説明

基板洗浄装置および基板洗浄方法

【課題】洗浄液の液滴が噴射されるべき箇所における基板の表面の洗浄液の液膜の厚さを制御して所望の厚さで一定にすることができ、基板のデバイスパターンの破壊を抑制しながら、基板の表面に付着したパーティクル等を十分に除去することができ、基板に対する洗浄性能を向上させることができる基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供する。
【解決手段】基板洗浄装置1は、保持部12により保持された基板Wに対して洗浄液の液滴を噴射する二流体ノズル30と、保持部12により保持された基板Wにガスを噴射するガスノズル40と、を備えている。保持部12により保持された基板Wにおいてガスノズル40によりガスが噴射される位置が二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射される位置よりも基板Wの回転方向において上流側となるよう、二流体ノズル30およびガスノズル40が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の洗浄を行う基板洗浄装置および基板洗浄方法に関し、とりわけ、基板のデバイスパターンの破壊を抑制しながら、基板の表面に付着したパーティクル等を十分に除去することができ、基板に対する洗浄性能を向上させることができる基板洗浄装置および基板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程において、半導体ウエハ(以下、単にウエハともいう。)にパーティクルが付着したまま様々な処理を行うと、正常な処理を行うことができず、歩留まりが悪くなる。このため、ウエハの洗浄処理を行う必要がある。
【0003】
ウエハの洗浄処理方法として、例えばウエハをスピンチャック上で回転させながらその表面に純水や薬液からなる洗浄液を供給することによりウエハの表面に洗浄液の液膜を生成し、液膜が表面に生成されたウエハに対して更に二流体ノズルにより洗浄液の液滴を噴射することによりウエハの表面に付着したパーティクルを除去し、最後にウエハを高速回転させることにより乾燥させるような方法が知られている。
【0004】
ところで、今日では、ウエハのデバイスパターン(以下、単にパターンともいう)の細線化に伴い、二流体ノズルから噴射される洗浄液の液滴によりパターンが破壊されないようにすることと、ウエハの表面に付着したパーティクルを十分に除去することの両方が求められている。
【0005】
ウエハの表面に付着したパーティクルを効果的に除去する方法として、気体ノズルによる気体噴射で液膜が薄くなった領域に二流体ノズルにより洗浄液の液滴を噴射する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−246190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されるような方法では、ノズルのスキャン方向(移動方向)において洗浄液の液滴が噴射される前にガスが噴射されたり、二流体ノズルを取り囲むように配置された同心円状にガスが噴射されたりすることから、洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御することができず、パターンの破壊を抑制することと、パーティクルを十分に除去することとの両方の効果を得られるものではなかった。より詳細には、特許文献1に示されるようにノズルのスキャン方向(移動方向)に沿ってガスノズルと二流体ノズルが並んでいる場合には、洗浄液の液膜にガスを噴射して液膜を薄くしてからこの液膜が薄くなった箇所に洗浄液の液滴が噴射されるまで、ウエハが少なくとも1回転する時間が必要となり、ウエハが1回転する間に洗浄液の液膜が元の厚さに戻ってしまう場合がある。また、同心円状にガスを噴射すると、この同心円状に噴射されるガスの内部に液膜の盛り上がりが生成されてしまい、液膜の厚さを制御することができない。
【0008】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、洗浄液の液滴が噴射されるべき箇所における基板の表面の洗浄液の液膜の厚さを制御して所望の厚さで一定にすることにより、基板のデバイスパターンの破壊を抑制しながら、基板の表面に付着したパーティクル等を十分に除去することができる、基板に対する洗浄性能を向上させた基板洗浄装置および基板洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の基板洗浄装置は、基板を保持して回転させる保持部と、洗浄液と液滴生成用ガスとを混合して洗浄液の液滴を生成し、前記保持部により保持された基板に対してこの洗浄液の液滴を噴射する二流体ノズルと、前記保持部により保持された基板に対してガスを噴射するガスノズルと、を備え、前記保持部により保持された基板において前記ガスノズルによりガスが噴射される位置が前記二流体ノズルにより洗浄液の液滴が噴射される位置よりも基板の回転方向において上流側となるよう、前記二流体ノズルおよび前記ガスノズルが配置されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の基板洗浄装置においては、前記二流体ノズルは、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっており、前記ガスノズルは、基板の回転方向における前記二流体ノズルよりも上流側の箇所において、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっていてもよい。
【0011】
この際に、前記二流体ノズルおよび前記ガスノズルは一体的に移動するようになっており、前記ガスノズルは基板の回転方向において常に前記二流体ノズルの上流側に位置するようになっていてもよい。
【0012】
この場合、前記二流体ノズルと前記ガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていてもよい。
【0013】
本発明の基板洗浄装置においては、前記保持部により保持された基板の表面に洗浄液の液膜を生成するためのリンスノズルを更に備えていてもよい。
【0014】
本発明の基板洗浄装置においては、前記保持部により保持された基板の表面と前記ガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていてもよい。
【0015】
この際に、前記保持部により保持された基板の表面と前記ガスノズルとの間の距離は、前記二流体ノズルから噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていてもよい。
【0016】
本発明の基板洗浄装置においては、前記ガスノズルによる、前記保持部により保持された基板に対するガスの噴射量を変化させることができるようになっていてもよい。
【0017】
この際に、前記ガスノズルからのガスの噴射量は、前記二流体ノズルから噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていてもよい。
【0018】
本発明の基板洗浄方法は、保持部により基板を保持させて回転させる工程と、前記保持部により保持された基板の表面に洗浄液の液膜を生成する工程と、前記保持部により保持された基板にガスを噴射し、基板の表面における洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御する工程と、前記保持部により保持された基板における洗浄液の液膜の厚さが所望の厚さに制御された箇所に、洗浄液と液滴生成用ガスとを混合することにより生成された洗浄液の液滴を噴射する工程と、を備え、前記保持部により保持された基板において、ガスが噴射される位置は、洗浄液の液滴が噴射される位置よりも基板の回転方向において上流側となっていることを特徴とする。
【0019】
本発明の基板洗浄方法においては、前記保持部により保持された基板の表面と、この基板にガスを噴射するガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていてもよい。
【0020】
この際に、前記保持部により保持された基板の表面と前記ガスノズルとの間の距離は、基板に噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていてもよい。
【0021】
本発明の基板洗浄方法においては、前記保持部により保持された基板に対するガスの噴射量を変化させることができるようになっていてもよい。
【0022】
この際に、基板に対するガスの噴射量は、基板に噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていてもよい。
【0023】
本発明の基板洗浄方法においては、基板に洗浄液の液滴を噴射する二流体ノズルは、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっており、基板にガスを噴射するガスノズルは、基板の回転方向における前記二流体ノズルよりも上流側の箇所において、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっていてもよい。
【0024】
この際に、前記二流体ノズルおよび前記ガスノズルは一体的に移動するようになっており、前記ガスノズルは基板の回転方向において常に前記二流体ノズルの上流側に位置するようになっていてもよい。
【0025】
この場合、前記二流体ノズルと前記ガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の基板洗浄装置および基板洗浄方法によれば、洗浄液の液滴が噴射されるべき箇所における基板の表面の洗浄液の液膜の厚さを制御して所望の厚さで一定にすることができ、基板のデバイスパターンの破壊を抑制しながら、基板の表面に付着したパーティクル等を十分に除去することができ、基板に対する洗浄性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す基板洗浄装置において、スピンチャックにより保持されるウエハを上方から見たときの各ノズルの位置関係を示す上面図である。
【図3】図2に示すウエハおよび各ノズルのA−A矢視による側断面図である。
【図4】洗浄液の液滴がウエハに噴射されるときの状態を拡大して示す図である。
【図5】図1に示す基板洗浄装置における二流体ノズルの構成の詳細を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る他の基板洗浄装置において、ガスノズルによりウエハに対して斜め下方に窒素ガスが噴射される状態を示す側断面図である。
【図7】本発明に係る更に他の基板洗浄装置において、スピンチャックにより保持されるウエハを上方から見たときの各ノズルの位置関係を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本発明による基板洗浄装置および基板洗浄方法の一の実施の形態を示す図である。このうち、図1は、本実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す概略構成図であり、図2は、図1に示す基板洗浄装置において、スピンチャックにより保持されるウエハを上方から見たときの各ノズルの位置関係を示す上面図である。また、図3は、図2に示すウエハおよび各ノズルのA−A矢視による側断面図であり、図4は、洗浄液の液滴がウエハに噴射されるときの状態を拡大して示す図である。また、図5は、図1に示す基板洗浄装置における二流体ノズルの構成の詳細を示す縦断面図である。
【0029】
まず、基板洗浄装置1の全体的な構成について図1を用いて説明する。この基板洗浄装置1は、被処理基板としての半導体ウエハ(以下、単にウエハともいう)Wを洗浄するためのものである。
【0030】
基板洗浄装置1は、チャンバー10と、このチャンバー10内に設置された、ウエハWを保持するためのスピンチャック12と、を備えている。また、チャンバー10内には、スピンチャック12により保持されるウエハWを覆うよう外筒16が設けられている。以下、このような基板洗浄装置1の各構成要素の詳細について説明する。
【0031】
スピンチャック12は、ウエハWをほぼ水平に保持しながら回転させるものであり、具体的には、鉛直方向に延びるよう配置された回転軸部と、この回転軸部の上端に取り付けられた円板状のスピンベースとを有している。スピンチャック12によりウエハWを保持する際に、当該ウエハWはスピンベースの上面に載置されるようになっている。回転軸部にはモータ等のスピンチャック駆動機構(図示せず)が取り付けられており、このスピンチャック駆動機構は回転軸部をその中心軸のまわりに回転させることができるようになっている。このことにより、スピンチャック12に保持されたウエハWを水平面上で回転させることができるようになっている。また、スピンチャック12はスピンチャック昇降機構(図示せず)により鉛直方向にも往復移動することができるようになっている。このことにより、ウエハWをチャンバー10内に搬入してスピンチャック12に保持させるときや、スピンチャック12上にあるウエハWをチャンバー10の外部に搬出するときには、スピンチャック12の上端を外筒16の上端よりも高くすることができる。一方、スピンチャック12に保持されたウエハWに対してリンスノズル20(後述)や二流体ノズル30(後述)から洗浄液を供給するときには、スピンチャック12に保持されたウエハWの側方に外筒16の側壁が位置するようにすることができる。このようなスピンチャック12により、ウエハWを保持して回転させる保持部が構成されている。
【0032】
チャンバー10内において、スピンチャック12の側方を取り囲むように略円筒状の外筒16が設けられている。外筒16の中心軸はスピンチャック12の回転軸部の中心軸と略一致しており、この外筒16は、下端に底板が設けられているとともに上端は開口している。
【0033】
外筒16の底板には洗浄液排出管50の一端が接続されている。ここで、ウエハWに対する洗浄等に用いられ外筒16の底板に送られた洗浄液は洗浄液排出管50を介して排出される。
【0034】
チャンバー10内においてスピンチャック12により保持されたときのウエハWの上方の位置に、リンスノズル20、二流体ノズル30およびガスノズル40がそれぞれ下向きに設けられている。リンスノズル20は、スピンチャック12により保持されたウエハWの表面に洗浄液を供給し、このウエハWの表面に洗浄液の液膜を生成するようになっている。また、二流体ノズル30は、表面に洗浄液の液膜が生成されたウエハWに洗浄液の液滴を噴射し、このウエハWの表面に付着したパーティクル等を除去するようになっている。また、ガスノズル40は、スピンチャック12により保持され、表面に洗浄液の液膜が生成されたウエハWにガスを噴射するようになっている。以下、各ノズル20、30、40の構成の詳細について説明する。
【0035】
図1および図2に示すように、リンスノズル20は、ウエハWの洗浄処理を行う際に、スピンチャック12により保持されたウエハWの中心部から上方に離間した位置に配置されるようになっている。より詳細には、図1に示すように、リンスノズル20は、アーム26を介して回転軸部28に連結されている。回転軸部28には、当該回転軸部28を正逆両方向に回転させるアーム駆動機構(図示せず)が設けられている。このアーム駆動機構が、回転軸部28を中心としてアーム26を水平方向に回転させることにより、リンスノズル20を、ウエハWの中心部の上方の位置からウエハWの周縁部の外方の位置までの範囲内で水平面に沿って往復移動させるようになっている。このことにより、ウエハWに対して洗浄処理を行う際には、リンスノズル20をウエハWの中心部の上方の位置に配置させ、一方、チャンバー10の外部からスピンチャック12にウエハWを載置したり、スピンチャック12からウエハWを取り外してチャンバー10の外部に搬送したりする際には、リンスノズル20をウエハWの周縁部の外方の位置まで移動させることとなる。また、アーム駆動機構は、回転軸部28を鉛直方向に往復移動させることができるようになっている。このことにより、リンスノズル20の先端と、スピンチャック12に保持されるウエハWとの間隔を調整することができるようになっている。
【0036】
図1に示すように、リンスノズル20には洗浄液供給管24が接続されており、この洗浄液供給管24によりリンスノズル20に対して洗浄液が供給されるようになっている。洗浄液供給管24の上流側端部には洗浄液タンク22が設けられており、この洗浄液タンク22には純水や薬液からなる洗浄液が貯留されている。そして、ポンプ等の図示しない圧送手段により、洗浄液タンク22から洗浄液が洗浄液供給管24に送られるようになっている。洗浄液供給管24には、開度調整が可能なバルブ24aが介設されている。
【0037】
図1に示すように、二流体ノズル30およびガスノズル40はそれぞれアーム48に取り付けられている。図1においては単に二流体ノズル30およびガスノズル40がアーム48に取り付けられた例を概略的に示しているに過ぎないが、アーム48に対する二流体ノズル30およびガスノズル40の詳細の取り付け位置について説明すると、図2に示すように、スピンチャック12により保持されたウエハWにおいて、ガスノズル40によりガスが噴射される位置が二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射される位置よりもウエハWの回転方向において上流側となるよう、アーム48に対する二流体ノズル30およびガスノズル40の取り付け位置が設定されている。すなわち、図3に示すように、スピンチャック12により保持されたウエハWにガスノズル40がガスを噴射し、ウエハWの表面における洗浄液の液膜Cの厚さを所望の厚さに制御し、この洗浄液の液膜Cの厚さが所望の厚さに制御された箇所に、二流体ノズル30が洗浄液の液滴を噴射するよう、アーム48にそれぞれ取り付けられる二流体ノズル30およびガスノズル40の位置関係が設定されている。さらに、二流体ノズル30およびガスノズル40の位置関係は、二流体ノズル30から噴射される洗浄液の液滴が、ガスノズル40から噴射されるガスによって乱されることがないような位置関係となっている。なお、図3において、スピンチャック12により保持されたウエハWの回転方向は左方向となっている。
【0038】
二流体ノズル30およびガスノズル40が取り付けられたアーム48は回転軸部46に連結されている。回転軸部46には、当該回転軸部46を正逆両方向に回転させるアーム駆動機構(図示せず)が設けられている。このアーム駆動機構が、回転軸部46を中心としてアーム48を水平方向に回転させることにより、二流体ノズル30およびガスノズル40を、ウエハWの中心部近傍の上方の位置からウエハWの周縁部の外方の位置までの範囲内で水平面に沿って往復移動させるようになっている。この際に、二流体ノズル30およびガスノズル40は、ガスノズル40がウエハWの回転方向において二流体ノズル30の上流側に常に位置しながら、一体的に移動するようになっている。このようにして、二流体ノズル30は、スピンチャック12により保持されたウエハWの径方向に沿って往復自在となっており、ガスノズル40は、スピンチャック12によるウエハWの回転方向における二流体ノズル30よりも上流側の箇所において、スピンチャック12により保持されたウエハWの径方向に沿って往復自在となっている。
【0039】
また、アーム駆動機構は、回転軸部46を鉛直方向に往復移動させることができるようになっている。このことにより、二流体ノズル30およびガスノズル40の先端と、スピンチャック12に保持されるウエハWとの間隔を調整することができるようになっている。また、本実施の形態の基板洗浄装置1では、アーム48に対するガスノズル40の取り付け高さも調整することができるようになっている。
【0040】
図1に示すように、二流体ノズル30には洗浄液供給管34が接続されており、この洗浄液供給管34により二流体ノズル30に対して洗浄液が供給されるようになっている。洗浄液供給管34の上流側端部には洗浄液タンク32が設けられており、この洗浄液タンク32には純水や薬液からなる洗浄液が貯留されている。そして、ポンプ等の図示しない圧送手段により、洗浄液タンク32から洗浄液が洗浄液供給管34に送られるようになっている。洗浄液供給管34には、開度調整が可能なバルブ34aが介設されている。
【0041】
また、二流体ノズル30には窒素ガス供給管36が接続されており、この窒素ガス供給管36により二流体ノズル30に対して液滴生成用ガスとしての窒素ガスが供給されるようになっている。なお、液滴生成用ガスとして、窒素ガスの代わりにクリーンエアを用いてもよい。窒素ガス供給管36の上流側端部には窒素ガス供給機構38が設けられており、この窒素ガス供給機構38は高圧の窒素ガスを窒素ガス供給管36に供給することができるようになっている。また、窒素ガス供給管36にはバルブ36aが介設されている。このバルブ36aの開度を変え、二流体ノズル30に送られる窒素ガスの圧力(流量)を変えることにより、二流体ノズル30において生成される洗浄液の液滴の粒子径や流速を変化させることができる。このことにより、洗浄液の液滴によるウエハWの洗浄処理性能を変化させることができる。
【0042】
二流体ノズル30の構成について、図5を参照して具体的に説明する。図5は、二流体ノズル30の縦断面図である。二流体ノズルとは、一般的にガスと液体とを混合させることにより微小な液滴を生成し、この微小な液滴を噴射する方式のノズルのことをいう。図5において、二点鎖線31で示される領域は、二流体ノズル30から噴射される洗浄液の液滴の噴射範囲を示している。前述のように、二流体ノズル30には、洗浄液供給管34を介して純水や薬液からなる洗浄液が供給されるとともに、窒素ガス供給管36から窒素ガスが供給されるようになっている。
【0043】
より詳細に説明すると、二流体ノズル30は例えばフッ素樹脂から形成された略円柱状のノズル本体30aを有しており、このノズル本体30aの内部には、洗浄液供給管34に連通するような洗浄液流路30bと、窒素ガス供給管36に連通するような窒素ガス流路30cとがそれぞれ設けられている。そして、ノズル本体30aの下端部において、洗浄液流路30bおよび窒素ガス流路30cが合流するようになっており、この合流箇所30dにおいて、洗浄液流路30bから送られた洗浄液と、窒素ガス流路30cから送られた窒素ガスとが衝突して混合し、このことにより当該合流箇所30dにおいて洗浄液の液滴が形成され、ウエハWに対してノズル本体30aの下端部からこの洗浄液の液滴が下方に噴射されるようになっている。
【0044】
また、図1に示すように、ガスノズル40には窒素ガス供給管44が接続されており、この窒素ガス供給管44によりガスノズル40に対して窒素ガスが供給されるようになっている。窒素ガス供給管44の上流側端部には窒素ガス供給機構42が設けられており、この窒素ガス供給機構42は高圧の窒素ガスを窒素ガス供給管44に供給することができるようになっている。また、窒素ガス供給管44にはバルブ44aが介設されている。このバルブ44aの開度を変え、ガスノズル40に送られる窒素ガスの圧力(流量)を変えることにより、ガスノズル40によりウエハWに噴射されるガスの噴射量を変化させることができるようになっている。なお、窒素ガスの代わりにクリーンエアがガスノズル40に供給されるようになっていてもよい。
【0045】
次に、このような構成からなる基板洗浄装置1の動作について説明する。
【0046】
まず、スピンチャック昇降機構によりスピンチャック12を上方に移動させた状態においてウエハWをチャンバー10内に搬入し、このスピンチャック12にウエハWを保持させる。そして、スピンチャック12を降下させ、このスピンチャック12の側方に外筒16の側壁が位置するようにする。
【0047】
次に、チャンバー10内においてスピンチャック12に保持されて回転するウエハWの表面にリンスノズル20により洗浄液を供給し、このウエハWの表面に洗浄液の液膜を生成する。具体的には、リンスノズル20によりウエハWの表面に洗浄液を供給することにより、50μm〜1000μmの範囲内の厚さの液膜が生成される。ただし、この洗浄液の液膜の厚さは、ウエハWの回転数にも依存する。
【0048】
スピンチャック12に保持されて回転するウエハWの表面に洗浄液の液膜が生成された後、このウエハWの中心部に対して二流体ノズル30により洗浄液の液滴を噴射するとともに、ガスノズル40によりガスを噴射する。この際に、図2に示すように、スピンチャック12により保持されたウエハWにおいて、ガスノズル40によりガスが噴射される位置が二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射される位置よりもウエハWの回転方向において上流側となっているので、図3に示すように、まずウエハWの表面にある洗浄液の液膜Cの厚さが所望の厚さに制御され、この洗浄液の液膜Cの厚さが所望の厚さに制御された箇所に二流体ノズル30から洗浄液の液滴が噴射されるようになる。より詳細には、ガスノズル40が窒素ガスをウエハWに噴射することにより、このウエハWの表面にある洗浄液の液膜Cの厚さが1μm〜10μmに制御され、このような厚さの洗浄液の液膜Cが表面に存在するウエハWの箇所に対して洗浄液の液滴が噴射されるようになる。そして、液膜Cの厚さが制御された箇所に二流体ノズル30からの洗浄液を噴射する状態を維持して、二流体ノズル30とガスノズル40は、ウエハWの中心部から周縁部に向けて移動する。
【0049】
そして、図4に示すように、洗浄液の液膜Cが表面に存在するウエハWに対して洗浄液の液滴Dが噴射されることにより、このウエハWに付着したパーティクルPが除去される。ここで、二流体ノズル30からウエハWに対して噴射される洗浄液の液滴Dの噴射力(液滴によって与えられる物理力)と、ガスノズル40から噴射されるガスの噴射力とは、ウエハWのデバイスパターンW1(以下、パターンW1ともいう)を破壊しないような大きさにそれぞれ設定されている。より詳細には、二流体ノズル30から噴射される洗浄液の液滴Dの粒子径が比較的大きかったり、この洗浄液の液滴Dの流速が比較的大きかったりすることにより、液滴Dの噴射力が比較的大きい場合には、ガスノズル40から噴射されるガスの噴射力を小さくすることにより洗浄液の液膜Cは比較的厚くなるよう制御される。一方、二流体ノズル30から噴射される洗浄液の液滴Dの粒子径が比較的小さかったり、この洗浄液の液滴Dの流速が比較的小さかったりすることにより、液滴Dの噴射力が比較的小さい場合には、ガスノズル40から噴射されるガスの噴射力を大きくすることにより洗浄液の液膜Cは比較的薄くなるよう制御される。
【0050】
その後、リンスノズル20、二流体ノズル30およびガスノズル40をウエハWの周縁部よりも外方に移動させ、スピンチャック駆動機構がスピンチャック12を高速回転させる。このことにより、スピンチャック12に保持されたウエハWも高速回転させられ、ウエハWの乾燥が行われる。このようにして、基板洗浄装置1による一連のウエハWの洗浄処理の動作が終了する。
【0051】
以上のように本実施の形態の基板洗浄装置1によれば、スピンチャック12により保持されたウエハWにおいて、ガスノズル40によりガスが噴射される位置は、二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射される位置よりもウエハWの回転方向において上流側となるよう、二流体ノズル30およびガスノズル40が配置されている。このことにより、二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射されるべきウエハWの箇所における洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御することができ、この制御された大きさで液膜の厚さを一定にすることができる。このため、二流体ノズル30によりウエハWに噴射されるべき洗浄液の液滴の速度や大きさに応じて、洗浄液の液膜の厚さを制御することができる。このことにより、洗浄液の液滴によりウエハWのパターンが破壊されることを抑制しつつ、洗浄液の液滴の働きをウエハWの表面まで伝えることが可能となり、ウエハWに存在するパーティクルを十分に除去し、ウエハWに対する洗浄性能を向上させることができる。
【0052】
また、本実施の形態の基板洗浄方法によれば、スピンチャック12により保持されたウエハWにガスを噴射し、ウエハWの表面における洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御し、ウエハWにおける洗浄液の液膜の厚さが所望の厚さに制御された箇所に、洗浄液の液滴を噴射するようになっている。このため、二流体ノズル30によりウエハWに噴射されるべき洗浄液の液滴の速度や大きさに応じて、洗浄液の液膜の厚さを制御することができる。このことにより、洗浄液の液滴によりウエハWのパターンが破壊されることを抑制しつつ、洗浄液の液滴の働きをウエハWの表面まで伝えることが可能となり、ウエハWに存在するパーティクルを十分に除去し、ウエハWに対する洗浄性能を向上させることができる。
【0053】
また、本実施の形態の基板洗浄装置1においては、図2に示すように、二流体ノズル30は、スピンチャック12により保持されたウエハWの径方向に沿って往復移動自在となっており、ガスノズル40は、スピンチャック12によるウエハWの回転方向における二流体ノズル30よりも上流側の箇所において、スピンチャック12により保持されたウエハWの径方向に沿って往復移動自在となっている。ここで、二流体ノズル30およびガスノズル40はそれぞれアーム48に取り付けられているので、二流体ノズル30およびガスノズル40は一体的に移動でき、ガスノズル40が、ウエハWの回転方向において、常に二流体ノズル30の上流側に位置するようになる。
【0054】
なお、本実施の形態の基板洗浄装置1においては、二流体ノズル30およびガスノズル40がアーム48に取り付けられた場合に、二流体ノズル30とガスノズル40との間の距離を変化させることができるようになっていてもよい。この場合には、二流体ノズル30とガスノズル40との間の距離を調整することにより、二流体ノズル30の真下の箇所における、ガスノズル40からのガスの噴射により制御されるウエハW上の洗浄液の液膜の厚さを、二流体ノズル30から噴射される洗浄液の液滴の流速や大きさに合わせて調整することができるようになる。すなわち、二流体ノズル30とガスノズル40との間の距離を小さくすると、ガスノズル40が二流体ノズル30に接近するようになるので、二流体ノズル30の真下の箇所におけるウエハW上の洗浄液の液膜の厚さは比較的小さくなる。一方、二流体ノズル30とガスノズル40との間の距離を大きくすると、ガスノズル40が二流体ノズル30から遠ざかるようになるので、二流体ノズル30の真下の箇所におけるウエハW上の洗浄液の液膜の厚さが比較的大きくなる。
【0055】
また、本実施の形態の基板洗浄装置1においては、スピンチャック12により保持されるウエハWの表面に洗浄液の液膜を生成するためのリンスノズル20が更に設けられている。このため、このリンスノズル20によってウエハWの表面に洗浄液の液膜を生成することができるようになる。
【0056】
また、本実施の形態の基板洗浄装置1においては、回転軸部46に設けられたアーム駆動機構が、当該回転軸部46を鉛直方向に往復移動させることができるようになっている。また、アーム48に対するガスノズル40の取り付け高さも調整することができるようになっている。このことにより、スピンチャック12により保持されたウエハWの表面とガスノズル40との間の距離を変化させることができる。このため、スピンチャック12により保持されたウエハWの表面とガスノズル40との間の距離を調整することにより、二流体ノズル30の真下の箇所における、ガスノズル40からのガスの噴射により制御されるウエハW上の洗浄液の液膜の厚さを、二流体ノズル30から噴射される洗浄液の液滴の流速や大きさに合わせて調整することができるようになる。
【0057】
また、本実施の形態の基板洗浄装置1においては、窒素ガス供給管44にバルブ44aが介設されており、このバルブ44aの開度を変え、ガスノズル40に送られる窒素ガスの圧力(流量)を変えることにより、ガスノズル40によりウエハWに噴射されるガスの噴射量を変化させることができるようになっている。このため、ガスノズル40によりウエハWに噴射されるガスの噴射量を調整することにより、二流体ノズル30の真下の箇所における、ガスノズル40からのガスの噴射により制御されるウエハW上の洗浄液の液膜の厚さを、二流体ノズル30から噴射される洗浄液の液滴の流速や大きさに合わせて調整することができるようになる。
【0058】
なお、本発明による基板洗浄装置および基板洗浄方法は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。
【0059】
例えば、ガスノズル40はウエハWに対してガスを真下に噴射するものに限定されることはない。図6に示すように、ガスノズル40は鉛直方向(図6における上下方向)に対して傾斜した状態でウエハWにガスを噴射するようになっていてもよい。ただし、二流体ノズル30に向けてガスを噴射することがないようにガスノズル40を傾斜させる。この場合、ウエハWの表面に生成された洗浄液の液膜に対して真上からではなく斜め上方からガスが噴射されるようになるが、このときでも、図6に示すように、ウエハWの表面における洗浄液の液膜Cの厚さが所望の厚さに制御され、この洗浄液の液膜Cの厚さが所望の厚さに制御された箇所に、二流体ノズル30が洗浄液の液滴を噴射するようになる。なお、図6において、スピンチャック12により保持されたウエハWの回転方向は左方向となっている。図6に示すように、ウエハWの表面に生成された洗浄液の液膜に対して真上からではなく斜め上方からガスが噴射される場合でも、二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射されるべきウエハWの箇所における洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御することができ、この制御された大きさで液膜の厚さを一定にすることができる。このため、二流体ノズル30によりウエハWに噴射されるべき洗浄液の液滴の速度や大きさに応じて、洗浄液の液膜の厚さを制御することができる。
【0060】
また、ガスノズル40の断面形状は円形のものに限定されることはない。ガスノズル40の他の構成について、図7を用いて説明する。図7に示すような基板洗浄装置では、断面形状が円形であるガスノズル40の代わりにスリットタイプのガスノズル40aが設けられており、このガスノズル40aの断面形状は、スピンチャック12により保持されたウエハWの径方向に延びる細長い長方形となっている。図7に示すようなガスノズル40aは、ウエハWの回転方向において二流体ノズル30の上流側に位置するのであれば、その位置が固定されるようになっていてもよいし、あるいは二流体ノズル30と一体的に移動するようになっていてもよい。図7に示すようなガスノズル40aを用いた場合でも、図2等に示すようなガスノズル40を用いた場合と同様、二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射されるべきウエハWの箇所における洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御することができ、この制御された大きさで液膜の厚さを一定にすることができる。このため、二流体ノズル30によりウエハWに噴射されるべき洗浄液の液滴の速度や大きさに応じて、洗浄液の液膜の厚さを制御することができる。
【0061】
また、基板処理装置の更に他の例としては、ガスノズルを設ける代わりに、スピンチャック12により保持されたウエハWにおける、当該ウエハWの回転方向における二流体ノズル30よりも上流側の箇所に、ウエハW上の洗浄液の液膜を吸収するスポンジ等の吸収部材(図示せず)を設けたり、スピンチャック12により保持されたウエハWとわずかな距離を隔てて邪魔板(図示せず)を設けたりしてもよい。このような吸収部材や邪魔板を設けた場合でも、ガスノズルによりウエハWにガスを噴射した場合と同様に、二流体ノズル30により洗浄液の液滴が噴射されるべきウエハWの箇所における洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御することができ、この制御された大きさで液膜の厚さを一定にすることができる。このため、二流体ノズル30によりウエハWに噴射されるべき洗浄液の液滴の速度や大きさに応じて、洗浄液の液膜の厚さを制御することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 基板洗浄装置
10 チャンバー
12 スピンチャック
16 外筒
20 リンスノズル
22 洗浄液タンク
24 洗浄液供給管
24a バルブ
26 アーム
28 回転軸部
30 二流体ノズル
30a ノズル本体
30b 洗浄液流路
30c 窒素ガス流路
30d 合流箇所
31 洗浄液の液滴の噴射範囲
32 洗浄液タンク
34 洗浄液供給管
34a バルブ
36 窒素ガス供給管
36a バルブ
38 窒素ガス供給機構
40、40a ガスノズル
42 窒素ガス供給機構
44 窒素ガス供給管
46 回転軸部
48 アーム
50 洗浄液排出管
W ウエハ
W1 デバイスパターン
C 洗浄液の液膜
D 洗浄液の液滴
P パーティクル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持して回転させる保持部と、
洗浄液と液滴生成用ガスとを混合して洗浄液の液滴を生成し、前記保持部により保持された基板に対してこの洗浄液の液滴を噴射する二流体ノズルと、
前記保持部により保持された基板に対してガスを噴射するガスノズルと、
を備え、
前記保持部により保持された基板において前記ガスノズルによりガスが噴射される位置が前記二流体ノズルにより洗浄液の液滴が噴射される位置よりも基板の回転方向において上流側となるよう、前記二流体ノズルおよび前記ガスノズルが配置されていることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記二流体ノズルは、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっており、
前記ガスノズルは、基板の回転方向における前記二流体ノズルよりも上流側の箇所において、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっていることを特徴とする請求項1記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記二流体ノズルおよび前記ガスノズルは一体的に移動するようになっており、前記ガスノズルは基板の回転方向において常に前記二流体ノズルの上流側に位置するようになっていることを特徴とする請求項2記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記二流体ノズルと前記ガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていることを特徴とする請求項3記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記保持部により保持された基板の表面に洗浄液の液膜を生成するためのリンスノズルを更に備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記保持部により保持された基板の表面と前記ガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
前記保持部により保持された基板の表面と前記ガスノズルとの間の距離は、前記二流体ノズルから噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていることを特徴とする請求項6記載の基板洗浄装置。
【請求項8】
前記ガスノズルによる、前記保持部により保持された基板に対するガスの噴射量を変化させることができるようになっていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項9】
前記ガスノズルからのガスの噴射量は、前記二流体ノズルから噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていることを特徴とする請求項8記載の基板洗浄装置。
【請求項10】
保持部により基板を保持させて回転させる工程と、
前記保持部により保持された基板の表面に洗浄液の液膜を生成する工程と、
前記保持部により保持された基板にガスを噴射し、基板の表面における洗浄液の液膜の厚さを所望の厚さに制御する工程と、
前記保持部により保持された基板における洗浄液の液膜の厚さが所望の厚さに制御された箇所に、洗浄液と液滴生成用ガスとを混合することにより生成された洗浄液の液滴を噴射する工程と、
を備え、
前記保持部により保持された基板において、ガスが噴射される位置は、洗浄液の液滴が噴射される位置よりも基板の回転方向において上流側となっていることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項11】
前記保持部により保持された基板の表面と、この基板にガスを噴射するガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていることを特徴とする請求項10記載の基板洗浄方法。
【請求項12】
前記保持部により保持された基板の表面と前記ガスノズルとの間の距離は、基板に噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていることを特徴とする請求項11記載の基板洗浄方法。
【請求項13】
前記保持部により保持された基板に対するガスの噴射量を変化させることができるようになっていることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
【請求項14】
基板に対するガスの噴射量は、基板に噴射される液滴の大きさや流速に基づいて調整されるようになっていることを特徴とする請求項13記載の基板洗浄方法。
【請求項15】
基板に洗浄液の液滴を噴射する二流体ノズルは、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっており、
基板にガスを噴射するガスノズルは、基板の回転方向における前記二流体ノズルよりも上流側の箇所において、前記保持部により保持された基板の中心から周縁方向に移動自在となっていることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか一項に記載の基板洗浄方法。
【請求項16】
前記二流体ノズルおよび前記ガスノズルは一体的に移動するようになっており、前記ガスノズルは基板の回転方向において常に前記二流体ノズルの上流側に位置するようになっていることを特徴とする請求項15記載の基板洗浄方法。
【請求項17】
前記二流体ノズルと前記ガスノズルとの間の距離を変化させることができるようになっていることを特徴とする請求項16記載の基板洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−18980(P2012−18980A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−154112(P2010−154112)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】