説明

圧電振動片、圧電振動子及び圧電発振器

【課題】 第2高調波で発振させることができないように、この第2高調波の発生する周波数帯を基本波に対してより高い周波数帯にシフトさせることで、基本波のみによる正確な発振を得ることができる音叉型の圧電振動片を提供することである。
【解決手段】 基部22と、この基部22から所定の腕幅、腕長及び腕厚を有して平行に延び、表面に励振電極29,30が形成される一対の振動腕部23,24とを備え、基本波の振動を得るための音叉型の圧電振動片21において、前記一対の振動腕部23,24は、それぞれが前記基部22から延びる第1腕部23a,24aと、この第1腕部23a,24aの先方に延び、該第1腕部23a,24aの腕幅よりも広い腕幅を有する第2腕部23b,24bとによって形成され、前記第1腕部23a,24aに対する第2腕部23b,24bの腕幅を約2倍以上、腕長を振動腕部23,24の全長の30%以上に設定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基本波での正確な発振を得るための音叉型の圧電振動片、この圧電振動片を組み込んだ圧電振動子及びこの圧電振動子に発振回路を備えた圧電発振器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の音叉型の圧電振動片は、基部と、この基部から延びる一対の振動腕部とを有し、この振動腕部の表面に励振電極を形成することによって、所定の基本波による発振のための振動を得るようになっている。また、前記振動腕部の表面に溝部を形成し、この溝部の内周面に励振電極を形成することで、電界効率の向上及び等価直列抵抗(R1)の改善を図っている。
【0003】
このような音叉型の圧電振動片、圧電振動子を用いて構成される圧電発振器にあっては、基本波による正確な発振が求められるが、高調波の影響で正確な発振が阻害される場合がある。
【0004】
特許文献1では、高調波の影響も含んだ振動特性を改善することを目的として、振動腕部に形成する溝部の長さに対する励振電極の長さを短くした構造の圧電振動片が示されている。この発明は、溝部と励振電極との寸法関係を規定することで、基本波の等価抵抗値R1を第2高調波の等価抵抗値R2よりも小さくすることを目的としている。また、特許文献2では、発振回路の基本波での負性抵抗を高くして発振余裕度を大きくし、高調波では負性抵抗を低くして発振できないようにするための内容が開示されている。
【0005】
図9は、一般的な音叉型の圧電振動片で構成した圧電発振器における負性抵抗の周波数特性の一例を示したものである。この圧電発振器は、基本波(例えば、32.768kHz)での発振余裕度を十分に取れるようにするため、32kHzでは負性抵抗が500Ω以上となるように設計される。この発振回路は、周波数が高くなるにしたがって負性抵抗は徐々に減少していき、およそ300kHzで発振不能となる。一般的な音叉型の圧電振動片の場合は、基本波32.768kHzに対して、屈曲モードの第2高調波は約200kHzとなるが、この200kHz付近の発振回路の負性抵抗は十分に大きく、通常の音叉型の圧電振動片ではこのような第2高調波で発振してしまうといった不具合を生じることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−280870号公報
【特許文献2】特開2003−273700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記第2高調波における発振現象については、圧電振動片が大きい場合にはR1<R2となるように各部の寸法を設計することは容易であり、その対応も可能である。しかしながら、圧電振動片の小型化に伴って設計の余裕度が少なくなると、R1>R2となる場合があり、従来の設計手法が使えなくなってきた。
【0008】
一方、圧電振動片の振動腕部に溝部を設けることで、電気機械エネルギー効率の改善効果が得られることは知られているが、第2高調波に対してどの程度影響を及ぼすかは明らかにされていない。また、前記振動腕部に形成される励振電極に関しては、短くすると第2高調波の等価抵抗を悪化させると同時に基本波の等価抵抗も悪化させてしまうなどの影響がある。これは、特に小型の圧電振動子を形成する場合に顕著となるため、採用することはできない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、第2高調波で発振させることができないように、この第2高調波の発生する周波数帯を基本波に対してより高い周波数帯にシフトさせることで、基本波のみによる正確な発振を得ることができる音叉型の圧電振動片、圧電振動子及び圧電発振器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の圧電振動片は、基部と、この基部から所定の腕幅、腕長及び腕厚を有して平行に延び、表面に励振電極が形成される一対の振動腕部とを備え、基本波の振動を得るための音叉型の圧電振動片において、前記一対の振動腕部は、それぞれが前記基部から延びる第1腕部と、この第1腕部の先方に延び、該第1腕部の腕幅よりも広い腕幅を有する第2腕部とによって形成され、前記第1腕部に対する第2腕部の腕幅を約2倍以上、腕長を振動腕部の全長の30%以上に設定することによって、第2高調波の振動を阻止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の圧電振動片によれば、一対の振動腕部が基部から延びる第1腕部と、この第1腕部の先に延びる第2腕部とによって構成され、先端側の第2腕部が第1腕部よりも2倍以上の広い腕幅と、振動腕部の全長の30%以上を占める腕長とを有して形成されているため、第2高調波の振動節点が前記第1腕部の基部側に近い位置にシフトされることとなる。これによって、第2高調波の振動が阻止され、本来の純粋な基本波のみによる正確な発振が可能となる。また、前記振動腕部に溝部を形成しているため、等価直列抵抗値の改善効果も得られることとなる。
【0012】
また、本発明の圧電振動子は、前記構造による圧電振動片をケース内に気密封止しているため、第2高調波で発振されることなく、基本波のみによる正確な発振を得ることができる。さらに、前記圧電振動子と、この圧電振動子を32〜33kHzで発振させるための発振回路とを組み合わせることで、前記発振回路の負性抵抗の絶対値が基本波の等価抵抗以上であり、第2高調波近傍における発振周波数の負性抵抗の絶対値が該第2高調波の等価抵抗以下となる圧電発振器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の圧電振動片の斜視図である。
【図2】上記圧電振動片の平面図である。
【図3】上記圧電振動片の断面図である。
【図4】第1腕部と第2腕部の腕幅及び腕長の比率を変化させた場合の基本波と第2高調波との関係を示す測定グラフである。
【図5】上記圧電振動片を組み込んだ圧電振動子の透過平面図である。
【図6】上記圧電振動子を中心として構成される圧電発振器の回路図である。
【図7】第2実施形態の圧電振動片の平面図である。
【図8】第3実施形態の圧電振動片の平面図である。
【図9】従来の圧電振動片を用いた発振回路における負性抵抗の周波数特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の圧電振動片の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本実施形態の圧電振動片は、電気軸をX軸、機械軸をY軸、光軸をZ軸とした水晶原石の直交座標系においてカットされた水晶板を音叉型に加工して形成されている。なお、この圧電振動片は、XYZからなる三次元の直交座標系のX−Y平面(Z板)をX軸回転で−7〜+7度回転させたXY´Z´の座標系の水晶板が用いられ、振動周波数の範囲が32〜33kHzに設定される。本実施形態の圧電振動片では、時計用の基準信号として現在広く用いられている32.768kHzを基本波としている。
【0015】
図1及び図2は、本実施形態における圧電振動片21の全体の基本形状を示したものであり、図3は、前記圧電振動片21のA−A断面を示したものである。この圧電振動片21は、図示しないケース内に固定される矩形状の基部22と、この基部22から平行に延びる一対の振動腕部23,24とを備えている。
【0016】
前記振動腕部23,24は、基部22の一端からY軸方向に延び、X軸方向に平行する一対の細長い四角柱体であり、前記基部22から延びる第1腕部23a,24aと、この第1腕部23a,24aの先にX軸方向の腕幅W2を広くした第2腕部23b,24bとによって一体に形成されている。前記第2腕部23b,24bの腕幅W2は、第1腕部23a,24aの腕幅W1に対して2倍以上となるように、第1腕部23a,24aの左右側面から張り出して形成される。本実施形態では、図2に示したように、振動腕部23,24の腕長方向に対する振動の中立線であるセンターライン(YZ面)を中心として左右対称となるように張り出し量を設定した。ただし、前記張り出し量は、左右それぞれの振動腕部のセンターライン(YZ面)に対して鏡像であれば均等である必要はない。また、前記第2腕部23b,24bの腕長L2と第1腕部23a,24aの腕長L1は、後述する腕幅W2,W1の比率に応じて設定される。なお、第2腕部23b,24bと第1腕部23a,24aの厚みについては略均一に設定される。本実施形態では、第2腕部23b,24b全体が第1腕部23a,24aより広い一定の腕幅にして形成されているが、必ずしも一定の腕幅でなくとも、左右対称形であり、全体として第1腕部23a,24aより広く形成されていればよい。例えば、先端部に向かって最大腕幅となるようにテーパ状に形成したり、中間部が最大腕幅となるように楕円状あるいはひし形状に形成したりすることによっても特有の効果を得ることができる。なお、前記第1腕部23a,24aの基端部にあっては、振動による負荷が大きくかかる部分であるため、補強用として、前記基部22と繋がる部分が若干広くなるように裾部23c,24cが形成されている。ただし、この裾部23c,24cによって基本波や第2高調波に影響を及ぼすことはない。
【0017】
前記振動腕部23,24の表面には、前記基部22から延びる極性の異なる励振電極29,30が形成されている。前記振動腕部23の表面及び裏面には励振電極29が形成され、振動腕部24の表面及び裏面には励振電極30が形成される。また、前記振動腕部23の両側面には励振電極30が、振動腕部24の両側面には励振電極29が形成される。
【0018】
また、前記第1腕部23a,24aには、表面側(+Z面)及び裏面側(−Z面)にそれぞれのY軸方向に沿って溝部25,26が設けられる。この溝部25,26は振動腕部23,24の+Z面を長手(Y軸)方向と−Z面を長手(Y軸)方向に沿って設けられる。前記溝部25,26は、略同一の溝幅W3、溝長L3及び溝厚によって形成されている。
【0019】
次に、上記構造の圧電振動片21において、第1腕部23a,24aと第2腕部23b,24bのそれぞれの腕幅及び腕長に対する基本波(F1)及び第2高調波(F2)との関係を実証するための実験結果について説明する。この実験は、有限要素法のANSYSに基づくもので、用いた圧電振動片のサンプルは、図2に示したように、基部22の幅が0.32mm、長さが0.30mmであり、振動腕部23,24の腕長L0は1.00mmに設定した。また、溝部25,26は、それぞれの振動腕部23,24の腕長L0を長手方向に沿って2分する中心線に沿って形成され、その溝幅W3はおよそW1−10μmで、溝の深さは、表面及び裏面から形成した場合に貫通しないように、振動腕部23,24の厚みの1/2未満に設定される。また、励振電極29,30は、前記溝部25,26を設けた領域全体をカバーすると共に、溝部25,26の凹み面に沿うように形成される。
【0020】
本実験では、第1腕部23a,24aの腕幅W1に対する第2腕部23b,24bの腕幅W2を1.0〜3.2までの範囲の比率で変化させると共に、振動腕部23,24全体の腕長L0に対する第2腕部23b,24bの腕長L2を0.2〜0.8の範囲の比率で変化させて行った。このとき、L1=L3の条件で計算しているが、L1とL3の関係は本発明には関係ない。図4は、前記各部の比率に対して、第2高調波(F2)が基本波(F1)からどの程度シフトするかを表したものである。この実験結果によれば、第1腕部23a,24aと第2腕部23b,24bのそれぞれの腕幅が等しい(W2/W1=1.0)場合にあっては、F2/F1が5.9〜6.0であるのに対して、W2/W1=3.2にあっては、F2/F1が8.2〜12.0となっている。また、振動腕部23,24全体に対する第2腕部の腕長の比率(L2/L0)が高くなるにしたがって、F2/F1の比率も大きく上昇することが確認された。特に、W2/W1=2.0以上、且つ、L2/L0=0.3以上に設定することで、F2/F1を8.5以上とすることができ、第2高調波が基本波からより離れた高い周波数帯にシフトされる結果となった。
【0021】
このような第2高調波(F2)のシフトは、第2腕部23b,24bの腕幅W2を第1腕部23a,24aの腕幅W1よりも広く設定することによって、先端部分でのマス効果が大きくなることと、第2高調波の歪みの発生している付近の近傍で振動部幅が太くなることで、振動節点が基部22側に近いところに移動するためであると思われる。これによって、第2高調波を前記基本波に影響を及ぼさないようなより高い周波数帯にシフトすることができ、純粋な基本波のみによるノイズのない安定した振動モードを得ることができる。従来の振動腕部の腕幅が全体に亘って均一の圧電振動片では、第2高調波が基本波の約6倍の周波数帯で発生するため、基本波へ影響を及ぼしていたが、本発明の圧電振動片21によれば、前記第2高調波の発生を基本波の約8.5倍以上、望ましくは9倍以上の高い周波数帯にシフトすることができるので、基本波への影響がほとんどゼロに近いものとなる。
【0022】
また、振動腕部23,24に設けた溝部25,26によって、電界効率を高めることができるので、第2高調波の影響をなくすとともに、等価直列抵抗値R1を低減させるといった効果も同時に得ることができる。
【0023】
図5は、上記振動腕部23,24からなる圧電振動片21を凹陥状の収容部を有するケース52内に蓋体(図示せず)によって気密封止した圧電振動子50を示したものである。前記圧電振動片21は、基部22及び一対の振動腕部23,24と、前記基部22から延びる一対の支持腕部53を有して構成されている。前記支持腕部53は、先端部分がケース52内に設けられている一対の電極端子54に導電性接着剤55を介して導通支持される。このように、前記支持腕部53を長く延ばすことによって、前記ケース52が受ける衝撃が直接振動腕部23,24に伝わらないようにするとともに、この振動腕部23,24で生じた音叉振動の漏れを防止することができる。特に、前記振動腕部23,24の腕幅を細くすることによって、小型化を図る構造の圧電振動片51の場合に大きな効果が得られる。
【0024】
図6は、圧電発振器60の構成例を示したものである。この圧電発振器60は、前記圧電振動子50と、この圧電振動子50を基本波で発振させるための発振回路61とを備えている。発振回路61は、増幅素子(インバータ)IC1と、圧電振動子50の励振レベル調整・ゲイン−周波数特性の調整・バイアス調整などのための抵抗素子R1及びR2、発振周波数を調整するコンデンサ素子C1、C2とからなる各種の回路素子によって構成されている。この発振回路51の各回路素子を調整することによって、発振周波数や負性抵抗等の調整が行われる。前記発振回路61の負性抵抗は、その絶対値が基本波の等価抵抗以上で、第2高調波近傍における発振周波数の負性抵抗の絶対値が該第2高調波の等価抵抗以下となるように調整することで、正確な基本波で発振させることができる。なお、各回路素子の数値は、32〜33kHzの発振周波数、特に、時計用の発振周波数(32.768kHz)による基本波を得るための一般的なものである。このような構成による圧電発振器60は、第2高調波が高い周波数帯にシフトされているので前記発振回路で発振せず、正確な基本波による発振周波数となって出力される。
【0025】
次に、上記以外で第2高調波の影響をなくすことが可能な圧電振動片の形態例を示す。図7に示す圧電振動片31の振動腕部33,34は、基部32から延びる腕幅の細い第1腕部33a,34aから腕幅の太い第2腕部33b,34bに至る間に次第に腕幅が広がるようなテーパ状の連結部37を設けて形成したものである。また、図8に示す圧電振動片41は、振動腕部43,44を構成する第2腕部43b,44bが第1腕部43a,44aの先端部から階段状に延びる連結部47によって、ある一定のステップ幅で腕幅を段階的に広げていくように形成されている。
【0026】
前記圧電振動片31,41は、共に第2腕部の先端部分の腕幅が最大となっており、この部分の腕幅が第1腕部の腕幅に対して大きくなるほど第2高調波のシフト幅も大きくなる。また、振動腕部に溝部を設けることや支持腕部53を振動腕部に沿って長く延ばすことによって、等価直列抵抗R1を低減させる効果も同様に備わることとなる。
【0027】
また、上記圧電振動片31,41に形成される溝部についても、連結部から第2腕部の腕幅に合わせて溝幅を広くすることによって、第2高調波をより高い周波数帯にシフトさせると同時にR1をさらに低減させることが可能となる。なお、前記溝部は、振動腕部の先端部まで長く延ばすことによって、さらなるR1の低減効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0028】
21 圧電振動片
22 基部
23,24 振動腕部
23a,24a 第1腕部
23b,24b 第2腕部
23c,24c 裾部
25,26 溝部
29,30 励振電極
31 圧電振動片
32 基部
33,34 振動腕部
33a,34a 第1腕部
33b,34b 第2腕部
35,36 溝部
37,47 連結部
41 圧電振動片
42 基部
43,44 振動腕部
43a,44a 第1腕部
43b,44b 第2腕部
45,46 溝部
50 圧電振動子
52 ケース
53 支持腕部
54 電極端子
55 導電性接着剤
60 圧電発振器
61 発振回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、この基部から所定の腕幅、腕長及び腕厚を有して平行に延び、表面に励振電極が形成される一対の振動腕部とを備え、基本波の振動を得るための音叉型の圧電振動片において、
前記一対の振動腕部は、それぞれが前記基部から延びる第1腕部と、この第1腕部の先方に延び、該第1腕部の腕幅よりも広い腕幅を有する第2腕部とによって形成され、
前記第1腕部に対する第2腕部の腕幅を約2倍以上、腕長を振動腕部の全長の30%以上に設定することによって、第2高調波の振動を阻止することを特徴とする圧電振動片。
【請求項2】
基部と、この基部から所定の腕幅、腕長及び腕厚を有して平行に延び、表面に励振電極が形成される一対の振動腕部とを備え、基本波の振動を得るための音叉型の圧電振動片において、
前記一対の振動腕部は、それぞれが前記基部から延びる第1腕部と、この第1腕部の先方に延び、該第1腕部の腕幅よりも広い腕幅を有する第2腕部とを備え、第2高調波の振動節点を第1腕部の基部側にシフトさせることによって、前記第2高調波によって発生する周波数帯を基本波より高い周波数帯にシフトさせることを特徴とする圧電振動片。
【請求項3】
前記第2腕部は、前記一対の振動腕部の長手方向に沿って二分する中立線に対して左右対称に形成される請求項1又は2記載の圧電振動片。
【請求項4】
前記第2腕部は、先端部が最大腕幅となるように形成される請求項1又は2記載の圧電振動片。
【請求項5】
前記振動腕部は、前記第1腕部から第2腕部に向けてテーパ状あるいは階段状に腕幅が次第に広がる連結部を有して形成される請求項1又は2記載の圧電振動片。
【請求項6】
前記振動腕部には、前記第1腕部の基部側から第2腕部の先端部に向けて連続して延びる溝部が形成される請求項1又は2記載の圧電振動片。
【請求項7】
前記溝部は、前記第2腕部の腕幅が広くなるにしたがって溝幅が広がるように形成される請求項6記載の圧電振動片。
【請求項8】
前記第2高調波は、前記基本波の約8倍以上の高い周波数帯にシフトされる請求項1又は2記載の圧電振動片。
【請求項9】
前記第2高調波は、32〜33kHzの基本波に対して300kHz以上の周波数帯にシフトされる請求項1又は2記載の圧電振動片。
【請求項10】
凹陥状の収容部を有するケースと、
前記収容部内に設けられる一対の電極端子と、
該電極端子に電気的に支持される音叉型の圧電振動片と、
前記ケースの上面を封止する蓋体とを備え、基本波の振動を得るための圧電振動子であって、
前記圧電振動片は、基部と、
この基部から所定の腕幅、腕長及び腕厚を有して平行に延び、表面に励振電極が形成される一対の振動腕部と、
前記基部から前記一対の振動腕部に沿って延び、先端部が前記電極端子に支持される一対の支持腕部とを備え、
前記一対の振動腕部は、それぞれが前記基部から延びる第1腕部と、この第1腕部の先方に延び、該第1腕部の腕幅よりも広い腕幅を有する第2腕部とによって形成され、
前記第1腕部に対する第2腕部の腕幅を約2倍以上、腕長を振動腕部の全長の30%以上に設定することによって、第2高調波の振動を阻止することを特徴とする圧電振動子。
【請求項11】
請求項10記載の圧電振動子と、この圧電振動子を32〜33kHzで発振させるための発振回路とを備えて構成され、前記発振回路の負性抵抗の絶対値が基本波の等価抵抗以上であり、第2高調波近傍における発振周波数の負性抵抗の絶対値が該第2高調波の等価抵抗以下であることを特徴とする圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−19159(P2011−19159A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−163672(P2009−163672)
【出願日】平成21年7月10日(2009.7.10)
【出願人】(000237444)リバーエレテック株式会社 (24)
【Fターム(参考)】