説明

半導体ディスクドライブ

【課題】半導体ディスクドライブに複数のフラッシュメモリを備え、書き込み回数に応じて使用するフラッシュメモリを交替させ、、半導体ディスクドライブの寿命を延ばす。
【解決手段】独立してアクセスが可能な複数のフラッシュメモリデバイスと、フラッシュメモリデバイスへのアクセス制御をおこなう制御部11と、フラッシュメモリデバイスへの書き込み回数を管理する管理テーブル12を具備し、フラッシュメモリデバイスへの書き込み回数が予め設定された閾値に達した場合、予備のフラッシュメモリデバイスにデータをコピーして動作を継続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュメモリを用いた半導体ディスクドライブに関して、複数の独立したフラッシュメモリデバイスと該フラッシュメモリデバイスの制御回路および該フラッシュメモリデバイスへの書き込み回数を管理する管理テーブルを持ち、書き込み回数が予め設定された回数に達した場合、使用するフラッシュメモリデバイスを交替させることで、半導体ディスクドライブ自体の寿命を延ばすことを特徴とするものである。
【背景技術】
【0002】
近年、サーバ装置の省電力への要求の高まりから、ハードディスクドライブの代わりとしてフラッシュメモリを用いた半導体ディスクドライブが注目されている。
【0003】
半導体ディスクドライブは、低消費電力で、かつ、機械的な駆動部分が不要で故障率が低いという長所がある反面、フラッシュメモリの特性から書き込み回数に制限があり、書き込みを頻繁におこなうようなシステムでは、ハードディスクドライブに比べて寿命が短いという短所がある。
【0004】
このような短所に対して、特開2008-9594 「半導体記憶装置管理システム、半導体記憶装置、ホスト装置、プログラム、半導体記憶装置の管理方法」では、半導体記憶装置の書き込み回数等より寿命を予測しユーザに通知する手段が提案されているが、半導体記憶装置そのものの寿命を延ばすものではない。
【0005】
【特許文献1】特開2008−9594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする課題は、半導体ディスクドライブに用いられるフラッシュメモリに書き込み回数に制限があり、半導体ディスクドライブが搭載されるサーバ装置に比べて半導体ディスクドライブそのものの使用寿命が短い点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、半導体ディスクドライブに複数の独立したフラッシュメモリデバイスを持たせ、書き込み回数に応じて使用するフラッシュメモリデバイスを交替し、使用不可となったフラッシュメモリは稼動中に交換することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の半導体ディスクドライブは、複数のフラッシュメモリを備え、書き込み回数に応じて使用するフラッシュメモリを交替させ、使用不可となったフラッシュメモリは稼動中に交換することで、半導体ディスクドライブの寿命を延ばす利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照し説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施例を示すブロック図である。
【0011】
半導体ディスクドライブ10は、CPU30とインタフェース31で接続される。CPU30は、図示はしないが、プロセッサやメモリ、およびI/Oデバイスから構成されるシステムで、半導体ディスクドライブ10は、CPU30のI/Oデバイスのひとつである。
【0012】
半導体ディスクドライブ10は、アクセス制御部11とフラッシュメモリデバイス20および21で構成される。フラッシュメモリデバイス20および21は稼動中に交換可能な構造である。
【0013】
アクセス制御部11はアクセス管理テーブル12を具備し、図2に示すように、半導体ディスク20および21の各々に対しての「使用状態」「書き込み回数」「交換閾値」を管理する。また、図3に示すように、使用状態には、未使用を意味する「00」、使用中を意味する「01」、データ移行中を意味する「10」、使用不可を意味する「11」の4つの状態がある。
【0014】
次に実施例の動作について説明する。
【0015】
図4はリード動作を説明したフローチャートである。
【0016】
まず、半導体ディスクドライブ10は、インタフェース31を通じてCPU30よりリード要求を受信する(ステップ401)。リード要求を受け取ったアクセス制御部11は、アクセス管理テーブル12を参照して(ステップ402)、フラッシュメモリデバイスの使用状態を確認する(ステップ403)。フラッシュメモリデバイス20または21のどちらかの状態が、「01(使用中)」であれば、該当するフラッシュメモリデバイスよりデータを読み出し(ステップ404)、CPU30にリードデータを返送する(ステップ405)。
【0017】
フラッシュメモリデバイスの状態が「10(データ移行中)」の場合は、状態が「01(使用中)」となるまで状態確認を繰り返す(ステップ406)。
【0018】
フラッシュメモリデバイスの状態が「01(使用中)」でも、「10(データ移行中)」でもない場合は、読み出し可能なデバイスがないと判断して、CPU30にエラーを返送する(ステップ407)。
【0019】
図5および図6はライト動作を説明したフローチャートである。
【0020】
まず、半導体ディスクドライブ10は、インタフェース31を通じてCPU30よりライト要求を受信する(ステップ501)。ライト要求を受け取ったアクセス制御部11は、アクセス管理テーブル12を参照して(ステップ502)、フラッシュメモリデバイスの状態を確認する(ステップ503)。
【0021】
状態が「01(使用中)」であれば該当するフラッシュメモリデバイスに書き込みをおこなう(ステップ504)。状態が「10(データ移行中)」の場合は、状態が「01(使用中)」となるまで状態確認を繰り返す(ステップ507)。
【0022】
また、フラッシュメモリデバイスの状態が「01(使用中)」でも、「10(データ移行中)」でもない場合は、書き込み可能なデバイスがないと判断して、CPU30にエラーを返送する(ステップ508)。
【0023】
ステップ504にて書き込み完了後、書き込みをおこなったフラッシュメモリデバイスの書き込み回数に1を足し(ステップ505)、書き込み回数と交換閾値を比較する(ステップ506)。
【0024】
書き込み回数が交換閾値を超えていた場合、アクセス制御部は、現在使用中のフラッシュメモリデバイスの状態を「10(データ移行中)」に変更し(ステップ601)、使用中のフラッシュメモリデバイスのデータを予備のフラッシュメモリデバイスにコピーする(ステップ602)。コピーが完了したら、現在使用中のフラッシュメモリデバイスの状態を「11(使用不可)」とし(ステップ603)、予備のフラッシュメモリデバイスの状態を「01(使用中)」とする(ステップ604)。
【0025】
ここで、「11(使用不可)」となったフラッシュメモリデバイスは、稼動時交換することで状態が「00(未使用)」となり、予備のフラッシュメモリデバイスとなる。
【0026】
このように、本発明によれば、複数のフラッシュメモリを備え、書き込み回数に応じて使用するフラッシュメモリを交替させ、使用不可となったフラッシュメモリは稼動中に交換することで、半導体ディスクドライブの寿命を半永久的に延ばす利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例でのアクセス管理テーブルの説明図である。
【図3】本発明の一実施例での使用状態フラグの一覧である。
【図4】本発明の一実施例でのリード動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例でのライト動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の一実施例でのライト動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
10…半導体ディスクドライブ、11…アクセス制御部、12…アクセス管理テーブル、20…フラッシュメモリデバイス、21…フラッシュメモリデバイス、30…CPU、31…インタフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラッシュメモリを用いた半導体ディスクドライブにおいて、独立してアクセスが可能な複数のフラッシュメモリデバイスと、該フラッシュメモリデバイスへのアクセス制御をおこなう制御部と、該フラッシュメモリデバイスへの書き込み回数を管理する管理テーブルを具備し、フラッシュメモリデバイスへの書き込み回数が予め設定された閾値に達した場合、交替用のフラッシュメモリデバイスにデータをコピーして動作を継続することを特徴とする半導体ディスクドライブ。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体ディスクドライブにおいて、フラッシュメモリデバイス部分は半導体ディスクドライブが稼動中においても交換が可能であることを特徴とする半導体ディスクドライブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−146220(P2010−146220A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321723(P2008−321723)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】