基板を洗浄する発泡体の発生器
【課題】
【解決手段】実施形態例において、洗浄発泡体を生成するデバイスは、メスハウジングとオスプラグとを含む。プラグは、洗浄システムの別の構成要素から流体が流れ込む開口部を含む。プラグは、開口部から流体を受領するとともに、発泡体を形成するために気体が注入される予混合チャンバを含む。実施形態例において、チャンバは、中空のシリンダであり、気体は、シリンダに対して接線方向にある流路を介してシリンダへ注入される。プラグは、さらに、外側に連続螺旋陥凹部を有する中実シリンダを含む。オスプラグがメスハウジングに挿入される時、連続螺旋陥凹部と、ハウジングの内面とは、螺旋流路を形成し、発泡体は螺旋流路を介して流動し、洗浄システムへ戻る途中でさらに混合される。
【解決手段】実施形態例において、洗浄発泡体を生成するデバイスは、メスハウジングとオスプラグとを含む。プラグは、洗浄システムの別の構成要素から流体が流れ込む開口部を含む。プラグは、開口部から流体を受領するとともに、発泡体を形成するために気体が注入される予混合チャンバを含む。実施形態例において、チャンバは、中空のシリンダであり、気体は、シリンダに対して接線方向にある流路を介してシリンダへ注入される。プラグは、さらに、外側に連続螺旋陥凹部を有する中実シリンダを含む。オスプラグがメスハウジングに挿入される時、連続螺旋陥凹部と、ハウジングの内面とは、螺旋流路を形成し、発泡体は螺旋流路を介して流動し、洗浄システムへ戻る途中でさらに混合される。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
多数の公開特許出願に記載されるように、低速で堆積させた高粘性非ニュートン流体により、半導体ウェーハから粒子を取り除くためのシステムが開発されている。例えば、出典を明記することにより全て本願明細書の一部とした2005年6月15日提出の米国公開特許出願第2006/0283486号「非ニュートン流体を使用して基板を洗浄する方法および装置」、2006年2月3日提出の米国公開特許出願第2006/0128590号「基板から汚染を除去する方法および洗浄溶液を作成する方法」、および2006年2月3日提出の米国公開特許出願第2006/0128600号「洗浄化合物および洗浄化合物を使用する方法およびシステム」を参照されたい。
【0002】
特定の実施例において、高粘性非ニュートン流体は、何千ものサファイアビーズ(例えば、直径約1mm)の集塊により形成されたマイクロチャネルにおいて気体(窒素等)と流体(ミセルの形成が可能な脂肪酸等の界面活性剤を含む水溶液)とを機械的に混合することにより形成された発泡体である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした実施例には、大きな欠点がある。サファイアビーズは、比較的高価であり、発泡体と反応する。さらに、ビーズ集塊は、非常に頻繁に詰まり、洗浄には多大な時間と費用を要する。
【0004】
こうした欠点の結果として、基板(例えば、半導体ウェーハ)を洗浄する発泡体を機械的に生成する、安価で容易に維持可能な装置、方法、およびシステムを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態例は、基板を洗浄する発泡体を機械的に生成することを対象とした装置、システム、および方法を含む。一実施形態においてデバイスは、メスハウジングとオスプラグとを含む。プラグは、洗浄システムの別の部分から流体が流れ込む開口部を含む。プラグは、開口部から流体を受領するとともに、初期発泡体を形成するために窒素等の気体が注入される予混合チャンバを含む。特定の一実施形態例において、チャンバは、中空のシリンダであり、気体は、シリンダに対して接線方向にある流路を介してシリンダへ注入される。加えて、プラグは、外側に連続螺旋陥凹部を有する中実シリンダ(中実円柱部)を含む。オスプラグがメスハウジングに挿入される時、連続螺旋陥凹部と、ハウジングの内面とは、密閉された螺旋流路を形成し、螺旋流路を介して、初期発泡体は流動し、洗浄システムの別の構成要素、例えば、最終発泡体が半導体ウェーハに付与される近接ヘッドにプラグを接続する別の開口部へ発泡体が進む際に、さらに混合される。特定の一実施形態例において、プラグおよびハウジングは、最終発泡体が半導体ウェーハに付与される近接ヘッドに近接しており、例えば、プラグおよびハウジングは、最終発泡体のユースポイントに配置される。別の実施形態例において、プラグおよびハウジングは、洗浄システムの別の部分(例えば、搭載型流体送給システム)において、最終発泡体のユースポイントから離れて配置される。
【0006】
本発明の利点は、本発明の原理を一例として示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態例による、オスプラグを示す斜視図である。
【0008】
【図2】実施形態例による、オスプラグの断面を示す図である。
【0009】
【図3】実施形態例による、オスプラグ内の予混合チャンバの断面を示す図である。
【0010】
【図4】実施形態例による、オスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。
【0011】
【図5】実施形態例による、ユースポイントシステム内のオスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。
【0012】
【図6A】実施形態例による、ユースポイントシステム内のオスプラグおよびメスハウジングを示す斜視図である。
【0013】
【図6B】実施形態例による、ユースポイントシステム内の一対のオスプラグを示す簡略図である。
【0014】
【図6C】実施形態例による、処理ステーションを示す簡略図である。
【0015】
【図7】実施形態例による、搭載型流体送給システム内のオスプラグおよびメスハウジングを示す斜視図である。
【0016】
【図8】実施形態例において試験した2つの独立変数として、流路断面および流路長を示す図である。
【0017】
【図9】実施形態例での流路断面および流路長に関する試験の結果を示す表である。
【0018】
【図10】プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器と、長いビーズパックを有する発泡体発生器との比較を示す表である。
【0019】
【図11】実施形態例での背圧を示す時系列のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明では、実施形態例を完全に理解するために、多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、こうした具体的な詳細の一部が無くとも実施形態例を実施し得ることは、当業者には明らかであろう。また、実施例の詳細および処理動作は、既に周知である場合、詳細に説明しない。
【実施例】
【0021】
図1は、実施形態例による、オスプラグの斜視図を示している。図1において、オスプラグ101は、基板(例えば、半導体ウェーハ)を洗浄するシステムにより、流体(例えば、P2)が投入される、あるいはポンプにより送り込まれる、開口部102を含む。特定の実施形態例において、流体の流量は、5mLないし50mLにしてよい。開口部102から、流体は、予混合チャンバ103へ流入し、予混合チャンバ103において、流体には気体(N2または窒素)が注入され、初期発泡体が形成される。特定の実施形態例において、注入気体の流量は、50sccmないし500sccmにしてよい。予混合チャンバ103から、初期発泡体は、プラグの外面上の連続螺旋陥凹部104を介して流動し、最終発泡体(例えば、P3)を洗浄システムへ出力する開口部105に至る。図1において、「P2」という用語は、投入流体内に存在する物質の2つの相、例えば、液体の水および固体の界面活性剤を表す。「P3」という用語は、出力発泡体内に存在する物質の3つの相、例えば、液体の水、固体の界面活性剤、および気体の窒素を表す。P3は、高粘性非ニュートン流体であることは理解されよう。
【0022】
特定の実施形態例において、オスプラグは、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)またはKYNAR(HYLARまたはSYGEFとも呼ばれる)等の高い非反応性を有する熱可塑性物質により作成し得る。他の実施形態例において、プラグは、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTEF)またはヘイラー(Halar)により作成し得る。オスプラグを作成するために使用する材料を、メスハウジングを作成するために使用する材料と一致させることが有益となり得ることは理解されよう(例えば、オスプラグおよびメスハウジングは、これにより同じ熱膨張係数を有する)。
【0023】
図2は、実施形態例による、オスプラグの断面を示す図である。図2において、オスプラグ101は、中空コアを有する予混合チャンバ103を含み、予混合チャンバ103は、さらに後述するように、気体(例えば、窒素)の投入を可能にする多数の穿孔106を外面に有する。オスプラグ101は、さらに、流体(例えば、P2)が予混合チャンバ103に入る際に通る開口部102と、初期発泡体(例えば、窒素およびP2)が予混合チャンバ103を退出する際に通る開口部107とを有する。予混合チャンバを退出後、初期発泡体は、プラグの外面上の連続螺旋陥凹部104を通過する。図2に示したように、連続螺旋陥凹部下のプラグは、中実であり、構造的な支持を提供する。しかしながら、他の実施形態において、連続螺旋陥凹部下のプラグは、同様に中空コアを有してもよい。初期発泡体が連続螺旋陥凹部により形成された流路を通ると、初期発泡体は、最終発泡体(例えば、P3)として現れ、開口部105に入り、洗浄システムの別の構成要素、例えば、発泡体を低速で基板へ送給する近接ヘッドへ進む。
【0024】
特定の実施形態例において、こうした近接ヘッドは、オスプラグ101と、プラグ用のハウジングとに近接している。すなわち、プラグ101およびハウジングは、発泡体のユースポイント(使用場所:the point of use:)において発泡体を生成する。しかしながら、特定の実施形態例において、最終発泡体(例えば、P3)は、密閉通路(例えば、チューブ)内に閉じ込められた時に、比較的長期間に渡ってその混合物(例えば、気泡)を維持し、発泡体は、こうした通路を介して、(例えば、搭載型流体送給システム内の)プラグ101およびハウジングから比較的離れた近接ヘッドへ輸送し得る。
【0025】
図3は、実施形態例による、オスプラグ内の予混合チャンバの断面を示す図である。図3において、オスプラグ101は、流体(例えば、P2)の予混合チャンバ103への流入を可能にする開口部102を含む。図3に示したように、予混合チャンバ103は、気体(例えば、窒素)を注入するための流路であるとともに特定のパターンに従った多数の小さな穿孔を有する。図3の右側の注釈に示したように、パターンは、同一の断平面上にある8本1組の等距離にある流路(例えば、各流路が隣接する2本の流路から45度に位置する)を15度回転させることにより形成される。回転は、図3の左側の断面108および109において図示している。断面108(例えば、103のB−B)は、15度回転させる前の8本の等距離にある流路を示す。断面109(例えば、103のC−C)は、15度回転させた後の8本の等距離にある流路を示す。断面108および109は、さらに、予混合チャンバ103の中空コアを示している。流体(例えば、P2)が、この中空コアを介して流れることは理解されよう。さらに、8本の等距離にある流路が、この中空コアの接線方向に位置していること、例えば、中空コアと流路との間の配置が、ハブとスポークとは類似していないことは理解されよう。特定の実施形態例において、流路の接線方向の位置と、パターン(例えば、15度の回転)とは、予混合チャンバ103内での渦の形成を促進し、渦は、流体(例えば、P2)と気体(例えば、窒素)との混合を促進する。
【0026】
別の実施形態において、穿孔のパターンは、8本ではなく6本または10本1組の等距離にある流路を15度回転させることにより形成してもよい。同様に、別の実施形態例において、回転は、15度より大きくてもよく(例えば、20ないし25度)、あるいは小さくてもよい(例えば、5ないし10度)。
【0027】
図4は、実施形態例による、オスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。図4において、オスプラグ101は、メスハウジング112内に緊密に嵌合し、初期発泡体がさらに混合され最終発泡体(例えば、P3)となることを促進する密閉螺旋流路113を形成する。特定の実施形態例において、密閉螺旋流路の断面寸法は、1断面当たり約0.06インチ×0.04インチにしてよい。別の実施形態例において、密閉螺旋流路の断面寸法は、1断面当たり約0.06インチ×0.06インチにしてよい。大きな断面寸法を有する密閉螺旋流路の方が詰まりにくいことは理解されよう。図4は、さらに、流体(例えば、P2)がプラグ101内へ入る際に通過するチューブ110と、気体(例えば、窒素)がプラグ101の予混合チャンバに入る際に通過するチューブ111とを示している。最終発泡体(例えば、P3)は、別のチューブ114を介してプラグ101から出て行く。
【0028】
品質の異なる最終発泡体(例えば、P3)は、異なる目的にとって有用となり、品質は、気体の体積を気体および液体の体積により割ったものとして、0%(N2は無く全てP2)ないし98%(100sccmのN2および2.5mL/mのP2)の尺度において定義し得ることは理解されよう。さらに、後述するように、一定の発泡体の品質(例えば、80%)に対して、発泡体中の気泡の表面およびバルクサイズおよび発泡体中の気泡の表面およびバルク間隔は、螺旋流路の長さ(または距離)の関数となり、長さが長いほど、一定の品質に対して、表面およびバルクサイズが小さく、表面およびバルク間隔が小さい(例えば、互いに近接した)気泡が生成される傾向にある。
【0029】
図5は、実施形態例による、ユースポイントシステム内のオスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。図5において、オスプラグ101は、メスハウジング112内に緊密に嵌合しており、オスプラグ101は、(例えば、脱イオン水による)洗浄または他の保守のために容易に取り外し可能となる。図5は、図4に示した入口に代わる入口として、P2用の入口115と窒素用の入口116とを備えた予混合チャンバ103を示している。図5は、さらに、最終発泡体(例えば、P3)が、P3を基板(例えば、半導体ウェーハ)上に堆積させるために使用される近接ヘッドに向けて流動する際に通過する開口部105を示している。発泡体のユースポイントにおいて最終発泡体(例えば、P3)を生成する特定の実施形態例において、近接ヘッドは、さらに後述するように、図5の左側間近に配置し得る。
【0030】
図6Aは、実施形態例による、ユースポイントシステム内の2本のオスプラグを有するマニホルドを示す斜視図である。図6Aにおいて、マニホルド117は、図6Aの右上外側に位置する近接ヘッドへ最終発泡体(例えば、P3)を提供する2本のオスプラグ101を含む。図6Aは、さらに、オスプラグ101に対するP2流体用の輸送パイプ118と、窒素用の輸送パイプ119とを示す。この斜視図が、説明の目的から、オスプラグ101用のメスハウジングを示していないことは理解されよう。しかしながら、図6Aにおける構成要素の配置は、図5における構成要素の配置と同様である。
【0031】
図6Bは、実施形態例による、ユースポイントシステム内の一対のオスプラグを示す簡略図である。図6Bにおいて、一対のオスプラグ101(メスプラグは図示せず)は、発泡体を生成して、処理ステーション120内で近くに配置された上部および下部近接ヘッド121へ輸送する。その後、近接ヘッド121は、ウェーハキャリア123により支持された半導体ウェーハ122上に、メニスカス124を使用して低速で発泡体を堆積させる。メニスカス124内の発泡体のユースポイント近くで発泡体を生成することにより、システムは、発泡体を短距離のみ輸送することになり、特定の実施形態例において発泡体は高粘性非ニュートン流体であり得るため、有利となることは理解されよう。
【0032】
図6Cは、実施形態例による、処理ステーションを示す簡略図である。図6Cにおいて、オスプラグ101は、処理ステーション120内において近接ヘッド121(メスハウジングは図示せず)に接続されている。オスプラグ101は、さらに、特定の実施形態例において処理ステーション120からある程度離れた場所となり得る設備内に配置された流体供給源125および気体供給源126に接続されている。図6Cのオスプラグ101は、オスプラグ101により生成された発泡体が半導体ウェーハに低速で送給される近接ヘッド121の近くに配置されているため、依然としてユースポイントシステム内の構成要素であることは理解されよう。
【0033】
図7は、実施形態例による、搭載型流体送給システム内のオスプラグおよびメスハウジングを示す斜視図である。図7に示したように、搭載型流体供給システム127は、2本のオスプラグ101を含め、多数の構成要素を含む。特定の実施形態例において、搭載型流体送給システムは、最終発泡体(例えば、P3)を基板へ送給する近接ヘッドの下のキャビネット内に配置し得る。こうしたシステムにおいては、最終発泡体(例えば、P3)は発泡体のユースポイントにおいて生成されないが、上述したように、発泡体は、必要に応じて、依然として小さな表面およびバルク気泡サイズと、小さな表面およびバルク気泡サイズとを有することが可能であることは理解されよう。
【0034】
図8は、実施形態例において試験した2つの独立変数として、流路断面および流路長を示す図である。図8において、試験オスプラグ801は、0.07インチ×0.06インチの断面を備えた密閉螺旋流路を有し、試験オスプラグ802は、0.07インチ×0.07インチの断面を備えた密閉螺旋流路を有する。図8において、試験オスプラグ803は、試験オスプラグ804より1インチ長い密閉螺旋流路を有する(例えば、2.25インチの「非螺旋チューブ」−1.25インチの「非螺旋チューブ」)。
【0035】
図9は、実施形態例での流路断面および流路長に関する試験の結果を示す表である。この表において、「1インチ短い発生器」とした列は、図8の図803に対応し、「2インチ短い発生器」とした列は、図8の図804に対応しており、すなわち、「1インチ短い発生器」とした列は、1インチ長い密閉螺旋流路に対応する。流路長(または距離)が長いほど、発泡体(例えば、水、界面活性剤、および窒素)に作用する力(例えば、摩擦、圧力等)により、より小さなサイズ(例えば、表面およびバルク)および間隔(例えば、表面およびバルク)の気泡が発生することを表が示していることは理解されよう。一定の発泡体品質(例えば、80%)に対して、密閉螺旋流路が1インチ長い発生器は、より小さな表面気泡サイズ(例えば、171に対して134マイクロメートル)およびバルク気泡サイズ(例えば、193に対して189マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。さらに、同じ発泡体品質(例えば、80%)に対して、密閉螺旋流路が1インチ長い発生器は、より小さな表面気泡間隔(例えば、525に対して316マイクロメートル)およびバルク気泡間隔(例えば、234に対して209マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。
【0036】
図10は、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器と、長いビーズパックを有する発泡体発生器との比較を示す表である。一定の発泡体品質(例えば、91%)と一定の気体および流体の量(例えば、400sccmのN2および40mL/mのP2)とに対して、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器は、長いビーズパックに匹敵する平均表面気泡サイズ(131に対して134マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。同じ発泡体品質と気体および流体の量とに対して、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器は、長いビーズパックに匹敵する平均表面気泡間隔(265に対して318マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。
【0037】
図11は、実施形態例での背圧を示す時系列のプロットである。このプロットにより示しように、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器は、時間の経過に対して一定の背圧(例えば、PSI)を有する傾向にあり、すなわち、発泡体発生器が一定の流れを有する状態、例えば、発泡体発生器が詰まっていない状態を示す傾向にある。詰まりは、ビーズパックを利用する発泡体発生器に関連する問題であったことが想起されよう。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上、理解を明確にする目的から、ある程度詳細に実施形態例を説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で一定の変更および変形を実施し得ることは明らかであろう。例えば、連続螺旋陥凹部は、別の実施形態例において、オスプラグではなくメスハウジング上に配置されてもよい。さらに、本明細書において説明した発明は、機械的な発泡体の生成を伴う他の用途においても使用し得る(例えば、油井およびガス井掘削用の発泡体、料理用発泡体、化粧用発泡体を伴う用途)。したがって、実施形態例は、例示的であって、限定的ではないと見做すべきであり、本発明は、本明細書に記載の詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲内およびその等価物の範囲内で変形し得る。
【背景技術】
【0001】
多数の公開特許出願に記載されるように、低速で堆積させた高粘性非ニュートン流体により、半導体ウェーハから粒子を取り除くためのシステムが開発されている。例えば、出典を明記することにより全て本願明細書の一部とした2005年6月15日提出の米国公開特許出願第2006/0283486号「非ニュートン流体を使用して基板を洗浄する方法および装置」、2006年2月3日提出の米国公開特許出願第2006/0128590号「基板から汚染を除去する方法および洗浄溶液を作成する方法」、および2006年2月3日提出の米国公開特許出願第2006/0128600号「洗浄化合物および洗浄化合物を使用する方法およびシステム」を参照されたい。
【0002】
特定の実施例において、高粘性非ニュートン流体は、何千ものサファイアビーズ(例えば、直径約1mm)の集塊により形成されたマイクロチャネルにおいて気体(窒素等)と流体(ミセルの形成が可能な脂肪酸等の界面活性剤を含む水溶液)とを機械的に混合することにより形成された発泡体である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうした実施例には、大きな欠点がある。サファイアビーズは、比較的高価であり、発泡体と反応する。さらに、ビーズ集塊は、非常に頻繁に詰まり、洗浄には多大な時間と費用を要する。
【0004】
こうした欠点の結果として、基板(例えば、半導体ウェーハ)を洗浄する発泡体を機械的に生成する、安価で容易に維持可能な装置、方法、およびシステムを提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態例は、基板を洗浄する発泡体を機械的に生成することを対象とした装置、システム、および方法を含む。一実施形態においてデバイスは、メスハウジングとオスプラグとを含む。プラグは、洗浄システムの別の部分から流体が流れ込む開口部を含む。プラグは、開口部から流体を受領するとともに、初期発泡体を形成するために窒素等の気体が注入される予混合チャンバを含む。特定の一実施形態例において、チャンバは、中空のシリンダであり、気体は、シリンダに対して接線方向にある流路を介してシリンダへ注入される。加えて、プラグは、外側に連続螺旋陥凹部を有する中実シリンダ(中実円柱部)を含む。オスプラグがメスハウジングに挿入される時、連続螺旋陥凹部と、ハウジングの内面とは、密閉された螺旋流路を形成し、螺旋流路を介して、初期発泡体は流動し、洗浄システムの別の構成要素、例えば、最終発泡体が半導体ウェーハに付与される近接ヘッドにプラグを接続する別の開口部へ発泡体が進む際に、さらに混合される。特定の一実施形態例において、プラグおよびハウジングは、最終発泡体が半導体ウェーハに付与される近接ヘッドに近接しており、例えば、プラグおよびハウジングは、最終発泡体のユースポイントに配置される。別の実施形態例において、プラグおよびハウジングは、洗浄システムの別の部分(例えば、搭載型流体送給システム)において、最終発泡体のユースポイントから離れて配置される。
【0006】
本発明の利点は、本発明の原理を一例として示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施形態例による、オスプラグを示す斜視図である。
【0008】
【図2】実施形態例による、オスプラグの断面を示す図である。
【0009】
【図3】実施形態例による、オスプラグ内の予混合チャンバの断面を示す図である。
【0010】
【図4】実施形態例による、オスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。
【0011】
【図5】実施形態例による、ユースポイントシステム内のオスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。
【0012】
【図6A】実施形態例による、ユースポイントシステム内のオスプラグおよびメスハウジングを示す斜視図である。
【0013】
【図6B】実施形態例による、ユースポイントシステム内の一対のオスプラグを示す簡略図である。
【0014】
【図6C】実施形態例による、処理ステーションを示す簡略図である。
【0015】
【図7】実施形態例による、搭載型流体送給システム内のオスプラグおよびメスハウジングを示す斜視図である。
【0016】
【図8】実施形態例において試験した2つの独立変数として、流路断面および流路長を示す図である。
【0017】
【図9】実施形態例での流路断面および流路長に関する試験の結果を示す表である。
【0018】
【図10】プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器と、長いビーズパックを有する発泡体発生器との比較を示す表である。
【0019】
【図11】実施形態例での背圧を示す時系列のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明では、実施形態例を完全に理解するために、多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、こうした具体的な詳細の一部が無くとも実施形態例を実施し得ることは、当業者には明らかであろう。また、実施例の詳細および処理動作は、既に周知である場合、詳細に説明しない。
【実施例】
【0021】
図1は、実施形態例による、オスプラグの斜視図を示している。図1において、オスプラグ101は、基板(例えば、半導体ウェーハ)を洗浄するシステムにより、流体(例えば、P2)が投入される、あるいはポンプにより送り込まれる、開口部102を含む。特定の実施形態例において、流体の流量は、5mLないし50mLにしてよい。開口部102から、流体は、予混合チャンバ103へ流入し、予混合チャンバ103において、流体には気体(N2または窒素)が注入され、初期発泡体が形成される。特定の実施形態例において、注入気体の流量は、50sccmないし500sccmにしてよい。予混合チャンバ103から、初期発泡体は、プラグの外面上の連続螺旋陥凹部104を介して流動し、最終発泡体(例えば、P3)を洗浄システムへ出力する開口部105に至る。図1において、「P2」という用語は、投入流体内に存在する物質の2つの相、例えば、液体の水および固体の界面活性剤を表す。「P3」という用語は、出力発泡体内に存在する物質の3つの相、例えば、液体の水、固体の界面活性剤、および気体の窒素を表す。P3は、高粘性非ニュートン流体であることは理解されよう。
【0022】
特定の実施形態例において、オスプラグは、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)またはKYNAR(HYLARまたはSYGEFとも呼ばれる)等の高い非反応性を有する熱可塑性物質により作成し得る。他の実施形態例において、プラグは、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTEF)またはヘイラー(Halar)により作成し得る。オスプラグを作成するために使用する材料を、メスハウジングを作成するために使用する材料と一致させることが有益となり得ることは理解されよう(例えば、オスプラグおよびメスハウジングは、これにより同じ熱膨張係数を有する)。
【0023】
図2は、実施形態例による、オスプラグの断面を示す図である。図2において、オスプラグ101は、中空コアを有する予混合チャンバ103を含み、予混合チャンバ103は、さらに後述するように、気体(例えば、窒素)の投入を可能にする多数の穿孔106を外面に有する。オスプラグ101は、さらに、流体(例えば、P2)が予混合チャンバ103に入る際に通る開口部102と、初期発泡体(例えば、窒素およびP2)が予混合チャンバ103を退出する際に通る開口部107とを有する。予混合チャンバを退出後、初期発泡体は、プラグの外面上の連続螺旋陥凹部104を通過する。図2に示したように、連続螺旋陥凹部下のプラグは、中実であり、構造的な支持を提供する。しかしながら、他の実施形態において、連続螺旋陥凹部下のプラグは、同様に中空コアを有してもよい。初期発泡体が連続螺旋陥凹部により形成された流路を通ると、初期発泡体は、最終発泡体(例えば、P3)として現れ、開口部105に入り、洗浄システムの別の構成要素、例えば、発泡体を低速で基板へ送給する近接ヘッドへ進む。
【0024】
特定の実施形態例において、こうした近接ヘッドは、オスプラグ101と、プラグ用のハウジングとに近接している。すなわち、プラグ101およびハウジングは、発泡体のユースポイント(使用場所:the point of use:)において発泡体を生成する。しかしながら、特定の実施形態例において、最終発泡体(例えば、P3)は、密閉通路(例えば、チューブ)内に閉じ込められた時に、比較的長期間に渡ってその混合物(例えば、気泡)を維持し、発泡体は、こうした通路を介して、(例えば、搭載型流体送給システム内の)プラグ101およびハウジングから比較的離れた近接ヘッドへ輸送し得る。
【0025】
図3は、実施形態例による、オスプラグ内の予混合チャンバの断面を示す図である。図3において、オスプラグ101は、流体(例えば、P2)の予混合チャンバ103への流入を可能にする開口部102を含む。図3に示したように、予混合チャンバ103は、気体(例えば、窒素)を注入するための流路であるとともに特定のパターンに従った多数の小さな穿孔を有する。図3の右側の注釈に示したように、パターンは、同一の断平面上にある8本1組の等距離にある流路(例えば、各流路が隣接する2本の流路から45度に位置する)を15度回転させることにより形成される。回転は、図3の左側の断面108および109において図示している。断面108(例えば、103のB−B)は、15度回転させる前の8本の等距離にある流路を示す。断面109(例えば、103のC−C)は、15度回転させた後の8本の等距離にある流路を示す。断面108および109は、さらに、予混合チャンバ103の中空コアを示している。流体(例えば、P2)が、この中空コアを介して流れることは理解されよう。さらに、8本の等距離にある流路が、この中空コアの接線方向に位置していること、例えば、中空コアと流路との間の配置が、ハブとスポークとは類似していないことは理解されよう。特定の実施形態例において、流路の接線方向の位置と、パターン(例えば、15度の回転)とは、予混合チャンバ103内での渦の形成を促進し、渦は、流体(例えば、P2)と気体(例えば、窒素)との混合を促進する。
【0026】
別の実施形態において、穿孔のパターンは、8本ではなく6本または10本1組の等距離にある流路を15度回転させることにより形成してもよい。同様に、別の実施形態例において、回転は、15度より大きくてもよく(例えば、20ないし25度)、あるいは小さくてもよい(例えば、5ないし10度)。
【0027】
図4は、実施形態例による、オスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。図4において、オスプラグ101は、メスハウジング112内に緊密に嵌合し、初期発泡体がさらに混合され最終発泡体(例えば、P3)となることを促進する密閉螺旋流路113を形成する。特定の実施形態例において、密閉螺旋流路の断面寸法は、1断面当たり約0.06インチ×0.04インチにしてよい。別の実施形態例において、密閉螺旋流路の断面寸法は、1断面当たり約0.06インチ×0.06インチにしてよい。大きな断面寸法を有する密閉螺旋流路の方が詰まりにくいことは理解されよう。図4は、さらに、流体(例えば、P2)がプラグ101内へ入る際に通過するチューブ110と、気体(例えば、窒素)がプラグ101の予混合チャンバに入る際に通過するチューブ111とを示している。最終発泡体(例えば、P3)は、別のチューブ114を介してプラグ101から出て行く。
【0028】
品質の異なる最終発泡体(例えば、P3)は、異なる目的にとって有用となり、品質は、気体の体積を気体および液体の体積により割ったものとして、0%(N2は無く全てP2)ないし98%(100sccmのN2および2.5mL/mのP2)の尺度において定義し得ることは理解されよう。さらに、後述するように、一定の発泡体の品質(例えば、80%)に対して、発泡体中の気泡の表面およびバルクサイズおよび発泡体中の気泡の表面およびバルク間隔は、螺旋流路の長さ(または距離)の関数となり、長さが長いほど、一定の品質に対して、表面およびバルクサイズが小さく、表面およびバルク間隔が小さい(例えば、互いに近接した)気泡が生成される傾向にある。
【0029】
図5は、実施形態例による、ユースポイントシステム内のオスプラグおよびメスハウジングの断面を示す図である。図5において、オスプラグ101は、メスハウジング112内に緊密に嵌合しており、オスプラグ101は、(例えば、脱イオン水による)洗浄または他の保守のために容易に取り外し可能となる。図5は、図4に示した入口に代わる入口として、P2用の入口115と窒素用の入口116とを備えた予混合チャンバ103を示している。図5は、さらに、最終発泡体(例えば、P3)が、P3を基板(例えば、半導体ウェーハ)上に堆積させるために使用される近接ヘッドに向けて流動する際に通過する開口部105を示している。発泡体のユースポイントにおいて最終発泡体(例えば、P3)を生成する特定の実施形態例において、近接ヘッドは、さらに後述するように、図5の左側間近に配置し得る。
【0030】
図6Aは、実施形態例による、ユースポイントシステム内の2本のオスプラグを有するマニホルドを示す斜視図である。図6Aにおいて、マニホルド117は、図6Aの右上外側に位置する近接ヘッドへ最終発泡体(例えば、P3)を提供する2本のオスプラグ101を含む。図6Aは、さらに、オスプラグ101に対するP2流体用の輸送パイプ118と、窒素用の輸送パイプ119とを示す。この斜視図が、説明の目的から、オスプラグ101用のメスハウジングを示していないことは理解されよう。しかしながら、図6Aにおける構成要素の配置は、図5における構成要素の配置と同様である。
【0031】
図6Bは、実施形態例による、ユースポイントシステム内の一対のオスプラグを示す簡略図である。図6Bにおいて、一対のオスプラグ101(メスプラグは図示せず)は、発泡体を生成して、処理ステーション120内で近くに配置された上部および下部近接ヘッド121へ輸送する。その後、近接ヘッド121は、ウェーハキャリア123により支持された半導体ウェーハ122上に、メニスカス124を使用して低速で発泡体を堆積させる。メニスカス124内の発泡体のユースポイント近くで発泡体を生成することにより、システムは、発泡体を短距離のみ輸送することになり、特定の実施形態例において発泡体は高粘性非ニュートン流体であり得るため、有利となることは理解されよう。
【0032】
図6Cは、実施形態例による、処理ステーションを示す簡略図である。図6Cにおいて、オスプラグ101は、処理ステーション120内において近接ヘッド121(メスハウジングは図示せず)に接続されている。オスプラグ101は、さらに、特定の実施形態例において処理ステーション120からある程度離れた場所となり得る設備内に配置された流体供給源125および気体供給源126に接続されている。図6Cのオスプラグ101は、オスプラグ101により生成された発泡体が半導体ウェーハに低速で送給される近接ヘッド121の近くに配置されているため、依然としてユースポイントシステム内の構成要素であることは理解されよう。
【0033】
図7は、実施形態例による、搭載型流体送給システム内のオスプラグおよびメスハウジングを示す斜視図である。図7に示したように、搭載型流体供給システム127は、2本のオスプラグ101を含め、多数の構成要素を含む。特定の実施形態例において、搭載型流体送給システムは、最終発泡体(例えば、P3)を基板へ送給する近接ヘッドの下のキャビネット内に配置し得る。こうしたシステムにおいては、最終発泡体(例えば、P3)は発泡体のユースポイントにおいて生成されないが、上述したように、発泡体は、必要に応じて、依然として小さな表面およびバルク気泡サイズと、小さな表面およびバルク気泡サイズとを有することが可能であることは理解されよう。
【0034】
図8は、実施形態例において試験した2つの独立変数として、流路断面および流路長を示す図である。図8において、試験オスプラグ801は、0.07インチ×0.06インチの断面を備えた密閉螺旋流路を有し、試験オスプラグ802は、0.07インチ×0.07インチの断面を備えた密閉螺旋流路を有する。図8において、試験オスプラグ803は、試験オスプラグ804より1インチ長い密閉螺旋流路を有する(例えば、2.25インチの「非螺旋チューブ」−1.25インチの「非螺旋チューブ」)。
【0035】
図9は、実施形態例での流路断面および流路長に関する試験の結果を示す表である。この表において、「1インチ短い発生器」とした列は、図8の図803に対応し、「2インチ短い発生器」とした列は、図8の図804に対応しており、すなわち、「1インチ短い発生器」とした列は、1インチ長い密閉螺旋流路に対応する。流路長(または距離)が長いほど、発泡体(例えば、水、界面活性剤、および窒素)に作用する力(例えば、摩擦、圧力等)により、より小さなサイズ(例えば、表面およびバルク)および間隔(例えば、表面およびバルク)の気泡が発生することを表が示していることは理解されよう。一定の発泡体品質(例えば、80%)に対して、密閉螺旋流路が1インチ長い発生器は、より小さな表面気泡サイズ(例えば、171に対して134マイクロメートル)およびバルク気泡サイズ(例えば、193に対して189マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。さらに、同じ発泡体品質(例えば、80%)に対して、密閉螺旋流路が1インチ長い発生器は、より小さな表面気泡間隔(例えば、525に対して316マイクロメートル)およびバルク気泡間隔(例えば、234に対して209マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。
【0036】
図10は、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器と、長いビーズパックを有する発泡体発生器との比較を示す表である。一定の発泡体品質(例えば、91%)と一定の気体および流体の量(例えば、400sccmのN2および40mL/mのP2)とに対して、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器は、長いビーズパックに匹敵する平均表面気泡サイズ(131に対して134マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。同じ発泡体品質と気体および流体の量とに対して、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器は、長いビーズパックに匹敵する平均表面気泡間隔(265に対して318マイクロメートル)を有する気泡を生成する傾向にある。
【0037】
図11は、実施形態例での背圧を示す時系列のプロットである。このプロットにより示しように、プラグおよびハウジングを有する発泡体発生器は、時間の経過に対して一定の背圧(例えば、PSI)を有する傾向にあり、すなわち、発泡体発生器が一定の流れを有する状態、例えば、発泡体発生器が詰まっていない状態を示す傾向にある。詰まりは、ビーズパックを利用する発泡体発生器に関連する問題であったことが想起されよう。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上、理解を明確にする目的から、ある程度詳細に実施形態例を説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で一定の変更および変形を実施し得ることは明らかであろう。例えば、連続螺旋陥凹部は、別の実施形態例において、オスプラグではなくメスハウジング上に配置されてもよい。さらに、本明細書において説明した発明は、機械的な発泡体の生成を伴う他の用途においても使用し得る(例えば、油井およびガス井掘削用の発泡体、料理用発泡体、化粧用発泡体を伴う用途)。したがって、実施形態例は、例示的であって、限定的ではないと見做すべきであり、本発明は、本明細書に記載の詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲内およびその等価物の範囲内で変形し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面を有するメスハウジングと、
オスプラグと、を備える装置であって、
オスプラグは、さらに
流体が流入する第1の開口部と、
前記第1の開口部に接続されたチャンバであって、気体が前記流体と混合して発泡体を形成するチャンバと、
前記チャンバに接続された中実シリンダであって、前記メスハウジング内に存在するときに前記メスハウジングの内面とともに密閉流路を形成する螺旋陥凹部を外面上に有する中実シリンダであり、前記発泡体は前記オスプラグの前記チャンバから前記密閉流路へ流動することが可能であり、前記密閉流路において、前記発泡体は一定距離移動してさらに混合される、中実シリンダと、
前記発泡体が流出する、前記中空シリンダに接続された第2の開口部と、を備える、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、
前記チャンバは、さらに、前記流体が流動して通過するとともに、前記気体が注入される中空シリンダを備える、装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置であって、
前記中空シリンダを有する前記チャンバは、前記気体を前記チャンバ内へ輸送して、前記中空シリンダ内での渦の形成を促進するための注入流路を含む、装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、
前記注入流路は、前記中空シリンダの軸線に対して接線方向に位置する、装置。
【請求項5】
請求項3記載の装置であって、
前記注入流路は、一定のパターンにおいて画成され、
前記パターンは、所定の分離角度に配向される、装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置であって、
前記分離角度は、約5ないし20度である、装置。
【請求項7】
請求項3記載の装置であって、
各注入流路は、両方の隣接注入流路から等距離にあり、
全ての前記注入チャネルは、前記中空シリンダの同一の断平面上にある、装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置であって、
前記流体は、水および界面活性剤を含む、装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置であって、
前記装置は、前記発泡体のユースポイントにおいて発泡体を提供するために使用される、装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置であって、
前記発泡体は、基板を洗浄するために使用される、装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置であって、
前記基板は、半導体ウェーハである、装置。
【請求項12】
発泡体を生成する方法であって、
前記発泡体により基板を洗浄するシステムにおいてメスハウジング内に嵌合するオスプラグの構成要素である予混合チャンバに、流体を送り込むステップと、
前記流体からの前記発泡体の生成を開始するために、前記予混合チャンバへ気体を注入するステップと、
前記オスプラグの外面上の螺旋陥凹部と、前記メスハウジングの内面とにより形成された密閉螺旋流路へ、前記予混合チャンバから前記発泡体を流入させるステップと、
前記洗浄システムの構成要素へ送給するために前記螺旋流路の出口端部から前記発泡体を出力するステップと、を備え、
一定の期間に渡って前記流体を送り込むとともに前記気体を注入することにより、前記発泡体を前記密閉螺旋流路に沿って一定距離移動させ、前記発泡体が前記移動距離に関連した所望の状態に達することを可能にする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、
前記所望の状態は、前記発泡体の所定の品質についてのものであって、気泡サイズと気泡間隔とに関するものである、方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法であって、
前記予混合チャンバは、さらに、前記流体が流動して通過するとともに、前記気体が注入される中空シリンダを備える、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、
前記気体は、前記中空シリンダ内での渦の形成を促進する注入流路を介して前記中空シリンダへ注入される、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、
前記注入流路は、前記中空シリンダの軸線に対して接線方向に位置する、方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法であって、
前記注入流路は、一定のパターンにおいて画成される、方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法であって、
前記パターンは、約5ないし20度の所定の分離角度に配向される、方法。
【請求項19】
請求項12記載の方法であって、
前記流体は、水および界面活性剤を含む、方法。
【請求項20】
請求項12記載の方法であって、
前記方法は、発泡体を前記発泡体のユースポイントにおいて提供するために使用される、方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法であって、
前記発泡体は、基板を洗浄するために使用される、方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法であって、
前記基板は、半導体ウェーハである、方法。
【請求項23】
メスハウジングと、
オスプラグと、を備える装置であって、
前記オスプラグは、前記メスハウジングの内面とともに密閉流路を形成する螺旋陥凹部を前記オスプラグの外面上に有し、
前記密閉流路は、気泡サイズおよび気泡間隔に関して前記発泡体の所望の状態を得るために、前記密閉流路の距離に沿った発泡体の移動を促進する、装置。
【請求項24】
請求項23記載の装置であって、
前記発泡体は、非ニュートン流体を含む、装置。
【請求項25】
請求項23記載の装置であって、さらに、
前記オスプラグの一端に接続された中空シリンダを有するチャンバを備え、
前記発泡体は、前記中空シリンダに送り込まれた流体と、前記中空シリンダに注入された気体とにより最初に生成される、装置。
【請求項26】
請求項25記載の装置であって、
前記中空シリンダを有する前記チャンバは、さらに、
前記気体を前記中空シリンダ内へ輸送して、前記中空シリンダ内での渦の形成を促進するための注入流路を備える、装置。
【請求項1】
内面を有するメスハウジングと、
オスプラグと、を備える装置であって、
オスプラグは、さらに
流体が流入する第1の開口部と、
前記第1の開口部に接続されたチャンバであって、気体が前記流体と混合して発泡体を形成するチャンバと、
前記チャンバに接続された中実シリンダであって、前記メスハウジング内に存在するときに前記メスハウジングの内面とともに密閉流路を形成する螺旋陥凹部を外面上に有する中実シリンダであり、前記発泡体は前記オスプラグの前記チャンバから前記密閉流路へ流動することが可能であり、前記密閉流路において、前記発泡体は一定距離移動してさらに混合される、中実シリンダと、
前記発泡体が流出する、前記中空シリンダに接続された第2の開口部と、を備える、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、
前記チャンバは、さらに、前記流体が流動して通過するとともに、前記気体が注入される中空シリンダを備える、装置。
【請求項3】
請求項2記載の装置であって、
前記中空シリンダを有する前記チャンバは、前記気体を前記チャンバ内へ輸送して、前記中空シリンダ内での渦の形成を促進するための注入流路を含む、装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、
前記注入流路は、前記中空シリンダの軸線に対して接線方向に位置する、装置。
【請求項5】
請求項3記載の装置であって、
前記注入流路は、一定のパターンにおいて画成され、
前記パターンは、所定の分離角度に配向される、装置。
【請求項6】
請求項5記載の装置であって、
前記分離角度は、約5ないし20度である、装置。
【請求項7】
請求項3記載の装置であって、
各注入流路は、両方の隣接注入流路から等距離にあり、
全ての前記注入チャネルは、前記中空シリンダの同一の断平面上にある、装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置であって、
前記流体は、水および界面活性剤を含む、装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置であって、
前記装置は、前記発泡体のユースポイントにおいて発泡体を提供するために使用される、装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置であって、
前記発泡体は、基板を洗浄するために使用される、装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置であって、
前記基板は、半導体ウェーハである、装置。
【請求項12】
発泡体を生成する方法であって、
前記発泡体により基板を洗浄するシステムにおいてメスハウジング内に嵌合するオスプラグの構成要素である予混合チャンバに、流体を送り込むステップと、
前記流体からの前記発泡体の生成を開始するために、前記予混合チャンバへ気体を注入するステップと、
前記オスプラグの外面上の螺旋陥凹部と、前記メスハウジングの内面とにより形成された密閉螺旋流路へ、前記予混合チャンバから前記発泡体を流入させるステップと、
前記洗浄システムの構成要素へ送給するために前記螺旋流路の出口端部から前記発泡体を出力するステップと、を備え、
一定の期間に渡って前記流体を送り込むとともに前記気体を注入することにより、前記発泡体を前記密閉螺旋流路に沿って一定距離移動させ、前記発泡体が前記移動距離に関連した所望の状態に達することを可能にする方法。
【請求項13】
請求項12記載の方法であって、
前記所望の状態は、前記発泡体の所定の品質についてのものであって、気泡サイズと気泡間隔とに関するものである、方法。
【請求項14】
請求項12記載の方法であって、
前記予混合チャンバは、さらに、前記流体が流動して通過するとともに、前記気体が注入される中空シリンダを備える、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、
前記気体は、前記中空シリンダ内での渦の形成を促進する注入流路を介して前記中空シリンダへ注入される、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、
前記注入流路は、前記中空シリンダの軸線に対して接線方向に位置する、方法。
【請求項17】
請求項15記載の方法であって、
前記注入流路は、一定のパターンにおいて画成される、方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法であって、
前記パターンは、約5ないし20度の所定の分離角度に配向される、方法。
【請求項19】
請求項12記載の方法であって、
前記流体は、水および界面活性剤を含む、方法。
【請求項20】
請求項12記載の方法であって、
前記方法は、発泡体を前記発泡体のユースポイントにおいて提供するために使用される、方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法であって、
前記発泡体は、基板を洗浄するために使用される、方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法であって、
前記基板は、半導体ウェーハである、方法。
【請求項23】
メスハウジングと、
オスプラグと、を備える装置であって、
前記オスプラグは、前記メスハウジングの内面とともに密閉流路を形成する螺旋陥凹部を前記オスプラグの外面上に有し、
前記密閉流路は、気泡サイズおよび気泡間隔に関して前記発泡体の所望の状態を得るために、前記密閉流路の距離に沿った発泡体の移動を促進する、装置。
【請求項24】
請求項23記載の装置であって、
前記発泡体は、非ニュートン流体を含む、装置。
【請求項25】
請求項23記載の装置であって、さらに、
前記オスプラグの一端に接続された中空シリンダを有するチャンバを備え、
前記発泡体は、前記中空シリンダに送り込まれた流体と、前記中空シリンダに注入された気体とにより最初に生成される、装置。
【請求項26】
請求項25記載の装置であって、
前記中空シリンダを有する前記チャンバは、さらに、
前記気体を前記中空シリンダ内へ輸送して、前記中空シリンダ内での渦の形成を促進するための注入流路を備える、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6B】
【図6C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6B】
【図6C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図6A】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2011−530193(P2011−530193A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522146(P2011−522146)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/052609
【国際公開番号】WO2010/017146
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/052609
【国際公開番号】WO2010/017146
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】
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