説明

半導体デバイスの電極のための保護バリア層

【課題】 無鉛はんだに含まれている酸性のフラックスから電極を保護し、それによって、その下の活性な半導体接合を保護するバリア層を電極の直上に設けた半導体デバイスを提供する。
【解決手段】 半導体デバイスは、1つの表面上に、少なくとも1つの電極を有する半導体ダイと、電極の上方に形成されている少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトと、電極の上方に形成され、かつ、はんだ付け可能なコンタクトを露出する開口を有するパッシベーション層とを備え、パッシベーション層の開口は、はんだ付け可能なコンタクトよりも広く、はんだ付け可能なコンタクトとパッシベーション層との間に、空隙が存在する。さらに、電極の上面上であって、はんだ付け可能なコンタクトの下面に沿って、および、空隙の全域にわたって、バリア層を配置されている。バリア層は、パッシベーション層の下に広がっている場合もあり、また、電極の全上面を覆っている場合もあり、さらに、電極の側壁に沿って広がっている場合もある。バリア層は、チタン層を備えている場合もあり、チタン層とニッケル層とを備えている場合もあり、電極およびその下の半導体ダイを、無鉛はんだに含まれている酸性のフラックスから保護する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、本明細書によって優先権の請求がなされ、また、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、マーティン・キャロル他による「Solderable Top Metallization and Passivation for Semiconductor Package(半導体パッケージのためのはんだ付け可能な上部メタライゼーションおよびパッシベーション)」という名称の、2005年9月2日に出願された米国特許仮出願第60/714076号に基づき、その利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、広義では、半導体デバイスに関し、より詳細には、無鉛はんだ中の活性成分から電極を保護する、半導体デバイスの電極のためのバリア層に関する。
【背景技術】
【0003】
DirectFET(商標名)タイプの半導体デバイス(特許文献1を参照)、およびフリップチップ・タイプの半導体デバイスのような半導体デバイスは、半導体ダイの主面上に形成された、例えばアルミニウムから成る、1つ以上のメタライズ電極を有している。これらのメタライズ電極は、例えばプリント回路板のような支持基板上の導電性パッドに直接はんだ付けされるように構成されている。さらに、半導体デバイスがパッケージされるとき、その電極がパッケージのリード線に直接または間接にはんだ付けされるように構成されていて、1つ以上のメタライズ電極を有する、別の半導体デバイスも存在する。
【0004】
例えば、図1には、一例として、DirectFET(商標名)タイプのデバイス・パッケージ100(特許文献1に開示されているタイプの)の下面図が示されており、また、図2には、このデバイス・パッケージの、図1の円101a内の部分の側断面図が示されている。
【0005】
図1に示されているように、デバイス・パッケージ100は、開口下面を有する、カップ状または缶状の導電性クリップ112、最上部のウェブ(薄い金属板)113、および、ウェブ113に電気的に接続された2つの縁部114および115を備えている。
【0006】
パワーMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)の半導体ダイ102が、導電性クリップ112内に収容されている。半導体ダイ102は、その下面にドレイン電極103、その上面にソース電極104およびゲート電極105を備えている(ソース電極およびゲート電極は、図1において点線によって示されている)。
【0007】
ドレイン電極103は、ウェブ113と、したがって、縁部114および115と電気的に接続している。ソース電極104およびゲート電極105は、導電性クリップ112の開口下面に露出しており、例えば基板のパッドに直接はんだ付けできるようになっている。
【0008】
基板のパッドへのソース電極、およびゲート電極のはんだ付けを容易にするために、はんだ付け可能なコンタクト109および110が、ソース電極104の直上に形成され、また、はんだ付け可能なコンタクト108が、ゲート電極105の直上に形成されている。
【0009】
はんだ付け可能なコンタクト108、109および110は、はんだ付け可能なコンタクト110の、図2の円101b内の部分の拡大側面断面図である図2Aに示されているように、通常、チタン層131、ニッケル層132および銀層133から成る3層金属スタックのような、銀を含む、はんだ付け可能な金属で作られている。例えばエポキシ樹脂で形成されており、そして、例えばはんだレジストとして働くパッシベーション層120が、半導体ダイ102の上面の上方で、かつ、ソース電極104およびゲート電極105の上面に沿って配置されている。
【0010】
開口120a、120b、および120cが、ソース電極104およびゲート電極105上のはんだ付け可能なコンタクトの各々を露出させるように、ソース電極およびゲート電極の上方のパッシベーション層120内に形成されている。
【0011】
従来、パッシベーション層120と、はんだ付け可能なコンタクト108〜110とは、はんだ付け可能なコンタクトとパッシベーション層とが、合接/オーバーラップするように形成されている。しかしながら、この合接/オーバーラッピング構成によって、半導体デバイスの信頼性に関わる問題が生じている。
【0012】
具体的には、電界および湿気への長期にわたる暴露によって、はんだ付け可能なコンタクトからの銀イオンのマイグレーションが発生して、デンドライト(樹枝状の突起)が形成される場合のあることが知られている。
【0013】
基板のパッドに半導体ダイの電極を固着させるために、これらのはんだ付け可能なコンタクトの表面に、はんだを塗布したときには、はんだは、通常、接触面に沿って露出している銀を溶解し、そのため、銀を取り込んで、デンドライトの発生を防ぐはんだ合金を形成することが、よく知られている。
【0014】
しかし、パッシベーション層と、はんだ付け可能なコンタクトとが、合接/オーバーラップするように形成されているときには、パッシベーション層が、はんだ付け可能なコンタクトの外表面の一部を覆い隠し、そのために、はんだ付け中に、はんだは、この外表面の一部に沿った銀まで到達することを妨げられる。
【0015】
その結果、この外表面の一部に沿った銀は、上述のようにはんだによって溶解されるということがなく、そのため、マイグレートする銀イオンの源となる場合がある。このようにして発生した銀イオンは、パッシベーション層の上までマイグレートしてデンドライトを形成し、その結果、半導体デバイスの信頼性を低下させる。
【0016】
この問題を克服するために、図1および図2に示されているように、パッシベーション層中の開口120a〜120cを、はんだ付け可能なコンタクト108〜110より広くなるように構成する場合がある。その結果、はんだ付け可能なコンタクト108〜110は、図2に示されているように、空隙121のような、周囲を囲んでいる空隙によって、パッシベーション層120から距離をあけて配置されている。これらの空隙の底に、メタライズされた電極が露出している。
【0017】
この構成においては、はんだ付け可能なコンタクト108〜110の全上面および全側面が露出し、それによって、はんだが、それらの表面を覆い、露出している銀を溶解することが可能になり、その結果、デンドライトの形成が抑制される。
【0018】
しかし、パッシベーション層とはんだ付け可能なコンタクトとの、この空隙構成によって、明らかに、別の問題が発生する。具体的には、基板のパッドにはんだ付け可能なコンタクト108〜110を接続するために、過去において一般的に用いられていたはんだは、含鉛はんだであった。しかし、現在は、無鉛はんだが用いられるようになっており、鉛による環境破壊を避けるために、その使用が、ますます拡大している。
【0019】
主要な無鉛はんだは、「SAC」として知られている、すず/銀/銅合金である。SAC合金の融点は、今日まで標準的な基板組立において用いられている鉛共晶はんだの融点より高い。SAC合金が、はんだ付け可能なコンタクトの表面を活性化するフラックスを含んでいるのは明らかである。
【0020】
特に、これらのフラックスには、カルボン酸群にはいる酸のような、いくつかの酸が含まれている場合がある。はんだ活性化段階中に、はんだ付け可能なコンタクトの表面上に存在していた酸化物が、これらの酸によってエッチングされ、その結果、はんだと合金化することができる清浄な表面が生成される。
【0021】
このはんだ活性化段階中に、はんだ中のフラックスが、空隙121のような空隙内まで広がることがあることは明らかであり、その場合には、フラックスは、はんだ付け可能なコンタクトとパッシベーション層120との間に広がり、その底に露出しているアルミニウム電極とコンタクトする。
【0022】
これらのフラックス中の酸は、アルミニウム電極と有害に反応して、アルミニウム電極を貫通する孔を形成させることが知られている。その結果、酸性のフラックスは、アルミニウム電極の下の活性な半導体接合およびゲートに破壊的な化学作用を及ぼすことができ、それによって、半導体デバイスの信頼性に悪影響を与える。
【0023】
図3には、図1のデバイス・パッケージの、円101aで囲まれた部分の一代替側面断面図が示されている。この場合、ソース電極、ゲート電極、および、それらの電極の下の活性な接合およびゲートを、酸性のフラックスから保護するために、例えば窒化物またはアクリルアセテートから成る保護パッシベーション層135を、それらの電極の上面に沿ってデポジットしている。
【0024】
具体的には、保護パッシベーション層135を、パッシベーション層120の下、および、はんだ付け可能なコンタクト110とパッシベーション層120との間の空隙に沿って、デポジットしている。しかしながら、保護パッシベーション層135の形成は、コストを増加させ、さらに、得られる半導体デバイスの品質に影響を与えることが知られている。
【特許文献1】米国特許第6624522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、無鉛はんだに含まれている酸性のフラックスから、半導体デバイスの電極を保護し、それによって、その下の活性な半導体接合を保護するバリア層を、半導体デバイスの電極に設けて、従来技術の上述の欠点、また、他の欠点を克服するものである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の好適な一実施形態によれば、DirectFET(商標名)タイプのデバイス・パッケージとしてパッケージされた縦型導電パワーMOSFETのような半導体デバイスが、上面に沿って、ソース電極およびゲート電極を配置された半導体ダイを備えている。
【0027】
半導体デバイスは、さらに、ソース電極の上方に、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクト、および、ゲート電極の上方に、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトを備えている。半導体デバイスは、さらに、ソース電極およびゲート電極越しに、半導体ダイの上面の上方にパッシベーション層が配置されている。
【0028】
パッシベーション層は、その内部に、ソース電極、およびゲート電極の上方のはんだ付け可能なコンタクトの各々を露出する開口が形成されている。
【0029】
本発明の好適な一実施形態においては、パッシベーション層内の各開口は、それに対応するはんだ付け可能なコンタクトよりも広い。その結果、各はんだ付け可能なコンタクトと、それを囲んでいるパッシベーション層との対向端面/側面間に、空隙が形成されている。この空隙は、はんだ付け可能なコンタクトを囲んでおり、かつ、はんだ付け可能なコンタクトの全高にわたって広がっている。
【0030】
本発明によれば、半導体デバイスは、さらに、ソース電極およびゲート電極の上面の少なくとも一部を覆っているバリア層を備えている。具体的には、本発明の一実施形態によれば、バリア層は、はんだ付け可能なコンタクトの下面と、ソース電極およびゲート電極の上面との間に広がっており、かつ、はんだ付け可能なコンタクトとパッシベーション層との間の空隙に沿って広がっている。具体的には、少なくとも、パッシベーション層の対向端まで広がっている。
【0031】
本発明の好適な一実施形態においては、バリア層は、さらに、はんだ付け可能なコンタクトを囲んでいる空隙を越えて、パッシベーション層の下に広がっている。具体的には、本発明の一実施形態によれば、バリア層は、ソース電極およびゲート電極の上面に沿って、パッシベーション層の下を、ソース電極およびゲート電極の外縁端の方に広がっている。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、バリア層は、ソース電極およびゲート電極の外縁端よりも内側に引っ込んでおり、したがって、ソース電極およびゲート電極の上面が露出した外縁部が存在する。
【0033】
本発明の別の一実施形態によれば、バリア層は、ソース電極およびゲート電極の全上面にわたって、ソース電極およびゲート電極の外縁端まで広がっており、それによって、ソース電極およびゲート電極の全上面を覆っている。
【0034】
本発明のさらなる一実施形態によれば、バリア層は、さらに、ソース電極およびゲート電極の外縁端を越えて広がっており、それによって、ソース電極およびゲート電極から突き出ている。
【0035】
本発明のさらに別の一実施形態によれば、バリア層は、ソース電極およびゲート電極の全上面にわたって広がっており、かつ、ソース電極およびゲート電極の外縁端を縁とする、垂直の側壁に沿って広がっている。
【0036】
本発明によれば、バリア層は、導電材料から成っており、特に、無鉛はんだに含まれているフラックスの酸性特性に耐性を有する材料から成っている。本発明の一実施形態によれば、バリア層は、チタン層から成っている。
【0037】
上に説明したように、ソース電極およびゲート電極の上方に形成される、はんだ付け可能なコンタクトは、バリア層の直上に形成されている。バリア層が、チタン層から成る場合には、各はんだ付け可能なコンタクトは、ニッケル層と銀層とのスタックのような、銀を含む、はんだ付け可能な金属スタックであるが、当技術分野において公知の、他の従来のスタックが用いられることもある。
【0038】
本発明の別の一実施形態によれば、バリア層は、ソース電極およびゲート電極の直上に配置されたチタン層を含んでおり、かつ、さらに、チタン層の直上に配置された、例えばニッケル層を含んでいる。この実施形態においては、ソース電極およびゲート電極の上方に形成される、はんだ付け可能なコンタクトは、ニッケル層の直上に形成されており、銀層しか含まない場合がある。
【0039】
本発明によれば、少なくとも、はんだ付け可能なコンタクトを囲んでいる空隙全域にわたって、ソース電極およびゲート電極の上面に沿って、バリア層が形成されているために、バリア層は、半導体デバイスを、例えば基板のパッドにはんだ付けするときに空隙内に広がってきた、無鉛はんだの酸性のフラックスから、ソース電極およびゲート電極を保護することができる。
【0040】
具体的には、バリア層は、酸性のフラックスが、これらの空隙に沿ってソース電極およびゲート電極とコンタクトすることを防止し、それによって、フラックスが、ソース電極およびゲート電極を貫通する孔を形成して、活性な半導体接合、および、その下のゲートに破壊的な化学作用を及ぼすことを防止する。
【0041】
さらに、バリア層を、空隙を越えて、パッシベーション層の下まで、そして、場合によっては、ソース電極およびゲート電極の全上面および全側壁にわたって、さらに広げることによって、バリア層は、さらに、パッシベーション層の表面下に浸透してきた任意のフラックス、またはフラックス中に存在する活性成分から、ソース電極およびゲート電極、活性な半導体接合、および、その下のゲートを保護することができるようになる。
【0042】
当業者には容易に認識されるように、本発明のバリア層は、DirectFET(商標名)タイプのデバイス・パッケージに加えて、支持基板上の導電性パッド、もしくは外部導電体にはんだ付けするための電極を有する他の半導体デバイスにも適用可能である。
【0043】
例えば、本発明は、さらに、フリップチップ・デバイス、バンプ/ウェハレベル・パッケージ・デバイス、および、電極を、パッケージのリード線に直接に、または、例えばクリップ/ストラップを介してはんだ付けされてパッケージされる半導体デバイスにも適用可能である。
【0044】
さらに、やはり当業者には容易に認識されるように、本発明は、ダイオードのような、パワーMOSFET以外の半導体デバイスにも適用可能である。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、ソース電極およびゲート電極の上面に沿って形成されたバリア層を有する、DirectFET(商標名)タイプのデバイス・パッケージのような半導体デバイスを製造するために、最初に、活性エリアおよび終端領域に沿って、半導体ダイの上面の上に、コンタクト金属層がデポジットされる。
【0046】
その後、チタン層が、コンタクト金属層の表面の上にデポジットされて、次に、例えばニッケル層および銀層が、チタン層の上面の上にデポジットされる。
【0047】
その後、第1のマスクが、銀層の上に形成される。バリア層が、チタン層だけしか含まない場合には、銀層およびニッケル層の一部が、チタン層を露出するようにエッチングされて、それによって、ソース電極およびゲート電極の各々に対する、銀およびニッケルから成る、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトが形成される。
【0048】
次に、第2のマスクが、チタン層の露出した表面の上に形成されて、その後、チタン層の一部が、その下のコンタクト金属層を露出するようにエッチングされる。それによって、ソース電極およびゲート電極の各々に対する、チタンから成るバリア層が形成される。
【0049】
それに代えて、バリア層が、ニッケル層とチタン層との両方を含む場合には、第1のマスクは、銀層の一部だけをエッチングするために用いられる。それによって、ニッケル層が露出し、かつ、ソース電極およびゲート電極の各々に対する、銀から成る、はんだ付け可能なコンタクトが形成される。
【0050】
その後、第2のマスクが、ニッケル層の上に形成され、次に、ニッケル層およびチタン層の一部が、その下のコンタクト金属層を露出するようにエッチングされる。それによって、ソース電極およびゲート電極の各々に対する、ニッケルおよびチタンから成るバリア層が形成される。
【0051】
その後、露出したコンタクト金属層が、エッチングによって終端領域の表面まで除去される。その結果、各々が、その上面に沿ってチタン(または、ニッケルおよびチタン)から成るバリア層を有しており、かつ、さらに、それぞれのバリア層の上面に沿って、銀およびニッケル(または、銀だけ)から成る少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトを有しているソース電極およびゲート電極が形成される。
【0052】
本発明の一実施形態によれば、コンタクト金属層をエッチングして、ソース電極およびゲート電極を形成した結果、コンタクト金属層が、バリア層の外縁端の下方の部分から、エッチングによって除去され、その結果、バリア層が、ソース電極およびゲート電極の外縁端から突き出る。
【0053】
本発明の一実施形態によれば、これらのオーバーハングは、そのまま残される。それに代えて、本発明の別の一実施形態によれば、バリア層は、例えば、これらのオーバーハングが除去されるように、さらにエッチングされる。
【0054】
次に、半導体デバイスを完成させるために、パッシベーション層が、はんだ付け可能なコンタクトおよびバリア層を覆うように、半導体ダイの上面の上方に形成される。その後、任意の適切なプロセスを用いて、各はんだ付け可能なコンタクトを露出するための開口が、パッシベーション層に形成される。
【0055】
本発明の別の一実施形態によれば、上述のプロセスは、上述のプロセスの間に損傷を受ける可能性のある終端領域を保護するように変更される。本発明のこの実施形態によれば、半導体ダイの上面の上へのコンタクト金属層のデポジションに先立って、最初に、例えばチタンから成るバリア層が、終端領域に沿ってデポジットされる。
【0056】
次に、プロセスは、上述のように進行して、半導体ダイの直上に、コンタクト金属層がデポジットされ、コンタクト金属層の直上に、チタン層などがデポジットされ、最終的に、バリア層を形成するために、チタン層(または、チタン層とニッケル層)がエッチングされる。
【0057】
その後、コンタクト金属層が、終端領域に沿って、バリア層の上面まで、エッチングによって除去される。それによって、ソース電極およびゲート電極が形成される。ソース電極およびゲート電極が形成されると、終端領域に沿ったバリア層が除去される。
【0058】
具体的には、終端領域に沿ったバリア層がエッチングされて、終端領域の上面の一部が露出する。その後、製造プロセスは、再び、上の説明のとおりに進む。
【0059】
本発明の別の一実施形態によれば、ソース電極およびゲート電極の上面および側面に沿ってバリア層を形成されている半導体デバイスを製造するために、最初に、コンタクト金属層が、活性エリア全域にわたる半導体ダイの上面の上、および、終端領域の上面の上にデポジットされる。
【0060】
その後、コンタクト金属層の上に、マスクが形成されて、コンタクト金属層の一部が、終端領域の上面まで、エッチングによって除去される。それによって、ソース電極およびゲート電極が形成される。
【0061】
次に、チタン層が、ソース電極、およびゲート電極の全上面および全側面の上、および、終端領域の露出した上面に沿って、デポジットされる。次いで、例えばニッケル層および銀層が、チタン層の上面の上にデポジットされる。
【0062】
その後、銀層の上に、マスクが形成される。バリア層が、チタン層しか含まないのであれば、銀層およびニッケル層の一部が、チタン層を露出するようにエッチングされる。それによって、ソース電極およびゲート電極の各々に対する、銀およびニッケルから成る、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトが形成される。
【0063】
次に、チタン層の露出した表面の上に、マスクが形成され、次いで、終端領域に沿ってのみ、チタン層の一部がエッチングされる。その結果、チタンから成るバリア層が、ソース電極およびゲート電極の各々の全上面および全側面の上に形成される。この場合にも、ソース電極およびゲート電極の直上のバリア層は、ニッケルおよびチタンから成るバリア層であり、はんだ付け可能なコンタクトが、銀層だけしか含まないように、上述のプロセスが変更されることがある。
【0064】
次に、はんだ付け可能なコンタクトおよびバリア層を覆うように、半導体ダイの上面の上方に、パッシベーション層が形成される。その後、各はんだ付け可能なコンタクトを露出するための開口が、パッシベーション層に形成される。
【0065】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照して行う、本発明の次の説明から明白になると思う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
図4には、本発明の好適な一実施形態による、半導体デバイス200の一部分の側面断面図が示されている(図4は、正しい縮尺で示されていないことに注意されたい)。一例として、半導体デバイス200は、特許文献1に記載されているようなDirectFET(商標名)タイプのデバイス・パッケージとしてパッケージされた縦型導電パワーMOSFETである。
【0067】
半導体デバイス200は、シリコン、シリコンカーバイド(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、または、その他同様のものから成る半導体ダイ102を備えている。半導体ダイ102は、その内部に、縦型導電パワーMOSFETとして構成されている接合(図4には示されていない)を形成されている。
【0068】
半導体ダイ102の活性エリア251の外縁を、終端領域252が囲んでいる。この終端領域は、フィールド酸化膜リング253、活性エリア251から、フィールド酸化膜リング253の上に突き出ている、例えば多結晶シリコンから成るフィールド・プレート254、および、フィールド・プレート254の上に配置された層間絶縁膜(ILD)層255を備えている場合がある。
【0069】
半導体デバイス200は、さらに、半導体ダイ102の下面上に、ドレイン電極103を備えている。ドレイン電極103は、DirectFET(商標名)パッケージの導電性クリップのウェブ113と電気的にコンタクトしている。ドレイン電極103は、アルミニウムから成っているが、何らかの他のメタライズ金属が用いられる場合もある。
【0070】
半導体デバイス200は、さらに、半導体ダイ102の上面上に、ソース電極104およびゲート電極105を備えている。これらの各電極は、アルミニウムから成っているが、やはり、何らかの他のメタライズ金属が用いられる場合もある。ソース電極の厚さ205は、活性エリア251全体にわたって、例えば約4μmである。
【0071】
はんだ付け可能なコンタクト210のような、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトが、ソース電極104の上方に形成されており、また、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクト(図示せず)が、ゲート電極105の上方に形成されている(ゲート電極の上方のはんだ付け可能なコンタクトは、はんだ付け可能なコンタクト210と同様であることに注意されたい)。各はんだ付け可能なコンタクトは、例えば、銀を含有する、はんだ付け可能な金属を含んでいる。
【0072】
半導体デバイス200は、さらに、ソース電極104およびゲート電極105越しに、
半導体ダイ102の上面の上方に、例えば約18μmの厚さのパッシベーション層220を配置されている。パッシベーション層220は、例えば、はんだレジストとしても働くことができる、任意の適切なエポキシ・パッシベーション層である。パッシベーション層220の内部には、ソース電極104およびゲート電極105上のはんだ付け可能なコンタクトの各々を露出させる開口が形成されている。
【0073】
本発明の好適な一実施形態において、パッシベーション層の各開口は、対応するはんだ付け可能なコンタクトより広い。その結果、各はんだ付け可能なコンタクトと、それを囲んでいるパッシベーション層との対向端面/側面間に、空隙が形成されている。この空隙は、はんだ付け可能なコンタクトを囲んでおり、かつ、はんだ付け可能なコンタクトの全高にわたって広がっている。
【0074】
はんだ付け可能なコンタクトとパッシベーション層220との間に、このように間隔を設けることによって、上述のように、パッシベーション層が、はんだ付け可能なコンタクトの表面のいずれかを覆い隠すことを防止することができる。その結果、はんだが、はんだ付け可能なコンタクト上に塗布され、リフロウされたとき、はんだは、はんだ付け可能なコンタクトの全外表面を覆い、そして、これらの外表面に沿って露出している銀を溶解させることができ、そのために、デンドライトの形成が制限される。
【0075】
本発明の好適な一実施形態においては、パッシベーション層220は、はんだ付け可能なコンタクトよりも厚い。その結果、はんだ付け可能なコンタクトは、パッシベーション層220の上面を越えて突き出ることはない。
【0076】
一例として、ソース電極104上のはんだ付け可能なコンタクト210に関連付けて説明すると、パッシベーション層220の内部に開口222が形成されており、その開口を通して、はんだ付け可能なコンタクト210が露出している。
【0077】
上述のように、はんだ付け可能なコンタクト210は、開口222の底に配置されており、かつ、パッシベーション層220の上面を越えて突き出ていない。さらに、開口222は、はんだ付け可能なコンタクト210より広い。その結果、はんだ付け可能なコンタクト210と、パッシベーション層220との対向端面/側面間に、空隙221が形成されている。
【0078】
この空隙は、はんだ付け可能なコンタクト210を囲んでおり、かつ、はんだ付け可能なコンタクトの全高223にわたって広がっている。空隙221の幅は、例えば約15μmである。この場合にも、半導体デバイス200のはんだ付け可能なコンタクトの各々は、はんだ付け可能なコンタクト210と同様の形状を有するのが好ましい。
【0079】
本発明によれば、半導体デバイス200は、さらに、それぞれ、ソース電極104およびゲート電極105の上面の少なくとも一部分を覆っているバリア層202および203を備えている。
【0080】
具体的には、本発明の一実施形態によれば、バリア層202および203は、はんだ付け可能なコンタクトの下面とソース電極104およびゲート電極105の上面との間、および、はんだ付け可能なコンタクトとパッシベーション層220との間の空隙に沿って広がっており、より具体的には、パッシベーション層220の少なくとも対向端面まで広がっている。
【0081】
例えば、はんだ付け可能なコンタクト210に関連付けて説明すると、バリア層202は、このはんだ付け可能なコンタクト210の下面に沿って、および、パッシベーション層220の開口222の対向端面まで、空隙221に沿って、広がっている。
【0082】
本発明の好適な一実施形態によれば、図4に示されているように、バリア層202および203は、さらに、はんだ付け可能なコンタクトを囲んでいる空隙を越えて、パッシベーション層220の下まで広がっている。
【0083】
具体的には、本発明の一実施形態によれば、バリア層202および203は、ソース電極104およびゲート電極105の上面に沿って、パッシベーション層220の下で、ソース電極104およびゲート電極105の外縁端104aおよび105aの方に広がっている。本発明の一実施形態によれば、図4に示されているように、バリア層は、ソース電極104およびゲート電極105の外縁端104aおよび105aよりも内側に引っ込んでおり、したがって、ソース電極104およびゲート電極105の上面に沿って、外縁部231および232が露出している。
【0084】
本発明の別の一実施形態によれば、バリア層202および203は、ソース電極104およびゲート電極105の外縁端104aおよび105aまで、ソース電極104およびゲート電極105の全上面にわたって広がっており、それによって、ソース電極104およびゲート電極105の全上面を覆っている。
【0085】
本発明のさらなる一実施形態によれば、図5(図5は、縮尺通りに示されていないことに注意されたい)の半導体デバイス200aとして示されているように、バリア層202および203は、さらに、ソース電極104およびゲート電極105の外縁端104aおよび105aを越えて広がっており、それによって、オーバーハング202aおよび203aを形成している。
【0086】
本発明によれば、バリア層202および203は、導電材料、特に、SACのような無鉛はんだに含まれているフラックスの酸性特性に対して耐性を有する材料から成っている。本発明の一実施形態によれば、バリア層202および203は、例えば約1800Åの厚さのチタン層204から成っている。
【0087】
上述のように、はんだ付け可能なコンタクト210のような、ソース電極およびゲート電極の上方に形成されるはんだ付け可能なコンタクトが、バリア層202および203の直上に形成されている。バリア層が、チタン層204から成っている場合には、各々のはんだ付け可能なコンタクトは、ニッケル層211と銀層212とのスタックのような、銀を含む、はんだ付け可能な金属スタックであるが、当技術分野で公知の他の従来のスタックが用いられる場合もある。ニッケル層211の厚さは、例えば約2000Å、また、銀層212の厚さは、例えば約6000Åである。
【0088】
少なくとも、はんだ付け可能なコンタクトを囲んでいる空隙全域において、ソース電極およびゲート電極の上面に沿って、バリア層202および203を形成することによって、バリア層202および203は、半導体デバイス200が、例えば基板のパッドにはんだ付けされるときに、空隙内に広がる無鉛はんだの酸性のフラックスから、著しくソース電極およびゲート電極を保護する。
【0089】
具体的には、バリア層は、酸性のフラックスが、これらの空隙に沿ったソース電極およびゲート電極とコンタクトすることを防止し、それによって、フラックスが、ソース電極およびゲート電極を貫通する孔を形成し、活性な半導体接合、および、その下のゲートに破壊的な化学作用を及ぼすことを防止する。
【0090】
さらに、バリア層202および203を、空隙を越えて、また、パッシベーション層220の下に広げることによって、バリア層202および203は、ソース電極およびゲート電極、活性な半導体接合、および、その下のゲートを、パッシベーション層の下に浸透してきた任意のフラックスまたはフラックス中に存在する活性な成分からも保護する。
【0091】
図6(同様の要素には、同様の符号が付されている)には、本発明の別の一実施形態による、半導体デバイス300の一例の一部の側断面図が示されている(図6は、縮尺通りに示されていないことに注意されたい)。
【0092】
半導体デバイス300は、半導体デバイス200と同様であり、ソース電極104の上方に、はんだ付け可能なコンタクト310のような、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクト、および、ゲート電極105の上方に、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクト(図示せず)を形成されている。
【0093】
上述の説明と同様に、はんだ付け可能なコンタクトの各々は、それを囲んでいる空隙(はんだ付け可能なコンタクト310を囲んでいる空隙221のような)によって、パッシベーション層220から間隔をあけて配置されているのが好ましい。半導体デバイス300は、さらに、バリア層202および203と同様に、それぞれ、ソース電極104およびゲート電極105の上面の少なくとも一部を覆っているバリア層302および303を備えている。
【0094】
しかし、本発明のこの実施形態によれば、バリア層302および303は、ソース電極およびゲート電極の直上に配置されたチタン層204と、さらに、チタン層204の直上に配置された、例えばニッケル層211とを備えている。チタン層204の厚さは、例えば約1800Åであり、ニッケル層211の厚さは、例えば約2000Åである。上述の説明と同様に、はんだ付け可能なコンタクト310のような、ソース電極およびゲート電極の上方に形成されるはんだ付け可能なコンタクトが、バリア層の直上に形成されている、
【0095】
具体的には、この実施例では、ニッケル層211の直上に配置されている。バリア層302および303が、チタン層とニッケル層とを備えている場合には、はんだ付け可能なコンタクトの各々は、例えば約6000Åの厚さの銀層212しか備えていない場合がある。
【0096】
バリア層202および203と同様に、バリア層302および303は、それぞれ、ソース電極104およびゲート電極105の上面上に広がっている。具体的には、バリア層302および303は、少なくとも、はんだ付け可能なコンタクトの下面に沿って、および、それらのはんだ付け可能なコンタクトと、それらを囲んでいるパッシベーション層220との間の空隙に沿って広がっている。バリア層302および303は、さらに、パッシベーション層220の下にも広がっているのが好ましい。
【0097】
具体的には、本発明の一実施形態によれば、バリア層302および303は、ソース電極およびゲート電極の上面に沿って、パッシベーション層220の下を、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aの方に広がっている。
【0098】
上述の説明と同様に、バリア層は、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aよりも内側に引っ込んでいる場合もあり(図4と同様に)、または、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aまで広がっている場合もあり、または、図6に示されているように、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aを越えて広がっており、それによって、オーバーハング302aおよび303aを形成している場合もある。
【0099】
図7(同様の要素には、同様の符号が付されている)には、本発明の別の一実施形態による、一例である半導体デバイス400の一部の側断面図が示されている(図7は、縮尺通りに示されていないことに注意されたい)。
【0100】
半導体デバイス400は、半導体デバイス200と同様であり、それぞれ、バリア層202および203と同様のバリア層402および403を備えている。しかし、本発明のこの実施形態によれば、バリア層402および403は、ソース電極およびゲート電極の全上面および全側面を覆っている。
【0101】
具体的には、バリア層402および403は、ソース電極およびゲート電極の全上面にわたって広がっており、かつ、さらに、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aを縁とする垂直の側壁104bおよび105bに沿って広がっている延長部402aおよび403aを備えている。
【0102】
図7に示すように、延長部402aおよび403aは、さらに、ILD層255に沿って広がっている場合もある。バリア層402および403を、ソース電極およびゲート電極の側壁に沿って、さらに広げることによって、ソース電極およびゲート電極、活性な半導体接合、および、その下のゲートが、パッシベーション層220の表面下に浸透してきた任意のフラックス、または、フラックス中に存在する活性な成分から、さらに保護される。さらに、この構成によって、本発明の半導体デバイスは、工業規格レベルに到達する。
【0103】
本発明のこの実施形態によれば、図7に示すように、バリア層402および403は、例えば約1800Åの厚さのチタン層204を備えている。この場合には、はんだ付け可能なコンタクト210のような、はんだ付け可能なコンタクトは、ニッケル層211と銀層212とのスタックのような、銀を含む、はんだ付け可能な金属スタックであるが、当技術分野において公知の別の従来のスタックが用いられる場合もある。
【0104】
ニッケル層211の厚さは、例えば約2000Åであり、銀層212の厚さは、例えば約6000Åである。
【0105】
本発明の別の一実施形態によれば、バリア層402および403は、半導体デバイス300の場合と同様に、ソース電極およびゲート電極の直上にチタン層を備えており、チタン層の直上に、例えばニッケル層を備えている。この場合にも、チタン層の厚さは、例えば約1800Åであり、ニッケル層の厚さは、例えば約2000Åである。また、はんだ付け可能なコンタクトは、例えば約6000Åの厚さの銀層しか備えていない場合がある。
【0106】
本発明を、DirectFET(商標名)タイプのデバイス・パッケージに適用できるように図4〜図7に示してあるが、当業者には容易に認識されるように、本発明のバリア層は、支持基板上の導電性パッド、もしくは外部導電体にはんだ付けするための電極を有する任意の半導体デバイスに適用可能である。
【0107】
例えば、本発明は、さらに、フリップチップ・デバイス、バンプ/ウェハレベル・パッケージ・デバイス、および、半導体デバイスの電極を、パッケージのリード線に直接に、または、例えばクリップ/ストラップを介してはんだ付けされてパッケージされる半導体デバイスにも適用可能である。さらに、当業者には容易に認識されるように、本発明は、ダイオードのような、パワーMOSFET以外の半導体デバイスにも適用可能である。
【0108】
図8〜図17は、本発明の一実施形態による、例えば図4および図5に示されている半導体デバイス200および200aを製造するためのプロセスの一例が示されている。
【0109】
当業者には容易に認識されるように、複数の半導体デバイス200/200aを、単一のウェハに同時に形成し、それらの半導体デバイスを最終的に個別化することによって、個々の半導体デバイス200/200aを得ることができる。説明を簡単にするために、単一の半導体デバイス200/200aの製造について説明する。
【0110】
図8から始めると、最初に、縦型導電パワーMOSFETが、任意の公知の手法でシリコン・ウェハ内に形成され、それによって、半導体ダイ102が得られる。さらに、終端領域252が、任意の公知の手法で、半導体ダイ102の活性エリア251の外縁を囲んで形成される場合がある。図示のように、終端領域252は、例えば、フィールド酸化膜リング253、フィールド・プレート254、およびILD層255を備えている。
【0111】
次に図9に示すように、アルミニウムのようなコンタクト金属層404が、活性エリア251の全域にわたって、半導体ダイ102の上面上に、および、終端領域252の上面上にデポジットされ、その後、焼結される。
【0112】
コンタクト金属層404は、活性エリア全域にわたって、例えば約4μmの厚さ205になるようにデポジットされる。コンタクト金属層404がデポジットされると、次に、バリア層が、コンタクト金属層404の、例えば全上面上にデポジットされる。
【0113】
本発明のこの実施形態によれば、バリア層は、例えば約1800Åの厚さにデポジットされたチタン層204である。その後、はんだ付け可能な上端金属406が、チタン層204の上面上にデポジットされる。この場合にも、このはんだ付け可能な上端金属406は、例えば、それぞれ、約2000Åおよび約6000Åの厚さにデポジットされたニッケル層211および銀層212のスタックのような、銀を含んだ金属スタックである。
【0114】
次に図10に示すように、適切なフォトレジスト層408が、はんだ付け可能な上端金属406の直上に形成される。次に説明するように、このフォトレジスト層は、ソース電極104となる領域の上方に、はんだ付け可能なコンタクト210のような少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトを形成するための、また、ゲート電極105となる領域の上方に、少なくとも1つのはんだ付け可能なコンタクトを形成するためのマスクとして用いられる。
【0115】
従って、フォトレジスト層408は、次に、はんだ付け可能なコンタクトの所望の数およびパターンに基づいて、適切なフォトリソグラフィックマスク・ステップによってパターン化される。それによって、その後、図10に示されているように、開口410のような複数の開口が、フォトレジスト層を貫通して形成され、そのため、はんだ付け可能な上端金属406の上面の一部が露出する。
【0116】
図11に示すように、その後、フォトレジスト層408は、チタン層204の上面から、銀層212およびニッケル層211をエッチングによって除去し、それによって、ソース電極およびゲート電極に対する、はんだ付け可能なコンタクト210のようなはんだ付け可能なコンタクトを形成するためのマスクとして用いられる。
【0117】
一例として、最初に、図10の半導体デバイスを、水酸化アンモニウム(NH4OH)と過酸化水素との室温混合液を含む槽内に約1分間浸漬し、その後、半導体デバイスをリンスすることによって、銀層212をエッチングによって除去することができる。
【0118】
次に、同様に、半導体デバイスを、硝酸(HNO3)の槽内に約9分間浸漬して、その後、半導体デバイスをリンスすることによって、ニッケル層211をエッチングによって除去することができる。
【0119】
次に図12に示すように、フォトレジスト層408は、前ステップによって生じたはんだ付け可能なコンタクトの表面から除去され、その後、第2の適切なフォトレジスト層412が、はんだ付け可能なコンタクトの上、および、チタン層204の露出した表面の直上に形成される。
【0120】
それに代えて、例えば、フォトレジスト層408を、そのまま残して、フォトレジスト層412を、例えばチタン層204の露出した表面に沿ってのみ形成する場合もある。以下に説明するように、フォトレジスト層412は、ソース電極104およびゲート電極105を形成するためのマスクとして用いられ、さらに、それに先立って、ソース電極104およびゲート電極105となる領域の直上にバリア層202および203を形成するために用いられる。
【0121】
従って、フォトレジスト層412は、次に、ソース電極およびゲート電極/バリア層の所望のパターンに基づいて、適切なフォトリソグラフィックマスク・ステップによってパターン化される。それによって、その後、図12に示されているように、開口414のような複数の開口が、終端領域に沿って、フォトレジスト層412を貫通して形成され、そのため、チタン層204の上面の一部が露出する。
【0122】
次に図13に示すように、フォトレジスト層412は、コンタクト金属層404の表面から、チタン層204をエッチングによって除去し、それによって、バリア層202およびバリア層203を形成するためのマスクとして用いられる。一例として、図12の半導体デバイスを、100:1の濃度のフッ化水素酸(HF)の槽内に約50秒間浸漬して、その後、半導体デバイスをリンスすることによって、チタン層204をエッチングによって除去することができる。
【0123】
次に図14に示すように、フォトレジスト層412は、ILD層255の表面から、コンタクト金属層404をエッチングによって除去し、それによって、ソース電極104およびゲート電極105を形成するためのマスクとして用いられる。一例として、図13の半導体デバイスを、PAN(燐酸と硝酸の混合液)の槽内に浸漬し、その後、半導体デバイスをリンスすることにより、コンタクト金属層404をエッチングによって除去することができる。
【0124】
図14に示すように、コンタクト金属層404をエッチングして、ソース電極およびゲート電極を形成した結果、コンタクト金属層が、バリア層202および203の外縁端の下方の部分から、エッチングで除去され、その結果、オーバーハング202aおよび203aが形成される場合がある。
【0125】
本発明の一実施形態によれば、これらのオーバーハングは、そのまま残され、そのため、例えば図5に示されている半導体デバイス200aが形成される。
【0126】
それに代えて、本発明の別の一実施形態によれば、これらのオーバーハングは、さらにエッチングされて、場合によっては除去される。例えば、バリア層202および203の外縁端が、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aまで広がっている程度に、これらのオーバーハングをエッチングすることができる。
【0127】
それに代えて、バリア層の外縁端が、ソース電極およびゲート電極の外縁端よりも内側に引っ込む程度に、これらのオーバーハングをエッチングして、例えば図4に示されている半導体デバイス200を形成することもできる。
【0128】
エッチングをそれ以上行わない場合には、次に、フォトレジスト層412が除去され、それによって、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aを越えて広がるオーバーハング202aおよび203aを有するバリア層202および203を備えた、例えば図15に示されている半導体デバイスが得られる。
【0129】
それに代えて、チタン層204のさらなるエッチングを行う場合には、図14の半導体デバイスを、再度、フッ化水素酸の槽内に浸漬して、その後、リンスすることができる。バリア層202および203の外縁端を、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aよりも内側に引っ込める場合には、図14の半導体デバイスを、フッ化水素酸に、約50秒間浸漬することができる。
【0130】
このさらなるエッチングの結果、図16に示すように、ソース電極およびゲート電極の上面に沿って、外縁部231および232を露出させることができる。その後、フォトレジスト層412が除去されて、その結果、例えば図17に示されている半導体デバイスが得られる。
【0131】
フォトレジスト層412が除去されると、その後、例えばアルミニウムから成る金属バックコンタクトが、例えば図15または図17に示されている半導体デバイスの下面上にデポジットされ、それによって、ドレイン電極103が形成される。
【0132】
次に、例えば約18μmの厚さのパッシベーション層220が、はんだ付け可能なコンタクトおよびバリア層202および203を覆い、ソース電極とゲート電極との間の領域を満たすように、図15または図17に示されている半導体デバイスの上面上に形成される。この場合にも、パッシベーション層220は、例えば、はんだレジストとしても働くことができる、任意の適切なエポキシ・パッシベーション層である。
【0133】
その後、任意の適切なプロセスを用いて、はんだ付け可能なコンタクトの各々の上面からパッシベーション層を除去することによって、例えば図4および図5の半導体デバイス200および200aに対して、示されているように、パッシベーション層220に開口が形成される。上述のように、これらの開口は、はんだ付け可能なコンタクトより広いのが好ましく、その下のバリア層202および203まで達していて、はんだ付け可能なコンタクトの各々と、それを囲むパッシベーション層との間に空隙を形成しているのが好ましい。
【0134】
最後に、図4および図5の半導体デバイス200および200aによって部分的に示されているように、ドレイン電極103を、パッケージ・クリップのウェブ113に電気的に接続することにより、半導体デバイスを、DirectFET(商標名)タイプのデバイス・パッケージとしてパッケージすることができる。
【0135】
次に図18〜図23には、本発明の一実施形態による、例えば図4に示されている半導体デバイス200のような半導体デバイスを製造するための一代替例であるプロセスが示されている。具体的には、上記の製造プロセスは、終端領域252において、ILD層255に損傷を与える場合があることに注意が払われる。
【0136】
図18〜図23に示されているプロセスでは、ILD層上に、ILD層を保護するためのバリア層が付け加えられる。具体的には、図18から始めると、最初に、終端領域252に、フィールド酸化膜リング253、フィールド・プレート254、およびILD層255を備えた半導体ダイ102が、上述の説明と同様に形成される。その後、例えばチタンから成るバリア層256が、ILD層255の全上面上および全側面上にデポジットされる。
【0137】
その後、ソース電極およびゲート電極の形成を通して、上述の説明と同様なプロセスが進行する。具体的には、図19を参照すると、次に、コンタクト金属層404が、半導体ダイ102の上面上、および、バリア層256の外表面上にデポジットされる。その後、バリア層となるチタン層204が、コンタクト金属層404の上面上にデポジットされ、また、例えばニッケル層211および銀層212を含む、はんだ付け可能な上端金属406が、チタン層の上面上にデポジットされる。
【0138】
次に図20に示すように、その後、上述の説明と同様に、はんだ付け可能な上端金属406がマスクされて、続いて、銀層212およびニッケル層211がエッチングされ、チタン層204の直上に、はんだ付け可能なコンタクト210のような、はんだ付け可能なコンタクトが形成される。
【0139】
その後、開口を有するフォトレジスト層412が、前ステップによって生じた半導体デバイスの表面上に形成され、それによって、チタン層204上に、マスクが形成される。次いで、上述の説明と同様に、フォトレジスト層412を用いて、終端領域に沿ってチタン層204をエッチングして、バリア層202および203を形成して、図20の半導体デバイスを得る。
【0140】
次に図21に示すように、コンタクト金属層404を、バリア層256の表面までエッチングによって除去し、それによって、ソース電極104およびゲート電極105を形成するためのマスクとして、フォトレジスト層412が用いられる。この場合にも、図20の半導体デバイスを、PANの槽内に浸漬することによって、コンタクト金属層404をエッチングすることができる。
【0141】
図21に示すように、上述の説明と同様に、コンタクト金属層404をエッチングして、ソース電極およびゲート電極を形成した結果として、コンタクト金属層404が、バリア層202および203の外縁端の下方の部分からエッチングによって除去され、それによって、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aを越えて広がるオーバーハング202aおよび203aが形成される場合がある。
【0142】
図からわかるように、本発明のこの実施形態によれば、ソース電極およびゲート電極の形成中に、ILD層255上のバリア層256が、ILD層255を保護する。したがって、ソース電極およびゲート電極が形成されると、ソース電極とゲート電極とを電気的に分離するために、その後、バリア層256をエッチングで除去しなければならない。
【0143】
そのため、図22に示すように、図21の半導体デバイスは、例えばフッ化水素酸(HF)の槽内に浸漬され、それによって、バリア層256がエッチングされ、ILD層255の上面の一部が露出する。バリア層256のエッチングの結果、バリア層202および203は、さらにエッチングされ、その結果、例えば、バリア層202および203の外縁端が、ソース電極およびゲート電極の外縁端104aおよび105aよりも内側に引っ込められるように、エッチングされる場合があることに注意されたい。
【0144】
その結果、ソース電極およびゲート電極の上面に沿って、外縁部231および232が露出し、それによって、例えば図4の半導体デバイス200と同様の半導体デバイスが形成される。
【0145】
その後、半導体デバイス200に対する上述の説明と同様に、半導体デバイスの製造を進行させることができ、それによって、例えば図23に示されている半導体デバイスと同様の半導体デバイスが得られる。
【0146】
具体的には、次に、フォトレジスト層412が除去され、次いで、ドレイン電極103が形成され、その後、パッシベーション層220がデポジットされ、次に、はんだ付け可能なコンタクト上のパッシベーション層に、開口が形成される。図23の半導体デバイスは、残留しているバリア層256が付け加わっていることを除いて、例えば半導体デバイス200と同様であることに注意されたい。
【0147】
次に図24〜図27には、本発明の一実施形態による、上述のように、チタン層とニッケル層との両方を含んでいるバリア層を有する、例えば図6に示されている半導体デバイス300を製造するための部分的なプロセスの一例が示されている。
【0148】
半導体デバイス300の製造は、最初、例えば図8〜図10に示されているものと同様に進行する。その後、図24に示されているように、ニッケル層211の上面から、銀層212をエッチングによって除去し、それによって、ソース電極およびゲート電極に対する、はんだ付け可能なコンタクト310のような、はんだ付け可能なコンタクトを形成するためのマスクとして、フォトレジスト層408が用いられる。
【0149】
この場合にも、図10の半導体デバイスを、水酸化アンモニウムと過酸化水素との混合液を含んでいる槽内に浸漬することによって、銀層212をエッチングすることができる。
【0150】
次に図25に示すように、フォトレジスト層408が、前ステップで生じたはんだ付け可能なコンタクトの表面から除去され、その後、第2の適切なフォトレジスト層416が、はんだ付け可能なコンタクトの上、およびニッケル層211の露出した表面の直上に形成される。
【0151】
それに代えて、フォトレジスト層408をそのまま残し、フォトレジスト層416を、例えばニッケル層211の露出した表面の直上だけに形成してもよい。上述の説明と同様に、フォトレジスト層416は、ソース電極104およびゲート電極105を形成するためのマスクとして用いられ、また、さらに、それに先立って、ソース電極104およびゲート電極105となる領域の直上にバリア層302および303を形成するために用いられる。
【0152】
したがって、図25に示されているように、フォトレジスト層416がパターン化されると、それによって、開口418のような複数の開口が、終端領域に沿ってフォトレジスト層内に形成され、そのために、ニッケル層211の上面の一部が露出する。
【0153】
次に図26に示すように、エッチングによって、ニッケル層211およびチタン層204をコンタクト金属層404の表面から除去し、それによって、バリア層302およびバリア層303を形成するためのマスクとして、フォトレジスト層416が用いられる。この場合にも、半導体デバイスを硝酸の槽内に浸漬することによって、ニッケル層211をエッチングすることができ、また、半導体デバイスをフッ化水素酸の槽内に浸漬することによって、チタン層204をエッチングすることができる。
【0154】
次に図27に示すように、エッチングによって、コンタクト金属層404をILD層255の表面から除去し、それによって、ソース電極104およびゲート電極105を形成するためのマスクとして、フォトレジスト層416が用いられる。
【0155】
図27に示されているように、コンタクト金属層404をエッチングして、ソース電極およびゲート電極を形成した結果、コンタクト金属層404が、バリア層302および303の外縁端の下方の部分から、エッチングによって除去され、それによって、オーバーハング302aおよび303aが形成される場合がある。
【0156】
半導体デバイス200および200aに関連して説明したように、これらのオーバーハングは、そのまま残されて、それによって、例えば図6に示されている半導体デバイス300が形成されることがある。
【0157】
それに代えて、上記の説明と同様に、これらのオーバーハングは、さらにエッチングされて、場合によっては、チタン層204およびニッケル層211のさらなるエッチングによって除去されることもある。
【0158】
オーバーハング302aおよび303aが、さらにエッチングされるか否かに関わらず、半導体デバイス300の製造は、その後、例えば半導体デバイス200/200aに対する上記の説明と同様に進行する。具体的には、次に、フォトレジスト層416が除去され、次いで、ドレイン電極103が形成され、その後、パッシベーション層220がデポジットされ、次に、はんだ付け可能なコンタクト上のパッシベーション層に、開口が形成され、それによって、例えば図6の半導体デバイス300が形成される。
【0159】
本発明の別の一実施形態によれば、図24〜図27に示されているプロセス例を、ILD層を保護するために、上述の説明と同様に、ILD層255上にバリア層256を含めるように変更することができる。
【0160】
次に図28〜図34には、本発明の一実施形態による、例えば図7に示されている半導体デバイス400を製造するためのプロセスの一例が示されている。
【0161】
図28から始めると、最初に、終端領域252に、フィールド酸化膜リング253、フィールド・プレート254、およびILD層255を有する半導体ダイ102が、上述の説明と同様に形成される。その後、コンタクト金属層404が、活性エリア251の全域にわたる半導体ダイ102の上面上と、終端領域252の上面上との両方にデポジットされる。
【0162】
次に図29に示すように、適切なフォトレジスト層420が、コンタクト金属層404の直上に形成される。このフォトレジスト層420は、ソース電極104およびゲート電極105を形成するためのマスクとして用いられる。したがって、次に、フォトレジスト層420は、ソース電極104およびゲート電極105の所望のパターンに基づいて、適切なフォトリソグラフィックマスク・ステップによってパターン化される。それによって、開口422のような複数の開口が、終端領域において、フォトレジスト層420内に形成され、そのために、コンタクト金属層404の上面の一部が露出する。
【0163】
次いで、図29に示されているように、エッチングによって、コンタクト金属層404をILD層255の上面まで除去し、それによって、ソース電極104およびゲート電極105を形成するためのマスクとして、フォトレジスト層420が用いられる。この場合にも、半導体デバイスを、ペルオキシナイトライトの槽内に浸漬することによって、コンタクト金属層404をエッチングすることができる。その後、フォトレジスト層420が除去される。
【0164】
次に図30に示すように、次に、バリア層が、ソース電極104およびゲート電極105の全上面および全側面上、および、ILD層255の露出した上面に沿って、デポジットされる。
【0165】
本発明のこの実施形態によれば、バリア層は、例えば約1800Åの厚さにデポジットされたチタン層204である。その後、はんだ付け可能な上端金属406が、チタン層204の上面上にデポジットされる。この場合にも、このはんだ付け可能な上端金属は、例えば、それぞれ、約2000Åおよび約6000Åの厚さにデポジットされた、ニッケル層211および銀層212のスタックのような、銀を含む金属スタックである。
【0166】
その後、適切なフォトレジスト層424が、はんだ付け可能な上端金属406上に形成される。このフォトレジスト層は、ソース電極104およびゲート電極105の上方に、はんだ付け可能なコンタクトを形成するためのマスクとして用いられる。したがって、次に、フォトレジスト層424が、はんだ付け可能なコンタクトの所望の数およびパターンに基づいて、適切なフォトリソグラフィックマスク・ステップによってパターン化される。それによって、開口426のような複数の開口が、フォトレジスト層424内に形成されて、そのために、図30に示されているように、はんだ付け可能な上端金属406の上面の一部が露出する。
【0167】
次に図31に示すように、その後、エッチングによって、銀層212およびニッケル層211をチタン層204の上面から除去し、それによって、ソース電極およびゲート電極に対する、はんだ付け可能なコンタクト210のような、はんだ付け可能なコンタクトを形成するためのマスクとして、フォトレジスト層424が用いられる。
【0168】
この場合にも、最初に、図30の半導体デバイスを、水酸化アンモニウムと過酸化水素との混合液を含む槽内に浸漬し、その後、その半導体デバイスを、硝酸の槽内に浸漬することによって、銀層212およびニッケル層211をエッチングすることができる。
【0169】
次に図32に示すように、フォトレジスト層424が、そのまま残されて、かつ、第2の適切なフォトレジスト層428が、チタン層204の露出した表面上に形成される。それに代えて、フォトレジスト層424を除去し、かつ、はんだ付け可能なコンタクト上と、チタン層の露出した表面の直上との両方に、フォトレジスト層428を形成する場合もある。
【0170】
本発明のこの実施形態によれば、フォトレジスト層424/428は、バリア層402および403を形成するためのマスクとして用いられる。上述の説明と同様に、これらのバリア層は、ソース電極104およびゲート電極105の全上面上に、および、さらに、ソース電極104およびゲート電極105の外縁端を縁とする垂直の側壁104bおよび105bに沿って広がっている。したがって、次に、フォトレジスト層424/428が、適切なフォトリソグラフィックマスク・ステップによってパターン化される。
【0171】
それによって、図32に示されているように、ILD層255に沿ったチタン層204の上面の一部だけを露出するように、開口430のような複数の開口が、フォトレジスト層424/428内に形成される。
【0172】
次に図33に示すように、次に、エッチングによって、チタン層204をILD層255の表面から除去して、それによって、バリア層402およびバリア層403を形成するためのマスクとして、フォトレジスト層424/428が用いられる。この場合にも、図32の半導体デバイスを、フッ化水素酸の槽内に浸漬することによって、チタン層204をエッチングすることができる。
【0173】
その後、フォトレジスト層424/428が除去され、それによって、例えば図34に示されている半導体デバイスが得られる。図33および図34に示されているように、バリア層402および403は、ソース電極およびゲート電極の全上面にわたって広がっており、かつ、さらに、ソース電極およびゲート電極の垂直の側壁104bおよび105bに沿って広がる延長部402aおよび403aを備えている。この場合にも、延長部402aおよび403aは、図33および図34に示されているように、さらに、ILD層255に沿って広がる部分を含んでいる場合がある。
【0174】
その後、半導体デバイス400の製造は、例えば半導体デバイス200/200aに対する上述の説明と同様に進行する。具体的には、次に、ドレイン電極103が、半導体ダイ102の下面に沿って形成され、次いで、パッシベーション層220が、半導体ダイ102の上面の上方にデポジットされ、その後、はんだ付け可能なコンタクト上のパッシベーション層に開口が形成され、それによって、例えば図7の半導体デバイス400が形成される。
【0175】
当業者には容易に認識されるように、図28〜図34に示されているプロセスの例を、さらに、図24〜図27に示されているプロセスの例と同様に、バリア層402および403が、チタン層とニッケル層との両方を含んでいるように変更することができる。
【0176】
さらに、やはり当業者には容易に認識されるように、ILD層を保護するために、図28〜図34に示されているプロセス例を、上述の説明と同様に、ILD層255上にバリア層256を含めるように変更することができる。
【0177】
以上本発明を、その特定の実施形態に関連付けて説明したが、多数の他の変形例および変更例、および他の使用例が、当業者には明白であると思う。したがって、本発明は、本明細書の特定の開示によって限定されることはなく、請求項のみによって限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】特許文献1に示されているタイプのDirectFET(商標名)デバイス・パッケージの一例の底面図である。
【図2】図1の円で囲まれた部分の一例の側断面図、具体的には、従来技術によるソース電極、はんだ付け可能なコンタクト、およびパッシベーション層の構成の一例の側断面図である。
【図2A】図2の円で囲まれた部分の一例の側断面図、具体的には、従来技術によるソース電極、およびはんだ付け可能なコンタクトの構成の一例の側断面図である。
【図3】図1の円で囲まれた部分の別の一例の側断面図、具体的には、従来技術による、ソース電極の上面の一部に沿って形成された保護パッシベーション層を説明するための側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による、無鉛はんだに含まれている酸性のフラックスからソース電極およびゲート電極を保護するバリア層を、ソース電極およびゲート電極の上面の一部にわたって形成されている半導体デバイスの一部の側断面図である。
【図5】本発明の別の一実施形態による、ソース電極およびゲート電極の全上面にわたってバリア層を形成されている半導体デバイスの一部の側断面図である。
【図6】本発明のさらに別の一実施形態による、ソース電極およびゲート電極の全上面にわたって別のバリア層を形成されている半導体デバイスの一部の側断面図である。
【図7】本発明のさらに別の一実施形態による、ソース電極およびゲート電極の全上面および全側面にわたってバリア層を形成されている半導体デバイスの一部の側断面図である。
【図8】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図11】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図12】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図13】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図14】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図15】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図16】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図17】本発明の一実施形態による、図4および図5の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図18】本発明の一実施形態による、半導体デバイスの製造中に終端領域にバリア層が設けられるプロセスを説明するための側面断面図である。
【図19】本発明の一実施形態による、半導体デバイスの製造中に終端領域にバリア層が設けられるプロセスを説明するための側断面図である。
【図20】本発明の一実施形態による、半導体デバイスの製造中に終端領域にバリア層が設けられるプロセスを説明するための側断面図である。
【図21】本発明の一実施形態による、半導体デバイスの製造中に終端領域にバリア層が設けられるプロセスを説明するための側断面図である。
【図22】本発明の一実施形態による、半導体デバイスの製造中に終端領域にバリア層が設けられるプロセスを説明するための側断面図である。
【図23】本発明の一実施形態による、半導体デバイスの製造中に終端領域にバリア層が設けられるプロセスを説明するための側断面図である。
【図24】本発明の一実施形態による、図6の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図25】本発明の一実施形態による、図6の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図26】本発明の一実施形態による、図6の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図27】本発明の一実施形態による、図6の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図28】本発明の一実施形態による、図7の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図29】本発明の一実施形態による、図7の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図30】本発明の一実施形態による、図7の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図31】本発明の一実施形態による、図7の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図32】本発明の一実施形態による、図7の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図33】本発明の一実施形態による、図7の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【図34】本発明の一実施形態による、図7の半導体デバイスを製造するプロセスを説明するための側断面図である。
【符号の説明】
【0179】
100 デバイス・パッケージ
101a、101b 円
102 半導体ダイ
103 ドレイン電極
104 ソース電極
104a、105a 外縁端
104b、105b 側壁
105 ゲート電極
108、109、110、210、310 はんだ付け可能なコンタクト
112 導電性クリップ
113 ウェブ
114、115 縁部
120、220 パッシベーション層
120a、120b、120c、222、410、414、418、422、426、430 開口
121、221 空隙
131、204 チタン層
132、211 ニッケル層
133、212 銀層
135 保護パッシベーション層
200、200a、300、400 半導体デバイス
202、203、256、302、303、402、403 バリア層
202a、203a、302a、303a オーバーハング
205 厚さ
223 全高
231、232 外縁部
251 活性エリア
252 終端領域
253 フィールド酸化膜リング
254 フィールド・プレート
255 ILD層
402a、403a 延長部
404 コンタクト金属層
406 はんだ付け可能な上端金属
408、412、416、420、424、428 フォトレジスト層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面を有する半導体ダイと、
前記半導体ダイの第1の主面上の電極と、
前記電極の上面の上方に配置されているはんだ付け可能なコンタクトと、
前記電極の上方に形成されており、かつ、前記はんだ付け可能なコンタクトを露出するための開口を有しているパッシベーション層であって、前記開口が、前記はんだ付け可能なコンタクトより広くて、前記はんだ付け可能なコンタクトが、そのはんだ付け可能なコンタクトを囲んでいる空隙によって、前記パッシベーション層から間隔をあけて配置されているパッシベーション層と、
前記電極の上面上のバリア層であって、前記はんだ付け可能なコンタクトと電極との間に配置されており、かつ、前記空隙の全域にわたって広がっているバリア層
とを備えてなる半導体デバイス。
【請求項2】
前記バリア層は、さらに、前記パッシベーション層の下にも広がっている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記バリア層は、さらに、前記パッシベーション層の下にも広がっており、かつ、前記電極の外縁端から突き出ている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記バリア層は、さらに、前記パッシベーション層の下にも広がっており、かつ、前記電極の外縁端よりも内側に引っ込んでいる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記バリア層は、前記電極の上面を覆っている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記電極は、その外縁端を縁とする垂直の側壁を備えており、前記バリア層は、前記垂直の側壁を覆っている、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記バリア層は、前記電極および半導体ダイが、酸性のフラックスから破壊的な化学作用を及ぼされないように保護する材料を含んでいる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記バリア層は、導電材料を含んでいる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記バリア層は、チタンを含んでいる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記バリア層は、前記電極の上面上のチタン層、および、そのチタン層の上に配置されているニッケル層を備えている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記はんだ付け可能なコンタクトは、銀を含んでいる、請求項10に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記半導体ダイは、パワー・スイッチングデバイスである、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
半導体ダイの第1の主面の上に、コンタクト金属層をデポジットするステップと、
前記コンタクト金属層の直上に、バリア層をデポジットするステップと、
前記バリア層の直上に、はんだ付け可能なコンタクトを形成するステップと、
前記バリア層をエッチングするステップと、
電極を形成するために、前記コンタクト金属層をエッチングするステップであって、前記バリア層が、前記電極の全上面にわたって広がり、かつ、さらに、前記はんだ付け可能なコンタクトと電極との間に広がるようにエッチングするステップ
とを含んでなる半導体デバイスを製造する方法。
【請求項14】
前記コンタクト金属層をエッチングするステップの後に、前記バリア層が前記電極の外縁端よりも内側に引っ込むまで、前記バリア層をさらにエッチングするステップを、さらに含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記コンタクト金属層をエッチングするステップの後に、
前記半導体ダイの第1の主面の上方にパッシベーション層をデポジットするステップと、
前記はんだ付け可能なコンタクトを露出するために、前記パッシベーション層に開口を形成するステップ
とを、さらに含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記バリア層は、チタン層を備えている、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記バリア層は、前記チタン層の直上に、ニッケル層をさらに備えている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンタクト金属層をデポジットするステップに先立って、前記半導体ダイの外縁を囲んでいる終端領域の直上にバリア層をデポジットするステップと、
前記コンタクト金属層をエッチングするステップの後に、前記終端領域の直上のバリア層をエッチングするステップ
とを、さらに含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記終端領域の直上のバリア層をエッチングするステップにおいて、前記電極の直上のバリア層も、エッチングされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
半導体ダイの第1の主面の上に、コンタクト金属層をデポジットするステップと、
前記コンタクト金属層をエッチングして、電極を形成するステップであって、前記電極は、上面と、その外縁端を縁とする側面とを備えているステップと、
前記電極の上にバリア層をデポジットするステップと、
前記バリア層の直上に、前記電極に対するはんだ付け可能なコンタクトを形成するステップと、
前記バリア層が、前記電極の上面および側面に沿って広がり、かつ、さらに、前記はんだ付け可能なコンタクトと前記電極との間に広がるように、前記バリア層をエッチングするステップ
とを含んでなる、半導体デバイスを製造する方法。
【請求項21】
前記バリア層は、チタン層を備えている、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2009−508326(P2009−508326A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529363(P2008−529363)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/034448
【国際公開番号】WO2007/028136
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(504392083)インターナショナル レクティファイアー コーポレイション (107)
【Fターム(参考)】