説明

吸音体及び吸音構造体並びに吸音体の製造方法

【課題】 生産性及び品質安定性に優れ、かつ、一定の周波数帯の騒音のみを吸音することのできる吸音体の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】 裏面に形成されたスキン層と、このスキン層に挟まれ多数の空隙を備えた空隙層とを有し、一方のスキン層を貫通し他方のスキン層まで到達しない深さの孔を複数形成した吸音体であって、前記孔を前記空隙層に連通させるとともに、前記孔の底部を入射音を乱反射させる形状とした。前記底部の断面形状は、三角形状、波形状、凹凸状、円弧状及び不定形状のいずれかとするとよく、前記底部と孔軸線とのなす角を、30°〜80°の範囲内とするとよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い剛性を備えた表裏のスキン層と、このスキン層の間に形成された空隙層とを有する吸音体及び吸音構造体並びに吸音体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、騒音や雑音等を遮断するために、遮音材及び吸音材が利用されている。これらのうち、吸音材としては、音波をよく吸収する柔らかい不織布や発泡成形品を用いるのが一般的である。このような吸音材は、剛性がなく、通常、遮音性能を期待することはできない。一方、遮音材としては、密度が高く、高剛性とされ、音波により振動しにくい部材を用いるのが一般的である。このような遮音材は、音波を反射して遮断するので、吸収することはなく、通常、吸音性能を期待することはできない。
【0003】
上記のような従来の吸音材や遮音材は、吸音性能及び遮音性能の両方を確保することができず、吸音性能及び遮音性能の両方を備えた部材を確保するには、吸音材及び遮音材を張り合わせる等の煩雑な工程が必要となり、製造が煩雑となるという問題がある。また、吸音材及び遮音材の張り合わせにより、吸音性能及び遮音性能の両方を確保しようとすると、耐熱性、剛性、軽量性及び形状等、製品特性のいずれかが犠牲になることがあり、互いに張り合わせられる吸音材及び遮音材を構成する材料を最適化する必要があり、その材料の選定が煩雑となるという問題点もある。
【0004】
そこで、樹脂発泡粒子の多数個が一体化した多孔質成形体を用いた吸音体や、連通した空隙を有する樹脂粒子成形体が特許文献1や特許文献2で提案されている。しかし、これら文献に記載の吸音体や樹脂粒子成形体は、スキン層を持たない多孔質成形体であるため、強度に乏しく、構造体用途に適さない上、遮音性も期待できないという欠点がある。
【0005】
また、スキン層と空隙層とを有し、片方のスキン層に孔を開けることにより、吸音性、遮音性を得る技術が本願出願人により特許文献3〜5で提案されているが、成形後に後加工で穿孔作業を行っているため生産性が悪く、穿孔加工時に孔内の穿孔カスを除去しないと安定した吸音性が得られないという欠点がある。
【特許文献1】特開平7−168577号公報
【特許文献2】特開平10−329220号公報
【特許文献3】特開2000−52371号公報
【特許文献4】特開2003−337588号公報
【特許文献5】国際公開WO03/91987号公報
【0006】
さらに、吸音体の用途によっては、ある一定の周波数帯の音のみを選択的に吸音することが求められる場合がある。例えば、車のエンジン音には、不快な騒音と快い音とが混在しているが、従来の吸音体を利用してエンジン音を吸音しようとすると、吸音できる周波数帯を選択できないことから、不快な騒音も快い音も同様に吸音してしまうという問題がある。そのため、不快な騒音を効果的に吸音し、快い音はそのまま維持する吸音体が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来技術の課題を一挙に解決し、生産性及び品質安定性に優れ、かつ、一定の周波数帯の騒音のみを吸音することのできる吸音体及び吸音構造体並びに吸音体の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の発明者が鋭意研究を行った結果、孔の底部形状を変化させることにより、吸音効率を高めることが可能であることに想到した。
具体的に、請求項1に記載の発明は、表裏面に形成されたスキン層と、このスキン層に挟まれ多数の空隙を備えた空隙層とを有し、一方のスキン層を貫通し他方のスキン層まで到達しない深さの孔を複数形成した吸音体であって、記孔を前記空隙層に連通させるとともに、前記孔の底部を、入射音を乱反射させる形状とした構成としてある。
【0009】
前記底部の形状は、入射音を乱反射させることができるものであれば特に限定されず、例えば、請求項2に記載するように、三角形状、波形状、凹凸状、円弧状及び不定形状のいずれかとすることができる。
孔の底部をこのような形状とすることにより、入射音を乱反射させて内部空隙層に取り込み、吸音効率を高めることが可能になる。
【0010】
また、請求項3に記載するように、前記底部と孔軸線とのなす角が、30°〜80°の範囲内となるようにするとよい。
本発明においては、孔の配置位置や孔数、底部形状を種々に組み合わせることで、吸音のターゲットとされる特定の周波数帯を選択することができ、かつ、緻密なスキン層により遮音性も得ることができる。さらに、成形と同時に内部の空隙層と連通した孔を形成できるため、後加工が不要で生産性の高い吸音体を製造することができる。
【0011】
上記構成の吸音体は、単独で、又は適宜に組み合わせて、請求項4に記載するように、その用途が、エアクリーナー、エアーダクト、吸排気用レゾネーターのいずれかの吸音構造体に利用することができる。
【0012】
上記の吸音体は、請求項5以下に記載の方法によって製造することができる。
請求項5に記載の発明は、固定型、移動型及びキャビティ内に出没自在に設けられた少なくとも一つのピンを備えた金型を準備するとともに、前記ピンの先端を所定形状に形成し、前記キャビティに樹脂材料を充填して前記吸音体を成形する過程で前記ピンを前記キャビティ内に突出させ、前記吸音体の成形と同時に、前記空隙層に連通し、かつ、前記ピンの先端形状に応じた底部形状の前記孔を形成する工程を有する方法としてある。
この方法によれば、吸音体の成形と同時に孔を形成することができるので、効率よく吸音体を製造することが可能である。また、カスの除去も不要で安定した吸音性を得ることができるという利点がある。
さらに、ピンの先端形状とほぼ同一形状の底部を有する孔を、吸音体の成形と同時に形成することができる。
【0013】
本発明においては、請求項6に記載するように、前記樹脂材料として膨張性の材料を用い、前記樹脂材料を前記キャビティ内に充填した後に、前記移動型を後退させて溶融状態の前記樹脂材料を膨張させるようにするとよい。
このようにすることで、多数の空隙により優れた吸音性を有する空隙層と、密度が高く、高い剛性を備え優れた遮音性を有するスキン層とを一体に形成することができる。
【0014】
ピン突出のタイミングは、樹脂材料をキャビティに充填する前、樹脂材料を充填すると同時又は樹脂材料を充填した後のいずれであってもよいが、請求項7に記載するように、前記樹脂材料を前記キャビティに充填し、前記移動型を後退させて樹脂を膨張させると同時又は膨張させた後に、前記ピンを前記キャビティ内に突出させるようにするのがよい。
この方法によれば、膨張の影響を受けることなく、ピン形状に応じた底部形状を有する孔を形成することができる。
前記ピンの突出量は、請求項8に記載するように、前記吸音体の最終肉厚に対して30〜90%の範囲内とするとよい。
【0015】
また、請求項9に記載するように、前記樹脂材料が、2〜100mmの長さの補強用繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットが含まれるとともに、前記補強用繊維の含有量が前記樹脂材料全体の2〜60重量%であるようにしてもよい。
このような補強用繊維を用いることで、移動型を後退させることによりいわゆるスプリングバック現象が生じ、キャビティ内の溶融状態の樹脂材料が膨張し、樹脂材料の内部に多数の空隙を発生させることができる。補強用繊維としては、ロックウールやポロン繊維などのセラミック繊維、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、アルミニウム繊維や鋼繊維などの金属繊維、超高分子量ポリエチレン繊維やアラミド織維あるいはポリアリレート繊維などの有機繊維維など、いずれもが採用できる。特に、ガラス繊維を採用することが好ましい。
【0016】
ここで、補強用繊維の長さが2mmより短いと、補強用繊維の強度が十分に得られなくなり、高強度および吸音性の向上が図れなくなる。一方、前記長さが100mmより長いと、繊維含有熱可塑性樹脂ペレットの製造が困難となるとともに、射出充填用ペレットとして取り扱うことが困難となり、生産性の向上が図れなくなる。
また、前記補強用繊維の含有量が前記樹脂材料全体の2重量%より少なくなると、十分な強度が得られず、制振性などの特性が損なわれたり、膨張しにくくなる。一方、60重量%より大きくなると、補強用繊維の量が多くなりすぎて、流動性が悪化し、成形がしにくくなる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、前記ピンの後退を、前記ピンの外周面に接する前記樹脂材料の表面にスキン層が形成される前に行い、前記孔内周面の全面に空隙層を露出させる方法である。
この場合、請求項11に記載するように、前記ピンを加熱する加熱手段を準備し、前記ピンの外周面を前記樹脂材料の溶融温度に近い温度で加熱しつつ前記ピンを後退させるとよい。
この方法によれば、内周面にスキン層が形成されず、空隙層が内周面の全面にわたって露出した孔を吸音体に形成することができる。このような孔を一つ又は複数吸音体の所定位置に形成することで、所定周波数帯の音の吸音性を高めることができる。
【0018】
本発明の製造方法においては、請求項12に記載するように、前記スキン層が形成されたときに前記ピンを前記キャビティ内に突出させ、前記スキン層の一部とともに前記ピンを前記空隙層に押し込むようにしてもよい。
このように、一方のスキン層が形成されるタイミングでピンを突出させることで、スキン層の一部を孔底部に押し込み、この押し込み作用で空隙層を押しつぶすことで、孔周辺の空隙層に大きな空間を形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記のように構成されているので、生産性及び品質安定性に優れ、かつ、所望の底部形状を有し一定の周波数帯の騒音のみを吸音することのできる孔を備えた吸音体を得ることができる。本発明の吸音体は、所定形状の底部を有する孔を備えているので、底部部分で入射音を乱反射させて内部空隙層に取り込み、吸音効率を高めることができる。
【0020】
また、成形と同時に内部空隙層と連通した孔を形成できるため、穿孔のための後加工が不要で生産性に優れる。さらに、孔の形状や底部の形状を適宜に選択又は組み合わせることで、必要とされる特定かつ複数の周波数域を選択的に吸音することが可能である。また、緻密なスキン層により遮音性も兼ね備える吸音体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の吸音体の製造方法に用いられる金型の構成及び作用を説明する概略図である。なお、この金型の基本構成は、上記した特許文献3,4,5等で公知である。
金型1の基本構成は、固定型11と、移動型12と、この移動型12に形成されたキャビティ13と、移動型12を固定型11に向けて進退移動させる駆動機構とからなっている。
【0022】
そして、この実施形態の金型1は、移動型12に設けられ、キャビティ13に出没自在な複数のピン14を有している。このピン14の駆動機構は、油圧シリンダやモータ等を駆動源とするものを用いることができ、成形工程中の任意のタイミングでピンを駆動できるものであればよい。例えば、成形品の強制突き出しに利用されている公知のエジェクタピンの駆動機構と同じものを用いてもよい。なお、前記駆動源は、金型1や金型1に溶融状態の樹脂材料を供給する成形機のいずれに設けてもよい。
【0023】
ピン14の横断面の形状は、円形、楕円形、多角形、円錐形状など、任意のものを選択することができる。また、ピン14の先端の形状(縦断面の形状)は、形成しようとする孔の底部の断面形状に合わせて、三角形状、波形状、凹凸状、円弧状及び不定形状のいずれかとすることができる。このような底部形状を有する孔では、底部部分で入射音を乱反射させて内部空隙層に取り込み、吸音体の吸音効率を高めることができるという特徴がある。
【0024】
図2に示す例では、ピン14の先端は三角錘形状に形成されている。このピン14を、図2(a)に示すように、固化前の樹脂材料Pに突き刺し、樹脂材料Paに孔Paを形成することで、成形された吸音体2の孔21における断面形状は、図2(b)に示すように逆三角形状の断面形状を有する底部21aが形成される。
同様に、図3(a)に示す例では、三角錐状に凹んだ先端形状を有するこのピン14を用いて孔21を形成したもので、孔21の底部21aの断面形状は三角形状になる。
【0025】
また、図3(b)に示す例では、三角波形(鋸歯)状の縦断面形状の先端を有するピン14を用いて孔21を形成したもので、このピン14を用いて形成した孔21の底部の断面形状は三角波形状になる。
図3(c)に示す例では、球状に凹んだ先端形状を有するピン14を用いて孔21を形成したもので、孔21の底部の断面形状は凸形の円弧状になる。
図2及び図3に示した各形状において、底部21aと孔21の軸線Cとのなす各θは、30°〜80°の範囲内とするとよく、特に、30°〜60°の範囲内とするのが好ましい。
この他にも、ピン14の先端を種々の形状とすることにより、あらゆる断面形状の底部21aを孔21に形成することができる。
【0026】
本発明に用いることができる樹脂材料としては、熱可塑性材料を挙げることができる。熱可塑性樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、あるいは、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹脂、ポリ芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂及びアクリレート系樹脂などを用いることができる。
【0027】
また、耐衝撃性を付与するために、エチレン-プロピレンゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合エラストマー(EBR)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体(SEBS)等の熱可塑性エラストマーを併用してもよい。
そして、これら熱可塑性材料は、単独で用いることもできるが、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
このような熱可塑性樹脂のうち、ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフインとのブロック共重合体、ランダム共重合体、あるいは、これらの混合物などのポリプロピレン系樹脂が好ましく、特に、不飽和カルポン酸、または、その誘導体で変性された酸変性ポリオレフイン系樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂が好適である。
【0028】
これら熱可塑性材料には、キャビティ13に射出した後の膨張性を高めるために、窒素ガス等のガスを溶解又は混合させるとよい。また、ガス発生剤等の発泡剤を添加してもよい。特に、超臨界流体を溶解又は混合させるとよい。超臨界流体は、減圧することで超臨界状態から通常の気体状態となり、この間に体積が膨張して空隙を形成するので、通常の化学発泡材を用いることなく空隙層を形成することができる。
【0029】
さらに、これらの熱可塑性材料に補強用繊維を含有させてもよい。補強用繊維としては、ロックウールやポロン繊維などのセラミック繊維、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、アルミニウム繊維や鋼繊維などの金属繊維、超高分子量ポリエチレン繊維やアラミド織維あるいはポリアリレート繊維などの有機繊維など、いずれもが採用できる。特に、ガラス繊維を採用することが好ましい。これら補強用繊維の長さは、2〜100mmの範囲内であるとよく、かつ、樹脂材料全体に占める割合を、2〜60重量%とするとよい。
【0030】
補強用繊維の長さが2mmより短いと、補強用繊維の強度が十分に得られなくなり、高強度および吸音性の向上が図れなくなる。一方、前記長さが100mmより長いと、繊維含有熱可塑性樹脂ペレットの製造が困難となるとともに、射出充填用ペレットとして取り扱うことが困難となり、生産性の向上が図れなくなる。
また、前記補強用繊維の含有量が前記樹脂材料全体の2重量%より少なくなると、十分な強度が得られず、制振性などの特性が損なわれたり、膨張しにくくなる。一方、60重量%より大きくなると、補強用繊維の量が多くなりすぎて、流動性が悪化し、成形がしにくくなる。
なお、他の無機充填剤として、タルクや炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、雲母などを用いることができ、これらを単体あるいは二種類以上併用して利用してもよい。
【0031】
樹脂材料の溶融混練、射出法としては、成形機の加熱筒内に、成形原料を投入し、加熱溶融させた後、繊維等を分散させ、その後射出成形機の先端に送り込み、プランジャー等で射出する方法、加熱筒内に、成形原料を投入し、加熱溶融させた後、プランジャー等で射出成形機のスクリュー部に送り込み、繊維等を分散させた後、射出する方法、深溝で圧縮比の小さいスクリューを用い、且つシリンダー温度等を著しく高く保ち、繊維破断を防止しつつ射出成形機の先端部分に樹脂を送り込み、プランジャー等で射出成形する方法などがある。
【0032】
ここで、射出成形方法としては、一般の射出成形方法、射出圧縮成形方法、射出膨張成形方法、射出プレス成形方法を含むものである。
この実施形態では、樹脂材料を溶融混練し、最終成形品の容積よりも小さくなるように閉じた金型中に溶融樹脂を射出し、射出完了前若しくは完了後に金型を目的とする最終成形品の容積まで開いて膨張させる成形法により成形品(吸音体)を製造する。この場合の最初の金型の閉じ具合、最終の金型の開き具合は、成形原料のガラス繊維の含有量、繊維長さあるいは目的とする成形品の空隙率(成形体の比重)などをもとに適宜設定することができる。また、金型を開くタイミングは金型の温度、成形品表面のスキン層の厚み、成形品の厚みなどを考慮して適宜決定すればよい。
【0033】
[製造方法の実施形態]
本発明の製造方法の一実施形態を、図1(a)〜(d)を参照しながら説明する。
この実施形態では、図1(a)に示すように型締めを行って樹脂材料をキャビティ13に射出した後に、図1(b)に示すように移動型12を後退させて樹脂材料Pを膨張させる。
【0034】
次いで、図1(c)に示すように、キャビティ13内の樹脂材料Pが固化する前にピン14を前進させ、キャビティ13内に突出させる。
この場合、ピン14の突出量は、一方のスキン層を貫通し、他方のスキン層までは達しない深さであればよい。好ましくは最終的な成形体(吸音体)の肉厚の30〜90%となるように、突出量を予め調整しておく。
なお、吸音体2の表裏両面に形成されるスキン層22,23(図2(b)参照)の肉厚は、最良の吸音性及び遮音性を得るために、0.5mm〜2.0mm程度とするとよい。
【0035】
以上の動作終了後に、図1(d)に示すように、所定のタイミングでピン14を後退させる。
このピン後退のタイミングは、ピン14の外周面に接する樹脂材料Pが固化して、樹脂材料Pの孔内周面にスキン層が形成される前である。
また、ピン14の先端部分を樹脂材料Pの溶融温度近傍まで加熱する加熱手段を設けて、ピン14の外周面に接する樹脂材料Pが固化しないようにしてもよい。
図2及び図3に示すように、上記の方法により成形された吸音体2には、一方のスキン層22を貫通して空隙層24まで連通する孔21が形成され、孔21の内周面の全面にわたって空隙層24が露出している。
【0036】
[製造方法の他の実施形態]
本発明の製造方法の他の実施形態として、一方のスキン層22(図2(b)参照)が形成されるタイミングでピン14を突出させるようにしてもよい。
これにより、図4に示すように、スキン層22の一部を孔底部に押し込み、この押し込み作用で空隙層を押しつぶすことで、孔21周辺の空隙層に大きな空間を形成することができる。この場合も、ピン14の先端を例えば三角錘形状に凹んだ形にすることで、孔21の底部の断面形状を三角形状等に形成することができる。ヒータ等の加熱手段でピン14の先端を加熱しつつスキン層22の一部を孔底部に押し込むようにしてもよい。
【0037】
[吸音構造体の実施形態]
上記した実施形態の吸音体は、例えば、タイミングベルトカバー、エアクリーナカバー、エアーダクト、エンジンカバー、吸排気用レゾネーター、インテークマニホールド、エンジンルームと室内の遮蔽板、トランクルーム、自動車天井材、ドアパネル等の吸音構造体として使用することができる。
【0038】
吸音構造体の一実施形態を以下に説明する。
図5および図6において、吸音構造体である吸気装置200は、例えば自動車のエンジンなどの図示しない内燃機関の吸気側に配設される。
そして、吸気装置200は、略筒状の上流嵌合部252を有している。
また、吸気装置200には、上流嵌合部252に一体に連続して空気清浄部としての略筒状のエアクリーナ253が設けられている。このエアクリーナ253は、例えば、内部に通気性を有する図示しないフィルタを収容し、流通する空気は透過させ空気中に混入する塵挨などを捕捉して空気から分離除去するものである。また、吸気装置200には、エアクリーナ253に一体に連続して略筒状のダクト部254が設けられている。さらに、吸気装置200には、ダクト部254に一体に連続して共鳴部としての略筒状のレゾネータ255が設けられている。このレゾネータ255は、共鳴や干渉などにより騒音を吸音する。
【0039】
そして、レゾネータ255には、内面に内側に向けて開口する円形の孔256が複数設けられている。この孔256は、上記した実施形態で説明した手順で形成することができる。
孔256の断面積は、0.785〜314mmである。孔256は、そのピッチが1mm以上であって、好ましくは10mm以上200mm以下となるピッチで複数設けられている。なお、この孔256は、レゾネ一夕255の外周面と内周面とが連続して貫通するものではない。また、孔256の内径は、1〜20mmの範囲内である。
【0040】
ここで、孔256の内径が1mmより小さいと、孔256による騒音の干渉が不十分となり、十分な吸音性が得られなくなるおそれがある.また、孔256の内径が20mmより大きいと、強度が低下して製造工程中や組み付け時あるいは使用時に損傷するおそれがある。
さらに、吸気装置200には、レゾネータ255に一体に連続して略筒状の下流嵌合部257が設けられている。この下流嵌合部257は、内燃機関側に連結される。
【0041】
そして、吸気装置200は、上流嵌合部252側から吸気した空気をエアクリーナ253で空気中の塵埃を分離除去する。この塵埃が分離除去された空気は、ダクト部254を介してレゾネータ255に流入し、吸音されて下流嵌合部257から内燃機関に空気を供給する。
また、吸気装置200は、下モジュール片260とこの下モジュール片260と略対称形状の上モジュール片261とが一体に接合して略筒形状に形成されている。
【0042】
この下モジュール片260は、上方に向けて拡開する状態に開放する略箱状の下空気清浄部253Aを有している。また、下空気清浄部253Aの長手方向の一端緑には、この下空気清浄部253Aに一体に連続し上方に向けて開放する樋状の下上流嵌合部252Aが設けられている.さらに、下空気清浄部253Aの長手方向の他端縁には、下上流嵌合部252Aと略同形状の上方に向けて開放する樋状の下ダクト部254Aが一体に連続して設けられている。
【0043】
また、下モジュール片260には、下ダクト部254Aに一体に連続して下共鳴部255Aが設けられている。この下共鳴部255Aは、下空気清浄部253Aと同様に、上方に向けて拡開する状態に開放する略箱状に形成されている。そして、この下共鳴部255Aには、外面側となる下面に下方に向けて開口する孔256が複数設けられている。
【0044】
さらに、下モジュール片260の下共鳴部255Aの他端線には、下下流嵌合部257Aが一体に連続して設けられている。この下下流嵌合部257Aは、下上流嵌合部252Aと略同形状に、上方に向けて開放する樋状に形成されている。
そして、下モジュール片260には、上端縁に外周方向に向けて突出するフランジ状の下接合片部260Aが、下上流嵌合部252A、下空気清浄部253A、下ダクト部254A、下共鳴部255Aおよび下下流嵌合部257Aの上端両側線に亘って一連に設けられている。
【0045】
一方、上モジュール片261は、下モジュール片260と略同形状に形成され、下上流嵌合部252Aに対応する上上流嵌合部252B、下空気清浄部253Aに対応する上空気清浄部203B、下ダクト部254Aに対応する上ダクト部254B、下共鳴部255Aに対応する上共鳴部255B、および、下下流嵌合部257Aに対応する上下流嵌合部257Bが順次連続して一体に形成されている。さらに、上モジュール片261には、下モジュール片260の下接合片部260Aに対応して略同形状のフランジ状の上接合片部261Aが設けられている。
【0046】
そして、これら下モジュール片260および上モジュール片261は、所定の原料にてそれぞれ射出成形されて形成されている。この所定の原料は、上記で説明した樹脂材料と同様である。
また、下モジュール片260および上モジュール片261は、断面に空隙、すなわち微細な気孔が多数発泡した状態の多孔常に形成されている。すなわち、下モジュール片260および上モジュール片261は、2つのスキン層と、これらスキン層に挟まれかつ多数の空隙を有する空隙層とを備えた断面構造を有するものである。
【0047】
そして、吸気装置200は、下モジュール片260および上モジュール片261を互いに開放する面を対向、すなわち下モジュール片260の上面を上モジュール片261の下面にて覆うように、下モジュール片260の下接合片部260Aおよび上モジュール片261の上接合片部61Aが例えば振動溶着にて接合されて形成される。
この吸気装置200は、下モジュール片260および上モジュール片261の接合により、下モジュール片260の下上流嵌合部252Aと上モジュール片261の上上流嵌合部252Bとにて上流嵌合部252を構成する。また、エアクリーナ253は、下モジュール片260の下空気清浄部253Aと上モジュール片261の上空気清浄部203Bとにて構成される。
【0048】
さらに、ダクト部254は、下モジュール片260の下ダクト部254Aと上モジュール片261の上ダクト部254Bとにて構成される。また、レゾネータ255は、下モジュール片260の下共鳴部255Aと上モジュール片261の上共鳴部205Bとにて構成される。さらに、下流嵌合部257は、下モジュール片260の下下流嵌合部257Aと上モジュール片261の上下流嵌合部257Bとにて構成される。そして、吸気装置200は、上流嵌合部252、エアクリーナ253、ダクト部254、レゾネ一夕255および下流嵌合部257が順次連通して一体に連続した略筒状に形成される。
【0049】
次に、上記の吸気装置200を製造する工程を図面に基づいて説明する。まず、使用する原料は、上記で説明した樹脂材料と同様である。
そして、調製した原料を溶融し、図7に示すように、金型270に射出する。ここで、金型270は、移動型と固定型からなる型枠271、272を有している.これら型枠271、272の対向面には、原料が射出される成形凹部273、274が形成されている。そして、一対の型枠271、72が接合された金型270は、各成形凹部273、274にて分割体である下モジュール片260および上モジュール片261の形状に対応したキャピティである成形空間275を形成する。また、一方の型枠271には、成形空間275にガスを注入するガス注入孔276が設けられている。
【0050】
この金型270に原料を射出する射出成形法の際、各材料を図示しない射出装置に供給して可塑化および混練して、原料が略均一に分散する状態に溶融させる。そして、原料を金型270の成形空間275内に射出する。この射出された原料は、型枠271、272の成形凹部273、274の内面である成形面に接触する最表面部分は、内部よりも速く冷却されて固化し、図示しないスキン層を形成する。
【0051】
さらに、溶融する原料に例えば図示しないガス注入装置にてガス注入孔276から空気や二酸化炭素などのガスを高温高圧で注入する。このガスの注入により、溶融する原料中に超臨界ガスの状態で浸透させて無数の気泡が形成される。そして、原料を所定時間冷却して固化する。この原料の固化により、下モジュール片260および上モジュール片261が射出成形される。このとき、上記の実施形態で説明したように、金型270に設けた図示しないピンにより複数の孔256が形成される。
【0052】
なお、音波の進行方向と前記スキン層の表面とのなす角度の小さい方が60〜90度とされていることが好ましい。ここで、音波の進行方向と前記スキン層の表面とのなす角度が60度未満であると、前記孔に音波が進行せず、十分な吸音性能が発現しない場合がある。
【0053】
そして、それぞれ形成された下モジュール片260および上モジュール片261を、下モジュール片260および上モジュール片261の対向する面同士を向き合わせて、それぞれの下モジュール片260の下接合片部260Aおよび上モジュール片261の上接合片部261Aを振動溶着法により溶著させ、下モジュール片260および上モジュール片261を一体に接合する。
【0054】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1) スキン層と空隙層とを備えることにより、スキン層は遮音性を有し、空隙層は内部に多数の空隙を有するので、吸音性能を有する。従って、複数の材料を張り合わせることなく、一体成形により、吸音性能および遮音性能の両方が確保可能である。
(2) 成形体の任意の箇所には、スキン層から空隙層に連通する孔256が複数形成され、その孔256の形態が上記第一〜第三の実施形態で説明したように形成されているので、選択的に任意の周波数の昔を吸収することができ、不快な音のみを選択的に吸収することができる。
(3)孔256が筒形状の吸気装置200の内部に形成されることになるので、内部において吸音することが要求される吸気装置200を容易に製造することができる。
(4)分割体(下モジュール片260および上モジュール片261)を成形すると同時に孔256を形成することができるので、容易かつ低コストで孔256を形成することができる。
(5)分割体(下モジュール片260および上モジュール片261)を振動溶着法によって接合しているから接合面等のずれを起こさずに接合することができる。従って、吸音性能を確実に発現することができる。
【0055】
[実施例]
次に、本発明の吸音体の具体的な実施例について説明する。この実施例では、上記で説明した手順で吸音体を成形し、測定を行った。
成形の条件は以下のとおりである。
(1)樹脂材料: 長さ8mm、GF量20%のガラス繊維含有ポリプロピレン(出光モストロンL)に、発泡剤を3重量%添加したものを用いた。
(2)金型:図1に示した金型と同じものを用いた。ピンはヒータにより加熱可能とした。
(3)成形体の形状:平面形状を一辺180mmの正方形とし、初期肉厚3mm、最終肉厚を9mm(3倍膨張)とした。このうち、スキン層の肉厚は片側0.6mmとした。
(4)孔形状及び配置位置:図8に示すように、吸音体2の二つの対角線のそれぞれをほぼ四等分する位置に、直径6mmで深さを8mmの円形の孔21を4個形成した。
(5)成形条件:以下の条件で成形を行って吸音体を得た。
成形温度 230℃
金型温度 30℃
充填時間 1秒
移動型後退開始タイミング 充填完了後3秒
移動型後退速度 2mm/秒
冷却時間 60秒
ピン突出しタイミング 移動型後退後1秒
ピン突出し保持時間 5秒
底部形状 実施例1:図3(a)の形状でθ=45°
実施例2:図2(b)の形状でθ=80°
実施例3:図3(c)の形状でθ=35°
比較例:図10に示すような平坦な形状でθ=90°
(6)結果:孔の内周面にはスキン層がなく、孔内周面の全面にわたって空隙層が露出している吸音体が得られた。
この吸音体を、実施例1,2,3と底部の形状のみが異なる比較例と比較した。
吸音率の測定は、JIS A1405の管内法による垂直入射吸音率判定に準拠して行った。
【0056】
吸音率の測定の結果を図9のグラフに示す。
図9のグラフからわかるように、各実施例及び比較例において一定の周波数帯で高い吸音率を有する吸音体を得ることができたが、特に実施例において、比較例のものよりも広い周波数帯で高い吸音効果の吸音体を得ることができた。
本発明においては、上記した各底部形状の孔を単独で又は組み合わせて吸音体に設けること、孔数や配置位置を種々変更することで、吸音のターゲットとする周波数帯の帯域を変化させることが可能である。
【0057】
本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態により何ら限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、ピン14は移動型に設けるものとして説明したが、固定型側に設けるものとしてもよい。
また、上記の説明では、ピン14は樹脂材料Pの膨張後に突出させるものとして説明したが、樹脂材料Pをキャビティ13に射出する前又は射出と同時に突出させるものとしてもよい。また、移動型12の後退のタイミングと同期させながら、膨張と同時にピン14を突出させるようにしてもよい。
さらに、上記の説明では、樹脂材料が膨張性のものであることを前提としているが、本発明は非膨張性の樹脂材料を用いた成形にも適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の製造方法によって得られた吸音体は、エアクリーナー、エアーダクト、吸排気用レゾネーターの他、例えば、シリンダーヘッド、タイミングベルトカバー、エンジンカバー、インテークマニホールド、エンジンルームと室内の遮蔽板、トランクルーム、ボンネット、自動車天井材、ドアパネル等に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の吸音体の製造方法の一実施形態を説明する概略図である。
【図2】孔の底部形状の一例を示す断面図である。
【図3】孔の底部形状の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の製造方法の他の実施形態を説明する断面図である。
【図5】本発明の吸音体を用いた吸音構造体の実施形態にかかり、吸気装置の一部を切り欠いた斜視図である。
【図6】図5の吸気装置の断面図である。
【図7】吸気装置のモジュール片を金型で成形する様子を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例にかかり、吸音体及び穿孔する孔の一例を示す平面図である。
【図9】本発明の実施例にかかり、吸音率の測定結果示すグラフである。
【図10】比較例における孔の底部形状の断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 金型
11 固定型
12 移動型
13 キャビティ
14 ピン
2 吸音体
21 孔
21a 底部
P 樹脂材料
Pa 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏面に形成されたスキン層と、このスキン層に挟まれ多数の空隙を備えた空隙層とを有し、一方のスキン層を貫通し他方のスキン層まで到達しない深さの孔を複数形成した吸音体であって、
前記孔を前記空隙層に連通させるとともに、前記孔の底部を、入射音を乱反射させる形状としたこと、
を特徴とする吸音体。
【請求項2】
前記底部の断面形状が、三角形状、波形状、凹凸状、円弧状及び不定形状のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の吸音体。
【請求項3】
前記底部と孔軸線とのなす角が、30°〜80°の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸音体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の吸音体を含む吸音構造体であって、その用途が、エアクリーナー、エアーダクト、吸排気用レゾネーターのいずれかであることを特徴とする吸音構造体。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の吸音体を製造するための製造方法であって、
固定型、移動型及びキャビティ内に出没自在に設けられた少なくとも一つのピンを備えた金型を準備するとともに、前記ピンの先端を所定形状に形成し、
前記キャビティに樹脂材料を充填して前記吸音体を成形する過程で前記ピンを前記キャビティ内に突出させ、前記吸音体の成形と同時に、前記空隙層に連通し、かつ、前記ピンの先端形状に応じた底部形状の前記孔を形成する工程を有すること、
を特徴とする吸音体の製造方法。
【請求項6】
前記樹脂材料として膨張性の材料を用い、前記樹脂材料を前記キャビティ内に充填した後に、前記移動型を後退させて溶融状態の前記樹脂材料を膨張させることを特徴とする請求項5に記載の吸音体の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂材料を前記キャビティに充填し、前記移動型を後退させて樹脂を膨張させると同時又は膨張させた後に、前記ピンを前記キャビティ内に突出させること、
を特徴とする請求項6に記載の吸音体の製造方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかに記載の吸音体の製造方法において、前記ピンの突出量が、前記吸音体の最終肉厚に対して30〜90%であることを特徴とする吸音体の製造方法。
【請求項9】
長さ2〜100mmの補強用繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットが含まれるとともに、補強用繊維が材料全体の2〜60重量%であり、溶融膨張性を有する繊維含有熱可塑性樹脂材料を用いることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の吸音体の製造方法。
【請求項10】
前記ピンの後退を、前記ピンの外周面に接する前記樹脂材料の表面にスキン層が形成される前に行い、前記孔内周面の全面に空隙層を露出させたことを特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の吸音体の製造方法。
【請求項11】
前記ピンを加熱する加熱手段を準備し、前記ピンの外周面を前記樹脂材料の溶融温度に近い温度で加熱しつつ前記ピンを後退させるようにしたことを特徴とする請求項10に記載の吸音体の製造方法。
【請求項12】
前記スキン層が形成されたときに前記ピンを前記キャビティ内に突出させ、前記スキン層の一部とともに前記ピンを前記空隙層に押し込むこと、
を特徴とする請求項5〜9のいずれかに記載の吸音体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−243678(P2006−243678A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63172(P2005−63172)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(505130112)株式会社プライムポリマー (180)
【出願人】(300084421)ジー・ピー・ダイキョー株式会社 (50)
【Fターム(参考)】