説明

半導体装置

【課題】アンチヒューズ素子セットAFSETに含まれるデコーダ回路の数を抑制する。
【解決手段】アンチヒューズ素子セットAFSETのビット記憶回路BMは、プログラム電圧が印加されたときに絶縁状態から導通状態へ変化する2つのアンチヒューズ素子AFを含む。この2つのアンチヒューズ素子AFの論理状態により、1ビット分のデータを表現する。2つのアンチヒューズ素子AFは、1つのデコーダ回路160により一元的に制御される。データ記録に際しては、デコーダ回路160は2つのアンチヒューズ素子AFを同時にプログラム電圧ライン16a、16bと接続することにより、2つのアンチヒューズ素子AFを同時に絶縁破壊する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関し、特に、不揮発性記憶素子により不良アドレスなどを記憶する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体記憶装置においては、記憶容量の増加にともなって良好に動作しないメモリセル(以下、「不良セル」とよぶ)の数も増大している。そこで、半導体記憶装置には、「冗長セル」とよばれる予備のメモリセルがあらかじめ用意される。不良セルを冗長セルに置換することにより、不良セルのメモリアドレス(以下、「不良アドレス」とよぶ)を救済する。不良セルの検出および冗長セルへの置換は、半導体記憶装置の製造時においてウェハ状態で行われる。具体的には、ウェハ状態で行われる動作テストによって不良アドレスを検出し、これを半導体記憶装置に設けられるアドレス記憶回路に記録する。これにより、不良セルがアクセス先として指定されるときには冗長セルが実際のアクセス先となるため、不良アドレスが救済される。
【0003】
不良アドレスを記憶する素子としてヒューズ素子を用いることが多い。ヒューズ素子は、初期状態では電気的に導通状態であり、レーザビームの照射による経路遮断により非導通状態(絶縁状態)に変化する。ヒューズ素子の導通・非導通により1ビット分の情報を表現できる。したがって、複数のヒューズ素子それぞれに選択的にレーザビームを照射すれば、所望の不良アドレスを不揮発的に記憶させることができる。不良アドレスを記憶させることを「プログラミング」とよぶ。
【0004】
ヒューズ素子には、レーザービームの照射時にパッシベーション膜まで破壊されてしまうという課題がある。そこで、近年では、アンチヒューズ素子とよばれる不揮発性記憶素子を不良アドレス救済のために使用することもある。アンチヒューズ素子は、初期状態では電気的に非導通状態であり、高電圧印加による絶縁破壊により導通状態に変化する素子である。プログラミング前後における抵抗値の変化がヒューズ素子とは逆である。プログラミングに際してパッシベーション膜の破壊が生じないことから、製品の信頼性が高まる。
【0005】
しかし、アンチヒューズ素子は、時間経過にともなって導通状態から非導通状態に戻ってしまうことがあるため、記憶の安定性が課題である。そこで、1ビットあたり2個以上のアンチヒューズ素子を割り当て、少なくとも1つのアンチヒューズ素子が絶縁破壊されていれば、当該ビットがプログラミング状態であると判断することにより、記憶の安定性を高めるという方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0006】
図10は、1ビットあたり2個のアンチヒューズ素子が割り当てられた従来のアンチヒューズ記憶回路の一例を示す回路図である。同図に示すアンチヒューズ記憶回路150は、1ビット分のデータを記憶する回路である。アンチヒューズ記憶回路150は、アンチヒューズ素子AF、ドライバトランジスタDR、ロードトランジスタLDおよびデコーダ回路100をそれぞれ2つずつ含む。以下、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)をまとめていうときや、特にいずれかを特定しないときには単に「アンチヒューズ素子AF」とよぶ。他の要素についても同様である。
【0007】
アンチヒューズ素子AFは、ソース・ドレインが短絡接続されたPMOS(Positive channel Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであり、ゲート絶縁膜は非破壊の状態(以下、「第1論理状態」とよぶ)、または、破壊された状態(以下、「第2論理状態」とよぶ)のいずれかの状態にある。初期状態は第1論理状態である。
【0008】
アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のソース・ドレイン接続ノードは所定の電圧ラインVBBSVTと共通接続される。以下、電圧ラインVBBSVTの電位を「基準電位」とよぶ。アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のゲートは、ドライバトランジスタDR(A)、DR(B)を介して所定の電圧ラインVPPSVTと共通接続される。以下、電圧ラインVPPSVTの電位を「プログラム電位」とよぶ。
【0009】
ドライバトランジスタDR(A)、DR(B)のゲートには、デコーダ回路100A、100Bが接続される。デコーダ回路100A、100Bは、ロウアドレス信号XAが所定値を示している状態で記録信号AFWRTがアサートされると、それぞれドライバトランジスタDR(A)およびドライバトランジスタDR(B)をオンする。ドライバトランジスタDR(A)、DR(B)のオンにより、プログラム電圧VPPSVTがアンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)に印加され、ゲート絶縁膜の絶縁が破壊される。この結果、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)は、第1論理状態から第2論理状態に変化する。いうまでもなく、プログラム電圧VPPSVTは、アンチヒューズ素子AFの絶縁を破壊するのに十分な大きさの電圧である必要がある。
【0010】
ロード信号LOADがアサートされると、ロードトランジスタLD(A)、LD(B)が共に導通する。このとき、判定回路120はアンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のゲート電位を検出する。アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のいずれもが第1論理状態であるか、少なくとも一方が第2論理状態であるかにより検出電位は異なる。このように、アンチヒューズ記憶回路150は、二つのアンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)をワイヤードオアすることによって、1ビット分のデータを表現する。
【0011】
通常、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)の論理状態は一致する。しかし、ドライバトランジスタDR(A)、DR(B)の両方をオンしても、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のいずれか一方しか絶縁破壊に成功しない場合も生じ得る。この場合には、プログラム電圧を再印加すればよい。たとえば、アンチヒューズ素子AF(A)の絶縁破壊に成功したが、アンチヒューズ素子AF(B)の絶縁破壊には失敗したという状況を想定する。この場合には、デコーダ回路100AがドライバトランジスタDR(A)をオフにした状態で、デコーダ回路100BがドライバトランジスタDR(B)をオンすれば、絶縁破壊に失敗しているアンチヒューズ素子AF(B)だけにプログラム電圧を印加できる。二つのドライバトランジスタDR(A)、DR(B)を二つのデコーダ回路100A、100Bによって個別制御できるため、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)の両方を確実に絶縁破壊しやすい。
【0012】
図11は、1ビットあたり2個のアンチヒューズ素子を割り当てられた従来のアンチヒューズ記憶回路の別例を示す回路図である。アンチヒューズ記憶回路152では、デコーダ回路100だけでなく、判定回路120もアンチヒューズ素子AFごとに設けられる。判定回路120A、120Bの出力は、ORゲート122によって論理加算される。アンチヒューズ記憶回路152の場合、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のいずれもが第1論理状態であるか、少なくとも一方が第2論理状態であるかによりORゲート122の出力が変化する。基本的な動作原理は、図10のアンチヒューズ記憶回路150と同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2007−80302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、以上のアンチヒューズ記憶回路150、152は、いずれもアンチヒューズ素子AFごとにデコーダ回路100が割り当てられていることから、デコーダ回路100の占有面積が大きいという問題があった。このような問題は、アンチヒューズ素子AFを用いた半導体記憶装置のみならず、プログラム電圧の印加によって情報が記憶される不揮発性記憶素子を備える半導体装置全般において生じ得る。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る半導体装置は、複数の不揮発性記憶素子と、複数の不揮発性記憶素子にそれぞれ割り当てられた複数のプログラム電圧ラインと、対応する不揮発性記憶素子とプログラム電圧ラインとの間にそれぞれ接続された複数のドライバ回路と、アドレス信号が所定の値を示したことに応答して複数のドライバ回路を共通にオンさせることにより、複数の不揮発性記憶素子にプログラム電圧を印加するデコーダ回路とを備える。
【0016】
本発明は、また、少なくとも二つのヒューズ素子と、これらの内の少なくとも一方が第1の状態のときに第1の論理レベルを取り両方とも第2の状態のときは第2の論理レベルを取る信号を発生する読み出し回路とを有するヒューズ回路を備える半導体装置に関する。この半導体装置は、更に、選択情報に基づき二つのヒューズ素子を同時に選択する選択回路と、選択されたこれらヒューズ素子のそれぞれを前記第1の状態とすべくプログラミング電圧を印加するプログラム回路と、一方のヒューズ素子の前記第1の状態への変化に伴うプログラミング電圧変動が他方のヒューズ素子に伝達されることを抑制する抑制回路を備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の不揮発性記憶素子にそれぞれプログラム電圧ラインを割り当てていることから、これら複数の不揮発性記憶素子のいずれかが先にプログラム完了(例えば絶縁破壊)した場合であっても、残りの不揮発性記憶素子に引き続き十分なプログラム電圧が印加される。このため、1つのデコーダ回路に複数の不揮発性記憶素子を割り当てることが可能となる。必要なデコーダ回路数が削減されるため、チップ面積を縮小することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】半導体記憶装置の機能ブロック図である。
【図2】半導体記憶装置とVPPSVT生成回路との関係を示すシステム構成図である。
【図3】ロウ救済回路の回路構成を示すブロック図である。
【図4】アンチヒューズ素子セットの回路構成を示すブロック図である。
【図5】ビット記憶回路の回路図である。
【図6】アンチヒューズ素子セットの回路図である。
【図7】アンチヒューズ素子へプログラム電圧を供給する回路の第1構成例を示す図である。
【図8】アンチヒューズ素子へプログラム電圧を供給する回路の第2構成例を示す図である。
【図9】アンチヒューズ素子へプログラム電圧を供給する回路の第3構成例を示す図である。
【図10】一般的なアンチヒューズ記憶回路の一例を示す回路図である。
【図11】一般的なアンチヒューズ記憶回路の別例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は、半導体記憶装置10の機能ブロック図である。本実施形態による半導体記憶装置10はDDR(Double-Data-Rate)型のSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、外部端子として、クロック端子11a,11b、コマンド端子12a〜12e、アドレス端子13、データ入出力端子14、電源端子15a〜15cを備える。その他、データストローブ端子やリセット端子、キャリブレーション端子なども備えられているが、これらについては図示を省略してある。
【0021】
クロック端子11a,11bは、それぞれ外部クロック信号CK,/CKが供給される端子であり、供給された外部クロック信号CK,/CKは、クロック入力回路21に供給される。本明細書において先頭に「/」が付されている信号は、対応する信号の反転信号又はローアクティブな信号であることを意味する。したがって、外部クロック信号CK,/CKは互いに相補の信号である。クロック入力回路21は、外部クロック信号CK,/CKに基づいて内部クロックICLKを生成し、これを各ブロックに供給する。
【0022】
コマンド端子12a〜12eは、それぞれロウアドレスストローブ信号/RAS、カラムアドレスストローブ信号/CAS、ライトイネーブル信号/WE、チップセレクト信号/CS、及びオンダイターミネーション信号ODTが供給される端子である。これらのコマンド信号CMDは、コマンド入力回路31に供給される。コマンド入力回路31に供給されたこれらコマンド信号CMDは、コマンドデコーダ32に供給される。コマンドデコーダ32は、コマンド信号の保持、デコード及びカウントなどを行うことによって、各種内部コマンドICMDを生成する回路である。生成された内部コマンドICMDは、ロウ救済回路90、カラム救済回路92、モードレジスタ94等に供給される。
【0023】
アドレス端子13は、アドレス信号ADDが供給される端子であり、供給されたアドレス信号ADDは、アドレス入力回路41に供給される。アドレス入力回路41の出力は、アドレスラッチ回路42に供給される。アドレスラッチ回路42にラッチされたアドレス信号ADDのうち、ロウアドレスXAはロウ救済回路90とロウデコーダ61に供給され、カラムアドレスYAはカラム救済回路92とカラムデコーダ62に供給される。モードレジスタセットにエントリしている場合には、アドレス信号ADDはモードレジスタ94に供給され、これによってモードレジスタ94の内容が更新される。
【0024】
ロウデコーダ61は、アドレス信号ADDのうちロウアドレスXAに基づいて、メモリセルアレイ70に含まれるいずれかのワード線WLを選択する。メモリセルアレイ70内においては、複数のワード線WLと複数のビット線BLが交差しており、その交点にはメモリセルMCが配置されている(図1では、1本のワード線WL、1本のビット線BL及び1個のメモリセルMCのみを示している)。ビット線BLは、センス回路63内の対応するセンスアンプSAに接続されている。
【0025】
カラムデコーダ62は、アドレス信号ADDのうちカラムアドレスYAに基づいて、センス回路63に含まれるいずれかのセンスアンプSA、いいかえればデータアクセスの対象となるビット線BLを選択する。カラムデコーダ62によって選択されたセンスアンプSAは、データ入出力回路80に接続される。これにより、アクセス対象となるメモリセルMCはデータ入出力回路80を介して、データ入出力端子14と接続される。
【0026】
半導体記憶装置10は、更に、ロウ救済回路90とカラム救済回路92を含む。ロウ救済回路90は、入力されたロウアドレスXAが不良アドレスであるか否かを判定し、これが不良アドレスであればロウデコーダ61に含まれる冗長ロウデコーダ部68を活性化させる回路である。同様に、カラム救済回路92は、入力されたカラムアドレスYAが不良アドレスであるか否かを判定し、これが不良アドレスであればカラムデコーダ62に含まれる冗長カラムデコーダ部66を活性化させる回路である。
【0027】
ロウ救済回路90とカラム救済回路92は、電源端子15a、15b、15cとプログラム電圧ライン16a、16b、基準電圧ライン18を介して接続される。電源端子15aからは、プログラム電圧ライン16aを介してプログラム電圧VPPSVT(A)が供給される。電源端子15bからも、プログラム電圧ライン16bを介してプログラム電圧VPPSVT(B)が供給される。プログラム電圧VPPSVT(A)の大きさとプログラム電圧VPPSVT(B)の大きさは同一であってもよい。
【0028】
ロウ救済回路90とカラム救済回路92は、内部に多数のアンチヒューズ素子AFを含み、このアンチヒューズ素子AFの論理状態によって不良アドレスを記憶する。ロウ救済回路90については、図3に関連して後に詳述する。メモリセルアレイ70の一部は、冗長セルの集合である冗長セル部74である。
【0029】
アドレス信号ADDにより指定されたロウアドレスXAが不良アドレスのロウアドレスに該当するときには、ロウ救済回路90はXHIT信号をロウデコーダ61に入力する。このとき、ロウデコーダ61の冗長ロウデコーダ部68は、不良セルに対応するワード線WLではなく、冗長セルに対応するワード線WL、いいかえれば、冗長セル部74に所属するワード線WLを選択する。不良アドレスと冗長なワード線WLとはあらかじめ対応づけがなされている。
【0030】
カラム救済回路92についても基本的な仕組みは同様である。アドレス信号ADDにより指定されたカラムアドレスYAが不良アドレスのカラムアドレスに該当するときには、カラム救済回路92はYHIT信号をカラムデコーダ62に入力する。このとき、カラムデコーダ62の冗長カラムデコーダ部66は、不良セルに対応するセンスアンプSAではなく、冗長セルに対応するセンスアンプSA、すなわち、冗長センス回路部76に含まれるセンスアンプSAを選択する。これは、冗長セル部74に所属するビット線BLを選択することにほかならない。不良アドレスと冗長なセンスアンプSAもあらかじめ対応づけがなされている。このような仕組みにより、不良アドレスへのアクセスが発生しても、冗長セルへのアクセスに置き換わるため、不良セルが実際にアクセスされることはなくなる。
【0031】
モードレジスタ94は、半導体記憶装置10の動作モードが設定されるレジスタである。本実施形態においては、プログラミングに際しては、モードレジスタ94からロウ救済回路90、カラム救済回路92に記録信号AFWRTがアサートされる。このとき、ロウ救済回路90およびカラム救済回路92は、ロウアドレスXAおよびカラムアドレスYAにしたがって、各アンチヒューズ素子AFを選択的に絶縁破壊する。詳細については後述する。
【0032】
図2は、半導体記憶装置10とVPPSVT生成回路168の関係を示すシステム構成図である。先述のように、半導体記憶装置10にはプログラム電圧ライン16a、16bという2系統の電圧ラインから2種類のプログラム電圧VPPSVT(A)、VPPSVT(B)が供給される。VPPSVT生成回路168は、このプログラム電圧VPPSVTを発生させる電源回路である。VPPSVT生成回路168に接続されるプログラム電圧ライン16cは、分岐点Cにてプログラム電圧ライン16a、16bに分岐し、それぞれ半導体記憶装置10の電源端子15a、15bに接続される。また、プログラム電圧ライン16a、16bにはそれぞれ抵抗R(A)、R(B)が間挿される。抵抗R(A)の大きさと抵抗R(B)の大きさは同一であってもよい。
【0033】
抵抗R(A)、R(B)の組み合わせは、「抑制回路170」として機能する。電源端子15aの電位が急低下しても、抵抗R(A)が存在するため分岐点Cの電位が過度に低下することはない。このため、電源端子15aの電位が低下した場合の電源端子15bにおける電位低下を抑制できる。抑制回路170(抵抗R(A)、R(B))が存在することにより、電源端子15a、15bの一方の電位が他方の電位に及ぼす影響を抑制しやすくなる。
【0034】
以上が本実施形態による半導体装置10の全体構成である。以下、ロウ救済回路90を対象として説明するが、カラム救済回路92の構成および動作原理もロウ救済回路90と基本的に同等である。
【0035】
図3は、ロウ救済回路90の回路構成を示すブロック図である。ロウ救済回路90は、不良アドレスを記憶する複数のアンチヒューズ素子セットAFSETを含む。一つのアンチヒューズ素子セットAFSETにつき、一つの不良アドレス(ロウアドレス)を記憶する。アンチヒューズ素子セットAFSETは、不良アドレスを不揮発的・不可逆的に記憶する回路である。具体的なアンチヒューズ素子セットAFSETの数については製品によって異なるが、例えば1200セット程度設けられる。この場合には、ロウ救済回路90は、1200個の不良アドレスを記憶できることになる。
【0036】
ロウアドレスを供給している状態で記録信号AFWRTをアサートし、アンチヒューズ素子セットAFSET1を選択すると、このロウアドレスがアンチヒューズ素子セットAFSET1にプログラミングされる。プログラミングは、半導体記憶装置10の製造時に行われる。
【0037】
ロウアドレスを供給している状態で内部コマンドICMDの一種であるロード信号LOADをアサートすると、各アンチヒューズ素子セットAFSETはそのロウアドレスが登録済みのロウアドレス(不良アドレス)と一致するか判定する。たとえば、アンチヒューズ素子セットAFSET1でロウアドレスが一致したときには、アンチヒューズ素子セットAFSET1はXHIT1信号をアサートする。これにより、後段のロウデコーダ61は不良アドレスへのアクセスが発生していることを認識できる。
【0038】
図4は、アンチヒューズ素子セットAFSETの回路構成を示すブロック図である。アンチヒューズ素子セットAFSETは、複数のビット記憶回路BMとイネーブル回路ENを含む。ビット記憶回路BMとイネーブル回路ENは、複数のアンチヒューズ素子AFを含む回路である。一つのビット記憶回路BMにつき、1ビットを記憶する。ここでは、アンチヒューズ素子セットAFSET1つにつきm個(mは自然数)のビット記憶回路BMが含まれるとする。すなわち、ロウアドレスのビット数はmビット以下である。イネーブル回路ENは、アンチヒューズセットAFSETが有効か否かを示す回路であり、有効時にイネーブル信号Eを活性化する。
【0039】
ビット記憶回路BMは、アンチヒューズ記憶回路150、152に対応するが、一つのデコーダ回路160に複数のアンチヒューズ素子AFが割り当てられている点において相違する。デコーダ回路160には、記録信号AFWRTとロウアドレスXAが入力される。二つのドライバ回路162A、162Bは、一つのデコーダ回路160に共通接続される。ドライバ回路162Aには、プログラム電圧ライン16a、基準電圧ライン18を介して、プログラム電圧VPPSVT(A)と基準電圧VBBSVTが供給される。ドライバ回路162Bには、プログラム電圧ライン16b、基準電圧ライン18を介して、プログラム電圧VPPSVT(B)と基準電圧VBBSVTが供給される。
【0040】
ドライバ回路162A、162Bには、それぞれ、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)が接続される。アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)は、ロードトランジスタLD(A)、LD(B)を介して、第1判定回路164に共通接続される。コマンドデコーダ32からロード信号LOADが入力されると、ロードトランジスタLD(A)、LD(B)は共にオンとなり、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)と第1判定回路164が電気的に接続される。第1判定回路164には、ロウアドレスXAが入力される。第1判定回路164は、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)からの検出電位と、ロウアドレスXAの該当ビットを比較し、論理状態が一致すれば、BMHIT1信号をアサートする。
【0041】
各ビット記憶回路BMは、第2判定回路166に共通接続される。第2判定回路166は、すべてのビット記憶回路BMからのBMHIT信号がアサートされ、かつ、イネーブル信号Eが活性化している場合にXHIT1信号をアサートする。
【0042】
プログラミング方法を説明するため、ロウアドレスXA=「1011・・・」というmビットのビット列が指定された状態で、記録信号AFWRTがアサートされた状況を想定する。ここでは、アンチヒューズ素子セットAFSET1に記憶させるとする。アンチヒューズ素子セットAFSET1のビット記憶回路BM1〜BMmは、それぞれロウアドレスの1〜mビット目に対応する。
【0043】
ビット記憶回路BM1のデコーダ回路160は、1ビット目の「1(第2の論理状態)」を記憶させるため、ドライバ回路162A、162Bの両方を駆動し、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のゲート絶縁膜を破壊することにより、「1」を記録する。ビット記憶回路BM2のデコーダ回路160は、2ビット目が「0(第1の論理状態)」であるため、ドライバ回路162A、162Bを駆動しない。ビット記憶回路BM3、BM4はアンチヒューズ素子AFを絶縁破壊して「1」を記録する。こうして、アンチヒューズ素子セットAFSET1に含まれるm個のビット記憶回路BMに不良アドレスのロウアドレス部分が記録される。カラムアドレス部分については、カラム救済回路92のアンチヒューズ素子セットAFSETに記録される。
【0044】
ロウ救済回路90に含まれるアンチヒューズ素子セットAFSETは、1つの不良ロウアドレスに対応する。ロウデコーダ61の冗長ロウデコーダ部68は、アンチヒューズ素子セットAFSETごとに冗長なワード線WLを対応づけている。
【0045】
次に、不良アドレスへのアクセスが発生したときの処理方法について説明するため、上記のロウアドレスXA=「1011・・・」を含むアドレス信号ADDがアクセス先として指定された状況を想定する。アクセス時にはロード信号LOADがアサートされる。ロウ救済回路90の全アンチヒューズ素子セットAFSETは、指定されたロウアドレスXAを記憶しているかチェックする。アンチヒューズ素子セットAFSET1のビット記憶回路BM1の第1判定回路164は、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のいずれも第1論理状態(初期の絶縁状態)であれば「0」、少なくとも一方が第2論理状態(導通状態)であれば「1」を検出する。第1判定回路164は、ロウアドレス信号XAの1ビット目と検出値が一致すれば、BMHIT1信号をアサートする。BMHIT1〜mがすべてアサートされたとき、すなわち、アンチヒューズ素子セットAFSET1に記録されているロウアドレスと入力されたロウアドレスXAが完全に一致するとき、第2判定回路166はXHIT1信号をアサートする。これにより、ロウデコーダ61の冗長ロウデコーダ部68は、アンチヒューズ素子セットAFSET1に対応づけられている冗長なワード線WLを活性化させる。
【0046】
図5は、ビット記憶回路BM1の回路図である。本実施形態におけるビット記憶回路BM1は、図10や図11に関連して説明したアンチヒューズ記憶回路150、152と異なり、複数のアンチヒューズ素子AFに対して一つのデコーダ回路160を割り当てるため、デコーダ回路160の総数が抑制されている。デコーダ回路160の構成自体は特許文献1等に示されるように既知の構成でよい。デコーダ回路160は、記録信号AFWRTとロウアドレスXAの対応するビットXA1が入力されるとき、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)の「絶縁破壊」の要否を判定する。絶縁破壊する場合には、デコーダ回路160はドライバトランジスタDR(A)、DR(B)を同時にオンする。ドライバトランジスタDR(A)、DR(B)のオンにより、電源端子15a、15bから供給されるプログラム電圧VPPSVT(A)、VPPSVT(B)によってアンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)のゲート絶縁膜が破壊される。アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)は、第1論理状態「0」から第2論理状態「1」に変化する。このように、一つのデコーダ回路160が複数のアンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)を一元的に制御するため、プログラミングが高速化される。
【0047】
アンチヒューズ記憶回路150、152と異なり、アンチヒューズ素子AF(A)のプログラム電圧ライン16aとアンチヒューズ素子AF(B)用のプログラム電圧ライン16bは分離されている。このため、仮に、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)の一方の絶縁破壊に失敗しても絶縁破壊を再試行できる。たとえば、アンチヒューズ素子AF(A)の絶縁破壊に成功したが、アンチヒューズ素子AF(B)の絶縁破壊には失敗したとする。この場合には、デコーダ回路100AはドライバトランジスタDR(A)、DR(B)を再度オンする。アンチヒューズ素子AF(A)はすでに導通状態にあるが、プログラム電圧ライン16bはプログラム電圧ライン16aとは別系統であるため、アンチヒューズ素子AF(A)の状態による影響を受けない。いいかえれば、プログラム電圧VPPSVT(B)は、プログラム電圧ライン16aの影響を受けない。したがって、2回目のオンであっても、アンチヒューズ素子AF(B)を絶縁破壊するのに十分なプログラム電位VPPSVT(B)を供給できる。本実施形態においては、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)は基準電圧ライン18を共有しているが、プログラム電圧ライン16a、16bと同様、アンチヒューズ素子AFごとに基準電圧VBBSVT用の電圧ラインを分離してもよい。
【0048】
第1判定回路164は図10や図11の判定回路120に対応し、既知の回路として構成されればよい。
【0049】
図6は、アンチヒューズ素子セットAFSETの回路図である。このように、各ビット記憶回路BMに含まれる2つのアンチヒューズ素子AFのうち、アンチヒューズ素子AF(A)にプログラム電圧VPPSVT(A)を供給するプログラム電圧ライン16aは共通化されている。アンチヒューズ素子AF(B)についても同様である。ビットを選択してプログラミングを実行する「選択回路」としてのデコーダ回路160は、上述のように、ビット記憶回路BMごとに独立に設けられる。一方、図2に関連して説明した抑制回路170は、各ビット記憶回路BMに対して共通に機能する回路である。
【0050】
アンチヒューズ素子AFへプログラム電圧VPPSVTを供給するための回路構成としては図2に示した構成のほかにもさまざまな構成が考えられる。図7〜図9に関連して、3種類の構成例を示す。
【0051】
図7は、アンチヒューズ素子AFへプログラム電圧を供給する回路の第1構成例を示す図である。図6では単一のプログラム電圧ライン16cを、半導体記憶装置10の内部において、たとえば、ビット記憶回路BM内において、プログラム電圧ライン16a、16cに分岐させている。プログラム電圧ライン16a、16bにはそれぞれ抵抗R(A)、R(B)が間挿される。この場合には、抵抗R(A)、R(B)の組み合わせが「抑制回路」となる。第1構成例の場合には、電源端子15aと電源端子15bを共通化できる。抵抗Rはタングステン抵抗やトランジスタ抵抗などの既知の抵抗であればよい。
【0052】
図7の回路構成においても、アンチヒューズ素子AF(A)、AF(B)の一方の絶縁破壊に失敗しても絶縁破壊を再試行できる。たとえば、アンチヒューズ素子AF(A)の絶縁破壊に成功したが、アンチヒューズ素子AF(B)の絶縁破壊に失敗したとする。この場合には、デコーダ回路100AはドライバトランジスタDR(A)、DR(B)を再度オンする。アンチヒューズ素子AF(A)はすでに導通状態にあるが、抵抗R(A)が存在するため、プログラム電圧ライン16cと基準電圧ライン18が短絡状態になることはない。このため、アンチヒューズ素子AF(A)が導通した後でも、アンチヒューズ素子AF(B)を絶縁破壊するのに十分なプログラム電圧を供給できる。
【0053】
図8は、アンチヒューズ素子AFへプログラム電圧を供給する回路の第2構成例を示す図である。図8では、外部電圧ライン20をVPPSVT生成回路168を介して、プログラム電圧ライン16a、16bに分岐させている。プログラム電圧ライン16a、16bにはそれぞれ抵抗R(A)、R(B)が間挿される。この場合には、電源端子15aと電源端子15bは不要となる。VPPSVT生成回路168は、外部電圧VDDを昇圧してプログラム電圧VPPSVTを生成する回路である。ドライバトランジスタDRとアンチヒューズ素子AFには、キャパシタCを含むバイパス経路が設けられる。図7の回路構成の場合にも、抵抗R(A)、R(B)が存在するため、VPPSVT生成回路168が基準電圧ライン18と短絡されることはない。VPPSVT生成回路168自体は、既知の昇圧回路等の応用により構成されてもよいし、独自の電源であってもよい。
【0054】
図9は、アンチヒューズ素子AFへプログラム電圧を供給する回路の第3構成例を示す図である。図9においても、外部電圧ライン20を、プログラム電圧ライン16a、16bに分岐させている。ただし、図9においては、プログラム電圧ライン16a、16bのそれぞれにVPPSVT生成回路168(A)、168(B)が間挿される。また、プログラム電圧ライン16a、16bにおいて、VPPSVT生成回路168(A)、168(B)とドライバトランジスタDR(A)、DR(B)の間には、抵抗R(A)、R(B)が間挿される。図7と同じく、ドライバトランジスタDRとアンチヒューズ素子AFは、キャパシタCを含むバイパス経路を設けてもよい。
【0055】
以上、アンチヒューズ素子セットAFSETの回路構成を中心として半導体記憶装置10を説明した。本実施形態に示す半導体記憶装置10によれば、アンチヒューズ素子セットAFSETに含まれるデコーダ回路160の数を半減させることができる。図10や図11に関連して説明した回路構成と比べると、アンチヒューズ素子AFの増加にともなうデコーダ回路160の増加が抑制されるため、半導体記憶装置10の回路規模を抑制しやすくなる。一つのデコーダ回路160で2以上のドライバトランジスタDRを同時にオンするため、プログラミングをいっそう高速化できる。
【0056】
プログラム電圧ライン16をアンチヒューズ素子AFごとに分離すれば、1つのビット記憶回路BMにつき複数回の絶縁破壊を試行できるため、アンチヒューズ素子AFを確実に絶縁破壊しやすくなる。
【0057】
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【0058】
たとえば、1ビット分のデータを表現するためのビット記憶回路BMは、2つのアンチヒューズ素子AFを含むとして説明したが、3つ以上のアンチヒューズ素子AFにより1ビット分のデータを表現してもよい。また、一つのビット記憶回路BMが2以上のデコーダ回路160を含んでもよい。たとえば、4個のアンチヒューズ素子AFを含むビット記憶回路BMでは、2個のアンチヒューズ素子AFにつき1個のデコーダ回路160を割り当てるとしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、本発明をDRAMに適用した場合を例に説明したが、本発明の適用対象がこれに限定されるものではなく、SRAMやフラッシュメモリなどの他の半導体記憶装置に適用することも可能であり、さらに、MPUやDSP(Digital Signal Processer)などのロジック系の半導体装置に適用することも可能である。
【0060】
本実施形態においては、ビット記憶回路BMはアンチヒューズ素子により情報を記憶するとして説明したが、ヒューズ素子により情報を記憶してもよい。アンチヒューズ素子は、絶縁状態からプログラミングにより導通状態に変化する素子であるが、ヒューズ素子の場合には、導通状態からプログラミングにより絶縁状態に変化する。導通状態から絶縁状態に変化するか絶縁状態から導通状態に変化するかは発明の本質に関わるものではない。少なくとも、プログラミングの結果として電気的特性を恒久的に変化させ得る素子であれば、本発明を応用可能であることは当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0061】
10 半導体記憶装置
11 クロック端子
12 コマンド端子
13 アドレス端子
15 電源端子
16 プログラム電圧ライン
18 基準電圧ライン
20 外部電圧ライン
21 クロック入力回路
31 コマンド入力回路
32 コマンドデコーダ
41 アドレス入力回路
42 アドレスラッチ回路
61 ロウデコーダ
62 カラムデコーダ
63 センス回路
66 冗長カラムデコーダ部
68 冗長ロウデコーダ部
70 メモリセルアレイ
74 冗長セル部
76 冗長センス回路部
80 データ入出力回路
90 ロウ救済回路
92 カラム救済回路
94 モードレジスタ
100 デコーダ回路
120 判定回路
122 ORゲート
150、152 アンチヒューズ記憶回路
160 デコーダ回路
162 ドライバ回路
164 第1判定回路
166 第2判定回路
168 VPPSVT生成回路
AF アンチヒューズ素子
AFSET アンチヒューズ素子セット
DR ドライバトランジスタ
LD ロードトランジスタ
LOAD ロード信号
AFWRT 記録信号
XA ロウアドレス
YA カラムアドレス
BM ビット記憶回路
VPPSVT プログラム電圧
VBBSVT 基準電圧
VDD 外部電圧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の不揮発性記憶素子と、
前記複数の不揮発性記憶素子にそれぞれ割り当てられた複数のプログラム電圧ラインと、
対応する前記不揮発性記憶素子と前記プログラム電圧ラインとの間にそれぞれ接続された複数のドライバ回路と、
アドレス信号が所定の値を示したことに応答して前記複数のドライバ回路を共通にオンさせることにより、前記複数の不揮発性記憶素子にプログラム電圧を印加するデコーダ回路と、を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記複数のプログラム電圧ラインにそれぞれ前記プログラム電圧を供給する複数の外部端子を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記複数のプログラム電圧ラインに前記プログラム電圧を供給する少なくとも一つの電圧供給ノードと、
前記複数のプログラム電圧ラインと前記電圧供給ノードとの間にそれぞれ接続された複数の抵抗体と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電圧供給ノードが外部端子であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記プログラム電圧を生成するプログラム電圧生成回路を更に備え、
前記電圧供給ノードが前記プログラム電圧生成回路の出力端であることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記プログラム電圧生成回路が前記複数のプログラム電圧ラインごとに設けられていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の不揮発性記憶素子にプログラムされた情報を読み出す判定回路をさらに備え、
前記判定回路は、前記複数の不揮発性記憶素子にプログラムされた情報が全て第1の論理状態である場合と、前記複数の不揮発性記憶素子プログラムされた情報の少なくとも一つが第2の論理状態である場合とで、異なる判定結果を出力することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の論理状態は、前記不揮発性記憶素子に前記プログラム電圧を印加した場合にプログラムされる情報であり、
前記第2の論理状態は、前記不揮発性記憶素子に前記プログラム電圧を印加しなかった場合にプログラムされる情報であることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記不揮発性記憶素子は、プログラムされた情報を不可逆的に記憶することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記不揮発性記憶素子は、アンチヒューズ素子であることを特徴とする請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
少なくとも二つのヒューズ素子と、これらのうちの少なくとも一方が第1の状態のときに第1の論理レベルを取り両方とも第2の状態のときは第2の論理レベルを取る信号を発生する読み出し回路とを有するヒューズ回路を備える半導体装置において、選択情報に基づき前記二つのヒューズ素子を同時に選択する選択回路と、選択されたこれらヒューズ素子のそれぞれを前記第1の状態とすべくプログラミング電圧を印加するプログラム回路と、一方のヒューズ素子の前記第1の状態への変化に伴うプログラミング電圧変動が他方のヒューズ素子に伝達されることを抑制する抑制回路と、を更に有することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
前記抑制回路は、前記プログラミング電圧が印加されるノードと一方のヒューズとの間に挿入された第1の抵抗性素子と、前記ノードと他方のヒューズとの間に挿入された第2の抵抗性素子とを含む請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
前記少なくとも二つのヒューズ素子は、それぞれアンチヒューズ素子である請求項11又は12記載の半導体装置。
【請求項14】
前記ヒューズ回路は複数セット設けてあり、各セットにおける一方のヒューズ素子へのプログラミング電圧は第1の共通電圧線を介して供給され、各セットにおける他方のヒューズ素子へのプログラミング電圧は第2の共通電圧線を介して供給され、前記抑制回路は、前記複数のセットに対して共通して設けられ、前記選択回路は前記複数のセットに対して独立に設けられている請求項11記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−60359(P2011−60359A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207185(P2009−207185)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】