説明

単結晶、マイクロエレクトロニクス・デバイス構造、ウエハおよび製品

【課題】マイクロエレクトロニクス・デバイス構造の組み立てのために用い得るブールの提供。
【解決手段】相応する天然III−V族窒化物シード結晶上で、気相エピタクシーによって、1時間に20μmを上回る成長速度で、III−V族窒化物材料を成長させることにより、III−V族窒化物ブールを形成する。形成されるブールは、マイクロエレクトロニクス・デバイス品質を含み、例えば、1cmより大きい断面寸法、1mmを超える長さ、および1cm2あたり107未満欠陥の上面欠陥密度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明における政府の権利
本発明はBMDO契約書#DNA001−95−C−0155、DARPA契約書#DAAL01−96−C−0049及びDARPA契約書#DAAL01−98−C−0071の遂行のために行われた。政府は本発明に特定の権利を所有する。
発明の背景
発明の分野
本発明はIII−V族窒化物基板ブール、並びにその製造方法及び使用方法、さらにはかかるブールから誘導されるウエハー、かかるウエハー上及び/又はウエハー中に製造されるマイクロエレクトロニクス・デバイスとデバイス前駆体構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
現在、窒化物エピタキシャル層の堆積のための高品質のIII−V族窒化物基板が不足していることが、短波長光電子デバイス、高出力高周波電子デバイスの性能を制限し、必要とされ要望される開発を遅らせている。
【0003】
例えば、サファイアのような異種の基板上に窒化物エピタキシャル層をエピタキシャル成長させる現在のアプローチは、次の理由から究極の材料特性及びデバイスの機能性に対して好ましくない。(1)デバイス層と基板間の格子不整合はデバイスに高密度の性能−劣化欠陥を引き起こす。(2)デバイス層と基板間の熱膨張係数の不整合はデバイス層に亀裂と歪−緩和欠陥を生じさせる。(3)電気的絶縁基板は、デバイスを通過して電流が流れるのを防止できる横方向デバイスの幾何学的配置を要求する。(この問題は減少してはいるが、デバイス層と基板材間に依然として電圧障壁があるSiCのような導電性基板の上に成長したデバイスでは排除できない)。(4)p−型デバイス層へ大面積の電気的接触は強制される基板の横方向デバイスの幾何学的配置に起因してもっと困難である。(5)デバイスからの熱放散はサファイアのような熱的に基板を絶縁する低い熱伝導率により制限される。(6)異種基板の電気的特性は特定のデバイス用途に対して簡単には修正不可能である。例えば逆位相の発行ダイオード(LED)あるいはレーザーダイオード(LD)用p−型基板、または電子デバイス用半絶縁基板など。(7)異種基板上の(Al,Ga,In)Nのへき開はエピタキシャル膜と異種基板間に対応するへき開面が無いことより複雑化する。(8) エピタキシャル膜またはデバイス層のc−面以外の結晶方位は簡単には達成されない。その結果、代わりの方位に対する改善材料及び/又はデバイス特性のいずれも実現できない。
【0004】
従来のバルク成長技術により天然の窒化物基板ブールを製造するための努力は、III−V族窒化物の幾つかの基本的特性によって妨害された。まず一番に、中庸温度において、これらの化合物以上に窒素の平衡蒸気圧は極端に高い。III−V族窒化物はそれらの溶融温度未満で分解を開始し、従来のバルク成長技術を極めて難しくする。くわえて、III−V族窒化物は酸、塩基、無機化合物の中で低い溶解度を持つ。これらの材料特性の組み合わせが、III−V族窒化物基板を製造するのを困難にしていた。
【0005】
それでもなお、III−V族窒化物材料のバルク成長は昇華と溶液成長技術を通じて、試みられてきた。(例えば、参照G.A.SlackとT.F.McNelly,J.Cryst. Growth,34,263(1974);J.O.Huml,G.S.Layne,米国特許第3,607,014号;P.Chen,最終報告書,契約書NASW−4981,(1995);及びP.M.Dryburgh,結晶成長に関する第9回国際会議,ICCG−9(1989)),さらに蒸着/反応技術(参照J.PastrnakとL.Roskovcova,Phys.Stat.Sol.,7,331,(1964)).SlackとMcNelly(G.A.SlackとT.F.McNelly,J.Cryst. Growth,34,263(1974))小型のAlN結晶(3mm直径、10mm長)を製造するために温度2250℃で昇華技術を使用した。Rojo,etal.,材料研究協会、1999年12月(「単結晶アルミニウム窒化物基板の合成と特性」)は、直径1cmのアルミニウム窒化物ブールの製造と、OMVPEによるAlNとAlGaNエピタキシャル層の堆積のために、自動的に円滑な表面を達成するため化学機械研磨を使用してa−面とc−面の単結晶AlN基板の準備を報告している。Ivantsov,et al、Materials Research Society, 1999年12月(シード技術による溶融−溶液から成長したGaN 20mm直径インゴット)は、GaNホモエピタキシの基板を提供するために、4.5cm3の容積を持つ溶融溶液からシード技術により温度900−1000℃、圧力2気圧未満、毎時成長速度2mmの条件で成長したGaNインゴットの生成を記述している。米国特許第5,770,887号(Tadatomo)は、5−250secのXRD FWHMを持ち、単一ウエハーのエッチ分離を可能とするため、酸化膜バッファ層上に少なくとも80ミクロンの厚さを持つ窒化物単結晶材料の生成を開示しているが、結果となるウエハー基板は、効果的に分離させるために酸化膜バッファ層を介して横方向にエッチングすることが要求されるため制限領域を持つことになる。
【0006】
バルクGaN材の大きさは、上昇した温度におけるGaN材の熱的不安定性により同様に制限し、Ga溶解生成物中の窒素の溶解度を制限した。GaNへの高い平衡窒素圧は極端に高い圧力の装置なしに成長させられることを防止している。(以下を参照J.Karpinski,J.Jum and S.Porowski,J.Cryst. Growth,66(1984)).Ga中のNの低溶解度,即ち950℃で、10-5モル成功するGaNの溶解成長を妨害する(W.A.Tiller et al.,最終報告書,「バルクGaN単結晶の成長に関する実行可能な研究」,Stanford U.,July (1980)).経済的に好ましくない高圧(2x104atm.)に依存した溶液成長技術で非常に小さい結晶、成長速度20μm/時で、70mm2未満しかできなかった。
【0007】
従来技術で製造されるバルクGaN材の電気的特性もまた、この材料中の高いバックグランド・キャリア濃度により制限される。意図的ではなくドープされ、高い圧力の溶液技術により成長したGaN膜の電子の濃度は、1E19cm-3以上であり(S.Porowski J.Cryst. Growth,189/190(1998)153)、また特定のデバイスの用途にこの材料の制御可能なドーピングを防止する。
【0008】
大きな、高特性の(Al,Ga,In)Nシステム用のシード結晶の不足が、上記のようにシード無しの成長技術開発へ導いた。シードGaN成長に関する多くの仕事が、共通してサファイアについて行われ、(例えば、D.Elwell and M.Elwell,Prog. Cryst. Growth and Charact.,17,53(1988))又はSiC(C. Wetzel,D. Volm,B.K.Meyer,et al.,Appl. Phys. Lett.,65,1033(1994);そして窒化物シードの入手不可能による。 C. M.Balkas,Z. Sitar,T. Zheleva, et al.,Mat.Res.Soc.Proc.,449,41(1997))異種基板上の窒化物のヘテロエピタキシに対して発生する格子とTCEの不整合に関連した同じ問題が、また、異種シードへのバルク成長に対しても発生する。バルク成長の期間と室温へクールダウンする際の窒化物の亀裂は、異種シードの有用性を排除する。サンドイッチ昇華技術により製造されたGaN結晶に対して、300μm/hrの成長速度が報告されている(C.Wetzel,D.Volm,B.K.Meyer,et al.,Appl.Phys.Lett.,65,1033(1994))。しかしながら、製造されたトータルのGaN厚はわずか60μmだったが、これは非窒化物シードが使用されたためであり、結果として、かなりの亀裂が生じた。
【0009】
最近、GaN材の単一のウエハーが異種基板上に厚いGaN膜を成長させることにより製造された。異種基板は成長後、加熱して除去した(M.K.Kelly,O.Ambacher,R.Dimitrov,H.Angerer,R.Handschuh,とM.Stutzmann,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.482(1998)973),基板と間層材料のケミカルエッチング(ウエット/ドライエッチング)(T.Detchprohm,K.Hiramatsu,H.Amano,及びI.Akasaki,Appl.Phys.Lett.61(1992)2688;とY.Melnik,A.Nikolaev,I.Nikitina,K.Vassilevski,V.Dimitriev,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.482(1998)269)、又は犠牲的基板または中間層の物理的研磨(S.Nakamura,M.Senoh,S.Nagahama,N.Iwasa,T.Yamada,T.Matsushita,H.Kiyoku,Y.Sugimoto,T.Kozaki,H.Umemoto,M.Sano,及びK.Chocho,Jpn.J.Appl.Phys.37,L309(1998))。ウエハー製造において労働力をかなり要するプロセスのコストは用途を狭める。
従って、マイクロエレクトロニクス・デバイス製造のために改良されたIII−V族窒化物基板を提供することは、本技術分野において大きな前進となるだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第3,607,014号公報
【特許文献2】米国特許第5,770,887号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】G.A.SlackとT.F.McNelly,J.Cryst.,Growth,34,263(1974)
【非特許文献2】P.Chen,最終報告書,契約書NASW−4981,(1995)
【非特許文献3】P.M.Dryburgh,結晶成長に関する第9回国際会議,ICCG−9(1989))
【非特許文献4】J.PastrnakとL.Roskovcova,Phys.Stat.Sol.,7,331,(1964)).
【非特許文献5】Rojo,etal.,材料研究協会、1999年12月(「単結晶アルミニウム窒化物基板の合成と特性」)
【非特許文献6】Ivantsov,et al、Materials Research Society,1999年12月(シード技術による溶融−溶液から成長したGaN 20mm直径インゴット)
【非特許文献7】J.Karpinski,J.Jum and S.Porowski,J.Cryst.Growth,66(1984)
【非特許文献8】W.A.Tiller et al.,最終報告書,「バルクGaN単結晶の成長に関する実行可能な研究」,Stanford U.,July(1980)
【非特許文献9】S.Porowski,J.Cryst.Growth,189/190(1998)153)
【非特許文献10】D.Elwell and M.Elwell,Prog.Cryst.Growth and Charact.,17,53(1988)
【非特許文献11】C.Wetzel,D.Volm,B.K.Meyer,et al.,Appl.Phys.Lett.,65,1033(1994)
【非特許文献12】C.M.Balkas,Z.Sitar,T.Zheleva,et al.,Mat.Res.Soc.Proc.,449,41(1997)
【非特許文献13】M.K.Kelly,O.Ambacher,R.Dimitrov,H.Angerer,R.Handschuh,とM.Stutzmann,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.482(1998)973
【非特許文献14】T.Detchprohm,K.Hiramatsu,H.Amano,及びI.Akasaki,Appl.Phys.Lett.61(1992)2688
【非特許文献15】Y.Melnik,A.Nikolaev,I.Nikitina,K.Vassilevski,V.Dimitriev,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.482(1998)269)
【非特許文献16】S.Nakamura,M.Senoh,S.Nagahama,N.Iwasa,T.Yamada,T.Matsushita,H.Kiyoku,Y.Sugimoto,T.Kozaki,H.Umemoto,M.Sano,及びK.Chocho,Jpn.J.Appl.Phys.37,L309(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来技術の問題点および限界を、天然窒化物シードでIII−V族窒化物ブール(インゴット)の気相成長により克服する。
本明細書に用いる用語「III−V族窒化物」は、窒素含有のIII−V族化合物系半導体材料をいう。
【0013】
本発明のブールは、例えば、ソーイング、スライシングまたは別の分割技法によって、マイクロエレクトロニクス・デバイスまたはそのマイクロエレクトロニクス・デバイス前駆体構造の組み立てを収容するのに十分大きいへウエハー基板断面に分割可能にする寸法性を有する。ブール材料は、かかるデバイス又はデバイス前駆体構造組立体、つまりデバイスの結晶性に適する結晶度を有する。
【0014】
一の実施態様において、本発明は、直径1cm、長さ1mmをそれぞれ上回り、実質的に無亀裂で、1cm2あたり107未満欠陥の上面欠陥密度を有する天然シード結晶成長したIII−V族窒化物ブールに関する。
【0015】
前記ブールの直径または断面寸法が2.5cmを上回るのがより好ましく、幅寸法が7.5cmを上回るのがさらに好ましい;つまり、長さ(成長方向に沿ったブールの厚み)が、0.5cmを上回るのがさらに好ましく、1cmを上回るのが最も好ましい。前記ブールの結晶品質は、通常、600秒未満、より好ましくは、250秒未満の全幅半極大値のダブル結晶X線ロッキングカーブを生じる性質を有する。さらに好ましくは、ブールの上面欠陥密度は、1cm2あたり106未満欠陥であり、最も好ましくは、ブールの上面欠陥密度は、104未満欠陥である。
【0016】
別の実施態様において、本発明は、1cm2あたり105未満欠陥の上面欠陥密度、少なくとも5.0cmの直径、少なくとも1cm厚みを有するIII−V族窒化物ブールに関する。
【0017】
本発明のさらなる実施態様は、横成長に関してシード結晶からIII−V族窒化物ブールへの単結晶面積の拡大に関する。
【0018】
別の実施態様において、本発明は、前述の型のIII−V族窒化物ブールから誘導されるウエハーに関する。
【0019】
別の実施態様において、本発明は、表面の凸凹を除去し、研磨されたウエハー製品の所望の表面平滑性を付与するために、III−V族窒化物ウエハーを研磨することに関する。
【0020】
別の実施態様において、本発明は、ブール用天然III−V族窒化物シード結晶を提供し、1時間に20μmを上回る成長速度、さらに好ましくは50μmを上回る成長速度で、気相エピタクシーによりシード結晶上でIII−V族窒化物材料が成長するIII−V族窒化物ブールを製造する方法に関する。
【0021】
本発明は、ホモエピタキシャルシードを用いるのが好ましいが、本発明の範囲内で異種基板も考えられる。
【0022】
別の実施態様において、III−V族窒化物結晶系材料は、a−面、c−面、m−面、r−面などの表面を生じるために切断及び/又は研磨されるか、若しくは第一結晶面に関して細かく切り取られ、ビシナルウエハー生じる。結晶を切断した双極性のc−面切除結晶の(N−末端またはIII族−末端の)両表面は、後続の成長又はデバイス製造のために研磨される。
本発明のさらなる実施態様は、本発明のブールから得られるウエハーを含むデバイス構造に関し、また、マイクロエレクトロニクス・デバイス又はウエハー上及び/又はウエハー内に組み込まれるデバイス前駆体構造、例えば、発光ダイオード、レーザーダイオード、紫外線光検出器、バイポーラトランジスタ、ヘテロ構造のバイポーラトランジスタ、高電子移動度トランジスタ、高性能整流器、波長分割多重コンポーネントなどのデバイスに関する。
【0023】
本発明の他の実施態様、特徴、実施例は、次の開示および添付の請求項により、さらに完全に明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、HVPEとレーザー誘導リフトオフにより製造されたGaNシード結晶の低倍率光学写真である。
【図2】図2は、本発明の一の実施例によるブールの製造のためのGaN HVPEシステムの概略図である。
【図3】図3は、本発明の一の実施例によるHVPEブール製法により製造されたGaNウエハーに対する、ダブルクリスタルX線ロッキング曲線である。
【図4】図4は、本発明のブールから得られたウエハー上に形成されたダブルヘテロ構造LEDの概略図である。
【図5】図5は、本発明のブールから得られたウエハー上に製造されたへき開レーザー・ダイオードの概略図である。
【図6】図6は、本発明のブールから得られたウエハー上に製造された紫外線光検出器の概略図である。
【図7】図7は、本発明のブールから得られたウエハー上に製造された高電子移動度トランジスタの概略図である。
【図8】図8は、本発明のブールから得られたウエハー上に製造された高電力整流器の概略図である。
【図9】図9は、本発明の一の実施例によるブールから得られたn−型GaNウエハー上に製造されたAlGaN/GaNヘテロジャンクションバイポーラトランジスタの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
下記の米国特許および米国特許出願に基づいた開示は、それら各々を完全に参照することにより援用される:米国特許出願No. 08/188,469、1994年1月27日出願、発明者Michael A. Tischlerr, et al. 、現在、米国特許5,679,152号として発行;米国特許出願No. 08/955,168号、1997年10月21日出願、Michael A. Tischler, et al.; 米国特許出願 No. 08/984,473、1997年12月3日出願、発明者 Robert P. Vaudo, et al.; 米国特許出願No. 08/179,049 、1998年10月26日出願、発明者 Robert P. Vaudo, et al.
【0026】
本発明は、結晶性III−V族窒化物(例えば(Al,Ga,In)−N)、大きな断面積(直径で1cmより大)、1mmを超える長さを有するブールを、格子整合シード上に製造する方法を提供する。高成長速度の気相エピタクシーにより堆積が実行され、非常に高価な高圧装置の必要性を排除する。天然(Al,Ga,In)−N結晶のような大面積の格子整合の出発シードを用いて、大きな単結晶部分が確実にある。1つのブールはエピタキシャル成長及びデバイス製造用の多数のウエハーを製造可能なので、各ウエハーのコストは、基板除去プロセスと比べると、削減される。
【0027】
上記に関連して、用語「(Al,Ga,In)−N」とは、III族金属類のような2成分、3成分及び4成分の組成物だけでなく、Al、Ga、およびInなどの1種類の各々の窒化物を含むと広義に解釈されることを意図する。従って、用語「(Al,Ga,In)−N」は、上記の命名に含まれる種類として、三元化合物AlGaN、GaInN、AlInNや四元化合物AlGaInNだけでなく、化合物AlN、GaN、InNを含む。(Ga、Al、In)成分のうち2成分以上が存在する場合、全ての可能性のある組成物は、(組成物中に存在する各Ga、Al、In成分種の存在する相対モル分率に関して)「非化学量論的比率」だけでなく、化学量論的比率も含み、本発明の広義の範囲内で利用される。従って、後のGaN材料に関する議論が、他の様々な(Ga、Al、In)−N材料種の形成に適用されることは理解される。
【0028】
本発明の様々な態様は、以下に完全に記載され、格子整合シード結晶、及び高成長速度の気相エピタクシー(VPE)によるブール成長を含む。
【0029】
ブール成長のためのシード
天然窒化物シードは、合金組成中で、成長するブール材料に接近して整合しており、熱膨張係数(TCE)及び格子不整合に関連した歪を減少させ、亀裂を起こさないで、(10mmを超える軸範囲の)長いブール材料の成長を促進する。独立した(Al、Ga、In)−Nシード結晶は、いかなる方法で生成しても良く、限定するわけではないが、熱的、化学的又は物理的除去または犠牲基板の分離よって成長後に除去される異種基板上に成長中の厚膜を含む(独立した(Al、Ga、In)−N材料の実施例及び関連した調整法は、発明者Robert P.Vaudo,et alで、1998年10月26日に出願された係属中の米国特許出願第09/179,049号「低欠陥密度(Al、Ga、In)−N及び同一物を製造するためのハライド気相成長(HVPE)プロセス」と米国特許第5,679,152号に開示されている)。
【0030】
例えば、107cm-2未満の転位密度とおよそ10cm2の面積を有する大面積のGaNシードは、HVPE光学リフトオフによって容易に形成可能である。
【0031】
本発明のプロセスは、 高品質な(Al、Ga、In)−Nブール材料を製造するので、かかるプロセスからの各々のウエハーは、未来ブール製造用シードとして捕獲可能である。(例えば、低欠陥密度、低いバックグラウンド不純物濃度、大面積などの)ブールの特質の連続した改良は、継続的に良好なブール材料から得られるシードを用いて永続可能である。
【0032】
高成長速度、改良されたブール結晶度、改良されたエピタキシャル成長及びデバイスへの適合性を提供するために、限定するわけではないが、シードを、c−軸、a−軸、m−軸、又はr−軸をはじめとして多方向に沿って配向してもよい。くわえて、シードを第一結晶軸から最大10度切断してもよい。特定の方向での切断を方向付けることは有益であり、例えば、(0001)面から5度の切断は、<1100>又は<1120>方向に向かって方向付けられる。さらに、シードに配向させたc−軸の両側(N−端又はIII族−端面)は、ブール成長、エピタキシャル成長、デバイス製造、デバイス性能優位のために利用してもよい。
【0033】
望ましくないが、サファイア若しくは炭化ケイ素のような材料の異種シードを本発明プロセスに利用してもよい。熱膨張不整合若しくは格子整合により誘導される歪及び亀裂は、比較的に厚いブール材料厚に起因して、シードブール中よりもむしろシード中で緩和される。
【0034】
さらに、基礎シードと成長中のブール間の熱的及び格子整合における差異を緩和するために、適合する他の方法を用いてもよい。あるいは、熱膨張不整合の使用による複雑化を排除するために、異種シードのその場での分離若しくは除去を用いてもよい。
【0035】
さらに、歪を減少させ、電気特性を変え、欠陥密度を減らし、シードからの分離を可能にし、核形成成長を促進するために、シードとブール材料との間に中間層を採用してもよい。例えば、気相エピタクシー(VPE)、化学的蒸着(CVD)、物理的蒸着(PVD)、分子線エピタクシー(MBE)、有機金属化学気相エピタクシー(MOVPE)、ハイドライド気相エピタクシー(HVPE)などの様々な技法によって、かかる中間層を堆積させうる。かかる中間層は、限定しないが、(Al、Ga、In)−Nまたは,他のIII−V族窒化物、SiC、(ブールの欠陥密度を減らすための1つの好ましい中間層材料である)SiN及び酸化物をはじめとするいかなる適合材料で形成してもよい。横エピタキシャルオーバーグロース技法を有する実施例に関しては、欠陥密度減少及び歪減少を促進するために、パターン化された中間層も用いてもよい。化学反応、イオン衝撃、反応性イオンエッチング又はシード結晶の他の改良によって、中間層を形成してもよい。かかる中間層は、核形成成長、ブール分離又はブール材料改良を有利に衝撃するために、シードを超えて均一にしても良く、もしくはパターン化してもよい。パターン中間層の利点は、米国特許第5,006,914号、Beetz,Jr.及び米国特許第5,030,583号Beetz,Jr.に十分に記載されている。
【0036】
本発明の一の実施態様において、厚いブール成長と、例えば、最初の実例中の低欠陥密度、もしくはブール成長中の欠陥消滅を促進するためにパターン化されるか、さもなければ他の処理法の適切などちらかを有するシードなどの適切なシード結晶の使用によって、ブール製品の欠陥密度を最小に抑えるのは有益である。本発明は、欠陥密度を減少させるために、シードの特定領域での成長を防御し、横成長を促進するエッチング領域または塗布領域を有するパターンシード使用を備える。本発明は、上記の目的のために、シード材料とブール材料間の膨張不整合の格子整合または熱係数を提供する迎合的シード結晶の使用も備える。最適化シード結晶及び最適な厚のブール成長を用いると、製品ブール材料中にかなり低欠陥レベルが達成可能である。(Al、Ga、In)−Nブールから獲得した単結晶(Al、Ga、In)−Nシードは、後続のブール成長のために有益に使われる。材料特質は、例えば、欠陥密度減少、不純物濃度及び面積拡大を含み、ブール成長中に漸次改良され、結局、後続のブール成長及び前記ブール材料から獲得した漸次改良されたシード結晶を有する良好なデバイス品質材料となる。
【0037】
本発明の一実施態様において、シード結晶は、厚い(Al、Ga、In)−Nスターター層が異なる基板上に成長するブール製造方法、および物理的、熱的、又は化学的手段によって異なる基板を除去するブール製造方法のために形成される。上記の1つの天然シード形成技法は、異なる基板を除去するために光学リフトオフを用いる。
【0038】
光のエネルギーに誘発される界面分解により、異なる基板から(Al、Ga、In)−N膜を光学的リフトオフ分離する。例えば、一例としてGaNシード結晶を用いると、GaNシードは、サファイア・ウエハー上で成長後、独立したGaNを作製するためにGaN/サファイア界面で、GaNの薄い領域の発熱を誘発するレーザーによって、サファイアを分離または「リフトオフ」する。Q−スイッチNd:YAGレーザーの波長355nmの光は、かかる目的のためにサファイアを透過する。光子エネルギーは、GaNバンドギャップよりわずかに上にあるので、入射放射線は、(70nm)のGaN薄い層に吸収される。十分に吸収された光(例えば、GaNに対して、1cm2あたり約0.3ジュールを上回る)は、薄い界面層の熱分解やサファイアからGaNの分離を誘発する。十分な光エネルギーを達成するために、シード面積よりかなり小さいビームを利用し、大きな面積の独立したGaN材料を作製するために、上記ビームを連続してスキャンする。
【0039】
光学リフトオフによる異なる基板からの分離は、成長プロセスの原位置で達成され、(Al、Ga、In)−N材料と異なる基板との熱膨張係数の差による歪を減らすために、成長温度に近い温度で行なわれる。別法として、全シードウエハーを、かなり強力な放射線源で、一時若しくは1パルス分離可能である。
【0040】
上記シード結晶の構造的特質は、シード結晶上で成長させるIII−V族窒化物ブールの最高品質にとって非常に重要である。特定の用途に用いるシード結晶の適合性を確証するために、シード上面の典型的な欠陥密度を確認するために、透過電子顕微鏡(TEM)平面図を利用してもよい。例えば、GaNでは、かかるシード結晶上面の欠陥密度は、望ましくは107cm2未満であり、大きな面積のGaNエピタクシーに観察される欠陥密度と順調に比較される。
【0041】
ブール成長
ブール成長のために、本発明による(Al、Ga、In)−Nの堆積が、高成長速度気相エピタクシー(VPE)技法によって、実行されるのは有利である。気相での成長は、従来のバルク成長技術においてよりも、平衡からさらに進んで、III族元素と比較するとかなり多くのN−反応物が供給可能となるので、高圧装置は不必要となる。
【0042】
本発明によるブール成長は、優れた特質を有するIII−V族窒化物基板ブールを獲得するために、特別なプロセス条件で実行されるのは有利である。
【0043】
許容の全プロセス継続時間を有する所望の高スループットを獲得するために、有利には、50μm/時間を超える成長速度が、好ましくは、200μm/時間を超える成長速度が、最も好ましくは500μm/時間を超える成長速度が採用される。成長は、GaNでは約900〜1100℃、AlNでは約950〜1200℃、InNでは約700〜900℃の温度で、合金成長に必要な上記温度を調整しながら、実行されるのが有益であり、それは、当業者内では、確実な経験による判断により容易に決定可能である。
【0044】
VPEプロセスのための前駆体は、限定するわけではないが、水素化物、塩化物又は有機金属前駆体を含んでもよい。NH3又は他の窒素含有前駆体(例えば、ヒドラジン、アミン類、ポリアミン類など)を、V族類を提供するために利用してもよい。ブール中の合金組成は、III族前駆体の各流量で容易に制御される。窒素含有前駆体の流量は、III族前駆体の流量速度よりかなり速い流量速度を維持するのが好ましい(例、流量比が10:1000のNH3/III族が一般的であり、NH3の分解率に依存する)。
【0045】
成長反応装置に添加される場合、反応性前駆体は、適切な攪拌を許容するために、反応機内での十分な滞留時間を有すべきである。窒素とIII族前駆体の攪拌時間は、異質の気相反応を最小限に抑えるために、通常約20マイクロ秒未満であるべきである。
【0046】
別法として、III族前駆体は、周囲条件で安定な液状組成物を形成するために、窒素前駆体と混合し、その後、液体デリバリ・システムを用い成長反応装置へ移送される(このタイプの例として、米国特許第5,204,314号及び第5,536,323号、Kirlin et al.が開示されている)。かかる液体デリバリ・プロセスにおいて、溶液は気化されて、エピタキシャル成長を実行するための成長反応装置に移送される前駆体蒸気を形成する。典型的なV族前駆体には、アミン類、ポリアミン類、ヒドラジンなどが含まれ、典型的なIII族前駆体には、ハロゲン化物、水素化物、有機金属等が含まれる。数種のIII族前駆体も、二元又は三元窒化物ブールを製造するために、1種の溶液で混合しても良く、またドーパント前駆体も、n型又はp型ドープ・ブールを製造するために溶液中に混合してもよい。
【0047】
厚いブール成長と、例えば、最初に提供された低欠陥密度、もしくはブール成長中の欠陥消滅を促進するためにパターン化されるか、さもなければ他の処理法の適切などちらかを有するシードなどの適切なシード結晶の使用によって、ブール製品の欠陥密度を最小に抑えるのは有益である。別法として、シード材料とブール材料間の膨張不整合の格子不整合又は熱係数を適応するように作用する迎合的シード結晶は、また、上記の目的にとって有益である。最適化シード結晶及び最適な厚のブール成長を用いると、製品ブール材料中にかなり低欠陥レベルを達成可能である(例えば、本発明の実施において、104cm2未満の欠陥密度が達成可能である)。
【0048】
有利には、後続のGaNブール成長のために、GaNブールから獲得した単結晶GaNシードを使用してもよい。欠陥密度は、ブール成長中に漸次改良され、結局、後続の成長を有する良好なデバイス品質材料となる。
【0049】
デバイスが大きいほど、大きなウエハー上に作製可能なので、大きな面積のウエハー方が、小さいウエハーよりも商業的な関心が多い。大きな面積のウエハーを製造することは有利であるが、例えば、GaNのような初期のシードは限定されたサイズを有する。かかるシード上でのGaNが成長するために、例えば、成長温度を高温にしたり、NH3/GaNの比率を大にしたり、低圧にしたり、所望の温度勾配にしたり、流量を不均一にしたりしてブール成長条件を調整可能であり、その結果、単結晶GaNは、シードに垂直な方向とシードに平行な方向との両方向に成長する。横方向への複製を促進するために、シードの端部は、単結晶の切子面を露出するべきである。かかる方法で、ブールが成長すると、GaNブールの単結晶面積は大きくなるだろう。大きな単結晶面積のGaNウエハーは、さらに大きなブールを作製するために、再びシードとして使用可能である。各後続の成長と共に、GaNの単結晶面積は、後続の各成長に対応してさらに拡大される。さらに、横成長表面又は結晶面の曝露により、横成長速度を加速でき、またブールの横拡大を促進できる。
【0050】
単結晶面積の侵略を防御するために、シード端部での擬似多結晶の成長を最小限に抑えるために、注意を計らう。高品質材料の横成長を可能にするために、露出した結晶切子面を提供することにより、単結晶の面積の欠損を防御するだろう。別法として、全種類の成長を端部で最小限に抑えるために、(例えば、GaNに対してはSiO2またはSi34のような)成長抑制材料で、結晶の端部を被うことができる。
【0051】
さらに、結晶の形成を制御するために、不純物(界面活性剤)をスタート時または成長中に使用可能である。(例えば、立法体または六方晶系などの)構造、成長の均一性及び/又はドーパント組み込みを制御するために、界面活性剤を使ってもよい。化合物半導体において、原子の積み重ね順序(原子比は不変であるが、原子はどのように相対的に相互に配置されているか)は、様々であり、その結果生じる結晶の物理的、電子的、および光学的特質に影響する。例えば、SiCには200種を超える積み重ね配置またはポリタイプが、同定され;最も一般的なものは、4H、6H、15R及び3Cである。GaNでは、立法体,六方晶系(2H)及び菱面体晶菱面体晶(9R)(参照、例えば(H.Selke et al., J.Cryst、Growth 208,57(2000))及びポリタイプが、現在までに作製されている。
【0052】
成長温度(Matsunami,W.S.Yoo,PhD Thesis, 1991年4月、京都大学)、圧力、シード又は基板の配向(例えば、テンプレートとしてビシナル表面)を調整により、また選択された不純物の有無(H. Iwasaki et al., Appl.Phys. Lett.63,2636(1993))によって、ある程度ポリタイプを制御できる。不純物は、二次元又は階段式表面上の特定の場所に優先的に結合し、その結果として、積み重ね構造を変えることによって、表面構造又は化学的性質を変えるように作用するかもしれない。別法として、またはさらに、不純物は、後続の層の積み重ねに順次影響を与える(格子定数又は電子構造の僅かな修正を生じる)結晶のバルク特性を変える可能性がある。特定の不純物の存在または存在する成長構成成分の比率により、ドーパント組み込み(現場競合エピタクシー(site competition epitaxy))(D.J. Larkin, P.G. Neudeck,J.A.Powell,及びL.G.Matus,Appl. Phys.Lett.65,1659(1994))又は結晶品質(S. Nakamura, T. Mukai, M. Senoh, Jpn. J. Appl. Phys. 31, 2885 (1992))も、また変えてもよい。
【0053】
結晶構造を複製可能にするため、及びブール成長中の新しい欠陥挿入を最小に抑えるために、シード結晶を注意深く調製する。シード結晶は、有利には、表面欠陥を取り除くために、研磨され、エッチングされ、ブール成長の前に全ての汚染物質を取り除くために徹底的に清浄される。
【0054】
一般的に、フィードバックとしてブール材料のキャラクタリゼーションを有する特定のプロセス条件の変化によって、プロセス条件を経験上から容易に決定する。最適化された重要な材料特性には、材料のハンドリングおよびウエハーの製造時に生じる損傷だけでなく、欠陥密度、表面形態構造、結晶度、電子的及び光学的特性を含むものもある。(ホット硫酸/ホットリン酸)でエッチングした装飾を有するTEM相関及び/又は原子間力顕微鏡(AFM)測定によって、欠陥密度をキャラクタリゼーションできる。AFM、SEM、ノマルスキー光学顕微鏡、AES、LEED、ケルビンプローブ、EDS又は他の適切な分析技法やデバイスによって、表面状態を評価できる。二元結晶X線回析、四元結晶X線回、およびクロス偏向器を介する光学的試験によって、結晶度を評価できる。ホール効果、及び電気容量−電圧測定によって、電子特性をキャラクタリゼーションできる。室温及び低温PL測定によって、光学的特性をキャラクタリゼーションできる。ラウエ回析によって、ブール配向をキャラクタリゼーションできる。エッチング技法、AES、LEED及びEDS技法によって、シード又はブールの極性を容易に測定できる。エッチング及び/又はMOCVDオーバーグロース技法によって、内層面の損傷を評価できる。
【0055】
成長プロセス中、各々前駆体及びドーパントの均質混合が依然として提供されている間、成長器は、III族前駆体とV族前駆体の攪拌時間を最小に抑えるべきである。ガス攪拌を促進させるために、成長チャンバ及び/又は回転シード結晶の使用の注入口のために設計された同心注入口流量を採用してもよい。材料源を補給できるように、成長器が構築され、配置され、ブールの長さが反応物の供給によって制限されないのが望ましい。同様に、成長器に過度の圧力をかけることによって、プロセスが停止しないため、又は不利な変更がないため、高スループット濾過を有するプロセス副産物の適切な配列およびハンドリングは望まれる。
【0056】
水素化物気相エピタクシー(HVPE)技法は、高成長速度、低コストの使用、補充可能な前駆体を提供するので、天然シード結晶上のIII−V族窒化物ブール成長において非常に効果のある方法であり、ヒ化物およびリン化物半導体のための証明付きの製造技法である。
【0057】
HVPEプロセスにおいて、例としてGaNを用いると、HClは、高純度ガリウム(Ga)の源を越えて通過し、揮発性GaClは、GaNを生成するためにアンモニア(NH3)と反応する堆積ゾーンに生成されて、移送される。GaClの形成、NH3の分解及びGaNの形成をはじめとする全プロセスは、有利には、ホット・ウォール反応器で実行される。
【0058】
大きな成長速度は、長いブールの経済的堆積にとって望ましい。HVPEによる、塩化ガリウム(又は、VPEに対する他のIII族源)の供給として、金属ガリウムの表面積を最大にすることは、望ましく、またその形成は、プロセスでの成長速度を制限する。0.15mm/時間より速い成長速度を採用し、MOVPE、MBE又はGaNの高圧溶液成長によって達成される速度よりもかなり速い。反応器のホットゾーンでの効率的なNH3の分解および成長温度でのNH3とGaClの好都合な反応よって、上記の大きな成長速度はまた促進される。
【0059】
成長プロセスの数多の実施態様は、所望のブール品質及び形態構造を達成するために制御される。ガス源注入口と成長中の表面との距離は、結晶品質に影響を与え、所望の結果を得るために必要に応じて、調整してもよい。均一なガス混合を確保するために、注入口と成長プロセス全体にわたる成長する均一な表面との距離を維持することは望ましく、事前の反応を最小に抑え、均一な温度を保つ。
【0060】
よって、例えば、前述の成長表面と前駆体気化物質源との一定距離、もしくは成長プロセスを「一定温度にする」ためのブール成長中の適切な値を維持するために、ブールを固定して、成長プロセス中に、適切なキャリッジ、動作段階、備え付けギア配置、または他の適切な構造によって、ブールは収縮する。つまり、成長プロセスを出来るだけ一定温度にし、もって、それから作られるブール製品及びウエハーの高品質および等方性を達成する。
【0061】
別法として、増大する大量のブールと、結果として生じる軸温度差を補うために、温度プロフィールを成長プロセス中に変えてもよい。
【0062】
さらに、製品品質を最高にするために、一般的なレベルに従って、温度を変えてもよい。例えば、(Al、Ga、In)N膜は、高温で成長する場合、通常、低いバックグラウンド・キャリア濃度を有する。しかしながら、低いシード温度を用いることによって、天然でないシードと成長中の結晶との残留歪から生じる亀裂を最小限に抑える。しかしながら、高温は横成長を増長させるので、ブール結晶面積を拡大させるために採用してもよい。従って、成長は、低温で開始され、高純度の材料を成長させるため、及び結晶面積を増大させるために、亀裂がそのような高温で問題ではないならば、温度をしだいに高くするする。一般的に、成長中膜の特性に衝撃を与えるために、ブール成長プロセス全般にわたって、温度を修正できる。
【0063】
反応器及び成長プロセスでの成長再現性の清浄は、ブール成長プロセスには不可欠であり、反応器構成部分の周期的なその位置でのエッチング(エッチング清浄)よって、維持されるのが望ましい。かかる清浄工程は、成長温度に近い温度で反応器にHCl若しくは他の清浄剤を流すことにより達成できる。別法として、反応器構成部分上の固体の蓄積及び堆積物を最小限に抑えるために、もしくは周期的エッチングに追加して、少量のHClもしくは他の清浄剤を、成長サイクルに利用してもよい。堆積物の除去を促進又は強化するために、清浄剤を反応器の壁に直接使ってもよい。かかる清浄剤処理により、成長システム装置の使用寿命はかなり延びる。さらなるアプローチとして、反応器清浄ライン及び/又は使用寿命を改善するために、反応器ライナーを用いて、取り替えることもできる。
【0064】
伝導性制御
n−型,p−型及び/又は深い準位の不純物を、成長プロセスの気相に添加することによって、(Al,Ga,In)N材料の伝導性を制御できる。例えば、成長プロセスの気流中のシラン又はゲルマンを用いる、ケイ素またはゲルマニウムのようなn−型不純物の添加は、材料のn−型伝導性の制御に使用できる。相応して、有機金属または他のプロセス気流に移送されるこれらの元素の源を用いて、ベリリウム、マグネシウム又は亜鉛のようなp−型不純物の添加及び活性化は、ブールから作製されるブール材料及びウエハーのp−型伝導性を制御するために使われる。1cm3あたり1E15〜1E20のドナー及びアクセプターの濃度範囲が好ましく、本方法の実施においては、1cm3あたり5E17〜1E19の濃度範囲がより好ましい。
【0065】
p−型 (Al,Ga,In)Nブール材料とウエハーの組み立ては、バイポーラデバイスに好都合に衝撃を与えるだろう(例えば、LED及びレーザーダイオードなどの光放出デバイス)。かかるデバイスの性及びびデバイスを通る電流は、デバイスのp−層に電子接触する強い抵抗によって、大部分で制限されている。p−型基板を用いることによって、かなり大きな(10x)p−電極の形成及びp−接触抵抗での相応する減少が可能になる。大きなp−接触面積を有するp−(Al,Ga,In)Nウエハー上の(Al,Ga,In)Nレーザーダイオードの操作温度及び機能性は、達成可能な出力をかなり改善するため、および上記デバイスの使用寿命を延ばすために、有益に利用される。
【0066】
残留の浅いアクセプター(又はドナー)と意図的に深い準位のドナー(又はアクセプター)間のバランスを確立することによって、半絶縁性をブールに提供してもよい。例えば、ほぼ同濃度のnー型とp−型の不純物が存在する場合、深い準位ドナー(アクセプター)によって、補正されている伝導性タイプを固定するために、僅かな量の浅いアクセプター(ドナー)を導入する必要がある。半絶縁基板の達成により、低バックグラウンド不純物濃度が必要となる。無ケイ素及び無酸素反応器材料又はライナー(例えば、構成部分を被膜したAlN)を用い、高純度の源材料(NH3は酸素不純物の源として周知である)の使用により、ブール材料中のバックグラウンド不純物濃度を最小限に抑えてもよい。劇的なバックグラウンド不純物の減少は、シード界面から広い範囲で観察されるので、長いブール成長は、バックグラウンド不純物の減少を有利にする。
【0067】
深い準位の不純物は、有益には、電子的に活性な残留不純物を補うために、基板成長中にIII−V族窒化物ブール材料に組み込まれる。アクセプター及び/又はドナー深い準位の濃度は、残留物もしくは材料中の低濃度の意図的に浅い不純物を補うために、正確に制御されるのが望ましい。この補正は、バンドギャップの中心近くに滞留するフェルミ準位を有する高い比抵抗材料を生み出す。キャリアの続いて起こる熱イオン化を防止するために、特に高温/高性能デバイスのために、準位はバンドギャップ内の深くでなければならない。Fe、Cr及びVをはじめとする多くの遷移金属は、GaNや他のIII−V族窒化物材料中の深い準位ドーパントにとって有益種であり、バンドギャップ内に、深い電子状態を作出する。有益な他の深い準位のドーパント種には、As、Mn、Co、Ni及びCuが挙げられる。
【0068】
くわえて、成長が完了した後、ブールの伝導性を変えてもよい。
【0069】
ブールの伝導性を変える上記の技法の1つに核変換ドーピングが挙げられ、ドーパントの均一性を改善し、及び/又は電子的に活性なドーパント濃度を濃厚にすることによって達成される。GaNを言及して以下では論議されるが、本発明の範囲内で他のIII−V族材料に相応に当てはまることは、理解されるだろう。
【0070】
GaN材料の核変換ドーピングはそれを熱中性子で照射することにより行われる。捕捉された中性子は結晶中のGaとN原子の放射性同位元素を創り、崩壊に際してGaN結晶中でドーパント不純物に変換される。シリコン産業において、核変換ドーピングは非常に均一なドーパント分布を有するシリコンのリンドーピングを行うために利用されてきたが、以前、かかる技術はGaNと関連する合金のような窒化化合物半導体材料には適用されなかった。III−V族窒化物材料への適用に、核変換ドーピングは幾つかの予想される以下の長所を持つ。(1)ドーピング濃度は材料不純物の固体溶解度による制限を受けないので、成長の期間にドーパント組み込みにより到達できる濃度を超える活性ドーピング濃度を電気的に達成する能力;(2)核変換ドーピングの使用は目に見えて高効率である。例えば、通常のSiドーピングより約10倍効率がよく、他と関連する問題で、従来のドーピングにおいては合金半導体では典型的な混合反応は核変換ドーピングでは極めて僅かである;(3)核変換ドーピングによるGeドーピングにおいては、GeドーパントはGaサイトにのみ存在し、Geドーパントはガス流中に存在する他の種類とは結合しない。そのためドーピング効率は高められ(単独活性化エネルギーとともに)、アニーリングのような技術を介して活性化する必要性を無くする;(4)ドーパントは非常に均一に分布して、ブール全体が同時にドープされる;(5)中性子捕捉効率を上げるために同位体的に純粋な7131Gaで成長したGaNの核変換ドーピング、照射ドーピングプロセスを廉価にして、潜在的に改善された熱伝導を持たせる;(6)核変換ドーピングは、個々のウエハー(製法に係わらず)とエピタキシャル膜に加え、ブールをドーピングするために使用可能である。
【0071】
核変換ドーピングの利用の一例として、Gaへ及ぼす熱中性子の効果を考慮すると、以下の反応が生じる。
【0072】
【化1】

【0073】
これらの反応から、GaNの熱中性子への露出によりGeの2つの同位元素のうちの1つを生成することが分かる。生成された不安定な同位元素の半減期の短いことは納得できる。GeはGaサイトに存在する。ドーパントは成長の期間、製造されないので、ドーパントは例えば、Hにより補われて、追加のアニーリング工程を不要にしている。
【0074】
一方、Nに対する熱中性子の効果は重要ではないかもしれない。14Nは自然界に存在する豊富なNの99.63%を占める。低い中性子の捕獲有断面積、自然界に豊富な14N、15Nの安定性が中性子の変性とともに電気的性質の重要な変化の蓋然性を最少にしている。
【0075】
Gaサイト上のGe
n−型不純物の製造は、このようにして、非常に均一なドーピングを達成させ、成長期間中、リアクターにおいて不純物の高濃度という有害な効果を回避している。他のドーピング技術を使用した場合に高ドーピング濃度により発生の可能性がある脆化もまた、核変換ドーピングでは減少している。
【0076】
中性子照射GaNは次の同位元素を生み出す;167N、7031Ga及び7231Ga。これらの同位元素は各々の半減期が2.31分、21分、14.1時間の同位元素へ減衰する。中性子による窒素の捕獲断面積はGaのそれより小さいが、それにもかかわらずGeに加えて酸素ドーパントも製造される。
【0077】
GaNの1cm3に1x1019のGe原子を製造するのに十分なレベルの照射を行った後に生じた放射能は初期には高いが(>105キューリ)、短い半減期のため、放射線の量は10日後には数マイクロキューリに減少する。
【0078】
核変換ドーピング技術は、また、亀裂が発生しやすい、あるいは炭化ケイ素のように高いドーピングレベルの達成が困難な他の材料にも適用することができる。
【0079】
代わりに、高い温度でn−型、p−型又は深いレベルの不純物の拡散も、また、所望の伝導レベルを達成するために使用される。
【0080】
ウエハー製造
本発明に基づき成長したブールは、ブールから得られたウエハー製品の最終用途に適する寸法的特性を持つ。例えば、ブールの断面積(側面積)は5−10cm2またはそれ以上であり、長さは4−5mmあるいはもっと長い。ブールはスライシング又は他の材料分割により個々のウエハー(例えば、0.1から0.7ミリメータの厚さ)にするのに、十分な長さを持つべきである。
【0081】
ブールは一端成長すると、従来のLaue法あるいはθ-2θX線回析プロセスを使用して配向を決定する。ブールは、ID又はODソー、最も好ましくはワイヤー・ソーのような、適当なスライシングツールを使用してスライスされる。ウエハーは主要な結晶軸方向に沿って配向される、あるいは、その後のエピタキシャル成長またはブール成長のために、段のある表面を与えるように若干(10度未満)配向がずれてもよい。特定の結晶軸配向は、その後のエピタキシャル成長には好ましく、その利点はエピタキシャル結晶の特性、エピタキシャル表面の形態、意図的ではないドーパントの排除、ドーパントの取り込みとドーパントの活性化の性質、電気的及び/又は光学的性質、へき開の可能性、増加したキャリア移動度又は他のデバイスの製造あるいは性能の利点に及ぶ。ブールはスライス前に規定サイズに揃えられ、かつ、平坦化される、あるいは個々のウエハーとしてサイジングされ、平坦化される。サイジングと平坦化は従来のグラインデイング(ブール)または粒子の照射または研磨、単一ワイヤー・ソーカッテング、コア・ドリリング、レーザーカッテング(ウエハー)により達成される。
【0082】
ウエハーの端には丸みをつける。ウエハーブランクの形成後、ウエハーはGaNのエピタキシャル成長又は他のエピタキシャル成長材料にとって望ましい表面特性へと研磨される。ウエハー研磨では研磨剤のサイズを徐々に漸減させる。例えば、ウエハーは最初荒い研磨剤で(例えば、10−30ミクロン粒径の研磨剤)、次いで中間の研磨剤(例えば3−10ミクロン粒径の研磨剤)で研磨を続行する。その後、ウエハーは、微細な研磨剤(例えば0.1−3ミクロン粒径)で研磨される。一回または複数回のラッピング及び/又は研磨工程が適用される。アルミナ、シリコンカーバイド(SiC)、ボロンカーバイド、ダイヤモンド、その他GaNより硬質の材料(又は他のIII−V窒化物を含む)は使用可能である。ウエハーは、機械的研磨により生じた表面損傷を除去するため、化学機械研磨(CMP)を受ける。CMPプロセスは基本のスラリ(pH>8)又は酸性液(pH<6)の中で実施される。酸化剤がCMP速度を上げるためにスラリに添加される。コロイド状シリカ又はアルミナがGaN CMPのために使用されてもよい。あるいは、機械的研磨後、反応性イオンエッチ、電気機械エッチ、あるいは光電子機械エッチを、ウエハーを仕上げて表面の損傷を除去するために使用することができる。
【0083】
GaNウエハーは、ウエハーの特定のその後の用途に対する必要に応じて、片面研磨あるいは両面研磨をする。ウエハーはラッピング工程前又はポリッシング工程前に、化学的エッチングを受けてもよい。エッチング液はホットアシッド又はホット塩基など適当なタイプから成るものでよい。
【0084】
一般に、研磨された状態のGaNウエハーは、研磨粒子の機械的作用により引き起こされる表面下の損傷を有する。表面下の損傷は、III族窒化膜のその後のエピタキシャル成長で欠陥を生み出すことがある。表面下の損傷を特徴付けるための幾つかの方法がある。例として、表面下の損傷を明らかにするエピタキシャル成長、表面下の損傷を明らかにするエッチング表面下の損傷を映像化するX線トポグラフィ、損傷を明確に描くために透過型電子顕微鏡(TEM)とUVフォトン後方散乱分光法は非破壊であり、欠陥の特性決定に使用することが可能である。UVフォトン後方散乱分光法においては、GaNウエハー中の欠陥は異なる光散乱特性を持つため、特性化に使用される。エピタキシャル成長は研磨損傷を特徴づける最も直接的方法であるが、ウエハーを破壊させる。あるエッチング方法も欠陥を飾るように使用されると、ウエハーを破壊させる。これにはケミカルエッチング、エレクトロケミカルエッチング、光電気ケミカルエッチング、反応性イオンエッチング(RIE)、高温アニ−ル、あるいは反応性雰囲気中でのアニ−リングがあるが、研磨損傷を明らかにする。
【0085】
以下の特徴付けの方法がウエハー表面下の損傷の性質と程度を決定するため、例えばケミカルエッチ、CMP、熱的エッチ又はRIE(Cl−系あるいはCl−F化学において)によって表面下の損傷を除去あるいは最小化するための方法の添加物として使用可能である。
【0086】
好適な態様においては、原子間力顕微鏡で測定して、10x10μm2面積に対して5オングストローム未満の2乗平均平方根(RMS)の表面仕上げで、ウエハーを仕上げるのが望まれる。ウエハーの曲率半径は1m以上であることが望ましい。研削が平面を形成するために使用されるが、高い精度で配向させることは困難である。ウエハーの配向は、+0.3度より良くすることは可能である。あるいは、かかる正確な平面はへき開により形成される。
【0087】
ウエハーはLED用途におけるLEDデバイスの基礎となるために十分な特性を有することが望まれる。レーザーダイオード用途において、ウエハーは室温でレーザー光を発するレーザーダイオードの基礎として機能する十分な特性を有することが望まれる。HEMT応用においては、ウエハーはHEMTデバイスの基礎となるために十分な特性を有するべきである。
【0088】
マイクロエレクトロニクスデバイス構造の製造のための基板製品としてのウエハーの利用に関して、ウエハーの利用度は、一部には、その物理的形状により決定される。特に、ウエハーが反っていると、ウエハーの厚さが一様で無いと、あるいはウエハーがゆがんでいると、光学転写装置を使用してパターン転写するリソグラフィー能力が抑制され、あるいはさらに破壊されてしまう。さらにサセプタ表面と接触するウエハー部分は変化し、その結果熱が一様でなくなるため、ウエハー上に高品質のエピタキシャル膜の成長を達成させる能力は譲歩する可能性がある。GaN基板のような有用で商業的に重要であるIII−V族窒化物基板の対して、ウエハー構造に関する以下の規制は望ましい。ウエハーのバウは1m未満(曲率半径)、さらに好ましくは4m未満であることが望ましい。全体の厚みの変動(TTV)はウエハー平均厚の20%未満、さらに好ましくは5%未満であることが望ましい。ゆがみ(与えられた表面上の高点と低点との差として測定される)は50μ未満、さらに好ましくは10ミクロン未満であることが望ましい。
【0089】
本発明のブールからウエハー製品の製造における上記基準の適用は、そのウエハーの上に、又はウエハー中に後続するマイクロエレクトロニクスデバイスを製造することが適正であることを確保する。
【0090】
(Al,Ga,In)Nブールプロセスの具体的実施形態
本発明による方法は、結晶(Al,Ga,In)Nブールが高速度成長の気相エピタキシにより製造され、ブールは格子整合シードの上に大きい断面積(例えば>1cm直径)、長さ>1mmを有する。成長速度は、例えば、900から1200℃の温度で20μ/時間以上、GaNに対しては900から1100℃が好ましく、AlNに対しては950から1200℃が好ましい。
【0091】
一つの具体的な実施形態において、GaNブールがGaNシード結晶の上に成長した。そのシードは 図1に示されている。このシードは、ハイドライド気相エピタキシ成長(HVPE)によりGaNの300μをサファイアの上に成長させ、その後GaN/サファイア界面の薄いGaN領域をレーザー加熱することによりGaNをサファイアから切り離して製造された。GaNシードは透明であり、その後のGaNブール成長のために歪が緩和したシードを提供した。
【0092】
その後のブールの成長は、図2に模式的に示されるような類型のリアクターシステムの中でハイドライド気相エピタキシ成長(HVPE)により容易に行われる。
【0093】
図2を参照すると、内部容積14を画成するリアクター容器12を含むリアクターシステム10が模式的に図示されている。図2のシステムでは概略図としての目的で配置と姿勢が示されているが、本発明の数多の実施例において、垂直リアクターシステムとして有利に構成されることが理解される。リアクター容器12に対するガス供給に関係して、供給ライン16はシラン、供給ラインはアンモニア、供給ライン20は塩化水素用である。これら試薬供給ライン16、18、20は各々の試薬ガスに対する、適当なソース容器または他の供給元(図示されない)に接続される。塩化水素用供給ライン20はリアクター容器12内で、内部容積の制限された容積24を囲繞するリアクター容器12の内部区分室22に接続されている。制限された容積24は溶融ガリウム28の保持容器26を有する。
【0094】
リアクター容器12の内部容積14は、電気モーター、ラックアンドピニオンギア構造、ピストン、運動台アセンブリ、キャリッジ又は双方向矢印Aで示されるどちらかの方向へシャフト38が選択的に平行移動するための他の駆動構造、のような原動力となるドライバー(図示されない)に接続されるシャフト38に搭載された伸縮自在のサセプタ36を有している。成長温度と反応種類の一様性も本発明の好ましい実施例において、成長の期間、シャフト38を回転することにより改善された。
【0095】
図2に示されるシステムは、図示された配置から変更されてもよい。例えば、システムは金属を加熱し液状にして成長チャンバーへ流すポンプ付き容器によって金属を交換する設備を有してもよい。システムの配置は、前述したように、垂直にすることが可能であり、システムは成長チャンバー、成長チャンバーのライナー、及び/又は交互の反応剤供給用フィルタ/バブラー配置等の洗浄に塩化水素を導入するための手段を様々持ってもよい。
【0096】
シャフトの終端にはサセプタ36が配設されており、これを、例えば、周囲の炉により、及び/又は組み込み式の電気抵抗加熱装置、入射赤外線、入射マイクロ波照射又は他の手段(図示されないヒータ)により適当に加熱することができる。通常、例えば、全体の成長ゾーンとGa金属ゾーンが抵抗加熱炉の中に包囲されている加熱壁リアクターにより、単にサセプタのみならず加熱されることは理解できる。サセプタにはシード結晶34がマウントされ、シード結晶34の上にブール32が成長する。そのブールは前駆物質気体から成長するが、この気体は、リアクター容器12の内部容積14の蒸気空間30において、供給ライン16(シラン)、18(アンモニア)と内部区分室22(ガリウムと塩化水素の区画室における反応により製造される塩化ガリウム)の混合ガスである。
【0097】
蒸気空間において、個々の前駆物質は結合して、ガリウム窒化物(GaN)が、細長いリアクター容器の軸方向への堆積成長の増殖に引き続き、操作の初めにシード結晶の成長表面上に形成される。
【0098】
ブール32が成長するにつれて、シャフトと関連する伸縮自在のサスセプタは、次第に増加するシャフトとサスセプタアセンブリのリアクタ−容器からの撤退のために平行移動する。かかる動きの結果、成長面は供給ライン16、18の出口と内部区分室22の出口から次第に離れるが、そうした動きは成長プロセスの間、ブールが成長してソース材料の混合時間が一定のとき、ブール成長面がそれによって等温になるように、ブールの成長面と前駆体供給通路の距離を一定に維持するよう調整してもよい。さらに、又は別として、リアクター容器中で製造されるブール製品に望ましい特性を持たせるために、リアクタ−容器の温度を調節してもよい。
【0099】
HVPEブール成長プロセスは、適当な成長条件の下でHVPE成長により最大化され、HVPE材の厚みとともに欠陥密度が確実に減少する固有の欠陥崩壊メカニズムを利用している。(Robert P. Vaudo, et al.の名義による1998年10月26日出願米国特許出願第09/179,049号にはさらに詳細に開示されている。)例えば、図のようにGaNを使用して、HVPE GaN材料の中の転位は成長方向とともに、そして膜が成長するにつれて次第に傾く。5x106cm-2の転位密度のレベルは、サファイア上の200〜300μm厚のGaN層で再現性をもって達成され、かかる欠陥レベルは、もっと低い欠陥レベル、例えば104cm-2、は本発明の実施に当たり容易に達成可能である。転位は数百ミクロンの成長後においても依然傾いるので、傾いた転位の崩壊はブールが成長するにつれてブールの全体を通して続けられる。もちろん、転位の崩壊を維持する能力は、残存した転位の特性に依存する。かかる能力は、(i)より長いブールの成長、(ii)ブールプロセスを大幅に下げたシードの使用(即ち、欠陥密度の減少があった後のブールからスライスされたシードの使用)により助長され得る。
【0100】
HVPE プロセスに対して反応剤が大量に投入され(Gaのように)、成長期間周期的に補給され、あるいは連続的に供給されるので(HCl,NH3のように)、プロセスは非常に長いブールを成長させるのに影響されやすい。(同じIII−V族窒化物の)「天然の」シード上でのブール成長は、不整合歪に起因する亀裂が排除されるため、非常に長いブールを製作するのに極めて重要である。TCE−整合シード上の成長の重要性に関して、ブール成長がIII−V族窒化物と異なるTCEを持つシード上で実行された場合、成長温度からのクールダウンの際、III−V族窒化物と基板は著しい歪を受け、ブール材料及び/又はシードに亀裂が入る傾向があるが、成長がTCE−整合、格子−整合のIII−V族窒化物シード上で実行された場合、歪の無い成長が実行され、ブールのクールダウンは亀裂無しに行われるだろう。反応剤の十分な供給とTCE−整合シード上の成長とともに、ブールは数cm長に成長する。
【0101】
欠陥密度の非常に低い基板が横エピタキシャル過度成長プロセス(LEO)によって製造される、より低い欠陥密度のIII−V族窒化物シードを使用することにより達成される。
【0102】
LEOは堆積物(例えば、Si34,W,又はSiO2)あるいはエッチング(トレンチ)により形成された成長抑制領域を有するパターン化された基板上に実行される。マスクされた(又はエッチされた)領域とウィンドウ領域の成長選択は、III−V族窒化物の成長方向及び欠陥増殖を変える。転位の崩壊は、成長抑制領域における「ブロッキング」とウィンドウ領域における転位の屈曲を通じて発生する。よって、より低い欠陥密度は成長抑制領域のみならず、ウィンドウ領域においても発生させることができる。シードの全面積をブロックするために変位させた成長抑制ストライプを持つLEOプロセスの繰り返しは、一様に低い欠陥密度を持つシードとして有用である。
【0103】
(Ga,Al,In)Nブールは、先に成長したLEOシードの上に成長させることが可能で、または、ブールプロセスはリアクターからLEO材料を除去せずに、最初の段階としてLEO成長を包含することができる。
【0104】
HVPEブールプロセスにおいて、高品質のGaNシードの使用に加えて、局部歪が発生しないように成長プロセスは熱的に一様であることが重要である。例えば、これは、比較的低い成長温度(例えば、約900から約1100℃)の使用と、成長するブール全体を一様な維持温度で加熱する加熱壁リアクターの使用により達成される。
【0105】
III−V族窒化物ブールの効率的なウエハーへの変換には、ブール配向、ブールスライシング、ウエハーサイジング、ウエハー研磨、ウエハー特性決定を包含する。ブール配向に関して、ウエハー配向がIII−V族窒化物エピ層の正確な堆積のために重要である。Laue回折が結晶方向を決定するために使用され、開始のシードとブールの極性は従来の技術、例えばAES、LEED、エッチング、XPS等を含む表面解析ツールを使用して容易に解析的に決定される。
【0106】
配向に従って、ブールはウエハーブランクに切断される。ワイヤー・ソーがこのプロセスで使用される。ワイヤー・ソーの原理は、ラッピングプロセスによってブールをスライスすることである。本プロセスでは、真鍮被覆スチールワイヤーが(ダイヤモンド/BC)研磨スラリで塗布され、被塗布ワイヤーはブールの上を走り、少量のブール材は各パスとともに除去される。あるいは、研磨剤含浸ワイヤーを使用してもよい。このプロセスも有用で、多数のワイヤー、例えば125本、が平行に配置され、それらが単一のスライス操作で1つないし1組のブールから対応するレベルのスライスが得られるようにする。
【0107】
他のスライシングデバイスと比較してワイヤー・ソーにの使用には、3つの利点がある。(1)スライシングプロセスにおける低い切り口のロス、(2)マルチワイヤースライシングによるより高いブールスループット、(3)スライシングプロセスからの低減した表面下の損傷である。低い切り口のロスにより、1つのブールから得られるウエハー数は非常に多い。
【0108】
あるいは、周期的に置かれた分離層を熱的に分解することにより、ブールを個々のウエハーに分離することが可能である。例えば、周期的(例えば0.3から0.5mm毎の成長)吸収層(より低いバンドギャップまたは異なるドーパントタイプまたは密度)がウエハー材料層又は領域と交互に成長するように、例えば(Al,Ga,In)Nブールの成分またはドーピングレベルをブールの全長に渡り制御することは可能である。結果生じたブールを高出力レーザーエネルギーに晒すと、ウエハー材料層には吸収されないが(最少量は吸収される)、吸収層には好ましいことに優先的又は独占的に吸収され、吸収層の熱分解が生じて、ブールからのウエハー材料層の分離が起こる。このプロセスはブールから各ウエハー層を分離するために順次実行されるが、任意には各々の連続的なレーザー分離段階の前あるいは途中で、(例えば、HCLガス中又じゃ液体中で)ブールの表面より過剰なIII族材料を除去する。
【0109】
個別のウエハー体を製造するスライシングまたは分割プロセスに続いて、サイジングプロセスで不要なウエハーの外領域が除去される。このサイジングと端を丸める作業は、コンピュータ制御されたマイクロ粒子研磨プロセスにより達成される。かかるプロセスにおいては、マイクロ粒子研磨剤、例えば、ボロンカーバイドの2つの流れが使用され、切断されたままのSiCウエハーを適正な平面を持つ円形のウエハーへ切断する。システムは増大する亀裂とチップ抵抗のため、端部を丸めたウエハーの製造だけでなく、正確なウエハー直径と平坦長を持たせるようコンピュータ制御される。サイジングはスライシングの前に行うことが可能であるが、そうした方がより高いスループットが達成できるかもしれない。
【0110】
ウエハー研磨には、例えば、ダイアモンドスラリーを使用する予備研磨、次いで、ソーイングと機械的研磨により誘導される表面下の損傷を除去するように、ポスト研磨が含まれる。
【0111】
ブールから得られるウエハーは、種々の他の仕上げ操作を受けるが、それらに制限は無く、コアドリリング、研磨粒子ジェット照射、ワイヤー・ソー、レーザー照射、化学機械研磨、エッチング、反応性イオンエッチングが含まれる。
【0112】
本発明は、一面においては、レーザーダイオードのようにデバイス製品を独立した材料の上で形成するために、マイクロエレクトロニクスデバイスまたは前駆体装置構造体の基板のへき開を検討している。ホモ構造により、デバイスと基板の間で整列されたへき開面を可能にし、それによってへき開を可能にする。へき開はへき開をする前に基板を薄くすることにより容易になる。
【0113】
本発明は、現在利用可能の技術を超える種々の利点、そして、または以下に含まれる提案された技術を提供する。(1)低欠陥密度材料の提供。最終ウエハーの欠陥密度は、現在入手可能の技術により製造されたものより低い。それは開始シード結晶の欠陥密度が入手可能な最上の(Al,Ga,In)Nとほぼ同等で、ブールの成長につれて欠陥が連続して激減するからである。(2)製品材料の迅速な製造可能性と成長プロセスの費用効果。気相成長技術を使用するため、高圧装置の必要性は無くなり、各ブールから多数のウエハーが製造される。(3)大面積ウエハーの成長を可能にする。大面積のシードは既に入手可能、及び/又は大横断面のブールの成長を可能にするプロセスにより得ることができる。ブールの横断面は、より大きなシードを使用することによりさらに大きくなる。さらに、単結晶面積は成長の期間中に次第に増加し、後の成長のためのより大きいシードを産出する。(4)基板配向の選択における追加の自由度。基板配向を改善されたエピタキシャル過度成長のため、または特定のデバイス用途に対応するために選択し、最適化することができる。最適のウエハー配向をN−面又はGa−面であるように選択してよい。また、主要結晶学軸(例えばc, a, m, r)と整列させるか、またはエピタキシャル成長のための表面ステップをつくるために僅かにずらしてもよい。(5)電気的特性の制御性。ブール材料の電気的特性を特定のデバイスの用途に適するよう制御することができ、この場合、ブールからのウエハーカットが必要である。ドーピングは融解物のドーパント濃度を制御するのが難しいのではなく、気相流により制御することができるので、ドーピングは従来のブール成長と比較して単純になる。(6)各々の前駆体の合金成分を調整することにより、シードと成長するブール結晶の間の格子−整合性を制御する能力。
【実施例】
【0114】
本発明の特徴と利点は、以下の制限のない例によって、さらに十分に示される。ここで、全ての部及び割合%は、特に断りがなければ、重量比で示す。
【0115】
実施例1
GaNブールは、図2に概略的に示した類型のリアクターシステムにおいて、水素化物気相エピタキシ成長法(HVPE)により、GaNシード結晶の上に成長させた。気体塩化ガリウム化合物を形成するために、Ga成分は約850℃において塩素ガスと溶融Gaとの相互作用によって得られた。アンモニア(NH3)ガスは窒素成分を提供した。
【0116】
GaNシード結晶はHVPE/光学的リフトオフ技法により製造された。GaNシードの使用は、TCE及び格子不一致に伴う歪を軽減し、亀裂の無い長いブールの成長を容易とする。シード結晶は、最初に材料0.5μmを除去するために、SiCl4中で反応性イオンエッチ(RIE)され、ついでGaNから表面の汚染物と天然酸化膜を除去するために溶剤と希釈塩酸で洗浄された。シード結晶の研磨又は成長したままの、より滑らかなシードの使用は最上の結果を得るのに好ましい。シードはHVPEリアクターの中に載置され、アンモニア流の中に成長が開始されるまで保持された。核の成長の期間、ウエハーの温度は993℃未満であったが、より高い温度は使用上有利だった。最初の試験でGaN材料には亀裂ないことを確認するために、理想より低い温度が使用された。処理中の塩酸に対するアンモニアの割合は約35に維持された。0.15mm/時の成長速度が実証された。
【0117】
GaNブールはごつごつしたGaNシードの上に断面積8cm2、長さ4mmに成長した。得られた初期の結果は、実質的に以前の報告より長い(厚い)GaNブールは、亀裂を入れず、開始時期のGaNシードの結晶面積を目立つほど減少させることなく、成長できることを実証した。GaNブール材は個々のウエハーへ変化させるのに十分頑丈であった。ウエハースライスはワイヤー・ソーにより実行した。個々のウエハーのサイジングはサンドブラストにより行い、最終ウエハー製品の端部を丸くした。ウエハー研磨には研磨剤(ダイアモンド)の縮小サイズを使用した。
【0118】
何枚かのウエハーが最初のGaNブールから首尾よく製造された。GaNブールからスライスされた状態のウエハーの横断面は約1.75平方インチで、切断された状態のウエハーは研磨されて直径1インチとされた。
【0119】
ウエハーの結晶特性は良好だった。意図的に(起伏があり孔の多い)低質のシード材の使用、最小のシードの調製、妥協した処理(ブールの成長とともに低減する成長温度)にもかかわらず、HVPEブール製造方法から得られたGaNウエハーに対する二重結晶X線ロッキングカーブ半値幅、FWHM(図3に示す)は約351arcsecで、良質のGaNヘテロエピタキシャル材に匹敵する。最初のウエハーにおけるバックグランドドナー濃度は、好意的に他のHVPE材と比較され、測定値は1016cm-3未満であった。
【0120】
前記の例は本発明のブール製造方法の証拠を実証している。本発明方法の最良の実行には高品質で適切な大きさのシードの使用、最適なシード調製と成長プロセス(シード収縮を含む)における一定温度の維持を含むであろう。
【0121】
前記の例は本発明の以下の特性を実証している。 気相成長−HVPE成長プロセスはGaN材を4mm堆積させるために実行させた。気相成長は従来のバルク成長技術よりも平衡状態からさらに進行し、このプロセスには前駆物質である窒素が連続的に供給されるので、高圧装置は不要となる。
【0122】
高い成長速度−0.15mm/時を超える成長速度が実証され、さらに高い成長速度(例えば、この例に実証されたより2−4倍高い)も促進されたアンモニアのクラッキングと、より高い成長温度により達成可能である。
【0123】
大面積−ブールの断面積はシード結晶のそれに等しい。前記例において、シード面積は約8cm2に制限されたが、より大きい直径へプロセスを拡大するのに障害は無い。
【0124】
亀裂無し−格子整合の、そしてTCE整合のシード結晶における成長により、SiC又はサファイア上のこれまでのシード成長とは著しく対照的に、亀裂無く4mmのGaNの成長を可能にした。初期のシードの亀裂はブールの成長の間に増殖しなかったので、成長とクールダウンの歪の無い性質はさらに実証された(それらは横方向に、あるいは新ウエハー材料中に成長することはなかった)。
【0125】
スライスウエハー−GaNブールは、後続においてある大きさとされ、鏡面仕上げに研磨される個々のウエハーに切断されるのに十分に頑丈、かつ長さを有している。出来上がったウエハーはハンドリング、エピタキシャル成長、デバイス処理に極めて適している。
【0126】
良好な材料品質−ウエハーの結晶特性は現在のヘテロエピタキシャルGaN材料とほぼ同等であった。
【0127】
前記の例は本発明の利点と特徴を実証している。最適化に当たり影響を受けやすい本発明の種々の側面には以下の事項が含まれる。
【0128】
シードの調製−シードに堆積させたGaNの構造に明白な変化がある。最適化されたシード調製と成長核生成は製品ブールの特性を最大化するのに適当である。
【0129】
リアクター設計−成長リアクターは、成長副産物の効率的な管理を行いつつ、連続的な反応剤の補充とともに、GaNブールを高い成長速度で均一に成長させるように構築され、配設されるのが好ましい。
【0130】
結晶面積−端部調製技術は、単結晶ブール材がシードに垂直方向に、かつ、結晶面積を拡張させるためにシードに対して平行となる方向にも成長するよう、より高い成長温度、より高いNH3/Ga比、低圧力、望ましい熱勾配と均一ではない流れのパターンと結びついている。あるいは、横方向成長障壁として役立つ端部塗装技術は、ブール端部での多結晶の成長と単結晶面積の浸蝕を制限するのに役立つ。
【0131】
ウエハー製造−ウエハー製造のユニット操作(研磨、ソーイング、サイジング、仕上げ等)は、ブールにより生成されるウエハー製品の特性を最大化するため、本技術分野では、最適化の影響を受け易い。
【0132】
本発明のブールは、多様なマイクロエレクトロニクスデバイス及びデバイス前駆体としての構造体を製造するためのデバイス−特性基板として使用することのできる多様なデバイス特性ウエハーを提供するために、適当な様態において切断、あるいは区分化してもよい。マイクロエレクトロニクスデバイス及びデバイス前駆体としての構造体には、発光ダイオード、レーザーダイオード、紫外線光検出器、高電子移動度トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ヘテロジャンクション・バイポーラトランジスタ、高電力レクチファイア、波長分割多重部品等がある。かかるデバイスの数多の異なるタイプを例証として以下に示す。
【0133】
図4は、本発明のブールより得られたウエハー92の上に形成されたダブルへテロ構造LED90の概略図である。n−ドープAlGaN材であるウエハーは、その下面にn−電極94が形成されている。ウエハーの上面には連続層96−104が積層され、n−AlGaNクラッド層96、未ドープInGaN活性領域層98、p−型AlGaNクラッド層100、p−型GaNコンタクト層102及びp−電極104を有している。
【0134】
図5は本発明のブールより得られたウエハー112の上に形成されたへき開レーザーダイオード110の概略図である。ウエハー112はp−型AlGaN材で、その下面上に大面積のp−コンタクト電極114を有する。ウエハーの上面には連続層116−124が積層され、p−型AlGaNクラッド層116、GaN/InGaN多重量子井戸活性領域層118、n−型AlGaNクラッド層120、n−型GaNコンタクト層122とn−電極124を有する。
【0135】
図6は、本発明のブールより得られたウエハー132の上に形成された紫外線光検出器130の概略図である。ウエハー132はAlx1Ga1-x1N材で形成されていて、ここでx1>x2+0.05である。ウエハーには連続層134−137が積層され、n−型Alx1Ga1-x1N材料層134、n−型Alx2Ga1-x2N材料層136、n−電極137、絶縁(未ドープ)Alx2Ga1-x2N材料層138、p−型Alx2Ga1-x2N材料層140、p−型GaN材層142(またはp−型GaNに対し傾斜した層)およびp−電極144を有する。
【0136】
図7は本発明のブールより得られた半絶縁GaNウエハー152の上に形成された高電子移動度トランジスタ150の概略図である。ウエハー152には連続層154−158が積層され、未ドープGaN層154、100オングストローム未満のオーダの厚の未ドープAlGaN層156、約200オングストロームのオーダー厚のn+AlGaN層15を有する。デバイス構造は、例示されるように、ドレイン電極160、ゲート電極162、ソース電極164を有する。
【0137】
図8は本発明のブールより得られたn−型(AlGaIn)Nウエハー182の上に形成された高電力レクチファイア180の概略図である。ウエハー下にはオーミックコンタクト184を持ち、その上にはn−型(AlGaIn)N 絶縁層186とショットキー接触188を有する。
【0138】
図9は本発明によるブールから得られたn−型GaNウエハー202の上に形成されたAlGaN/GaNヘテロジャンクションバイポーラトランジスタ200の概略図である。デバイスの構造はn−型GaNコレクタ204、コレクタコンタクト206、薄い(例えば、100−300nm厚)p−型GaNベース領域208、ベース電極210を有する。ベース領域の上にn−型AlGaNエミッタ212とエミッタ電極214を有する。エミッタとベース材料間との接合部では、この接合部におけるコンダクションバンドの急峻な不連続性を回避するために、ベース208のGaNからエミッタ212のAlGaN組成に対して傾斜している。
【0139】
本発明につき、ここでは、区分化又は再分割により多様なマイクロエレクトロニクスデバイス−特性ウエハーが生産されるバルク成長体としてブールの製造と使用に関して記述されているが、記述された技術の多くは単一のウエハー製造にも適用可能であることは理解されるだろう。例えば、GaN単一ウエハーはサファイアの上に厚い(例えば300−500ミクロン厚の)GaNを成長させることにより製造可能であり、続くサファイア基板からのGaNを分離し、その後の処理のためのウエハーを構成するGaN層となる。この場合、シードからの分離に先立ち、HVPEシステム内で、あるいはHVPEシステムからの除去に続く異なる処理段階においても、追加のエピタキシャル層を基板の表面に成長させることができる。かかる単一ウエハーの構造形成は、ここに記述された、例えば、ドーピング、研磨、サイジング工程などの各シードのプロセス操作に影響を受ける。
【0140】
本発明を例示的な実施態様と図面を参照して説明してきたが、以上に説明の例示的な実施態様と図面は、発明を限定するものではなく、他の変形例、修正、および他の実施形態が当業者によって提案されるであろうことが理解されるであろう。従って、本発明は広く解釈され、以下の添付の特許請求の範囲内に含まれるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロエレクトロニクス・デバイス品質の(Al,Ga,In)Nボウル。
【請求項2】
5cm2以上の横断面積を有する請求項1記載のボウル。
【請求項3】
5mm以上の長さを有する請求項2記載のボウル。
【請求項4】
天然シード結晶から成長した請求項1記載のボウル。
【請求項5】
VPEによって成長した請求項1記載のボウル。
【請求項6】
天然シード結晶から成長し、1cmを超える直径と、1mmを超える長さを有し、実質的に無亀裂で、1cm2あたり107未満の欠陥の上面欠陥密度を有する請求項1記載のボウル。
【請求項7】
4mmを超える長さを有する請求項1記載のボウル。
【請求項8】
10mmを超える長さを有する請求項1記載のボウル。
【請求項9】
天然シード結晶から成長したボウルであって、前記ボウルが前記シード結晶より大きい横断面積の端を有する請求項1記載のボウル。
【請求項10】
c−軸、a−軸、m−軸、r−軸からなる群から選択された配向を有するシード結晶上で成長し、第一結晶軸から10度未満切断された請求項1記載のボウル。
【請求項11】
c−軸に配向されたシード結晶のN−面又は(Al,Ga,In)−面で成長した請求項1記載のボウル。
【請求項12】
n−型の請求項1記載のボウル。
【請求項13】
ケイ素及びゲルマニウムからなる群から選択されたドーパント種でドープ処理された請求項1記載のボウル。
【請求項14】
前記ケイ素ドーパント種はシランから誘導される請求項1記載のボウル。
【請求項15】
前記ゲルマニウムドーパント種はゲルマンから誘導される請求項13記載のボウル。
【請求項16】
1cm3あたり約1E15〜約5E19の室温電子濃度を生じるようにドープ処理された請求項1記載のボウル。
【請求項17】
1cm3あたり約5E17〜約1E19の室温電子濃度を生じるようにドープ処理された請求項1記載のボウル。
【請求項18】
p−型の請求項1記載のボウル。
【請求項19】
ベリリウム、マグネシウム及び亜鉛からなる群から選択されたドーパント種でドープ処理された請求項18記載のボウル。
【請求項20】
前記ドーパント種の有機金属化合物源を用いてドープ処理された請求項19記載のボウル。
【請求項21】
1cm3あたり約1E15〜約1E19の室温正孔濃度を生じるようにドープ処理された請求項18記載のボウル。
【請求項22】
1cm3あたり約5E17〜約1E19の室温正孔濃度を生じるようにドープ処理された請求項18記載のボウル。
【請求項23】
バナジウム、クロム、鉄、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択されたドーパント種でドープ処理された請求項1記載のボウル。
【請求項24】
前記ドーパント種の気相源を用いてドープ処理された請求項23記載のボウル。
【請求項25】
前記ドーパント種は、p−型と深い準位のドーパント固体源からなる群から選択された固体源から誘導される請求項23記載のボウル。
【請求項26】
1E3より大きい(より好ましくは、1E6以上の)ohm−cm比抵抗を有する請求項23記載のボウル。
【請求項27】
天然でないシード結晶上に成長した請求項1記載のボウル。
【請求項28】
ボウルで成長するシード材料及びボウル材料を含み、前記シード材料と前記ボウル材料との間に中間層を有する(Al,Ga,In)Nボウル。
【請求項29】
前記中間層材料は、ウエハー源材料の歪の軽減もしくは適応、ウエハー源材料の電気特性の変換、ウエハー源材料の欠陥密度の軽減、ウエハー源材料のシード材料からの分離促進及びウエハー源材料の核形成成長の促進のうちの少なくとも1つの機能性を有する請求項28記載のボウル。
【請求項30】
前記中間層は、VPE、CVD、PVD、MBE、MOVPE及びHVPEからなる群から選択された堆積プロセスにより堆積される請求項28記載のボウル。
【請求項31】
前記中間層は、前記シード結晶の改質、エッチング又はパターン化によって形成される請求項28記載のボウル。
【請求項32】
前記中間層が単層又は多重層若しくは単一又は複数の材料を含む請求項28記載のボウル。
【請求項33】
1cm2あたり106未満欠陥の表面欠陥密度を有する請求項1記載のボウル。
【請求項34】
1cm2あたり104未満欠陥の表面欠陥密度を有する請求項1記載のボウル。
【請求項35】
1cmを超える直径及び1mmを超える長さを有し、実質的に無亀裂である請求項1記載のボウル。
【請求項36】
c−軸、a−軸、m−軸、r−軸からなる群から選択された配向を有するシード結晶で成長し、第一結晶軸、N―面、および(In,Al,Ga)−面から1〜10度切断された請求項1記載のボウル。
【請求項37】
前記(Al,Ga,In)窒化物は、(Al,Ga,In)Nを含む請求項1記載のボウル。
【請求項38】
前記(Al,Ga,In)窒化物が、GaNを含む請求項1記載のボウル。
【請求項39】
核変換ドーピングによってドープ処理された(Al,Ga,In)窒化物ボウル若しくはウエハー。
【請求項40】
1cm3あたり約1E15〜約5E19の室温電子濃度を生じるようにドープ処理された請求項39記載のボウル若しくはウエハー。
【請求項41】
600℃を超える温度での拡散によりドープ処理された請求項1に記載のボウルまたはそこから誘導されるウエハー。
【請求項42】
光学リフトオフ技法によって生成されたシード結晶で成長した請求項1記載のボウル。
【請求項43】
犠牲テンプレートでの(Al,Ga,In)Nの成長と、物理的、熱的、エッチング、H−破壊及び脆化除去技法からなる群から選択された除去技法による前記テンプレートの除去と、によって生成されたシード結晶で成長した請求項1に記載のボウル。
【請求項44】
請求項1に記載のボウルから誘導されたウエハー。
【請求項45】
c−軸、a−軸、m−軸、r−軸からなる群から選択された配向を有する請求項44記載のウエハー。
【請求項46】
第一結晶軸から0.5〜10度切断された配向を有する請求項44記載のウエハー。
【請求項47】
エピタキシャル成長のために準備されたc−軸配向ウエハーのN―面及び(In,Al,Ga)−面のうち少なくとも1つを有する請求項44記載のウエハー。
【請求項48】
前記ボウルが天然シード結晶から成長した請求項44記載のウエハー。
【請求項49】
スライシング又は切断以外によって、前記天然シード結晶を分離した請求項48記載のウエハー。
【請求項50】
順次的なウエハー材料を含み、材料層を分離したボウルから分離されたウエハーであって、前記分離材料が、ウエハー材料よりもさらに強い選択された放射線の吸収性であり、前記ウエハーは、前記選択された放射線の前記分離材料での激突によって、前記ボウルから分離されたウエハー。
【請求項51】
デバイス品質(Al,Ga,In)Nのウエハー。
【請求項52】
10x10μm2の面積あたり5Å未満のRMS粗度の表面を有する請求項51記載のウエハー。
【請求項53】
1mを超える曲率半径を有する請求項51記載のウエハー。
【請求項54】
±0.3度より良好に配向された平面を有する請求項51記載のウエハー。
【請求項55】
へき開によって作られた平面を有する請求項51記載のウエハー。
【請求項56】
20%未満のウエハー平均厚みのTTVを有する請求項51記載のウエハー。
【請求項57】
5%未満のウエハー平均厚みのTTVを有する請求項51記載のウエハー。
【請求項58】
50μm未満の反りを有する請求項51記載のウエハー。
【請求項59】
10μm未満の反りを有する請求項51記載のウエハー。
【請求項60】
マイクロエレクトロニクス・デバイス構造を含む又はその上にマイクロエレクトロニクス・デバイス構造を備える請求項51記載のウエハー。
【請求項61】
前記マイクロエレクトロニクス・デバイス構造は、発光ダイオード、レーザーダイオード、紫外線光検出器、高電子移動度トランジスタ、バイポーラトランジスタ、ヘテロ接合のバイポーラトランジスタ、波長分割多重コンポーネント及び高性能整流器からなる群から選択される請求項51記載のウエハー。
【請求項62】
(Al,Ga,In)Nボウルの製造方法であって、前記ボウルのための天然(Al,Ga,In)Nシード結晶の用意するステップと、前記ボウルを生じるように、気相エピタクシーによって、前記シード結晶上に(Al,Ga,In)N材料を成長させるステップと、を備える方法。
【請求項63】
前記成長ステップは、1時間あたり20μmを超える成長速度で実行される請求項62記載の方法。
【請求項64】
前記成長ステップは、1時間あたり50μmを超える成長速度で実行される請求項62記載の方法。
【請求項65】
前記III−V族窒化物材料は(Al,Ga,In)Nを含む請求項62記載の方法。
【請求項66】
前記III−V族窒化物材料はGaNを含み、成長が約900〜約1100℃の温度範囲で実行される請求項62記載の方法。
【請求項67】
前記III−V族窒化物材料はAlNを含み、成長が約950〜約1200℃の温度範囲で実行される請求項62記載の方法。
【請求項68】
前記III−V族窒化物材料はInNを含み、成長が約700〜約900℃の温度範囲で実行される請求項62記載の方法。
【請求項69】
前記気相エピタクシーはHVPEを含む請求項62記載の方法。
【請求項70】
前記シード結晶上で成長中のIII−V族窒化物材料が、アンモニア、ヒドラジン、アミン及びポリアミンからなる群から選択された窒素源試薬の使用を含む請求項62記載の方法。
【請求項71】
前記シード結晶上で成長中のIII−V族窒化物材料は、III族前駆体に対する窒素含有前駆体の流量比を含み、窒素含有前駆体の流量速度がIII族前駆体流量速度よりもかなり速いことを特徴とする請求項62記載の方法。
【請求項72】
前記シード結晶上で成長中のIII−V族窒化物材料は、約10〜約1000の範囲で、III族前駆体に対する窒素含有前駆体の流量比を含む請求項62記載の方法。
【請求項73】
前記シード結晶上で成長中のIII−V族窒化物材料は、III族及びV族前駆体の両方を含有する液体溶液を成長反応器へ移送するステップと、前記成長反応器中でIII−V族窒化物材料の成長の実行するステップと、を含む請求項62記載の方法。
【請求項74】
成長中の前記ボウルは、III−V族窒化物材料のための各々の前駆体源から収縮する請求項62記載の方法。
【請求項75】
成長中の前記ボウルは、前記ボウルの成長表面と前記源との間に所定の距離を維持するために、III−V族窒化物材料のための各々の前駆体源から収縮する請求項62記載の方法。
【請求項76】
前記ボウルは、1mmを超える長さまで成長する請求項62記載の方法。
【請求項77】
前記ボウルは、4mmを超える長さまで成長する請求項62記載の方法。
【請求項78】
前記ボウルは、10mmを超える長さまで成長する請求項62記載の方法。
【請求項79】
前記ボウルは、前記成長表面欠陥密度が1cm2あたり107未満の欠陥なるまで少なくとも成長させる請求項62記載の方法。
【請求項80】
前記ボウルは、1cmを超える断面寸法を有して成長する請求項62記載の方法。
【請求項81】
前記ボウルは、少なくとも5cm2の横断する断面面積を有して成長する請求項62記載の方法。
【請求項82】
前記ボウルは、前記シード結晶より大きい横端を含む請求項62記載の方法。
【請求項83】
前記シード結晶は、c−軸、a−軸、m−軸、r−軸からなる群から選択された配向を有し、第一結晶軸から0.5度未満で切断される請求項62記載の方法。
【請求項84】
前記シード結晶は、第一結晶軸から0.5〜10度で切断された配向を有する請求項62記載の方法。
【請求項85】
前記ボウル成長は、c−軸−配向のシード結晶のN−面又は(Al,Ga,In)−面で実行される請求項62記載の方法。
【請求項86】
前記ボウルは、GaNボウルから誘導されたシード結晶上で成長する請求項62記載の方法。
【請求項87】
前記シード結晶は、HVPE/光学リフトオフ技法によって生成された請求項62記載の方法。
【請求項88】
シード結晶上で成長した前記(Al,Ga,In)N材料は、犠牲テンプレートの(Al,Ga,In)Nの成長と、物理的、熱的、エッチング、H−破壊および脆化除去技法からなる群から選択された除去技法による前記テンプレートの除去と、によって生成された請求項62記載の方法。
【請求項89】
前記III−V族窒化物材料は、前記シード結晶と前記窒化物材料の間に少なくとも1つの中間層を有して成長する請求項62記載の方法。
【請求項90】
前記少なくとも1つの中間層が、VPE、CVD、PVD、MBE、MOVPE及びHVPEからなる群から選択されたプロセスによって、堆積されるか、若しくはシード結晶内かシード結晶と共に生成する請求項62記載の方法。
【請求項91】
前記結晶品質又は成長中の前記III−V族窒化物材料ポリタイプを規制するために不純物の混合を含む、請求項62記載の方法。
【請求項92】
バナジウム、クロム、鉄、ヒ素、マンガン、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択されたドーパント種を有する前記(Ga,Al,In)N材料のドーピングすることを、さらに含む請求項62記載の方法。
【請求項93】
III−V族窒化物材料の前記成長は、III−V族窒化物材料に対する源構成部分のその場での源補給を有して、成長中にボウルへの源の距離を維持して、1時間あたり20μmを超えるIII−V族窒化物材料の成長速度で実行される請求項62記載の方法。
【請求項94】
4mmを超える厚まで前記III−V族窒化物材料を成長させるのに十分な時間実行される請求項93記載の方法。
【請求項95】
天然でないシードからの前記ボウルのその場での分離を含む請求項62記載の方法。
【請求項96】
前記ボウルからのウエハーを誘導することを、さらに含む請求項62記載の方法。
【請求項97】
前記ウエハーは、ワイヤーソーにより前記ボウルをスライシングすることによって誘導される、請求項96記載の方法。
【請求項98】
コアドリリング、研磨粒子ジェット露光、ワイヤーソーイング、レーザー照射、化学機械研磨、光電気化学エッチング及び反応性イオンエッチングからなる群から選択された形成作業へ、前記ウエハーをさらすことをさらに含む、請求項96記載の方法。
【請求項99】
前記ウエハーの面積が10x10μm2あたり10Å未満のRMS粗度を付与するように、前記ウエハーを処理することをさらに含む、請求項98記載の方法。
【請求項100】
内層面損傷を除去するたように、前記ウエハーを処理することをさらに含む、請求項98記載の方法。
【請求項101】
前記ウエハー上にマイクロエレクトロニクス・デバイス構造を組み立てることをさらに含む、請求項96記載の方法。
【請求項102】
前記デバイス構造は、発光ダイオード、レーザーダイオード、紫外線光検出器、バイポーラトランジスタ、ヘテロ構造バイポーラトランジスタ、高電子移動度トランジスタ、高性能整流器及び波長分割多重コンポーネントからなる群から選択されたデバイスのうち少なくとも一部を含む請求項101記載の方法。
【請求項103】
前記ボウルは、前記ウエハーから誘導する前に、サイジングされる請求項96記載の方法。
【請求項104】
前記III−V族窒化物材料はGaNを含む請求項96記載の方法。
【請求項105】
前記ウエハーを研磨することをさらに含む、請求項96記載の方法。
【請求項106】
微細な研磨材媒体で研磨した後、きめが粗くて中程度の研磨材媒体で前記ウエハーをラッピングすることをさらに含む、請求項96記載の方法。
【請求項107】
前記研磨材媒体は、ダイヤモンド、炭化ホウ素、炭化ケイ素及びアルミナからなる群から選択された研磨材材料のうち少なくとも1つを含む請求項106記載の方法。
【請求項108】
酸性CMPスラリー組成物及び塩基性CMPスラリー組成物からなる群から選択されたスラリー組成物で、前記ウエハーの化学機械研磨することをさらに含む、請求項96記載の方法。
【請求項109】
エピタキシャル成長に適した表面を生じるように、前記ウエハーの少なくとも1つの面を反応性イオンエッチングすることをさらに含む、請求項96記載の方法。
【請求項110】
請求項1記載のボウルから誘導された基板を備え、前記基板上及び/又は基板内に組み立てられるデバイスを備える、マイクロエレクトロニクス・デバイス構造。
【請求項111】
前記デバイスは、発光ダイオード及びレーザーからなる群から選択される請求項110に記載のマイクロエレクトロニクス・デバイス構造。
【請求項112】
前記基板は、へき解されている請求項110に記載のマイクロエレクトロニクス・デバイス構造。
【請求項113】
独立した材料上にある、請求項112に記載のマイクロエレクトロニクス・デバイス構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−17259(P2012−17259A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221730(P2011−221730)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【分割の表示】特願2001−567830(P2001−567830)の分割
【原出願日】平成13年3月12日(2001.3.12)
【出願人】(592054856)クリー インコーポレイテッド (468)
【氏名又は名称原語表記】CREE INC.
【Fターム(参考)】