説明

密閉型圧縮機

【課題】界磁磁束がケーシングに漏洩することを回避又は抑制する技術を提供する。
【解決手段】回転軸Qから最も遠い界磁発生部12の外縁12eとケーシング60の内縁60eとの間の距離たる第1距離dpは、回転子10と固定子20との間の距離たる第2距離gよりも大きくする。また、電機子巻線22同士の間隔たる第3距離sは、第2距離gよりも大きくする。また、第1距離dpは、界磁発生部12と電機子との間の距離の最大値たる第4距離dgよりも大きくする。さらに、第1距離dpは、界磁発生部12が含む永久磁石122の回転軸Q方向の厚みtmよりも大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転電機を搭載する密閉型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機の構成の一例として、界磁磁束を発生する界磁子たる回転子と、電機子巻線を有してこれに流れる電機子電流によって回転磁界を発生する電機子たる固定子とを備えるものがある。
【0003】
これらの回転子と固定子とが、当該回転子の回転軸方向に空隙を介して対向するアキシャルギャップ型モータがある。このアキシャルギャップ型モータを、磁性体で形成された容器(ケーシング)の内部に収容して密閉型圧縮機を構成する技術が提案されている(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−228363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圧縮機の運転効率向上を図るために、モータのトルクを向上することが望ましい。トルクを向上させるには界磁子が有する永久磁石の量を増加させ、磁気装荷を高める必要があるが、永久磁石の量を増加させようとすると、回転軸方向からの平面視で界磁子の面積が増大し、もって永久磁石とケーシングとの距離が近接する事態を招来する。
【0006】
永久磁石とケーシングとの距離が近接すると例えば、次のような問題が生じる。すなわち、永久磁石の磁束の一部が固定子に渡らずに外周で短絡し、当該短絡した磁束がケーシングに流れる場合、ケーシング内には渦電流が発生して損失となる。特に、弱め磁束制御時には弱め磁束制御を行わない場合と比較して、界磁子と電機子とが同じ極性の磁極を呈して対向する状態が多くなるため、界磁磁束が電機子以外に漏洩しやすい。
【0007】
したがって、永久磁石とケーシングとの距離が小さい場合には、運転時、特に、弱め磁束制御時に界磁磁束がケーシングに漏洩する事態を招来する。ケーシングに漏洩した界磁磁束は渦電流を発生させ運転効率を損なう要因となる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、界磁磁束がケーシングに漏洩することを回避又は抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決すべく、本発明に係る密閉型圧縮機の第1の態様は、所定の軸(Q)の周りで環状配置される界磁発生部(12)の複数を含む回転子(10)と、前記軸の一方側で前記回転子と対向する固定子(20)とを有する回転電機(50)と、前記固定子を固定して前記回転電機を収容する磁性体ケーシング(60)とを備える密閉型圧縮機(100)であって、前記軸に平行な軸方向を法線とする面内で前記軸から最も遠い前記界磁発生部の外縁と、前記面内での前記磁性体ケーシングの内縁との間の距離たる第1距離(dp)は、前記回転子と前記固定子との間の前記軸方向での最大距離たる第2距離(g)よりも大きい。
【0010】
本発明に係る密閉型圧縮機の第2の態様は、その第1の態様であって、前記固定子(20)は、前記軸(Q)を中心として環状に配列され、第3距離(s)を空けて前記軸を中心とする円の周方向で隣接する電機子巻線(22)の複数と、前記電機子巻線のそれぞれが巻回される電機子用磁芯(24)とを含み、前記第3距離は、前記第2距離(g)よりも大きい。
【0011】
本発明に係る密閉型圧縮機の第3の態様は、その第2の態様であって、前記第1距離(dp)は、前記第2距離(g)と前記第3距離(s)とによって、√{(s/2)2+g2}で定まる第4距離(dg)よりも大きい。
【0012】
本発明に係る密閉型圧縮機の第4の態様は、所定の軸(Q)の周りで環状配置される界磁発生部(12)の複数を含む回転子(10)と、前記軸の一方側で前記回転子と対向する固定子(20)とを有する回転電機(50)と、前記固定子を固定して前記回転電機を収容する磁性体ケーシング(60)とを備える密閉型圧縮機(100)であって、前記軸に平行な軸方向を法線とする面内で前記軸から最も遠い前記界磁発生部の外縁と、前記面内での前記磁性体ケーシングの内縁との間の距離たる距離(dp)は、前記界磁発生部が含む永久磁石(122)の前記軸方向の厚み(tm)よりも大きい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る密閉型圧縮機の第1の態様によれば、ケーシングに磁性体を採用しても、固定子の外周とケーシングとの間に形成されやすい漏洩磁路の形成を回避又は抑制でき、もって磁石磁束がケーシングに漏洩することを回避又は抑制できる。
【0014】
本発明に係る密閉型圧縮機の第2の態様によれば、一の電機子用磁芯から他の電機子用磁芯への電機子磁束の漏洩を回避又は抑制できる。
【0015】
本発明に係る密閉型圧縮機の第3の態様によれば、回転子の界磁発生部と固定子の電機子用磁芯との間の距離の最大値(第4距離)よりも、第1距離の方が大きいので、磁石磁束がケーシングに漏洩することを回避又は抑制できる。
【0016】
本発明に係る密閉型圧縮機の第4の態様によれば、高負荷時に磁石磁束がケーシングに漏洩することを回避又は抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る密閉型圧縮機を例示する断面図である。
【図2】回転電機の分解斜視図である。
【図3】回転子と他の構成要素との位置関係を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図1を初めとする以下の図には、本発明に関係する要素のみを示す。
【0019】
図1は本発明の実施形態に係る密閉型圧縮機100を例示する断面図であり、回転電機50の回転軸Qを含む面内での断面を示している。ただし、回転電機50については側面図を示す。
【0020】
本実施形態における密閉型圧縮機100は、アキシャルギャップ型の回転電機50とケーシング60と圧縮機構部70とを備えている。圧縮機構部70はケーシング60内に配置され、ケーシング60内かつ圧縮機構部70の上側に回転電機50が配置される。そして圧縮機構部70は、シャフト51を介して回転電機50によって駆動される。
【0021】
〈回転電機の構成〉
図2は回転電機50の分解斜視図であり、回転軸Q方向に沿って分解して示している。回転電機50は、回転子10と固定子20とが回転軸Q方向で空隙を介して対向している。
【0022】
回転子10は複数(例えば図2では6個)の界磁発生部12を備えている。複数の界磁発生部12のそれぞれは、回転軸Q方向からの平面視で互いに略同形状を呈する永久磁石122と磁性体コア124とを有している。永久磁石122と磁性体コア124とが回転軸Q方向に積層することで界磁発生部12を形成する。
【0023】
磁性体コア124は、一の永久磁石122それぞれの磁極面上に設けられる。磁性体コア124は、永久磁石122より導電率の低い部材(例えば圧粉磁芯)又は、回転軸Qに直交する方向に積層された電磁鋼板を用いることで、回転軸Qの少なくとも一方側で回転子10と空隙を介して対向する電機子たる固定子20からの電機子磁束による永久磁石122での渦電流を低減し、永久磁石122の減磁を回避又は抑制するコアとして機能する。
【0024】
なお、図2では1つの永久磁石122に対して1つの磁性体コア124が回転軸Q方向の片側で隣接している例を示しているが、双方側に配置する態様であっても良い。この場合、後述するバックヨーク13は通常設けられない。永久磁石122に対して磁性体コア124が設けられる側には固定子20が対向する。換言すれば、永久磁石122には、回転子10と固定子20とが対向する側に磁性体コア124を設けることが望ましい。
【0025】
複数の界磁発生部12のそれぞれは、回転軸Qを中心とする円の周方向に沿って予め定められた間隔を空けて保持する非磁性体の保持部材14によって保持されている。ここで、保持部材14の具体的な材料としては例えば、ステンレス、アルミ若しくは真鍮等の非磁性金属、樹脂又はセラミックを採用することが望ましく、モールド成形やダイカスト等のインサート成形又は、一体成形により成形する。
【0026】
保持部材14には、略車輪状に形成された非磁性体が採用され、車輪のこしき(ボス)に相当する第1環状体141と、第1環状体141よりも外側にあって車輪に相当する第2環状体143と、車輪の輻(スポーク)に相当する複数の架橋体145とを有している。そして、第1環状体141の外周側、第2環状体143の内周側及び、周方向に隣接する2つの架橋体145とで1つの保持枠14Fを規定する。
【0027】
保持枠14Fはこれら第1環状体141、第2環状体143及び、2つの架橋体145で規定されて多角形(具体的には略アーチ状)を呈する。一の保持枠14Fには一の界磁発生部12が配置される。つまり、回転軸Q方向からの平面視で保持枠14Fが呈する形状と、同平面視で界磁発生部12が呈する形状とは略等しいことが望ましい。
【0028】
保持部材14が回転軸Q方向を法線として呈する主面のうち、永久磁石122に対して磁性体コア124が隣接していない側の主面にはバックヨーク13が設けられている。バックヨーク13は、第1環状体141と第2環状体143とで規定される略環状領域と略同じ形状を呈し、保持部材14及び界磁発生部12を支持する。なお、保持部材14は、バックヨーク13と界磁発生部12との位置関係を保持する働きをも有するが、例えば接着剤等によってバックヨーク13と界磁発生部12とを固定すれば、必ずしも保持部材14は必要ではない。
【0029】
固定子20は例えば、コア21と、コアに連接された複数の電機子用磁芯24と、複数の電機子用磁芯24のそれぞれに巻回された電機子巻線22とを有している。コア21は回転軸Qを法線とする面内に延在しており、回転子10に保持されるシャフト51を貫通させる孔が設けられている。
【0030】
電機子用磁芯24はコア21の回転軸Qを法線とする主面のうち、回転子10と対向する側の主面において回転軸Qの周りで環状に配置され、電機子巻線22が巻回される芯として機能する。電機子用磁芯24は、電機子巻線22が巻回される部分よりも、回転子10側において、周方向に幅広を呈する。これは、回転子10の磁束をより多く固定子20に流れるようにするとともに、コギングトルクを低減する役割、また、電機子巻線22の抜け防止等の役割を果たす。
【0031】
電機子巻線22は、電機子用磁芯24に絶縁体(図示省略)を介して巻回される。なお、本願では特に断りのない限り、電機子巻線22はこれを構成する導線の1本1本を指すのではなく、導線が一纏まりに巻回された態様を指すものとする。これは図面においても同様である。また、巻始め及び巻終わりの引出線及び、それらの結線も図面においては省略している。
【0032】
〈密閉型圧縮機の構成〉
このような回転電機50をケーシング60内に収容して密閉型圧縮機100を構成する。
【0033】
ケーシング60の下側下方には吸入管61が接続される一方、ケーシング60の上側には吐出管62が接続されている。吸入管61から供給される冷媒は、圧縮機構部70に導かれる。吸入管61及び吐出管62も、図1においてはその側面が示されている。
【0034】
ケーシング60内側にコア21が固定されて、回転電機50が固定される。シャフト51の下端側が圧縮機構部70に連結されている。
【0035】
圧縮機構部70は、シリンダ状の本体部71と、上端板72及び下端板73とを備える。上端板72及び下端板73は、それぞれ本体部71の開口側の上側と下側に取付けられる。シャフト51は、上端板72及び下端板73を貫通して、本体部71の内部に挿入されている。
【0036】
シャフト51は、圧縮機構部70の上端板72に設けられた軸受74と、圧縮機構部70の下端板73に設けられた軸受75により回転自在に支持されている。本体部71内のシャフト51にはクランクピン76が設けられる。クランクピン76にはピストン77が嵌合して駆動される。ピストン77及びこれに対応するシリンダとの間に形成された圧縮室78において、冷媒が圧縮される。ピストンは偏芯した状態で回転し、又は公転運動を行い、圧縮室78の容積を変化させる。
【0037】
回転電機50が回転することにより、圧縮機構部70が駆動されると、吸入管61から圧縮機構部70に冷媒が供給され、圧縮機構部70(とりわけ圧縮室78)で冷媒を圧縮する。圧縮機構部70で圧縮された高圧冷媒は、圧縮機構部70の吐出ポート79からケーシング60内に吐出される。さらに高圧冷媒は、シャフト51の周りに設けられた溝(図示省略)、回転子10及び固定子20の内部を回転軸Q方向に貫通する孔(図示省略)、固定子20及び回転子10の外周部とケーシング60の内面との間の空間等を通って回転電機50の上部空間に運ばれる。その後、吐出管62を介してケーシング60の外部に吐出される。
【0038】
〈回転子と他の構成要素との位置関係〉
回転子10からケーシング60への漏洩磁束の低減を図る場合、密閉型圧縮機100が低負荷運転をしているときと、高負荷運転をしているとき(特に弱め磁束制御が行われているとき)とでは、考慮すべき点が異なる。そこで、まず、低負荷運転をしているときの漏洩磁束の低減を図る場合について説明する。
【0039】
図3は回転子10と他の構成要素との位置関係を模式的に例示した図であり、ケーシング60の内部で、回転子10と固定子20とが回転軸Q方向で対向している状態を示している。なお、図3で示している扇柱体25は、固定子20を模式的に示したものである。具体的には扇柱体25は、固定子20のうち電機子巻線22を巻回した電機子用磁芯24の回転子10と対向する部分を模式的に示したものである。扇柱体25のうち、回転子10と対向する側の主面は電機子用磁芯24が回転子10と対向する主面を、回転軸Q方向からの平面視で呈する外形は電機子巻線22を巻回した電機子用磁芯24の回転軸Q方向からの投影図が呈する外形を、それぞれ表しているものとする。また、簡単のために、図3に示した扇柱体25の個数は、図2で示した電機子用磁芯24及び電機子巻線22の個数とは異ならせている。また、一の永久磁石のみ破線で示している。なお、固定子20に3相巻線を採用する場合には、扇柱体25の個数(すなわち、電機子巻線22及び電機子用磁芯24それぞれの個数)は3の倍数となる。
【0040】
〈低負荷運転時〉
回転軸Q方向を法線とする面内で回転軸Qから最も遠い界磁発生部12の外縁12eと、同面内でのケーシング60の内縁60eとの間の距離たる第1距離dpは、回転子10と固定子20との間の回転軸Q方向での最大距離(一般に「エアギャップ」と称される距離)たる第2距離gよりも大きい。
【0041】
具体的に界磁発生部12の外縁12eは、界磁発生部12が含む永久磁石122と磁性体コア124のうち、回転軸Qから最も遠い部位とする。また、ケーシング60の内縁60eは、ケーシング60が呈する内周面のうち、回転軸Qに最も近い部位とする。換言すれば第1距離dpは、回転子10が回転しているときに界磁発生部12が呈する外形(円形)とケーシング60とが最も近接している部位における、界磁発生部12とケーシング60との間の距離である。
【0042】
この第1距離dpと第2距離gとを比較したとき、第1距離dpは第2距離gよりも大きい。第1距離dpが第2距離gよりも大きければ、界磁磁束が界磁発生部12から第1距離dpを隔てたケーシング60へと漏洩するよりも、界磁発生部12から第2距離gを隔てた固定子20へと流れやすくなる。
【0043】
また、回転軸Qを中心として環状に配列される複数の電機子用磁芯24の電機子巻線22より回転子10寄りの部分同士の最短距離を第3距離sとすると、第3距離sは、上述の第2距離gよりも大きいことが望ましい。何となれば、電機子巻線22同士の間隔(第3距離s)がエアギャップ(第2距離g)よりも大きければ、電機子磁束が、一の電機子用磁芯24から第3距離s隔てた隣接する電機子用磁芯24へと漏洩するよりも、第2距離g隔てた回転子10へと流れやすくなるからである。
【0044】
さらに、第2距離gと第3距離sとによって定まる第4距離dgが、第1距離dpよりも短いことが望ましい。第4距離dgは次式によって与えられる。すなわち、dg=√{(s/2)2+g2}である。つまり、第4距離dgは界磁発生部12(図3では磁性体コア124)と扇柱体25で表される電機子との間の距離の最大値を示しており、当該最大値よりも第1距離の方が大きければ、界磁磁束が界磁発生部12から第1距離dpを隔てたケーシング60へと漏洩することを更に回避又は抑制できる。
【0045】
〈高負荷運転時〉
高負荷運転時、具体的には弱め磁束制御時には、固定子と回転子との間において界磁磁束と電機子磁束とは極性が反対向きになる。そのため、界磁磁束がケーシング60へと漏洩することを回避するには、以下のようにすることが望ましい。
【0046】
すなわち、界磁発生部12の外縁12eと、ケーシング60の内縁60eとの間の距離たる距離dpは、永久磁石122の回転軸Q方向の厚みtmよりも大きいことが望ましい。
【0047】
例えば、永久磁石122の外縁よりも磁性体コアがケーシング60の内縁60eに向かって突出している場合(図示省略)には、磁性体コアの外縁とケーシング60の内縁60eとの間の距離が距離dpに相当する。このとき、磁性体コアからケーシング60の内縁60eへと向かう磁路よりも、磁性体コアと、当該磁性体コアが接する永久磁石122の主面とは反対側の永久磁石122の主面との間の磁路の方が短いことが望ましい。
【0048】
以上、本発明の好適な態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1距離dpと厚みtmとの関係については、一の極性を呈する界磁発生部12からケーシング60へと漏洩した磁束は、他の極性を呈する界磁発生部12へと伝わるので、ケーシング60へと漏洩した磁束の磁路は第1距離dpの2倍となる。一方、永久磁石122が呈する一の磁極面から他の磁極面へと流れる磁束の磁路は厚みtmであるから、第1距離dpと厚みtmとが、2dp>tmなる関係を満たしていても良い。
【0049】
また、回転子10に対して回転軸Q方向の両側に固定子20が設けられていても良い。
【符号の説明】
【0050】
100 密閉型圧縮機
10 回転子
12 界磁発生
12e 外縁
122 永久磁石
124 磁性体コア
20 固定子
22 電機子巻線
24 電機子用磁芯
60 ケーシング
60e 内縁
Q 回転軸
dp 第1距離
g 第2距離
s 第3距離
dg 第4距離
tm 厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の軸(Q)の周りで環状配置される界磁発生部(12)の複数を含む回転子(10)と、
前記軸の一方側で前記回転子と対向する固定子(20)と
を有する回転電機(50)と、
前記固定子を固定して前記回転電機を収容する磁性体ケーシング(60)と
を備える密閉型圧縮機(100)であって、
前記軸に平行な軸方向を法線とする面内で前記軸から最も遠い前記界磁発生部の外縁(12e)と、前記面内での前記磁性体ケーシングの内縁(60e)との間の距離たる第1距離(dp)は、前記回転子と前記固定子との間の前記軸方向での最大距離たる第2距離(g)よりも大きい、
密閉型圧縮機。
【請求項2】
前記固定子(20)は、
前記軸(Q)を中心として環状に配列され、前記軸を中心とする円の周方向で隣接する電機子巻線(22)の複数と、
前記電機子巻線のそれぞれが巻回される電機子用磁芯(24)と
を含み、
互いに隣接する前記電機子用磁芯の前記電機子巻線より前記回転子(10)寄りの部分同士は最短距離で第3距離(s)を空けて配置され、
前記第3距離は、前記第2距離(g)よりも大きい、
請求項1記載の密閉型圧縮機(100)。
【請求項3】
前記第1距離(dp)は、
前記第2距離(g)と前記第3距離(s)とによって、√{(s/2)2+g2}で定まる第4距離(dg)よりも大きい、
請求項2記載の密閉型圧縮機(100)。
【請求項4】
所定の軸(Q)の周りで環状配置される界磁発生部(12)の複数を含む回転子(10)と、
前記軸の一方側で前記回転子と対向する固定子(20)と
を有する回転電機(50)と、
前記固定子を固定して前記回転電機を収容する磁性体ケーシング(60)と
を備える密閉型圧縮機(100)であって、
前記軸に平行な軸方向を法線とする面内で前記軸から最も遠い前記界磁発生部の外縁(12e)と、前記面内での前記磁性体ケーシングの内縁(60e)との間の距離たる距離(dp)は、前記界磁発生部が含む永久磁石(122)の前記軸方向の厚み(tm)よりも大きい、
密閉型圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−161893(P2010−161893A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−3295(P2009−3295)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】