説明

基板重ね合わせ装置およびデバイスの製造方法

【課題】基板重ね合わせ装置のスループットを向上させる。
【解決手段】基板重ね合わせ装置は、第1基板を保持する第1テーブルと、第1基板に対向する向きに第2基板を保持する第2テーブルと、第1テーブルと第2テーブルの少なくとも一方を移動する移動部と、移動部を制御する制御部とを備え、制御部は、対向する向きである対向方向および対向方向に直交する面方向に第1基板および第2基板がずれた初期位置と、第1基板および第2基板が互いに重なり合う位置との間で、対向方向に対して交差する交差パスを含む搬送パスを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板重ね合わせ装置およびデバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
対向する一対のステージの各々に基板を保持させつつ相対移動させて位置合わせし、更に当該基板を当接させて重ね合わせるステージ装置がある(特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2009−260039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
対向する方向と交差する方向に一対のステージをずらすと、各ステージの搭載面前方が広く空いて基板が搭載し易くなる。しかしながら、基板の重ね合わせに要するステージの移動距離が長くなるので、基板の重ね合わせに要する時間も長くなる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決すべく、本発明の第一態様として、第1基板を保持する第1テーブルと、第1基板に対向する向きに第2基板を保持する第2テーブルと、第1テーブルと第2テーブルの少なくとも一方を移動する移動部と、移動部を制御する制御部とを備え、制御部は、対向する向きである対向方向および対向方向に直交する面方向に第1基板および第2基板がずれた初期位置と、第1基板および第2基板が互いに重なり合う位置との間で、対向方向に対して交差する交差パスを含む搬送パスを生成する基板重ね合わせ装置が提供される。
【0005】
また、本発明の第二態様として、複数の基板を重ね合わせて製造されるデバイスの製造方法であって、第1テーブルに保持された第1基板と、第1基板に対向する向きに第2テーブルに保持された第2基板を重ね合わせる工程は、対向する向きである対向方向および対向方向に直交する面方向に互いにずれた初期位置と、第1基板および第2基板が互いに重なり合う位置との間で、対向方向に対して交差する交差パスを含む搬送パスに沿って、第1テーブルおよび第2テーブルの少なくとも一方を移動する移動ステップを含むデバイスの製造方法が提供される。
【0006】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】積層基板製造装置100全体の模式的水平断面図である。
【図2】基板ホルダ104の斜視図である。
【図3】重ね合わせ装置130の模式的縦断面図である。
【図4】重ね合わせ装置130の模式的縦断面図である。
【図5】重ね合わせ装置130の制御手順を示す流れ図である。
【図6】基板102の搬送パスを模式的に示す図である。
【図7】基板102の搬送パスを模式的に示す図である。
【図8】基板102の状態を示す図である。
【図9】基板102の状態遷移を示す図である。
【図10】基板102の状態遷移を示す図である。
【図11】基板102の状態遷移を示す図である。
【図12】基板102の他の搬送パスを模式的に示す図である。
【図13】基板102のまた他の搬送パスを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0009】
図1は、積層基板製造装置100の模式的水平断面図である。積層基板製造装置100は、断熱壁112により仕切られた室温部98および高温部99を有する筐体110の内部に主に形成される。
【0010】
室温部98には、大気ローダ120、重ね合わせ装置130、基板プリアライナ142、ホルダプリアライナ144およびホルダストッカ146が配される。高温部99には、環境ローダ160、加圧装置170および冷却装置180が配される。室温部98および高温部99は、ロードロック150を介して結合される。
【0011】
室温部98の内部は、筐体110の外部と同じ大気環境にあり、室温に維持されている。室温部98において、筐体110の外側の一面には、複数のFOUP(Front Opening Unified Pod)116が外側から装着される。FOUP116は、筐体110に対して個別に取り外しできる。FOUP116の各々には複数の基板102が収容される。
【0012】
よって、FOUP116を積層基板製造装置100に装着することにより、複数の基板102を一括して積層基板製造装置100に装填できる。また、基板102を接合して形成された積層基板108は、FOUP116に回収されて一括して搬出される。
【0013】
更に、筐体110の外面には制御盤114が配される。制御盤114は、積層基板製造装置100の各部の動作を統括して制御する。また、積層基板製造装置100を動作させる場合の操作部となる。更に、制御盤114は、積層基板製造装置100の動作状態を表示する表示部にもなる。
【0014】
室温部98の内部において、FOUP116に面した位置に大気ローダ120が配される。大気ローダ120は、フォーク122、支持アーム124およびフォールディングアーム126を有する。フォーク122は、支持アーム124に支持され、支持アーム124の伸縮に応じて進退する。また、大気ローダ120は、積層基板製造装置100の底面に配されたガイドレール121に沿って移動する。
【0015】
大気ローダ120は、ガイドレール121に沿って移動しつつ、フォールディングアーム126を伸縮させて、フォーク122を移動させることができる。これにより、大気ローダ120は、周囲に配されたFOUP116、重ね合わせ装置130、基板プリアライナ142、ホルダプリアライナ144、ホルダストッカ146およびロードロック150の相互の間で、基板102および基板ホルダ104の少なくとも一方を搬送する。
【0016】
基板プリアライナ142は、大気ローダ120により、FOUP116から取り出された基板102が1枚ずつ搬入される。基板プリアライナ142は、搬入された基板102を回転または移動させた後に大気ローダ120に搭載し直して、大気ローダ120に対する基板102の搭載位置と、大気ローダ120に対するノッチの向きを調整する。
【0017】
これにより、基板102は大気ローダ120のフォーク122に対して一定の精度で位置合わせされる。よって、後述するように基板102を基板ホルダ104に搭載する場合に、極端に大きな位置ずれが生じることが防止される。
【0018】
ホルダプリアライナ144は、大気ローダ120により、ホルダストッカ146から取り出された基板ホルダ104を1枚ずつ搬入される。ホルダプリアライナ144は、搬入された基板ホルダ104を予め定めた位置に載置させる。これにより、プリアライメントされた基板102が搬入された場合に、基板102および基板ホルダ104の相対位置を、一定の精度で位置合わせできる。
【0019】
なお、ホルダストッカ146は、複数の基板ホルダ104を収容して待機させる。基板ホルダ104の各々は、セラミックス、金属等の高剛性材料により形成され、基板102の面積よりも広い平坦な保持面を有する。また、基板ホルダ104は、当該保持面に基板102を吸着させる静電チャック、真空チャック等の基板保持機構を有する。
【0020】
これにより、基板ホルダ104は、基板102を一枚ずつ保持して脆い基板102を保護して、積層基板製造装置100における基板102の取り扱いを容易にする。なお、少なくとも積層基板製造装置100が稼働している期間は、基板ホルダ104が、積層基板製造装置100の外部に取り出されることはない。
【0021】
重ね合わせ装置130は、剛硬なフレーム132に支持された下ステージ134および上ステージ136を有する。上ステージ136は、フレーム132の天面に下向きに固定される。下ステージ134は、駆動部131を介してフレーム132の底面から支持される。駆動部131は、図中に矢印X、Y、Zにより示す各方向に下ステージ134を並進させる。また、下ステージ134は、他の駆動部により、水平面に対して揺動すると共に、鉛直な回転軸の回りに回転もする。
【0022】
なお、フレーム132は、防振脚138を介して筐体110の底面から支持される。これにより、大気ローダ120、ロードロック150、環境ローダ160、加圧装置170等の動作により生じる振動が、重ね合わせ装置130の位置合わせ精度に与える影響が抑制される。また、筐体110内において室温部98は温度管理され、例えば室温に保たれる。これにより、重ね合わせ装置130の位置合わせ精度が維持される。
【0023】
ホルダプリアライナ144において搭載された基板102を保持した基板ホルダ104は、大気ローダ120により重ね合わせ装置130に搬入される。重ね合わせ装置130においては、それぞれが基板102を保持した基板ホルダ104が、下ステージ134および上ステージ136に搭載される。これにより、重ね合わせ装置130において、一対の基板102および基板ホルダ104が互いに対向する。
【0024】
重ね合わせ装置130は、下ステージ134を並進、回転または揺動させることにより、一対の基板102を相互に位置合わせする。位置合わせされた一対の基板102は、下ステージ134および上ステージ136の間で一対の基板ホルダ104に挟まれて仮接合される。位置合わせして仮接合された一対の基板102は、これを挟む一対の基板ホルダ104と共に、再び大気ローダ120に搬送されてロードロック150に搬入される。
【0025】
ロードロック150は、大気圧環境の室温部98側と、真空環境の高温部99側とに、個別に開閉するシャッタ152、154を有する。シャッタ152、154は、室温部98およびロードロック150の間と、高温部99およびロードロック150の間とをそれぞれ気密に遮蔽する。また、ロードロック150の内部は、排気して真空環境にすることも、大気を導入して大気圧環境に戻すこともできる。これにより、室温部98の大気圧環境と高温部99の真空環境とをそれぞれ維持しつつ、室温部98および高温部99の間で基板102および基板ホルダ104を受け渡しできる。
【0026】
高温部99の略中央には、環境ローダ160が配される。環境ローダ160は、フォーク162、262、アーム164、264、共通支持部168およびフォールディングアーム166を有する。
【0027】
一対のフォーク162、262は、共通支持部168を介して、フォールディングアーム166の一端に共通に支持される。フォールディングアーム166の他端は、筐体110に対して回動可能に支持される。このような構造により、環境ローダ160は、周囲に配されたロードロック150、加圧装置170および冷却装置180の相互の間で、積層体106を搬送できる。
【0028】
なお、環境ローダ160は、仮接合された一対の基板102と、それを挟む一対の基板ホルダ104とを含む積層体106を搬送する。このため、当該積層体106の搬送が、重ね合わせ装置130からロードロック150までの短距離に限られる大気ローダ120に比較すると、環境ローダ160はより大きな耐荷重を有する。
【0029】
高温部99において、環境ローダ160の周囲には、ロードロック150、複数の加圧装置170および冷却装置180が配される。また、ロードロック150、加圧装置170および冷却装置180の間は、気密壁156により相互に気密に連結される。更に、気密壁156の内部は、真空ポンプ118に結合される。
【0030】
加圧装置170は、一対の加熱プレートを有する。また、一対の加熱プレートの一方を他方に向かって進退させる駆動部を有する。よって、加熱プレートの間に積層体106を挟んだ状態で駆動部を動作させることにより、積層体106を加圧できる。
【0031】
なお、加圧装置170は、加熱プレートを稼働させることにより、一対の基板102を熱間で圧着できる。この場合、一対の基板102を圧着した後であって、次の積層体106を装入する前に、加圧装置170自体の温度を初期状態に戻す目的で、加圧装置170に冷却装置を設けてもよい。
【0032】
冷却装置180は、冷媒が流通する冷却プレートを有して、収容した積層体106を急速に冷却する。これにより、高温部99から室温部98に搬出する積層体106を迅速に室温に戻して、室温部98の温度管理を容易にする。
【0033】
図2は、一対の基板ホルダ104を示す斜視図である。下側の基板ホルダ104が、基板102を保持している。基板102は、ノッチ202により一部が欠けた円板型の形状を有して、表面にそれぞれ複数のアライメントマーク204および素子領域206を有する。
【0034】
ノッチ202は、基板102の結晶配向性等に対応して形成される。よって、基板102を取り扱う場合に、ノッチ202を指標として基板102の方向を知ることができる。
【0035】
基板102の表面には、複数の素子領域206が配される。素子領域206の各々には、基板102を加工して形成された素子と、当該素子に対する何らかの接続端子とが配される。複数の基板102を重ね合わせる場合、これらの端子どうしが電気的に結合されて、積層された複数の基板102相互の間で導通する大規模な素子が形成される。換言すれば、基板102を重ね合わせる場合は、素子領域206に含まれる微細な端子が相互に位置合わせされる。
【0036】
アライメントマーク204は、基板102に素子領域206を形成する場合に、素子領域206と共に作り込まれる。このため、アライメントマーク204を位置合わせすることにより、素子領域206に対しても位置合わせできる。
【0037】
なお、図中では素子領域206およびアライメントマーク204を大きく描いているが、例えば300mmφの基板102に形成される素子領域206の数は数百以上にも及ぶ場合がある。また、それに応じて、1枚の基板102に配されるアライメントマーク204の数も多くなる。
【0038】
また、図示の十字型のアライメントマーク204は一例に過ぎず、アライメントマーク204は様々な形状で形成される。更に、素子領域206に形成された配線パターン等がアライメントマーク204として利用される場合もある。
【0039】
ところで、素子領域206は、最終的に切り分けられて個別に使用される。このため、素子領域206相互の間隙には、図中に点線で示すように、基板102を分割する場合に切り離されるスクライブラインが配される。
【0040】
アライメントマーク204の多くは、素子領域206相互の間に配される。このため、アライメントマーク204の配置はスクライブラインと重なる場合がある。この場合、素子領域206の分割と同時にアライメントマーク204は消滅する。
【0041】
基板ホルダ104は、全体として円板状をなして、基板102を保持する平坦な保持面を中央に有する。基板ホルダ104は、保持面の外周に隣接するフランジ部109を有する。フランジ部109には、複数の永久磁石101または磁性体部材103が配される。
【0042】
基板ホルダ104は、永久磁石101および磁性体部材103を相互に吸着させることにより、一対の基板ホルダ104を連結させることができる。即ち、基板ホルダ104は、永久磁石101を有するものと、磁性体部材103を有するものとを組み合わせて、2枚一組で使用される。
【0043】
基板ホルダ104の裏面には、複数の接点105が配される。接点105は、基板ホルダ104の下面と共通の面をなして、基板ホルダ104の内部に埋設された内部電極に接続される。これにより、接点105を介して内部電極に電圧を印加することにより基板102を静電吸着して保持できる。
【0044】
なお、内部電極は、ひとつの基板ホルダ104に複数設けられる場合があり、その場合、接点105も内部電極に対応して複数設けられる。また、基板ホルダ104は、セラミックス、金属等の高剛性材料により一体成形されるが、少なくとも接点105に対しては絶縁される。
【0045】
図3および図4は、重ね合わせ装置130の模式的縦断面図である。図3は、一対の基板102を装填した直後の状態を、図4は、一対の基板を重ね合わせた後の状態を、それぞれ示す。
【0046】
重ね合わせ装置130は、フレーム132と、フレーム132の内側に配された駆動部131、下ステージ134および上ステージ136とを備える。フレーム132は、高剛性な材料により形成され、重ね合わせ装置130の動作に伴う反力が作用した場合も変形しない。
【0047】
上ステージ136は、顕微鏡247と共に、フレーム132の天井面から懸下される。上ステージ136および顕微鏡247は、フレーム132に対して固定されて移動しない。よって、上ステージ136および顕微鏡247の相対位置は変化しない。
【0048】
上ステージ136は、下向きの搭載面に、真空吸着、静電吸着等による吸着機構を有する。これにより、上ステージ136に当接させた基板ホルダ104を保持できる。
【0049】
また、上ステージ136は、反射鏡249を搭載する。反射鏡249は、上ステージ136に対して固定され、図示していない干渉計の出射光を反射する。これにより、干渉計を用いて、上ステージ136の位置を基準にして他の測定対象の位置を検知できる。
【0050】
更に、上ステージ136およびフレーム132の間には、複数のロードセル241が挟まれる。これにより、上ステージ136に保持された基板102が押し上げられた場合には、基板102にかかる負荷を検出できる。また、複数のロードセル241の検出値が相互に異なる場合は、基板102に対して偏った負荷がかかっていることが判る。
【0051】
フレーム132の底面には、駆動部131に搭載された下ステージ134が配される。駆動部131は、フレーム132の底面から順次積層されたX方向アクチュエータ236、Y方向アクチュエータ234およびZ方向アクチュエータ232を含む。
【0052】
X方向アクチュエータ236は、フレーム132の底面上に固定されたガイドレール238に案内されつつ、図中に矢印Xで示す方向に移動する。Y方向アクチュエータ234は、X方向アクチュエータ236によりX方向に搬送されつつ、図中に矢印Yにより示す、X方向と直交するY方向に移動する。Z方向アクチュエータ232は、Y方向アクチュエータ234によりY方向に搬送されつつ、図中に矢印Zにより示すように垂直方向に移動する。
【0053】
このような駆動部131により、下ステージ134は、X方向およびY方向を含む水平方向、Z方向となる垂直方向に移動自在となる。また、図示していない他のアクチュエータを動作させることにより、下ステージ134は、球面座231の中心を揺動軸としてθ方向およびθ方向に揺動する。
【0054】
また、Z方向アクチュエータ232は、球面座231を介して下ステージ134を支持する。下ステージ134は、図示していないアクチュエータにより、球面座231の上で揺動する。よって、下ステージ134は、揺動により決められた傾斜を維持しつつ、X方向、Y方向およびZ方向に移動する。また、下ステージ134の移動に伴い、基板102は各方向に搬送される。
【0055】
また、下ステージ134は、図示していない回転駆動部により、垂直な回転軸の回りにθ方向に回転する。これにより、下ステージ134は六自由度を獲得して、搭載した基板102を、任意の目標位置および目標姿勢に移動させることができる。
【0056】
なお、下ステージ134の搭載面は、例えば真空吸着、静電吸着等による吸着機構を有して、基板ホルダ104を吸着して保持する。これにより、搭載された基板ホルダ104が下ステージ134上で変位することが防止される。
【0057】
また、下ステージ134は、顕微鏡237および反射鏡239を搭載する。顕微鏡237および反射鏡239は、下ステージ134と共に移動するので、下ステージ134と顕微鏡237および反射鏡239との相対位置は変化しない。
【0058】
反射鏡239は、図示していない干渉計の照射光を反射して、下ステージ134の位置を測定する場合に使用される。また、反射鏡239は、下ステージ134が移動した場合に、その移動量を検出する場合に使用される。
【0059】
上記のような重ね合わせ装置130は、図3に示すように、下ステージ134および上ステージ136が対向方向に対して直交する水平方向にずれた状態では、下ステージ134上方または上ステージ136の下方に広い空間が開けている。よって、下ステージ134および上ステージ136の各々に、基板102を保持した基板ホルダ104を容易に搭載できる。
【0060】
また、駆動部131により下ステージ134を移動させて、上ステージ136に対向した位置で上昇させることにより、基板102を当接させて重ね合わせることができる。これら下ステージ134の移動は、制御部220の制御の下に実行される。
【0061】
即ち、制御部220は、後述するように、下ステージ134および上ステージ136に搭載された一対の基板102の位置ずれを計測する。また、制御部220は、当該位置ずれを解消する下ステージ134の搬送パスを算出する算出部222を有する。
【0062】
よって、制御部220は、算出部222が算出した搬送パスに沿って駆動部131を制御して下ステージ134を移動させる。なお、制御部220は、重ね合わせ装置130自体に個別に実装されてもよい。また、積層基板製造装置100全体の制御盤114の一部として実装されてもよい。
【0063】
図5は、重ね合わせ装置130における制御部220の制御手順を示す流れ図である。
重ね合わせ装置130は、それぞれが基板ホルダ104に保持された一対の基板102を装入される。装入された基板102は、下ステージ134および上ステージ136にそれぞれ搭載され、制御部220による制御が開始される。
【0064】
まず、制御部220は、下ステージ134を球面座231の回りに揺動させて、下ステージ134に搭載した基板102の表面を水平にする(ステップS101)。これにより、後述する顕微鏡247は、下ステージ134に搭載された基板102の表面をその被写界深度内で隈なく観察できる。
【0065】
次に、制御部220は、X方向アクチュエータ236およびY方向アクチュエータ234を動作させて基板102を水平に移動させながら、上ステージ136と共にフレーム132に固定された上側の顕微鏡247により、下ステージ134に搭載された基板102のアライメントマーク204を観察する(ステップS102)。これにより、制御部220は、下ステージ134に搭載された基板102のアライメントマーク204の位置を計測できる。
【0066】
続いて、制御部220は、X方向アクチュエータ236およびY方向アクチュエータ234を動作させて下ステージ134を水平に移動させながら、下ステージ134と共にZ方向アクチュエータ232に搭載された下側の顕微鏡237により、上ステージ136に保持された基板102のアライメントマーク204を観察する(ステップS103)。これにより、制御部220は、上ステージ136に搭載された基板102のアライメントマーク204の位置を計測できる。
【0067】
制御部220は、これら顕微鏡237、247による観察で、各基板102に配されたアライメントマーク204の位置を知ることができる。顕微鏡237の下ステージ134に対する相対位置と、顕微鏡247の上ステージ136に対する相対位置とはそれぞれ既知であり変化しないので、制御部220は、上記計測結果に基づいて、上下の基板102を位置合わせさせる対向位置を算出部222に算出させる(ステップS104)。ここで、対向位置は、上下一対の基板102のアライメントマーク204の位置、水平方向について相互に位置合わせされた場合の下ステージ134の位置を意味する。
【0068】
ただし、一対の基板102を位置合わせした場合に、基板102の各々に複数形成されたアライメントマーク204のすべての位置が正確に一致することは稀である。そこで、算出部222は、複数のアライメントマーク204の位置ずれが、基板102全体で統計的に最小になる位置を対向位置として算出する。これにより、アライメントマーク204にずれが残っていても、一対の基板102の素子の導通が確保される。
【0069】
次に、制御部220は、下ステージ134を上記対向位置に移動させる場合の搬送パスを算出部222に算出させる(ステップS105)。即ち、搬送パスは、上ステージ136に対して水平方向にずれた位置にある下ステージ134が、上ステージ136に対して正対する対向位置まで移動する間に辿る経路を意味する。
【0070】
図6は、ステップ106における下ステージ134の搬送パスを模式的に示す図である。即ち、制御部220は、算出部222が算出した搬送パスにそって下ステージ134を移動させることにより、初期位置Iにある基板102および基板ホルダ104を、対向位置Dまで搬送させる(ステップS106)。
【0071】
制御部220は、初期位置Iにある下ステージ134を、X方向アクチュエータ236によりX方向に、Y方向アクチュエータ234によりY方向に、Z方向アクチュエータ232によりZ方向に、それぞれ移動させる。しかしながら、図中に点線Aで示すように、X方向、Y方向およびZ方向に順次移動させた場合、下ステージ134の移動距離が長くなり、移動時間も長くなる。
【0072】
そこで、算出部222は、例えば、X方向アクチュエータ236、Y方向アクチュエータ234およびZ方向アクチュエータ232を同時に動作させる搬送パスを算出する。これにより、図中に点線Bで示すように、移動を開始した当初の下ステージ134は、X方向、Y方向およびZ方向に同時に移動する。よって、下ステージ134の搬送パスは、基板102の対向方向であるZ方向に対して斜交して短縮され、移動に要する時間も短縮される。
【0073】
なお、下ステージ134のX方向、Y方向およびZ方向の移動量は互いに等しいとは限らない。図示の例では、下ステージ134のY方向およびZ方向の移動が先に終わり、対向位置Dの直前ではX方向に移動している。従って、搬送パスは、少なくとも1回、方向転換しているが、下ステージ134は、X方向、Y方向およびZ方向の各々について最大の移動速度で移動できる。
【0074】
更に、図中に点線Bで示すように、下ステージ134の移動に係る加速度の変化を連続的にして、初期位置Iから対向位置Dまでの下ステージ134の搬送パスが曲線を描くように移動させてもよい。これにより、基板102および基板ホルダ104に作用する慣性力の変化が少なくなり、基板102の基板ホルダ104に対する位置ずれが防止される。
【0075】
更に、算出部222は、図中に点線Cで示すように、初期位置Iから目標である対向位置Dまでの最短距離を辿る搬送パスを算出してもよい。この場合、制御部220は、X方向、Y方向およびZ方向の各々に個別に求められる移動量を、互いに同じ時間で移動するように、下ステージ134の移動速度も制御する。これにより、搬送パスを示す点線Cは、対向位置Dまでの間、単一の平面P上を移動する。こうして、下ステージ134は、初期位置Iから対向位置Dまでを最短距離で移動して移動時間を短縮できる。
【0076】
このように、制御部220は、算出部222が算出した搬送パスに沿って下ステージ134を移動させる。これにより、下ステージ134に搭載された基板102は対向位置Dまで迅速に搬送される。下ステージ134が対向位置Dまで移動した場合、互いに対向する一対の基板102は、対応するアライメントマーク204が相互に位置合わせされている。
【0077】
再び図5を参照すると、次に、制御部220は、Z方向アクチュエータ232を動作させて、当接位置Fに向かって下ステージ134を上昇させる(ステップS107)。即ち、対向位置Dは、一対の基板102が予め定められた距離だけ離間して互いに対向する位置であって、一対の基板102が相互に当接する位置ではない。ステップS107において下ステージ134が水平に変位することなく上昇した場合に、下ステージ134に搬送された基板102は、やがて、上ステージ136に保持された基板102に当接する。
【0078】
ここで、当接する一対の基板102が当接させる瞬間に平行ではなかった場合、いずれか一方の基板102の縁が他方の基板の表面に当接する片当たりが生じる。片当たりを生じると、縁に衝撃をうけた基板102に欠けが生じる場合がある。また、縁が当接した基板102の表面が損傷を受ける場合がある。
【0079】
よって、一対の基板102が当接する直前には、下ステージ134の上昇速度を低下させて大きな衝撃の発生を未然に防止することが好ましい。そこで、制御部220は、ステップS107において、ステップS106とは異なる搬送制御を実行する。
【0080】
図7は、ステップS107における基板102の平面P上の搬送パスを模式的に示す図である。上記ステップS106において、X方向およびY方向について、一対の基板102は既に位置合わせされているので、ステップS107においては、図示のように、下ステージ134は専らZ方向に移動する。
【0081】
既に説明した通り、下ステージ134に搬送された基板102は、下ステージ134の揺動により水平に調整されている。よって、一対の基板102は、片当たりを生じることなく重ね合わされる。しかしながら、一対の基板102それぞれの微小な傾きが重畳されて、一対の基板102が片当たりを生じる場合がある。
【0082】
そこで、再び図5を参照すると、制御部220は、ロードセル241の個別の検出値を監視して、片当たりが生じたか否かを判断する(ステップS108)。即ち、複数のロードセル241から均等な圧力が検知された場合、制御部220は、一対の基板102は互いに平行な状態で当接して、片当たりが生じていないと判断する(ステップS108:NO)。
【0083】
よって、制御部220は、下ステージ134の上昇を継続させる。よって、制御部220は、下ステージ134を更に上昇させて一対の基板102を密着させる。更に、Z方向アクチュエータ232の駆動力を増して、一対の基板102を仮接合させる(ステップS109)。
【0084】
一方、制御部220は、複数のロードセル241の検出値が相互に異なっている場合に、一対の基板102が完全に平行ではなく、片当たりが生じていると判断する(ステップS108:YES)。この場合、制御部220は、まず、下ステージ134をいったん降下させて一対の基板102を離間させる(ステップS110)。次に、制御部220は、下ステージ134を揺動させて、一対の基板102を互いに平行にする(ステップS111)。
【0085】
その後、制御部220は、下ステージ134を再び上昇させる(ステップS107)。以後、制御部220は、一対の基板102が、片当たりすることなく当接するまで、ステップS107、ステップS108、ステップS110およびステップS111の各ステップを繰り返す。このように、対向位置Dからは、対向位置Dまでとは異なる搬送制御が実行される。
【0086】
なお、積層基板製造装置100において、仮接合された基板102は、加圧装置170により別途加圧されることにより、恒久的に接合された積層基板108となる。よって、上記ステップS104、S105において、基板102を対向位置Dまで迅速に搬送することにより、積層基板108を製造する場合のスループットを向上させることができる。
【0087】
図8、図9、図10および図11は、積層基板製造装置100における基板102の状態の変遷を示す図である。以下、図8、図9、図10および図11を参照しつつ積層基板製造装置100の動作を説明する。
【0088】
まず、接合に供される基板102を、FOUP116に収容して積層基板製造装置100に装填する。接合に供される基板102は、互いに同じ仕様である場合も、互いに異なる仕様である場合もある。また、接合に供される基板102自体が、既に接合により形成された積層構造を有する場合もある。
【0089】
積層基板製造装置100においては、まず、大気ローダ120が、ホルダストッカ146から基板ホルダ104を搬出して、ホルダプリアライナ144に搬入する。ホルダプリアライナ144において、基板ホルダ104は、例えば案内部材等により案内されて、予め定められた位置に載置される。
【0090】
次に、大気ローダ120は、FOUP116から基板102を搬出して基板プリアライナ142に搬送する。基板プリアライナ142は、基板102に形成されたノッチ等を指標にして、基板102の大気ローダ120に対する搭載方向および搭載位置を補正する。更に、大気ローダ120は、基板102をホルダプリアライナ144に搬送する。
【0091】
大気ローダ120は、ホルダプリアライナ144において所定の位置に載置された基板ホルダ104に対して基板102を保持させる。基板ホルダ104は、静電チャック等の保持機構により、基板102を保持する。こうして、図8に示すように、基板102を保持した基板ホルダ104が用意される。基板102を保持した基板ホルダ104は、少なくとも2組用意される。
【0092】
続いて、大気ローダ120は、各々が基板102を保持した基板ホルダ104を、重ね合わせ装置130に順次搬送する。例えば、最初に搬送される基板ホルダ104は、大気ローダ120により反転されて上ステージ136に保持される。
【0093】
また、次に搬入された基板ホルダ104は、そのままの向きで下ステージ134に保持される。これら基板ホルダ104に保持された基板102は、図9に示すように、重ね合わせ装置130により相互に位置合わせして仮接合され、積層体106を形成する。
【0094】
なお、重ね合わせ装置130において仮接合された一対の基板102はまだ接着されていないので、図10に示すように、基板ホルダ104の永久磁石101および磁性体部材103を相互に吸着させて、基板ホルダ104を相互に結合させる。これにより、一対の基板102は連結された一対の基板ホルダ104に挟まれて、位置合わせされ状態が保存される。
【0095】
次に、大気ローダ120は、積層体106を重ね合わせ装置130から搬出して、ロードロック150に搬入する。このとき、シャッタ154は閉じ、ロードロック150の内部は、高温部99の真空環境から遮断されている。
【0096】
次に、ロードロック150内に積層体106を置いた状態で、シャッタ152も閉じてロードロック150を気密に封鎖する。この状態でロードロック150の内部を排気して、真空環境とする。続いて、シャッタ154を開き、ロードロック150を高温部99内の真空環境と連通させる。これにより、環境ローダ160は、積層体106をロードロックから搬出できる。
【0097】
次に、環境ローダ160は、積層体106をいずれかの加圧装置170に搬入する。加圧装置170は、積層体106を加熱、加圧して、基板102を恒久的に接着させる。こうして、一対の基板102は、図11に示すように、積層基板108となる。
【0098】
次に、環境ローダ160は、加圧装置170から積層体106を搬出して、冷却装置180に搬入する。冷却装置180において、積層体106は室温まで冷却される。冷却された積層体106は、再び環境ローダ160によりロードロック150に搬入される。
【0099】
積層体106を搬入されたロードロック150は、高温部99側のシャッタ154を閉じ、ロードロック150の内部を大気圧に戻した後、室温部98側のシャッタを開く。これにより、大気ローダ120が、積層体106を室温部98側に搬出できる。
【0100】
搬出された積層体106は、例えば、ホルダプリアライナ144において、積層基板108と基板ホルダ104とに分離される。分離された基板ホルダ104は、ホルダストッカ146に戻される。また、分離された積層基板108は、搬出用のFOUP116に回収される。
【0101】
図12は、ステップS105において生成される搬送パスの他の形態を模式的に示す図である。即ち、図示のように、算出部222は、初期位置Iから当接位置Fまでの全てにおいて最短距離を辿る搬送パスを算出してもよい。
【0102】
この場合、制御部220は、対向位置Dを当接位置Fの斜め下方に設定すると共に、X方向、Y方向およびZ方向の各々に個別に求められる移動量を、互いに同じ時間で移動するように下ステージ134の移動速度を制御する。これにより、図中に点線Cで示すように、初期位置Iから対向位置Dまでの搬送パスと、対向位置Dから当接位置Fまでの搬送パスとは、連続した直線状のパスを形成する。
【0103】
こうして、初期位置Iから当接位置Fまでの移動距離が最短になるので、下ステージ134の移動時間が短縮され、積層基板製造装置100のスループットが向上される。また、下ステージ134の動作量が減少するので、駆動部131における摺動部の磨耗も軽減される。よって、積層基板製造装置100の長寿命化にも寄与する。
【0104】
なお、下ステージ134の搬送パスが初期位置から当接位置Fまで連続した直線を描く場合であっても、当接位置Fの近傍に設定された対向位置Dから当接位置Fまでの間の下ステージ134の移動速度を低下させてもよい。これにより、厚さのばらつき等により基板102が慮外のタイミングで当接した場合でも、その損傷を低減できる。
【0105】
また、対向位置Dが当接位置Fの斜め下方に設定された場合、図中に点線Cで示すように、制御部220は、初期位置Iから対向位置Dを経て当接位置Fに至る搬送パス全体で、下ステージ134の加速度の変化が一定になるように制御してもよい。これにより、基板102および基板ホルダ104に作用する慣性力が減少して、基板102の位置ずれが防止される。
【0106】
図13は、ステップS105において生成される搬送パスのまた他の形態を模式的に示す図である。即ち、図示のように、算出部222は、初期位置Iから対向位置Dまで、または、当接位置Fまでの間の全てにおいて曲線的に連続した搬送パスを算出してもよい。
【0107】
図中に点線Cで示すパスは、初期位置Iから、当接位置Fの下方に位置する対向位置Dまでの間、傾きが連続的に変化する曲線を描く。また、図中に点線Cで示すパスは、初期位置Iから、当接位置Fまでの間、傾きが連続的に変化する曲線を描く。
【0108】
このように、連続的な曲線を描くパスに沿って基板102および基板ホルダ104を移動させることにより、図中に点線Qにより示すような障害物が存在する場合に、当該障害物と干渉することなく、基板102および基板ホルダ104を短距離で円滑に移動させることができる。
【0109】
なお、下ステージ134の搬送パスが初期位置から当接位置Fまで連続した曲線を描く場合であっても、当接位置Fの近傍、斜め下方に設定された対向位置Dから当接位置Fまでの間の下ステージ134の移動速度を低下させてもよい。これにより、厚さのばらつき等により基板102が慮外のタイミングで当接した場合でも、その損傷を低減できる。
【0110】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0111】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を、後の処理で用いる場合でない限り、任意の順序で実現しうることに留意されたい。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0112】
98 室温部、99 高温部、100 積層基板製造装置、101 永久磁石、102 基板、103 磁性体部材、104 基板ホルダ、105 接点、106 積層体、108 積層基板、109 フランジ部、110 筐体、112 断熱壁、114 制御盤、116 FOUP、118 真空ポンプ、120 大気ローダ、121、238 ガイドレール、122、162、262 フォーク、124、164、264 アーム、126、166 フォールディングアーム、130 重ね合わせ装置、131 駆動部、132 フレーム、134 下ステージ、136 上ステージ、138 防振脚、142 基板プリアライナ、144 ホルダプリアライナ、146 ホルダストッカ、150 ロードロック、152、154 シャッタ、156 気密壁、160 環境ローダ、168 共通支持部、170 加圧装置、180 冷却装置、202 ノッチ、204 アライメントマーク、206 素子領域、220 制御部、222 算出部、232 Z方向アクチュエータ、231 球面座、234 Y方向アクチュエータ、236 X方向アクチュエータ、237、247 顕微鏡、239、249 反射鏡、241 ロードセル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板を保持する第1テーブルと、
前記第1基板に対向する向きに第2基板を保持する第2テーブルと、
前記第1テーブルと前記第2テーブルの少なくとも一方を移動する移動部と、
前記移動部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記対向する向きである対向方向および前記対向方向に直交する面方向に前記第1基板および前記第2基板がずれた初期位置と、前記第1基板および前記第2基板が互いに重なり合う位置との間で、前記対向方向に対して交差する交差パスを含む搬送パスを生成する基板重ね合わせ装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記初期位置から、前記第1基板および前記第2基板が予め定められた距離だけ離間して互いに対向する対向位置までに、前記交差パスを生成する請求項1に記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記対向位置から重ね合わせるまでの搬送パスとして、前記面方向の成分を含まない搬送パスを生成する請求項2に記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1基板および前記第2基板の厚さによって前記予め定められた距離を決定する請求項2または3に記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記対向位置までの搬送パスにおける搬送速度を、前記対向位置からの搬送パスにおける搬送速度よりも大きくする請求項2から4のいずれかに記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記対向位置までの搬送パスとして最短距離の搬送パスを生成する請求項2から4のいずれかに記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記重なり合う位置までの搬送パスとして最短距離の搬送パスを生成する請求項1に記載の基板重ね合わせ装置。
【請求項8】
複数の基板を重ね合わせて製造されるデバイスの製造方法であって、
第1テーブルに保持された第1基板と、前記第1基板に対向する向きに第2テーブルに保持された第2基板を重ね合わせる工程は、
前記対向する向きである対向方向および前記対向方向に直交する面方向に互いにずれた初期位置と、前記第1基板および前記第2基板が互いに重なり合う位置との間で、前記対向方向に対して交差する交差パスを含む搬送パスに沿って、前記第1テーブルおよび前記第2テーブルの少なくとも一方を移動する第1移動ステップを含むデバイスの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−15373(P2012−15373A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151282(P2010−151282)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】