説明

合成樹脂製プーリ

【課題】製造コストをいたずらに高くする事なく、外周面の真円度を向上できる合成樹脂製プーリを提供する。
【解決手段】連結部17が軸方向中心よりも反ゲート側にオフセットして設けられ、反ゲート側の補強リブ18bの方がゲート側の補強リブ18aよりも円周方向に幅が広く設定されているので、射出成形時に溶融樹脂の外径側への流れ込みを均等化し、冷却速度のバラツキを抑える事ができるので、製造コストをいたずらに高くする事なく、外周面の真円度を向上できる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製プーリに関し、例えば自動車用エンジンの補機、あるいはカムシャフトを駆動する為の無端ベルトやタイミングベルトに所望の張力を付与する為に、あるいはベルトの巻き掛け角を確保すべくこのベルトを案内する為に使用するアイドラプーリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車用エンジンの補機、あるいはカムシャフトを駆動する為のベルトに所望の張力を付与する等の為のアイドラプーリとして、プレスプーリが広く使用されている。プレスプーリは、転がり軸受の外周側に、鋼板等の金属板にプレス加工を施して造ったものを、転がり軸受を構成する外輪に外嵌固定する状態で設けられる。また、アイドラプーリとして、転がり軸受を構成する外輪の周囲に、この外輪の外周寄り部分をその内周側にモールドした状態で一体的に固設した合成樹脂製プーリも使用されている。特に、近年は、この合成樹脂製プーリが、アイドラプーリの軽量化及び低コスト化を図れると言った理由により、その採用が増加しつつある。
【0003】
また、合成樹脂製プーリは、ベルトに所望の張力を付与する為の張力付与装置に組み込んで使用されている。図8〜10に合成樹脂製のアイドラプーリ1を使用した張力付与装置の一例を示す。張力付与装置14では、シリンダブロック等の固定の部分に結合固定するベースプレート2に長孔3が形成され、この長孔3に沿う変位を自在とした支持軸4の基端部(図8の右端部)の頭部5に形成したねじ孔に、調整ボルト6の先端部が螺合されている。
【0004】
この調整ボルト6の基端部は、ベースプレート2の一端部(図12の上端部)に設けた折り曲げ板部7に形成した通孔8に挿通されている。また、調整ボルト6の中間部で上記折り曲げ板部7よりも頭部5寄り部分には、調整ナット9とロックナット10とが螺合されている。
【0005】
支持部4には、支持スリーブ11を介して、深溝型ラジアル玉軸受である転がり軸受12の内輪21が支持されている。また、この転がり軸受12の外輪13の周囲には、合成樹脂製のアイドラプーリ1が固定されている。このアイドラプーリ1は、互いに同心に設けられた内径側円筒部15及び外径側円筒部16を有する。
【0006】
この内径側円筒部15の外周面の軸方向中央部と外径側円筒部16の内周面の軸方向中央部とは、円輪状の連結部17により連結されており、この連結部17の両側面にそれぞれ複数本ずつの補強リブ18、18が、それぞれ放射状に設けられている。
【0007】
この様なアイドラプーリ1は、射出成形する金型をリブから外れた部分で切断した状態で示す部分断面図である図11、射出成形する金型をリブ部分で切断した状態で示す部分断面図である図12に示すように内径側円筒部15を外輪13の周囲に、射出成形用の金型19により、この外輪13の外周寄り部分をその内周側にモールドした状態で固設している。
【0008】
すなわち、金型19内に設けた、アイドラプーリ1の外形に対応した内形を有するキャビティ20内に、ゲート22から溶融した熱可塑性樹脂を注入する。そして、この熱可塑性樹脂が冷却・固化した後に金型19を開いて、アイドラプーリ1を転がり軸受12と共に、キャビティ20内から取り出す。
【0009】
上述のようなアイドラプーリ1を含んで構成される張力付与装置14により、ベルトに所望の張力を付与するには、このベルトをアイドラプーリ1の一部で、調整ナット9と反対側面(図8の下面)に掛け渡す。そして、調整ナット9を回転させる事によりアイドラプーリ1の位置を変えて、このアイドラプーリ1によりベルトに付与する力を調整する。そして、この張力が所望値になった状態で、ロックナット10を緊締して、アイドラプーリ1の位置を固定する。
【0010】
ところで、上述の様な合成樹脂を射出成形する事により得られる合成樹脂製プーリの場合、従来から広く使用されている金属板にプレス加工を施して造るプレスプーリに比べて、軽量化とコスト低減とを図れる反面、射出成形時の冷却速度のバラツキによる変形、いわゆる引けによる凸凹が生じ、アイドラプーリの形状精度を確保するのが難しい。より具体的には、図8において、このアイドラプーリ1の外周面の真円度が悪化するため、ベルトの走行に伴って、アイドラプーリ1の外周面とベルトの周面とが衝突して(互いに叩き合って)、比較的高い周波数を伴う噛み合い音が生じる可能性がある。
【0011】
また、ベルトが振れを伴いながら走行したり、あるいはアイドラプーリ1並びにこのアイドラプーリ1を支持したベースプレート2が振動したりする事により、不快な異音が発生し易くなる。更に、上記外周面の真円度の悪化が著しくなる場合には、上記アイドラプーリ1の外周面からベルトが外れて、このベルトによる駆動部材から従動部材への動力の伝達が不能となる可能性がある。
【0012】
さらに、この種の合成樹脂製プーリでは、高い真円度だけではなく、プーリの両側間での真円度の差が少ないことも重要である。この差が大きいと、真円度自体が良好であっても、振動や異音の発生原因となり、また、ベルトの寿命も低下する可能性が有る。この為、合成樹脂製のアイドラプーリ1に於いては、ベルトを案内する為の外周面の成形精度を向上させる事が、製品の品質を確保する際に最も重要となっている。
【0013】
特許文献1では、円筒状の内周面を有する金型のキャビティ内に、溶融した合成樹脂を注入し、このキャビティの内周面に沿った円筒状の外周面を有するアイドラプーリを射出成形するアイドラプーリの製造方法が記載されている。この製造方法の場合には、上記キャビティの内周面に、このキャビティ内に注入した合成樹脂が冷却速度の差から生じる引けを考慮した凹凸を形成し、これら引けと凹凸とを互いに相殺させる事により、得られるアイドラプーリの外周面の形状精度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2000−310315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1に記載されたアイドラプーリの製造方法は、アイドラプーリの外周面の真円度の向上と、この外周面の凹凸の低減とを図る面からは非常に有効であるが、キャビティの内周面に凹凸を形成する事が非常に高度な技術と多大な時間とを必要とする。この為、円周面に凹凸を形成したキャビティを有する金型の製造コストは、技術面から一般的に使用されている金型の製造コストよりも嵩む可能性がある。
【0016】
また、内周面に凹凸を形成したキャビティを有する金型により製造されるアイドラプーリの場合には、予め内周面に凹凸を形成しないキャビティを有する金型により製造されるアイドラプーリの成形条件と合成樹脂材料とによる外周面の形状精度を基準として加工している為、成形条件の許容幅が狭い。また、合成樹脂材料の製造ロット毎の流動特性に代表される、成形加工特性の変動許容幅も狭い。これらにより、特許文献1に記載のアイドラプーリの製造方法を用いてアイドラプーリを安定して多量に供給する為には、非常に精緻な成形条件の管理と合成樹脂材料の成形加工特性の管理とが必要になる可能性がある。
【0017】
この様な要因により、特許文献1に記載されたアイドラプーリの製造方法は、従来から広く行なわれているアイドラプーリの製造方法に比べて製造コストが高くなる可能性がある。さらに、一旦射出成形によりプーリを製造した後に、ベルトの案内面となる外径側円筒部の外周面に切削加工を施し、アイドラプーリの外周面の真円度を向上させ、凹凸を減少させる試みがなされている。このような加工は、アイドラプーリの外周面の真円度の向上と、この外周面の凹凸の低減とを図る面からは非常に有効であるが、機械加工であるため、従来から広く行なわれているアイドラプーリの製造方法に比べて製造コストが高くなる可能性がある。
【0018】
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造コストをいたずらに高くする事なく、外周面の真円度を向上できる合成樹脂製プーリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の合成樹脂製のプーリは、上記問題を解決するために、互いに同心に設けられた内径側円筒部及び外径側円筒部と、これら内径側円筒部と外径側円筒部との間に設けられた連結部と、前記連結部の両側面に両側面の円周方向位相を互いに一致させ、それぞれ各側面に等間隔で放射状に設けている複数の補強リブとを備え、上記内径側円筒部をラジアル転がり軸受を構成する外輪の周囲に、この外輪の外周寄り部分をその内周側にモールドした状態で固設した合成樹脂製のプーリに於いて、前記内径側円筒部の軸方向一端側に、円周方向等間隔に、射出成型時に溶融樹脂を送り込むための複数のゲートを配し、前記連結部は軸方向中心よりも前記ゲートが配されていない側(以降、反ゲート側と称す)にオフセットして設けられ、前記補強リブは、前記ゲートが配されていない側の補強リブの方が、ゲートが配されている側の補強リブ(以降、ゲート側と称す)よりも円周方向の幅が広く設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、連結部が軸方向中心よりも反ゲート側に設けられ、反ゲート側の補強リブの方がゲート側の補強リブよりも円周方向の幅が広く設定されているので、射出成形時に溶融樹脂の外径側への流れ込みを均等化し、冷却速度のバラツキを抑える事ができるので、製造コストをいたずらに高くする事なく、外周面の真円度を向上できるという効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例であるV リブドベルトの背面側を案内するアイドラプーリの側面図を示す図である。
【図2】図1のアイドラプーリをII−II線に沿って切断した断面図を示すものである。
【図3】本発明の一実施例であるVリブドベルトの正面側を案内するアイドラプーリの側面図を示すものである。
【図4】図3のアイドラプーリをIV−IV線に沿って切断した断面図を示すものである。
【図5】本発明の一実施例であるアイドラプーリを射出成形する金型を、リブから外れた部分で切断した状態で示す部分断面図を示すものである。
【図6】本発明の一実施例であるアイドラプーリを射出成形する金型を、リブ部分で切断した状態で示す部分断面図を示すものである。
【図7】図5,6の金型をX−X線に沿って切断した断面図を示すものである。
【図8】アイドラプーリが組み込まれた張力付与装置を示す断面図を示すものである。
【図9】従来のアイドラプーリの部分切断斜視図を示すものである。
【図10】従来のアイドラプーリの側面図を示すものである。
【図11】従来のアイドラプーリを射出成形する金型を、リブから外れた部分で切断した状態で示す部分断面図を示すものである。
【図12】従来のアイドラプーリを射出成形する金型を、リブ部分で切断した状態で示す部分断面図を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る合成樹脂製プーリについて図面を参照して詳細に説明する。
図1〜2は、Vリブドベルトの背面側(Vリブドベルトのリブを設けていない側)を案内する本発明の合成樹脂製プーリであるアイドラプーリ1aを示し、図3〜4は、Vリブドベルトの正面側(Vリブドベルトのリブを設けている側)を案内する本発明の合成樹脂製プーリであるアイドラプーリ1bを示している。なお、これらの合成樹脂製プーリ1a,1bは、図8〜10に示したアイドラプーリ1と同様に、張力付与装置に組み込んで使用することができる。
【0023】
Vリブドベルトの背面側を案内するアイドラプーリ1aは、前述の図8〜10に示したアイドラプーリ1と同様に、互いに同心に設けられた内径側円筒部15及び外径側円筒部16aを有する。この外径側円筒部16aの外周面は、ベルトの背面を案内する為の平坦な案内面である。また、上記内径側円筒部15の外周面とこの外径側円筒部16aの内周面とは円輪状の連結部17により連結している。
【0024】
ここで、図8〜10に示した従来のアイドラプーリ1では、連結部17は、内径側円筒部15の外周面の軸方向中央部と外径側円筒部16の内周面の軸方向中央部とを連結しているが、本実施形態では、連結部17は、反ゲート側にオフセットした位置で連結している。また、連結部17の両側面にそれぞれ48本ずつ合計96本の補強リブ18a、18bを、両側面の円周方向位相を互いに一致させ、それぞれ各側面に等間隔で放射状に設けている。
【0025】
ここで、図8〜10に示した従来のアイドラプーリ1では、連結部17の両側面の補強リブ18は同形状で有るが、本実施形態では、反ゲート側の補強リブ18bは、ゲート側の補強リブ18aに対し円周方向の幅が広くなっている。
【0026】
また、Vリブドベルトの正面側を案内するアイドラプーリ1bも、互いに同心に設けられた内径側円筒部15及び外径側円筒部16bを有する。この外径側円筒部16bの外周面は、ベルトの正面を案内する為の波型の案内面である。また、上記内径側円筒部15の外周面とこの外径側円筒部16aの内周面とは円輪状の連結部17により連結している。ここで、連結部17は、Vリブドベルトの背面側を案内するアイドラプーリ1aと同様に反ゲート側にオフセットした位置で連結している。また、連結部17の両側面にそれぞれ48本ずつ合計96本の補強リブ18a、18bを、両側面の円周方向位相を互いに一致させ、それぞれ各側面に等間隔で放射状に設けている。
【0027】
ここで、Vリブドベルトの背面側を案内するアイドラプーリ1aと同様に、反ゲート側の補強リブ18bは、ゲート側の補強リブ18aに対し円周方向の幅が広くなっている。
【0028】
本実施形態において、アイドラプーリ1a,1bを構成する合成樹脂材料として、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド612、芳香環を有する芳香族ポリアミド、シクロ環を有する非晶性ポリアミドの単独または複数を混合したもの、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、フェノール樹脂等の熱可塑性樹脂を母材として、ガラス繊維等の強化繊維やタルク、マイカ等のミネラル等の充填剤を添加した複合材料等を使用できる。
【0029】
より詳しくは、上記充填剤として、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカ等を使用でき、粒子状充填剤として、シリカ(SiO2)やアルミナ(Al2O3)の粒子、炭酸カルシウム(CaO3)、タルク、マイカ、グラファイト等を使用できる。更に、上記充填剤は、それぞれ単独でも使用できるが、繊維系充填剤と粒子状充填剤とを組み合わせた場合には、粒子状充填剤により合成樹脂の体積収縮の異方性を抑制できると共に、繊維系充填剤により機械的強度の低下を抑制する事ができる。
【0030】
なお、合成樹脂材料の母材及び充填剤としては、その他にも使用できるものがあり得ると考えられるが、自動車用エンジンの補機、あるいはカムシャフトを駆動する為の無端ベルトやタイミングベルトに所望の張力を付与する為に、あるいはベルトの巻き掛け角を確保すべくこのベルトを案内する為に使用する為には、高い耐熱性を有する合成樹脂材料を使用する事が好ましく、より好ましくは、UL規格の長期耐熱規格に規定される温度指数が少なくとも100℃以上であるものを使用する。また、上記充填剤と合成樹脂材料の母材との密着性を向上させる為に、更に好ましくは、シランカップリング剤等の添加剤を適宜添加する。
【0031】
この様なアイドラプーリ1a,1bは、上述したような合成樹脂材料を射出成形によりモールドすることで、内径側円筒部15をラジアル転がり軸受12を構成する外輪13の外周寄り部分に固設して構成される。具体的には、射出成形する金型を、リブから外れた部分で切断した状態で示す部分断面図である図5(図は、アイドラプーリ1aの場合を示す。)、射出成形する金型を、リブ部分で切断した状態で示す部分断面図である図6(図は、アイドラプーリ1aの場合を示す。)に示すように、ラジアル転がり軸受12を外輪13の外周寄り部分がキャビティ20の一部を構成するようにして射出成形用の金型19a内に収容する。そして、補強リブ18aの径方向延長線上の内径側円筒部15に整合する位置に等間隔に設けられた複数のゲート22から溶融樹脂をキャビティ20内に送り込み、アイドラプーリ1a,1bを射出成形する。
【0032】
射出成形用の金型19aは、図5、図6、および図7(射出成形する金型を図5、図6のX−X線に沿って切断した断面図)に示すように、連結部17は、軸方向中心よりも反ゲート側に設けられL1<L2となっている。また、反ゲート側の補強リブ18bは、ゲート側の補強リブ18aに対し円周方向に幅広くなるようにW1<W2となっている。
【0033】
ここで、ゲート22は、補強リブ18aと同数設けるのが望ましい。ゲート数が多ければ多いほど、溶融樹脂の流速が均一と成り、冷却速度のバラツキが少なくなるからである。しかし、ゲート数が多いと、その分歩留まりが悪く、また、後工程でのゲート削除の作業も増加するので、コスト等を考慮して適数を選択すればよい。
【0034】
上記により、連結部が軸方向中心よりも反ゲート側に設けられ、反ゲート側の補強リブの方がゲート側の補強リブよりも円周方向の幅が広く設定されるので、射出成形時に溶融樹脂の外径側への流れ込みを均等化し、冷却速度のバラツキを抑える事ができるので、製造コストをいたずらに高くする事なく、外周面の真円度を向上できる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、合成樹脂製プーリとして、例えば自動車用エンジンの補機、あるいはカムシャフトを駆動する為の無端ベルトやタイミングベルトに所望の張力を付与する為に、あるいはベルトの巻き掛け角を確保すべくこのベルトを案内する為に使用するアイドラプーリとして利用可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 アイドラプーリ
2 ベースプレート
3 長孔
4 支持軸
5 基端部の頭部
6 調整ボルト
7 折り曲げ板部
8 通孔
9 調整ナット
10 ロックナット
11 支持スリーブ
12 転がり軸受
13 外輪
14 張力付与装置
15 内径側円筒部
16 外径側円筒部
16a 外径側円筒部
16b 外径側円筒部
17 連結部
18 補強リブ
18a ゲート側補強リブ
18b 反ゲート側補強リブ
19 射出成形用の金型
19a 射出成形用の金型
20 キャビティ
21 内輪
22 ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同心に設けられた内径側円筒部及び外径側円筒部と、
これら内径側円筒部と外径側円筒部との間に設けられた連結部と、
前記連結部の両側面に両側面の円周方向位相を互いに一致させ、それぞれ各側面に等間隔で放射状に設けている複数の補強リブとを備え、
上記内径側円筒部をラジアル転がり軸受を構成する外輪の周囲に、この外輪の外周寄り部分をその内周側にモールドした状態で固設した合成樹脂製のプーリに於いて、
前記内径側円筒部の軸方向一端側に、円周方向等間隔に、射出成型時に溶融樹脂を送り込むための複数のゲートを配し、
前記連結部は軸方向中心よりも前記ゲートが配されていない側にオフセットして設けられ、
前記補強リブは、前記ゲートが配されていない側の補強リブの方がゲートが配されている側の補強リブよりも円周方向の幅が広く設定されていること
を特徴とする合成樹脂製のプーリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−75000(P2011−75000A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226223(P2009−226223)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】