説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】エアギャップにビアが侵入することを防止すると共に配線間容量のさらなる低減を図り、また、空隙部を有する多層配線構造の機械的強度の向上及び酸化性物質の拡散防止を図り、歩留まりの低下を抑止できるようにする。
【解決手段】半導体装置は、第1の層間絶縁膜101と、第1の層間絶縁膜101に形成された複数の第1の配線105とを有している。第1の層間絶縁膜101における複数の第1の配線105の隣り合う配線同士の間には、空隙部112が選択的に形成されており、空隙部112の上で且つ配線同士の間に形成されたキャップ絶縁膜111が形成されている。空隙部112における下端部の幅及び上端部の幅は、空隙部112と隣接する配線同士の間隔と同一であり、空隙部112の下端部の位置は、該空隙部112と隣接する第1の配線105の下端部の位置よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、多層配線構造を有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の微細化に伴い、半導体装置を構成する複数の素子同士の間隔及び該素子同士を結ぶ配線の間隔が小さくなってきている。このため、配線における配線間容量が増大して、信号の伝搬速度が低下するという問題が顕在化してきている。
【0003】
そこで、特許文献1〜3に示されるように、配線同士の間に空隙部(エアギャップ)を形成して配線間容量を低下させる方法が検討されている。
【0004】
第1の従来例として、特許文献1に示される配線の製造方法について図4(a)〜図4(e)を参照しながら説明する。
【0005】
まず、図4(a)に示すように、半導体基板(図示せず)の上に、層間絶縁膜10及び犠牲膜11を順次堆積する。
【0006】
次に、図4(b)に示すように、リソグラフィ及びドライエッチングにより、犠牲膜11に複数の配線形成用溝11aを形成する。この際、配線形成用溝11aの底面が層間絶縁膜10に達するようにドライエッチングの条件を調節する。
【0007】
次に、図4(c)に示すように、犠牲膜11の上及び配線形成用溝11aに導電膜12、13を順次堆積する。その後、化学機械研磨(CMP)法により、犠牲膜11上に残存する導電膜12、13を除去することにより、配線14を形成する。
【0008】
次に、図4(d)に示すように、犠牲膜11及び配線14の上に多孔質膜15を堆積する。
【0009】
次に、図4(e)に示すように、犠牲膜11を加熱等により除去して、それぞれ隣り合う配線14同士の間に犠牲膜11が除去されてなる空隙部16を形成する。上記の各工程を順次繰り返すことにより、多層配線構造を実現できる。
【0010】
以下、第2の従来例として、特許文献2及び特許文献3に示される配線の他の製造方法について、図5(a)〜図5(e)を参照しながら説明する。
【0011】
まず、図5(a)に示すように、半導体基板20の上に、層間絶縁膜21を堆積する。その後、堆積した層間絶縁膜21の上に、ビア形成用ハードマスクパターン22を形成する。続いて、ビア形成用ハードマスクパターン22の上に犠牲膜23を形成する。
【0012】
次に、図5(b)に示すように、SiOからなる配線形成用ハードマスクパターン24を用いて犠牲膜23をエッチングすることにより、該犠牲膜23に配線形成用溝23aを形成する。ここでは、配線形成用ハードマスクパターン24は除去されずに残る。
【0013】
次に、図5(c)に示すように、犠牲膜23の各壁面上に、SiOからなるサイドウォール25を形成する。その後、配線形成用ハードマスクパターン24及びサイドウォール25をマスクとして層間絶縁膜21をエッチングすることにより、層間絶縁膜21にビアホール21aを形成する。
【0014】
次に、図5(d)に示すように、ビアホール21a及び配線形成用溝23aに導電膜26、27を埋め込む。その後、CMP法により、配線形成用ハードマスクパターン24の上に残存した導電膜20、27を除去することにより、導電膜26、27よりなるビア28a及び配線28を形成する。
【0015】
次に、図5(e)に示すように、配線28及び配線形成用ハードマスクパターン24の上に多孔質膜29を形成する。その後、犠牲膜23を加熱等により除去することによって、空隙部30を形成する。上記の各工程を繰り返すことにより、多層配線構造が実現される。
【0016】
また、第3の従来例としての特許文献4には、配線間に空隙が形成されている配線側壁及び上部にSiO膜を形成することが開示されている。
【特許文献1】特開2004−266244号公報
【特許文献2】米国特許第6815329号明細書
【特許文献3】米国特許第7098476号明細書
【特許文献4】特開2001−053144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、第1の従来例に係る配線の製造方法には、以下のような問題がある。すなわち、図6に示すように、第1の配線14Aとその上層に形成された第2の配線14Bとを接続するビア14aを形成する際にリソグラフィによる合わせずれが発生した場合に、ビア14aが空隙部16に侵入してしまう。これにより、空隙部16に導電膜12、13が埋め込まれるため、配線間で導通(短絡)が発生して、半導体装置の歩留まりが低下する。
【0018】
また、第3の従来例に係る配線の製造方法においては、各配線の側壁(空隙側壁)にSiO膜が形成されているだけであるため、合わせずれ幅が大きく、且つSiO膜が薄い場合にはビアの空隙部への侵入を防ぐことが難しい。
【0019】
また、第1及び第2の従来例には、共通して以下のような問題がある。
【0020】
第1に、空隙部16、30の高さは配線14、28の高さと同等かそれよりも小さくなる。このため、図7に示すように、配線14同士の間の電気力線は空隙部16だけでなく、層間絶縁膜10及び多孔質膜15にも通過する。その結果、空隙部16を形成しているにも拘わらず、配線間容量が十分に低下しない。
【0021】
第2に、図8に示すように、配線14同士の間隔が比較的に大きい領域においては、多孔質膜15を支持する部材が存在しないため、機械的強度が減少して、多孔質膜15が変形又は破壊されてしまう。これにより、空隙部16の内部に異物が侵入して、配線14に意図しない導通が発生するため、半導体装置の歩留まりが低下する。
【0022】
第3に、配線14の表面に多孔質膜15が形成されていることである。これにより、図9に示すように、多孔質膜15をO等の酸化性物質が透過して配線14に拡散し、該配線14が酸化されるため、各配線14の抵抗が増大して、半導体装置の歩留まりが低下する。
【0023】
本発明は、前記従来の問題に鑑み、空隙部(エアギャップ)にビアが侵入することを防止すると共に配線間容量のさらなる低減を図り、また、空隙部を有する多層配線構造の機械的強度の向上及び酸化性物質の拡散防止を図り、歩留まりの低下を抑止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置を、配線間に配線の間隔と同一幅の空隙部を設け、該空隙部を覆うように絶縁膜を設けると共に、空隙部の底面の位置を配線の底面よりも低くする構成とする。
【0025】
具体的に、本発明に係る半導体装置は、半導体基板の上に形成された第1の絶縁膜と、
第1の絶縁膜に形成された複数の配線とを備え、第1の絶縁膜における複数の配線の隣り合う配線同士の間には、空隙部が選択的に形成されており、空隙部の上で且つ配線同士の間に形成された第2の絶縁膜をさらに備え、空隙部における下端部の幅及び上端部の幅は、空隙部と隣接する配線同士の間隔と同一であり、空隙部の下端部の位置は、空隙部と隣接する配線の下端部の位置よりも低いことを特徴とする。
【0026】
本発明の半導体装置によると、空隙部の上で且つ配線同士の間に形成された第2の絶縁膜を備えているため、ビアホールの形成時にリソグラフィによる合わせずれが発生したとしても、空隙部にビアを構成する導電膜が侵入することがない。また、空隙部の下端部の位置が該空隙部と隣接する配線の下端部の位置よりも低いため、配線同士の間の電気力線がほぼ空隙部のみを通過するようになるので、配線間容量を低減できる。
【0027】
本発明の半導体装置において、第1の絶縁膜における空隙部の下側部分の誘電率は、第1の絶縁膜における配線の下側部分の誘電率よりも低いことが好ましい。
【0028】
このようにすると、配線間容量をさらに低減することができる。
【0029】
本発明の半導体装置において、複数の配線のうち隣り合う一の配線同士の間隔における第1の間隔と他の配線同士の第2の間隔において第1の間隔が第2の間隔よりも大きく、且つ、空隙部は、第1の間隔部分には形成されておらず、第2の間隔部分には形成されていることが好ましい。
【0030】
このようにすると、配線同士の間隔が相対的に大きい領域には、空隙部が形成されなくなるため、多層配線構造の機械的強度が低下することがない。
【0031】
本発明の半導体装置は、各配線と第2の絶縁膜との上に形成された第3の絶縁膜をさらに備え、第3の絶縁膜は第1の絶縁膜又は第2の絶縁膜よりも密度が高いことが好ましい。
【0032】
このようにすると、配線構造の機械的強度を高めることができる。
【0033】
この場合に、第3の絶縁膜は、SiN膜、SiC膜又はSiCN膜であることが好ましい。
【0034】
本発明の半導体装置は、複数の配線の上に各配線と接して形成されたキャップ膜をさらに備えていることが好ましい。
【0035】
このようにすると、配線の上側から酸化性物質が配線に透過することを防止することができる。
【0036】
この場合に、キャップ膜は、Co、Mn、W、Ta若しくはRu、又はCo、Mn、W、Ta及びRuから選択された1種類以上の金属を含む合金、又はCo、Mn、W、Ta若しくはRuの酸化物、又はCuSiNからなり、キャップ膜は導電性を有していることが好ましい。
【0037】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、第1の絶縁膜に複数の配線形成用溝部を形成する工程(b)と、各配線形成用溝部に導電膜を埋め込むことにより、複数の配線を形成する工程(c)と、第1の絶縁膜における配線同士の間に空隙形成用溝部を選択的に形成する工程(d)と、空隙形成用溝部に犠牲膜を形成する工程(e)と、犠牲膜の上部を除去することにより、犠牲膜の上部にリセス部を形成する工程(f)と、リセス部に第2の絶縁膜を形成する工程(g)と、工程(g)よりも後に、空隙形成用溝部から犠牲膜を除去することにより、第1の絶縁膜における配線同士の間に空隙部を形成する工程(h)とを備えていることを特徴とする。
【0038】
本発明の半導体装置の製造方法によると、空隙形成用溝部に犠牲膜を形成し、形成した犠牲膜の上部を除去することにより、犠牲膜の上部にリセス部を形成する。続いて、リセス部に第2の絶縁膜を形成し、その後、空隙形成用溝部から犠牲膜を除去することにより、第1の絶縁膜における配線同士の間に空隙部を形成する。これにより、ビアホールの形成時にリソグラフィによる合わせずれが発生したとしても、空隙部は第2の絶縁膜に覆われているため、空隙部にビアを構成する導電膜が侵入することがない。
【0039】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(d)において、空隙形成用溝部の下端部の位置が配線の下端部の位置よりも低くなるように空隙形成用溝部を形成することが好ましい。
【0040】
このようにすると、配線同士の間の電気力線がほぼ空隙部のみを通過するようになるので、配線間容量を低減できる。
【0041】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(h)において、第1の絶縁膜における空隙形成用溝の下側部分の誘電率を、第1の絶縁膜における配線の下側部分の誘電率よりも小さくすることが好ましい。
【0042】
このようにすると、配線間容量をさらに低減することができる。
【0043】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(d)において、複数の配線のうち隣り合う一の配線同士の間隔における第1の間隔部分と他の配線同士の第2の間隔部分とにおいて、第1の間隔を第2の間隔よりも大きくし、且つ、第1の間隔部分には空隙形成用溝部を形成せず、第2の間隔部分には空隙形成用溝部を形成することが好ましい。
【0044】
このようにすると、配線同士の間隔が相対的に大きい領域には、空隙部が形成されなくなるため、多層配線構造の機械的強度が低下することがない。
【0045】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(h)よりも後に、各配線及び第2の絶縁膜の上に、第3の絶縁膜を形成する工程(i)をさらに備えていることが好ましい。
【0046】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(i)において、第3の絶縁膜は、第1の絶縁膜又は第2の絶縁膜よりも密度が高くなるように形成することが好ましい。
【0047】
このようにすると、配線構造の機械的強度を高めることができる。
【0048】
これらの場合に、第3の絶縁膜はSiN膜、SiC膜又はSiCN膜であることが好ましい。
【0049】
本発明の半導体装置の製造方法は、工程(c)と工程(d)との間に、複数の配線の上に、各配線と接するようにキャップ膜を形成する工程(i)をさらに備えていることが好ましい。
【0050】
このようにすると、配線の上側から酸化性物質が配線に透過することを防止することができる。
【0051】
この場合に、キャップ膜は、Co、Mn、W、Ta若しくはRu、又はCo、Mn、W、Ta及びRuから選択された1種類以上の金属を含む合金、又はCo、Mn、W、Ta若しくはRuの酸化物、又はCuSiNからなり、キャップ膜は導電性を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0052】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、ビアの空隙部への侵入を防止し、配線間容量を低減することができる。また、多層配線構造の機械的強度が向上し、酸化性物質の配線内への拡散を抑制することができ、半導体装置の歩留まりを向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0053】
(一実施形態)
本発明の一実施形態について図1を参照しながら説明する。
【0054】
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の要部であって、多層配線構造の断面構成を示している。
【0055】
図1に示すように、半導体基板(図示せず)の上に、膜厚が200nmの例えばSiOCからなる第1の層間絶縁膜101が形成されている。第1の層間絶縁膜101には、第1の配線形成用溝101aの底面上及び壁面上にバリア膜103が形成され、該バリア膜103の内側に銅膜104が埋め込まれており、バリア膜103及び銅膜104から第1の配線105が形成されている。ここで、バリア膜103には、タンタル(Ta)及び窒化タンタル(TaN)をこの順に堆積した積層膜を用いている。
【0056】
第1の配線105同士の間には、空隙部(エアギャップ)112が形成されており、該空隙部112の下端部の幅及び上端部の幅は、第1の配線105同士の間隔と同程度であり、すなわち、空隙部112が設けられた第1の配線105同士の対向する側面は露出している。ここで、空隙部の高さは140nmとしている。
【0057】
空隙部112の上には、該空隙部112を塞ぐようにキャップ絶縁膜111が形成されている。キャップ絶縁膜は、例えばSiOCからなり、その膜厚は50nmである。
【0058】
第1の層間絶縁膜101の上には、第1の配線105及びキャップ絶縁膜111を含む全面にわたって、膜厚が60nmの例えばSiCNからなるライナ膜115が形成されている。
【0059】
ライナ膜115の上には、膜厚が200nmのSiOCからなる第2の層間絶縁膜116が形成されている。第2の層間絶縁膜116には、第1の配線105と同様に、バリア膜103及び銅膜104からなる第2の配線118が形成されている。第2の配線118には、第1の配線105と電気的に接続するビア118aが選択的に形成されている。ここで、本発明の特徴として、ビア118aは、ライナ膜115を貫通するものの、キャップ絶縁膜111は貫通していない。
【0060】
また、第1の層間絶縁膜101における第1の配線105の下側部分及び第2の層間絶縁膜116における第2の配線118の下側部分には、いずれも第1のダメージ層101Aが形成されている。ここで、第1のダメージ層101Aとは、第1の層間絶縁膜101及び第2の層間絶縁膜116を構成するSiOCよりも誘電率が高い絶縁層をいう。第1のダメージ層101Aは、例えば第1の層間絶縁膜101に第1の配線形成用溝101aを形成する際のドライエッチングにより形成される。
【0061】
これに対し、第1の層間絶縁膜101における空隙部112の下側部分及び第2の層間絶縁膜116における空隙部112の下側部分には、改質層101Cが形成されている。ここで、改質層101Cとは、誘電率が第1のダメージ層101A及び後述する第2のダメージ層101Bよりも低いか又は機械的強度が高い絶縁層をいう。
【0062】
なお、本実施形態に用いた各種の絶縁膜及び導電膜の材料、膜厚及び高さ寸法は上記に限定されない。
【0063】
本実施形態に係る半導体装置によると、例えば、第1の層間絶縁膜101に形成された複数の第1の配線105のうち、隣り合う配線同士の間に選択的に形成された空隙部112の上に配線105同士の間隔と同程度の幅を持つキャップ絶縁膜111が空隙部112を塞ぐように形成されている。このため、第2の配線118と接続されたビア118aを第1の配線105の上に形成する際に、アライメントずれが生じたとしても、ビア118aがその下の空隙部112に侵入することを防止できる。
【0064】
以下に、キャップ絶縁膜111の膜厚について詳しく述べる。
【0065】
各空隙部112を塞ぐキャップ絶縁膜111を形成することにより、ビア118aの空隙部112への侵入を防止するには、キャップ絶縁膜111には適当な膜厚が必要である。一方、キャップ絶縁膜111自体の誘電率が、空気と比較して高いことから、配線間の実効誘電率を下げるには、キャップ絶縁膜111の膜厚をできるだけ小さくする必要がある。このため、キャップ絶縁膜111の膜厚と実効誘電率との関係について検討する必要がある。
【0066】
本実施形態においては、第1の層間絶縁膜101として、比誘電率が3.0であるSiOC膜を200nmの厚さに堆積し、空隙部112を形成するために、SiOC膜が10nm残るまでエッチングしている。さらに、キャップ絶縁膜111として、比誘電率が3.0のSiOC膜を用い、その膜厚が50nmとなるように調整している。その結果、空隙部112の高さは140nmとなる。
【0067】
キャップ絶縁膜111を以上のような膜種及び膜厚の構成とすることにより、配線間の実効誘電率が1.6となる。但し、キャップ絶縁膜111の膜厚及び配線間の実効誘電率は、この値に限定されることはない。例えば、キャップ絶縁膜111の有効性と配線間誘電率の有効性とを考慮して適宜調節することが必要となる。
【0068】
下記に実効誘電率の算出方法を示す。
【0069】
実効誘電率 =
SiOC膜厚(10nm)/全膜厚(200nm)×SiOC比誘電率(3.0)
+空隙部高さ(140nm)/全膜厚(200nm)×空隙部比誘電率(1.0)
+SiOC膜厚(50nm)/全膜厚(200nm)×SiOC比誘電率(3.0)
ここでは、キャップ絶縁膜111として、SiOC膜を用いたが、これに限定されることはない。すなわち、犠牲膜の分解成分が通過することができる程度の多孔質を有する絶縁膜であればよい。
【0070】
また、本実施形態に係る半導体装置によると、空隙部112は、該空隙部112の下端部の位置がそれと隣り合う、例えば第1の配線105の下端部の位置よりも低くなるように形成されている。このため、空隙部の下端部の位置がそれと隣り合う配線の下端部の位置と同等かそれよりも高くなるようにしか空隙部が形成されていない、又は形成することができない上記の各従来例と比較して、配線間誘電率を十分に下げることができる。
【0071】
また、本実施形態に係る半導体装置によると、例えば、第1の層間絶縁膜101における空隙部112の下側部分(底部)に形成された改質層101Cの誘電率は、第1の配線105の下側部分に形成された第1のダメージ層101Aの誘電率よりも低い。このため、上記の各従来例と比較して、配線間誘電率を十分に下げることができる。
【0072】
また、本実施形態に係る半導体装置によると、配線同士の間隔が相対的に小さい領域にのみ空隙部112を形成する。すなわち、配線同士の間隔が相対的に大きい領域には、空隙部112を形成しない。より具体的には、空隙部112は、複数の配線のうち隣り合う配線同士の間隔における一の配線同士の第1の間隔と他の配線同士の第2の間隔において、第1の間隔が第2の間隔よりも大きく、且つ、第1の間隔には空隙部112が形成されておらず、第2の間隔には空隙部112が形成されていることを特徴とする。ここで、第1の間隔とは同一の配線層における最小配線間距離の3倍よりも長い長さを持つ間隔であり、第2の間隔とは同一の配線層における最小配線間距離と同等以上且つ3倍以下の長さを持つ間隔であることが好ましい。空隙部112の上部には、キャップ絶縁膜111が形成されているため、機械的強度が増す。その結果、最小配線間距離の3倍以下の長さであれば空隙部112を形成したとしても機械的に問題はない。但し、第1の間隔及び第2の間隔は、機械的強度が保たれるのであれば、この範囲に限定されることはない。以上から、空隙部を選択的に形成していないか、又は形成することができない各従来例と比較して、配線構造の機械的強度を上げることができる。
【0073】
また、本実施形態に係る半導体装置によると、ライナ膜115に多孔質膜を用いていない。すなわち、第1の層間絶縁膜101の材料に用いたSiOCと比べて密度が高いSiCNを用いている。なお、本実施形態においては、ライナ膜115にSiCNを用いたが、SiCNに限定されることはなく、例えば、SiC又はSiN等を用いてもよい。このように、ライナ膜115に多孔質膜を用いていないことから、ライナ膜115を形成した後に、酸化性物質により第1の配線105が酸化されることがない。ここで、第1の配線105及び第2の配線118のそれぞれの上部に各配線105、118と接触するように導電性のキャップ膜が形成されていてもよい。各配線105、118の上部に導電性のキャップ膜を設けることにより、該キャップ膜が形成されていない場合と比べて、各配線105、118が酸化性物質により、さらに酸化されにくくなる。
【0074】
なお、導電性のキャップ膜を各配線105、118の上部に形成する場合には、ライナ膜115に多孔質膜を用いてもよい。ライナ膜115に多孔質膜を用いることにより、配線間誘電率をさらに低減することができる。ここで、キャップ膜としては、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、タングステン(W)、タンタル(Ta)若しくはルテニウム(Ru)、又はCo、Mn、W、Ta及びRuから選択された1種類以上の金属を含む合金、又はCo、Mn、W、Ta若しくはRuの酸化物、又は銅添加窒化シリコン(CuSiN)からなり、該キャップ膜は導電性を有していることが好ましい。
【0075】
以下、前記のように構成された半導体装置の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0076】
図2(a)〜図2(e)及び図3(a)〜図3(d)は本発明の一実施形態に係る半導体装置の製造方法の要部の工程順の断面構成を示している。
【0077】
まず、図2(a)に示すように、例えば化学気相堆積(CVD)法により、複数の半導体素子が形成された、シリコン(Si)からなる半導体基板(図示せず)の上に、膜厚が200nmのSiOCからなる第1の層間絶縁膜101を堆積する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第1の層間絶縁膜101に、互いに間隔をおいた複数の第1の配線形成用溝101aを形成する。このとき、第1の層間絶縁膜101における各第1の配線形成用溝101aの底部には、ドライエッチングによって誘電率が相対的に高い、すなわち誘電率が少なくともSiOCよりも高い第1のダメージ層101Aが形成される。
【0078】
次に、図2(b)に示すように、スパッタ法及びめっき法により、第1の層間絶縁膜101の上に各第1の配線形成用溝101aを含む全面にわたって、タンタル(Ta)/窒化タンタル(TaN)からなるバリア膜103及び銅膜104を順次堆積する。その後、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing:CMP)法により、第1の層間絶縁膜101の上の各第1の配線形成用溝101aを除く領域に堆積された不要なバリア膜103及び銅膜104を除去することにより、各第1の配線形成用溝101aにバリア膜103と銅膜104とからなる第1の配線105をそれぞれ形成する。なお、本実施形態においては、バリア膜103にTa膜とTaN膜との積層膜を用いたが、Ta膜及びTaN膜のいずれか一方でも構わない。また、第1の配線形成用溝101aに埋め込む導電膜に銅(Cu)を用いたが、銅に限られず、銀(Ag)若しくはアルミニウム(Al)又はこれらの合金等を用いてもよい。
【0079】
次に、図2(c)に示すように、リソグラフィ法により、第1の層間絶縁膜101の上に複数の第1の配線105のうちの一部の配線間の第1の層間絶縁膜101を選択的に開口する開口パターンを有するレジストパターン106を形成する。
【0080】
次に、図2(d)に示すように、フッ化炭素(CF)系のガスを用いたドライエッチングにより、レジストパターン106をマスクとして、第1の層間絶縁膜101の一部を除去することにより、空隙形成用溝部107を形成する。このとき、空隙形成用溝部107における底面の基板面からの高さが第1の配線105の底面の基板面からの高さよりも低くなるようにドライエッチングの条件を設定する。なお、バリア膜103及び銅膜104は、フッ化物の蒸気圧が低いため、エッチングされずに残存する。また、本エッチングの副作用として、第1の層間絶縁膜101に含まれるSi−CH結合の一部がSi−OH結合に置換されるため、第1の層間絶縁膜101における空隙形成用溝部107の底面上及び壁面の下部上に、誘電率が相対的に高い、すなわち誘電率が少なくともSiOCよりも高い第2のダメージ層101Bが形成される。
【0081】
次に、図2(e)に示すように、第1の層間絶縁膜101の上に各第1の配線105及び空隙形成用溝部107を含む全面にわたって、ポリマーからなる犠牲膜109を塗布する。その後、CMP法により、第1の層間絶縁膜101の上の空隙形成用溝部107を除く領域に形成された犠牲膜109を除去することにより、空隙形成用溝部107に犠牲膜109を埋め込む。なお、犠牲膜109の好ましい特性(物性)及び好ましい材料については後述する。
【0082】
次に、図3(a)に示すように、ドライエッチング法により、犠牲膜109の上部を除去して、第1の層間絶縁膜101における各犠牲膜109の上にリセス部109aを形成する。
【0083】
次に、図3(b)に示すように、第1の層間絶縁膜101及び第1の配線105の上に、リセス部109aが埋まるように、SiOCからなり且つ多孔質であるキャップ絶縁膜111を50nmの膜厚だけ堆積する。続いて、第1の層間絶縁膜101及び第1の配線105の上に残存した不要なキャップ絶縁膜111をCMP法により除去する。
【0084】
次に、図3(c)に示すように、半導体基板を加熱して、空隙形成用溝部107に埋め込まれていた犠牲膜109を熱分解して、該犠牲膜109と隣接する第1の配線105同士の間に140nmの高さを有する空隙部112を形成する。犠牲膜109が熱分解される際に、各犠牲膜109の下側部分に形成されていた第2のダメージ層101Bに含まれるSi−OH結合の一部がSi−CH結合に置換される結果、第2のダメージ層101Bが改質層101Cに変化する。なお、第2のダメージ層101Bが改質層101Cに変化する現象については後に詳しく説明する。また、犠牲膜109の分解生成物の一部は、それぞれ多孔質性の第1の層間絶縁膜101及びキャップ絶縁膜111を拡散して外部に排出される。
【0085】
次に、第1の層間絶縁膜101の上にキャップ絶縁膜111及び第1の配線105を含む全面にわたって、例えばCVD法により、膜厚が60nmのSiCNからなるライナ膜115を形成する。その後、ライナ膜115の上に、膜厚が200nmのSiOCからなる第2の層間絶縁膜116を形成する。続いて、リソグラフィ法及びドライエッチング法により、第2の層間絶縁膜116に第1の配線105と接続するビアホール118aを形成する。
【0086】
その後は、図2(c)〜図2(e)及び図3(a)〜図3(c)を繰り返すことにより、図3(d)に示す2層の配線構造が形成され、さらに上記の工程を繰り返すことにより、多層配線構造が形成される。
【0087】
本実施形態においては、ビアホールを形成した後に、第2の配線形成用溝を形成し、形成した第2の配線形成用溝に導電膜を埋め込むことにより、ビア118a及び第2の配線118を形成する方法(デュアルダマシン法)を説明したが、これに代えて、ビアホールを形成した後に、導電膜を埋め込むことにより、まずビア118aを形成し、その後、配線形成用溝を形成して導電膜を埋め込むことにより第2の配線118を形成してもよい。また、配線形成用溝を形成した後にビアホールを形成し、導電膜を埋め込むことによりビア118a及び第2の配線118を同時に形成してもよい。
【0088】
なお、上述の半導体装置の製造方法に挙げたプロセス条件は一例であり、これに限定されない。
【0089】
例えば、図2(a)及び図2(d)に示したドライエッチング工程においては、ドライエッチングの条件を最適化することにより、各ダメージ層101A、101Bの形成を防止することができる場合がある。このような場合には、犠牲膜109の材料として[化1]又は[化2]に示すような官能基を有する架橋性ポリマーを用いる必要はない。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、さまざまな形態で実施することが可能である。
【0090】
以上説明したように、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、本実施形態の半導体装置と同様の効果を得られる上に、以下のような効果を得ることができる。
【0091】
まず、各第1の配線105の上面を覆うライナ膜115に多孔質膜を用いていない。このため、ライナ膜115を形成した後に、酸化性物質により第1の配線105が酸化されることがなくなる。ここで、前述したように、各配線105、118の上部に配線105、118と接触するように、導電性のキャップ膜を形成してもよい。導電性のキャップ膜を設けた場合には、該キャップ膜を設けない場合と比較して、各配線105、118の酸化性物質による酸化がさらに生じにくくなる。
【0092】
また、導電性のキャップ膜を設ける場合には、ライナ膜115に多孔質膜を用いてもよい。多孔質膜を用いることにより、配線間誘電率をさらに低減することができる。
【0093】
なお、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によると、ビアホールを形成する際に、キャップ絶縁膜111の上に成膜されるライナ膜115をビアホールが貫通する必要がある。しかし、その一方で、ビアホールがキャップ絶縁膜111を貫通することは避けなくてはいけない。従って、ライナ膜115の膜厚とキャップ絶縁膜111の膜厚との膜厚比を適当な値に制御する必要がある。本実施形態においては、キャップ絶縁膜111として、SiOC膜を50nmの膜厚で形成している。
【0094】
また、SiOCからなるキャップ絶縁膜111の上に成膜されるライナ膜115として、SiCN膜を60nmの膜厚で形成している。ここで、ビアホールをドライエッチングにより形成する際に、CF系のガス及びNガスを用いることによって、エッチング選択比をSiCN:SiOC=2:1とすることができる。すなわち、SiCN膜と比較して、SiOC膜が大きく除去されないように調整することができる。一方、ドライエッチングのオーバエッチ量は、キャップ絶縁膜111上に形成されるライナ膜115の膜厚の20%相当である。従って、本実施形態におけるビア118aを形成する際に、キャップ絶縁膜111は、12nmの2分の1である6nmだけ削り込まれるにすぎない。ここでは、キャップ絶縁膜111の膜厚は50nmであるため、ビアホールと空隙部112とが貫通することがない積層構造を形成することが可能である。
【0095】
また、キャップ絶縁膜111に用いたSiOC膜とライナ膜115に用いたSiCN膜とは、一般に密着性が良い。従って、キャップ絶縁膜111とライナ膜115との界面からの膜剥がれが発生することは極めて少ない。
【0096】
以下に、第1の絶縁膜101における犠牲膜109の下側部分すなわち、空隙部112の底部に形成されていた第2のダメージ層101Bを改質層101Cに変化させることの効果について説明する。既に述べたように、犠牲膜109の下側部分に形成されていた第2のダメージ層101Bは、SiOCに含まれるSi−CH結合の一部が、Si−OH結合に置換されている。従って、第2のダメージ層101Bは、SiOCとSiOとの中間的な性質を有しており、誘電率においてもSiOCよりも高くなっている。このため、空隙部112の底部に第2のダメージ層101Bを残したままにしておくと、配線間容量が増大するという問題が生じる。そこで、上記の例のように、第2のダメージ層101Bに含まれるSi−OH結合を再びSi−CH結合に置換し、SiOCに特性がより近い改質層101Cに変化させることによって、第1の配線105の配線間容量を低く抑えることが好ましい。
【0097】
次に、犠牲膜109に求められる特性及び好ましい材料について説明する。上記の説明から明らかなように、犠牲膜109に求められる特性は以下の2点である。第1に加熱により分解して空隙部112を形成することができ、第2に分解生成物が第2のダメージ層101Bを改質層101Cに変化させられることである。
【0098】
従って、犠牲膜109の材料には、[化1]又は[化2]に示す官能基を有する架橋性ポリマーを用いることが好ましい。なお、[化1]又は[化2]の一例として、ヘキサメチルジシラザン{(CHSi−NH−Si(CH}等がある。
【0099】
【化1】

【0100】
【化2】

【0101】
構造設計を適切に行った架橋性ポリマーは、300℃以上且つ400℃以下の温度で分解することが知られている。但し、熱分解温度はこの温度に限定されない。また、[化1]又は[化2]に示す官能基を付加すると、熱分解により[化3]又は[化4]に示す物質が発生する。
【0102】
【化3】

【0103】
【化4】

【0104】
これは、[化3]に示された構造を有する物質は、[化5]に示す反応によって、Si−OH基をSi−CH基に置換する作用があり、[化4]に示された構造を有する物質は、[化6]に示す反応によって、Si−OH基をSi−CH基に置換する作用があるためである。
【0105】
【化5】

【0106】
【化6】

【0107】
従って、犠牲膜109は、[化1]又は[化2]に示すような官能基を有する架橋性ポリマーを用いることが好ましい。但し、[化1]又は[化2]に示す官能基を有する架橋性ポリマーに限定されない。
【0108】
なお、[化5]及び[化6]の化学式に付した(s)は固相を表し、(g)は気相を表す。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法は、ビアの空隙部への侵入を防止し、配線間容量を低減することができる。その上、多層配線構造の機械的強度が向上し、酸化性物質の配線内への拡散を抑制することができ、特に多層配線構造を有する半導体装置及びその製造方法等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部を示す断面図である。
【図2】(a)〜(e)は本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明の一実施形態に係る半導体装置の要部の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図4】(a)〜(e)は第1の従来例に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図5】(a)〜(e)は第2の従来例に係る半導体装置の製造方法を示す工程順の断面図である。
【図6】第1の従来例における課題を説明する断面図である。
【図7】第1及び第2の従来例に共通する第1の課題を説明する断面図である。
【図8】第1及び第2の従来例に共通する第2の課題を説明する断面図である。
【図9】第1及び第2の従来例に共通する第3の課題を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0111】
101 第1の層間絶縁膜(第1の絶縁膜)
101a 第1の配線形成用溝
101A 第1のダメージ層
101B 第2のダメージ層
101C 改質層
103 バリア膜
104 銅膜
105 第1の配線
106 レジストパターン
107 空隙形成用溝部
109 犠牲膜
109a リセス部
111 キャップ絶縁膜(第2の絶縁膜)
112 空隙部(エアギャップ)
115 ライナ膜
116 第2の層間絶縁膜(第3の絶縁膜)
118 第2の配線
118a ビア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上に形成された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜に形成された複数の配線とを備え、
前記第1の絶縁膜における前記複数の配線の隣り合う配線同士の間には、空隙部が選択的に形成されており、
前記空隙部の上で且つ前記配線同士の間に形成された第2の絶縁膜をさらに備え、
前記空隙部における下端部の幅及び上端部の幅は、前記空隙部と隣接する配線同士の間隔と同一であり、
前記空隙部の下端部の位置は、前記空隙部と隣接する配線の下端部の位置よりも低いことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の絶縁膜における前記空隙部の下側部分の誘電率は、前記第1の絶縁膜における前記配線の下側部分の誘電率よりも低いことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数の配線のうち隣り合う一の配線同士の間隔における第1の間隔と他の配線同士の第2の間隔において前記第1の間隔が前記第2の間隔よりも大きく、且つ、前記空隙部は、前記第1の間隔部分には形成されておらず、前記第2の間隔部分には形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記各配線と前記第2の絶縁膜との上に形成された第3の絶縁膜をさらに備え、
前記第3の絶縁膜は、前記第1の絶縁膜又は第2の絶縁膜よりも密度が高いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第3の絶縁膜は、SiN膜、SiC膜又はSiCN膜であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記複数の配線の上に、前記各配線と接して形成されたキャップ膜をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記キャップ膜は、Co、Mn、W、Ta若しくはRu、又はCo、Mn、W、Ta及びRuから選択された1種類以上の金属を含む合金、又はCo、Mn、W、Ta若しくはRuの酸化物、又はCuSiNからなり、前記キャップ膜は導電性を有していることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
半導体基板の上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記第1の絶縁膜に複数の配線形成用溝部を形成する工程(b)と、
前記各配線形成用溝部に導電膜を埋め込むことにより、複数の配線を形成する工程(c)と、
前記第1の絶縁膜における前記配線同士の間に空隙形成用溝部を選択的に形成する工程(d)と、
前記空隙形成用溝部に犠牲膜を形成する工程(e)と、
前記犠牲膜の上部を除去することにより、前記犠牲膜の上部にリセス部を形成する工程(f)と、
前記リセス部に第2の絶縁膜を形成する工程(g)と、
前記工程(g)よりも後に、前記空隙形成用溝部から前記犠牲膜を除去することにより、前記第1の絶縁膜における前記配線同士の間に空隙部を形成する工程(h)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記工程(d)において、前記空隙形成用溝部の下端部の位置が前記配線の下端部の位置よりも低くなるように前記空隙形成用溝部を形成することを特徴とする請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記工程(h)において、前記第1の絶縁膜における前記空隙形成用溝の下側部分の誘電率を、前記第1の絶縁膜における前記配線の下側部分の誘電率よりも小さくすることを特徴とする請求項8又は9に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記工程(d)において、前記複数の配線のうち隣り合う一の配線同士の間隔における第1の間隔部分と他の配線同士の第2の間隔部分とにおいて前記第1の間隔を前記第2の間隔よりも大きくし、且つ、前記第1の間隔部分には前記空隙形成用溝部を形成せず、前記第2の間隔部分には前記空隙形成用溝部を形成することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記工程(h)よりも後に、前記各配線及び第2の絶縁膜の上に、第3の絶縁膜を形成する工程(i)をさらに備えていることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記工程(i)において、前記第3の絶縁膜は、前記第1の絶縁膜又は第2の絶縁膜よりも密度が高くなるように形成することを特徴とする請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記第3の絶縁膜は、SiN膜、SiC膜又はSiCN膜であることを特徴とする請求項12又は13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記工程(c)と前記工程(d)との間に、前記複数の配線の上に、前記各配線と接するようにキャップ膜を形成する工程(i)をさらに備えていることを特徴とする請求項8〜14のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記キャップ膜は、Co、Mn、W、Ta若しくはRu、又はCo、Mn、W、Ta及びRuから選択された1種類以上の金属を含む合金、又はCo、Mn、W、Ta若しくはRuの酸化物、又はCuSiNからなり、前記キャップ膜は導電性を有していることを特徴とする請求項15に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−194286(P2009−194286A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35685(P2008−35685)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】