説明

回転電機のコアの電磁誘導加熱方法及び電磁誘導加熱装置

【課題】コアの両端付近のコア板から厚さ方向の中間部付近のコア板まで均一に加熱することができる回転電機のコアの電磁誘導加熱方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数枚のコア板Waが積層されて全体として円筒形状に形成された回転電機のコアWの内周側及び外周側に、それぞれ円筒形状をなす内周側コイル14及び外周側コイル15を配置する。この状態で、各コイル14,15に交流電流を流すことにより、コアWを電磁誘導加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数枚のコア板が積層されて全体として円筒形状に形成された回転電機におけるロータコア等のコアを、電磁誘導加熱により加熱するための電磁誘導加熱方法及び電磁誘導加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、回転電機のロータでは、複数枚のコア板が積層されることにより、全体として円筒形状をなすロータコアが構成されている。そして、このロータコアの両端面間に貫設された複数の収容孔内に永久磁石が収容されるとともに、その永久磁石と収容孔との間の隙間に熱硬化性合成樹脂が射出されることにより、永久磁石がロータコアに対して一体化されている。この場合、射出成形時における合成樹脂の流動性や硬化性を良好にするために、その射出成形に先立って、ロータコアの各収容孔に永久磁石を収容した状態で、ロータコアに対して電磁誘導加熱方法等により加熱処理が施される。
【0003】
そして、従来、この種の回転電機のコアの電磁誘導加熱方法としては、例えば特許文献1に開示されるような方法が提案されている。この従来方法においては、図7に示すように、ロータコアWの軸線方向の両端面に対応して、一対の加熱コイル41,42が配置される。この状態で、両加熱コイル41,42に交流電流が流されることにより、加熱コイル41,42の周辺に磁界が発生し、その磁界によってロータコアWの両端面に渦電流が流れる。このとき、抵抗熱として発生するジュール熱により、ロータコアWの加熱が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−35831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、この従来の電磁誘導加熱方法では、前記のように加熱コイル41,42がロータコアWの両端面に対向配置される。この場合、各コア板Waの表面にコーティングが施されて、隣接するコア板Wa間が絶縁されていることもあって、渦電流がロータコアWの端面側のコア板Wa以外のコア板Waには生じにくい。よって、ロータコアWの両端面付近のコア板Waについては加熱され易いが、ロータコアWの厚さ方向の中間部付近のコア板Waについては加熱され難くて、せいぜい熱伝導によって加熱される程度である。従って、ロータコアWの全体を均一に加熱しようとすれば、きわめて時間がかかるものであった。そして、場合によっては、端面側のコア板Waの外面側のみが高温になって、その端面側のコア板Waが反るように湾曲して、他のコア板Waとずれてしまうこともあった。
【0006】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、コアの両端付近のコア板から厚さ方向の中間部付近のコア板までムラなく均一に加熱することができる回転電機のコアの電磁誘導加熱方法及び電磁誘導装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、この発明は、複数枚のコア板が積層されて全体として円筒形状に形成された回転電機のコアの電磁誘導加熱方法において、それぞれ円筒形状をなす内周側コイル及び外周側コイルを前記コアの内周側及び外周側に配置し、各コイルに交流電流を流すことによりコアを加熱することを特徴としている。
【0008】
従って、この発明の加熱方法においては、内周側コイル及び外周側コイルに交流電流が流されることにより、それらのコイルの周辺に磁界が発生し、その磁界によってコアの各コア板に渦電流が流れる。このため、各コア板の表面に樹脂コーティングが施されていても、積層状態の各コア板に渦電流が有効に流れて、その際に抵抗熱として発生するジュール熱により、コアの両端付近のコア板から厚さ方向の中間部付近のコア板まで均一に加熱される。よって、コアを短時間に効率よく加熱することができて、作業時間の短縮及び消費エネルギの削減を図ることができる。
【0009】
前記の加熱方法において、前記内周側コイル及び外周側コイルの軸線方向両端をコアの両端面より外方に位置させるように配置するとよい。
前記の加熱方法において、前記内周側コイルの巻き線が外周側コイルの巻き線よりも高密度となるようにするとよい。
【0010】
前記の加熱方法において、前記コアの両端面間に貫設された収容孔内に永久磁石を収容するとともに、前記収容孔を塞ぐようにコアの一端面にコアを構成しない金属板を当て、この状態で前記各コイルに交流電流を流すようにするとよい。
【0011】
また、この発明は、複数枚のコア板が積層されて全体として円筒形状に形成された回転電機のコアの電磁誘導加熱装置において、それぞれ円筒状をなすとともに、同軸上に配置され、交流電流が流される内周側コイル及び外周側コイルと、 前記コアを支持し、そのコアを前記内周側コイル及び外周側コイルの間において両コイルと同軸上に位置するコイル間位置と、そのコイル間位置の外側に離脱する離脱位置とに移動させる移動手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
従って、この発明の加熱装置においては、移動手段によりコアを内周側コイルと外周側コイルとの間のコイル間位置と、そのコイル間位置の外側の離脱位置とに移動させながら、コアを高能率で均一に加熱することができる。
【0013】
前記の構成において、前記移動手段は、コアの下面に設けられた板をその下面側から支持した状態で昇降される昇降部材と、コアの上面を押さえた状態で昇降される押さえ部材とを備えることが好ましい。
【0014】
前記の構成において、前記押さえ部材は、セラミックによって構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、この発明によれば、コアの両端付近のコア板から中間部付近のコア板まで均一に加熱することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態の回転電機のロータコアの電磁誘導加熱装置を示す断面図。
【図2】図1の加熱装置によるロータコアの加熱方法を示す断面図。
【図3】同ロータコアの加熱方法を図2に続いて示す断面図。
【図4】図3におけるロータコアの加熱状態を拡大して示す部分断面図。
【図5】(a)は図4のロータコアの平面図、(b)は収容孔内を示す一部拡大断面図。
【図6】ロータコアを示す分解斜視図。
【図7】従来の回転電機のロータコアの電磁誘導加熱方法を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、この発明を具体化した一実施形態を図1〜図6に従って説明する。
はじめに、図5(a)(b)及び図6に従ってロータコアWの構成を説明する。ロータコアWは複数枚のコア板Waが積層されてコア本体WAが構成されている。コア本体WAには、その周方向に沿って複数の収容孔Wbが厚さ方向に貫設されており、その収容孔Wb内には永久磁石Mが収容されている。収容孔Wb内には永久磁石Mを固定するためのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂Rが充填されている。コア本体WAの中心には回転軸(図示しない)を通すための軸孔Wcが貫設されている。
【0018】
次に、この実施形態の電磁誘導加熱装置11の構成を説明する。図1に示すように、フレーム12の上下方向の中央部にはコアとしてのロータコアWを載置するための載置台13が設けられる。図4及び図5に示すように、そして、ロータコアWの各収容孔Wb内に永久磁石Mが収容されるとともに、各収容孔Wbの下面側を塞ぐように、ロータコアWの下端面にコアを構成せず、コア板Waより厚い金属板Pが当てられた状態で、ロータコアWが載置台13上に載置され、この状態の載置台13が図示しない搬送装置によりフレーム12内に搬入されて、所定位置に設置される。
【0019】
前記載置台13の位置の上方においてフレーム12には、それぞれ円筒形状をなす内周側コイル14及び外周側コイル15が上下方向に延びる一軸線を中心にして同心上に配置されている。載置台13の位置の上方においてフレーム12には、押圧装置16が配置されている。この押圧装置16は、フレーム12に昇降可能に支持された昇降板17と、その昇降板17の下部に複数の支持ロッド18を介して支持された押さえ部材としての押さえ板19と、昇降板17を昇降動作させるシリンダ等のアクチュエータ20とから構成されている。押さえ板19はセラミックよりなる円環状の非磁性体により形成され、内周側コイル14と外周側コイル15との間において、載置台13上のロータコアWの上端面に接離可能に対向配置されている。そして、アクチュエータ20により昇降板17が下降されることによって、押さえ板19がロータコアWの上端面に当接され、ロータコアWがコア板Waの積層方向の上方から押圧される。
【0020】
前記載置台13の位置の下方においてフレーム12には、移動手段としての移動装置21が配置されている。この移動装置21は、フレーム12に上下動可能に支持された移動板22と、その移動板22上に立設された昇降部材としての複数の移動ロッド23と、移動板22を上下動させるための作動機構24とから構成されている。図3及び図4に示すように、前記移動ロッド23は、載置台13の孔13aを通って前記金属板Pの下面の凹部Paに係合する。作動機構24は、モータ等のアクチュエータ25と、そのアクチュエータ25によりプーリ26,27及びベルト28を介して回転されるボールネジ29と、そのボールネジ29に螺合するナット30とから構成されている。そして、作動機構24により移動板22及び移動ロッド23が上下動されることにより、ロータコアWが内周側コイル14及び外周側コイル15の間において両コイル14,15と同軸上に位置するコイル間位置S1(図3参照)と、そのコイル間位置S1よりも外側下方に離脱する離脱位置S2(図1及び図2参照)とに移動される。
【0021】
図4に示すように、前記内周側コイル14及び外周側コイル15は、それらの軸線方向の両端部がロータコアWの両端面より軸方向の外方に突出するように形成されている。すなわち、内周側コイル14及び外周側コイル15の軸線方向の長さL1が、ロータコアWの軸線方向の長さL2よりも長くなるように設定されている。例えばロータコアWの軸線方向の長さL2が70mmの場合、金属板Pの板厚L3が9mm、両コイル14,15の軸線方向の長さL1が140mm、ロータコアWの上端面から上方への両コイル14,15の突出長さL4が25mm、金属板Pの下端面から下方への両コイル14,15の突出長さL5が36mmとなるように設定されている。
【0022】
また、前記内周側コイル14の巻き線が外周側コイル15の巻き線よりも高密度となるように設定されている。すなわち、内周側コイル14と外周側コイル15との巻き線の巻き数比は、内周側コイル14が大きくなるように設定されている。例えば内周側コイル14と外周側コイル15との巻き線の巻き数比が、10対6となるように設定されている。
【0023】
次に、前記のように構成された電磁誘導加熱装置11によりロータコアWを加熱する場合の作用について説明する。
この電磁誘導加熱装置11の運転時には、ロータコアWの各収容孔Wb内に永久磁石Mを収容するとともに、下端面に金属板Pを当てた状態で、ロータコアWが載置台13上に載置され、この状態の載置台13が図示しない搬送装置によりフレーム12内に搬入される。このため、図1に示すように、ロータコアWが内周側コイル14及び外周側コイル15の下方の離脱位置S2に配置される。この状態で、押圧装置16のアクチュエータ20が作動されて、図2に示すように、昇降板17が下降されて、押さえ板19がロータコアWの上端面に当接され、ロータコアWがコア板Waの積層方向の上方から押圧される。その後、移動装置21における作動機構24のアクチュエータ25が作動されると、移動板22及び移動ロッド23が上方に移動され、そのロッド23が金属板Pの下面の凹部Paに係合される。そして、ロータコアWが金属板Pとともに押さえ板19と移動ロッド23との間に挟持された状態で離脱位置S2から押し上げられる。このため、図3及び図4に示すように、ロータコアWが内周側コイル14と外周側コイル15との間のコイル間位置S1に配置される。
【0024】
この状態において、内周側コイル14及び外周側コイル15に交流電流が供給される。そして、コイル14,15に発生する磁界によって、図5に矢印で示すように、ロータコアWの各コア板Waの内周側及び外周側に渦電流が流れる。そして、この際に抵抗熱として発生するジュール熱により、ロータコアWが永久磁石M及び金属板Pとともに発熱によって加熱される。この場合、ロータコアWの内周及び外周に対向して内周側コイル14及び外周側コイル15が近接して配置されていることにより、各コア板Waがその内周及び外周から加熱される。このため、結果として、中間部付近のコア板Waとの間で加熱むらが発生するおそれがなく、コア本体WAの全体が均一に加熱される。
【0025】
そして、ロータコアWの加熱が終了すると、前記の場合とは逆順に、移動装置21における作動機構24のアクチュエータ25の作動により、移動板22及び移動ロッド23が下方に移動される。この移動により、ロータコアW及び金属板Pが押さえ板19と移動ロッド23との間に挟持された状態で、図3に示すコイル間位置S1から図2に示す離脱位置S2に移動される。その後、押圧装置16のアクチュエータ20の作動により、昇降板17が上昇されて、図1に示すように、押さえ板19がロータコアWの上端面から離間される。この状態で、図示しない搬送装置により、加熱処理済みのロータコアWが載置台13とともにフレーム12内からから搬出されて、図示しない合成樹脂の射出成形工程に搬送される。
【0026】
引き続き、加熱処理前の後続のロータコアWが載置台13とともにフレーム12内に搬入されて、前記と同様な加熱動作が繰り返し行われる。
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0027】
(1) この実施形態においては、円筒形状をなす内周側コイル14及び外周側コイル15をコアWの内周側及び外周側に同心状に配置した状態で、各コイル14,15に交流電流を流すようにしている。このため、コイル14,15の周辺に発生する磁界によって、コアWの各コア板Waの内周及び外周付近に渦電流が流れる。従って、積層状態の各コア板Waが抵抗熱として発生するジュール熱により、コアWの両端付近のコア板Waから厚さ方向の中間部付近のコア板Waまで均一に加熱される。その結果、コアWを短時間に効率よく加熱することができて、作業時間の短縮及び消費エネルギの削減を図ることができる。
【0028】
(2) この実施形態においては、前記内周側コイル14及び外周側コイル15の軸線方向両端をコアWの両端面より外方に位置させるようにしている。すなわち、内周側コイル14及び外周側コイル15の軸線方向の長さL1が、コアWの軸線方向の長さL2よりも大きくなるようにしている。このため、コアWの両端面付近のコア板Waが加熱不足になるのを防止することができて、積層状態の複数枚のコア板Waを一層均一に加熱することができる。
【0029】
(3) この実施形態においては、前記内周側コイル14の巻き線が外周側コイル15の巻き線よりも高密度となるようにしている。すなわち、内周側コイル14は、コアWの内周面よりも内方に位置しているため、内周側コイル14が外周側コイル15と同密度では、内周側コイル14の全体の巻き線長さが短くなって加熱機能が不足する。これに対し、この実施形態では、内周側コイル14と外周側コイル15との巻き線の巻き数比が、内周側コイル14ほど大きくなるようにしている。このため、コアWの内周側が外周側よりも加熱不足になるのを防止することができて、コアWを半径方向に対しても加熱むらなく均一に加熱することができる。
【0030】
(4) この実施形態においては、前記コアWの両端面間に貫設された収容孔Wb内に永久磁石Mを収容するとともに、収容孔Wbを塞ぐようにコアWの一端面にコア板Waより厚い金属板Pを当て、この状態で各コイル14,15に交流電流を流すようにしている。このため、コアWの収容孔Wbと永久磁石Mとの間の隙間に熱硬化性合成樹脂を射出成形するのに先立って、コアWを永久磁石M及び金属板Pとともに、効果的に加熱することができるとともに、金属板Pが蓄熱作用を果たすことになる。従って、加熱終了時から射出終了時までコアWの冷めやすい下部側を含む全体を高温状態に維持できて、永久磁石を高品質な樹脂で有効に固定できる。
【0031】
(5) この実施形態においては、移動装置21によりコアWが内周側コイル14と外周側コイル15との間のコイル間位置S1と、そのコイル間位置S1の外側の離脱位置S2とに移動されるようになっている。このため、内周側コイル14及び外周側コイル15を移動させる構成と比較して、装置の構成を簡単にできる。
【0032】
(6) この実施形態においては、押圧装置16によりコアWの端面が積層方向に押圧された状態で、移動装置21によるコアWのコイル間位置S1と離脱位置S2との間の移動、及び加熱が行われるようになっている。このため、コアWの移動中に、その移動によってコアWに位置ずれが生じたり、コアWの加熱中にコア板Waが熱膨張によって湾曲したりするおそれを抑制することができる。
【0033】
(7) この実施形態においては、押圧装置16の押さえ板19がセラミックによって構成されているため、コアWが高温になっても変形等の問題が生じないばかりでなく、押さえ板19の内部に渦電流が生じないため、エネルギーロスを避けることができる。
【0034】
(変更例)
なお、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 内周側コイル14及び外周側コイル15の軸線方向の長さL1や、コアWのコイル間位置S1における両コイル14,15との対応位置関係を前記実施形態とは異なる数値に変更すること。
【0035】
・ 内周側コイル14と外周側コイル15との巻き線の巻き数比を前記実施形態とは異なる比,例えば10対5等に変更すること。
・ コアWが固定位置にあって、内周側コイル14及び外周側コイル15が昇降されるように構成すること。
【0036】
・ 押さえ部材としての押さえ板19の材質として、セラミック以外に磁束の影響を受けない非磁性体、例えば耐熱性樹脂やアルミニウム等の金属を用いること。
・ 回転電機のステータコアの加熱に本発明を適用すること。
【符号の説明】
【0037】
11…電磁誘導加熱装置、14…内周側コイル、15…外周側コイル、16…押圧装置、17…昇降板、19…押さえ板、20…アクチュエータ、21…移動手段としての移動装置、22…移動板、23…移動ロッド、24…作動機構、25…アクチュエータ、W…コアとしてのロータコア、Wa…コア板、Wb…収容孔、M…永久磁石、P…金属板、L1…コイルの軸線方向の長さ、L2…コアの軸線方向の長さ、S1…コイル間位置、S2…離脱位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のコア板が積層されて全体として円筒形状に形成された回転電機のコアの電磁誘導加熱方法において、
それぞれ円筒形状をなす内周側コイル及び外周側コイルを前記コアの内周側及び外周側に配置し、各コイルに交流電流を流すことによりコアを加熱することを特徴とした回転電機のコアの電磁誘導加熱方法。
【請求項2】
前記内周側コイル及び外周側コイルの軸線方向両端がコアの両端面より外方に位置することを特徴とした請求項1に記載の回転電機のコアの電磁誘導加熱方法。
【請求項3】
前記内周側コイルの巻き線が外周側コイルの巻き線よりも高密度であることを特徴とした請求項1または2に記載の回転電機のコアの電磁誘導加熱方法。
【請求項4】
前記コアの両端面間に貫設された収容孔内に永久磁石を収容するとともに、前記収容孔を塞ぐようにコアの一端面にコアを構成しない金属板を当て、この状態で前記各コイルに交流電流を流すことを特徴とした請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の回転電機のコアの電磁誘導加熱方法。
【請求項5】
複数枚のコア板が積層されて全体として円筒形状に形成された回転電機のコアの電磁誘導加熱装置において、
それぞれ円筒状をなすとともに、同軸上に配置され、交流電流が流される内周側コイル及び外周側コイルと、
前記コアを支持し、そのコアを前記内周側コイル及び外周側コイルの間において両コイルと同軸上に位置するコイル間位置と、そのコイル間位置の外側に離脱する離脱位置とに相対移動させる移動手段と
を備えたことを特徴とする回転電機のコアの電磁誘導加熱装置。
【請求項6】
前記移動手段は、コアの下面に設けられた板をその下面側から支持した状態で昇降される昇降部材と、コアの上面を押さえた状態で昇降される押さえ部材とを備えたことを特徴とする請求項5に記載の電磁誘導加熱装置。
【請求項7】
前記押さえ部材は、セラミックによって構成されたことを特徴とする請求項6に記載の電磁誘導加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−240254(P2012−240254A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−110698(P2011−110698)
【出願日】平成23年5月17日(2011.5.17)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【出願人】(390029089)高周波熱錬株式会社 (288)
【Fターム(参考)】