説明

単結晶半導体ナノワイヤの形成

【課題】単結晶ナノ構造を基板の上に成長させる方法を提供する。
【解決手段】基板1の主表面上にパターン2を最初に形成する工程であって、パターン2は基板1の表面まで延びた開口部を有する工程と、パターン2の開口部中の、露出した主表面の上に、金属3を供給する工程と、開口部をアモルファス材料4で、少なくとも部分的に埋める工程と、アモルファス材料4と金属化合物3とを、300℃と1000℃の間の温度でアニールし、金属媒介結晶化により、アモルファス材料4を単結晶材料5に変える工程と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単結晶ナノワイヤの形成に関する。
【0002】
本発明は、また、n型および/またはp型のドーパントを有する単結晶ナノワイヤを形成する方法に関する。
【0003】
本発明は、また、異なるドーパントタイプを含むセグメント(領域)または異なるナノワイヤ材料を含むセグメント(領域)を有するセグメントに分かれたナノワイヤを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
ナノワイヤ(NW)やカーボンナノチューブ(CNT)のようなナノ構造は、マイクロエレクトロニクスの製造プロセスで現在使用される材料を拡張し、あるいは置き換える最も将来有望な候補である。例えば、金属CNTは、高い電流運搬能力のためにナノ電子相互接続として提案され、一方、半導体NW(CNT)は、ラップアラウンド(wrap-around)ゲートの形成の可能性や、狭いワイヤ中での量子閉じ込め効果の活用により、ナノスケールのトランジスタ素子として指摘される。ナノ構造の作製が多くの解決されていない問題に直面するため、それらの応用や類似の応用については、完全には達成できない。これらの問題は、一の応用から他の応用まで様々であるが、以下で検討するように幾つかの形態で類似する。
【0005】
気相−液相−固相(VLS)成長は、半導体デバイスの他の要素と接続するNWを合成するのに使用される最も一般的な方法の1つである。しかしながら、化学気相成長(CVD)チャンバ中でのNWの成長温度は、比較的高温である、一般には600℃〜700℃近辺である。この高い温度は、下方のデバイス層に容易に損傷を与える。それゆえに成長温度を下げ、同時に結晶構造を合成することは重要な問題である。
【0006】
Liuらは、陽極の陽極酸化(AAO:Anodic Anodized Oxide)テンプレートと、AAOテンプレート内でシリコンナノワイヤを形成するための触媒としてAuナノ粒子とを利用する、VLSベースの成長技術について述べている(Japanese Journal of Applied Physics Vol. 46, No. 9B, 2007, pp. 6343-6345)。AAOテンプレートを用いることにより、成長温度は400℃〜550℃まで低くすることができる。なぜならば、AAOテンプレート中のアルミニウムは、Au触媒粒子に加えて、追加の触媒として働くからである。
【0007】
他の問題は、セグメント化されたNW、例えば第1半導体材料からなる第1セグメントと、第2半導体材料からなる第2セグメントとを有するNWの成長である。VLSベースの成長技術は、例えばセグメント化されたIII−Vナノワイヤの形成に適しているが、上述のように、この技術は比較的高い成長温度(例えば、600℃〜700℃の範囲)を必要とする。
【0008】
更に他の問題は、(半導体)NWの制御されたドーピングである。NW中のドーパント濃度を制御し、ナノワイヤ中で例えば1017より低いような低いドーパント濃度や、例えば1018より高いような非常に高いドーパント濃度をNW中で得るのは、非常に困難である。VLS技術を用いると、成長のための混合ガスにドーパントガスを加えることができるが、混合ガス中のドーピング濃度は非常に低いため、気相中のドーパント濃度対ナノ構造中に取り込まれたドーパント濃度の制御が非常に困難である。更に、この方法では、高い濃度を得ることは困難である。
【0009】
結論として、好ましくは低温で、単結晶ナノ構造を得るための容易に制御可能な成長方法であって、特定の濃度のドーパント元素を取り込むことができ、2つの異なる半導体材料からなる少なくとも2つのセグメントからなるセグメント化されたナノ構造を容易に形成することができる方法を提供するには、従来技術ではなおも問題がある
【0010】
本発明の目的
本発明の目的は、単結晶ナノワイヤを形成するための代わりの方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、低温で、即ち500℃より低温で、NWを成長する新規で容易な方法を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、ナノ構造中のドーパント元素の濃度が良好に制御できる、ドープされた単結晶ナノ構造を形成する新規で容易な方法を提供することである。本発明の使用により、ナノ構造中のドーパント元素の濃度を、1013/cmから1021/cmの範囲で制御することができる。
【0013】
本発明の他の目的は、セグメント化されたナノ構造、換言すれば少なくとも2つのセグメント、即ち第1の半導体材料からなる第1セグメントと、第2の半導体材料からなる第2セグメントとを有するナノ構造を形成する新規で容易な方法を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、例えばナノデバイスの作製のような、現存の半導体プロセスを小型化し完全に互換性のある方法を提供することである。ここに開示された方法は、どのようなサイズの基板でも実施することができる。
【0015】
本発明の他の目的は、所定の直径、長さ、および密度が得られるように、ナノ構造の直径および長さを制御した、単結晶ナノ構造の成長を可能にする方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、所定の位置に、細長い単結晶ナノ構造の形成を可能にする方法を提供することである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Japanese Journal of Applied Physics Vol. 46, No. 9B, 2007, pp. 6343-6345
【発明の概要】
【0018】
上記目的は、本発明にかかる方法およびデバイスで成し遂げられる。本発明の目的は、定形(templated)の電気化学堆積(ECD)と新規な強制的な金属媒介結晶化(MMC)との組み合わせを用いて達成される。
【0019】
本発明の第1の形態では、基板上に単結晶ナノ構造を成長させる方法が提供される。
この方法は、少なくとも以下の工程:
基板の主表面上に最初にパターンを形成する工程であって、パターンは少なくとも1つの開口部を有し、開口部はパターンの表面から基板の主表面まで延びる工程と、
パターンの少なくとも1つの開口部中の、露出した主表面の上に、金属を供給する工程と、
少なくとも1つの開口部を、アモルファス材料で少なくとも部分的に埋める工程と、
アモルファス材料と金属とを、300℃と1000℃の間の温度でアニールし、金属媒介結晶化により、アモルファス材料を単結晶材料に変えて、単結晶ナノ構造を形成する工程と、
任意的に、金属化合物および/またはパターンを除去する工程と、を含む。
【0020】
好適な具体例では、電気化学堆積(ECD)を用いる場合は、基板または少なくとも基板の上部層は、導電性(金属)または半導電性(Si、Ge、III−V半導体)材料から形成される。真空と物理気相堆積(PVD)技術が金属化合物を形成するのに使用される場合、基板または基板の上部層は、絶縁材料から形成されても良い。
【0021】
好適な具体例では、パターンは、基板の上部層まで延びた開口部を有し、基板の上部層は、半導体デバイスの、(銅の)配線(BEOL)の相互接続構造を含む。このため、開口部は、(銅の)相互接続構造に向かって延びる。
【0022】
好適な具体例では、パターンは、陽極酸化アルミニウム酸化物(AAO)、配向ゼオライト(oriented zeolite)、またはシリコン酸化物、フォトレジストパターン等のような誘電体中に形成された孔のような多孔性パターンでも良い。
【0023】
好適な具体例では、パターンを形成する工程は、
基板の主表面上に層を堆積する工程と、
リソグラフィパターニングと反応性イオンエッチングを用いて、堆積層中にパターンを形成する工程と、を含む。
【0024】
好適な具体例では、パターンは、基板の表面にナノメータの範囲で、好適には2nmから100nmの範囲で延びた開口部を有する。
【0025】
好適な具体例では、パターンは、永久パターンまたは代わりに犠牲パターンでも良い。
【0026】
本発明の具体例では、パターンはナノ構造の形成後に、ウェットエッチング技術またはドライエッチング技術を用いて除去する犠牲パターンでも良い。除去技術は、パターンに対して選択的であり、ナノ構造および/またはパターンの下の基板を傷つけてはいけない。パターンがSiOのようなシリコン酸化物の場合、パターンはウエットまたは気体のHF処理を用いて除去される。
【0027】
好適な具体例では、パターンの開口部中に金属を提供する工程は、電気化学堆積(ECD)または代わりに、化学気相成長(CVD)や物理気相成長(PVD)のような他の先端技術を用いて行われる。金属は、アモルファス材料の金属媒介結晶化(MMC)のために選択される。適当な材料は、例えばAu、Ni、Co、In、Gaである。MMCのための適当な温度範囲は、材料の選択により決められる。In、Gaのような低融点金属では温度は低くなり、NiやCoのような高融点金属では温度は高くなる。また、金属合金も考慮される。金属は、このように、単体金属または金属化合物または金属合金である。
【0028】
好適な具体例では、金属はドーパント元素を含んでも良い。それらのドーパント元素は、MMCアニール中にアモルファス材料中に溶解し、ドープされた結晶ナノ構造を形成するように選択される。
【0029】
好適な具体例では、アモルファス材料で開口部を部分的に埋める工程は、電気化学堆積(ECD)をも用いて行われる。アモルファス材料は、アモルファスSi(a−Si)、アモルファスGe(a−Ge)、アモルファスInSb(a−InSb)、アモルファスカーボン(a−C)でも良い。GeおよびSiは、一般に、有機またはイオン溶液から電着し、一方、InSbは、一般に、水溶液から電着する。
【0030】
好適な具体例では、アモルファス材料はドーパント元素を含む。好適には、アモルファス材料中へのドーパント元素の取り込みは、ドーパント元素とアモルファス材料とを同時に堆積して行われる。一般に、P、As、Sb、またはBiが、n型ドープの(Si)材料を形成するためのドーパント元素として使用され、B、Al、Ga、およびInが、p型ドープの(Si)材料を形成するためのドーパント元素として使用される。
【0031】
本発明の好適な具体例にかかるナノ構造で様々なドーパント濃度を得るために、最初に、例えばPを含むようなドーパント元素を含む、例えばアモルファスSiのようなアモルファス材料が、例えば50nmのような所定の厚みで同時に堆積され、続いてドーパント元素無しで、例えば150nmのような所定の膜厚でアモルファス材料の堆積が行われる。ドーピングプロファイルは、本発明の結晶化工程中に達成され、および/またはドーピングプロファイルを得るための、結晶化工程後の他の(追加の)アニール工程により行われる。
【0032】
好適な具体例では、アモルファス材料と金属のアニール工程は、MMCに使用される金属−アモルファス材料の組み合わせに依存して、300℃と1000℃の間の温度で行われる。例えば、300℃〜400℃の範囲の温度は、Inのような低融点金属に使用され、500℃〜600℃の範囲の温度は、Ni、FeおよびCoのような金属に使用され、900℃〜1000℃の範囲の温度は、Tiのような遷移金属に使用される。アニールは、好適には不活性雰囲気中または真空雰囲気中で約1時間行われる。アモルファス材料のアニールは、アモルファス材料を結晶材料に変え、好適には、アモルファス材料の金属中への拡散により単結晶材料に変えられる。結晶化は、偏析(segregation)により行われ、結晶化プロセス中に、金属相がアモルファス相を通って、形成された結晶ナノ構造の上部に金属が最終的に達するまで移動し、後に結晶化相を残す。バルクMMC中の典型的な粒径は、孔径や開口部直径より大きいので、偏析する結晶相は、多孔質の壁または開口部の制限により単結晶となる。この現象は、強制された金属媒介結晶化またはCMMCと呼ばれる。
【0033】
本発明の具体例では、アニール工程は、高速熱アニール(RTA)により行われても良い。
【0034】
好適な具体例では、熱アニール工程後に、アモルファス材料の完全な結晶化が得られ、形成された金属をその上に有する単結晶ナノ構造材料が得られる。
【0035】
好適な具体例では、アモルファス材料の結晶化後に、金属粒子が除去される。
【0036】
本発明の第2の形態では、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長するための方法が提供される。
【0037】
この方法は、少なくとも以下の工程:
基板の主表面上に最初にパターンを形成する工程であって、パターンは少なくとも1つの開口部を有し、開口部はパターンの表面から基板の主表面まで延びる工程と、
パターンの少なくとも1つの開口部中の、露出した主表面の上に、金属を供給する工程と、
少なくとも1つの開口部を、第1のアモルファス材料で少なくとも部分的に埋める工程と、
少なくとも1つの開口部の、第1のアモルファス材料の上に残った部分を、第2のアモルファス材料で少なくとも部分的に埋める工程と、
第1および第2のアモルファス材料と金属化合物とを、300℃と1000℃の間の温度でアニールし、金属媒介結晶化により、第1および第2のアモルファス材料をそれぞれ第1および第2の単結晶材料に変えて、セグメント化された単結晶ナノ構造を形成する工程と、
任意的に、金属化合物および/またはパターンを除去する工程と、を含む。
【0038】
基板上にセグメント化された結晶ナノ構造を成長させる代わりの方法では、この方法は、少なくとも以下の工程:
基板の主表面上に最初にパターンを形成する工程であって、パターンは少なくとも1つの開口部を有し、開口部はパターンの表面から基板の主表面まで延びる工程と、
パターンの少なくとも1つの開口部中に、金属を供給する工程と、
少なくとも1つの開口部を、第1のアモルファス材料で部分的に埋める工程と、
第1のアモルファス材料と金属化合物とを、300℃と1000℃の間の温度でアニールし、金属媒介結晶化により、第1のアモルファス材料を第1の単結晶材料に変える工程と、
少なくとも1つの開口部の、第1の単結晶材料の上に残った部分を、第2のアモルファス材料で少なくとも部分的に埋める工程と、
第2のアモルファス材料と金属化合物とを、300℃と1000℃の間の温度でアニールし、金属媒介結晶化により、第2のアモルファス材料を第2の単結晶材料に変えて、セグメント化された単結晶ナノ構造を形成する工程と、
任意的に、金属化合物および/またはパターンを除去する工程と、を含む。
【0039】
好適な具体例では、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長させる方法は、ヘテロ接合を形成するために使用される。ヘテロ接合は、少なくとも2つのセグメントから形成され、それぞれのセグメントは他の半導体材料からなり、例えばSiからなる第1セグメントと、Geからなる第2セグメントからなる。
【0040】
本発明の好適な具体例では、第1のアモルファス材料を第1の単結晶材料に結晶化するのに使用される金属は、第1のアモルファス材料のアニーリング工程後に除去され、第2の金属が第1の単結晶材料の上に堆積される。第2の金属の上に第2のアモルファス材料が堆積され、第2の金属が、第2のアモルファス材料を第2の単結晶材料に結晶化するのに使用される。
【0041】
本発明の好適な具体例では、金属は少なくとも2つの金属からなる金属合金であり、その第1の金属は、第1のアモルファス材料を第1の単結晶材料に結晶化するために選択され、第2の金属は、第2のアモルファス材料を第2の単結晶材料に結晶化するために選択される。
【0042】
本発明の好適な具体例では、アモルファス材料をドーピングするために、金属がドーパント元素と混ぜられても良い。ドーパント元素は、結晶化中にアモルファス材料に取り込まれる。この場合、金属化合物は、セグメントの間で置き換えられる必要がある。
【0043】
本発明の好適な具体例では、第1のアモルファス材料は、少しの割合のドーパント元素が混ぜられたa−Si、a−Ge、a−InSb、またはa−Cである。ドーパント元素は、例えば、SiおよびGeに対するn型ドーパントとしてはP、As、Sb、Biであり、SiおよびGeに対するp型ドーパントとしてはB、Al、Gaであり、好ましくは電気化学的に同時堆積(co-deposition)される。第2のアモルファス材料は、少しの割合の、反対のドーパント元素、または濃度の異なる同種のドーパント、またはイントリンシック部分を形成するドーパント無し、と混ざった第1のアモルファス材料と同じアモルファス材料でも良い。
【0044】
本発明の好適な具体例では、第1のアモルファス材料は、少しの割合(例えば1〜3重量%)のドーパント元素が混ぜられたa−Si、a−Ge、a−InSb、またはa−Cである。ドーパント元素は、例えば、SiおよびGeに対するn型ドーパントとしてはP、As、Sb、Biであり、SiおよびGeに対するp型ドーパントとしてはB、Al、Gaであり、好ましくは電気化学的に同時堆積される。第2のアモルファス材料は、ヘテロ接合と呼ばれる、取り込まれたドーパント元素を有するまたは有さない第1のアモルファス材料とは異なるアモルファス材料でも良い。
【0045】
本発明の具体例では、取り込み技術は、金属化合物と例えばB、As、P等のドーパント元素の双方が、電解液中の溶けたイオンから堆積する合金の同時堆積を含む。
【0046】
本発明の他の具体例では、同時堆積技術は、ドーパント元素が溶液中に分散したナノ粒子であり、金属化合物マトリックスが溶液中に溶けた金属イオンから堆積される、粒子の同時堆積を含んでも良い。
【0047】
本発明の具体例では、少なくとも1つの開口部をアモルファス材料で埋める工程が、電気化学堆積または無電解堆積により行われても良い。
【0048】
本発明は、更なる形態で、半導体デバイスの製造プロセスでの、本発明の具体例にかかる方法の使用を提供する。
【0049】
本発明の特別で好適な形態は、独立請求項と従属請求項の組み合わせによる。従属請求項の特徴は、必要に応じて独立請求項の特徴や他の従属請求項の特徴と組み合わせても良く、単に請求項に明確に表されたものではない。
【0050】
この分野において、デバイスの一定の改良、変化、および進化が存在するが、本発明の概念は、従来の経験からの出発を含み、この性質のより効果的で、安定で、信頼性の有るデバイスを提供する、実質的に新しく新規な改良を表すものと信じられる。
【0051】
本発明の上述の他の特徴、長所、および優位点は、本発明の原理を、例示の方法で示す、添付の図面と共に、以下の詳細な記載から明らかになるだろう。この記載は例示の目的のみに表され、本発明の範囲を限定するものではない。以下の引用された参照図は、添付の図面を示す。
【図面の簡単な説明】
【0052】
全ての図面は、本発明の幾つかの形態や具体例を示すことを意図する。全ての代替えや選択肢が示されるものではなく、それゆえに、本発明は添付された図面の内容に限定されるものではない。同様の番号は、異なる図面においても同様の部分を参照するために使用される。図面は、好適な具体例を示すものである。
【0053】
【図1A】本発明の具体例にかかる、単結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図1B】本発明の具体例にかかる、単結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図1C】本発明の具体例にかかる、単結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図1D】本発明の具体例にかかる、単結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図1E】本発明の具体例にかかる、単結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図1F】本発明の具体例にかかる、単結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図2A】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図2B】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図2C】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図2D】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【図3A】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する代わりの方法の連続した工程を示す。
【図3B】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する代わりの方法の連続した工程を示す。
【図3C】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する代わりの方法の連続した工程を示す。
【図3D】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する代わりの方法の連続した工程を示す。
【図3E】本発明の具体例にかかる、セグメント化された結晶ナノ構造を基板上に成長する代わりの方法の連続した工程を示す。
【0054】
異なる図面において、同様の参照符号は、同様のまたは類似の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本発明は、特定の具体例について、添付図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではなく、請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【0056】
記載された図面は、単に概略であり、限定するものではない。図面において、図示目的で、いくつかの要素の大きさは拡張され、縮尺通りに記載されていない。寸法と相対寸法は、本発明の実施の実際の縮小には対応していない。
【0057】
本発明は、本発明の多くの具体例の詳細な説明により記載されるであろう。本発明の真の精神や技術的示唆から離れることなく、この分野の当業者の知識により、本発明の他の具体例が形成されることは明らかであり、本発明は添付した請求項の用語によってのみ限定される。
【0058】
また、説明や請求の範囲中の、上、下、等の用語は、記載目的のために使用され、相対的な位置を示すものではない。そのように使用される用語は、適当な状況下で入替え可能であり、ここに記載された発明は、ここに記載や図示されたものと異なる位置でも操作できることを理解すべきである。
【0059】
また、請求の範囲で使用される「含む(comprising)」の用語は、それ以降に示される要素に限定して解釈されること排除するものであり、他の要素や工程を排除しない。このように、言及された特徴、数字、工程、または成分は、その通りに解釈され、1またはそれ以上の他の特徴、数字、工程、または成分、またはこれらの組み合わせの存在または追加を排除してはならない。このように、「手段AおよびBを含むデバイス」の表現の範囲は、構成要素AとBのみを含むデバイスに限定されるべきではない。本発明では、単にデバイスに関連した構成要素がAとBであることを意味する。
【0060】
この明細書を通じて参照される「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」は、この具体例に関係して記載された特定の長所、構造、または特徴は、本発明の少なくとも1つの具体例に含まれることを意味する。このように、この明細書を通して多くの場所の「一の具体例(one embodiment)」または「ある具体例(an embodiment)」の語句の表現は、同じ具体例を表す必要はなく、表しても構わない。更に、特定の長所、構造、または特徴は、この記載から当業者に明らかなように、1またはそれ以上の具体例中で適当な方法で組み合わせることができる。
【0061】
同様に、本発明の例示の記載中において、説明を簡潔にし、多くの発明の形態の1またはそれ以上の理解を助ける目的で、本発明の多くの長所は、時には1つの具体例、図面、またはその説明中にまとめられることを評価すべきである。しかしながら、この開示の方法は、請求される発明がそれぞれの請求項に記載されたものより多くの特徴を必要とすることを意図して表されていると解釈すべきではない。むしろ、以下の請求項が表すように、発明の形態は、1つの記載された具体例の全ての特徴より少なくなる。このように詳細な説明に続く請求の範囲は、これにより詳細な説明中に明確に含まれ、それぞれの請求項は、この発明の別々の具体例としてそれ自身で成立する。
【0062】
更に、ここで記載された幾つかの具体例は、幾つかの特徴であって他の具体例に含まれる以外の特徴を含み、異なった具体例の長所の組み合わせは、本発明の範囲に入ることを意味し、当業者に理解されるように異なった具体例を形成する。例えば、以下の請求の範囲では、請求された具体例のいくつかは、他の組み合わせにおいても使用することができる。
【0063】
ここで与えられる記載において、多くの特別な細部が示される。しかしながら、本発明の具体例はそれらの特別な細部無しに実施できることを理解すべきである。他の例では、公知の方法、構造、および技術は、この記載の理解をわかりにくくしないために、詳細には示されていない。
【0064】
ナノ構造の用語は、ワイヤ(ナノワイヤ)、チューブ(ナノチューブ)、ロッド(ナノロッド)、および縦軸を有する類似の細長くて実質的に円筒または多角形のナノ構造の形態の固体材料の、2次元に閉じ込められた一片を意味する。ナノ構造の断面寸法は、好適には1〜500ナノメータの範囲である。本発明の具体例では、例えばカーボンナノチューブ(CNT)のようなナノ構造や、例えば半導体ナノワイヤ(例えば、シリコンナノワイヤ)のような無機ナノ構造が含まれる。
【0065】
本発明では、「同時堆積(co-deposition)」の用語は、例えば同じバスから、2またはそれ以上の要素が同時に堆積され、個々に合金や合成物を形成することを意味する。「同時堆積」の異なる形態や型は、最先端技術で知られており、例えばD. Landolt の"Electrochemical and Materials Science Aspects of Alloy Deposition" (Electrochemica Acta, Vol. 39, 1075-1090, 1994)に記載されている。
【0066】
本発明は、単結晶ナノ構造を提供する方法に関する。本発明は、更に、ナノ構造中のドーパント要素の濃度が非常に良く制御された、ドープされた単結晶ナノ構造に関する。本発明の方法を用いると、ナノ構造中のドーパント元素の濃度を、1013/cm〜1021/cmの範囲内で制御することができる。
【0067】
本発明は、更に、セグメント化されたナノ構造、または換言すれば少なくとも2つのセグメントを有するナノ構造を提供するための、新規で容易な成長方法を提供する方法に関する。
【0068】
本発明の方法は、定型の電気化学堆積(ECD)と金属媒介結晶化(MMC)を使用する。
【0069】
本発明の1の形態では、単結晶ナノ構造を基板上に形成する方法が提供される。
【0070】
本方法は、少なくとも以下の工程:
基板の主表面上に最初にパターンを形成する工程であって、パターンは少なくとも1つの開口部を有し、開口部はパターンの表面から基板の主表面まで延びる工程と、
パターンの少なくとも1つの開口部中に金属を供給する工程と、
少なくとも1つの開口部を、アモルファス材料で少なくとも部分的に埋める工程と、
300℃と1000℃の間の温度で基板をアニールし、金属媒介結晶化により、アモルファス材料を単結晶材料に変えて、単結晶ナノ構造を形成する工程と、
任意的に、金属化合物および/またはパターンを除去する工程と、を含む。
【0071】
本発明の具体例にかかる方法で形成された単結晶ナノ構造は、どうようなサイズの基板でも有利に使用でき、半導体プロセス技術と完全に互換性がある。
【0072】
図1Aから図1Eは、本発明の具体例にかかる、単結晶ナノ構造を基板上に成長する方法の連続した工程を示す。
【0073】
図1に示すように、第1工程で基板1が提供される。本発明の具体例では、基板1は伝導性または半伝導性でも良く、この場合、電解手段による電気化学堆積(ECD)が、続く工程で金属の堆積に用いられる。これにより、本発明の具体例では、基板1は、金属基板または、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、またはIII−V族半導体材料からなる半導体基板でも良い。基板1は、絶縁性、伝導性、または半伝導性でも良く、この場合、無電解手段または気相堆積技術が金属の堆積に用いられる。気相堆積技術は、物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)および原子層堆積(ALD)のようなその派生を含む。
【0074】
基板1の上にパターン2が形成され、このパターン2は少なくとも1つの開口部を有し、開口部は、基板の主表面まで延びる。基板の表面まで延びる開口部は、好適にはナノメータの範囲であり、更に好適には2nmから100nmの範囲である。パターンは永久パターン2または代わりに犠牲パターン2でも良い。
【0075】
パターン2は、例えば陽極酸化アルミニウム酸化物(AAO)、配向ゼオライト(oriented zeolite)、またはSiO、フォトレジストパターン等のような誘電体中に形成された孔のような多孔性パターンでも良い。
【0076】
本発明の具体例では、パターン2を形成する工程は、最初に層を堆積し、続いて堆積させた層の中に少なくとも1つの開口部を形成し、図1Aに示すようなパターン2を形成して行われても良い。堆積された層中の開口部は、例えばリソグラフィと異方性ドライエッチングのようなドライエッチングとの組み合わせのような標準半導体プロセスを用いて形成される。標準的なリソグラフィプロセスは、少なくとも1つの、例えばフォトレジスト層のような感光性の層を堆積し、堆積した層の上または下に反射防止被覆を選択的に行い、少なくとも1つの感光性の層を現像して、フォトリソグラフィパターンを形成する工程を含んでも良い。反射防止被覆が堆積された層の上に形成される場合、この反射防止被覆は、リソグラフィプロセス中に容易に除去できるように選択される。フォトリソグラフィパターンは、続いて、堆積層中に開口部を形成するための反応性イオンエッチング等のマスクとして用いられ、これにより、基板1の主表面の一部が露出する。
【0077】
本発明の具体例では、堆積された層は、例えばSiO層のようなシリコン酸化物層で、例えば化学気相堆積(CVD)で形成されても良い。本発明の他の具体例では、堆積された層は、例えば、一般にリソグラフィに使用されるポリマーレジスト材料(例えばPMMA(poly-methyl methacrylate))や、例えばSiLk(登録商標)のような有機低誘電率(low-k)誘電体材料のような有機スピンオン材料でも良い。堆積された層の膜厚は適用とサイズに依存し、好適には形成される単結晶ナノ構造の高さに依存する。堆積された層の膜厚は、例えば、10nmと100μmの間の範囲であり、特に、CMOSへの応用では100nmと1μmの間である。
【0078】
パターン2を達成するために堆積された層に開口部を形成した後、基板1は電解バスに浸責されて金属の堆積が行われる。この方法は、例えば、無電解手段または電解手段による電気化学堆積(ECD)で行われる。堆積プロセス中に、パターン2の開口部の底面は金属3により覆われる。図1Bは、開口部の底面が金属3により覆われた開口部を有するパターンを示す。
【0079】
本発明の具体例では、金属3は、アモルファス材料の金属媒介結晶化が可能である。適当な金属は、例えば、Au、Ni、Co、Fe、Al、In、Ga、Tiである。Au粒子は、電解質0.1M−Na、0.1M−NaSO、0.3M−NaHPO中のAu(I)溶液(例えば0.01M−NaAu(S))から始まる。
【0080】
代わりに、金属合金が考慮される。それらの金属合金は、電気化学同時堆積を用いてパターン2の開口部中に堆積される。
【0081】
本発明の具体例では、金属3はドーパント電素を含んでも良い。それらのドーパント元素は、続く金属媒介結晶化(MMC)工程中に、アモルファス材料4中に溶解するように選択され、これにより、アニール後にドープされた結晶ナノ構造5を得る。所定量のドーパント元素を含むそれらの金属は、電気化学同時堆積を用いてパターン2の開口部中に堆積しても良い。当業者に知られているように、大きく離れた標準ポテンシャルを有する金属3とドーパント元素の電気化学同時堆積は、2つの材料の堆積速度において大きな違いを生じる。同時堆積プロセスの詳細は、例えば、D. Landoltの、"Electrochemical and Material Science Aspects of Alloy Deposition" (Electrochemica Acta, Vol. 39, 1075-1090, 1994) に記載されている。
【0082】
本発明の具体例にかかる方法の次の工程では、図1Cに示すように、アモルファス材料4が金属3の上に堆積され、少なくとも開口部の一部を埋める。好適な具体例では、アモルファス材料4で開口部が少なくとも部分的に埋められる工程は、電気化学堆積(ECD)を用いて行われる。アモルファス材料4は、アモルファスSi(a−Si)、アモルファスGe(a−Ge)、アモルファスInSb(a−InSb)、アモルファスカーボン(a−C)でも良い。GeおよびSiは、一般に、有機溶液から電着し、一方、InSbは、一般に、水溶液から電着する。
【0083】
InSbは、pHが約2.2で、0.025M−InCl、0.025M−SbCl、0.2M−クエン酸、および0.06M−クエン酸ナトリウムから始まる電気化学堆積を用いて堆積しても良い。アモルファスのInSbは、330nmの孔、−50mC/cmの堆積電荷で、Ag/AgCl参照電極に対して、−0.8Vと−1.45Vの間の堆積ポテンシャルで、孔パターン中に堆積する(1:1 In:Sb比)。
【0084】
本発明の具体例では、アモルファス材料4がドーパント元素を含んでも良い。好適には、アモルファス材料4中へのドーパント元素に取り込みは、ドーパント元素とアモルファス材料4の同時堆積で行われる。一般に、P、As、Sb、又はBiが、n型ドープ(Si)材料を得るためのドーパントとして用いられ、B、Al、Ga、およびInが、p型ドープ(Si)材料を得るためのドーパントとして用いられる。
【0085】
本発明の好適な具体例にかかるナノ構造中で、様々なドーパントの濃度を得るために、最初に、例えばPのようなドーパント元素を含むアモルファス材料4(例えばアモルファスSi)が、例えば50nmのような所定の膜厚で同時堆積される。続いて、ドーパント元素を有さない、例えば150nmのような所定膜厚でアモルファス材料4の堆積を行う。ドーピングプロファイルは、本発明の結晶化工程中、および/または結晶化工程後に更に(追加の)ドーピングプロファイルを得るためにアニール工程を行うことで、達成される。
【0086】
図1Dおよび1Eに示すように、MMCに使用される金属に依存して300℃と1000℃の間の温度で基板1がアニールされ、結晶化材料5を形成するために、アモルファス材料4が金属媒介結晶化で達成される。例えば、300℃〜400℃の範囲の温度が、InやGeのような低融点金属のために使用され、500℃〜600℃の範囲の温度が、Ni、Fe、およびCoのような金属のために使用され、900℃〜1000℃の範囲の温度が、Tiのような遷移金属のために使用される。アニールは、好適には、不活性ガス中、または減圧中、または真空中で、約1時間行われる。本発明の具体例では、アニール工程は高速温度アニール(RTA)により行われても良い。アモルファス材料のアニールは、アモルファス材料4を金属化合物中に拡散させることにより、アモルファス材料4を結晶材料に変える。偏析により結晶化が行われ、結晶化プロセス中に、金属が最終的に上部に達するまで金属相がアモルファス層4を通って動き、結晶化相5を後に残す。開口部の孔の大きさまたは直径が、バルクMMC条件で得られた典型的な粒径に比較して小さい場合、結晶化された相は単結晶となる。MMCプロセスでは、開口部の孔の壁や直径により制限され、結晶は強制されたMMCとして規定される。図1Dはアニール中の中間状態を示し、底部の結晶化された材料5、中部の金属化合物、および上部のアモルファス材料4を示す。そのような中間構造を望むのであれば、ここで停止すれば良い。図1Eは、アモルファス材料4が完全に結晶化した後の結晶化材料5を示し、得られたナノ構造は単結晶であり、金属3が結晶化材料5の上に置かれる。金属3は、必要であれば除去することができる。必要であればパターン2も除去して、図1Fに示すような支柱無しで立っている単結晶ナノ構造10を形成しても良い。
【0087】
図2に示すように、本発明の方法は、また、例えば、第1の単結晶材料5からなる第1のセグメントと、第2の単結晶材料6からなる第2のセグメントとを有するセグメント化された結晶ナノ構造を成長させ、接合に適したナノ構造を形成するのに使用しても良い。第1の処理方法では、図2A〜図2Dに示すように、第1のアモルファス材料4の上で、開口部の残った部分が、第2のアモルファス材料6で埋められ、第2の単結晶材料8からなる第2のセグメントが得られる。
【0088】
図2Aに示すように、上述のように金属3を堆積した後に、上述のように、好適にはECD技術、低温PVDまたはCVDを用いて、a−Si、a−Ge、a−InSb、a−Cのような第1のアモルファス材料で、パターンの開口部が部分的にのみ埋められる。a−Cを堆積するために、プラズマ強化CVDが比較的低温でアモルファス相を形成する。この第1のアモルファス材料4には、SiおよびGeに対するn型ドーパントとしてP、As、Sb、Bi、またはSiおよびGeに対するp型ドーパントとしてB、Al、Gaのような少量のドーパント元素が、好適には電気化学同時堆積により混合されても良い。金属が第1および第2のアモルファス材料4、6中でMMCを行うのに適する場合、使用される金属は、単体の金属である。第1および第2のアモルファス材料4、6中でMMCを行うのに適する金属が異なる場合、少なくとも2つの異なる金属からなる金属合金化合物が使用され、これにより、1つの金属は第1のアモルファス材料4の中でMMCを行うのに使用され、他の金属は第2のアモルファス材料6の中でMMCを行うのに使用される。
【0089】
図2Bに示すように、パターン中の開口部の残った部分は、第1のアモルファス材料4とは異なる第2のアモルファス材料6で埋められる。第2のアモルファス材料6は、第1のアモルファス材料4から、材料および/またはドーピングにおいて異なっている。例えば第2のアモルファス材料6は、第1のアモルファス材料4と同じであるが、少量の反対のドーパント元素を有し、または異なる濃度の同種のドーパント元素を有し、またはイントリンシック部分を形成するためのドーパント無しであっても良い。代わりに、第2のアモルファス材料は、取り込まれたドーパント元素を含みまたは含まない異なったアモルファス材料であり、ヘテロ接合が形成できるものであっても良い。
【0090】
図2Cに示すように、アモルファス材料4、6と金属3は、続いて、MMCに使用される金属に応じて、300℃と1000℃の間の温度でアニールされ、第1と第2のアモルファス材料4、6の金属媒介結晶化が行われ、それぞれ第1の結晶化された材料7と第2の結晶化された材料8を形成する。
【0091】
図2Dは、単結晶構造7、8を完全に結晶化した後の、結晶化された第1および第2のアモルファス材料4、6を示す。得られたナノ構造は、セグメント化された単結晶ナノ構造である。結晶化された材料8の上に配置された金属化合物3は、パターン2と同様に除去されて、図2Dに示すような、支持無しに自立したセグメント化された単結晶ナノ構造11を形成しても良い。
【0092】
例えば、第1の単結晶材料5からなる第1のセグメントと、第2の単結晶材料6からなる第2のセグメントとを有するセグメント化された結晶ナノ構造を成長させるための他の方法が、図3A〜図3Eに示されている。第2のアモルファス材料6が堆積される前に、第1のアモルファス材料4が結晶化される点で、この代わりの方法は、先に述べた方法とは異なる。
【0093】
図3Aに示すように、上述のように金属3を堆積した後に、好適には上述のようなECDまたは他の低温堆積技術を用いて、a−Si、a−Ge、a−InSb、a−Cのような第1のアモルファス材料を用いて、パターン2の開口部を、部分的にだけ埋める、この第1のアモルファス材料4は、SiおよびGeに対するn型ドーパント元素としてP、As、Sb、Bi、またはSiおよびGeに対するp型ドーパント元素としてB、Al、Gaのような少量のドーパント元素と、好ましくは電気化学同時堆積により、混ぜられても良い。
【0094】
図3Bに示すように、アモルファス材料4と金属3は、(MMCに使用される金属に応じて)300℃と1000℃の間の温度でアニールされ、第1のアモルファス材料4の金属媒介結晶化を行い、第1の結晶化された材料7を形成する。
【0095】
第1のアモルファス材料4中でMMCを行うのに使用された金属3が、第2のアモルファス相中でMMCを行うために使用された場合、金属3が残る。金属3が、第2のアモルファス材料6中でMMCを行うのに使用されない場合、第1のセグメントからの第1の金属が除去された後に、新しい金属が形成された第1のセグメント上に堆積される。代わりに、金属が少なくとも2つの異なる金属からなる金属合金からなり、第1の金属は第1のアモルファス材料4の中でMMCを形成するのに使用され、第2の金属は第2のアモルファス材料6の中でMMCを形成するために使用されても良い。
【0096】
図3Cに示すように、パターン中の開口部の残った部分が、第1のアモルファス材料4とは異なる第2のアモルファス材料6により埋められる。第2のアモルファス材料6は、材料および/またはドーピングにおいて、第1のアモルファス材料4と異なる。例えば、第2のアモルファス材料6は、第1のアモルファス材料4と同じであるが、少量の反対のドーパント元素、または少量の同じ種類であるが異なった濃度のドーパント元素を含み、またはイントリンシック部分を形成するためにドーパント元素の無いものであっても良い。第2のアモルファス材料は、取り込まれたドーパント元素を含みまたは含まない異なったアモルファス材料であり、ヘテロ接合が形成できるものであっても良い。
【0097】
図3Dに示すように、アモルファス材料6と金属3は、続いて、(MMCに使用される金属に応じて)300℃と1000℃の間の温度でアニールされ、第2のアモルファス材料6の金属媒介結晶化が行われ、第2の結晶化された材料8を形成する。
【0098】
図3Eは、単結晶構造7、8を完全に結晶化した後の、結晶化された第1および第2のアモルファス材料4、6を示す。得られたナノ構造は、セグメント化された単結晶ナノ構造である。結晶化された材料8の上に配置された金属化合物3は、パターン2と同様に除去されて、図3Eに示すような、支持無しに自立したセグメント化された単結晶ナノ構造11を形成しても良い。
【0099】
本発明にかかるデバイスについて、好適な具体例、特定の構造や構成は、材料と同様にここで検討されたが、形態や細部における多くの変化や変形は、添付の請求項により規定された本発明の範囲から離れることなく行えることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0100】
1 基板
2 パターン
3 金属
4、6 アモルファス材料
5 結晶材料
7、8 単結晶構造
10、11 単結晶ナノ構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶ナノ構造を基板の上に成長させる方法であって、
基板(1)の主表面上に最初にパターン(2)を形成する工程であって、パターン(2)は少なくとも1つの開口部を有し、開口部はパターンの表面から基板(1)の主表面まで延びる工程と、
パターン(2)の少なくとも1つの開口部中の、露出した主表面の上に、金属(3)を供給する工程と、
開口部をアモルファス材料(4)で、少なくとも部分的に埋める工程と、
アモルファス材料(4)と金属化合物(3)とを、300℃と1000℃の間の温度でアニールし、金属媒介結晶化により、アモルファス材料(4)の一部を単結晶材料(5)に少なくとも変えて、単結晶ナノ構造を形成する工程と、を含む方法。
【請求項2】
基板(1)が伝導性(金属)または半伝導性(Si、Ge、III−V半導体)材料であり、金属(3)を提供する工程は、電解手段により電気化学堆積(ECD)を行う工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基板が伝導性、または半伝導性、または絶縁性であり、金属(3)を提供する工程は、無電解手段により電気化学堆積(ECD)を行う工程、または化学気相堆積(CVD)技術を行う工程、または物理気相堆積(PVD)技術を行う工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
パターンが、陽極酸化アルミニウム酸化物(AAO)または配向ゼオライトのような多孔性パターンであり、開口部は2nm〜100μmの範囲の直径を有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
パターンを形成する工程が、
基板の主表面の上に層を堆積する工程と、
続いて、少なくともリソグラフィパターニングを用いて堆積された層にパターンを形成する工程であって、開口部が2μm〜100nmの範囲の直径を有する工程と、を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
パターンは犠牲パターンであり、更に、単結晶ナノ構造の形成後にパターンを除去する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
単結晶ナノ構造がドープされ、金属は、更に、アニール工程中にアモルファス材料中に溶けるように選択されたドーパント元素を含み、これによりドープされた単結晶ナノ構造を得る請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
開口部をアモルファス材料で少なくとも部分的に埋める工程は、電気化学堆積(ECD)を用いて行われ、基板が伝導性(金属)または半伝導性(Si、Ge、III−V半導体)材料からなる請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
アモルファス材料が、アモルファスSi(a−Si)、アモルファスGe(a−Ge)、アモルファスInSb(a−InSb)、またはアモルファスカーボン(a−C)である請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
単結晶ナノ構造がドープされ、開口部をアモルファス材料で少なくとも部分的に埋める工程は、ドーパント元素とアモルファス材料との同時堆積により行われ、これによりドープされたアモルファス材料を形成する請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
単結晶ナノ構造がドーパント濃度のばらつきを有し、ドープされたアモルファス材料で開口部を少なくとも部分的に埋める工程は、所定の膜厚を有するドープされたアモルファス材料を最初に堆積する工程と、所定の膜厚を有するアンドープのアモルファス材料を堆積する工程とを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
単結晶構造は、それぞれ一のアモルファス材料と他のアモルファス材料から形成された第1および第2のセグメントを含み、更に、開口部をアモルファス材料で部分的に埋めた後に、開口部の残りの部分を他のアモルファス材料で、少なくとも部分的に埋める工程を含む請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
アモルファス材料と他のアモルファス材料が、同じアニール工程中にアニールされ、それぞれ第1および第2のセグメントを形成する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
開口部の残りの部分を他のアモルファス材料で部分的に埋める工程の前に、アモルファス材料(4)がアニールされて第1のセグメントを形成する請求項12に記載の方法。
【請求項15】
第1のセグメントを形成した後に、他の金属化合物が第1のセグメントの上に供給される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
半導体デバイスの作製における、請求項1〜15のいずれかに記載の方法の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【公開番号】特開2010−64951(P2010−64951A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−149550(P2009−149550)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(591060898)アイメック (302)
【氏名又は名称原語表記】IMEC
【Fターム(参考)】