説明

危険発生箇所情報収集システム及び車載機器

【課題】 危険発生箇所に関する情報を適切に収集すると共に、脈波センサの装着部位が限られないと共に身体的な違和感を解消し、運転手にとっての使い勝手を高める。
【解決手段】 車載機器2において、運転手の心電及び血圧に基づいた眠気・緊張度のレベル及び車両位置を危険発生箇所情報収集装置3へ送信し、危険発生箇所情報収集装置3において、車載機器2から受信した運転手の心電及び血圧に基づいた眠気・緊張度のレベル及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集する。また、運転手の脈波を例えば運転手の手首に装着可能な反射型の脈波センサ21により測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険発生箇所情報収集装置が車載機器から受信した体調情報及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集する危険発生箇所情報収集システム及び車載機器に関する。
【背景技術】
【0002】
車載機器において、運転手の耳たぶに装着された脈波センサにより測定された運転手の脈波及び例えばGPS受信機により検出された車両位置を危険発生箇所情報収集装置へ送信し、危険発生箇所情報収集装置において、車載機器から受信した運転手の脈波及び車両位置を危険発生箇所に関する情報(例えば運転手の眠気や緊張度が高まり易い地点)として収集するものがある(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−123185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した特許文献1に記載されているものでは、脈波センサが透過型のものであることから、脈波センサの装着部位が運転手の耳たぶなどの肉薄な部位に限られると共に身体的に違和感があるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、危険発生箇所に関する情報を適切に収集することができ、しかも、脈波測定手段の装着部位が限られることがないと共に身体的な違和感を解消することができ、運転手にとっての使い勝手を高めることができる危険発生箇所情報収集システム及び車載機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載した発明によれば、車載機器は、反射型の脈波測定手段により測定された運転手の脈波に基づいた体調情報及び車両位置検出手段により検出された車両位置を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させ、危険発生箇所情報収集装置は、車載機器から運転手の脈波に基づいた体調情報及び車両位置を受信すると、その受信した運転手の脈波に基づいた体調情報及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集する。
【0006】
これにより、車載機器において、運転手の脈波に基づいた体調情報(例えば眠気・緊張度のレベル)及び車両位置を危険発生箇所情報収集装置へ送信し、危険発生箇所情報収集装置において、車載機器から受信した運転手の脈波に基づいた体調情報及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集するように構成したので、危険発生箇所に関する情報を適切に収集することができ、しかも、この場合、運転手の脈波を反射型の脈波測定手段により測定するように構成したので、脈波測定手段の装着部位が限られることがないと共に身体的な違和感を解消することができ、運転手にとっての使い勝手を高めることができる。
【0007】
請求項2に記載した発明によれば、車載機器は、反射型の脈波測定手段により測定された運転手の脈波と心電測定手段により測定された運転手の心電との相対関係に基づいて運転手の血圧を計算し、その計算した運転手の血圧に基づいた体調情報を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させる。
【0008】
これにより、車載機器において、運転手の血圧に基づいた体調情報及び車両位置を危険発生箇所情報収集装置へ送信し、危険発生箇所情報収集装置において、車載機器から受信した運転手の血圧に基づいた体調情報及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集するように構成したので、詳細な体調情報を危険発生箇所に関する情報として収集することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準未満であると、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を予め設定されている定期送信タイミングに準じて定期的に送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させ、これに対して、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上であると、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を定期送信タイミングに準ずることなく直ちに送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させる。
【0010】
これにより、車載機器において、体調情報が所定水準未満(運転手の体調が正常で危険度が低い状態)であり、体調情報を送信する必要性が低いときであれば、体調情報及び車両位置を予め設定されている定期送信タイミングに準じて定期的に送信し、これに対して、体調情報が所定水準以上(運転手の体調が異常で危険度が高い状態)であり、体調情報を送信する必要性が高いときであれば、体調情報及び車両位置を定期送信タイミングに準ずることなく直ちに送信するように構成したので、体調情報を送信する必要性に基づいて体調情報を効率良く送信することができる。
【0011】
請求項4に記載した発明によれば、車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上であると、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、車速検出手段により検出された車速をも送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させる。これにより、危険発生箇所情報収集装置において、体調情報及び車両位置の他に車速をも危険発生箇所に関する情報として収集することができ、危険発生箇所を詳細に解析することができる。
【0012】
請求項5に記載した発明によれば、車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上であると、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、ブレーキ踏込み量検出手段により検出されたブレーキの踏込み量をも送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させる。これにより、危険発生箇所情報収集装置において、体調情報及び車両位置の他にブレーキの踏込み量をも危険発生箇所に関する情報として収集することができ、危険発生箇所を詳細に解析することができる。
【0013】
請求項6に記載した発明によれば、車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上であると、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、アクセル踏込み量検出手段により検出されたアクセルの踏込み量をも送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させる。これにより、危険発生箇所情報収集装置において、体調情報及び車両位置の他にアクセルの踏込み量をも危険発生箇所に関する情報として収集することができ、危険発生箇所を詳細に解析することができる。
【0014】
請求項7に記載した発明によれば、車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上であると、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、車両周囲撮影手段により撮影された車両周囲映像をも送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させる。これにより、危険発生箇所情報収集装置において、体調情報及び車両位置の他に車両周囲映像をも危険発生箇所に関する情報として収集することができ、危険発生箇所を詳細に解析することができる。
【0015】
請求項8に記載した発明によれば、車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上であると、警告動作を実施する。これにより、車載機器において、体調情報が所定水準以上であると、体調情報が所定水準以上である旨をユーザに直ちに知らせることができ、体調情報が所定水準以上である旨をユーザに直ちに自覚させることができる。
【0016】
請求項9に記載した発明によれば、危険発生箇所情報収集装置は、車載機器から運転手の脈波及び車両位置が不定期に受信すると、警告信号を車載機器へ送信し、車載機器は、危険発生箇所情報収集装置から警告信号を受信手段により受信すると、警告動作を実施する。これにより、上記した請求項8に記載したものと同様にして、車載機器において、体調情報が所定水準以上であると、体調情報が所定水準以上である旨をユーザに直ちに知らせることができ、体調情報が所定水準以上である旨をユーザに直ちに自覚させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、危険発生箇所情報収集システムの全体構成を機能ブロック図として示している。危険発生箇所情報収集システム1は、車両に搭載されている車載機器2とセンターに設置されている危険発生箇所情報収集装置3とが通信網(移動通信網及び固定通信網が相互接続する通信網)を介して通信可能に構成されている。
【0018】
車載機器2は、脈波センサ21(本発明でいう反射型の脈波測定手段)、心電センサ22(本発明でいう心電測定手段)、無線通信機23(本発明でいう送信手段、受信手段)、GPS受信機24(本発明でいう車両位置検出手段)、車速センサ25(本発明でいう車速検出手段)、ブレーキセンサ26(本発明でいうブレーキ踏込み量検出手段)、アクセルセンサ27(本発明でいうアクセル踏込み量検出手段)、全方位カメラ28(本発明でいう車両周囲撮影手段)、音声出力装置29及び表示装置30が接続されて構成されている。
【0019】
脈波センサ21は、腕時計型(リストバンド型)の形状をなす反射型の脈波センサであり、例えば運転手の手首に装着されている状態で運転手の脈波を測定し、その測定結果を車載機器2へ送信する。心電センサ22は、運転手に正対するように例えばステアリングに埋設されており、運転手の心電(心拍数)を測定し、その測定結果を車載機器2へ送信する。無線通信機23は、車載機器2からの通信指示にしたがって危険発生箇所情報収集装置3との間で無線通信動作を行う。GPS受信機24は、車両位置を検出し、その検出結果を車載機器2へ送信する。車速センサ25は、車速を検出し、その検出結果を車載機器2へ送信する。
【0020】
ブレーキセンサ26は、ブレーキの踏込み量を検出し、その検出結果を車載機器2へ送信する。アクセルセンサ27は、アクセルの踏込み量(アクセル開度)を検出し、その検出結果を車載機器2へ送信する。全方位カメラ28は、車両周囲を撮影し、その撮影した車両周囲映像を車載機器2へ送信する。この場合、車両周囲映像は、単純に運転手が見る車室外の映像に限らず、運転手を含む車室内をも含む映像であっても良い。音声出力装置29は、車載機器2からの音声出力指示にしたがって音声出力動作を行う。表示装置30は、車載機器2からの表示指示にしたがって表示動作を行う。尚、これら車両に搭載されている機器や装置は、例えばGPS受信機24や表示装置30などが周知のナビゲーション装置により構成されるなど、その一部が周知のナビゲーション装置により構成されていても良い。
【0021】
危険発生箇所情報収集装置3は、通信装置31及びヒヤリハットマップデータベース32が接続されて構成されている。通信装置31は、危険発生箇所情報収集装置3からの通信指示にしたがって車載機器2との間で通信動作を行う。この危険発生箇所情報収集装置3は、GIS(地理情報システム)を利用して危険発生箇所に関する情報を危険発生箇所情報(ヒヤリハットマップ)としてヒヤリハットマップデータベース32に格納可能に構成されている。
【0022】
次に、上記した構成の作用について、図2ないし図6を参照して説明する。ここで、図2は、車載機器2が行う処理をフローチャートとして示しており、図3は、危険発生箇所情報収集装置3が行う処理をフローチャートとして示している。
【0023】
車載機器2は、起動状態では、脈波センサ21から運転手の脈波が測定された測定結果を入力し(ステップS1)、心電センサ22から運転手の心電が測定された測定結果を入力し(ステップS2)、心電のR波ピークから脈波のR波ピークまでの時間差(脈波伝播時間)に基づいて血圧を計算する(ステップS3)。
【0024】
次いで、車載機器2は、車速センサ25により車速が検出された検出結果に基づいて車両が走行中であるか否かを判定し(ステップS4)、車両が走行中でない旨を検出すると(ステップS4にて「NO」)、上記したステップS1に戻り、ステップS1以降を繰返して行う。
【0025】
これに対して、車載機器2は、車両が走行中である旨を検出すると(ステップS4にて「YES」)、上記した手順にしたがって計算した血圧及び心電センサ22により測定された心電に基づいて、図4に示す血圧及び心拍数と体調情報との相関関係を参照し、眠気・緊張度のレベルを推定する(ステップS5)。そして、車載機器2は、その推定した眠気・緊張度のレベルが予め設定されている所定水準未満であるか所定水準以上であるかを判定する(ステップS6)。尚、血圧及び心拍数と眠気・緊張度のレベルとは、図4に示すように相関的に関与するものであり、血圧が低く且つ心拍数が低い状態では眠気のレベルが高いと推定され、一方、血圧が高く且つ心拍数が高い状態では緊張度のレベルが高いと推定されるものである。また、眠気・緊張度のレベルが所定水準未満であるか所定水準以上であるかの判定は血圧が適度であり且つ心拍数が適度である状態(図4に示す中心付近)からのずれの程度に基づいて判定する。
【0026】
ここで、車載機器2は、その推定した眠気・緊張度のレベルが所定水準未満(運転手の体調が正常で危険度が低い状態)である旨を検出すると(ステップS6にて「NO」)、一定時間毎または一定距離毎に予め設定されている定期送信タイミングであるか否かを判定する(ステップS7)。そして、車載機器2は、定期送信タイミングである旨を検出すると(ステップS7にて「YES」)、その推定した眠気・緊張度のレベル及びGPS受信機24により検出された車両位置を無線通信機23から危険発生箇所情報収集装置3へ送信させる(ステップS8)。一方、車載機器2は、定期送信タイミングでない旨を検出すると(ステップS7にて「NO」)、その推定した眠気・緊張度のレベルを無線通信機23から危険発生箇所情報収集装置3へ送信させることなく(破棄し)、上記したステップS1に戻り、ステップS1以降を繰返して行う。
【0027】
これに対して、車載機器2は、その推定した眠気・緊張度のレベルが所定水準以上(運転手の体調が異常で危険度が高い状態)である旨を検出すると(ステップS6にて「YES」)、警告動作を実施する(ステップS9)。尚、ここでいう警告動作とは、ユーザの眠気や緊張度を緩和したり休憩を促したりすることを目的とするもので、例えば「眠気が高まっています。休憩をとって下さい」または「リラックスするように心掛けて下さい」という警告音メッセージや予め設定されている警告音を音声出力装置29から音声出力させる動作などである。そして、車載機器2は、この場合は、その推定した眠気・緊張度のレベル及びGPS受信機24により検出された車両位置のみでなく車速センサ25により検出された車速、ブレーキセンサ26により検出されたブレーキの踏込み量、アクセルセンサ27により検出されたアクセルの踏込み量及び全方位カメラ28により撮影された車両周囲映像をも無線通信機23から危険発生箇所情報収集装置3へ送信させる(ステップS10)。
【0028】
危険発生箇所情報収集装置3は、車載機器2から眠気・緊張度のレベルを通信装置31により受信したか否かを判定している(ステップT1)。ここで、危険発生箇所情報収集装置3は、車載機器2から眠気・緊張度のレベルを通信装置31により受信した旨を検出すると(ステップT1にて「YES」)、その受信した眠気・緊張度のレベルが車載機器2おける定期送信タイミングに準じて定期送信されたものであるか否かを判定する(ステップT2)。
【0029】
ここで、危険発生箇所情報収集装置3は、その受信した眠気・緊張度のレベルが車載機器2から定期送信されたものである旨を検出すると(ステップT2にて「YES」)、車載機器2から眠気・緊張度のレベルと共に車両位置のみを受信したことになるので、その受信した眠気・緊張度のレベル及び車両位置を対応付けてヒヤリハットマップデータベース32に格納する(ステップT3)。すなわち、危険発生箇所情報収集装置3は、その受信した眠気・緊張度のレベルが車載機器2から定期送信されたものである場合には、その眠気・緊張度のレベルが所定水準未満である、つまり、運転手の体調が正常で危険度が低い状態であるので、単純に眠気・緊張度のレベル及び車両位置を対応付けてヒヤリハットマップデータベース32に格納する。
【0030】
これに対して、危険発生箇所情報収集装置3は、その受信した眠気・緊張度のレベルが車載機器2から定期送信されたものでない旨を検出すると(ステップT2にて「NO」)
車載機器2から眠気・緊張度のレベルと共に車両位置のみならず、車速、ブレーキの踏込み量、アクセルの踏込み量及び車両周囲映像をも受信したことになるので、その受信した眠気・緊張度のレベル、車両位置、車速、ブレーキの踏込み量、アクセルの踏込み量及び車両周囲映像を対応付けてヒヤリハットマップデータベース32に格納する(ステップT4)。すなわち、危険発生箇所情報収集装置3は、その受信した眠気・緊張度のレベルが車載機器2から定期送信されたものでない場合には、その眠気・緊張度のレベルが所定水準以上である、つまり、運転手の体調が異常で危険度が高い状態であるので、眠気・緊張度のレベル、車両位置、車速、ブレーキの踏込み量、アクセルの踏込み量及び車両周囲映像を対応付けてヒヤリハットマップデータベース32に格納する。
【0031】
そして、危険発生箇所情報収集装置3は、この場合は、警告信号を通信装置31から車載機器2へ送信させる(ステップT5)。これを受けて、車載機器2は、危険発生箇所情報収集装置3から警告信号を無線通信機23により受信した旨を検出すると、警告動作を実施する。
【0032】
尚、上記した一連の処理において、車載機器2は、図5に示すように、時間の経過と共に刻々と変化する心拍数及び相対血圧を表示装置30に表示させていると共に、眠気・緊張度のレベルの変化を5段階で表示させている。また、危険発生箇所情報収集装置3は、図6に示すように、眠気・緊張度のレベルが所定水準未満である地点と所定水準以上である地点とを区別してヒヤリハットマップをヒヤリハットマップデータベース32に格納する。この場合、眠気・緊張度のレベルが所定水準未満である地点と所定水準以上である地点とを色彩の相違により区別しても良い。
【0033】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載機器2において、運転手の心電及び血圧に基づいた眠気・緊張度のレベル及び車両位置を危険発生箇所情報収集装置3へ送信し、危険発生箇所情報収集装置3において、車載機器2から受信した運転手の心電及び血圧に基づいた眠気・緊張度のレベル及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集するように構成したので、危険発生箇所に関する情報を適切に収集することができ、しかも、この場合、運転手の脈波を反射型の脈波センサ21により測定するように構成したので、脈波センサ21の装着部位が限られることがないと共に身体的な違和感を解消することができ、運転手にとっての使い勝手を高めることができる。
【0034】
また、車載機器2において、眠気・緊張度のレベルが所定水準未満であると、眠気・緊張度のレベル及び車両位置を予め設定されている定期送信タイミングに準じて定期的に送信し、これに対して、眠気・緊張度のレベルが所定水準以上であると、眠気・緊張度のレベル、車両位置、車速、ブレーキの踏込み量、アクセルの踏込み量及び車両周囲映像を定期送信タイミングに準ずることなく直ちに送信するように構成したので、眠気・緊張度のレベルを送信する必要性に基づいて眠気・緊張度のレベルを効率良く送信することができる。
【0035】
また、車載機器2において、眠気・緊張度のレベルが所定水準以上であると、眠気・緊張度のレベル及び車両位置を送信すると共に、車速、ブレーキの踏込み量、アクセルの踏込み量及び車両周囲映像をも送信するように構成したので、危険発生箇所情報収集装置3において、眠気・緊張度のレベル及び車両位置の他に車速、ブレーキの踏込み量、アクセルの踏込み量及び車両周囲映像をも危険発生箇所に関する情報として収集することができ、危険発生箇所を詳細に解析することができる。
【0036】
さらに、車載機器2において、眠気・緊張度のレベルが所定水準以上であると、警告動作を実施するように構成したので、眠気・緊張度のレベルが所定水準以上である旨をユーザに直ちに知らせることができ、眠気・緊張度のレベルが所定水準以上である旨をユーザに直ちに自覚させることができる。
【0037】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
反射型の脈波センサは、運転手の手首に装着可能な形状に限らず、運転者の身体の他の部位に装着可能な形状であっても良い。運転手の心電を測定する心電センサは、ステアリングに埋設されるものに限らず、運転席シートに埋設されるものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態の全体構成を示す機能ブロック図
【図2】車載機器が行う処理を表すフローチャート
【図3】危険発生箇所情報収集装置が行う処理を表すフローチャート
【図4】血圧及び心拍数と体調情報との相対関係を概略的に示す図
【図5】表示態様の一例を示す図
【図6】ヒヤリハットマップの一例を示す図
【符号の説明】
【0039】
図面中、1は危険発生箇所情報収集システム、2は車載機器、3は危険発生箇所情報収集装置、21は脈波センサ(反射型の脈波測定手段)、22は心電センサ(心電測定手段)、23は無線通信機(送信手段、受信手段)、24はGPS受信機(車両位置検出手段)、25は車速センサ(車速検出手段)、26はブレーキセンサ(ブレーキ踏込み量検出手段)、27はアクセルセンサ(アクセル踏込み量検出手段)、28は全方位カメラ(車両周囲撮影手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射型の脈波測定手段により測定された運転手の脈波に基づいた体調情報及び車両位置検出手段により検出された車両位置を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させる車載機器と、
車載機器から受信した体調情報及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集する危険発生箇所情報収集装置とを備えたことを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
車載機器は、前記反射型の脈波測定手段により測定された運転手の脈波と心電測定手段により測定された運転手の心電との相対関係に基づいて運転手の血圧を計算し、その計算した運転手の血圧に基づいた体調情報を前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準未満である場合には、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を予め設定されている定期送信タイミングに準じて定期的に前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させ、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上である場合には、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を定期送信タイミングに準ずることなく直ちに前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上である場合には、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、車速検出手段により検出された車速をも前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上である場合には、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、ブレーキ踏込み量検出手段により検出されたブレーキの踏込み量をも前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上である場合には、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、アクセル踏込み量検出手段により検出されたアクセルの踏込み量をも前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上である場合には、その測定された体調情報または当該計算した体調情報及び当該検出された車両位置を前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させると共に、車両周囲撮影手段により撮影された車両周囲映像をも前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
車載機器は、その測定された体調情報または当該計算した体調情報が所定水準以上である場合には、警告動作を実施することを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載した危険発生箇所情報収集システムにおいて、
危険発生箇所情報収集装置は、車載機器から体調情報及び車両位置を当該車載機器における定期送信タイミングに準ずることなく不定期に受信した場合には、警告信号を車載機器へ送信し、
車載機器は、危険発生箇所情報収集装置から警告信号を受信手段により受信した場合には、警告動作を実施することを特徴とする危険発生箇所情報収集システム。
【請求項10】
車載機器から受信した体調情報及び車両位置を危険発生箇所に関する情報として収集する危険発生箇所情報収集装置と共に危険発生箇所情報収集システム内で用いられる車載機器であって、
反射型の脈波測定手段により測定された運転手の脈波に基づいた体調情報及び車両位置検出手段により検出された車両位置を送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする車載機器。
【請求項11】
請求項10に記載した車載機器において、
前記反射型の脈波測定手段により測定された運転手の脈波と心電測定手段により測定された運転手の心電との相対関係に基づいて運転手の血圧を計算し、その計算した運転手の血圧に基づいた体調情報を前記送信手段から危険発生箇所情報収集装置へ送信させることを特徴とする車載機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−94542(P2007−94542A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280251(P2005−280251)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】