説明

同時焼成窒化けい素回路基板およびその製造方法

【課題】熱伝導率が高く優れた放熱性を有し、かつ高強度で導体層(メタライズ層)の剥離による不良の発生が少なく、しかも小型に形成することが可能な同時焼成窒化けい素回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】窒化けい素基板2aと、この窒化けい素基板2aの少なくとも表面部に一体に形成され、WおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を主成分とする同時焼成メタライズ層3a,3bとを備え、上記窒化けい素基板2aの熱伝導率が60W/m・K以上であり、かつ上記窒化けい素基板2aの粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する面積割合が20%以上であることを特徴とする同時焼成窒化けい素回路基板1aである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒化けい素基板に回路としての導体層(メタライズ層)を同時焼成法によって一体に形成した同時焼成窒化けい素回路基板およびその製造方法に係り、特に優れた放熱性を有し、かつ高強度で導体層の剥離による不良の発生が少なく、しかも小型に形成することが可能な同時焼成窒化けい素回路基板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器や半導体装置の構成部品として、図1および図2に示すように、アルミナ(Al)基板や窒化アルミニウム(AlN)基板などのセラミックス基板2の表面に回路となる導体層(メタライズ配線層)3を一体に形成した各種の回路基板(厚膜回路基板)1が広く用いられている。また、上記セラミックス基板2の表面に、活性金属法や直接接合法を利用して、銅(Cu)などの導電材料で形成した金属回路板を一体に接合した回路基板も広く用いられている。
【0003】上記従来の回路基板を構成するセラミックス基板としては、熱伝導率が10〜20W/m・K程度のアルミナ基板が汎用されている。また、さらに高い放熱性が要求される用途には、各種形状の放熱板やヒートシンクを回路基板に組み合わせたものが使用されている。さらに、熱伝導率が50〜150W/m・K程度の窒化アルミニウム(AlN)基板を用いて、より高い放熱性を確保する例もある。
【0004】近年、セラミックス回路基板を使用した半導体装置の高出力化、半導体素子の大容量化および高集積化が急速に進行し、セラミックス回路基板に繰り返して作用する熱応力や熱負荷も急激に増加する傾向にあり、セラミックス回路基板に対しても上記熱応力や熱サイクルに対して十分な強度と放熱性とが要求されている。
【0005】上記のような技術的な要求に対応するために、180W/m・K程度の高熱伝導率を有するAlNセラミックス基板も開発されている。このAlN基板は高純度のAlN原料粉末にイットリア(Y)などの焼結助剤を添加した原料混合体を成形し、得られた成形体を高温度で48〜72時間程度と長時間焼結することにより緻密化を図ると同時に、熱抵抗となる液相成分を基板表面に排出して高純度化を図って製造されるものである。
【0006】また携帯用電子機器の小型化や薄型化を指向する技術的要請に応じて、小型で高強度を有する回路基板の開発も進められており、従来多用されてきたアルミナ基板や窒化アルミニウム基板に代えて、より高強度の窒化けい素(Si)基板を用いた回路基板も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の窒化けい素回路基板は、いずれも単板である窒化けい素基板の表面に銅(Cu)などの導電材料から成る金属回路板を一体に接合した構造を有し、回路は単層配線となるため、配線幅や配線間隔を規定する配線ルールによる制約が多く、精細な高密度配線を形成することは困難であり、回路基板を小型化する上で大きな障害となる問題点があった。
【0008】電子機器の小型化要求のさらなる進展に伴い、回路基板に対しても、配線密度を向上させた高密度配線基板としての機器が要求されている。このような要求に対応する一手段として、従来の単層の窒化けい素基板に代えて、複数の窒化けい素基板を多層積層させて配線(メタライズ配線層)を多層化する方式も採用されている。この方式において、各配線層は同時焼成により形成され、隣接する層間配線は、導体を充填したビアホールによって電気的に接続される。この方式を採用することにより、規定の配線ルールを遵守した状態で高密度配線が可能となる。
【0009】従来から、上記のような同時焼成メタライズ層に有する多層窒化けい素回路基板として、例えば特開平10−256686号公報および特開2000−244121号公報に、その構成例が紹介されている。上記いずれの公報においても、WやMoなどの高融点金属から成るメタライズ層を同時焼成する際に生じる高抵抗の高融点金属シリサイド量を低減することにより、導体層(メタライズ層)の電気抵抗を低減して信号処理の高速化を図ることを目的としている。
【0010】しかしながら、本発明者らの知見によれば、同時焼成時にある程度の高融点金属シリサイドが形成されない場合には、メタライズ層の接合強度(ピール強度)が十分ではなく、このメタライズ層を形成した回路基板の耐熱サイクル特性(TCT特性)が不十分となり、この回路基板を組み込んだ電子機器の信頼性および耐久性が低下してしまう問題点があった。
【0011】このように、上記従来のセラミックス回路基板においては、セラミックス基板の種類や焼結方法を改良することにより高い熱伝導率は得られても強度が不十分となったり、基板強度自体は高くなってもメタライズ層の接合強度が低くなる結果、耐熱サイクル性および曲げ強度が十分に得られず、回路基板を用いた半導体装置の信頼性や製品歩留りが低くなるという問題点があった。
【0012】一方、回路基板に搭載する半導体素子の高集積化および高出力化に対応して熱サイクル負荷も大幅に上昇し、熱応力によって基板に割れが発生して回路基板の機能が喪失されてしまう問題点があった。また、回路基板の曲げ強度が小さくたわみ量も少ないため、組立時に回路基板を実装ボードにねじで締着固定しようとすると、ねじの僅かな締着力によってセラミックス基板が破壊してしまう場合があり、回路基板を使用した半導体装置の製品歩留りが低下してしまう問題点もあった。さらに、使用時に発生する熱応力によって基板の割れや、メタライズ層の剥離が発生する場合も多く半導体装置の信頼性が低下する難点もあった。
【0013】本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、熱伝導率が高く優れた放熱性を有し、かつ高強度で導体層(メタライズ層)の剥離による不良の発生が少なく、しかも小型に形成することが可能な同時焼成窒化けい素回路基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本願発明者らは、特に高い熱伝導率を得る一方で、強度の低下を引き起こさない回路基板の組織構造を種々検討した。その結果、特に組成および純度を調整した窒化けい素原料粉末の成形体に高融点金属ペーストで所定の導体パターンを形成し、このパターン形成した成形体を、脱脂した後に還元雰囲気中にて温度1700℃以上で所定時間焼結し、さらに焼結温度から液相の凝固温度(約1500℃)に至る際の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷したときに、粒界相の少なくとも一部が結晶化し、熱伝導率が60W/m・K以上となるような高熱伝導性と高強度特性とを併せ持つ同時焼成窒化けい素回路基板が得られた。
【0015】しかも、上記徐冷操作を実施したときに高融点金属メタライズ層と窒化けい素基板との接合界面に高融点金属シリサイド層が薄い層状に、かつ均一に形成され、この高融点金属シリサイド層によってメタライズ層の接合強度が大幅に改善されることが判明し、メタライズ層の剥離が少なく耐久性が優れた回路基板が初めて実現するという知見を得た。本発明は上記知見に基づいて完成されたものである。
【0016】すなわち、本発明に係る回路基板は、窒化けい素基板と、この窒化けい素基板の少なくとも表面部に一体に形成され、WおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を主成分とする同時焼成メタライズ層とを備え、上記窒化けい素基板の熱伝導率が60W/m・K以上であり、かつ上記窒化けい素基板の粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する面積割合が20%以上であることを特徴とする。
【0017】また、上記本発明に係る同時焼成窒化けい素回路基板において、前記同時焼成メタライズ層と窒化けい素基板との接合界面に、平均膜厚が0.01〜1μmの高融点金属シリサイド層が形成されていることが好ましい。このシリサイド層が形成されることにより、メタライズ層の接合強度を高めることが可能である。
【0018】上記高融点金属シリサイド層の平均膜厚が0.01μm未満となったり、膜が均一でなく高融点金属シリサイドが点在する場合には、上記メタライズ層の接合強度を改善する効果が得られない。一方、平均膜厚が1μmを超えるように厚く形成した場合にも却って接合強度が低下する上に、電気抵抗値が高いシリサイド層の含有率が増加するため、メタライズ層の抵抗値が増大化し、信号処理の高速化が困難になる。そのため、シリサイド層の平均膜厚は0.01〜1μmの範囲とされるが、0.03〜0.5μmの範囲がより好ましい。
【0019】なお、上記高融点金属シリサイド層の膜厚は回路基板の断面をEPMAによって観察することにより測定でき、単位面積30μm×30μmを任意の3箇所観察し、その膜厚値を平均した値を平均膜厚とする。
【0020】また上記同時焼成窒化けい素回路基板において、前記同時焼成メタライズ層のピール強度が1kN/m以上であることが好ましい。この1kN/m以上のピール強度を確保することにより、回路基板の耐熱サイクル特性(TCT特性)を良好に維持することができる。なお上記ピール強度は、メタライズ層に厚さ5μmのNiめっきを施し、その上にBAg−8ろう材を介してコバール端子板を接合した後に引張り、剥離を生じたときの引張荷重から算出できる。
【0021】さらに、上記同時焼成窒化けい素回路基板において、前記同時焼成メタライズ層の厚さが7μm以上であることが好ましい。厚さ7μm以上の同時焼成メタライズ層を形成することにより、大きな通電容量を確保することが可能になり、特に高出力で高速動作する機能素子を搭載することが可能になる。
【0022】なお、上記同時焼成メタライズ層の厚さは、前記高融点金属シリサイド層の厚さを含むものとして、EPMAなどによって測定される。
【0023】また、本発明の同時焼成窒化けい素回路基板は、前記同時焼成メタライズ層が窒化けい素基板の表面にのみ存在するように単層構造で形成してもよいが、下記のように多層構造で形成することも可能である。すなわち、前記窒化けい素基板が複数の基板要素を積層した多層構造を有し、各基板要素に同時焼成メタライズ層が形成されており、積層方向に隣接した同時焼成メタライズ層が層間接続された多層配線路を有するように多層構造で形成することにより、より高密度配線が可能となる。
【0024】また本発明に係る同時焼成窒化けい素回路基板の製造方法は、酸素を1.7重量%以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.3重量%以下、α相型窒化けい素を90重量%以上含有し、平均粒径1.0μm以下の窒化けい素粉末に、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.5重量%,Mgを酸化物に換算して0.3〜3.0重量%添加した原料混合体を成形して成形体を調製し、WおよびMoの少なくとも一方の高融点金属を含有する導体ペーストを上記成形体に塗布して導体パターンを形成し、この導体パターンを形成した成形体を脱脂後、温度1700〜1900℃で焼結し、上記焼結温度から、上記希土類元素およびMgOにより焼結時に形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することを特徴とする。
【0025】また、上記製造方法において、前記導体ペーストを塗布して導体パターンを形成した複数の成形体を積層した後に脱脂および焼結を行うことにより、多層配線構造を有する同時焼成窒化けい素回路基板が得られる。
【0026】上記製造方法において、窒化けい素粉末に、さらにカルシウム(Ca)およびストロンチウム(Sr)の少なくとも一方を酸化物に換算して1.5重量%以下添加するとよい。さらに窒化けい素粉末に、さらにTi,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wの少なくとも1種を酸化物に換算して1.5重量%以下添加するとよい。
【0027】上記製造方法によれば、窒化けい素結晶組織中に希土類元素等を含む結晶化した粒界相が形成され、気孔率が2.5%以下、熱伝導率が60W/m・K以上、三点曲げ強度が室温で750MPa以上の機械的特性および熱伝導特性が共に優れた窒化けい素焼結体が得られ、またメタライズ層のピール強度が1kN/m以上であるような接合強度が優れた同時焼成窒化けい素回路基板が得られる。
【0028】本発明に係る同時焼成窒化けい素回路基板を構成する窒化けい素基板としては、特に大容量で高出力の機能素子を搭載するために、耐熱衝撃特性、放熱性および構造強度が優れ、メタライズ層を一体に形成した場合に高い接合強度が得られるような窒化けい素焼結体から成る窒化けい素基板を使用することが好ましい。
【0029】具体的には、本出願人に係る先行出願である特開2000−34172号公報に記載されているような、60W/m・K以上の高熱伝導性を有し、粒界相の少なくとも一部を結晶化させた窒化けい素焼結体から成る窒化けい素基板を使用することが好適である。
【0030】本発明方法において使用され、窒化けい素基板を構成する焼結体の主成分となる窒化けい素粉末としては、焼結性、強度および熱伝導率を考慮して、酸素含有量が1.7重量%以下、好ましくは0.5〜1.5重量%、Al,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bなどの不純物陽イオン元素含有量が合計で0.3重量%以下、好ましくは0.2重量%以下に抑制されたα相型窒化けい素を90重量%以上、好ましくは93重量%以上含有し、平均粒径が1.0μm以下、好ましくは0.4〜0.8μm程度の微細な窒化けい素粉末を使用することが好ましい。
【0031】平均粒径が1.0μm以下の微細な原料粉末を使用することにより、少量の焼結助剤であっても気孔率が2.5%以下の緻密な焼結体を形成することが可能であり、また焼結助剤が熱伝導特性を阻害するおそれも減少する。
【0032】またAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bの不純物陽イオン元素も熱伝導性を阻害する物質となるため、60W/m・K以上の熱伝導率を確保するためには、上記不純物陽イオン元素の含有量は合計で0.3重量%以下とすることにより達成可能である。特に同様の理由により、上記不純物陽イオン元素の含有量は合計で0.2重量%以下とすることが、さらに好ましい。ここで通常の窒化けい素焼結体を得るために使用される窒化けい素粉末には、特にFe,Alが比較的に多く含有されているため、Fe,Alの合計量が上記不純物陽イオン元素の合計含有量の目安となる。
【0033】さらに、β相型と比較して焼結性に優れたα相型窒化けい素を90重量%以上含有する窒化けい素原料粉末を使用することにより、高密度の焼結体を製造することができる。
【0034】また窒化けい素原料粉末に焼結助剤として添加する希土類元素としては、Y,Ho,Er,Yb,La,Sc,Pr,Ce,Nd,Dy,Sm,Gdなどの酸化物もしくは焼結操作により、これらの酸化物となる物質が単独で、または2種以上の酸化物を組み合せたものを含んでもよい。これらの焼結助剤は、窒化けい素原料粉末と反応して液相を生成し、焼結促進剤として機能する。
【0035】上記焼結助剤の添加量は、酸化物換算で原料粉末に対して2.0〜17.5重量%の範囲とする。この添加量が2.0重量%以下の場合は、焼結体の緻密化あるいは高熱伝導化が不十分であり、特に希土類元素がランタノイド系元素のように原子量が大きい元素の場合には、比較的低強度で比較的に低熱伝導率の焼結体が形成される。一方、添加量が17.5重量%を超える過量となると、過量の粒界相が生成し、熱伝導率の低下や強度が低下し始めるので上記範囲とする。特に同様の理由により3〜15重量%とすることが望ましい。
【0036】また本発明において添加成分として使用するマグネシウム(Mg)の酸化物(MgO)は、上記希土類元素の焼結促進剤の機能を促進し低温での緻密化を可能にすると共に、結晶組織において粒成長を制御する機能を果し、Si焼結体の機械的強度を向上させるものである。このMgOの添加量が酸化物換算で0.3重量%未満の場合においては添加効果が不充分である一方、3.0重量%を超える過量となる場合には熱伝導率の低下が起こるため、添加量は0.3〜3.0重量%の範囲とする。特に0.5〜2重量%とすることが望ましい。
【0037】また本発明において選択的な添加成分としてHfを所定量添加してもよい。このHfは、酸化物,炭化物,窒化物,けい化物,硼化物として添加され、これらの化合物は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進すると共に、粒界相の結晶化も促進する機能を果しSi焼結体の熱伝導率と機械的強度とを向上させるものである。このHfの添加量が酸化物換算で0.3重量%未満の場合においては添加効果が不充分である一方、3.0重量%を超える過量となる場合には熱伝導率および機械的強度や電気絶縁破壊強度の低下が起こるため、添加量は0.1〜3.0重量%の範囲とする。
【0038】さらに本発明において、他の選択的な添加成分としてのCa,Srの酸化物(CaO,SrO)を所定量添加してもよい。これらの酸化物は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を助長する役目を果すものであり、特に常圧焼結を行なう場合に著しい効果を発揮するものである。このCaO,SrOの合計添加量が0.1重量%未満の場合においては、より高温度での焼結が必要になる一方、1.5重量%を超える過量となる場合には過量の粒界相を生成し熱伝導の低下が起こるため、添加量は1.5重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量%の範囲とする。特に強度、熱伝導率共に良好な性能を確保するためには添加量を0.1〜0.75重量%の範囲とすることが望ましい。
【0039】また本発明において、他の選択的な添加成分としてTi,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wを所定量添加してもよい。これらの元素は、酸化物,炭化物、窒化物、けい化物、硼化物として添加され、これらの化合物は、上記希土類元素の焼結促進剤としての機能を促進すると共に、結晶組織において分散強化の機能を果しSi焼結体の機械的強度を向上させるものであり、特に、Ti,Moの化合物が好ましい。これらの化合物の添加量が酸化物換算で0.1重量%未満の場合においては添加効果が不充分である一方、1.5重量%を超える過量となる場合には熱伝導率および機械的強度や電気絶縁破壊強度の低下が起こるため、添加量は0.1〜1.5重量%の範囲とする。特に0.2〜1.0重量%とすることが望ましい。
【0040】また上記Ti,Mo等の化合物は窒化けい素焼結体を黒色系に着色し不透明性を付与する遮光剤としても機能する。そのため、特に光によって誤動作を生じ易い集積回路等を搭載する回路基板を上記焼結体から製造する場合には、上記Ti等の化合物を適正に添加し、遮光性に優れた窒化けい素基板とすることが望ましい。
【0041】また焼結体の気孔率は熱伝導率および強度に大きく影響するため2.5%以下となるように製造する。気孔率が2.5%を超えると熱伝導の妨げとなり、焼結体の熱伝導率が低下するとともに、焼結体の強度低下が起こる。
【0042】また、窒化けい素焼結体は組織的に窒化けい素結晶と粒界相とから構成されるが、粒界相中の結晶化合物相の割合は焼結体の熱伝導率に大きく影響し、本発明で使用する窒化けい素焼結体においては粒界相の20%以上とすることが必要であり、より好ましくは50%以上が結晶相で占めることが望ましい。結晶相が20%未満では熱伝導率が60W/m・K以上となるような放熱特性に優れ、かつ機械的強度に優れた焼結体が得られないからである。
【0043】さらに上記のように窒化けい素焼結体の気孔率を2.5%以下にし、また窒化けい素結晶組織に形成される粒界相の20%以上が結晶相で占めるようにするためには、窒化けい素成形体を温度1700〜1900℃で2〜10時間程度、常圧焼結または加圧焼結し、かつ焼結操作完了直後における焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することが重要である。
【0044】焼結温度を1700℃未満とした場合には、焼結体の緻密化が不充分で気孔率が2.5vol%以上になり機械的強度および熱伝導性が共に低下してしまう。一方焼結温度が1900℃を超えると窒化けい素成分自体が蒸発分解し易くなる。特に加圧焼結ではなく、常圧焼結を実施した場合には、1800℃付近より窒化けい素の分解蒸発が始まる。
【0045】上記焼結操作完了直後における焼結体の冷却速度は粒界相を結晶化させるために重要な制御因子であり、冷却速度が毎時100℃を超えるような急速冷却を実施した場合には、焼結体組織の粒界相が非結晶質(ガラス相)となり、焼結体に生成した液相が結晶相として粒界相に占める割合が20%未満となり、強度および熱伝導性が共に低下してしまう。
【0046】上記冷却速度を厳密に調整すべき温度範囲は、所定の焼結温度(1700〜1900℃)から、前記の焼結助剤およびMgOの反応によって生成する液相が凝固するまでの温度範囲で充分である。ちなみに前記のような焼結助剤を使用した場合の液相凝固点は概略1600〜1500℃程度である。そして少なくとも焼結温度から上記液相凝固温度に至るまでの焼結体の冷却速度を毎時100℃以下、好ましくは50℃以下、さらに好ましくは25℃以下(但し10℃以上)に制御することにより、粒界相の20%以上、特に好ましくは50%以上が結晶相になり、熱伝導率および機械的強度が共に優れた焼結体が得られる。
【0047】なお、上記冷却速度は遅いほど粒界相の結晶化率を上げる効果が得られるが、あまり遅すぎると冷却時間が長くなり、必ずしも製造性がよいとは言えないため上記冷却速度は10℃/hr以上が好ましい。
【0048】また、このような徐冷処理を行うことにより高融点金属メタライズ層を同時焼成した際に形成される高融点金属シリサイド層の膜厚を均一化する効果も得られる。
【0049】本発明に係る同時焼成窒化けい素回路基板は、例えば以下のようなプロセスを経て製造される。すなわち前記所定の微細粒径を有し、また不純物含有量が少ない微細な窒化けい素粉末に対して所定量の焼結助剤、有機バインダ等の必要な添加剤および必要に応じてCaOやSrOおよびTi等の化合物を加えて原料混合体を調整し、次に得られた原料混合体を成形して所定形状の成形体を得る。原料混合体の成形法としては、汎用の金型プレス法、ドクターブレード法のようなシート成形法などが適用できる。
【0050】ここで多層構造の同時焼成窒化けい素回路基板を製造する場合には、積層する各シート成形体の所定位置に層間接続用のビアホールを複数個、予め形成しておく。なお、ビアホールを形成する方法としては、ポンチ,ダイ,パンチングマシーン等を用いる機械的方法やレーザ加工等が採用できる。
【0051】次に、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)の粉末に、バインダおよび溶媒を加え混練することによって導体ペーストを調製した後、かかる導体ペーストを前記工程で形成された窒化けい素グリーンシートの少なくとも一面にスクリーン印刷法などによって所定のパターン形状に印刷する。こうしてグリーンシート上に微細な信号線および電源線などによって構成された所定のパターンの導体層を形成する。
【0052】なお、本発明のメタライズ層は信号線や電源線などの配線パターンに用いるための導体層に限定されるものではなく、メッキを施した後、ろう付けにより半導体素子を搭載するためのメタライズ層を含むものとする。
【0053】上記導体ペーストの調製に際して使用されるバインダとしては、例えばセルロース系バインダ、アクリル系バインダ等が使用され、溶媒としては、例えばテレピネオール、トルエン、エタノール等が使用される。この導体ペーストを印刷する際に、同時に前記ビアホールにも導体ペーストが充填される。
【0054】そして多層構造の窒化けい素回路基板を製造する場合には、導体ペーストが印刷された複数枚のグリーンシートを、各々に形成されたビアホールの位置を正確に合致させた上で積層して熱圧着し積層体を調製する。
【0055】そして、上記成形操作に引き続いて、積層体またはパターン形成した単層の成形体を非酸化性雰囲気中で温度600〜800℃、または空気中で温度400〜500℃で1〜2時間加熱して、予め添加していた有機バインダ成分を充分に除去し、脱脂する。次に脱脂処理された成形体を窒素ガス、水素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気中で1700〜1900℃の温度で所定時間、常圧焼結、加圧焼結または雰囲気加圧焼結を実施し、窒化けい素形成体と導体パターンとを同時焼成する。
【0056】上記製法によって製造された同時焼成窒化けい素回路基板は気孔率が2.5%以下、60W/m・K(25℃)以上の熱伝導率を有し、また三点曲げ強度が常温で750MPa以上と機械的特性にも優れている。またメタライズ層のピール強度が1kN/mとなる。
【0057】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を以下に示す実施例を参照して具体的に説明する。
【0058】実施例1〜6酸素を1.3重量%、不純物陽イオン元素としてAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.10重量%含有し、α相型窒化けい素97%を含む平均粒径0.40μmの窒化けい素原料粉末に対して、焼結助剤として平均粒径0.7μmのY(酸化イットリウム)粉末5重量%,平均粒径0.5μmのMgO(酸化マグネシウム)粉末1.5重量%を添加し、エチルアルコール中で72時間湿式混合した後に乾燥して原料粉末混合体を調製した。次に得られた原料粉末混合体に有機バインダを所定量添加して均一に混合した後に、100MPaの成形圧力でプレス成形し、長さ50mm×幅50mm×厚さ0.6mmのシート状成形体(グリーンシート)を多数製作した。
【0059】一方、平均粒径が0.8μmのタングステン粉末またはモリブデン粉末に有機バインダを添加し、有機溶媒中に分散させたボールミルにて十分混合および解砕して2種類の導体ペーストを調製した。
【0060】そして、上記導体ペーストをグリーンシートの両面にスクリーン印刷して厚さ12μmの導体層を形成した。次に得られた成形体を500℃の空気気流中において2時間脱脂した後に、この脱脂体を窒素ガス雰囲気で、表1に示す雰囲気圧力,温度,時間で緻密化焼結を実施し、成形体および導体層を同時焼成した後に、焼結炉に付設した加熱装置への通電量を制御して焼結炉内温度が1500℃まで降下するまでの間における焼結体の冷却速度がそれぞれ表1に示す値となるように調整して焼結体を徐冷し、それぞれ高融点金属メタライズ層を有する実施例1〜6に係る同時焼成窒化けい素回路基板を調製した。
【0061】比較例1一方、緻密化焼結完了直後に、加熱装置電源をOFFにし、従来の炉冷による冷却速度(約600℃/hr)で焼結体を冷却した点以外は実施例1と同一条件で焼結処理して比較例1に係る同時焼成窒化けい素回路基板を調製した。
【0062】比較例2緻密化焼結完了後における焼結体の冷却速度を2℃/hrに調整した点以外は実施例1と同一条件で処理し、比較例2に係る同時焼成窒化けい素回路基板を調製した。
【0063】上記のように調製した各同時焼成窒化けい素回路基板1は、図1および図2に示すように、Si基板2の両面に所定の導体層(メタライズ層)3が一体に接合した構造を有する。
【0064】こうして得た実施例1〜6および比較例1〜2に係る同時焼成窒化けい素回路基板について、熱伝導率(25℃)、高融点金属シリサイド層の平均厚さおよび高融点金属層(メタライズ層)のピール強度を測定した。
【0065】ここで、高融点金属シリサイド層の平均厚さは、回路基板断面のEPMA分析によって得られた3箇所(単位面積30μm×30μmを3箇所測定)のシリサイド層厚さの平均値として測定する一方、高融点金属層のピール強度は、メタライズ層に厚さ5μmのNiめっきを施し、その上にBAg−8ろう材を介してコバール端子板を接合した後に引張り、剥離を生じたときの引張荷重から算出した。さらに、各焼結体をX線回折法によって粒界相に占める結晶相の割合(面積比)を測定した。
【0066】さらに、各回路基板の耐久性および信頼性を評価するために下記のような熱衝撃試験(ヒートサイクル試験:TCT)を実施しメタライズ層に剥離や膨れが発生する割合を測定した。
【0067】上記ヒートサイクル試験は、−40℃で30分間保持した後に昇温し室温(25℃)で10分間保持し、次に加熱して125℃で30分間保持した後に室温まで戻して10分間保持するまでを1サイクルとする昇温−降温サイクルを100サイクル繰り返し、100サイクル終了後においてメタライズ層の剥離や膨れが発生した割合を測定した。測定結果を下記表1に示す。
【0068】
【表1】


【0069】表1に示す結果から明らかなように実施例1〜6に係る同時焼成窒化けい素回路基板においては、比較例1と比較して緻密化焼結完了直後における焼結体の冷却速度を従来より低く設定しているため、粒界相に結晶相を含み、結晶相の占める割合が高い程、高熱伝導率を有する放熱性の高い高強度回路基板が得られた。
【0070】また、各実施例の回路基板においては、上記の徐冷操作を経て製造されているため、厚さ0.01〜1.0μmという薄い層状の高融点金属シリサイド層が接合界面に均一に形成されており、高融点金属層(メタライズ層)のピール強度がいずれも1.0kN/m以上となり優れた接合強度を有する。そのため、TCT後においても、メタライズ層の剥離や膨れは皆無であり、優れた耐久性が発揮されることが確認できた。
【0071】一方、比較例1のように焼結体の冷却速度を大きく設定し、急激に冷却した場合は粒界相において結晶相が占める割合が8%以下と少なく熱伝導率が低下した。また、比較例1においては、メタライズ層とSi基板との接合界面には均一なシリサイド層が形成されておらず、厚さ0.01μm未満のシリサイド片が点在する状態であり、Wメタライズ層が十分に固着しなかった。しかもピール強度測定用の端子板を接合しようとした際に剥離を生じる程、接合強度が低かったため、ヒートサイクル試験(TCT)は実施しなかった。
【0072】一方、焼結後の冷却速度を過度に小さくして長時間徐冷して製造した比較例2に係る回路基板においては、高融点金属シリサイド層の厚さが過度になったため、ピール強度が急激に低下し、耐久性が期待できないことが判明した。
【0073】実施例7〜9および参考例1実施例1に係る同時焼成窒化けい素回路基板の製造方法において、メタライズ層の厚さが表2に示す値となるように窒化けい素グリーンシートに対するW導体ペーストの印刷量を調整した点以外は、実施例1と同様に処理してそれぞれ各実施例および参考例に係る同時焼成窒化けい素回路基板を調製した。
【0074】調製した各回路基板について、実施例1と同様にしてWメタライズ層のピール強度を測定するとともに、熱サイクル試験(TCT)を実施して、TCT後におけるWメタライズ層の剥離および膨れの発生率を測定して下記表2に示す結果を得た。
【0075】
【表2】


【0076】上記表2に示す結果から明らかなように、Wメタライズ層の厚さが7μm以上である実施例7〜9の回路基板においては、TCT後における剥離の発生が皆無であり、優れた耐久性が得られるとともに通電容量も大きく設定できるために極めて有効であることが判明した。
【0077】一方、Wメタライズ層が3μmと薄い参考例1の回路基板では、ヒートサイクルによる熱膨張の影響を受け易くなるため、剥離が発生し易いことが確認できた。
【0078】実施例10〜12実施例1に係る同時焼成窒化けい素回路基板の製造方法において調製した複数枚のグリーンシートの所定位置に、パンチングマシーンを用いて層間接続用のビアホールを複数穿設した。次に各グリーンシートの表面にW導体ペーストを印刷すると同時に各ビアホールにも導体ペーストを充填した。
【0079】次に、これら導体ペーストが印刷された複数枚のグリーンシートについて各々に穿設されたビアホールの位置合せを行った後に、表3に示す積層枚数だけ積層して熱圧着し、それぞれ多層構造の窒化けい素積層体を調製した。
【0080】以下、上記積層体を実施例1と同一条件で脱脂・同時焼成した後に徐冷することにより、多層構造を有する実施例10〜12に係る同時焼成窒化けい素回路基板を製造した。
【0081】各実施例に係る同時焼成窒化けい素回路基板1aは、図3に示すように、窒化けい素基板2aが複数の基板要素4を積層した多層構造を有し、各基板要素4に同時焼成メタライズ層3a,3bが形成されており、積層方向に隣接した同時焼成メタライズ層3a,3bがビアホール5を介して層間接続された多層配線路を有するように構成される。そして上記同時焼成メタライズ層3aが表面配線層を構成する一方、同時焼成メタライズ層3bが内部配線層を構成する。
【0082】そして上記のように調製した各実施例に係る多層構造の同時焼成窒化けい素回路基板1aについて、実施例1と同一条件でヒートサイクル試験(TCT)を100サイクル実施した後において、各層間に形成したメタライズ層3a,3b間の導通不良の発生率を測定して、下記表3に示す結果を得た。
【0083】
【表3】


【0084】上記表3に示す結果から明らかなように、多層構造の回路基板とした場合においても、TCT後の導通不良の発生は皆無であり、優れたTCT特性を発揮することが確認できた。
【0085】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る同時焼成窒化けい素回路基板およびその製造方法によれば、焼結後に所定の冷却速度で徐冷して製造されているため、粒界相の結晶化が促進され、窒化けい素基板が60W/m・K以上の熱伝導率を有し、熱放散性に優れているため、従来の回路基板と比較して半導体素子の稼働時における温度上昇を効果的に抑制できる。また、さらに高出力の半導体素子を搭載することも可能になり、半導体素子の高出力化および高集積化に十分対応することが可能になる。また徐冷されているため、メタライズ層と窒化けい素基板との接合界面に高融点金属シリサイド層が均一に形成される結果、メタライズ層の接合強度が改善され、剥離が少なく耐久性に優れた回路基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路基板の構成を模式的に示す平面図。
【図2】図1に示す回路基板の断面図。
【図3】本発明に係る同時焼成窒化けい素回路基板の一実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1,1a 回路基板(厚膜回路基板)
2,2a セラミックス基板(Al基板,AlN基板,Si基板)
3,3a 導体層(メタライズ配線層)
4 基板要素
5 ビアホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】 窒化けい素基板と、この窒化けい素基板の少なくとも表面部に一体に形成され、WおよびMoの少なくとも1種の高融点金属を主成分とする同時焼成メタライズ層とを備え、上記窒化けい素基板の熱伝導率が60W/m・K以上であり、かつ上記窒化けい素基板の粒界相中における結晶化合物相の粒界相全体に対する面積割合が20%以上であることを特徴とする同時焼成窒化けい素回路基板。
【請求項2】 前記同時焼成メタライズ層と窒化けい素基板との接合界面に、平均膜厚が0.01〜1μmの高融点金属シリサイド層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の同時焼成窒化けい素回路基板。
【請求項3】 前記同時焼成メタライズ層のピール強度が1kN/m以上であることを特徴とする請求項1記載の同時焼成窒化けい素回路基板。
【請求項4】 前記同時焼成メタライズ層の厚さが7μm以上であることを特徴とする請求項1記載の同時焼成窒化けい素回路基板。
【請求項5】 前記同時焼成メタライズ層が窒化けい素基板の表面にのみ存在することを特徴とする請求項1記載の同時焼成窒化けい素回路基板。
【請求項6】 前記窒化けい素基板が複数の基板要素を積層した多層構造を有し、各基板要素に同時焼成メタライズ層が形成されており、積層方向に隣接した同時焼成メタライズ層が層間接続された多層配線路を有することを特徴とする請求項1記載の同時焼成窒化けい素回路基板。
【請求項7】 酸素を1.7重量%以下、不純物陽イオン元素としてのAl,Li,Na,K,Fe,Ba,Mn,Bを合計で0.3重量%以下、α相型窒化けい素を90重量%以上含有し、平均粒径1.0μm以下の窒化けい素粉末に、希土類元素を酸化物に換算して2.0〜17.5重量%,Mgを酸化物に換算して0.3〜3.0重量%添加した原料混合体を成形して成形体を調製し、WおよびMoの少なくとも一方の高融点金属を含有する導体ペーストを上記成形体に塗布して導体パターンを形成し、この導体パターンを形成した成形体を脱脂後、温度1700〜1900℃で焼結し、上記焼結温度から、上記希土類元素およびMgOにより焼結時に形成された液相が凝固する温度までに至る焼結体の冷却速度を毎時100℃以下にして徐冷することを特徴とする同時焼成窒化けい素回路基板の製造方法。
【請求項8】 前記導体ペーストを塗布して導体パターンを形成した複数の成形体を積層した後に脱脂および焼結を行うことを特徴とする請求項7記載の同時焼成窒化けい素回路基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2003−69172(P2003−69172A)
【公開日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−258052(P2001−258052)
【出願日】平成13年8月28日(2001.8.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】