説明

型、一体ハンドルを備えた熱可塑性容器を吹き込み成形する方法および装置、ならびにそれで生産された容器

本発明は、一体ハンドルを備えた熱可塑性容器を吹き込み成形または吹き込み延伸成形によって生産するための型(1)に関する。本発明によれば、2つの型半部(5)は、横方向に接触面(8)まで移動することのできる2つのそれぞれのインサート(13)を備える。上述のインサート(13)はそれぞれ、2つの伸縮ピストン(14、15)、すなわち、前部スラスト面(16)を有する主ピストン(14)と、主ピストン内に収納されかつ曲線状の前部溶接面(18)を有する二次ピストン(15)とを有する。二次ピストンは、主ピストンが容器の2つの壁ゾーン(A)を互いに接触させた後で移動させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性材料、特に、ポリプロピレンなどのポリオレフィンで作られ、一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造する分野の改良に関し、具体的には、この種の容器を生産するための吹き込み成形用型であって、
互いに対して移動可能であり、
密閉位置で接合面を形成するそれぞれの相互接触面を有し、
互いに接合され、完成後の容器の本体およびショルダの成形キャビティを形成する2つのインプリントをそれぞれが有し、
それぞれの接触面にほぼ垂直であり、型の密閉位置で相互にほぼ揃えられるくぼみであって、
・2つのインサートの少なくとも大部分がそのそれぞれのくぼみに戻される引き込み位置と、
・2つのインサートが、熱溶接される本体の2つの所定の壁ゾーンが相互に接触するまで容器の本体の2つの所定の壁ゾーンを挟むことによって互いに押される伸長位置との間を空気圧によって移動できるピストンを形成する2つのそれぞれのインサートを囲む2つのくぼみをそれぞれが有する少なくとも2つの型半部を有する型に関する。
【背景技術】
【0002】
上記の容器を製造するためのこのように構成された様々な型が公知である(たとえば、フランス特許第2292573号、ヨーロッパ特許第0346518号、ヨーロッパ特許第1169231号、米国特許第6733716号を参照されたい)。
【特許文献1】フランス特許第2292573号
【特許文献2】ヨーロッパ特許第0346518号
【特許文献3】ヨーロッパ特許第1169231号
【特許文献4】米国特許第6733716号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は基本的に、公知の型より効率的であり、同じ容量を有するがハンドルを備えていない熱可塑性容器の生産速度と比べて高い生産速度(通常毎時容器約1500個)で、一体ハンドルを有する容器を生産するのを可能にする、この種の型を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
このために、本発明の第1の態様によれば、本発明は、序言に記載した型を提案するもので、すなわち、本発明によって構成され、特徴とするものは、各インサートが、互いの内部で伸縮する2つのピストン、すなわち、中央に位置する前部スラスト面を有する主ピストンまたはスラストピストンと、および主ピストンに収容され、同軸に配置された二次ピストンまたは溶接ピストンであって、容器の本体の壁ゾーンの周囲と一致する閉じた輪郭に沿って主ピストンの前面を囲む前面を有する二次ピストンまたは溶接ピストンと、二次ピストンの少なくとも前面を熱可塑性材料の軟化温度に維持するために設けられた加熱手段とを有し、主ピストンおよび二次ピストンが、
第1の動作局面では、主ピストンがその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられ、一方、二次ピストンが主ピストン内に引き込まれたままになり、主ピストンの前面が容器の本体の壁の所定のゾーンを押し、
第2の動作局面では、二次ピストンが、その高温の前面が容器の本体の壁ゾーンの周囲に接触してその材料を軟化させ、向かい合うピストンによって壁部が押されることによって壁ゾーンを周方向に密に溶接し、かつ少なくともこの壁ゾーンの周縁に予備マークを付けるように、主ピストンに対してその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられるように構成される。
【0005】
この構成によって、比較的低い温度を有する部分によって材料を押す(または「回し溶接」)局面と、非常に高温の部分、すなわち、これらの高温部分に与えられるナイフ状の形状のために、サイクルの終了時またはその後に中央ブランクを容易に切り離することを可能にする部分による非常に短い溶接局面とが区別される。このため、ハンドルを形成する時間は、非常に短く(通常約0.6s)、製造サイクルの時間(通常約3s)の不都合な延長を生じさせることがない。
【0006】
好ましい実施態様では、各インサートは、
くぼみのチャンバ内に開放して主ピストンをその突き出し位置に押し込む少なくとも1つの主加圧ガス供給チャネルと、
主ピストンをその突き出し位置からその引き込み位置まで戻す手段と、
開口の底部内に開放して二次ピストンをその突き出し位置に押し込む少なくとも1つの二次加圧ガス供給チャネルと、
二次ピストンをその突き出し位置からその引き込み位置まで戻す手段と、
加圧ガスを選択的に、まず主チャネルに供給し、第1の動作局面において二次ピストンが引き込み位置にある状態で主ピストンを移動させ、次に二次チャネルに供給し、第2の動作局面で二次ピストンを移動させるように構成された制御手段とをさらに有するように構成される。
【0007】
このような構成は、吹き込み成形機で一般に利用可能な低圧下の気体(通常、圧力が約7x105Paの空気)に基づいて本発明による手段を動作させるのを可能にする。
【0008】
二次チャネルは、少なくとも1つの較正済み導管であって、主ピストン内で、くぼみのチャンバの方へ向けられたその端面と二次ピストンを収容する開口の底部を形成するその端面との間を延びる導管を容易に有することができ、それによって、主ピストンがその突き出し位置に当接するとき、くぼみに供給された加圧ガスが、較正済み導管を通ってくぼみに入り、二次ピストンをその突き出し位置に押し込み、有利なことに、可動部分が釣り合いのとれた動作を行うように、二次チャネルは、主ピストンの周縁上に分散された複数の較正済み導管を有する。
【0009】
好ましい実施態様では、主ピストンの前部スラスト面は、中央に配置され、かつ主ピストンと一体の軸方向ステムによって支持される前部プレートに付随し、二次ピストンは、中央が中空であり、そのステムを囲んでいる。
【0010】
実施するのが容易な実施態様では、加熱手段は、二次ピストンを加熱するのに適しており、二次ピストンのそれぞれのボアに収容された少なくとも1つの電気カートリッジヒータを有し、したがって、加熱手段は、二次ピストンの周縁上に分散されたそれぞれのボアに収容された複数の電気カートリッジヒータを有することが好ましい。
【0011】
型を正しく動作させるには、容器の本体の壁ゾーンを押す主ピストンが、常に高温に維持される二次ピストンが存在するにもかかわらず低温のままであると好都合である。このために、2つのピストン、主ピストンおよび二次ピストン、を熱的に分離するために、主ピストンと二次ピストンとの間に冷却気体を吹き込み、主ピストンを熱可塑性材料の軟化温度よりかなり低い温度に維持するように構成される。このように、主ピストンは、50℃から100℃の間の温度のままであり、二次ピストンは、130℃から200℃の間、有利には150℃から190℃の間で主ピストンより高い温度に設定される。
【0012】
好ましい実施態様では、二次ピストンの前面は、予備マーク付けまたは場合によっては中央ブランクを切断してハンドルから開口を解放することを容易にするように閉じた輪郭に沿って延びるナイフ状に形作られる。
【0013】
有利なことに、主ピストンをその突き出し位置からその引き込み位置に戻す手段は空気圧手段であり、主ピストンおよびそのくぼみは、複動シリンダを形成するように構成される。
【0014】
さらに有利なことに、二次ピストンを戻す手段は、主ピストンと二次ピストンとの間に挿入された少なくとも1つの戻しばねを有する。
【0015】
本発明は、熱可塑性材料で作られ、かつ一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造する回転式成形装置であって、周縁上に分散された多数の型を備えた回転カルーセルを有する装置において、型が前述のように構成されることを特徴とする装置に適用することができる。
【0016】
本発明は、熱可塑性材料で作られ、かつ一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造する固定成形装置であって、一列にほぼ固定的に支持された複数の型を有する装置において、型が前述のように構成されることを特徴とする装置に適用することができる。
【0017】
本発明の他の態様によれば、本発明は、熱可塑性材料、特に、ポリプロピレンなどのポリオレフィンで作られ、一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形により、
互いに対して移動可能であり、
密閉位置で接合面を形成するそれぞれの相互接触面を有し、
互いに接合され、完成後の容器の本体およびショルダの成形キャビティを形成する2つのインプリントをそれぞれが有し、
それぞれの接触面にほぼ垂直であり、型の密閉位置で相互にほぼ揃えられるくぼみであって、
・2つのインサートの少なくとも大部分がそのそれぞれのくぼみに戻される引き込み位置と、
・2つのインサートが、熱溶接される本体の2つの所定の壁ゾーンが相互に接触するまで容器の本体の2つの所定の壁ゾーンを挟むことによって互いに押される伸長位置との間を空気圧によって移動できるピストンを形成する2つのそれぞれのインサートを囲む2つのくぼみをそれぞれが有する少なくとも2つの型半部を有する型を使用することによって製造する方法において、
各インサートが、互いの内部で伸縮する2つのピストン、すなわち、中央に位置する前部スラスト面を有する主ピストンまたはスラストピストン、および主ピストンに収容され、同軸に配置された二次ピストンまたは溶接ピストンであって、容器の本体の壁ゾーンの周囲と一致する閉じた輪郭に沿って主ピストンの前面を囲む前面を有する二次ピストンまたは溶接ピストンとを備え、
二次ピストンの少なくとも前面を熱可塑性材料の軟化温度に維持する加熱手段が設けられ、
2つのピストン、すなわち主ピストンおよび二次ピストンが、
第1の動作局面では、主ピストンがその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられ、一方、二次ピストンが主ピストン内に引き込まれたままになり、主ピストンの前面が容器の本体の壁の所定のゾーンを押し、
第2の動作局面では、二次ピストンが、その高温の前面が容器の本体の壁ゾーンの周囲に接触してその材料を軟化させ、向かい合うピストンによって壁部が押されることによって壁ゾーンを周方向に溶接し、かつ少なくともこの壁ゾーンの周縁に予備マークを付けるように、主ピストンに対してその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられるように構成されることを特徴とする方法を提案する。
【0018】
本発明は、単に非制限的な例として与えられるいくつかの好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読んだときによりよく理解されよう。この説明では、添付の図面が参照される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
まず、熱可塑性材料で作られ、一体ハンドル4(図1Cに示されている)を備えた本体3のみが示されている容器2を、吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造するための型1の断面を示す図1A〜1C(図1Aは全体図であり、図1Bおよび1Cは部分図である)を参照する。
【0020】
型1は、図1A〜1Cに示されている簡略化された表現では、少なくとも2つの型半部5を有している(一般に、図示されていない、軸方向に移動可能な型ベースが付加される)。
【0021】
2つの型半部5は、特に、参照番号7によって示されている共通のピボット軸の周りを回転しながら(矢印6)互いに対して移動可能である。
【0022】
型半部5は、密閉位置で接合面9を形成するそれぞれの相互接触面8を有している。
【0023】
型半部5は、型が密閉位置にあるときに互いに接合され、容器2の本体3およびショルダの成形キャビティ11を形成する2つのインプリント10をそれぞれ有している。
【0024】
最後に、型半部5は、それぞれの接触面8にほぼ垂直であり、型の密閉位置で互いにほぼ揃えられ、2つのインサートの少なくとも大部分がそのそれぞれのくぼみ12内に戻される引き込み位置(図1A)と以下により明確に説明する伸長位置(図1B、1C)との間を空気圧によって移動することのできる組立体を形成する2つのそれぞれのインサート13を囲む2つのくぼみ12をそれぞれ有している。
【0025】
さらに、型1は、一体ハンドルの形成によって課される要件に従って任意の適切な方法で構成することができる。
【0026】
本発明では、各インサート13は、それぞれ互いの内部で伸縮する2つのピストン14および15、すなわち、型の一般的な構成では、どちらも空気圧によって作動させられる、主ピストンまたはスラストピストン14および二次ピストンまたは溶接ピストン15を有するように構成されている。
【0027】
主ピストンまたはスラストピン(または「回し溶接」ピストン)14は、くぼみ12の一方に受け入れられ、前部スラスト面16を有している。
【0028】
二次ピストンまたは溶接ピン15は、主ピストン14の軸方向ボア17に同軸方向に配置され、容器2の本体3の所定の壁ゾーンAの周囲と一致する閉じた輪郭に沿って横方向に延びる前面18を有している。さらに、二次ピストン15のこの前面18は、閉じた輪郭に沿って延びるナイフを形成するように鋭い前端部を有するように形作られている。加熱手段(不図示)は、二次ピストン15の少なくとも前面18を熱可塑性材料の軟化温度に維持するために設けられている。
【0029】
上述の手段の動作モードは以下のとおりである。
【0030】
図1Aに示されている休止位置では、二次ピストン15は、それぞれの主ピストン14のボア17内に引き込まれ、主ピストン14自体が型半部5のそれぞれのくぼみ12に引き込まれている。生産すべき容器の本体3は、図1Aに示されている場合と同様に、ハンドルを形成する必要のあるゾーンに実質的な湾曲を有する場合、図1Aを見ると分かるように、主ピストン14はそれぞれのくぼみ12の内側に完全に引き込まれることができず、その前端部は一部が型1のキャビティ11内に入る。
【0031】
図1Bに示されており、容器の吹き込み成形局面(減圧下での延伸および予備吹き込み成形の局面に続く高圧、通常約40x105Paの圧力下での吹き込み成形)と同時に開始することのできる第1の動作局面では、主ピストン14は互いに向かってその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられ、一方、二次ピストン15はそれぞれの主ピストン14内に引き込まれたままである。この移動中に、主ピストン15のそれぞれの前面16は、接合面9の両側に対称的に配置された所定の部分Aを押す。最後に、2つの壁ゾーンAは、図1Bを見ると分かるように、互いに向かって協働して移動させられる2つの主ピストン14のそれぞれのスラスト作用の下で接合面9に沿って互いに接触させられる。
【0032】
図1Cに示されている第2の最終動作局面では、二次ピストン15が互いに向かって、それぞれの主ピストン14に対してその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられる。したがって、これらの二次ピストン15のそれぞれの高温の前面18は、図1Cに示されているように、容器2の本体3の壁ゾーンAの周囲に接触し、壁ゾーンAの材料を軟化させ、壁ゾーンAを周方向に密に溶接する。同時に、前面18は、ナイフ状に形作られているため、軟化した熱可塑性材料に切り込み、周囲の内側に配置された二重壁ゾーンAによって形成されるブランクを切断するか、または後で切断できるように予備マークを付ける。
【0033】
上述の動作モードを予定通り実施できるようにするには、各インサート13が、
くぼみ12の底部またはチャンバ内に開放して主ピストン14をその突き出し位置に押し込む少なくとも1つの主加圧ガス供給チャネル(不図示)と、
主ピストン14をその突き出し位置からその引き込み位置まで戻す、様々な種類のものであってよい(複動シリンダを形成するように構成された戻しばね、主ピストン14、およびくぼみ12)手段と、
開口17の底部内に開放して二次ピストン15をその突き出し位置に押し込む少なくとも1つの二次加圧ガス供給チャネル(不図示)と、
二次ピストン15をその突き出し位置からその引き込み位置まで戻す、様々な種類のものであってよい(複動シリンダを形成するように構成された戻しばね、主ピストン15、および開口17)手段と、
加圧ガスを選択的に、まず主チャネルに供給し、第1の動作局面において二次ピストン15が引き込み位置にある状態で主ピストン14を移動させ、次に二次チャネルに供給し、第2の動作局面で二次ピストン15を移動させるように構成された制御手段とをさらに有すると有利である。
【0034】
図2および3(同じ参照番号は、図1A〜1Cのそれぞれの部分または部材と同一の部分または部材を示すように保持されている)は、本発明によって構成された型の特定の実施形態を詳しく示している。
【0035】
図2は、一方の型半部5の正面図のみを示し、型半部の接触面8において中空になっているインプリント3が単に一例として与えられる容器の一形態に対応する。この型半部5に関連するインサート13が正面から示されている。
【0036】
図3は、密閉位置における2つの型半部5の、図2の線III−IIIに沿った断面図を示しており、図示の例では、2つの型半部5は、それぞれの部分的に示されている型担体19に係合している。2つのインサート13は、すべてのインサートの分解図である図4と、理解を高めるためにインサートの主構成部材を個々に示す図5〜8とを参照して以下に記載されるのと同様に構成されている。
【0037】
各インサート13では、主ピストン14は、概ねT字形の断面を有する部品20(図5の線IV−IVに沿った断面図で示されており、図5では下から見た図4の上の部品)の横板26に付随する前部スラスト面16を備えており、部品20のステム21が、二次ピストン15を貫通して係合し、このために二次ピストンの中央の22の所が中空になっており、かつステム21を囲んでいる。ステム21のベースは、主ピストン14に設けられた相補形状の中空部23に嵌め込まれ、たとえば、ねじによって中空部23に結合されている。このように形成された主ピストン14は、ほぼ平面状であり、形成すべきハンドルの内側の輪郭に沿って形作られた大きな表面積にわたって広がるスラスト面16を有している(このスラスト面16は基本的に図2のインサートの図に見ることができる)。軸方向において、部品20の寸法は、二次ピストン15が移動するのに必要な遊びが残るような寸法である。
【0038】
中央の22の所が中空になっている二次ピストン15(図6の線IV−IVに沿った断面図で示されており、図6では下から見た図4の中央の部品)は、底部に向かって開放し、底部の周縁上に分散されている複数の盲穴24を備えている。これらの穴24は、カートリッジヒータ25(1つが図3に概略的に示されている)の形をした電気加熱手段を受け入れる。ピストン15の前端部(図4では隆起している)は、形状が、ピストン15が突き出し位置で押されたときに、部品20の板26を開口27内に引き入れることができるように板26の形状と相補的な形状である開口27によって中空になっている。さらに、この開口27は、その一部の、中央の28の所が中空になっており、ピストン15と、ピストン14と一体であり、このためにばね29の両端部を受け入れる開口30を備えたプレート26との間に挿入された戻しばね29の端部を支持している。ばね29は、プレート26および二次ピストン15の周縁上に分散されている。
【0039】
二次ピストン15の前端部の一部が、開口27を形成する壁の縁部によって形成される二次ピストン15の前面18の形状をより明確にするように図8に大きく拡大されて示されている。この縁部は、二次ピストン15の端部の形状に対応する閉じた輪郭に沿って延びるナイフ状に形作られた鋭い前面18を形成するように内部が面取りされている。前面18は、熱可塑性材料に接触させられ、したがって、熱可塑性材料を軟化させ、軟化した後は熱可塑性材料に埋め込まれ、前面18によって囲まれる材料ブランクを切断するかまたは材料ブランクに少なくとも予備マークを付けるのに適した加熱部を形成することができる。
【0040】
最後に、主ピストン14(図7の線IV−IVに沿った断面図で示されており、図7では上から見た図4の1番下の部品)は、その一部に、図7を見ると分かるように交互に配置された2組のボアを備えている。
【0041】
ボア32は、二次ピストン15のボア24に面するように配置され、くぼみ12のチャンバの方へ向けられたその端面と二次ピストン15を収容する開口17の底部を形成するその端面との間の主ピストン14の底部を通過しており、ボア32は、カートリッジヒータ25の電気供給線用の通路を形成している。
【0042】
ボア33は、二次ピストン15の中実ゾーンに面するように配置され、くぼみ12の底部の方に向けられた主ピストンの端面と二次ピストン15を収容する開口17の底部を形成する主ピストンの端面との間の主ピストン14の底部を貫通しており、これらのボア33は、拘束部を形成する較正済みボアとして形成されており、その目的を以下に開示する。
【0043】
主ピストン14は、くぼみ12のそれ自体が幅の広い部分35にぴったりと係合する幅の広いピストンヘッド34を備えている。したがって、図3を見ると分かるように、2つのチャンバ36および37はそれぞれ、主ピストン14とくぼみ12が複動空気圧シリンダを形成する(加圧流体供給チャネルは示されていない)ように、ピストンヘッド34の両側に形成されている。
【0044】
3つの異なる動作位置においてインサート13のみを大きく拡大されたスケールで示す図9A〜9Cを参照して、上述の装置の動作モードについて次に開示する。
【0045】
図9Aに示されているインサート13の引き込みまたは休止位置では、主ピストンがくぼみ12(この場合、ねじによって型半部5の本体に固定された板38から成る)の底部に接触する。二次ピストン15はその一部が、戻しばね29の作用の下で主ピストン14内の引き込み位置に保持され、この位置では、スラスト面16が二次ピストン15の前面18の平面内またはこの縁部のわずかに前方に保持される。
【0046】
容器の本体の高圧吹き込み成形の局面の間に、加圧流体がチャンバ36に導入され、この流体の推力の下で、図9Bに示されているように、主ピストン14のヘッド34がくぼみ12の幅の広い部分35の向かい合う端部に当接するまで、インサート13が全体的に押し込まれる。この位置では、容器本体の壁ゾーンAを押したスラスト面16が接合面9からわずかに後退している(通常約0.3mm)。
【0047】
この瞬間に、較正済みボア33を通過した流体の圧力がその最大値に達し、ばね29の逆方向への応力に対抗して二次ピストン15を押す。図9Cを見ると分かるように、前面18がスラスト面16を超えて突き出し、ほぼ接合面9に達する。二次ピストン15がカートリッジヒータ25の作用の下で熱可塑性材料の軟化温度まで加熱されると、前面18がゾーンAの周縁上で熱可塑性材料を軟化させる。2つのゾーンAが、2つのインサート13が同時に移動することによって接近させられ、したがって、周方向に溶接され、その結果容器の本体がぴったりと密閉され、中空のハンドルがぴったりと密閉される。同時に、薄い前面18が互いに向かい合う2つのナイフとして働き、軟化した材料を貫通し、二重ゾーンAを切断するか、または後で除去できるように二重ゾーンAに予備マークを付ける。
【0048】
その後、ばね29が二次ピストン15を引き込み位置に移動させるように、加圧流体がチャンバ36から排気される。次に、加圧流体がチャンバ37に導入され、主ピストン14、したがってインサート13全体をその初期位置に移動させる。
【0049】
加熱カートリッジ25は、二次ピストン全体を常に熱可塑性材料の軟化温度に維持する。しかし、ゾーンAの押圧局面の間に熱可塑性材料を正しく変形させるには、この材料を軟化温度よりかなり低くし、したがって、スラスト面16をこの軟化温度より低い温度にする必要がある。二次ピストンが存在する状態で主ピストン14および主ピストン14と一体の部品20を過度に加熱するのを避けるために、二次ピストン15と主ピストン14のボア17との互いに向かい合う面との間の隙間(構造隙間)に冷却気体が吹き込まれる。
【0050】
本発明による型構成は、ガラス転移温度が周囲温度(#20℃)よりかなり低いポリオレフィンで作られた容器、特にポリプロピレンで作られた容器に使用すると特に有利である。
【0051】
ポリプロピレンなどの熱可塑性材料では、軟化温度は約170℃である。したがって、二次ピストンは130℃から200℃の間、有利には150℃から190℃の間の温度に維持され、一方、主ピストンは50℃から100℃の間の温度に維持される(さらに、このために、型半部5は、型半部に設けられた内部導管内を冷却水を循環させることによって約75℃の温度に冷却される)。
【0052】
本発明による構成は、熱可塑性材料で作られ、かつ一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造する回転式成形装置であって、周縁上に分散され、かつ上述のように構成された多数の型を備えた回転カルーセルを有する装置に適用することができる。図3では、参照番号39は型1の支持板を示し、この板の回転が矢印40で示されている。
【0053】
本発明による構成は、熱可塑性材料で作られ、かつ一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造する固定成形装置であって、一列にほぼ固定的に支持され、かつ上述のように構成された複数の型を有する装置に適用することができ、この種の装置は、特に、ポリプロピレンなどのポリオレフィンで作られ、家庭用品(たとえば、洗剤、液体洗剤)の包装に使用される容器の製造に適している。
【0054】
本発明の構成を実施することによって、上述のように構成された成形装置は、たとえば、毎時容器約1500個の高い生産速度を実現することができる。
【0055】
本発明の異なる態様では、熱可塑性材料、特にポリプロピレンなどのポリオレフィンで作られ、かつ一体ハンドル4を備えた容器は、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形により、
互いに対して移動可能であり、
密閉位置で接合面9を形成するそれぞれの相互接触面8を有し、
互いに接合され、完成後の容器2の本体3およびショルダの成形キャビティ11を形成する2つのインプリント10をそれぞれが有し、
それぞれの接触面8にほぼ垂直であり、型1の密閉位置で相互にほぼ揃えられるくぼみ12であって、
・2つのインサート13の少なくとも大部分がそのそれぞれのくぼみ12に戻される引き込み位置と、
・2つのインサート13が、熱溶接される本体3の2つの所定の壁ゾーンAが相互に接触するまで容器の本体3の2つの所定の壁ゾーンAを挟むことによって互いに押される伸長位置との間を空気圧によって移動できるピストンを形成する2つのそれぞれのインサート13を囲む2つのくぼみ12をそれぞれが有する少なくとも2つの型半部5を有する型1を使用することによって製造される。
【0056】
この場合、本発明による方法は、
各インサート13が、互いの内部で伸縮する2つのピストン14,15、すなわち、中央に位置する前部スラスト面16を有する主ピストン14またはスラストピストン、および主ピストン14に収容され、同軸に配置された二次ピストン15または溶接ピストンであって、容器の本体の壁ゾーンAの周囲と一致する閉じた輪郭に沿って主ピストンの前面16を囲む前面18を有する二次ピストン15または溶接ピストンとによって形成され、
二次ピストン15の少なくとも前面18を熱可塑性材料の軟化温度に維持する加熱手段25が設けられ、
2つのピストン、すなわち主ピストンおよび二次ピストン14、15が、
第1の動作局面では、主ピストン14がその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられ、一方、二次ピストン15が主ピストン内に引き込まれたままになり、主ピストンの前面16が容器の本体の壁の所定のゾーンAを押し、
第2の動作局面では、二次ピストン15が、その高温の前面18が容器の本体の壁ゾーンAの周囲に接触してその材料を軟化させ、向かい合うピストンによって壁部が押されることによって壁ゾーンを周方向に溶接し、かつ少なくともこの壁ゾーンAの周縁に予備マークを付けるように、主ピストン14に対してその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられるように構成されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1A】3つの異なる動作位置のうちの1つにおける断面平面図で示されている、本発明によって構成された吹き込み成形用型の概略図である。
【図1B】3つの異なる動作位置のうちの1つにおける断面平面図で示されている、本発明によって構成された吹き込み成形用型の概略図である。
【図1C】3つの異なる動作位置のうちの1つにおける断面平面図で示されている、本発明によって構成された吹き込み成形用型の概略図である。
【図2】本発明によって構成された型半部の正面図である。
【図3】図2の型の、線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図2および3の型のインサートの3つの主構成部品の分解側面断面図である。
【図5】図4に示されている3つの部品のうちの1つの部分を下から見た図である。
【図6】図4に示されている3つの部品のうちの1つの部分を下から見た図である。
【図7】図4に示されている3つの部品のうちの1つの平面図である。
【図8】図6では下から見た図4の1つの部品の一部の拡大図である。
【図9A】3つの動作位置のうちの1つで示されている図2および3の型のインサートの拡大断面図である。
【図9B】3つの動作位置のうちの1つで示されている図2および3の型のインサートの拡大断面図である。
【図9C】3つの動作位置のうちの1つで示されている図2および3の型のインサートの拡大断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性材料、特に、ポリプロピレンなどのポリオレフィンで作られ、一体ハンドル(4)を備えた容器(2)を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造するための型であって、
互いに対して移動可能であり、
密閉位置で接合面(9)を形成するそれぞれの相互接触面(8)を有し、
互いに接合され、完成後の前記容器(2)の本体(3)およびショルダの成形キャビティ(11)を形成する2つのインプリント(10)をそれぞれが有し、
前記それぞれの接触面(8)にほぼ垂直であり、型(1)の密閉位置で相互にほぼ揃えられるくぼみ(12)であって、
・2つのインサート(13)の少なくとも大部分がそのそれぞれのくぼみ(12)に戻される引き込み位置と、
・前記2つのインサート(13)が、熱溶接される前記本体(3)の2つの所定の壁ゾーン(A)が相互に接触するまで前記容器の前記本体(3)の前記2つの所定の壁ゾーンを挟むことによって互いに押される伸長位置との間を空気圧によって移動できるピストンを形成する前記2つのそれぞれのインサート(13)を囲む前記2つのくぼみ(12)をそれぞれが有する少なくとも2つの型半部(5)を有する前記型(1)において、
各インサート(13)は、互いの内部で伸縮する2つのピストン(14、15)、すなわち、中央に位置する前部スラスト面(16)を有する主ピストン(14)またはスラストピストン、および前記主ピストン(14)に収容され、同軸に配置された二次ピストン(15)または溶接ピストンであって、前記容器の前記本体の前記壁ゾーン(A)の周囲と一致する閉じた輪郭に沿って前記主ピストンの前記前面(16)を囲む前面(18)を有する前記二次ピストン(15)または溶接ピストンと、前記二次ピストン(15)の少なくとも前記前面(18)を前記熱可塑性材料の軟化温度に維持するために設けられた加熱手段(25)とを有し、前記主ピストンおよび前記二次ピストン(14、15)は、
第1の動作局面では、前記主ピストン(14)がその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられ、一方、前記二次ピストン(15)が前記主ピストン内に引き込まれたままになり、前記主ピストンの前記前面(16)が前記容器の前記本体の前記壁の前記所定のゾーン(A)を押し、
第2の動作局面では、前記二次ピストン(15)が、その高温の前面(18)が前記容器の前記本体の前記壁ゾーン(A)の前記周囲に接触してその材料を軟化させ、前記向かい合うピストンによって前記壁部が押されることによって前記壁ゾーンを周方向に溶接し、かつ少なくともこの壁ゾーン(A)の周縁に予備マークを付けるように、前記主ピストン(14)に対してその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられるように構成されることを特徴とする型。
【請求項2】
各インサート(13)は、
前記くぼみ(12)のチャンバ(36)内に開放して前記主ピストン(14)をその突き出し位置に押し込む少なくとも1つの主加圧ガス供給チャネルと、
前記主ピストン(14)をその突き出し位置からその引き込み位置まで戻す手段(37)と、
前記開口(17)の底部内に開放して前記二次ピストン(15)をその突き出し位置に押し込む少なくとも1つの二次加圧ガス供給チャネル(33)と、
前記二次ピストン(15)をその突き出し位置からその引き込み位置まで戻す手段(29)と、
加圧ガスを選択的に、まず前記主チャネルに供給し、前記第1の動作局面において前記二次ピストン(15)が前記引き込み位置にある状態で前記主ピストン(14)を移動させ、次に前記二次チャネルに供給し、前記第2の動作局面で前記二次ピストン(15)を移動させるように構成された制御手段とをさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の型。
【請求項3】
前記二次チャネルは、少なくとも1つの較正済み導管(33)であって、前記主ピストン内(14)で、前記くぼみ(12)の前記チャンバ(36)の方へ向けられたその端面と前記二次ピストン(15)を収容する前記開口(17)の底部を形成するその端面との間を延びる前記導管(33)を有し、それによって、前記主ピストン(14)がその突き出し位置に当接するとき、前記くぼみ(12)に供給された前記加圧ガスが、前記較正済み導管(33)を通って前記くぼみ(17)に入り、前記二次ピストン(15)をその突き出し位置に押し込むことを特徴とする、請求項2に記載の型。
【請求項4】
前記二次チャネルは、前記主ピストン(14)の前記周縁上に分散された複数の較正済み導管(33)を有することを特徴とする、請求項3に記載の型。
【請求項5】
前記主ピストン(14)の前記前部スラスト面(16)は、中央に配置され、かつ前記主ピストンと一体の軸方向ステム(21)によって支持される前部プレート(26)に付随し、前記二次ピストン(15)は、中央が中空(22)であり、前記ステム(21)を囲んでいることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の型。
【請求項6】
前記加熱手段は、前記二次ピストン(15)を加熱するのに適しており、前記二次ピストン(15)のそれぞれのボア(24)に収容された少なくとも1つの電気カートリッジヒータ(25)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の型。
【請求項7】
前記加熱手段は、前記二次ピストン(15)の前記周縁上に分散されたそれぞれのボア(24)に収容された複数の電気カートリッジヒータ(25)を有することを特徴とする、請求項6に記載の型。
【請求項8】
前記主ピストン(14)と前記二次ピストン(15)との間に冷却気体が吹き込まれ、前記主ピストンが前記熱可塑性材料の軟化温度よりかなり低い温度に維持されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の型。
【請求項9】
前記二次ピストン(15)の前記前面(18)は、前記閉じた輪郭に沿って延びるナイフ状に形作られることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の型。
【請求項10】
前記主ピストン(14)をその突き出し位置からその引き込み位置に戻す手段は空気圧手段であり、前記主ピストン(14)およびそのくぼみ(12)が、複動シリンダを形成するように構成されることを特徴とする、請求項2から9のいずれか1項に記載の型。
【請求項11】
前記二次ピストン(15)を戻す手段は、前記主ピストン(14)と前記二次ピストン(15)との間に挿入された少なくとも1つの戻しばね(29)を有することを特徴とする、請求項2から10のいずれか1項に記載の型。
【請求項12】
熱可塑性材料で作られ、かつ一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造する回転式成形装置であって、周縁上に分散された多数の型(1)を備えた回転(40)カルーセル(39)を有する装置において、前記型(1)は請求項1から11のいずれか1項に記載のように構成されることを特徴とする回転式成形装置。
【請求項13】
熱可塑性材料で作られ、かつ一体ハンドルを備えた容器を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造する固定成形装置であって、一列にほぼ固定的に支持された複数の型(1)を有する装置において、前記型(1)は請求項1から11のいずれか1項に記載のように構成されることを特徴とする固定成形装置。
【請求項14】
熱可塑性材料、特にポリプロピレンなどのポリオレフィンで作られ、一体ハンドル(4)を備えた容器(2)を、加熱されたプリフォームの吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形により、
互いに対して移動可能であり、
密閉位置で接合面(9)を形成するそれぞれの相互接触面(8)を有し、
互いに接合され、完成後の前記容器(2)の本体(3)およびショルダの成形キャビティ(11)を形成する2つのインプリント(10)をそれぞれが有し、
前記それぞれの接触面(8)にほぼ垂直であり、型(1)の密閉位置で相互にほぼ揃えられるくぼみ(12)であって、
・前記2つのインサート(13)の少なくとも大部分がそのそれぞれのくぼみ(12)に戻される引き込み位置と、
・前記2つのインサート(13)が、熱溶接される前記容器の前記本体(3)の2つの所定の壁ゾーン(A)が相互に接触するまで前記本体(3)の前記2つの所定の壁ゾーン(A)を挟むことによって互いに押される伸長位置との間を空気圧によって移動できるピストンを形成する前記2つのそれぞれのインサート(13)を囲む前記2つのくぼみ(12)をそれぞれが有する少なくとも2つの型半部(5)を有する前記型(1)を使用することによって製造する方法において、
各インサート(13)は、互いの内部で伸縮する2つのピストン(14、15)、すなわち、中央に位置する前部スラスト面(16)を有する主ピストン(14)またはスラストピストン、および前記主ピストン(14)に収容され、同軸に配置された二次ピストン(15)または溶接ピストンであって、前記容器の前記本体の前記壁ゾーン(A)の周囲と一致する閉じた輪郭に沿って前記主ピストンの前記前面(16)を囲む前面(18)を有する前記二次ピストン(15)または溶接ピストンとによって形成され、
前記二次ピストン(15)の少なくとも前記前面(18)を熱可塑性材料の軟化温度に維持する加熱手段(25)が設けられ、
前記2つのピストン、すなわち前記主ピストンおよび前記二次ピストン(14、15)は、
第1の動作局面では、前記主ピストン(14)がその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられ、一方、前記二次ピストン(15)が主ピストン内に引き込まれたままになり、前記主ピストンの前記前面(16)が前記容器の前記本体の前記壁の前記所定のゾーン(A)を押し、
第2の動作局面では、前記二次ピストン(15)が、その高温の前面(18)が前記容器の前記本体の前記壁ゾーン(A)の周囲に接触してその材料を軟化させ、前記向かい合うピストンによって前記壁部が押されることによって前記壁ゾーン(A)を周方向に溶接し、かつ少なくともこの壁ゾーン(A)の周縁に予備マークを付けるように、前記主ピストン(14)に対してその引き込み位置からその突き出し位置まで移動させられるように構成されることを特徴とする方法。
【請求項15】
熱可塑性材料、特にポリオレフィン、特にポリプロピレンで作られ、一体ハンドル(4)を備えた容器(2)であって、請求項1から11のいずれか1項に記載のように構成された型(1)を使用し、かつ請求項14に記載の方法を実施することにより、吹き込み成形または引っ張り吹き込み成形によって製造されることを特徴とする容器。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate


【公表番号】特表2009−504451(P2009−504451A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526523(P2008−526523)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【国際出願番号】PCT/FR2006/001924
【国際公開番号】WO2007/020346
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504102770)シデル パルティシパション (46)
【氏名又は名称原語表記】SIDEL PARTICIPATIONS
【Fターム(参考)】