説明

基板支持装置及びこれを含む基板処理装置

【課題】 基板支持装置及びこれを含む基板処理装置が開示される。
【解決手段】 基板支持装置は、本体部、ベースプレート、及び緩衝部を含む。前記本体部は、上面に基板が置かれ、発熱電極が内蔵されたプレート及び前記プレートの下面から突出されたチューブを含む。前記ベースプレートは、前記本体部を支持する。前記緩衝部は、前記本体部のチューブと前記ベースプレートとの間に配置され、前記本体部より高く前記ベースプレートより低い熱膨張率を有する。従って、ベースプレートと本体部のチューブとの間の熱膨張率の差異を緩衝部によって緩衝させることにより、本体部が破損されることを防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板支持装置及びこれを含む基板処理装置に関し、より詳細には集積回路素子を製造するのに使用される基板を支持する支持装置及び前記支持装置によって支持される前記基板を処理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、集積回路素子は、半導体又はガラス材質の基板を基礎として、蒸着工程、エッチング工程、フォトリソグラフィ工程、イオン注入工程などを含んで製造される。
【0003】
前記のような工程は基本的に、空間を提供する工程チャンバーと前記工程チャンバー内に配置され外部から搬入される前記基板を支持固定する基板支持部を含む基板処理装置によって進行される。
【0004】
ここで、前記基板処理装置が前記工程のうち、蒸着又はエッチング工程を進行しようとする場合、前記工程チャンバーには前記蒸着又はエッチング工程によって互いに異なる工程ガスが注入される。又、前記工程チャンバーの内部は、前記蒸着又はエッチング工程をより円滑に進行するために、高真空状態が維持される。又、前記工程チャンバーの内部は、前記蒸着又はエッチング工程を行うためのプラズマを発生させるために高温状態が維持される。
【0005】
前記基板支持部は、前記工程チャンバーの底面に装着されるベース部及び前記ベース部に接合され前記基板が置かれる本体部を含む。
【0006】
前記本体部は、上面に基板が置かれて電極部材が内蔵されたプレート及び前記プレートの下面から突出され内部に前記電極部材と連結された配線が形成されたチューブを含む。
【0007】
しかし、前記配線は、前記チューブの内部でそれぞれ絶縁体で囲まれた状態で非常に近く配置され所定流動することにより、前記チューブと前記プレートが結合された位置で前記絶縁体の一部が剥げる場合、前記配線が電気的に短絡される問題点がある。
【0008】
又、前記ベース部は、強度が優れ破損可能性の少ない金属材質からなり、前記本体部は、前記プラズマとの反応を排除させるためのセラミック材質からなることにより、前記本体部は前記工程チャンバー内の高温状態による前記ベース部の熱膨張率によって破損される更に他の問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明は、このような問題点を勘案したもので、本発明の目的は、配線の電気的な短絡を防止しながらベース部の熱膨張によって本体部の破損を防止することができる基板支持装置を提供することにある。
【0010】
又、本発明の他の目的は、前記基板支持装置を含む基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した本発明の目的を達成するために、本発明の一特徴による基板支持装置は、本体部及び絶縁部を含む。前記本体部は上面に基板が置かれ、電極部材が内蔵されたプレート
及び前記プレートの下面から突出され内部に前記電極部材から延長された多数の配線が位置するチューブを含む。前記絶縁部は前記チューブに挿入され、前記配線を互いに絶縁させるために前記配線が個別的に挿入される挿入ホールが形成される。
【0012】
これに、前記絶縁部は、前記チューブの内壁との間の間隔を一定に維持するための埋立体を含む。ここで、前記埋立体は前記絶縁部の外面に突出された突起部を含むことができる。
【0013】
又、前記電極部材は、発熱電極を含むことができる。
【0014】
これに、前記基板支持装置は、前記本体部を支持するベースプレート及び前記本体部のチューブと前記ベースプレートとの間に配置され、前記本体部より高く前記ベースプレートより低い熱膨張率を有する緩衝部を更に含む。
【0015】
この際、前記緩衝部及び前記ベースプレートは、それぞれ前記チューブと連通する第1及び第2貫通ホールを有する。これに、前記絶縁部は、前記第1及び第2貫通ホールを通じて延長された構造を有することができる。これと異なり、前記基板支持装置は、前記第1及び第2貫通ホールを通じて前記絶縁部と結合して前記配線が個別的に挿入される第2挿入ホールが形成された第2絶縁部を更に含むことができる。
【0016】
一方、前記基板支持装置は、前記チューブの外壁を囲みながら前記プレートと前記ベースプレートとの間に配置され、前記基板を処理するための工程ガスから前記ベースプレートを保護するための保護ブロックを更に含むことができる。
【0017】
前記保護ブロックは、前記電極部材の発熱電極から発生された熱の損失を防止するために前記プレートと離隔した構造を有する。この際、前記保護ブロックと前記プレートとの間の間隔は、0.05〜7mmであることを特徴とすることができる。
【0018】
又、前記保護ブロックは、前記チューブを基準として少なくとも2つが分割された構造を有することができる。
【0019】
一方、前記基板支持装置は、前記チューブと前記緩衝部との間及び前記緩衝部と前記ベースプレートとの間にそれぞれ配置され、前記チューブの内部空間を外部から遮断するための第1及び第2シーリング部を更に含むことができる。
【0020】
又、前記基板支持装置は、前記チューブと前記緩衝部及び前記緩衝部と前記ベースプレートとの間でこれらをそれぞれ結合させるための第1及び第2結合部材を更に含むことができる。
【0021】
前述した本発明の目的を達成するために、他の特徴による基板支持装置は、本体部、ベースプレート、及び緩衝部を含む。前記本体部は、上面に基板が置かれ、発熱電極が内蔵されたプレート及び前記プレートの下面から突出されたチューブを含む。前記ベースプレートは、前記本体部を支持する。前記緩衝部は、前記本体部のチューブと前記ベースプレートとの間に配置され、前記本体部より高く前記ベースプレートより低い熱膨張率を有する。
【0022】
これに、前記基板支持装置は、前記チューブの外壁を囲みながら前記プレートと前記ベースプレートとの間に配置され、前記基板を処理するための工程ガスから前記ベースプレートを保護するための保護ブロックを更に含むことができる。
【0023】
前述した本発明の他の目的を達成するために、一特徴による基板処理装置は、工程チャンバー、ガス提供部、及び基板支持部を含む。前記工程チャンバーは、基板を処理するための空間を提供する。前記ガス提供部は前記工程チャンバーと連結され、前記基板を処理するための工程ガスを前記工程チャンバーの内部に提供する。前記基板支持部は、前記工程チャンバーの内部に配置され、前記工程ガスを通じて処理される前記基板を支持する。これに、前記基板支持部は、上面に前記基板が置かれ、電極部材が内蔵されたプレート及び前記プレートの下面から突出され内部に前記電極部材から延長された少なくとも2つの配線が位置するチューブを含む本体部、及び前記チューブに挿入され、前記配線を互いに絶縁させるために前記配線が個別的に挿入される挿入ホールが形成された絶縁部を含む。
【0024】
一方、前記基板支持部は、前記電極部材は発熱電極を含む場合、前記本体部を支持するベースプレート及び前記本体部のチューブと前記ベースプレートとの間に配置され、前記本体部より高く前記ベースプレートより低い熱膨張率を有する緩衝部を更に含むことができる。
【0025】
又、前記基板支持部は、前記チューブの外壁を囲みながら前記プレートと前記ベースプレートとの間に配置され、前記工程ガスから前記ベースプレートを保護するための保護ブロックを更に含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
このような基板支持装置及びこれを含む基板処理装置によると、本体部のうちチューブの内部に位置した配線を絶縁部の挿入ホールに一括的に挿入させることにより、前記配線の流動を防止しながら前記チューブとプレートとの間で前記配線が電気的に短絡されることを防止することができる。
【0027】
又、前記ベース部のベースプレートと前記本体部のチューブとの間に前記ベースプレートの熱膨張を緩衝させるための緩衝部を配置させることにより、前記ベースプレートの熱膨張によって前記本体部が破損されることを防止することができる。
【0028】
これによって、前記基板支持装置の全体的な不良率を減少させて前記基板支持装置を用いて処理される前記基板の生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施例による基板支持装置を概略的に示す断面図である。
【図2】図1に図示された基板支持装置を分解した図である。
【図3】図2のI−I’線に沿って切断した断面図である。
【図4】図2のA部分の拡大図である。
【図5】本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本発明は多様に変更することができ、多様な形態を有することができること、特定の実施形態を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定するのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、乃至代替物を含むことを理解すべきである。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して付与した。図面において、構造物の寸法は本発明の明確性のために実際より拡大して示した。第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用することができるが、構成要素は用語によって限定されない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から逸脱することなしに、第1構成要素は第2構成要素と称されてもよく、同様に第2構成要素も第1構成要素に
称されてもよい。単数の表現は、文脈上、明白に相違が示されない限り、複数の表現を含む。
本出願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを意図するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたもの等の存在または付加の可能性を予め排除しないことを理解しなければならない。
なお、異なるものとして定義しない限り、技術的であるか科学的な用語を含めてここで用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に用いられる辞典に定義されているもののような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有することと解釈すべきであり、本出願で明白に定義されない限り、異常的であるか過度に形式的な意味に解釈されない。
【0031】
図1は本発明の一実施例による基板支持装置を概略的に示す断面図で、図2は図1に図示された基板支持装置を分解した図である。
【0032】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例による基板支持装置100は、本体部10、第1絶縁部50、及びベース部70を含む。
【0033】
前記本体部10はプレート20及びチューブ30を含む。前記プレート20の上面には基板wが置かれる。ここで、前記基板wは、一例として、半導体素子を製造するためのシリコン材質のウエハーでもよい。これと異なり、前記基板wは、平板表示装置の液晶表示装置(LCD)のうち画像を表示するのに使用される表示パネルの薄膜トランジスタ(以下、TFT)基板又はカラーフィルタ(以下、CF)基板でもよい。
【0034】
前記プレート20には、電極部材22が内蔵される。前記電極部材22は、静電電極23及び発熱電極24を含む。前記静電電極23は、外部から提供される駆動電源を通じて静電力を発生して、前記基板wを固定させる。前記静電電極23は、一例として、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、金(Au)などのような低い電気抵抗を有しつつ低熱膨張率である材質からなることができる。前記静電電極23は、約10乃至200μmの厚みを有することができる。
【0035】
前記発熱電極24は、前記駆動電源を通じて熱を発生して前記基板wを加熱する。これは、前記基板支持装置100が前記基板wを対象として蒸着又はエッチング工程を進行しようとするとき、前記工程がより円滑に進行されるようにするためである。前記発熱電極24は、実質的に前記静電電極23と同じ材質からなることができる。前記発熱電極24は、約50乃至300μmの厚みを有することができる。
【0036】
前記静電電極23は、前記基板wをより効率的に固定するために前記発熱電極24の上部に位置することができる。
【0037】
一方、前記電極部材22は、前記基板wを対象として前記蒸着又はエッチング工程を行うとき、前記工程を行う空間でプラズマを生成しようとする場合、このための高周波接地用接地電極(図示せず)を更に含むことができる。この際、前記静電電極23が前記接地電極(図示せず)の機能を同時に行うように設計されることもできる。
【0038】
これにより、前記プレート20は、前記電極部材22を外部から電気的に保護しながら強度に優れたセラミック材質からなる。例えば、前記プレート20は、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、炭化珪素(Si
C)などで形成されることができる。
【0039】
前記チューブ30は、前記プレート20の下面から突出される。前記チューブ30は、前記プレート20の中心領域から中穴が形成された管形態に突出される。この際、前記チューブ30は、前記プレート20と同じ材質として一体型に形成される。これと異なり、前記チューブ30は、前記プレート20と別途に製作して前記プレート20に結合されることができる。
【0040】
前記チューブ30の内部には、前記電極部材22に前記駆動電源を印加するための少なくとも2以上の配線32が位置する。例えば、前記配線32は、前記電極部材22の静電電極23が単極型である場合、3つで形成されることができる。しかし、前記配線32の個数は、前記電極部材22の個数及び形態によって変わることができる。
【0041】
前記第1絶縁部50は前記チューブ30に挿入される。前記第1絶縁部50は、前記チューブ30の内部に位置した前記配線32を互いに絶縁させながらこれらを固定する。このために、前記第1絶縁部50は絶縁性が優れ、耐熱性が優秀な材質からなる。
【0042】
例えば、前記第1絶縁部50は、前記本体部10より熱伝導が少なく、熱膨張率が小さいアルミナ(Al2O3)、酸化イットリウム(Y2O3)、石英(Quartz)のようなセラミック材質又は高温用樹脂材質からなることができる。
【0043】
以下、図3及び図4を追加的に参照して前記第1絶縁部50をより詳細に説明する。
【0044】
図3は図1のI−I’線に沿って切断した断面図で、図4は図1のA部分の拡大図である。
【0045】
図3及び図4を追加的に参照すると、前記第1絶縁部50には前記配線32が個別的に挿入される第1挿入ホール52が形成される。
【0046】
即ち、前記第1絶縁部50は、前記チューブ30に挿入されるとき、前記配線32を前記第1挿入ホール52に挿入させながら前記チューブ30の内部で前記プレート20に密着する構造を有する。
【0047】
この際、前記第1絶縁部50は、前記チューブ30により容易に挿入されるようにするために、外面が前記チューブ30の内壁と所定の間隔を維持するように形成される。即ち、前記第1絶縁部50の外径は、前記チューブ30での内部直径より相対的に小さく形成される。
【0048】
この場合、前記チューブ30に挿入された前記第1絶縁部50が流動することを防止するために、前記第1絶縁部50には前記チューブ30の内壁と一定間隔をそのまま維持するための埋立体54が形成される。
【0049】
前記埋立体54は、前記第1絶縁部50の外面のうち一部位置で突出された突起部55を含むことができる。前記突起部55は、前記位置に多数が突出されることができる。前記突起部55は、前記第1絶縁部50を固定させるために前記第1絶縁部50の外面に円主方向に沿って一定の間隔に形成されることが好ましい。
【0050】
このような前記埋立体54は、前記第1絶縁部50と前記チューブ50の接触面積を最小化することにより、前記プレート20に内蔵された前記発熱電極24から前記チューブ30に伝達された熱が前記第1絶縁部50に伝達されることを最小化することができる。
これにより、前記発熱電極24から発生された熱を前記プレート20に置かれた前記基板wに均一に提供することができる。
【0051】
又、前記埋立体54は、前記チューブ30の内壁との摩擦を最小化するための表面が加工処理されることができる。又、前記埋立体54は、端部が前記チューブ30の内壁との接触面積を最小化するための構造に形成されることができる。一例として、前記埋立体54は端部がラウンド処理されることができる。
【0052】
これと異なり、前記埋立体54は、場合によって前記絶縁部50又は前記チューブ30の内壁に設置することができる。
【0053】
従って、前記本体部10のうち前記チューブ30の内部に位置した前記配線32を前記埋立体54を通じて前記チューブ30と離隔した前記第1絶縁部50の第1挿入ホール52に一括的に挿入させることにより、前記配線32の流動を防止、即ち、前記配線32を安定的に固定し、前記チューブ30と前記プレート20との間で前記配線32が電気的に短絡されることを防止することができる。
【0054】
即ち、前記電極部材22の電気的な不良率を減少させることにより、前記基板支持装置100を通じた前記基板wの処理効率を向上させることができる。
【0055】
前記ベース部70は、外部の底面、例えば、前記基板支持装置100が内蔵される工程チャンバーの底面に装着されながら前記本体部10を支持する。
【0056】
前記ベース部70は、前記本体を形成するベースプレート72及び前記ベースプレート72と前記本体部10のチューブ30との間に配置される緩衝部75を含む。
【0057】
前記ベースプレート72は、前記本体部10のうち、前記プレート20に内蔵された前記電極部材22の発熱電極24から発生された熱を、場合によって前記チューブ30から伝達を受けて外部に放出させるために熱伝導率に優れた金属材質からなる。例えば、前記ベースプレート72は、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、又はステンレス(SUS)等の材質からなることができる。
【0058】
ここで、前記ベースプレート72は、内部に前記発熱電極24から発生された熱を効果的に放出、即ち、前記チューブ30と前記ベースプレート72との間の温度を維持するために、冷却部73を含むことができる。前記冷却部73は、冷却水を流すライン形態に形成されることができる。
【0059】
しかし、前記ベースプレート72は、熱伝導率に優れる反面、熱膨張率も前記本体部10のようなセラミック材質より相対的に高いという特徴を有する。
【0060】
これに、前記緩衝部75は、前記ベースプレート72と前記本体部10のチューブ30との間での熱膨張を緩衝させる。前記緩衝部75は、熱膨張率が前記ベースプレート72の熱膨張率と前記チューブ30の熱膨張率との間である材質からなる。
【0061】
例えば、前記緩衝部は、コバール(Kovar)、インバール(Invar)、タングステン(W)、及びモリブデン(Mo)のような金属性物質又は炭化珪素(SiC)のような非金属性物質からなることができる。
【0062】
従って、前記ベース部70のベースプレート72と前記本体部10のチューブ30との間に前記ベースプレート72の熱膨張を補償させるための緩衝部75を配置させることに
より、前記ベースプレート72の熱膨張によって前記本体部10が破損されることを防止することができる。
【0063】
具体的に、前記本体部10のプレート20に装着された前記基板wを対象として約400℃以下の温度で工程を進行する場合、前記ベースプレート72の熱膨張による前記本体部10の破損を殆ど半永久的に防止することができる。
【0064】
結果的に、前記配線32の電気的な短絡を防止しながら前記本体部10の破損を防止して、前記基板支持装置100の全体的な不良率を減少させることにより、前記基板支持装置100を用いて処理される前記基板wの生産性を向上させることができる。
【0065】
一方、前記チューブ30と順次に結合された前記緩衝部75及び前記ベースプレート72は、それぞれ前記チューブ30の内部と連通されるように第1及び第2貫通ホール76、74が形成される。これに、前記配線32は、前記チューブ30から前記第1及び第2貫通ホール76、74を通じて外部に延長された構造を有する。
【0066】
この際、前記第1絶縁部50は前記配線32のように、前記第1及び第2貫通ホール76、74を通過して外部に延長された一体型構造を有することができる。
【0067】
これと異なり、前記第1絶縁部50は、その組立をより容易にするために、前記チューブ30までのみ延長された構造を有することができる。これに、前記基板支持装置100は、前記第1及び第2貫通ホール76、74を通じて挿入され前記第1絶縁部50と結合する第2絶縁部60を更に含むことができる。
【0068】
これにより、前記第1及び第2絶縁部50、60の組立過程を簡単に説明すると、まず、前記第1絶縁部50を前記本体部10のチューブ30に挿入させる。続いて、前記ベースプレート72及び前記緩衝部75からなる前記ベース部70を前記本体部10のチューブ30に結合させる。続いて、前記第2絶縁部60を前記第1及び第2貫通ホール76、74を通じて挿入して前記第1絶縁部50に結合させる。
【0069】
このように、前記基板支持装置100が前記配線32を絶縁させるための前記第1及び第2絶縁部50、60を含むことにより、前記ベース部70を前記チューブ30に干渉なしに、より容易に結合させることができる。
【0070】
一方、前記基板支持装置100は、前記チューブ30の外壁を囲みながら前記ベース部70に装着される保護ブロック80を更に含む。前記保護ブロック80は、前記プレート20の下面と向かい合いながら前記基板wを処理するための工程ガスから金属材質からなる前記ベース部70のベースプレート72を保護する。
【0071】
前記保護ブロック80は、前記プレート20との間に所定のエアギャップGを形成する。これは、前記プレート20に内蔵された前記電極部材22の発熱電極24から発生された熱が前記保護ブロック80に放出されることを防止するためである。
【0072】
これによって、前記発熱電極24から発生された熱は、前記プレート20の下方よりは上方に集中的に伝達され前記プレート上に位置する基板wを均一に加熱することができる。これにより、前記基板wを対象とする前記蒸着又は前記エッチング工程を前記基板wの位置によって均一に進行されるようにして、前記基板wの品質が低下することを防止することができる。
【0073】
又、前記エアギャップGは、前記蒸着又はエッチング工程を行う時、前記工程を行う空
間で前記工程ガスから前記プラズマを生成しようとする場合、前記プラズマの生成を抑制することができる最小限の距離を有する。
【0074】
これに、前記エアギャップGが約0.05mm未満である場合、前記保護ブロック80と前記プレート20との距離が近すぎて、前記発熱電極24から発生された熱が前記保護ブロック80に放出されることができるので好ましくなく、約7mm以上である場合には前記工程ガスから前記プラズマが発生されることができるので好ましくない。従って、前記エアギャップGは約0.05乃至7mmであることが好ましい。又、前記エアギャップGは約0.1乃至5mmであることがより好ましい。
【0075】
前記保護ブロック80は、前記チューブ30を基準として2つに分割された第1及び第2保護ブロック82、84を含む。これにより、前記保護ブロック80は、前記第1及び第2保護ブロック82、84を前記チューブ30を囲むように位置させた後、自体的な荷重によって前記ベース部70に装着させながら簡単に組立できる。
【0076】
又、前記保護ブロック80を前記第1及び第2保護ブロック82、84に分割することにより、その維持補修管理も容易にすることができる。この際、前記第1及び第2保護ブロック82、84と前記ベース部70が接触する位置には、前記第1及び第2保護ブロック82、84の動きを防止するために突出部と前記突出部が挿入される溝などが形成されることができる。又、前記保護ブロック80はそのサイズが大きくなる場合、前記第1及び第2保護ブロック82、84のように2つではなく、その以上に分割されることができる。
【0077】
一方、基板支持装置100は、前記プレート20に置かれた前記基板wを対象として前記蒸着又は前記エッチング工程が進行される外部空間が真空状態を維持するようにするために、前記チューブ30と前記第1及び第2貫通ホール76、74を遮断する第1及び第2シーリング部90、95を更に含む。
【0078】
前記第1シーリング部90は、前記チューブ30の端部と前記緩衝部75の結合位置に配置され、前記第2シーリング部95は前記ベース部70のベースプレート72と緩衝部75の結合位置に配置される。
【0079】
前記第1及び第2シーリング部90、95は、通常的に、ゴム材質で形成されるが、本実施例のように、前記外部空間が高温状態及びプラズマ状態からなる場合、相対的に耐腐食性及び耐熱性に優れたシリコン、ヴィトン(viton)、又はフッ素系列樹脂材質からなることができる。
【0080】
しかし、前記第1及び第2シーリング部90、95は、根本的に、熱に弱い特徴を有する、これに、前記第1及び第2シーリング部90、95は、前記ベースプレート72に形成された前記冷却部73を通じて熱的劣化がある程度防止されることができる。
【0081】
又、前記基板支持装置100は、前記チューブ30と前記緩衝部75及び前記緩衝部75と前記ベースプレート72との間でこれらをそれぞれ固定させるための第1及び第2結合部材96、97を更に含むことができる。前記第1及び第2結合部材96、97は、一例として、ボルトで構成されることができる。
【0082】
このように、前記緩衝部75が前記チューブ30と前記ベースプレート72との間で熱的に膨張することができるので、接着剤ではなく、前記第1及び第2結合部材96、97を用いて固定する。
【0083】
従って、前記チューブ30、前記緩衝部75、及び前記ベースプレート72を別途の接着剤を用いて接着する場合、前記チューブ30、前記緩衝部75、及び前記ベースプレート72の相対運動によって前記接着剤から起因する異物が発生されることができる。従って、前記第1及び第2結合部材96、97を用いて前記緩衝部75を結合することにより、前記接着剤から起因する異物汚染を防止することができる。
【0084】
図5は、本発明の一実施例による基板処理装置を概略的に示す構成図である。
【0085】
本実施例において、基板支持部は、図1乃至図4に図示された基板支持装置と実質的に同じ構成を有するので、同じ参照符号を付与し、その重複される詳細な説明は省略する。
【0086】
図5を参照すると、本発明の一実施例による基板処理装置1000は、工程チャンバー200、ガス提供部300、及び基板支持部100を含む。
【0087】
前記工程チャンバー200は、半導体素子又は液晶表示パネルの製造のための基板wに薄膜を蒸着するか、蒸着された前記薄膜をエッチングする時に必要な空間を提供する。前記工程チャンバー200は、一般的に、高真空状態を維持することができる。これは、前記薄膜を蒸着するか、エッチングする時、前記工程チャンバー200で発生する反応がより円滑に行われるようにするためである。
【0088】
前記ガス提供部300は、前記工程チャンバー200と連結される。前記ガス提供部300は、外部から前記基板wを処理するための工程ガスを前記工程チャンバー200の内部に提供する。例えば、前記ガス提供部300は、前記工程チャンバー200内の上部に配置されることができる。
【0089】
ここで、前記工程ガスは、一例として、前記基板wに薄膜を蒸着するときに使用されることができるプラズマ生成のための不活性ガス又は前記薄膜の蒸着のためのソースガス又は前記薄膜をエッチングするときに使用されるエッチング用ガスなどを含むことができる。一方、前記ガス提供部300が前記工程チャンバー200内の上部に配置される場合、前記プラズマを生成するために前記ガス提供部300に高周波電圧が印加されることができる。
【0090】
前記基板支持部100は、前記工程チャンバー200内に配置される。例えば、前記ガス提供部300が前記工程チャンバー200内の上部に配置される場合、前記基板支持部100は、前記ガス提供部300と向き合う位置に配置されることができる。前記基板支持部100は、前記ガス提供部300から提供される前記工程ガスを通じて処理される前記基板wを支持する。
【0091】
前記基板支持部100は、上面に前記基板wが置かれて電極部材22が内蔵されたプレート20と前記プレート20の下面から突出され内部に前記電極部材22から延長された配線32が位置したチューブ30を具備する本体部10、前記チューブ30に挿入され前記配線32をそれぞれ絶縁させながら固定する絶縁部50及び前記工程チャンバー200の底面に装着され前記本体部10を支持するベース部70を含む。
【0092】
ここで、前記配線32は、実質的に、前記ベース部70を通過して外部に延長された構造を有する。これと異なり、前記配線32は、前記工程チャンバー200と結合される面で別途のコネクター(図示せず)によって直接連結されることもできる。ここで、前記コネクター(図示せず)は、外部から前記工程チャンバー200に挿入される構造を有することができる。
【0093】
前記ベース部70は、実質的に前記工程チャンバー200の底面に装着され前記本体部10より高い熱膨張率を有するベースプレート72及び前記ベースプレート72と前記本体部10のチューブ30との間に配置され前記ベースプレート72と前記本体部10との間の熱膨張率を有する緩衝部75を含む。ここで、前記緩衝部75は、前記ベースプレート72が熱膨張することにおいて、前記本体部10が破損されないようにこれを緩衝する。
【0094】
これに、前記基板支持部100は、前記チューブ30の外壁を囲みながら前記ベース部70に装着される保護ブロック80を更に含む。前記保護ブロック80は、前記プレート20の下面と向き合いながら前記工程ガスから金属材質からなる前記ベース部70のベースプレート72を保護する。
【0095】
一方、前記基板支持部100は、前記工程チャンバー200の内部空間が前記配線32が前記電極部材22から外部に延長される構造によってその真空状態が干渉されることを防止するために、第1、第2、及び第3シーリング部90、95、96を含む。
【0096】
前記第1シーリング部90は、前記チューブ30の端部と前記緩衝部75の結合位置に配置され、前記第2シーリング部95は前記ベース部70のベースプレート72と緩衝部75の結合位置に配置され、前記第3シーリング部96は前記ベースプレート72と前記工程チャンバー200の底面との間に配置される。
【0097】
前記基板は、半導体素子を製造するためのシリコンウエハー及び平板表示装置を製造するための基板を含む。特に、平板表示装置を製造するための基板は、液晶表示装置を形成するためのガラス基板であって、薄膜トランジスタを形成するためのTFT基板又はカラーフィルタを形成するためのC/F基板を含む。
【産業上の利用可能性】
【0098】
前述した本発明は、本体部のうちチューブの内部に位置した配線の電気的な短絡を防止しながら、ベースプレートの熱膨張によって前記本体部の破損を防止して基板を処理する装置に用いられることができる。
【0099】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特徴請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0100】
w 基板
10 本体部
20 プレート
30 チューブ
50 第1絶縁部
54 埋立体
60 第2絶縁部
70 ベース部
72 ベースプレート
75 緩衝部
80 保護ブロック
100 基板支持装置
200 工程チャンバー
300 ガス提供部
1000 基板処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に基板が置かれ、電極部材が内蔵されたプレート及び前記プレートの下面から突出され内部に前記電極部材から延長された多数の配線が位置するチューブを含む本体部と、
前記チューブに挿入され、前記配線を互いに絶縁させるために前記配線が挿入される挿入ホールが形成された絶縁部と、を含む基板支持装置。
【請求項2】
前記チューブの内壁との間の間隔を一定に維持するための埋立体を更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記埋立体は、前記絶縁部と接触する突起部を含むことを特徴とする請求項2記載の基板支持装置。
【請求項4】
前記電極部材は発熱電極を含み、
前記本体部を支持するベースプレートと、
前記本体部のチューブと前記ベースプレートとの間に配置され、前記本体部より高く、前記ベースプレートより低い熱膨張率を有する緩衝部と、を更に含むことを特徴とする請求項1記載の基板支持装置。
【請求項5】
前記絶縁部は、前記ベースプレート及び前記緩衝部を通じて延長されることを特徴とする請求項4記載の基板支持装置。
【請求項6】
前記緩衝部及び前記ベースプレートは、それぞれ前記チューブと連通する第1及び第2貫通ホールを有し、
前記第1及び第2貫通ホールを通じて前記絶縁部と結合し、前記配線が個別的に挿入される第2挿入ホールが形成された第2絶縁部を更に含むことを特徴とする請求項4記載の基板支持装置。
【請求項7】
前記チューブの外壁を囲みながら前記プレートと前記ベースプレートとの間に配置され、前記基板を処理するための工程ガスから前記ベースプレートを保護するための保護ブロックを更に含むことを特徴とする請求項4記載の基板支持装置。
【請求項8】
前記保護ブロックは、前記電極部材の発熱電極から発生された熱の損失を防止するために前記プレートと離隔することを特徴とする請求項7記載の基板支持装置。
【請求項9】
前記保護ブロックと前記プレートの間の間隔は0.05〜7mmであることを特徴とする請求項8記載の基板支持装置。
【請求項10】
前記保護ブロックは、前記チューブを基準として少なくとも2つが分割された構造を有することを特徴とする請求項7記載の基板支持装置。
【請求項11】
前記チューブと前記緩衝部との間及び前記緩衝部と前記ベースプレートとの間にそれぞれ配置され、前記チューブの内部空間を外部から遮断するための第1及び第2シーリング部を更に含むことを特徴とする請求項4記載の基板支持装置。
【請求項12】
前記チューブと前記緩衝部及び前記緩衝部と前記ベースプレートとの間でこれらをそれぞれ結合させるための第1及び第2結合部材を更に含むことを特徴とする請求項4記載の基板支持装置。
【請求項13】
上面に基板が置かれて発熱電極が内蔵されたプレート及び前記プレートの下面から突出
されたチューブを含む本体部と、
前記本体部を支持するベースプレートと、
前記本体部のチューブと前記ベースプレートとの間に配置され、前記本体部より高く、前記ベースプレートより低い熱膨張率を有する緩衝部と、を含む基板支持装置。
【請求項14】
前記チューブの外壁を囲みながら前記プレートと前記ベースプレートとの間に配置され、前記基板を処理するための工程ガスから前記ベースプレートを保護するための保護ブロックを更に含むことを特徴とする請求項13記載の基板支持装置。
【請求項15】
基板を処理するための空間を提供する工程チャンバーと、
前記工程チャンバーと連結され、前記基板を処理するための工程ガスを前記工程チャンバーの内部に提供するガス提供部と、
前記工程チャンバーの内部に配置され、前記工程ガスを通じて処理される前記基板を支持する基板支持部を含み、
前記基板支持部は、
上面に前記基板が置かれて、電極部材が内蔵されたプレート及び前記プレートの下面から突出され内部に前記電極部材から延長された少なくとも2つの配線が位置するチューブを含む本体部と、
前記チューブに挿入され、前記配線を互いに絶縁させるために、前記配線が個別的に挿入される挿入ホールが形成された絶縁部と、を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項16】
前記電極部材は発熱電極を含み、
前記基板支持部は、
前記本体部を支持するベースプレートと、
前記本体部のチューブと前記ベースプレートとの間に配置され、前記本体部より高く、前記ベースプレートより低い熱膨張率を有する緩衝部と、を更に含むことを特徴とする請求項15記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記基板支持部は、前記チューブの外壁を囲みながら前記プレートと前記ベースプレートとの間に配置され、前記工程ガスから前記ベースプレートを保護するための保護ブロックを更に含むことを特徴とする請求項16記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−290213(P2009−290213A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127871(P2009−127871)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(502394184)コミコ株式会社 (12)
【住所又は居所原語表記】79,Sinmosan−dong,Anseong−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】