説明

多相組成物の不均一模様を製造する方法

少なくとも2つの視覚的に異なる相を有する液体組成物で容器を充填する方法であって、a.)初期充填速度を有するディスペンサーを使用して前記液体組成物を容器に移送する工程と、b.)前記工程a.の間に、初期回転速度で初期回転方向に前記容器を回転させる工程と、c.)前記容器の回転速度、前記ディスペンサーの充填速度、及び前記容器の回転速度、からなる群から選択される特徴及び前記特徴の組み合わせを容器の形状から独立に変化させる工程と、d.)前記液体組成物の前記容器への移送を完了する工程とを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の視覚的に異なる相を有するパーソナルケア組成物に不均一模様を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
競合の激化する商業市場において、製造者がその競争相手の製品から製品を差別化することがますます困難になってきている。したがって、製品が消費者にとって審美的に喜ばしく見えるだけでなく、製品が同一市場の他の製品から実質的に独特な外観を有することが望ましい。
【0003】
複数の視覚的に異なる相を有する組成物の場合、このような組成物を作製するために及びその作製についての既知の方法を改良するために、様々な試みがなされてきた。2つ以上の視覚的に異なる相を有する組成物が単一の容器の中にらせん状の配置で充填されるようにする方法及び装置が既知である。各相は完全に異なる化学的及び物理的特性を有してもよく、各製品は異なる機能及び目的を有してもよい。あるいは、視覚的に異なる相は、色及び質感においてのみ異なる点を有する実質的に同一の組成物であってもよい。2つ以上の視覚的に異なる相を有する1つ以上の組成物を充填するための既知の方法は、均一の模様を生じる。
【0004】
らせん状の組成物を充填する試みは、ポンプ及び接続されたホースをそれぞれ有する別個の保存容器の中に用意された少なくとも2つの化合物を提供すること、支持体及び位置合わせ漏斗に応じた位置の中にこの少なくとも2つの組成物により形成されて得られる製品を受け容れるために、容器を回転させることを含む。次に、化合物はそれぞれのホースを通じて、容器を充填するために少なくとも2つのノズルを有するノズル組み立て体の中にポンプで注入される。その後、この少なくとも2つの組成物のそれぞれの予め定められた分量が、得られる製品が単一の容器の中に収容されるように組み合わされ、得られた製品はらせん状の配置に形成された少なくとも2つの組成物を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の各方法の欠点は、これらのうちのどれも、不均一模様を有するパーソナルケア組成物を容器の中に充填する方法を提供しないということである。特に商業製品にとって、経済的で効率的な方法を実施することによって可能な限り多くのデザインを示す許容度を有することが望ましい。したがって、不均一模様を有するパーソナルケア組成物を容器の中に充填する方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも2つの視覚的に異なる液相を有する不均一模様の多相液体組成物を製造する方法に関する。方法は、
a)液相を槽から移送するための手段を備えた別個の槽に複数の液相を定置する工程と、
b)予め定められた分量のそれぞれ選択された液相をその対応する槽からコンバイナーの中に移送する工程と、
c)前記液相を共に組み合わせて、1つの相のもう一方に対する予め定められた比率を有する多相液体組成物を製造する工程であって、液体組成物の前記相が互いに視覚的に異なる工程と、
d)前記多相液相組成物を分配手段を介して個別の製品容器に移送する工程であって、前記個別の製品容器がボトル保持装置内に入り、そこで前記容器を回転台に固定し、前記組成物の前記容器の中への移送の間に前記容器が前記回転台を使用して回転され、前記分配手段が初期充填速度を有し、前記保持装置が初期回転速度を有し、前記保持装置が初期回転方向を有する工程と、
e)前記初期回転方向、前記初期回転速度、前記分配手段の前記充填速度、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される要素を前記容器の形状から独立に変化させる工程とを含む。
【0007】
1つの実施形態によれば、充填の間、容器の回転方向、回転速度、又は充填速度は、1つの速度から別の速度へと変化して、不均一模様を作製する。例えば、充填の間、回転方向は1回又は複数回変化させられて不均一模様を達成し得る。回転方向は、いくつかの実施形態では前後に運動して望ましい模様を達成することができる。更に、充填の間、回転速度は変化させられてもよく、例えば、2rpm〜40rpmであり、充填速度は100mL/秒〜20mL/秒で変化されてもよい。あるいは、充填速度及び回転速度は不均一模様を作製するために変化させられてもよい。一般的には、充填速度は、充填の開始から充填が達成されるまでの時間にわたって、0mL/秒を超える。したがって、充填の停止は、本発明による「充填速度の変化」であるとは考えられない。充填の間の、回転方向、容器の回転速度、又は充填速度、における変化は、組成物に作製される広範囲のデザイン及び模様を可能にすることが発見されている。
【0008】
1つの実施形態では、視覚的に異なる相は、色、質感又はこれらの組み合わせにおいて異なるのみである。色の違いは、全体的に異なる色(すなわち、赤相と青相)又は色合いにおける違い(すなわち、濃青相と薄青相)を包含する。具体的な模様は、広範囲の模様から選択することができ、ストライプ模様、大理石模様、幾何学的図形、らせん、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。充填速度、回転速度、又はこれらの両方のいずれかを変化させると、前述した模様は視覚的に不均一となる。例えば、不均一旋回した組成物は、回転速度、充填速度、又はそれらの両方を変化させた結果として、容器の底部で縞が互いに接近しているように見え、次に容器の頂部に向かって互いにそれから広がって見えるように、変化し得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面は、本発明の実施形態を例示し、上記に与えられた本発明の概要、及び以下の「発明を実施するための形態」と共に、本発明を説明するために役立つ。
【図1】本発明の実施形態による容器の中に視覚的に異なる模様を作製するための装置の斜視図。
【図2a】視覚的に異なる模様を製造するのに使用されてもよい典型的なブレンダーの入り口部分の断面図。
【図2b】視覚的に異なる模様を製造するのに使用されてもよい典型的なブレンダーの入り口部分の断面図。
【図2c】視覚的に異なる模様を製造するのに使用されてもよい典型的なブレンダーの入り口部分の断面図。
【図3】充填の間の容器の回転のための装置の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本構成成分の物理特性、すなわち、色、レオロジー、質感、密度などにおける多くの変化が可能であるが、色の変化が広く求められている。組み合わせ製品中に達成される具体的なデザイン又は模様(すなわち、縞又は大理石模様などの幅、長さ)は、容器の回転速度の程度、又は組成物の回転している容器への充填速度が挙げられるがこれらに限定されない多数の追加的な要因を変えることにより変えることができる。
【0011】
本明細書で使用されるとき、用語「加速する」又は「加速」は、時間に関する速度の変化率の増加を意味する。
【0012】
用語「無水」は、本明細書で使用されるとき、特に指示がない限り、水を約10重量%未満、より好ましくは約5重量%未満、更により好ましくは約3重量%未満、更に一層好ましくは0重量%含有する組成物若しくは物質を意味する。
【0013】
用語「周囲条件」は、本明細書で使用されるとき、特に指示がない限り、1気圧、50%の相対湿度及び25℃の下での周囲の条件のことを意味する。
【0014】
用語「有益」は、本明細書で使用されるとき、皮膚、毛髪又は布地コンディショニング、芳香、抗フケ、皮膚の潤い、皮膚鎮静、皮膚日焼け、美白、抗ニキビ、抗しわ/抗萎縮、布地漂白、布地転染防止、粘土汚れ除去/再付着防止、起泡抑制、布地柔軟化、抗生、抗菌、抗炎症、象牙質減感、抗カリエス、抗歯垢、息の清涼化、歯牙侵食防止、歯肉炎防止、歯周病防止、歯の白化、着色、及び着香を提供する組成物を意味する。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「混合する」及び「ブレンドする」は、組み合わせること及びその後に比較的より高い程度の均質性を更に達成することを、互換可能に意味する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ブレンドすることは最終製品の完全な均質性を与えない。
【0016】
本明細書で使用されるとき、用語「洗浄組成物」は、特に断りのない限り、顆粒又は粉末状の多目的すなわち「強力」洗浄剤、特に洗濯洗剤;液体、ゲル又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体微細繊維用洗剤(fine-fabric detergents);食器手洗い用洗剤又は軽質食器用洗剤、特に泡立ちの良いもの;家庭用又は業務用の各種錠剤、顆粒、液体、及びすすぎ補助型などの食器洗い機用洗剤;抗菌手洗い用などの液体の洗浄、脱臭及び殺菌剤;洗濯石鹸;手洗い石鹸;空気及び衣類脱臭剤;マウスウォッシュ;錬り歯磨き;義歯洗浄剤;自動車又はカーペット用シャンプー;トイレクリーナー;ヘアシャンプー;ヘアリンス;洗顔料;皮膚洗浄剤;シャワー用ジェル;ボディーソープ;パーソナル洗浄組成物;発泡入浴剤;金属洗浄剤;並びに、布地向上剤、漂白添加剤、及び「ステインスティック」又は前処理型などのクリーニング補助剤を包含する。
【0017】
本明細書で使用されるとき、「組み合わせる」とは、均質性を達成するための実質的な混合を伴って又は伴わずに物質を共に加えることを意味する。
【0018】
用語「容器」又は「包装」は、約1.5Pa・s(1,500センチポアズ(cP))〜約1,000Pa・s(100万cP)の粘度を示すパーソナルケア組成物用のあらゆる好適な容器を包含し、ボトル、トトル、チューブ、つぼ、非エアゾールポンプ及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用されるとき、「減速する」又は「減速」は、時間に関する速度の変化率の減少を意味する。減速は得られた最終製品の模様に影響又は変化を与えることができる。例えば、急な減速がある場合には、得られる充填模様は鋭い遷移を有し得る。逆に、より緩慢な減速は、得られる充填模様に、より滑らかな遷移を生じ得る。
【0020】
本明細書において使用される「歯磨剤」又は「歯磨剤組成物」は、口腔の表面を洗浄するためのペースト、粉体、歯科用ジェル及び/又は液体配合を意味する。歯磨剤は、治療的な薬剤の全身投与のために故意に嚥下されない口腔組成物であるが、口腔活性のために実質的に歯の表面及び/又は粘膜組織の全てを接触させる充分な時間、口腔に保持される。更に、歯磨剤は、故意に嚥下されることが可能ではあるが、治療的な薬剤の全身投与目的では飲み込めない製品を意味し得る。
【0021】
用語「充填の間」は、本明細書で使用されるとき、組成物が容器の中に分配され始めた後及び組成物が容器を容量いっぱいまで充填する前までの任意の時間を意味する。
【0022】
用語「流速」は、本明細書で使用されるとき、組成物がディスペンサー又はノズルから分配される速度を意味し、典型的にはmL/秒で測定される。
【0023】
用語「液体」は、本明細書で使用されるとき、液体、半液体、クリーム、ローション、又はゲル組成物、すなわち流動可能な組成物を意味する。
【0024】
本明細書で使用されるとき、用語「大理石模様」は、大理石に類似した脈状の及び/又は斑状の外観を有する縞模様のデザインを意味する。
【0025】
本明細書で使用されるとき、用語「多相(multiphase)」又は「多相(multi-phase)」は、本組成物の相が、それらが貯蔵される容器又は包装内部の別個であるが異なる物理的空間を占有するが、互いに直接接触している(すなわち、それらは障壁により分離されず、それらはいかなる有意な程度にも乳化又は混合されない)ことを意味する。本発明の1つの好ましい実施形態では、「多相」洗浄組成物は、視覚的に異なる模様として容器中に存在する少なくとも2つの視覚的に異なる相を有する。模様は、本明細書に記載される方法による、「多相」組成物の組み合わせから生じる。「模様」又は「模様付き」には、次の例:縞模様、大理石模様、直線状、破線状縞模様、格子縞模様、斑状、脈状、密集状(clustered)、斑点状、幾何学的、点状、リボン状、らせん状(helical)、渦巻き状、配列型、斑入り状、織り目加工型、溝付き、うね状、波形状、正弦波状、らせん状、ねじれ状、曲線状、周期的、筋状、線状、曲線状(contoured)、異方性、レース状、編み模様又は織り模様、かご織り、点状、及びモザイク模様が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、模様は、縞模様、幾何学模様、大理石模様、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの態様では、模様は容器の寸法にわたって比較的均一であってもよいが、模様は寸法において、不規則、波形又は不均一であってもよい。1つの態様では、模様は、容器の寸法全体にわたって伸びていない。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「口腔ケア」は、虫歯、歯垢、息の悪臭、歯牙侵食、歯肉炎、及び歯周病などの口腔の病気又は状態を処置することを意図する製品を意味する。口腔状態は、PCT国際公開特許第02/02096A2号(P&G、2002年1月10日公開)に更に記載されている。
【0027】
本明細書で使用されるとき、用語「パーソナルケア組成物」は、皮膚又は毛髪への局所適用が意図される組成物を意味する。本発明の組成物はリンスオフ型の配合であり、製品は皮膚又は毛髪に局所的に適用され、その後続いて数分以内に皮膚又は毛髪から水ですすぎ落とされるか、ないしは本組成物の一部を付着させたまま、基材を使用して拭き取られる。本組成物はまた、シェービング補助剤として使用されてもよい。本発明の多相パーソナルケア組成物は、典型的には、包装から押出可能又は分配可能である。本多相パーソナルケア組成物は、ウェイ(Wei)らによる2004年5月7日に出願された表題「多相パーソナルケア組成物(Multi-phase Personal Care Compositions)」の米国特許出願第2004/0223991A1号の下で2004年11月11日に公開された同一所有者の特許出願に記載の粘度法(Viscosity Method)により測定されるとき、典型的には、約1.5Pa・s(1,500センチポアズ(cP))〜約1,000Pa・s(100万cP)の粘度を示す。本発明の多相パーソナルケア組成物は、皮膚への局所適用を目的とする、液体、半液体、クリーム、ローション又はゲル組成物の形状であることができる。本発明のパーソナルケア組成物の例には、シャンプー、コンディショニングシャンプー、ボディーソープ、潤いを与えるボディーソープ、シャワー用ジェル、皮膚洗浄剤、クレンジングミルク、毛髪及びボディーソープ、ペットシャンプー、シェービング調製物及び使い捨て洗浄布と共に使用される洗浄組成物を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書で使用されるとき、用語「相」は、均質でない物理−化学系の中に存在する物質の、均質で、物理的に異なり、機械的に分離可能である部分を意味する。相は、中間体及び/又は最終製品と考えられる物質であってもよい。1つの態様では、本明細書の相は異なる色を有する組成物である。1つの態様では、相は同一の化学組成物を含むが、異なる着色剤及び/又はレオロジー変性剤を有する。相は、様々な異なる色であることができ、及び/又は存在する他の相(1つ又は複数)からその外観を補うために、少なくとも1つの相の中に粒子、グリッター又は真珠光沢剤を包含することが可能である。第1相:第2相の比は、好ましくは約90:10〜約10:90、より好ましくは約80:20〜約20:80、更に好ましくは約70:30〜約30:70、更により好ましくは約60:40〜約40:60、更に一層好ましくは約50:50である。
【0029】
用語「回転速度」は、本明細書で使用されるとき、容器が軸線の周りを回転する速度を意味し、典型的には回転毎分(rpm)で測定される。通常、容器は、図3に描かれているような台の回転の結果として回転する。
【0030】
本明細書で使用されるとき、用語「縞」は、組成物中に存在する各相が、組成物が貯蔵される包装内で別個だが異なる物理的空間を占めるが、互いに直接接触していることを意味する。1つの好ましい実施形態では、パーソナルケア組成物は、異なる層又は「縞」として容器内に存在する洗浄相及び有益相を有する。縞は、包装の区画全体にわたって比較的一様かつ均一であってもよい。あるいは、層は不規則、すなわち波形であってもよく、又は寸法が不均一であってもよい。縞は、必ずしも包装の寸法全体にわたって伸びているわけではない。「縞」は、様々な幾何学模様、様々な色、及び/又は輝き、若しくは真珠光沢を含むことができるが、ただし前記代替物の濃度が視覚的に異なるバンド又は領域を形成するという条件である。縞模様は、必ずしも包装の寸法全体にわたって伸びている必要はない。縞の寸法は、包装外部から測定されるとき、幅が少なくとも約0.1mm、長さが10mm、好ましくは、幅が少なくとも約1mm、長さが少なくとも20mmであり得る。
【0031】
本明細書で使用されるとき、用語「安定である」は、特に指示がない限り、周囲条件において、少なくとも約180日間の期間にわたって、視覚的に識別できる相が物理的に接触している状態を維持する組成物を意味する。
【0032】
用語「実質的に含まない」は、本明細書で使用されるとき、特に指示がない限り、組成物が約5%未満、好ましくは約3%未満、より好ましくは約1%未満、最も好ましくは約0.1%の所定の成分を含むことを意味する。用語「含まない」は、本明細書で使用されるとき、組成物が0%の所定の成分を含むこと、すなわちその成分は組成物に加えられていないことを意味するが、これらの成分が組成物のその他の構成成分の副生成物又は反応生成物として偶然に生成することがある。
【0033】
本明細書で使用されるとき、用語「界面活性剤構成成分」は、相中のアニオン性、非イオン性、両性、双極性、及びカチオン性界面活性剤の合計を意味する。計算が界面活性剤構成成分に基づくとき、水及び電解質は、界面活性剤構成成分が関わる計算から除外されるが、これは、界面活性剤は製造時には典型的に希釈及び中和されるためである。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「トトル」は、そこから内容物が充填され、分配される首又は口で立つボトルを意味するが、消費者による貯蔵のため、及び/又は、店の棚に展示するために、ボトルがその上で立つ、又は座ることを目的とする末端部(例えばボトルの基部)でもある(このボトルは、本明細書において、「トトル」と称される)。典型的には、トトルは貯蔵されるとき栓の上に立つように、トトルの栓は平坦又は凹である。好適なトトルは、マッコール(McCall)らの2005年2月25日に出願された同時係属中の米国特許出願第11/067443号、表題「多相パーソナルケア組成物、製造及び供給方法、並びに商品(Multi-phase Personal Care Compositions, Process for Making and Providing, and Article of Commerce)」に記載されている。
【0035】
本明細書で使用されるとき、用語「視覚的に識別できる」又は「視覚的に異なる」は、包装の中で又は分配されるときに視覚的に異なる相を示す組成物を表す。これらの異なる相は、識別可能に分離しているか、又は多相液体組成物の相が肉眼で見える限りで部分的に混合しているかのいずれかである。すなわち、多相液体組成物の領域は、異なる平均組成を有する別の領域から識別されるような1つの平均組成を有し、この領域は肉眼で見ることができる。1つの態様では、相は、様々な異なる色であってもよく、及び/又は他の存在する相(1つ又は複数)からその外観を補うために、少なくとも1つの相の中に粒子、グリッター又は真珠光沢剤を包含してもよい。これは、異なる領域が、2つの同様の相を含み、1つの相が、顔料、染料、粒子、及び様々な任意成分を含むことができ、そのため異なる平均組成の領域となることを除外しない。相は一般に、それが含むコロイド状又は半コロイド状(sub-colloidal)の成分より大きい寸法を有する空間(1つ又は複数)を占有する。相はまた、構成又は再構成することができ、集結することができ、又はその特性を観測するために、例えば遠心分離、濾過などによりバルク相に分離することができる。
【0036】
本発明は、少なくとも2つの視覚的に異なる液相を有する不均一模様の多相液体組成物を製造する方法に関する。方法は、
a)液相を槽から移送するための手段を備えた別個の槽に複数の液相を定置する工程と、
b)予め定められた分量のそれぞれ選択された液相をその対応する槽からコンバイナーの中に移送する工程と、
c)前記液相を共に組み合わせて、1つの相のもう一方に対する予め定められた比率を有する多相液体組成物を製造する工程であって、前記液体組成物の前記相が互いに視覚的に異なる工程と、
d)前記多相液相組成物を分配手段を介して個別の製品容器に移送する工程であって、前記個別の製品容器が容器保持手段内に入り、そこで前記容器を台に固定し、前記組成物の前記容器の中への移送の間に前記容器が前記容器保持装置により回転され、前記分配手段が初期充填速度で前記液相を分配し始め、前記保持装置は初期回転速度を有し、前記保持装置は初期回転方向を有する工程と、
e)前記初期回転方向を第2の回転方向に修正すること、前記初期回転速度を第2の回転速度に修正すること、前記分配手段の前記初期充填速度を第2の充填速度に修正すること、及び前記修正の組み合わせからなる群から選択される要素に対する修正を、前記容器の形状から独立に、及び工程dの間に選択する工程とを含む。
【0037】
様々な装置が多相組成物を充填することで既知である。図1は、本発明の複数の視覚的に異なる相の組成物を製造し、それが販売されるのに入れられる包装に充填するために使用され得る1つの装置の斜視図を例示する。この図は、単一の充填ステーションを示す。製造規模では、この装置の配列が複数の容器を同時に充填することが望まれるだけの数の充填ステーションについて繰り返される。供給ライン1及び2は、各相の供給槽(図示されず)に連通している。前記供給ライン1及び2は、前記相をこれらの対応する供給槽から移送するのに有用な、ステンレス管又はホースなどの硬質管又はたわみ管の形態であることができる。このような供給槽は典型的にはステンレス鋼であり、処理装備を停止しなくてもこのような槽を交換することができるように流れが止められるバルブがこれらの底部に装備されている。前記供給ラインは供給槽からインラインポンプを装備してもよく、これによって供給ラインを加圧して、それが接続している供給槽からの持続的又は安定的な流れを確実にする。図1は、供給ライン1に図示されていないインラインポンプがハード配管され、一方、供給ライン2は圧力下になく、それぞれの視覚的に異なる相が、供給槽から図示されている漏斗の中に送り込まれるステーションを例示する。供給ライン1及び2は、各相のそれらが対応するポンプ(この図ではポンプ3及び4)への流量を調節するバルブ5につながっている。図1では、ポンプは容積移送式であるピストン型シリンダーとして例示されている。バルブ5は、ポンプのピストンがその後方又は下方ストロークにあるとき、各相の流れがその供給槽からポンプのシリンダーに入るように開く回転バルブである。各ポンプには単一のバルブがあり、1つの駆動機構が全てのバルブを作動させるような方式でそれらが連結されているために、全てのバルブは一致して作動する。あるいは、別個の駆動機構が使用されて同様な効果を達成することもできる。流れがピストンシリンダーに入ると同時に、バルブ5は前記シリンダーの出口を閉じて、相がコンバイナー6に向かう供給ライン3a及び4aに直接流れ込まないようにする。ポンプが前方又は上方ストロークのときに、バルブ5は位置を反転し、各ポンプシリンダーの内容物が槽供給ライン1及び2の中に逆流することを防止しながら、その内容物を供給ライン3a及び4aを通じてコンバイナー6の方向に放出する。ポンプ3及び4を用いて、各相のコンバイナー部分6への一定供給を確実にする。相の適切な流れ特性を所与とする場合、こうしたピストン型ポンプは排除してもよい。ポンプが使用される場合、前記ポンプが流量計と提携して動作し、ポンプによる持続的な流れを確実にすることが好ましい。本明細書には図示されていないが、容積式流量計、及び/又は質量流量計が使用されて、ポンプを調整し一定流量を確実にすることができる。これはまた、定量型ポンプを使用して各相の必要な容積又は質量を送達することにより遂行できる。
【0038】
相がブレンダー7に入るのに先立って、供給ライン3a及び4aは、図2の断面図に示されるような方式でコンバイナー部分6において配置される。図2は、ライン3a及び4aからの相の供給がブレンダー7に入るため準備されるときの、それらの配置の断面図を表す。図2aは、3a及び4aからの供給の配置を例示し、独立した供給ライン21は、供給ライン22内に位置付けられ、それによってブレンダー7の中に向かうのに先立って、21から来る相をライン22からの供給の中央に注入する。図2cは、図2aの代替であり、供給物はコンバイナー部分6からの共通ラインの中に隣り合って配置されている。図2bは同様に、4つの供給が共に、コンバイナー部分6から来てブレンダー7に向かう1つのラインの中で組み合わされる状況を例示する。
【0039】
いくつかの実施形態では、本方法はコンバイナーからブレンダーに前記液相を移送する工程及び液相をブレンドする工程を更に含むことができる。コンバイナー部分6を通過した後、配置された相はブレンド部分7の中に導入される。ブレンダー部分7は、視覚的に異なる相が入るのを迂回させる一連の障壁を含む混合要素を含み、乱流を生じさせ、組成物の最終的な包装内の模様を形成するのに寄与する方法で相を共にブレンドすることを含む。ほとんどの場合、静的ミキサーがブレンド部分に使用される。静的ミキサーは、当該技術分野において周知であり、通常一連の繰り返し又は無作為の連動プレート及び/又はフィンの形態である。本方法に用いるのに好適な静的ミキサーは、ケミネール社(Chemineer Inc.)(45401オハイオ州デートン(Dayton)私書箱1123)から入手可能なケミネール(Chemineer)SSC.75−4R−S(KMA 4エレメント1.9cm(3/4インチ))、及びコーク・グリッチ・LP・マス・トランスファー・セールス・アンド・エンジニアリング(Koch-Glitsch LP Mass Transfer Sales and Engineering)(45242オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)、スイート(Suite)16−246、ケンウッドロード(Kenwood Road)9525)から入手可能なコーク(Koch)SMX4エレメントミキサー(Koch SMX 4 element mixer)(公称1.9cm(3/4インチ))である。
【0040】
ブレンドされた相がブレンダー部分7を通過した後、相はデリバリーノズル8に引き入れられる。デリバリーノズル8が使用されて組み合わされた相をボトルに送達する。前述のように、通常の製造作業では、複数個の容器が同時に充填される。図3は、こうした装置の1つの可能なステーションを表す。容器31は、パック又はボトルホルダー32の中に固定される。回転台33が、容器31を駆動機構34により定められた速度で回転する。台33用の駆動機構34は、可変速度機構である。
【0041】
1つの実施形態では、充填の間、台33は回転して、初め一方向に容器31を初期回転させてもよい。回転方向は開始位置から360°のあらゆる角度で変化することができ、初期開始位置に戻ることもできる。例えば、回転は45°で一方向に発生して、回転の開始位置に反対の方向から戻ることができる。しかしながら、必ずしも開始位置に戻す必要はない。例えば、ボトルは一方向に90°で回転され、180°で反対方向から回転して戻ってくることもできる。
【0042】
容器31がいっぱいになる前に、台33は1回以上方向を変化させることができ、複数の視覚的に異なる相の組成物の審美的模様又はデザインに変化を生じる。パーソナルケア組成物に作られるデザイン及び模様は、容器31の回転方向が変化することに関して、充填方法の間にいつ及びどれだけの程度まで行われたかに依存する。台33及び容器31の回転の方向変化は、手による台の動きによって制御することができ、又はサーボコントローラーを使用して達成される。
【0043】
1つの実施形態では、充填の間、台33は回転して、実質的に一定速度で容器31を初期回転させてもよい。容器31がいっぱいになる前に、台33は加速又は減速し、複数の視覚的に異なる相の組成物の審美的模様又はデザインに変化を生じる。パーソナルケア組成物に作られるデザイン及び模様は、容器31の回転速度が変化することに関して、充填方法の間にいつ及びどれだけの程度まで行われたかに依存する。容器31の初期回転速度は通常毎分約0回転〜毎分約800回転(rpm)である。いくつかの実施形態では、本方法は初期回転速度を第2の回転速度に変化させる工程を更に含む。第2の回転速度は初期回転速度から少なくとも20%異なる。回転速度は初期回転速度の、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、最も好ましくは少なくとも約50%変化する。初期回転速度が毎分0回転であるとき、充填の間のいかなる速度での回転の開始も回転速度における変化と考えられる。更に、回転速度は充填の間連続的に変化して組成物中に連続的に変化する模様又はデザインを作製してもよい。初期回転速度を変化させることは、初期回転速度から第2の回転速度に向かって生じる加速又は減速を含むことができる。加速/減速は、得られた最終製品の模様に影響又は変化を与えることができる。例えば、迅速な加速/減速がある場合には、得られる充填模様は鋭い遷移を有し得る。逆に、より緩慢な加速/減速は、得られる充填模様に、より滑らかな遷移を生じ得る。
【0044】
本明細書では、充填速度及び/又は回転速度における変化は、百分率変化で測定される。充填速度及び/又は回転速度における変化は、初期充填速度及び/又は回転速度(すなわち、容器の充填の間の充填速度及び/又は回転速度を変化させるのに先立って測定される充填速度及び/又は回転速度)並びに最終充填速度及び/又は回転速度(すなわち、充填速度及び/又は回転速度が新しい一定速度に到達するとき、あるいは、充填方法の完了直前のどちらかで、充填速度及び/又は回転速度が測定される)に基づいている。百分率変化は、前述した初期充填速度及び/又は回転速度と、最終充填速度及び/又は回転速度と、の間の差異に基づいて計算される。
【0045】
別の実施形態では、回転速度は比較的一定を保ち、充填速度は変化する。充填速度は初期充填速度の、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、最も好ましくは少なくとも約50%変化する。充填速度は充填の間連続的に変化して組成物中に連続的に変化する模様又はデザインを作製してもよい。
【0046】
既知の充填技術は、多くの場合、開口部に向かって形状が狭くなる傾向を有する容器を組み込む。このような開口部を通して充填するとき、流出を防ぐと共に均一性を維持するために、回転速度又は充填速度のいずれかが開口部に向かって組成物が充填するにつれて調整されなければならない。この既知の技術と対照的に、本方法は、充填速度又は回転速度を容器の形状から独立して変化させることにより、不均一で視覚的に異なる模様を作製する。
【0047】
更に、容器を充填する既知の方法は通常、分配手段を容器の開口部に又は開口部付近に配置することにより、液体製品で容器を充填することを包含する。本発明の方法では、分配手段を容器の底部に配置するように、分配手段が調整されてもよい。より特定的には、分配手段は容器の容積の下半分よりも下に配置されてもよい。この位置に分配手段を配置することは、分配手段を容器の開口部で又は開口部付近(hear the orifice)で採用する充填技術により示される「盛り上がり」効果を回避するという有利な点を有する。盛り上がりは通常、容器がいっぱいになるにつれての、液流の層化すなわち液流のそれ自身への折り重なりとして説明される。したがって、本発明の1つの態様は、容器の底部から多相液相組成物で容器を充填することである。
【0048】
対応する槽からコンバイナーの中へのそれぞれ選択された液相の予め定められた分量の移送は、サーボコントローラーを使用して達成される。//追加情報//
容器31は本製品用の任意の好適な容器である。好ましくは、容器31は透明なボトルであり、最終組成物の模様が消費者に可視である。容器は好ましくは、栓及び分配開口部を備える。透明なボトルに好適な材料には、PET又はPPが挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
全ての百分率、部、及び比率は、本明細書で使用されるとき、特に指定がない限り、総組成物の重量を基準とする。このような全ての重量は、列記した成分に関する限り、活性レベルに基づくため、特に指示がない限り、市販物質に包含される可能性のある溶媒又は副産物を包含しない。
【0050】
1つの実施形態では、本方法は、不均一ならせん状縞模様を有する、洗浄組成物、パーソナルケア組成物、歯磨剤組成物を製造するために使用される。いくつかの実施形態では、1つの相は、洗浄相などの1つの機能を提供することができ、第2の相は、有益機能などの追加的な機能を提供することができる。いくつかの実施形態では、複数の相は同一の機能を提供するが、互いに視覚的に異なることができる。組成物は、洗浄相及び有益相の両方が長期間にわたって安定である一方で様々な相の種類を含むことができるように配合されている。更に、1つ以上の相が安定な着色剤を含むことができ、パーソナルケア組成物が内容物の見える容器中に包装されるときに、不均一な目に見える模様を生じる可能性がある。
【0051】
好適な界面活性剤は、「マカッチャンの洗剤及び乳化剤、北米版(McCutcheon's, Detergents and Emulsifiers, North American edition)」(1986年、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(allured Publishing Corporation)出版;及び「マカッチャンの機能性材料、北米版(McCutcheon's, Functional Materials, North American Edition)」(1992年);及び米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30日発行)に記載されている。本明細書に用いるのに好適な界面活性剤には、いかなる既知の若しくは別の有効な、毛髪、皮膚、歯、及び布地への適用に好適な、そうでなければ組成物の洗浄相における他の必須成分と適合性がある、洗浄性界面活性剤も挙げられる。これらの洗浄性界面活性剤には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双極性若しくは両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、洗浄相は構造化されている、及び/又は、分離性である。
【0052】
好ましい直鎖アニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明に好適な分枝鎖アニオン性界面活性剤及びモノメチル分枝鎖アニオン性界面活性剤は、スミス(Smith)らによる2005年5月12日に出願された表題「分枝鎖アニオン性界面活性剤を含む構造化された多相パーソナル洗浄組成物(Structured Multi-phased Personal Cleansing Compositions Comprising Branched Anionic Surfactants)」の米国特許公開第60/680,149号の下で2006年12月に公開された同一所有者の特許出願に記載されている。分枝鎖アニオン性界面活性剤には以下の界面活性剤:トリデセス硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、C12〜13アルキル硫酸ナトリウム、及びC12〜13パレス硫酸及びC12〜13パレス−n硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
1つの実施形態では、本組成物は少なくとも1つの両性界面活性剤を含むことができる。本発明での使用に好適な両性界面活性剤には、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記載されるものであって、この脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、この脂肪族置換基の1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン水溶性基(例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、又はホスホン酸基)を含有するものが挙げられる。この定義に該当する化合物の例は、3−ドデシル−アミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンとイセチオン酸ナトリウムとを反応させることにより調製されるもののようなN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って製造されるもののようなN−高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載の生成物である。1つの態様では、多相パーソナルケア組成物は、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム(sodium cocoamphoactetate)、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、ココジアンホ酢酸二ナトリウム(disodium lauroamphoacetate disodium cocodiamphoacetate)、及びこれらの混合物からなる群から選択される両性界面活性剤を含むことができる。更に、アンホ酢酸及びジアンホ酢酸もまた使用することができる。
【0054】
使用に好適な双極性界面活性剤には、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されるものであって、この脂肪族ラジカルが直鎖又は分枝鎖であることができ、この脂肪族置換基の1つが約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つがアニオン性基(例えば、カルボキシ基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、又はホスホン酸基)を含有するものが挙げられる。多相パーソナルケア組成物で使用するのに好適な双極性界面活性剤にはココアミドプロピルベタインを包含するベタインが挙げられる。
【0055】
アルカノールアミドは、存在する場合、次の一般構造を有し:
【0056】
【化1】

式中、Rは、C8〜C24、又は好ましくは一部の実施形態ではC8〜C22、又は他の実施形態ではC8〜C18の、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝鎖の脂肪族基であり;R1及びR2は、同一の又は異なるC2〜C4直鎖又は分枝鎖脂肪族基であり;x=0〜10であり;y=1〜10であり;xとyの合計は、10以下である。組成物中のアルカノールアミドの分量は、典型的には、洗浄相の約0.1重量%〜約10重量%であり、いくつかの実施形態では、好ましくは約2重量%〜約5重量%である。いくつかの好ましいアルカノールアミドには、コカミドMEA(ココモネタノールアミド(Coco monethanolamide))及びコカミドMIPA(ココモノイソプロプラノールアミド(Coco monoisopropranolamide))が挙げられる。
【0057】
いくつかの態様では、本発明の組成物は、皮膚、毛髪、歯及び布地に対する本組成物の低刺激性を確実にするために、好ましくはアルキルアミン及びアルカノールアミドを含まない。
【0058】
本組成物は好ましくは少なくとも1つの非イオン性乳化剤を含む。非イオン性乳化剤は、好ましくは約1.5〜13.0、より好ましくは約3.4〜13.0、更に好ましくは3.4〜約9.5、更に一層好ましくは3.4〜約8.0のHLB値を有する。本組成物は、本パーソナルケア組成物の好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.25重量%〜約8重量%、更に好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、更により好ましくは約1.0重量%〜約3重量%、更に一層好ましくは約1.5重量%〜約2.5重量%の範囲の濃度で、非イオン性乳化剤を含む。
【0059】
界面活性剤分子における親水性部分と親油性部分との間のバランスは分類の方法として使用される(親水親油バランス、HLB)。一般に使用される界面活性剤についてのHLB値は、文献から容易に入手可能である(例えば、「マカッチャンの乳化剤及び洗剤(McCutcheon's Emulsifiers and Detergents)」(MCパブリッシング社(MC Publishing Co.)、2004年)の中のHLB指標)。例えば、コカミドモノエタノールアミン(CMEA)は、HLB値16.8を有することが当該技術分野において既知である。HLB値を得る別の方法は、計算による推定である。HLBシステムはグリフィン(Griffin)(「ジャーナル・オブ・ソサエティ・オブ・コスメティック・ケミスツ(J. Soc. Cosmetic Chem.)」1巻、311ページ、1949年)により最初に考案された。グリフィンは、親水基のモル%を5で除したものとして界面活性剤のHLB値を定義し、完全な親水性部分(無極性基を有さない)はHLB値20を有した。HLB値を計算する方法の他の例は、デイビーズ(Davies)著「界面現象(Interfacial Phenomena)」(第2版、アカデミック・プレス社(Academic Press)、ロンドン(London)、1963年)及びリン(Lin)(「ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー(J. Phys. Chem)」76巻、2019〜2013ページ、1972年)により記載されている。
【0060】
本明細書に用いるのに好ましい非イオン性乳化剤の非限定的な例は、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、イソステアレス−2、トリデセス−3、ヒドロキシステアリン酸、プロピレングリコールステアレート、PEG−2ステアレート、モノステアリン酸ソルビタン、ラウリン酸グリセリル、ラウレス−2、コカミドモノエタノールアミン、ラウラミドモノエタノールアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択されるものである。
【0061】
電解質は、それ自体が本組成物に加えることができるか、又はそれは原材料の1つの中に包含される対イオンを介してその場で形成され得る。電解質は、好ましくは、リン酸塩、塩化物、硫酸塩又はクエン酸塩を含むアニオン、及びナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム又はこれらの混合物を含むカチオンを包含する。一部の好ましい電解質は、塩化ナトリウム若しくは塩化アンモニウム、又は硫酸ナトリウム若しくは硫酸アンモニウムである。電解質は、組成物の好ましくは約0.1重量%〜約6重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%、更に好ましくは約2重量%〜約4重量%、更に一層好ましくは約3重量%〜約4重量%の分量で、組成物の構造化界面活性剤相に加えられる。他の好適な洗浄相の材料の非限定的な例は、米国特許出願第10/961,719号に記載されている。
【0062】
視覚的に異なる相の組成物は、疎水性有益相、脂肪族化合物ゲル網状組織、疎水性ゲル網状組織、脂肪族化合物ゲル網状組織の中の疎水性ゲル網状組織、疎水性ゲル網状組織の中の脂肪族化合物ゲル網状組織、シリコーン又はシリコーンゲル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの有益相を更に有してもよい。各有益相は、コンディショニング剤又は他の有益剤を毛髪に送達するための送達溶媒として作用してもよく、あるいは、それ自身がコンディショニング剤又は他の有益剤として作用してもよい。好適な有益相の材料の非限定的な例は、米国特許出願第10/961,719号に記載されている。
【0063】
本発明の組成物は有益相を有する。本発明の有益相は、無水であってもよく、水を実質的に含まない可能性もある。本有益相は界面活性剤を実質的に含まない、又は全く含まない可能性がある。
【0064】
有益相は、典型的には疎水性有益材料を含む。本有益相は、多相パーソナルケア組成物の約1重量%〜約50重量%、好ましくは約5重量%〜約30重量%、より好ましくは約10重量%〜約30重量%の疎水性有益材料を含んでもよい。
【0065】
本発明での使用に好適な疎水性有益材料は、「コスメティックス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics and Toiletries)」103巻でボーガン(Vaughan)により定義されているボーガン溶解度パラメーターを、好ましくは約5(cal/cm31/2〜約15(cal/cm31/2で有する。ボーガン溶解度パラメーター(VSP)は、本明細書で使用されるとき、疎水性材料の溶解度を定義するために使用されるパラメーターである。ボーガン溶解度パラメーターは様々な化学及び配合技術分野において周知であり、典型的には5〜25の範囲を有する。約5〜約15の範囲のVSP値を有する疎水性有益材料の非限定例には次のもの:シクロメチコン5.92、スクアレン6.03、ペトロラタム7.33、パルミチン酸イソプロピル7.78、ミリスチン酸イソプロピル8.02、ヒマシ油8.90、コレステロール9.55が挙げられ、これらはC.D.ボーガン(C. D. Vaughan)著「溶解度、並びに製品、包装、浸透及び保存への効果(Solubility, Effects in Product, Package, Penetration and Preservation)」(「コスメティックス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics and Toiletries)」103巻、1988年10月、に所収)に報告されている。
【0066】
本組成物の有益相における使用に向けての疎水性有益材料は、稠度値(k)及び剪断指数(n)により定義される好ましいレオロジー特性を有する。本明細書で使用されるとき、用語「稠度値」又は「k」は、脂質粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質について粘度を定義するために、剪断指数と組み合わせて使用される。測定は35℃で行われ、単位はPa・s(ポアズ)(1ポアズは0.1Pa・s(100センチメートル毎秒)に等しい)である。本明細書で使用されるとき、用語「剪断指数」又は「n」は、脂質粘度の尺度であり、その粘度が剪断力の関数である物質について粘度を定義するため、稠度値と組み合わせて使用される。測定は35℃で行われ、単位は無次元である。稠度値(k)及び剪断指数(n)は、2005年12月20日に出願された表題「パーソナルケア組成物を含む、シェービングキット、商品、及びシェービングの方法(Shaving Kit, Article of Commerce and Method of Shaving comprising a personal care composition)」の、同一所有者で譲渡された米国特許出願第11/312615号に、より詳細に記載されている。好ましい稠度値の範囲は、0.1〜1,000Pa・s(1〜1万ポアズ)(1/秒)n-1、好ましくは1〜200Pa・s(10〜2000ポアズ)(1/秒)n-1、より好ましくは5〜100Pa・s(50〜1000ポアズ)(1/秒)n-1である。剪断指数の範囲は、0.1〜0.8、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.20〜0.4である。これらの好ましいレオロジー特性は、皮膚上での有益剤の改善された付着を有するパーソナル洗浄組成物を提供するのに特に有用である。
【0067】
本有益相は、ペトロラタム、ラノリン、ラノリンの誘導体(例えば、ラノリン油、イソプロピルラノレート、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、ラノリンアルコールリノレート、ラノリンアルコールリコノレート(riconoleate)、炭化水素油(例えば、鉱油)、天然及び合成ワックス(例えば、微晶性ワックス、パラフィン、オゾケライト、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン、ペンタヒドロスクアレン)、揮発性又は不揮発性オルガノシロキサン及びこれらの誘導体(例えば、ジメチコン、シクロメチコン、アルキルシロキサン、ポリメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン)、天然及び合成トリグリセリド(例えば、ヒマシ油、大豆油、ヒマワリ種子油、マレイン酸化大豆油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、クルミ油、ラッカセイ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、パーム油、ゴマ油)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される疎水性有益材料からなることができる。1つの態様では、疎水性有益材料の少なくとも約50重量%は、ペトロラタム、鉱油、パラフィン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリデセン、ジメチコン、アルキルシロキサン、シクロメチコン、ラノリン、ラノリン油、ラノリンワックスからなる群から選択される。残りの疎水性有益材料は、パルミチン酸イソプロピル、セチルリコノレエート(cetyl riconoleate)、イソノナン酸オクチル、パルミチン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ヒドロキシル化ミルクグリセリド及びこれらの組み合わせから選択される。多相パーソナルケア組成物の有益相は、ペトロラタム及び鉱油の組み合わせからなることができる。
【0068】
あるいは、有益相は洗浄相に較べると様々な濃度の有益剤を含んでもよい。好ましくは、有益相は、シリコーンコンディショニング剤、カチオン沈着ポリマー、又はボリューム剤(すなわち、ポリエチレン粒子)などのようなコンディショニング剤を増量した濃度で含む。
【0069】
本発明の方法により充填される好適な洗剤組成物には、下記の表1に列記されるベース材料を挙げることができる。分量は各材料について重量%で示され、この分量は最終製品におけるものである。
【0070】
【表1】

【0071】
本発明の方法により充填される好適なボディーソープ又はパーソナル洗浄組成物は、下記の表2に列記されている材料を包含することができ、界面活性剤、保湿剤、緩衝剤/pH調整剤、安定化剤、増粘剤/構造剤などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0072】
【表2】

【0073】
1つの態様では、従来のボディーソープ及び/又はパーソナル洗浄組成物は、本方法に従って及び本発明のシステムによって、製造することができる。パーソナル洗浄組成物のいくつかの例には、2005年10月12日に出願され、2006年4月20日に公開された表題「可視的なビーズ、カチオン性ポリマー、及び界面活性剤を含むパーソナルケア組成物(Personal care compositions comprising visible beads, cationic polymer, and surfactant)」で同時係属中の特許出願米国特許公開第2006/0083761A1号;2004年5月7日に出願され、2004年11月11日に公開された表題「多相パーソナルケア組成物(Multi-phase Personal Care Compositions)」の米国特許公開第2004/0223991号;フォークト(Focht)らにより2003年9月18日に出願され、2004年4月4日に公開された表題「洗浄相及び別個の有益相を含有する縞のある液体パーソナル洗浄組成物(Striped liquid personal cleansing compositions containing a cleansing phase and a separate benefit phase)」の米国特許公開第2004/0057920A1号;フォークト(Focht)らにより2003年10月31日に出願され、2004年5月13日に公開された表題「改善された安定性を有し、洗浄相及び別個の有益相を含有する縞のある液体パーソナル洗浄組成物(Striped liquid personal cleansing compositions containing a cleansing phase and a separate benefit phase with improved stability)」の米国特許公開第2004/0092415A1号;ウィアー(Weir)らにより2004年4月30日に出願され、2004年11月18日に公開された表題「視覚的に識別できる複数の液相の組成物(Visually distinctive multiple liquid phase compositions)」の米国特許公開第2004/0219119A1号;スミス(Smith)らにより2004年5月12日に出願された表題「分枝鎖アニオン性界面活性剤を含む構造化された多相パーソナル洗浄組成物(Structured Multi-phased Personal Cleansing Compositions Comprising Branched Anionic Surfactants)」の米国特許出願第60/680,149号、により詳細に記載されているものが挙げられる。
【0074】
別の態様では、口腔ケア製品は本明細書で開示されている方法により製造されてもよい。好適な歯磨剤は下記の表3に列記されているベース材料を包含し、キャリア/溶媒、保湿剤、研磨剤、歯石制御剤、抗菌剤、フッ化物源及び抗カリエス剤、緩衝剤/pH調整剤、安定化剤、増粘剤/構造剤、結合剤、着香剤及び甘味剤、並びに界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。分量は各材料について重量%で示され、この分量は仕上げ及び/又は再ブレンド材料を加えた後の最終製品におけるものである。
【0075】
【表3】

【0076】
義歯接着剤に好適なベース材料には、生体接着剤材料及び非水性溶媒が挙げられる。生体接着剤材料の例には、カラヤゴム、グアーガム、ゼラチン、アルギン、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、キトサン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、アクリルアミドポリマー、カーボポール、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリ四級(polyquartemary)化合物、エチレンオキシドポリマー、ポリビニルピロリドン、カチオン性ポリアクリルアミドポリマー、AVE/MA、AVE/MA/IB、AVE/MAの混合塩、AVE/MA/IBの混合塩、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。非水性溶媒は通常、水を含有しない任意の物理的形態の任意の化学物質である。非水性溶媒の例には、ペトロラタム、鉱油、グリセリン、天然油、合成油、脂肪、シリコーン、シリコーン誘導体、ポリビニルアセテート、天然ワックス、合成ワックス、動物性ワックス(waves)、植物油ワックス、植物油、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。義歯接着剤組成物用の非水性溶媒は、カレディ(Khaledi)らにより1996年10月1日に発行された米国特許第5,561,177号に更に記載されている。
【0077】
本発明の方法により充填される好適なシャンプー組成物には、下記の表4から選択される材料を挙げることができる。
【0078】
【表4】

【0079】
上記の表に記載されている本組成物に有用な材料は、これらの美容的及び/又は治療的な効果あるいは作用又は機能の前提となる機序により、列記されている。しかしながら、有用な材料は、場合によっては、1つを超える効果若しくは機能を提供するか、又は1つを超える作用機序を介して働くと解されるべきである。したがって、本明細書での説明は便宜上実施されるものであって、成分を特に規定した用途又は列挙した用途に制限しようとするものではない。
【0080】
本明細書に記載される組成物は、様々な任意材料を更に含んでもよい。本発明の目的上必須ではないが、先に開示されたベース材料、任意成分に加えて、材料の非限定的なリストが、洗浄組成物を含む組成物を製造するための本明細書で開示された方法での使用に好適であり、例えば洗浄性能の補助若しくは向上のために、又は基材を洗浄する処理のために、又は香料、着色剤、染料などに該当するように組成物の審美性を修正するために、といった特定の実施形態に望ましくは組み込まれ得る。このような追加成分の明確な性質及びそれらを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及びそれが使用される洗浄作業の性質に依存する。任意成分/材料は通常、総洗浄組成物の約15%未満、約12%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、又は約1%未満で配合されている。
【0081】
洗浄組成物に好適な任意材料には、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、布地柔軟仕上げ剤、構造化剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。前述した材料は添加成分として働いてもよく、働かなくてもよい。本明細書での開示に加えて、添加剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に見出される。
【0082】
上述したように、任意材料は、本出願人らの組成物には必須ではない。したがって、本出願人らの組成物の特定の実施形態は、次の補助剤材料のうちの1つ以上を含有しない:界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、キレート剤、漂白活性化剤、移染防止剤、過酸化水素、過酸化水素の供給源、予備形成済み過酸、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、光沢剤、泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、布地柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒、及び/又は顔料。
【0083】
パーソナルケア/洗浄組成物の製造に好適な任意材料は、水、抗フケ剤(例えば、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状イオウ、角質溶解剤、及びこれらの混合物);増粘剤;低密度微小球(例えば、エクスパンセル(Expancel)091 WE40 d24、アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)らが2004年5月13日に公開された同一所有者で譲渡された米国特許公開第2004/0092415A1号に記載);防腐剤;抗菌剤;芳香剤;キレート化剤(例えば、ビセット(Bisset)らに発行された米国特許第5,487,884号に記載のものなど);隔離剤;ビタミン(例えば、レチノール);ビタミン誘導体(例えばトコフェニルアセテート(tocophenyl actetate)、ナイアシンアミド、パンテノール);日焼け止め剤;剥離活性剤(例えば、ビセット(Bisset)に発行された米国特許第5,681,852号及び同第5,652,228号に記載されているものなど);抗しわ/抗皮膚萎縮剤(例えば、N−アセチル誘導体、チオール、ヒドロキシル酸、フェノール);酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸誘導体、トコフェノール);皮膚鎮静剤/皮膚回復剤(例えば、パンテン酸(panthenoic acid)誘導体、アロエベラ、アラントイン);美白剤(例えば、コウジ酸、アルブチン、アスコルビン酸誘導体);皮膚日焼け剤(例えば、ジヒドロキシアセトン);ポリマー相構造化剤(例えば、天然由来ポリマー、合成ポリマー、架橋ポリマー、ブロックコポリマー、コポリマー、親水性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、疎水性ポリマー、疎水変性ポリマー、会合性ポリマー、及びオリゴマー);液晶相誘導性構造化剤(例えば、レオックス社(Rheox, Inc.)から商品名チクシン(THIXCIN)(登録商標)Rで入手可能なトリヒドロキシステアリン);有機カチオン沈着ポリマー(例えば、アメリコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エディソン(Edison))から入手可能なポリクアテルニウム(Polyquaternium)10、ローディア社(Rhodia Inc.)からジャガー(Jaguar)C−17として入手可能なグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム及びアクアロン社(Aqualon)から市販されているN−ハンス(N-Hance)ポリマーシリーズ);毛髪のボリューム増強効果を提供する粒子(例えば、シリコーン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド(例えば、ナイロン)、エポキシ樹脂、尿素樹脂、アクリル粉末など);不透明化剤、懸濁化剤、噴射剤、pH調整剤(例えば、トリエタノールアミン);抗ニキビ薬剤;精油;感覚剤;顔料;着色剤;真珠光沢剤;干渉顔料(例えば、リアン・シェン・ツァール(Liang Sheng Tsaur)に発行された米国特許第6,395,691号、アロンソン(Aronson)らに発行された米国特許第6,645,511号、チャン(Zhang)らに発行された米国特許第6,759,376号、チャン(Zhang)らに発行された米国特許第6,780,826号に開示されているものなど);粒子(例えば、タルク、コリン(kolin)、雲母、スメクタイト粘土、セルロース粉末、ポリシロキサン、シリカ、炭酸塩、二酸化チタン、ポリエチレンビーズ);疎水変性非小板状粒子(例えば、疎水変性二酸化チタン及びテイラー(Taylor)らによる公開第2006/0182699A号の下で2006年8月17日に公開された同一所有者の特許出願に記載された他の材料)及びこれらの混合物を含むがこれらに限定されない材料である可能性がある。他の仕上げ材料は、2004年6月17に公開された、表題「パーソナルケア製品のための後からの変異型添加方法(Late variant addition process for personal care products)」の米国特許公開第2004/0116539号に記載されているように、促進用成分である可能性がある。
【0084】
歯磨剤ベースに好適な任意材料は、界面活性剤、保湿剤、うがい薬組成物、水、着香剤、抽出物、pH調整剤、着色剤及び顔料、結合剤、洗浄剤、甘味剤、歯石制御剤、刺激感応抑制剤(antisensitivity agents)、キレート化剤、構造化剤、加工助剤、並びに/又は、雲母、ポリエチレン微小片、ワックス顆粒、及び着色シリカ粒子などの視覚的美観剤(visual aesthetics)を包含できるが、これらに限定されない。
【0085】
ベース義歯製品に好適な任意材料は、着香、芳香、及び/又は知覚効果を提供する1つ以上の構成成分を包含し、これには、天然又は人工の甘味剤、メントール、メンチルラクテート、冬緑油、ペパーミント油、スペアミント油、リーフアルコール、クローブ芽油、アネトール、サルチル酸メチル、ユーカリプトール、カッシア、1−メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、パセリ油、オキサノン、α−イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、シナモン、バニリン、チモール、リナロール、シンナムアルデヒドグリセロールアセタール(CGA)、カルボキサミド、メントール、メンチル、ケタール、ジオール、毒物学的に受容された可塑剤、着色剤、増粘剤、防腐剤、ヨウ素、トリコールサン(tricolsan)、過酸化物、スルホンアミド、ビスビグアニド、フェノール樹脂、抗生物質、抗菌剤、抗炎症剤、象牙質減感剤、麻酔剤、芳香族化合物、ベンズアルデヒド、インスリン、ステロイド、ハーブの及び他の植物由来の治療薬、重曹、抗新生物薬などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0086】
洗浄相及び有益相は互いに関して任意の比率で存在してもよい。洗浄相:有益相の比は、好ましくは少なくとも約1:1、より好ましくは少なくとも約2:1、最も好ましくは少なくとも約4:1である。
【0087】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指示がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図している。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0088】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いかなる文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における用語のいずれかの意味又は定義と相反する範囲では、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0089】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの視覚的に異なる相を有する液体組成物で容器を充填する方法であって、
a.)初期充填速度を有するディスペンサーを使用して前記液体組成物を容器に移送する工程と、
b.)前記工程a.の間に、初期回転速度で初期回転方向に前記容器を回転させる工程と、
c.)
−前記容器の前記回転速度、
−前記ディスペンサーの前記充填速度、及び
−前記容器の前記回転方向
からなる群から選択される特徴及び前記特徴の組み合わせを前記容器の形状からそれぞれ独立に変化させる工程と、
d.)前記液体組成物の前記容器への前記移送を完了する工程と
を含む方法。
【請求項2】
前記容器の前記回転速度が充填の間に2回以上変化させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ディスペンサーの前記充填速度が充填の間に2回以上変化させられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記容器の前記回転方向が充填の間に2回以上変化させられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記初期回転速度が毎分0回転〜毎分800回転である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の回転速度が前記初期回転速度から少なくとも20%異なる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記回転速度が加速又は減速のいずれかを行う、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記容器が栓及び分注開口部を備える透明なボトルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記相が、色、色合い、質感、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの特性に関して視覚的に識別できる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも2つの視覚的に異なる液相を有する不均一模様の多相液体組成物を製造する方法であって、
a)液相を槽から移送するための手段を備えた別個の槽に複数の液相を定置する工程と、
b)予め定められた分量のそれぞれ選択された液相をその対応する槽からコンバイナーの中に移送する工程と、
c)前記液相を共に組み合わせて、1つの相のもう一方に対する予め定められた比率を有する多相液体組成物を製造する工程であって、前記液体組成物の前記相が互いに視覚的に異なる工程と、
d)前記多相液相組成物を分配手段を介して個別の製品容器に移送する工程であって、前記個別の製品容器が容器保持手段内に入り、そこで前記容器を台に固定し、前記組成物の前記容器の中への移送の間に前記容器が前記容器保持装置により回転され、前記分配手段が初期充填速度で前記液相を分配し始め、前記保持装置は初期回転速度を有し、前記保持装置は初期回転方向を有する工程と、
e)前記初期回転方向を第2の回転方向に修正すること、前記初期回転速度を第2の回転速度に修正すること、前記分配手段の前記初期充填速度を第2の充填速度に修正すること、及び前記修正の組み合わせからなる群から選択される要素に対する修正を、前記容器の形状から独立に、及び工程dの間に選択する工程と
を含む方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−511053(P2010−511053A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539373(P2009−539373)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/025092
【国際公開番号】WO2008/073302
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】