説明

外観検査装置及び検査方法

【課題】半導体ウェハや液晶パネル等に発生する色むらや傷等の欠陥を、高速かつ高精度で検査することができ、しかも被検査ワークの大型化への対応を、検査精度及び検査スループットを維持したままで容易に達成できる外観検査装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】被検査ワークWの撮像及び検査画像の処理を行う撮像処理ユニット1を複数配置し、これら複数の撮像処理ユニット1を用いて被検査ワークWの全面または一部を分割撮像するとともに、その各撮像処理ユニット1独立に撮像画像の検査処理を行い、それら検査処理結果に基づいて統合判定部3にて被検査ワークWの良否を判定する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハや液晶パネル等に発生する色むらや傷等の欠陥を、光学的手法を用いて自動的に検出する外観検査装置及び検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハの外観検査において、欠陥種は検査対象とする欠陥の大きさや現れ方により、ミクロ欠陥とマクロ欠陥に分類される。
【0003】マクロ欠陥は、図8に示すように、ウェハの全面もしくは複数のチップにまたがって広範に現れるような塗布不良311、主にショット単位で現れる露光・現像不良312、あるいは広域にわたる傷313もしくは異物等を原因とするものである。ミクロ欠陥は、図9R>9に示すように、メモリセル部や周辺回路部に現れる数ミクロン〜サブミクロンの微小な異物321または傷やパターン欠陥322等を原因とするものである。
【0004】これら半導体ウェハの欠陥のうち、ミクロ欠陥の検査については、高解像度の撮像手段により得られた画像を用いて、ダイツーダイ比較やセル比較方式のような参照画像との比較による自動検査方法が広く実用化されている。
【0005】一方、マクロ欠陥検査については、マクロ欠陥によって現れるウェハ面の色むら等のマクロ異常に対して作業者が経験に基づいて良否判定を行う、という官能的な検査方法が用いられていた。具体的には、ウェハを回転させながら保持するステージの傾斜角や照射角度の変更が可能な照射装置を備えたマクロ検査装置を用いて、作業者がステージの傾斜角や照明の照射方向を調節しながら観察しやすい状態にした上で、例えばウェハ面の色ムラ等のマクロ異常を反射光を用いて目視によって観察し、その観察結果から作業者の経験に基づいて良否判定がなされている。
【0006】しかし、作業者の目視による良否判定では、■良否判定基準にばらつきが生じるために品質が不安定である。■作業者によりスループットが異なる。■絶対的な検査速度を上げるためには、作業者の増員が必要である。■長時間作業による作業者の疲労などの問題がある。
【0007】これらの問題を解決するため、半導体ウェハ等の表面の傷や色むら等の欠陥を光学的手段を用いて自動的に検出する装置の開発が行われている。
【0008】例えば、特開平5−249044号公報には、半導体ウェハ上に繰り返し形成される各チップの同一部分を、CCDカメラが接続された複数の光学顕微鏡で撮像し、その各撮像画像を画像処理部において比較することによって良否判定を行う外観検査装置が提案されている。
【0009】また、特開平8−254499号公報には、複数のカメラを用いた外観検査装置において、反射率が一様な標準画像を撮像し、隣接するカメラ間の濃度むらをシェーディング補正して一様な明るさにした後、オフセット調整部により隣接カメラとの重複部分の濃度値を等しい状態とし、さらに重複部分での隣接画像の濃度値に重み付け処理を施すことによって、被検査ワークを連続した画像として取り出して検査処理を行う検査装置が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平5−249044号公報に記載の外観検査装置では、隣接するCCDカメラ間の光学的な差異をなくすことが困難である。すなわち、一般的に同等なレンズであっても収差・倍率には差異が発生するため、各CCDカメラ間で撮像される画像において被検査部位の形状や大きさなどは幾何的に異なるものとなる。さらに、CCDカメラのセンサ間に差異が発生するため、被検査部位の濃淡輝度値を同一レベルにすることは困難である。従って、各カメラ間の画像の比較による検査では擬似不良の発生が避けられない。
【0011】一方、特開平8−254499号公報に記載の外観検査装置では、照明やカメラ間の差異に起因する濃淡輝度値の差異についての補正は可能であるが、光学的原因による幾何的な形状の差異の補正は行うことはできない。
【0012】ここで、生産工程においては半導体ウェハの大口径化や液晶パネルの大型化が進んできており、これに伴って外観検査装置もその対応が必要となる。その際、生産工程の変更が最小限で済むように、外観検査装置には検査精度及び検査スループットを維持したままでの被検査ワークの大型化への対応が強く求められており、特開平5−249044号公報及び特開平8−254499号公報に記載の外観検査装置の場合、検査精度を保つためには撮像カメラの追加が必要になる。しかしながら、撮像カメラから画像処理部に入力される画像の量が増加すると検査画像処理に要する時間が増加して、これまでと同等の検査スループットを維持できなくなる。逆に検査スループットを維持するためには検査精度を下げる必要がある。つまり、検査精度及び検査スループットの双方を維持するためには、撮像カメラの追加とともに画像処理部の入れ替えが必要になり、これらの対応には多くの時間やコストが必要になる。
【0013】本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、半導体ウェハや液晶パネル等に発生する色むらや傷等の欠陥を光学的手法を用いて検出するにあたり、光学的な差異に影響されることなく、高速かつ高精度な自動検査を行うことができ、しかも、被検査ワークの大型化への対応を、検査精度及び検査スループットを維持したままで容易に達成することが可能な外観検査装置及び検査方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の外観検査装置は、被検査ワーク(被検査ウェハ)に照明光を照射する照明系と、その被検査ワークの撮像及び検査画像の処理を行う撮像処理ユニットと、この撮像処理ユニットからの検査処理結果に基づいて被検査ワークの良否を判定する統合判定部と、その判定結果を表示する表示部からなる外観検査装置において、複数の撮像処理ユニットが設けられており、それら複数の撮像処理ユニットを用いて被検査ワークの全面または一部を分割撮像するように構成されているとともに、その各撮像処理ユニットで独立に撮像画像の検査処理を行って、それら検査処理結果に基づいて統合判定部が被検査ワークの良否を判定するように構成されていることによって特徴づけられる。
【0015】本発明の外観検査装置によれば、各撮像処理ユニットにて独立に検査処理を行うので、各々の光学的原因による幾何的な形状の差異の補正処理が不要になる。また、撮像処理ユニットを追加した場合においても各撮像処理ユニット内での検査処理時間は全く同等であり、精度及び検査スループットを維持したままで、被検査ワークの大型化への対応が可能になる。
【0016】本発明の外観検査装置において、被検査ワークの被検査部位に照明光を一括して照射して検査を行うように構成してもよい。
【0017】本発明の外観検査装置において、2次元面照明装置とハーフミラーとを備えた照明系を用い、その2次元面照明装置からの照明光をハーフミラーで反射して、被検査ワークの被検査部位に、撮像処理ユニットの光軸と同じ方向の同軸落射にて照射するようにすれば、被検査ワーク面での正反射光で観察される欠陥、例えば半導体ウェハの露光現像不良や塗布むら等の色むら欠陥を検査することができる。
【0018】また、1次元ライン照明装置を用いて、被検査ワークの被検査部位に対し照明光を斜め方向から照射するようにすれば、被検査ワーク面での乱反射光によって観察される欠陥、例えば半導体ウェハの傷や異物等の表面欠陥を検査することができる。
【0019】本発明の外観検査方法は、複数の撮像処理ユニットにより被検査ワークの全面または一部を分割撮像し、その各撮像処理ユニットで独立に撮像画像の検査処理を行い、それらの検査処理結果を用いて統合判定部にて被検査ワークの良否判定処理を行うことによって特徴づけられる。
【0020】本発明の外観検査方法において、各撮像処理ユニットでの検査処理として、被検査部位の輝度の分散または偏差に基づいて行うという処理を挙げることができる。なお、この場合、統合判定部での良否判定処理を、各撮像処理ユニットから得られる全ての被検査部位の分散または偏差に基づいて行うようにしてもよい。
【0021】また、各撮像処理ユニットでの検査処理として、各撮像処理ユニットにて撮像された画像内の同一形状部分の比較に基づいて行うという処理も挙げることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】図1は本発明の外観検査装置の実施形態の構成を模式的に示す図である。
【0024】図1に示す外観検査装置は、被検査ウェハWが設置されるステージ2、その上方に配置された複数の撮像処理ユニット1、ステージ2上の被検査ウェハWに照明光を斜め上方から照射する照明装置5、統合判定部3及び表示部4などを主体として構成されている。各撮像処理ユニット1はそれぞれ撮像部11及び処理部12を備えている。
【0025】そして、図1の外観検査装置では、ステージ2上に置かれた被検査ウェハWの被検査部位に照明装置5からの照明光が一括して照射され、その被検査ウェハWで反射された反射光が複数の撮像処理ユニット1内の各撮像部11によって撮像される。その濃淡画像信号は、各撮像処理ユニット1に内蔵の処理部12においてそれぞれ個別に検査画像処理が行われ、その検査処理結果が各撮像処理ユニット1から統合判定部3に送られる。統合判定部3では各検査処理結果に基づいて被検査ウェハWの良否判定を行い、その判定結果が表示部4の画面上に表示される。
【0026】次に、各撮像処理ユニット1内の処理部12において実行される処理フローの詳細を、図2及び図3R>3を参照しつつ説明する。図2はその処理フローの内容を示す図、図3は同処理フローに対応する画像処理の一例を示す図である。
【0027】この例では、半導体ウェハの色むらを欠陥として欠陥検出を行うものとする。その主な処理の流れは次のようになる。
【0028】まず、図2に示す処理フローのステップS1 では、複数の撮像処理ユニット1の各撮像部11にて撮像された画像を各処理部12に入力する。この処理により入力される濃淡画像は、複数の撮像処理ユニット1によって被検査ウェハWが分割撮像されるため、図3(a)に示すように被検査ウェハWの一部分となる。この図3(a)に示す入力画像の例では、一様な画像上に色むら欠陥111が存在している。
【0029】次に、ステップS2 において被検査部位の抽出を行う。その抽出処理は、図3(a)に示す入力画像の全面を被検査対象とし、この被検査対象領域を、矩形領域に12分割するという手法で実行される。分割処理後の画像を図3(b)に示す。この図3(b)に示す画像では、被検査部位121及び122に、図3(a)での色むら欠陥111が含まれている。
【0030】次に、ステップS3 において、図3(b)に示す各被検査部位の輝度分散値(濃淡分散値)を算出する。実際に各被検査部位の輝度分散値を算出した結果は図3(c)に示すような値となり、図3(a)の色むら欠陥111を含む被検査部位121及び122は輝度分散値がそれぞれ5.0及び3.0となっており、他の被検査部位の輝度分散値の1.0よりも大きい値となっていることがわかる。
【0031】そして、ステップS4 では、これまでに求められた各被検査部位の輝度分散値を、あらかじめ設定されたしきい値と比較することで、しきい値以上の輝度分散値を持つ被検査領域を不良部と判定する。図3(d)に示す例は、輝度分散値のしきい値を2.0に設定した場合のしきい値処理結果であり、設定されたしきい値よりも大きな値の輝度分散値を持つ被検査部位121及び122が不良部として判定されている。
【0032】ここで、各撮像処理ユニット1の処理結果において、複数の被検査部位のうち不良部となる被検査部位が1つでも含まれる場合は、その撮像処理ユニット1での判定結果を不良として統合判定部3に判定結果を出力する(S5 )。そして、統合判定部3は、複数の撮像処理ユニット1からの判定結果に1つでも不良と判定されたものがある場合には、被検査ウェハWを不良品と判定する。
【0033】次に、半導体ウェハ面での正反射光によって観察される欠陥、例えば半導体ウェハの露光現像不良や塗布むら等の色むら欠陥を検出するのに有効な検査装置を図4を参照しつつ説明する。
【0034】図4に示す外観検査装置は、被検査ウェハWが設置されるステージ2、その上方に配置された複数の撮像処理ユニット1、統合判定部3及び表示部4等を備えており、ステージ2上に置かれた被検査ウェハWの照明系として、ステージ2の側方に位置する2次元面照明装置25と、ステージ2の上方に位置するハーフミラー6が配置されている。各撮像処理ユニット1はそれぞれ撮像部11及び処理部12を備えている。
【0035】そして、図4に示す外観検査装置では、2次元面照明装置25からの照明光が、ハーフミラー6によって撮像処理ユニット1の光軸と同じ方向の同軸落射にて被検査ウェハWの被検査部位に照射され、その被検査ウェハWで反射された正反射光が、複数の撮像処理ユニット1内の各撮像部11によって撮像される。その濃淡画像信号は、各撮像処理ユニット1に内蔵の処理部12においてそれぞれ個別に検査画像処理が行われ、各検査処理結果が各撮像処理ユニット1から統合判定部3に送られる。統合判定部3では各検査処理結果に基づいて被検査ウェハWの良否判定を行い、その判定結果が表示部4の画面上に表示される。
【0036】次に、図4の外観検査装置において、撮像処理ユニット1内の処理部12にて実行される画像処理の例を説明する。
【0037】この例では、露光現像不良や塗布不良に対応する欠陥として、半導体ウェハに形成されるチップのメモリセル部分に発生する色むらを欠陥として検出するものとする。その主な処理の流れは次のようになる。
【0038】まず、入力される画像は図5(a)に示すような被検査ウェハWの一部分となり、ウェハ上に形成されるチップ221〜224の内部つまり図の破線矩形領域で示された部分内にメモリセル部が存在する。図5(a)ではメモリセル部が図中に斜線で示されており、チップ221のメモリセル部に欠陥として色むら欠陥251が発生している。
【0039】この例において、被検査部位は、図5(a)に示すチップ221〜224のメモリセル部であるので、それらメモリセル部を抽出する。その抽出結果を図5(b)に示す。被検査部位231〜234の抽出は、あらかじめ登録しておいた、被検査ウェハWの被検査部位に対応する位置情報を持ったマスク画像を用いることにより可能である。また、画像信号から各画素の輝度をX方向に射影したヒストグラム及びY方向に射影したヒストグラムを作成し、それら作成されたヒストグラムに基づいて、繰り返し形状であるメモリセル部を抽出することも可能である(特願平11−012084号参照)。
【0040】次に、図5(b)に示す各被検査部位について輝度分散値を算出する。実際に各被検査部位231〜234の輝度分散値を算出した結果は、図5(c)に示すような値となり、色むらの発生している被検査部位231で輝度分散値が大きくなっていることがわかる。そして、このように算出された輝度分散値を用いて、しきい値処理を行うことによって各被検査部位の良否判定を行うことができる。図5(d)に示す例は、輝度分散値のしきい値を3.0に設定した場合のしきい値処理結果であり、設定されたしきい値よりも大きな値の輝度分散値を持つ被検査部位231が不良部として判定されており、このように判定された結果が図4の統合判定部3に出力される。
【0041】次に、この実施形態の統合判定部3にて実行される良否判定手法の例を説明する。
【0042】まず、先の実施形態における良否判定手法では、各撮像処理ユニット1から送信される被検査部位の不良部の有無による判定結果に基づいて、統合判定部3が被検査ウェハの良否判定を行っていたが、この例では、そのような良否判定手法に代えて、図5(c)において算出された輝度分散値を用いて良否判定処理を行う。具体的には、各撮像処理ユニット1から各被検査部位の輝度分散値を統合判定部3に送信し、統合判定部3において、多数の被検査部位の輝度分散値を用いて統計的手法により、標準的な輝度分散値よりも大きく異なるものが存在する場合は、被検査ウェハWを不良品と判定するというような処理を行う。
【0043】なお、図4に示す実施形態では、2次元面照明装置25とハーフミラー6からなる照明系により、被検査ウェハWに照明光を、撮像処理ユニット1の光軸と同じ方向の同軸落射にて照射するように構成しているが、このほか、例えば各撮像処理ユニット1にそれぞれ個別に照明系を設けて、被検査ウェハWに照明光を同軸落射にて照射するようにしてもよい。
【0044】ここで、以上の2つの実施形態では、各撮像処理ユニット1あるいは統合判定部3での判定に各被検査部位の輝度分散値を用いているが、これに代えて、各被検査部位の輝度の偏差を用いてもよい。
【0045】次に、半導体ウェハ面での乱反射光によって観察される欠陥、例えば半導体ウェハの傷や異物等の表面欠陥を検出するのに有効な装置を、図6を参照しつつ説明する。
【0046】図6に示す外観検査装置は、被検査ウェハWが設置されるステージ2、その上方に配置された複数の撮像処理ユニット1、ステージ2上の被検査ウェハWに照明光を斜め上方から照射する1次元ライン照明装置35、統合判定部3及び表示部4などを主体として構成されている。各撮像処理ユニット1はそれぞれ撮像部11及び処理部12を備えている。
【0047】そして、図6に示す外観検査装置では、ステージ2上に置かれた被検査ウェハWの被検査部位に、1次元ライン照明装置35からの照明光が斜め方向から照射され、その被検査ウェハWで反射された乱反射光が複数の撮像処理ユニット1内の各撮像部11によって撮像される。その濃淡画像信号は、各撮像処理ユニット1に内蔵の処理部12においてそれぞれ個別に検査画像処理が行われ、その各検査処理結果が各撮像処理ユニット1から統合判定部3に送られる。統合判定部3では各検査処理結果に基づいて被検査ウェハWの良否判定を行い、その良否判定が表示部4の画面上に表示される。
【0048】次に、図6に示す外観検査装置において、撮像処理ユニット1内の処理部12にて実行される画像処理の例を説明する。
【0049】この例では、露光現像不良や塗布不良に対応する欠陥として、半導体ウェハに形成されるチップのメモリセル部分に発生する色むらを欠陥として検出するものとする。その主な処理の流れは次のようになる。
【0050】まず、入力される画像は図7(a)のような被検査ウェハWの一部分となり、ウェハ上に形成されるチップ221〜224の内部つまり図の破線矩形領域で示された部内にメモリセル部が存在しており、チップ221からチップ222にかけて傷による表面欠陥261が発生している。この例において、被検査部位は、図7R>7(a)に示すチップ221〜224であるので、それらチップ221〜224を抽出する。その抽出結果を図7R>7(b)に示す。なお、被検査部位241〜244の抽出方法は先の実施形態と同様とする。
【0051】次に、被検査部位241(欠陥有)を、隣接する同一形状の被検査部位243(欠陥無)と比較することにより、被検査部位243に含まれる欠陥部のみを検出し、また同様に、被検査部位242(欠陥有)についても、被検査部位244(欠陥無)と比較することによって、被検査部位242に含まれる欠陥部のみを検出する。なお、ここでは、説明を簡便にするために4つの被検査部位を用いて説明を行っているが、被検査部位243及び244についても、隣接している欠陥を含まない被検査部位と比較する(検出結果:欠陥無)。このようにして検出された欠陥を含む被検査部位241及び242に関しては、図7(d)に示すようにこれを不良として判定することができる。
【0052】そして、図6に示す統合判定部3において、各撮像処理ユニット1からの検査処理結果に基づいて、図1に示した実施形態と同等の良否判定処理を行うことによって、被検査ウェハWの良否判定を行うことができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の外観検査装置によれば、各撮像処理ユニットにて独立に検査処理を行うので、各々の光学的原因による幾何的な形状の差異の補正処理が不要になる。また、撮像処理ユニットを追加した場合においても各撮像処理ユニット内での検査処理時間は全く同等であり、被検査ワークの大型化への対応を、精度及び検査スループットを維持したまま容易に達成できる。しかも、従来は目視で行っていた作業者の負担を軽減できるとともに、生産性の向上及び品質の安定に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外観検査装置の実施形態の構成を模式的に示す図である。
【図2】図1の実施形態の処理フローを示す図である。
【図3】図1の実施形態で実行する画像処理の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の外観検査装置の他の実施形態の構成を模式的に示す図である。
【図5】図4の実施形態で実行する画像処理の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の外観検査装置の別の実施形態の構成を模式的に示す図である。
【図7】図6の実施形態で実行する画像処理の一例を示す説明図である。
【図8】半導体ウェハ上に発生するマクロ欠陥を模式的に示す図である。
【図9】半導体ウェハ上に発生するミクロ欠陥を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 撮像処理ユニット
11 撮像部
12 処理部
2 ステージ
3 統合判定部
4 表示部
5 照明装置
6 ハーフミラー
W 被検査ウェハ
25 2次元面照明装置
35 1次元ライン照明装置
111 色むら欠陥
121,122 被検査部位
221〜224 被検査ウェハ上のチップ
231〜234 被検査部位
241〜244 被検査部位
251 色むら欠陥
261 表面欠陥

【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検査ワークに照明光を照射する照明系と、その被検査ワークの撮像及び検査画像の処理を行う撮像処理ユニットと、この撮像処理ユニットからの検査処理結果に基づいて被検査ワークの良否を判定する統合判定部と、その判定結果を表示する表示部からなる外観検査装置において、複数の撮像処理ユニットが設けられており、それら複数の撮像処理ユニットを用いて被検査ワークの全面または一部を分割撮像するように構成されているとともに、その各撮像処理ユニットで独立に撮像画像の検査処理を行って、それら検査処理結果に基づいて統合判定部が被検査ワークの良否を判定するように構成されていることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】 被検査ワークの被検査部位に照明光を一括して照射するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項3】 照明系として2次元面照明装置とハーフミラーを備え、その2次元面照明装置からの照明光をハーフミラーで反射して、被検査ワークの被検査部位に、撮像処理ユニットの光軸と同じ方向の同軸落射にて照射するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項4】 1次元ライン照明装置からの照明光を被検査ワークの被検査部位に対して斜め方向から照射するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の外観検査装置。
【請求項5】 複数の撮像処理ユニットにより被検査ワークの全面または一部を分割撮像し、その各撮像処理ユニットで独立に撮像画像の検査処理を行い、それらの検査処理結果を用いて統合判定部にて被検査ワークの良否判定処理を行うことを特徴とする外観検査方法。
【請求項6】 各撮像処理ユニットでの検査処理を、被検査部位の輝度の分散または偏差に基づいて行うことを特徴とする請求項5記載の外観検査方法。
【請求項7】 統合判定部での良否判定処理を、各撮像処理ユニットから得られる全ての被検査部位の分散または偏差に基づいて行うことを特徴とする請求項6記載の外観検査方法。
【請求項8】 各撮像処理ユニットでの検査処理を、その各撮像処理ユニットにて撮像された画像内の同一形状部分の比較に基づいて行うこと特徴とする請求項5記載の外観検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【公開番号】特開2001−194322(P2001−194322A)
【公開日】平成13年7月19日(2001.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−6782(P2000−6782)
【出願日】平成12年1月14日(2000.1.14)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】