圧電発振器及び圧電発振器の製造方法
【課題】 ウエハ状態で隣り合った圧電発振器からの影響を与えず実装端子を介して圧電発振器の発振状態を正確に測定できる圧電発振器を提供することを目的とする。
【解決手段】 圧電発振器(100)は圧電振動片(10)と、回路端子(131a〜131d)を有する電子回路素子(13)と、複数の実装端子(125a〜125d)が形成された実装面と実装面と接合面と第1キャスタレーション(122a、122c、122e、122g)及び第2キャスタレーション(122b、122d、122f、122h)とを有するベース部と、を備える。第1キャスタレーションには回路端子と実装端子とを導電させる第1側面電極(123a、123c、123e、123g)が形成され、第2キャスタレーションには回路端子及び実装端子と絶縁されている第2側面電極(123b、123d、123f、123h)が形成される。
【解決手段】 圧電発振器(100)は圧電振動片(10)と、回路端子(131a〜131d)を有する電子回路素子(13)と、複数の実装端子(125a〜125d)が形成された実装面と実装面と接合面と第1キャスタレーション(122a、122c、122e、122g)及び第2キャスタレーション(122b、122d、122f、122h)とを有するベース部と、を備える。第1キャスタレーションには回路端子と実装端子とを導電させる第1側面電極(123a、123c、123e、123g)が形成され、第2キャスタレーションには回路端子及び実装端子と絶縁されている第2側面電極(123b、123d、123f、123h)が形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片と電子回路素子とを備える圧電発振器及び圧電発振器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエハ状態で同時に複数の圧電振動片及び電子回路素子を備える圧電発振器を製造できる方法が知られている。例えば、特許文献1では3枚のウエハ基板を接合し、ウエハ基板における各圧電発振器の個々の四隅部の結合箇所に円形の貫通孔を形成することにより、キャスタレーションが加工される。そして、キャスタレーションの側面に電極を形成することで、実装端子と電子回路素子の接続端子と圧電振動片の励振電極とが導電される。最後にウエハ基板を切断することで、複数の圧電発振器単体が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−165102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、特許文献1に開示された圧電発振器の製造では、ウエハ基板を接合する際、又は電子回路素子を配置する際等に発生する応力によって圧電振動片の周波数等の振動特性が変化する場合がある。そのため、ウエハ基板を接合した後にウエハ状態で圧電発振器の発振状態を確認する必要がある。
【0005】
しかし、特許文献1の圧電発振器では貫通孔の側面に形成された電極により、互いに隣り合った圧電発振器の実装端子同士、及び隣り合った圧電振動片の励振電極同士が導電されてしまう。そのため、隣り合った圧電発振器の影響により実装端子を介して圧電発振器の発振状態を正確に測定することができない。
【0006】
そこで、本発明はウエハ状態で隣り合った圧電発振器からの影響を与えず実装端子を介して圧電発振器の発振状態を正確に測定できる圧電発振器及び圧電発振器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点の圧電発振器は電圧の印加により振動する圧電振動片と、圧電振動片を振動させ複数の回路端子を有する電子回路素子と、複数の実装端子が形成された実装面と実装面と反対側の接合面と実装面と接合面とを結ぶ外周に外周から凹んだ複数の第1キャスタレーション及び第2キャスタレーションとを有するベース部と、を備える。第1キャスタレーションには電子回路素子の回路端子とベース部の実装端子とをそれぞれ導電させる第1側面電極が形成され、第2キャスタレーションには電子回路素子の回路端子及びベース部の実装端子と絶縁されている第2側面電極が形成される。
【0008】
第2観点の圧電発振器において、回路端子、実装端子、第1側面電極及び第2側面電極の数量は同一である。
【0009】
第3観点の圧電発振器において、実装端子と第2キャスタレーションとは、実装面で所定距離離れて形成される。
【0010】
第4観点の圧電発振器において、圧電振動片は両主面に一対の励振電極が形成され、電子回路素子は一対の圧電端子を有し、ベース部は外周に外周から凹んだ一対の第3キャスタレーション及び一対の第4キャスタレーションを有し、第3キャスタレーションには一対の圧電端子と一対の励振電極とをそれぞれ導電させる第3側面電極が形成され、第4キャスタレーションには圧電端子及び励振電極と絶縁されている第4側面電極が形成される。
【0011】
第5観点の圧電発振器において、実装端子と第4キャスタレーションとは、実装面で所定距離離れて形成される。
【0012】
第6観点の圧電発振器は、第1面がベース部に接合され第1面の反対側の第2面に一対の測定電極が形成され、外周に外周から凹んだ一対の第5キャスタレーション及び一対の第6キャスタレーションが形成され、第5キャスタレーションには励振電極と測定電極を導電させる第5側面電極が形成され、第6キャスタレーションには励振電極及び測定電極と絶縁される第6側面電極が形成されるリッド部を備える。
【0013】
第7観点の圧電発振器において、圧電振動片は電圧が印加されて振動する振動部と振動部を囲み一主面がベース部に接合され他主面がリッド部に接合される枠体とを有る。
【0014】
第8観点の圧電発振器の製造方法は、両主面に一対の励振電極が形成された圧電振動片と圧電振動片を発振させ複数の回路端子を有する電子回路素子とを備える圧電発振器の製造方法である。また圧電発振器の製造方法は、第1面を有する複数のリッド部を含むリッドウエハを用意する工程と、実装面及び実装面の反対側の接合面を有し複数の実装端子が実装面に形成されている複数のベース部を含むベースウエハを用意する工程と、リッドウエハ及びベースウエハのいずれか一方に圧電振動片又は電子回路素子を搭載し電子回路素子の回路端子とベースウエハの実装端子とが導電されるようにリッドウエハの第1面とベースウエハの接合面とを接合する接合工程と、接合工程後実装端子を介して圧電発振器の発振状態を測定する発振状態測定工程と、発振状態測定工程後リッドウエハとベースウエハとを圧電発振器を単位として切断する切断工程と、を備える。
【0015】
第9観点の圧電発振器の製造方法において、リッドウエハを用意する工程では第1面の反対側の第2面を有し第2面には一対の測定電極が形成される複数のリッド部を含むリッドウエハを用意し、接合工程では圧電振動片の励振電極とリッドウエハの測定電極とが導電されるようにリッドウエハの第1面とベースウエハの接合面とを接合し、接合工程後及び切断工程前に測定電極を介して圧電振動片の周波数を測定する周波数測定工程を備える。
【0016】
第10観点の圧電発振器の製造方法は、ベースウエハに接合面から実装面まで貫通した第1貫通孔及び第2貫通孔を形成する工程と、第1貫通孔に第1側面電極を形成し第2貫通孔に第2側面電極を形成する工程と、を備える。実装端子と回路端子とは、第1側面電極を介して導電され、第2側面電極と絶縁されている。
【0017】
第11観点の圧電発振器の製造方法は、リッドウエハに第1面から第2面まで貫通した第5貫通孔及び第6貫通孔を形成する工程と、第5貫通孔に第5側面電極を形成し第6貫通孔に第6側面電極を形成する工程と、を備える。励振電極と測定電極とは、第5側面電極を介して導電され、第6側面電極と絶縁されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ウエハ状態で隣り合った圧電発振器からの影響を与えず実装端子を介して圧電発振器の発振状態を正確に測定できる圧電発振器及び圧電発振器の製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の第1圧電発振器100の分解斜視図である。
【図2】(a)は、リッド部11側から見たベース部12の平面図である。 (b)は、リッド部11側から見たベース部12の透明図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】第1実施形態の第1圧電発振器100の製造を示したフローチャートである。
【図5】水晶ウエハ10Wの平面図である。
【図6】リッドウエハ11Wの平面図である。
【図7】ベースウエハ12Wの平面図である。
【図8】ベースウエハ12Wの透明図である。
【図9】(a)は、図8のB−B断面図で、実装端子及び側面電極を形成するときのマスクMKの配置状態を説明するための図である。 (b)は、(a)の点線Cで囲まれた部分の拡大図である。
【図10】第2実施形態の第2圧電発振器200の分解斜視図である。
【図11】第1ベース部21の平面図である。
【図12】(a)は、第1ベース部側21から見た水晶振動片20の平面図である。 (b)は、第1ベース部側21から見た水晶振動片20の透明図である。
【図13】水晶振動片20側から見た第2ベース部22の透明図である。
【図14】第2実施形態の第2圧電発振器200の製造を示したフローチャートである。
【図15】水晶ウエハ20Wの平面図である。
【図16】第1ベースエハ21Wの平面図である。
【図17】第2ベースエハ22Wの透明図である。
【図18】変形例1の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。
【図19】変形例2の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。
【図20】変形例3の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書では、圧電振動片としてATカットの水晶振動片が使われている。つまり、ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、ATカットの水晶振動片のX軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、本実施形態では圧電発振器の長手方向をX軸方向、圧電発振器の高さ方向をY’軸方向、X軸方向及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
【0021】
(第1実施形態)
<第1圧電発振器100の全体構成>
第1圧電発振器100は、表面実装型でありプリント基板等に実装されて使用される。第1圧電発振器100の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は第1圧電発振器100の分解斜視図で、図2(a)はリッド部11側から見たベース部12の平面図で、図2(b)はリッド部11側から見たベース部12の透明図である。
【0022】
図1に示されたように、第1圧電発振器100はリッド凹部111を有するリッド部11と、ベース凹部121を有するベース部12と、ベース部12に載置される平板状の水晶振動片10と、ベース凹部121内に載置される電子回路素子13とを備える。
【0023】
水晶振動片10は、ATカットされた水晶片101により構成され、その水晶片101の中央付近の両主面に一対の励振電極102a、102bが対向して配置されている。また、励振電極102aには水晶片101の底面(−Y’側)の−X側まで伸びた引出電極103aが接続され、励振電極102bには水晶片101の底面(−Y’側)の+X側まで伸びた引出電極103bが接続されている。なお、水晶振動片10はメサ型又は逆メサ型であってもよい。
【0024】
ここで、励振電極102a、102b及び引出電極103a、103bは例えば下地としてのクロム(Cr)層が用いられ、クロム層の上面に金(Au)層が用いられる。また、クロム層の厚さは例えば0.05μm〜0.1μmで、金層の厚さは例えば0.2μm〜2μmである。
【0025】
電子回路素子13は底面(−Y’側)に6つの接続端子を有し、6つの接続端子はX軸方向に沿って2行、Z’軸方向に3行配置されている。この中で、外側の4つの接続端子は後述するベース部12の実装端子125a〜125dにそれぞれ導電される回路端子131a〜131dである。また、真ん中の一対の接続端子は水晶振動片10の引出電極103a、103bにそれぞれ導電される圧電端子132a、132bである。これにより第1圧電発振器100の発振回路が形成される。
【0026】
ベース部12については、図2を参照しながら詳しく説明する。図2(a)に示されたように、ベース部12はガラス又は圧電材料より構成され、表面(+Y’側の面)にベース凹部121の周囲に形成された第2端面M2を有している。矩形のベース部12におけるX軸方向に伸びた一対の辺には貫通孔BH(図7及び図8を参照)を形成した際の8つのキャスタレーション122a〜122hがそれぞれ形成されている。具体的には、Z’軸方向で対応するように、一辺に4つずつ形成されている。
【0027】
なお、ベース部12のXZ’平面でのサイズが2000μm×1600μmである際、キャスタレーションのX軸方向の長さL1を200μm程度に、Z’軸方向の深さH1を140μm程度に、X軸方向でのキャスタレーション同士の距離W1を少なくとも240μmにすることが好ましい。
【0028】
ベース部12のベース凹部121内には、電子回路素子13の回路端子131a〜131dに対応する4つの回路端子載置部127a〜127dが形成されている。また、電子回路素子13の圧電端子132a、132bに対応する一対の圧電端子載置部128a、128bがさらに形成されている。ここで、回路端子載置部127a〜127d及び圧電端子載置部128a、128bは水晶振動片10の電極と同じ構成である。
【0029】
8つのキャスタレーション122a〜122hには側面電極123a〜123hがそれぞれ形成されている。また、8つの側面電極123a〜123h中、側面電極123aは第2端面M2からベース凹部121まで伸びた連結電極124aを介して回路端子載置部127aに導電されている。同様に、側面電極123cは連結電極124cを介して回路端子載置部127bに導電され、側面電極123eは連結電極124eを介して回路端子載置部127cに導電され、側面電極123gは連結電極124gを介して回路端子載置部127dに導電されている。
【0030】
また、連結電極124aが接続された側面電極123aとZ’軸方向で対応する側面電極123dには連結電極が形成されていない。同様に、側面電極123cに対応する側面電極123bと、側面電極123eに対応する側面電極123hと、側面電極123gに対応する側面電極123fとには連結電極が形成されていない。すなわち、側面電極123b、123d、123f及び123hは回路端子載置部127a〜127dと絶縁されている。
【0031】
さらに、ベース部12には一対の圧電端子載置部128a、128bからX軸方向の両側の第2端面M2まで伸びた接続電極126a、126bがそれぞれ形成されている。
【0032】
図2(b)に示されたように、ベース部12の実装面M3には4つの実装端子125a〜125dが形成されている。なお、実装端子125aは側面電極123aと導電され側面電極123bと絶縁されるように形成されている。実装端子125bは側面電極123cと導電され側面電極123dと絶縁されるように形成されている。実装端子125cは側面電極123eと導電され側面電極123fと絶縁されるように形成されている。実装端子125dは側面電極123gと導電され側面電極123hと絶縁されるように形成されている。これにより、実装端子125a〜125dと回路端子載置部127a〜127dとがそれぞれ導電される。ここで、実装端子と側面電極との絶縁は、実装端子と側面電極との間に所定の幅の隙間SPを形成することにより実現することができる。
【0033】
また、実装端子125a〜125dはベース部12の縁部とそれぞれ所定幅の隙間SPを形成するように離れて形成されている。
【0034】
図1に戻り、第1圧電発振器100はベース部12に接合されて水晶振動片10及び電子回路素子13を封止するリッド部11をさらに有している。リッド部11は、ガラス又は圧電材料より構成され、表面(−Y’側の面)にリッド凹部111の周囲に形成された第1端面M1を有している。矩形のリッド部11におけるZ’軸方向に伸びた一対の辺には貫通孔RH(図6を参照)を形成した際の4つのキャスタレーション112a〜112dがそれぞれ形成されている。具体的には、X軸方向で対応するように、一辺に2つずつ形成されている。
【0035】
また、リッド部11は第1端面M1の反対側の上面M4の−X側からキャスタレーション112aを介して第1端面M1に接続パッド113Mを形成するように配置された測定電極113aを有している。また、上面M4の+X側からキャスタレーション112cを介して第1端面M1に接続パッド113M(図3を参照)を形成するように配置された測定電極113bをさらに有している。ここで、測定電極113aはキャスタレーション112bと所定距離離れて形成され、測定電極113bはキャスタレーション112dと所定距離離れて形成される。
【0036】
さらに、第1実施形態では、リッド部11の上面に形成された測定電極がリッド部11の側面に形成されたキャスタレージョン112a〜112dを介してベース部12の接続電極に導電されているが、リッド部11を貫通したスルーホールでもよい。
【0037】
<第1圧電発振器100の組み立て>
第1圧電発振器100の組み立てについては、図3を参照しながら説明する。図3は図1のA−A断面図である。図3に示されたように、電子回路素子13は回路端子131a〜131dが回路端子載置部127a〜127dに対応し、圧電端子132a、132bが圧電端子載置部128a、128bに対応するように金属バンプBPを介してベース凹部121内に配置される。これにより、実装端子125a〜125dと回路端子131a〜131dとがそれぞれ導電される。具体的には、実装端子125aが側面電極123a、連結電極124a及び回路端子載置部127aを介して電子回路素子13の回路端子131aに導電される。実装端子125bが側面電極123c、連結電極124c及び回路端子載置部127bを介して電子回路素子13の回路端子131bに導電され、実装端子125cが側面電極123e、連結電極124e及び回路端子載置部127cを介して電子回路素子13の回路端子131cに導電され、実装端子125dが側面電極123g、連結電極124g及び回路端子載置部127dを介して電子回路素子13の回路端子131dに導電される。
【0038】
水晶振動片10は、引出電極103a、103bが第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの内側にそれぞれ接続するように導電性接着剤(図示しない)により配置される。これにより、引出電極103a、103bに接続された一対の励振電極102a、102bが一対の圧電端子載置部128a、128bとそれぞれ導電される。
【0039】
リッド部11は水晶振動片10をカバーするようにベース部12の第2端面M2に接合される。このとき、測定電極113a、113bの接続パッド113Mがベース部12の第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの外側に接続される。これにより、リッド部11の測定電極113a、113bと水晶振動片10の励振電極102a、102bとがそれぞれ導電される。
【0040】
ここで、リッド部11の第1端面M1とベース部12の第2端面M2とは例えば非導電性接着剤である低融点ガラス(図示しない)によって接合される。低融点ガラスLGは、350℃〜410℃で溶融する鉛フリーのバナジウム系ガラスを含む。バナジウム系ガラスはバインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接着する。また、このバナジウム系ガラスは接着時の気密性と耐水性・耐湿性などの信頼性が高い。さらに、バナジウム系ガラスはガラス構造を制御することにより熱膨張係数も柔軟に制御できる。非導電性接着剤として、低融点ガラスの替わりにポリイミド樹脂を用いてもよい。
【0041】
また、リッド部11の第1端面M1とベース部12の第2端面M2とが接合されてリッド凹部111及びベース凹部121により水晶振動片10及び電子回路素子13を収納するキャビティCTが形成される。また、キャビティCTは不活性ガスで満たされたり又は真空状態に気密されたりする。
【0042】
<第1圧電発振器100の製造方法>
図4は、第1圧電発振器100の製造を示したフローチャートである。図4において、水晶振動片10の製造ステップS10と、リッド部11の製造ステップS11と、ベース部12の製造ステップS12と、電子回路素子13の製造ステップS13は並行して製造することができる。また、図5は複数の水晶振動片10を同時に製造できる水晶ウエハ10Wの平面図で、図6は複数のリッド部11を同時に製造できるリッドウエハ11Wの平面図である。図7は複数のベース部12を同時に製造できるベースウエハ12Wの平面図で、図8はそのベースウエハ12Wの透明図ある。
【0043】
ステップS10では、水晶振動片10が製造される。ステップS10はステップS101〜S103を含んでいる。
ステップS101において、図5に示されたように、均一の水晶ウエハ10Wにエッチングにより複数の水晶振動片10の外形が形成される。ここで、各水晶振動片10は連結部104により水晶ウエハ10Wに連結されている。
【0044】
ステップS102において、まずスパッタリングまたは真空蒸着によって水晶ウエハ10Wの両面及び側面にクロム層及び金層が順に形成される。そして、金属層の全面にフォトレジストが均一に塗布される。その後、露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれた励振電極、引出電極のパターンが水晶ウエハ10Wに露光される。次に、フォトレジストから露出した金属層がエッチングされる。これにより、図5に示されたように水晶ウエハ10W両面及び側面には励振電極102a、102b及び引出電極103a、103bが形成される。
【0045】
ステップS103において、水晶振動片10が個々に切断される。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて図5に示された一点鎖線のカットラインCLに沿って切断する。
【0046】
ステップS11では、リッド部11が製造される。ステップS11はステップS111〜S113を含んでいる。
【0047】
ステップS111において、エッチングにより複数のリッド部11の外形が製造される。図6に示されたように、均一厚さの水晶平板のリッドウエハ11Wにリッド凹部111及び貫通孔RHが同時に形成される。リッドウエハ11Wには、エッチング又は機械加工によりリッド凹部111が形成され、リッド凹部111の周囲には第1端面M1が形成される。同時に、各々のリッド部11のX側の両辺には矩形の貫通孔RHが2つずつ形成される。
【0048】
ステップS112において、ステップS102と同じ工程によりリッドウエハ11Wの表面(M1及びM4)及び貫通孔RHの側面に測定電極113a、113bがそれぞれ形成される。なお、X軸方向から見ると、隣り合った測定電極113a、113bはそれぞれに異なる貫通孔RHのみに接続されている。このため、隣り合った測定電極113aと測定電極113bとはX軸方向で絶縁されている。また、Z’軸方向から見ると、隣り合った測定電極113a、113b同士は互いに所定幅の隙間SPを形成するように配置されている。このため、隣り合った測定電極113aと測定電極113bとはZ’軸方向で絶縁されている。
【0049】
ステップS113において、スクリーン印刷でリッドウエハ11Wの第1端面M1に封止材として低融点ガラス(図示しない)が印刷される。その後、低融点ガラスを仮硬化することで、低融点ガラス膜がリッドウエハ11Wの第1端面M1に形成される。このとき、低融点ガラス膜は貫通孔RHに対応する箇所には形成されないことが好ましい。本実施形態では、低融点ガラスがリッド部11の第1端面M1に形成されているが、ベース部12の第2端面M2に形成されてもよい。
【0050】
ステップS12では、ベース部12が製造される。ステップS12はステップS121及びS122を含んでいる。
ステップS121において、図7に示されたように、均一厚さの水晶平板のベースウエハ12Wにベース凹部121が数百から数千個形成される。ベースウエハ12Wには、エッチング又は機械加工によりベース凹部121が形成され、ベース凹部121の周囲には第2端面M2が形成される。同時に、各ベース部12のX軸方向に伸びた一辺にはベースウエハ12Wを貫通した矩形の貫通孔BHが4つずつ形成される。ここで、貫通孔BHが半分に分割されると1つのキャスタレーション122a〜122h(図1を参照)になる。
【0051】
ステップS122において、図7及び図8に示されたようにスパッタリングまたは真空蒸着によってベースウエハ12Wの第2端面M2側に回路端子載置部127a〜127d、圧電端子載置部128a、128b、連結電極124a、124c、124e、124g及び接続電極126a、126bがそれぞれ形成される。また、ベースウエハ12Wの実装面M3に実装端子125a〜125dがそれぞれ形成される。さらに、貫通孔BHの側面には側面電極123a〜123hがそれぞれ形成される(図2を参照)。なお、側面電極はZ’軸方向で隣り合った2つの実装端子中の1つのみに導電されている。
【0052】
ここで、ベースウエハ12Wに実装端子125a〜125d及び側面電極123a〜123hを形成する際のマスクMKの配置状態について、図9を参照しながら詳しく説明する。図9(a)は、図8のB−B断面図で実装端子及び側面電極を形成するときのマスクMKの配置状態を説明するための図で、図9(b)は図9(a)の点線Cで囲まれた部分の拡大図である。
【0053】
例えば、図9に示されたようにスパッタなどでベースウエハ12Wに電極として金属膜を形成するとき、電極以外の領域はマスクMKで遮るほうが好ましい。すなわち、図9(a)に示されたとおりである。
【0054】
但し、実装端子125aは側面電極123bと絶縁され、実装端子125bは側面電極123dと絶縁され、実装端子125cは側面電極123fと絶縁され、実装端子125dは側面電極123hと絶縁されている(図2(b)及び図8を参照)。このため、図9(b)に示されたように、実装端子125dと側面電極123hとの間に配置されたマスクMKの長さd1は実装端子125dと貫通孔BHとの距離d2より長く形成される。なお、マスクMKの長さd1は距離d2より長さd3程度長く形成されている。これにより、図9(b)に示されたように貫通孔BHの−Z’側の側面における+Y’側のみに側面電極123hが形成される。つまり、側面電極123hが貫通孔BHの−Z’側の側面全面に形成されていないので、実装端子125dと側面電極123hとが確実に絶縁することができる。
【0055】
図4に戻り、ステップS13では、図1で説明されたように4つの回路端子131a〜131d及び一対の圧電端子132a、132bを有する複数の電子回路素子13が製造される。
【0056】
ステップS14では、ステップS13で製造された複数の電子回路素子13がベースウエハ12Wのベース凹部121内にそれぞれ載置される。このとき、電子回路素子13は回路端子131a〜131dが回路端子載置部127a〜127dに対応し、圧電端子132a、132bが圧電端子載置部128a、128bに対応するように金属バンプBPを介してベース凹部121内に配置される(図3を参照)。なお、金属バンプBPとしては金(Au)が用いられ、金属バンプBPはフリップチップボンディングなどの方法により電子回路素子13をベース凹部121内に固定する。これにより、ベースウエハ12Wの実装端子125a〜125dと電子回路素子13の回路端子131a〜131dとそれぞれ導電される。ベースウエハ12Wには数百から数千個の電子回路素子13が載置される。
【0057】
ステップS15では、ステップS10で製造された複数の水晶振動片10がベースウエハ12Wにそれぞれ載置される。このとき、水晶振動片10は引出電極103a、103bがベースウエハ12Wの第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの内側に接続するように導電性接着剤(図示しない)により配置される(図3を参照)。これにより、水晶振動片10の引出電極103a、103bに接続された一対の励振電極102a、102bがベースウエハ12Wの一対の圧電端子載置部128a、128bとそれぞれ導電される。ベースウエハ12Wには数百から数千個の水晶振動片10が載置される。
【0058】
ステップS16では、リッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとが加熱、押圧により封止材として低融点ガラスで接合される。このとき、リッド部11は水晶振動片10をカバーするようにベース部12の第2端面M2に接合される。なお、リッドウエハ11Wに形成された測定電極113a、113bの接続パッド113Mがベースウエハ12Wの第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの外側に接続される。これにより、リッドウエハ11Wの測定電極113a、113bと水晶振動片10の励振電極102a、102bとがそれぞれ導電される。
【0059】
ステップS17では、一対の周波数測定用のプローブPB1、PB2(図6を参照)を同じリッド部11の一対の測定電極113a、113bにそれぞれ当接し、1つ1つの水晶振動片10の振動周波数が測定される。
【0060】
図6を参照しながら詳しく説明する。図6に示されたように、プローブPB1は測定電極113aに当接され、プローブPB2は同じリッド部11の測定電極113bに当接される。なお、点線Dで囲まれた部分に示されたように、プローブPB1が当接された測定電極113aは+Z’側の貫通孔RH1に接続され、−Z’側の貫通孔RH2と離れて形成されている。また、X軸方向で測定電極113aと隣り合った測定電極113bは−Z’側の貫通孔RH2に接続され、+Z’側の貫通孔RH1と離れて形成されている。これにより、X軸方向で隣り合った測定電極113aと測定電極113bとは絶縁されている。また、Z’軸方向で隣り合った測定電極113aと測定電極113bとは隙間SPを形成するように離れて形成されているので、Z’軸方向で隣り合った測定電極113aと測定電極113bとは絶縁されている。つまり、各測定電極113a、113bはそれぞれにX軸方向及びZ’軸方向で絶縁されている。そのため、隣り合った水晶振動片10の影響を与えずに各水晶振動片10の周波数をそれぞれに測定することができる。
【0061】
ステップS18では、4つの発振器状態測定用のプローブPB3〜PB6(図8を参照)を同じベース部12の4つの実装端子125a〜125dにそれぞれ当接し、1つ1つの第1圧電発振器100の発振状態が測定される。
【0062】
図8を参照しながら詳しく説明する。図8に示されたように、プローブPB3が実装端子125aに、プローブPB4が実装端子125bに、プローブPB5が実装端子125cに、プローブPB6が実装端子125dに当接される。なお、プローブPB3が当接されている実装端子125aを一例として説明する。図8の点線Eに囲まれた部分に示されたように、実装端子125aは+X側の貫通孔BHaに接続され、−X側の貫通孔BHbと離れて形成されている。また、実装端子125aとZ’軸方向で隣り合った実装端子は−X側の貫通孔BHbに接続され、+X側の貫通孔BHaと離れて形成されている。一方、実装端子125aはZ’軸方向で隣り合った実装端子とは隙間SPを形成するように離れて形成されているので、Z’軸方向で隣り合った実装端子とは絶縁されている。つまり、実装端子125aはX軸方向及びZ’軸方向で隣り合った実装端子と絶縁されている。同様に、実装端子125b〜125dも、実装端子125aと同様にX軸方向及びZ’軸方向で隣り合った実装端子と絶縁されている。そのため、隣り合った第1圧電発振器100の影響を与えずに各第1圧電発振器100の発振状態をそれぞれに測定することができる。
【0063】
第1実施形態では、まず水晶振動片10の周波数が測定され、次に第1圧電発振器100の発振状態が測定されているが、逆にまず第1圧電発振器100の発振状態が測定され、次に水晶振動片10の周波数が測定されてもよい。
【0064】
ステップS19では、接合されたリッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとが図6〜図8に示されたスクライブラインSLに沿って切断される。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて行われる。
【0065】
(第2実施形態)
<第2圧電発振器200の全体構成>
第2実施形態の第2圧電発振器200としては温度補償水晶発振器(TCXO)を一例として説明する。第2圧電発振器200の全体構成について、図10〜図13を参照しながら説明する。図10は、第2実施形態の第2圧電発振器200の分解斜視図である。図11は、第1ベース部21の平面図である。図12(a)は第1ベース部側21から見た水晶振動片20の平面図で、図12(b)は第1ベース部側21から見た水晶振動片20の透明図である。図13は水晶振動片20側から見た第2ベース部22の透明図である。第2実施形態において、第1実施形態で説明された構成要件については同じ符号を付して説明する。
【0066】
図10に示されたように、第2圧電発振器200は第1ベース部21と、第2ベース部22と、第1ベース部21に載置される電子回路素子13と、第1ベース部21及び第2ベース部22に挟まれた水晶振動片20とを備える。
【0067】
まず、第1ベース部21について、図10及び図11を参照しながら詳しく説明する。第1ベース部21のベース凹部211内には、電子回路素子13の回路端子131a〜131dに対応する4つの回路端子載置部217a〜217dが形成されている。電子回路素子13の圧電端子132a、132bに対応する一対の圧電端子載置部218a、218bがさらに形成されている。
【0068】
また、第1ベース部21はX軸方向に伸びた平行な両辺に8つのキャスタレーションが形成され、Z’軸方向に伸びた平行な両辺に4つのキャスタレーションが形成されている。具体的には、+Z’側の一辺に−X側からキャスタレーション212a、212k、212j、212hが形成されている。−Z’側の一辺には、−X側からキャスタレーション212d、212m、212n、212eが形成されている。+X側の一辺にはキャスタレーション212f、212gが形成され、−X側の一辺にはキャスタレーション212b、212cが形成されている。
【0069】
各キャスタレーションには側面電極がそれぞれ形成されている。具体的には、キャスタレーション212a〜212hには側面電極213a〜213hが形成され、キャスタレーション212j、212kには側面電極213j、213kが形成され、キャスタレーション212m、212nには側面電極213m、213nが形成されている。
【0070】
さらに、第1ベース部21のベース凹部211側の面には、側面電極213aと回路端子載置部217aとを連結する連結電極214a、側面電極213cと回路端子載置部217bとを連結する連結電極214c、側面電極213eと回路端子載置部217cとを連結する連結電極214e、側面電極213gと回路端子載置部217dとを連結する連結電極214gが形成されている。また側面電極213jと圧電端子載置部218aとを接続する接続電極215j、及び側面電極213mと圧電端子載置部218bとを接続する接続電極215mが形成されている。すなわち、X軸方向及びZ’軸方向で対応する一対のキャスタレーションの一方のみから連結電極214a、214c、214e、214g及び接続電極215j、215mがそれぞれ形成されている。
【0071】
なお、連結電極214a、214c、214e、214g及び接続電極215j、215mは、これらの電極が形成されていないキャスタレーション212b、212d、212f、212h、212k、212nと所定距離離れて形成される。これにより、これらのキャスタレーションに形成された側面電極は、連結電極214a、214c、214e、214g及び接続電極215j、215mと絶縁されている。
【0072】
次に、水晶振動片20について、図10及び図12を参照しながら詳しく説明する。水晶振動片20は、両面に励振電極204a、204bが形成された水晶振動部201と、水晶振動部201を囲む枠体207とで構成されている。ここで、水晶振動部201のY’軸方向の厚さは枠体207より薄く形成されている。また、水晶振動部201と枠体207との間には、水晶振動部201から+X軸方向に沿って伸びるように枠体207と連結した一対の支持部208a、208bを有している。このため、水晶振動部201と枠体207との間に貫通開口部206が形成される。
【0073】
水晶振動片20は、枠体207における図11に示された第1ベース部21とY’軸方向で対応する位置にキャスタレーション202a〜202h、202j、202k、202m、202nが形成されている。また、各キャスタレーションには側面電極203a〜203h、203j、203k、203m、203nがそれぞれ形成されている。
【0074】
図12(a)に示されたように、水晶振動片20には励振電極204aから引き出されて支持部208a及び枠体207を介して側面電極203jに接続されている引出電極205aが形成されている。また図12(b)に示されたように、水晶振動片20には励振電極204bから引き出されて支持部208b及び枠体207を介して側面電極203mに接続されている引出電極205bが形成されている。
【0075】
最後に、第2ベース部22について、図10及び図13を参照しながら詳しく説明する。第2ベース部22は+Y’側にベース凹部221を有している。図12に示された水晶振動片20とY’軸方向で対応する位置にキャスタレーション222a〜222h、222j、222k、222m、222nが形成されている。また、各キャスタレーションには側面電極223a〜223h、223j、223k、223m、223nがそれぞれ形成されている。
【0076】
また図13に示されたように、第2ベース部22の実装面の四隅には4つの実装端子225a〜225dが形成されている。なお、実装端子225aは側面電極223aと導電され側面電極223bと絶縁されるように形成されている。実装端子225bは側面電極223cと導電され側面電極223dと絶縁されるように形成されている。実装端子225cは側面電極223eと導電され側面電極223fと絶縁されるように形成されている。実装端子225dは側面電極223gと導電され側面電極223hと絶縁されるように形成されている。ここで、実装端子と側面電極との絶縁は、実装端子と側面電極との間に所定の幅の隙間SPを形成することにより実現することができる。また、実装端子225a〜225dは第2ベース部22の縁部とそれぞれ所定幅の隙間SPを形成するように離れて形成されている。
【0077】
第2実施形態において、第2圧電発振器200のXZ’平面でのサイズが2000μm×1600μmである際、キャスタレーションのX軸方向の長さL1を200μm程度に、Z’軸方向の深さH1を140μm程度にすることが好ましい。また、X軸方向でのキャスタレーション同士の距離W1を少なくとも240μmに、Z’軸方向でのキャスタレーション同士の距離W2を少なくとも312μmにすることが好ましい。
【0078】
<第2圧電発振器200の組み立て>
図10に示されたように、電子回路素子13が金属バンプBP(図3を参照)で第1ベース部21に載置され、第1ベース部21及び第2ベース部22は水晶振動片20を挟むように水晶振動片20の両面に封止材(図示しない)により接合される。封止材としては、第1実施形態と同一の低融点ガラスが用いられる。
【0079】
これにより、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225aは第2ベース部22の側面電極223a、水晶振動片20の側面電極203a、第1ベース部21の側面電極213a及び連結電極214aを介して回路端子載置部217aに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225aは電子回路素子13の回路端子131aに導電される。実装端子225bは第2ベース部22の側面電極223c、水晶振動片20の側面電極203c、第1ベース部21の側面電極213c及び連結電極214cを介して回路端子載置部217bに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225bは電子回路素子13の回路端子131bに導電される。実装端子225cは第2ベース部22の側面電極223e、水晶振動片20の側面電極203e、第1ベース部21の側面電極213e及び連結電極214eを介して回路端子載置部217cに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225cは電子回路素子13の回路端子131cに導電される。実装端子225dは第2ベース部22の側面電極223g、水晶振動片20の側面電極203g、第1ベース部21の側面電極213g及び連結電極214gを介して回路端子載置部217dに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225dは電子回路素子13の回路端子131dに導電される。
【0080】
一方、電子回路素子13の圧電端子132aは第1ベース部21の圧電端子載置部218a、接続電極215j、側面電極213j及び水晶振動片20の引出電極205aを介して水晶振動片20の励振電極204aに導電される。同様に、電子回路素子13の圧電端子132bは第1ベース部21の圧電端子載置部218b、接続電極215m、側面電極213m及び水晶振動片20の引出電極205bを介して水晶振動片20の励振電極204bに導電される。
【0081】
上述のように組み立てると、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225a〜225dと水晶振動片20の励振電極204a、204bとが導電されて水晶振動部201が所定周波数ですべり振動することができる。
【0082】
<第2圧電発振器200の製造方法>
図14は、第2圧電発振器200の製造を示したフローチャートである。図14において、水晶振動片20の製造ステップS20と、第1ベース部21の製造ステップS21と、第2ベース部22の製造ステップS22と、電子回路素子13の製造ステップS23は並行して製造することができる。また、図15は複数の水晶振動片20を同時に製造できる水晶ウエハ20Wの平面図で、図16は複数の第1ベース部21を同時に製造できる第1ベースウエハ21Wの平面図である。図17は複数の第2ベース部22を同時に製造できる第2ベースウエハ22Wの透明図ある。
【0083】
ステップS20では、水晶振動片20が製造される。ステップS20はステップS201及びS202を含んでいる。
ステップS201において、図15に示されたように、均一の水晶ウエハ20Wにエッチングにより複数の水晶振動片20の外形が形成される。すなわち、エッチングにより水晶振動部201の厚さが枠体207の厚さより薄く形成され、各水晶振動片20に貫通開口部206が形成される。同時に、1つの水晶振動片20あたりのZ’軸方向に伸びた一辺に2つずつ、X軸方向に伸びた一辺に4つずつに貫通孔CHが形成されている。
【0084】
ステップS202において、まずスパッタリングまたは真空蒸着によって図15に示されたように水晶ウエハ20W両面及び側面に励振電極204a、204b及び引出電極205a、205bが形成され、各貫通孔CHの側面に側面電極が形成される(図12を参照)。
【0085】
ステップS21では、第1ベース部21が製造される。ステップS21はステップS211及びS212を含んでいる。
【0086】
ステップS211において、エッチングにより複数の第1ベース部21の外形が製造される。図16に示されたように、均一厚さの水晶平板の第1ベースウエハ21Wにベース凹部211及び貫通孔BHが形成される。具体的には、1つの第1ベース部21あたりのZ’軸方向に伸びた一辺に2つずつ、X軸方向に伸びた一辺に4つずつに貫通孔BHが形成されている。
【0087】
ステップS212において、スパッタリングまたは真空蒸着より第1ベースウエハ21Wに各電極が形成される。具体的には、第1ベースウエハ21Wの表面に回路端子載置部217a〜217d、圧電端子載置部218a、218b、連結電極及び接続電極が形成され、各貫通孔BHの側面に側面電極がそれぞれ形成される(図11を参照)。なお、各貫通孔BHに形成された側面電極に導電されている連結電極及び接続電極は、一方向のみからベース凹部211側に伸びている。つまり、各貫通孔BHに形成された側面電極は1つの連結電極又は接続電極のみに導電され、ほかの連結電極及び接続電極と絶縁されている。
【0088】
ステップS22では、第2ベース部22が製造される。ステップS22はステップS221及びS222を含んでいる。
ステップS221において、エッチングにより複数の第2ベース部22の外形が製造される。図17に示されたように、均一厚さの水晶平板の第2ベースウエハ22Wにベース凹部221及び貫通孔BHが形成される。具体的には、1つの第2ベース部22あたりのZ’軸方向に伸びた一辺に2つずつ、X軸方向に伸びた一辺に4つずつに貫通孔BHが形成されている。
【0089】
ステップS222において、図17に示されたようにスパッタリングまたは真空蒸着によって第2ベースウエハ22Wの実装面に実装端子225a〜225dがそれぞれ形成され、貫通孔BHの側面には側面電極がそれぞれ形成される(図13を参照)。なお、実装端子はその領域内の1つの側面電極のみに導電され、側面電極はX軸方向又はZ’軸方向で隣り合った2つの実装端子中の1つのみに導電されている。その電極の形成方法は図9の説明と同じであるので、説明を省略する。
【0090】
ステップS23では、図10で説明されたように4つの回路端子131a〜131d及び一対の圧電端子132a、132bを有する複数の電子回路素子13が製造される。
【0091】
ステップS24では、ステップS13で製造された複数の電子回路素子13が第1ベースウエハ21Wのベース凹部211内にそれぞれ載置される。このとき、電子回路素子13は回路端子131a〜131dが回路端子載置部217a〜217dに対応し、圧電端子132a、132bが圧電端子載置部218a、218bに対応するように金属バンプBPを介してベース凹部211内に配置される(図3を参照)。
【0092】
ステップS25では、ステップS21で製造された第1ベースウエハ21WとステップS20で製造された水晶ウエハ20WとステップS22で製造された第2ベースウエハ22Wとが加熱、押圧により封止材としての低融点ガラスで接合される。これにより、第2ベースウエハ22Wに形成された4つの実装端子が電子回路素子13の4つの回路端子にそれぞれ導電され、電子回路素子13の一対の圧電端子が水晶ウエハ20Wに形成された一対の励振電極にそれぞれ導電される。
【0093】
ステップS26では、一対の周波数測定用のプローブPB1、PB2(図16を参照)を同じ第1ベース部21の一対の接続電極215j、215mにそれぞれ当接し、1つ1つの水晶振動片20の振動周波数が測定される。図16に示されたように、1つの貫通孔BHに形成された側面電極は例えば接続電極215jのみに導電され、又は接続電極215mのみに導電されている。つまり、各接続電極215j、215mはそれぞれ絶縁されている。そのため、隣り合った水晶振動片20の影響を与えずに各水晶振動片20の周波数をそれぞれに測定することができる。
【0094】
ステップS27では、4つの発振器状態測定用のプローブPB3〜PB6(図17を参照)を同じ第2ベース部22の4つの実装端子225a〜225dにそれぞれ当接し、1つ1つの第2圧電発振器200の発振状態が測定される。図17に示されたように、1つの貫通孔BHに形成された側面電極は例えば実装端子225aのみ、実装端子225bのみ、実装端子225cのみ、実装端子225dのみに導電されている。つまり、各実装端子225a〜225dはそれぞれ絶縁されている。そのため、隣り合った第2圧電発振器200の影響を与えずに各第2圧電発振器200の発振状態をそれぞれに測定することができる。
【0095】
ステップ28では、接合された第1ベースウエハ21Wと水晶ウエハ20Wと第2ベースウエハ22Wとが図15〜図17に示されたスクライブラインSLに沿って切断される。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて行われる。
【0096】
(変形例1)
変形例1については、図18を参照しながら説明する。図18は、変形例1の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。図18では、第2実施形態の第1ベースウエハ、水晶ウエハ又は第2ベースウエハを「ウエハ30W」と総称する。また、第1ベース部、水晶振動片又は第2ベース部を「単体30」と総称する。さらに、貫通孔BHの側面全面には側面電極が形成されている。但し、図18では説明を助けるために、1つの貫通孔BHにおいて、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられる単体30側には色を付け、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられない単体30側には色を付けないように描かれている。
【0097】
図18に示されたように、ウエハ30Wの貫通孔BHは第2実施形態と同一に配置されている。すなわち、単体30において貫通孔BHがX軸方向に伸びた辺に4つ、Z’軸方向に伸びた辺に2つずつ配置されている。但し、変形例1ではZ’軸方向に伸びた辺に形成された貫通孔BHの側面電極を介して、電子回路素子13の圧電端子(図10を参照)と水晶振動片20の励振電極(図10を参照)とが導電される。また、X軸方向に伸びた辺に形成された貫通孔BHの側面電極を介して、電子回路素子13の回路端子(図10を参照)と第2ベース部22の実装端子(図10を参照)とが導電される。
【0098】
図18に示されたウエハ30Wの単体30において、X軸方向又はZ’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続されている。つまり、これらの連結電極、接続電極又は実装端子が隣り合った単体30の連結電極、接続電極又は実装端子とは絶縁されている。これにより、図14のステップS16及びS17で圧電振動片の周波数及び圧電発振器の発振状態を測定する際に、隣り合った圧電振動片又は圧電発振器の影響を与えず、正確に測定することができる。
【0099】
(変形例2)
変形例2については、図19を参照しながら説明する。図19は、変形例2の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。図19では、第2実施形態の第1ベースウエハ、水晶ウエハ又は第2ベースウエハを「ウエハ40W」と総称する。また、第1ベース部、水晶振動片又は第2ベース部を「単体40」と総称する。さらに、貫通孔BHの側面全面には側面電極が形成されている。但し、図19では説明を助けるために、1つの貫通孔BHにおいて、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられる単体40側には色を付け、この貫通孔BHに形成された側面電極が用いられない単体40側には色を付けないように描かれている。
【0100】
図19に示されたように、ウエハ40Wの貫通孔BHは、単体40において貫通孔BHがX軸方向に伸びた辺のみに6つずつ配置されている。変形例2では、単体40における12個の貫通孔BH中の4つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の回路端子(図10を参照)と第2ベース部22の実装端子(図10を参照)とが導電される。また、単体40における12個の貫通孔BH中の2つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の圧電端子(図10を参照)と水晶振動片20の励振電極(図10を参照)とが導電される。
【0101】
図19に示されたウエハ40Wの単体40において、Z’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続されている。つまり、これらの連結電極、接続電極又は実装端子が隣り合った単体40の連結電極、接続電極又は実装端子とは絶縁されている。これにより、図14のステップS16及びS17で圧電振動片の周波数及び圧電発振器の発振状態を測定する際に、隣り合った圧電振動片又は圧電発振器の影響を与えず、正確に測定することができる。
【0102】
(変形例3)
変形例3については、図20を参照しながら説明する。図20は、変形例3の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。図20では、第2実施形態の第1ベースウエハ、水晶ウエハ又は第2ベースウエハを「ウエハ50W」と総称する。また、第1ベース部、水晶振動片又は第2ベース部を「単体50」と総称する。さらに、貫通孔BHの側面全面には側面電極が形成されている。但し、図20では説明を助けるために、1つの貫通孔BHにおいて、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられる単体50側には色を付け、この貫通孔BHに形成された側面電極が用いられない単体50側には色を付けないように描かれている。
【0103】
図20に示されたようにウエハ50Wの貫通孔BHは、X軸方向に伸びた辺に3つ、Z’軸方向に伸びた辺に3つずつ配置されている。単体50における12個の貫通孔BH中の4つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の回路端子(図10を参照)と第2ベース部22の実装端子(図10を参照)とが導電される。また、単体50における12個の貫通孔BH中の2つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の圧電端子(図10を参照)と水晶振動片20の励振電極(図10を参照)とが導電される。
【0104】
図20に示されたウエハ50Wの単体50において、X軸方向又はZ’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続されている。つまり、これらの連結電極、接続電極又は実装端子が隣り合った単体50の連結電極、接続電極又は実装端子とは絶縁されている。これにより、図14のステップS16及びS17で圧電振動片の周波数及び圧電発振器の発振状態を測定する際に、隣り合った圧電振動片又は圧電発振器の影響を与えず、正確に測定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0106】
例えば、本明細書ではATカットされた水晶振動片を一例として説明したが、一対の振動腕を有する音叉型水晶振動片にも適用される。
【0107】
また、本明細書では低融点ガラスによりベースウエハと、水晶ウエハと、リッドウエハとが接合されているが、低融点ガラスの代わりにポリイミド樹脂を用いられてもよい。ポリイミド樹脂が用いられる場合においては、スクリーン印刷でもよいし、感光性のポリイミド樹脂を全面に塗布した後に露光することもできる。
【0108】
また、本明細書では水晶振動片が使用されたが、水晶以外にタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料を利用することができる。
【0109】
さらに、変形例としては、本明細書の変形例1〜変形例3以外にもいろいろな組み合わせが可能である。但し、1つの単体において、X軸方向又はZ’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続される必要がある。
【符号の説明】
【0110】
10、20 … 水晶振動片、 10W、20W … 水晶ウエハ
11 … リッド部、 11W … リッドウエハ
12、21、22 … ベース部、 12W、21W、22W … ベースウエハ
13 … 電子回路素子
30、40、50 … 単体、 30W、40W、50 … ウエハ
100、200 … 圧電発振器
101 … 水晶片
102a、102b、204a、204b … 励振電極
103a、103b、205a、205b … 引出電極
111、121、211、221 … 凹部
112a〜112d、122a〜122h、202a〜202h、202j、202k、202m、202n、212a〜212h、212j、212k、212m、212n、222a〜222h、222j、222k、222m、222n … キャスタレーション
113a、113b … 測定電極
123a〜123h、203a〜203h、203j、203k、203m、203n、213a〜213h、213j、213k、213m、213n、223a〜223h、223j、223k、223m、223n … 側面電極
124a、124c、124e、124g、214a、214c、214e、214g … 連結電極
125a〜125d、225a〜225d … 実装端子
126a、126b、215j、215m … 接続電極
127a〜127d、227a〜227d … 回路端子載置部
128a、128b、228a、228b … 圧電端子載置部
131a〜131d … 回路端子
132a、132b … 圧電端子
201 … 水晶振動部
206 … 貫通開口部
207 … 枠体
208a、208b … 支持部
BH、CH … 貫通孔
BP … 金属バンプ
CT … キャビティ
PB1〜PB6 …
SL … スクライブライン
SP … 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片と電子回路素子とを備える圧電発振器及び圧電発振器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウエハ状態で同時に複数の圧電振動片及び電子回路素子を備える圧電発振器を製造できる方法が知られている。例えば、特許文献1では3枚のウエハ基板を接合し、ウエハ基板における各圧電発振器の個々の四隅部の結合箇所に円形の貫通孔を形成することにより、キャスタレーションが加工される。そして、キャスタレーションの側面に電極を形成することで、実装端子と電子回路素子の接続端子と圧電振動片の励振電極とが導電される。最後にウエハ基板を切断することで、複数の圧電発振器単体が製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−165102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、特許文献1に開示された圧電発振器の製造では、ウエハ基板を接合する際、又は電子回路素子を配置する際等に発生する応力によって圧電振動片の周波数等の振動特性が変化する場合がある。そのため、ウエハ基板を接合した後にウエハ状態で圧電発振器の発振状態を確認する必要がある。
【0005】
しかし、特許文献1の圧電発振器では貫通孔の側面に形成された電極により、互いに隣り合った圧電発振器の実装端子同士、及び隣り合った圧電振動片の励振電極同士が導電されてしまう。そのため、隣り合った圧電発振器の影響により実装端子を介して圧電発振器の発振状態を正確に測定することができない。
【0006】
そこで、本発明はウエハ状態で隣り合った圧電発振器からの影響を与えず実装端子を介して圧電発振器の発振状態を正確に測定できる圧電発振器及び圧電発振器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1観点の圧電発振器は電圧の印加により振動する圧電振動片と、圧電振動片を振動させ複数の回路端子を有する電子回路素子と、複数の実装端子が形成された実装面と実装面と反対側の接合面と実装面と接合面とを結ぶ外周に外周から凹んだ複数の第1キャスタレーション及び第2キャスタレーションとを有するベース部と、を備える。第1キャスタレーションには電子回路素子の回路端子とベース部の実装端子とをそれぞれ導電させる第1側面電極が形成され、第2キャスタレーションには電子回路素子の回路端子及びベース部の実装端子と絶縁されている第2側面電極が形成される。
【0008】
第2観点の圧電発振器において、回路端子、実装端子、第1側面電極及び第2側面電極の数量は同一である。
【0009】
第3観点の圧電発振器において、実装端子と第2キャスタレーションとは、実装面で所定距離離れて形成される。
【0010】
第4観点の圧電発振器において、圧電振動片は両主面に一対の励振電極が形成され、電子回路素子は一対の圧電端子を有し、ベース部は外周に外周から凹んだ一対の第3キャスタレーション及び一対の第4キャスタレーションを有し、第3キャスタレーションには一対の圧電端子と一対の励振電極とをそれぞれ導電させる第3側面電極が形成され、第4キャスタレーションには圧電端子及び励振電極と絶縁されている第4側面電極が形成される。
【0011】
第5観点の圧電発振器において、実装端子と第4キャスタレーションとは、実装面で所定距離離れて形成される。
【0012】
第6観点の圧電発振器は、第1面がベース部に接合され第1面の反対側の第2面に一対の測定電極が形成され、外周に外周から凹んだ一対の第5キャスタレーション及び一対の第6キャスタレーションが形成され、第5キャスタレーションには励振電極と測定電極を導電させる第5側面電極が形成され、第6キャスタレーションには励振電極及び測定電極と絶縁される第6側面電極が形成されるリッド部を備える。
【0013】
第7観点の圧電発振器において、圧電振動片は電圧が印加されて振動する振動部と振動部を囲み一主面がベース部に接合され他主面がリッド部に接合される枠体とを有る。
【0014】
第8観点の圧電発振器の製造方法は、両主面に一対の励振電極が形成された圧電振動片と圧電振動片を発振させ複数の回路端子を有する電子回路素子とを備える圧電発振器の製造方法である。また圧電発振器の製造方法は、第1面を有する複数のリッド部を含むリッドウエハを用意する工程と、実装面及び実装面の反対側の接合面を有し複数の実装端子が実装面に形成されている複数のベース部を含むベースウエハを用意する工程と、リッドウエハ及びベースウエハのいずれか一方に圧電振動片又は電子回路素子を搭載し電子回路素子の回路端子とベースウエハの実装端子とが導電されるようにリッドウエハの第1面とベースウエハの接合面とを接合する接合工程と、接合工程後実装端子を介して圧電発振器の発振状態を測定する発振状態測定工程と、発振状態測定工程後リッドウエハとベースウエハとを圧電発振器を単位として切断する切断工程と、を備える。
【0015】
第9観点の圧電発振器の製造方法において、リッドウエハを用意する工程では第1面の反対側の第2面を有し第2面には一対の測定電極が形成される複数のリッド部を含むリッドウエハを用意し、接合工程では圧電振動片の励振電極とリッドウエハの測定電極とが導電されるようにリッドウエハの第1面とベースウエハの接合面とを接合し、接合工程後及び切断工程前に測定電極を介して圧電振動片の周波数を測定する周波数測定工程を備える。
【0016】
第10観点の圧電発振器の製造方法は、ベースウエハに接合面から実装面まで貫通した第1貫通孔及び第2貫通孔を形成する工程と、第1貫通孔に第1側面電極を形成し第2貫通孔に第2側面電極を形成する工程と、を備える。実装端子と回路端子とは、第1側面電極を介して導電され、第2側面電極と絶縁されている。
【0017】
第11観点の圧電発振器の製造方法は、リッドウエハに第1面から第2面まで貫通した第5貫通孔及び第6貫通孔を形成する工程と、第5貫通孔に第5側面電極を形成し第6貫通孔に第6側面電極を形成する工程と、を備える。励振電極と測定電極とは、第5側面電極を介して導電され、第6側面電極と絶縁されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ウエハ状態で隣り合った圧電発振器からの影響を与えず実装端子を介して圧電発振器の発振状態を正確に測定できる圧電発振器及び圧電発振器の製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の第1圧電発振器100の分解斜視図である。
【図2】(a)は、リッド部11側から見たベース部12の平面図である。 (b)は、リッド部11側から見たベース部12の透明図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】第1実施形態の第1圧電発振器100の製造を示したフローチャートである。
【図5】水晶ウエハ10Wの平面図である。
【図6】リッドウエハ11Wの平面図である。
【図7】ベースウエハ12Wの平面図である。
【図8】ベースウエハ12Wの透明図である。
【図9】(a)は、図8のB−B断面図で、実装端子及び側面電極を形成するときのマスクMKの配置状態を説明するための図である。 (b)は、(a)の点線Cで囲まれた部分の拡大図である。
【図10】第2実施形態の第2圧電発振器200の分解斜視図である。
【図11】第1ベース部21の平面図である。
【図12】(a)は、第1ベース部側21から見た水晶振動片20の平面図である。 (b)は、第1ベース部側21から見た水晶振動片20の透明図である。
【図13】水晶振動片20側から見た第2ベース部22の透明図である。
【図14】第2実施形態の第2圧電発振器200の製造を示したフローチャートである。
【図15】水晶ウエハ20Wの平面図である。
【図16】第1ベースエハ21Wの平面図である。
【図17】第2ベースエハ22Wの透明図である。
【図18】変形例1の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。
【図19】変形例2の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。
【図20】変形例3の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書では、圧電振動片としてATカットの水晶振動片が使われている。つまり、ATカットの水晶振動片は、主面(YZ面)が結晶軸(XYZ)のY軸に対して、X軸を中心としてZ軸からY軸方向に35度15分傾斜されている。このため、ATカットの水晶振動片のX軸方向を基準とし、傾斜された新たな軸をY’軸及びZ’軸として用いる。すなわち、本実施形態では圧電発振器の長手方向をX軸方向、圧電発振器の高さ方向をY’軸方向、X軸方向及びY’軸方向に垂直な方向をZ’軸方向として説明する。
【0021】
(第1実施形態)
<第1圧電発振器100の全体構成>
第1圧電発振器100は、表面実装型でありプリント基板等に実装されて使用される。第1圧電発振器100の全体構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は第1圧電発振器100の分解斜視図で、図2(a)はリッド部11側から見たベース部12の平面図で、図2(b)はリッド部11側から見たベース部12の透明図である。
【0022】
図1に示されたように、第1圧電発振器100はリッド凹部111を有するリッド部11と、ベース凹部121を有するベース部12と、ベース部12に載置される平板状の水晶振動片10と、ベース凹部121内に載置される電子回路素子13とを備える。
【0023】
水晶振動片10は、ATカットされた水晶片101により構成され、その水晶片101の中央付近の両主面に一対の励振電極102a、102bが対向して配置されている。また、励振電極102aには水晶片101の底面(−Y’側)の−X側まで伸びた引出電極103aが接続され、励振電極102bには水晶片101の底面(−Y’側)の+X側まで伸びた引出電極103bが接続されている。なお、水晶振動片10はメサ型又は逆メサ型であってもよい。
【0024】
ここで、励振電極102a、102b及び引出電極103a、103bは例えば下地としてのクロム(Cr)層が用いられ、クロム層の上面に金(Au)層が用いられる。また、クロム層の厚さは例えば0.05μm〜0.1μmで、金層の厚さは例えば0.2μm〜2μmである。
【0025】
電子回路素子13は底面(−Y’側)に6つの接続端子を有し、6つの接続端子はX軸方向に沿って2行、Z’軸方向に3行配置されている。この中で、外側の4つの接続端子は後述するベース部12の実装端子125a〜125dにそれぞれ導電される回路端子131a〜131dである。また、真ん中の一対の接続端子は水晶振動片10の引出電極103a、103bにそれぞれ導電される圧電端子132a、132bである。これにより第1圧電発振器100の発振回路が形成される。
【0026】
ベース部12については、図2を参照しながら詳しく説明する。図2(a)に示されたように、ベース部12はガラス又は圧電材料より構成され、表面(+Y’側の面)にベース凹部121の周囲に形成された第2端面M2を有している。矩形のベース部12におけるX軸方向に伸びた一対の辺には貫通孔BH(図7及び図8を参照)を形成した際の8つのキャスタレーション122a〜122hがそれぞれ形成されている。具体的には、Z’軸方向で対応するように、一辺に4つずつ形成されている。
【0027】
なお、ベース部12のXZ’平面でのサイズが2000μm×1600μmである際、キャスタレーションのX軸方向の長さL1を200μm程度に、Z’軸方向の深さH1を140μm程度に、X軸方向でのキャスタレーション同士の距離W1を少なくとも240μmにすることが好ましい。
【0028】
ベース部12のベース凹部121内には、電子回路素子13の回路端子131a〜131dに対応する4つの回路端子載置部127a〜127dが形成されている。また、電子回路素子13の圧電端子132a、132bに対応する一対の圧電端子載置部128a、128bがさらに形成されている。ここで、回路端子載置部127a〜127d及び圧電端子載置部128a、128bは水晶振動片10の電極と同じ構成である。
【0029】
8つのキャスタレーション122a〜122hには側面電極123a〜123hがそれぞれ形成されている。また、8つの側面電極123a〜123h中、側面電極123aは第2端面M2からベース凹部121まで伸びた連結電極124aを介して回路端子載置部127aに導電されている。同様に、側面電極123cは連結電極124cを介して回路端子載置部127bに導電され、側面電極123eは連結電極124eを介して回路端子載置部127cに導電され、側面電極123gは連結電極124gを介して回路端子載置部127dに導電されている。
【0030】
また、連結電極124aが接続された側面電極123aとZ’軸方向で対応する側面電極123dには連結電極が形成されていない。同様に、側面電極123cに対応する側面電極123bと、側面電極123eに対応する側面電極123hと、側面電極123gに対応する側面電極123fとには連結電極が形成されていない。すなわち、側面電極123b、123d、123f及び123hは回路端子載置部127a〜127dと絶縁されている。
【0031】
さらに、ベース部12には一対の圧電端子載置部128a、128bからX軸方向の両側の第2端面M2まで伸びた接続電極126a、126bがそれぞれ形成されている。
【0032】
図2(b)に示されたように、ベース部12の実装面M3には4つの実装端子125a〜125dが形成されている。なお、実装端子125aは側面電極123aと導電され側面電極123bと絶縁されるように形成されている。実装端子125bは側面電極123cと導電され側面電極123dと絶縁されるように形成されている。実装端子125cは側面電極123eと導電され側面電極123fと絶縁されるように形成されている。実装端子125dは側面電極123gと導電され側面電極123hと絶縁されるように形成されている。これにより、実装端子125a〜125dと回路端子載置部127a〜127dとがそれぞれ導電される。ここで、実装端子と側面電極との絶縁は、実装端子と側面電極との間に所定の幅の隙間SPを形成することにより実現することができる。
【0033】
また、実装端子125a〜125dはベース部12の縁部とそれぞれ所定幅の隙間SPを形成するように離れて形成されている。
【0034】
図1に戻り、第1圧電発振器100はベース部12に接合されて水晶振動片10及び電子回路素子13を封止するリッド部11をさらに有している。リッド部11は、ガラス又は圧電材料より構成され、表面(−Y’側の面)にリッド凹部111の周囲に形成された第1端面M1を有している。矩形のリッド部11におけるZ’軸方向に伸びた一対の辺には貫通孔RH(図6を参照)を形成した際の4つのキャスタレーション112a〜112dがそれぞれ形成されている。具体的には、X軸方向で対応するように、一辺に2つずつ形成されている。
【0035】
また、リッド部11は第1端面M1の反対側の上面M4の−X側からキャスタレーション112aを介して第1端面M1に接続パッド113Mを形成するように配置された測定電極113aを有している。また、上面M4の+X側からキャスタレーション112cを介して第1端面M1に接続パッド113M(図3を参照)を形成するように配置された測定電極113bをさらに有している。ここで、測定電極113aはキャスタレーション112bと所定距離離れて形成され、測定電極113bはキャスタレーション112dと所定距離離れて形成される。
【0036】
さらに、第1実施形態では、リッド部11の上面に形成された測定電極がリッド部11の側面に形成されたキャスタレージョン112a〜112dを介してベース部12の接続電極に導電されているが、リッド部11を貫通したスルーホールでもよい。
【0037】
<第1圧電発振器100の組み立て>
第1圧電発振器100の組み立てについては、図3を参照しながら説明する。図3は図1のA−A断面図である。図3に示されたように、電子回路素子13は回路端子131a〜131dが回路端子載置部127a〜127dに対応し、圧電端子132a、132bが圧電端子載置部128a、128bに対応するように金属バンプBPを介してベース凹部121内に配置される。これにより、実装端子125a〜125dと回路端子131a〜131dとがそれぞれ導電される。具体的には、実装端子125aが側面電極123a、連結電極124a及び回路端子載置部127aを介して電子回路素子13の回路端子131aに導電される。実装端子125bが側面電極123c、連結電極124c及び回路端子載置部127bを介して電子回路素子13の回路端子131bに導電され、実装端子125cが側面電極123e、連結電極124e及び回路端子載置部127cを介して電子回路素子13の回路端子131cに導電され、実装端子125dが側面電極123g、連結電極124g及び回路端子載置部127dを介して電子回路素子13の回路端子131dに導電される。
【0038】
水晶振動片10は、引出電極103a、103bが第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの内側にそれぞれ接続するように導電性接着剤(図示しない)により配置される。これにより、引出電極103a、103bに接続された一対の励振電極102a、102bが一対の圧電端子載置部128a、128bとそれぞれ導電される。
【0039】
リッド部11は水晶振動片10をカバーするようにベース部12の第2端面M2に接合される。このとき、測定電極113a、113bの接続パッド113Mがベース部12の第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの外側に接続される。これにより、リッド部11の測定電極113a、113bと水晶振動片10の励振電極102a、102bとがそれぞれ導電される。
【0040】
ここで、リッド部11の第1端面M1とベース部12の第2端面M2とは例えば非導電性接着剤である低融点ガラス(図示しない)によって接合される。低融点ガラスLGは、350℃〜410℃で溶融する鉛フリーのバナジウム系ガラスを含む。バナジウム系ガラスはバインダーと溶剤とが加えられペースト状であり、溶融された後固化されることで他の部材と接着する。また、このバナジウム系ガラスは接着時の気密性と耐水性・耐湿性などの信頼性が高い。さらに、バナジウム系ガラスはガラス構造を制御することにより熱膨張係数も柔軟に制御できる。非導電性接着剤として、低融点ガラスの替わりにポリイミド樹脂を用いてもよい。
【0041】
また、リッド部11の第1端面M1とベース部12の第2端面M2とが接合されてリッド凹部111及びベース凹部121により水晶振動片10及び電子回路素子13を収納するキャビティCTが形成される。また、キャビティCTは不活性ガスで満たされたり又は真空状態に気密されたりする。
【0042】
<第1圧電発振器100の製造方法>
図4は、第1圧電発振器100の製造を示したフローチャートである。図4において、水晶振動片10の製造ステップS10と、リッド部11の製造ステップS11と、ベース部12の製造ステップS12と、電子回路素子13の製造ステップS13は並行して製造することができる。また、図5は複数の水晶振動片10を同時に製造できる水晶ウエハ10Wの平面図で、図6は複数のリッド部11を同時に製造できるリッドウエハ11Wの平面図である。図7は複数のベース部12を同時に製造できるベースウエハ12Wの平面図で、図8はそのベースウエハ12Wの透明図ある。
【0043】
ステップS10では、水晶振動片10が製造される。ステップS10はステップS101〜S103を含んでいる。
ステップS101において、図5に示されたように、均一の水晶ウエハ10Wにエッチングにより複数の水晶振動片10の外形が形成される。ここで、各水晶振動片10は連結部104により水晶ウエハ10Wに連結されている。
【0044】
ステップS102において、まずスパッタリングまたは真空蒸着によって水晶ウエハ10Wの両面及び側面にクロム層及び金層が順に形成される。そして、金属層の全面にフォトレジストが均一に塗布される。その後、露光装置(図示しない)を用いて、フォトマスクに描かれた励振電極、引出電極のパターンが水晶ウエハ10Wに露光される。次に、フォトレジストから露出した金属層がエッチングされる。これにより、図5に示されたように水晶ウエハ10W両面及び側面には励振電極102a、102b及び引出電極103a、103bが形成される。
【0045】
ステップS103において、水晶振動片10が個々に切断される。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて図5に示された一点鎖線のカットラインCLに沿って切断する。
【0046】
ステップS11では、リッド部11が製造される。ステップS11はステップS111〜S113を含んでいる。
【0047】
ステップS111において、エッチングにより複数のリッド部11の外形が製造される。図6に示されたように、均一厚さの水晶平板のリッドウエハ11Wにリッド凹部111及び貫通孔RHが同時に形成される。リッドウエハ11Wには、エッチング又は機械加工によりリッド凹部111が形成され、リッド凹部111の周囲には第1端面M1が形成される。同時に、各々のリッド部11のX側の両辺には矩形の貫通孔RHが2つずつ形成される。
【0048】
ステップS112において、ステップS102と同じ工程によりリッドウエハ11Wの表面(M1及びM4)及び貫通孔RHの側面に測定電極113a、113bがそれぞれ形成される。なお、X軸方向から見ると、隣り合った測定電極113a、113bはそれぞれに異なる貫通孔RHのみに接続されている。このため、隣り合った測定電極113aと測定電極113bとはX軸方向で絶縁されている。また、Z’軸方向から見ると、隣り合った測定電極113a、113b同士は互いに所定幅の隙間SPを形成するように配置されている。このため、隣り合った測定電極113aと測定電極113bとはZ’軸方向で絶縁されている。
【0049】
ステップS113において、スクリーン印刷でリッドウエハ11Wの第1端面M1に封止材として低融点ガラス(図示しない)が印刷される。その後、低融点ガラスを仮硬化することで、低融点ガラス膜がリッドウエハ11Wの第1端面M1に形成される。このとき、低融点ガラス膜は貫通孔RHに対応する箇所には形成されないことが好ましい。本実施形態では、低融点ガラスがリッド部11の第1端面M1に形成されているが、ベース部12の第2端面M2に形成されてもよい。
【0050】
ステップS12では、ベース部12が製造される。ステップS12はステップS121及びS122を含んでいる。
ステップS121において、図7に示されたように、均一厚さの水晶平板のベースウエハ12Wにベース凹部121が数百から数千個形成される。ベースウエハ12Wには、エッチング又は機械加工によりベース凹部121が形成され、ベース凹部121の周囲には第2端面M2が形成される。同時に、各ベース部12のX軸方向に伸びた一辺にはベースウエハ12Wを貫通した矩形の貫通孔BHが4つずつ形成される。ここで、貫通孔BHが半分に分割されると1つのキャスタレーション122a〜122h(図1を参照)になる。
【0051】
ステップS122において、図7及び図8に示されたようにスパッタリングまたは真空蒸着によってベースウエハ12Wの第2端面M2側に回路端子載置部127a〜127d、圧電端子載置部128a、128b、連結電極124a、124c、124e、124g及び接続電極126a、126bがそれぞれ形成される。また、ベースウエハ12Wの実装面M3に実装端子125a〜125dがそれぞれ形成される。さらに、貫通孔BHの側面には側面電極123a〜123hがそれぞれ形成される(図2を参照)。なお、側面電極はZ’軸方向で隣り合った2つの実装端子中の1つのみに導電されている。
【0052】
ここで、ベースウエハ12Wに実装端子125a〜125d及び側面電極123a〜123hを形成する際のマスクMKの配置状態について、図9を参照しながら詳しく説明する。図9(a)は、図8のB−B断面図で実装端子及び側面電極を形成するときのマスクMKの配置状態を説明するための図で、図9(b)は図9(a)の点線Cで囲まれた部分の拡大図である。
【0053】
例えば、図9に示されたようにスパッタなどでベースウエハ12Wに電極として金属膜を形成するとき、電極以外の領域はマスクMKで遮るほうが好ましい。すなわち、図9(a)に示されたとおりである。
【0054】
但し、実装端子125aは側面電極123bと絶縁され、実装端子125bは側面電極123dと絶縁され、実装端子125cは側面電極123fと絶縁され、実装端子125dは側面電極123hと絶縁されている(図2(b)及び図8を参照)。このため、図9(b)に示されたように、実装端子125dと側面電極123hとの間に配置されたマスクMKの長さd1は実装端子125dと貫通孔BHとの距離d2より長く形成される。なお、マスクMKの長さd1は距離d2より長さd3程度長く形成されている。これにより、図9(b)に示されたように貫通孔BHの−Z’側の側面における+Y’側のみに側面電極123hが形成される。つまり、側面電極123hが貫通孔BHの−Z’側の側面全面に形成されていないので、実装端子125dと側面電極123hとが確実に絶縁することができる。
【0055】
図4に戻り、ステップS13では、図1で説明されたように4つの回路端子131a〜131d及び一対の圧電端子132a、132bを有する複数の電子回路素子13が製造される。
【0056】
ステップS14では、ステップS13で製造された複数の電子回路素子13がベースウエハ12Wのベース凹部121内にそれぞれ載置される。このとき、電子回路素子13は回路端子131a〜131dが回路端子載置部127a〜127dに対応し、圧電端子132a、132bが圧電端子載置部128a、128bに対応するように金属バンプBPを介してベース凹部121内に配置される(図3を参照)。なお、金属バンプBPとしては金(Au)が用いられ、金属バンプBPはフリップチップボンディングなどの方法により電子回路素子13をベース凹部121内に固定する。これにより、ベースウエハ12Wの実装端子125a〜125dと電子回路素子13の回路端子131a〜131dとそれぞれ導電される。ベースウエハ12Wには数百から数千個の電子回路素子13が載置される。
【0057】
ステップS15では、ステップS10で製造された複数の水晶振動片10がベースウエハ12Wにそれぞれ載置される。このとき、水晶振動片10は引出電極103a、103bがベースウエハ12Wの第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの内側に接続するように導電性接着剤(図示しない)により配置される(図3を参照)。これにより、水晶振動片10の引出電極103a、103bに接続された一対の励振電極102a、102bがベースウエハ12Wの一対の圧電端子載置部128a、128bとそれぞれ導電される。ベースウエハ12Wには数百から数千個の水晶振動片10が載置される。
【0058】
ステップS16では、リッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとが加熱、押圧により封止材として低融点ガラスで接合される。このとき、リッド部11は水晶振動片10をカバーするようにベース部12の第2端面M2に接合される。なお、リッドウエハ11Wに形成された測定電極113a、113bの接続パッド113Mがベースウエハ12Wの第2端面M2に形成された接続電極126a、126bの外側に接続される。これにより、リッドウエハ11Wの測定電極113a、113bと水晶振動片10の励振電極102a、102bとがそれぞれ導電される。
【0059】
ステップS17では、一対の周波数測定用のプローブPB1、PB2(図6を参照)を同じリッド部11の一対の測定電極113a、113bにそれぞれ当接し、1つ1つの水晶振動片10の振動周波数が測定される。
【0060】
図6を参照しながら詳しく説明する。図6に示されたように、プローブPB1は測定電極113aに当接され、プローブPB2は同じリッド部11の測定電極113bに当接される。なお、点線Dで囲まれた部分に示されたように、プローブPB1が当接された測定電極113aは+Z’側の貫通孔RH1に接続され、−Z’側の貫通孔RH2と離れて形成されている。また、X軸方向で測定電極113aと隣り合った測定電極113bは−Z’側の貫通孔RH2に接続され、+Z’側の貫通孔RH1と離れて形成されている。これにより、X軸方向で隣り合った測定電極113aと測定電極113bとは絶縁されている。また、Z’軸方向で隣り合った測定電極113aと測定電極113bとは隙間SPを形成するように離れて形成されているので、Z’軸方向で隣り合った測定電極113aと測定電極113bとは絶縁されている。つまり、各測定電極113a、113bはそれぞれにX軸方向及びZ’軸方向で絶縁されている。そのため、隣り合った水晶振動片10の影響を与えずに各水晶振動片10の周波数をそれぞれに測定することができる。
【0061】
ステップS18では、4つの発振器状態測定用のプローブPB3〜PB6(図8を参照)を同じベース部12の4つの実装端子125a〜125dにそれぞれ当接し、1つ1つの第1圧電発振器100の発振状態が測定される。
【0062】
図8を参照しながら詳しく説明する。図8に示されたように、プローブPB3が実装端子125aに、プローブPB4が実装端子125bに、プローブPB5が実装端子125cに、プローブPB6が実装端子125dに当接される。なお、プローブPB3が当接されている実装端子125aを一例として説明する。図8の点線Eに囲まれた部分に示されたように、実装端子125aは+X側の貫通孔BHaに接続され、−X側の貫通孔BHbと離れて形成されている。また、実装端子125aとZ’軸方向で隣り合った実装端子は−X側の貫通孔BHbに接続され、+X側の貫通孔BHaと離れて形成されている。一方、実装端子125aはZ’軸方向で隣り合った実装端子とは隙間SPを形成するように離れて形成されているので、Z’軸方向で隣り合った実装端子とは絶縁されている。つまり、実装端子125aはX軸方向及びZ’軸方向で隣り合った実装端子と絶縁されている。同様に、実装端子125b〜125dも、実装端子125aと同様にX軸方向及びZ’軸方向で隣り合った実装端子と絶縁されている。そのため、隣り合った第1圧電発振器100の影響を与えずに各第1圧電発振器100の発振状態をそれぞれに測定することができる。
【0063】
第1実施形態では、まず水晶振動片10の周波数が測定され、次に第1圧電発振器100の発振状態が測定されているが、逆にまず第1圧電発振器100の発振状態が測定され、次に水晶振動片10の周波数が測定されてもよい。
【0064】
ステップS19では、接合されたリッドウエハ11Wとベースウエハ12Wとが図6〜図8に示されたスクライブラインSLに沿って切断される。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて行われる。
【0065】
(第2実施形態)
<第2圧電発振器200の全体構成>
第2実施形態の第2圧電発振器200としては温度補償水晶発振器(TCXO)を一例として説明する。第2圧電発振器200の全体構成について、図10〜図13を参照しながら説明する。図10は、第2実施形態の第2圧電発振器200の分解斜視図である。図11は、第1ベース部21の平面図である。図12(a)は第1ベース部側21から見た水晶振動片20の平面図で、図12(b)は第1ベース部側21から見た水晶振動片20の透明図である。図13は水晶振動片20側から見た第2ベース部22の透明図である。第2実施形態において、第1実施形態で説明された構成要件については同じ符号を付して説明する。
【0066】
図10に示されたように、第2圧電発振器200は第1ベース部21と、第2ベース部22と、第1ベース部21に載置される電子回路素子13と、第1ベース部21及び第2ベース部22に挟まれた水晶振動片20とを備える。
【0067】
まず、第1ベース部21について、図10及び図11を参照しながら詳しく説明する。第1ベース部21のベース凹部211内には、電子回路素子13の回路端子131a〜131dに対応する4つの回路端子載置部217a〜217dが形成されている。電子回路素子13の圧電端子132a、132bに対応する一対の圧電端子載置部218a、218bがさらに形成されている。
【0068】
また、第1ベース部21はX軸方向に伸びた平行な両辺に8つのキャスタレーションが形成され、Z’軸方向に伸びた平行な両辺に4つのキャスタレーションが形成されている。具体的には、+Z’側の一辺に−X側からキャスタレーション212a、212k、212j、212hが形成されている。−Z’側の一辺には、−X側からキャスタレーション212d、212m、212n、212eが形成されている。+X側の一辺にはキャスタレーション212f、212gが形成され、−X側の一辺にはキャスタレーション212b、212cが形成されている。
【0069】
各キャスタレーションには側面電極がそれぞれ形成されている。具体的には、キャスタレーション212a〜212hには側面電極213a〜213hが形成され、キャスタレーション212j、212kには側面電極213j、213kが形成され、キャスタレーション212m、212nには側面電極213m、213nが形成されている。
【0070】
さらに、第1ベース部21のベース凹部211側の面には、側面電極213aと回路端子載置部217aとを連結する連結電極214a、側面電極213cと回路端子載置部217bとを連結する連結電極214c、側面電極213eと回路端子載置部217cとを連結する連結電極214e、側面電極213gと回路端子載置部217dとを連結する連結電極214gが形成されている。また側面電極213jと圧電端子載置部218aとを接続する接続電極215j、及び側面電極213mと圧電端子載置部218bとを接続する接続電極215mが形成されている。すなわち、X軸方向及びZ’軸方向で対応する一対のキャスタレーションの一方のみから連結電極214a、214c、214e、214g及び接続電極215j、215mがそれぞれ形成されている。
【0071】
なお、連結電極214a、214c、214e、214g及び接続電極215j、215mは、これらの電極が形成されていないキャスタレーション212b、212d、212f、212h、212k、212nと所定距離離れて形成される。これにより、これらのキャスタレーションに形成された側面電極は、連結電極214a、214c、214e、214g及び接続電極215j、215mと絶縁されている。
【0072】
次に、水晶振動片20について、図10及び図12を参照しながら詳しく説明する。水晶振動片20は、両面に励振電極204a、204bが形成された水晶振動部201と、水晶振動部201を囲む枠体207とで構成されている。ここで、水晶振動部201のY’軸方向の厚さは枠体207より薄く形成されている。また、水晶振動部201と枠体207との間には、水晶振動部201から+X軸方向に沿って伸びるように枠体207と連結した一対の支持部208a、208bを有している。このため、水晶振動部201と枠体207との間に貫通開口部206が形成される。
【0073】
水晶振動片20は、枠体207における図11に示された第1ベース部21とY’軸方向で対応する位置にキャスタレーション202a〜202h、202j、202k、202m、202nが形成されている。また、各キャスタレーションには側面電極203a〜203h、203j、203k、203m、203nがそれぞれ形成されている。
【0074】
図12(a)に示されたように、水晶振動片20には励振電極204aから引き出されて支持部208a及び枠体207を介して側面電極203jに接続されている引出電極205aが形成されている。また図12(b)に示されたように、水晶振動片20には励振電極204bから引き出されて支持部208b及び枠体207を介して側面電極203mに接続されている引出電極205bが形成されている。
【0075】
最後に、第2ベース部22について、図10及び図13を参照しながら詳しく説明する。第2ベース部22は+Y’側にベース凹部221を有している。図12に示された水晶振動片20とY’軸方向で対応する位置にキャスタレーション222a〜222h、222j、222k、222m、222nが形成されている。また、各キャスタレーションには側面電極223a〜223h、223j、223k、223m、223nがそれぞれ形成されている。
【0076】
また図13に示されたように、第2ベース部22の実装面の四隅には4つの実装端子225a〜225dが形成されている。なお、実装端子225aは側面電極223aと導電され側面電極223bと絶縁されるように形成されている。実装端子225bは側面電極223cと導電され側面電極223dと絶縁されるように形成されている。実装端子225cは側面電極223eと導電され側面電極223fと絶縁されるように形成されている。実装端子225dは側面電極223gと導電され側面電極223hと絶縁されるように形成されている。ここで、実装端子と側面電極との絶縁は、実装端子と側面電極との間に所定の幅の隙間SPを形成することにより実現することができる。また、実装端子225a〜225dは第2ベース部22の縁部とそれぞれ所定幅の隙間SPを形成するように離れて形成されている。
【0077】
第2実施形態において、第2圧電発振器200のXZ’平面でのサイズが2000μm×1600μmである際、キャスタレーションのX軸方向の長さL1を200μm程度に、Z’軸方向の深さH1を140μm程度にすることが好ましい。また、X軸方向でのキャスタレーション同士の距離W1を少なくとも240μmに、Z’軸方向でのキャスタレーション同士の距離W2を少なくとも312μmにすることが好ましい。
【0078】
<第2圧電発振器200の組み立て>
図10に示されたように、電子回路素子13が金属バンプBP(図3を参照)で第1ベース部21に載置され、第1ベース部21及び第2ベース部22は水晶振動片20を挟むように水晶振動片20の両面に封止材(図示しない)により接合される。封止材としては、第1実施形態と同一の低融点ガラスが用いられる。
【0079】
これにより、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225aは第2ベース部22の側面電極223a、水晶振動片20の側面電極203a、第1ベース部21の側面電極213a及び連結電極214aを介して回路端子載置部217aに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225aは電子回路素子13の回路端子131aに導電される。実装端子225bは第2ベース部22の側面電極223c、水晶振動片20の側面電極203c、第1ベース部21の側面電極213c及び連結電極214cを介して回路端子載置部217bに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225bは電子回路素子13の回路端子131bに導電される。実装端子225cは第2ベース部22の側面電極223e、水晶振動片20の側面電極203e、第1ベース部21の側面電極213e及び連結電極214eを介して回路端子載置部217cに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225cは電子回路素子13の回路端子131cに導電される。実装端子225dは第2ベース部22の側面電極223g、水晶振動片20の側面電極203g、第1ベース部21の側面電極213g及び連結電極214gを介して回路端子載置部217dに導電される。すなわち、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225dは電子回路素子13の回路端子131dに導電される。
【0080】
一方、電子回路素子13の圧電端子132aは第1ベース部21の圧電端子載置部218a、接続電極215j、側面電極213j及び水晶振動片20の引出電極205aを介して水晶振動片20の励振電極204aに導電される。同様に、電子回路素子13の圧電端子132bは第1ベース部21の圧電端子載置部218b、接続電極215m、側面電極213m及び水晶振動片20の引出電極205bを介して水晶振動片20の励振電極204bに導電される。
【0081】
上述のように組み立てると、第2ベース部22の実装面に形成された実装端子225a〜225dと水晶振動片20の励振電極204a、204bとが導電されて水晶振動部201が所定周波数ですべり振動することができる。
【0082】
<第2圧電発振器200の製造方法>
図14は、第2圧電発振器200の製造を示したフローチャートである。図14において、水晶振動片20の製造ステップS20と、第1ベース部21の製造ステップS21と、第2ベース部22の製造ステップS22と、電子回路素子13の製造ステップS23は並行して製造することができる。また、図15は複数の水晶振動片20を同時に製造できる水晶ウエハ20Wの平面図で、図16は複数の第1ベース部21を同時に製造できる第1ベースウエハ21Wの平面図である。図17は複数の第2ベース部22を同時に製造できる第2ベースウエハ22Wの透明図ある。
【0083】
ステップS20では、水晶振動片20が製造される。ステップS20はステップS201及びS202を含んでいる。
ステップS201において、図15に示されたように、均一の水晶ウエハ20Wにエッチングにより複数の水晶振動片20の外形が形成される。すなわち、エッチングにより水晶振動部201の厚さが枠体207の厚さより薄く形成され、各水晶振動片20に貫通開口部206が形成される。同時に、1つの水晶振動片20あたりのZ’軸方向に伸びた一辺に2つずつ、X軸方向に伸びた一辺に4つずつに貫通孔CHが形成されている。
【0084】
ステップS202において、まずスパッタリングまたは真空蒸着によって図15に示されたように水晶ウエハ20W両面及び側面に励振電極204a、204b及び引出電極205a、205bが形成され、各貫通孔CHの側面に側面電極が形成される(図12を参照)。
【0085】
ステップS21では、第1ベース部21が製造される。ステップS21はステップS211及びS212を含んでいる。
【0086】
ステップS211において、エッチングにより複数の第1ベース部21の外形が製造される。図16に示されたように、均一厚さの水晶平板の第1ベースウエハ21Wにベース凹部211及び貫通孔BHが形成される。具体的には、1つの第1ベース部21あたりのZ’軸方向に伸びた一辺に2つずつ、X軸方向に伸びた一辺に4つずつに貫通孔BHが形成されている。
【0087】
ステップS212において、スパッタリングまたは真空蒸着より第1ベースウエハ21Wに各電極が形成される。具体的には、第1ベースウエハ21Wの表面に回路端子載置部217a〜217d、圧電端子載置部218a、218b、連結電極及び接続電極が形成され、各貫通孔BHの側面に側面電極がそれぞれ形成される(図11を参照)。なお、各貫通孔BHに形成された側面電極に導電されている連結電極及び接続電極は、一方向のみからベース凹部211側に伸びている。つまり、各貫通孔BHに形成された側面電極は1つの連結電極又は接続電極のみに導電され、ほかの連結電極及び接続電極と絶縁されている。
【0088】
ステップS22では、第2ベース部22が製造される。ステップS22はステップS221及びS222を含んでいる。
ステップS221において、エッチングにより複数の第2ベース部22の外形が製造される。図17に示されたように、均一厚さの水晶平板の第2ベースウエハ22Wにベース凹部221及び貫通孔BHが形成される。具体的には、1つの第2ベース部22あたりのZ’軸方向に伸びた一辺に2つずつ、X軸方向に伸びた一辺に4つずつに貫通孔BHが形成されている。
【0089】
ステップS222において、図17に示されたようにスパッタリングまたは真空蒸着によって第2ベースウエハ22Wの実装面に実装端子225a〜225dがそれぞれ形成され、貫通孔BHの側面には側面電極がそれぞれ形成される(図13を参照)。なお、実装端子はその領域内の1つの側面電極のみに導電され、側面電極はX軸方向又はZ’軸方向で隣り合った2つの実装端子中の1つのみに導電されている。その電極の形成方法は図9の説明と同じであるので、説明を省略する。
【0090】
ステップS23では、図10で説明されたように4つの回路端子131a〜131d及び一対の圧電端子132a、132bを有する複数の電子回路素子13が製造される。
【0091】
ステップS24では、ステップS13で製造された複数の電子回路素子13が第1ベースウエハ21Wのベース凹部211内にそれぞれ載置される。このとき、電子回路素子13は回路端子131a〜131dが回路端子載置部217a〜217dに対応し、圧電端子132a、132bが圧電端子載置部218a、218bに対応するように金属バンプBPを介してベース凹部211内に配置される(図3を参照)。
【0092】
ステップS25では、ステップS21で製造された第1ベースウエハ21WとステップS20で製造された水晶ウエハ20WとステップS22で製造された第2ベースウエハ22Wとが加熱、押圧により封止材としての低融点ガラスで接合される。これにより、第2ベースウエハ22Wに形成された4つの実装端子が電子回路素子13の4つの回路端子にそれぞれ導電され、電子回路素子13の一対の圧電端子が水晶ウエハ20Wに形成された一対の励振電極にそれぞれ導電される。
【0093】
ステップS26では、一対の周波数測定用のプローブPB1、PB2(図16を参照)を同じ第1ベース部21の一対の接続電極215j、215mにそれぞれ当接し、1つ1つの水晶振動片20の振動周波数が測定される。図16に示されたように、1つの貫通孔BHに形成された側面電極は例えば接続電極215jのみに導電され、又は接続電極215mのみに導電されている。つまり、各接続電極215j、215mはそれぞれ絶縁されている。そのため、隣り合った水晶振動片20の影響を与えずに各水晶振動片20の周波数をそれぞれに測定することができる。
【0094】
ステップS27では、4つの発振器状態測定用のプローブPB3〜PB6(図17を参照)を同じ第2ベース部22の4つの実装端子225a〜225dにそれぞれ当接し、1つ1つの第2圧電発振器200の発振状態が測定される。図17に示されたように、1つの貫通孔BHに形成された側面電極は例えば実装端子225aのみ、実装端子225bのみ、実装端子225cのみ、実装端子225dのみに導電されている。つまり、各実装端子225a〜225dはそれぞれ絶縁されている。そのため、隣り合った第2圧電発振器200の影響を与えずに各第2圧電発振器200の発振状態をそれぞれに測定することができる。
【0095】
ステップ28では、接合された第1ベースウエハ21Wと水晶ウエハ20Wと第2ベースウエハ22Wとが図15〜図17に示されたスクライブラインSLに沿って切断される。切断工程では、レーザーを用いたダイシング装置、または切断用ブレードを用いたダイシング装置などを用いて行われる。
【0096】
(変形例1)
変形例1については、図18を参照しながら説明する。図18は、変形例1の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。図18では、第2実施形態の第1ベースウエハ、水晶ウエハ又は第2ベースウエハを「ウエハ30W」と総称する。また、第1ベース部、水晶振動片又は第2ベース部を「単体30」と総称する。さらに、貫通孔BHの側面全面には側面電極が形成されている。但し、図18では説明を助けるために、1つの貫通孔BHにおいて、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられる単体30側には色を付け、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられない単体30側には色を付けないように描かれている。
【0097】
図18に示されたように、ウエハ30Wの貫通孔BHは第2実施形態と同一に配置されている。すなわち、単体30において貫通孔BHがX軸方向に伸びた辺に4つ、Z’軸方向に伸びた辺に2つずつ配置されている。但し、変形例1ではZ’軸方向に伸びた辺に形成された貫通孔BHの側面電極を介して、電子回路素子13の圧電端子(図10を参照)と水晶振動片20の励振電極(図10を参照)とが導電される。また、X軸方向に伸びた辺に形成された貫通孔BHの側面電極を介して、電子回路素子13の回路端子(図10を参照)と第2ベース部22の実装端子(図10を参照)とが導電される。
【0098】
図18に示されたウエハ30Wの単体30において、X軸方向又はZ’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続されている。つまり、これらの連結電極、接続電極又は実装端子が隣り合った単体30の連結電極、接続電極又は実装端子とは絶縁されている。これにより、図14のステップS16及びS17で圧電振動片の周波数及び圧電発振器の発振状態を測定する際に、隣り合った圧電振動片又は圧電発振器の影響を与えず、正確に測定することができる。
【0099】
(変形例2)
変形例2については、図19を参照しながら説明する。図19は、変形例2の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。図19では、第2実施形態の第1ベースウエハ、水晶ウエハ又は第2ベースウエハを「ウエハ40W」と総称する。また、第1ベース部、水晶振動片又は第2ベース部を「単体40」と総称する。さらに、貫通孔BHの側面全面には側面電極が形成されている。但し、図19では説明を助けるために、1つの貫通孔BHにおいて、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられる単体40側には色を付け、この貫通孔BHに形成された側面電極が用いられない単体40側には色を付けないように描かれている。
【0100】
図19に示されたように、ウエハ40Wの貫通孔BHは、単体40において貫通孔BHがX軸方向に伸びた辺のみに6つずつ配置されている。変形例2では、単体40における12個の貫通孔BH中の4つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の回路端子(図10を参照)と第2ベース部22の実装端子(図10を参照)とが導電される。また、単体40における12個の貫通孔BH中の2つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の圧電端子(図10を参照)と水晶振動片20の励振電極(図10を参照)とが導電される。
【0101】
図19に示されたウエハ40Wの単体40において、Z’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続されている。つまり、これらの連結電極、接続電極又は実装端子が隣り合った単体40の連結電極、接続電極又は実装端子とは絶縁されている。これにより、図14のステップS16及びS17で圧電振動片の周波数及び圧電発振器の発振状態を測定する際に、隣り合った圧電振動片又は圧電発振器の影響を与えず、正確に測定することができる。
【0102】
(変形例3)
変形例3については、図20を参照しながら説明する。図20は、変形例3の貫通孔の分布を示したウエハの部分概略図である。図20では、第2実施形態の第1ベースウエハ、水晶ウエハ又は第2ベースウエハを「ウエハ50W」と総称する。また、第1ベース部、水晶振動片又は第2ベース部を「単体50」と総称する。さらに、貫通孔BHの側面全面には側面電極が形成されている。但し、図20では説明を助けるために、1つの貫通孔BHにおいて、貫通孔BHに形成された側面電極が用いられる単体50側には色を付け、この貫通孔BHに形成された側面電極が用いられない単体50側には色を付けないように描かれている。
【0103】
図20に示されたようにウエハ50Wの貫通孔BHは、X軸方向に伸びた辺に3つ、Z’軸方向に伸びた辺に3つずつ配置されている。単体50における12個の貫通孔BH中の4つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の回路端子(図10を参照)と第2ベース部22の実装端子(図10を参照)とが導電される。また、単体50における12個の貫通孔BH中の2つに形成された側面電極を介して、電子回路素子13の圧電端子(図10を参照)と水晶振動片20の励振電極(図10を参照)とが導電される。
【0104】
図20に示されたウエハ50Wの単体50において、X軸方向又はZ’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続されている。つまり、これらの連結電極、接続電極又は実装端子が隣り合った単体50の連結電極、接続電極又は実装端子とは絶縁されている。これにより、図14のステップS16及びS17で圧電振動片の周波数及び圧電発振器の発振状態を測定する際に、隣り合った圧電振動片又は圧電発振器の影響を与えず、正確に測定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
【0106】
例えば、本明細書ではATカットされた水晶振動片を一例として説明したが、一対の振動腕を有する音叉型水晶振動片にも適用される。
【0107】
また、本明細書では低融点ガラスによりベースウエハと、水晶ウエハと、リッドウエハとが接合されているが、低融点ガラスの代わりにポリイミド樹脂を用いられてもよい。ポリイミド樹脂が用いられる場合においては、スクリーン印刷でもよいし、感光性のポリイミド樹脂を全面に塗布した後に露光することもできる。
【0108】
また、本明細書では水晶振動片が使用されたが、水晶以外にタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料を利用することができる。
【0109】
さらに、変形例としては、本明細書の変形例1〜変形例3以外にもいろいろな組み合わせが可能である。但し、1つの単体において、X軸方向又はZ’軸方向で対応する一対の貫通孔BH中の一方のみに連結電極、接続電極又は実装端子が接続される必要がある。
【符号の説明】
【0110】
10、20 … 水晶振動片、 10W、20W … 水晶ウエハ
11 … リッド部、 11W … リッドウエハ
12、21、22 … ベース部、 12W、21W、22W … ベースウエハ
13 … 電子回路素子
30、40、50 … 単体、 30W、40W、50 … ウエハ
100、200 … 圧電発振器
101 … 水晶片
102a、102b、204a、204b … 励振電極
103a、103b、205a、205b … 引出電極
111、121、211、221 … 凹部
112a〜112d、122a〜122h、202a〜202h、202j、202k、202m、202n、212a〜212h、212j、212k、212m、212n、222a〜222h、222j、222k、222m、222n … キャスタレーション
113a、113b … 測定電極
123a〜123h、203a〜203h、203j、203k、203m、203n、213a〜213h、213j、213k、213m、213n、223a〜223h、223j、223k、223m、223n … 側面電極
124a、124c、124e、124g、214a、214c、214e、214g … 連結電極
125a〜125d、225a〜225d … 実装端子
126a、126b、215j、215m … 接続電極
127a〜127d、227a〜227d … 回路端子載置部
128a、128b、228a、228b … 圧電端子載置部
131a〜131d … 回路端子
132a、132b … 圧電端子
201 … 水晶振動部
206 … 貫通開口部
207 … 枠体
208a、208b … 支持部
BH、CH … 貫通孔
BP … 金属バンプ
CT … キャビティ
PB1〜PB6 …
SL … スクライブライン
SP … 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧の印加により振動する圧電振動片と、
前記圧電振動片を振動させ、複数の回路端子を有する電子回路素子と、
複数の実装端子が形成された実装面と、前記実装面と反対側の接合面と、前記実装面と前記接合面とを結ぶ外周に外周から凹んだ複数の第1キャスタレーション及び第2キャスタレーションとを有するベース部と、を備え、
前記第1キャスタレーションには前記電子回路素子の前記回路端子と前記ベース部の前記実装端子とをそれぞれ導電させる第1側面電極が形成され、
前記第2キャスタレーションには前記電子回路素子の前記回路端子及び前記ベース部の前記実装端子と絶縁されている第2側面電極が形成される圧電発振器。
【請求項2】
前記回路端子、前記実装端子、前記第1側面電極及び前記第2側面電極の数量は同一である請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記実装端子と前記第2キャスタレーションとは、前記実装面で所定距離離れて形成される請求項1又は請求項2に記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記圧電振動片は両主面に一対の励振電極が形成され、
前記電子回路素子は一対の圧電端子を有し、
前記ベース部は外周に外周から凹んだ一対の第3キャスタレーション及び一対の第4キャスタレーションを有し、
前記第3キャスタレーションには前記一対の圧電端子と前記一対の励振電極とをそれぞれ導電させる第3側面電極が形成され、
前記第4キャスタレーションには前記圧電端子及び前記励振電極と絶縁されている第4側面電極が形成される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電発振器。
【請求項5】
前記実装端子と前記第4キャスタレーションとは、前記実装面で所定距離離れて形成される請求項4に記載の圧電発振器。
【請求項6】
第1面が前記ベース部に接合され、前記第1面の反対側の第2面に一対の測定電極が形成され、
外周に外周から凹んだ一対の第5キャスタレーション及び一対の第6キャスタレーションが形成され、
前記第5キャスタレーションには前記励振電極と前記測定電極を導電させる第5側面電極が形成され、
前記第6キャスタレーションには前記励振電極及び前記測定電極と絶縁される第6側面電極が形成されるリッド部を備える請求項4又は請求項5に記載の圧電発振器。
【請求項7】
前記圧電振動片は、前記電圧が印加されて振動する振動部と前記振動部を囲み一主面が前記ベース部に接合され他主面が前記リッド部に接合される枠体とを有する請求項6に記載の圧電発振器。
【請求項8】
両主面に一対の励振電極が形成された圧電振動片と前記圧電振動片を発振させ複数の回路端子を有する電子回路素子とを備える圧電発振器の製造方法であって、
第1面を有する複数のリッド部を含むリッドウエハを用意する工程と、
実装面及び前記実装面の反対側の接合面を有し、複数の実装端子が前記実装面に形成されている複数のベース部を含むベースウエハを用意する工程と、
前記リッドウエハ及び前記ベースウエハのいずれか一方に前記圧電振動片又は前記電子回路素子を搭載し、前記電子回路素子の前記回路端子と前記ベースウエハの前記実装端子とが導電されるように、前記リッドウエハの前記第1面と前記ベースウエハの接合面とを接合する接合工程と、
前記接合工程後、前記実装端子を介して前記圧電発振器の発振状態を測定する発振状態測定工程と、
前記発振状態測定工程後、前記リッドウエハと前記ベースウエハとを前記圧電発振器を単位として切断する切断工程と、
を備える圧電発振器の製造方法。
【請求項9】
前記リッドウエハを用意する工程では、前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面には一対の測定電極が形成される複数のリッド部を含むリッドウエハを用意し、
前記接合工程では、前記圧電振動片の前記励振電極と前記リッドウエハの前記測定電極とが導電されるように、前記リッドウエハの前記第1面と前記ベースウエハの接合面とを接合し、
前記接合工程後及び前記切断工程前に、前記測定電極を介して前記圧電振動片の周波数を測定する周波数測定工程を備える請求項8に記載の圧電発振器の製造方法。
【請求項10】
前記ベースウエハに前記接合面から前記実装面まで貫通した第1貫通孔及び第2貫通孔を形成する工程と、
前記第1貫通孔に第1側面電極を形成し、前記第2貫通孔に第2側面電極を形成する工程と、を備え、
前記実装端子と前記回路端子とは、前記第1側面電極を介して導電され、前記第2側面電極と絶縁されている請求項8又は請求項9に記載の圧電発振器の製造方法。
【請求項11】
前記リッドウエハに前記第1面から前記第2面まで貫通した第5貫通孔及び第6貫通孔を形成する工程と、
前記第5貫通孔に第5側面電極を形成し、前記第6貫通孔に第6側面電極を形成する工程と、を備え、
前記励振電極と前記測定電極とは、前記第5側面電極を介して導電され、前記第6側面電極と絶縁されている請求項9又は請求項10に記載の圧電発振器の製造方法。
【請求項1】
電圧の印加により振動する圧電振動片と、
前記圧電振動片を振動させ、複数の回路端子を有する電子回路素子と、
複数の実装端子が形成された実装面と、前記実装面と反対側の接合面と、前記実装面と前記接合面とを結ぶ外周に外周から凹んだ複数の第1キャスタレーション及び第2キャスタレーションとを有するベース部と、を備え、
前記第1キャスタレーションには前記電子回路素子の前記回路端子と前記ベース部の前記実装端子とをそれぞれ導電させる第1側面電極が形成され、
前記第2キャスタレーションには前記電子回路素子の前記回路端子及び前記ベース部の前記実装端子と絶縁されている第2側面電極が形成される圧電発振器。
【請求項2】
前記回路端子、前記実装端子、前記第1側面電極及び前記第2側面電極の数量は同一である請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記実装端子と前記第2キャスタレーションとは、前記実装面で所定距離離れて形成される請求項1又は請求項2に記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記圧電振動片は両主面に一対の励振電極が形成され、
前記電子回路素子は一対の圧電端子を有し、
前記ベース部は外周に外周から凹んだ一対の第3キャスタレーション及び一対の第4キャスタレーションを有し、
前記第3キャスタレーションには前記一対の圧電端子と前記一対の励振電極とをそれぞれ導電させる第3側面電極が形成され、
前記第4キャスタレーションには前記圧電端子及び前記励振電極と絶縁されている第4側面電極が形成される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の圧電発振器。
【請求項5】
前記実装端子と前記第4キャスタレーションとは、前記実装面で所定距離離れて形成される請求項4に記載の圧電発振器。
【請求項6】
第1面が前記ベース部に接合され、前記第1面の反対側の第2面に一対の測定電極が形成され、
外周に外周から凹んだ一対の第5キャスタレーション及び一対の第6キャスタレーションが形成され、
前記第5キャスタレーションには前記励振電極と前記測定電極を導電させる第5側面電極が形成され、
前記第6キャスタレーションには前記励振電極及び前記測定電極と絶縁される第6側面電極が形成されるリッド部を備える請求項4又は請求項5に記載の圧電発振器。
【請求項7】
前記圧電振動片は、前記電圧が印加されて振動する振動部と前記振動部を囲み一主面が前記ベース部に接合され他主面が前記リッド部に接合される枠体とを有する請求項6に記載の圧電発振器。
【請求項8】
両主面に一対の励振電極が形成された圧電振動片と前記圧電振動片を発振させ複数の回路端子を有する電子回路素子とを備える圧電発振器の製造方法であって、
第1面を有する複数のリッド部を含むリッドウエハを用意する工程と、
実装面及び前記実装面の反対側の接合面を有し、複数の実装端子が前記実装面に形成されている複数のベース部を含むベースウエハを用意する工程と、
前記リッドウエハ及び前記ベースウエハのいずれか一方に前記圧電振動片又は前記電子回路素子を搭載し、前記電子回路素子の前記回路端子と前記ベースウエハの前記実装端子とが導電されるように、前記リッドウエハの前記第1面と前記ベースウエハの接合面とを接合する接合工程と、
前記接合工程後、前記実装端子を介して前記圧電発振器の発振状態を測定する発振状態測定工程と、
前記発振状態測定工程後、前記リッドウエハと前記ベースウエハとを前記圧電発振器を単位として切断する切断工程と、
を備える圧電発振器の製造方法。
【請求項9】
前記リッドウエハを用意する工程では、前記第1面の反対側の第2面を有し、前記第2面には一対の測定電極が形成される複数のリッド部を含むリッドウエハを用意し、
前記接合工程では、前記圧電振動片の前記励振電極と前記リッドウエハの前記測定電極とが導電されるように、前記リッドウエハの前記第1面と前記ベースウエハの接合面とを接合し、
前記接合工程後及び前記切断工程前に、前記測定電極を介して前記圧電振動片の周波数を測定する周波数測定工程を備える請求項8に記載の圧電発振器の製造方法。
【請求項10】
前記ベースウエハに前記接合面から前記実装面まで貫通した第1貫通孔及び第2貫通孔を形成する工程と、
前記第1貫通孔に第1側面電極を形成し、前記第2貫通孔に第2側面電極を形成する工程と、を備え、
前記実装端子と前記回路端子とは、前記第1側面電極を介して導電され、前記第2側面電極と絶縁されている請求項8又は請求項9に記載の圧電発振器の製造方法。
【請求項11】
前記リッドウエハに前記第1面から前記第2面まで貫通した第5貫通孔及び第6貫通孔を形成する工程と、
前記第5貫通孔に第5側面電極を形成し、前記第6貫通孔に第6側面電極を形成する工程と、を備え、
前記励振電極と前記測定電極とは、前記第5側面電極を介して導電され、前記第6側面電極と絶縁されている請求項9又は請求項10に記載の圧電発振器の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−186706(P2012−186706A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49136(P2011−49136)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
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