説明

外部モールドアプリケーションに対する相互係止ウェザーストリップ外観処理

第1構成要素が機能的シールを提供するウェザーストリップである。異なる材料でできた第2構成要素が第1構成要素と相互係止する。固定構造は外部からは見えず、第2構成要素によりう美観を改善でき、色を車輛に合わせることができ、又は特定の車輛構成要素で必要とされるように形状を変更できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年7月29日に出願された米国仮特許出願第60/703,926号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
本願は、車輛のフランジに直接取り付けられる種類の封止用ストリップ、ウェザーシール、即ちウェザーストリップに関する。例えば、ウェザーストリップ本体のU字形状部分は、これを支持する車輛のフランジに取り付けられる。このようなストリップは、一般的には、ドアボディと窓部との間に移行部を形成し、天候や環境からの有効なシールを提供するため、車輛のドアの窓の開口部の下縁部に沿った外ベルト構造として使用される。封止ストリップは、更に、機能的シールの特徴と組み合わせて装飾的表面が所望の関連した環境に用途がある。
【0003】
外ベルト本体は、代表的には、エラストマー(EPDM等)等の材料を、少なくともコアの選択された部分上に押し出すための全体に剛性の基材を形成する担体即ちコアを含む。例えば、コアは、軽量の金属であってもよいし、又は所望の強度特性を提供する他の剛性材料であってもよい。押し出した材料は、自動車の関連したフランジと係合し、これによってウェザーストリップを所定位置に固定する把持用フィンを含む。更に、封止リップが押し出し部分から外方に延びており、好ましくは、選択された領域に適用されたフロック(flock) 等の低摩擦材料を含む。周知のように、低摩擦材料は、車輛の関連した窓と係合するように配置される。これは、窓が、ドアに対して選択的に上下されるためである。
【0004】
外ベルトの外肩部少なくとも一つの外面の美観を向上することが重要である。例えば、このような装飾的表面は、成形即ち押し出しを別に行った部分であってもよい。これは、代表的には、トリムストリップ又は装飾的ストリップと呼ばれる。こうしたストリップの外面は、美観上の目的のため、製造中に更に厳密に制御される。これにより、その下にあるコアの基材及び押し出したEPDMの装飾的外観が幾分制限され、及びかくして自動車製造者は、これらの種類のウェザーストリップについて、装飾的表面に沿って更に喜ばしい外観を備えていることを望む。
【0005】
更に、ウェザーストリップの外観は、パッケージングのため、幅が狭いのが好ましい。これは、従来は、妥当な費用で達成することができなかった。この目的を達成するため、ウェザーストリップに実質的製造作業を加えるか或いは、従来周知の構成は、複雑な構成のファスナ又はクリップを使用した。
【0006】
更に、製造工程を制限し、及びかくしてウェザーストリップの製造費用を全体として低減するのが望ましい。例えば、一つの態様では、個々の構成要素を互いに接合するため、別々の構成要素に複雑な取り付け形状を形成しなければならない。かくして、個々の構成要素が押出しで形成される場合でも、従来、個々の構成要素を固定するために費用のかかる形成後作業を行わなければならなかった。かくして、全体としての費用を低減しようとする試みにより、形成後作業の数が減少した。
【0007】
シール及び装飾的表面の使用を最大にするため、装飾構成要素を、その下のウェザーシール構成要素又はウェザーシール基材形体の広幅の配列即ちアレイに適用できるのが有用である。例えば、装飾的表面をコアに直接連結するのが有利であり、又は別の態様では、装飾的表面をコア上に配置したEPDMやTPVに接合するのが有利であり、又は装飾的表面の一つの位置をコアに固定し且つ別の領域をコア上に押し出した材料に固定するのが有利である。
【0008】
更に、これらの特徴は、ウェザーストリップベルト、ガラスラン、アップリケ、ベルトラインシール、等にも同様に適用できなければならないということは当業者には理解されよう。即ち、改良された色、質感、様々な幾何学的形状を持つ所望の外観と関連して機能的シールを必要とする場合にはいつでも、改良ウェザーストリップに対する必要が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
更に望ましくは、個々の構成要素を最終的な組立体に接合する相互係止特徴を表に出さずに、狭幅の装飾的表面が、下にある構成要素に容易に取り付けられなければならない。
かくして、外部装飾的表面を押し出し部に取り付けるためにグリッパ輪郭を使用する、機械的に相互係止した外ベルトを適用する必要が存在する。好ましくは、必要とされるパッケージング空間が狭く、好ましくは、取り付け手段が組立体の外から見えないように設計がなされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ウェザーストリップは、関連した車輛に受け入れられるようになっている。ウェザーストリップは、第1端に沿って肩部が設けられており且つ長さ方向に間隔が隔てられたスロットが縁部から間隔が隔てられた、細長い第1構成要素を含む。第2構成要素即ち装飾的表面が第1構成要素にスナップ嵌めしている。第2構成要素は、第1構成要素の肩部と係合し、第1及び第2の構成要素の長さ方向軸線方向に対して全体に垂直な方向で相対的に移動しないようにする延長部分を含む。スナップ嵌め指状体は、第1構成要素のスロットに受け入れられるように、第2構成要素に沿って間隔が隔てられた関係で寸法が定められている。
【0011】
ウェザーストリップは、車輛の関連したフランジと選択的に係合するU字形状キャビティを介して、関連した車輛に連結される。把持用指状体は、ウェザーストリップをフランジに固定するため、キャビティ内に延び、車輛の関連した窓と摺動係合するため、少なくとも一つの封止用フィンが外方に延びる。
【0012】
一実施例では、第1構成要素は剛性キャビティを含む。エラストマー材料を剛性キャビティの少なくとも幾つかの部分上に押し出してもよい。スロットは、この実施例では、第2構成要素をスナップ嵌めできるように、剛性キャビティを通って延びる。
【0013】
第1構成要素は、好ましくは、押出EPEDMを含む。
第2構成要素は、好ましくは、美観に優れた装飾的表面を提供する成形プラスチックである。
【発明の効果】
【0014】
本ウェザーストリップ組立体と関連した主な利点は、装飾的構成要素(show component)を下にあるウェザーストリップ構成要素にしっかりと取り付けることができるということである。別の利点は、ウェザーストリップの機能に影響を及ぼすことなく、装飾構成要素の形状を変更できるということである。
【0015】
更に別の利点は、第1及び第2の構成要素を互いに容易に固定できるということである。
本発明の更に別の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読み且つ理解することによって、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、第1構成要素即ち下基材部分22と、第2構成要素即ち装飾的表面部分(show surface portion)24とを含むウェザーストリップ組立体20を示す。ウェザーストリップ組立体は、車輛の様々な場所で使用され、例えば、添付図面に示す例示の実施例では、ウェザーストリップ組立体は後部ドア外ベルトである。組立体は、後部ドアのベルトラインに沿って延びる細長い第1部分26と、この第1部分からほぼ垂直方向に延びる上方に曲がった部分28とを含む。
【0017】
図1を参照し且つ図2を参照すると、組立体の第1構成要素は、好ましくは、剛性コア30を含む押出構造である。少なくとも担体又はコアの部分に受け入れられたEPDM等の押出部分32を含んでいてもよい。これは、長さ方向部分26の長さに沿った様々な位置での断面を示す図3、図4、及び図5を更に参照することにより更に明らかになるであろう。図2に示すように、コアは、第1及び第2の構成要素22、24を互いに固定するための締結手段の一部を形成する間隔が隔てられた通穴即ちスロット34を含む。更に詳細には、コア30は、軽量のアルミニウム等の金属製であってもよいし、剛性のプラスチック製であってもよく、相互連結壁40によって一端が互いに接合されたほぼ平行な脚部36、38が形成する全体にU字形状形体を有する。かくして、図3で最もよくわかるように、三つの脚部が全体にU字形状の本体を形成する。この本体は、車輛(図示せず)の関連したフランジ52を受け入れる寸法の内キャビティ50を有する。好ましくは、第1脚部36は細長いスロット34(図2及び図3参照)を含み、第2脚部38にはこのような開口部は設けられていない。
【0018】
図3から明らかなように、第1脚部は、車輛フランジ52の第1面即ち外面に亘って延び、これに対し、第2脚部38は車輛内部に面する内面に沿って配置される。封止リップ54が第2脚部38から延びており、好ましくは、関連した車輛の窓(図示せず)と係合するようになった領域に沿って設けられた低摩擦コーティング56を含む。例えば低摩擦フロック即ち低摩擦プラスチックを、EPDM等の封止リップ54と同時押出しし、同様にコア30上に同時押出しする。更に、フランジ52と係合するため、少なくとも一つの把持用の指状体(グリップフィンガ)58が内方にキャビティ50内に延びている。この場合、把持用の指状体58は第1脚部から延びており、ウェザーストリップが車輛フランジ52から不時に外れないように固定する。
【0019】
好ましい実施例の装飾的表面構成要素24は、好ましくは、成形プラスチックである。装飾的構成要素は、車輛と色を合わせることができ、特定の自動車の用途で望ましいように、美観を向上するための質感即ちテキスチャーを備えた表面を備えていてもよく、又は非常に艶のある外面70を備えていてもよい。装飾的構成要素の後面72から、第1脚部即ち係合脚部74が延びている。脚部74は、第1脚部36の間隔が隔てられた開口部即ちスロット34を通してスナップ嵌めにて受け入れられる寸法のテーパした肩部を有する。肩部により、ひとたび肩部がスロットに挿入されると、装飾的表面が、下にある第1構成要素から不時に外れることがないようにする。
【0020】
係合脚部74に加え、第2構成要素は、更に、内方に延びる脚部76を含む。この脚部76は、相互連結脚部40の肩部42と当接係合するように配置されており且つ寸法が定められている。この構成により、第1及び第2の構成要素が、これらの第1及び第2の構成要素の長さ方向軸線方向に対して全体に垂直方向に相対的に移動することがないようにする。脚部76は、装飾的構成要素に沿ってスロット34間に断続的に配置されていてもよいし、交互に配置されていてもよい。換言すると、図3と図4との比較により、ウェザーストリップに沿った、保持脚部74がスロット34を通して受け入れられた長さ方向位置には脚部76が設けられていない。同様に、脚部76が設けられている長さ方向位置には対応する保持脚部74は設けられていない。
【0021】
締結用脚部74、76が交互に断続的に配置されていることにより、装飾的表面構成要素24を、その下にあるウェザーストリップ組立体20の第1構成要素22に取り付けるのが容易になる。この取付け構成により、装飾的表面は、その下にある第1構成要素に配置され、カム係止構成を提供する。更に、装飾的表面の第1脚部分80が第1脚部36と重なる。末端縁部82は、第1構成要素の第1脚部の下縁に形成された封止リップ84と係合する。同様に、装飾的構成要素の第2脚部86は、相互連結脚部40と重なるのに十分細長く、更に好ましくは、上部封止リップ54の逆脚部分88と係合する。更に、テーパした表面90により、脚部88は装飾的表面構成要素の第2脚部分86の下で摺動する。
【0022】
特に図5に例示するように、下にある第1構成要素は、この長さ方向位置に第1脚部36を備えていない。ウェザーストリップのこの領域には、第2脚部38しか設けられていない。このように、装飾的表面は隅部を曲がって垂直部分28に続く。かくして、垂直部分に沿って、その下に第1構成要素を設ける必要はない。
【0023】
第1構成要素がその長さに沿って変更された形態を持つことが図6に示してある。図6は、装飾的構成要素がこの隅部領域に第2脚部分100を備えていることを示す。好ましくは、第2脚部分100は、装飾的構成要素70の残り、即ち、第1脚部分及び第2脚部分86と一体成形されている。装飾的構成要素は、更に、脚部100の内面に、下にある泡状の構成要素102を備えていてもよい。
【0024】
上文中に説明したように、第1構成要素は、好ましくは、EPDMと同時押出ししたアルミニウム製の担体又はコアである。第2構成要素は、好ましくは、ASA成形装飾構成要素である。しかしながら、本発明は、これらの形成材料に限定されないということは理解されよう。例えば、押出しは、TPV、又は支持された又は支持されていない(即ち剛性のコア又は担体を持たない)他の材料であってもよい。同様に、装飾的表面構成要素は、様々なプラスチックから形成できる。
【0025】
更に、ウェザーストリップ外ベルト構成として説明したけれども、本発明の特徴は、ガラスラン(glass run)、アップリケ(appliques)、リフトガラスベルトラインシール(lift glass beltline seal)等の他の用途でも有用である。本発明には、一般的には、機能的シール(第1構成要素によって提供される)を必要とする用途、及び外観、色、質感、又は形状の多数の選択肢(第2構成要素によって提供される)を必要とする用途がある。
【0026】
本発明を好ましい実施例を参照して説明した。明らかに、本明細書を読み且つ理解することにより、変形及び変更を思いつく者がいるであろう。本発明は、特許請求の範囲及びその等価物の範囲内にある限り、このような変形及び変更の全てを含もうとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】好ましいウェザーストリップの平面図である。
【図2】図1のウェザーストリップの第1構成要素の平面図である。
【図3】図1の3−3線に沿った断面図である。
【図4】図1の4−4線に沿った断面図である。
【図5】図1の5−5線に沿った断面図である。
【図6】図6は、図1の6−6線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0028】
20 ウェザーストリップ組立体
22 第1構成要素即ち下基材部分
24 第2構成要素即ち装飾的表面部分
26 第1部分
28 部分
30 剛性コア
32 押出部分
34 通穴即ちスロット
36 第1脚部
38 第2脚部
50 内キャビティ
52 車輛フランジ
54 封止リップ
56 低摩擦コーティング
58 把持用の指状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関連した車輛に受け入れられるようになったウェザーストリップにおいて、
縁部に沿って肩部が設けられており、前記縁部から間隔が隔てられた、長さ方向に離間されたスロットを備えた細長い第1構成要素と、
前記第1構成要素にスナップ嵌めした、前記第1構成要素とは異なる材料で形成された細長い第2構成要素とを含み、前記第2構成要素は、前記第1構成要素の前記肩部と係合する延長部分を含み、該延長部分は、前記第1構成要素及び前記第2構成要素が、前記第1構成要素及び前記第2構成要素の長さ方向軸線方向に対してほぼ垂直方向に相対的に移動しないようにし、更に、前記第2構成要素は、前記第1構成要素の間隔が隔てられたスロットに受け入れられるような寸法を備えており且つ間隔が隔てられた一連のスナップ嵌め指状体を有する、ウェザーストリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のウェザーストリップにおいて、更に、
前記ウェザーストリップを前記関連した車輛に固定するための手段を含む、ウェザーストリップ。
【請求項3】
請求項2に記載のウェザーストリップにおいて、
前記固定手段は、関連した車輛フランジ上に受け入れられる寸法の全体にU字形状のキャビティを含む、ウェザーストリップ。
【請求項4】
請求項3に記載のウェザーストリップにおいて、
前記固定手段は、前記関連したフランジと選択的に係合するため、前記U字形状キャビティ内に延びる少なくとも一つの把持用指状体を含む、ウェザーストリップ。
【請求項5】
請求項1に記載のウェザーストリップにおいて、
前記第1構成要素は、関連した車輛の関連した窓と摺動係合するため、前記第1構成要素から外方に延びる封止用フィンを含む、ウェザーストリップ。
【請求項6】
請求項1に記載のウェザーストリップにおいて、
前記第1構成要素は剛性の担体を含み、その少なくとも一部上にエラストマー材料が受け入れられる、ウェザーストリップ。
【請求項7】
請求項6に記載のウェザーストリップにおいて、
前記エラストマー材料は、前記剛性の担体上に押し出される、ウェザーストリップ。
【請求項8】
請求項6に記載のウェザーストリップにおいて、
前記剛性の担体は金属である、ウェザーストリップ。
【請求項9】
請求項1に記載のウェザーストリップにおいて、
前記第1構成要素は、剛性の担体である、ウェザーストリップ。
【請求項10】
請求項1に記載のウェザーストリップにおいて、
前記装飾構成要素の前記延長部分は、前記肩部と衝合係合して受け入れられる脚部分を含む、ウェザーストリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−502634(P2009−502634A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524281(P2008−524281)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/029951
【国際公開番号】WO2007/016571
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(506341607)クーパー−スタンダード・オートモーティブ・インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】