説明

半導体素子

【課題】界面に発生するキャリアを有効に活用することができ、高速応答性が確保できる新しいタイプの半導体素子を提供する。
【解決手段】n型シリコン(Si)基板11に、p型不純物ドープ領域11aが形成されている。n型シリコン基板11上及びp型不純物ドープ領域11aを覆うように、TCNQ層12が形成されている。TCNQ層12上にはMgZnO層13が形成されている。他の例では、p型シリコン基板111に、n型不純物ドープ領域111aが形成されている。p型シリコン基板111上及びn型不純物ドープ領域111aを覆うように、TTF層16が形成され、TTF層16上にはMgZnO層13が形成されている。無機半導体のシリコンと有機分子層であるTCNQ層12又はTTF層16との間でホール蓄積層又は電子蓄積層が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機半導体と有機分子とを利用した異種材料接合型の半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無機半導体は、電子デバイスに良く用いられており、例えば、フォトダイオード等がある。通常、フォトダイオードは、無機半導体の一種であるSi(シリコン)のpn接合型が基本であるが、p型層−i型層−n型層というpn層の間にi型層を挿入して、空乏層を広げ、端子間容量を小さくした層接合構造を持つPINフォトダイオードが主流となっており、高速応答が必要なところに使用されている。このフォトダイオードは、シリコンをベースとしているため、光の波長が短くなると感度が悪くなる。フォトダイオードは、pn接合型ではpn接合領域に、pin接合型ではi型層に光が入射すると最も光電流変換効率が大きくなる。しかし、波長が短くなるにつれ、シリコンの吸収係数が大きくなるため、深さ方向の光が届く距離が短くなる。
【0003】
シリコンでは、例えば、400nm付近の波長光では1000Å程度の深さに到達するのが限度となる。そのため、pn接合、pin接合を浅い部分に作る必要があり、この場合、p型層は浅く、薄く作製しなければならない。ところが、拡散やイオン注入などでp型不純物やn型不純物をドープすることにより、接合形成が一般的なSiでは、p型層を浅く、薄く形成するのは難しい。1000Åの深さまでの極めて浅い領域にp型層を作製することは最先端のLSIレベルで行うような技術であり、とてもフォトダイオードの値段に見合うコストで作れるものではない。
【0004】
また、p型層を浅く、薄く形成できたとしても、浅い領域だけで光誘起のキャリア生成が起こるとキャリアをフォトダイオードの外へ出す際の電極間の電流経路は狭いものとなって抵抗が高くなる。抵抗値を低くするには、p型層内の不純物濃度を高くすれば良いが、高くすると、不純物散乱を招き、キャリアの移動度を低下させることになり、応答速度が低下する。また、キャリアのライフタイムが悪化することにより光の検出感度の低下も招く。
【非特許文献1】W.Chen et.al.,Journal of American chemical society Vol129,p.10418-10422(2007)
【非特許文献2】D.Qi et.al.,Journal of American chemical society Vol129,p.8084-8085(2007)
【非特許文献3】P.Strobel et.al.,Nature,Vol.403,p.439-441(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題を解決するために、無機半導体と新しい物質との接合、例えば有機物との接合が考えられる。無機半導体と有機物との接合に関しては、非特許文献1〜3までに記載されているが、いずれも、カーボン系の無機半導体と有機半導体との接合により、カーボン系の無機半導体表面にホールを誘起するものである。しかし、これらの文献中には、特に応用を念頭においたデバイスが提案されているわけではなく、電子デバイスにおける高速応答性を確保する等による半導体デバイスへの応用を意図しておらず、無機半導体と有機物との界面に発生するキャリアを利用するものではない。
【0006】
一方、我々は、既出願の特願2008−21954で、無機半導体であるZnO系半導体と有機物電極とで構成されたフォトダイオードを提案しているが、これらはショットキー接合された構造であり、ZnOと有機物との界面のキャリアについては、全く想定していない。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、未だ発揮されていない機能を発現させることを意図として、不純物ドープによらない無機半導体のバンドプロファイル構築を基礎とする新しいタイプの半導体素子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、無機半導体上に有機分子層を備えた半導体素子であって、前記有機分子層の最低非占有分子軌道は、真空準位を基準としたときに前記無機半導体のフェルミ準位より深い位置に形成されていることを特徴とする半導体素子である。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、前記無機半導体と有機分子層との界面から前記無機半導体側に高濃度のホールが存在していることを特徴とする請求項1記載の半導体素子である。
【0010】
また、請求項3記載の発明は、無機半導体上に有機分子層を備えた半導体素子であって、前記有機分子層の最低非占有分子軌道は、真空準位を基準としたときに前記無機半導体のフェルミ準位より浅い位置に形成されていることを特徴とする半導体素子である。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、前記無機半導体と有機分子層との界面から前記無機半導体側に高濃度の電子が存在していることを特徴とする請求項3記載の半導体素子である。
【0012】
また、請求項5記載の発明は、前記無機半導体はIII−V族化合物、III−VI族化合物、II−VI族化合物、I−III−VI族化合物のいずれか若しくはシリコンで構成された半導体層、又は該半導体層の積層体で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体素子である。
【0013】
また、請求項6記載の発明は、前記無機半導体は酸化物であることを特徴とする請求項5に記載の半導体素子である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、無機半導体と有機分子層とをヘテロ接合させており、有機分子層の最低非占有分子軌道が、真空準位を基準としたときに無機半導体のフェルミ準位より深い位置に形成されている場合は、界面に発生するメジャーキャリアの種類がホールとなり、無機半導体側にホールが濃く集積したホールガスを発生させることができる。このホールガスにより高速応答性が確保できる。なお、ホールガスが2次元的であるときに、最も高い高速応答性が得られる。
【0015】
一方、有機分子層の最低非占有分子軌道が、真空準位を基準としたときに無機半導体のフェルミ準位より浅い位置に形成されている場合は、界面に発生するメジャーキャリアの種類が電子となり、無機半導体側に電子が濃く集積した電子ガスを発生させることができる。この電子ガスにより高速応答性が確保できる。なお、電子ガスが2次元的であるときに、最も高い高速応答性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は本発明の半導体素子の構造の一例を示す。図1の構造は、光検出器として用いることができる。
【0017】
以下に述べる、ZnO系薄膜、ZnO系材料等におけるZnO系とは、ZnO(酸化亜鉛)をベースとした混晶材料であり、Znの一部をIIA族もしくはIIB族で置き換えたもの、Oの一部をVIB族で置き換えたもの、またはその両方の組み合わせを含むものである。
【0018】
図1(a)では、n型シリコン(Si)基板11に、p型不純物ドープ領域11aが形成されている。n型シリコン基板11上及びp型不純物ドープ領域11aを覆うように、TCNQ層12が形成されている。TCNQ層12とn型シリコン基板11との界面が受光領域となっており、この界面でキャリアを分離している。図のように、n型Si基板11の一部をpインプランテーションして、p型不純物ドープ領域とした11aを電流取り出し部分にしており、このp型不純物ドープ領域11aと電流取り出し用の電極14、15とが接続されている。
【0019】
ところで、TCNQは有機分子であり、電荷移動錯体と呼ばれる構造を形成するのに用いられる。電荷移動錯体とは、電子供与(D)物質と電子受容(A)物質が交じり合って、金属的伝導を示すものの総称であり、TTF(D)−TCNQ(A)が有名である。ただ交じり合うだけでは導電体にならないので、DとAが分離して層構造を形成しているのが特徴である。このように、電荷移動錯体に用いられる代表的な有機分子には、TTF(テトラチアフルバレン)とTCNQ(テトラシアノキノジメタン)がある。
【0020】
電荷移動錯体を構成する代表的な有機分子であるTTFとTCNQについて、各々の誘導体を示したのが図4である。図4(a)はTTF誘導体を、図4(b)はTCNQ誘導体を示す。添えられている数字は1st electrochemical half-wave(D→D+e、A+e→A:酸化還元電位に相当する)で、大きいほどドナー性もしくはアクセプター性が強いことを示す。これらは、G Saito et al., Bulltin Chemical Society Japan vol.53,2141(1980)からの引用である。また、図4の誘導体の導電性についても知られており、上記文献に詳しい。
【0021】
図1(a)のn型Si基板11とTCNQ層12との接触界面におけるバンドプロファイルを示すのが、図2(a)である。ここでは、TCNQ層12としてTCNQ誘導体であるフッ化TCNQ(FTCNQ)を用いた。図2(a)に示すように、ECSは、CBMとも呼ばれ、伝導帯の底の位置を意味し、添字追加のSは、Siを表わしている。またEFSはn型Siのフェルミ準位を、EFFはFTCNQ層のフェルミ準位を示す。EVSは、VBMとも呼ばれ、Siの価電子帯上端を意味する。また、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbit)とは、最低非占有分子軌道であり、一方、HOMO(Highest Occupied Molecular Orbit)とは、最高占有分子軌道である。
【0022】
n型SiのECS及びフェルミ準位EFSより、FTCNQのフェルミ準位EFFの方が深くなるので、SiとFTCNQとを接触させると、電子がSiからFTCNQに移動する。Siのバンドは上に曲がり、FTCNQは有機分子なので、バンド曲がりという概念はなく、界面分極層をつくると言われている。何れにせよ、両者のフェルミ準位は、平衡後一致する。この状態で、図2(b)のように、拡散平衡達成後、Siの光吸収で生成した電子は、Siの伝導帯が上に曲がっているので、図で左側に移動し、対生成したホールはSiの価電子帯が上に曲がっているので、上方に移動するが、バンド不連続により界面付近に蓄積され、Si側にホール蓄積層ができる。このホール蓄積層をチャネルとして使用できる。なお、11は、n型Si基板の替わりにp型Si基板を用いても良く、この場合でも、p型SiのECS及びEFSより、TCNQのフェルミ準位の方が深くなるので、ホール蓄積層が形成される。
【0023】
一方、既出願の特願2008−21953に詳しく説明したが、分極特性を持つ半導体層を界面近くに形成しておくと、界面に2次元のキャリアが誘起されやすい。そこで、図1(a)に示すように、TCNQ層12上に分極特性を持つMgZnO(0≦X<1)層13を−C面成長で積層する。この場合、MgZnOには自発分極Pspのみが発生する。このように、MgZnOが酸素極性を持っていると、MgZnO界面部分がマイナスの分極電荷を有するようになるので、n型Si基板11のSi側に2次元ホールガスの発生が起こりやすくなる。また、MgZnOに引っ張り歪みを発生させると、分極は自発分極Psp+ピエゾ分極Ppeとなってさらに大きくなり、図のように2DHGで示される2次元ホールガス領域が形成されることになり、好適である。また、ZnO系材料は可視光に対して透明であるため、MgZnO層13の上側から入射する光をTCNQ層12にまで到達させ、TCNQ層12も透明であるため、TCNQとSiとの界面に減衰せずに入射させることができる。
【0024】
ここで、MgZnO層13の一例を示すと、X=0.1のMg0.1ZnOで構成されており、電子濃度が1016〜1017cm−3の範囲となるようにドナードープされている。また、n型Si基板11とTCNQ層12との界面で光を受光すると、光電流が発生するが、光電流は、TCNQとSiの界面の2次元ホールガス領域(2DHG)を流れる。これにより、高速応答性を確保することができる。
【0025】
一方、図1(b)は、TCNQ層12の代わりにTTF層16を用いた場合の半導体素子構造を示す。図1(a)とは、TTF層16以外に、p型Si基板111を用いた点も異なるが、後述するようにn型Si基板を用いても良い。
【0026】
図1(b)では、p型シリコン基板111に、n型不純物ドープ領域111aが形成されている。p型シリコン基板111上及びn型不純物ドープ領域111aを覆うように、TTF層16が形成されている。TTF層16とp型シリコン基板111との界面が受光領域となっており、この界面でキャリアを分離している。図のように、p型シリコン基板111の一部をnインプランテーションして、n型不純物ドープ領域とした111aを電流取り出し部分にしており、このn型不純物ドープ領域111aと電流取り出し用の電極14、15とが接続されている。
【0027】
図1(b)のp型Si基板111とTTF層16との接触界面におけるバンドプロファイルを示すのが、図3(a)である。TTF層のLUMO及びフェルミ準位EFTより、p型Siのフェルミ準位EFSの方が深くなるので、SiとTTFとを接触させると、電子がTTFからSiに移動するため、TTF側で界面分極層ができ、Siのバンドは下に曲がる。この状態で、図3(b)のように、拡散平衡達成後、光の入射により生成した電子は、Siの伝道帯が下に曲がっているので、下に移動し、バンド不連続により界面付近に蓄積され、Si側に電子蓄積層ができる。この電子蓄積層をチャネルとして使用できる。また、111はp型Si基板ではなく、n型Si基板でも良く、この場合でも、TTFのLUMO及びフェルミ準位より、n型Siのフェルミ準位の方が深くなるので、電子蓄積層が形成される。
【0028】
図1(a)の場合と同様、分極特性を持つMgZnO(0≦X<1)層13をTTF層16上に形成しておく。ただし、図1(b)では、図1(a)と異なり、MgZnO層13を+C面成長で積層する。この場合、MgZnOには自発分極Pspのみが発生する。このように、MgZnOが亜鉛極性を持っていると、MgZnOの界面部分がプラスの分極電荷を有するようになるので、p型Si基板111のSi側に2次元電子ガスの発生が起こりやすくなる。また、MgZnOに引っ張り歪みを発生させると、分極は自発分極Psp+ピエゾ分極Ppeとなってさらに大きくなり、図のように2DEGで示される2次元電子ガス領域が形成されることになり、好適である。
【0029】
また、MgZnO層13の一例を示すと、X=0.1のMg0.1ZnOで構成されており、電子濃度が1016〜1017cm−3の範囲となるようにドナードープされている。ここで、p型Si基板111とTTF層16との界面で光を受光すると、光電流が発生するが、光電流は、TTFとSiの界面の2次元電子ガス領域(2DEG)を流れる。これにより、高速応答性を得ることができる。
【0030】
上記のように、無機半導体と有機分子層とをヘテロ接合させた場合、有機分子層のLUMOが、真空準位を基準としたときに無機半導体のフェルミ準位より深い位置に形成されている場合は、界面に発生するメジャーキャリアの種類がホールとなり、逆に、有機分子層のLUMOが、真空準位を基準としたときに無機半導体のフェルミ準位より浅い位置に形成されている場合は、界面に発生するメジャーキャリアの種類が電子となることがわかる。
【0031】
次に、図5は、本発明の構造を適用した、HEMTの構成例を示す。図5(a)は、図2に示されるバンド構造となるように、作製されたHEMTである。Si基板31の一部に、2つのドープ部31aが形成されている。Si基板31上及びドープ部31aの表面を覆うように、TCQN層32が形成されている。ドープ部31aの一方と接続するようにソース電極34が形成され、他方のドープ部31aと接続するようにドレイン電極35が形成されている。また、TCQN層32とSi基板31との界面のチャネル領域のキャリアを制御するために、ゲート電極33が設けられている。
【0032】
図5(a)は、界面に2DHG(2次元ホールガス)が発生する場合の例である。31はi型シリコン基板、n型シリコン基板、p型シリコン基板のいずれのタイプのシリコン基板でも使用可能である。31をシリコン基板の他に、III−V族化合物半導体であるGaN基板、GaAs基板、III−VI族化合物半導体であるTiO基板又はII−VI族化合物半導体であるZnO基板、I−III−VI族化合物半導体であるCu(InGa)Se基板のいずらかとしても良い。これらは、いずれもi型、p型、n型のどのタイプであっても良い。またゲート電極33には、ポリシリコン、金(Au)、白金(Pt)等が用いられる。ゲート電極33によるオン−オフの動作は、上記2DHGの作用により高速に制御することができる。
【0033】
一方、図5(b)は、図3に示されるバンド構造となるように、作製されたHEMTである。GaAs基板41の一部に、2つのドープ部41aが形成されている。GaAs基板41上及びドープ部41aの表面を覆うように、TTF層42が形成されている。ドープ部41aの一方と接続するようにソース電極44が形成され、他方のドープ部41aと接続するようにドレイン電極45が形成されている。また、TTF層42とGaAs基板41との界面のチャネル領域のキャリアを制御するために、ゲート電極43が設けられている。
【0034】
図5(b)は、界面に2DEG(2次元電子ガス)が発生する場合の例である。41はGaAs基板の他に、シリコン基板、III−V族化合物半導体であるGaN基板、III−VI族化合物半導体であるTiO基板、又はII−VI族化合物半導体であるZnO基板、I−III−VI族化合物半導体であるCu(InGa)Se基板のいずれかとしても良い。これらは、いずれもi型、p型、n型のどのタイプであっても良い。またゲート電極33には、ポリシリコン、金(Au)、白金(Pt)等が用いられる。ゲート電極33によるオン−オフの動作は、上記2DEGの働きにより高速に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の半導体素子の構造例を示す図である。
【図2】図1(a)の半導体素子の界面におけるバンドプロファイルを示す図である。
【図3】図1(b)の半導体素子の界面におけるバンドプロファイルを示す図である。
【図4】TTF誘導体例とTCNQ誘導体例を示す図である。
【図5】本発明の半導体素子をトランジスタに適用した構造例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
11 n型Si基板
11a p型不純物ドープ領域
12 TCNQ層
13 MgZnO層
14 電極
15 電極
16 TTF層
111 p型Si基板
111a n型不純物ドープ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機半導体上に有機分子層を備えた半導体素子であって、
前記有機分子層の最低非占有分子軌道は、真空準位を基準としたときに前記無機半導体のフェルミ準位より深い位置に形成されていることを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
前記無機半導体と有機分子層との界面から前記無機半導体側に高濃度のホールが存在していることを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
【請求項3】
無機半導体上に有機分子層を備えた半導体素子であって、
前記有機分子層の最低非占有分子軌道は、真空準位を基準としたときに前記無機半導体のフェルミ準位より浅い位置に形成されていることを特徴とする半導体素子。
【請求項4】
前記無機半導体と有機分子層との界面から前記無機半導体側に高濃度の電子が存在していることを特徴とする請求項3記載の半導体素子。
【請求項5】
前記無機半導体はIII−V族化合物、III−VI族化合物、II−VI族化合物、I−III−VI族化合物のいずれか若しくはシリコンで構成された半導体層、又は該半導体層の積層体で形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記無機半導体は酸化物であることを特徴とする請求項5に記載の半導体素子。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−283701(P2009−283701A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134510(P2008−134510)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】