説明

変形性関節炎および変形性関節症を処置するのに有用なピペリジン誘導体

変形性関節炎または変形性関節症の処置での使用のための薬物の製造における、式(I):
【化1】


[式中、
は、所望により、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルで置換されていてよいフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり;そして
は、1.0〜8.0の計算されたまたは測定されたpKaをもつNHまたはOHを有する基である。]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用。本発明はまた、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドのベンゼンスルホン酸塩、その製造方法、および治療における(例えば、CCR3媒介性疾患状態を処置する際の)その使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変形性関節炎または変形性関節症の処置において、ケモカイン受容体(例えば、CCR3)活性およびH1アンタゴニスト活性のモジュレーターとしての医薬活性を有するピペリジン誘導体に関する。本発明はまた、ある特定のピペリジン誘導体の個々の塩にも関する。
【背景技術】
【0002】
ヒスタミンは、塩基性アミン、2−(4−イミダゾリル)−エチルアミンであって、ヒスチジンデカルボキシラーゼによりヒスチジンから形成される。それは、ほとんどの身体組織において見出されるが、肺、皮膚において、また胃腸管において、高濃度で存在する。細胞レベルでは、肥満細胞および好塩基球のような炎症細胞は、多量のヒスタミンを保有する。肥満細胞および好塩基球の脱顆粒、そしてその後のヒスタミンの放出は、アレルギー過程の臨床症状の原因となる基本的機構であることが認識されている。ヒスタミンは、特異的なヒスタミンのGタンパク質共役受容体に対する効果により、その作用を発揮し、このG−タンパク質共役受容体には、4つの主要な種類、H1、H2、H3およびH4がある。ヒスタミンH1アンタゴニストは、アレルギー性疾患、例えば、鼻炎および蕁麻疹に罹っている患者の処置において使用される最も大きな薬物群を含んでなる。H1のアンタゴニストは、例えば、後毛細血管細静脈平滑筋に対するヒスタミンの作用を遮断し、その結果、血管透過性、浸出および浮腫の減少をもたらすことにより、アレルギー反応を抑えるのに有用である。該アンタゴニストはまた、c型侵害神経線維上のH1受容体に対するヒスタミンの作用の遮断も引き起こし、その結果、そう痒およびくしゃみの減少をもたらす。
【0003】
ケモカインは、広範囲にわたる様々な細胞により放出されて、マクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球および好中球を炎症部位へと誘引し、そしてまた免疫系細胞の成熟における役割も担う走化性サイトカインである。ケモカインは、喘息およびアレルギー性疾患、さらにはまた、関節リウマチおよびアテローム性動脈硬化のような自己免疫病態を含め、様々な疾患および障害での免疫および炎症反応において重要な役割を担う。これらの小さな分泌分子は、保存された4つのシステインモチーフにより特徴付けられる8−14kDaのタンパク質の増え続けているスーパーファミリーである。該ケモカインスーパーファミリーは、特徴的な構造モチーフを示す2つの主要なグループ、Cys−X−Cys(C−X−C、またはα)およびCys−Cys(C−C、またはβ)ファミリーに分けることができる。これらは、システイン残基のNH隣接対の間の単一アミノ酸挿入および配列類似性に基づいて区別される。
【0004】
C−X−Cケモカインには、インターロイキン−8(IL−8)および好中球活性化ペプチド2(NAP−2)のような、好中球の幾つかの強力な化学誘引物質および活性剤が含まれる。
【0005】
C−Cケモカインには、ヒト単球走化性タンパク質1−3(MCP−1、MCP−2およびMCP−3)、RANTES(発現されたおよび分泌された正常T細胞の活性化に対する調節(Regulated on Activation, Normal T Expressed and Secreted))、エオタキシン並びにマクロファージ炎症性タンパク質1αおよび1β(MIP−1αおよびMIP−1β)のような、好中球ではなく、単球およびリンパ球の強力な化学誘引物質が含まれる。
【0006】
ケモカインの作用は、Gタンパク質共役受容体のサブファミリーにより媒介されることが研究により実証されており、このうち、該受容体は、CCR1、CCR2、CCR2A、CCR2B、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3およびCXCR4と呼ばれている。
【0007】
ケモカイン受容体修飾活性およびH1アンタゴニスト活性を有する薬学的に活性なN−(2−ヒドロキシプロピ−1−イル)ピペリジン誘導体は、WO2005/073192に開示されている。
【0008】
変形性関節炎(OA)は、滑膜関節を侵す、慢性、有痛性、身障状態の一群であって、炎症誘発性サイトカインの産生を伴う関節軟骨の基質成分の変性により特徴付けられる(Pelletier et al., Rheum Dis Clin North Am 19 (1993), pp. 545-568)。インターロイキン−1(IL−1)ベータは、OAの病態生理学における役割を担う炎症誘発性サイトカインの1つとして広く受け入れられている(Dinarello, Interleukin-1, Ann N Y Acad Sci 546 (1988), pp. 122-132)。軟骨細胞で起こる異化事象には、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPs)、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)(Stadler et al., J Immunol 147 (1991), pp. 3915-3920)、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)(Morisset et al., J Rheumatol 25 (1998), pp. 1146-1153)およびミクロソームプロスタグランジンE合成酵素−1(mPGEs1)の遺伝子における上方調節、並びに一酸化窒素(NO)およびプロスタグランジンE2(PGE2)(Stichtenoth et al., J Immunol 167 (2001), pp. 469-474)の放出が含まれる。軟骨細胞の同化活性における同時(concommitant)遅延は、プロテオグリカンおよびコラーゲン合成の減少をもたらす(Benton and Tyler, Biochem Biophys Res Commun 154 (1988), pp. 421-428, and Coll Relat Res 8 (1988), pp. 393-405)。
【0009】
多くのGタンパク質共役受容体(GPCRs)およびそれらのリガンドは、OA軟骨において、またはこの組織から単離された初代軟骨細胞において、発現パターンの変化を示すことが最近の研究により示されている(Alaaeddine et al 2001, Arthritis Rheum. 2001, 44(7) 1633-1642, Tetlow and Woolley, Inflamm. Res 54, suppl 1 (2005) S74-S75)。
【0010】
本発明は、H1RとケモカインCCR3受容体との両方がOA軟骨において高レベルで発現され、そしてそれらのリガンドがOA滑液中に高レベルで存在するという発見に基づく。
【0011】
ヒスタミンはH1Rを介して初代軟骨細胞におけるPGE2、IL−6およびIL−8の発現を調節することが見出されている。ヒスタミンは、用量依存的にヒト軟骨細胞の初代培養からのPGE2放出を誘発し、またCOX−2 mRNAを上昇させることが見出されており、そしてヒスタミンおよびIL−1が相乗的に作用して、初代軟骨細胞における、そしてOA外植片軟骨における、PGE2発現を調節する。一般的な教義は、OAを非炎症性関節疾患として分類している。しかしながら、ごく最近の臨床研究により、X線検査でのOAと炎症との間の高い相関関係が実証されており(D'Agostino et al, Ann Rheum Dis 64 (2005), pp1703-1709)、そして炎症性変化および滑膜炎がOAにおける構造変化の進行と関連付けられている(Ayral et al, Osteoarthritis Cart 13 (2005), pp361-367)。このように、ヒスタミンにより駆動される、炎症性メディエーターIL6、IL8およびPGE2の発現の増大は、OA疾患の進行において極めて重要な役割を担い得る。炎症の重要なメディエーターとしてのその役割に加えて、PGE2は、その十分に立証された、末梢侵害受容器末端の感作物質としての役割を通じて、骨関節炎疼痛に関与し、そして関節の一次感覚求心路のヒスタミン刺激もまた、OAにおいて観察される機械的痛覚過敏の原因となり得る。
【0012】
本発明者らにより、CCR3リガンド、エオタキシン−2が、ヒト関節軟骨外植片からの多くの軟骨退化マトリックスメタロプロテアーゼおよびADAMTS4の発現を増大させることもまた見出されている。
【0013】
従って、CCR3とH1Rとの両方の組み合わせにより媒介される効果の阻害は、OA患者における兆候と症状の両方および疾患の進行を処置するための有効な治療方法を提供するであろうことが認識されている。
【発明の開示】
【0014】
従って、本発明は、変形性関節炎または変形性関節症の処置での使用のための薬物の製造における、式(I):
【化1】

[式中、
は、所望により、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルで置換されていてよいフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり;そして
は、1.0〜8.0の計算されたまたは測定されたpKaをもつNHまたはOHを有する基である。]
の化合物、またはその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0015】
処置とは、他に指示がない限り、治療または予防の両方を示すことが理解されるであろう。
【0016】
式(I)の化合物は、WO2005/073192(2005年8月11日に公開された)に開示されている。WO2005/073192に記載されている方法論に従って、式(I)の化合物のpKaを計算するか、または測定する。
【0017】
式(I)のある化合物は、様々な異性体形(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体または互変異性体)で存在し得る。本発明は、そのような異性体およびその混合物全てのあらゆる割合での使用を包含する。
【0018】
適当な塩には、塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、酢酸塩、二酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩のような酸付加塩が含まれる。酸付加塩のさらなる例は、重硫酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、ピルビン酸塩、コハク酸塩、エタンスルホン酸塩、マロン酸塩、キシナホ酸塩、アスコルビン酸塩、オレイン酸塩、ニコチン酸塩、サッカリン酸塩、アジピン酸塩、ギ酸塩、グリコール酸塩、L−乳酸塩、D−乳酸塩、アスパラギン酸塩、リンゴ酸塩、L−酒石酸塩、D−酒石酸塩、ステアリン酸塩、2−フロ酸塩、3−フロ酸塩、ナパジシル酸塩(ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩またはナフタレン−1−(スルホン酸)−5−スルホン酸塩)、エジシル酸塩(エタン−1,2−ジスルホン酸塩またはエタン−1−(スルホン酸)−2−スルホン酸塩)、イセチオン酸塩(2−ヒドロキシエチルスルホン酸塩)、2−メシチレンスルホン酸塩および2−ナフタレンスルホン酸塩である。塩にはまた、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムまたはカリウム塩)またはアルカリ土類金属塩(例えば、マグネシウムまたはカルシウム)のような金属塩も含まれる。
【0019】
式(I)の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として存在し得て、本発明は、そのような溶媒和物全ての使用を包含する。
【0020】
ハロゲンは、例えば、フッ素または塩素である。
アルキル基および部分は、直鎖状または分岐鎖状であって、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピルまたはtert−ブチルである。
【0021】
シクロアルキルは、単環式であって、例えば、シクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0022】
ハロアルキルは、1つまたはそれ以上(例えば、1つ〜6つ)のハロゲン(例えば、クロロまたはフルオロ原子)をもつアルキル基であって、例えば、CF、CHCFまたはCである。
【0023】
フルオロアルキルは、1つまたはそれ以上(例えば、1つ〜6つ)のフルオロ原子をもつアルキル基であって、例えば、CHF、CF、CHCFまたはCである。
【0024】
一態様において、本発明は、Rが、所望により、ハロゲン、シアノまたはC1−4アルキルで置換されていてよいフェニルである、式(I)の化合物の使用を提供する。
【0025】
別の態様において、本発明は、Rが、1つ、2つまたは3つのハロゲン(例えば、フルオロまたはクロロ)、シアノまたはC1−4アルキル(例えば、メチル)で置換されているフェニルである;例えば、Rが、1つ、2つまたは3つのフルオロ、クロロ、メチルまたはシアノで置換されているフェニルである、式(I)の化合物の使用を提供する。別の態様において、Rは、1つ、2つまたは3つ(例えば、2つまたは3つ)のフルオロ、クロロ、シアノまたはメチル(例えば、クロロ、シアノまたはメチル)で置換されているフェニルである。Rは、例えば、3,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3−クロロ−4−シアノフェニル、2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−シアノフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−フルオロ−4−クロロフェニルまたは4−クロロフェニル(例えば、2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニル、3−クロロ−4−シアノフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−フルオロ−4−クロロフェニルまたは4−クロロフェニル)である。またさらなる態様において、Rは、3,4−ジクロロフェニルまたは3−クロロ−4−シアノフェニルである。
【0026】
本発明のさらなる態様において、Rは、1つまたはそれ以上のクロロまたはメチルで置換されており、そして所望により、フルオロでさらに置換されていてよいフェニルである。例えば、Rは、2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニル、3−フルオロ−4−クロロフェニル、4−クロロフェニルまたは3,4−ジクロロフェニルである。
【0027】
本発明の別の態様において、Rは、3,4−ジクロロフェニル、2−メチル−4−クロロフェニル、3−メチル−2,4−ジクロロフェニル、2−メチル−3,4−ジクロロフェニルまたは2−メチル−3−クロロ−4−シアノフェニルである。
【0028】
またさらなる態様において、本発明は、Rが水素またはC1−4アルキル(例えば、メチル)である、式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明のさらに別の態様において、Rは水素である。
【0029】
の酸性NH(すなわち、1.0〜8.0の計算されたまたは測定されたpKaをもつNH)は、環の一部であり得るか、またはアリールもしくはヘテロサイクリル環上の置換基の一部であり得る。Rの酸性OH(すなわち、1.0〜8.0の計算されたまたは測定されたpKaをもつOH)は、アリールまたはヘテロサイクリル環上の置換基または置換基の一部(例えば、カルボン酸基におけるOH)であり得る。このように、例えば、Rの酸性OHは、カルボン酸における、またはヒドロキシ芳香族ヘテロサイクリル(例えば、ピリドンに互変異性化し得るヒドロキシピリジン)における、酸性フェノールの一部であり得る。
アリールには、所望により置換されていてよいフェニルおよびナフチルが含まれる。
【0030】
ヘテロサイクリルは、必要に応じて、窒素、酸素および硫黄よりなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子;またはそのN−オキシド、またはそのS−オキシドもしくはS−ジオキシドを含んでなる、所望により置換されていてよい芳香族または非芳香族の5員または6員環である。ヘテロサイクリルは、例えば、フリル、チエニル(チオフェニルとしてもまた知られている)、ピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル(例えば、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾリルで)、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(例えば、1H−1,2,3−トリアゾリルで)、ピリジニル(例えば、6−オキソ−1,6−ジヒドロ−ピリジニルで)またはピリミジニルである。
【0031】
本発明の態様において、Rの酸性NHは、適当に置換された環の一部(例えば、ピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニルまたはピリミジニル環の一部)、または適当に置換されたアリール(例えば、フェニルまたはナフチル)もしくは適当に置換されたヘテロサイクリル(例えば、フリル、チエニル、ピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニルまたはピリミジニル)環上の置換基の一部である。
【0032】
本発明の別の態様において、Rの酸性OHは、適当に置換されたアリール(例えば、フェニルまたはナフチル)または適当に置換されたヘテロサイクリル(例えば、フリル、チエニル、ピロリル、2,5−ジヒドロピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニルまたはピリミジニル)環上の置換基または置換基の一部(例えば、カルボン酸基におけるOH)である。このように、例えば、Rの酸性OHは、カルボン酸における、または適当に置換されたヒドロキシ芳香族ヘテロサイクリル(例えば、ピリドンに互変異性化し得るヒドロキシピリジン)における、酸性フェノール(置換されている、または置換されていない)の一部であり得る。適当に置換されたヒドロキシ芳香族ヘテロサイクリルのさらなる例は、ヒドロキシキノリン、ヒドロキシイソキノリンおよびヒドロキシベンズイミダゾールである。
【0033】
本発明の一態様において、Rの酸性NHが適当に置換された環の一部であるとき、それは、例えば、2−オキソ−チアゾール−5−イル、2−オキソ−オキサゾール−5−イル、2−オキソ−イミダゾール−5−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル、2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イルまたは2H−テトラゾール−5−イル環の一部である。
【0034】
本発明の別の態様において、Rの酸性NHが適当に置換された環の一部であるとき、それは、例えば、2−オキソ−チアゾール−5−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−4−イルまたは6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル環の一部である。
【0035】
本発明のさらなる態様において、Rの酸性NHが置換基の一部である場合、それは、例えば、NHS(O)(C1−4アルキル)の一部である。
【0036】
別の態様において、本発明は、Rが3〜6.5の計算されたまたは測定されたpKaをもつNHまたはOHを有する基である、式(I)の化合物の使用を提供する。
【0037】
さらに別の態様において、本発明は、Rが1.0〜8.0(例えば、3〜6.5)の計算されたまたは測定されたpKaをもつNHまたはOHを有する基である、式(I)の化合物の使用を提供し、そのR基は、例えば、
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、アリール基(例えば、4−フルオロフェニル)、ヘテロサイクリル基(例えば、ピリジル)またはCHS(O)(C1−4アルキル)基}を4位に有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を4位に有する2−オキソ−オキサゾール−5−イル;
・適当な置換基{例えば、C1−4アルキル(例えば、CHまたはCH(CH))、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、S−R(ここで、Rは、C1−4アルキル[例えば、CH]、C1−4フルオロアルキル[例えば、CF、CHCFまたはC]またはC3−6シクロアルキル[例えば、シクロプロピル]である。)、NHS(O)(C1−4アルキル)、N(C1−4アルキル)S(O)(C1−4アルキル)、アリール基(例えば、4−フルオロフェニル)、ヘテロサイクリル基(例えば、ピリジル)またはCHS(O)(C1−4アルキル)基}を5位に有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CFまたはC)}を2位に有する4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル;
・適当な置換基{例えば、C1−4アルキル(例えば、CH)、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)またはCH(C1−3フルオロアルキル)(例えば、CHCF)}を3位に有し、そして所望により1つまたはそれ以上の他の環位置で置換されていてよい、2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、シアノまたはフェニル}を2位および/または5位に有し、そして所望により1つまたはそれ以上の他の環位置で置換されていてよい、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
・CHCOHを環窒素上に有し、そして所望により1つまたはそれ以上の他の環位置で置換されていてよい、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
・2H−テトラゾール−5−イル;
・所望により置換されていてよいフェニル、所望により置換されていてよいCHOフェニル、所望により置換されていてよいナフチル環、または所望により置換されていてよいアシル化(例えば、C(O)(C1−4アルキル)での)ジヒドロイソキノリニル環上のCOH、CHCOHまたはOCHCOH基;もしくは
・所望により置換されていてよい芳香族ヘテロサイクリル環(例えば、ピリジニル、ピリミジニルまたはチアゾリル)上のNHS(O)(C1−4アルキル)(例えば、NHS(O)CH)基;
または可能であれば、その互変異性体である。
【0038】
本発明の一態様において、アシル化(例えば、C(O)(C1−4アルキル)での)ジヒドロイソキノリニルは、COH、CHCOHまたはOCHCOH基を7位にもつ。
【0039】
さらに別の態様において、本発明は、Rが1.0〜8.0(例えば、3〜6.5)の計算されたまたは測定されたpKaをもつNHまたはOHを有する基である、式(I)の化合物の使用を提供し、そのR基は、例えば、
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、アリール基(例えば、4−フルオロフェニル)、ヘテロサイクリル基(例えば、ピリジル)またはCHS(O)(C1−4アルキル)基}を4位に有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)またはCHS(O)(C1−4アルキル)}を4位に有する2−オキソ−オキサゾール−5−イル;
・適当な置換基{例えば、C1−4アルキル(例えば、CH)、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、S−R(ここで、Rは、C1−4アルキル[例えば、CH]、C1−4フルオロアルキル[例えば、CF、CHCFまたはC]またはC3−6シクロアルキル[例えば、シクロプロピル]である。)、NHS(O)(C1−4アルキル)、アリール基(例えば、4−フルオロフェニル)、ヘテロサイクリル基(例えば、ピリジル)またはCHS(O)(C1−4アルキル)基}を5位に有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CFまたはC)}を2位に有する4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル;
・適当な置換基{例えば、C1−4アルキル(例えば、CH)、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)またはCH(C1−3フルオロアルキル)(例えば、CHCF)}を3位に有する2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)またはシアノ}を2位または5位に有し、そして所望により他の位置で置換されていてよい、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
・2H−テトラゾール−5−イル;
・所望により置換されていてよいフェニルまたはナフチル環上のCOH基;もしくは
・所望により置換されていてよい芳香族ヘテロサイクリル環(例えば、ピリジニル、ピリミジニルまたはチアゾリル)上のNHS(O)(C1−4アルキル)(例えば、NHS(O)CH)基;
または可能であれば、その互変異性体である。
【0040】
におけるヘテロサイクリル環が所望により置換されていてもよいと先に示したところでは、それは、所望により、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、C1−4アルキル(例えば、メチル)、C3−6シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、S−R(ここで、Rは、C1−4アルキル[例えば、CH]、C1−4フルオロアルキル[例えば、CF、CHCFまたはC]またはC3−6シクロアルキル[例えば、シクロプロピル]である。)、シアノ、S(O)(C1−4アルキル)(例えば、S(O)CH)またはS(O)NH(C1−4アルキル)(例えば、S(O)NHCH)で置換できる。
【0041】
におけるフェニルまたはナフチル環が所望により置換されていてもよいと先に示したところでは、それは、所望により、例えば、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、OCF、SCF、ニトロ、S(C1−4アルキル)、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)(C1−4アルキル)、S(O)NH(C1−4アルキル)、S(O)N(C1−4アルキル)、NHC(O)(C1−4アルキル)、NHS(O)(C1−4アルキル)で置換できる。
【0042】
本発明の一態様において、Rは、
・C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)を4位に有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
・適当な置換基{例えば、C1−4アルキル(例えば、CH)またはS−R(ここで、Rは、C1−4フルオロアルキル[例えば、CF、CHCFまたはC]である。)}を5位に有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
・適当な置換基{例えば、C1−4アルキル(例えば、CH)またはC1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)}を3位に有する2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)またはシアノ}を2位または5位に有し、そして所望により他の位置で置換されていてよい、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
・所望により置換されていてよいナフチル環上のCOH基;もしくは
・所望により置換されていてよい芳香族ヘテロサイクリル環(例えば、ピリジニル、ピリミジニルまたはチアゾリル)上のNHS(O)(C1−4アルキル)(例えば、NHS(O)CH)基;
または可能であれば、その互変異性体であり;その任意の置換基は、先に定義した通りである。
【0043】
さらに別の態様において、本発明は、Rが、
・適当な電子求引性置換基{例えば、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、フェニル基(例えば、4−フルオロフェニル)またはヘテロサイクリル基(例えば、ピリジル)}を4位に有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
・適当な置換基{例えば、C1−4アルキル(例えば、CHまたはCH(CH))、C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)、S−R(ここで、Rは、C1−4アルキル[例えば、CH]またはC1−4フルオロアルキル[例えば、CF、CHCFまたはC]である。)、N(C1−4アルキル)S(O)(C1−4アルキル)またはフェニル基(例えば、4−フルオロフェニル)}を5位に有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;または
・C1−4フルオロアルキル(例えば、CF、CHCFまたはC)またはシアノを2位または5位に有する6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
である、式(I)の化合物の使用を提供する。
【0044】
別の態様において、本発明は、Rが、
・CFまたはCを4位に有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
・CF、C、SCF、SCHCFまたはSC(例えば、CFまたはSCHCF)を5位に有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;または
・CFまたはCを2位に有する6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
である、式(I)の化合物を提供する。
【0045】
さらに別の態様において、本発明は、2−ヒドロキシ基が以下に示す立体化学:
【化2】

を有する、式(I)の化合物の使用を提供する。
【0046】
さらなる態様において、本発明は、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドのベンゼンスルホン酸塩(これは、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩形態の一例である。)を提供する。またさらなる態様において、本発明は、N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドのベンゼンスルホン酸塩を提供する。
【0047】
またさらなる態様において、本発明は、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドのベンゼンスルホン酸塩の製造方法であって、周囲温度(例えば、0−35℃)での適当な溶媒(例えば、脂肪族アルコール、例えば、メタノール)中、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドをベンゼンスルホン酸で処理することを含んでなる方法を提供する。
【0048】
WO2005/073192に記載されている方法、またはそれに記載されている方法に類似した方法により、式(I)の化合物を製造することができる。WO2005/073192に記載されている方法、またはそれに記載されている方法に類似した方法により、そのような方法のための中間体を製造することができる。
【0049】
さらなる態様において、本発明は、本発明により使用するための化合物を提供し、該化合物は、
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−ブロモ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド;
N−{(2S)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−N−メチル−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2S)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−N−メチル−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(ペンタフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−フェニル−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−シアノ−N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(トリフルオロメチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,6−ジオキソ−3−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキサミド;
【0050】
5−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)−1−ピペリジニル]−2−ヒドロキシプロピル]−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−3−ピリジンカルボキサミド;
5−シアノ−2−シクロプロピル−N−[(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)−1−ピペリジニル]−2−ヒドロキシプロピル]−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−3−ピリジンカルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)ニコチンアミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−[(2,2,2−トリフルオロエチル)チオ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
4−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]−1−ナフトエ酸;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−[(メチルスルホニル)アミノ]−4−(トリフルオロメチル)−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
[5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)ピリジン−1(2H)−イル]酢酸;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−4−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
【0051】
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2S)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2S)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−N−メチル−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−イソプロピル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−{(2S)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−イソプロピル−N−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(メチルチオ)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
【0052】
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−2,3−ジヒドロ−1,3−チアゾール−5−カルボキサミド;
N−{(2R)−3−[4−(3−クロロ−4−シアノフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−5−(トリフルオロメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド;
2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]安息香酸;
4−クロロ−3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]安息香酸;
4−クロロ−3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸;
{2−クロロ−5−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸;
3−[2−({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)−2−オキソエトキシ]安息香酸;もしくは
{3−[({(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロ−2−メチルフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}アミノ)カルボニル]フェノキシ}酢酸;
またはその薬学的に許容される塩である。
【0053】
さらなる態様において、本発明は、変形性関節炎または変形性関節症の処置のための薬物の製造における、N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドまたはその薬学的に許容される塩(例えば、ベンゼンスルホン酸塩)の使用を提供する。
【0054】
本発明はまた、治療または予防において使用するための、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩も提供する。
【0055】
本発明はさらに、CCR3媒介性疾患状態(例えば、ヒトのような温血動物における、
(1)(呼吸器)慢性閉塞性肺疾患(COPD)(例えば、不可逆的なCOPD)を含む閉塞性気道疾患;喘息{例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息または塵埃喘息、特に慢性喘息または難治性喘息(例えば、遅発型喘息または気道過敏症)};気管支炎{例えば、好酸球性気管支炎};急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、萎縮性鼻炎、または乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む慢性鼻炎;クループ性鼻炎、線維素性鼻炎もしくは偽膜性鼻炎を含む膜性鼻炎、または腺病性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)または血管運動性鼻炎を含む季節性鼻炎;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;鼻ポリープ症;肺線維症、特発性間質性肺炎、鎮咳活性、気道の炎症状態と関連のある慢性咳または医原誘発性咳の処置;
(2)(骨および関節)リウマチ性関節炎(arthrides)、感染性関節炎または自己免疫性関節炎;血清反応陰性脊椎関節症(例えば、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎またはライター病);ベーチェット病;シェーグレン症候群;もしくは全身性硬化症;または
(3)(皮膚および眼)乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎(eczmatous dermitides)、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡(Phemphigus)、水疱性天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、皮膚脈管炎(angiodermas)、血管炎(vasculitides)、紅斑、皮膚好酸球増加症、ブドウ膜炎、円形脱毛症または春季カタル)
の処置において使用するための薬物の製造における、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩の使用を提供する。
【0056】
別の態様において、本発明は、CCR3媒介性疾患状態を処置する方法であって、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる方法を提供する。
【0057】
さらなる態様において、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩は、喘息{例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息または塵埃喘息、特に慢性喘息または難治性喘息(例えば、遅発型喘息または気道過敏症)};または鼻炎{急性鼻炎、アレルギー性鼻炎、萎縮性鼻炎または慢性鼻炎、例えば、乾酪性鼻炎、肥厚性鼻炎、化膿性鼻炎、乾燥性鼻炎もしくは薬物性鼻炎を含む};クループ性鼻炎、線維素性鼻炎もしくは偽膜性鼻炎を含む膜性鼻炎、または腺病性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)または血管運動性鼻炎を含む季節性鼻炎}の処置において有用である。
【0058】
またさらなる態様において、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩は、喘息の処置において有用である。
【0059】
本発明はまた、喘息または鼻炎の処置において使用するための薬物の製造における、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩の使用も提供する。
【0060】
式(I)の化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、ケモカイン受容体(例えば、CCR3)活性のモジュレーターとしての活性を有し、そしてまたH1アンタゴニストでもあって、例えば、先天的股関節異形成症を原発とする、また先天的股関節異形成症に続発する、どちらの変形性関節炎または変形性関節症とも関連のある関節炎(arthritides)の処置において使用され得る。
【0061】
本発明のさらなる特徴により、温血動物(例えば、人間)の変形性関節炎または変形性関節症の処置方法において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0062】
本発明の別の態様において、変形性関節炎または変形性関節症の処置を必要とする、ヒトのような温血動物において、変形性関節炎または変形性関節症を処置するための方法であって、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を該動物に投与することを含んでなる方法を提供する。
【0063】
ヒトのような温血動物の治療処置に対して、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩(活性成分)を使用するために、該成分は、通常、標準的な薬務に従って、医薬組成物として製剤化される。
【0064】
本発明はまた、担体、希釈剤またはアジュバントとの混合物で、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩を含んでなる組成物も提供する。
【0065】
投与方法により、該医薬組成物は、例えば、0.05〜99%w(重量パーセント)(例えば、0.05〜80%w)、例えば、0.10〜70%w(例えば、0.10〜50%w)(重量パーセンテージは全て、全組成に基づく)の活性成分を含んでなるであろう。
【0066】
医薬組成物は、例えば、局所投与(例えば、肺および/または気道への、または皮膚への)、経口投与、直腸投与または非経口投与(例えば、関節内の)により処置するのが望ましい疾患状態に対して、標準的な方法で投与され得る。これらの目的のために、式(I)の化合物は、当業界で知られている方法により、例えば、エアロゾール剤、乾燥粉末製剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、粉末剤、顆粒剤、水性または油性の溶液剤または懸濁液剤、(脂質)エマルション剤、分散用の粉末剤、坐剤、軟膏剤、クリーム剤、点滴剤、および無菌注射用の水性または油性の溶液剤または懸濁液剤の形態へと製剤化され得る。
【0067】
適当な医薬組成物は、単位投薬形態、例えば、0.1mg〜1gの間の活性成分を含む錠剤またはカプセル剤での、経口投与に適当な医薬組成物である。
【0068】
あるいはまた、医薬組成物は、静脈内注射、皮下注射または筋肉内注射に適当な医薬組成物である。あるいはまた、医薬組成物は、関節内投与に適当な医薬組成物である。
【0069】
各々の患者には、例えば、該化合物を0.01mgkg−1〜100mgkg−1、例えば、本発明品を0.1mgkg−1〜20mgkg−1の範囲内の関節内用量、静脈内用量、皮下用量または筋肉内用量で投与するのがよく、該組成物を1日1回〜4回投与する。その関節内用量、静脈内用量、皮下用量または筋肉内用量は、ボーラス注射によって与えるのがよい。あるいはまた、その関節内用量または静脈内用量は、ある期間にわたって持続注入により与えるのがよい。あるいはまた、各々の患者には、一日非経口用量にほぼ等しい一日経口用量を与えることができ、該組成物を1日1回〜4回投与する。
【0070】
本発明はさらに、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、または式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩を含んでなる医薬組成物を、変形性関節炎または変形性関節症の処置のための薬剤と同時に(可能ならば、同一組成物で)または連続して投与する、組み合わせ療法または組成物に関する。
【0071】
特に、式(I)の化合物は、セチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アクリバスチン(acrivistine)、テルフェナジン、プロメタジン、シクリジン、ミゾラスチン、アゼラスチン、またはクロルフェニラミンのようなヒスタミン1型受容体アンタゴニストと組み合わせて;経口的に、局所的に、または非経口的に(例えば、関節内に)適用することができる。
【0072】
これから、本発明を次の非限定的な実施例により説明するが、ここでは、特に明記しない限り、次の略語を使用する:
DMEMは、組織培養培地のダルベッコ変法イーグル培地であり;
PSGは、ペニシリン、ストレプトマイシンおよびL−グルタミンの組み合わせであり;
FCSは、ウシ胎仔血清であり;
NEAAは、非必須アミノ酸である。
【実施例1】
【0073】
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド ベンゼンスルホン酸塩
【化3】

【0074】
工程1:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド
2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボン酸エチル(85.252g)の溶液を塩化チオニル(500mL)に溶解して、還流温度で一晩加熱した。その溶液を室温まで冷却し、減圧下に濃縮して、残りの塩化チオニルをトルエン(2×100mL)と共沸した。残渣を無水テトラヒドロフラン(250mL)に溶解して、得られた溶液を、テトラヒドロフラン(1250mL)中の(2R)−1−アミノ−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]プロパン−2−オール(127.7g)およびトリエチルアミン(111.5mL)の懸濁液に3時間かけて滴加した。その黄色の混合物を室温で一晩撹拌して、その溶液を減圧下に濃縮すると、黄色の粘性物質(313g)が残った。これを水(pH7−8)に溶解して、希塩酸でpH1−2まで酸性化した。その固形物質を酢酸エチル(2L+500mL)で抽出し、塩化ナトリウムを水層に加えて、残留有機物を塩析した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、減圧下に濃縮して、42時間真空乾燥させると、黄色の泡状物質(217g)が残った。
MS(APCI−ve)512/514[M−H]
H NMRδ(CDOD)2.00−2.40(4H,m),3.19(2H,m),3.40(2H,m),3.20−3.60(4H,m),4.16−4.24(1H,m),4.65−4.85(1H,m),6.98(1H,dd),7.23(1H,s),7.43(1H,d)。
【0075】
工程2:N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド ベンゼンスルホン酸塩
工程1(上記)から得られた黄色の泡状物質をメタノール(400mL)に溶解して、ベンゼンスルホン酸(63.27g)で処理し、室温で2時間撹拌し、濾過して、減圧下に濃縮すると、黄色の泡状物質(297g)が残った。これを熱酢酸エチル(約800mL)に溶解して、室温まで放冷した。得られた懸濁液を室温で72時間撹拌し、濾過し、酢酸エチル(500mL)で洗浄し、風乾させて、40℃のオーブンで真空乾燥させると、白色の粉末状物質(177.5g)が残った。
元素分析:C:44.32%(44.65);H:3.86%(3.90);N:6.38%(6.25);S:9.66%(9.53)
MS(APCI−ve)512/514[M−H]
H NMRδ(d−DMSO)1.88−2.26(4H,m),3.11(2H,m),3.24−3.32(2H,m),2.86−3.46(4H,m),4.02−4.10(1H,m),4.64−4.72(1H,m),7.02(1H,dd),7.24−7.30(4H,m),7.50(1H,d),7.60−7.64(2H,m),8.37(1H,s)。
【実施例2】
【0076】
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−6−オキソ−2−(ペンタフルオロエチル)−1,6−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(WO2005/073192における実施例35)の活性の特性解析
方法
(i)ヒスタミン刺激のためのOA軟骨からのヒト関節軟骨細胞(HAC)の単離
関節置換術で摘出した骨関節炎組織由来の軟骨から、HACを単離する。DMEM+10% FCS+PSG中の2mg/mlのコラゲナーゼ中、軟骨を37℃で一晩振盪しながらインキュベートする。その結果得られる細胞懸濁液を濾過して、未消化軟骨を取り除き、その細胞を1200rpmで10分間遠心分離する。細胞をDMEM+10% FCS PSG/NEAA/ファンギゾン/ゲンタマイシンに再懸濁させ、T75に約5×10−6で蒔いて、コンフルエンスまで増殖させる。その後、ヒスタミンでの刺激のために、細胞を96ウェルプレートに約10,000細胞/ウェルで蒔く。第一継代HACのトリプリケートウェルを、DMEM(10%または0% FCS)単独(コントロール)、またはDMEM(10%または0% FCS)+ヒスタミン(用量範囲10nM〜1mM)のいずれかで処理する。細胞を37℃で24時間インキュベートし、培養上清を採取して、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により、PGE2、MMPまたはサイトカイン産生に関してアッセイする。加えて、RNA分析のために、細胞を1% β−メルカプトエタノール含有Qiagen RLT緩衝液中に採取する。
幾つかの実験に関して、ヒスタミン刺激より前に、またヒスタミン刺激と組み合わせて、細胞を特異的アンタゴニストと共に20分間インキュベートする。
【0077】
(ii)ヒト軟骨外植片のケモカイン刺激
外植片調製
ヒト骨関節炎軟骨を膝関節全置換術の間に得る。完全な深さの軟骨片を大腿顆と脛骨プラトーの両方から得て、直径5mmのKAI無菌皮膚生検パンチを使用して、外植片ディスクを切除する。切開後、その外植片を全てペトリ皿にプールする。各々の条件に関して、16個の外植片をペトリ皿から無作為に取り出して、フェノールレッド不含ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM;Gibco、グランドアイランド、ニューヨーク州)、150μg/ml ゲンタマイシン、1.5μg/ml ファンギゾンおよび100単位/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシンおよびL−グルタミンを入れたポリプロピレン製の96ウェルプレートで培養する。
【0078】
最初の前刺激から48時間の休止期間後、実験試薬を24時間、48時間または96時間加える。ケモカイン添加前の20分間、外植片を適当な濃度の化合物単独またはコントロールとしてのDMSOと共にインキュベートする。その後、軟骨をビヒクルコントロール(+DMSO);ケモカイン(30−300ng/mlで)+DMSO;またはケモカイン(30ng/ml)+実施例1の化合物のいずれかで処理する。培養上清を刺激後24時間、48時間または96時間集めて、分析前に−20℃で保存する。RNA抽出前に、軟骨外植片もまた集めて、液体窒素中で瞬間凍結させる。
【0079】
軟骨外植片からのRNAの抽出
各々の条件は、16個の軟骨外植片ディスクからなり、これらをプールした後、液体窒素中で瞬間凍結させる。これらのプールした試料を液体窒素下にすりつぶして細かい粉末とした後、ポリプロピレン製のオークリッジ(Oakridge)チューブ内のトリゾール10mlに再懸濁させて、製造業者のプロトコルに従ってRNAを抽出する。そのRNAペレットをRNAseおよびDNAse不含水約500μlに再懸濁させた後、キアゲン(Qiagen) RLT1.75mlと合わせる。カラムでのDNA消化を含め、製造業者のプロトコルに記載されているように、RNAをQiagen RNEasy ミニカラム(キアゲン(Qiagen) カタログナンバー74104)でさらに精製する。製造業者の指示に従い、アジレント(Agilent) バイオアナライザー技術を使用して、これらの手順により得られたRNAを分析して、その量および質を測定する。
【0080】
遺伝子発現分析:低密度アレイ(Q−PCR)を使用しての96番および48番の遺伝子フィンガープリント
(OA関節軟骨のアフィメトリクス(Affymetrix)マイクロアレイ解析により同定されるような)OAに関係のある96番または48番のいずれかの遺伝子での低密度遺伝子アレイ[定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)法]を使用して、ヒト罹患軟骨外植片を、ケモカインであるエオタキシン−2もしくはRANTES単独で、または実施例1の化合物と組み合わせて処置する効果を評価する。遺伝子発現変化を標準的な非罹患遺伝子:GAPDHに対して基準化した折り畳み変化として報告した。
【0081】
(iii)マウス膝関節でのヒスタミン誘発性反応のインビボにおける機能的検証
肥満細胞を輸送することにより、または関節軟骨細胞によるヒスタミンの新規合成により放出されるヒスタミンは、COX−2 mRNA発現におけるH1−依存的増大、そして滑膜線維芽細胞および関節軟骨細胞におけるPGE2合成の上昇を誘発すると仮定する。関節での病理過程におけるヒスタミンの役割を評価するために、薬理学マウスモデルを開発して、カリパス測定を使用し、そしてPGE2および/またはIL−6レベルを滑膜膝関節洗浄液から測定して、関節腫脹に対するヒスタミンの関節内注射(IAI)の効果を調査した。
【0082】
成体C57B16マウスにビヒクルまたは試験化合物のいずれかを投与してから1時間後、ヒスタミン(5μmol)を関節注射した。イソフルレンでの吸入麻酔下にヒスタミン/生理食塩水の懸濁液6μlを膝関節腔へと注射することにより、腫脹を誘発した。カリパス測定を1時間、6時間、12時間、24時間、36時間および48時間の時点で行うことにより、関節腫脹を数値化した。最終の滑液膝洗浄液をサンプリングして、炎症性メディエーターIL6のレベルを滑膜膝関節洗浄液から得られた液体中で測定した。
【0083】
結果
ヒスタミン誘発性関節浮腫
マウス膝関節試験において、ヒスタミンの関節内注射は、ビヒクルコントロール動物に比べて5倍の関節浮腫増大をもたらした。この腫脹は、デスロラタジン処置(5.1mg/kg)でほぼ完全に取り除かれた。
【0084】
関節洗浄液中のヒスタミン誘発性IL−6
IL−6レベルの上昇は、炎症を含め、多数の病的状態において観察されている。ヒスタミン注射による関節腫脹の誘発は結果的に、滑液へのIL−6の60%を超える放出増大をもたらした。全用量のデスロラタジンが、コントロール試料に関して測定された基底レベルに比べてIL−6放出を有意に阻害した(図1)。
【0085】
総合すれば、これらの結果は、ヒスタミン誘発性関節腫脹の改善が滑液IL−6タンパク質の基底レベル近くまでの減少と関連があることを示す。これに基づき、このようにしてIL−6発現を制限する能力は、関節腫脹を抑える際に化合物の潜在活性を示すとみなされ得る。
【0086】
(iii)単離されたヒト関節軟骨細胞でのヒスタミン誘発性反応のインビトロにおける機能的検証
ヒスタミンは、初代軟骨細胞によるPGE2放出の増大を誘発することが以前に報告されている(Tetlow & Woolley 2004)。我々の研究において、我々は、ヒスタミン誘発性のPGE2放出の用量依存的増大(n=6)(図2)、および単離されたヒト軟骨細胞におけるCOX−2 mRNA発現レベルの増大を観察した。ヒスタミンに対するこれらの反応は、H1R選択的アンタゴニストであるデスロラタジン(10nM)およびセチリジン(100nM)により阻害され(図2)、単離されたヒト軟骨細胞からの疼痛メディエーターであるPGE2のヒスタミン刺激放出が、H1Rアンタゴニストにより抑制され得ることを示した。
【0087】
ヒト関節軟骨細胞/軟骨でのCCR3媒介反応のインビトロにおける機能的検証
CCR3リガンドは、軟骨の完全性を調節するそれらの能力のため、MMPsを増大させて、プロテオグリカンの損失を刺激することにより、変形性関節炎の発症機序に関与している(Alaaedine et al 2001; Hsu et al 2004)。CCR3に対するリガンドでの刺激に反応してこの系で見られる遺伝子発現変化を分析することにより、ヒト軟骨外植片培養におけるCCR3の機能的役割を調査した。ヒト外植片軟骨(ドナー KM 014_04)のエオタキシン−2刺激に反応して、炎症誘発性サイトカインIL−6(14倍)およびIL−8(11倍)の発現増大を観察した。重要なことには、CCR3リガンドは、内因性MMP阻害剤であるTIMP1、2または3の発現における同時変化なしに、メタロプロテイナーゼ MMP1(8.8倍)、MMP2(4倍)およびMMP13(x 3.5倍)を上方調節した。アグレカナーゼであるADAMTS4(3.6倍)およびADAMTS5(6倍)の発現増強もまた観察された。最後に、OAにおけるマトリックス石灰化過程に関与すると仮定されるタンパク質であるペリオスチンがやや上昇した(2倍)。遺伝子発現におけるこれらの変化をQ−PCR分析およびELISAにより確認した。ADAMTS4、MMP13、IL−6、IL−8およびMMP2 mRNAの発現を様々なドナー由来の外植片軟骨において調べると、CCR3リガンドに反応してのmRNAの2倍以上の発現増大が大多数のOAドナーにおいて観察されて、実施例1の化合物により3x pA2、n=3で阻害することができた(図3)。{図3における右側のグラフ(IL6という表題のグラフ)のy軸は、IL6/GAPDHの比率を表す。}
【実施例3】
【0088】
コラーゲン代謝回転の臨床マーカー、バイオマーカーに対する効果、安全性、および式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の忍容性を調査するための、第2相、無作為、二重盲検式、プラセボ対照、並行グループ、多施設予備的試験では、膝の変形性関節炎を患っている患者に錠剤型で1日1回4週間経口投与した。
その研究目的は、WOMAC(商標)サブスケール(痛み、硬直、および身体機能)におけるベースラインからの変化を評価することにより、そして医師と患者の包括的疾患評価により、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の臨床効果をプラセボと比較して評価することである。主要なコラーゲン代謝回転バイオマーカーが、CTX−II、PIIANPおよびuGGP(Glc−Gal−PYD)となるよう計画される。
【0089】
式(I)の化合物は、例えば、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミド(例えば、その(2R)エナンチオマー)のベンゼンスルホン酸塩である。
【0090】
・WOMAC(商標)インデックス(WOMAC(商標)3.1 インデックス)は、一連の24の質問を使用する公式スコアリングシステムである。詳細に関しては、www.womac.org/womac/index.htmを参照されたい。
・CTX−IIは、II型コラーゲンのMMP切断により産生されたII型コラーゲンのネオエピトープである。それは、軟骨退化のマーカーである。
・PIIANPは、II型コラーゲンのプロコラーゲンα鎖である。それは、軟骨合成のマーカーである。
・uGGPは、コラーゲンC由来の2−ヒドロキシル−リジン残基、またはコラーゲンのαヘリックス由来のグリコシル化ヒドロキシリジンをもつNテロペプチドの成熟産物である。それは、滑膜炎のマーカーである。
・錠剤型は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、微結晶性セルロース、マンニトール、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロースおよびステアリルフマル酸ナトリウムを含んでなる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
(原文に記載なし)
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形性関節炎(osteoarthiritis)または変形性関節症の処置のための薬物の製造における、式(I):
【化1】

[式中、
は、所望により、ハロゲン、シアノ、C1−4アルキルまたはC1−4ハロアルキルで置換されていてよいフェニルであり;
は、水素、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルであり;そして
は、1.0〜8.0の計算されたまたは測定されたpKaをもつNHまたはOHを有する基である。]
の化合物、または薬学的に許容される塩の使用。
【請求項2】
が、1つ、2つまたは3つのハロゲン、シアノまたはC1−4アルキルで置換されているフェニルである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
が水素である、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
の酸性NHが、環の一部であるか、またはアリールもしくはヘテロサイクリル環上の置換基の一部である、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
が、
・適当な電子求引性置換基を4位に有する2−オキソ−チアゾール−5−イル;
・適当な電子求引性置換基を4位に有する2−オキソ−オキサゾール−5−イル;
・適当な置換基を5位に有する1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル;
・適当な電子求引性置換基を2位に有する4−オキソ−1H−1,4−ジヒドロピリジン−3−イル;
・適当な置換基を3位に有し、そして所望により1つまたはそれ以上の他の環位置で置換されていてよい、2,6−ジオキソ−1H−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−4−イル;
・適当な電子求引性置換基を2位および/または5位に有し、そして所望により1つまたはそれ以上の他の環位置で置換されていてよい、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
・CHCOHを環窒素上に有し、そして所望により1つまたはそれ以上の他の環位置で置換されていてよい、6−オキソ−1H−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル;
・2H−テトラゾール−5−イル;
・所望により置換されていてよいフェニル、所望により置換されていてよいCHOフェニル、所望により置換されていてよいナフチル環上のCOH、CHCOHまたはOCHCOH基;もしくは
・所望により置換されていてよい芳香族ヘテロサイクリル環上のNHS(O)(C1−4アルキル)基;
または可能であれば、その互変異性体である、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
【請求項6】
2−ヒドロキシ基が立体化学:
【化2】

を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
変形性関節炎または変形性関節症の処置のための薬物の製造における、ヒスタミン1型受容体アンタゴニストと組み合わせての、請求項1〜6のいずれかに定義した式(I)の化合物の使用。
【請求項8】
変形性関節炎または変形性関節症の処置を必要とする、ヒトのような温血動物において、変形性関節炎または変形性関節症を処置するための方法であって、請求項1に定義した式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩の有効量を該動物に投与することを含んでなる方法。
【請求項9】
ヒスタミン1型受容体アンタゴニストの有効量と組み合わせて、式(I)の化合物の有効量を投与することを含んでなる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドのベンゼンスルホン酸塩。
【請求項11】
N−{(2R)−3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドのベンゼンスルホン酸塩。
【請求項12】
請求項10または11に記載の化合物の製造方法であって、周囲温度で適当な溶媒中、ラセミ体での、または(2R)エナンチオマーとしての、N−{3−[4−(3,4−ジクロロフェノキシ)ピペリジン−1−イル]−2−ヒドロキシプロピル}−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−4−(トリフルオロメチル)−5−チアゾールカルボキサミドをベンゼンスルホン酸で処理することを含んでなる方法。
【請求項13】
担体、希釈剤またはアジュバントと混合して、請求項10または11に記載の化合物を含んでなる組成物。
【請求項14】
治療または予防において使用するための、請求項10または11に記載の化合物。
【請求項15】
CCR3媒介性疾患状態の処置において使用するための薬物の製造における、請求項10または11に記載の化合物の使用。
【請求項16】
CCR3媒介性疾患状態を処置する方法であって、請求項10または11に記載の化合物の治療上有効な量を患者に投与することを含んでなる方法。

【公表番号】特表2009−535302(P2009−535302A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504153(P2009−504153)
【出願日】平成19年4月4日(2007.4.4)
【国際出願番号】PCT/SE2007/000321
【国際公開番号】WO2007/114770
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】