネイル46Dを選択して、この動画サムネイル46Dを他の動画サムネイル46Eの位置にドラッグ&ドロップする(S601)。
【0069】
サムネイル表示部18は、ドラッグ&ドロップされた動画サムネイルを示す情報とドラッグ&ドロップの終着点にある動画サムネイルを示す情報との2シリーズの情報をサムネイル表示管理部15に対して送信する(S603)。サムネイル表示管理部15は、2シリーズの情報を取得すると、これらの2つのシリーズの同期再生可否の問合せを同期再生処理部21に対して送信する(S605)。
【0070】
問合せを取得した同期再生処理部21は、これらの2シリーズの同期再生が可能か否かを判断する(S607)。そして同期再生処理部21は、サムネイル表示管理部15に対して同期再生が可能か否かを示す可否応答を送信する(S609)。そしてサムネイル表示管理部15は、ステップ609にて取得した可否応答において同期再生が不可であった場合には、サムネイル表示部18にエラーを表示させて(S611)、同期再生処理を終了する。
【0071】
ステップS609にて取得した可否応答において同期再生が可能であった場合には、サムネイル表示管理部15は、ドラッグ&ドロップされた動画サムネイルを示す情報とドラッグ&ドロップの終着点にある動画サムネイルを示す情報とを含んだ同期再生要求を同期再生処理部21に対して送信する(S613)。
【0072】
同期再生処理部21は、同期再生要求を取得すると、同期再生する2シリーズの医用画像情報取得要求を医用画像情報管理部12に対して送信して、医用画像情報を要求する(S615)。医用画像情報管理部12は、要求を受けた医用画像情報を抽出して同期再生処理部21に送信する(S617)。同期再生処理部21は、ステップS617にて取得した医用画像情報を用いて同時表示処理を行う(S619)。
【0073】
同期再生処理部21は、動画種別判別テーブル30においてそれらのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法を選択し、その選択された処理方法によってそのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成することができる動画サムネイル処理部(例えば第2の動画サムネイル処理部17b)に同期再生条件を送信してサムネイル作成を要求する。(S621)。この同期再生条件は、例えば、サムネイル表示部18に例えば図16に示すようなメニュー画面51を表示することによりユーザに同期再生条件の選択項目52を提示し、ユーザによりいずれかの選択項目52が選択されることにより設定される。同期再生条件は、例えば「心電同期」、「スライス位置」などである。
【0074】
第2の動画サムネイル処理部17bは、取得した同期再生条件に基づいて、医用画像情報管理部12に対して医用画像情報取得要求を送信して医用画像情報を要求する(S623)。医用画像情報管理部12は、同期再生条件に基づいて医用画像情報保持手段13から医用画像情報を取得して(S625)、取得した医用画像情報を第2の動画サムネイル処理部17bに送信する(S627)。
【0075】
第2の動画サムネイル処理部17bは、取得した医用画像情報を用いて動画サムネイルを生成する(S629)。この際、第2の動画サムネイル処理部17bは、動画種別判別テーブル30において、それらのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法によってそれらのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成する。
【0076】
そして第2の動画サムネイル処理部17bは、生成した動画サムネイルを同期再生処理部21に送信する(S631)。同期再生処理部21は、動画サムネイルを取得すると、その動画サムネイルをサムネイル表示管理部15に送信する(S633)。サムネイル表示管理部15は、動画サムネイルを取得すると、サムネイル表示部18に動画サムネイルを表示させる(S635)。
【0077】
このようにして医用画像表示装置1は、ユーザによる入力操作に基づいて所定の動画サムネイルを他の動画サムネイルの位置にドラッグ&ドロップさせるとともに、複数のシリーズの動画サムネイルを所定の条件に従って同期再生させる。
【0078】
また、医用画像表示装置1がステップS519のフュージョン処理を行う際の手順を、図17に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0079】
図18は、サムネイル表示部18に表示された動画サムネイルリスト画面40から、ユーザが2つのシリーズを選択してフュージョンを指示する様子を示す図である。図18に示すように、医用画像表示装置1においてサムネイル表示部18に動画サムネイルリスト画面40が表示されている状態で、ユーザは、いずれかの動画サムネイル46Fを選択して、この動画サムネイル46Fを他の動画サムネイル46Gの位置にドラッグ&ドロップする(S701)。
【0080】
サムネイル表示部18は、ドラッグ&ドロップされた動画サムネイルを示す情報とドラッグ&ドロップの終着点にある動画サムネイルを示す情報との2シリーズの情報をサムネイル表示管理部15に対して送信する(S703)。サムネイル表示管理部15は、2シリーズの情報を取得すると、これらの2シリーズのフュージョン再生可否の問合せを同期再生処理部21に対して送信する(S705)。
【0081】
問合せを取得した同期再生処理部21は、これらの2シリーズのフュージョンが可能か否かを判断する(S707)。そして同期再生処理部21は、サムネイル表示管理部15に対してフュージョンが可能か否かを示す可否応答を送信する(S709)。そしてサムネイル表示管理部15は、ステップ709にて取得した可否応答においてフュージョンが不可であった場合には、サムネイル表示部18にエラーを表示させて(S711)、フュージョン処理を終了する。
【0082】
ステップS709にて取得した可否応答において同期再生が可能であった場合には、サムネイル表示管理部15は、ドラッグ&ドロップされた動画サムネイルを示す情報とドラッグ&ドロップの終着点にある動画サムネイルを示す情報とを含んだフュージョン要求を同期再生処理部21に対して送信する(S713)。
【0083】
フュージョン画像処理部20は、フュージョン要求を取得すると、フュージョンする2シリーズの医用画像情報取得要求を医用画像情報管理部12に対して送信して、医用画像情報を要求する(S715)。医用画像情報管理部12は、要求された医用画像情報を医用画像情報保持手段13から取得して(S717)、取得した医用画像情報をフュージョン画像処理部20に送信する(S719)。フュージョン画像処理部20は、ステップS719にて取得した医用画像情報を用いてフュージョン画像を生成する(S721)。
【0084】
フュージョン画像処理部20は、動画種別判別テーブル30においてそれらのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法を選択し、その選択された処理方法によってそれらのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成することができる動画サムネイル処理部(例えば第3の動画サムネイル処理部17c)にフュージョン画像を送信してサムネイル作成を要求する。(S723)。
【0085】
第3の動画サムネイル処理部17cは、取得したフュージョン画像を用いて動画サムネイルを生成する(S725)。この際、第3の動画サムネイル処理部17cは、動画種別判別テーブル30において、それらのシリーズの画像種別に対応付けられた表示方法でサムネイル動画が表示されるような動画生成処理方法によってそれらのシリーズの画像群から動画サムネイルを生成する。
【0086】
そして第3の動画サムネイル処理部17cは、生成した動画サムネイルをフュージョン画像処理部20に送信する(S727)。フュージョン画像処理部20は、動画サムネイルを取得すると、その動画サムネイルをサムネイル表示管理部15に送信する(S729)。サムネイル表示管理部15は、動画サムネイルを取得すると、サムネイル表示部18に動画サムネイルを表示させる(S731)。
【0087】
このようにして医用画像表示装置1は、ユーザによる入力操作に基づいて所定の動画サムネイルを他の動画サムネイルの位置にドラッグ&ドロップさせるとともに、複数のシリーズの動画サムネイルを同一の動画サムネイル上にてフュージョンさせる。
【0088】
本発明に係る医用画像表示装置1によると、1回の検査で取得された医用画像のシリーズ群をリスト表示する際に、各々のシリーズの画像群から画像種別に応じた動画サムネイルを生成して、動画サムネイルのリストとして表示することで、ユーザが各々のシリーズに含まれる画像群を容易に判別することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
1…医用画像表示装置,11…医用画像情報リスト管理部,12…医用画像情報管理部,13…医用画像情報保持手段,14…医用画像情報リスト表示部,15…サムネイル表示管理部,16…画像種別判断部,17a、17b、17c…動画サムネイル処理部,18…サムネイル表示部,19…オーバーレイ情報管理部,20…フュージョン画像処理部,21…同期再生処理部,22…サムネイル操作管理部,23…ガントリ回転機構,30…画像種別判別テーブル,31…画像種別情報,32…表示方法情報,33…サムネイル生成アプリ情報、40…動画サムネイルリスト画面,41…動画サムネイル,42、44、49、51…メニュー画面,43、50…処理項目,45…臨床アプリケーション項目,46、46A乃至46G…動画サムネイル画面,47…シリーズ情報,48…太枠,52…同期再生条件項目,D…医用画像情報データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像診断装置により取得された医用画像の画像群をシリーズ毎に取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された各々のシリーズの画像種別を判別する判別手段と、
判別手段により判別された画像種別に基づいて、各々のシリーズ毎に医用画像情報の画像群から動画サムネイルを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された各々のシリーズの動画サムネイルをリストとして動画で表示させる表示手段とを備えたことを特徴する医用画像表示装置。
【請求項2】
画像種別と動画生成手段とがそれぞれ対応付けられて記憶された記憶手段を備え、
前記生成手段は、前記記憶手段により各々のシリーズの画像種別に応じてサムネイルの生成処理方法を選択し、選択した処理方法に基づいて前記シリーズの画像から動画サムネイルを生成することを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、判別手段により判別された画像種別に基づいて、各々のシリーズのシリーズ情報を取得して、動画サムネイル上にこのシリーズ情報を表示させることを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項4】
前記表示手段により表示された動画サムネイルのリストから所定の動画サムネイルの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により受け付けられた動画サムネイルの移動先の入力を受け付ける移動先受付手段を備え、
前記表示手段は、前記選択受付手段により受け付けられた動画サムネイルを、前記移動先受付手段により受け付けられた移動先に移動させて表示させることを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項5】
前記表示手段により表示された動画サムネイルに含まれる各々の動画サムネイルに対して、前記判別手段により判別された画像種別に対応する臨床アプリケーションプログラムを起動する起動手段を備えたことを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項6】
前記表示手段により表示された動画サムネイルから所定の動画サムネイルの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により受け付けられた動画サムネイルを、前記表示手段により表示された動画サムネイルのリストから削除する削除手段とを備えたことを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項7】
前記表示手段により表示された動画サムネイルから所定の動画サムネイルの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により受け付けられた動画サムネイルを、前記表示手段により表示された動画サムネイルのリストにおいて複製する複製手段とを備えたことを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項8】
前記表示手段により表示された動画サムネイルから所定の動画サムネイルの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により受け付けられた動画サムネイルを、前記表示手段により表示された動画サムネイルのリストにおいて削除不可にする保護手段とを備えたことを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項9】
前記表示手段により表示された動画サムネイルから複数の動画サムネイルの選択を受け付ける選択受付手段を備え、
前記表示手段は、前記選択受付手段により受け付けられた複数の動画サムネイルを、同一の動画サムネイル上で融合させる融合手段とを備えたことを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。
【請求項10】
前記表示手段により表示された動画サムネイルから複数の動画サムネイルの選択を受け付ける選択受付手段を備え、
前記表示手段は、前記選択受付手段により受け付けられた複数の動画サムネイルを同期再生させることを特徴する請求項1記載の医用画像表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図4】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図12】
image rotate

【図15】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−81607(P2011−81607A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−233443(P2009−233443)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】