説明

大容量光学記憶媒体

したがって本発明は、基材、反射層及び記録層を含み、記録層が、式(I)の化合物、又はその共鳴若しくは互変異性形態を含む光学記録媒体に関し、式中、M1は、酸化状態+3の金属カチオン、金属が酸化状態+4であるヒドロキシ若しくはハルゲノ金属基、又は金属が酸化状態+5であるオキソ金属基であり;(III)及び(IV)は、互いに独立して、(V)、(VI)又は(VII)であり;(VIII)は(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIII)又は(XIV)であり;(XV)は、(XVI)か、又は非置換であるか又はR10、R11、R12及び/若しくはR13で一置換又は多置換されているC2〜C8ヘテロアリールであり;Q1は、N又はCR18であり、Q2は、N又はCR19であり、Q3、Q5及びQ7は、互いに独立して、CR2021、O、S又はNR22であり、Q4は、CR16又はNであり、Q6は、CR17又はNであり;そしてR2及び/又はR6は、O、S又はNR33である。関係性の低い他の置換基は、本開示を参照すること。式(I)の化合物と同様に、式(II)の化合物、又はその共鳴体若しくは互変異性体は新規であり、また、特許請求されており、ここで、R38は、ハロゲン、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO323、NCO又はSCNであり、G1、G2、M1、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R22及びR23は、式(I)で定義されたとおりであり、M2m+は、mが陽電荷のカチオンであり、そして、mは、1、2又は3の整数である。光学記録媒体は、DVD±R(658nm)に特に高記録速度で極めて適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、情報ピットが、書き込み及び非書き込み位置において着色剤の異なる光学特性によって区別される、ライトワンス(write-once)記憶媒体における情報の光学的記憶である。この技術は、通常、「WORM」(例えば、「CD−R」、「DVD−R」、「DVD+R」)と呼ばれ、これらの用語は、本明細書で保持される。
【0002】
630から690nmの範囲で発光するコンパクトで高性能なダイオードレーザーを使用することにより、トラックピッチ(情報トラックが2回転する間の距離)及びピッチのサイズを、例えば、従来のCDと比較して約半分の値に低減することができるので、青色又は緑色層を有する媒体と比較して、原則的に、データ記録密度の4〜5倍の改善及び記憶容量の6〜8倍の増量を達成することが可能である。
【0003】
しかしこれは、高い屈折率、異なる長さのパルス幅におけるスクリプト幅の均一性、また昼光における高い光安定性、と同時に、特に高い記録速度での高エネルギーレーザー放射に対する高い感度のような、格段に高い要求を記録層に課すことになる。既知の記録層は、これらの特性を不十分な程度でしか有していない。
【0004】
JP−A−02/55189及びJP−A−03/51182は、記録層が実質的にシアニン染料及びO配位された同素環アゾ金属錯体から構成される、光学記憶媒体を開示する。
【0005】
US−6168843、US−6242067及びJP−A−2000/198273は、シアニン又はフタロシアニン染料と、O配位されている、パラ−アミノ−及びニトロ−又はハロ−置換同素環アゾ金属錯体との混合物から構成される、波長635〜650nmのレーザーを使用する記録に適切な記憶媒体を開示する。これらのアゾ金属錯体は、追加的にヒドロキシで置換されていてもよい。しかし、US−6242067の比較例2は、ヒドロキシ置換が結果として不十分な溶解性をもたらすことを開示している。加えて、US−6168843の化合物の感受性は、DVD記録速度が標準速(1×)においてのみ満足できるものであり、US−6242067の化合物の場合では、倍速(2×)においてのみ満足できるものである。
【0006】
WO−03/098617及びWO−03/098618は、また、とりわけ記述されているO配位された同素環アゾ金属錯体と組み合わされる五環系ローダミンを開示する。
【0007】
US−4686143は、780nmで書き込むことができ、芳香族環及びN−複素環式芳香族環を有するモノアゾ化合物の金属錯体を含む、書き込み可能光情報媒体を開示する。N−複素環式芳香族環は、非置換であるか、又は電子受容体置換基で置換されていてもよく、そして両方の環は、電子供与体置換基で置換されていてもよく、例えば、下記式のリガンド「NBTADMAP」により示される。
【0008】
【化22】

【0009】
JP−A−2002/002118もまた、複素環式アゾ化合物、例えば、下記式のものの金属錯体を含む、780nmで使用される書き込み可能光学情報媒体を開示する。
【0010】
【化23】

【0011】
JP−A−2002/293031は、JP−A−02/55189及びJP−A−03/51182の金属錯体と、US−6168843、US−6242067及びJP−A−2000/198273のものとの組合せを提案する。
【0012】
JP−A−11/213442は、下記式の複素環アゾリガンドの金属錯体を含む、620〜690nmの範囲での使用に適切な形状の光学記録媒体を開示する。
【0013】
【化24】

【0014】
Aは、電子供与基又は電子求引基の両方により置換されることができるが、Bは、電子供与基によってのみ置換されることができる。
【0015】
EP−A−1125987は、同様に、シアニンアゾ金属錯体を開示する。1つのリガンドが複素環基である実施例は、全て、アゾ基のパラ位置にジエチルアミノ基を有する。このことは、EP−A−1174472の式16の場合でも同じである。
【0016】
これら全ての公報における主題は、アゾ基に対してパラ位置にあるジアルキル化アミノ基が光学情報媒体の良好な性能のために必須である、ということである。
【0017】
EP−A−1170339は、下記一般式のスチリル染料を開示し、
【0018】
【化25】

【0019】
ここで、他の式のうちでも、X-は、下記構造の錯体であることができる。
【0020】
【化26】

【0021】
しかし、R16及びR17は、脱プロトン化された基を全く含まない。更に、そのような錯体の唯一の例(化学式8)は、実施態様を欠いてはいるが、酸化状態+1の金属を持つプロトン化された複素環(R19/R20)を示す(比較例を参照すること)。
【0022】
WO2004/088649は、金属錯体染料の広範囲の選択を対象とする、EPC Art.54(3)及びPCT Rule 64.3に従った特許明細書である。
【0023】
しかし、既知の記録媒体の特性は、特におよそ658±5nmの波長のレーザーを使用する記録(DVD−R又はDVD+R、以降DVD±R)の品質に関して、依然として望ましいものを残している。
【0024】
本発明の目的は、記録層が他の優れた特性と組み合わされて高い記憶容量を有する、光学記録媒体を提供することである。そのような記録媒体は、600〜700nm(好ましくは630〜690nm)の範囲の同じ波長で書き込み可能、かつ読み取り可能の両方であるべきである。本発明の記録層の主な特徴は、高度な感受性により変更できる、レーザーダイオードの前記波長範囲における極めて高い初期反射率;高い屈折率;異なるパルス幅でのスクリプト幅の良好な均一性;優れた光安定性及び複数回読取り安定性;及び極性溶媒中の良好な可溶性、並びに記録及び再生の両方における異なる波長のレーザー源との優れた適合性である。
【0025】
極めて驚くべきことに、特定の置換基を有する金属錯体アニオンを持つスチリル若しくはアゾカチオンの特定の塩を記録層として、又は記録層への添加物として使用すると、今までの既知の記録媒体よりも驚異的に良好な特性を有する光学記録媒体を提供することが可能となった。この固体層の屈折率は、驚異的に極めて高い。この層は予想外にも吸湿性でも感湿性でもなく、高い環境、光、及び複数読取り安定性を有する。本発明のカチオンは、驚くべきことに、高い可溶性を提供し、このことは、金属錯体アニオンの一般的な物理化学的特性の観点からは予想されない。
【0026】
したがって、本発明は、基材、反射層、及び記録層を含み、記録層が、式(I):
【0027】
【化27】

【0028】
で示される化合物、又はその共鳴若しくは互変異性形態を含む光学記録媒体に関し、式中、
1は、酸化状態+3の金属カチオン、金属が酸化状態+4であるヒドロキシ若しくはハロゲノ金属基、又は金属が酸化状態+5であるオキソ金属基であり;
【0029】
【化28】

【0030】
は、互いに独立して、下記式:
【0031】
【化29】

【0032】
であり;
【0033】
【化30】

【0034】
は、下記式:
【0035】
【化31】

【0036】
であり;
【0037】
【化32】

【0038】
は、下記式:
【0039】
【化33】

【0040】
又は、非置換であるか又はR10、R11、R12及び/若しくはR13で一置換又は多置換されているC2〜C8ヘテロアリールであり;
1は、N又はCR18であり、Q2は、N又はCR19であり、Q3,Q5及びQ7は、互いに独立して、CR2021、O、S又はNR22であり、Q4は、CR16又はNであり、そしてQ6は、CR17又はNであり;
1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R15、R16、R17、R18及びR19は、それぞれ他の全てと独立して、H、ハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR26、NR22CONR2627、NR22CN、OSiR222528、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627、SO222、SO2NR2627、SO326、PO(OR22)(OR25)か;C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル又はC2〜C5ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR23、NR22CONR2627、NR22CN、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627及び/若しくはSO226で一置換又は多置換されているか;又はC7〜C11アラルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C8ヘテロアリールであり、それぞれ非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2224、COR22、NO2、CN及び/若しくはCOOC1〜C4アルキルで一置換又は多置換されているか;或いは
15とR16又はR15とR17は、一緒に対になって、下記式:
【0041】
【化34】

【0042】
であり、それによりそれらが結合している2個の隣接する炭素と一緒になってフェニル環を形成し;
2及び/又はR6は、O、S又はNR33であり;
14は、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C1〜C12ヘテロシクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C3〜C12シクロアルケニル、C4〜C12ヘテロシクロアルケニル、C7〜C12アラルキル、C1〜C9ヘテロアリール、C2〜C11ヘテロアラルキル、C6〜C12アリール、又は1〜5個の非連続酸素及び/若しくは硫黄原子で、及び/又は1〜5つの同一若しくは異なる基NR22で中断されているC1〜C12アルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR26、NR22CONR2627、NR22CN、OSiR222528、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627、SO222、SO2NR2627、SO326若しくはPO(OR22)(OR25)で一置換又は多置換されており;
20及びR21は、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C7〜C12アラルキル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル又はC2〜C11ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR23、NR22CONR2627、NR22CN、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627及び/若しくはSO226で一置換又は多置換されているか;或いは
20及びR21は、一緒になって、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン、又は1〜5個の非連続炭素原子を酸素及び/若しくは硫黄原子で、及び/又は同一若しくは異なる基NR22で置き換えることができるC2〜C12シクロアルキレンであり、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン又はC2〜C12シクロアルケニレンは、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR23、NR22CONR2627、NR22CN、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627及び/若しくはSO226で一置換又は多置換されており;
22、R25及びR28は、互いに独立して、水素か;C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、〔C2〜C3アルキレン−O−〕k−R34又は〔C2〜C3アルキレン−NR35−〕k−R34であり、それぞれ非置換であるか又はハロゲンで一置換又は多置換されているか;或いはベンジルであり;
23は、それぞれ他のいずれかのR23と独立して、R24又はR33、好ましくはHであり;
24、R26及びR27は、互いに独立して、Hか;C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル又はC2〜C5ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2228、CN及び/若しくはCOOR22で一置換又は多置換されているか;又はC6〜C10アリール、C7〜C11アラルキル又はC1〜C8ヘテロアリールであり、それぞれ非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2225、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN及び/若しくはCOOR28で一置換又は多置換されているか;或いは
NR2224、NR2225、NR2528又はNR2627は、5員又は6員複素環であり、これは更にN又はO原子を含有してもよく、そしてメチル又はエチルで一置換又は多置換されていることができ;
29、R30、R31及びR32は、互いに独立して、H、C1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2224、COR22、NO2、CN及び/又はCOOC1〜C4アルキルであり;
33は、COR24、CONR2627、CN、SO2NR2627又はSO226であり;
34及びR35は、互いに独立して、メチル、エチル、ビニル及び/又はアリルであり;
1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R22、R23、R24、R25、R26、R28、R29、R30、R31、R32、R34及びR36からなる群よりそれぞれ選択される同一又は異なる置換基のラジカルが、直接結合を介してか又は−O−、−S−若しくは−N(R35)−架橋を介して、互いに対として1回以上結合して、場合により、式(I)の同一又は異なる部分を2つ以上含む二量体、三量体又はオリゴマーを形成することが可能であり;
kは、1、2、3又は4の整数であり;そしてnは、1、2又は3の整数である。
【0043】
同じ標識を有する複数の置換基を含む置換基は、一般に互いに独立している。nは、式(I)の化合物の置換基の電荷の数によって決まり、これによって、例えばC1〜C8ヘテロアリール基のN置換により最終的にもたらされる陽電荷は相殺され、式(I)の化合物は中性となる。好ましいものは、nが1である式(I)の化合物であり、並びに、nが2であり、そしてG3、R9、R10、R11、R12、R13又はR14、好ましくはR9、R10、R11、R12又はR13の1つが、陽電荷N置換C1〜C5ヘテロアリール基を含む式(I)の代替的な化合物である。
【0044】
1は、酸化状態+3のカチオン、金属が酸化状態+4であるヒドロキシ若しくはハロゲン金属カチオン、又は金属が酸化状態+5である3〜15族(旧IIIA〜VB族)の少なくとも三価の金属であるオキソ金属カチオンであり、好ましくは、Al+5+、As3+、Au3+、Bi3+、Ce3+、Co3+、Cr3+、Dy3+、Er3+、Eu3+、Fe3+、Gd3+、Ho3+、Ir3+、La3+、Lu3+、Mn3+、Mo3+、Nb3+、Nd3+、Pm3+、Pr3+、Rh3+、Ru3+、Sb3+、Sc3+、Sm3+、Ta3+、Tb3+、Ti3+、〔TiCl〕3+、〔TiOH〕3+、Tm3+、V3+、〔VO〕3+、W3+、Y3+、Yb3+、〔ZrCl〕3+又は〔ZrOH〕3+、最も好ましくはCo3+又はCr3+である。
【0045】
アルキル、アルケニル又はアルキニルは、直鎖又は分岐鎖であってもよい。アルケニルは、一不飽和又は多価不飽和のアルキルであり、2個以上の二重結合が単離又は共役していてもよい。アルキニルは、1回以上、二重に不飽和であるアルキル又はアルケニルであり、三重結合が単離しているか、又は互いに若しくは二重結合と共役していてもよい。シクロアルキル又はシクロアルケニルは、それぞれ単環式又は多環式のアルキル又はアルケニルである。
【0046】
したがってC1〜C12アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−メチル−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシルであることができる。
【0047】
したがってC3〜C12シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロプロピル−メチル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシル−メチル、トリメチルシクロヘキシル、ツジル、ノルボルニル、ボルニル、ノルカリル、カリル、メンチル、ノルピニル、ピニル、1−アダマンチル又は2−アダマンチルであることができる。
【0048】
2〜C12アルケニルは、例えば、ビニル、アリル、2−プロペン−2−イル、2−ブテンー1−イル、3−ブテン−1−イル、1,3−ブタンジエン−2−イル、2−ペンテン−1−イル、3−ペンテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−3−ブテン−2−イル、3−メチル−2−ブテン−1−イル、1,4−ペンタジエン−3−イル、又はヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル若しくはドデセニルのいずれかの異性体である。
【0049】
3〜C12シクロアルケニルは、例えば、2−シクロブテン−2−イル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル、2,4−シクロヘキサジエン−1−イル、1−p−メンテン−8−イル、4(10)−ツジェン−10−イル、2−ノルボルネン−1−イル、2,5−ノルボルナジエン−1−イル、7,7−ジメチル−2,4−ノルカラジエン−3−イル又はカンフェニルである。
【0050】
2〜C12アルキニルは、例えば、1−プロピン−3−イル、1−ブチン−4−イル、1−ペンチン−5−イル、2−メチル−3−ブチン−2−イル、1,4−ペンタジイン−3−イル、1,3−ペンタジイン−5−イル、1−ヘキシン−6−イル、シス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、トランス−3−メチル−2−ペンテン−4−イン−1−イル、1,3−ヘキサジイン−5−イル、1−オクチン−8−イル、1−ノニン−9−イル、1−デシン−10−イル又は1−ドデシン−12−イルである。
【0051】
7〜C12アラルキルは、例えば、ベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、9−フルオレニル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−オクチル、ω−フェニル−ドデシル又は3−メチル−5−(1′,1′,3′,3′−テトラメチル−ブチル)−ベンジルである。C7〜C12アラルキルが置換されている場合、アラルキル基のアルキル部分とアリール部分の両方は置換されていることができ、後者の代替案が好ましい。
【0052】
6〜C12アリールは、例えば、フェニル、ナフチル又はビフェニルであり、常にフェニルが好ましい。
【0053】
ハロゲンは、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素であり、好ましくはアリール又はヘテロアリールには塩素又は臭素であり、アルキルにはフッ素である。
【0054】
1〜C9ヘテロアリールは、4n+2個の共役π−電子を有する不飽和又は芳香族ラジカルであり、例えば、2−チエニル、2−フリル、1−ピラゾリル、2−ピリジル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル、2−イミダゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、或いはチオフェン、フラン、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン及びベンゼン環からなる群より選択され、非置換であるか、又は1〜6つのエチル置換基、例えばメチル、エチレン及び/若しくはメチレン置換基で置換されている他の任意の環系である。R10、R11、R12及びR13で置換されている複素環:
【0055】
【化35】

【0056】
は、例えば下記式であり、
【0057】
【化36】

【0058】
極めて驚くべきことに、アリール基と比較すると、高い記録速度で改善された感度(熱干渉の十分な制御を伴う)を提供する。
【0059】
更に、アリール及びアラルキルは、また、例えばそれ自体既知の遷移金属のメタロセンの形態で金属に結合している芳香族基、とりわけ下記式であり、
【0060】
【化37】

【0061】
式中、R37は、CH2OH、CH2OR24又はCOOR24である。
【0062】
3〜C12ヘテロシクロアルキルは、不飽和又は部分的に不飽和の環系ラジカルであり、例えば、エポキシ、オキセタン、アジリジン;テトラゾリル、ピロリジル、ピペリジル、ピペラジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、モルホリニル、キヌクリジニル;又はモノ−若しくはポリ−水素化されている他のC4〜C12ヘテロアリールである。
【0063】
5員〜12員環は、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルであり、好ましくはシクロペンチルであり、特にシクロヘキシルである。
【0064】
2及びR6と二重結合を持つキノイド構造は、当然のことながら式(I)の化合物の唯一の共鳴形態であるが、分光データを考慮すると最も可能性が高い構造である。あるいは、R2又はR6と単結合を持ち、R2又はR6に対して陰電荷を持つフェニルアゾを導き出すこともでき、これは互変異性を介して更にプロトン化されてもよい。それにもかかわらず、メソメリズムを介した電子の非局在化は、本発明の必須の特徴であり、金属との追加的な結合を介してアニオンを有利に安定化する。したがって、R2及び/又はR6は、好ましくはO、S、N−CN又はN−SO2CF3、好ましくはOである。
【0065】
好ましいR2及び/若しくはR6と組み合わせるか又独立して、R3及び/又はR7は、より好ましくはH、ハロゲン、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO323、NCO又はSCNであり、最も好ましくはHである。対イオン構造と無関係に、これらの好ましい置換基は、また、驚くべきことに、主要記録染料として、又は他の記録染料のための添加剤としてのいずれかで光学記録媒体に使用される場合、改善された光及び複数読取り安定性をもたらす。
【0066】
好ましいR2、R3、R6及び/若しくはR7と組み合わせるか又は独立して、好ましくは、G1又はG2を含む複素環において、R15及びR17のうちの少なくとも1つ、特にR15は、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、CR22OR25OR28、CONR2627、SO222、SO323、SO2NR2627又はPO(OR22)(OR25)であり、最も好ましくはCF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO222及び/又はSO323であることが特に好ましい。R15及びR17の両方がそのような好ましい基であるが、好ましくはそれらのうちの一方が好ましい基であり、他方が水素又はC1〜C4アルキルであるか、或いはR15及びR17は、一緒になって、非置換又は置換されているのいずれか、好ましくは非置換であるか又はCF3、NO2、CN、COR22、COOR23及び/若しくはSO323で置換されているブタジエニレンである。
【0067】
好ましくは、好ましいR2、R3、R6、R7、R15及び/若しくはR17と組み合わせるか又は独立して、特に、G3を含む複素環において、R16は、H又はFであるか、或いはR15と一緒になって、非置換又は置換されているのいずれか、好ましくは非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2225、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO222及び/若しくはSO323の1つ以上で置換されているブタジエニレンである。
【0068】
3は、好ましくはS又はCR2021であり、より好ましくは、下記式:
【0069】
【化38】

【0070】
を表わす下記式:
【0071】
【化39】

【0072】
で示されるSであり、及び/又は下記式:
【0073】
【化40】

【0074】
を表わす下記式:
【0075】
【化41】

【0076】
で示されるCR2021、特にC3〜C6アルキリデン又はC3〜C6シクロアルキリデンである(さらにより好ましくは1−シクロヘキシリデン又はとりわけ2−ブチリデンである−すなわち、R20及びR21が一緒になって1,5−ペンチレンであるか、又はそれぞれR20がメチルであり、R21がエチルであるCR2021である)。最も好ましくは、下記式:
【0077】
【化42】

【0078】
が、下記式:
【0079】
【化43】

【0080】
を表わし、及び/又は下記式:
【0081】
【化44】

【0082】
が、下記式:
【0083】
【化45】

【0084】
を表わす。
【0085】
5及びQ7は好ましくはSである。これらの選択肢は、好ましいR2、R3、R6、R7、R15、R16及び/又はR17から独立しているが、R2、R3、R6、R7、R15、R16及び/又はR17のために本明細書前記で開示された選択肢は、好ましい下記式:
【0086】
【化46】

【0087】
5及びQ7の場合の特定の利益にも完全に適用可能である。
【0088】
上記の全ての選択肢は、特に、下記式:
【0089】
【化47】

【0090】
を下記式:
【0091】
【化48】

【0092】
として更に組み合わせることにも完全に適用可能である。
【0093】
式(I)に含有されるカチオン性及びアニオン性下部構造のための選択肢は、互いに独立している。しかし、好ましいカチオンを好ましいアニオンと組み合わせることが好ましい。
【0094】
更に好ましいものは、R4が、水素、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ又はC1〜C4アルキルであり;R15が、ニトロ又はシアノ、好ましくはニトロであり;並びに/或いはR22及びR24が、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、3−ペンチル、n−アミル、tert−アミル、ネオペンチル、2,2−ジメチル−ブタ−4−イル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル又はシクロヘキシルであり、それぞれ非置換であるか又はフッ素で一置換若しくは多置換されている、式(I)の化合物である。R20及びR21は、好ましくは、両方ともメチルか、両方ともエチルであるか、又はR20がエチルであり、R21がメチルであるか、又は両方が一緒になって1,5−ペンチレンである。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは、一般に、好ましくはそれぞれC1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル及びエポキシアルキルである。これらの全ての更なる選択肢は、好ましいR2、R3、R6、R7、R15、R16及び/又はR17、並びに下記式:
【0095】
【化49】

【0096】
5及びQ7の場合の特定の利益にも完全に適用可能である。
【0097】
22、R25及びR28が直接結合又は−O−、−S−若しくは−NR35−架橋を介して互いに対として結合している場合、これらは、好ましくは5員又は6員環を形成するように結合される。
【0098】
本発明の別の態様は、2個のカチオン又はアニオンの2個のリガンドが、例えば直接結合又は−O−、−S−若しくは−NR35−架橋を介して式(I)の任意の置換基の間を架橋している式(I)の化合物であり、架橋リガンドを、同じ金属カチオン又は場合により異なる金属カチオンのいずれかで錯化することが可能であり、後者の場合では、オリゴマーが形成され、これも当然のことながら本発明の主題として考慮される。発色団又は置換基のいずれかにおけるカチオン又はアニオンのO又はN原子を介する架橋が、特に有益である。
【0099】
二量体及び三量体は、それ自体既知の方法と密接に類似して意図的に作製することができる。これらは、結合及び/又は架橋により一緒に結合している式(I)の2又は3個の異なる部分を含む、対称又は好ましくは非対称のいずれかであってもよい。オリゴマーは、例えば、全て一緒に結合している式(I)の4〜12個の部分から構成される。
【0100】
そのような二量体、三量体又はより高度な形態は、以下の例(これは、決して限定するものではない)により説明され、ここでXは、例えば、−CH2−、−CH2−CH2−、−CH2−O−CH2−又は−CH2−NH−CH2−である:
【0101】
【化50】

【0102】
当然のことながら、オリゴマーにおいて、化学量論は、式(I)の得られた化合物が変化しないようなものであるべきである。そのような及び同様のオリゴマーは、モノマー化合物と一緒に意図せずに調製することもでき、この場合、これらを既知の方法により分離することができる。モノマー又はオリゴマーの形成は、反応条件の制御、特にそれぞれの試薬の濃度、並びに添加の順番及び速度の制御を介した通常の方法によって有利になりうる。
【0103】
本発明の記録媒体は、式(I)の化合物を含むことに加えて、塩類を、例えば、塩化アンモニウム、ペンタデシルアンモニウムクロリド、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸メチルナトリウム、ナトリウムメチルスルホネート、ナトリウムトシレート、酢酸ナトリウム、ナトリウムヘキサフルオロホスフェート、酢酸コバルト(II)又は塩化コバルト(II)を追加的に含んでもよく、そのイオンは、例えば、使用される成分に由来してもよい。
【0104】
式(I)の興味深いアニオンは、特に、以下の式のものである(X線データによると、金属への6個の結合は全て同じ長さを有する):
【0105】
【化51】



【0106】
1〜R4のうちの1つ以上が対応するR5〜R8と異なり及び/又はG1がG2と異なる式(I)の興味深い化合物は、2つの異なるリガンドが同時に金属化する混合合成によって調製してもよい。非対称リガンドを有する式(I)の化合物は、クロマトグラフィーのような慣用の方法によって単離することができるか、又は好ましくは2つの同一のリガンドを有する式(I)の化合物との混合に使用することができる。
【0107】
Acta Poloniae Pharmaceutica 49/5, 55-61 [1992]は、Atidarez−β及びAtidarez−γによる金属イオンの錯化を開示する。これは、強塩基及び酸が分解をもたらし、種々の有機溶媒による抽出を介した金属錯体を単離する試みが失敗したことを開示する。
【0108】
式(I)の化合物は新規である。それら成分のうちの幾つかは既知であり、特にスチリルカチオンの部分は、例えばUS−6103331により既知である。金属錯体アニオンは、部分的に新規であるが、それ自体既知の方法により既知の金属錯体と密接に類似して調製することができる。式(I)の最終塩は、カチオンとアニオンのそれぞれの可溶性の塩を混合することによって、簡単に調製される。したがって、本発明は、また、式(I)の化合物、又はその互変異性又は共鳴形態に関する。
【0109】
また、新規なものは、式:
【0110】
【化52】

【0111】
で示される化合物、又はその共鳴体若しくは互変異性体であり、式中、
38は、ハロゲン、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO323、NCO又はSCNであり、
39は、式(I)で定義されたR7であり、好ましくは、H、ハロゲン、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO323、NCO又はSCNであり、
1、G2、M1、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R22及びR23は、式(I)で定義されたとおりであり、
2m+は、m陽電荷のカチオンであり、そしてmは、1、2又は3の整数である。
【0112】
2m+は、例えば、上記で記述された、プロトンであるか、適切な金属、アンモニウム若しくはホスホニウムカチオンであるか、又は陽電荷有機若しくは有機金属発色団である。
【0113】
式(II)の化合物は、特に、本発明の式(I)の化合物と又は本明細書下記で記述されているもののような他のいずれかの既知の染料と組み合わせて、光学記録媒体の記録層に安定剤として特に有用である。
【0114】
層が適用される支持体として作用する基材は、有利には半透明(T≧10%)であるか、好ましくは透明(T≧90%)である。支持体は、0.01〜10mmの厚さ、好ましくは0.1〜5mmの厚さであることができる。
【0115】
記録層は、好ましくは透明基材と反射層との間に配置される。記録層の厚さは、10〜1000nm、好ましくは30〜300nm、特に約80nm、例えば、60〜120nmである。記録層の吸収は、典型的には、吸収極大で0.1〜1.0(二重層で1.5まで)である。層厚は、とりわけ、非書き込み状態で建設的干渉が得られるが、書き込み状態で相殺的干渉が得られるか、又はその逆であるように、非書き込み状態及び書き込み状態における読み取り波長のそれぞれの屈折率に応じて既知の方法で選択される。
【0116】
反射層は、その厚さが10〜150nmであることができ、好ましくは低い透明性(T≦10%)と組み合わせて高い反射率(R≧45%、特にR≧60%)を有する。更なる実施態様において、例えば、複数の記録層を有する媒体の場合、反射層は、同様に半透明であってもよく、すなわち、比較的に高い透明性(例えば、T≧50%)と低い反射率(例えば、R≦30%)を有してもよい。
【0117】
最上層、例えば、層構造に応じて、反射層又は記録層には、有利には、0.1〜1000μm、好ましくは0.1〜50μm、特に0.5〜15μmの厚さを有する保護層が追加的に提供される。そのような保護層は、望ましい場合、それに適用される第2の基材層のための接着促進剤としても作用し、それは好ましくは0.1〜5mm厚であり、好ましくは支持基材と同一の材料から構成される。
【0118】
記録媒体全体の反射率は、好ましくは少なくとも15%、特に少なくとも40%である。
【0119】
本発明の記録層の主な特徴は、高い感度で変更できる、レーザーダイオードの前記波長範囲における極めて高い初期反射率;高い屈折率;固体状態での特に狭い吸収バンド;異なるパルス幅でのスクリプト幅の良好な均一性;同時に良好な光安定性及び極性溶媒中の良好な可溶性である。
【0120】
本発明の記録媒体は、オレンジブック規格(Orange Book Standard)の要件による慣用のCD装置の赤外線レーザーダイオードを使用して書き込み可能でもなく、読み取り可能でもない。その結果、誤って高解像の能力のない装置を使用して書き込みを試みる様な場合に損傷の危険性がおおむね回避され、それは利点である。式(I)の染料の使用は、高屈折率を有する有利に均質で無定形の低分散記録層をもたらし、吸収輪郭は固相においてさえも驚くほど特に急勾配である。更なる利点は、昼光及び低出力密度のレーザー照射における高い光安定性、同時に高出力密度のレーザー照射での高い感度、均一なスクリプト幅、高いコントラスト、また、良好な熱安定性及び保存安定性である。
【0121】
高い記録速度(例えば、約20〜60m・s-1の範囲に対応する、2×、4×、8×又は16×、好ましくは8×又は16×)において、得られた結果は、以前の既知の記録媒体よりも驚くほど良好である。マークは、周囲の媒体に対してより正確に画定され、熱誘導変形が起こらない。誤差率(PI SUM 8)及びマークの長さの統計的変動(ジッター)も通常の記録速度及び高速の記録速度の両方で低く、それによって、誤差のない記録及び再生を広範囲の速度で達成することができる。高速の記録速度でさえも実質的に排除はなく、書き込まれた媒体の読み取りは、誤差の修正により減速されない。この利点は、600〜700nm(好ましくは630〜690nm)の範囲全体にわたって得られるが、640〜680nm、とりわけ650〜670nm、特に658±5nmで特に特徴的である。
【0122】
適切な基材は、例えば、ガラス、鉱物、セラミックス、及び熱硬化性又は熱可塑性プラスチックである。好ましい支持体は、ガラス及びホモ−又はコポリマープラスチックである。適切なプラスチックは、例えば、熱可塑性ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、熱硬化性ポリエステル、及びエポキシ樹脂である。基材は、純粋な形態であることができるか、又は慣用の添加剤、例えば、JP04/167239において記録層に光安定性を提供するために提案されているような、UV吸収剤又は染料を含んでもよい。後者の場合、支持基材に添加される染料が、記録層の染料に対して少なくとも10nm、好ましくは少なくとも20nm浅色シフトした吸収極大を有することが有利でありうる。
【0123】
基材は、書き込み又は読み取り波長の入射光の少なくとも90%が透過できるように、有利には少なくとも600〜700nmの(好ましくは上記で示された)範囲の少なくとも一部分が透明である。基材は、好ましくは被覆側面において、溝深さ50〜500nm、溝幅0.2〜0.8μm、及び2回転する間のトラックピッチ0.4〜1.6μmを有する、特に溝深さ100〜200nm(又は二重層では20〜60nm)、溝幅0.35±0.10μm、及び2回転する間のトラックピッチ0.6〜0.8μmを有する螺旋溝誘導を有する。記録層は、有利には、溝の深さに応じて溝の中及び外側で異なる厚さがあり、溝の中の記録層の厚さは、通常、外側よりも約2〜20×大きく、典型的には、溝の中は外側よりも5〜10×大きい。記録層は、また、溝の中にのみ存在することもできる。
【0124】
したがって本発明の記憶媒体は、有利には、現在慣用の最小ピッチ長さの0.4μm及びトラックピッチの0.74μmを有するDVD媒体の光学記録に特に適している。既知の媒体に対する記録速度の増大は、同期式記録を、又は特殊効果のために、優れた画像品質のビデオシーケンスのさらに高速の記録を可能にする。
【0125】
記録層は、式(I)の単一の化合物を含む代わりに、例えば、本発明の金属アゾ染料を2、4又は5つ有するそのような化合物の混合物を代替的に含んでもよい。混合物、例えば、異性体又は同族体の混合物、並びに異なる構造の混合物を使用することにより、多くの場合、溶解度を増加することができ、及び/又は無定形含有量を向上させることができる。望ましい場合、イオン対化合物の混合物は、異なるアニオン、異なるカチオン、又は異なるアニオンと異なるカチオンの両方を有してもよい。
【0126】
本発明の(I)の化合物を、式(I)のカチオンの1つ以上の塩と、適切な無機、有機又は有機金属アニオンとの混合物において、並びに/或いは式(I)のアニオンの1つ以上の塩と、プロトンか、適切な金属、アンモニウム若しくはホスホニウムカチオンか又は陽電荷有機若しくは有機金属発色団との混合物において、使用することも賢明である。多くの場合において、光学特性は、依然として満足できる状態を保ち、同時に固体層の可溶性及び無定形の状態が改善できる。式(II)の化合物は特定の利益を提供する。
【0127】
適切なアニオンは、例えば、水酸化物、酸化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸塩、過ヨウ素酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、トシレート、硫酸メチル、フェノレート、安息香酸塩又は陰荷電金属錯体である。
【0128】
金属、アンモニウム又はホスホニウムカチオンは、例えば、Ca2+、Co2+、Co3+、Cr3+、Cu2+、Fe2+、Fe3+、K+、La3+、Li+、Mg2+、Na+、Ni2+、Sn2+、Zn2+、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ペンタデシルアンモニウム、イソプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、テトラブチルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、ブチルトリフェニルホスホニウム又はエチルトリフェニルホスホニウム、或いはプロトン化Primene 81R(商標)又はRosin Amine D(商標)である。好ましいものは、H、Na+、K+、NH4+、第一級、第二級、第三級又は第四級アンモニウムであり、また、カチオン性発色団、特に下記で記述されるもの、並びに下記で記述される追加の発色団のカチオン(例えば、Nの四級化により得られるもの)である。M1において本明細書前記で開示されたもののような他の金属カチオンも適している。
【0129】
陽電荷有機発色団としては、300〜1500nmの範囲、特に300〜800nmの範囲で吸収する任意のカチオンを使用してよい。当業者は、好ましくは、特に光学情報媒体における使用が既に以前から提案されている発色団カチオンを選択することになり、例えば、シアニン、キサンテン、ジピロメテン、スチリル、トリフェニルメチン、アゾ、金属錯体、キノンジインモニウム、ビピリジニウム及び他のカチオンである。シアニン、キサンテン(例えば、US−5851621、WO−03/098617又はWO−03/098618のもの)、ジピロメテン及びアゾ金属錯体カチオンが好ましい。カチオン形態での使用に適切な更なる発色団はWO−01/75873により既知であるが、これらの例は、決して限定的な選択肢として考慮されない。
【0130】
安定性の更なる増強のため、望ましい場合、既知の安定剤を慣用の量で、例えば、光安定剤としてJP04/025493で記載されたニッケルジチオレートを添加することも可能である。
【0131】
記録層は、式(I)の化合物又はこのような化合物の混合物を、有利には、屈折率に実質的に影響を及ぼすために十分な量、例えば、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも30〜70重量%、特に少なくとも40〜60重量%含む。記録層は、とりわけ有用には、式(I)の化合物又は複数のこのような化合物の混合物を主要成分として含むことができるか、或いは式(I)の化合物の1つ以上から独占的に又は実質的に構成されてもよい。
【0132】
更なる慣用の構成成分が可能であり、例えば、他の発色団(例えば、300〜1000nmの吸収極大を有するもの)、UV吸収剤及び/又は他の安定剤、12−、三重−又はルミネセンス消光剤、溶融点降下剤、分解促進剤、或いは光学記録媒体について既に記載されている他の任意の添加剤、例えば、被膜形成剤である。
【0133】
記録層が更なる発色団を含む場合、そのような発色団は、原則的に、記録している間にレーザー放射により分解又は変更されうるあらゆる染料であってよいか、又はレーザー放射に対して不活性であってもよい。更なる発色団がレーザー放射により分解又は変更される場合、これは、レーザー放射の吸収により直接的に実施することができるか、又は本発明の式(I)の化合物の分解、例えば熱的な分解により間接的に誘導することができる。
【0134】
当然ではあるが、更なる発色団又は有色安定剤は、記録層の光学的特性に影響を与えることがある。したがって、光学的特性が本発明の式(I)の化合物と可能な限り一致するか、又は可能な限り異なるか、或いは更なる発色団の量が少量に保持される、更なる発色団又は有色安定剤の使用が好ましい。
【0135】
本発明の式(I)の化合物と可能な限り一致する光学的特性を有する更なる発色団が使用される場合、好ましくは、これは最長波長吸収側面の範囲に適用されるべきである。好ましくは、更なる発色団及び式(I)の化合物の反転点の波長は、最大40nm、特に最大20nm、とりわけ最大10nm離れている。この場合、更なる発色団及び式(I)の化合物は、レーザー放射に対してより小さい挙動を示すべきであり、それによって、式(I)の化合物によりその作用が相乗的に向上されるか又は高められる既知の記録剤を更なる発色団として使用することが可能になる。
【0136】
本発明の式(I)の化合物と可能な限り異なる光学的特性を有する更なる発色団又は有色安定剤が使用される場合、これらは、有利には、式(I)の染料に対して浅色若しくは深色シフトしている吸収極大を有している。その場合、吸収極大は好ましくは少なくとも50nm、特に少なくとも100nm離れている。その例は、式(I)の染料に対して浅色シフトしているUV吸収剤であるか、又は式(I)の染料に対して深色シフトしている有色安定剤であり、例えば、NIR又はIR範囲にある吸収極大を有する。他の染料は、また、色分け識別、カラーマスキング(「ダイアモンド染料」)又は記録層の美的外観を向上する目的のために添加されることもできる。これら全ての場合において、更なる発色団又は有色安定剤の光及びレーザー放射に対する挙動は、好ましくは可能な限り不活性であるべきである。
【0137】
別の染料が式(I)の化合物の光学特性を変更するために添加される場合、その量は達成される光学特性により左右される。当業者は、所望の結果が得られるまで式(I)の化合物への追加の染料の割合を変えることに困難を感じることはほとんどないであろう。
【0138】
発色団又は有色安定剤が他の目的で使用される場合、その量は、好ましくは、600〜700nmの範囲の記録層の全吸収に対する寄与が最大20%、好ましくは最大10%であるほどに少量であるべきである。そのような場合には、追加の染料又は安定剤の量は、有利には、記録層に基づいて最大50重量%、好ましくは最大10重量%である。
【0139】
式(I)の化合物に加えて場合により記録層に使用することができる更なる発色団は、例えば、双性イオン(EP−A−1464678)及びその金属錯体(US−5958650)も含むシアニン、オキソノール染料(EP−A−833314)、アゾ染料及びアゾ金属錯体(JP−A−11/028865)、フタロシアニン(EP−A−232427、EP−A−337209、EP−A−373643、EP−A−463550、EP−A−492508、EP−A−509423、EP−A−511590、EP−A−513370、EP−A−514799、EP−A−518213、EP−A−519419、EP−A−519423、EP−A−575816、EP−A−600427、EP−A−676751、EP−A−712904、WO−98/14520、WO−00/09522、CH−693/01)、ポルフィリン及びアザポルフィリン(EP−A−822546、US−5998093)、ジピロメテン染料及びその金属キレート錯体(EP−A−822544、EP−A−903733)、キサンテン染料及びその金属錯体塩(US−5851621)又は二次酸化合物(EP−A−568877)、或いはオキサジン、ジオキサジン、ジアザスチリル、ホルマザン、アントラキノン又はフェノチアジンであり、このリストは、決して網羅的ではなく、当業者は、リストに更なる既知の染料が含まれると解釈するであろう。
【0140】
特に好ましい追加の発色団は、特にシアニン及びキサンテンである。シアニンのうち、好ましいものは、ベンゾインドカルボシアニンであり、キサンテンでは、特にローダミンである、
【0141】
しかし、有色安定剤又は式(III)の化合物がなければ、追加の発色団を加えないことがとりわけ好ましく、
【0142】
【化53】

【0143】
式中、
40及びR41のうちの一方は、NR4243、NR4344、NR4445、OR42、SR42、OR44又はSR44であり、R40及びR41の他方は、O-、S-又はN-46であり;
42及びR43は、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル又はC2〜C11ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR47、SR47、CR48OR49OR50、NR4851、NR48COR49、NR48COOR47、NR48CONR5253、NR48CN、COR48、NO2、CN、COOR47、CONR5253及び/若しくはSO252で一置換又は多置換されているか;或いは
42及びR43は、一緒になって、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン、又は1〜5個の非連続炭素原子を酸素及び/若しくは硫黄原子で、及び/又は同一若しくは異なる基NR46で置き換えることができるC2〜C12シクロアルキレンであり、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン又はC2〜C12シクロアルケニレンは、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR47、SR47、NR4851、NR48COR49、NR48COOR47、NR48CONR5253、NR48CN、COR48、CR48OR49OR50、NO2、CN、COOR47、CONR5253及び/若しくはSO252で一置換又は多置換されており;
44、R45及びR46は、互いに独立して、H、COR51、CONR5253、CN、SO2NR5253又はSO252であり、好ましくはR44及び/又はR45は、Hであり、そしてR46は、COR51、CONR5253、CN、SO2NR5253又はSO252であり;
47は、それぞれ他のいずれかのR47と独立して、R51又はR46、好ましくはHであり;
48、R49及びR50は、互いに独立して、水素か;C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、〔C2〜C3アルキレン−O−〕p−R54又は〔C2〜C3アルキレン−NR55−〕p−R54であり、それぞれ非置換であるか又はハロゲンで一置換又は多置換されているか;或いはベンジルであり;
51、R52及びR53は、互いに独立して、Hか;C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル又はC2〜C5ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR47、SR47、NR4850、CN及び/若しくはCOOR48で一置換又は多置換されているか;又はC6〜C10アリール、C7〜C11アラルキル又はC1〜C5ヘテロアリールであり、それぞれ非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR47、SR47、NR4849、COR48、CR48OR49OR50、NO2、CN及び/若しくはCOOR50で一置換又は多置換されているか;或いは
NR4849、NR4851、NR4950又はNR5253は、5員又は6員複素環であり、これは更にN又はO原子を含有してよく、そしてメチル又はエチルで一置換又は多置換されていることができ;
54及びR55は、互いに独立して、メチル、エチル、ビニル及び/又はアリルであり;
1、R3、R4、R40、R41、R42、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52及びR54からなる群よりそれぞれ選択される同一又は異なる置換基のラジカルが、直接結合を介してか又は−O−、−S−若しくは−N(R55)−架橋を介して、互いに対として1回以上結合することが可能であり;そして
pは、1〜4の整数である。
【0144】
安定剤又は蛍光消光剤は、例えば、N−若しくはS−含有エノレート、フェノレート、ビスフェノレート、チオレート又はビスチオレートの金属錯体、又はアゾ、アゾメチン若しくはホルマザン染料の金属錯体、例としては(登録商標)Irgalan Bordeaux EL(Ciba Specialty Chemicals Inc.)、(登録商標)Cibafast N3(Ciba Specialty Chemicals Inc.)又は同様の化合物、ヒンダードフェノール及びその誘導体(また場合によりアニオンX-として)、例としては(登録商標)Cibafast AO(Ciba Specialty Chemicals Inc.)、7,7′,8,8′−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)及びその化合物(場合により、電荷移動錯体のアニオンとして)、ヒドロキシフェニル−トリアゾール若しくは−トリアジン、又は他のUV吸収剤、例としては(登録商標)Cibafast W 又は(登録商標)Cibafast P(Ciba Specialty Chemicals Inc.)、或いはヒンダードアミン(TEMPO又はHALS、またニトロキシド又はNOR−HALSとして、また場合によりアニオンX-として)である。
【0145】
そのような構造の多くは、例えば、US−5219707、JP−A−06/199045、JP−A−07/76169又はJP−A−07/262604から既知であり、それらのうちの幾つかは、光学記録媒体とも関連がある。これらは、例えば、上記で開示された金属錯体アニオンと任意の所望のカチオン、例えば、上記で開示されたカチオンとの塩であってもよい。
【0146】
また好ましいものは、中性金属錯体、例えば、EP0822544、EP0844243、EP0903733、EP0996123、EP1056078、EP1130584又はUS6162520で開示された金属錯体であり、例えば下記であり、
【0147】
【化54】

【0148】
他の既知の金属錯体は、例えば、下記式の化合物により示される。
【0149】
【化55】

【0150】
更なる適切な添加剤は、例えばフェロセンのような有機金属化合物であり、例えばEP−A−0600427又はUS−A−2003/0224293のものであり、これらはいくらかの安定性を提供し、同時に分解温度を制御する。
【0151】
当業者は、どの添加剤のどのような濃度がどの目的に特に好適であるかを他の光学情報媒体から知るか、又は容易に確認するであろう。添加剤の適切な濃度は、例えば、式(I)の記録媒体に基づいて0.001〜1000重量%、好ましくは1〜50重量%である。この範囲は、式(II)の化合物にも有効である。
【0152】
本発明の記録媒体は、式(I)の化合物を含むことに加えて、塩類を追加的に含んでもよく、そのイオンは、例えば、上記で記述されたもののような、使用される化合物に由来してもよい。存在する場合、追加の塩は、好ましくは記録層の全重量に基づいて20重量%までの量で存在する。
【0153】
反射層に適切な反射材料には、特に、記録及び再生に使用されるレーザー放射の良好な反射を提供する金属が挙げられ、例えば、化学元素周期表の3〜12、13、14及び15族の金属である。Ag、Al、Au、Bi、Cd、Ce、Co、Cr、Cu、Dy、Er、Eu、Fe、Gd、Hf、Hg、Ho、In、Ir、La、Lu、Mo、Nb、Nd、Ni、Os、Pb、Pd、Pm、Pr、Pt、Rh、Ru、Sb、Sc、Sm、Sn、Ta、Tb、Ti、Tm、V、W、Y、Yb、Zn及びZr、並びにこれらの合金が特に適している。特に好ましいものは、高い反射率と容易な製造により、アルミニウム、銀、銅、金又はこれらの合金の反射層である。記録層化合物のキノイドアニオンの化学構造及び反射層の金属に応じて、湿潤環境において高温で時々境界線ができるので(潜在的な酸化還元反応)、反射層と記録層化合物の適合性を調べることが適切である。
【0154】
保護層に適切な材料には、主に、プラスチックが挙げられ、これは、支持体に薄層で適用されるか、又は最上層に直接か、若しくは接着層の助けを借りて適用される。良好な表面特性を有する機械的及び熱的に安定したプラスチックを選択することが有利であり、これは、例えば、書き込みにより更に改変されてもよい。プラスチックは、熱硬化性のプラスチック又は熱可塑性のプラスチックであってもよい。好ましくは、放射線硬化(例えば、UV放射線を使用する)保護層であり、これは製造するのに特に簡単かつ経済的である。多種多様な放射線硬化材料が知られている。放射線硬化モノマー及びオリゴマーの例は、ジオール、トリオール及びテトラオールのアクリレート及びメタクリレート、アミノ基の少なくとも2つのオルト位置にC1〜C4アルキル基を有する芳香族テトラカルボン酸及び芳香族ジアミンのポリイミド、並びにジアルキルマレインイミジル基、例えば、ジメチルマレインイミジル基を有するオリゴマーである。
【0155】
本発明の記録媒体は、また、追加の層、例えば、干渉層を有してもよい。複数(例えば、2、3、4又は5個)の記録層を有する記録媒体を構築することも可能である。その構造及びそのような材料の使用は当業者に既知である(二重層媒体は、下記でより詳細に記載されている)。存在する場合、干渉層は、好ましくは、記録層と反射層の間、及び/又は記録層と基材の間に配置され、誘電材料、例えば、EP353393に記載されているTiO2、Si34、ZnS又はシリコーン樹脂から構成される。
【0156】
本発明の記録媒体は、それ自体既知の方法により製造することができ、使用される材料及びその機能に応じて多様な被覆法を利用することが可能である。
【0157】
好適な被覆法は、例えば、浸漬、流し込み、はけ塗、ブレード塗布及びスピンコーティング、並びに高真空下で実施される蒸着法である。例えば、流し込み法が使用される場合、一般に有機溶媒中の溶液が使用される。溶媒が使用される場合、使用される支持体がこれらの溶媒に感受性がないように注意すべきである。好適な被覆法及び溶媒は、例えば、EP−401791に記載されている。
【0158】
記録層は、好ましくはスピンコーティングによる染料溶液の適用により塗布され、満足できると判明した溶媒は、特に、アルコール、例えば、2−メトキシエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アミルアルコール若しくは3−メチル−1−ブタノール、又は好ましくはフッ素化アルコール、例えば、2,2,2−トリフルオロエタノール若しくは2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、及びこれらの混合物である。他の溶媒又は溶媒混合物もまた使用することができることが理解され、例えば、EP−A−511598及びEP−A−833316で記載される溶媒混合物である。エーテル類(ジブチルエーテル)、ケトン類(2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘキサノン)、エステル類(例えば、WO−03/098617で既知の乳酸エステル)又は飽和若しくは不飽和の炭化水素類(トルエン、キシレン又はWO−03/034146で記載されているtert−ブチル−ベンゼン及び同様の化合物)は、また、場合により混合物(例えば、ジブチルエーテル/2,6−ジメチル−4−ヘプタノン)又は混合成分の形態でも使用することができる。
【0159】
スピンコーティングの当業者は、選択した固体成分を含有する、高品質であり、同時に費用効率の高い記録層をもたらす溶媒又は溶媒混合物を発見するために、一般に、慣用の全ての溶媒、並びに二成分及び三成分混合物を日常的に試すことになる。プロセス工学の既知の方法をそのような最適化工程に使用することもでき、それによって、実施される実験の数を最小限にすることができる。
【0160】
したがって本発明は、また、有機溶媒中の式(I)の化合物の溶液を、窪みを有する基材に適用する、光学記録媒体の製造方法に関する。適用は好ましくはスピンコーティングにより実施される。
【0161】
金属反射層の適用は、好ましくはスパッタリング、真空下での蒸着又は化学蒸着(CVD)により実施される。スパッタリング技術は、支持体への高度な接着を考慮すると、金属反射層の適用に特に好ましい。そのような技術は既知であり、専門家用文献(例えば、J.L. Vossen and W. Kern, "Thin Film Processes", Academic Press, 1978)に記載されている。
【0162】
本発明の記録媒体の構造は、主に読み取り方法により左右され、知られている作用原則には、透過又は好ましくは反射の変化の測定が挙げられるが、例えば、透過又は反射の代わりに蛍光を測定することも知られている。
【0163】
記録材料が反射を変化させるように構成される場合、例えば、下記の構造を使用することができる:透明支持体/記録層(場合により多層)/反射層及び適宜に保護層(必ずしも透明である必要はない)、又は支持体(必ずしも透明である必要はない)/反射層/記録層及び適宜に透明な保護層。最初の場合は、光は支持体側から入射するが、後者の場合は、放射線は記録層側から、又は適切であれば保護層側から入射する。両方の場合では、光検出器が光源と同じ側に配置されている。本発明で使用される記録材料の最初に記述された構造が一般に好ましい。
【0164】
特に、両方の記録層に記録することができ、同じ側面から読み取ることができる二重層ディスクを使用することができ、例えばDVD+R二重層又はDVD−R二重層であり、両方とも1面が8.5GBであることを特徴とする。
【0165】
「2Pプロセス」と呼ばれるそのような二重層媒体を製造する一つの方法は、以下の実施態様:透明基材/記録材料/半反射層/スピンコーティングにより適用され、透明スタンパーを介して硬化されるスペーサー層/第2記録層/反射層/接着層/第2半面ディスクを使用する。中間保護層を必要であれば導入することができる。
【0166】
「逆スタック(inverted stack)」と呼ばれる二重層媒体を製造する別の方法は、一方に以下の実施例:透明基材/記録材料/半反射層に従って半面ディスクを作製し、他方に順序が逆転した層:基材/反射層/記録材料の別の半面ディスクを作製することから構成される。次に2枚の半面ディスクを接着層により一緒に結合し、それによって、2枚の基材が最終ディスクの2面を形成する。必要であれば中間保護層を種々の場所に、例えば、記録材料と接着層の間に導入することができる。そのような技術は、WO−04/021336及びWO−04/042717に記載されている。
【0167】
当然のことながら、より多い数の記録層を持つ媒体にも同様又は類似の技術を使用することができる
【0168】
記録材料が光の透過を変化するように構成される場合、例えば、下記の異なる構造が考慮される:透明支持体/記録層(場合により多層)及び適宜に透明な保護層。記録及び読み取り用の光は、支持体側又は記録層側のいずれかから、又は適切であれば保護層側から入射することができ、この場合の光検出器は、常に反対側に配置されている。
【0169】
適切なレーザーは、600〜700nmの波長を有するものであり、例えば、602、612、633、635、647、650、670又は680nmの波長を有する市販のレーザーであり、特に半導体レーザーであり、例としては特に約635、650又は658nmの波長を有するGaAsAl、InGaAlP又はGaAsレーザーダイオードである。記録は、例えば、マークの長さに従ってレーザーを調節し、記録層に放射の焦点を合わせる、それ自体既知の方法によりポイント毎に実施される。使用に適切であるかもしれない他の方法も現在開発されていることが、専門の文献から知られている。
【0170】
本発明の方法は、極めて良好な機械及び熱安定性、高い光安定性及び鮮明なピット境界領域により際だっている、優れた信頼性及び安定性を有する情報の記憶を可能にする。特に有利な点としては、高いコントラスト、低いジッター及び驚くほど高い信号対雑音比が挙げられ、それによって優れた読み取りが達成される。高い記憶容量は、ビデオ及びマルチメディアの分野において特に貴重である。
【0171】
情報の読み取りは、例えば、"CD-Player und R-DAT Recorder"(Claus Biaesch-Wiepke, Vogel Buchverlag, Wurzburg 1992)で記載されたように、レーザー放射を使用して吸収又は反射の変化を記録する、それ自体既知の方法に従って実施される。
【0172】
本発明の情報含有媒体は、特にWORM型の光学情報材料である。例えば、再生専用DVD(デジタル多用途ディスク)として、コンピューター用記憶物質として、又は証明及び保安用カードとして、又は回析光学要素、例えばホログラムの生成のために使用することができる。
【0173】
したがって本発明は、また、本発明の記録媒体を使用する、情報の光学的記録、記憶及び再生に関する。記録及び/又は再生は、600〜700nmの範囲、好ましくは既に示されているような範囲の波長で有利に実施される。
【0174】
下記の実施例は本発明をより詳細に説明する(全ての百分率は特に指示のない限り重量に基づく)。
【0175】
実施例1:97%2−アミノ−5−ニトロチアゾール60.0gを、50%(容量)硫酸880mlに撹拌しながら23℃で溶解した。明褐色の溶液を−10℃に冷却した。40分間かけて、4N亜硝酸ナトリウム水溶液100mlを加えた。暗青緑色になった溶液を、−10〜−8℃で更に15分間撹拌した。その間、レゾルシノール48gをエタノール400mlに溶解し、−10〜−15℃に冷却した。次に得られた溶液をジアゾニウム溶液にゆっくりと加えた。直ちに濃厚の暗赤色沈殿物が形成され、温度が約0℃に上昇した。次に反応混合物を0〜5℃で更に2時間撹拌し、水500mlで希釈し、吸引により濾過した。吸引濾過物質を水4リットルで洗浄し、60℃/103Paで24時間乾燥して、下記式の赤褐色の生成物78gを得た。
【0176】
【表1】

【0177】
実施例2:実施例1の化合物25gをジメチルアセトアミド100mlに導入し、23℃で撹拌した。次に酢酸コバルト(II)四水和物12.7gを加えた。両方の出発物質をゆっくりと溶解し、ほぼ黒色の溶液が形成され、それを室温で3時間撹拌した。その時間の後に暗赤色の沈殿物が形成され、それをブフナーフィルターを通して吸引により濾過し、ジメチルアセトアミド20mlで洗浄した。吸引濾過物質を、メタノール1.2リットル中に撹拌しながら懸濁した。酢酸ナトリウム(無水)10gを添加した後、反応混合物を60〜65℃に加熱し、その温度で濾過により透明にした。濾液を、ロータリーエバポレーターを使用して200mlに濃縮し、5〜10℃に冷却すると、その時点で結晶化が始まった。沈殿物を吸引により濾過し、温度0〜5℃のメタノール50mlで洗浄した。50〜55℃/103Paで乾燥して、下記式のほぼ黒色の生成物15gを得た。
【0178】
【表2】

【0179】
実施例3:2−アミノ−5−ニトロチアゾール60.0gを、50%(容量)硫酸600ml及び氷500gに撹拌しながら溶解した。明褐色の溶液を−10℃に冷却した。108分間かけて、4N亜硝酸ナトリウム水溶液108mlを加えた。暗黒緑色となった溶液を、−12〜−10℃で更に1時間撹拌した。その間、4−クロロ−レゾルシノール64gをイソプロパノール400mlに溶解し、−5℃に冷却した。次に得られた溶液を、ジアゾニウム溶液に10分間かけて加えた。次に反応混合物を0〜室温で15時間撹拌し、吸引により濾過した。吸引濾過物質を水4リットルで洗浄し、50℃/103Paで24時間乾燥して、下記式の赤褐色の生成物90gを得た。
【0180】
【表3】

【0181】
実施例4:実施例3の化合物35gをメタノール620mlに導入し、23℃で撹拌した。次に酢酸コバルト(II)四水和物12.45gを加えた。両方の出発物質はゆっくりと溶解し、暗紫色の溶液が形成され、それを室温で15時間撹拌した。この溶液を真空下(103Pa)で約半分の容量に蒸発させ、5℃に冷却した。暗紫色の沈殿物が形成され、それをブフナーフィルターを通して吸引により濾過し、メタノール及びイソプロパノールで洗浄した。50℃/103Paで乾燥して、下記式のほぼ黒色の生成物24gを得た。
【0182】
【表4】

【0183】
実施例5(インドリウムの合成):p−トルエンスルホン酸1.53gを、メタノール10mlに撹拌しながら溶解した。無色の溶液に、メタノール10ml中の8−メトキシジュロリジン−9−アルデヒド1.86gの橙色の溶液を加えた。次に1,3,3−トリメチル−2−メチレンインドリン1.39gを、黄赤色になった溶液に加えると、紫色になり、それを23℃で15時間撹拌した。溶媒を103Paで蒸発させて、紫色の液体4.67gを得た。生成物をジクロロメタンに溶解し、濾過し、溶媒を103Paで蒸発させて、下記式の鮮やかな紫色の結晶4gを得て、それを次の工程(実施例12)に直接使用した。
【0184】
【化56】

【0185】
実施例6:98%硫酸4.5mlを、温度を25℃の近く保持するためにいくらか冷却しながら、撹拌下でエタノール46mlに溶解した。4−クロロ−フェニルヒドラジン塩酸塩8gを加え、続いて3−メチル−2−ペンタノン6.5mlを加えた。次に反応媒質を75℃で15時間撹拌した。23℃に冷却した後、減圧下で一部のエタノールを蒸発させ、5%NaOH水溶液60mlをゆっくりと加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、この有機相を減圧下で蒸発させて、暗橙色の油状物9.1gとした。下記式の生成物を粗のままで次の工程(実施例6及び35)に使用した。
【0186】
【表5】

【0187】
実施例7:実施例6の粗物質をクロロホルム18mlに溶解し、ヨウ化メチル3.7mlを加えた。次に反応媒質を18時間加熱還流した。次に0℃に冷却し、この温度で濾過した。得られた固体を冷アセトンで洗浄して、下記式のベージュ色の化合物11.2gを得た。
【0188】
【表6】

【0189】
実施例8:実施例7の化合物2.1gをメタノール40mlに溶解した。2−メトキシ−4−ジエチルアミノ−ベンズアルデヒド1.24gを加えた。溶液を4.5時間還流した。23℃に冷却した後、溶液を減圧下で蒸発させて、下記式の暗緑色の粗化合物3.5gを得た。
【0190】
【表7】

【0191】
実施例9:98%硫酸10mlを、温度を25℃の近く保持するためにいくらか冷却しながら、撹拌下でエタノール105mlに溶解した。4−クロロ−フェニルヒドラジン塩酸塩17.9gを加え、続いてシクロヘキシルメチルケトン15.1gを加えた。次に得られたピンク−ベージュ色の懸濁液を75℃で15時間撹拌した。23℃に冷却した後、減圧下で一部のエタノールを蒸発させ、5%NaOH水溶液130mlをゆっくりと加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、この有機相を減圧下で蒸発させて、暗褐色の油状固体24.8gを得た。下記式の生成物を粗のままで次の工程(実施例10)に使用した。
【0192】
【表8】

【0193】
実施例10:実施例9の化合物23.3gをクロロホルム40mlに溶解した。次にヨウ化メチル8.7mlを加えた。次に溶液を4時間加熱還流し、さらに40mlのクロロホルムを加えることが必要になった。残りの手順は実施例7と同様であり、下記式の明るいベージュ色の固体18.4gを得た。
【0194】
【表9】

【0195】
実施例11:実施例10の化合物2.25gをメタノール40mlに溶解した。p−モルホリノ−ベンズアルデヒド1.15gを加え、溶液を5時間加熱還流した。23℃に冷却した後、溶液を減圧下で蒸発させて、下記式の緑色を帯びた粗化合物3.4gを得た。
【0196】
【表10】

【0197】
実施例12(塩の合成):実施例4の生成物1gをメタノール20mlに23℃で加えた。メタノール10ml中の実施例5の生成物0.82gの溶液を加え、得られた溶液を23℃で15時間撹拌して、紫色の懸濁液を得た。水を懸濁液に加え、有機溶媒を減圧下(103Pa)で除去した。生成物をブフナーフィルターを通して吸引により濾過し、水で洗浄した。40℃/103Paで乾燥して、下記式のほぼ黒色の生成物1.27gを得た。
【0198】
【表11】

【0199】
実施例13:生成物を、実施例4の生成物0.81g及び実施例8の生成物0.64gから出発して、実施例12の方法に従って調製した。生成物は、下記式の暗褐色の粉末であった。
【0200】
【表12】

【0201】
実施例14:実施例12の化合物1.5gを1−メトキシ−2−プロパノール98.5gに溶解し、Teflon(商標)フィルター0.2μmを通して濾過した。次に染料溶液を1.2mm厚のポリカーボネート平面ディスク(直径120mm)に250回転/分で塗布し、回転速度を1200回転/分に上げると、過剰溶液が振り落とされ、均一の固体層が形成された。乾燥した後、固体層の層厚及び複素屈折率を、光学測定システム(ETA-RT(商標)、Steag ETA-Optik GmbH)を使用する分光透過及び反射測定を用いて決定した。658nmにおいて、染料層は、屈折率nの2.65、及び吸光係数kの0.14を有した。光安定性は、較正キセノンランプ(Hanau)により決定され、24時間の照射の後の吸収の相対的減少−D24は、29%であった。
【0202】
実施例15:実施例13の化合物1.5重量%を2,2,3,3−テトラフルオロプロパノールに溶解し、ポリカーボネート平面基材にスピンコーティングにより塗布した。固体層の膜厚及び光学定数を、実施例14と同じ方法によって決定した。50nm厚の固体フィルムのλmaxは587nmにおいてであり、屈折率nは2.95及び吸光係数kは1.32であった。658nmにおいて、染料層は、屈折率nの2.47及び吸光係数kの0.06を有し、吸収の相対的減少−D24は6%であった。したがって、染料フィルムは、高い光安定性もあり、驚くほど高い屈折率も有する。
【0203】
実施例16:実施例15と密接に類似して手順を進めたが、実施例4の化合物を実施例13の化合物の代わりに使用する点が異なっていた。50nm厚の固体フィルムのλmaxは565nmにおいてであった。658nmにおいて、染料層は、屈折率nの2.54及び吸光係数kの0.11を有し、吸収の相対的減少−D24は8%であった。
【0204】
実施例17:4−(ジエチルアミノ)サリチルアルデヒド1g及び炭酸カリウム1.4gをアセトン25mlに懸濁した。フェロセンカルボン酸塩化物1.9gを滴加した。次に反応を23℃で48時間撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、水で洗浄した。有機相の硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶媒の蒸発によって、赤褐色の油状をもたらし、それをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、下記式の赤色化合物0.7gを得た。
【0205】
【表13】

【0206】
実施例18:実施例17の化合物0.7g及び実施例7の化合物0.59gをメタノール25mlに溶解した。溶液を16時間加熱還流した。23℃に冷却した後、溶液を300Paで蒸発させて、下記式の暗青色の粗化合物1.3gを得て、
【0207】
【化57】

【0208】
それを直接使用して、実施例282の化合物を形成した。
【0209】
実施例19:3,4,5−トリフルオロベンジルブロミド5g及びヨウ化カリウム8gをアセトン50mlに懸濁した。反応を5時間加熱還流した。23℃に冷却した後、混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機相を炭酸ナトリウムの溶液で洗浄した。有機相の硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶媒の蒸発によって、3,4,5−トリフルオロベンジルヨージド4gを黄色の油状物としてもたらし、それを次の工程に直接使用した。
【0210】
3−エチル−1,2,3−トリメチル−3H−インドリウムヨージド2.55gをメチルエチルケトン20mlに溶解した。3,4,5−トリフルオロベンジルヨージド4gをシリンジを介して加えた。混合物を15時間加熱還流した。
【0211】
2−メトキシ−4−ジエチルアミノ−ベンズアルデヒド3.35gを加え、混合物を7時間更に加熱還流した。10℃に冷却した後、混合物を濾過し、固体を冷アセトンで洗浄して、下記式の化合物3.19gを得て、
【0212】
【化58】

【0213】
それを直接使用して、実施例20の化合物を形成した。
【0214】
実施例20:生成物を、実施例2の生成物2.92g及び実施例19の生成物3.19gから出発して、実施例12の方法に従って調製した。生成物は、下記式の暗緑色の粉末であった。
【0215】
【表14】

【0216】
固体化合物の光学パラメーターは実施例279を参照すること。
【0217】
実施例21:生成物を、2−アミノ−5−ニトロチアゾール4.35g及び4−ヘキシルレゾルシノール5.24gから出発して、実施例1と同様に調製して、下記式の紫色の粉末7.6gを得た。
【0218】
【表15】

【0219】
実施例22:生成物を、実施例21の生成物7g及び酢酸コバルト(II)2.49gから出発し、実施例2と同様に調製して、下記式の暗緑色の粉末3gを得た。
【0220】
【表16】

【0221】
実施例23:m−アニシジン28.52g及びトリ−プロピルホスフェート50.5gを、240℃で2時間加熱した。150℃に冷却した後、30%NaOH水溶液50mlをゆっくりと加えた。混合物を水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機相の硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶媒の蒸発によって、褐色の油状物48.9gをもたらし、それをクロマトグラフィー(ヘキサン)により精製して、下記式の無色の油状物27.65gを得た。
【0222】
【表17】

【0223】
実施例24:三塩化リン8.43gを、ジメチルホルムアミド(DMF)30mlに−10℃で滴加した。混合物を0℃で20分間撹拌した。DMF 10ml中の実施例23の生成物12.65gの溶液を加え、混合物を110℃で2時間加熱した。23℃に冷却した後、混合物を氷に注ぎ、重炭酸ナトリウムで中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機相の硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶媒の蒸発によって、褐色の粘性油状物12.6gをもたらし、それをクロマトグラフィー(ヘキサン 酢酸エチル5:1)により精製して、下記式の黄色の固体10.55gを得た。
【0224】
【表18】

【0225】
実施例25:実施例51の化合物3.46g及びヨウ化プロピル5.2gを、密閉容器中、120℃で18時間加熱した。23℃に冷却した後、混合物をヘキサンとアセトンの2:1混合物で希釈し、0℃に冷却し、濾過して、下記式のベージュ色の固体5.15gを得た。
【0226】
【表19】

【0227】
実施例26:生成物を、実施例24の生成物1.03g及び実施例25の生成物0.7gから出発して、実施例11の方法に従って調製した。実施例246の生成物を調製するのに直接使用される生成物は、下記式の暗紫色の粉末であった。
【0228】
【表20】

【0229】
実施例27:ボラン・ジメチルスルフィド錯体14.44gを、テトラヒドロフラン(THF)80ml中のN−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−アセトアミド21.5gの溶液に30分かけて加えた。混合物を100℃に加熱した。溶媒及びジジメチルスルフィドを蒸留した。23℃に冷却した後、20%HCl水溶液40mlを加え、混合物を100℃で30分間加熱した。0℃に冷却した後、30%NaOH水溶液25mlを加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相の硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶媒の蒸発によって、下記式の緑色を帯びた結晶21.2gを得た。
【0230】
【表21】

【0231】
実施例28:実施例27の化合物21gをピリジン80mlに溶解した。無水酢酸33.7mlを40分かけて加え、混合物を23℃で30分間撹拌した。混合物を水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機相の硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶媒の蒸発によって、下記式の灰色の結晶13.3gをもたらした。
【0232】
【表22】

【0233】
実施例29:実施例28の生成物13.3gをジクロロメタン110mlに溶解し、溶液を0℃に冷却した。四塩化チタン21.2gを20分かけて加え、混合物を0℃で2時間撹拌した。次に混合物を−78℃に冷却し、ジクロロメチルメチルエーテル9gを10分間かけて加えた。混合物を−78℃で1時間撹拌し、次に23℃に温めた。溶液を水に注いだ後、濃HCl 20mlを加えた。有機相を分離し、減圧下(103Pa)で蒸発させて、褐色樹脂を得て、それをクロマトグラフィーにより精製して、下記式の黄色を帯びた固体16.1gを得た。
【0234】
【表23】

【0235】
実施例30:実施例29の生成物2g及びナトリウムメチラート(メタノール中5.4M溶液)0.44mgをメタノール21mlに溶解した。溶液を23℃で10日間撹拌した。溶液を水に注いだ後、混合物を二塩化メチレンで抽出した。有機相の硫酸ナトリウムでの乾燥及び溶媒の蒸発によって、下記式のベージュ色の固体1.5gをもたらした。
【0236】
【表24】

【0237】
実施例31:実施例11の方法に従うが、実施例30の生成物0.32g及び3−エチル−1,2,3−トリメチル−3H−インドリウムヨージド(実施例7と同様に調製)0.21gから出発して、手順を進めた。生成物は、下記式の暗紫色の粉末であり、
【0238】
【化59】

【0239】
それを直接使用して、実施例254の生成物を調製した。
【0240】
【表25】

【0241】
実施例32:1,2−ビス−ブロモアセトキシ−エタン(Phosphorus, Sulfur Silicon Relat. Elem. 143, 191 [1998]に従って調製)2g及び4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンズアルデヒド2.79gを、メチルエチルケトン20mlに懸濁した。臭化カリウム2.24g及びヨウ化カリウム70mgを少量ずつ加え、明褐色の懸濁液を24時間加熱還流した。反応混合物を20℃に冷却し、濾過し、ロータリー蒸発により濃縮して、褐色の残渣3.66gを得て、それを酢酸エチル/ヘキサンの反復結晶化により精製して、下記式の純粋な化合物(油状物)を得た。
【0242】
【表26】

【0243】
実施例33:実施例32の化合物0.42g及び実施例7の化合物0.56gをメタノール15mlに懸濁し、15時間加熱還流した。蒸発させた後、下記式の生成物0.92gを、
【0244】
【化60】

【0245】
暗紫色の固体として得て、それを更に精製しないで実施例34に使用した。
【0246】
【表27】

【0247】
実施例34:1−メトキシ−2−プロパノール12g中の実施例2のコバルト錯体0.65gの溶液を、メタノール15ml中の実施例33の生成物0.7gの溶液に滴加した。混合物を23℃で18時間撹拌し、次に、水とメタノールの2:1混合物に注いだ。沈殿物を焼結ガラスフィルターで濾過し、水で洗浄し、103Paで乾燥して、下記式の緑色を帯びた黒色生成物0.72gを得た。
【0248】
【表28】

【0249】
固体化合物の光学パラメーターは実施例276を参照すること。
【0250】
実施例35:3−メチル−4−フェニル−2−ブタノン(Bull. Chem. Soc. Jpn. 62, 4072 [1989]に従って調製)2.5gを、4−クロロフェニル−ヒドラジン塩酸塩2.36gと、実施例6の方法に従って反応させて、下記式の褐色を帯びた黄色の粗油状物3.7gを得た。
【0251】
【表29】

【0252】
実施例36:実施例35の化合物3.2gを実施例7の方法に従ってヨウ化メチルによりアルキル化して、下記式のベージュ色の粉末1.6gを得て、
【0253】
【化61】

【0254】
それを直接使用して、実施例37の化合物を形成した。
【0255】
【表30】

【0256】
実施例37:実施例36の化合物1.36gを実施例8の方法に従って2−メトキシ−4−ジエチルアミノ−ベンズアルデヒド0.68gで処理して、下記式の暗色の粗粉末2.0gを得て、
【0257】
【化62】

【0258】
それを次の工程(実施例38)に直接使用した。
【0259】
【表31】

【0260】
実施例38:実施例12の方法に従って、実施例37の生成物2.0gを実施例2のコバルト錯体2.02gで処理した。水で洗浄し、乾燥した後、下記式の緑色を帯びた黒色生成物2.56gを得た。
【0261】
【表32】

【0262】
固体化合物の光学パラメーターは実施例275を参照すること。
【0263】
実施例39:1,1,2,3−テトラメチル−ベンゾインドリニウムヨージド2.5gをメタノール25ml中、23℃で撹拌した。4−ジエチルアミノベンズアルデヒド1.4gを加えた。混合物を60℃に加熱し、この温度で3時間撹拌した。下記式の化合物を含有する、得られた紫色の溶液を直接使用して、実施例40の生成物を調製した。
【0264】
【化63】

【0265】
実施例40:生成物を、実施例2の生成物及び実施例39の生成物から出発して、実施例12の方法に従って調製した。生成物は、下記式の暗緑色の粉末であった。
【0266】
【表33】

【0267】
固体化合物の光学パラメーターは実施例201を参照すること。
【0268】
実施例41:4−フルオロ−アニリン111gを水500ml中で撹拌し、37%塩酸212.5mlを加えた。混合物を−5℃に冷却した。4N亜硝酸ナトリウム水溶液252mlを50分以内で加えた。反応混合物を0℃〜5℃で2時間撹拌した。橙色の溶液を、水750ml中のイミダゾール74.8gの冷却溶液に30分以内で加えた。この添加の間、温度を0℃〜5℃の間に保ちながら、水酸化ナトリウムの30%水溶液161.5mlの添加によりpHを10.5に保持した。反応混合物を室温(23℃)で一晩(18時間)撹拌した。橙色の沈殿物を濾過し、水5リットルで洗浄した。
【0269】
湿潤フィルターケーキを水700ml中、室温で撹拌した。硫酸ジメチル266.5mlを5時間以内で加えた。この添加の間、温度を25℃〜30℃の間に保ちながら、水酸化ナトリウムの30%水溶液155mlの添加によりpHを10に保持した。反応混合物を23℃で2時間撹拌した。塩化ナトリウム500g及び塩化カリウム250gを加えると、生成物の沈殿を生じた。反応混合物を一晩撹拌し、濾過し、ブライン(20%)1.5リットルで洗浄した。濾過した物質を50℃/103Paで24時間乾燥して、橙色の生成物324gを得て、それをメタノール1リットルに溶解し濾過した。溶液をジメチルホルムアミド350mlで希釈し、メタノールを103Pa/40℃で蒸発させた。沈殿物をアセトン350mlで希釈し、5℃に冷却し、濾過し、アセトン500mlで洗浄した。濾過された物質を50℃/103Paで24時間乾燥して、下記式の赤みを帯びた褐色の生成物227.1gを得た。
【0270】
【表34】

【0271】
実施例42:実施例41の化合物21.9gをメタノール100ml中、23℃で撹拌した。フルオロアニリン13.3g及び酢酸ナトリウム19.6gを加えた。反応を18時間撹拌し、メタノールを103Paで蒸発させた。粘性の残渣を塩化ナトリウムの5%水溶液200ml中で撹拌した。形成された固体を濾過し、塩化ナトリウムの5%水溶液100mlで洗浄した。濾過された物質を50℃/103Paで24時間乾燥して、下記式のほぼ黒色の生成物26gを得て、
【0272】
【化64】

【0273】
それを直接使用して、実施例198の生成物を調製した。
【0274】
【表35】

【0275】
実施例43:生成物を、2−フルオロアニリン12.4g及びイミダゾール7.4gから出発して、実施例41の方法に従って調製した。下記式の化合物27gを
【0276】
【化65】

【0277】
得て、それを直接使用して、実施例44の生成物を調製した。
【0278】
実施例44:トリエチルアミン4gを、2,2−ジメチル−1,3−ジアミノ−プロパン2.04g、イソプロパノール100g及び実施例43の化合物14.3gの撹拌された混合物に23℃で加えた。混合物を60℃で6時間、22℃に冷却しながら4時間撹拌した。反応塊を濾過した。ケーキを、イソプロパノール30mlで洗浄し、50℃/103Paで24時間乾燥して、下記式の赤みを帯びた紫色の生成物12gを得て、それを直接使用して、実施例215の生成物を調製した。
【0279】
【表36】

【0280】
実施例45:無水酢酸ナトリウム3.3g及びα,α′−ジアミノ−p−キシレン2.72gを、イソプロパノール270ml中の実施例41の化合物13.7gの溶液に23℃で加えた。反応混合物を65〜70℃で18時間撹拌した。イソプロパノールを40℃/103Paで蒸発させ、残渣を水100mlに溶解した。塩化ナトリウム10gを加えて生成物を沈殿させた。濾過及び塩化ナトリウムの5%水溶液100mlによる洗浄によって固体を得て、それを水40ml中で10分間撹拌した。濾過及び50℃/103Paで24時間乾燥して、下記式の暗赤色を帯びた褐色の生成物5.5gを得て、
【0281】
【化66】

【0282】
それを直接使用して、実施例232の生成物を調製した。
【0283】
【表37】

【0284】
実施例46:生成物を、2−アミノ−4,5−ジシアノ−イミダゾール26.6g及びレゾルシノール22gから出発して、実施例1と同様に調製した。生成物は、下記式の橙色の粉末であった。
【0285】
【表38】

【0286】
実施例47:実施例46の化合物10.1gを1−メトキシ−2−プロパノール200mlに23℃で溶解した。メタノール50mlに溶解した無水酢酸ナトリウム3.3gを加え、続いて酢酸コバルト(II)四水和物5gを加えた。混合物を3時間撹拌し、蒸発させ、残渣を水100mlに溶解した。塩化ナトリウム10gを加え、溶液を5℃で18時間保持した。沈殿物を濾過し、塩化ナトリウム5%水溶液20mlで洗浄した。乾燥すると、下記式のほぼ黒色の生成物9gを得た。
【0287】
【表39】

【0288】
実施例48:生成物を、(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルスルファミル)−アセトニトリル14.6g及びレゾルシノール10gから出発して、実施例1と同様に調製した。生成物は、下記式の橙色の粉末であった。
【0289】
【表40】

【0290】
実施例49:生成物を、2−アミノベンズチアゾール15g及びレゾルシノール12.1gから出発して、実施例1と同様に調製した。生成物は、下記式の橙色の粉末であった。
【0291】
【表41】

【0292】
実施例50:実施例1の化合物33.3gを、メタノール550ml中、撹拌しながら23℃で溶解した。赤色の懸濁液に、酢酸ナトリウム10.25gを加えた。紫色になった溶液を室温で3時間撹拌した。溶液を吸引により濾過し、真空下で蒸発させ、50℃/103Paで12時間乾燥した後で、下記式の黒色の粉末30.76gを得た。
【0293】
【表42】

【0294】
実施例51:98%硫酸25mlを、温度を25℃の近く保持するためにいくらか冷却しながら、撹拌下でエタノール260mlに溶解した。フェニルヒドラジン塩酸塩28.1gを加え、続いて3−メチル−2−ペンタノン38.3mlを加えた。次に反応媒質を75℃で3時間撹拌した。23℃に冷却した後、減圧下で一部のエタノールを蒸発させ、5%NaOH水溶液200mlをゆっくりと加えた。水相を酢酸エチルで抽出し、この有機相を減圧下で蒸発させて、褐色の樹脂41.8gとした。下記式の生成物を粗のままで次の工程(実施例52)に使用した。
【0295】
【表43】

【0296】
実施例52:実施例51の粗物質をクロロホルム150mlに溶解し、ヨウ化メチル20mlを加えた。次に反応媒質を4時間加熱還流した。次に0℃に冷却し、この温度で濾過した。得られた固体を冷アセトンで洗浄して、下記式のベージュ色の化合物45gを得た。
【0297】
【表44】

【0298】
実施例53:実施例52の化合物8gをメタノール200mlに溶解した。4−ジエチルアミノ−サリチルアルデヒド4.8gを加えた。溶液を4時間還流し、室温で18時間撹拌し、次に容量を220mlに調整し、実施例54に直接使用した。分析用試料を103Paで蒸発させて、下記式の暗紫色の粗化合物を得た。
【0299】
【表45】

【0300】
実施例54(塩の合成):実施例50の生成物0.3gをメタノール20mlに23℃で加えた。純粋な化合物0.5gに対応する実施例53の溶液8.8mlを加え、得られた溶液を23℃で2時間撹拌して、紫色の懸濁液を得た。水15mlを懸濁液に加え、生成物をブフナーフィルターを通して吸引により濾過し、メタノールと水の1:1混合物で洗浄した。50℃/103Paで乾燥して、下記式のほぼ黒色の生成物0.24gを得た。
【0301】
【化67】

【0302】
この化合物と実施例88の化合物の混合物から製造される固体層の光学パラメーターは実施例288を参照すること。
【0303】
実施例55〜293:実施例14及び15と同様にして、下記の化合物を使用することにより、記録層のλmax(固体フィルム)、n−及びk−値(Steag ETA-Optikを使用)、並びに光安定性(較正キセノンランプ/Hanauによる24時間の照射後の吸収の相対的減少−D24)を決定した。
【0304】
【表46】























































































【0305】
実施例294:実施例13の化合物1.48gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解し、孔径0.2μmを有するTeflon(商標)フィルターを通して濾過した。次に染料溶液を、直径120mmを有する0.6mm厚の溝付きポリカーボネートディスク(溝深さ164nm、溝幅380nm、トラックピッチ0.74mm)の表面に250回転/分で塗布した。回転速度を上げて、過剰量の溶液を振り落とした。溶媒を蒸発させると、染料が、均一で無定形の固体層の形態で後に残った。乾燥を、空気循環炉中、70℃で20分間実施した。次に、真空被覆装置(Twister(商標)、Balzers Unaxis)において厚さ120nmの銀層をスパッターコーティングにより記録層に塗布した。次にUV硬化性の感光性ポリマー(LMD2277(商標)、Vantico/Huntsman)の接着層をスピンコーティングにより塗布し、第2のポリカーボネートディスク(厚さ0.6mm、直径120mm)をそれに接着結合した。最終ディスクは658nmで45%の反射率を有した。市販の試験装置(DDU-1000(商標)、Pulstec Japan)において、波長658nmのレーザーダイオードを使用して、約3.5m・s-1(3.49=1×)及び28m・s-1(8×)の速度でマークを活性層に書き込んだ。次に、市販の試験装置(DVD Pro, Audio Dev)により、次の動的パラメーターを決定した:データ−クロック(DTC)ジッター、R14H、I14/I14H、非対称。書き込み戦略のルーチン最適化の後、特に低い値のDTCジッターを得た。
【0306】
【表47】

【0307】
性能は、低速(1×)及び高速(8×)の両方の記録速度で優れていた。
【0308】
実施例295〜533:実施例294と類似して手順を進めたが、実施例13の化合物を実施例55〜293の化合物に代えた点が異なっていた。それぞれの記録媒体の性能を、1×(3.5m・s-1)、2×(7m・s-1)、4×(14m・s-1)、8×(28m・s-1)及び16×(56m・s-1)の記録及び再生速度で試験した。
【0309】
実施例534:実施例88の化合物1.48gを2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール100mlに溶解し、孔径0.2μmを有するTeflon(商標)フィルターを通して濾過した。次に染料溶液を、直径120mmを有する0.6mm厚の溝付きポリカーボネートディスク(溝深さ165nm、溝幅370nm、トラックピッチ0.74mm)の表面に500回転/分で塗布した。回転速度を3500回転/分まで上げて、過剰量の溶液を振り落とした。溶媒を蒸発させると、染料が、均一で無定形の固体層の形態で後に残った。乾燥を、空気循環炉中、70℃で20分間実施した。次に、真空被覆装置(Twister(商標)、Balzers Unaxis)において厚さ120nmの銀層をスパッターコーティングにより記録層に塗布した。次にUV硬化性の感光性ポリマー(LMD2277(商標)、Vantico/Huntsman)の接着層をスピンコーティングにより塗布し、第2のポリカーボネートディスク(厚さ0.6mm、直径120mm)をそれに接着結合した。最終ディスクは、658nm及び半径25mmで48%の反射率を有した。市販の試験装置(ODU-1000(商標)、Pulstec Japan)において、波長658nm及び開口数0.65のレーザーダイオードを使用して、8.38m・s-1(2.4×)、27.92m・s-1(8×)及び55.84m・s-1(16×)の速度でマークを活性層に書き込んだ。次に以下の動的パラメーターを同じディスクで決定した:データ−クロック(DTC)ジッター、R14H、I14/I14H、レーザー出力。書き込み戦略のルーチン最適化の後、特に低い値のDTCジッターを得た。
【0310】
【表48】

【0311】
性能は、低速(2.4×)から高速(16×)の記録速度で優れていた。
【0312】
実施例294〜534の本発明の光学記録媒体は、DVD+RとDVD−Rの両方のフォーマットに互換性があった。とりわけ、溝深さが150〜190nmであり、溝幅が0.35〜0.40μmであり、好ましくは溝深さが160〜180nmであり、溝幅が0.36〜0.39μmであり、最も好ましくは溝深さが165〜172nmであり、溝幅が0.37〜0.38μmであり、好ましくは溝側壁角の60〜85°、より好ましくは65〜80°、最も好ましくは70〜75°と組み合わされると、特に高い記録速度で優れた結果を得た。
【0313】
実施例535〜540:実施例534と類似して手順を進めたが、実施例88の化合物を実施例68、168、188、208、268又は280の化合物に代えた点が異なっていた。それぞれの記録媒体の性能を、2.4×(8.38m・s-1)及び16×(56m・s-1)の記録速度で試験した。16×速での記録を市販のDVD+/−Rドライブ(BenQ 1620)で行い、別の基準試験装置(DVD Pro, Audio Dev AB)で試験した以外は、実施例534で記載されたものと同じ試験手順に従い、高速記録に適した感度(レーザー出力)で低速(2.4×)から高速(16×)の記録速度で良好な性能を示した。
【0314】
【表49】

【0315】
比較例:記録層のλmax(固体フィルム)、n−及びk−値、並びに光安定性を、実施例55〜293と同様ではあるが、EP−A−1170339の実施例8と緊密に類似している化合物から構成される層を使用するが、両方のイミダゾールが脱プロトン化され、コバルトがより高い酸化状態(+3)であり、六座配位されている点が異なる層を使用して決定した。
【0316】
【表50】

【0317】
次に、上記の実施例541の比較化合物を、2.4×(8.38m・s-1)及び12×(42m・s-1)の記録速度で同じ装置(ODU-1000, Pulstec Co, Japan)によって実施例88の本発明化合物と比較する以外は、実施例534で記載されたものと同じ手順に従った。両方の記録媒体の性能は以下である。
【0318】
【表51】

【0319】
EP−A−1170339の実施例8と緊密に類似している化合物は、低速(2.4×)から高速(16×)の記録速度でかなり劣悪なマーク形成(より高いジッター)を示した。更に、この化合物は、より高い記録速度で感度が著しく低く、明らかに機能していなかった(高すぎるジッター、低すぎる変調)。
【0320】
実施例は、本発明の基R2の素生及びキノイド構造を形成するそれらの能力が、特に高い記録速度で満足できる感度及び記録特性を得るために必須であることを明白に示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材、反射層、及び記録層を含み、記録層が式(I):
【化1】


で示される化合物、又はその共鳴若しくは互変異性形態を含む光学記録媒体〔式中、
1は、酸化状態+3の金属カチオン、金属が酸化状態+4であるヒドロキシ若しくはハロゲノ金属基、又は金属が酸化状態+5であるオキソ金属基であり;
【化2】


は、互いに独立して、下記式:
【化3】


であり;
【化4】


は、下記式:
【化5】


であり;
【化6】


は、下記式:
【化7】


又は、非置換であるか又はR10、R11、R12及び/若しくはR13で一置換又は多置換されているC2〜C8ヘテロアリールであり;
1は、N又はCR18であり、Q2は、N又はCR19であり、Q3、Q5及びQ7は、互いに独立して、CR2021、O、S又はNR22であり、Q4は、CR16又はNであり、そしてQ6は、CR17又はNであり;
1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R15、R16、R17、R18及びR19は、それぞれ他の全てと独立して、H、ハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR26、NR22CONR2627、NR22CN、OSiR222528、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627、SO222、SO2NR2627、SO326、PO(OR22)(OR25)か;C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル又はC2〜C5ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR23、NR22CONR2627、NR22CN、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627及び/若しくはSO226で一置換又は多置換されているか;又はC7〜C11アラルキル、C6〜C10アリール又はC1〜C8ヘテロアリールであり、それぞれ非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2224、COR22、NO2、CN及び/若しくはCOOC1〜C4アルキルで一置換又は多置換されているか;或いは
15とR16又はR15とR17は、一緒に対になって、下記式:
【化8】


であり、それによりそれらが結合している2個の隣接する炭素と一緒になってフェニル環を形成し;
2及び/又はR6は、O、S又はNR33であり;
14は、C1〜C12アルキル、C3〜C12シクロアルキル、C1〜C12ヘテロシクロアルキル、C2〜C12アルケニル、C3〜C12シクロアルケニル、C4〜C12ヘテロシクロアルケニル、C7〜C12アラルキル、C1〜C9ヘテロアリール、C2〜C11ヘテロアラルキル、C6〜C12アリール、又は1〜5個の非連続酸素及び/若しくは硫黄原子で、及び/又は1〜5つの同一若しくは異なる基NR22で中断されているC1〜C12アルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR26、NR22CONR2627、NR22CN、OSiR222528、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627、SO222、SO2NR2627、SO326若しくはPO(OR22)(OR25)で一置換又は多置換されており;
20及びR21は、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C7〜C12アラルキル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル又はC2〜C11ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR23、NR22CONR2627、NR22CN、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627及び/若しくはSO226で一置換又は多置換されているか;或いは
20及びR21は、一緒になって、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン、又は1〜5個の非連続炭素原子を酸素及び/若しくは硫黄原子で、及び/又は同一若しくは異なる基NR22で置き換えることができるC2〜C12シクロアルキレンであり、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン又はC2〜C12シクロアルケニレンは、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2224、NR22COR25、NR22COOR23、NR22CONR2627、NR22CN、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN、COOR23、CONR2627及び/若しくはSO226で一置換又は多置換されており;
22、R25及びR28は、互いに独立して、水素か;C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、〔C2〜C3アルキレン−O−〕k−R34又は〔C2〜C3アルキレン−NR35−〕k−R34であり、それぞれ非置換であるか又はハロゲンで一置換又は多置換されているか;或いはベンジルであり;
23は、それぞれ他のいずれかのR23と独立して、R24又はR33、好ましくはHであり;
24、R26及びR27は、互いに独立して、Hか;C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル又はC2〜C5ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR23、SR23、NR2228、CN及び/若しくはCOOR22で一置換又は多置換されているか;又はC6〜C10アリール、C7〜C11アラルキル又はC1〜C8ヘテロアリールであり、それぞれ非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2225、COR22、CR22OR25OR28、NO2、CN及び/若しくはCOOR28で一置換又は多置換されているか;或いは
NR2224、NR2225、NR2528又はNR2627は、5員又は6員複素環であり、これは更にN又はO原子を含有してもよく、そしてメチル又はエチルで一置換又は多置換されていることができ;
29、R30、R31及びR32は、互いに独立して、H、C1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2224、COR22、NO2、CN及び/又はCOOC1〜C4アルキルであり;
33は、COR24、CONR2627、CN、SO2NR2627又はSO226であり;
34及びR35は、互いに独立して、メチル、エチル、ビニル及び/又はアリルであり;
1、R3、R4、R5、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R22、R23、R24、R25、R26、R28、R29、R30、R31、R32、R34及びR36からなる群よりそれぞれ選択される同一又は異なる置換基のラジカルが、直接結合を介してか又は−O−、−S−若しくは−N(R35)−架橋を介して、互いに対として1回以上結合して、場合により、式(I)の同一又は異なる部分を2つ以上含む二量体、三量体又はオリゴマーを形成することが可能であり;
kは、1、2、3又は4の整数であり;そしてnは、1、2又は3の整数である〕。
【請求項2】
3が、下記式:
【化9】


を表わす下記式:
【化10】


で示されるSであり、及び/又はQ3が、下記式:
【化11】


を表わす下記式:
【化12】


で示されるCR2021、好ましくはC3〜C6アルキリデン又はC3〜C6シクロアルキリデン、より好ましくは1−シクロヘキシリデン又は2−ブチリデン、最も好ましくは2−ブチリデンである、請求項1記載の光学記録媒体。
【請求項3】
2及び/又はR6が、O、S、N−CN又はN−SO2CF3、好ましくはOである、請求項1又は2記載の光学記録媒体。
【請求項4】
3及び/又はR7が、H、ハロゲン、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO323、NCO又はSCN、好ましくはHである、請求項1、2又は3記載の光学記録媒体。
【請求項5】
1又はG2を含む複素環において、R15及びR17のうちの少なくとも1つ、特にR15が、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、CR22OR25OR28、CONR2627、SO222、SO323、SO2NR2627又はPO(OR22)(OR25)、最も好ましくはCF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO222及び/又はSO323であるか、或いはR15及びR17が、非置換又は置換されているのいずれか、好ましくは非置換であるか又はCF3、NO2、CN、COR22、COOR23及び/若しくはSO323で置換されているブタジエニレンである、請求項1、2、3又は4記載の光学記録媒体。
【請求項6】
3を含む複素環において、R16が、H又はFであるか、或いはR15と一緒になって、非置換又は置換されているのいずれか、好ましくは非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR23、SR23、NR2225、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO222及び/若しくはSO323の1つ以上で置換されているブタジエニレンである、請求項1、2、3、4又は5記載の光学記録媒体。
【請求項7】
5及びQ7がSである、請求項1、2、3、4、5又は6記載の光学記録媒体。
【請求項8】
1が、Al3+、As3+、Au3+、Bi3+、Ce3+、Co3+、Cr3+、Dy3+、Er3+、Eu3+、Fe3+、Gd3+、Ho3+、Ir3+、La3+、Lu3+、Mn3+、Mo3+、Nb3+、Nd3+、Pm3+、Pr3+、Rh3+、Ru3+、Sb3+、Sc3+、Sm3+、Ta3+、Tb3+、Ti3+、〔TiCl〕3+、〔TiOH〕3+、Tm3+、V3+、〔VO〕3+、W3+、Y3+、Yb3+、〔ZrCl〕3+又は〔ZrOH〕3+、好ましくはCo3+又はCr3+である、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の光学記録媒体。
【請求項9】
nが0又は1である、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の光学記録媒体。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の光学記録媒体が使用され、記録及び/又は再生が、600〜700nm、好ましくは630〜690nm、より好ましくは640〜680nm、とりわけ650〜670nm、特に658±5nmの範囲の波長で実施される、情報の光学記録又は再生の方法。
【請求項11】
溝深さが150〜190nmであり、溝幅が0.35〜0.40μmであり、好ましくは溝深さが160〜180nmであり、溝幅が0.36〜0.39μmであり、最も好ましくは溝深さが165〜172nmであり、溝幅が0.37〜0.38μmであり、好ましくは溝側壁角の60〜85°、より好ましくは65〜80°、最も好ましくは70〜75°と組み合わされる、請求項10記載の方法。
【請求項12】
情報の記録又は再生が20〜60m・s-1の速度で実施される、請求項10又は11記載の方法。
【請求項13】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の式(I)の化合物、又はその互変異性又は共鳴形態。
【請求項14】
nが1であるか、或いはnが2であり、そしてG3、R9、R10、R11、R12、R13又はR14、好ましくはR9、R10、R11、R12又はR13の1つが、陽電荷N置換C1〜C5ヘテロアリール基を含む、請求項13記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
3が、下記式:
【化13】


を表わす下記式:
【化14】


で示されるSであり、及び/又はQ3が、CR2021、好ましくはC3〜C6アルキリデン又はC3〜C6シクロアルキリデン、より好ましくは1−シクロヘキシリデン又は2−ブチリデン、最も好ましくは2−ブチリデンである、請求項13又は14記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
式(I)の同一又は異なる部分を2又は3つ含む二量体又は三量体である、請求項13、14又は15記載の化合物。
【請求項17】
式(II):
【化15】


で示される化合物、又はその共鳴体若しくは互変異性体〔式中、
38は、ハロゲン、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO323、NCO又はSCNであり、
39は、式(I)で定義されたR7であり、好ましくは、H、ハロゲン、CF3、NO2、CN、COR22、COOR23、SO323、NCO又はSCNであり、
1、G2、M1、R1、R2、R4、R5、R6、R8、R22及びR23は、式(I)で定義されたとおりであり、
2m+は、m陽電荷のカチオンであり、そしてmは、1、2又は3の整数である〕。
【請求項18】
2m+が、下記式:
【化16】


で示されるカチオンであり、そしてQ3が、下記式:
【化17】


を表わす下記式:
【化18】


で示されるSであり、及び/又はQ3が、CR2021、好ましくはC3〜C6アルキリデン又はC3〜C6シクロアルキリデン、より好ましくは1−シクロヘキシリデン又は2−ブチリデン、最も好ましくは2−ブチリデンである、請求項16記載の式(I)の又は請求項17記載の式(II)の化合物。
【請求項19】
nが2であり、そしてG3、R9、R10、R11、R12、R13又はR14、好ましくはR9、R10、R11、R12又はR13の1つが、陽電荷N置換C1〜C5ヘテロアリール基を含む、請求項17又は18記載の式(II)の化合物。
【請求項20】
3、がQ3として下記式:
【化19】


を含み、そして好ましくはR15−C=Q4がフェニル環の一部である、請求項13、14、15、16、17、18又は19記載の化合物。
【請求項21】
請求項13、14、15若しくは16記載の式(I)の化合物又は請求項17若しくは18記載の式(II)の化合物と、式(III):
【化20】


〔式中、
40及びR41のうちの一方は、NR4243、NR4344、NR4445、OR42、SR42、OR44又はSR44であり、R40及びR41の他方は、O-、S-又はN-46であり;
42及びR43は、互いに独立して、C1〜C12アルキル、C2〜C12アルケニル、C2〜C12アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル又はC2〜C11ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR47、SR47、CR48OR49OR50、NR4851、NR48COR49、NR48COOR47、NR48CONR5253、NR48CN、COR48、NO2、CN、COOR47、CONR5253及び/若しくはSO252で一置換又は多置換されているか;或いは
42及びR43は、一緒になって、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン、又は1〜5個の非連続炭素原子を酸素及び/若しくは硫黄原子で、及び/又は同一若しくは異なる基NR46で置き換えることができるC2〜C12シクロアルキレンであり、C2〜C12アルキレン、C2〜C12アルケニレン、C2〜C12シクロアルキレン又はC2〜C12シクロアルケニレンは、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR47、SR47、NR4851、NR48COR49、NR48COOR47、NR48CONR5253、NR48CN、COR48、CR48OR49OR50、NO2、CN、COOR47、CONR5253及び/若しくはSO252で一置換又は多置換されており;
44、R45及びR46は、互いに独立して、H、COR51、CONR5253、CN、SO2NR5253又はSO252であり、好ましくはR44及び/又はR45は、Hであり、そしてR46は、COR51、CONR5253、CN、SO2NR5253又はSO252であり;
47は、それぞれ他のいずれかのR47と独立して、R51又はR46、好ましくはHであり;
48、R49及びR50は、互いに独立して、水素か;C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、〔C2〜C3アルキレン−O−〕p−R54又は〔C2〜C3アルキレン−NR55−〕p−R54であり、それぞれ非置換であるか又はハロゲンで一置換又は多置換されているか;或いはベンジルであり;
51、R52及びR53は、互いに独立して、Hか;C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C3〜C6シクロアルケニル又はC2〜C5ヘテロシクロアルキルであり、それぞれ非置換であるか又はハロゲン、OR47、SR47、NR4850、CN及び/若しくはCOOR48で一置換又は多置換されているか;又はC6〜C10アリール、C7〜C11アラルキル又はC1〜C5ヘテロアリールであり、それぞれ非置換であるか又はC1〜C4アルキル、ハロゲン、OR47、SR47、NR4849、COR48、CR48OR49OR50、NO2、CN及び/若しくはCOOR50で一置換又は多置換されているか;或いは
NR4849、NR4851、NR4950又はNR5253は、5員又は6員複素環であり、これは更にN又はO原子を含有してよく、そしてメチル又はエチルで一置換又は多置換されていることができ;
54及びR55は、互いに独立して、メチル、エチル、ビニル及び/又はアリルであり;
1、R3、R4、R40、R41、R42、R45、R46、R47、R48、R49、R50、R51、R52及びR54からなる群よりそれぞれ選択される同一又は異なる置換基のラジカルが、直接結合を介してか又は−O−、−S−若しくは−N(R55)−架橋を介して、互いに対として1回以上結合することが可能であり;そして
pは、1〜4の整数である〕
で示される化合物とを含む組成物。
【請求項22】
請求項21記載の式(III):
【化21】


で示される化合物を更に含む、請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の記録媒体。

【公表番号】特表2008−510052(P2008−510052A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526443(P2007−526443)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053215
【国際公開番号】WO2006/018352
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】