説明

反応液分割分液コートハンガー形ダイ並びに、該ダイを使用した紐状樹脂成形体の製造方法並びに製造装置

【課題】複数の紐状樹脂成形体を連続して製造するために使用する従来の反応液分液コートハンガー形ダイは各部位の流量調整が自由にコントロールできないために長時間安定して一定寸法精度の紐状樹脂成形体が製造できなかった。
【解決手段】液仕切具はダイリップに位置させ、その川上に分割流量調整板を位置させ、各分割流量調整板それぞれに調整ボルトを設けることによって自由に各部位の流量を調整可能とした。このことによって反応性樹脂を用いて長時間運転する場合に、ゲル化によって起こる流量の低下した部位の流量を隣接の状態に係わらず分割流量調節板にて流量調整し、長時間運転を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続して複数に分液する際、その各分液量を自由に流量調整可能な分割分液コートハンガー形ダイ並びに、該ダイを用いて複数の紐状樹脂成形体を製造する方法並びにその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
連続的に紐状樹脂成形体を製造する先行技術については下記の特許文献にそれぞれ公開されている。
【特許文献1】特開2001−138342号公報
【特許文献2】特開2001−212893号公報
【特許文献3】特開2003−39446号公報
【特許文献4】特開2003−39454号公報
【特許文献5】特開2003−25349号公報
これらの技術は筒状ガイド部材を長手方向に設置し、一本での紐状樹脂成形体の製造技術に関するものである。従って一本での生産からくる生産の悪さ、また筒状ガイド部材の中を紐状樹脂成形体を通過させて円形に成形することからくる滑り抵抗の増加、並びに生産速度を上げると筒状ガイドが長くなり、抵抗が更に大きくなって生産が困難になるなど大きな欠点を有している。
【0003】
一方、本発明者らは先に特願2000−126648、特願2000−396263(特開2002−154123号公報)、特願2001−253615に示されているように、紐状樹脂成形体を複数列連続して製造する技術を開発して出願した。これらの技術の主要な点は進行方向に収れんする複数列の放射状ガイドに一枚のシート状基材を沿わせて、複数列の溝を形成させ、この溝中に反応性樹脂を吐出充填して、一度に多数列の紐状樹脂成形体を製造するものである。本製造方法に於いて進行方向に収れんする放射状ガイドにシート状基材を沿わせ、放射状成形ガイド上のシート状基材をほぼ常に放射状成形ガイド上を進行させると同時に、放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隙を縮めながらシート状基材を、放射状ガイドを介して溝形状に立体的に折り曲げて、一枚のシート状基材に複数列の連続する溝を形成し、そのガイドの収れん近傍までシート状基材を進め、複数列の溝内に反応性樹脂原料を充填し、更に進行させて、シート状基材の溝上部を閉じて前述のシート状基材からなるモールド製品を成形するものである。
【0004】
本技術の主要な他の技術は反応性樹脂原料を連続的に分液する技術であり、原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲にあり、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップに、原料導入口と原料出口とを最も短い距離で結ぶ線にほぼ平行に、液仕切具を設置した分液コートハンガー形ダイを使用し、該分液コートハンガー形ダイの原料導入口に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続的に導入し、そのダイランド及びダイリップで薄膜化し、この薄膜化した原料を、前述の液仕切具で複数に分液し、該分液をそれぞれダイリップから、シート状基材に形成させた複数の溝のそれぞれに吐出する技術である。
【0005】
前述の分液コートハンガー形ダイはダイリップに液仕切具を設置して分液する各列の分液量を目的の分液量に調整するため液仕切具の川上に位置する流量調整板(チョークバー)に設けられた流量調整ボルトを回転して押し引きして流量調整板を大きく湾曲させダイランド隙間を調整するか、あるいは液仕切具が位置するダイリップに設けてある流量調整ボルトを押し引きして流量調整する方法がとられていた。しかしながら前者に於いて流量調整板は一枚の厚い金属板から成り立っているため押しボルトした位置の近傍では、ボルトを引くことができず、各分液をそれぞれ十分に調整できない問題があった。
また後者はリッププレートに液仕切具を設けているため前述の流量調整板以上に自由に流量が調整できない問題があった。またリッププレートは流量調整板同様に一枚の厚い金属板から成り立っているため押しボルトした位置の近傍に位置するボルトは引くことができない。
【0006】
図面にて具体的に説明する。
図11は通常のコートハンガー形ダイの斜視図、図12は図11のリッププレートの拡大斜視図、図13は図11のコートハンガー形ダイの断面図である。
本ダイはリッププレートに直結する流量調整ボルト10を押し引きすることによってリッププレートを湾曲させて、流量を調整していた。
しかしながら例えばリッププレートに直結する流量調整ボルト10cを押し込んで、流量調整ボルト10c位置の流量を調整した場合流量調整ボルト10c近傍の流量調整ボルト10bまたは10dは押し込むことはできても、流量を増すために流量調整ボルトを引くことは出来ない欠点があった。
【0007】
図14はリップの手前川上に流量調整板を有する別の流量調整方法の通常のコートハンガー形ダイの斜視図、図15は図14の流量調整板の拡大斜視図、図16は図14のコートハンガー形ダイの断面図である。
通常リッププレート4の出口6の流量を均一化させるため流量調整板8に設置されている流量調整ボルトを押引きさせて流量調整板を湾曲させて流量を均一調整する。
しかしながら例えば流量調整板ボルト10c位置の流量が多い場合には10cボルトを押し込んで流量を調整するのであるが、流量調整板ボルト10c近傍の流量調整ボルト10bまたは10d位置の流量が少なくなってしまって流量を増加させたくなっても流量調整ボルト10bは流量調整ボルト10cの押し込みの影響を受けて引くことが出来ず、流量を増加させることができない欠点があった。
【0008】
図4は図11の流量調整ボルトにて流量を調整するリッププレートに液仕切具を取り付けた従来の分液コートハンガー形ダイの斜視図である。図5は図4の開放ダイの上面図、図6は図4のダイの断面図、図7は図4のリッププレート拡大図である。
液仕切具9は左右両リッププレート4で挟まれて設置されているため流量調整ボルト10を自由に押し引きすることが出来ない。結果として分液を自由にコントロール出来ない欠点を有している。
また本リッププレートは一枚の厚い金属板から出来上がっているため前述のように局部的にリッププレートを逆方向に湾曲させることはできず、自由に流量調整することが出来ない欠点も有していた。
【0009】
図8は図14従来ダイのリッププレートに液仕切具9を設置した反応液分液コートハンガー形ダイである。本分液ダイの場合にはリッププレート4とは別に流量調整板8を用意しているため、図4の場合とは異なり流量調整板8を湾曲させて流量調整がよりし易くなっている。
しかしながら本分液ダイに於いては流量調整板は一枚の厚い金属板から成り立っているため、前述のように近傍のボルトには自由に押し引き出来ない制約がある。このため図4の分液ダイよりも流量の微調整が可能となってはいるが分液一本一本に対しては十分に機能できてはいない。
【0010】
本発明の分割分液コートハンガー形ダイは従来のフィルムやシートを製造する場合に比べ個々の列の流量をコントロールすることが絶対条件であり、従来のダイの延長だけでは十分に目的を達成できないことが判明した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は各部位の分液を自由に調整可能な反応液分割分液コートハンガー形ダイを提供することである。
本発明の他の目的はコートハンガー形ダイ内に設置されている液仕切具を交換せずに各部位の流出量を大幅に変えることが可能な分割分液コートハンガー形ダイを提供することである。
本発明の他の目的は前述の各部位の分割分液を自由に調整可能な反応液分割分液コートハンガー形ダイを使用して寸法精度の高い複数列の紐状成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1は高度に流量調整可能な反応液分割分液コートハンガー形ダイであって、原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲に有り、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップの川上に位置する流量調整板がダイ幅に対して直角方向に複数に分割されている分割流量調節板を使用し、且つダイリップに原料導入口と原料出口を最も短い距離で結ぶ線にほぼ平行に液仕切具を設置してなる反応液分割分液コートハンガー形ダイである。
【0013】
図にて詳細に説明する。
フィルムまたはシートを製造する従来のコートハンガー形ダイは図11あるいは図14に示す構造をしている。
例えば図11は従来のコートハンガー形ダイ、図12は図11のリッププレートの拡大図、図13は図11の断面図である。
流量調整はリッププレート4に取り付けられている流量調整ボルト10の押引きによって行われる。
図14は別の従来のコートハンガー形ダイ、図15は図14の流量調整板8の拡大図、図16は図14の断面図である。流量調整板8には流量調整ボルト10が直接取り付けられている。前述の二タイプのコートハンガー形ダイのリッププレート、あるいは流量調整板は共に一枚の厚い金属板を流量調整ボルト10で前後に湾曲させるため、それぞれのボルトは両隣のボルトの状態によって制限され、自由には前後に移動して厚い金属板を湾曲させることはできない。
しかしながらフィルムまたはシートの製造に於いては熱可塑性樹脂を扱うことからコートハンガー形ダイ内に樹脂のゲル化合物が付着しないことから各部位の吐出量が変化することはなく、またフィルムまたはシートの幅方向の厚さは同一であることから、各部位の吐出量を大幅に変更する必要はなかった。
【0014】
図4の従来の分液コートハンガー形ダイはリッププレート4の位置に液仕切具を設けているため、液仕切具の厚さのために更に自由に流量調整ボルトを押引きして流量を調整することが困難であった。
図8は別の従来の分液コートハンガー形ダイであるが液仕切具はリッププレートに位置し、流量調整は川上に設けた別の流量調整板で行うため、図4よりも流量調整は容易になったが一枚の厚い金属板からなる流量調整板を曲げるため、両隣のボルトを自由に押引きすることはできない。
【0015】
請求項1の本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイは図1の斜視図に示す形状をしている。
図2は図1の分割流量調整板8の部分拡大図、図3は図1の本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイの断面図である。
図2に示した該流量調整板8は81、82、83、84、85、86の6ブロックに分割されており、それぞれのブロックの流量調整ボルト10を廻すことによって、隣の流量調整板ブロックに無関係に自由に前後に移動することができブロックの流量を自由に大幅にあるいは微調整することが可能となっている。
【0016】
本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイはダイランドの次に分割流量調整板を用意し、次の川下に位置するリッププレート隙間には液仕切具を設置する。このことによって原料流入口から注入された反応性樹脂原料はマニホールドで広げられた後ダイランドを経て同一流速の薄膜液体に変えられ、更に流量を分割流量調整板で調整された後、液仕切具にて分液され、ダイ出口から分液吐出される。
本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイの分割流量調整板はダイ幅方向に対して直角方向に複数に分割され、流量調整ボルトにて押し引きされる分割独立タイプであります。従って隣の流量調整板ブロックに影響されることなく自由に流量調整することができる。
【0017】
図1について更に具体的に説明する。
液仕切具9はリッププレート4に位置し、分割流量調整板8はその川上に位置して液仕切具9に影響されることはない。また流量調整板8は本例では6分割され、両隣のブロックに影響されることなく、自由に流量調整ボルトを移動することによって流量を調整することができる。
本分割流量調整板の分割数は多くなるほど調整し易いが、好ましくは製造しようとする本数の整数倍数が良い。即ち本例の6分割に於いては製造本数は3本または6本が好ましい。このことによって各列の流量を他のブロックへの影響を少なくしつつ、自由に調整することができる。
【0018】
ここでマニホールドの開き角度θは図1のマニホールドの開き角度θを示す。115度〜170度未満の範囲に設定する必要がある。またマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲に設定する必要がある。
このことによって反応液はダイリップに至る時点ではダイ全幅に渡って等速度で流れ、自己の流れによってダイ内壁を洗い、ゲル化を防ぐ働きをする。等速で流れる反応液を分割流量調整板の後に位置するリッププレートに設けた液仕切具にて反応液を分液する。本分割分液コートハンガー形ダイに於いて等量分液する場合には液仕切具の間隔は等間隔に設定し、例えばその分割量を1:2にする場合にはその液仕切具の間隔も1:2の間隔長さ比率にすれば良い。
【0019】
本発明の分割流量調整板は基本的には目的の分液量に調整するため各分割流量調整板を移動してダイ隙間を調整して流量を微調整するのであるが、本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイの別の使い方として液仕切具の位置を変えることなく個別の分割流量調整板の位置を調節して、各部位の流量を大幅に変えられる点を活かして製品大きさの異なる製品を造れることである。本発明に於いては等間隔の液仕切具配置であっても、分液比率を1:1〜1:3程度まで分割した流量調整板の上下調整のみで調整することが可能であるが、好ましくは1:2比率程度が好ましい。この比率が大きくなると液仕切具に反応生成物であるゲルが付着して好ましくない。
【0020】
請求項3は請求項1の反応液分割分液コートハンガー形ダイを用いて該コートハンガー形ダイの原料導入口に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続的に導入して薄膜化し、同じ厚さで、等速度で流れる液体とした後、分割流量調整板で各列の流量を調整した後、該液仕切具で複数に分液し、該分液をそれぞれの区分されたダイリップからシート状基材に形成された複数の溝に吐出して固化させる紐状樹脂成形体の製造方法である。
【0021】
ここでシート状基材に形成された複数の溝とは例えばプラスチックフィルムまたはプラスチックシートあるいは離型紙または離型フィルム等からなる形成された溝であって、短冊状シート状基材のそれぞれの両端を曲げて複数の溝を形成したものであっても、あるいは一枚の織物等のシート状基材に形成された複数の溝であっても良い。
【0022】
請求項4は連続して繰り出されるシート状基材から進行方向に連続する複数の溝を作成し、本溝に反応性樹脂原料を吐出、注入して紐状樹脂成形体を製造するものであって、シート状基材を連続して繰り出すとともに、該繰り出されたシート状基材を進行方向に収れんする複数の放射状ガイドに沿わせ、放射状成形ガイド上のシート状基材をほぼ常に放射状成形ガイド上を進行させると同時に、放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔を縮めながら、シート状基材を放射状成形ガイドと押圧冶具とを介して溝形状に立体的に折り曲げて、一枚のシート状基材に複数列の進行方向に連続する溝を形成する工程と原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲にあり、且つダイリップ川上に位置する流量調整板がダイ幅に対して直角方向に複数に分割されている分割流量調整板を使用し、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップに原料導入口と原料出口とを最も短い距離で結ぶ線にほぼ平行に、液仕切具を設置した分割分液コートハンガー形ダイを使用し、該コートハンガー形ダイの原料導入口に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続的に導入して薄膜化し、このほぼ等速で流れる一定厚さの薄膜化した原料を、前記液仕切具で複数に分液し、該分液をそれぞれダイリップから前記のシート状基材のそれぞれの溝に吐出する工程と溝に吐出させた液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を固化する工程とからなる紐状樹脂成形体の製造方法である。
【0023】
本発明で使用されるシート状基材としてはフィルムあるいは紙等のシート状基材を指し、単独で使用する場合あるいは他の材料と複合で使用する。具体的には単独のシート状基材としてはクラフト紙、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、テフロン(登録商標)フィルム、繊維、織物、不織布等があるがこれらに限定されるものではない。シート状基材が前述のプラスチックフィルムの場合には、厚さが15μ〜100μが好ましい。
【0024】
また複合シート状基材としてはシリコン樹脂等の離型性樹脂を焼き付けた離型紙、あるいはフィルム、フィルムラミネート紙に更に離型性を有するシリコン樹脂等を焼き付けたもの、ポリメチレンペンテン樹脂等の離型性樹脂フィルム等を紙あるいは他のフィルムに一体化させたもの、油や界面活性剤等を紙に処理したもの、グラスファイバー強化テフロン樹脂シート等があり、樹脂の性質並びにシート状基材の性質等によって適宜選択すれば良い。
またシート状基材が紙または紙と他の材料との複合紙の場合、形状保持並びに安定して目的形状にする為に目付け量は30g/m〜150g/mが好ましい。またシート状基材の最初と最後を継いでベルト状として繰り返し使用する場合もシート状基材として本発明の範囲に含まれる。
目的とする樹脂成形体それ自身そのものを製造する場合には離型性を有するシート状基材を選択すればよく、またシート状基材と一体化品を望む場合には離型性が無く接着性の高い紙、織物、不織布、あるいはフィルム等を選択すれば良い。
離型性を有するプラスチックフィルムとしては通常ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムにシリコン樹脂等の離型性を有する樹脂を焼付コート等の方法あるいは他の方法で一体化したフィルムが好ましく、厚さは15μ〜100μの範囲が好ましい。更に好ましくは15μ〜50μの範囲が好ましい。
【0025】
前述の特開2001−138342公報、特開2001−212893公報の一本の紐状ウレタンフォームを製造する場合に於いては、繰り出される成形紙の幅方向の両端部(耳部)を合掌状に合せて引張り搬送するため、搬送力が成形紙の全幅にかからず、局部的に成形紙の耳部に集中するため、薄い成形紙は使用できず、100μを超える成形紙を使用せざるを得ない。
このため成形紙の剛性から製品は円形になり難く、円形に製造するためには筒状ガイド部材の中を通過させなければならなかった。
これに対して本発明の紐状樹脂成形体に於いては複数列一体として製造するため、フィルムあるいは離型紙の全幅全体で引張り搬送するため15μ程度のフィルムでも搬送を達成することができる。しかもフィルムそのものが薄いため発泡圧で容易に円形になるため筒状ガイドを一切必要としないことも判明した。
【0026】
具体的に離型フィルムを用いた紐状樹脂成形体の製造方法について詳細に説明する。
図17は本発明の紐状樹脂成形体製造装置の略上面図である。
図18は図17の側面図、図19は図17のP1−P1′略断面図である。
図17に示したようにシート状基材15は放射状ガイド21、22、23、24、25、26、27上を進行しながら第1次押圧冶具31、32、33、34、35、36並びに第2次押圧冶具41、42、43、44、45、46にて放射状ガイド21、22、23、24、25、26、27を介して上面より押圧されて、溝51、52、53、54、55、56が形成され、溝の上面が閉ざされる前に反応性樹脂原料が反応性樹脂原料塗布点13に吐出充填される。更にシート状基材が進行して溝上部が閉じられる。次にシート状基材は平行に進行する平行ガイド20、30、40、50、60、70、80に移され、この位置で反応が進行して固化させる。本図17では省略したが、通常この平行ガイドの位置に加熱炉が設けられ、反応の進行を促進する。
図25は放射状ガイドの開き角度βを示し、開き角度は15度以下の範囲が好ましい。15度以上になるとシート状基材にしわが発生して好ましくない。
図20は反応性樹脂原料が反応液塗布点13で注入された後の状態を示すP2−P2′略断面図である。吐出注入された反応性樹脂原料はシート状基材から作られたフィルムの袋19の底に位置している。
【0027】
図21は反応性樹脂原料が溝内で発泡反応を起して膨らみつつある状態を示す略P3−P3′略断面図である。注入反応性樹脂原料18はフィルム袋の底部で発泡反応を起こした状態を示す。
図22は発泡反応が終了した状態を示す略P4−P4′略断面図である。この状態で目的の発泡体は発泡圧によって離型性シート状基材いっぱいの円形製品となっている。図22の状態で更にアフターキュアーを行った後、本シート状基材の巻き出し状態の逆になるように幅方向に広げることによって、円形の紐状樹脂成形体は容易に一度に製品が剥離される。
図23は完全に剥離された製品状態を示す略P5−P5′略断面図である。
【0028】
離型性を有さないシート状基材を用いてシート状基材と反応性樹脂が一体化した複合紐状樹脂成形体を製造することも可能である。
図17に於いて巻き出されるシート状基材15が、離型性を有さないシート状基材である場合には反応性樹脂成形体は強力にシート状基材と接着一体化する。本複合紐状樹脂成形体の場合には離型工程の必要がなく図24に示した形状でシート状基材との複合紐状樹脂成形体として生産され、後工程で不必要なシート状基材をカット除去して複合紐状樹脂成形体となる。
離型性を有さないシート状基材としては織物、不織布、ウレタンフィルム、ポリエステルフィルム、アクリル酸樹脂フィルム、導電性織物、導電性プラスチックフィルム等を指すが、接着一体化するものであればこれに限定されない。
例えば一体化することによってクッション性を付与し、例えば電子機器等の電磁シールドシール等に使用される。
【0029】
本発明の液状乃至半固体状の反応性樹脂原料としてはポリウレタン樹脂原料、ポリエステル樹脂原料、エポキシ樹脂原料、シリコン樹脂原料等があるがこの範囲に限定されない。但し好ましい反応性樹脂原料としてはポリウレタン樹脂原料、シリコン樹脂原料のような弾性を有する樹脂を生成する原料が製品製造時にシート状基材にしわを発生しにくく好ましい。
本発明は非発泡性樹脂のみならず発泡性樹脂についても可能であり特に好ましい。
樹脂発泡体としてはポリウレタン樹脂発泡体、シリコン樹脂発泡体、ポリエステル樹脂発泡体、エポキシ樹脂発泡体等があるが、好ましくはポリウレタン樹脂発泡体またはシリコン樹脂発泡体が前述の非発泡体と同一理由である弾性を有する点で、しわが入らず好ましい。
【0030】
特にポリウレタン樹脂発泡体の紐状樹脂成形体あるいは複合樹脂成形体あるいは紐状樹脂ロール成形体を製造する場合、発泡剤としてHOやペンタンなどの低沸点溶剤を使用するコンベンショナル発泡法と共に空気やNガスを反応性樹脂原料に投入、機械的に撹拌にて気泡化させるメカニカルフロス法とも可能である。
【0031】
請求項6は反応性樹脂原料が発泡性ポリウレタン樹脂組成物または発泡性シリコン樹脂組成物であることである。
本発明に於いては硬質樹脂であっても軟質樹脂であっても、非発泡樹脂であっても、発泡樹脂であっても製造は可能であるが、シート状基材にしわを発生しにくい点、シート状基材の厚さを薄くして目的形状により近づける点で、ポリウレタン樹脂発泡体あるいはシリコン樹脂発泡体が好ましい。
【0032】
請求項7は反応性樹脂原料が発泡性樹脂組成物あるいは発泡性シリコン樹脂組成物である場合において、反応性樹脂原料中にその反応性樹脂原料の体積に対して4体積パーセント以上の不活性ガスを投入することである。
投入するガスは複数の反応性樹脂原料を混合するミキシングチャンバー内あるいはミキシングチャンバーに流入する原料配管途中にて動的撹拌機あるいは静的撹拌機にて投入することによって目的を達成できる。本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイに於いては、通常ミキシングチャンバーに圧力がかかるため、気泡核の発生が少なくなって粗大セル化するが不活性ガスを投入することによって微細気泡の発泡体を製造することができる。
【0033】
不活性ガスとしては空気、Nガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、COガス等があるが好ましくはNガスが微細気泡になり易い点で好ましい。
原料配管の途中で不活性ガスを投入する場合には直接単に配管途中に投入する方法、あるいはスタティックミキサーを使用して投入する方法、あるいは市販のオークスミキサーを用いて不活性ガスを撹拌投入する方法等がある。不活性ガスの投入量はミキシングチャンバー内圧力によって異なるが、チャンバー圧力が高くなるにつれて、投入不活性ガスを多くする必要がある。
目安としてはミキシングチャンバー圧力が0.1Mpaの状態で反応性樹脂原料の体積に対して4〜10体積パーセント、0.2Mpaで6〜25体積パーセント程度が好ましい。
【0034】
請求項8は連続して繰り出されるシート状基材に、その進行方向に複数の溝を形成すると共に、該溝に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を注入して紐状樹脂成形体を製造する装置であって、シート状基材を繰り出すと共に該繰り出された該シート状基材を進行方向に収れんする複数の放射状成形ガイドに沿わせて進行させると共に、放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔を縮めながらシート状基材を、放射状成形ガイドを介して押圧して溝形状になるようにしながら進行させ立体的に折り曲げて、一枚のシート状基材に複数列の溝を形成させる手段と、次いで原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲にあり、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップ川上に位置する流量調整板がダイ幅に対して直角方向に複数分割された分割流量調整板を使用し、且つダイリップに原料導入口と原料出口とを最も短い距離で結ぶ線にほぼ平行に、液仕切具を設置した反応液分割分液コートハンガー形ダイを使用し、該コートハンガー形ダイの原料導入口に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続的に導入し、反応性樹脂原料を等速度で流れる薄膜とした後、この薄膜化した原料を前述の液仕切具で複数に分液し、該分液をそれぞれダイリップから前記のシート状基材のそれぞれの溝に吐出する手段と、次いで溝に吐出させた液状乃至半固体状の樹脂原料を固化する手段とを有する紐状樹脂成形体を製造する装置である。
【0035】
ここで進行方向に収れんする放射状ガイドとしては金属製であってもプラスチック製であっても、木材製であっても良く、要は剛性を有する材料であれば良い。また形状も線材、角材、板材、丸棒材、あるいは回転するベルトであっても良く、また長尺材でない短尺材、例えばロール等を放射状に並べたものであっても良い。
押圧冶具としては金属製あるいはプラスチック製あるいは木材製であっても良く、丸棒形状、角材形状、板材形状であっても良いが好ましくはスピンドル形状の押圧冶具が押圧冶具の高さを正確に上下に変更することが出来る点で好ましい。またスピンドル下部に回転するローラーを付けて抵抗を小さくするのが好ましい。
図26は放射状成形ガイドと押圧冶具との関係を示すイメージ図である。
(a)は溝状成形体を成形するために放射状ガイドと放射状ガイドとの間のすべてに押圧冶具が入って折り曲げられているが、(b)は放射状ガイドと放射状ガイドとの間全てを押圧冶具で折り曲げてなく、一部のみ押圧されているが本発明の範囲に含まれる。
【発明の効果】
【0036】
従来の反応性樹脂原料を分液する方法は特定のコートハンガー形ダイを用い、そのダイランドで薄膜化し、この薄膜化した原料を液仕切具で分液する。通常液仕切具はダイリップに位置し、各分液量を微調整する場合にはリッププレートに設けられている流量調整ボルト(流量調整ボルト)を廻してリッププレート間隔を調整するか、あるいはリッププレートよりも川上に設けられた流量調整板(チョークバー)に設けられた流量調整ボルトを廻して流量を調整する。流量調整板並びにリッププレートは一枚の厚い金属板から成り立っているため自由に間隙を変えることが出来ない。
反応性樹脂原料を用いて分液すると長時間の運転ではダイ内にゲルが生じ、また部位によってゲルの発生速度も異なるため流量が連続的に変化する。そのため各部位の流量を調整する必要があるが、流量調整板あるいはリッププレートを自由に湾曲できず、長時間一定形状の製品を連続して製造することが出来なかった。
本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイに用いる分割流量調整板は複数に分割されているため両隣の流量調整ボルトの状態に関係なく自由に流量調整することができる。このため経時的に流量調整ボルトを調整することによって長時間一定寸法精度の連続運転が可能となるばかりではなく、寸法精度の高い製品を長時間連続して提供することができる。このことによって寸法精度の高いエアーシーリング材、水シーリング材、電磁シーリング材、耳栓、軸なしロール、軸有りロール等を長時間安定して製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
本発明は如何なる反応性樹脂原料であっても紐状樹脂成形体を製造することができる。即ち反応性熱可塑性樹脂原料であっても反応性熱硬化性樹脂原料であっても共に使用が可能ではあるが、熱可塑性樹脂の複数列の紐状樹脂成形体は一般の紐状押出し機によっても製造可能であるが、一般の紐状押出し機で熱硬化性樹脂の紐状樹脂成形体を連続して製造することは困難であることから反応性樹脂原料としては熱硬化性原料の使用が最も本製造法として好ましい。
また反応性硬化性樹脂原料としてはポリウレタン樹脂、あるいはシリコン樹脂が好ましいが特にポリウレタン樹脂が好ましく、特にポリウレタン発泡体が好ましい。
【0038】
汎用のポリウレタン発泡体の場合には、通常ポリウレタン発泡機を使用する。ポリウレタン発泡体成分を低圧または高圧のポンプを用いて定量的にポリウレタン発泡機のミキシングチャンバーに送り、混合撹拌して吐出する。次に複数列の溝に吐出充填するのであるが、放射状ガイドを用いて成形する複数列の溝が10本であれば、ポリウレタン発泡機は10基用意する必要がある。しかるに本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイを用いるとポリウレタン発泡機は1基用意すればよい。ポリウレタン発泡機から吐出される反応性樹脂原料は本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイの原料注入口に投入され、吐出される。
【0039】
ポリウレタン発泡体原料であるポリオールとしては一般のポリウレタンフォームに使用するものであればいずれも使用可能であり、例えばポリオキシアルキレンポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール等いかなるポリオールも使用することができる。
ポリイソシアネートとしては一般に使用するトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、粗製ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート等ウレタンフォームに使用可能なポリイソシアネートであればいずれも使用することができる。
架橋剤あるいは鎖延長剤としてはブタンジオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の低分子量ポリオールやメチレンビスジフェニルポリアミン、トリレンジアミン等の一般に使用されるポリアミン等も使用可能である。
発泡剤としては水、低沸点有機溶剤、CO、Nガス等一般に使用される発泡剤が使用できる。
整泡剤としてはポリジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレングリコール共重合体等の一般に使用されるシリコン系界面活性剤が好ましいが、非シリコン系界面活性剤も単独あるいは併用で使用することができる。
触媒としては3級アミンや有機金属化合物等一般に使用される触媒なら全て使用することができる。
【0040】
また本発明に於いてはワンショット法でも、前もってポリオールとポリイソシアネートとを反応させるプレポリマー法も本発明は可能である。
また本発明の紐状樹脂発泡体に於いてはウレタン結合以外に尿素結合等を一般に含有するが、他にイソシアヌレート結合等を含有していてもポリウレタン樹脂に含まれる。
また軟質ウレタン発泡体であっても硬質ウレタン発泡体であっても共に可能であり本発明の範囲に含まれる。
また充填剤としては炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム等の無機充填剤、石油樹脂、アスファルト、ポリブテン等一般に使用される充填剤は全て使用することができる。
またカーボンナノチューブ、イオン液体、金属粉あるいはカーボン等をポリウレタン原料に単独あるいは併用配合して導電性を有する紐状ポリウレタン発泡体も製造することができる。
【実施例1】
【0041】
離型性シリコンを塗布した38μのポリエステルフィルムを連続して繰出し、図17に示した装置に準じ、走行する8本の溝状成形体を作成した後、ポリウレタン発泡機の吐出口に図1に示した本発明の反応性分割分液コートハンガー形ダイに準じた8分液の反応液分割分液コートハンガー形ダイの原料導入口に直結、8本に分液した後8本の反応性ポリウレタン発泡原料を落下充填して紐状ポリウレタン発泡体を得た。
シート状基材の溝状成形体製造条件は下記のとおりである。
1.繰出しロール11幅:1050mm
2.離型フィルム幅:1000mm
3.放射状成形ガイド:幅10mm、高さ25mm、スタート時の放射状ガイドと放射状ガイドの隙間61.Imm
各放射状ガイドの略上面図を図27に示す。
21、22、23、24、25、26、27、28、29は放射状ガイド
20、30、40、50、60、70、80、90、100は平行ガイドである。
各放射状ガイドの長さは下記の通りである。

4.繰出しロール11と放射状ガイドとの空間部:約350mm
5.放射状ガイドと平行ガイドとの空間部:50mm
6.放射状成形ガイドの開き角度β:約10.1度
【0042】
幅1000mmのシリコン離型剤焼付38μPETフィルムを、図17に準じて速度0.96m/分で繰出した。放射状ガイドと放射状ガイドとの間のシートを押圧して8列の溝をもつ一枚のシート状基材を作成、溝幅が12mmとなった時点で、後述の配合処方からなる各発泡性ポリウレタン原料を、ミキシングチャンバー上部にてNガスを39cc/分の割合で投入しながら小型発泡機を使用して撹拌混合させた後、図1に準じた8分液の本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイに320g/分の速度で連続して注入した。この時発泡機のミキシングチャンバー圧力は0.16Mpaであった。
但しここで使用された反応液分割分液コートハンガー形ダイは幅200mm、マニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積比は1:0.21、樹脂原料導入口の開き角度は128度、分割数は8本とした。即ち液仕切具は25mmピッチで反応液分割分液コートハンガー形ダイのリッププレートに設置した。
ここでは特に反応触媒を低下させず、しかも原料温度も25℃の常温に設定して行い、ポリウレタン発泡原料の反応をまったく抑えなかったが流量調整ボルトを調整しながら120分間の連続運転が可能であった。特にダイ両サイドでの製品については製品直径がゲル化で細くなる傾向にあったので、流量調整板の高さを上げて反応液が流れる隙間を大きくした。
ここでの全ポリウレタン原料は分液された後、45℃に加熱された離型PETフィルム溝に注入され、フィルム溝の上部合わせ目幅を0.25mmまで狭めた後、進行方向に平行な平行ガイドに移され75℃に加熱されて発泡させた。更に120℃に加熱硬化させ、約直径15mmの円形のポリウレタン発泡体を8列にて得た。
得られた紐状ポリウレタン発泡体の密度は約230kg/m、引張強さは513kpaであった。また得られた製品の寸法精度は表−1、表−2に示す。
【実施例2】
【0043】
実施例1に於いてNガス投入量を14cc/分に低下させた以外は実施例1と同様に紐状樹脂成形体を製造した。得られたフォーム物性を表−1、表−2に示す。
【比較例1】
【0044】
実施例1に於いて使用した反応液分割分液コートハンガー形ダイ図1を図4に示した従来の反応液分液コートハンガー形ダイ準じた8分液の反応性分液コートハンガー形ダイに変えて使用した以外はすべて同一条件で行い紐状樹脂成形体を製造したが、該コートハンガー形ダイの両端部の吐出量が反応液のゲル化によって吐出量が低下し、流量調整板を最大に上げて該コートハンガー形ダイのダイランド間隙を上げたが反応液吐出量の低下が大きく21分間の連続運転で中止せざるを得なかった。
【表−1】

【表−2】

【0045】
発泡体ポリウレタン原料、吐出量
(1)ポリエーテルポリオールFA703(三洋化成工業社製):3000のポリエーテル:100重量部
(2)ポリメリックMDI コスモネートLL(三井化学ポリウレタン社製):48重量部
(3)HO:0.5重量部
(4)シリコン系界面活性剤F−242T(信越化学工業社製):0.3重量部
(5)トリエチレンジアミンDABCO33LV(三共エアープロダクト社製):0.035重量部
(6)ジブチルチンジラウレート:0.05重量部
(7)Nガス:39cc/分
(8)全吐出量:320g/分
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】 本発明の反応液分割分液コートハンガー形ダイの斜視図
【図2】 図1の分割流量調整板の拡大図
【図3】 図1の断面図
【図4】 従来の反応液分液コートハンガー形ダイの斜視図
【図5】 図4の正面図
【図6】 図4の断面図
【図7】 図4のリッププレート拡大図
【図8】 従来の別の反応液分液コートハンガー形ダイの斜視図
【図9】 図8の流量調整板の拡大図
【図10】 図8の断面図
【図11】 従来のコートハンガー形ダイの斜視図
【図12】 図11のリッププレート拡大図
【図13】 図11の断面図
【図14】 従来の別のコートハンガー形ダイ
【図15】 図14の流量調整板の拡大図
【図16】 図14の断面図
【図17】 本発明の複数の紐状樹脂成形体を製造する装置の略平面図
【図18】 図17の側面図
【図19】 図17のP1−P1′略断面図
【図20】 図17のP2−P2′略断面図
【図21】 図17のP3−P3′略断面図
【図22】 図17のP4−P4′略断面図
【図23】 図17のP5−P5′略断面図
【図24】 シート状基材が離型性のないシート状基材を使用した図17のP5−P5′位置の略断面図
【図25】 放射状ガイド上面図
【図26】 放射状ガイドと押圧冶具の関係を示すイメージ図
【図27】 実施例1、実施例2、比較例1に使用した放射状ガイドの上面図
【符号の説明】
【0047】
1:コートハンガー形ダイ
1a、1b:コートハンガー形ダイの構成板
2:マニホールド
3:樹脂原料導入口
4:リッププレート
5:ダイランド
6:ダイ出口
7:圧力調整溝
8、81、82、83、84、85、86:分割流量調整板
8′:流量調整板
9、91、92、93、94、95、96、97:液仕切具
10:流量調整ボルト
11:繰出しロール
12:紐状樹脂成形体
13:反応液塗布点
14:巻取りロール
15:シート状基材
16:非離型性シート状基材
17:非離型性シート状基材とからなる複合紐状樹脂成形体
18:発泡しつつある注入原料
19:シート状基材袋
21、22、23、24、25、26、27:放射状ガイド
31、32、33、34、35、36:第1次押圧冶具
41、42、43、44、45、46:第2次押圧冶具
51、52、53、54、55、56:溝
20、30、40、50、60、70、80:平行ガイド
37:三角形押圧冶具
38:四角形押圧冶具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲にあり、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップの川上に位置する流量調整板がダイ幅に対して直角方向に複数に分割されている分割流量調整板を使用し、且つダイリップに原料導入口と原料出口とを最も短い距離で結ぶ線に平行に液仕切具を設置してなる反応液分割分液コートハンガー形ダイ。
【請求項2】
分割流量調整板の分割数が液仕切具による液分割数の整数倍数である請求項1記載の反応液分割分液コートハンガー形ダイ。
【請求項3】
原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲にあり、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップの川上に位置する流量調整板がダイ幅に対して直角方向に分割されている分割流量調整板を使用し、且つダイリップに原料導入口と原料出口とを最も短い距離で結ぶ線にほぼ平行に液仕切具を設置してなる反応液分割分液コートハンガー形ダイを使用し、該コートハンガー形ダイの原料導入口に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続的に導入して薄膜化し、この薄膜化した原料を前記の複数に分割された分割流量調整板で流量を調整した後、前述のダイリップに設けられた液仕切具で複数に分液し、連続して走行するシート状基材に形成された複数の溝に該分液をそれぞれ分割ダイリップから、吐出し、固化してなる紐状樹脂成形体の製造方法。
【請求項4】
シート状基材に複数の溝を形成するために、シート状基材を連続して繰り出すとともに該繰り出されたシート状基材を進行方向に収れんする複数の放射状成形ガイドに沿わせ、放射状成形ガイド上のシート状基材をほぼ常に放射状成形ガイド上を進行させると同時に、放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔を縮めながらシート状基材を放射状成形ガイドを介して溝形状に立体的に折り曲げて、一枚のシート状基材に複数列の連続する溝を成形する工程と、原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲にあり、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップ川上に位置する流量調整板がダイ幅に対して直角方向に分割されている分割流量調整板を使用し、且つダイリップに原料導入口と原料出口とを最も短い距離で結ぶ線にほぼ平行に、液仕切具を設置してなる分割分液コートハンガー形ダイを使用し、該コートハンガー形ダイの原料導入口に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続的に導入して薄膜化する工程と、この薄膜化した原料を、前述の複数に分割された分割流量調整板で流量を調整した後、前述のダイリップに設けた液仕切具で複数に分液し、該分液をそれぞれダイリップから前述の連続して走行するシート状基材に形成された複数の溝に吐出し、固化する工程とからなる紐状樹脂成形体の製造方法。
【請求項5】
分割流量調整板の分割数が液仕切具による液分割数の整数倍数である請求項3または4項記載の紐状樹脂成形体の製造方法。
【請求項6】
反応性樹脂原料が発泡性ポリウレタン樹脂組成物または発泡性シリコン樹脂組成物である請求項3または4項記載の紐状樹脂成形体の製造方法。
【請求項7】
液状乃至半固体状の反応性樹脂原料中に反応性樹脂原料の体積に対して4体積パーセント以上の不活性ガスを投入してなる請求項6記載の紐状樹脂成形体の製造方法。
【請求項8】
連続して繰り出されるシート状基材に、その進行方向に複数の溝を形成すると共に、該溝に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を注入して紐状樹脂成形体を製造する装置であって、シート状基材を繰り出すと共に該繰り出された該シート状基材を進行方向に収れんする複数の放射状成形ガイドに沿わせ、放射状成形ガイド上のシート状基材をほぼ常に放射状成形ガイド上を進行させると同時に、放射状成形ガイドと放射状成形ガイドとの間の間隔を縮めながらシート状基材を、放射状成形ガイドとを介して溝形状に立体的に折り曲げて、1枚のシート状基材に複数列の溝を形成させる手段と、次いで原料導入口に於けるマニホールドの開き角度θが115度〜170度未満の範囲にあり、且つダイリップ川上に位置する流量調整板がダイ幅に対して直角方向に分割されている分割流量調整板を使用し、且つマニホールドを除くダイ内容積とマニホールド容積との比が1:0.1〜1:10の範囲にあり、且つダイリップに原料導入口と原料出口とを最も短い距離で結ぶ線にほぼ平行に、液仕切具を設置した反応液分割分液コートハンガー形ダイを使用し、該コートハンガー形ダイの原料導入口に液状乃至半固体状の反応性樹脂原料を連続的に導入し、薄膜化し、この薄膜化した原料を、前述の複数に分割された分割流量調整板で流量を調整した後、前述の液仕切具で複数に分液し、該分液をそれぞれダイリップから前述のシート状基材からなるそれぞれの溝に吐出し、固化する手段を有する紐状樹脂成形体製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2009−262519(P2009−262519A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138717(P2008−138717)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(593174674)有限会社サン・イースト・リサーチ (10)
【Fターム(参考)】