説明

封止部材、粉体収納容器、現像剤補給装置及び画像形成装置

【課題】粉体収納容器の新旧検知を低コストで容易に作業性よく行える封止部材を提供する。
【解決手段】容器本体138−1内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口138bから容器外部に排出する現像剤収納容器138に装着される封止部材300であって、互いに離脱可能に一体化された第1及び第2の装着部材301,302を有し、第1の装着部材301または第2の装着部材302に回転力が入力された時に、第1及び第2の装着部材が分離して第1の装着部材301のみが容器本体138−1から離脱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤を収納する粉体収納容器の封止部材と、この封止部材備えた粉体収納容器及び複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に現像剤が収納された容器本体を回転させることによりトナーを排出口から排出する方式の粉体収納容器が知られている。このような回転式の粉体収納容器では、容器底部側に突起を形成し、この突起に回転軸の先端を係合させることで駆動力を容器本体に伝達して回転させる場合と、粉体収納容器の一部に伝達駆動部材を設け、この伝達駆動部材に駆動力を伝達されることで回転するものとがある。前者の例としては例えば特許文献1が挙げられ、後者の例としては特許文献2が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の回転方式の粉体収納容器では、工場からの出荷時において排出口を容器本体に対して回転自在なカバー部材に設けた開閉シャッターで閉状態とし、粉体収納容器を装置にセットして容器本体が回転すると、開閉シャッターが開かれるものや、扮封止部材で排出口を閉状態としておき、装置セット時に封止部材を離脱して排出口を開放するタイプのものがある。これら2つタイプの粉体収納容器は、工場出荷時に封止部材で閉められていて、使用時にはこの封止部材を外して使用するが、組付け時に封止部材を効率よく装着することが要望されている。
【0004】
本発明は、粉体収納容器の排出口を開閉する際に作業性の良い粉体収納容器の封止部材や、これを備えた粉体収納容器及び画像形成装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、容器本体内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口から容器外部に排出する現像剤収納容器に装着される封止部材であって、互いに離脱可能に一体化された第1及び第2の装着部材を有し第1の装着部材または第2の装着部材に回転力が入力された時に、第1及び第2の装着部材が分離して第1の装着部材のみが容器本体から離脱することを特徴としている。
【0006】
本発明に係る封止部材は、第1の装着部材が排出口を開閉する本体部であり、第2の装着部材が本体部に対して離脱可能に一体的に構成されていて、本体部を容器本体から外して排出口を開封する際に、本体部と分離して容器本体側に残るともとに、回転力が入力される伝達駆動部材であることを特徴としている。
【0007】
本発明に係る封止部材は、第1の装着部材が容器本体に装着されるカバー部材に係合する固定部材であり、第2の装着部材が、固定部材に対して離脱可能に一体的に構成されていて、回転力が入力されることで固定部材と分離して容器本体側に残る伝達駆動部材であることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る封止部材は、固定部材とカバー部材が、容器本体に収納される現像剤の色に応じて互いに相似する形状に形成それていることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る封止部材は、伝達駆動部材が、容器本体への装着時には容器本体の一部に係合して離脱方向への移動が規定され、離脱方向へ所定の以上の付加が加わったときにその形状が変形して伝達駆動部材の離脱方向への移動を可能する少なくとも1つの爪部を有することを特徴としている。
【0010】
本発明に係る封止部材は、伝達駆動部材が、駆動源からの駆動力が伝達された時に、爪部が容器本体の一部と係合して回転方向の移動が規制されることを特徴としている。
【0011】
本発明は、容器本体内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口から容器外部に排出する現像剤収納容器であって、上記何れか1つに記載の封止部材を備えていることを特徴としている。
【0012】
本発明は、カバー部材と、カバー部材に回転自在に支持された容器本体とを備え、容器本体内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口から容器外部に排出する現像剤収納容器であって、上記何れか1つに記載の封止部材を備えていることを特徴としている。
【0013】
本発明は、粉体収納容器内に粉体で収納されている現像剤を現像装置に供給する現像剤補給装置において、粉体収納容器が上記何れか1つに記載の粉体収納容器であることを特徴としている。
【0014】
本発明は、像担持体と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像領域に現像剤を供給する現像装置と、現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置を備えた画像形成装置において、現像剤補給装置が上記収納容器を備えた現像剤補給装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容器本体内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口から容器外部に排出する現像剤収納容器に装着される封止部材であって、互いに離脱可能に一体化された第1及び第2の装着部材の何れかに回転力が入力された時に、第1及び第2の装着部材が分離して第1の装着部材301のみが容器本体138−1から離脱するので、封止部材の着脱時の作業性を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す画像形成装置が備える作像部の概略構成図である。
【図3】図1に示す画像形成装置が備える現像剤補給装置の分解斜視図である。
【図4】トナー導入カバーの分解斜視図である。
【図5】現像剤補給装置の分解斜視図である。
【図6】粉体収納容器を装着したときの現像剤補給装置の斜視図である。
【図7】本発明に係る粉体収納容器の構成を示す図である。
【図8】粉体収納容器の容器本体の構成を示す図である。
【図9】情報記録素子を備えた保持部材と粉体収納容器の底部を共に示した斜視図である。
【図10】(a)は図10(b)のP−P矢視断面図、(b)は保持部材の正面図である。
【図11】容器本体に保持部材を装着した状態での断面図である。
【図12】(a)は粉体収納容器を画像形成装置本体に装着した状態を示す図、(b)は粉体収納容器が回転して位置決めがなされた状態を示す図である。
【図13】(a)は保持部材の外周面から突出させた収納空間に情報記録素子を配置した一部破綻図、(b)は保持部材の外周面に形成した凹部に情報記録素子を配置した拡大断面図、(c)は保持部材の内周面に形成した凹部に情報記録素子を配置した拡大断面図である。
【図14】位置決め部材の形状を変更して色非互換あるいは機種非互換の機能を説明した拡大図である。
【図15】位置決め部材の個数を変更して色非互換あるいは機種非互換の機能を説明した拡大図である。
【図16】情報記録素子を粉体収納容器の上方に配置した形態を示す図である。
【図17】保持部材に錘を設置して重心バランスを取った形態を示す図である。
【図18】(a)は位置決め部材として磁性部材を用いた粉体収納容器を画像形成装置本体に装着した状態を示す図、(b)は粉体収納容器が回転して位置決めがなされた状態を示す図である。
【図19】保持部材に設けた磁性部材と画像形成装置本体に設けた磁性部材の磁極の関係を説明する拡大図である。
【図20】位置決め部材として複数の磁性部材を用いた形態を示す図である。
【図21】保持部材に設けた複数の磁性部材と画像形成装置本体に設けた複数の磁性部材の磁極の関係を説明する拡大図である。
【図22】保持部材に設けた複数の磁性部材と画像形成装置本体に設けた複数の磁性部材の対角線上の磁極の関係を説明する拡大図である。
【図23】(a)は接触式情報記録素子を備えた保持部材を有する粉体収納容器の構成と、画像形成装置本体に装着されて位置決めされた状態を示す図、(b)は接触式情報記録素子と情報通信手段の接触状態を示す図である。
【図24】接触式情報記録素子を備えた保持部材を有する粉体収納容器の色非互換あるいは機種非互換の機能を説明した拡大図である。
【図25】粉体収納容器の排出口側に配置された駆動部の構成を示す斜視図である。
【図26】封止部材の一形態を示す拡大図である。
【図27】粉体収納容器の口金部の構成と、封止部材の装着前状態を示す図である。
【図28】粉体収納容器の口金部の構成を示す断面図である。
【図29】爪部と突起部の関係を示す拡大図である。
【図30】粉体収納容器の口金部に封止部材が装着された状態を拡大図である。
【図31】粉体収納容器に装着された封止部材から外側キャップ(本体部)を取り外した状態を示す拡大図である。
【図32】粉体収納容器に固定された伝達駆動部材を取り外した状態を示す拡大図である。
【図33】粉体収納容器の口金部と封止部材の別な形態の構成を示す図であり、(a)は装着前状態を示す図、(b)は爪部の拡大断面図である。
【図34】(a)は粉体収納容器に装着された封止部材から本体部を取り外した状態を示す図、(b)は爪部の係合状態を示す拡大断面図である。
【図35】粉体収納容器に形成する爪部の変形例を示す部分拡大断面図である。
【図36】本体部に開口部を備えた封止部材と、粉体収納容器の装着状態を示す断面図である。
【図37】(a)は伝達駆動部材の別な形態を示す部分拡大断面図、(b)は伝達駆動部材の別な形態の構成を示す斜視図である。
【図38】(a)は伝達駆動部材の別な形態を示す部分拡大断面図、(b)は伝達駆動部材の別な形態の構成を示す斜視図である。
【図39】固定部材を備えた封止部材の構成を示す拡大図である。
【図40】粉体収納容器の口金部の構成と、固定部材を備えた封止部材の装着前状態を示す図である。
【図41】図39に示す封止部材が粉体収納容器に装着された状態を示す拡大図である。
【図42】(a)は図39に示す封止部材が装着された粉体収納容器にカバー部材を装着した状態を示す拡大図、(b)は伝達駆動部材と駆動歯車の噛合状態を示す拡大図である。
【図43】粉体収納容器に固定された伝達駆動部材を取り外した状態を示す拡大図である。
【図44】固定部材の変形例を示す図であり、(a)は外形を小判形状にして斜視図、(b)は外周面にローレットを形成した斜視図、(c)は外周面に窪み部を形成した斜視図、(d)は外周面409に溝を形成した斜視図、(e)は外周面に突起を形成した斜視図である。
【図45】伝達駆動部材となる歯車の軽量化の一形態を示す拡大図である。
【図46】伝達駆動部材となる爪部と溝の構成を示す拡大図である。
【図47】内側キャップの変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。各実施形態及び変形例等に亘り、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すに留め、重複説明は省略する。
【0018】
まず、本発明に係る画像形成装置全体の構成と動作について説明する。図1に示すように、画像形成装置本体100の上方にあるトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した粉体収納容器となる4つのトナー容器38Y,38M,38C,38Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。中間転写ユニット15の中間転写ベルト8の下方には、中間転写ベルト8に対向する各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6Y,6M,6C,6Kがベルト移動方向に並設されている。
【0019】
トナー容器収容部31に収容されたトナー容器38Y,38M,38C,38Kは、それぞれトナー補給装置160Y,160M,160C,160Kに保持される。トナー容器38Y,38M,38C,38Kに収容された現像剤は、それぞれ、トナー補給装置160Y,160M,160C,160Kによって、作像部6Y,6M,6C,6Kの現像装置内に供給(補給)される。
【0020】
本形態において、作像部、トナー容器、トナー補給装置は、トナーの色以外はほぼ同一構成であるので、以下、1つの構成をそれぞれ代表して説明する。
図2に示すように、イエローに対応した作像部6Yは、像担持体となる感光ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電部4Y、現像装置5Y(現像部)、クリーニング部2Y、図示しない除電部等で構成されたプロセスカートリッジとして構成されていて、画像形成装置本体100に対して着脱自在とされている。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0021】
なお、他の3つの作像部6M,6C,6Kも、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。
【0022】
図2において、感光体ドラム1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。
【0023】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光装置7(図1を参照)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置(現像領域)に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
【0024】
現像後の感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0025】
1次転写後の感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング部2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。感光体ドラム1Yの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体ドラム1Y上で行なわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0026】
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6M,6C,6Kでも、イエロー作像部6Yと同様に行なわれる。すなわち、作像部の下方に配設された露光装置7から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部6M,6C,6Kの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光装置7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して各感光体ドラム1上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体ドラム1上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0027】
中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9K,2次転写バックアップローラ12、複数のテンションローラ、中間転写クリーニング部等で構成されている。中間転写ベルト8は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、2次転写バックアップローラ12の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。
【0028】
4つの1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kは、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kとの間に挟み込んで、1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kには、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
【0029】
中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0030】
各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ11との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ12が、2次転写ローラ11との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。中間転写ベルト8は、図示しない中間転写クリーニング部の位置に達し、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。こうして、中間転写ベルト8上で行われる、一連の転写プロセスが終了する。
【0031】
2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、画像形成装置本体100の下方に配設された給紙部16から、給紙ローラ17やレジストローラ対18等を経由して搬送されたものである。詳しくは、給紙部16には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ17が図1中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対18のローラ間に向けて給送される。
【0032】
レジストローラ対18に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対18のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対18が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着部20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
【0033】
定着後の記録媒体Pは、排紙ローラ対19のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対19によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0034】
次に、図2を用いて作像部における現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ21Y、現像ローラ21Yに対向するドクターブレード22Y、現像剤収容部23Y,24Y内に配設された2つの搬送スクリュ25Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ26Y等で構成されている。現像ローラ21Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部23Y,24Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。現像剤収容部24Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下経路27Yに連通している。
【0035】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。現像ローラ21Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ21Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ21Y上を移動する。現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器38Yに収容されているトナーが、トナー補給装置160Yからトナー落下経路27Yを介して現像剤収容部24Y内に補給される。
【0036】
その後、現像剤収容部24Y内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ25Yによって、現像剤Gとともに混合・攪拌されながら、2つの現像剤収容部23Y,24Yを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ21Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ21Y上に担持される。
【0037】
現像ローラ21Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード22Yの位置に達する。そして、現像ローラ21Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域)まで搬送される。そして現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ21Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部23Yの上方に達して、この位置で現像ローラ21Yから離脱される。
【0038】
次に、トナー補給装置160Y,160M,160C,160Kとトナーボルト38Y,38M,38C,38Kについて説明するが、各トナー補給装置および各トナー容器は、セットされるトナー容器内の現像剤となるトナーの色以外は同一構成であるので、ここではトナーの色を識別するY,M,C,Kの符号を付さないで1つのトナー補給装置160とトナーボルト38として説明する。なお、トナー容器内に収納される現像剤としては、トナー単体に限定されるものではなく、トナーとキャリアを混合させたもの、あるいはキャリアだけでも良い。
【0039】
図3は、トナー補給装置160の部品構成を示す分解斜視図である。トナー容器38は、画像形成装置本体100の後側板58(図5、図6)に固定された駆動部60によって回転駆動される。この駆動部60は、ジョイント62、スプリング64、モータ及び軸を内蔵したケース部66から構成されており、ジョイント62の先端には円柱と嵌合する凹部62aと凸部62b1,62b2が形成されている。これに対応してトナー容器38の底部38−2(後端)には、ジョイント62の凹部62aに入り込む円柱状凸部からなるセンタ38bと、凸部62b1,62b2の側面に係合する角柱状凸部からなる軸方向突起38c1,38c2が形成されている。センタ38bの凹部62aへの嵌入によってトナー容器38の底部38−2の位置が保持され、凸部62b1,62b2に対する軸方向突起38c1,38c2の係合によってトナー容器38の回転が得られる。図6に示すように、駆動部60のジョイント62が矢印E方向に回転すると、トナー容器38も同一方向に回転する。
【0040】
図3に示すトナー容器38には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、又は、ポリエチレン+ポリカーボネイトなどの合成樹脂製であり、その内壁に底部38−2から排出口38aに向けて螺旋溝が形成されている。内壁の螺旋溝は外周に螺旋溝38dとして現れる。このトナー容器38を回転させることにより螺旋溝38dに案内されて排出口38aからトナーが吐出する。この排出口38aにはトナーが不使用時に吐出するのを防止するキャップ68が着脱自在に設けられている。
【0041】
ボトル保持部材44の先端側には複数のリブ44aが一体形成されており、これらリブ44aに押し出し部材46が両面テープ等で貼り付けられている。押し出し部材46はマイラーやゴム等の弾性材料から成る。ボトル保持部材44の内壁面であってトナー容器38の中間部の端面と対向する部位にはリブ44bが形成されている。
【0042】
一方、トナー容器38の円筒形状の大径部である容器本体38−1と、径が絞られた排出口38aとの間は、中間径の中間部38−3でつながれていて、この中間部38−3の排出口側の端面、所謂肩部には、駆動爪38q1,38q2が形成されている。これらの駆動爪38q1,38q2はリブ44bに掛かり、トナー容器38の回転によりボトル保持部材44を回転させる。
【0043】
符号70はキャップ68を摘んだり離したりするコレットチャックを示し、円筒ケース72に内蔵され、ねじ74によって軸部材76と一体化されている。符号78はシール材、80はシール部材、82はコレットチャック70や円筒ケース72や軸部材76等の一連の部品をトナー容器38側へ常時加圧するコイルばねを示す。これらの組付部品はトナーホッパ部40内に保持されている。符号84はキャップ68を開閉栓するためのハンドルであり、一体に形成された軸部84aがトナー受台42の先端部に形成された軸穴42aに支持されて回転可能となっている。
【0044】
符号86は軸部材76に形成された穴76aに入るスライド軸であり、ハンドル84に形成されたカム部84bに接触しており、ハンドル84を図6に示すF方向へ回転させ、コレットチャック70等の一連の部品をトナー容器38から離れる方向にスライドさせると、キャップ68が排出口38aから抜けてトナー容器38内のトナーがトナーホッパ部40内へ吐出可能となる。
【0045】
次にトナー供給口54を開閉するシャッター部材等について説明する。図3に示すように、トナーホッパ部40の開口部48に設けられる補給量規制部材50は、マイラーやゴム等の弾性材料で形成されており、スリット穴50a(細長い角穴)を有している。このスリット穴50aの幅設定によりトナー補給量を適正にしている。なお、補給量規制部材50は開口部48に両面テープ等で貼り付けられている。
【0046】
開口部48の外方に取り付けられるトナー導入カバー52(図4)の内方には、トナー供給口54を開閉するシャッター部材88が上下方向に移動可能に、すなわち、水平状に開口されたトナー供給口54に対して垂直状態(交差状態)に設けられている。シャッター部材88は、シャッター本体としての湾曲可能な弾性部材90と、これを支持する支持部材92と、この支持部材92に一体形成された円柱状の突起部94とから構成されており、支持部材92はシャッター部材88を常時閉じるように付勢するばね部材96を有している。この実施形態では弾性部材90がマイラー等のポリエステルフィルムで形成されており、両面テープ等で支持部材92に貼り付けられている。トナー導入カバー52には突起部94が移動するための移動用孔52aが形成されている。
【0047】
トナー導入カバー52には、図4に示すように、底面にトナー供給口54が形成されているとともに、シャッター部材88の弾性部材90を案内する円弧状のガイド部98,98が一体に形成されている。ガイド部98の終端側には、弾性部材90の先端を食い込ませてトナー飛散を防止するための弾性シール部材としてのスポンジシール部材99が設けられている。図3において、開口48の近傍に表示される符号104は、第2シャッター部材を駆動するための水平方向に台形状に突出する第2案内リブを示しており、符号106は弾性部材90の背面側を支持する変形規制ガイドを示している。
【0048】
図5に示すように、トナー受台42はガイド板108に案内されて矢印H方向に着脱可能となっており、ガイド板108は画像形成装置本体の本体後側板58と画像形成装置本体の本体前側板59に図示しないねじで固定されている。ガイド板108の先端には、ガイド板108に固定された板ばね110で支持された抜け止め用のストッパ112が設けられており、このストッパ112を下方に押し下げた状態でトナー補給装置160を装着し、装着後ストッパ112を戻すと、ストッパ112が受台42の先端部に係合し、トナー補給装置160は図6に示すように抜け止め状態に保持される。
【0049】
図5はトナー補給装置160をガイド板108から抜き出した状態を示している。組立て状態では、側部42m,42nがガイド板108のガイド108m,108nに嵌合している。トナー受台42が図5に示す状態に近い状態まで引き出された状態で、トナー容器38はトナー補給装置160に対して着脱される。この場合の抜け止めは、図5に示すように、トナー受台42に形成された段部42eがガイド板108に形成された切欠部108aに引っ掛かることによってなされる。段部42dはガイド108nの切欠きに引っ掛かるがこの切欠きは、装置本体前側板59に隠れて見えない。
【0050】
図5に示すように、トナー容器38をトナー受台42に載せ、トナー補給装置160を装置本体内に押し込んでセットする。この場合、トナー補給装置160を押し込む前は、シャッター部材88は、バネ部材96の付勢力でトナー導入カバー52の底部に形成したトナー供給口54を閉じた状態にあり、弾性部材90は円弧状のガイド部98に沿って湾曲し、その先端はスポンジシール部材99に食い込んでいる。このため、トナーホッパ部40の開口48とトナー供給口54との間はトナー漏れを生じない状態にシールされている。
【0051】
かかる状態からトナー補給装置160の押し込み操作がなされると、支持部材92に一体に形成された突起部94の円柱部分が作像部6の本体部に設けられた案内リブに当接し、バネ部材96の付勢力に抗して押し上げられ、最終的に案内リブの平坦な頂部で静止する。この動作に伴って弾性部材90もガイド部98に沿って上昇(退避)し、トナー供給口54は開口され現像装置5とトナー補給装置160間は連通状態となる。トナー補給装置160を引き出すと、突起部94が下ることになるので、バネ部材96の付勢力でシャッター部材88は自動的に閉じる方向に移動し、弾性部材90が垂直状態からトナー供給口54に沿うように湾曲して閉状態となる。
【0052】
トナー供給口54、図示しないトナー受入口が開いた状態、すなわち、トナー補給装置160及びプロセスカートリッジ(作像部5)を画像形成装置本体100に装着したときの状態となると、トナー容器38の中間部38−3には、球形の小突起38fとボトル保持部材44とボトル保持部材44の内径部との接触による係合及びホッパ部40に係合しているボトル保持部材44のリブ44bへの当接によって位置決めされている。
【0053】
この状態から、図6に示すように、ハンドル84を矢印Fで示すように下向きに回動させると、カム部84b(図3)がスライド軸86を装置手前側に引っ張る。これによって軸部材76も移動し始め、コレットチャック70が円筒ケース72の図示しない突起に突き当たるようになり、これに伴ってコレットチャック70が閉じ始めてキャップ68を摘む。この状態でさらにH方向への移動が進むと、コレットチャック70によってトナー容器38のキャップ68が取り外され、トナー容器38内のトナーがトナー受台42上に組立てられたトナーホッパ部40内に流出可能な状態になる。
【0054】
トナー補給は、トナー濃度センサ26により現像装置5内のトナー濃度を検知することによってなされる。検出値が基準濃度以下になったら、駆動部60が作動し、図6に示すようにジョイント62を矢印E方向に回転させる。これによってジョイント62がトナー容器38の底部に係合し、トナー容器38も同一方向に回転する。トナー容器38が回転すると、排出口38aからトナーが吐出して、トナーホッパ部40内に溜まる。一方、トナー容器38の回転によりトナー容器38の中間部38−3の排出口側の端面に形成された駆動爪38q1,38q2がボトル保持部材44と一体のリブ44bに係合してこれを押動する。これにより、ボトル保持部材44と一体の押し出し部材46がトナーホッパ部40の内壁面を摺動回転することになる。この押し出し部材46の回転により、トナーホッパ部40内に溜まったトナーは掻き上げられる。
【0055】
押し出し部材46が補給量規制部材50のスリット穴を通過するときにトナーがスリット穴から押し出される。押し出されたトナーは、トナー導入カバー52内で落下し、下方に位置して開口状態にあるトナー供給口54及び図示しないトナー受入口を通って現像装置5内に補給される。
【0056】
以上のように本実施形態のトナー補給装置160によれば、トナー容器38の排出38aからのトナー漏れを生じさせることなく、トナー容器38の交換を行うことができる。
【0057】
次にトナー容器38の構成について説明する。図7に示すように、トナー容器38は、すでに説明したように、トナーを収納する円筒形状の容器本体38−1と、容器本体38−1の一端側に備えられ、同容器本体内のトナーを容器本体外部へ排出する排出口38aと、容器本体38−1に対して相対回転可能であり、非接触により通信が可能な情報記録素子となるRFID122を保持する保持部材とリング部材120と、画像形成装置本体100に配置されたトナー補給装置160にセットした時に画像形成装置本体側(トナー補給装置160)と係合して位置を定める位置決め部材121を備えている。RFID122には、トナー色、トナーの容量、トナーの製造番号(製造ロット)、トナーの製造年月等のトナーに係わる情報や、リサイクル回数、リサイクル年月日、リサイクルメーカ等のトナー容器38のリサイクルに係わる情報などが記憶されている。
【0058】
容器本体38−1は、図8に示すように、他端側が密閉されていて、この密閉された部位を底部38−2としている。排出口38aは、底部38−2と反対側の容器本体38−1に細く絞られて形成されている。図7,図8において、トナー容器38は、便宜上、排出口38aを上にして示しているが、使用状態では、例えば、図3、図5、図6に示すように、排出口38aが水平方向を向くように、トナー補給装置160に装着されて使用される。よって、トナー容器38内のトナーは、該トナー容器38の回転に応じて、螺旋溝38dに案内されて排出口38aを経て外部に送り出される。
【0059】
図8に示すように、底部38−2の外側であって円筒形状の中心軸線O−Oから離れた位置には、角柱状凸部からなり、当該トナー容器に対する回転力伝達用の軸方向突起38c1,38c2が形成されている。軸方向突起38c1,38c2はこの例では角柱状凸部として構成したが、これに限るものではなく、トナー補給装置160Yが備えている回転力の駆動源たる凸部62b1,62b2と係合しやすい形状であればよい。
【0060】
このように、トナーが排出される一端側でなく、底部側38−2に回転力伝達用の軸方向突起38c1,38c2を形成したので、排出口38a側での振れを極力小さくすることができる。また、中心軸線O−Oを中心として該中心軸線O−Oから離間している2つの軸方向突起38c1,38c2を設け、偶力に近い回転力が作用するような構成としたので、回転に際してトナー容器38が半径方向に飛び出す力を受けることがなく、よって、飛び出し防止用の対策が不要若しくは軽減されるので、構成を簡易にして安定したトナー供給が可能となる。
【0061】
リング部材120は図9、図10に示すように、トナーの排出口38aとは異なるトナー容器38の底部38−2に回転自在にかつ、該回転に際しても該リング部材120がトナー容器38に対して軸長手方向にずれないようにして嵌装することができるように構成されている。図10(a)は図10(b)のP−P矢視断面図である。このようにずれを生じさせないように嵌装するための嵌装手段は、図9,図10において、底部38−2に形成した凸状外径部38−2aと、リング部材120の内径部に形成した3つの弾性爪部材120−1a、120−1b、120−1cと、リング部材120の内径部に形成した3つのストッパ120−1A,120−1B,120−1C等である。凸状外径部38−2aと容器本体38−1との間には、図8に符号38−4で示すように溝が形成されている。
【0062】
3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cは、リング部材120の内径円周上に均等に3分割された位置に位置し、一端側をリング本体に一体化された片持状の弾性部材からなる。これら隣り合う弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cの各間には、同じく片持状のストッパ保持部材が位置し、これら3個のストッパ保持部材には、ストッパ120−1A,120−1B,120−1Cが形成されている。これら、3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cおよび3つのストッパ保持部材の基端側の部位はすり割部を介して分割されているものの、全体として円形の内周面を構成し、凸状外径部38−2aの外径に嵌合したときには、回転振れを生じさせずに摺動回転自在の寸法に形成されている。
【0063】
3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cの自由端部は、内側に折曲した鈎状の形状をしている。図9に矢印Qで示すように、リング部材120を凸状外径部38−2aに押し込むことにより、リング部材120をトナー容器38に回転可能に装着することができる。この装着に際しては、3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cの自由端側がたわみ、爪の部分が凸状外径部38−2aを乗り越え、溝38−4内に入り込む。このとき、3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cとストッパ120−1A,120−1B,120−1Cとは、凸状外径部38−2aを摺動自在のゆとりをもって挾むことになる。このように、リング部材120は一旦、嵌装されると、容易に外すことができない。これは、リング部材120の機能を全うさせるための手段である。分解を不能とするため、3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cは、凸状外径部38−2aの角の直角部に合わせて、直角の折曲部を有し、この折曲部が凸状外径部38−2aの角の直角部に倣い、軸方向の抜け止めと分解不能機能とを果たしている。
【0064】
凸状外径部38−2aは3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cとストッパ120−1A,120−1B,120−1Cにより挾まれているので、トナー容器38はリング部材120に対して回転できるが軸方向にずれない。
【0065】
図11において、リング部材120の一端側はトナー容器38の容器本体38−1の端縁部に近接して対向しており、かつ、凸状外径部38−2aは容器本体38−1の径よりも小径に形成されてこの径差により形成されるトナー容器38の端面部が弾性爪120−1a,120−1b,120−1cを覆う。その上、前記したように、トナー容器38はリング部材120に対して軸方向での移動ができない状態となっているので、外部から3つの弾性爪部材120−1a,120−1b,120−1cを操作することができず、これにより、リング部材120の分解が事実状できない。無理に外力を作用させて分解しようとすれば、トナー容器38の凸状外径部38−2aを損なうこととなる。
【0066】
このようにリング部材120をトナー容器38から分解不能としているのは、後述するようにリング部材120は、非・互換性、スタンド機能、回り止め機能の何れか1つ又は、全部を具備するものであるから、トナー容器38と一体不離の関係とすることが重要だからである。
【0067】
リング部材120は軸長手方向に所定の幅Wを有している。図11は、リング部材120をトナー容器38の凸状外径部38−2aに嵌装した状態で、当該リングを図10(b)におけるP−O−P矢視断面に相当するラインで切断した場合を想定して表わした断面図である。図11からわかるように、所定幅Wの大きさは、組立て状態において、一端側がトナー容器38の容器本体38−1の端面に接するように、かつ、他端側がセンタ38bのよりも外方に位置するように、設定されている。つまり、リング部材120の他端側の面はセンタ38bの面よりも高くなっている。よって、センタ38bはもちろん、軸方向突起38c1,38c2についても、リング部材120の他端側の内側にある。
【0068】
このため、リング部材120付きのトナー容器38は、図7に示すように、テーブル130などの平面上に立たせることができる。このようなリング部材120がない場合には、そのトナー容器38は、センタ38bがトナー容器38の底部より突出しているため、図7に示すように立たせることができない。従って、トナー容器の交換時などには横倒しに置くこととなるが、円筒形をしているトナー容器38は転がりやすいので、トナー容器の交換時などにおいて、テーブルなどの上から床面に落下することがある。その点、本例のようにリング部材120を組み合わせれば、安定的に直立させることができるので、落下事故を減少させることができる。
【0069】
図9において、リング部材120には、その外周面120aに、径方向に突出し、不動部材であり、画像形成装置本体側となるトナー補給装置のトナー受台42に形成された図12に示すストッパ200と係合するように形状および大きさが定められた位置決め部材121が形成されている。この例では、位置決め部材121は直方体状の形状をしている。一方、トナー受台42に形成されたストッパ200は、位置決め部材121に嵌合する大きさ、形状の矩形状をなしている。
【0070】
リング部材120には、外周面120aには、RFID122を挿入するための収納空間120bが外周面120aから外方に向かって突設されている。RFID122をリング部材120へ取り付けは、RFID122の動作に影響が出ない方法ならばいずれの方法でも良い。例えば、接着剤により接着する、図示しないシールなどでRFID122が挿入された収納空間120bをカバーするなどが考えられる。また、RFID122の外側にヒートシールを用いて固定する方法を用いても良い。
【0071】
図12(a)に示すように、収納空間120bの最外周部の移動軌道R1は、位置決め部材121の再外周部の移動軌道R2よりも内側とされている。すなわち、収納空間120bの外周面120aからの突出量は、位置決め部材121の外周面120aからの突出量ゆりも低く形成されている。このため、収納空間120bを外周面120aからの突出させても、その突出量は位置決め部材121よりも内側に配置されているので、収納空間120bがリング部材120の近傍に配置された部材との干渉を防止できるとともに、必要空間内に位置するので大型になることもない。
【0072】
RFID122は、図12(b)に示すように、位置決め部材121がストッパ200に当接したときに、画像形成装置本体100側に形成された情報通信手段となるアンテナ124と対向して、アンテナ124との間で通信できる位置を占めるように配置されている。アンテナ124は制御手段140と接続されている。
【0073】
このような構成とすると、RFID122を保持するリング部材120が、容器本体38−1に対して相対回転可能であり、画像形成装置本体100にトナー容器38をセットしたときに、同本体に対する位置決め部材121を備えているので、トナー容器38の位置決めをして画像形成装置本体100にセットしなくても、セット後に図3、図5、図6に示す駆動部60で容器本体38−1がセット方向に回転駆動すると、リング部材120も容器本体38−1との摩擦抵抗により一体的に回転する。そして、位置決め部材121がストッパ200と当接すると、リング部材120の回転は阻止されるが、容器本体38−1は位置まで回転し、駆動部60が停止することで、その回転が停止する。アンテナ124と通信可能な位置へのRFID122の位置決めが容易に行えるとともに、アンテナ124がRFID122から安定して情報を読み取ることができる。
【0074】
つまり、ユーザがトナー容器38をトナー補給装置160のトナー受台42に装着する際に、RFID122の位置を全く気にする必要はなく装着可能で、装着後はトナー容器38がトナーを排出する動作に応じてRFID122が必要な情報のやり取りが可能となる最適な位置になるように構成する事ができる。これにより、トナー容器38がトナーを排出する動作によらず、つねにRFID122との情報のやり取りが可能な最適な位置に位置決めできるため、トナー汚れの影響をほとんど受けることもなくなる。
【0075】
トナー容器38に対するリング部材120の取り付け形状についてもRFID122の動作に影響が出ない方法ならばよい。上記形態では、図13(a)に示すように、リング部材120の外周面120aに収納空間120bを突出させて形成し、その内側にRFID122を設置した。この場合、RFID122は収納空間120bに対して外側から挿入することができるので、製造時にRFID122の装着が非常に容易となる。
【0076】
別な形態としては、外周面120aから突出させるのではなく、図13(b)に示すように、リング部材120の外周面120aに凹部120cを形成し、その内側にRFID122を設置する事が挙げられる。
【0077】
このように構成すると、リング部材120の外周面120aを滑らかにすることができるとともに、径小とすることができ、小型化に貢献することができる。また、図13(c)に示す形態は、凹部120cをリング部材120の内週面に形成し、リング内側からRFID122を凹部120cに設置したものである。このような構成とすると、リング部材120の外周面120aがRFID122に対する防護壁として機能することになるので、トナーなどの外部からの汚れがRFID122に付着しにくくなり、より安定してアンテナ124がRFID122から情報を読み取ることができる。
【0078】
位置決め部材121には、トナー容器38の色非互換や機種の非互換の機能を持たせる事も可能である。一つの例を図14に示す。図14では、位置決め部材121の形状をトナーの色ごとに異なるように形成するとともに、画像形成装置本体100側に形成するストッパ200の形状も各色の位置決め部材121の形状に倣う形状とされている。
【0079】
このような構成とすると、各色のトナーボトル38に装着されているリング部材120の位置決め部材121の形状と、各色のトナー容器38に対応したストッパ200との形状が合わない限り、トナー容器38を各トナー補給装置160のトナー受台42に対して装着することができなくなるとともに、簡単な目視でも容易にトナー容器38が誤ってセットされたことを確認することができる。つまりこの位置決め部材121の形状の差異により色非互換あるいは機種非互換を行う事が可能となる。
【0080】
また、位置決め部材121を色毎に異なる形状にすればよいので、リング部材120の製造時に位置決め部材121の形状をトナーの色に合わせて異ならせて製造することで、部品点数を低減することができるとともに、製造工程を容易にすることができる。
【0081】
位置決め部材121の形状としては、たとえば図15に示すように、複数の位置決め部材121a、121bをトナー容器38の回転方向に配置するとともに、各位置決め部材121a,121bを容器軸方向にオフセットして配置する。そして、この位置決め部材121a,121bの間隔(位置)をトナーの色に応じて変更することで色非互換を行うことができる。また、位置決め部材121a,121bは2つではなく、3つ以上に増やす事でパターンが増え、機種非互換機能も追加する事が可能になる。
【0082】
このような構成とすると、RFID122を保持するリング部材120や位置決め部材121が非互換の機能を兼ねるので、部品点数を低減することができる。さらに、リング部材120と非互換の機能を形状で兼ねることで、製造方法を容易にすることができる。
【0083】
図16は、トナー補給装置160のトナー受台42に対してトナー容器38をセットしたときに、RFID122が、重力の方向を下として容器本体38−1の容器本体38−1の回転中心に対して垂直な断面において、回転中心を通る水平直線L1に対して上側の外周に位置するように配置したものである。これは、トナー容器38がトナー受台42にセットされてセット方向に駆動部60(図2参照)で回転されてストッパ200に位置決め部材121が当接したときに、RFID122が図16においてトナー容器38の真上に位置するように配置したものである。つまりRFID122は、トナー容器38上方空間に配置されている。この場合、アンテナ124は、セット位置を占めたRFID122と対向するようにRFID122よりも上方に配置している。
【0084】
このような構成すると、トナー容器38の着脱時に汚れやすい下側から遠いと場所となるトナー受台42の上方空間にRFID122を位置させて保持することができるので、トナー汚れによる影響を最小限することができる。すなわち、トナー容器38をトナー補給装置160のトナー受台42に装着する際、RFID122が常に水平方向で分割した際の上側に位置するため、トナーなどの汚れに対して非常に有利な構成とする事ができる。このため、より安定した情報通信を行える。
【0085】
図17は、位置決め部材121の重さで、トナー補給装置160のトナー受台42へのセット時のバランスを取ることを特徴としたものである。この形態では、位置決め部材121に錘125を装着ししている。
【0086】
このように、RFID122の対向位置に位置決め部材121が設けられており、位置決め部材121が任意の重量を持っていた場合には重力の影響で必然的にリング部材120が容器本体38−1に対して回転して位置決め部材121が最下点にくることとなる。このため、RFID122の配置が最高点に来る。そして、最高点に対した時のRFID122と対向する位置にアンテナ124を配置することで、より安定した情報通信を行える。また、錘125の作用により、トナー容器38がトナーを排出する動作の前、あるいは動作がなくともRFID122を所望の位置へ移動させることが可能になる。ここでは最高点にRFID122が位置するようにしたが、その他の位置を占めるようにしてもよい。なお、本形態では、RFID122の設置場所と対向する位置に位置決め部材121を形成し、この位置決め部材に錘125を配置して、リング部材120の重心位置を低くしたが、錘125により重心位置を変化させるのではなく、リング部材120よりも比重の大きい材質で位置決め部材121をリング部材120に形成してもよい。
【0087】
図18〜図22は、位置決め部材に磁力を用いる形態を説明する。
【0088】
図18に示すリング部材120には、位置決め部材として磁性部材の1つであるマグネット201がリングの外周面120aから外方に向かって突出して設けられている。本形態において、マグネット201の突出量は、収納空間120bの移動軌道R1よりも外側に位置するように設定したが、移動軌道R1よりも内側に配置してもよい。画像形成装置本体100側となるトナー補給装置160のトナー受台42には、受け部材となる磁性部材の1つであるマグネット202が配設されている。マグネット201とマグネット202の位置関係は、マグネット201とマグネット202の磁力によってリング部材120の回転が停止したときに、RFID122がアンテナ124と対向する位置を占めるような配置とされている。マグネット201とマグネット202の磁極は、図19に占めるように、互いに対向する面が逆極性となるように配置されている。
【0089】
図18では、マグネット201をリング部材120の外周面120aから突出させて配置したが、リング部材120の外周面120aや内周面に、図13に示す凹部120cと同様な凹部を形成し、同凹部内に配置してもよい。マグネット202の配置も、画像形成装置本体100からトナー容器38に向かって突出させる形態ではなく、トナー補給装置160のトナー受台42から突出させないように配置してもよい。
【0090】
このように、トナー容器38が有するリング部材120に位置決め部材としてマグネット201を配置し、トナー容器38をセットするトナー補給装置160のトナー受台42にもマグネット202を配置すると、容器本体38−1に対して相対回転可能なRFID122を保持するリング部材120が、トナー補給装置160のトナー受台42(画像形成装置本体100)にトナー容器38をセットしたときに、同本体に対する位置決め部材となるマグネット201を備えることになる。このため、トナー容器38の位置決めをしてトナー補給装置160のトナー受台42にセットしなくても、セット後に図3、図5、図6に示す駆動部60で容器本体38−1がセット方向に回転駆動すると、リング部材120も容器本体38−1との摩擦抵抗により一体的に回転する。そして、マグネット201がマグネット202と対向する位置を占めると、リング部材120の回転は阻止されるが、容器本体38−1はトナーを排出可能な所定の位置まで回転し、駆動部60が停止することで、その回転が停止する。このため、アンテナ124と通信可能な位置へのRFID122の位置決めが容易に行えるとともに、アンテナ124がRFID122から安定して情報を読み取ることができる。
【0091】
つまり、マグネット201とマグネット202にてRFID122の検出位置を決定することができるため、ユーザがトナー容器38を画像形成装置本体側に装着する際に、向きなどを全く気にせず挿入可能で、かつ、必要な情報のやり取りが可能となる位置へトナー容器38がトナーを排出する動作に応じてRFID122を移動することができる。これにより、トナー容器38がトナーを排出する動作によらず、つねにRFID122との情報のやり取りが可能であり、トナー汚れの影響をほとんど受けない構成とすることができる。また、磁性部材となるマグネットの磁力を利用して位置決め部材を構成すると、当接音の発生もないので、静粛性の点では位置決め部材121と突起部200による位置決め手段に比べて有利となる。
【0092】
図20は、リング部材120に複数の位置決め部材としてマグネット201a、201bをリング部材の移動方向に間隔を空けて配置するとともに、マグネット201a、201bの受け部材となるマグネット202a、202bをトナー補給装置160のトナー受台42(画像形成装置本体側)に配置したものである。マグネット201a、201bとマグネット202a、202bの磁極は、図21に占めるように、互いに対向する面が逆極性となるように配置されている。
【0093】
このように位置決め用のマグネットを複数組配置すると、1組の場合に比べて磁極、すなわち、リング部材120の回転力を停止させる制動力を大きくできるので、トナー容器38の重量が大きく、静止時の慣性力が大きい場合や、駆動時の回転速度が速い場合にも安定してリング部材120を、RFID122とアンテナ124との間での情報のやり取りする位置に固定することができる。このため、トナー汚れの影響をほとんど受けない構成とすることができる。アンテナ124がRFID122から安定して情報を読み取ることができる。
【0094】
図21に示す例では、マグネット201aとマグネット201bの磁極と、マグネット202aとマグネット202bの磁極の向きをそれぞれ同一方向としたが、図22に示すように、マグネット201aと磁極の向きを逆にしたマグネット201cや、マグネット202aと磁極の向きを逆にしたマグネット202cを配置してもよい。つまり、本形態では、互いに対向配置されていて、対角線上に位置するマグネット201aとマグネット202cおよびマグネット201cとマグネット202aの磁極がそれぞれ同一の磁極が対面するように配置している。
【0095】
このような構成とすると、マグネットを複数組配置したときの不具合として考えられる、狙いとは異なるマグネット間での吸着による位置決めを防ぐことができる。例えば、図21に示す場合では、対角線上に位置するマグネット201aとマグネット202bとが互いの対向面側において異なる磁極となっているので、これらの間で吸引力が作用してしまうと、リング部材120の停止位置がずれてしまう。しかし、図22に示すように、対角線上に位置するマグネット201aとマグネット202cと、マグネット201cとマグネット202aが、それぞれ対向面側において同一磁極となっているので、対角磁極間において吸引力の発生がなくなり、リング部材120の停止位置が設計上設定した狙いの位置で確実に停止することができる。
【0096】
上記形態では、情報記録素子として非接触方式のRFID122を例に説明したが、情報記録素子は非接触方式に限定されるものではない。たとえば、図23、図24に示すように、各形態のRFID122に代えての収納空間120bに接触型の情報記録素子126を配置し、位置決め部材121と突起部200でリング部材120が停止させたときに、接触型の情報記録素子126に接触して通信を行う接点端子127を画像形成装置本体側に配置してもよい。接点端子127は、制御手段140と接続されている。接点端子127の先端は、捩りコイルばねのように形成されていて、リング部材120の外周面120aに対して適度な圧力で接触するように構成されている。このため、接触型の情報記録素子126に対しても弾性を持って接触することになり、情報記録素子126の装着精度にばらつきがある場合でも、そのずれを許容することができる。
【0097】
また、このような接触型の情報記録素子126をリング部材120に装着した場合においても、図24に示すように、位置決め部材121の形状をトナーの色毎に異なる形状とすることで、間違った色のトナーを有するトナー容器38をトナー補給装置160のトナー受台42に装着しても、位置決め部材121と突起部200の形状が一致しない。このため、接触型の情報記録素子126と接点端子127とが接触しない位置でリング部材120が停止するため、制御手段140でセットミスを検出することができる。
【0098】
接触型の情報記録素子126としては、弾性を有する接点端子127で構成したが、板バネ等の弾性部材を用いて、情報記録素子126に接触するようにしてもよい。このように板バネ等の別部品を用いる場合、板バネ等の別部品は画像形成装置本体側となるトナー補給装置160のトナー受台42に設けても、トナー容器38側に設けても、どちら側に設けても構わない。また、接点端子127の弾性力を調整し、情報記録素子126と接点端子127との接触抵抗により情報記録素子126の位置を定めるようにしてもよい。この場合、上述の位置決め部材121やマグネットが不要となり、情報記録素子126と接点端子127とが位置決め部材として機能することになり、構成の簡素化を図ることができる。
【0099】
図18〜図22で示した磁力を用いて位置決する形態であるが、この形態では、マグネット201、201a〜201cをリング部材120に直接装着したが、位置決め部材121と併設した形態であってもよい。たとえば、図17に示す錘125に代えて図18に示すマグネット201を装着し、ストッパ200よりもリング部材120の回転方向上流側にマグネット202を配置する。このような構成とすると、異なる形式の位置決め部材を組み合わせることができる。この場合のメリットは、リング部材120の回転を位置決め部材121とストッパ200との接触により停止させる際に、位置決め部材121とストッパ200との当接前にマグネット201とマグネット202の吸引力を作用させることで、リング部材120の回転に制動力を与えることができるので、リング部材120の回転を確実に停止させつつも、位置決め部材121とストッパ200との当接音を低減することができる。
【0100】
図1に示した画像形成装置においては、ユーザの利用頻度や出力画像種類などは全く不明でありながら、必要な時に必要なだけトナーが各現像装置に供給される事が高画質に対して求められる。そのため、本形態で説明したトナー容器38を各色のトナーに対応したトナー補給装置160Y〜160Kに用いてトナー供給を行うことで、安定して各色の現像装置へトナー容器38からトナーを供給することが可能となり、高品質な画像を得ることができる。
【0101】
なお、図1から図24までの実施形態の特徴を請求項の形式でまとめると以下のようになる。
「請求項1」
粉体を収納する容器本体と、
前記容器本体の一端側に備えられ、同容器本体内の粉体を容器本体外部へ排出する排出口と、
前記容器本体に対して相対回転可能であり、接触または非接触により通信が可能な情報記録素子を保持する保持部材と、
前記保持部材に備えられ、画像形成装置本体にセットした時に前記画像形成装置本体側と係合して位置を定める位置決め部材とを有することを特徴とする粉体収納容器。
「請求項2」
粉体を収納する容器本体と、
前記容器本体の一端側に備えられ、同容器本体内の粉体を容器本体外部へ排出する排出口と、
前記容器本体に対して相対回転可能であり、接触または非接触により通信が可能な情報記録素子を保持する保持部材と、
前記保持部材に備えられ、画像形成装置本体にセットした時に前記画像形成装置本体側に配置した磁性部材により位置を定める位置決め部材を有することを特徴とする粉体収納容器。
「請求項3」
前記位置決め部材が色非互換あるいは機種非互換の機能を兼ねていることを特徴とする請求項1または2記載の粉体収納容器。
「請求項4」
前記非互換は、前記位置決め部材の形状の違いで行うことを特徴とする請求項2記載の粉体収納容器。
「請求項5」
前記非互換は、前記保持部材の位置の違いで行うことを特徴とする請求項3記載の粉体収納容器。
「請求項6」
前記情報記録素子は、前記容器本体が前記画像形成装置本体にセットされた時に、重力の方向を下として容器本体の回転中心に対して垂直な断面において、回転中心を通る水平直線に対して上側の外周に位置することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1つに記載の粉体収納容器。
「請求項7」
前記位置決め部材の重さで、前記画像形成装置本体へのセット時のバランスを取ることを特徴とする請求項1ないし6の何れか1つに記載の粉体収納容器。
「請求項8」
前記位置決め部材は磁性部材であり、前記画像形成装置本体にセットされたときの前記位置決め部材の位置を、前記画像形成装置側の磁性部材の磁力を用いて所定の位置に固定することを特徴とする請求項2ないし6の何れか1つに記載の粉体収納容器。
「請求項9」
前記情報記録素子が、前記画像形成装置本体側に位置された情報通信手段に対して接触した状態で、通信を行う接触型の情報記録素子の場合、
前記情報記録素子と前記情報通信手段との接触抵抗により前記接触型の情報記録素子の位置を定めることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1つに記載の粉体収納容器。
「請求項10」
前記保持部材の回転に伴う情報記録素子の移動軌道は、前記位置決め部材の移動軌道よりも内側に設定されていることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1つに記載の粉体収納容器。
「請求項11」
粉体収納容器内に粉体で収納されているトナーを現像装置に供給するトナー補給装置において、
前記粉体収納容器が請求項1ないし10の何れか1つに記載の粉体収納容器であることを特徴とするトナー補給装置。
「請求項12」
像担持体と、前記像担持体上に形成された潜像を現像する現像領域に現像剤を供給する現像装置と、前記現像装置にトナーを補給するトナー補給装置を備えた画像形成装置において、
前記トナー補給装置が請求項11記載のトナー補給装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0102】
次に封止部材を備えた現像剤補給容器となるトナー容器の実施形態について説明する。
【0103】
図26に示す封止部材300は、図27に示すトナー容器138に装着されるものである。トナー容器138は、トナー容器38同様、円筒形状の大径部である容器本体と、径が絞られた筒状の口金部138aとの間が、中間径の中間部でつながれている。中間部の外側には、図25に示すように、カバー部材330が介装されていて、容器本体138−1を回転可能に支持している。容器本体138−1には、図27に示すように、容器本体138−1が回転することで、その内部の現像剤を口金部138aに形成された排出口138bに向かって搬送する図示しないかトナー容器138同様の螺旋溝が形成されている。
【0104】
封止部材300は、図26,図27に示すように、互いに離脱可能に一体化された第1及び第2の装着部材を備えている。本形態において、第1の装着部材は排出口138bを開封/封印する本体部となる外側キャップ301であり、第2の装着部材は外側キャップ301に対して離脱可能に一体的に構成された伝達駆動部材となる歯車302で構成されている。
【0105】
図27に示すように、外側キャップ301は有底状の筒状をなし、口金口138aの外周面に形成された螺旋突起139と噛み合う螺旋溝304がその内面に形成されている。外側キャップ301は口金部138aにねじ込まれることで容器本体138−1に装着されて排出口138bを封印し、口金部138aから取り外されることで排出口138bを開封するように構成されている。本形態において、口金部138aの内側には、内側キャップ168が装着されている。この内側キャップ168は、トナー容器138が後述する現像剤補給装置360に装着された際に、現像剤補給装置360が備えている図3に示すものと同一機能を有するコレットチャック70によって排出口138bから抜かれることで、排出口138bを開放して容器本体138−1内の現像剤(トナー)を外部へ吐出可能とする。
【0106】
現像剤補給装置360の構成は、基本的には現像剤補給装置160と同一機能を備えていて、違う点は、駆動源の構成が、トナー容器138の後端側を駆動するのではなく、トナー容器138の口金部138aに装着された伝達駆動部材となる歯車302,402に回転力を与えるように構成されている点である。すなわち、トナー容器138が現像剤補給装置360に装着されると、図25に示す駆動源によって回転駆動可能とされる。この駆動源の構成は、特開平9−6115号公報に記載の図5と同様の構成によって達成できる。すなわち、駆動源370は、駆動モータ371の軸にウォーム歯車372が取り付けられ、このウォーム歯車372は中継歯車373と噛み合い、中継歯車373と同軸に取り付けられた駆動歯車374がトナー容器138の歯車302と噛み合うように構成されている。歯車302には、駆動モータ371によって回転駆動される駆動歯車374が、装置にセットされたときに噛み合うことで、回転駆動力が入力される。
【0107】
外側キャップ301と歯車302は、耐久性に優れたPOMで形成されていて、複数のスリットが形成された離脱部303で分離可能に一体化されている。本形態では外側キャップ301と歯車302を離脱部303で一体化したが、例えば点線上にスリットの入った粘着テープで両者を一体化する形態であっても良い。この場合、外側キャップ301を例えばPET、歯車302をPOMという異なる材質で形成することができるので、機能に見合った耐久性を確保できる。
【0108】
封止部材300が装着される口金部138aの外周には、螺旋突起139よりも容器本体138−1側に環状突起141と鍔部142が形成されている。環状突起141と鍔部142の間隔Wは、歯車302の軸方向への幅W1よりも幾分広く形成されている。口金部138aの端面から環状突起141までの長さWaと外側キャップ301の深さWa1は、封止部材300を口金部138aに装着した際に、歯車302が環状突起141と鍔部142の間の空間に位置するとともに、外側キャップ301の底部301aが口金部138aの端面に密着して排出口138bを封止するように形成されている。本形態では内側キャップ168が排出口138bに挿入されているので、底部301aで内側キャップ168のフランジ部168Aを押さえ込んでいる。
【0109】
環状突起141と鍔部142の径方向への突出量は、歯車302のボス部302aの直径よりも大径とされている。つまり、環状突起141と鍔部142は、両者の間に歯車302を配置することで、軸方向への位置決め部材として機能する。螺旋突起139側に形成されて環状突起141は、容器本体138−1側に位置する鍔部142よりも径方向への突出量が小さく形成されていて、装着/離脱性を良好にしている。
【0110】
歯車302のボス部302aの内部には、環状突起141の直径よりも径小となる爪部305が複数周方向に形成されている。各爪部305は、ボス部302aの端面を内側に屈曲させて周方向に部分的に切り欠き、径方向に弾性変形可能に形成したものである。本形態において、爪部305の屈曲部は、外側キャップ301と反対側、すなわち、口金部138a側に位置させている。
【0111】
環状突起141と鍔部142の間に位置する口金部138aの外周面には、図27,図28に示すように、少なくとも1つの回り止め部となる突起部143が形成されている。突起部143は環状突起141と連続するように形成されていて、その外面143aが環状突起141から鍔部142に向かうに従い突出量が減少する傾斜面とされている。本形態において、突起部143は、図29に示すように、環状突起141と鍔部142の間おいて周方向に複数間隔を空けて配設されている。突起部143の間隔は、爪部305の周方向への幅よりも広く形成されている。突起部143の高さは、歯車302に回転力が伝達されて回転した際に、爪部305が乗り越えない高さに設定されている。
【0112】
このような構成の口金部138aを有するトナー容器138に封止部材300を装着するには、内側キャップ168を排出口138b内に挿入した状態で、口金部138aの端面側から外側キャップ301を締め込んでいく。するとその途中で爪部305が環状突起141を乗り越える際に内側に折り畳まれる方向に弾性変形し、爪部305が環状突起141を乗り越えると歯車302が環状突起141と鍔部142の間に配置される。また爪部305が環状突起141を乗り越えると弾性変形が直って口金部138aの中央側に向かって起され環状突起141と係合する。この係合により、歯車302は図30に示すように環状突起141と鍔部142によって軸方向すなわち、離脱方向Mへの移動が規制される。このため、歯車302は抜け止めが成されて口金部138aに装着されるとともに、排出口138bは外側キャップ301によって封止される。このトナー容器138に封止部材300が装着された状態を、出荷時の状態とし排出口138bは封止状態となる。
【0113】
このような封止状態のトナー容器138を装置にセットするには、作業者が外側キャップ301を取り外す方向に回転する。すると、爪部305と突起部143の周方向へのガタ分だけ歯車302も外側キャップ301と同一方向に移動するが、爪部302が突起部143に周方向から当接して係合すると、歯車302の回転方向の移動が規制されることとなる。このため、離脱部303は周方向にスリットが形成されて周方向への強度が弱められているので、外側キャップ301を回転させると、図31に示すように、外側キャップ301と歯車302が離脱部303から分離される。よって、外側キャップ301を容器本体138−1から外して排出口138bを開封する際に、外側キャップ301と分離して容器本体138−1側に歯車302は残ることになる。つまり、外側キャップ301と一体化された歯車302は、外側キャップ301側にユーザやサービススタッフ等の作業者による回転力(開栓力)が加わったときに回転しようとするが、回転方向の移動が爪部305と突起部103によって規制されて略固定状態にあるので、回転力(開栓力)が離脱部303の限界を超えた時点で分離されることになる。
【0114】
また、使用済みのトナー容器138から歯車302を外すには、図32に示すように、歯車302を離脱方向Mとなる環状突起141へ引くと、爪部305の先端305aが環状突起141の内側面に引っかかる。そして歯車302に離脱方向Mへの所定の以上の負荷が加わると、屈曲状態の爪部305が先端305aと環状突起141との接触部を支点として反り返って起き上がり環状突起141を離脱方向Mへ乗り越えることで、トナー容器138から離脱する。
【0115】
このように、互いに離脱可能に一体化された外側キャップ301と歯車302からなる封止部材300をトナー容器138に装着し、装着状態において外側キャップ301に回転力が加えると、外側キャップ301と歯車302とが離脱部303が破壊することで相対回転して開封されるので、封止部材300組付性がよく、作業性もよくなる。
【0116】
また、この離脱部303の状態を作業者が確認することで、すなわち外側キャップ301が回転するか否かで、開封前のトナー容器138か開封後のトナー容器138であるかを容易に判断することも可能である。このため、トナー容器138の新旧検知を低コストで容易に作業性よく行える。また、この外側キャップ301が回転するか否かで、正規な製品であるかいなかも見分けることができる。
【0117】
歯車302を取り外した後は、新品の封止部材300を再びトナー容器138に装着すればよいので、トナー容器138と歯車302とを、それぞれの機能特性に応じた材質で形成することができ、製造時の制限が無くなり、製品としての耐久性が向上するとともにコストも低減できる。さらに、使用済みのトナー容器138から歯車302を取り外すことができるので、トナー容器138の清掃効率が良くなり、リサイクル率を高めることができる。
【0118】
図33,図34は、トナー容器138の口金部と封止部材の変形例を示すものである。図33(a)、(b)に記す封止部材300Aは、基本的には封止部材300と同様の外側キャップ301と歯車302が離脱部303で離脱可能に一体化されているが、歯車302に形成した爪部305Aが歯車302から軸方向に延びていて対角線上に2箇所形成されている点と、口金部138aに形成した抜け止め部材として機能する突起141Aの形状が異なっている。
【0119】
口金部138aには、螺旋突起139はなく、鍔部142と、鍔部142と口金部138aの間の周面に形成された段差部145と、各爪部305Aと係合する突起部146が形成されている。段差部145は、封止部材300Aを回転した際の爪部305Aの案内面を構成している。
【0120】
突起部146は、口金部138aにおいてトナー容器138の長手方向に延設されていて、段差部145よりも外方に突出して歯車回転方向への爪部305Aの回転移動を阻止する円周当接部146Aと、爪部305Aの離脱方向Mへの移動を規制する離脱規制部146Bと、離脱規制部146Bに形成された傾斜面146Cとを備えている。傾斜面146Cは、口金部138aの端面側か鍔部142に向かって登り傾斜となる傾斜面とされていて、封止部材300Aを装着する際に、爪部305Aが離脱規制部146Bを容易に超えられるように離脱規制部146Bへの案内面を構成している。
【0121】
このような構成の封止部材300Aの場合、口金部138aに装着して押し込むと、図34(a)、図34(b)に示すように、爪部305Aが離脱規制部146Bを乗り越える。このため、爪部305Aの先端が離脱規制部146Bと係合するので、離脱方向Mへの移動が阻止される。また円周当接部146Aにより爪部305Aの周方向への移動が規制される。このため、排出口138bが外側キャップ301によって封止される。このトナー容器138に封止部材300Aが装着された状態を、出荷時の状態とし排出口138bは封止状態となる。
【0122】
このような封止状態のトナー容器138を装置にセットするには、作業者が外側キャップ301を取り外す方向に回すと外側キャップ301に回転力(開栓力)を加わる。このとき、外側キャップ301と一緒に歯車302も回転しようとするが、円周当接部146Aにより周方向への移動が規制されるので、外側キャップ301と歯車302が離脱部303から分離される。よって、外側キャップ301を容器本体138−1から外して排出口138aを開封する際に、外側キャップ301と分離して容器本体138−1側に歯車302が残ることになる。つまり、外側キャップ301と一体化された歯車302は、外側キャップ301側に作業者による回転力が加えられることで、回転力(開栓力)が離脱部303の限界を超えた時点で分離されることになる。
【0123】
使用済みのトナー容器138から歯車302を外すには、図32に示すように、歯車302を駆動方向と反対方向に回転させる。すると、円周当接部146Aと爪部305A及び離脱規制部146Bと爪部305Aとの係合状態が解除され、爪部305Aが離脱方向Mへ容易に移動可能となって取り外すことできる。
【0124】
このように、互いに離脱可能に一体化された外側キャップ301と歯車302からなる封止部材300Aをトナー容器138に装着し、装着状態において、外側キャップ301に回転力を加えると、外側キャップ301と歯車302とが離脱部303が破壊することで相対回転して開封されるので、封止部材300Aの組付性がよく、作業性のよくなる。
【0125】
また、歯車302を取り外した後は、新品の封止部材300Aを再びトナー容器138に装着すればよいので、トナー容器138と歯車302とを、それぞれの機能特性に応じた材質で形成することができ、製造時の制限が無くなり、製品としての耐久性が向上するとともにコストも低減できる。さらに、使用済みのトナー容器138から歯車302を取り外すことができるので、トナー容器138の清掃効率が良くなり、リサイクル率を高めることができる。
【0126】
本形態では2つの爪部305Aに対応するように突起部146を部分的に口金部138aに形成したが、バックラッシュや歯車302に入力される駆動力の増大による歯車302の回転方向に対してカウンター方向への負荷要因が多い場合には、爪部305Aが突起部146から外れてしまうことも想定される。
【0127】
このような場合には、図35に示すように、爪部305を歯車302のボス部302aに追加するとともに、口金部138aの全周に環状突起141を追加して、複数組の爪部305、305Aと、複数組の突起部141、146で歯車302の離脱を阻止するようにしても良い。
【0128】
図36は、封止部材300の外側キャップ301の底部301aに開口部301bを形成したものである。内側キャップ168は、その中央部が容器内部に向かって窪んでいると共に中央部に開口168bが形成されている。この開口168b内には通気性を有するがトナーは通過させないフィルタ168cが挿入されていて、容器内部と外部で気圧の変化が生じても、内側キャップ168が外れないように構成されている。また、外側キャップ301には開口部301bを形成しているので、フィルタ168cの通気性を阻害することがない。また、この開口部301bを、内栓キャップ168を摘んだり離したりするコレットチャック70(図3参照)を挿入可能な大きさとすると、外側キャップ301を外すこと無く、装置にセットし、駆動源から回転駆動力が歯車302に伝達されても、外側キャップ301と歯車302を分割することができる。そして、コレットチャック70を作動して内側キャップ168を排出口138bから引き抜くことで容易に開放することができる。このため輸送時にトナーの噴出しが少なくなるトナー容器138を提供することができるようになる。
【0129】
上記形態では、伝達駆動部材を歯車(平歯車)302として説明したが、このような形態に限定されるものではない。伝達駆動部材の別な形態としては、例えば図37に示すように、外側キャップ301に分離部303を介して分離可能に一体化された円板部307に軸方向へ突出した複数の突起部308A、308Bを形成し、この突起部308A、308Bに回転力を伝達して伝達駆動部材としてもよい。突起部308は同一形状であってもよいし、異なる形状としても良い。また、伝達駆動部材として歯車を用いる場合、平歯車ではなく、例えば図38に示ように、外側キャップ301に分離部303を介して分離可能に一体化された円板部307に軸方向突出した歯部309を環状に形成し、当該歯部309に回転力を伝達して伝達駆動部材としてもよい。
【0130】
なお、外側キャップ301の表面は平滑面でも良いが、作業者が手で回す場合、外側キャップ301の表面にローレットのような凹凸部を形成することで、トナー容器138に各封止部材300,300Aをセットする際に、滑らずにねじ込みや取り外し操作を行えるようになるので好ましい。
【0131】
図39から図42を用いて、封止部材の別な形態を説明する。図39に示す封止部材400は、互いに離脱可能に一体化された第1及び第2の装着部材を有し、第1の装着部材または第2の装着部材に図25に示す駆動歯車374から回転力(回転駆動力)が入力された時に、第1及び第2の装着部材を分離させるものである。本形態において、第1の装着部材は容器本体138−1に装着される図42に示すカバー部材330に係合する固定部材401であり、第2の装着部材は固定部材401に対して離脱可能に一体的に構成されていて、回転力(回転駆動力)が入力されることで、固定部材401と分離して容器本体138−1側に残る伝達駆動部材としての歯車402である。この封止部材400も基本点には固定部材401と歯車402が離脱部403で離脱可能に一体化されている。固定部材401と歯車402の中央には、排出口168bに連通する孔401aが形成されていて、装置に装着されてコレットチャック70が作動すると、コレットチャック70が挿入可能とされている。孔401aの周囲には、トナー容器138へ装着時に内側キャップ168のフランジ部168aを押さ付ける押さえ部401bが形成されている。
【0132】
封止部材400は、トナー容器138と別の材料で作成することが可能であるので、伝達駆動に適した材料を用いることが可能である。通常、トナー容器138は、PETやPEで製造されることが多く伝達駆動には不利な材料である。特にトナー容器138をリサイクルして使う際には、使用回数が限定されてしまう。このため、伝達駆動部材となる歯車402にはPOM等が用いることが多い。伝達トルクが大きい場合には、金属を用いることも可能である。この点は歯車302にも共通して言える内容である。歯車402の構成は、歯車302と同一構成であり、図40に示すように複数の爪部405がボス部402aに形成されている。
【0133】
このような構成の封止部材400を、口金部138aを有するトナー容器138に装着するには、内側キャップ168を排出口138b内に挿入した状態で、口金部138aの端面側から封止部材400を口金部138aに押し込んでいく。するとその途中で爪部405が環状突起141を乗り越える際に内側に折り畳まれる方向に弾性変形し、爪部405が環状突起141を乗り越えると歯車402が環状突起141と鍔部142の間に配置される。また爪部405が環状突起141を乗り越えると弾性変形が直って口金部138a中央側に向かって起され環状突起141と係合する。このため、歯車402は環状突起141と鍔部142によって軸方向すなわち、離脱方向Mへの移動が規制されることで抜け止めが成されて図41に示すよう、口金部138aに装着される。このトナー容器138に封止部材400が装着された状態を、出荷時の状態とし排出口138bは封止状態となる。
【0134】
このような封止状態のトナー容器138を装置にセットするには、図42(a)に示すように、作業者がカバー部材330内にトナー容器138にセットされた封止部材400を挿入する。そして、固定部材401の形状とカバー部材330内の内部形状とが合わさったところで、トナー容器138とカバー部材330とが一体化された状態となる。このため、封止部材400を容易にトナー容器138に装着することができるので、組付性がよく、作業性も向上する。このとき、歯車402と固定部材401は離脱部403によって一体化されているので、トナー容器138とカバー部材330とは一緒に回転しようとするが、両者が回転しないことで封止状態であることを作業者が確認することができる。
【0135】
トナー容器138とカバー部材330が一体化されたものを装置にセットして、図42(b)に示すように、駆動歯車374と歯車402とを噛合状態とする。そして、駆動歯車374から歯車402に開栓力となる回転駆動力が伝達されると封止部材400全体が回転しようとする。しかし固定部材401はカバー部材330内に固定されて回転方向への移動が阻止されるため、歯車402側だけが回転しようとするため、歯車402と固定部材401とが離脱部403で分離されることになる。つまり、互いに離脱可能に一体化された固定部材401と歯車402からなる封止部材400をトナー容器138に装着し、装着状態において歯車402に回転駆動力が入力されると、離脱部403が破壊されて、固定部材401と歯車402とが分離する。このため、固定部材401と歯車402とが一体で回転するか否かの状態を作業者が確認することで、開封前のトナー容器138か開封後のトナー容器138であるかを容易に検査することができる。
【0136】
使用済みのトナー容器138から歯車402を外すには、図43に示すように、歯車402を離脱方向Mとなる環状突起141側へ引く。すると、爪部405の先端405aが環状突起141の内側面に引っかかる。そして歯車402に離脱方向Mへの所定の以上の付加が加わると、屈曲状態の爪部405が、その先端と環状突起141との接触部を支点として反り返って起き上がり、環状突起141を離脱方向Mへ乗り越えることで、トナー容器138から離脱する。固定部材401と歯車402とが分離されることで、新旧検知を低コストで容易に作業性よく行える。
【0137】
歯車402を取り外した後は、新品の封止部材400を再びトナー容器138に装着すればよいので、トナー容器138と歯車402とを、それぞれの機能特性に応じた材質で形成することができ、製造時の制限が無くなり、製品としての耐久性が向上するとともにコストも低減できる。さらに、使用済みのトナー容器138から歯車402を取り外すことができるので、トナー容器138の清掃効率が良くなり、リサイクル率を高めることができる。
【0138】
ところで、歯車402や歯車302は、駆動歯車374からの回転力をトナー容器138に伝達駆動する部分であるため、摩擦係数の大きな材料や、磁石等を内包しても良い。伝達駆動部材の歯車402以外の構成としては、すでに図37,図38で説明した複数の突起部308A、308Bや歯車309を形成し、これら突起部や歯車に回転力を伝達して伝達駆動部材としてもよいし、あるいはピンや歯車等を円板部407に軸方向へ突出して形成して伝達駆動部材としてもよい。
【0139】
本形態では、固定部材401の外形は、カバー部材330内に配置されたときに回転しないように6角形とし、カバー部材330の内部形状の一部にも固定部材401がはまり込むように同一形状とした凹部を形成して回り止めとしているが、固定部材401や凹部の形状はこれ以外であってもよい。固定部材401の変形例を図44に示す。図44(a)は固定部材401の外形を小判型としたもので、図44(b)は筒状の外周面にローレットなどの凹凸部408を形成して摩擦係数を多くしたものである。図4(c)は筒状の外周部に円弧状の窪み部409を複数形成したものである。無論この場合、カバー部材330内には窪み部409に挿入される円弧状のリブを形成して固定部材401を回転しないように固定する。
【0140】
このような固定部材401やカバー部材330内の内部形状を、例えばトナーの色やトナー容器138を装着する装置の種類に応じて変更することで、誤った色のトナー容器138や誤った装置のトナー容器138の装着を未然に防止することができる。つまり色非互換や装置非互換のための手段として用いることができる。
【0141】
図44(a)〜図44(c)では、固定部材401の形状を変更したが、固定部材401の大きさをトナーの色や装置の種類に応じて変更しても、色非互換や装置非互換機能を達成することができる。図44(d)、図44(e)は、固定部材401の外周面に周方向に伸びる溝410や固定部材401の外周面から突出した突起411を形成したものである。無論この場合も、カバー部材330には溝410や突起411に対応する凸起や凹部を形成しておく。
【0142】
各封止部材に共通することであるが、図45に示すように、歯車302や歯車402にその円板部分の肉抜きをして軽量化を図ることができる。肉抜箇所は図45の場所に限定されるものではなく、別な場所であってもよく、型抜きしやすい部位に設定することが望ましい。
【0143】
上記形態では、歯車302,402に爪部305,305A、405をそれぞれ形成して、トナー容器138の口金部138aに形成した突起部143や突起部146に引っ掛けてトナー容器138と一体回転するように構成したが、図46に示すように、口金部138aの周部に、周方向に延びる円弧状溝412を形成し、この円弧状溝412内に爪部305,305A、405等を挿入してトナー容器138と歯車302,402とを一体回転するように構成してもよい。
【0144】
上記形態で説明した内側キャップ168としては、図47に示すように、トナー容器138の口金部138aの長さよりも長い羽部168Aを複数形成したものであってもよい。
【符号の説明】
【0145】
1(Y、M、C、K)像担持体
5(Y、M、C、K)現像装置
38,138 粉体収納容器
38-1,138-1 容器本体
38a,138b 排出口
100 画像形成装置本体側
160,360(Y、M、C、K)現像剤補給装置
300,300A,400 封止部材
301 第1の装着部材(本体部)
302,402 第2の装着部材(伝達駆動部材)
305,305A 爪部
308,309 第2の装着部材(伝達駆動部材)
330 カバー部材
401 第1の装着部材(固定部材)
405 爪部
M 離脱方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0146】
【特許文献1】特開平09−6115号公報
【特許文献2】特開2007−178969号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口から容器外部に排出する現像剤収納容器に装着される封止部材であって、
前記封止部材は、互いに離脱可能に一体化された第1及び第2の装着部材を有し、前記第1の装着部材または第2の装着部材に回転力が入力された時に、第1及び第2の装着部材が分離して第1の装着部材のみが前記容器本体から離脱することを特徴とする封止部材。
【請求項2】
前記第1の装着部材は前記排出口を開閉する本体部であり、
前記第2の装着部材は、前記本体部に対して離脱可能に一体的に構成されていて、前記本体部を前記容器本体から外して前記排出口を開封する際に、前記本体部と分離して前記容器本体側に残るともとに、前記回転力が入力される伝達駆動部材であることを特徴とする請求項1記載の封止部材。
【請求項3】
前記第1の装着部材は前記容器本体に装着されるカバー部材に係合する固定部材であり、
前記第2の装着部材は、前記固定部材に対して離脱可能に一体的に構成されていて、前記回転力が入力されることで、前記固定部材と分離して前記容器本体側に残る伝達駆動部材であることを特徴とする請求項1記載の封止部材。
【請求項4】
前記固定部材とカバー部材は、前記容器本体に収納される現像剤の色に応じて互いに相似する形状に形成されていることを特徴とする請求項3記載の封止部材。
【請求項5】
前記伝達駆動部材は、前記容器本体への装着時には、前記容器本体の一部に係合して離脱方向への移動が規定され、前記離脱方向へ所定の以上の付加が加わったときにその形状が変形して前記伝達駆動部材の離脱方向への移動を可能する少なくとも1つの爪部を有することを特徴とする請求項2、3または4記載の封止部材。
【請求項6】
前記伝達駆動部材は、前記駆動源からの駆動力が伝達された時に、前記爪部が前記容器本体の一部と係合して回転方向の移動が規制されることを特徴とする請求項5記載の封止部材。
【請求項7】
容器本体内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口から容器外部に排出する現像剤収納容器であって、
請求項1,2,4,5または6の何れか1つに記載の封止部材を備えていることを特徴とする現像剤収納容器。
【請求項8】
カバー部材と、カバー部材に回転自在に支持された容器本体とを備え、前記容器本体内に収納された現像剤を、その一部に形成された排出口から容器外部に排出する現像剤収納容器であって、
請求項1,3,4,5または6の何れか1つに記載の封止部材を備えていることを特徴とする現像剤収納容器。
【請求項9】
粉体収納容器内に粉体で収納されている現像剤を現像装置に供給する現像剤補給装置において、
前記粉体収納容器が請求項1ないし8の何れか1つに記載の粉体収納容器であることを特徴とする現像剤補給装置。
【請求項10】
像担持体と、前記像担持体上に形成された潜像を現像する現像領域に現像剤を供給する現像装置と、前記現像装置に現像剤を補給する現像剤補給装置を備えた画像形成装置において、
前記現像剤補給装置が請求項9記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2011−197159(P2011−197159A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61682(P2010−61682)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】