説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】耐熱性及び信頼性に優れる半導体装置、並びにこのような半導体装置を製造可能であり、かつ熱圧着不良等の不具合を生じ難い半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】半導体素子と被着体とが、パターン化されたフィルム状感光性接着剤を介して熱圧着されてなる半導体装置であって、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量が1.0重量%以下である半導体装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品の高性能化、高機能化に伴い、種々の形態を有する半導体装置が提案されている。このような半導体装置には、半導体素子と半導体素子搭載用支持基材(被着体)とを接着固定するために、低応力性、低温接着性、耐湿信頼性及び耐はんだリフロー性等の他、半導体装置の機能、形態及び組立プロセスの簡略化を目的としたパターン化が可能な感光性を有するフィルム状感光性接着剤が好適に使用される。
【0003】
感光性とは光を照射した部分が化学的に変化し、アルカリ水溶液や有機溶剤に不溶化又は可溶化する機能である。この感光性を有するフィルム状感光性接着剤を用いると、フォトマスクを介して露光し、現像液によって処理してパターンを形成し、これを介して半導体素子と半導体素子搭載用支持基材とを熱圧着することにより、高精細な接着剤パターンが形成された半導体装置を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開第2007/004569号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1等に記載のフィルム状感光性接着剤を用い、半導体装置を製造する場合には、熱圧着不良等が生じ、得られる半導体装置の耐熱性及び信頼性が低下し得ることが問題となっている。
【0005】
そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、次のようなメカニズムで熱圧着不良が生じ得ることが明らかとなった。
【0006】
すなわち、上記フィルム状感光性接着剤は、アルカリ性水溶液や有機溶剤に可溶な設計となっているため、比較的吸湿率又は吸水率が高く、保管中又は半導体装置の組立工程中で吸湿し易い。この吸湿した水分が、半導体素子と半導体素子搭載用支持基材との熱圧着の際に、気化・膨張による発泡を引き起こし、これが原因で熱圧着不良等が生じる。
【0007】
また、上述の発泡により生じた接着剤中のボイドが原因で、半導体装置の耐熱性及び信頼性の低下を招くおそれがあることも明らかとなった。
【0008】
上記事情に鑑み本発明は、耐熱性及び信頼性に優れる半導体装置、並びにこのような半導体装置を製造可能であり、かつ熱圧着不良等の不具合を生じ難い半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、半導体素子と被着体とが、パターン化されたフィルム状感光性接着剤を介して熱圧着されてなる半導体装置であって、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量が1.0重量%以下である半導体装置を提供する。かかる半導体装置は、耐熱性及び信頼性に優れる。
【0010】
上記被着体は、半導体素子又は保護ガラスであることが好ましい。
【0011】
上記パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量は、80〜200℃、5秒〜30分の加熱処理により、1.0重量%以下となっていることが好ましい。
【0012】
上記フィルム状感光性接着剤は、少なくとも(A)熱可塑性樹脂及び(B)熱硬化性樹脂を含有することが好ましく、さらに(C)放射線重合性化合物及び(D)光開始剤を含有することが好ましい。
【0013】
上記(A)熱可塑性樹脂は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。当該アルカリ可溶性樹脂は、現像性と耐熱性に特に優れる点から、分子中にカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリイミド樹脂であることが好ましい。
【0014】
上記(B)熱硬化性樹脂は、高温において優れた接着力を持たせることができる点から、エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0015】
上記パターン化されたフィルム状感光性接着剤は、フィルム状感光性接着剤からなる接着剤層を被着体(好ましくは半導体ウェハ)上に形成する接着剤層形成工程、該接着剤層を、所定のパターンで露光する露光工程、及び露光後の接着剤層をアルカリ性水溶液により現像する現像工程を経て形成されていることが好ましい。
【0016】
本発明はまた、半導体素子と、被着体とを、パターン化されたフィルム状感光性接着剤を介して熱圧着する熱圧着工程を備える半導体装置の製造方法であって、熱圧着工程の直前に、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の水分量を1.0重量%以下にする水分量調整工程をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法、及び当該製造方法により製造される半導体装置を提供する。
【0017】
上記被着体は半導体素子又は保護ガラスであることが好ましい。
【0018】
上記水分量調整工程は、前記パターン化されたフィルム状感光性接着剤を80〜200℃、5秒〜30分で加熱処理する工程であることが好ましい。
【0019】
上記フィルム状感光性接着剤は、少なくとも(A)熱可塑性樹脂及び(B)熱硬化性樹脂を含有することが好ましく、さらに(C)放射線重合性化合物及び(D)光開始剤を含有することが好ましい。
【0020】
上記(A)熱可塑性樹脂は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。当該アルカリ可溶性樹脂は、現像性と耐熱性に特に優れる点から、分子中にカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリイミド樹脂であることが好ましい。
【0021】
上記(B)熱硬化性樹脂は、高温において優れた接着力を持たせることができる点から、エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0022】
上記パターン化されたフィルム状感光性接着剤は、フィルム状感光性接着剤からなる接着剤層を被着体(好ましくは半導体ウェハ)上に形成する接着剤層形成工程、該接着剤層を、所定のパターンで露光する露光工程、及び露光後の接着剤層をアルカリ性水溶液により現像する現像工程を経て形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、耐熱性及び信頼性に優れる半導体装置、並びにこのような半導体装置を製造可能であり、かつ熱圧着不良等の不具合を生じ難い半導体装置の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下のものに制限するものではない。
【0025】
本発明の半導体装置は、半導体素子と被着体とが、パターン化されたフィルム状感光性接着剤を介して熱圧着されてなる半導体装置であって、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量が1.0重量%以下であることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体素子と、被着体とを、パターン化されたフィルム状感光性接着剤を介して熱圧着する熱圧着工程を備える半導体装置の製造方法であって、熱圧着工程の直前に、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の水分量を1.0重量%以下にする水分量調整工程をさらに備えることを特徴とする。
【0027】
上記パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量は、好ましくは0.7重量%以下であり、より好ましくは0.5重量%以下である。
【0028】
熱圧着直前のパターン化されたフィルム状感光性接着剤の水分量が1.0重量%を超えると、半導体素子と被着体との熱圧着の際に、水分の気化・膨張による発泡を引き起こす原因となり、圧着した半導体素子又は保護ガラスの剥離等、半導体装置の製造に支障をきたすおそれがある。
【0029】
また、上述の発泡により生じた接着剤中のボイドが原因で、半導体装置の耐熱性及び信頼性の低下を招く可能性が高い。
【0030】
なお、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の水分量は、例えば平沼産業製水分測定装置「AQV2100CT」を用いて測定することができる。
【0031】
パターン化されたフィルム状感光性接着剤の水分量を1.0重量%以下にする方法(水分量調整工程)としては、被着体上に形成されたパターン化されたフィルム状感光性接着剤を80℃〜200℃、5秒〜30分、好ましくは、100℃〜200℃、30秒〜20分、より好ましくは、120℃〜200℃、1分〜10分の条件で加熱処理する方法を好適に用いることができる。
【0032】
加熱条件が、80℃未満、かつ5秒未満であると、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量が1.0重量%を越える傾向にあり、また、加熱条件が、200℃を超え、かつ30分を超えるとパターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱硬化が進み、熱圧着時の熱流動性が損なわれる傾向にある。
【0033】
上述の加熱処理を行う場合には、例えば、被着体上に形成されたパターン化されたフィルム状感光性接着剤をポリフッ化エチレン系繊維シート等の上に置き、ポリフッ化エチレン系繊維シートごと熱板上にのせ、所定の温度及び時間加熱することができる。
【0034】
上述の半導体素子と被着体との熱圧着は、例えば20〜250℃の加熱温度、0.01〜20kgfの荷重で、0.1〜300秒間圧着することにより行うことができる。
【0035】
上記パターン化されたフィルム状感光性接着剤は、フィルム状感光性接着剤からなる接着剤層を被着体上に形成する接着剤層形成工程、該接着剤層を、所定のパターンで露光する露光工程、及び露光後の接着剤層をアルカリ性水溶液により現像する現像工程を経て形成されていることが好ましい。
【0036】
接着剤層形成工程においては、例えば、フィルム状感光性接着剤用組成物(ワニス)をシリコンウェハ等の被着体上にロールで、好ましくは20〜150℃の温度で加圧して積層することにより接着剤層を形成することができる。
【0037】
露光工程においては、例えば、所定のパターンが形成されたフォトマスクを上記接着剤層上に載せ、高精度平行露光機(オーク製作所製)を用いて、露光量:100〜1000mJ/cmの条件で、紫外線を照射(露光)することができる。この露光工程の後、必要があれば、40℃〜120℃で5秒〜30秒加熱してもよい。
【0038】
現像工程においては、例えば、テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)1.0〜5.0%、好ましくは2.38%溶液を用いてスプレー現象して、接着剤層をパターン状に形成することができる。ここで、フィルム状感光性接着剤がポジ型である場合には、露光部が取り除かれ、ネガ型である場合には、露光部が残る。
【0039】
上記パターンのライン幅は0.01mm〜20mmの範囲内であることが好ましい。
【0040】
また、上記パターンの形状については特に制限はないが、例えば、額縁状、線状、貫通穴等の形状が挙げられ、中でも額縁状であることが、安定したパターン化された接着剤が得られる点で好ましい。
【0041】
上記フィルム状感光性接着剤は、(A)熱可塑性樹脂及び(B)熱硬化性樹脂を少なくとも含有することが好ましく、さらに(C)放射線重合性化合物及び(D)光開始剤を含有することが好ましい。
【0042】
(A)熱可塑性樹脂は、アルカリ現像液に可溶であれば、特に制限はなく、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタンイミド樹脂、ポリウレタンアミドイミド樹脂、シロキサンポリイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂又はそれらの共重合体の他、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエ−テルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエ−テルケトン樹脂、(メタ)アクリル共重合体等からなる群から選ばれる少なくとも一つ以上の樹脂等が挙げられ、中でも現像性と耐熱性を両立できる点でポリイミド樹脂が好ましく、側鎖又は末端にカルボキシル基及び/又は水酸基等のアルカリ可溶性基を有するポリイミド樹脂がより好ましい。
【0043】
ポリイミド樹脂は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを公知の方法で縮合反応させることにより得ることができる。すなわち、有機溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを等モルで又は必要に応じてテトラカルボン酸二無水物の合計1.0molに対して、ジアミンの合計を好ましくは0.5〜2.0mol、より好ましくは0.8〜1.0molの範囲で組成比を調整(各成分の添加順序は任意)し、反応温度80℃以下、好ましくは0〜60℃で付加反応させる。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇し、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸が生成する。なお、接着剤の諸特性の低下を抑えるため、上記テトラカルボン酸二無水物は無水酢酸で再結晶精製処理したものであることが好ましい。
【0044】
なお、上記縮合反応におけるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの組成比については、テトラカルボン酸二無水物の合計1.0molに対して、ジアミンの合計が2.0molを超えると、得られるポリイミド樹脂中に、アミン末端のポリイミドオリゴマーの量が多くなる傾向があり、一方、ジアミンの合計が0.5mol未満であると、酸末端のポリイミドオリゴマーの量が多くなる傾向があり、いずれの場合においても、ポリイミド樹脂の重量平均分子量が低くなり、接着剤の耐熱性を含む種々の特性が低下する傾向がある。
【0045】
また、得られるポリイミド樹脂の重量平均分子量が10000〜300000となるように、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの仕込みの組成比を適宜決定することが好ましい。
【0046】
ポリイミド樹脂は、上記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は、加熱処理する熱閉環法、脱水剤を使用する化学閉環法等で行うことができる。
【0047】
ポリイミド樹脂の原料として用いられるテトラカルボン酸二無水物としては特に制限はなく、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフェン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ−[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェニル)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、下記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0048】
【化1】

[式中、aは2〜20の整数を示す。]
【0049】
上記一般式(I)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、例えば、無水トリメリット酸モノクロライド及び対応するジオールから合成することができ、具体的には1,2−(エチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,3−(トリメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,4−(テトラメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,5−(ペンタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,6−(ヘキサメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,7−(ヘプタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,8−(オクタメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,9−(ノナメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,12−(ドデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,16−(ヘキサデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)、1,18−(オクタデカメチレン)ビス(トリメリテート無水物)等が挙げられる。
【0050】
また、テトラカルボン酸二無水物としては、溶剤への良好な溶解性及び耐湿信頼性を付与する観点から、下記一般式(II)又は(III)で表されるテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
【0051】
【化2】

【0052】
【化3】

【0053】
以上のようなテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0054】
上記ポリイミド樹脂の原料として用いられるジアミンとしては、下記式(IV)〜(VII)で表される芳香族ジアミンを含むことが好ましい。これら下記式(IV)〜(VII)で表されるジアミンは、全ジアミンの1〜70モル%とすることが好ましい。これによってアルカリ現像液に可溶なポリイミド樹脂を調製することができる。
【0055】
【化4】

【0056】
【化5】

【0057】
【化6】

【0058】
【化7】

【0059】
上記ポリイミド樹脂の原料として用いられるその他のジアミンとしては特に制限はなく、例えば、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジイソプロピルフェニル)メタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフォン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,5−ジアミノ安息香酸等の芳香族ジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、下記一般式(VIII)で表される脂肪族エーテルジアミン、下記一般式(X)で表される脂肪族ジアミン、下記一般式(XI)で表されるシロキサンジアミン等が挙げられる。
【0060】
【化8】

[式中、Q、Q及びQは各々独立に、炭素数1〜10のアルキレン基を示し、bは2〜80の整数を示す。]
【0061】
【化9】

[式中、cは5〜20の整数を示す。]
【0062】
【化10】

[式中、Q及びQは各々独立に、炭素数1〜5のアルキレン基又は置換基を有してもよいフェニレン基を示し、Q、Q、Q及びQは各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基又はフェノキシ基を示し、dは1〜5の整数を示す。]
【0063】
上記一般式(VIII)で表される脂肪族エーテルジアミンとして具体的には、下記式;
【0064】
【化11】

で表される脂肪族ジアミンの他、下記式(IX)で表される脂肪族エーテルジアミンが挙げられる。
【0065】
【化12】

[式中、eは0〜80の整数を示す。]
【0066】
上記一般式(X)で表される脂肪族ジアミンとして具体的には、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。
【0067】
上記一般式(XI)で表されるシロキサンジアミンとして具体的には、一般式(XI)中のdが1のものとして、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン等が挙げられる。
【0068】
また、dが2のものとして、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン等が挙げられる。
【0069】
上述したジアミンは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記ポリイミド樹脂は、1種を単独で又は必要に応じて2種以上を混合(ブレンド)して用いることができる。
【0070】
(B)熱硬化性樹脂は、熱により架橋反応を起こし得る反応性化合物をいう。このような化合物としては、例えば、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、レゾルシノールホルムアルデヒド樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、ポリイソシアネート樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含有する樹脂、トリアリルトリメリタートを含有する樹脂、シクロペンタジエンから合成された熱硬化性樹脂、芳香族ジシアナミドの三量化による熱硬化性樹脂等が挙げられる。
【0071】
中でも、高温において優れた接着力を持たせることができる点で、エポキシ樹脂、シアネート樹脂及びビスマレイミド樹脂が好ましく、作業性、生産性の点からエポキシ樹脂が特に好ましい。これら(B)熱硬化性樹脂は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
上記エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を含むものがより好ましく、硬化性や硬化物特性の点から、フェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂が特に好ましい。このような樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型(又はAD型、S型、F型)のグリシジルエーテル、水添加ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、エチレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、プロピレンオキシド付加体ビスフェノールA型のグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ナフタレン樹脂のグリシジルエーテル、3官能型(又は4官能型)のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂のグリシジルエーテル、ダイマー酸のグリシジルエステル、3官能型(又は4官能型)のグリシジルアミン、ナフタレン樹脂のグリシジルアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0073】
また、これらのエポキシ樹脂には、不純物イオンであるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲンイオン、特に塩素イオンや加水分解性塩素等を300ppm以下に低減した高純度品を用いることが、エレクトロマイグレーション防止や金属導体回路の腐食防止のために好ましい。
【0074】
(B)熱硬化性樹脂の含有量は、接着剤の固形分全量100質量部を基準として、5〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましい。この含有量が5質量部未満であると、耐熱性が低下する傾向があり、200質量部を超えると、フィルム形成性が悪くなる傾向がある。
【0075】
(C)放射線重合性化合物は、紫外線や電子ビーム等の放射線の照射により、重合及び/又は硬化する化合物であれば、特に制限は無い。放射線重合性化合物の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、ペンテニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、下記一般式(XII)で表される化合物、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、尿素アクリレート等が挙げられる。
【0076】
【化13】

[式中、R41及びR42は各々独立に、水素原子又はメチル基を示し、f及びgは各々独立に、1以上の整数を示す。]
【0077】
上記ウレタンアクリレート及びウレタンメタクリレートは、例えば、ジオール類、下記一般式(XIII)で表されるイソシアネート化合物、及び下記一般式(XIV)で表される化合物の反応により生成する。
【0078】
【化14】

[式中、R43は炭素数1〜30の2価又は3価の有機基を示し、hは0又は1を示す。]
【0079】
【化15】

[式中、R44は水素原子又はメチル基を示し、R45はエチレン基又はプロピレン基を示す。]
【0080】
上記尿素メタクリレートは、例えば、下記一般式(XV)で表されるジアミンと、下記一般式(XVI)で表される化合物との反応により生成する。
【0081】
【化16】

[式中、R46は炭素数2〜30の2価の有機基を示す。]
【0082】
【化17】

[式中、iは0又は1を示す。]
【0083】
以上のような化合物の他、官能基を含むビニル共重合体に、少なくとも1個のエチレン性不飽和基と、オキシラン環、イソシアネート基、水酸基、及びカルボキシル基等の官能基とを有する化合物を付加反応させて得られる、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性共重合体等を使用することができる。
【0084】
これらの放射線重合性化合物は、1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。中でも、上記一般式(XII)で示される放射線重合化合物は、硬化後の耐溶剤性を十分に付与できる点で好ましく、ウレタンアクリレート及びウレタンメタクリレートは、硬化後の高接着性を十分に付与できる点で好ましい。
【0085】
(C)放射線重合性化合物の含有量は、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して20〜200質量部であることが好ましく、30〜100質量部であることがより好ましい。この含有量が200質量部を超えると、重合により熱溶融時の流動性が低下し、熱圧着時の接着性が低下する傾向がある。一方、20質量部未満であると、露光による光硬化後の耐溶剤性が低くなり、パターンを形成するのが困難となる傾向がある。
【0086】
(D)光開始剤とは、放射線照射によって遊離ラジカルを生成する光重合開始剤又は放射線照射によって塩基を発生する光塩基発生剤等を意味する。
【0087】
放射線照射によって遊離ラジカルを生成する光重合開始剤としては、感度を良くするために、300〜500nmにおいて吸収帯を有するものが好ましい。
【0088】
かかる光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパノン−1、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6,−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
【0089】
また、上記光塩基発生剤とは、放射線照射時に塩基を発生する化合物であれば特に制限はない。発生する塩基としては、反応性、硬化速度の点から強塩基性化合物が好ましい。一般的には、塩基性の指標として酸解離定数の対数であるpKa値が使用され、水溶液中でのpKa値が7以上の塩基が好ましく、さらに9以上の塩基がより好ましい。
【0090】
このような放射線照射時に発生する塩基としては、例えば、イミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン等のピペラジン誘導体、ピペリジン、1,2−ジメチルピペリジン等のピペリジン誘導体、プロリン誘導体、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等のトリアルキルアミン誘導体、4−メチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の4位にアミノ基又はアルキルアミノ基が置換したピリジン誘導体、ピロリジン、n−メチルピロリジン等のピロリジン誘導体、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビスシクロ(5,4,0)ウンデセン−1(DBU)等の脂環式アミン誘導体、ベンジルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、ベンジルジエチルアミン等のベンジルアミン誘導体等が挙げられる。
【0091】
上記のような塩基を放射線照射によって発生する光塩基発生剤としては、例えば、Journal of Photopolymer Science and Technology 12巻、313〜314項(1999年)、Chemistry of Materials 11巻、170〜176項(1999年)等に記載されている4級アンモニウム塩誘導体を用いることができる。
【0092】
また、光塩基発生剤としては、Journal of American ChemicalSociety 118巻 12925頁(1996年)、Polymer Journal 28巻 795頁(1996年)等に記載されているカルバミン酸誘導体を用いることができる。
【0093】
また、活性光線の照射により1級のアミノ基を発生するオキシム誘導体、光ラジカル発生剤として市販されている2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Ciba Speciality Chemicals社製、イルガキュア907)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(Ciba Speciality Chemicals社製、イルガキュア369)、ヘキサアリールビスイミダゾール誘導体(ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基等の置換基がフェニル基に置換されていてもよい)、ベンゾイソオキサゾロン誘導体等を用いることができる。
【0094】
また、上記放射線照射によって塩基を発生する光塩基発生剤を用いることに加えて又は代えて、光フリース転位、光クライゼン転位(光Cleisen転位)、クルチウス転位(Curtius転位)、スティーブンス転位(Stevens転位)等の反応によって塩基を発生させ、エポキシ樹脂の硬化を行うことができる。
【0095】
これらの化合物は、室温で放射線を照射しない状態ではエポキシ樹脂と反応性を示さないため、室温での貯蔵安定性が非常に優れているという特徴を持つ。
【0096】
(D)光開始剤の含有量は、特に制限はないが、(A)熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.01〜30質量部である。
【0097】
また、上記フィルム状感光性接着剤には、必要に応じて、硬化促進剤を含有させることもできる。上記硬化促進剤としては、(B)熱硬化性樹脂を硬化させるものであれば特に制限はなく、例えば、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール−テトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等が挙げられる。
【0098】
上記エポキシ樹脂を使用する場合は、必要に応じて上記フィルム状感光性接着剤に硬化剤を含有させることもできる。上記硬化剤としては、例えば、フェノール系化合物、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド、脂肪族酸無水物、脂環族酸無水物、芳香族酸無水物、ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド、三フッ化ホウ素アミン錯体、イミダゾール類、第3級アミン等が挙げられる。これらの中でも、フェノール系化合物が好ましく、分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール系化合物がより好ましい。
【0099】
このような化合物としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジェンクレゾールノボラック、ジシクロペンタジェンフェノールノボラック、キシリレン変性フェノールノボラック、ナフトール系化合物、トリスフェノール系化合物、テトラキスフェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、ポリ−p−ビニルフェノール、フェノールアラルキル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、数平均分子量が400〜1500の範囲内のものが好ましい。これにより、熱圧着時に、半導体素子又は装置等の汚染の原因となるアウトガスを抑制できる。
【0100】
上記フィルム状感光性接着剤には、フィラーを含有させることもできる。上記フィラーとしては、例えば、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機フィラー、カーボン、ゴム系フィラー等の有機フィラー等が挙げられ、種類・形状等にかかわらず特に制限なく使用することができる。
【0101】
上記フィラーの含有量は、付与する特性又は機能に応じて決められるが、樹脂成分とフィラーとの合計に対して通常1〜50質量%、好ましくは2〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%である。フィラーを増量させることにより、高弾性率化が図れ、ダイシング性(ダイサー刃による切断性)、ワイヤボンディング性(超音波効率)、加熱時の接着強度を有効に向上できる。
【0102】
フィラーを必要以上に増量させると、熱圧着性が損なわれる傾向にあるため、フィラーの含有量は上記の範囲内に収めることが好ましい。求められる特性のバランスをとるべく、最適フィラー含有量を決定する。フィラーを用いた場合の混合・混練は、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。
【0103】
上記フィルム状感光性接着剤には、異種材料間の界面結合を良くするために、シランカップリング剤等を含有させることができ、また、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性を良くするために、イオン捕捉剤を含有させることもできる。
【0104】
上記フィルム状感光性接着剤は、上述の成分を例えば、ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、及びN−メチル−ピロリジノン等の有機溶剤に溶解させワニスを調製し、これを剥離剤処理PET等の基材上に塗布し、これを乾燥することにより作製することができる。
【0105】
上述の半導体装置は、CCDカメラモジュール等の電子部品に好適に用いることができる。
【実施例】
【0106】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
(ポリイミドPI−1の合成)
攪拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内に5,5’−メチレン−ビス(アントラニリックアシッド)(分子量286.3、以下「MBAA」という)3.43g、脂肪族エーテルジアミン(BASF社製、「D−400」(商品名)、分子量452.4)31.6g、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン(東レ・ダウコーニングシリコーン製、「BY16−871EG」(商品名)分子量248.5)2.48g及びN−メチル−2−ピロリジノン(以下NMPという)105gを仕込んだ。
【0107】
次いで、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(分子量326.3、以下「ODPA」という)32.6gをフラスコを氷浴中で冷却しながら、上記フラスコ内に少量ずつ添加した。添加終了後、さらに室温で5時間攪拌した。
【0108】
次に、該フラスコに水分受容器付の還流冷却器を取り付け、キシレン70gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃に昇温させてその温度を5時間保持し、水と共にキシレンを共沸除去した。こうしてポリイミド(以下「ポリイミドPI−1」という)を得た。
【0109】
得られたポリイミドPI−1の重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で、Mw=31000であった。
また、得られたポリイミドPI−1のTgは55℃であった。
【0110】
(ポリイミドPI−2の合成)
攪拌機、温度計及び窒素置換装置を備えたフラスコ内にMBAA2.86g、D−400、14.0g、BY16−871EG、2.48g、エーテルジアミン(BASF社製、「B−12」(商品名)、分子量204.3)8.17g及びNMP110gを仕込んだ。
【0111】
次いで、ODPA32.6gをフラスコを氷浴中で冷却しながら、上記フラスコ内に少量ずつ添加した。添加終了後、さらに室温で5時間攪拌した。
次に、該フラスコに水分受容器付の還流冷却器を取り付け、キシレン73gを加え、窒素ガスを吹き込みながら180℃に昇温させてその温度を5時間保持し、水と共にキシレンを共沸除去した。こうしてポリイミド(以下「ポリイミドPI−2」という)を得た。
【0112】
得られたポリイミドPI−2の重量平均分子量(Mw)をGPCにより測定したところ、ポリスチレン換算で、Mw=28000であった。
また、得られたポリイミドPI−2のTgは60℃であった。
【0113】
(ワニスの調製)
ポリイミド、放射線重合性化合物、光重合開始剤、エポキシ樹脂、硬化剤、フィラー及び塗工溶媒を表1に示す配合割合で配合し、ワニスF−01〜F−03を調製した。
【0114】
【表1】

【0115】
なお、表1において、種々の記号は下記のものを意味する。
・ BPE−100:新中村化学製、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート
・ U−2PPA:新中村化学製、ウレタンアクリレート
・ M−313:東亜合成(株)製、イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート
・ I−819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
・ I−OXE02:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム) 、オキシムエステル基含有化合物
・ VG3101:プリンテック製、3官能エポキシ樹脂
・ YDF−8170:東都化成製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂
・ TrisP−PA:本州化学製、トリスフェノール化合物(α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェノル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン)
・ R972:日本アエロジル製、疎水性フュームドシリカ(平均粒径:約16nm)
NMP:関東化学、N−メチル−2−ピロリジノン
【0116】
(実施例1〜5及び比較例1〜3)
上述のワニスを50μmの厚さに、それぞれ基材(剥離剤処理PET)上に塗布し、オーブン中で80℃30分、続いて、120℃30分、それぞれ加熱し、基材付きのフィルム状接着剤を得た。
次に、下記に示す条件で実施例1〜5及び比較例1〜3のフィルム状接着剤の特性評価を行った。その結果を表2及び表3に示す。
【0117】
透明なPET基材上に形成された厚さ50μmのフィルム状感光性接着剤の上に、さらにカバーフィルムとして透明なPETフィルムを貼り合せた接着シートを、150mm×150mmの大きさに切り出した。切り出された接着シートの上にマスクを載せ、高精度平行露光機(オーク製作所製)を用い露光量:1000mJ/cmの条件で、露光し(紫外線を照射)、80℃で30秒加熱した。その後、片側のPETフィルムを剥がし、ヤコー製スプレー現象機を用いて現像した(現像液:テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)2.38% 27℃ スプレー圧0.18MPa、水洗:純水23℃及びスプレー圧0.02MPa)。
【0118】
もう片側のPET基材にパターンを形成させ、その後、フィルムに付着しているTMAHを6分間、純水で洗浄した。その後、室温で30分間放置し、PET基材を剥がして、平沼産業製水分測定装置「AQV2100CT」を用いて、パターン化したフィルム状感光性接着剤の水分量を測定した。
【0119】
さらに、熱圧着直前の加熱工程を想定した加熱処理を加える場合(熱圧着直前加熱乾燥をする場合)は、得られたサンプルをポリフッ化エチレン系繊維シート等の上に置き、ポリフッ化エチレン系繊維シートごと熱板上にのせ、所定の温度及び時間加熱した。
【0120】
(熱圧着後の熱履歴安定性)
基材付きフィルム状感光性接着剤を、6インチ径、厚さ400μmのシリコンウェハ上に、ラミネート装置を用いて、貼り合せ温度:80℃、線圧:4kgf/cm及び送り速度:0.5m/分の条件で貼り合せた。
【0121】
次に、基材付きフィルム状感光性接着剤のPET基材側にネガ型パターン用マスクを載せ、高精度平行露光機(オーク製作所製:EXM−1172−B−∞)で露光量:1000mJ/cmの条件で、露光し(紫外線を照射)、さらに80℃30秒の条件で加熱処理した。その後、基材を剥離して、コンベア現像機(ヤコー製)を用い、スプレー現像処理(現像液:テトラメチルアンモニウムハイドライド(TMAH)2.38% 27℃ スプレー圧0.18MPa、水洗:純水23℃、スプレー圧0.02MPa)することにより、フィルム状感光性接着剤をパターン化した。
【0122】
現像後に、付着TMAHを純水で6分洗浄した後、室温で30分間放置し、その後、必要に応じて、放置時間の延長又は吸湿処理を行い、熱圧着直前に所定の条件で加熱乾燥処理を行った。
【0123】
加熱乾燥の直後に、30mm×30mm×厚さ0.35mmのガラスを、パターン化されたフィルム状感光性接着剤上に載せ、大橋製作所製フラットツール熱圧着装置OH−105ATFを用いて、圧着温度:150℃、圧着荷重:0.5MPa及び圧着時間:10分の条件で加熱圧着した。
【0124】
得られたサンプルをオーブン中で160℃3時間及び180℃3時間の条件で加熱硬化した。その後、260℃の熱板上で加熱し、ガラス/接着剤界面剥離又は発泡によるボイドが発生するまでの時間を測定した。260℃加熱直後に剥離又は発泡した場合をNG(×)とした。
【0125】
【表2】

【0126】
【表3】

【0127】
表2及び表3から明らかであるように、実施例1〜5のものは、比較例1〜3のものと比較して、熱圧着後の熱履歴安定性(耐熱性及び信頼性)に優れる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と被着体とが、パターン化されたフィルム状感光性接着剤を介して熱圧着されてなる半導体装置であって、
前記パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量が1.0重量%以下である半導体装置。
【請求項2】
前記被着体が半導体素子又は保護ガラスである、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記パターン化されたフィルム状感光性接着剤の熱圧着直前の水分量が、80〜200℃、5秒〜30分の加熱処理により、1.0重量%以下となっている、請求項1又は2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記フィルム状感光性接着剤が、少なくとも(A)熱可塑性樹脂及び(B)熱硬化性樹脂を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記フィルム状感光性接着剤が、さらに(C)放射線重合性化合物及び(D)光開始剤を含有する、請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記(A)熱可塑性樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、請求項4又は5記載の半導体装置。
【請求項7】
前記アルカリ可溶性樹脂が、分子中にカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリイミド樹脂である、請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項4記載の半導体装置。
【請求項9】
前記パターン化されたフィルム状感光性接着剤が、
フィルム状感光性接着剤からなる接着剤層を被着体上に形成する接着剤層形成工程、
該接着剤層を、所定のパターンで露光する露光工程、及び
露光後の接着剤層をアルカリ性水溶液により現像する現像工程
を経て形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
半導体素子と、被着体とを、パターン化されたフィルム状感光性接着剤を介して熱圧着する熱圧着工程を備える半導体装置の製造方法であって、
前記熱圧着工程の直前に、パターン化されたフィルム状感光性接着剤の水分量を1.0重量%以下にする水分量調整工程をさらに備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記被着体が半導体素子又は保護ガラスである、請求項10記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記水分量調整工程は、前記パターン化されたフィルム状感光性接着剤を80〜200℃、5秒〜30分で加熱処理する工程であることを特徴とする、請求項10又は11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記フィルム状感光性接着剤が、少なくとも(A)熱可塑性樹脂及び(B)熱硬化性樹脂を含有する、請求項10〜12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記フィルム状感光性接着剤が、さらに(C)放射線重合性化合物及び(D)光開始剤を含有する、請求項13記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記(A)熱可塑性樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、請求項13又は14記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記アルカリ可溶性樹脂が、分子中にカルボキシル基及び/又は水酸基を有するポリイミド樹脂である、請求項15記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記(B)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項13記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記パターン化されたフィルム状感光性接着剤が、
フィルム状感光性接着剤からなる接着剤層を被着体上に形成する接着剤層形成工程、
該接着剤層を、所定のパターンで露光する露光工程、及び
露光後の接着剤層をアルカリ性水溶液により現像する現像工程
を経て形成されている、請求項10〜17のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項10〜18のいずれか一項に記載の製造方法により製造される半導体装置。

【公開番号】特開2009−164574(P2009−164574A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242765(P2008−242765)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】