説明

圧電発振器

【課題】小型な圧電発振器、さらに、追従性の優れた温度補償機能を有する圧電発振器を提供することを課題としている。
【解決手段】少なくとも、励振電極46が形成された圧電振動片35と、該圧電振動片35を収容するパッケージ底部31と、該パッケージ底部31と接合され、前記圧電振動片35を気密封止する蓋体39とからなる圧電発振器であって、前記パッケージ底部31および蓋体39は半導体基板で構成され、前記パッケージ底31部および蓋体39の表面には、半導体集積回路プロセスにより回路パターン32、40が形成され、さらに、温度検知部43が、前記圧電振動片35の励振電極46の最近傍となる位置に配置される圧電発振器とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内部に圧電振動片を有する圧電発振器で、特にそのパッケージが半導体から成るものに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の電子機器の多くは、制御部にマイクロコントローラなどを有しており、その基準クロックを発生させるため、圧電振動子および圧電発振器は必須の電子部品となっている。このうち圧電発振器は、圧電振動片と発振回路を一体化して一つのパッケージとして提供されるのもので、利用する側にとって、一般的に難易度が高いと考えられる周波数の調整や、発振安定度の確保が、あらかじめ製造業者によりなされて提供されるため、利用者はその困難さを避けることができる。さらに、現在、圧電発振器の大口の需要先である携帯電話機などの用途では、広い温度範囲において、高精度の周波数安定度が要求されるので、圧電振動子ではなく、圧電発振器、特に発振周波数の温度補償機能を有する温度補償型圧電発振器が利用されるのが一般的である。
【0003】
携帯電話機は小型化、高機能化のため電子回路基板の高密度実装が必要であるため、それに利用される圧電発振器にも絶え間ない小型化が要求される。しかし、圧電発振器は、一般的に、圧電振動片と、発振回路を構成する半導体集積回路をセラミック製などのパッケージに収容し、金属あるいはガラスなどの蓋で気密封止した構造であるため、半導体集積回路の小型化の限界、それを収納するパッケージ強度確保の必要性などの制限により、小型化が限界に来つつある。
【0004】
図4は従来技術による一般的な構成の圧電発振器の説明図であり、(1)は上面図、(2)は(1)のA−A断面図である。図4における圧電発振器10の外形底面積を決定する要素は、発振回路を内蔵する半導体集積回路12の底面積、十分な機械的強度を保つための大きさを要するパッケージ底部13、さらに、パッケージ底部13に、圧電振動片11および半導体集積回路12を搭載する際に必要な作業空間である。これらの要素は小型化のため最大の努力が払われるが、製造装置からの制約や、パッケージの機械的強度確保の点で限界がある。また、温度補償機能や、電圧制御機能を有する高機能な圧電発振器の場合、それらの機能を半導体集積回路12に内蔵するので、発振回路の規模が大きくなり、半導体集積回路12の面積が増加し、圧電発振器10の外形底面積を決定する上で支配的になる。
【0005】
上記小型化の限界を解決するための従来技術として、特許文献1に示される圧電発振器がある。図5は特許文献1に示される圧電発振器20の実施例の説明図で、(1)は上面図、(2)は(1)のA−A断面図であ。小型化を達成する手段として、電気絶縁性材料からなる平板21の一方面側に集積回路素子26の回路パターン22を形成し、前記平板21の他方面側に圧電振動片25を実装するキャビティ27を形成して、前記キャビティ27の内部に前記圧電振動片25を実装している。回路パターン22には外部接続用の電極パッド23が接続されており、該電極パッド23を除く回路パターン22の表面は、ポリイミド被膜24によって保護されている。平板21の上面には接着剤29を介してリッド28が封着され圧電発振器が構成されている。しかしながら、特許文献1による技術によっても、集積回路に要する面積が、外形底面積を決定する上で支配的であり、上述した温度補償機能や、電圧制御機能を有する圧電発振器の場合は、集積回路素子26の回路パターン22の規模が大きく、面積が増大するので、小型化に対して依然として限界がある。
【0006】
また、温度補償機能を有する圧電発振器は、温度検知部を必要とするが、温度補償機能は、温度変化による圧電振動片の発振周波数変化を補償するための機能なので、温度検知部は圧電振動片に最近接して配置するのが望ましい。しかしながら、特許文献1に示される従来技術による圧電発振器において、温度検知部を設置できるのは、集積回路素子の回路パターン部であり、パッケージの底面を挟んで、圧電振動片の反対面になってしまう。このような構成では、周囲温度変化があった場合、温度検知部が検知する温度変化が、圧電振動片の温度変化に十分に追従できず、正確な温度補償ができない。さらに、図1に示す一般的な圧電発振器10においても、半導体集積回路内12に設ける温度検知部は、回路配置制約上の問題があり、最適な位置、すなわち圧電振動片に最近接して設置できるとは限らない。
【特許文献1】特開2004−214787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来技術における問題点を鑑み、本発明は、小型な圧電発振器、さらに、追従性の優れた温度補償機能を有する圧電発振器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を達成するため、本発明による圧電発振器は、少なくとも、励振電極が形成された圧電振動片と、該圧電振動片を収容するパッケージ底部と、該パッケージ底部と接合され、前記圧電振動片を気密封止する蓋体とからなる圧電発振器であって、前記パッケージ底部および蓋体は半導体基板で構成され、前記パッケージ底部および蓋体の表面には、半導体集積回路プロセスにより回路パターンが形成されていることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記回路パターンが、温度検知部を有し、該温度検知部は、前記圧電振動片が気密封止される空間内に露出する前記パッケージ底部、若しくは蓋体の表面の一部に形成されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記温度検知部が、前記圧電振動片の励振電極の最近傍となる位置に配置されることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記パッケージ底部表面および前記蓋体の表面に形成された前記回路パターンの各々が、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合面部にまで延在する配線パターンを有し、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合により、前記各々の配線パターンが接続されることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記パッケージ底部および/または前記蓋体の外表面に、外部との接続をなす外部接続電極が形成されており、該外部接続電極と前記回路パターンとは、前記パッケージ底部および/または前記蓋体に形成されたスルーホール、および/または、前記パッケージ底部および/または前記蓋体に形成された配線パターンを介して接続されることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明による圧電発振器は、少なくとも、励振電極が形成された圧電振動片と、該圧電振動片を収容するパッケージ底部と、該パッケージ底部と接合され、前記圧電振動片を気密封止する蓋体とからなる圧電発振器であって、前記パッケージ底部は前記圧電振動片を収容するためのキャビティ構造であり、前記蓋体は平板状半導体基板からなり、前記平板状半導体基板の両主面上には、半導体集積回路プロセスにより回路パターンが形成されていることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記回路パターンが、温度検知部を有し、該温度検知部は、前記圧電振動片が気密封止される空間内に露出する前記平板状半導体基板の表面の一部に形成されていることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記温度検知部が、前記圧電振動片の励振電極の最近傍となるように配置されたことを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記パッケージ底部が、前記パッケージ底部と前記蓋体の接合部まで延在する配線パターンを有し、前記蓋体の表面に形成された前記回路パターンが、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合面部にまで延在する配線パターンを有し、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合により、前記各々の配線パターンが接続されることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記平板状半導体基板の両主面上に形成された各々の前記回路パターンが、前記平板状半導体基板に形成されたスルーホールを介して接続されることを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記蓋体の外表面に、外部との接続をなす外部接続電極が形成されており、該外部接続電極と前記回路パターンとは、前記蓋体に形成されたスルーホール、および/または、前記蓋体に形成された配線パターンを介して接続されることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明による圧電発振器は、少なくとも、励振電極が形成された圧電振動片と、該圧電振動片を収容するパッケージ底部と、該パッケージ底部と接合され、前記圧電振動片を気密封止する蓋体とからなる圧電発振器であって、前記蓋体は前記圧電振動片を収容するためのキャビティ構造であり、前記パッケージ底部は平板状半導体基板からなり、前記平板状半導体基板の両主面上には、半導体集積回路プロセスにより回路パターンが形成されていることを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記回路パターンが、温度検知部を有し、該温度検知部は、前記圧電振動片が気密封止される空間内に露出する前記平板状半導体基板の表面の一部に形成されていることを特徴とする。
【0021】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記温度検知部が、前記圧電振動片の励振電極の最近傍となる位置に配置されたことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記平板状半導体基板の両主面上に形成された各々の前記回路パターンが、前記平板状半導体基板に形成されたスルーホールを介して接続されることを特徴とする。
【0023】
さらに、本発明による圧電発振器は、前記パッケージ底部の外表面に、外部との接続をなす外部接続電極が形成されており、該外部接続電極と前記回路パターンとは、前記パッケージ底部に形成されたスルーホール、および/または、前記パッケージ底部に形成された配線パターンを介して接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、圧電発振器のパッケージ底部および蓋体を半導体基板で構成し、前記パッケージ底部および蓋体の表面に半導体集積回路プロセスにより回路パターンを形成するようにしたので小型な圧電発振器が得られる。さらに、前記構成によれば機能に応じた回路パターンの配置ができ、追従性の優れた温度補償機能を有する圧電発振器を提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明による圧電発振器の最良の実施形態を、実施例を示す説明図を用いて説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明の第一実施例である圧電発振器の説明図で、(1)は上面図、(2)は(1)のA−A断面図である。本実施例の圧電発振器は、温度補償機能を有する圧電発振器(以下TCXOと記す)であるとして説明をする。本実施例のTCXO30は、半導体材料より形成されるパッケージ底部31の第一主面に、半導体プロセスにより、発振回路を含む回路パターン32が形成され、さらにその上部には、回路パターン32を保護するための保護皮膜33および、TCXO30を外部の電子回路に接続するための外部接続電極34および、回路パターン32と外部接続電極34を電気的に接続するための配線パターン(不図示)が設けられている。パッケージ底部31の回路パターン32が形成されている面と反対側の第二主面には、圧電振動片35を格納するためのキャビティ36が形成されている。キャビティ36内には、配線パターン37が施されており、さらに、圧電振動片35を機械的に保持することと、圧電振動片35の励振電極46と配線パターン37を電気的に接続することを目的とするマウント電極45が設けられている。マウント電極45上に、圧電振動片35が接着固定されている。接着の方法は、導電性接着剤が一般的であるが、金属ロー材接合、あるいは、金属結合を利用した圧接なども考えられるが、この限りでない。
【0027】
キャビティ36内の配線パターン37とパッケージ底部31の第一主面に形成された回路パターン(不図示)とは、パッケージ底部31に形成されたスルーホール38を通じて電気的に接続される。スルーホール38の形成方法としては、半導体エッチング技術により貫通孔を形成し、その内面に金属をメッキするのが一般的であるが、機械的加工による孔空け、真空蒸着やスパッタ技術による金属薄膜形成も考えられ、この限りでない。
【0028】
本実施例のTCXO30は、蓋体39が半導体材料により形成されており、蓋体39の第一主面には、半導体プロセスにより回路パターン40が形成されている。さらにその上部には、回路パターン40を保護するための保護皮膜41、および、回路パターン40を他の電子回路に接続するための配線パターン42が設けられている。回路パターン40には、温度補償機能を実現するために必要な温度検知部43が設けられている。温度検知部43は、圧電振動片35の温度変化をできる限り遅延なく検知するために、圧電振動片35の最近近傍となるように、回路パターン40内に配置することが望ましい。しかし、この限りではない。
【0029】
圧電振動片35を搭載したパッケージ底部31および蓋体39は、パッケージ底部31のキャビティ36を気密に保つため、接合部44において封着される。封着の方法は様々な従来技術が採用でき、例えば、金属ロー材を利用した溶着、接合面をイオンビームなどで清浄にした後圧着する原子間結合を利用した接合、等が考えられるが、この限りではない。
【0030】
上述したパッケージ底部31に形成されているキャビティ36内の配線パターン37、および、蓋体39の第一主面上に形成された配線パターン42は、それぞれ、パッケージ底部31と蓋体39が封着される際の接合部44まで延在し、配線パターン37および42の端部には、それぞれ、パッケージ底部31と蓋体39が封着される際に互いに当接する位置に、接合用電極(不図示)が設けられている。パッケージ底部31および蓋体39の接合用電極は、パッケージ底部31と蓋体39が封着される際に、圧接あるいは金属ロー材により電気的に接合され、パッケージ底部31に形成されているキャビティ36内の配線パターン37、および、蓋体39の第一主面上に形成された配線パターン42は電気的に接続される。接合方法として、圧接あるいは金属ロー材を例として述べたが、様々な方法が採用でき、この限りではない。
【0031】
一般的なTCXOは、圧電振動片を発振させるための発振回路、温度補償機能を実現するための回路、温度を検知する温度検知部、制御回路および出力回路などが必要である。特許文献1で示される圧電発振器(図5参照)は、上述した必要な電子回路は、パッケージ底部を構成している平板21に形成された回路パターン22のみに内蔵されており、回路パターン22の面積は圧電発振器20の大きさに対して支配的あるので、圧電発振器20の小型化を制約することになっていた。一方で、本実施例のTCXO30は、必要な電子回路が、パッケージ底部31に形成された回路パターン32、あるいは、蓋体39に形成された回路パターン40のどちらかに含まれる。そのため、それぞれの回路パターンの面積を小さくすることができ、TCXO30の小型化が達成されている。
【0032】
本実施例のTCXO30では、必要な電子回路を、パッケージ底部31に形成された回路パターン32、あるいは、蓋体39に形成された回路パターン40のどちらかに配置するかについては、本実施例のTCXO30は、特許文献1のような構成の圧電発振器よりも配置の自由度が向上するので、温度検知部43を圧電振動片36の最近傍に配置して、温度補償機能の追従性を最適化が達成されている。また、圧電振動片35を励振するための発振回路については、発振特性を考慮して、圧電振動片35への配線が最短になるようマウント電極近傍に配置するのが望ましい。
【実施例2】
【0033】
図2は、本発明の第二実施例である圧電発振器、特にTCXO50の説明図である。パッケージ底部51および蓋体59が半導体材料により構成され、パッケージ底部51には圧電振動片55を格納するためのキャビティ56、キャビティ56内にはマウント電極65と繋がる配線パターン57を有することは実施例1と同一である。本実施例のTCXO50は、蓋体59両主面上に回路パターン52および60が形成されており、その間がスルーホール58により接続されている。前記回路パターン52および60の表面は保護被膜53および61によって保護されている。温度検知部63は、蓋体59の、圧電振動片55が格納されるキャビティ56の空間に面する第一主面上で、圧電振動片55の最近傍になるように、回路パターン52内に配置されている。外部接続電極54は、蓋体59の、第一主面の反対側の第二主面に配置されている。しかしながら、外部接続電極54の配置はこの限りではなく、パッケージ底部51の、キャビティ56が形成されている側と反対の第一主面上に設けても良い。この場合は、パッケージ底部51にスルーホール(不図示)を設けて、キャビティ56内の配線パターン57と接続する。本実施例のTCXO50も、実施例1のTCXO30と同様、必要な電子回路を最適分割することによる小型化と、温度検知部63を圧電振動片55の最近傍に配置することによる、温度補償機能の追従性の改善が達成されている。
【0034】
圧電振動片55を搭載したパッケージ底部51および蓋体59は、パッケージ底部51のキャビティ56を気密に保つため、接合部64において封着される。封着の方法は様々な従来技術が採用でき、例えば、金属ロー材を利用した溶着、接合面をイオンビームなどで清浄にした後圧着する原子間結合を利用した接合、等が考えられるが、この限りではない。
【0035】
上述したパッケージ底部51に形成されているキャビティ56内の配線パターン57、および、蓋体59の第一主面上に形成された配線パターン62は、それぞれ、パッケージ底部51と蓋体59が封着される際の接合部64まで延在し、配線パターン57および62の端部には、それぞれ、パッケージ底部51と蓋体59が封着される際に互いに当接する位置に、接合用電極(不図示)が設けられている。パッケージ底部51および蓋体59の接合用電極は、パッケージ底部51と蓋体59が封着される際に、圧接あるいは金属ロー材により電気的に接合され、パッケージ底部51に形成されているキャビティ56内の配線パターン57、および、蓋体59の第一主面上に形成された配線パターン62は電気的に接続される。接合方法として、圧接あるいは金属ロー材を例として述べたが、様々な方法が採用でき、この限りではない。
【実施例3】
【0036】
図3は、本発明の第三実施例である圧電発振器、特にTCXO70の説明図である。パッケージ底部71は平板の半導体材料より構成されており、その両主面には回路パターン72および80が形成されている。回路パターン72および80の表面は保護被膜73および81によって保護されている。パッケージ底部71の第一主面には外部接続電極74が形成されている。パッケージ底部71の第一主面の反対面である第二主面上には圧電振動片75がマウント電極85上に搭載される。前記回路パターン72とマウント電極85は、配線パターン77を介して電気的に接続される。そして、第一主面および第二主面上の回路パターン72および80は、それぞれがスルーホール78を通して電気的に接続されている。温度検知部83は、パッケージ底部71の第二主面上に形成された回路パターン72内に、圧電振動片75に最近接する位置に配置される。蓋体79は、圧電振動片75を収納する空間を確保するためのキャビティ76を有する。パッケージ底部71と蓋体79は、接合部84にて接合される。実施例1および実施例2では、蓋体は半導体材料から構成されていたが、本実施例のTCXO70は、蓋体79は半導体材料であっても良いが、他の材料で構成されていても良い。本実施例のTCXO70も、実施例1のTCXO30あるいは実施例2のTCXO50と同様、必要な電子回路を最適分割することによる小型化と、温度検知部を圧電振動片の最近傍に配置することによる、温度補償機能の追従性の改善が達成されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明による圧電発振器の第一実施例の説明図
【図2】本発明による圧電発振器の第二実施例の説明図
【図3】説明図本発明による圧電発振器の第三実施例の説明図
【図4】従来技術による一般的な構成の圧電発振器の説明図
【図5】特許文献1に示される圧電発振器の説明図
【符号の説明】
【0038】
10 圧電発振器
11 圧電振動片
12 半導体集積回路
13 パッケージ底部
20 圧電発振器
21 平板
22 回路パターン
23 電極パッド
24 ポリイミド皮膜
25 圧電振動片
26 集積回路素子
27 キャビティ
28 リッド
29 接着剤
30 TCXO
31 パッケージ底部
32 回路パターン
33 保護皮膜
34 外部接続電極
35 圧電振動片
36 キャビティ
37 配線パターン
38 スルーホール
39 蓋体
40 回路パターン
41 保護皮膜
42 配線パターン
43 温度検知部
44 接合部
45 マウント電極
46 励振電極
50 TCXO
51 パッケージ底部
52 回路パターン
53 保護皮膜
54 外部接続電極
55 圧電振動片
56 キャビティ
57 配線パターン
58 スルーホール
59 蓋体
60 回路パターン
61 保護皮膜
62 配線パターン
63 温度検知部
64 接合部
65 マウント電極
70 TCXO
71 パッケージ底部
72 回路パターン
73 保護皮膜
74 外部接続電極
75 圧電振動片
76 キャビティ
77 配線パターン
78 スルーホール
79 蓋体
80 回路パターン
81 保護皮膜
83 温度検知部
84 接合部
85 マウント電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、励振電極が形成された圧電振動片と、該圧電振動片を収容するパッケージ底部と、該パッケージ底部と接合され、前記圧電振動片を気密封止する蓋体とからなる圧電発振器であって、
前記パッケージ底部および蓋体は半導体基板で構成され、前記パッケージ底部および蓋体の表面には、半導体集積回路プロセスにより回路パターンが形成されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項2】
前記回路パターンは、温度検知部を有し、該温度検知部は、前記圧電振動片が気密封止される空間内に露出する前記パッケージ底部、若しくは蓋体の表面の一部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の圧電発振器。
【請求項3】
前記温度検知部が、前記圧電振動片の励振電極の最近傍となる位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の圧電発振器。
【請求項4】
前記パッケージ底部表面および前記蓋体の表面に形成された前記回路パターンの各々は、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合面部にまで延在する配線パターンを有し、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合により、前記各々の配線パターンが接続されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の圧電発振器。
【請求項5】
前記パッケージ底部および/または前記蓋体の外表面には、外部との接続をなす外部接続電極が形成されており、該外部接続電極と前記回路パターンとは、前記パッケージ底部および/または前記蓋体に形成されたスルーホール、および/または、前記パッケージ底部および/または前記蓋体に形成された配線パターンを介して接続されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の圧電発振器。
【請求項6】
少なくとも、励振電極が形成された圧電振動片と、該圧電振動片を収容するパッケージ底部と、該パッケージ底部と接合され、前記圧電振動片を気密封止する蓋体とからなる圧電発振器であって、
前記パッケージ底部は前記圧電振動片を収容するためのキャビティ構造であり、前記蓋体は平板状半導体基板からなり、前記平板状半導体基板の両主面上には、半導体集積回路プロセスにより回路パターンが形成されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項7】
前記回路パターンは、温度検知部を有し、該温度検知部は、前記圧電振動片が気密封止される空間内に露出する前記平板状半導体基板の表面の一部に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の圧電発振器。
【請求項8】
前記温度検知部が、前記圧電振動片の励振電極の最近傍となるように配置されたことを特徴とする請求項7に記載の圧電発振器。
【請求項9】
前記パッケージ底部は、前記パッケージ底部と前記蓋体の接合部まで延在する配線パターンを有し、前記蓋体は、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合部まで延在する配線パターンを有し、前記パッケージ底部と前記蓋体との接合により、前記各々の配線パターンが接続されることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の圧電発振器。
【請求項10】
前記蓋体の両主面上に形成された各々の前記回路パターンは、前記平板状半導体基板に形成されたスルーホールを介して接続されることを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の圧電発振器
【請求項11】
前記蓋体の外表面には、外部との接続をなす外部接続電極が形成されており、該外部接続電極と前記回路パターンとは、前記蓋体に形成されたスルーホール、および/または、前記蓋体に形成された配線パターンを介して接続されることを特徴とする請求項6〜10の何れか1項に記載の圧電発振器。
【請求項12】
少なくとも、励振電極が形成された圧電振動片と、該圧電振動片を収容するパッケージ底部と、該パッケージ底部と接合され、前記圧電振動片を気密封止する蓋体とからなる圧電発振器であって、
前記蓋体は前記圧電振動片を収容するためのキャビティ構造であり、前記パッケージ底部は平板状半導体基板からなり、前記平板状半導体基板の両主面上には、半導体集積回路プロセスにより回路パターンが形成されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項13】
前記回路パターンは、温度検知部を有し、該温度検知部は、前記圧電振動片が気密封止される空間内に露出する前記平板状半導体基板の表面の一部に形成されていることを特徴とする請求項12に記載の圧電発振器。
【請求項14】
前記温度検知部が、前記圧電振動片の励振電極の最近傍となる位置に配置されたことを特徴とする請求項13に記載の圧電発振器。
【請求項15】
前記平板状半導体基板の両主面上に形成された各々の前記回路パターンは、前記平板状半導体基板に形成されたスルーホールを介して接続されることを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の圧電発振器
【請求項16】
前記パッケージ底部の外表面には、外部との接続をなす外部接続電極が形成されており、該外部接続電極と前記回路パターンとは、前記パッケージ底部に形成されたスルーホール、および/または、前記パッケージ底部に形成された配線パターンを介して接続されることを特徴とする請求項12〜15の何れか1項に記載の圧電発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−27477(P2009−27477A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−188838(P2007−188838)
【出願日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(000166948)シチズンファインテックミヨタ株式会社 (438)
【Fターム(参考)】